JP2009519954A - 抗癌剤として有用な6−[(置換)フェニル]トリアゾロピリミジンの二量体および付加物 - Google Patents

抗癌剤として有用な6−[(置換)フェニル]トリアゾロピリミジンの二量体および付加物 Download PDF

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Abstract

6−[(置換)フェニル]トリアゾロピリミジン化合物またはその医薬上許容される塩のある特定の付加物および二量体、および該化合物またはその医薬上許容される塩を含む組成物であって、該化合物が哺乳動物における癌の治療に有用な抗癌剤であるものを開示する。また、有効量の該化合物またはその医薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物において癌性腫瘍細胞の成長および関連疾患を治療または阻害する方法、および多剤耐性(MDR)を発現するか、またはMDRのために耐性である癌性腫瘍の治療または予防方法も開示する。また、有効量の該化合物またはその医薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを特徴とする、微小管重合の促進によって哺乳動物において癌性腫瘍細胞の成長および関連疾患を治療または阻害する方法も開示する。

Description

本発明は、6−[(置換)フェニル]トリアゾロピリミジン化合物またはその医薬上許容される塩の付加物および二量体ならびに該化合物またはその医薬上許容される塩を含む組成物に関し、ここに、該化合物は、哺乳動物における癌の治療、多剤耐性(MDR)を発現するか、またはMDRのために耐性である癌性腫瘍の治療または予防、微小管重合の促進によって哺乳動物における癌性腫瘍細胞の成長および関連疾患を治療または阻害する方法、および有効量の本発明の化合物またはその医薬上許容される塩を投与することによって化学療法において使用される化学療法剤、特に、細胞分裂阻止剤に対する固有の耐性または獲得された耐性を有する哺乳動物において癌性腫瘍の成長を治療または阻害する方法に有用な抗癌剤である。
DNAは化学療法の治療薬を開発するための主要な標的であったので、今日用いられている細胞増殖抑制剤の多くは、DNAの生合成に必須の前駆体の形成を阻害するか、またはDNAポリメラーゼを阻害するか、またはDNAの鋳型機能を干渉するものである。不運にも、DNAの生合成に必須の前駆体の形成の阻害、またはDNAポリメラーゼの阻害、またはDNAの鋳型機能を干渉は、正常組織にも影響を及ぼす。
抗微小管剤は、抗癌剤の主要なカテゴリーである(Rowinsky,E.K.およびTolcher,A.W.「抗微小管剤(Antimicrotubule agents)」:V.T.Devita,Jr.,S.HellmanおよびS.A.Rosenberg(編),Cancer Principles and Practice,第6版,pp.431−452.Philadelphia:Lippincott Williams and Wilkins,2001)。それらは、細胞微小管、特に、紡錘体の機能に干渉することによって作用する。正常な紡錘体機能の分布は、アポトーシス細胞死を導く。
現在、既知の抗微小管剤の3つの主要なクラスがある。各々、β−チューブリン上に別個の結合領域を有し、微小管機能に対する別個の効果を有する。これらのクラスは、1)微小管形成を促進し、微小管を安定化するタキサン部位剤、2)微小管を不安定化し、しばしば、異常なポリマーまたは凝集体の形成を高濃度で誘導するビンカ/ペプチド部位剤、および3)微小管を不安定化し、一般に、他のポリマーを誘導しないコルヒチン部位剤である(Hamel,E.「抗有糸分裂天然産物およびチューブリンとのその相互作用(Antimitotic natural products and their interactions with tubulin)」 Med.Res.Rev.,16:207−231,1996)。3つ全てのクラスの部位に対するリガンドの多くは、天然産物であるか、または天然産物の半合成誘導体である。
パクリタキセルおよびその半合成誘導体ドセタキセル(Taxotere(登録商標))は、微小管形成に干渉し、微小管を安定化する。パクリタキセル(Taxol)は、セイヨウ(タイヘイヨウ)イチイTaxus brevifoliaの樹皮から単離されたジテルペンであり、タキサン環系を有する新規なクラスの治療剤を代表する。さらに、それは、カナダ東部のGaspesiaにおいて見出されたカナダイチイ(Taxus canadensis)およびヨーロッパにおいて見出されたTaxus baccataを包含するTaxacaeファミリーの他のメンバーにおいて見出され、その針葉がパクリタキセルおよび類似物を含有し、それゆえ、パクリタキセルおよびその誘導体の再生可能資源を提供する。粗抽出物が1960年代に初めて試験され、その活性素因が1971年に単離され、化学構造が同定された(M.C.Waniら、J.Am.Chem.Soc.,93,2325(1971))。さらに、黒色腫細胞、白血病、種々の癌腫、肉腫および非ホジキンリンパ腫ならびに動物における多くの充実性腫瘍に対する幅広い活性が付加的な試験によって示された。パクリタキセルおよびその類似体は、イチイの針葉および小枝から得られる前駆体10−デアセチルバッカチンIIIからの部分合成によって、および全合成によって生産された(Holtonら、J.Am.Chem.Soc.116:1597−1601(1994)およびNicolaouら、Nature 367:630−634(1994))。パクリタキセルは、抗新生物活性を有することが明らかになった。より近年には、パクリタキセルの抗腫瘍活性が微小管重合の促進によることが示された(Kumar,N.,J.Biol.Chem.256:10435−10441(1981);Rowinskyら、J.Natl.Cancer Inst.,82:1247−1259(1990);およびSchiffら、Nature,277:665−667(1979))。現在、パクリタキセルは、臨床試験においていくつかのヒト腫瘍における効力が明らかになっている(McGuireら、Ann.Int.Med.,111:273−279(1989);Holmesら、J.Natl.Cancer Inst.,83:1797−1805(1991);Kohnら、J.Natl.Cancer Inst.,86:18−24(1994);およびA.Bickerら、Anti−Cancer Drugs,4,141−148(1993))。
2つのタキサン部位剤(パクリタキセルおよびドセタキセル)および3つのビンカ/ペプチド部位剤(ビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビノレルビン)は、種々のヒト癌を治療するために臨床的に使用されている。タキサン類は、ビンカアルカロイドよりも充実性腫瘍(例えば、肺、胸、卵巣)に対して大きな有用性があることが証明され、微小管形成を促進する剤が微小管を不安定化する剤よりも臨床的に優れていることを示唆する。コルヒチン(cholchicine)部位剤は、治療に使用されていない。
パクリタキセルおよびドセタキセルの幅広い臨床上の用途にもかかわらず、これらの薬剤は、改良された剤の必要性を生じるいくつかの制限がある。まず、多くの腫瘍は、少なくとも一部、薬物を細胞外にポンプで汲み出し、それにより薬物の効力を減少させる癌細胞膜に位置する薬物輸送体の発現のために、もともと耐性であるか(例えば、結腸腫瘍)、または複数の治療サイクル後に耐性になる(Gottesman,M.M.「癌薬剤耐性のメカニズム(Mechanisms of cancer drug resistance)」Annu.Rev.Med.,53:615−627,2002)。これらの輸送体の最もよく知られたものは、P−糖蛋白である。したがって、P−糖蛋白または他のかかるポンプの基質ではなく、したがって、患者におけるタキサン耐性の該原因を克服するであろう微小管重合に対するタキサン様効果を有する新規な薬剤に対する要望がある。
第2に、パクリタキセルおよびドセタキセルは、貧水溶性であり、パクリタキセルは、深刻な過感受性反応を誘導するビヒクルCremophor EL中で処方されなければならない(Li,C.L.,Newman,R.A.およびWallace,S.「パクリタキセルの改質(Reformulating paclitaxel)」Science&Medicine,Jan/Feb:38−47,1999)。患者は、典型的に、パクリタキセルの投与前に、これらの毒性を最小限にするため、コルチコステロイドおよび抗ヒスタミン剤を前投与される。したがって、高水溶性であり、かつ、生理学的セーラインまたは他の適当な非毒性ビヒクル中において投与されることのできる微小管重合に対するタキサン様効果を有する新規な薬剤に対する要望がある。
第3に、パクリタキセルは、高度に複雑な構造を有する天然産物であり、ドセタキセルは、密接に関連した半合成誘導体である。したがって、合成により容易に入手可能であり、タキサンと構造上異なり、かつ、微小管重合に対するタキサン様効果を有する化合物に対する要望がある。
したがって、今だ、癌治療において有用な細胞毒性剤に対する当該分野における要望がある。特に、パクリタキセルに類似の効果を有し、かつ、微小管形成の過程を干渉する腫瘍成長を阻害または治療する細胞毒性剤に対する要望がある。したがって、当該分野において、チューブリン重合を促進し、構築された微小管を安定化する薬剤に対する要望がある。
したがって、パクリタキセル様抗癌活性を有する化合物を投与することによって、哺乳動物における細胞増殖、新生物成長および悪性腫瘍成長を治療または阻害する方法を提供する新規化合物を提供することは有利である。
したがって、多剤耐性(MDR)を発現するか、またはMDRのために耐性である癌性腫瘍の成長を治療または阻害する方法を提供する新規な化合物を提供することは有利である。
さらに、化学療法剤、および特に、細胞分裂阻止剤に対する固有の耐性または獲得された耐性を有する哺乳動物における癌性腫瘍の成長を治療または阻害する方法を提供する新規な化合物を提供することは有利である。
当該分野において、抗真菌剤としての農業における置換トリアゾロピリミジンの調製および使用は、米国特許第5,593,996号、第5,756,509号、第5,948,783号、第5,981,534号、第5,612,345号、第5,994,360号、第6,020,338号、第5,985,883号、第5,854,252号、第5,808,066号、第5,817,663号、第5,955,252号、第5,965,561号、第5,986,135号、第5,750,766号、第6,117,865号、第6,117,876号、第6,124,301号、第6,204,269号、第6,255,309号、6,268,371号、6,277,856号、6,284,762号、第6,297,251号、第6,387,848号、米国出願公開第US2002/0045631A1号、第US2002/0061882A1号、第US20030055069A1号および国際公開または欧州公開第WO98/46607号、第WO98/46608号、第WO99/48893号、第WO99/41255号、第WO00/18227号、第WO01/35738A2号、第WO02/46195A1号、第WO02/067679A1号、第WO02/083676A1号、第EPO 834513A2号、第EPO 782997A2号、第EPO550113B1号、第FR2784381A1号、第EPO 989130A1号、第WO98/41496号、第WO94/20501号、第EPO 945453A1号、第EPO 562615A1号、第EPO 562615B1号、第EP 550113A2号、第EP 943241B1号、第EP 988790B1号に記載され、一般式:
Figure 2009519954
を有する。
国際公開第WO 02/02563号には、トリアゾロピリミジン類の抗癌剤としての使用が開示されている。
本発明の化合物は、上記の要望を満足し、かつ、以前に知られたクラスの抗微小管化合物とは有意に異なるタキサン様薬剤の新規なクラスである。本発明の化合物は、β−チューブリンのビンカ部位に結合し、今だ、それらは、タキサンに類似し、かつ、ビンカ部位剤とは別個の多くの性質を有する。特に、本発明の化合物は、パクリタキセルおよびドセタキセルに類似の方法において、低い化合物:チューブリンモル比で、GTPの存在下にて微小管関連蛋白(MAP)に富むチューブリンの重合を増加する。本発明の化合物は、また、適当な実験条件下、GTPの不在下で、高度に精製されたチューブリンの重合、すなわち、タキサン類の特徴である活性を誘導する。
本発明の化合物は、膜輸送体MDR(P−糖蛋白)、MRPおよびMXRを過剰発現する系統を包含する多くの培養ヒト癌細胞系統に対して強力に細胞毒性であるので、パクリタキセルおよびビンクリスチンに耐性である細胞系統に対して活性である。特に、本発明の代表例は、高い水溶性を有し、あkつ、セーライン中で処方することができる。本発明の代表例は、静脈内または経口投与した場合、肺および結腸癌腫、黒色腫および膠芽細胞腫のヒト腫瘍異種移植片を有する無胸腺マウスにおいて抗腫瘍剤として活性である。
本発明の化合物は、例えば、タキサン類または他の微小管活性化合物に耐性であるモデルを包含する、ヒト非小細胞肺癌(NSCLC)、結腸癌、乳癌、黒色腫および膠芽細胞腫のイン・ビボ異種移植片モデルにおいて、幅広い抗腫瘍活性を有することが示された。例えば、これらの化合物は、静脈内または経口経路により週に1回の計画で投与される場合、活性である。
6−[(置換)フェニル]トリアゾロピリミジン類は、2004年9月24日に出願された米国出願番号第10/950,543号において開示され、2005年4月28日に米国特許公開第US2005/0090508A1および2005年4月7日に国際公開第WO2005/030775号として公開された。公開された出願に示されるこれらの化合物および該化合物の製造法および使用法は、出典明示により、全体として本明細書の一部とされる。
本発明の場合、6−[(置換)フェニル]トリアゾロピリミジンの酸付加物および二量体が特定の条件下で形成されうることが見出された。かかる化合物は、また、低い化合物:チューブリンモル比で、GTPの存在下にて微小管関連蛋白(MAP)に富むチューブリンの重合を増加するのに有用であり、また、適当な実験条件下、GTPの不在下で、高度に精製されたチューブリンの重合を誘導するのに有用である。これらの化合物は、また、膜輸送体MDR(P−糖蛋白)、MRPおよびMXRを過剰発現する系統を包含する多くの培養ヒト癌細胞系統に対して強力に細胞毒性であり、タキサン類または他の微小管活性化合物に耐性であるモデルを包含する、ヒト非小細胞肺癌(NSCLC)、結腸癌、乳癌、黒色腫および膠芽細胞腫のイン・ビボ異種移植片モデルにおいて、幅広い抗腫瘍活性を有する。
本発明によると、
式(I):
Figure 2009519954
(I)
[式中、
は、
Figure 2009519954
またはRで置換されていてもよい−(C−C)−シクロアルキルであり;
nは、2、3または4の整数であり;
Xは、−Cl、−Fまたは−Brであり;
Yは、−O−、−S−、−CH−または−NR−であり;
およびLは、各々独立して、−H、−F、−Cl、−Brまたは−CFであり;
は、−CFまたは−Cであり;
、RおよびRは、各々独立して、−Hまたは−(C−C)−アルキルであり;
は、−ZRであり、ここに、Zは、−CO−、−NO−、−SO−または−POH−であり;Rは、−H、−OH、−(C−C)−アルキルまたは−(C−C)−アルケニルであり、該アルキルまたはアルケニルは、−O−、ハロゲン、−OH、−NH、および1〜3個の環炭素原子が独立してN、OもしくはS原子で置き換わっていてもよい5−または6−員の飽和、部分飽和または不飽和シクロアルキル基であって、−CH、−OHまたはハロゲンで置換されていてもよい該シクロアルキル基のうち1以上で置換されていてもよく;
は、(C−C)−アルキルである]
で示される化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体が提供される。
本発明は、さらに、式(II):
Figure 2009519954
(II)
[式中、
は、
Figure 2009519954
またはRで置換されていてもよい−(C−C)−シクロアルキルであり;
nは、2、3または4の整数であり;
Xは、−Cl、−Fまたは−Brであり;
Yは、−O−、−S−、−CH−または−NR−であり;
およびLは、各々独立して、−H、−F、−Cl、−Brまたは−CFであり;
は、−CFまたは−Cであり;
、R、R、RおよびRは、各々独立して、−Hまたは−(C−C)−アルキルであり;
は、−(C−C)−アルキルである]
で示される化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体を提供する。
本発明は、さらに、有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を投与することによる、哺乳動物において癌性腫瘍細胞の成長および関連疾患を治療または阻害する方法を提供する。
本発明は、また、有効量の式(I)または(II)の化合物またはその医薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを特徴とする、チューブリン重合の促進によりチューブリンおよび微小管と相互作用することによって哺乳動物における癌性腫瘍細胞の成長および関連疾患を治療または阻害する方法を提供する。
さらに、有効量のかかる化合物またはその医薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを特徴とする、多剤耐性(MDR)を発現する腫瘍またはMDRのために耐性である腫瘍の治療または予防方法が提供される。
本発明は、また、有効量の式(I)または(II)の化合物またはその医薬上許容される塩とチューブリン含有系とを接触させることによるチューブリン含有系におけるチューブリン重合を促進する方法を提供する。
さらに、本発明は、有効量の式(I)または(II)の化合物またはその医薬上許容される塩とチューブリン含有系とを接触させることを特徴とする、チューブリン含有系において微小管を安定化する方法を提供する。
さらに、有効量の式(I)または(II)の化合物またはその医薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物において少なくとも1つの化学療法剤に耐性のある腫瘍を治療、該腫瘍の成長を阻害または該腫瘍を根絶する方法が提供される。
またさらなる態様において、本発明は、医薬上許容される担体と組み合わせた、または医薬上許容される担体と共に、式(I)の化合物を提供する。特に、本発明は、有効量の式(I)の化合物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
(a)定義
「アルキル」なる語は、好ましくは1〜3個の炭素原子からなる、直鎖または分枝鎖炭化水素鎖基を意味する。
「t−BOC」なる語は、本明細書中で使用される場合、tert−ブトキシカルボニルを意味する。
「アミノアルコキシ」なる語は、式:
Figure 2009519954
で示される基を意味する。
「アミノアルキル」なる語は、式:
Figure 2009519954
で示される基を意味する。
「アミノアルキルチオ」なる語は、式:
Figure 2009519954
で示される基を意味する。
「アミノアルキルアミノ」なる語は、式:
Figure 2009519954
で示される基を意味する。
「ヒドロキシアルコキシ」なる語は、式:
Figure 2009519954
で示される基を意味する。
「アルカリ金属水酸化物」なる語は、水酸化リチウム、カリウムまたはナトリウムを包含する。
「アルカリ金属炭酸塩」なる語は、炭酸リチウム、カリウムまたはナトリウムを包含する。
「アルカリ金属水素化物」なる語は、水素化リチウム、カリウムまたはナトリウムを包含する。
「強塩基」なる語は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ金属水素化物(例えば、水素化ナトリウム)を意味する。
「(C−C)−アルキル」なる語は、本明細書中で使用される場合、1〜5個の炭素原子、好ましくは、1から3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖飽和炭化水素をいう。代表的な(C−C)−アルキル基は、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、およびネオペンチルを包含する。一の具体例において、(C−C)−アルキル基は、下記の基:ハロゲン、−N、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−SOR’、−SON(R’)、−N(R’)、−COR’、−COR’、−NR’COR’、−NR’COR’、−NR’CONR’、および−CON(R’)(ここに、各R’は、独立して、水素または非置換(C−C)−アルキルである)の1以上で置換されている。
「(C−C)−アルケニル」なる語は、本明細書中で使用される場合、2〜5個の炭素原子を有し、かつ、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖炭化水素をいう。一の具体例において、(C−C)−アルケニルは、1または2個の二重結合を有する。(C−C)−アルケニル基は、EまたはZ配座で存在していてもよく、本発明の化合物は、両方の配座を包含する。代表的な(C−C)−アルケニル基は、限定するものではないが、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、sec−ブテニル、tert−ブテニル、ペンテニル、イソペンテニルおよびネオペンテニルを包含する。一の具体例において、(C−C)−アルケニル基は、下記の基:ハロゲン、−N、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−SOR’、−SON(R’)、−N(R’)、−COR’、−COR’、−NR’COR’、−NR’COR’、−NR’CONR’、および−CON(R’)(ここに、各R’は、独立して、水素または非置換(C−C)−アルキルである)の1以上で置換されている。
「投与」なる語は、本明細書中で使用される場合、化合物または化合物の医薬上許容される塩または組成物を動物に直接投与すること、または動物の体内で等量の活性化合物を形成することのできる該化合物または該化合物の医薬上許容される塩または組成物のプロドラッグ誘導体または類似物を動物に投与することをいう。
「動物」なる語は、本明細書中で使用される場合、限定するものではないが、ヒト、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、サル、チンパンジー、ヒヒおよびアカゲザルを包含する。一の具体例において、動物は哺乳動物である。別の具体例において、動物はヒトである。
「アリール」なる語は、本明細書中で使用される場合、縮合または結合した1〜3個の芳香環を含有する芳香族種をいう。一の具体例において、アリール基は、下記の基:−V’−ハロゲン、−V’−N、−V’−NO、−V’−CN、−V’−OR’、−V’−SR’、−V’−SOR’、−V’−SON(R’)、−V’−N(R’)、−V’−COR’、−V’−COR’、−V’−NR’COR’、−V’−NR’COR’、−V’−NR’CONR’、および−V’−CON(R’)(ここに、各R’は、独立して水素または非置換(C−C)−アルキルであり、各V’は、独立して結合または(C−C)−アルキルである)の1以上で置換されている。
「〜に有効な条件」なる語は、本明細書中で使用される場合、合成有機化学の分野における技術者にとって明らかな合成反応条件をいう。
「環式基」なる語は、本明細書中で使用される場合、シクロアルキル基および複素環式基を包含する。環式基のいずれかの適当な環位置は、所定の化学構造に共有結合していてもよい。一の具体例において、環式基は、下記の基:−V’−ハロゲン、−V’−N、−V’−NO、−V’−CN、−V’−OR’、−V’−SR’、−V’−SOR’、−V’−SON(R’)、−V’−N(R’)、−V’−COR’、−V’−COR’、−V’−NR’COR’、−V’−NR’COR’、−V’−NR’CONR’、および−V’−CON(R’)(ここに、各R’は、独立して水素または非置換(C−C)−アルキルであり、各V’は、独立して結合または(C−C)−アルキルである)の1以上で置換されている。
「シクロアルキル基」なる語は、本明細書中で使用される場合、3−もしくは7−員の飽和または部分飽和炭素環をいう。シクロアルキル基のいずれかの適当な環位置は、所定の化学構造に共有結合していてもよい。例示的シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルを包含する。一の具体例において、シクロアルキル基は、下記の基:−V’−ハロゲン、−V’−N、−V’−NO、−V’−CN、−V’−OR’、−V’−SR’、−V’−SOR’、−V’−SON(R’)、−V’−N(R’)、−V’−COR’、−V’−COR’、−V’−NR’COR’、−V’−NR’COR’、−V’−NR’CONR’、および−V’−CON(R’)(ここに、各R’は、独立して水素または非置換(C−C)−アルキルであり、各V’は、独立して結合または(C−C)−アルキルである)の1以上で置換されている。
「フェニル」なる語は、本明細書中で使用される場合、置換または非置換フェニル基をいう。一の具体例において、フェニル基は、下記の基:−V’−ハロゲン、−V’−N、−V’−NO、−V’−CN、−V’−OR’、−V’−SR’、−V’−SOR’、−V’−SON(R’)、−V’−N(R’)、−V’−COR’、−V’−COR’、−V’−NR’COR’、−V’−NR’COR’、−V’−NR’CONR’、および−V’−CON(R’)(ここに、各R’は、独立して水素または非置換(C−C)−アルキルであり、各V’は、独立して結合または(C−C)−アルキルである)の1以上で置換されている。
「ハロゲン」なる語は、本明細書中で使用される場合、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素をいう。
「複素環式基」なる語は、本明細書中で使用される場合、環炭素原子の1〜4個が独立して、N、OまたはS原子に置き換わっている3−ないし7−員の飽和、部分飽和または不飽和シクロアルキル基をいう。複素環式基のいずれかの適当な環位置は、所定の化学構造に共有結合していてもよい。例示的複素環式基は、限定するものではないが、アゼパニル、アゼチジニル、アジリジニル、フラニル、フラザニル、ホモピペラジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾリル、ピリドイミダゾリル、ピリドチアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、キヌクレジニル、テトラヒドロフラニル、チアジアジニル、チアジアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオモルホリニル、チオフェニル、トリアジニルおよびトリアゾリルを包含する。一の具体例において、複素環式基は、下記の基:−V’−ハロゲン、−V’−N、−V’−NO、−V’−CN、−V’−OR’、−V’−SR’、−V’−SOR’、−V’−SON(R’)、−V’−N(R’)、−V’−COR’、−V’−COR’、−V’−NR’COR’、−V’−NR’COR’、−V’−NR’CONR’、および−V’−CON(R’)(ここに、各R’は、独立して水素または非置換(C−C)−アルキルであり、各V’は、独立して結合または(C−C)−アルキルである)の1以上で置換されている。
「有効量」なる語は、本明細書中で使用される場合、動物に投与した時に、該動物が罹患している、または罹患している疑いのある疾患を予防、少なくとも部分的に改善、または治療するのに有効な化合物または化合物の医薬上許容される塩の量をいう。
「担体」なる語は、本明細書中で使用される場合、担体、賦形剤および希釈剤を包含するものである。
「プロドラッグ」なる語は、本明細書中で使用される場合、代謝手段によって(例えば、加水分解によって)イン・ビボで式(I)または式(II)の化合物に変換可能な化合物を意味する。
「単離および精製」なる語は、本明細書中で使用される場合、反応混合物または天然資源の他の成分から分離される一の成分をいう。ある特定の具体例において、単離物は、該単離物の重量に基づいて、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%の化合物または化合物の医薬上許容される塩を含有する。
「医薬上許容される塩」なる語は、本明細書中で使用される場合、本発明の化合物の酸性および塩基性窒素原子の塩をいう。例示的塩は、限定するものではないが、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、塩酸塩、臭化物、臭化水素酸塩、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性燐酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、リンゴ酸塩、フタル酸塩、およびパモ酸塩を包含する。「医薬上許容される塩」なる語は、本明細書中で使用される場合、酸性官能基、例えば、カルボン酸官能基、および塩基を有する本発明の化合物の塩をいう。例示的塩基は、限定するものではないが、ナトリウム、カリウムおよびリチウムを包含するアルカリ金属の水酸化物;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;アルミニウムおよび亜鉛などの他の金属の水酸化物;アンモニア、有機アミン類、例えば、非置換またはヒドロキシ置換モノ−、ジ−またはトリ−アルキルアミン、ジシクロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N−メチル、N−エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ−、ビス−またはトリス−(2−OH−(C−C)−アルキルアミン)、例えば、N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミンまたはトリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン;N−メチル−D−グルカミン;モルホリン;チオモルホリン;ピペリジン;ピロリジン;およびアミノ酸、例えば、アルギニン、リジンなどを包含する。「医薬上許容される塩」なる語は、また、本発明の化合物の水和物を包含する。
「その対応する反対のエナンチオマーを実質的に含まない」なる語は、本明細書中で使用される場合、該化合物がその対応する反対のエナンチオマーを約10重量%未満含有することを意味する。他の具体例において、その対応する反対のエナンチオマーを実質的に含まない化合物は、その対応する反対のエナンチオマーを約5重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満または約0.1重量%未満含有する。その対応する反対のエナンチオマーを実質的に含まないエナンチオマーは、単離および精製された化合物またはその対応する反対のエナンチオマーを実質的に含まないように調製された化合物を包含する。
(b)本発明の化合物および医薬上許容される塩
本発明によると、式(I):
Figure 2009519954
(I)
[式中、
は、
Figure 2009519954
またはRで置換されていてもよい−(C−C)−シクロアルキルであり;
Xは、−Cl、−Fまたは−Brであり;
Yは、−O−、−S−、−CH−または−NR−であり;
およびLは、各々独立して、−H、−F、−Cl、−Brまたは−CFであり;
は、−CFまたは−Cであり;
、RおよびRは、各々独立して、−Hまたは−(C−C)−アルキルであり;
は、−ZRであり、ここに、Zは、−CO−、−NO−、−SO−または−POH−であり;Rは、−H、−OH、−(C−C)−アルキルまたは−(C−C)−アルケニルであり、該アルキルまたはアルケニルは、−O−、ハロゲン、−OH、−NH、および1〜3個の環炭素原子が独立してN、OもしくはS原子で置き換わっていてもよい5−または6−員の飽和、部分飽和または不飽和シクロアルキル基であって、−CH、−OHまたはハロゲンで置換されていてもよい該シクロアルキル基のうち1以上で置換されていてもよく;
は、−(C−C)−アルキルである]
で示される化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体が提供される。
本発明は、さらに、式(II):
Figure 2009519954
(II)
[式中、
は、
Figure 2009519954
またはRで置換されていてもよい−(C−C)−シクロアルキルであり;
nは、2、3または4の整数であり;
Xは、−Cl、−Fまたは−Brであり;
Yは、−O−、−S−、−CH−または−NR−であり;
およびLは、各々独立して、−H、−F、−Cl、−Brまたは−CFであり;
は、−CFまたは−Cであり;
、R、R、RおよびRは、各々独立して、−Hまたは−(C−C)−アルキルであり;
は、−(C−C)−アルキルである]
で示される化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体を提供する。
式(I)および(II)の化合物において、Rは、好ましくは、−(C−C)−アルキルであり、より好ましくは、−CHである。
式(I)の化合物において、好ましくはRはZRであり、ここに、Zは、−CO−または−NO−であり、Rは、O、ハロゲン、−OH、−NH、および1〜3個の環炭素原子が独立してN、OまたはS原子で置き換わっていてもよい5−または6−員の飽和、部分飽和または不飽和シクロアルキル基であって、−CH、−OHまたはハロゲンで置換されていてもよい該シクロアルキル基のうち1以上で置換されていてもよい−(C−C)−アルキルまたは−(C−C)−アルケニルである。より好ましくは、Zは−CO−であって、Rは、COH基を有する−C−C−アルキルまたは−(C−C)−アルケニルである。
特に好ましくは、RがRCH−NH−(ここに、RおよびRは、上記の通りである)であって、Rが全部で3〜6個の炭素原子を含有するカルボキシアルキルカルボニルまたは全部で4〜6個の炭素原子を含有するカルボキアルケニルカルボニル(好ましくは、全部で3〜6個の炭素原子を含有するカルボキシアルキルカルボニル、例えば、−CO−(CH−COH)であって、Yが−O−である式(I)を有する化合物である。
さらに好ましくは、RがRCH−NH−(ここに、RおよびRは上記の通りである)であり、Xが−Clであり、LおよびLが−Fであり、nが3であり、RがHまたは−(C〜C)アルキルであり、Rが−(C〜C)アルキル(好ましくは−CH)であり、Yが−O−である式(I)または(II)を有する化合物である。式(I)の化合物の場合、これらの化合物は、好ましくは、全部で3〜6個の炭素原子を含有するカルボキシアルキルカルボニルまたは全部で4〜6個の炭素原子を含有するカルボキシアルケニルカルボニル(好ましくは、全部で3〜6個の炭素原子を含有するカルボキシアルキルカルボニル、例えば、−CO−(CH−COH)としてのRを有する。
式(I)および式(II)の好ましい化合物において、R
Figure 2009519954
である。
式(I)および式(II)の好ましい化合物は、−CFとしてのRおよび/または−C−CアルキルとしてのRを包含する。
およびLのための好ましい置換基は、各々独立して、−F、−Cl、または−Brである。より好ましくは、LおよびLは各々−Fである。
式(I)および式(II)の化合物において、Yは好ましくは−O−であり、nは好ましくは3であり、および/またはXは好ましくは−Clである。
式(I)の特に好ましい化合物は、
Figure 2009519954
(Ia)
である。
本発明の式(I)のさらに好ましい化合物は、
Figure 2009519954
(Ib)
である。
式(I)のまたさらに好ましい化合物は、
Figure 2009519954
(Ic)
[式中、rは、0〜5の整数(0および5を含めて)である]
である。
式(II)の好ましい化合物は、
Figure 2009519954
(IIa)
を包含する。
より特別には、式(II)の好ましい化合物は、
Figure 2009519954
(IIb)
である。
これらの化合物から明らかなように、本発明の化合物は、不斉炭素原子を含有していてもよく、本発明の化合物のいくつかは、1以上の不斉中心を含有していてもよく、かくして、エナンチマーおよびジアステレオマーなどの立体異性体を生じうる。本発明の立体異性体は、Cahn−Ingold−Prelogシステムにしたがって命名する。立体化学に関して示していないが、本発明は、全ての個々の可能な立体異性体、ならびにラセミ混合物およびRおよびS立体異性体の他の混合物(不等量のエナンチオマーの混合物であるスケールミック(scalemic)混合物)およびその医薬上許容される塩を包含する。本発明の範囲には、キラル中心を有する一般式(I)および(II)の化合物の(R)および(S)異性体およびそのラセミ体が包含される。本発明は、他の立体異性体から遊離しているか、または他の立体異性体といずれかの割合で混合しているかにかかわらず、該化合物の全ての立体異性体を包含し、かくして、例えば、エナンチオマーのラセミ混合物ならびに異性体のジアステレオマー混合物を包含する。いずれかの化合物の絶対配置は、通常のX線結晶学によって決定されうる。
光学異性体は、標準的な分離技術またはエナンチオマー特異的合成によって、純粋な形態で得ることができる。かくして、その対応する反対のエナンチオマーを実質的に含まない式(I)または式(II)の化合物を得ることができる。
また、本発明の化合物の多形、水和物および溶媒和物が本発明の範囲内に包含される。
本発明が式(I)および(II)の化合物の全ての結晶および水和形態ならびにそれらの医薬上許容される塩を包含することが理解される。本発明の化合物の医薬上許容される塩は、乳酸、クエン酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、塩酸、臭化水素酸、燐酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、L−アスパラギン酸、RまたはS−マンデル酸、パルミチン酸および同様の既知の許容される酸のような有機および無機の医薬上許容される塩を形成する酸から誘導されるものである。さらなる塩は、トリフルオロ酢酸塩(TFA)である。特に、塩酸塩、フマル酸塩およびコハク酸塩が好ましい。
塩を形成するために、式(I)または(II)の化合物を適当な医薬上許容される塩形成酸と反応させる。医薬上許容される塩形成の代表例として、5−クロロ−6−{2,6−ジフルオロ−4−[3−(メチルアミノ)プロポキシ]フェニル}−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル][1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミンの塩酸塩を水性アルカリ金属水酸化物または水性アルカリ金属炭酸塩で中和し、さらに適当な溶媒中、上記の適当な医薬上許容される塩形成酸と反応させる。使用されうる適当な溶媒は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはその組み合わせなどを包含する。好ましい溶媒は、水である。
好ましくは、医薬上許容される塩は、式(I)または(II)の化合物を適当な溶媒中、約30〜100℃、好ましくは約65〜75℃で、透明な溶液が形成するまで加熱することによって形成しうる。冷却後、化合物を収集および乾燥させてもよい。
二水和物は、さらに水雰囲気と約80〜100%相対湿度にて室温で約24時間接触させることによって形成されうる。
本発明の化合物は、(a)市販の出発物質、(b)文献に記載の手法にしたがって調製されうる既知の出発物質、または(c)本明細書中のスキームおよび実験手法に記載の新規中間体から調製されうる。
反応は、変換の達成に使用され、かつ、適当な試薬および材料に適当な溶媒中で実施される。有機合成分野の技術者には、分子に存在する種々の官能基が意図される化学変換と適合性でなければならないことが理解される。これは、合成工程の順序に関する判断を必要としうる。望ましくない副反応を防止するための反応性官能基の保護に関しては、適宜考慮しなければならない。出発物質上の置換基は、反応条件のいくつかと不適合性である場合がある。反応条件と適合性である置換基に限られるというこのような制限は、当業者に明らかであろう。反応は、適宜、不活性雰囲気下で行われる。
式(I)および(II)の化合物を調製するための出発物質は、式(III):
Figure 2009519954
(III)
の化合物を包含する。
置換基は上記の通りであり、Rは、好ましくは−Hである。
かかる化合物は、2005年4月28日に米国特許公開第US2005/0090508A1号として、および2005年4月7日に国際特許公開第WO2005/030775号として公開された2004年9月24日に出願された米国出願第10/950,543号(その開示内容は、出典明示により、該化合物および該化合物の製造法に関し、全体として本明細書の一部とされる)に開示されるように製造される。
第2の出発物質は、式HOZRの化合物であり、ここに、Zは−CO−;−NO−、−SO−、または−POH−であり;Rは、−H、−OH、−(C−C)−アルキルまたは−(C−C)−アルケニルであり、該アルキルまたはアルケニルは、O、ハロゲン、−OH、−NH、および1〜3個の環炭素原子が独立してN、OまたはS原子に置き換わっていてもよい5−または6−員の飽和、部分飽和または不飽和シクロアルキル基であって、−CH、−OHまたはハロゲンで置換されていてもよい該シクロアルキル基のうち1以上で置換されていてもよい。
式(I)の特定の化合物を製造するための反応の一例は、下記の通りである。
Figure 2009519954
[式中、rは、0〜5の整数である。]
別法では、第2の出発物質は、式:
Figure 2009519954
[式中、pは1または2であり;qは0または1であり;xは1、2または3であり;ZおよびZは各々独立して、−CH−、−CO−、−NO−、−SO−、または−POH−であり;Aは、−O−、−S−または−N−原子である]
の化合物である。
例えば、式(I)の特定の化合物は、下記の反応によって調製することができる。
Figure 2009519954
式(I)の化合物を製造するためには、2つの出発物質を適当な条件下、限定するものではないが、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテルおよびジオキサンを包含するエーテル溶媒の存在下で混合する。該出発物質を式(I)の化合物の製造に十分な時間混合する。該混合物を必要に応じて加熱して、反応を促進してもよい。
式(II)の化合物は、式(III):
Figure 2009519954
(III)
の化合物を含有する混合物を適当な溶媒系において、式(II)の化合物の製造に十分な温度にまで、かかる製造に十分な時間加熱することを含む工程によって調製される。
例えば、式(II)の化合物は、下記のように調製されうる。
Figure 2009519954
(c)医薬組成物
本発明は、したがって、本発明の化合物を医薬上許容される担体と組み合わせて、または医薬上許容される担体と共に含む医薬組成物を提供する。特に、本発明は、有効量の本発明の化合物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
本明細書中に記載の標準的な薬理試験手法の結果に基づいて、本発明の化合物は、哺乳動物における癌性腫瘍細胞の成長および関連疾患を治療、阻害または調節するための薬剤として有用である。本発明の化合物は、チューブリンおよび微小管と相互作用し、微小管重合を促進することによって、哺乳動物における癌性腫瘍細胞の成長および関連疾患を治療、阻害または調節するための薬剤として有用である。本発明の化合物は、また、多剤耐性(MDR)を発現する癌性腫瘍またはMDRのために耐性である癌性腫瘍の治療または予防に有用である。
特に、チューブリン含有系と有効量の式(I)または(II)の化合物との接触が、微小管重合の促進をもたらし、さら微小管を安定化するとき、微小管重合の促進および微小管の安定化によって式(I)および(II)の化合物は、癌性腫瘍細胞の成長および関連疾患を治療、阻害または調節するための薬剤として有用である。チューブリン含有系は腫瘍細胞にあってもよく、それにより、本発明に記載の化合物の有効量を投与することによって新生物疾患を阻害する。哺乳動物、特に、ヒトを治療してもよい。さらに、該チューブリン含有系は、患者に存在していてもよい。癌治療の場合、多くの新生組織形成、例えば、白血病、肺癌、結腸癌、胸腺癌、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌および乳癌が、有効量の式(I)または(II)の化合物を有効に投与することによって治療されうると考えられる。さらに、式(I)および(II)の化合物は、多剤耐性(MDR)を発現している癌性腫瘍またはMDRのために耐性である癌性腫瘍の治療または予防に有用である。本明細書中で使用される場合、癌は、全ての型の癌、または新生物または良性もしくは悪性腫瘍をいう。本明細書中に提供される方法を用いる治療に好ましい癌は、癌腫、肉腫、リンパ腫または白血病を包含する。「癌腫」なる語により、良性または悪性の上皮腫瘍が意味され、限定するものではないが、乳癌、前立腺癌、小細胞肺癌、結腸癌、メラノーマ癌腫、卵巣癌、または腎臓癌を包含する。好ましい宿主はヒトである。
使用される活性成分の有効投与量は、使用される特定の化合物、投与様式および治療されている病態の重篤度によって変化しうる。しかしながら、一般的に、満足のいく結果は、本発明の化合物を1日当たり体重1kgにつき約0.10〜約100mgの量で投与する場合に得られる。最適な結果を得るための好ましい投与計画は、1日当たり体重1kgにつき約1mg〜約20mgであり、合計で約70mg〜約1400mgの活性化合物が体重約70kgの対照に対して24時間で投与されるような投与単位が用いられる。
哺乳動物を治療するための投与計画は、最適な治療応答を提供するように調整されうる。例えば、投与量をいくつかに分割して1日に投与してもよく、または治療状況の緊急性による必要性に比例して該投与量を減少させてもよい。決定的に実用的な利点は、これらの活性化合物が経口、静脈内、筋内または皮下経路によるようないずれかの好都合な方法で投与されうることである。
本発明の活性化合物は、好ましくは、例えば、不活性希釈剤と共に、または同化可能な食用担体と共に経口投与してもよく、またはそれらはハードもしくはソフト外殻ゼラチンカプセル中に被包してもよく、またはそれらは打錠してもよく、またはそれらは直接、食事の食物と組み合わせてもよい。経口治療投与の場合、これらの活性化合物を賦形剤と組み合わせ、摂取可能な錠剤、バッカル錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハース等の形態で用いてもよい。かかる組成物および調製物は、少なくとも0.1%の活性化合物を含有すべきである。該組成物および調製物のパーセンテージは、もちろん、変更してもよく、好都合には、単位重量の約2%〜約60%であってもよい。かかる治療上有用な組成物中の活性化合物の量は、適当な投与量が得られるような量である。本発明にしたがう好ましい組成物または調製物は、経口投与単位形態が10〜1000mgの活性化合物を含有するように調製される。
錠剤、トローチ、丸薬、カプセルなどは、また、下記のものを含有しうる:結合剤、例えば、トラガカントガム、アラビアゴム、トウモロコシデンプンまたはゼラチン;賦形剤、例えば、リン酸二カルシウム;崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸など;滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム;および甘味料、例えば、シュークロース、ラクトース、またはサッカリン、またはフレーバー剤、例えば、ペパーミント、冬緑油またはチェリーフレーバー。投与単位形態がカプセルである場合、それは、上記の型の材料に加えて、液体担体を含有していてもよい。種々の他の材料は、コーティング剤として配合されてもよく、または投与単位の物理的形態を修飾するために配合されてもよい。例えば、錠剤、丸薬またはカプセルは、セラック、糖またはその両方で被覆されていてもよい。シロップまたはエリキシルは、活性化合物、甘味料としてシュークロース、保存料としてメチルおよびプロピルパラベン、色素およびフレーバー、例えば、チェリーまたはオレンジフレーバーを含有していてもよい。もちろん、いずれかの投与単位形態を調製するのに使用されるいずれの物質も医薬上純粋であるべきであり、実質上、使用される量で非毒性であるべきである。さらに、これらの活性化合物は、徐放性製剤および処方中に組み込まれてもよい。
これらの活性化合物は、また、非経口または腹膜内投与されてもよい。遊離塩基または医薬上許容される塩としてのこれらの活性化合物の溶液または懸濁液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適当に混合された水中で調製することができる。分散液はまた、グリセロール、液性ポリエチレングリコール、および油中におけるその混合物中で調製することができる。通常の貯蔵および使用条件下、これらの調製物は、微生物の増殖を防ぐために保存料を含有する。
注射用途に適当な医薬形態は、滅菌水性溶液または分散液および滅菌注射溶液または分散液の即席調製のための滅菌粉末を包含する。全ての場合、形態は滅菌性でなければならず、容易な通針性が現れる程度に流動性でなければならない。それは、製造および貯蔵条件下で安定でなければならず、また、細菌および真菌などの微生物の汚染作用を受けないように調製されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、その適当な混合物、および植物油を含有する溶媒または分散媒体であることができる。
静脈内投与は、本発明の化合物の好ましい投与方法である。静脈内投与の場合、非限定的な適当な担体の例は、生理学的セーライン、静菌水、Cremophor ELTM(BASF,Parsippany,N.J.)またはリン酸緩衝化セーライン(PBS)を包含する。組成物は滅菌性でなければならず、容易な通針性が現れる程度に流動性でなければならない。それは、製造および貯蔵条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用を受けないように保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)、その適当な混合物を含有する溶媒または分散媒体であることができる。微生物の作用の予防は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサルなどによって達成することができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖類、ポリアルコール類、例えば、マンニトールおよびソルビトール、および塩化ナトリウムを組成物中に含むことが好ましい。注射可能組成物の長期の吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを組成物中に含ませることによってもたらすことができる。
本発明にしたがって使用する場合、「有効量の化合物を提供する」なる語は、かかる化合物を直接投与すること、または体内で該化合物の有効量を形成するプロドラッグ、誘導体または類似体を投与することのいずれをも意味する。
上記の有用性に加えて、本発明の化合物のいくつかは、本発明の他の化合物の調製に有用である。
(d)標準的な薬理学的試験方法
本発明の例は、いくつかの標準的な薬理学的試験方法において評価され、本発明の化合物が微小管重合の促進剤として有意な活性を有すること、および抗新生物剤であることを示した。したがって、続く標準的な薬理学的試験方法における活性に基づいて、本発明の化合物は、抗癌剤として有用である。関連する癌は、乳癌、結腸癌、肺癌、前立腺癌、黒色腫、表皮癌、白血病、腎臓癌、膀胱癌、口腔癌、喉頭癌、食道癌、胃癌、卵巣癌、膵臓癌、肝臓癌、皮膚癌および脳腫瘍からなる群から選択される。特に、本発明の化合物は、パクリタキセルに類似の効果を有する。
材料および方法
細胞培養培地および試薬
培地は、10%熱不活化胎仔ウシ血清、100単位/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシン(Gibco,Grand Island,NY)を補足したL−グルタミンを含有するRPMI−1640である。約70%チューブリンおよび30%MAPs(#ML113)を含有する微小管関連蛋白(MAP)に富むチューブリン、および高度精製チューブリン(>99%純度,#TL238)は、どちらも、ウシ脳から由来であり、Cytoskeleton,Inc.,Denver,COから得られる。PEMバッファー(80mMピペラジン−N,N’−ビス[2−エタンスルホン酸],pH6.9,1mMエチレングリコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸,1mM塩化マグネシウム)およびグアノシン5’−トリホスフェート(GTP)もまた、Cytoskeletonから入手される。[H]パクリタキセル、比活性14.7Ci/mmolは、Moravek Biochemicals(Brea,CA)から入手される。[H]ビンブラスチン、比活性9.60Ci/mmolおよびMicroSpin G−50カラムは、Amersham Biosciences(Piscataway,NJ)から入手される。[H]コルヒチン、比活性76.5Ci/mmolは、New England Nuclear(Boston,MA)から入手される。他の試薬はSigma(St.Louis,MO)から入手される。
1.細胞系統
ヒト癌細胞系統は、別記しない限り、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(Rockville,MD)から得られる。下記の薬物感受性親細胞系統およびそれらの誘導される薬物耐性相対物は、下記に挙げられるような創作者から得られる。(a)S1(ヒトクローン癌腫系統LS174Tのサブクローン由来の親系統)、および誘導される、MXR薬物輸送体蛋白質を発現するS1−M1−3.2(本明細書中では、S1−M1という)は、ワイス・リサーチ(Wyeth Research)のL.Greenberger博士から提供される(Rabindran,S.K.,He,H.,Singh,M.,Brown,E.,Collins,K.I.,Annable,T.,およびGreenberger,L.M.「フミトレモルギンによるヒト結腸癌細胞における新規な多剤耐性メカニズムの逆転(Reversal of a novel multidrug resistance mechanism in human colon carcinoma cells by fumitremorgin)」C. Cancer Res.,58:5850−5858,1998)。(b)親HL−60ヒト骨髄球性白血病細胞系統、および誘導される、MRP1薬物輸送体蛋白を発現するHL−60/ADRは、ワイス・リサーチのL.Greenberger博士を介し、カンサス大学(University of Kansas)のM.Center博士によって提供される(McGrath,T.,およびCenter,M.S.「検出可能なP−糖蛋白の不在下におけるHL60細胞のアドリアマイシン耐性(Adriamycin resistance in HL60 cells in the absence of detectable P−glycoprotein)」Biochem.Biophys.Res.Commun.,145:1171−1176,1987)。(c)親KB−3−1(本明細書中ではKBという。ヒト類表皮癌からクローン化される)、および誘導される、中程度および非常に高いレベルのMDR1(P−糖蛋白)薬物輸送体蛋白を各々発現する系統KB−8−5およびKB−V1は、ワイス・リサーチのL.Greenberger博士を介し、ナショナル・センター・インスティチュート(National Cancer Institute)のM.Gottesman博士によって提供される(Shen,D.W.,Cardarelli,C.,Hwang,J.,Cornwell,M.,Richert,N.,Ishii,S.,Pastan,I.,およびGottesman,M.M.「コルヒチン、アドリアマイシンまたはビンブラスチンに対する高レベルの耐性について独立して選択された多剤耐性ヒトKB癌腫細胞は、特異的蛋白の発現において変化を示す(Multiple drug−resistant human KB carcinoma cells independently selected for high−level resistance to cholchicine, adriamycin, or vinblastine show changes in expression of specific proteins)」J.Biol.Chem.,261:7762−7770,1986)。
2.細胞毒性 標準薬理試験方法
Promega(Madison,WI;CellTiter 96 AQueous Non−Radioactive Cell Proliferation Assay)によってキット形態で販売されているアッセイは、死んだ細胞ではなく、生存能力のある細胞による、テトラゾリウム塩、MTS(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム内部塩)の、分光法によって検出される水溶性着色ホルマザンへの変換に基づく。化合物を9つの濃度で試験してIC50値を決定する。試験手順のために、細胞をトリプシン処理によって(または、非接着細胞の場合、単純な再懸濁によって)採取し、洗浄し、カウントし、96−ウェル平底ミクロタイタープレートのウェルに、200μLの培地中1000細胞/ウェルで分配する。さらに、別のプレートの一列のウェルに上記の細胞を入れる(「0時間」プレート)。全てのプレートを加湿空気中5%CO中、37℃で約24時間インキュベートする。
2日目に、試験化合物を希釈し、ウェルに加える。化合物はDMSO中に10mg/mLで溶解する。各化合物につき、DMSO中における9種の連続2倍希釈を準備する。10μLの各DMSO中希釈液を100μLの培地に移し、よく混合し、次いで、5μLの該希釈液を4連で細胞を含有するウェルに移す。最終的高濃度の各化合物は、典型的に5μMである。プレートをインキュベーターに3日間戻す。
実験プレートへの薬物添加時に、MTSアッセイを「0時間」プレートで行う。これは、「0時間MTS値」をもたらし、それは、薬物添加時の1ウェルあたりの生存細胞数に関連する。
試験化合物と一緒に3日間培養後(全体として5日目)、MTSアッセイを実験プレートの全ウェルで行う。4連の試料ウェルの吸光度値の平均を求め、「0時間」値の平均で割る。薬物を添加しない対照ウェルの平均を「0時間」値の平均で割り、最終的な3日間の培養の間の細胞増殖によるMTS着色率における最大相対的増加を求める。高薬物濃度の対照ウェルの平均を「0時間」値で割り、完全に死んだ細胞に関する最小相対的着色率を求める。各化合物につき9個の値を濃度に対してプロットし、相対的着色率の最大値と最小値との間の半分をもたらす濃度をIC50値とする。最も強力な化合物は、最も低いIC50値を有する。
3.チューブリン重合 標準薬理試験方法
該方法の2つのバリエーションを行う。1つはMAPに富むチューブリンを用い、1つは純粋なチューブリンを用いる。
MAPに富むチューブリンは、1mM GTPを含有する氷冷したPEMバッファー(GPEMバッファー)中に1.3mg/mL濃度で溶解する。該溶液を使用直前に、エッペンドルフモデル5415C微小遠心機(Brinkmann Instruments,Westbury,NY)中、最高速度にて、4℃で10分間遠心分離する。該チューブリン溶液を、すでに目的化合物を含有している1/2面積96−ウェルプレート(Costar No.3696,Corning,Inc.,Corning,NY)のウェルに加える。各化合物を1ウェル当たり110μL体積中、最終濃度0.3μMにて、2連で試験する。全ウェルにおける最終的なDMSO濃度は0.3%である。化合物溶媒のみを用いた対照反応を4連で行う。プレートを、24℃に温度調節したSpectraMax Plusプレートリーダー(Molecular Devices Corp. Sunnyvale,CA)中に置き、340nmで各ウェルの吸光度(チューブリンポリマー形成による濁りの出現の測定値)を60分間、毎分測定する。各ウェルにつき0時間の吸光度をそのウェルに関するその後の吸光度読み取り値の各々から減じ、次いで、2連の値から平均を求める。
純粋なチューブリンを用いる方法は、下記の変更点を除き、同様である。純粋なチューブリンを、10%グリセロールを含有し、GTPを添加しない冷PEMバッファー中に1.5〜1.8mg/mL(15〜18μM)濃度で溶解する。遠心分離後の上清を、すでに化合物を含有している96ウェルプレートに分注する。各化合物を24.3μMで開始する6種の連続3倍希釈にて2連で試験する。プレートリーダーを35℃に調整する。
4.競合的結合 標準薬理試験方法
高度精製チューブリンへの本発明の例の結合を競合阻害法によって研究する。αβ−チューブリンヘテロ2量体は、3つの主要なクラスの微小管−活性薬剤:タキサン、ビンカ/ペプチド部位剤およびコルヒチン部位剤に対する結合部位を有する。ビンカ/ペプチドおよびコルヒチン部位での可能な競合を研究するために、ビンブラスチンおよびコルヒチンは重合していないヘテロ2量体に優先的に結合するので、重合に不都合な条件下でインキュベーションを行う。一方、パクリタキセルは微小管に優先的に結合するので、タキサン部位での可能な競合を研究するために、重合したチューブリン(微小管)を用いる。
高度精製チューブリンをGTPを含有しないPEMバッファー中に溶解し、最終濃度1.0〜1.3mg/ml(10〜13μM)で用いる。該チューブリン溶液に、種々の濃度の本発明の例示化合物を最高濃度100μMまで加え、[H]ビンブラスチンまたは[H]コルヒチンを各々、最終濃度100nMまたは50nMで加える。これらの溶液を24℃で1時間インキュベートし、次いで、MicroSpin G−50カラムに付し、それをエッペンドルフ5415C微小遠心分離機中、3000rpmで2分間遠心分離する。各カラム溶出液(チューブリンおよび結合した放射性リガンドを含有する)のアリコートをシンチレーション液と混合し、液体シンチレーション分光計でカウントする。対照は、競合剤を含有しない試料、および標識していないビンクリスチン、コルヒチンまたはパクリタキセルと試料を含んだ。放射性リガンドの結合を阻害する競合剤の能力を、いずれの競合剤も存在しない場合の対照結合に対するパーセンテージとして表す。
H]パクリタキセルとの競合の場合、高度精製チューブリンを0.75Mグルタメートおよび25μMジデオキシ−GTPを含有するPEMバッファー中に溶解する。最終蛋白濃度は0.25〜0.35mg/mL(2.5〜3.5μM)である。これらの条件は、短い安定な微小管重合体の迅速な形成を促進する(Hamel,E.,del Campo,A.A.,およびLin,C.M. Stability of tubulin polymers formed with dideoxyguanosine nucleotides in the presence and absence of microtubule−associated proteins. J.Biol.Chem.,259:2501−2508,1984)。該溶液を37℃で30分間インキュベートして、微小管を形成させる。次いで、[H]パクリタキセル(最終濃度2.1μM,1.2Ci/mmol)および競合剤(最終濃度20μM,5μMの非標識パクリタキセルを除く)を重合チューブリン溶液のアリコートに加え、37℃でのインキュベーションをさらに30分間続ける。対照は、競合剤を含まない試料、および非標識ビンクリスチン、コルヒチンまたはパクリタキセルと試料を含んだ。次いで、反応物をエッペンドルフ5415C微小遠心分離機中、室温で20分間遠心分離して、微小管蛋白をペレット化する。各上清の3連のアリコートをシンチレーション液と混合し、液体シンチレーション分光計でカウントする。上清中の放射能量および測定された開始時の全放射能から、ペレット化した微小管蛋白に結合する[H]パクリタキセルの量を算出する。ペレット化蛋白への放射性リガンド結合を阻害する各競合剤の能力を、いずれの競合剤も存在しない対照に対するパーセントとして表す。
5.細胞周期分析 標準薬理試験方法
HeLa細胞をトリプシン処理によって採取し、洗浄、カウントおよび2mL培地中、1ウェルにつき125,000細胞密度で12ウェルプレートのウェルに分配する。細胞を一晩培養する。化合物希釈物をDMSO中で作成し、10μLアリコートを各ウェルに加えて所望の最終濃度にする。化合物添加後、細胞培養を18時間続け、次いで、各ウェルの細胞を採取し(接着細胞および非接着細胞の両方を回収するよう注意しながら)、CycleTEST PLUSTM(登録商標)キット(Becton Dickinson Immunocytometry Systems,San Jose,CA)を用いて処理する。FACSortTM装置(Becton Dickinson)を用いてフローサイトメトリーを行う。
6.ヒト腫瘍異種移植片を有する無胸腺マウスにおける抗腫瘍活性 標準薬理試験方法
動物における腫瘍成長を阻害する本発明の化合物の能力を無胸腺マウス異種移植片標準薬理試験において研究する。異種交配アルビノバックグラウンドにおける雌nu/nuマウスをCharles River Laboratories(Wilmington,MA)から入手する。動物の横腹に所望の腫瘍細胞懸濁を皮下注射する。数日後、注射したマウスから約150mmの腫瘍を有するマウスを選択し(分類分け)、5〜10匹の群に無作為に分配する。分類分けした日を0日とする。通常はセーライン中で処方される(表に記載されるものを除く)本発明の化合物を、表に記載のように、0日または1日から開始する種々のスケジュールにおいて、静脈内注射によって、または経口チューブによって動物に投与する。各実験の対照群には、同じスケジュールでビヒクルを投与する。カリパスを用いて、2つの直交する寸法において腫瘍の大きさを3〜7日毎に測定し、腫瘍体積を式:体積=[(長さx幅)/2]から算出する。
腫瘍/対照(T/C)は、各測定日にて、処理群の平均腫瘍体積を対照群の平均腫瘍体積で割ることによって得られる。0.50以下の統計学的に有意なT/Cが得られた場合、処理投与量は活性であると定義される。片側スチューデントt−検定によって決定されたp値0.05は、統計学的有意性に必要とされる。化合物に関連する毒性により死亡した動物が10%より多い場合、処理投与量は毒性であると定義される。
結果
1.細胞毒性 標準薬理試験方法
1.1.COLO 205細胞
COLO 205は、ヒト結腸癌細胞系統であり、本発明の例示化合物およびいくつかの参照化合物の競合試験に用いられる。該系統は、パクリタキセルおよびビンクリスチンに感受性である。例えば、式(Ia)の化合物は、2つの別々の滴定の各々において、1.9μMのIC50値を有することが分かった。同じアッセイにおいて、5−クロロ−6−{2,6−ジフルオロ−4−[3−(メチルアミノ)プロポキシ]フェニル}−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル][1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミンのコハク酸塩は、17.5nMのIC50を有することが分かり、パクリタキセルのIC50は、20回の独立したアッセイにおいて、3.3±1.0nM(平均±SD)であり、文献値と十分に一致していた。
1.2.KB、KB−8−5およびKB−V1細胞
KB系統は、パクリタキセルおよびビンクリスチンを包含する多くの細胞毒性化合物の作用に耐性を生じる種々の量のP−糖蛋白(MDR1)膜ポンプを発現する。親KB系統は、P−糖蛋白を発現せず、KB−8−5は中程度のレベルの該蛋白を発現し、KB−V1は非常に高いレベルで発現する。潜在的な細胞毒性物質を認識し、輸送するP−糖蛋白の能力は、これらの系統におけるIC50値の変化から推測することができる(Loganzo,F.,Discafani,C.M.,Annable,T.,Beyer,C.,Musto,S.,Hari,M.,Tan,X.,Hardy,C.,Hernandez,R.,Baxter,M.,Singanallore,T.,Khafizova,G.,Poruchynsky,M.S.,Fojo,T.,Nieman,J.A.,Ayral−Kaloustian,S.,Zask,A.,Andersen,R.J.,およびGreenberger,L.M.「HTI−286,トリペプチド ヘミアスタリンの合成類似体は、P−糖蛋白媒介性耐性をイン・ビトロおよびイン・ビボで回避する強力な抗微小管剤である(a synthetic analogue of the tripeptide hemiasterlin, is a potent antimicrotubule agent that circumvents P−glycoprotein−mediated resistance in vitro and in vivo)」Cancer Res.,63:1838−1845,2003)。化合物がP−糖蛋白によって認識される場合、そのIC50値は、KB、KB−8−5、KB−V1の順で実質的に増加する(数百倍)。化合物が認識されない場合、3つの系統全てが類似のIC50値を有する(3倍以下の差)。例えば、表2に示すように、KB−8−5細胞は、パクリタキセル(19倍)、ビンクリスチン(11倍)、コルヒチン(3.4倍)およびドクソルビシン(3.0倍)に対して中程度に耐性である。本発明の代表例(番号1、2a、4a、20、25、30、32)は、2倍未満のIC50値変化を示す。
化合物とP−糖蛋白とのわずかな相互作用であっても、KB−V1系統を用いて測定することができ、それは、典型的に種々の腫瘍由来の臨床試料においてみられるよりも高いレベルの該蛋白を発現する(Goldstein,L.J.,Galski,H.,Fojo,T.,Willingham,M.,Lai,S.L.,Gazdar,A.,Pirker,R.,Green,A.,Crist,W.,Brodeur,G.M.,Lieber,M.,Cossman,J.,Gottesman,M.M.,およびPastan,I.「ヒト細胞における多剤耐性遺伝子の発現(Expression of a multidrug resistance gene in human cells)」J.Natl.Cancer Inst.(Bethesda),81:116−124,1989)。KB−V1細胞は、パクリタキセル(>345倍)、ビンクリスチン(>156倍)、コルヒチン(116倍)、ミトキサントロン(77倍)およびドクソルビシン(>130倍)に対して高度に耐性である。本発明の代表例は、親KB系統と比べて3倍未満のIC50変化を示す。このことは、これらの化合物がP−糖蛋白によって認識されず、故に、これらの化合物が細胞殺減に対するP−糖蛋白媒介性耐性を完全に克服することを示す。
1.3.(HL−60およびHL−60/ADR細胞)
HL−60/ADR細胞は、いくつかの化学治療剤に対する耐性の媒介となる多剤耐性蛋白MRP1を過剰発現する(Gottesman,M.M.,Fojo,T.,およびBates,S.E.「癌における多剤耐性:ATP−依存性輸送体の役割(Multidrug resistance in cancer:role of ATP−dependent transporters)」Nature Rev.Cancer,2:48−58,2002)。本発明の代表例ならびに参照化合物のHL−60/ADRにおけるIC50値を感受性親HL−60系統における値と比較する。結果は、本発明の化合物がMRP1によって認識されず、故に、該輸送体によって媒介される細胞耐性を克服することを示す。
1.4.S1およびS1−M1細胞
S1−M1細胞は、いくつかの化学治療剤に対する耐性の媒介となるMXR輸送体を過剰発現する(Gottesman,M.M.,Fojo,T.およびBates,S.E.「癌における多剤耐性:ATP−依存性輸送体の役割(Miltidrug resistance in cancer: role of ATP−dependent transporters)」Nature Rev.Cancer,2:48−58,2002)。本発明の代表的化合物ならびに参照化合物のS1−M1におけるIC50値を感受性親S1系統における値と比較する。細胞が耐性を示さない場合、このことは、該化合物がMXRによって認識されず、故に、該輸送体によって媒介される細胞耐性を克服することを示す。
2.MAPに富むチューブリンおよび純粋なチューブリンのイン・ビトロにおける重合に対する化合物の影響
該アッセイにおいて、MAPに富むチューブリンとの対照反応は、3つの相によって特徴付けられるS形状の吸光度プロフィールを示す。第1の相は、吸光度変化の起こらない遅滞期であり、第2の相は、吸光度が増加する重合期であり、第3の相は、吸光度が最高値に達し、わずかしか変化しないか、またはさらなる変化が起こらないプラトー期である。パクリタキセルおよびドセタキセルなどの重合エンハンサーは、遅滞期を短縮するか、または除去し、重合期の速度を増し、しばしば、プラトーの最高値を増加する。ビンクリスチンおよびコルヒチンなどの重合阻害剤は、吸光度増加を減少させるか、または防止する。本発明の化合物は、重合反応に対してタキサン様効果を有する。
GTPを加えない純粋なチューブリンは、対照反応において重合を示さない。ドセタキセル、および極めて低い程度であるがパクリタキセルは、これらの条件下で純粋なチューブリンの重合を誘導することができる。本発明のいくつかの例示化合物は、また、ドセタキセルと同様に、GTPを添加しない純粋なチューブリンの重合を誘導する。
3.化合物のチューブリンへの結合
高度精製ウシ脳チューブリン上の本発明の化合物が結合する部位は、放射性リガンド[H]ビンブラスチン、[H]コルヒチンおよび[H]パクリタキセルを用いる競合阻害研究によって決定される。試験化合物が、[H]コルヒチンのチューブリンヘテロ2量体への結合または[H]パクリタキセルの微小管への結合を阻害せずに、[H]ビンブラスチンのチューブリンヘテロ2量体への結合を阻害する場合、それは、これらの化合物がチューブリンのコルヒチンまたはタキサン部位ではなく、ビンカ/ペプチド部位に結合することの強力な証拠である。試験化合物が[H]コルヒチンの結合を対照レベル以上に増加させる場合、これらの化合物のビンカ/ペプチド部位への結合は、コルヒチン結合増加をもたらす蛋白分子のコンホメーション変化を誘導しうることを示唆する。該変化は、ビンクリスチン自体によって誘導されないようである。試験化合物が[H]パクリタキセルの微小管への結合を減少させない場合、それは、それらが結合について[H]パクリタキセルと競合せず、また、[H]パクリタキセルが結合する微小管を重合しないことを示す。
4.細胞周期進行に対する化合物の影響
該方法は、細胞周期のG1、SおよびG2/M期にある集団中の細胞のパーセンテージを測定するものである。それは、ヨウ化プロピジウムでの細胞核の染色およびフローサイトメトリーによる分析を利用する。該方法は、また、DNAのサブG1量を有する粒子の出現を測定することによって、薬物処理により引き起こされるアポトーシスの概算を提供する。高濃度(すなわち、約5 X IC50濃度より高い)で、微小管活性化合物は、特徴的に、紡錘体を含む微小管の分布のために、細胞周期のG2/M期において細胞を停止する。しかしながら、低濃度(IC50値付近)では、いくつかの細胞系統、例えば、HeLaにおいて、パクリタキセルおよびドセタキセルなどのタキサン類は、G2/M阻害が観察される前に、実質的なアポトーシスを誘導する(Jordan,M.A.,Wendell,K.,Gardiner,S.,Derry,W.B.,Copp,H.,およびWilson,L.「低濃度のパクリタキセル(タキソール)によってHeLa細胞において誘導される有糸分裂阻害は、異常な有糸分裂脱出およびアポトーシス細胞死をもたらす(Mitotic block induced in HeLa cells by low concentrations of paclitaxel (Taxol) results in abnormal mitotic exit and apoptotic cell death)」Cancer Res.,56:816−825,1996)。これは、ビンクリスチンおよびコルヒチンなどの微小管脱重合剤の場合にはない。本発明の代表例は、複数の濃度で細胞と18時間培養した後、それらが「安定化剤」(タキサン)または「不安定化剤」(ビンクリスチン、コルヒチン)パターンにしたがうか否かを調べるために該方法において試験する。本発明の範囲内の化合物は、「安定化剤」パターンにしたがう。
5.化合物のイン・ビボ抗腫瘍活性
無胸腺マウスにおけるヒト腫瘍異種移植片を用いるいくつかの実験を行って、腫瘍成長をイン・ビボで阻害する本発明の化合物の能力を評価した。
本発明の化合物をLOX黒色腫異種移植片、DLD1結腸癌、U−87 MG膠芽腫異種移植片、A549肺癌、およびLoVoヒト結腸癌異種移植片に対して試験してもよい。
本発明の化合物は、薬物輸送体過剰発現のためにパクリタキセルおよびビンクリスチンに耐性である系統を包含する、複数の培養ヒト癌細胞系統に対して強力な細胞毒活性を示す。本発明の化合物は、タキサンと同様に、かつ、ビンカアルカロイドおよびコルヒチンなどの脱重合剤の阻害効果とは異って、MAPに富むチューブリン重合の開始速度を増加する。本発明の化合物は、また、GTPの不在下で、純粋なチューブリンの重合を誘導する。本発明の化合物は、さらに、ビンカ類やコルヒチンにはなく、タキサン類に特徴的なもう1つ別の特性である細胞周期阻害を伴うことなく、低濃度(細胞毒性IC50値付近)で標的細胞においてアポトーシスを誘導する。本発明の代表的化合物は、無胸腺マウスにおいて、タキサン類およびビンカアルカロイド類に耐性の腫瘍を包含するいくつかのヒト腫瘍異種移植片の成長を阻害する。
下記の実施例は、微小管重合の促進剤として、および抗癌剤として有用な本発明の化合物の代表的非限定的例の調製に有用である。
実施例1
S−N−(3−{4−[5−クロロ−7−(2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エチルアミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル]−3,5−ジフルオロ−フェノキシ}−プロピル)−N−メチル−スクシンアミド酸(化合物1)
5−クロロ−6−{2,6−ジフルオロ−4−[3−(メチルアミノ)プロポキシ]フェニル}−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル][1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン(10.0g,21.5mmol)および無水コハク酸(2.58g,25.8mmol)のTHF(50mL)中混合物を1時間攪拌する。該溶媒を留去して残渣を得、該残渣をNaOH(1N,100mL)中に溶解する。該溶液をCELITE545のパッドでろ過する。濾液を10〜15℃に冷却し、pH3〜4になるまでHCl(3N,〜32mL)を滴下する。該混合物を0〜5℃で30分間攪拌する。固体を濾過し、冷水(2x20mL)で洗浄し、空気流で乾燥させて、化合物1の固体生成物を得る(11.1g,92%)。

Claims (59)

  1. 式(I):
    Figure 2009519954
    (I)
    [式中、
    は、
    Figure 2009519954
    またはRで置換されていてもよい−(C−C)シクロアルキルであり;
    nは、2、3または4の整数であり;
    Xは、−Cl、−Fまたは−Brであり;
    Yは、−O−、−S−、−CH−または−NR−であり;
    およびLは、各々独立して、−H、−F、−Cl、−Brまたは−CFであり;
    は、−CFまたは−Cであり;
    、RおよびRは、各々独立して、−Hまたは−(C−C)−アルキルであり;
    は、−ZRであり、ここに、Zは、−CO−、−NO−、−SO−または−POH−であり;Rは、−H、−OH、−(C−C)−アルキルまたは−(C−C)−アルケニルであり、該アルキルまたはアルケニルは、−O−、ハロゲン、−OH、−NH、および1〜3個の環炭素原子が独立してN、OもしくはS原子で置き換わっていてもよい5−もしくは6−員の飽和、部分飽和または不飽和シクロアルキル基であって、−CH、−OHまたはハロゲンで置換されていてもよい該シクロアルキル基のうち1以上で置換されていてもよく;
    は、(C−C)−アルキルである]
    で示される化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体。
  2. が−(C−C)アルキルである請求項1記載の化合物。
  3. が−CHである請求項2記載の化合物。
  4. が−ZRであり、ここに、Zが−CO−または−NO−であり、RがO、ハロゲン、−OH、−NH、および1〜3個の環炭素原子が独立してN、OもしくはS原子で置き換わっていてもよい5−または6−員の飽和、部分飽和または不飽和シクロアルキル基であって、−CH、−OHまたはハロゲンで置換されていてもよい該シクロアルキル基のうち1以上で置換されていてもよい−C−Cアルキルである請求項1、2または3記載の化合物。
  5. Zが−CO−である請求項4記載の化合物。
  6. が−(CHCOOHまたは−(CH)COOHである請求項5記載の化合物。

  7. Figure 2009519954
    である請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物。
  8. が−CFであり、Rが−C−Cアルキルである請求項7記載の化合物。
  9. およびLが各々独立して、−F、−Clまたは−Brである請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物。
  10. およびLが各々、−Fである請求項9記載の化合物。
  11. YがOである請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物。
  12. nが3である請求項1〜11のいずれか1項記載の化合物。
  13. Xが−Clである請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物。
  14. 式(I)の化合物が
    Figure 2009519954
    (Ia)
    である請求項1記載の化合物。
  15. 式(I)の化合物が
    Figure 2009519954
    (Ib)
    である請求項1記載の化合物。
  16. 式(I)の化合物が
    Figure 2009519954
    (Ic)
    であり、rが0〜5の整数(0および5を含めて)である請求項1記載の化合物。
  17. 式(II):
    Figure 2009519954
    (II)
    [式中、
    は、
    Figure 2009519954
    またはRで置換されていてもよい−(C−C)−シクロアルキルであり;
    nは、2、3または4の整数であり;
    Xは、−Cl、−Fまたは−Brであり;
    Yは、−O−、−S−、−CH−または−NR−であり;
    およびLは、各々独立して、−H、−F、−Cl、−Brまたは−CFであり;
    は、−CFまたは−Cであり;
    、R、R、RおよびRは、各々独立して、−Hまたは−(C−C)アルキルであり;
    は、C−Cアルキルである]
    で示される化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体。
  18. が−C−Cアルキルである請求項17記載の化合物。
  19. が−CHである請求項18記載の化合物。
  20. が−Hである請求項17、18または19記載の化合物。
  21. が−(C−C)アルキルである請求項17〜20のいずれか1項記載の化合物。

  22. Figure 2009519954
    である請求項17〜21のいずれか1項記載の化合物。
  23. が−CFであり、Rが−C−Cアルキルである請求項22記載の化合物。
  24. およびLは、各々独立して、−F、−Clまたは−Brである請求項17〜23のいずれか1項記載の化合物。
  25. およびLが−Fである請求項24記載の化合物。
  26. Yが−O−である請求項17〜25のいずれか1項記載の化合物。
  27. nが3である請求項17〜26のいずれか1項記載の化合物。
  28. Xが−Clである請求項17〜27のいずれか1項記載の化合物。
  29. 式(II)の化合物が
    Figure 2009519954
    である請求項17記載の化合物。
  30. 式(II)の化合物が
    Figure 2009519954
    である請求項17記載の化合物。
  31. 有効量の請求項1〜16のいずれか1項記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物において癌性腫瘍細胞の成長および関連疾患を治療または阻害する方法。
  32. 有効量の請求項1〜16のいずれか1項記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩とチューブリン含有系とを接触させることを特徴とする、チューブリン含有系においてチューブリン重合を促進する方法。
  33. 有効量の請求項1〜16のいずれか1項記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩とチューブリン含有系とを接触させることを特徴とする、チューブリン含有系において微小管を安定化する方法。
  34. 有効量の請求項1〜16のいずれか1項記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物において多剤耐性(MDR)を発現する腫瘍またはMDRのために耐性である腫瘍を治療または予防する方法。
  35. 有効量の請求項1〜16のいずれか1項記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を哺乳動物に提供することを特徴とする、哺乳動物において、少なくとも1つの化学療法剤に耐性である腫瘍を治療、該腫瘍の成長を阻害、または該腫瘍を根絶する方法。
  36. 医薬上有効量の請求項1〜13のいずれか1項記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩、および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
  37. 医薬上有効量の請求項14、15または16記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩、および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
  38. 医薬上有効量の請求項17〜28のいずれか1項記載の式(II)の化合物またはその医薬上許容される塩、および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
  39. 医薬上有効量の請求項29記載の式(II)の化合物またはその医薬上許容される塩、および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
  40. 医薬上有効量の請求項30記載の式(II)の化合物またはその医薬上許容される塩、および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
  41. 有効量の請求項17〜30のいずれか1項記載の式(II)の化合物またはその医薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物において癌性腫瘍細胞の成長および関連疾患を治療または阻害する方法。
  42. 有効量の請求項17〜30のいずれか1項記載の式(II)の化合物またはその医薬上許容される塩とチューブリン含有系とを接触させることを特徴とする、チューブリン含有系においてチューブリン重合を促進する方法。
  43. 有効量の請求項17〜30のいずれか1項記載の式(II)の化合物またはその医薬上許容される塩とチューブリン含有系とを接触させることを特徴とする、チューブリン含有系において微小管を安定化する方法。
  44. 有効量の請求項17〜30のいずれか1項記載の式(II)の化合物またはその医薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを特徴とする、多剤耐性(MDR)を発現する腫瘍またはMDRのために耐性である腫瘍を治療または予防する方法。
  45. 有効量の請求項17〜30のいずれか1項記載の式(II)の化合物またはその医薬上許容される塩を哺乳動物に提供することを特徴とする、哺乳動物において、少なくとも1つの化学療法剤に耐性である腫瘍を治療、該腫瘍の成長を阻害、または該腫瘍を根絶する方法。
  46. 哺乳動物がヒトである請求項31記載の方法。
  47. 哺乳動物がヒトである請求項34記載の方法。
  48. 哺乳動物がヒトである請求項35記載の方法。
  49. 哺乳動物がヒトである請求項41記載の方法。
  50. 哺乳動物がヒトである請求項44記載の方法。
  51. 哺乳動物がヒトである請求項45記載の方法。
  52. 哺乳動物において癌性腫瘍細胞の成長および関連疾患を治療または阻害するための医薬の製造のための請求項1〜16または17〜30のいずれか1項記載の化合物の使用。
  53. さらに、式(II):
    Figure 2009519954
    (II)
    [式中、
    は、
    Figure 2009519954
    またはRで置換されていてもよい−(C−C)−シクロアルキルであり;
    nは、2、3または4の整数であり;
    Xは、−Cl、−Fまたは−Brであり;
    Yは、−O−、−S−、−CH−または−NR−であり;
    およびLは、各々独立して、−H、−F、−Cl、−Brまたは−CFであり;
    は、−CFまたは−Cであり;
    、R、R、RおよびRは、各々独立して、−Hまたは−(C−C)アルキルであり;
    は、C−Cアルキルである]
    で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは立体異性体を含む請求項37記載の医薬組成物。
  54. 有効量の請求項53記載の組成物を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物において癌性腫瘍細胞の成長および関連疾患を治療または阻害する方法。
  55. 哺乳動物において有効量の請求項53記載の式(II)の化合物とチューブリン含有系とを接触させることを特徴とする、チューブリン含有系においてチューブリン重合を促進する方法。
  56. 哺乳動物において有効量の請求項53記載の式(II)の化合物とチューブリン含有系とを接触させることを特徴とする、チューブリン含有系において微小管を安定化する方法。
  57. 有効量の請求項53記載の式(II)の化合物を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物において多剤耐性(MDR)を発現する腫瘍またはMDRのために耐性である腫瘍を治療または予防する方法。
  58. 有効量の請求項53記載の式(II)の化合物を哺乳動物に提供することを特徴とする、哺乳動物において、少なくとも1つの化学療法剤に耐性である腫瘍を治療、該腫瘍の成長を阻害、または該腫瘍を根絶する方法。
  59. 哺乳動物がヒトである請求項54、57および58のいずれか1項記載の方法。
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