JP5190372B2 - 躁病および双極性障害を治療するためのベンゾ縮合複素環スルファミド誘導体の使用 - Google Patents

躁病および双極性障害を治療するためのベンゾ縮合複素環スルファミド誘導体の使用 Download PDF

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Description

関連出願に対する相互参照
本出願は、2005年12月19日付けで出願した米国仮出願60/751,493(引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)の利点を請求するものである。
本発明は、躁病および双極性障害を治療する目的でベンゾ縮合複素環スルファミド誘導体を用いることに向けたものである。
双極性障害は、気分が躁(または軽躁)から鬱に予測不能に揺れ動くことを特徴とする精神医学的障害である。ある患者は反復して起こる躁の発作のみに苦しんでおり、これの純粋な形態は増加した精神運動活動、過度の社会的外向性、睡眠必要性の低下、判断の衝動性および障害、そして拡張的で誇大的かつ時には怒りっぽい気分を伴う。ひどい躁の患者は、統合失調症と区別不能な妄想および被害妄想的考えに苦しむ。双極性障害にかかっている患者の半分は精神運動性激越および活動と不快、不安およびいらだちが混ざり合った状態を示す。混合型躁病と激越性鬱病を区別するのは困難であり得る。ある双極性患者(双極性II障害)の場合、躁であると言った完全な判断ができず、必須な繰り返す鬱と鬱の間を隔てている期間は軽度活動および高いエネルギー(軽躁)状態にある。気分循環性障害の場合、数多くの軽躁期間(通常は比較的短い期間)と一群の鬱症状(ひどさまたは持続期間のいずれかの点で大鬱病の基準に合致しない)が交互に存在する。気分変動は慢性的であり、診断が成される前にそのような変動が2年間存在すべきである。
躁症状の発現は典型的に数日から数週間かけて現れるが、発症は数時間以内に起こり得、通常は早朝に起こり得る。鬱または躁のいずれも症状発現の治療をしないでおくとそれは短くて約数週間または長くて8から12カ月持続する可能性はあるが、その後も軽減しない慢性の過程を有する患者は稀である。鬱または躁のいずれかの症状の発現を所定年内に4回以上起こす患者には用語「急速循環」が用いられる。このようなパターンは全患者の中の15%に起こり、そのような患者はほとんど全部が女性である。ある場合には、急速循環は根本的甲状腺機能異常に関係しており、他の場合には、抗鬱治療が長期に渡ることが医原的に引き金になる。患者の約半分は、仕事の遂行および社会心理的機能に困難さを持続的に有する。
双極性障害に苦しんでいる患者は、典型的に、そのような患者が“躁”、即ち“高”段階にあるか或は“鬱”、即ち“低”段階にあるかに応じて下記の種類の症状の不満を述べる。躁段階における症状には、これらに限定するものでないが、(a)身体的および精神的活動およびエネルギーの高まり、(b)高揚した気分、誇大楽観および自信;(c)過度のいらだち、攻撃的挙動;(d)疲労の経験無しに睡眠必要性の低下;(e)誇大妄想,自尊の誇張した感覚;(h)早口、速い思考、観念奔逸;(i)衝動性,判断力欠如,散漫性;(j)向こう見ずな行動、そして最もひどいケースでは,(k)妄想および幻覚が含まれる。鬱段階における症状には、これらに限定するものでないが、(a)長期の悲しみまたは説明不能な泣き言;(b)食欲および睡眠パターンの有意な変化;(c)いらだち、怒り、心配、動揺、不安;(d)悲観,無関心;(e)エネルギー損失、持続的無気力;(f)罪の意識、無価値;(g)集中不能、優柔不断;(h)以前の興味に楽しみが持てないこと、社会的引きこもり;(i)説明不能な鈍い痛みおよび鋭い痛み、および(j)死および自殺の考えを繰り返し持つことが含まれる。
双極性障害は一般的であり、米国の人口の〜1%に影響を与えている。発症は典型的に20から30歳の間に起こるが、多くの人は発病前症状を小児期後期または思春期に示すと報告されている。男性および女性の罹患率は同様であり、生涯に渡って女性の方が鬱状態を示す可能性が高くそして男性の方が躁症状を発現する傾向が高い。
炭酸リチウムが双極性障害治療の主力薬であるが、バルプロ酸ナトリウムおよびオランザピンも急性躁病に等しく有効であり、ラモトリジンが鬱段階に同様に有効である。炭酸リチウムに対する反応率は急性躁の場合には70から80%であり、有益な効果が1から2週間で現れる。リチウムはまた反復性躁の防止にも予防的に有効であり、かつ度合はより低いが、反復性鬱の防止にも有効である。リチウム投与による重大な副作用は稀ではあるが、軽微な不満、例えば胃腸の不快、吐き気、下痢、多尿、体重上昇、皮膚発疹、脱毛症および浮腫などが一般的である。
急性躁病を治療しようとする時、リチウムを300mg(bidまたはtid)で始めた後、用量を2から3日毎に300mgずつ多くして0.8から1.2meq/Lの血中濃度を達成する。リチウムの治療的効果が現れるのは治療を7から10日間実施した後であり得ることから、興奮を制御するにはロラゼパム(4時間毎に1から2mg)またはクロゼパム(4時間毎に0.5から1mg)を一緒に用いるのが有益であり得る。ベンゾジアゼピンに対する反応がある程度のみであるひどい興奮を示す患者には抗精神病薬が処方される。
バルプロ酸は、リチウムに耐えられないか或はそれに対する反応が劣る患者に用いられる代替薬である。急速循環(即ち症状発現を1年間に5回以上)に苦しんでいるか或は混合型または不快性躁を呈する患者にはバルプロ酸の方がリチウムより良好であり得る。振戦(tremor)および体重上昇が最も一般的な副作用であり、稀ではあるが肝毒性および膵炎がそれの毒性である。カルバマゼピンおよびオキソカルバゼピンは、以前には双極性障害用としてU.S.Food and Drug Administration(FDA)に認可されていなかったが、急性躁病の治療に臨床的効果を有する。予備的証拠により、また、他の抗けいれん薬、例えばレブチラセタム、ゾニサミドおよびトピラメートなどがある種の治療的利点を有する可能性があることも示唆されている。
双極性気分障害は反復的性質を有することから維持治療が必要とされている。順守が頻繁に問題になり、しばしば、関係する家族の協力および教育が必要である。症状発現の引き金になり得る心理社会的因子を識別して改変する努力が重要であると同様にライフスタイルの規則性が重要であることを強調する。ひどく耐えられないほどの鬱を治療しようとする場合に時として抗鬱薬療法が要求されるが、維持治療中には、それらの使用は一般に回避されるべきである、と言うのは、躁を促進させるか或は循環頻度を加速させる危険性があるからである。気分安定剤のいずれにも経時的効力損失が観察され得る。そのような場合には、代替の薬剤または治療が通常役立つ。
躁病および/または双極性障害の有効な治療を提供する必要性が存在したままである。そのような双極性障害の治療に好適には鬱と躁の治療を含める。より好適には、双極性障害の治療に、鬱、躁および循環(この障害の特徴である)の治療を含める。
発明の要約
本発明は、躁病および/または双極性障害を治療する方法に向けたものであり、この方法は、それを必要としている被験体に式(I)
Figure 0005190372
[式中、
およびRは、各々独立して、水素および低級アルキルから成る群から選択され;
は、水素および低級アルキルから成る群から選択され;
aは、1から2の整数であり;
Figure 0005190372
から成る群から選択され、ここで、
bは0から4の整数であり;そしてcは0から2の整数であり;
各Rは、独立して、ハロゲン,低級アルキルおよびニトロから成る群から選択されるが;但し
Figure 0005190372
の時にはaが1であることを条件とする]
で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩を治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
本発明は、更に、躁病および/または双極性障害の治療を必要としている被験体に式(II)
Figure 0005190372
で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩を治療的に有効な量で投与することを含んで成る躁病および/または双極性障害治療方法にも向けたものである。
本発明は、更に、本明細書に記述する如き式(I)または式(II)で表される化合物と少なくとも1種の抗精神病薬を治療的に有効な量で用いた共治療を施すことを含んで成る躁病治療方法にも向けたものである。本発明は、更に、本明細書に記述する如き式(I)または式(II)で表される化合物と少なくとも1種の抗鬱薬および/または少なくとも1種の抗精神病薬を治療的に有効な量で用いた共治療を施すことを含んで成る双極性障害治療方法にも向けたものである。本発明は、更に、本明細書に記述する如き式(I)または式(II)で表される化合物と少なくとも1種の気分安定剤を治療的に有効な量で用いた共治療(co−therapy)を施すことを含んで成る双極性障害治療方法にも向けたものである。
本発明の具体例は躁病を治療する方法であり、この方法は、それを必要としている被験体に上述した化合物のいずれかを治療的に有効な量で投与することを含んで成る。本発明の具体例は双極性障害を治療する方法であり、この方法は、それを必要としている被験体に上述した化合物のいずれかを治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
1つの態様において、本発明は、躁病の治療に向けたものである。別の態様において、本発明は、双極性躁病の治療に向けたものである。別の態様において、本発明は、双極性鬱病の治療に向けたものである。別の態様において、本発明は、双極性障害の治療に向けたものである。別の態様において、本発明は、双極性循環の治療に向けたものである。別の態様において、本発明は、双極性障害に関連した鬱と躁の治療に向けたものである。更に別の態様において、本発明は、双極性障害に関連した鬱、躁および循環の治療に向けたものである。更に別の態様において、本発明は、循環の安定化を包含する双極性障害治療方法に向けたものである。従って、1つの態様において、本発明は双極性循環を安定化させる方法に向けたものである。
発明の詳細な説明
本発明は、躁病および/または双極性障害を治療する方法に向けたものであり、この方法は、それを必要としている被験体に式(I)
Figure 0005190372
[式中、
Figure 0005190372
a,R,RおよびRは、本明細書で定義する如くである]
で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩を治療的に有効な量で投与することを含んで成る。より具体的には、本発明の化合物は、原因に関係なく躁病の治療で用いるに有用である。その上、本発明の化合物は、双極性障害に特徴的であるか、それの症状であるか或はそれに関連した鬱、躁および/または循環の治療で用いるに有用である。
本発明は、更に、躁病、双極性鬱病、双極性躁病、双極性循環および/または双極性障害を治療する方法に向けたものであり、この方法は、それを必要としている被験体に本明細書に記述する如き式(I)または式(II)で表される化合物と少なくとも1種の抗鬱薬および/または少なくとも1種の抗精神病薬および/または少なくとも1種の気分安定剤を一緒に用いた共治療を施すことを含んで成る。
双極性障害は、躁(または軽躁)と鬱の気分が予測不能に揺れ動くことを特徴とする精神医学的障害である。本明細書で用いる如き用語“双極性障害”は、双極性障害I(例えば躁症状発現が1回、最も最近起こった軽躁症状発現、最も最近起こった躁症状発現、最も最近起こった混合型症状発現、最も最近起こった鬱症状発現および最も最近起こった特定不能な症状発現)、双極性障害II、気分循環性障害および特定不能な双極性障害(これらの用語はDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,第4版,Text Revision,American Psychiatric Association,2000(DSM−IV−TR)に示されている診断基準によって定義される如くである)を包含する。そのような双極性障害はとりわけ鬱と躁(または軽躁)段階が循環することで特徴づけられる。そのような双極性障害はとりわけ双極性障害Iまたは双極性障害IIである。
本明細書で用いる如き用語“躁病”は、根本の原因に関係なく躁病または躁的気分段階を包含する。本明細書で用いる用語“双極性躁病”は双極性障害に関連するか、それの特徴であるか或はそれの症状を有する躁病を意味することを意図する。従って、本発明の双極性躁病治療方法は、躁病および/または双極性障害の躁段階を治療する方法に向けたものである。
本明細書で用いる如き用語“双極性鬱病”は、双極性障害に関連するか、それの特徴であるか或はそれの症状を有する鬱病を意味することを意図する。従って、本発明の双極性鬱病治療方法は、鬱病および/または双極性障害の鬱段階を治療する方法に向けたものである。
本明細書で用いる如き用語“循環”または“双極性循環”は、特に明記しない限り、双極性障害の特徴である鬱段階と躁段階の間の気分が相互に存在することを指す。従って、本発明は前記循環を安定化させる方法を包含し、それには、これらに限定するものでないが、前記循環の頻度の減少および/または躁および/または鬱段階の大きさの低下が含まれる。
本明細書で用いる如き用語“気分安定剤”は気分を制御する薬剤のいずれも包含し、それには、これらに限定するものでないが、リチウム,バルプロ酸,バルプロ酸ナトリウム,カルバマゼピン,ラモトリジン,トピラメートなどが含まれる。より具体的には、気分安定剤は、患者の気分を安定化させる薬剤のいずれかであり、これは抗鬱薬、抗躁薬または両方として働く可能性があり、患者の気分をエウシミア(euthymia)に偏らせる。
本明細書で用いる如き用語“抗鬱薬”は、特に明記しない限り、鬱病を治療する薬剤をいずれかを意味する。適切な例には、これらに限定するものでないが、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、例えばフェネルジン,トラニルシプロミン,モクロベミドなど;三環系薬、例えばイミプラミン,アミトリプチリン,デシプラミン,ノルトリプチリン,ドキセピン,プロトリプチリン,トリミプラミン,クロミプラミン,アモキサピンなど;四環系薬、例えばマプロチリンなど;非環系薬、例えばノミフェンシンなど;トリアゾロピリジン、例えばトラゾドンなど;セロトニン再摂取阻害剤、例えばフルオキセチン,セルトラリン,パロキセチン,シタロプラム,フルボキサミンなど;セロトニン受容体拮抗薬、例えばネファザドンなど;ノルアドレナリン作動性セロトニン再摂取阻害剤、例えばベンラファクシン,ミルナシプランなど;ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性薬、例えばミルタザピンなど;ノルアドレナリン再摂取阻害剤、例えばレボキセチンなど;非定型抗鬱薬、例えばブプロピオンなど;天然産物、例えばカバカバ,セントジョンズワートなど;栄養補助食品、例えばs−アデノシルメチオニンなど;および神経ペプチド、例えば甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンなど;神経ペプチド受容体を標的にする化合物、例えばニューロキニン受容体拮抗薬など;およびホルモン、例えばトリヨードチロニンなどが含まれる。そのような抗鬱薬を好適にはフルオキセチン,イミプラミン,ブプロピオン,ベンラファクシンおよびセルタリンから成る群から選択する。
本明細書で用いる如き用語“抗精神病薬”に、これらに限定するものでないが、(a)定型もしくは伝統的抗精神病薬、例えばフェノチアジン(例えばクロルプロマジン、チオリダジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、トリフルオペラジン、レボメプロマジン)、チオキサンテン(例えばチオチキセン、フルペンチキソール)、ブチロフェノン(例えばハロペリドール)、ジベンゾオキサゼピン(例えばロキサピン)、ジヒドロインドロン(例えばモリンドン)、置換ベンズアミド(例えばスルプリド、アミスルプリド)など、および(b)非定型(atypical)抗精神病薬、例えばジバルプロ酸ナトリウム、パリペリドン、クロザピン、リスペリドン、オランザピン、ケチアピン、ゾテピン、ジプラシドン、イロペリドン、ペロスピロン、ブロナンセリン、セルチンドール、ORG−5222(Organon)など、および他の抗精神病薬、例えばソネピプラゾール、アリピプラゾール、ネモナプリド、SR−31742(Sanofi),CX−516(Cortex),SC−111(Scotia),NE−100(Taisho)などを包含させることを意図する。
より具体的には、非定型抗精神病薬には、これらに限定するものでないが、下記が含まれる:
2−メチル−4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−10H−チエノ[2,3−b]ベンゾジアゼピン[オランザピン(olanzapine)として知られ、統合失調症、統合失調症様障害、急性躁病、軽度不安状態および精神病の治療に有用であるとして米国特許第5,229,382号に記述されており、推奨投薬量は5−30mg/日、好適には5−10mg/日である(Physician’s Desk Reference;Kaplan & Sadock’s Comprehensive Textbook of Psychiatry,第7版,II巻,Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia,2000)];
8−クロロ−11−(4−メチル−1−ピペラジニル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン[クロザピン(clozapine)として知られ、米国特許第3,539,573号に開示されており、Hanes他,Psychopharmacological Bulletin,24,62(1988)に記述されている統合失調症治療に臨床的効力を有し、推奨投薬量は12.5−600mg/日,好適には250−450mg/日である(Physician’s Desk Reference;Kaplan & Sadock’s Comprehensive Textbook of Psychiatry,第7版,Volume巻,Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia,2000)];
3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル)ピペリジノ]エチル]−2−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド−[1,2−a]ピリミジン−4−オン[リスペリドン(risperidone)として知られ、精神病の治療に有用であるとして米国特許第4,804,663号に記述されており、推奨投薬量は0.25−16mg/日,好適には1−16mg/日,より好適には2−8mg/日である(Physician’s Desk Reference;Kaplan & Sadock’s Comprehensive Textbook of Psychiatry,第7版,II巻,Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia,2000)];
3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル)−1−ピペリジニル]エチル]−6,7,8,9−テトラヒドロ−9−ヒドロキシ−2−メチル−H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン[パリペリドン(paliperidone)として知られ、また9−ヒドロキシ−リスペリドンとしても知られ、米国特許第5,5158,952号に記述されており、精神病学的障害の治療に有用であり、意図される投薬量は体重1kg当たり0.01mgから約2mg/日の範囲である];
1−[2−[3−[5−クロロ−1−(4−フルオロフェニル)−1H−インドール−3−イル]−1−ピペリジニル]エチル]イミダゾリジン−2−オン[セルチンドール(sertindole)として知られ、米国特許第4,710,500号に開示されていることに加えて米国特許第5,112,838号および米国特許第5,238,945号にセルチンドールを統合失調症の治療で用いることが開示されており、4mg/日の用量で出発して、1日おきに4mgずつ増加して24mg/日にし、最終的推奨投薬範囲は12から20mg/日である(Kaplan & Sadock’s Comprehensive Textbook of Psychiatry,第7版,II巻,Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia,2467−2468頁,2000);
5−[2−(4−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−11−イル−1−ピペラジニル)エトキシ]エタノール[ケチアピン(quetiapine)として知られ、統合失調症治療用として米国特許第4,879,288号に開示されており、推奨投薬量は25−800mg/日,好適には150−750mg/日である(Physician’s Desk Reference;Kaplan & Sadock’s Comprehensive Textbook of Psychiatry,第7版,II巻,Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia,2000)];
5−[2−[4−(1,2−ジベンゾイソチアゾール−3−イル)−1−ピペラジニル]エチル]−6−クロロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン[ジプラシドン(ziprasidone)として知られ、米国特許第4,831,031号および米国特許第5,312,925号に開示されていることに加えて、それを統合失調症の治療で用いることが米国特許第4,831,031号に開示されており、推奨投薬量は40−160mg/日であり、維持治療および再発防止に好適な投薬量は40から60mgで、日に2回である(Kaplan & Sadock’s Comprehensive Textbook of Psychiatry,第7版,II巻,Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia,2470−2471頁,2000);および
ビス(2−プロピルペンタン酸)水素ナトリウム[またジバルプロエクスナトリウム(divalproex sodium)としても知られ、米国特許第5212326号に記述されており、躁病を治療する時の推奨投薬量は750mg/日で開始して最大推奨投薬量は60mg/kg/日である(Physicians Desk Reference)]。
本明細書で用いる如き用語「被験体」は、治療、観察または実験の対象である動物、好適には哺乳動物、最も好適には人を指す。
本明細書で用いる如き用語「治療的に有効な量」は、研究者、獣医、医者または他の臨床医が探求している活性化合物または薬剤が組織系、動物または人に生物学的もしくは医薬的反応(治療を受けさせる病気または障害の症状の軽減を包含)を引き出す量を意味する。
本発明が式(I)または式(II)で表される1種以上の化合物と1種以上の抗精神病薬および/または抗鬱薬を投与することを含んで成る共治療または組み合わせ治療に向けたものである場合の“治療的に有効な量”は、薬剤を一緒に組み合わせた時にその組み合わせ効果によって所望の生物学的もしくは医薬的反応が現れるような量を意味する。例えば、式(I)または式(II)で表される化合物と少なくとも1種の抗鬱薬および/または少なくとも1種の抗精神病薬を投与することを含んで成る共治療の治療的に有効な量は、前記式(I)または式(II)で表される化合物と抗鬱薬および/または抗精神病薬を一緒に投与するか或は逐次的に投与した時の組み合わせ効果が治療的に有効であるようなそれらの量であろう。その上、本分野の技術者は、この上の例に示した如き治療的に有効な量を用いた共治療の場合の前記式(I)または式(II)で表される化合物の量および/または抗鬱薬および/または抗精神病薬の量は単独で治療的に有効な量であるか或は有効な量でなくてもよいことも認識するであろう。
本明細書で用いる如き用語“共治療”および“組み合わせ治療(combination therapy)”は、その治療を必要としている被験体に式(I)または式(II)で表される1種以上の化合物を1種以上の抗鬱薬および/または抗精神病薬と組み合わせて投与することで治療を実施することを意味し、この場合、前記式(I)または式(II)で表される化合物1種または2種以上と前記抗鬱薬1種または2種以上および/または抗精神病薬1種または2種以上を適切ないずれかの手段で同時、逐次的、個別または単一の製剤として投与する。式(I)または式(II)で表される化合物1種または2種以上と抗鬱薬1種または2種以上および/または抗精神病薬1種または2種以上を個別の剤形として投与する場合、各化合物を1日当たりに投与する投与回数は同じまたは異なってもよい。式(I)または式(II)で表される化合物1種または2種以上と抗鬱薬1種または2種以上および/または抗精神病薬1種または2種以上を同じまたは異なる投与経路で投与してもよい。適切な投与方法の例には、これらに限定するものでないが、経口、静脈内(iv),筋肉内(im),皮下(sc),経皮および直腸が含まれる。また、化合物を神経系に直接投与することも可能であり、それには、これらに限定するものでないが、脳内、脳室内、大脳室内、鞘内、嚢内、髄腔内および/または脊髄周辺投与経路(ポンプ装置の使用有り無しによる頭蓋内または脊髄内針および/またはカテーテルを用いた送達による)が含まれる。式(I)または式(II)で表される化合物1種または2種以上と抗鬱薬1種または2種以上および/または抗精神病薬1種または2種以上を同時または交互療法に従って治療過程中の同じまたは異なる時に分割または単一形態で同時に投与してもよい。
1つの態様において、本発明は、双極性障害に関連したか或はそれの特徴であるか或はそれの症状を有する鬱病を治療する方法に向けたものである。別の態様において、本発明は、双極性障害に関連したか或はそれの特徴であるか或はそれの症状を有する躁病を治療する方法に向けたものである。更に別の態様において、本発明は、双極性障害に関連したか或はそれの特徴であるか或はそれの症状を有する循環(鬱と躁または鬱段階と躁段階の間の)を治療する方法に向けたものである。
本発明の1つの態様では、Rを水素およびメチルから成る群から選択する。本発明の別の態様では、Rを水素およびメチルから成る群から選択する。本発明の更に別の態様では、RおよびRの各々が水素であるか或はRおよびRの各々がメチルである。
本発明の1つの態様では、−(CH−を-CH−および-CH−CH−から成る群から選択する。本発明の別の態様における−(CH−は-CH−である。
本発明の1つの態様では、Rを水素およびメチルから成る群から選択し、好適には、Rは水素である。
本発明の1つの態様におけるaは1である。
本発明の1つの態様におけるbは0から2の整数である。本発明の別の態様におけるcは0から2の整数である。本発明の別の態様におけるbは0から1の整数である。本発明の別の態様におけるcは0から1の整数である。本発明の更に別の態様では、bとcの合計が0から2の整数,好適には0から1の整数である。本発明の更に別の態におけるbは0から2の整数でありそしてcは0である。
本発明の1つの態様では、
Figure 0005190372
から成る群から選択する。本発明の別の態様では、
Figure 0005190372
から成る群から選択する。
本発明の1つの態様では、
Figure 0005190372
を2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル),3−(3,4−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキセピニル),2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(クロマニル),2−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−クロロ−ベンゾ[1,3]ジオキソリル),2−(7−ニトロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(8−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(2,3−ジヒドロ−ナフト[2,3−b][1,4]ジオキシニル)および2−(4−メチル−ベンゾ[1,3]ジオキソリル)から成る群から選択する。
本発明の別の態様では、
Figure 0005190372
を2−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル),2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)および2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)から成る群から選択する。本発明の別の態様では、
Figure 0005190372
を2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)および2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)から成る群から選択する。
本発明の1つの態様では、Rをハロゲンおよび低級アルキルから成る群から選択する。本発明の別の態様では、Rをクロロ,フルオロ,ブロモおよびメチルから選択する。
本発明の1つの態様では、前記式(I)で表される化合物の立体中心の配置はS配置である。本発明の別の態様では、前記式(I)で表される化合物の立体中心の配置はR配置である。
本発明の1つの態様における前記式(I)で表される化合物は、ある鏡像異性体が豊富に存在する混合物として存在し、ここで、鏡像異性体豊富度%(%ee)は約75%より上,好適には約90%より上,より好適には約95%より上,最も好適には約98%より上である。
本発明の追加的態様は、本明細書で定義する変項の中の1つ以上に関して選択した置換基(即ちR,R,R,R,X−YおよびA)が独立して本明細書で定義する如き完全なリストから選択した個々の置換基のいずれかまたは置換基サブセットのいずれかであるように選択した態様を包含する。
本発明の代表的化合物は以下の表1に示す如くである。本発明の追加的化合物は表3に示す如くである。以下の表1および2中の見出しが“立体”の縦列に、星付き結合の所に結合している複素環の炭素原子の所の立体配置を示す。表示無しに示す場合の化合物は立体配置混合物として生じた化合物である。“R”または“S”の表示を付けて示す場合の立体配置は、その鏡像異性体が豊富に存在する出発材料を基にした配置である。
Figure 0005190372
Figure 0005190372
Figure 0005190372
本明細書で用いる如き「ハロゲン」は、特に明記しない限り、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素を意味する。
本明細書で用いる如き用語「アルキル」は、特に明記しない限り、これを単独で用いるか或は置換基の一部として用いるかに拘らず、直鎖および分枝鎖を包含する。例えば、アルキル基にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチルなどが含まれる。”低級”をアルキルに関して用いる場合、特に明記しない限り、炭素原子数が1−4の炭素鎖組成物を意味する。
本明細書で用いる如き「アルコキシ」は、特に明記しない限り、上述した直鎖もしくは分枝鎖アルキル基の酸素エーテル基を表す。例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ヘキシルオキシなど。
本明細書で用いる如き記号「」は立体中心の存在を表す。
個々の基(例えばアルキル、アリールなど)が「置換されている」場合、そのような基は置換基のリストから独立して選択される置換基を1つ以上、好適には置換基を1から5個、より好適には置換基を1から3個、最も好適には置換基を1から2個持っていてもよい。
置換基の言及に関して、用語「独立して」は、そのような置換基が2個以上可能な場合にそのような置換基が互いに同じまたは異なってもよいことを意味する。
本開示の全体に渡って用いる標準的命名法の下では、表示する側鎖の末端部分を最初に記述し、その後、それに隣接する官能性を結合点に向かって記述する。従って、例えば「フェニル−アルキル−アミノ−カルボニル−アルキル−」置換基は、式
Figure 0005190372
で表される基を指す。
本明細書、特に本スキームおよび実施例で用いる省略形は下記の如くである:
DCC = ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCE = ジクロロエタン
DCM = ジクロロメタン
DIPEAまたはDIEA = ジイソプロピルエチルアミン
DMF = N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO = ジメチルスルホキサイド
EDC = エチルカルボジイミド
EtNまたはTEA = トリエチルアミン
EtO = ジエチルエーテル
EAまたはEtOAc = 酢酸エチル
EtOH = エタノール
IPA = 2−プロパノール
Hept = ヘプタン
HOBT = 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC = 高圧液クロ
LAH = 水素化リチウムアルミニウム
MまたはMeOH = メタノール
NMR = 核磁気共鳴
Pd−C = 炭素に担持されているパラジウム触媒
RP HPLC = 逆相高圧液クロ
RTまたはrt = 室温
TEA = トリエチルアミン
TFA = トリフルオロ酢酸
THF = テトラヒドロフラン
TLC = 薄層クロマトグラフィー
本発明に従う化合物がキラル中心を少なくとも1つ有する場合、それらはそれに応じて鏡像異性体として存在し得る。本化合物がキラル中心を2つ以上有する場合、それらは追加的にジアステレオマーとしても存在し得る。そのような異性体およびこれらの混合物の全部を本発明の範囲内に包含させると理解されるべきである。その上、本化合物が示す結晶形態のいくつかは多形として存在する可能性があり、このように、それらも本発明に包含させることを意図する。加うるに、本化合物の数種は水と一緒に溶媒和物(即ち水化物)または一般的有機溶媒と一緒に溶媒和物を形成する可能性があり、そのような溶媒和物もまた本発明の範囲内に包含させることを意図する。
本発明の化合物の塩を医薬(medicine)で用いる場合、これは無毒の「製薬学的に受け入れられる塩」を指す。しかしながら、本発明に従う化合物またはこれらの製薬学的に受け入れられる塩を調製する時に他の塩を用いることも有用である。本化合物の適切な製薬学的に受け入れられる塩には酸付加塩が含まれ、これらは、例えば本化合物の溶液を製薬学的に受け入れられる酸、例えば塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、こはく酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸または燐酸などの溶液と一緒に混合することで調製可能である。更に、本発明の化合物が酸性部分を持つ場合、これらの適切な製薬学的に受け入れられる塩には、アルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩など、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムまたはマグネシウム塩など、そして適切な有機配位子と一緒にした時に生じる塩、例えば第四級アンモニウム塩などが含まれ得る。このように、代表的な製薬学的に受け入れられる塩には下記が含まれる:
酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート(esylate)、フマル酸塩、グルセプテート(gluceptate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート(glycollylarsanilate)、ヘキシルレゾルシネート(hexylresorcinate)、ヒドラバミン(hydrabamine)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、燐酸塩/二燐酸塩、ポリガラクツロネート、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、こはく酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート(teoclate)、トシル酸塩、トリエチオジド(triethiodide)および吉草酸塩。
製薬学的に受け入れられる塩を調製する時に使用可能な代表的酸および塩基には下記が含まれる:
酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−樟脳酸、樟脳スルホン酸、(+)−(1S)−樟脳−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、蟻酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、しゅう酸、パルミチン酸、パモ酸、燐酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、こはく酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸およびウンデシレン酸を包含する酸、および
アンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、第二級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミンおよび水酸化亜鉛を包含する塩基。
式(I)で表される化合物の調製はスキーム1に概略を示す方法に従って実施可能である。
Figure 0005190372
従って、適切に置換されている式(X)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)とスルファミド(公知化合物)の反応を好適には前記スルファミドを約2から約5当量の範囲内の量で存在させて有機溶媒、例えばTHF,ジオキサンなど中で好適には約50℃から約100℃の範囲内の高められた温度、より好適にはほぼ還流温度で起こさせることで相当する式(Ia)で表される化合物を生じさせる。
別法として、適切に置換されている式(X)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)と適切に置換されている式(XI)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)を塩基、例えばTEA,DIPEA,ピリジンなどの存在下の有機溶媒、例えばDMF,DMSOなど中で反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせる。
Figure 0005190372
である式(X)で表される化合物の調製はスキーム2に概略を示す方法に従って実施可能である。
Figure 0005190372
従って、適切に置換されている式(XII)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)(例えばこの上のスキーム3に記述したようにして)とNHOH(公知化合物)を場合により有機溶媒、例えばアセトニトリルなど中で反応させることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせる。
式(XIII)で表される化合物と適切に選択した還元剤、例えばLAHなどを有機溶媒、例えばTHF,ジエチルエーテルなど中で反応させることで相当する式(Xa)で表される化合物を生じさせる。
Figure 0005190372
から選択される式(X)で表される化合物の調製はスキーム3に概略を示す方法に従って実施可能である。
Figure 0005190372
従って、適切に置換されている式(XIV)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)とNHOHをカップリング剤、例えばDCCなどの存在下で場合により有機溶媒、例えばアセトニトリルなど中で反応させることで相当する式(XV)で表される化合物を生じさせる。
前記式(XV)で表される化合物と適切に選択した還元剤、例えばLAHなどを有機溶媒、例えばTHF,ジエチルエーテルなど中で反応させることで相当する式(Xb)で表される化合物を生じさせる。
Figure 0005190372
から選択されそしてaが2である
式(X)で表される化合物の調製はスキーム4に概略を示す方法に従って実施可能である。
Figure 0005190372
従って、Jが適切な脱離基、例えばBr,Cl,I,トシル,メシル,トリフリルなどである適切に置換されている式(XVI)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)(例えば,JがOHである相当する化合物に活性化を受けさせることなどで)とシアン化物、例えばシアン化カリウム,シアン化ナトリウムなどを有機溶媒、例えばDMSO,DMF,THFなど中で反応させることで相当する式(XVII)で表される化合物を生じさせる。
前記式(XVII)で表される化合物に還元を公知方法に従って例えばそれを適切な還元剤、例えばLAH,ボランなどと反応させることなどで受けさせることで相当する式(Xc)で表される化合物を生じさせる。
Figure 0005190372
から選択されそしてaが1である式(X)で表される化合物の調製はスキーム5に概略を示す方法に従って実施可能である。
Figure 0005190372
従って、適切に置換されている式(XVIII)で表される化合物(公知化合物または公知方法で調製可能な化合物)に活性化を公知方法に従って受けさせることでJが適切な脱離基,例えばトシレート,Cl,Br,I,メシレート,トリフレートなどである相当する式(XIX)で表される化合物を生じさせる。
前記式(XIX)で表される化合物とフタルイミド塩、例えばカリウムフタルイミド,ナトリウムフタルイミドなどを有機溶媒、例えばDMF,DMSO,アセトニトリルなど中で好適には50℃から約200℃の範囲内の高められた温度、より好適にはほぼ還流温度で反応させることで相当する式(XX)で表される化合物を生じさせる。
前記式(XX)で表される化合物とN(公知化合物)を有機溶媒、例えばエタノール,メタノールなど中で好適には約50℃から約100℃の範囲内の高められた温度,より好適にはほぼ還流温度などで反応させることで相当する式(Xd)で表される化合物を生じさせる。
本分野の技術者は、
Figure 0005190372
から選択される式(X)で表される化合物の調製を公知方法に従って同様に実施することができるか或は例えば前記スキーム2から5に概略を示す方法に従うが相当するナフチル縮合化合物をベンゾ縮合出発材料の代わりに選択して用いることで実施することも可能であることを理解するであろう。
本分野の技術者は、更に、式(X)で表される化合物の単一の鏡像異性体(または一方の鏡像異性体が豊富に存在する鏡像異性体混合物)が必要な場合に相当する単一の鏡像異性体(または一方の鏡像異性体が豊富に存在する鏡像異性体混合物)を妥当な出発材料の代わりに用いて前記スキーム1から5に記述した如き方法を適用することができることも理解するであろう。
本分野の技術者は、本発明の反応段階をいろいろな溶媒もしくは溶媒系中で実施してもよいがまた前記反応段階を適切な溶媒もしくは溶媒系の混合物中で実施することも可能であることを理解するであろう。
本発明に従う化合物を生じさせる過程で立体異性体の混合物がもたらされる場合には、通常の技術、例えば分取クロマトグラフィーなどを用いてそのような異性体を分離することができる。このような化合物はラセミ形態で調製可能であるか、或は鏡像特異的合成または分割のいずれかを用いて個々の鏡像異性体を生じさせることも可能である。標準的技術、例えば光学活性酸、例えば(−)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸および/または(+)−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸などを用いて塩を生じさせジアステレオマー対を生じさせた後に分別結晶化を行いそして遊離塩基を再生させることなどで、そのような化合物を例えばそれらの成分である鏡像異性体に分割することも可能である。また、ジアステレオマーであるエステルまたはアミドを生じさせた後にクロマトグラフィーによる分離を行いそしてキラル補助剤を除去することで、そのような化合物の分割を行うことも可能である。別法として、キラルHPLCカラムを用いてそのような化合物の分割を行うことも可能である。
本発明の化合物を調製する過程のいずれかを実施する時、関係する分子のいずれかが有する敏感もしくは反応性基を保護する必要がありそして/またはその方が望ましい可能性がある。これは通常の保護基、例えばProtective Groups in Organic Chemistry,J.F.W.McOmie編集,Plenum Press,1973およびT.W.GreeneとP.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John WileyとSons,1991などに記述されている如きそれらを用いて達成可能である。そのような保護基は本技術分野で公知の方法を用いて後の便利な段階で除去可能である。
本発明は、更に、式(I)で表される1種以上の化合物を製薬学的に受け入れられる担体と一緒に含有する製薬学的組成物も包含する。本明細書に記述する本発明の1種以上の化合物を有効成分(active ingredient)として含有する製薬学的組成物の調製は、本化合物1種または2種以上を通常の薬剤配合技術(pharmaceutical compounding technique)に従って製薬学的担体と一緒に密に混合することで実施可能である。そのような担体は所望の投与経路(例えば経口、非経口)に応じて幅広く多様な形態を取り得る。このように、液状の経口用製剤、例えば懸濁液、エリキシルおよび溶液などの場合の適切な担体および添加剤には、水、グリコール、油、アルコール、風味剤、防腐剤、安定剤、着色剤などが含まれ、固体状の経口用製剤、例えば粉末、カプセルおよび錠剤などの場合に適切な担体および添加剤には、澱粉、糖、希釈剤、顆粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが含まれる。固体状の経口用製剤にまた糖などの如き物質による被覆または腸溶性被膜による被覆を受けさせることで主要な吸収部位を調節することも可能である。非経口投与の場合の担体を一般に無菌水で構成させるが、溶解性または防腐性を向上させる他の材料を添加することも可能である。また、注射可能な懸濁液または溶液を調製することも可能であり、この場合には水性担体を適切な添加剤と一緒に用いてもよい。
本発明の製薬学的組成物を調製する時、本発明の1種以上の化合物を有効成分として製薬学的担体と通常の薬剤配合技術に従って密に混合するが、そのような担体は投与で望まれる製剤の形態、例えば経口または非経口、例えば筋肉内投与などに応じて幅広く多様な形態を取り得る。本組成物を経口剤形で調製する時、通常の製薬学的媒体のいずれも使用可能である。このように、液状の経口用製剤、例えば懸濁液、エリキシルおよび溶液などの場合の適切な担体および添加剤には、水、グリコール、油、アルコール、風味剤、防腐剤、着色剤などが含まれ、固体状の経口用製剤、例えば粉末、カプセル、カプレット、ゲルカップおよび錠剤などの場合に適切な担体および添加剤には、澱粉、糖、希釈剤、顆粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが含まれる。投与が容易なことが理由で錠剤およびカプセルが最も有利な経口単位剤形に相当し、この場合には明らかに固体状の製薬学的担体を用いる。望まれるならば、錠剤に糖による被覆または腸溶性被膜による被覆を標準的な技術で受けさせてもよい。非経口投与の場合の担体は一般に無菌水を含んで成るが、他の材料、例えば溶解性を補助するか或は防腐の目的などで他の材料を含有させることも可能である。また、注射可能懸濁液を調製することも可能であり、この場合には適切な液状担体、懸濁剤などを用いてもよい。本明細書に示す製薬学的組成物では、投薬単位、例えば錠剤、カプセル、粉末、注射、茶サジ1杯など当たりの有効成分含有量を、それをこの上に記述した如き有効量で送達するに必要な量にする。本明細書に示す製薬学的組成物では、単位投薬単位、例えば錠剤、カプセル、粉末、注射、座薬、茶サジ1杯など当たりの含有量を約0.1−1000mgにして、それを約0.01−200.0mg/kg/日、好適には約0.1から100mg/kg/日、より好適には約0.5−50mg/kg/日、より好適には約1.0−25.0mg/kg/日またはそれらのいずれかの範囲の投薬量で投与してもよい。しかしながら、このような投薬量は当該患者の要求、治療すべき病気のひどさおよび用いる化合物に応じて変わり得る。毎日の投与またはポストペリオディックドーシング(post−periodic dosing)のいずれの使用も利用可能である。
本組成物を好適には単位剤形にし、例えば経口、非経口、鼻内、舌下もしくは直腸投与または吸入もしくは吹送による投与に適した錠剤、ピル、カプセル、粉末、顆粒、無菌の非経口用溶液もしくは懸濁液、定量エーロゾルもしくは液体スプレー、滴、アンプル、自動注入デバイスまたは座薬などの形態にする。別法として、本組成物を週に1回または月に1回投与するに適した形態で提供することも可能であり、例えば本活性化合物の不溶塩、例えばデカン酸塩などは筋肉内注射用持続性薬剤製剤を生じさせるに適合し得る。固体状組成物、例えば錠剤などを調製する場合、本主要有効成分を製薬学的担体、例えば通常の錠剤用材料、例えばコーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、燐酸ジカルシウムまたはゴムなどおよび他の製薬学的希釈剤、例えば水などと混合して本発明の化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩の均一な混合物を含有する固体状の予備調合組成物を生じさせる。このような予備調合組成物が均一であると述べる場合、これは、この組成物を等しく有効な剤形、例えば錠剤、ピルおよびカプセルなどに容易に細分可能なように有効成分が組成物全体に渡ってむらなく分散していることを意味する。次に、このような固体状の予備調合組成物を細分して本発明の有効成分を0.1から約1000mg含有する前記種類の単位剤形にする。作用が長期に渡ると言った利点を与える剤形が得られるように本新規組成物の錠剤またはピルに被覆を受けさせてもよいか或は他の様式で配合してもよい。例えば、そのような錠剤またはピルに内部の投薬成分と外側の投薬成分を含めて、その後者が前者の上を覆う形態にしてもよい。この2成分を腸溶性層[これは胃の中で起こる崩壊に抵抗して前記内部成分が無傷のまま十二指腸の中に運ばれるようにするか或は放出が遅れるようにする働きをする]で分離しておいてもよい。そのような腸溶性層または被膜ではいろいろな材料が使用可能であり、そのような材料には数多くの高分子量酸に加えてシェラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースなどの如き材料が含まれる。
本発明の新規な組成物を経口または注射で投与する目的で添加することができる液体形態には、水溶液、適切な風味のシロップ、水性または油懸濁液、そして食用油、例えば綿実油、ゴマ油、椰子油または落花生油などが用いられている風味付き乳液ばかりでなく、エリキシルおよび同様な製薬学的媒体が含まれる。水性懸濁液用の適切な分散もしくは懸濁剤には、合成および天然のゴム、例えばトラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドンまたはゼラチンなどが含まれる。
本発明に記述する鬱病を治療する方法は、また、本明細書で定義した如き化合物のいずれかと製薬学的に受け入れられる担体を含んで成る製薬学的組成物を用いることでも実施可能である。この製薬学的組成物の本化合物含有量は約0.1mgから1000mg、好適には約50から500mgの範囲であってもよく、そしてこれを選択した投与様式に適した如何なる形態に構築してもよい。担体には、必要かつ不活性な製薬学的賦形剤が含まれ、これには、これらに限定するものでないが、結合剤、懸濁剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、防腐剤、染料およびコーティングが含まれる。経口投与に適した組成物には、固体形態物、例えばピル、錠剤、カプレット、カプセル[各々に瞬時放出、好機放出および徐放製剤が含まれる]、顆粒および粉末など、そして液状形態物、例えば溶液、シロップ、エリキシル、乳液および懸濁液などが含まれる。非経口投与で用いるに有用な形態物には無菌の溶液、乳液および懸濁液が含まれる。
本発明の化合物は有利に1日1回の投与で投与可能であるか、或は1日当たりの投薬量全体を1日当たり2回、3回または4回に分割した用量で投与することも可能である。更に、本発明の化合物を適切な鼻内媒体を局所的に用いることによる鼻内形態で投与するか或は本分野の通常の技術者に良く知られた経皮皮膚パッチを用いて投与することも可能である。投与を経皮送達系の形態で行う時には、勿論、そのような投与は断続的ではなくむしろ投薬療法全体に渡って連続的であろう。
例えば錠剤またはカプセル形態の経口投与の場合には、本活性薬剤成分を無毒で製薬学的に受け入れられる不活性な経口用担体、例えばエタノール、グリセロール、水などと一緒にしてもよい。その上、望まれるか或は必要な場合には、また、適切な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤をそのような混合物に添加することも可能である。適切な結合剤には、これらに限定するものでないが、澱粉、ゼラチン、天然糖、例えばグルコースまたはベータ−ラクトースなど、コーン甘味剤、天然および合成ゴム、例えばアカシア、トラガカントなど、またはオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、これらに限定するものでないが、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどが含まれる。
液状形態には適切な風味の懸濁もしくは分散剤、例えば合成および天然ゴム、例えばトラガカント、アカシア、メチル−セルロースなどを含有させてもよい。非経口投与の場合には無菌の懸濁液および溶液が望まれる。静脈内投与が望まれる場合には一般に適切な防腐剤が入っている等浸透圧性製剤を用いる。
本発明の化合物はこの上に示した組成物のいずれかの状態で鬱病の治療が必要とされている時にはいつでも本技術分野で確立された投薬療法に従って投与可能である。
本製品の1日当たりの投薬量は成人1人当たり0.01から200mg/日に及ぶ幅広い範囲に渡って多様であり得る。経口投与の場合には、本組成物を、好適には、治療を受けさせるべき患者の症状に応じて投薬量を調整して、本有効成分を0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、200、250、500および1000ミリグラム含有する錠剤の形態で提供する。通常は、有効量の本薬剤を体重1kg当たり約0.01mg/日から体重1kg当たり約200mg/日の投薬レベルで供給する。この範囲は好適には体重1kg当たり約0.1から約100.0mg/日、より好適には体重1kg当たり約0.5から約50mg/日、より好適には体重1kg当たり約1.0から約25.0mg/日である。本化合物を1日当たり1から4回の計画で投与してもよい。
本分野の技術者は投与すべき最適な投薬量を容易に決定することができ、これは使用する個々の化合物、投薬様式、製剤の濃度、投与様式および病気の状態の進行に伴って変わるであろう。加うるに、治療を受けさせる個々の患者に関連した要因の結果として投薬量を調整する必要もあり、そのような要因には、患者の年齢、体重、食事および投与時期が含まれる。
本分野の技術者は、一般に受け入れられる適切な公知の細胞および/または動物モデルを用いたインビボおよびインビトロ両方の試験が試験化合物が所定疾患の治療または予防で示す能力の予測になることを認識するであろう。
本分野の技術者は、更に、健康な患者および/または所定疾患に苦しんでいる患者におけるヒト臨床試験(ヒトに関する用量範囲および効力を初めて示す試験を包含)を臨床および医学技術で良く知られている方法に従って達成することができることも認識するであろう。
以下に示す実施例は本発明の理解の補助で示すものであり、決して本明細書に示す請求の範囲に挙げる発明を限定することを意図するものでなく、そのように解釈されるべきでない。
((3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3−イル)メチル)スルファミド(化合物番号3)
Figure 0005190372
カテコール(5.09g,46.2ミリモル)および炭酸カリウムをアセトニトリル中で一緒にして還流に1時間加熱した。2−クロロメチル−3−クロロ−1−プロペン(5.78g,46.2ミリモル)を加えた後の反応物を継続して還流下に24時間置いた。その溶液を室温に冷却した後、濾過した。その濾液に蒸発を受けさせ、その残留物を水で希釈した後、ジエチルエーテル(3 x)で抽出した。その有機溶液を一緒にしてMgSOで乾燥させた後、濃縮した。クロマトグラフィー(ヘキサン中2%のエチルエーテル)で3−メチレン−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピンを無色の油として得た。
MS(ESI):163.2(M+H
H NMR(300MHz,CDCl),δ:6.94(m,4H),5.07(s,2H),4.76(s,4H).
3−メチレン−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン(5.00g,30.8ミリモル)を無水THF(100mL)に溶解させた。ボラン−THF(THF中1.0M,10.3mL)を0oCで加えた。その反応物を室温で5時間撹拌した。アミノスルホン酸(6.97g,61.6ミリモル)を加えた。その反応物を還流に一晩加熱した。その反応物を室温に冷却した後、水酸化ナトリウム水溶液(3.0M,100mL)を加えた。その溶液に酢酸エチル(3 x 100mL)を用いた抽出を受けさせた。その有機溶液を一緒にしてMgSOで乾燥させた。その溶液に濃縮を真空下で受けさせた後、クロマトグラフィー(ジクロロメタン中2%から8%のメタノール)による精製で((3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3−イル)メチル)アミンを無色の油として得た。
MS(ESI):180.1(M+H
H NMR(300MHz,DMSO),δ:6.92(m,4H),4.21(m,2H),4.07(m,2H),3.33(幅広,2H),3.16(d,J=4Hz,1H),2.72(d,J=4Hz,1H),2.30(m,1H).
((3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン−3−イル)メチル)アミン(2.90g,16.2ミリモル)およびスルファミド(3.11g,32.4ミリモル)を無水ジオキサン(60ml)中で一緒にして還流に一晩加熱した。クロロホルムを加えた後、沈澱物を濾過で除去した。その濾液に濃縮を真空下で受けさせた後、クロマトグラフィー(ジクロロメタン中2%から8%のアセトン)による精製で表題の化合物をオフホワイトの固体として得た。
258.8(M+H
H NMR(300MHz,DMSO),δ:6.92(m,4H),6.71(幅広,1H),6.59(幅広,2H),4.19(m,2H),4.04(m,2H),3.00(m,2H),2.39(m,1H).
N−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミド(化合物番号1)
Figure 0005190372
ラセミ型2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イルメチルアミン(4.4g,26ミリモル)およびスルファミド(5.1g,53ミリモル)を1,4ジオキサン(100mL)中で一緒にして2時間還流させた。その反応物を室温に冷却し、濾過で固体を少量取り出した後、廃棄した。その濾液に蒸発を真空下で受けさせた後、その残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:メタノール−10:1)で精製することで白色の固体を得た。その固体をDCMから再結晶化させることで表題の化合物を白色の固体として得た。
融点:97.5−98.5℃
元素分析:
計算分析値: C,44.25;H,4.95;N,11.47;S,13.13
測定分析値: C,44.28;H,4.66;N,11.21;S,13.15
NMR(DMSO d6)δ6.85(m,4H),6.68(bd s,3H,NH),4.28(m,2H),3.97(dd,J=6.9,11.4Hz,1H),3.20(m,1H),3.10(m,1H).
(ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−イルメチル)スルファミド(化合物番号2)
Figure 0005190372
カテコール(10.26g,93.2ミリモル),ナトリウムメトキサイド(メタノール中25重量%,40.3g,186ミリモル)およびジクロロ酢酸メチル(13.3g,93.2ミリモル)を無水メタノール(100mL)中で一緒にした。その溶液を還流に一晩加熱した。その反応物を室温に冷却し、濃塩酸を添加して酸性にした後、真空下で体積を約50mLにまで小さくした。水を加えた後の混合物にジエチルエーテル(3 x 100mL)を用いた抽出を受けさせた。その有機溶液を一緒にしてMgSOで乾燥させ、濃縮して褐色の固体を得た後、クロマトグラフィー(ヘキサン中2%の酢酸エチル)にかけることでベンゾ[1,3]ジオキソール−2−カルボン酸メチルエステルを無色の油として得た。
MS(ESI):195.10(M+H).
H NMR(300MHz,CDCl),δ:6.89(幅広,4H),6.29(s,1H),4.34(q,J=7Hz,2H),1.33(t,J=7Hz,3H).
ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−カルボン酸メチルエステル(7.21g,40.0ミリモル)に水酸化アンモニウム(水中29%,10mL)およびアセトニトリルを混合物が均一になるに充分な量(〜5mL)で加えた。その溶液を室温で2時間撹拌した後、蒸留水を加えた。ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−カルボン酸アミドが白色の固体として沈澱し、それを濾過で集めた後、さらなる精製無しに用いた。
MS(ESI):160.00(M+H
H NMR(300MHz,DMSO),δ:7.99(s,幅広,1H),7.72(s,幅広,1H),6.94(m,2H)6.86(m,2H),6.30(s,1H).
ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−カルボン酸アミド(5.44g,32.9ミリモル)をテトラヒドロフラン(THF,100mL)に溶解させた。水素化リチウムアルミニウム(LAH,THF中1M,39.5mL,39.5ミリモル)を室温の前記溶液にゆっくり加えた。その反応物を室温で24時間撹拌した。蒸留水を添加することで余分なLAHを分解させた。水酸化ナトリウム水溶液(3.0M,100mL)を加えた後の溶液に酢酸エチル(3 x 100mL)を用いた抽出を受けさせた。その有機溶液を一緒にして水で洗浄した後、MgSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させることでC−ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−イル−メチルアミンを無色の油として得た。
MS(ESI):152.1(M+H
H NMR(300MHz,CDCl),δ:6.87(m,4H),6.09(t,J=4Hz,1H),3.13(d,J=4Hz,2H)
C−ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−イル−メチルアミン(2.94g,19.4ミリモル)およびスルファミド(3.74g,38.9ミリモル)を無水ジオキサン(50mL)中で一緒にした後、その溶液を還流に一晩加熱した。その反応物に濃縮を受けさせた後、その残留物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2%から10%のアセトン)にかけることで表題の化合物を白色の固体として得た。
MS(ESI):230.0(M+H
H NMR(300MHz,CDCl),δ:6.87(m,4H),6.25(t,J=4Hz,1H),4.79(幅広,1H),4.62(幅広,1H),3.64(d,J=4Hz,2H).
(2S)−(−)−N−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミド(化合物番号4)
Figure 0005190372
カテコール(13.2g,0.12モル)および炭酸カリウム(16.6g,0.12モル)をDMF(250mL)に入れて撹拌しながらこれに(2R)−グリシジルトシレート(22.8g,0.10モル)を加えた後、その反応物を60℃で24時間撹拌した。その反応物を室温に冷却し、氷水(1L)で希釈した後、ジエチルエーテルで抽出(4回)した。その有機溶液を一緒にして10%の炭酸カリウムで3回,水で1回そして食塩水で1回洗浄した後、真空下で蒸発させることで白色の固体を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:メタノール−50:1)で精製することで((2S)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メタノールを固体として得た。
その固体(13.3g,68ミリモル)をピリジン(85mL)に溶解させ、0℃に冷却し、p−トルエンスルホニルクロライド(13.0g,68ミリモル)を加えた後、その反応混合物を室温で20時間撹拌した。その反応物をジエチルエーテル(1L)および1N HCl(1.2L)で希釈した。その有機層を分離し、1N HCl(500mL)で2回,水(150mL)で4回そして食塩水で1回洗浄し、乾燥(MgSO)させた後、真空下で蒸発させることで白色の固体を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(Hept:EA−2:1)で精製することでトルエン−4−スルホン酸(2S)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチルエステルを白色の固体として得た。
その白色の固体とカリウムフタルイミド(14.4g,78ミリモル)をDMF(250mL)中で一緒にして還流に1時間加熱し、室温に冷却し、激しく撹拌している水(1.5L)の中に注ぎ込んだ後、撹拌を30分間実施した。白色の固体を濾過で取り出し、その固体を水で数回,2%NaOH,そして再び水で洗浄した後、空気中に放置して乾燥させることで(2S)−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオンを白色粉末状固体として得た。
その粉末状の白色固体とヒドラジン(2.75g,86ミリモル)をEtOH(225mL)中で一緒にして還流に2時間加熱し、室温に冷却し、1N HClを添加してpH1.0にした後、撹拌を15分間実施した。白色の固体を濾過で取り出し、新鮮なEtOHで洗浄し(固体を廃棄)た後、その濾液に蒸発を真空下で受けさせることで固体を得て、それをジエチルエーテルと希NaOH水溶液の間で分離させた。そのジエチルエーテル溶液を乾燥(NaSO)させた後、真空下で蒸発させることで明黄色の油を得た。その油をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH−10:1)で精製することで油を得た。その油の一部(4.82g,29ミリモル)を2−プロパノール(250mL)に入れて1N HCl(30mL)で処理し、蒸気浴上で均一になるまで加熱した後、室温になるまで冷却した。3時間後の混合物を氷で2時間冷却した。薄片状の白色固体((2S)−C−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンの相当するHCl塩)を濾過で取り出した後、2−プロパノールを用いて再び再結晶化させることで白色の固体を得た。
[α]=−69.6(c=1.06,EtOH)
その白色の固体をDCMと希NaOHの間で分離させ、そのDCMを乾燥(NaSO)させた後、真空下で蒸発させることで(2S)−C−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンを油として得た。
[α]=−57.8(c=1.40,CHCl
その油(2.1g,12.7ミリモル)およびスルファミド(2.44g,25.4ミリモル)をジオキサン(75mL)に入れて2時間還流させた後、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 10:1)で精製することで白色の固体を得て、それをDCMから再結晶化させることで表題の化合物を結晶性の白色固体として得た。
融点102−103℃
[α]=−45.1°(c=1.05,M);
H NMR(DMSOd6)δ6.86(m,4H),6.81(bd s,3H,NH),4.3(m,2H),3.97(dd,J=6.9,11.4Hz,1H),3.20(dd,J=5.5,13.7Hz,1H),3.10(dd,J=6.9,13.7Hz,1H)
元素分析:
計算分析値: C,44.25;H,4.95;N,11.47;S,13.13
測定分析値: C,44.20;H,4.69;N,11.40;S,13.22.
N−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−N’,N’ジメチルスルファミド(化合物番号6)
Figure 0005190372
ラセミ型2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イルメチルアミン(8.25g,5.0ミリモル)およびトリエチルアミン(1.52g,15ミリモル)をDMF(10mL)中で一緒にして氷浴内で冷却しながらこれにジメチルスルファモイルクロライド(1.44g,10ミリモル)を加えた。次に、その反応混合物を継続して冷却しながら3時間撹拌した。その反応混合物を酢酸エチルと水の間で分離させ、その酢酸エチル溶液を食塩水で洗浄し,乾燥(MgSO)させた後、真空下で蒸発させることで油を得た。その油をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘプタン−1:1)で精製することで白色の固体を得て、それを再結晶化(酢酸エチル/ヘキサン)させることで表題の化合物を綿状の白色固体として得た。
融点76−78℃
MS 273(MH
元素分析:
計算分析値: C,48.52;H,5.92;N,10.29;S,11.78
測定分析値: C,48.63;H,5.62;N,10.20;S,11.90
H NMR(CDCl)δ6.87(m,4H),4.59(bd m,1H,NH),4.35(m,1H),4.27(dd,J=2.3,11.4Hz,1H),4.04(dd,J=7.0,11.4,1H),3.36(m,2H),2.82(s,6H).
N−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−N−メチルスルファミド(化合物番号7)
Figure 0005190372
ラセミ型2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イルメチルアミン(825mg,5ミリモル)を蟻酸エチル(15mL)に溶解させ、30分間還流させた後、真空下で蒸発させることでN−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−ホルムアミドを油として得た。
その油をジエチルエーテル(25mL)に入れて0℃でTHF中1MのLAH(9.0mL,9.0ミリモル)で処理した後、室温で5時間撹拌した。その反応物を氷浴内で冷却しながら水(0.50mL)に続いて3N NaOH(0.50mL)そして水(0.50mL)で反応を消滅させた。次に、その混合物を室温で1時間撹拌した。固体を濾過で除去し、その濾液に真空下の蒸発を受けさせることで残留物を得て、それを1N HClとジエチルエーテルの間で分離させた。その水相を1N NaOHで塩基性にした後、ジエチルエーテルを用いた抽出を実施した。その有機相を乾燥(MgSO)させた後、真空下で蒸発させることで(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−メチル−アミンを油として得た。
MS 180(MH
H NMR(CDCl)δ6.85(m,4H),4.30(m,2H),4.02(dd,J=7.9,11.6Hz,1H),2.85(m,2H),2.50(s,3H)
その油(380mg,2.1ミリモル)およびスルファミド(820mg,8.5ミリモル)をジオキサン(15mL)中で一緒にして1.5時間還流させた後、真空下で蒸発させることで粗残留物を得た。その残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン 1:1)で精製し、その結果として得た固体を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化させることで表題の化合物を白色の固体として得た。
融点97−98℃
MS 257(M−1
元素分析:
計算分析値: C,46.50;H,5.46;N,10.85;S,12.41
測定分析値: C,46.48;H,5.65;N,10.90;S,12.07
H NMR(CDCl)δ6.86(m,4H),4.52(bs,2H),4.46(m,1H),4.29(dd,J=2.3,11.5Hz,1H),4.05(dd,J=6.5,11.5Hz,1H),3.51(dd,J=6.7,14.9Hz,1H),3.40(dd,J=5.9,14.9Hz,1H),2.99(s,3H).
(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミド(化合物番号8)
Figure 0005190372
前記実施例4に概略を示した手順に従い、4−クロロカテコールを反応させることで(2S)−C−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンと(2S)−C−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンの混合物(RP HPLCで6−クロロ:7−クロロ異性体が約3:1の比率)を得た。
その混合物を2−プロパノール(100mL)に溶解させた後、ジエチルエーテル中1NのHClをpH=1.0になるまで加えた。沈澱してきた塩酸塩を濾過で取り出し(2.65g)た後、メタノール/IPAを用いた再結晶化を実施することで白色の結晶を得た。その白色の結晶をDCMと希NaOHの間で分離させた。そのDCMを乾燥させた後、真空下で蒸発させることで精製された(2S)−C−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンを油として得た。
[α]=−67.8(c=1.51,CHCl
その油(7.75ミリモル)およびスルファミド(1.50g,15.5ミリモル)をジオキサン(50mL)中で一緒にして2.0時間還流させ、室温に冷却した後、真空下で蒸発させることで固体を得た。生成物をDCM/メタノール(20:1)を用いたフラッシュカラムで精製することで表題の化合物を白色の固体として得た。
MS 277(M−1
[α]=−59.9°(c=1.11,M)
H NMR(CDCl)δ6.90(d,J=2.2Hz,1H),6.81(m,2H),4.76(m,1H),4.55(s,2H),4.40(m,1H),4.29(dd,J=2.4,11.5Hz,1H),4.05(dd,J=7.1,11.5Hz,1H),3.45(m,2H)
元素分析:
計算分析値: C,38.78;H,3.98;N,10.05
測定分析値: C,38.80;H,3.67;N,9.99.
この上で調製した(2S)−C−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンの結晶化塩酸塩の濾液を回収(6−クロロ:7−クロロ異性体が約1:1)した後、真空下で蒸発させることで固体を得て、それをDCM(200mL)と希NaOH(0.5M,50mL)の間で分離させた。そのDCM溶液を食塩水で1回洗浄し、乾燥(NaSO)させた後、真空下で蒸発させることで油を得て、それを逆相HPLC[TFAが0.20%の水中10−50%ACN(TFAが0.16%)]で精製することで(2S)−C−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メチルアミンを残留物として得た。
その残留物とスルファミド(0.90g,9.4ミリモル)をジオキサン(25mL)中で一緒にして2.5時間還流させ、室温に冷却した後、真空下で蒸発させることで油を得た。その油をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/メタノール−10:1を使用)で精製することで(2S)−(−)−N−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドを白色の固体として得た。
MS 277(M−1
H NMR(CDCl/CDOD)δ6.88(d,J=0.7Hz,1H),6.81(m,2H),4.37(m,1H),4.30(dd,J=2.3,11.6Hz,1H),4.04(dd,J=7.0,11.6Hz,1H),3.38(m,2H).
クロマン−2−イルメチルスルファミド(化合物番号10)
Figure 0005190372
クロマン−2−カルボン酸(4.5g,25ミリモル)およびHOBT(3.86g,25ミリモル)をDCM(40mL)とDMF(10mL)中で一緒にした。ジメチルアミノプロピルエチルカルボジイミド(EDC,4.84g,25ミリモル)を室温で加えた後の反応混合物を30分間撹拌した。水酸化アンモニウム(2.26mL,33.4ミリモル)を加えた後の反応混合物を16時間撹拌した。その反応混合物をDCM(50mL)および水(50mL)で希釈した後、その混合物のpHを1N HClで約pH=3.0に調整した。そのDCMを分離した後、その水相にDCMを用いた抽出を2回受けさせた。そのDCM相を一緒にして乾燥(NaSO)させた後、真空下で蒸発させることで油を得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製することで油を得た。
その油(5.35g,30ミリモル)をTHF(90mL)に入れて撹拌しながらこれにTHF中1MのLAH(36mL,36ミリモル)を加えた後、その反応混合物を室温で20時間撹拌した。水で反応を消滅させ、撹拌を2時間実施し、その溶液を傾斜法で取り出し、乾燥(NaSO)させた後、真空下で蒸発させることでC−クロマン−2−イル−メチルアミンを油状アミンとして得た。
その油状アミン(1.63g,10ミリモル)およびスルファミド(1.92g,20ミリモル)をジオキサン(50mL)中で一緒にして2時間かけて還流にした。その溶液を冷却した後、真空下で蒸発させることで油を得て、それをカラムクロマトグラフィー(DCM:メタノール 10:1)で精製することで白色の固体を得た。その固体を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化させることでクロマン−2−イルメチルスルファミドを白色の固体として得た。
融点100−101℃
MS 241(M−1
元素分析:
計算分析値: C,49.57;H,5.82;N,11.56;S,13.23
測定分析値: C,49.57;H,5.80;N,11.75;S,13.33.
2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−エチルスルファミド(化合物番号16)
Figure 0005190372
シアン化カリウム(2.05g,31.5ミリモル)をDMSO(90mL)に入れておいた2−ブロモメチル−(2,3ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン)(6.87g,30ミリモル)に加えた後、周囲温度で20時間撹拌した。次に、その反応混合物を水(250mL)で希釈した後、ジエチルエーテルを用いた抽出を2回実施した。そのジエチルエーテルを水で洗浄した後、食塩水で2回洗浄し、乾燥(NaSO)させた後、真空下で蒸発させることで2−シアノメチル−(2,3ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン)を白色の固体として得た。
H NMR(CDCl)δ6.89(m,4H),4.50(m,1H),4.31(dd,J=2.3,11.5Hz,1H),4.08(dd,J=6.2,11.6Hz,1H),2.78(d,J=6.1,Hz,2H)
その2−シアノメチル−(2,3ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン)をTHF(50mL)に溶解させ、THF中1MのBH(80mL,80ミリモル)を加え、その反応混合物を5時間還流させた後、周囲温度で16時間撹拌した。氷浴で冷却しながら2N HClをpH=1.0になるまで加えた。次に、その反応混合物を室温で1時間撹拌した後、真空下で蒸発させることで油を得た。その油を3N NaOHとジエチルエーテルの間で分離させ、そのジエチルエーテル溶液を食塩水で洗浄し、乾燥(NaSO)させた後、真空下で蒸発させることで粗2−(2,3ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)エチルアミンを得た。
MS(M+H) 180.
その粗2−(2,3ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)エチルアミンをジオキサン(100mL)に入れてスルファミド(3.0g,31ミリモル)と一緒にした後、還流に2時間加熱した。その溶液を冷却した後、真空下で蒸発させることでオレンジ色の固体を得て、それをカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH−10:1)で精製することで白色の固体を得た。その固体をDCMから再結晶化させることで表題の化合物を固体として得た。
MS(M−1)257
融点101−103℃(corr)
H NMR(CDCl):δ6.86(m,4H),4.70(m,1H),4.52(s,2H),4.30(m,2H),3.94(dd,J=7.4,11.3Hz,1H),3.43(dd,J=6.4,12.9Hz,2H),1.94(dd,J=6.5,12.9,2H).
元素分析:
測定値: C,46.48;H,5.60;N,10.81;S,12.41
計算値: C,46.50;H,5.46;N,10.85;S,12.41
(2S)−(−)−N−(6,7ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミド(化合物番号29)
Figure 0005190372
4,5ジクロロアテコール(8.6g,48ミリモル)および炭酸カリウム(6.64g,48ミリモル)をDMF(200mL)に入れて撹拌した。(2R)−グリシジルトシレート(9.12g,40ミリモル)を加えた後の反応混合物を60℃で24時間撹拌した。その反応混合物を室温に冷却した後、氷水(600mL)で希釈し、そしてジエチルエーテルを用いた抽出(4回)を実施した。その有機溶液を一緒にして10%の炭酸カリウムで3回、食塩水で2回洗浄し、乾燥(MgSO)させた後、真空下で蒸発させることで(2S)−2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン)メタノールの粘性のある油を得た。
その(2S)−2−(6,7ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン)メタノール油(6.4g,27ミリモル)をピリジン(50mL)に溶解させて0℃に冷却した。次に、p−トルエンスルホニルクロライド(5.2g,27ミリモル)を加えた後の反応混合物を室温で20時間撹拌した。その反応混合物をジエチルエーテルおよび1N HCl(750mL)で希釈し、その有機層を分離し、1N HCl(250mL)で2回、水(150mL)で1回、食塩水で2回洗浄し、乾燥(MgSO)させた後、真空下で蒸発させることでトルエン−4−スルホン酸(2S)−6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチルエステルの明黄色固体を得た。
H NMR(CDCl3):δ7.79(d,J=8.3Hz,2H),7.36(d,J=8.0Hz,2H),6.94(s,1H),6.83(s,1H),4.37(m,1H),4.2(m,3H),4.03(dd,J=6.3,11.7Hz,1H),2.47(s,3H).
トルエン−4−スルホン酸(2S)−6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチルエステル(8.0g,20.5ミリモル)とカリウムフタルイミド(6.1g,33ミリモル)をDMF(75mL)中で一緒にして還流に1時間加熱し、室温に冷却し、激しく撹拌している水(0.5L)の中に注ぎ込んだ後、撹拌を30分間実施した。白色の固体を濾過で取り出し、その固体を水で数回、2%NaOHそして再び水で洗浄した後、空気中で乾燥させることで(2S)−2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオン(6.0g,80%)を白色粉末状固体として得た。
その白色粉末状固体とヒドラジン(1.06g,33ミリモル)をEtOH(80mL)中で一緒にして還流に2時間加熱した後、室温に冷却した。1N HClを加えて反応混合物のpHをpH1.0に調整した後、その反応混合物を15分間撹拌した。白色の固体を濾過で取り出し、新鮮なEtOHで洗浄し(固体を廃棄)た後、その濾液に蒸発を真空下で受けさせることで固体を得て、それをジエチルエーテルと希NaOH水溶液の間で分離させた。そのジエチルエーテル溶液を乾燥(NaSO)させた後、真空下で蒸発させることで(2S)−2−アミノメチル−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン)の粘性のある油を得た。
H NMR(CDCl3):δ6.98(s,1H),6.96(s,1H),4.25(dd,J=2.0,11.2Hz,1H),4.15(m,1H),4.0(m,1H),2.97(d,J=5.5Hz,2H)
その油の一部(3.8g,16ミリモル)とスルファミド(3.1g,32.4ミリモル)をジオキサン(100mL)に入れて2時間還流させた後、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 20:1)で精製することで表題の化合物を白色の固体として得て、それを酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化させることで表題の化合物を結晶性の白色固体として得た。
MS[M−H]311.0
融点119−121℃
[α]=−53.4°(c=1.17,M)
H NMR(DMSOd6):δ7.22(s,1H),7.20(s,1H),6.91(bd s,1H),6.68(bd s,2H),4.35(m,2H),4.05(dd,J=6.5,11.5Hz,1H),3.15(m,2H)
元素分析:
元素分析:
測定値: C,34.52;H,3.22;N,8.95;Cl,22.64;S,10.24
計算値: C,34.64;H,2.68;N,8.87;Cl,22.94;S,10.35.
(2S)−(−)−N−(7−アミノ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミド(化合物番号36)
Figure 0005190372
(2S)−(−)−N−(2,3−ジヒドロ−7−ニトロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミド(1.2g,4.15ミリモル)の調製を4−ニトロカテコールを用いて実施例4に概略を示した方法に従って実施した。次に、その(2S)−(−)−N−(2,3−ジヒドロ−7−ニトロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドと10%Pd/Cをメタノール(120mL)中で一緒にした後、水素雰囲気(39psi)下室温で3時間振とうした。固体を濾過で取り出し、DCM中10%のMで洗浄した後、その濾液に真空下の蒸発を受けさせることで粗生成物を得た。その粗生成物を0.2N HCl(25mL)に溶解させた後、凍結乾燥させることで表題の化合物を相当する塩酸塩として薄片状の白色固体として得た。
MS(M+H) 260
H NMR(DMSO d6):δ10.2(bd s,3H),6.86(m,1H),6.85(s,1H),6.74(dd,J=2.5,8.4Hz,1H),4.22(m,2H),3.88(dd,J=6.7,11.4Hz,1H),3.04(m,2H)
(2S)−(−)−N−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミド(化合物番号19)
Figure 0005190372
表題の化合物の調製を前記実施例4に記述した手順に従うが4−メチルカテコールを用いて出発することで白色の固体を得て、それを酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化させることで表題の化合物を白色の固体として得た。
MS[M−H]257
H NMR(CDCl3):δ6.76(m,1H),6.66(m,2H),4.80(m,1H),4.57(bd s,1H),4.40(m,1H),4.28(m,1H),4.03(dd,J=6.9,11.4Hz,1H),3.45(m,2H),2.25(s,3H).
元素分析
計算値: C,46.50;H,5.46;N,10.85;S,12.41
測定値: C,46.65;H,5.60;N,10.84;S,12.61.
ラットにおける支配的−服従的関係(DSR)のインビボ検定
このDSR検定を下記の2モデルに分割する:躁の支配的挙動低下モデル(RDBM)および鬱の服従的挙動低下モデル(RSBM)。RDBMでは支配的動物を試験化合物で処置し、これは当該試験化合物が躁病を治療する能力の予測である。RSBMでは服従的動物を試験化合物で処置し、これは当該試験化合物が鬱病を治療する能力の予測である。
この検定ではオスSprague Dawleyラット(140から160g)[Charles River Laboratories Wilmington,MAから入手]を用いた。ラットを2週間の間隔で輸送によって受け取った。各輸送の後に5日間の検疫、1週間の慣れ期間および1週間の選択過程を設けた後、選択した対に薬剤または媒体を用いた処置を5週間受けさせた。
ラットをケージ1個当たり4匹ずつ入れた。月曜日から木曜日には試験を実施した後の1時間(1日当たり)だけ食物の摂取を制限した。金曜日には試験を実施した後にラットが餌を自由に摂取できるようにして、日曜日に再び絶食状態にするまで餌を自由に摂取できるようにした。ラットに水を常に与えた。その用いた餌遮断期間は体重上昇にほとんど影響を与えなかった、と言うのは、検定終了時のラットの平均体重は約300gであったからである。試験終了時にラットの首を切断することで屠殺し、胴体の血液および脳をインビトロ実験および薬剤濃度測定の目的で集めた。
基本的試験装置を一度に1匹のラットのみが通ることができるほどの大きさのトンネルで連結している2個のチャンバで構成させた。前記トンネルの中央点の所の床の上に甘みをつけたミルクが入っている容器を置いた。この基本的装置の複製品を全体で4対のラットを同時にビデオで監視することができるように作成した。異なる色の印を付けたラットをカメラで区別できるようにする。このように、ビデオで監視する目的でラットの頭に色を着けた、即ち一方のケージに入っているラットには赤色を着けそしてもう一方のケージに入っているラットには黄色を着けた。5分間のデイリーセッション(daily session)の間、両方の動物ともミルクを飲むことができるようにしたが、餌箱に快適に近づくことができるのは一度に1匹の動物のみにする。この5分間のデイリーセッションの間、各動物が餌箱ゾーンの中で費やす時間をビデオ監視ソフトウエアで記録した後、テキストファイルに保存した。
ラットを対に無作為に割り当てることを通して試験を開始した。1対の各員を試験装置の相対するチャンバの中に入れた。各動物が餌箱ゾーンの中で費やす時間を記録した。この試験の最初の週(5日間)の間に動物は新しい環境に慣れる。この試験の2番目の週の間に下記の3つの判断基準を達成した時に最も高いスコアを付けた動物に支配的を割り当てた。1番目として、両方の動物が1日当たりに飲む平均スコアの間の差は有意でなければならない(両側t検定,P<0.05)。2番目として、そのような支配的動物のスコアは服従的動物のスコアより少なくとも25%高くある必要がある。最後に、その対を選択する週の間に“逆転”(各場合とも服従的であると推定したラットが支配的相手より高いスコアを付ける)が起こるべきではない。理想的には、慣らす1週間の間にも同様に逆転は最小限であるべきである。最初の動物対の中の約25から33パーセントが前記判断基準を達成し、試験を継続させるのはそのような対のみにした。
支配的ラットおよび服従的ラットが餌箱上で費やす時間の間の差の有意さをGraphPad Prismソフトウエア(GraphPad Software,Inc.San Diego,CA)を用いたANOVAに続く両側t検定(P<0.05)で決定した。処置群の間の比較を対にした動物が示した正規化支配レベル値を用いて実施した。この支配レベルは、対の被験体の間の社会的関係を測定する値である。支配レベル(DL)=FTD-FTS[ここで、FTDは支配的ラットが餌箱で過ごした時間でありそしてFTSは服従的ラットが餌箱で過ごした時間である]。正規化を下記の式に従って実施した:
支配レベル(週n(%))=(支配レベル(週n))/(支配レベル(週2)
対照グループ(支配的動物および服従的動物の両方を媒体で処置しておいたラット対)および処置グループ(服従的ラットを薬剤で処置しそして支配的ラットを媒体で処置した)の間の支配レベルの差の統計学的有意さをANOVAに続くt検定で決定した。薬剤に対する反応が50%の時の作用開始時間値(AOT−50)および最小反応および最大反応の時のそれらの計算を非線形回帰分析(GraphPad Software,Inc.,San Diego,CA)を用いて支配レベル値の低下率を基にして実施した。この計算では正規化したDL値を用い、処置週の間のDL値に正規化を前記式に従って当該対の第二週(予備処置)値のパーセントとして受けさせた。このような設定では、反応(DL)の最小値によって薬剤の肯定的な活性(効力に相当する)が決まる、と言うのは、薬剤に対する反応が肯定的である時には常にDL値が低下するからである。薬剤に対する反応が否定的である(症状が悪化する)場合、DL値が高くなった。当該薬剤がそのような活性を示さないならば、反応の最大値が100%を超えることはなかった。最大DL値が対照値(約100%)より有意に高い場合にはいずれも薬剤の活性が負であることを示していた。
化合物番号8に以下により詳細に記述する手順に従うラットRDBMによる評価を受けさせた。
支配的グループのラットに化合物番号8を0.05mg/kg(n=4),0.5mg/kg(n=6),2.5mg/kg(n=6),5.0mg/kg(n=6)および50.0mg/kg(n=3)の量で用いたp.o.QD処置を受けさせた。媒体処置グループの支配的ラットには0.5%のメチルセルロース(n=3)を用いた処置を受けさせそして2番目の対照群の支配的ラットにはバルプロ酸ナトリウムを30mg/kgの量で用いたi.p.QD処置を受けさせた(各々n=3の2検定によるn=6)。
あらゆる処置を試験を実施する約1時間前に施した。あらゆる処置を試験の第二週(選択する週)後の土曜日に開始した。化合物番号8を経口(p.o)投与した。
支配的動物に化合物番号8を0.05mg/kg,0.5mg/kgおよび50.0mg/kgの量で用いた処置を受けさせると、処置の第一週後に支配的ラットと服従的ラットの間の差が失われ、そして処置の第二週後に2.5mg/kgおよび5.0mg/kgの量で投与した時にも失われた。同様に、支配的動物にバルプロ酸ナトリウムを用いた処置を受けさせた時にもまた処置の第一週後にまた支配的ラットと服従的ラットの間の差が失われた。この検定において、支配的ラットに化合物番号8またはバルプロ酸ナトリウムを用いた処置を受けさせるとそれの寛容さが増すことを観察した。このように、その処置を受けさせた支配的ラットは服従的相手が餌箱の上で過ごす時間を増やすことを許した。
いろいろな薬剤および用量の効果を比較する目的で、前記データに最初の週の対照値に対する正規化を受けさせた。化合物番号8の投与量が0.5mg/kgの時に最大の効果を観察し、媒体処置ラットと化合物処置ラットの間の支配レベル(DL)値の有意な差は第二週に始まりそして5週間に渡る処置期間全体に渡って継続した。化合物番号8の用量をより高く(2.5mg/kg,5.0mg/kgおよび50.0mg/kg)すればするほど反応が弱くなることが分かったが、用量が0.5mg/kgの時に観察したそれとの差は有意ではなかった。
比較として、バルプロ酸ナトリウムで処置した動物(30mg/kg)は一貫して処置の第二週後に支配レベルの低下を示し、次の週に効果が増大した。塩化リチウム(100mg/kg)の効果と対照との差が有意になったのは処置の第三週後のみであった。
作用開始時間(AOT)を推定する目的で、支配的動物と服従的動物の対が餌箱で過ごした時間の1日当たりの平均値をプロットしそしてこの2グループの間の差の有意さを両側t検定で計算した。化合物番号8を0.05mg/kgの量で用いて3日目に処置した後、0.5mg/kgの量で用いて4日目に処置した後、2.5mg/kgの量で用いて10日目に処置した後、5.0mg/kgの量で用いて11日目に処置した後および50.0mg/kgの量で用いて3日目に処置した後には第一日目に一貫して統計学的有意さがなかった。
いろいろな処置の間の作用開始時間(AOT)を比較する目的で、作用開始時間を非線形回帰適合で推定した。非線形回帰モデルを薬剤および用量を正規化した1日当たりのDL値の各々に適合させた。化合物番号8を0.05mg/kgおよび5mg/kg用いた時のAOT50はリチウムを用いた時のそれよりも有意に短かった。
化合物番号8がRSBMで示した効果は用量に依存し、計算したED50は0.03±0.004mg/kg[CI=0.01−0.04]でEmaxは116.4±2.3%[CI=109.2−123.6]であった。
この検定において、化合物番号8は支配的挙動を低下させ、このことは、この化合物が抗躁薬として活性を有することを示している。
ラットにおける支配的−服従的関係(DSR)のインビボ検定
このDSR検定を下記の2モデルに分割する:躁の支配的挙動低下モデル(RDBM)および鬱の服従的挙動低下モデル(RSBM)。RDBMでは支配的動物を試験化合物で処置し、これは当該試験化合物が躁病を治療する能力の予測である。RSBMでは服従的動物を試験化合物で処置し、これは当該試験化合物が鬱病を治療する能力の予測である。
この検定ではオスSprague Dawleyラット(140から160g)[Charles River Laboratories Wilmington,MAから入手]を用いた。ラットを2週間の間隔で輸送によって受け取った。各輸送の後に5日間の検疫、1週間の慣れ期間および1週間の選択過程を設けた後、選択した対に薬剤または媒体を用いた処置を5週間受けさせた。
ラットをケージ1個当たり4匹ずつ入れた。月曜日から木曜日には試験を実施した後の1時間(1日当たり)だけ食物の摂取を制限した。金曜日には試験を実施した後にラットが餌を自由に摂取できるようにして、日曜日に再び絶食状態にするまで餌を自由に摂取できるようにした。ラットに水を常に与えた。その用いた餌遮断期間は体重上昇にほとんど影響を与えなかった、と言うのは、検定終了時のラットの平均体重は約300gであったからである。試験終了時にラットの首を切断することで屠殺し、胴体の血液および脳をインビトロ実験および薬剤濃度測定の目的で集めた。
基本的試験装置を一度に1匹のラットのみが通ることができるほどの大きさのトンネルで連結している2個のチャンバで構成させた。前記トンネルの中央点の所の床の上に甘みをつけたミルクが入っている容器を置いた。この基本的装置の複製品を全体で4対のラットを同時にビデオで監視することができるように作成した。異なる色の印を付けたラットをカメラで区別できるようにする。このように、ビデオで監視する目的でラットの頭に色を着けた、即ち一方のケージに入っているラットには赤色を着けそしてもう一方のケージに入っているラットには黄色を着けた。5分間のデイリーセッション(daily session)の間、両方の動物ともミルクを飲むことができるようにしたが、餌箱に快適に近づくことができるのは一度に1匹の動物のみにする。この5分間のデイリーセッションの間、各動物が餌箱ゾーンの中で費やす時間をビデオ監視ソフトウエアで記録した後、テキストファイルに保存した。
ラットを対に無作為に割り当てることを通して試験を開始した。1対の各員を試験装置の相対するチャンバの中に入れた。各動物が餌箱ゾーンの中で費やす時間を記録した。この試験の最初の週(5日間)の間に動物は新しい環境に慣れる。この試験の2番目の週の間に下記の3つの判断基準を達成した時に最も高いスコアを付けた動物に支配的を割り当てた。1番目として、両方の動物が1日当たりに飲む平均スコアの間の差は有意でなければならない(両側t検定,P<0.05)。2番目として、そのような支配的動物のスコアは服従的動物のスコアより少なくとも25%高くある必要がある。最後に、その対を選択する週の間に“逆転”(各場合とも服従的であると推定したラットが支配的相手より高いスコアを付ける)が起こるべきではない。理想的には、慣らす1週間の間にも同様に逆転は最小限であるべきである。最初の動物対の中の約25から33パーセントが前記判断基準を達成し、試験を継続させるのはそのような対のみにした。
実験後に最終的血液サンプル(0.5-1.0mL)を集めて、ヘパリンで処理しておいた管の中に入れた。血液サンプルを遠心分離にかけることで細胞を除去した後、200μLの血漿上澄み液を奇麗な瓶に移し、ドライアイス上に置いた後、分析を実施するまで−80℃の冷凍庫の中に貯蔵した。内部標準を入れておいた200ミクロリットルのアセトニトリルを100μLの血漿または脳組織に添加することで蛋白質および/または組織残渣を沈澱させた。サンプルを遠心分離にかけ、上澄み液を取り出すことで、液クロ−三重四重質量分析法(triple quadruple mass spectrometry)(LC−MS−MS)による分析を実施した。適切な体積のストック溶液をブランクの血漿もしくは脳組織ホモジネートに直接添加しそして集めたサンプルと同じ様式で処理することで較正標準の調製を実施した。定量用の較正標準を0.01から10μMの範囲で調製した。LC−ESI−MS/MS(負モード)分析を多重反応監視(MRM)を用いて実施することで試験化合物に特徴的なイオンを検出した。
支配的ラットおよび服従的ラットが餌箱上で費やす時間の間の差の有意さをGraphPad Prismソフトウエア(GraphPad Software,Inc.San Diego,CA)を用いたANOVAに続く両側t検定(P<0.05)で決定した。処置群の間の比較を対にした動物が示した正規化支配レベル値を用いて実施した。この支配レベルは、対の被験体の間の社会的関係を測定する値である。支配レベル(DL)=FTD-FTS[ここで、FTDは支配的ラットが餌箱で過ごした時間でありそしてFTSは服従的ラットが餌箱で過ごした時間である]。正規化を下記の式に従って実施した:
支配レベル(週n(%))=(支配レベル(週n))/(支配レベル(週2)
対照グループ(支配的動物および服従的動物の両方を媒体で処置しておいたラット対)および処置グループ(服従的ラットを薬剤で処置しそして支配的ラットを媒体で処置した)の間の支配レベルの差の統計学的有意さをANOVAに続くt検定で決定した。薬剤に対する反応が50%の時の作用開始時間値(AOT−50)および最小反応および最大反応の時のそれらの計算を非線形回帰分析(GraphPad Software,Inc.,San Diego,CA)を用いて支配レベル値の低下率を基にして実施した。この計算では正規化したDL値を用い、処置週の間のDL値に正規化を前記式に従って当該対の第二週(予備処置)値のパーセントとして受けさせた。このような設定では、反応(DL)の最小値によって薬剤の肯定的な活性(効力に相当する)が決まる、と言うのは、薬剤に対する反応が肯定的である時には常にDL値が低下するからである。薬剤に対する反応が否定的である(症状が悪化する)場合、DL値が高くなった。当該薬剤がそのような活性を示さないならば、反応の最大値が100%を超えることはなかった。最大DL値が対照値(約100%)より有意に高い場合にはいずれも薬剤の活性が負であることを示していた。
化合物番号8に鬱のラットの服従的挙動モデル低下(RSBM)(Malatynska,E.,Rapp,R.,Harrawood,D.およびTunnicliff,G.,Neuroscience and Biobehavioral Review,82(2005)306−313;Malatynska,E.およびKnapp,R.J.,Neuroscience and Biobehavioral Review,29(2005)715−737)による評価を受けさせた。
より具体的には、化合物番号8を服従的ラットに2.5mg/kg(n=8),12mg/kg(n=12),60mg/kg(n=12)および120mg/kg(n=7)の量で5週間に渡って日に1回p.o.(経口)投与する一方で、支配的相手には媒体(0.5%のメチルセルロース水溶液)を投与した。対照として、追加的グループのラットにはフルオキセチンを10.0mg/kgの量で用いたi.p.処置(n=10)およびベンラファクシンを30.0mg/kgの量で用いたi.p.処置(n=6)を受けさせた。あらゆる処置を試験の約1時間前に施した。化合物番号8は服従的挙動を用量依存様式で低下させることを観察した。
服従的動物に化合物番号8を用いた処置を受けさせると、最初の週の処置後に支配的ラットと服従的ラットの間の有意な差が失われた。これは使用した用量全部に当てはまり、このことは、作用開始が用量から独立していることを示していた。対照的に、服従的動物をフルオキセチンで処置すると、支配的ラットと服従的ラットの有意な差が失われたのは3週目の処置後であった(このデータ解析方法には対照グループに生じた挙動の変動を考慮に入れなかった)。薬剤および用量のいろいろな効果を比較する目的でデータに対照が最初の週に示した値に対する正規化を受けさせた。
化合物番号8を2.5mg/kgの用量で用いた処置を受けさせたグループの服従的ラットが示した支配レベル(DL)値は対照のそれと有意な差がなかった。しかしながら、化合物番号8を12.0mg/kgの量で用いて処置したグループが第二週、四週および五週の処置後に示したDL値は媒体処置対照が示したそれらと有意な差があった。同様に、化合物番号8を60mg/kg用いて処置したグループが示したDL値を媒体が示したそれと比較した時の有意な差は第一週から始まって5週間に渡る処置期間全体に渡って継続して存在したままであった。化合物番号8が最も高い用量(120mg/kg)の時に第一週後に示したDL値は対照グループが示したそれと有意な差があったが、しかしながら、この有意さは第二週の処置後に消失した。
フルオキセチンで処置した動物(10mg/kg)は第一週の処置の間絶えず大きな服従さを示した。フルオキセチンで処置した動物(10mg/kg)と比較して、化合物番号8で処置したグループはそのような影響を示さなかった。化合物番号8を60.0mg/kgの用量で用いた時のDL値とフルオキセチンで処置したグループが示したそれとの差の統計学的有意さは第一週後にはp<0.001でありそして第二週の処置後にはp<0.05であった。その後の処置週の間にはフルオキセチンおよび化合物番号8を用いて処置した対が示した正規化DLレベルの間に有意な差がなかった。
作用開始時間を推定する目的で、支配的動物と服従的動物の対が餌箱で過ごした時間の1日当たりの平均値をプロットしそしてこの2グループの間の差の有意さを両側t検定で計算した。化合物番号8を12.0mg/kgの量で用いて6日目に処置した後および60mg/kgの量で用いて4日目に処置した後には第一日目に一貫して統計学的有意さがなかった。化合物番号8を2.5mg/kgおよび120.0mg/kgの量で用いて処置した後に支配的ラットおよび服従的ラットが餌箱で過ごす時間の間の有意さが失われることは一貫してなかった。
いろいろな処置の間の作用開始時間を比較する目的で、作用開始時間を非線形回帰適合で推定した。非線形回帰モデルを薬剤および用量を正規化した1日当たりのDL値の各々に適合させた。化合物番号8を2.5mg/kg,12mg/kgおよび60mg/kg用いた時の効果が50%(AOT50)およびEmaxの時の作用開始時間はそれぞれ2.1;5.3および1.6日であり、用量の間に有意な差はなかった。この分析で引き出した効果の最大値は用量が2.5mg/kg,12mg/kgおよび60mg/kgの時にそれぞれ52.4±32.7%(SEM),87.9±42.6%(SEM)および116.9±29.5%(SEM)であり、また、これらの用量の間にも有意な差がなかった。
要約として、化合物番号8がRSBM検定で示した効果は用量に依存し、計算したED50は6.6±0.8mg/kg[CI=3.0−10.2]でEmaxは131.4±4.7%[CI=111.3−151.5]であった。
この検定において、化合物番号8は服従的挙動を低下させ、このことは、この化合物が抗鬱薬として活性を有することを示している。
実施例15−17キンドリングおよび双極性循環
現在の文献における考察は、キンドリングの基礎になる機構は双極性障害における循環の機構に類似している可能性がありそして/または気分安定性に関係している可能性があることを示唆している。このように、本明細書の以下により詳細に記述するへんとう核キンドリングおよび海馬キンドリング検定は、試験化合物が双極性障害に関連しているか、それの特徴であるか或はそれの症状である循環を治療する能力の予測になり得る(Ghaemi,S.N.,Boiman,E.E.およびGoodwin,F.K.,Soc.of Bio.Psychiatry,(1999),45巻,137−144頁;Stoll,A.L.およびSeverus,W.E.,Harvard Rev.Psychiatry,7月/8月(1996),4巻,No.2,77−89頁)。
へんとう核キンドリング検定(キンドリング防止)
簡単に述べると、この検定の手順は下記の通りであった。体重が250−300gの範囲の成オスSprague−DawleyラットをCharles River,Wilmington,MAから入手した。あらゆる動物を12:12の明暗サイクル下のケージに入れて餌(Prolab RMH3000)および水の両方を動物をホームケージから実験手順の目的で取り出す時以外は自由に摂取できるようにした。動物の世話を有害生物が存在しない温度を管理した施設の中でNational Research Council Publication,“Guide for the Care and Use of Laboratory Animals”に詳述されている推奨におおよそ一致した様式で実施した。如何なる日内変動も回避する目的でキンドリング刺激を9 AM−2 PMの間に常規通り実施した。
化合物番号8を少量の0.5%メチルセルロースに入れて磨り潰し、10分間音波処理した後、0.5%のメチルセルロースを用いて最終体積にした。化合物番号8を体重10g当たり0.04mlの量で全身(i.p.)投与し、そしてi.p.投与してから0.5時間後の前以て決めておいたピーク効果時にあらゆる試験を実施した。
化合物番号8がへんとう核キンドルド発作の発生を遮断する能力を下記の如く測定した。ラットにケタミン(120mg/kg,i.p.)とキシラジン(12mg/kg,i.p.)の混合物で麻酔をかけた。無菌条件下で双極電極(Plastic One,Roanoke,VA)を右基底外側へんとう核の中に定位移植した(AP−2.2,ML−4.7,DV−8.7;PaxinosおよびWatson)。前部−後部および側部測定をブレグマから実施する一方、背腹測定を頭蓋骨表面から実施した。無菌の頭蓋骨用ねじ(3−4)を普通の基準電極として移植した。電極を歯科用セメントおよびアクリル樹脂で固定した。次に、無菌の18/8 Michel縫合用クリップ(Roboz,Gaithersburg,MD)で傷口を閉じた。抗生物質であるネオマイシン軟膏を前記創傷に塗布し、1回分のペニシリン(60,000IU,im,AgriLabs)を各ラットに投与した後、手術後回復の目的でそれらを奇麗なケージに戻して1週間入れておいた。
次に、へんとう核キンドリングを以下に示すプロトコルに従って実施した。記録用チャンバに短時間(<5分)慣れさせた後、ベースラインのEEG記録を得た(MP100,Biopac Systems Inc.,Goleta,CA)。次に、ラットに無作為に媒体(0.5%のメチルセルロース)または化合物番号8(75mg/kg,i.p.)のいずれかを与えた(n=10匹のラット/グループ)。検定日、へんとう核刺激(200μAで2秒間)を行う30分前に化合物番号8または0.5%のメチルセルロースの1回分を投与した。行動的発作スコアおよびAD持続時間を各処置グループのラット毎に記録した。行動的発作スコアをRacineスケール;即ち0=反応無し;段階1=グルーミング/多動性;段階2=点頭/振戦;段階3=片側前肢クローヌス;段階4=立ち上がりを伴うクローヌス;および段階5=立ち上がりと転倒を伴う全身性強直−慢性発作(Racine,1972)を用いて決定した。放電後(AD)活性を刺激トレイン(train)から180秒間に及んで数字的に記録しかつ一次ADの持続期間を測定した。ラットが段階4または5の全身性発作を連続的に5回示した時にはそれらが完全なキンドリングを起こしたと見なした。3グループ全部のラットに毎日刺激を連続13日間に及んで媒体処置グループのラットが完全なキンドリング(即ち段階4または5の発作を連続的に5回)を起こすまで継続して与えた。この時点であらゆるラットを1週間の刺激も薬剤も与えない期間に入らせ、その後、それらに取得段階(即ち1−13日)中に用いた刺激と同じ刺激を用いた再チャレンジを薬剤の存在無しに受けさせた。その後、化合物番号8で処置したラットに刺激をそれらが完全キンドルド状態に到達するまで日に1回ずつ与えた。
媒体処置および化合物番号8処置グループの両方とも放電後(AD)持続期間がキンドリング取得段階の過程全体に渡って進行的増加を示した。処置グループ間の統計学的差は全く観察されなかった。
化合物番号8は完全な全身性キンドルド発作の取得を防止した。このような結論は、薬剤も刺激も与えない期間が終了した時の発作スコアが媒体処置グループのラットが示したそれよりも有意に低いままであることを確認したことが基になっている(化合物番号8=1.4+0.40と対比して媒体=4.6+0.24)。加うるに、ラットに刺激を薬剤の存在無しに与えると、化合物媒体8処置グループのラットが示した発作スコアが媒体処置ラットで観察したそれと平行な速度で高くなり、このことは、化合物番号8がキンドリングの取得を数日間遅らせると言った結論を裏付けしている。
この検定の結果は、化合物番号8が部分てんかんのへんとう核キンドルドラットモデルにおけるキンドリングの発生を改善する能力を有することを示している。このような結果は、化合物番号8が病気を改善する効果を有すると言った結論と一致している。このような結論は、化合物番号8処置グループのラットでは薬剤も刺激も与えない期間が終了した時点の発作スコアが媒体処置ラットのそれよりも有意に低いままであると言ったことを見いだしたことが基になっている。その上、刺激プロトコルを薬剤の存在無しに再開すると発作スコアが媒体処置グループのそれと平行した速度で進行した。
本化合物で処置したグループでは刺激も薬剤も与えない1週間から1週間が経過した後の発作スコア[放電後持続期間ではなく]が媒体処置グループのそれよりも顕著に低いことを見いだしたことは、化合物番号8が二次的な全身性発作の取得を防止するが限局性発作は防止しないことを示唆している。
海馬キンドリングモデル(キンドルド状態の妨害)
キンドルド発作は局限性発作の実験モデルを与えるものであり、科学者がそれを用いて発作が病巣から広がって全身に至る一因になり得る複雑な脳網状組織を研究することを可能にするものである。
本迅速海馬キンドリングモデルでは、成オスSprague−Dawleyラット(300−400g)の海馬に双極電極を外科的に移植して位置させた。そのラットに反復電気刺激(50Hz,一連の1ミリ秒から成る10秒,30分毎に200μAの2相パルスを1日おきに6時間、全体で60回の刺激)を与えてキンドルドを受けさせ、その結果として段階5の両側運動発作を起こさせた。1週間後にラットに閾値を超える刺激を30分毎に2−3回送達して与えた後、試験化合物で処置することで、挙動的発作段階の安定化および放電後の持続期間を確かめた。最後の刺激を与えてから15分後に媒体または試験化合物を1回分i.p.(腹腔内)投与した。次に、15分後に各ラットに刺激を30分毎に3から4時間与えた。各刺激後に個別の発作スコアおよび放電後持続期間を記録した。グループ平均±SEMを各パラメーター毎に計算した。1用量当たり8匹のラットおよび最低限で4回の投与を用いてED50値を確認した。効力をある化合物が全身性発作の発作スコア(広がりのひどさ)および放電後持続期間(ADD;興奮性)を改善する能力として測定した。
このような方策を用いて、ある化合物がADDに全く影響を与えることなく発作スコアを5から3に低下させたならば、これは、そのような化合物が二次的全身性発作の治療に有用であることを示唆している。対照的に、ある化合物が発作スコアを5から1未満にまで低下させるばかりでなくADDも低くするならば、これは、そのような化合物が局限性発作の治療に有用であることを示唆している。このように、現在の文献(Ghaemi,S.N.,Boiman,E.E.およびGoodwin,F.K.,Soc.of Bio.Psychiatry,(1999),45巻,137−144頁;Stoll,A.L.およびSeverus,W.E.,Harvard Rev.Psychiatry,7月/8月(1996),4巻,No.2,77−89頁)に示されている理論によれば、発作スコアおよび/またはADDの低下はまた試験化合物が双極性障害に関連した循環を治療する能力を有することの予測でもあり得る。
化合物番号8(0.5%のメチルセルロース水溶液に入れて調製)は、そのようなモデルで抗けいれん活性を示し、ED50=68.5±1.3mg/kgであった(45分経過した時に発作スコアを低くしそして165分経過した時が活性のピークであることに相当)。8匹のラットの中の4匹の発作スコアが5から1まで有意に低下した(p=0.0003)。ADDに対する効果は統計学的に有意ではなかった(p=0.07)。エトスキシミドはこのようなモデルで効果を示さない一方、フェニトイン、カルバマゼピンおよびバルプロ酸は発作行動を有意に抑制しはしたが、毒性を有する用量の時であった。
このようなモデルにおいて、化合物番号8を用いて処置すると、図5に示すように、8匹のラットの中の6匹が広範囲な発作行動の有意な低下を示した(スコア<3)。バルプロ酸(毒性用量>300mg/kgの時)およびカルバマゼピン(毒性用量>26mg/kgの時)にも同様な保護を観察した。
この検定による比較結果は以下の表4に示す如くである。
Figure 0005190372
ラモトリジン抵抗性へんとう核キンドルドラットモデル(キンドルド状態の妨害)
化合物番号8にラモトリジン(LTG)抵抗性へんとう核キンドルドラットモデル(NINDS)を用いた評価を受けさせた。へんとう核キンドリングは海馬キンドリングよりも苛酷ではないことから、いろいろなAEDはへんとう核キンドルド発作に対して有効ではあるが、海馬キンドルド発作に対しては有効でない。例えば、ラモトリジンはへんとう核キンドルド発作スコアおよびADDを有意に低下させ得る(ED50=25mg/kg,i.p.,CI=4−50mg/kg;スコア〜2;ADDを62%低下)が、海馬キンドルド発作に対しては保護を与えることができない。
LTG抵抗性へんとう核キンドリングモデルでは、キンドリング取得段階中のラットにLTG(5mg/kg,i.p.,q.d.)を投与した。この投与はキンドリング自身には効果を全く示さず、LTGの抗けいれん効果に抵抗性を示す完全にキンドリングしたラットの発生をもたらした。抵抗性を確実にする目的で、キンドリングを起こした後(150μAの2相60Hzの電流パルスを1秒間与える閾値を超えた刺激;〜2週間)のラットに高い用量のLTG(45mg/kg,i.p.)を用いた再チャレンジを1週間後に受けさせた。挙動的発作段階の安定性および放電後持続期間を確実にする目的で、3−4日のウォッシュアウト期間を置いた後のラットに閾値を超える刺激を30分毎に送って受けさせた後、化合物番号8(または媒体)を用いた処置を実施した。最後の刺激を与えてから15分後に1回分の媒体または試験化合物をi.p.投与した。次に、15分後に各ラットに刺激を30分毎に3から4時間に渡って受けさせた。各刺激後の個別の発作スコアおよび放電後持続期間を記録した。グループ平均±SEMを各パラメーター毎に計算した。
化合物番号8(75mg/kg,i.p.,n=9)は発作スコアを有意に低くしかつ放電後持続期間を有意に短くした。9匹のラットの中の8匹が保護されたことで、発作スコアが5から0.8まで低下しかつ放電後持続期間が86%短縮した(73秒間から10秒間にまで)。そのような用量の時に9匹のラットの中の4匹が運動失調および鎮静を示した。
尾で吊るす検定(急性)
化合物に抗鬱活性に関する評価を受けさせるための尾で吊るす試験(TST)では、マウスの尾を金属またはプラスチック製ロッドにクリップまたはスコッチテープで取り付けることでマウスを宙づりにする。この試験の期間は一般に極めて短く、5−7分間であり、そのマウスが動かない状態で経過する時間を手動または自動化装置のいずれかで記録する。抗鬱活性を有する薬剤は前記試験でマウスが動かない状態で経過する時間を短くする。
この尾で宙づりにする検定の基本的装置を黄色のプラスチック製チャンバ(91 x 45 x 10cm)[これは厚みが0.75cmの黄色プラスチック製壁で幅が25,20,20および25cmの4つの活動領域に分離されている]で構成させた。試験チャンバの上部に位置させたプラスチック製ロッドに取り付けておいたゴム製クリップ(長さが7cm)を用いてマウスを尾でチャンバの深さの半分の所まで宙づりにした。各実験セッションをビデオテープに撮りそして4匹の動物をコンピューターソフトウエア(“Depression Scan”Clever Sys Inc.)を用いて実時間で分析した。動かない状態のコンピューターによる正当化にロラゼパムを投与した動物を用いて較正を受けさせる一方、動いている状態の正当化にデシプラミンを高用量で用いた処置を受けさせた動物を用いて較正を受けさせた。対照である媒体処置動物および化合物番号8で処置した動物に分析を前記較正設定下で受けさせた。これらの設定を個別にダーク(dark)(CH3/HeJおよびC57Bl/6J株)およびホワイトマウス(Balb/cJおよびA/J株)毎に調製した。ダークマウスには黄色の背景を用いそしてホワイトマウスの動きを記録する時には青色背景を用いた。
試験化合物が動かない状態の持続期間を短くするか或は動きを増加させる能力の測定を上述したTST手順を用いて実施した。臨床的に有効な抗鬱薬および/または抗鬱特性を有する可能性のある新規な化合物を用いた急性処置を行うとTSTにおいて動かない状態の持続期間が短くなると同時に動きを増加させる。
データをGraphPad Prismソフトウエア(GraphPad Software,Inc.San Diego,CA)で分析した。いろいろな薬剤がいろいろな用量でTSTにおける動かない状態に対して示す効果を比較する目的で一元配置分散分析(ANOVA)に続いてダネット多重比較検定を用いた。DMI,VLX,DLXおよび化合物番号8に関するED50およびEmax値の計算を非線形回帰分析で実施し、単相指数関数的減衰式を曲線適合で用いた。ED50およびEmax値を二元ANOVAおよびBonferroni post−hoc検定で比較した。
いろいろな抗鬱薬および化合物番号8に対してCH/HeJマウスが示した用量反応を評価した。化合物番号8を0.5%のメチルセルロースに入れて懸濁させた。正対照にデュロキセチン(DLX),ベンラファクシン(VLX)およびデシプラミン(DMI)(これらを0.5%のメチルセルロースに溶解させた)およびロラゼパム(LOR)(これを水中0.5%のメチルセルロースに入れて音波処理することで懸濁させた)を含めた。あらゆる薬剤および媒体を10mL/kgの量で強制経口(p.o.)投与した。
5週齢のマウスを注文し、そして実験開始時の体重は20±5gであった。動物をプラスチック製ケージに4匹が1グループの状態で入れて、21℃から23℃の周囲温度にすることに加えて自動的に12/12時間の明/暗サイクルにしそして水および市販の齧歯類用餌を随意摂取できるようにした。
このグループを化合物番号8および正対照(DMI,VLX,DLX)をいろいろな用量で用いそして負対照(LOR)を5mg/kgの量で用いた時の効果を試験する8実験に分割した。各実験を1グループ当たり4匹の動物を用いる7処置グループで構成させた。全体で1実験当たり28匹の動物を用いた。連続して実施する2実験(1と2,3と4,5と6および7と8)の全部を互いに正確に同じにした。その結果として検定終了時の各処置グループ当たりの動物の総数は8になった。各実験における動物が4匹の1処置グループは媒体処置グループであった。実験1および2では、前記媒体処置グループに加えてDMIが6mg/kg,12mg/kg,30mg/kg,60mg/kgおよび120mg/kgの時そしてLORが5mg/kgの時の効果を試験した。実験3および4では、化合物番号8が6mg/kg,12mg/kg,30mg/kg,60mg/kg,120mg/kgおよび240mg/kgの時の効果を試験した。実験5および6では、DLXが6mg/kg,12mg/kg,30mg/kg,60mg/kg,120mg/kgの時そしてLORが5mg/kgの時の効果を試験した。実験7および8では、VLXが6mg/kg,12mg/kg,30mg/kg,60mg/kg,120mg/kgの時そしてLORが5mg/kgの時の効果を試験した。この検定の過程で化合物番号8を12mg/kg用いて処置したグループの中の1匹のマウスが投与量を間違えたことが理由で死亡したことから、このグループの検定終了時における動物数は7であった。
化合物番号8および試験を受けさせた抗鬱薬は全部が7分間の試験セッション中にCH3/HeJマウスが動かない状態の時間を短くしかつ動いている状態の時間を長くした。化合物番号8が12mg/kg,60mg/kgおよび120mg/kgの時の効果は統計学的に有意であった。有意さを媒体で処置した並行対照と比較することで決定した。
DMIが12,30,60および120mg/kgの時の効果は統計学的に有意であった。VLXが6,12,30,60および120mg/kgの時の効果は統計学的に有意であった。DLXが60および120mg/kgの時の効果は統計学的に有意であった。
ED50およびEmax値の計算を前記結果を用いた非線形回帰分析で実施した。ED50およびEmax値を以下の表3に示す。動かない状態および動いている状態に関して計算したED50値は処置全体に渡って統計学的な差がなかった。化合物番号8が示したED50値はDLXが示したED50値よりも有意に低かったが、DMIおよびVLXが示したED50値とは差がなかった。動かない状態および動く状態に関して計算したEmax値は化合物番号8に関しては有意な差がなかったが、試験を受けさせた抗鬱薬全部に関しては有意な差があった。化合物番号8の場合の動かない状態のEmax値もまた抗鬱薬の場合の値よりも有意に低かった。
Figure 0005190372
要約として、この実施例に記述した検定は、尾で宙づりにする試験で測定したように化合物番号8が抗鬱薬様活性を有することを示している。化合物番号8が我々の検定条件下で示した計算ED50は3.6±2.9mg/kgでありかつ計算Emaxは22.2±6.1%であった。
強制水泳試験(急性)
強制水泳試験(FST)は、抗鬱特性を有する可能性のある化合物を選別する目的で一般的に用いられている手順である。この試験はまた挙動絶望試験としても知られる。齧歯類を水を充填しておいたファミリアタンク(familiar tanks)に入れると、それらは幅広く多様な逃避または不動挙動を示す。いろいろな種類の抗鬱薬は顕著に逃避挙動を向上させそして/または不動潜伏期間もしくは持続期間を短くする。そのような効果は臨床的に活性のある抗鬱薬の特徴であることから、FSTにおいてそのような効果を示す未知の臨床的活性を有する化合物はヒト気分障害の治療に見込があると解釈される。
化合物番号8およびマプロチリンを10%のソルトール(solutol)に溶解させた。ベンラファクシンおよびデシプラミンを水に溶解させた。あらゆる薬剤およびこれらの媒体を5mL/kgの量で強制経口(p.o.)投与した。
オスSprague Dawleyラット(140から160g)[Charles River Laboratories Wilmington,MAから入手]を用いた。これらの動物を5日間の検疫期間に入らせた後、実験手順を実施した。
動物をプラスチック製ケージに4匹が1グループの状態で入れて、21℃から23℃の周囲温度にすることに加えて自動的に12/12時間の明/暗サイクルにしそして水および市販の齧歯類用餌を随意摂取できるようにした。予備試験の水泳セッションを実施する前に床材を常規通り変える以上の取り扱いを動物に受けさせなかった。
この検定を化合物番号8,3種類の正対照(デシプラミン,マプロチリン,ベンラファクシン)および負対照(ロラゼパム)がいろいろな用量の時に示す効果を試験する6実験に分割した。各実験を1グループ当たりn=4の動物を用いた7処置グループで構成させた。全体で1実験当たり28匹の動物を用いた。連続的に実施する2実験(1と2,3と4および5と6)を互いに正確に同じにした。その結果として試験終了時における1処置グループ当たりの動物の総数は8匹になった。各実験におけるn=4の動物の1処置グループは媒体処置グループであった。実験1および2では前記媒体処置グループに加えてデシプラミンが3mg/kg,6mg/kg,12mg/kg,30mg/kgおよび60mg/kgの時およびロラゼパムが1mg/kgの時の効果を試験した。実験3および4では化合物番号8が3mg/kg,6mg/kg,12mg/kg,30mg/kg,60mg/kgおよび120mg/kgの時の効果を試験した。実験5および6ではベンラファクシンおよびマプロチリンが12mg/kg,30mg/kgおよび60mg/kgの時の効果を試験した。この検定の過程中にデシプラミンを12mg/kg用いて処置したグループの中の1匹のラットが用量を間違えたことが理由で死亡したことから、このグループの試験終了時の動物の数は7であった。
基本的装置をシリンダー(高さ46cm x 直径〜20cm)で構成させて、これに温度が25±1℃の水を30cmの深さにまで充填した。この実験を実施する目的でFSTの自動化バージョンを用いた。水を自動的に充填しかつ除去する配管を用いて4個のシリンダーをつなげた。シリンダーを幅が25cmの分割用チャンバに入れることで動物を可視的に分離した。各5分間の実験セッションをビデオテープに撮って、コンピューターソフトウエア(Clever Systems,Inc.)を用いて4匹の動物を一度に実時間で分析した。このソフトウエアを用いて不動、水泳、よじ登りおよび逃避の時間を記録した。この4種類の活動を下記の如く定義する。不動:動物が動かないで浮遊しているか或は頭を水の上に保つに必要な動きのみをする;よじ登り:動物が垂直に激しく動きながらシリンダーの回りの壁を引っ掻く;水泳:動物が頭を水の上に保つに必要な動き以上にシリンダーの中を水平に動き回る;および逃避:あらゆる激しい活動的動きの合計。
試験化合物が不動の持続期間を短くするか或は頻度を少なくするか或は水泳、よじ登りおよび逃避の時間を変える能力を上述したFST手順を用いて測定した。臨床的に有効な抗鬱薬および/または抗鬱特性を有する可能性のある新規な化合物は、これらを予備試験と試験セッションの間に投与した時、FSTにおける不動の持続期間を短くするか或は頻度を少なくする。この記述する検定の結果の分析では、5分間の試験セッション中の不動時間に焦点を当てた分析を実施した。
各実験毎に2つの水泳セッションを設けた。1番目として、15分間の予備試験水泳セッションを実施した。次の48時間後に5分間の試験セッションを設けた。水泳セッションが終了した時点で低体温を防止する目的で各動物を柔らかい床材を敷いておいたケージの中に入れて加熱用ランプ下に約15分間置いた。
前記予備試験水泳セッションが完了した時点、それから24時間後そして次に5分間の試験セッションを実施する直前に動物に前以て媒体または試験化合物を用いた処置を受けさせておく、即ち連続3日間実施する2回の水泳セッションの間に各動物に3回注射した。試験セッションを実施する前に注射する時間をデシプラミン,マプロチリン,ベンラファクシン,ロラゼパムの場合には1時間前にし、または化合物番号8の場合には4時間前にした;即ち最大電気ショック発作(MES)試験で最大の効果がもたらされる時間にした。
データをGraphPad Prismソフトウエア(GraphPad Software,Inc.San Diego,CA)で分析した。いろいろな薬剤がいろいろな用量でFSTにおける不動に対して示す効果を比較する目的で一元ANOVAに続いてダネット多重比較検定を用いた。デシプラミンおよび化合物番号8に関するED50およびEmax値の計算を非線形回帰分析で実施し、単相指数関数的減衰式を曲線適合で用いた。ED50およびEmax値を両側t検定で統計学的に比較した。
試験を受けさせたあらゆる抗鬱薬が5分間の試験セッション中の不動時間を短くした。デシプラミンが6mg/kg,12mg/kg,30mg/kgおよび60mg/kgの時の効果は統計学的に有意であった。デシプラミンが示した計算ED50は2.0±0.1mg/kg(CI=1.3−3.3mg/kg)でありそしてそれのEmaxは50.0±8.4秒(CI=31.8−57.7)であった。化合物番号8を12mg/kg,60mg/kgおよび120mg/kgの量で用いた処置の効果は媒体処置対照のそれと比較して統計学的に有意であった。個々のラットの間の変動が大きいことから化合物番号8を30mg/kgの用量で用いた時の効果は対照のそれと有意な差がなかった。この理由で、用量が30mg/kgの場合の不動データをED50の計算に用いなかった。化合物番号8に関して計算したED50は5.6±0.6mg/kg(CI=2.2−15.6mg/kg)でありそしてそれのEmaxは67.0±11.6秒(CI=30.3−103.8)であった。化合物番号8が示したED50値とデシプラミンが示したED50値には有意な差があった[p<0.001(両側t検定)]。デシプラミンが示したEmax値と化合物番号8が示したEmax値の間には統計学的に有意な差がなかった。ベンラファクシンおよびマプロチリン(正対照)に試験を受けさせた用量は下記の3種類のみであった:12mg/kg,30mg/kgおよび60mg/kg。30mg/kgおよび60mg/kgの用量で処置した動物の不動はベンラファクシンおよびマプロチリンの両方とも媒体処置対照のそれと有意な差があった。しかしながら、この2つの薬剤に関してED50を計算したデータ点の数はあまりにも少なかった。ロラゼパム(負対照)に試験を1mg/kgの量で受けさせたが、試験セッション中のラットが不動である時間に対する有意な影響は示されなかった。このような結果は、化合物番号8がFSTにおいて抗鬱薬様活性を有することを示している。
Figure 0005190372
慢性軽度ストレスモデル(慢性)
この慢性軽度ストレス(CMS)モデルでは、ラットに多様な軽度ストレスを長期間に渡って受けさせると、とりわけ、それは生化学的および生理学的障害、報われる刺激に対する反応が実質的に低下すると言った挙動を示す。そのような損失を通常は1%スクロース溶液の消費量の減少で監視するが、また、他の試験、例えば場所選択性条件付けまたは頭蓋内自己刺激などでも見られる。報われることに対する感受性の低下は無快感症(喜びを経験することができないこと)[これは大鬱病性障害の中心的症状である]を反映していると思われることから、CMS手順を抗鬱作用機構を研究する時の適切な研究道具として用いることができる。
オスWistarラットを実験を開始する2カ月前に実験室に入れた。以下に記述する以外は動物を1匹ずつケージに入れて餌および水を自由に摂取できるようにしかつ12時間の明/暗サイクルおよび一定の温度(22±2℃)および湿度(50±5%)条件下に維持した。
最初に、これらの動物が1%のスクロース溶液を消費するように訓練したが、その訓練を、餌と水を14時間遮断した後にスクロースをホームゲージの中に入れることで供給しそしてスクロース溶液を入れて前以て重量を測定しておいたボトルの重量を試験終了時に測定することでスクロース摂取量を測定する1時間のベースライン試験を8回実施することで構成させた。その後、実験全体に渡って1週毎の間隔でスクロース消費量を同様な条件下で監視した。
最後のベースライン試験におけるスクロース摂取量を基にして、前記動物を2つの同等なグループに分けた。一方のグループの動物には慢性的軽度ストレス手順を連続7週間に渡って受けさせた。各週のストレス計画を下記で構成させた:餌または水を遮断する2期間、ケージを45度傾ける2期間、断続的照明(明かりの点滅を2時間毎に実施)の2期間、ケージを汚す(250mlの水を鋸屑の床材に染み込ませる)2期間、ケージに2匹入れる1期間、低強度のストロボ照明(150回のフラッシュ/分)の2期間およびストレス無しの3期間。あらゆるストレスの持続時間を10−14時間にして、個別に昼も夜も連続的に与えた。対照動物を個別の部屋に入れて、ストレスを与える動物とは接触させなかった。それらに各スクロース試験を受けさせる前の14時間に渡って餌と水を遮断したが、それ以外、ホームケージの中に居る時には餌と水を自由に摂取できるようにした。
ストレスを与える最初の2週間が経過した後のスクロース摂取量を基準にして、ストレスを与える動物および対照動物の両方を各々更に同等なサブグループ(n=8)に分割し、そして次の5週間に渡ってそれらに媒体(0.5%のメチルセルロース,1ml/kg)、化合物番号8を12mg/kg,30mg/kgまたは60mg/kg,イミプラミンを10g/kgまたは基準処置としてベンラファクシンを10mg/kgの量で毎日1回腹腔内投与した。前記薬剤をほぼ10.00の時に投与しそして毎週のスクロース試験を最後に薬剤を注射してから24時間後に実施した。5週間後にあらゆる処置を終了しそして24時間後に血液および/または脳サンプルをあらゆる動物から採取して、それらにさらなる生化学的分析を受けさせた。ストレスを処置期間全体に渡って与え続けた。
動物をこれらが入っている部屋から個別に取り出して別の屠殺用部屋に入れた。次に、準無作為な順でそれらの首を切断した。屠殺後直ちに全脳を取り出し、ドライアイス//n−ヘプタン中で急速凍結させそしてプラスチック製瓶に入れて−70℃で貯蔵した。胴体の血液(血漿用)を集めてEDTA管[EDTA(血液1ml当たり約1.6mg)を入れておいた]の中に入れた。そのEDTA血液を直接1500xgの遠心分離に4℃で10分間かけた。その血漿を吸引で取り出した後、エッペンドルフ管に入れて−70℃で貯蔵した。加うるに、投薬を受けさせなかった動物から20mlの血漿を2ロット調製して、生検用の化合物標準曲線を作成した。
この検定で得たあらゆる結果を3つの被験体間要因(ストレス/対照、薬剤処置および連続的スクロース試験)を用いた多重分散分析で分析した。平均値をpost−hoc比較する目的でFisherのLSD検定を用いた。
慢性的軽度ストレスによって1%スクロース溶液の消費量が徐々に減少した。最後のベースライン試験において、あらゆる動物が飲んだスクロース溶液の量は約11gであった。最初の2週間に渡ってストレスを与えた後の摂取量は対照が示したレベルと同様なままであったが、ストレスを与えた動物では約6gにまで降下し、その結果としてもたらされたグループ効果は有意であった[F(1,84)=87.204;p<0.001]。そのような対照と媒体で処置してストレスを与えた動物の間の差は実験の残り期間に渡って同じレベルのままであった。
イミプラミンは、媒体投与と対比して、対照では不活性[処置効果:F(1,84)=1.578;NS]であったが、ストレスを与えた動物では有意な処置効果:F(1,84)=22.651;p<0.001および処置 x 週の相互作用:F(5,84)=2.717;p=0.025]をもたらした。同様に、ベンラファクシンも対照では不活性[処置効果:F(1,84)=0.208;NS]であったが、ストレスを与えた動物では有意な処置効果:F(1,84)=35,724;p<0.001および処置 x 週の相互作用:F(5,84)=3.219;p=0.010]をもたらした。
ストレスを与えた動物では、0週のスコアに比べて、スクロース摂取量が増加してイミプラミン(p<0.05)およびベンラファクシン(p<0.01)を用いた処置を4週間受けさせた後に統計学的有意さに到達し、そしてこの効果はその後も持続した。ストレスを与えた1匹の動物(番号480)はベンラファクシンの処置に反応を示さなかったが、統計学分析に含めた。
媒体投与と比較して、化合物番号8は対照[F(3,168)=1.198;NS]にもストレスを与えた動物[F(3,168)=1.676;NS]にもでは有意な処置効果をもたらさず、このことは、この化合物は鬱病のCMSモデルでは不活性であることを示している。
居住/侵入検定(また慢性的社会的ストレス検定としても知られる)
抗鬱様活性を示す化合物を選別する目的で挙動的居住/侵入検定を用いる。化合物番号8にこの検定を用いた試験を受けさせたが、この検定をRygula,R.,Abumaria,N.,Flugge,G.,Fuchs,E.,Ruther,E.,Havemann−Reinecke,U.,Behavioral Brain Research,162(2005),127−134頁に記述されている如き手順に従って実施した。
以下の表5,6および7に、下記の化合物をp.o.(経口)投与した時の測定パラメーターの平均および標準偏差値を示す:媒体、対照化合物であるイミプラミン(10mg/kg)およびベンラファクシン(10mg/kg)、化合物番号8(60mg/kg)および化合物番号8(120mg/kg)。
Figure 0005190372
Figure 0005190372
Figure 0005190372
化合物番号8は居住/侵入検定で活性を示し、このことは、化合物番号8が抗鬱薬として活性があると期待することができることを示している。
経口用組成物の具体的態様として、実施例7に示したようにして調製した化合物番号8を100mg用いて、これをサイズOのハードゲルカプセルを満たす総量である580から590mgになるに充分な量の微細ラクトースと一緒に配合する。
この上に示した明細に説明の目的で与えた実施例を伴わせて本発明の原理を教示してきたが、本発明の実施は本請求項およびこれらの相当物の範囲内に入る如き通常の変形、応用形および/または修飾形の全部を包含することは理解されるであろう。

Claims (22)

  1. 躁病を治療するための製薬学的製剤の製造における、下記式(I)で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩の使用方法であって、
    Figure 0005190372
    式中、
    1およびR2は、各々独立して、水素および 1-4 アルキルから成る群から選択され;
    4は、水素および 1-4 アルキルから成る群から選択され;
    aは、1から2の整数であり;
    Figure 0005190372
    であり、ここで、
    bは0から4の整数であり
    各R5は、独立して、ハロゲンおよび1-4アルキルから成る群から選択される、
    方法。
  2. 式(I)で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩において、R1およびR2が各々独立して水素および 1-4 アルキルから成る群から選択され;
    4が水素および 1-4 アルキルから成る群から選択され;
    aが1から2の整数であり;
    Figure 0005190372
    であり、ここで、
    bが0から2の整数であり
    各R5が独立してハロゲンおよび1-4アルキルから成る群から選択される、
    請求項1記載の方法。
  3. 式(I)で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩において、R1およびR2が各々独立して水素および 1-4 アルキルから成る群から選択され;
    4が水素およびメチルから成る群から選択され;
    aが1から2の整数であり;
    Figure 0005190372
    が2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル),2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),および2−(8−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)
    から成る群から選択される
    請求項2記載の方法。
  4. 式(I)で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩において、R1およびR2が各々独立して水素およびメチルから成る群から選択され;
    4が水素およびメチルから成る群から選択され;
    aが1から2の整数であり;
    Figure 0005190372
    が2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)および2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)から成る群から選択される;
    請求項3記載の方法。
  5. 前記式(I)で表される化合物を(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドおよびこれの製薬学的に受け入れられる塩から成る群から選択する請求項1記載の方法。
  6. 躁病を治療するための製薬学的製剤の製造における、(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドおよびこれの製薬学的に受け入れられる塩から成る群から選択した化合物の使用方法。
  7. 双極性障害を治療するための製薬学的製剤の製造における、下記式(I)で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩の使用方法であって
    Figure 0005190372
    式中、
    1 およびR 2 は、各々独立して、水素およびC 1-4 アルキルから成る群から選択され;
    4 は、水素およびC 1-4 アルキルから成る群から選択され;
    aは、1から2の整数であり;
    Figure 0005190372
    であり、ここで、
    bは0から4の整数であり;
    各R 5 は、独立して、ハロゲンおよびC 1-4 アルキルから成る群から選択される
    方法。
  8. 式(I)で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩において、R 1 およびR 2 が各々独立して水素およびC 1-4 アルキルから成る群から選択され;
    4 が水素およびC 1-4 アルキルから成る群から選択され;
    aが1から2の整数であり;
    Figure 0005190372
    であり、ここで、
    bが0から2の整数であり;
    各R 5 が独立してハロゲンまたはC 1-4 アルキルから成る群から選択される、
    請求項7記載の方法。
  9. 式(I)で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩において、R 1 およびR 2 が各々独立して水素およびC 1-4 アルキルから成る群から選択され;
    4 が水素およびメチルから成る群から選択され;
    aが1から2の整数であり;
    Figure 0005190372
    が2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル),2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),および2−(8−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)から成る群から選択される
    請求項8記載の方法。
  10. 式(I)で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩において、R1およびR2が各々独立して水素およびメチルから成る群から選択され;
    4が水素およびメチルから成る群から選択され;
    aが1から2の整数であり;
    Figure 0005190372
    が2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)および2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)から成る群から選択される;
    請求項9記載の方法。
  11. 前記式(I)で表される化合物を(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドおよびこれの製薬学的に受け入れられる塩から成る群から選択する請求項7記載の方法。
  12. 双極性障害を治療するための製薬学的製剤の製造における、(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドおよびこれの製薬学的に受け入れられる塩から成る群から選択した化合物の使用方法。
  13. 前記双極性障害を治療する方法が前記双極性障害の鬱および躁を治療することを含んで成る請求項7記載の方法。
  14. 前記双極性障害を治療する方法が前記双極性障害の鬱、躁および循環を治療することを含んで成る請求項7記載の方法。
  15. 前記双極性障害を治療する方法が前記双極性障害の鬱および躁を治療することを含んで成る請求項12記載の方法
  16. 前記双極性障害を治療する方法が前記双極性障害の鬱、躁および循環を治療することを含んで成る請求項12記載の方法。
  17. 双極性鬱病を治療するための製薬学的製剤の製造における、下記式(I)で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩の使用方法であって
    Figure 0005190372
    式中、
    1 およびR 2 は、各々独立して、水素およびC 1-4 アルキルから成る群から選択され;
    4 は、水素およびC 1-4 アルキルから成る群から選択され;
    aは、1から2の整数であり;
    Figure 0005190372
    であり、ここで、
    bは0から4の整数であり;
    各R 5 は、独立して、ハロゲンおよびC 1-4 アルキルから成る群から選択される
    方法。
  18. 式(I)で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩において、R 1 およびR 2 が各々独立して水素およびC 1-4 アルキルから成る群から選択され;
    4 が水素およびC 1-4 アルキルから成る群から選択され;
    aが1から2の整数であり;
    Figure 0005190372
    であり、ここで、
    bが0から2の整数であり;
    各R 5 が独立してハロゲンおよびC 1-4 アルキルから成る群から選択される
    請求項17記載の方法
  19. 式(I)で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩において、R 1 およびR 2 が各々独立して水素およびC 1-4 アルキルから成る群から選択され;
    4 が水素およびメチルから成る群から選択され;
    aが1から2の整数であり;
    Figure 0005190372
    が2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(ベンゾ[1,3]ジオキソリル),2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),および2−(8−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)から成る群から選択される
    請求項18記載の方法。
  20. 式(I)で表される化合物またはこれの製薬学的に受け入れられる塩において、R 1 およびR 2 が各々独立して水素およびメチルから成る群から選択され;
    4 が水素およびメチルから成る群から選択され;
    aが1から2の整数であり;
    Figure 0005190372
    が2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル),2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)および2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)から成る群から選択される;
    請求項19記載の方法
  21. 前記式(I)で表される化合物を(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドおよびこれの製薬学的に受け入れられる塩から成る群から選択する請求項17記載の方法。
  22. 双極性鬱病を治療するための製薬学的製剤の製造における、(2S)−(−)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−スルファミドおよびこれの製薬学的に受け入れられる塩から成る群から選択した化合物の使用方法。
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