JP2009515992A - キナーゼ阻害剤として有用なアミノピリミジン - Google Patents

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Abstract

本発明はプロテインキナーゼの阻害剤として有用な化合物に関する。また本発明はそのような化合物を含む製薬上許容される組成物、並びに種々の病気、症状、及び疾患の治療に該化合物及び該組成物を使用する方法を提供する。さらに本発明は本発明の化合物の調整方法を提供する。該化合物及びその製薬上許容される組成物は、インビトロ、インビボ、及び生体外でキナーゼを阻害するのに有用である。そのような用途には、種々の病気、疾患、又は症状(例えば、自己免疫疾患、炎症疾患、骨疾患、代謝疾患、神経系疾患及び神経変性疾患、癌、循環器疾患、アレルギー及び喘息、アルツハイマー病、並びにホルモン関連疾患があるがこれらに限定されるものではない)を治療又は予防することが含まれる。

Description

(発明の技術分野)
本発明は、キナーゼの阻害剤として有用な化合物に関する。また本発明は、本発明の化合物を含む製薬上許容される組成物、該化合物及び該組成物を種々の疾患の治療に使用する方法、並びに該化合物の調製方法に関する。
(発明の背景)
近年、新しい治療剤の探索に対し、目的とする病気に関係する酵素及び他の生体分子の構造をより良く理解することが大いに役立ってきた。広範囲な研究の対象となってきた一つの重要な酵素の種類は、プロテインキナーゼである。
プロテインキナーゼは、ある範囲のヒトの病気を治療する新規な治療剤を得るため、魅力的で確実な標的であり、キナーゼ阻害剤には例えばGleevec(登録商標)やTarceva(登録商標)がある。
プロテインキナーゼが構成する広範囲の構造的に関連する酵素類は、細胞内で様々なシグナル伝達プロセスの制御を担っている。プロテインキナーゼ類は、その構造及び触媒機能が変わらずに保存されていることから、一つの共通する先祖遺伝子から進化してきたと考えられている。ほとんどすべてのキナーゼが、同種の250〜300アミノ酸からなる触媒領域を含んでいる。キナーゼは、リン酸化する基質(例えばタンパク質−チロシン、タンパク質−セリン/トレオニン、脂質など)によって分類することができる。概してそれらのキナーゼの種類にそれぞれ対応する配列モチーフが特定されてきた。
通常、プロテインキナーゼは、ヌクレオシド三リン酸からシグナル伝達経路に関与するタンパク質受容体へのホスホリル転移をもたらすことにより、細胞内のシグナル伝達を媒介している。これらのリン酸化という事象は、目的とするタンパク質の生物的機能を調節又は制御することができる分子的オン/オフスイッチとして作用する。
これらのリン酸化事象は、種々の細胞外刺激やその他の刺激に応答して最終的に引き起こされる。そのような刺激には例えば環境ストレスシグナル及び化学ストレスシグナル(例えば浸透圧ショック、熱ショック、紫外線照射、細菌エンドトキシン、及びH2O2)、サイトカイン類(例えばインターロイキン−1(IL−1)及び腫瘍壊死因子(TNF−a)、並びに成長因子(例えば顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、及び線維芽細胞増殖因子(FGF))がある。一つの細胞外刺激が、細胞増殖、移動、分化、ホルモン分泌、転写因子活性化、筋肉収縮、グルコース代謝、タンパク質合成の制御、及び細胞周期の制御に関係する1つ以上の細胞応答に影響を及ぼし得る。
多くの病気が、プロテインキナーゼの媒介する事象によって誘発される異常な細胞応答に関係している。そのような病気には、自己免疫疾患、炎症疾患、骨疾患、代謝疾患、神経系疾患及び神経変性疾患、癌、循環器疾患、アレルギー及び喘息、アルツハイマー病、並びにホルモン関連疾患がある。かくして、治療剤として有効なプロテインキナーゼ阻害剤を見出すべく医化学において相当な努力がなされてきた。しかし、プロテインキナーゼが関係する症状の多くに対して現在利用できる治療の選択肢が足りないことを考えると、それらのタンパク質標的を阻害する新しい治療剤が依然として大きく求められている。
(発明の要旨)
本発明は、プロテインキナーゼの阻害剤として有用な化合物及びその製薬上許容される組成物を提供する。該化合物は、式I:
Figure 2009515992
(式中、R、R、R、Q、及びHtは本明細書で規定するとおりである)
により表されるもの又はその製薬上許容される塩である。
該化合物及びその製薬上許容される組成物は、インビトロ、インビボ、及び生体外でキナーゼを阻害するのに有用である。そのような用途には、種々の病気、疾患、又は症状(例えば、自己免疫疾患、炎症疾患、骨疾患、代謝疾患、神経系疾患及び神経変性疾患、癌、循環器疾患、アレルギー及び喘息、アルツハイマー病、並びにホルモン関連疾患があるがこれらに限定されるものではない)を治療又は予防することが含まれる。その他の用途には、生物学的現象及び病理学的現象におけるキナーゼの研究、そのようなキナーゼによって媒介される細胞内シグナル伝達経路の研究、及び新しいキナーゼ阻害剤の比較評価が含まれる。
(発明の詳細な説明)
本発明は、式I:
Figure 2009515992
の化合物又はその製薬上許容される塩を提供し、式中、
Htはチアゾール又はピラゾールであり、ここで各環は独立してR及びR2’で必要に応じて置換されており、
Qは−O−、−NR’−、−S−、−C(R’)−、又は−(C=O)−であり、
はT−R又はL−Z−Rであり、
はT−R10又はL−Z−R10であり、
はT−(環D)であり、
環Dは、ヘテロシクリル環又はカルボシクリル環から選択される4〜7員単環又は8〜10員二環であり、該ヘテロシクリル環は、窒素、酸素又は硫黄から選択されるヘテロ環原子を1〜4つ有するものであり、ここで環Dの置換可能な環炭素はそれぞれ独立してオキソ、T−R、又はV−Z−Rで置換され、かつ環Dの置換可能な環窒素はそれぞれ独立して−Rで置換され、
T、T、T、T、及びTはそれぞれ独立してC〜Cアルキリデン鎖であるか又は存在せず、
ZはC〜Cアルキリデン鎖であるか又は存在せず、
Lは、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−N(R)SO−、−SON(R)−、N(R)−、−CO−、−CO−、−N(R)CO−、−N(R)C(O)O−、−N(R)CON(R)−、−N(R)SON(R)−、−N(R)N(R)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−C(RO−、−C(RS−、−C(RSO−、−C(RSO−、−C(RSON(R)−、−C(RN(R)−、−C(RN(R)C(O)−、−C(RN(R)C(O)O−、−C(R)=NN(R)−、−C(R)=N−O−、−C(RN(R)N(R)−、−C(RN(R)SON(R)−、又は−C(RN(R)CON(R)−であり、
及びR2’は、それぞれ独立して−R、−T−W−R、又はRであるか、又はR及びR’は、窒素、酸素又は硫黄から選択されるヘテロ環原子を0〜3つ有する5〜8員の不飽和縮合環又は部分不飽和縮合環をそれらの間に介在する原子とともに形成しており、ここでR及びR2’により形成される該縮合環の置換可能な環炭素は、それぞれ独立してハロ、オキソ、−CN、−NO、−R、又は−V−Rで置換されており、かつR及びR2’により形成される該環の置換可能な環窒素は、それぞれ独立してRで置換されており、
及びRは、それぞれ独立して−R、−ハロ、−OR、−C(=O)R、−COR、−COCOR、COCHCOR、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)R、−SR、−N(R、−CON(R、−SON(R、−OC(=O)R、−N(R)COR、−N(R)CO(C〜C脂肪族)、−N(R)N(R、−C=NN(R、−C=N−OR、−N(R)CON(R、−N(R)SON(R、−N(R)SOR、又は−OC(=O)N(Rであり、
各Rは、水素、C〜C脂肪族基、C〜C10アリール環、5〜10の環原子を有するヘテロアリール環、又は4〜10の環原子を有するヘテロシクリル環であり、該ヘテロアリール環又は該ヘテロシクリル環は窒素、酸素又は硫黄から選択されるヘテロ環原子を1〜4つ有するものであり、該脂肪族基及び各R環はRで必要に応じて置換されており、
各Rは、−R、−COR、−CO(必要に応じて置換されているC〜C脂肪族)、−CON(R、又は−SOであり、
Vは、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−N(R)SO−、−SON(R)−、N(R)−、−CO−、−CO−、−N(R)CO−、−N(R)C(O)O−、−N(R)CON(R)−、−N(R)SON(R)−、−N(R)N(R)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−C(RO−、−C(RS−、−C(RSO−、−C(RSO−、−C(RSON(R)−、C(RN(R)−、−C(RN(R)C(O)−、−C(RN(R)C(O)O−、C(R)=NN(R)−、−C(R)=N−O−、−C(RN(R)N(R)−、−C(RN(R)SON(R)−、又は−C(RN(R)CON(R)−であり、
Wは、−C(RO−、−C(RS−、−C(RSO−、−C(RSO−、−C(RSON(R)−、−C(RN(R)−、−CO−、−CO−、−C(R)OC(O)−、−C(R)OC(O)N(R)−、−C(RN(R)CO−、−C(RN(R)C(O)O−、−C(R)=NN(R)−、−C(R)=N−O−、−C(RN(R)N(R)−、−C(RN(R)SON(R)−、−C(RN(R)CON(R)−、又は−CON(R)−であり、
各Rは独立して水素又は必要に応じて置換されているC〜C脂肪族基であるか、又は同じ窒素原子上にある2つのR基は、必要に応じて置換されている4〜6員のヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を該窒素原子とともに形成しており、かつ
各Rは独立して水素又は必要に応じて置換されているC〜C脂肪族基であるか、又は同じ窒素上にある2つのRは、必要に応じて置換されている5〜8員のヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を該窒素とともに形成しており、
各Rはハロゲン、−CN、又は−NOであり、
各Rは、−R’、−ハロ、−OR’、−C(=O)R’、−COR’、−COCOR’、COCHCOR’、−NO、−CN、−S(O)R’、−S(O)R’、−SR’、−N(R’)、−CON(R’)、−SON(R’)、−OC(=O)R’、−N(R’)COR’、−N(R’)CO(C〜C脂肪族)、−N(R’)N(R’)、−C=NN(R’)、−C=N−OR’、−N(R’)CON(R’)、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)SOR’、又は−OC(=O)N(R’)であり、
各R10は、O、NR11、及びSから選択されるヘテロ原子を1〜2つ含む4員複素環であり、各R10は0〜3つのJで必要に応じて置換されており、
各Jは独立して−ハロ、−OR、オキソ、C〜C脂肪族基、−C(=O)R、−COR、−COCOR、COCHCOR、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)R、−SR、−N(R、−CON(R、−SON(R)2、−OC(=O)R、−N(R)COR、−N(R)CO(C〜C脂肪族)、−N(R)N(R、=NN(R、=N−OR、−N(R)CON(R、−N(R)SON(R、−N(R)SOR、又は−OC(=O)N(Rであるか、又は
同じ原子又は異なる原子上にある2つのJ基は、それらが結合する1つ又は複数の原子とともに、O、N又はSから選択されるヘテロ原子を0〜2つ有する3〜8員の飽和環、部分飽和環、又は不飽和環を形成しており、
各R11は、−R、−COR、−CO(必要に応じて置換されているC〜C脂肪族)、−CON(R、又は−SOであり、
各R’は、独立して水素又は0〜4つのNH、NH(C〜C脂肪族)、N(C〜C脂肪族)、ハロゲン、C〜C脂肪族、OH、O(C〜C脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C〜C脂肪族)、O(ハロC〜C脂肪族)、又はハロC〜C脂肪族で必要に応じて置換されているC〜C脂肪族基であるか、又は2つのR’は、必要に応じて置換されている3〜6員のカルボシクリル又はヘテロシクリルを、それらが結合する1つ又は複数の原子とともに形成している。
ある実施態様において本発明は式I:
Figure 2009515992
の化合物又はその製薬上許容される塩を提供し、式中、
Htはチアゾール又はピラゾールであり、Htは独立してR及びR2’で必要に応じて置換されており、
Qは−O−、−NR’−、−S−、−C(R’)−、又は−(C=O)−であり、
はH、C〜C脂肪族、NO、CN、ハロ、NH、N(C〜C脂肪族)、N(C〜C脂肪族)、O(C〜C脂肪族)、OH、又は−N(C=O)(C〜C脂肪族)であり、ここで該脂肪族は1〜3つのフルオロで必要に応じて置換されており、
は−Z−R10であり、
はT−(環D)であり、
環Dは、4〜7員単環式のヘテロシクリル環又はカルボシクリル環であり、ここで該ヘテロシクリルはO、N、及びSから選択されるヘテロ環原子を1〜4つ有するものであり、環Dは環D’に縮合されていてもよく、
環D’は、窒素、酸素又は硫黄から選択されるヘテロ環原子を0〜4つ含む5〜8員の部分飽和単環又は完全不飽和単環であり、
環D及び環D’は、それぞれ独立して0〜4つのオキソ又は−Z−Rで必要に応じて置換されており、
各Tは、独立してC〜Cアルキリデン鎖であるか又は存在せず、
及びR2’は、それぞれ独立して−R、−W−R、又はRであるか、又はR及びR’は、窒素、酸素又は硫黄から選択されるヘテロ環原子を0〜3つ有する5〜8員の不飽和縮合環又は部分不飽和縮合環をそれらの間に介在する原子とともに形成しており、ここで該5〜8員の環は、それぞれ独立してハロ、オキソ、−CN、−NO、−R、又は−Y−Rで置換されており、
Z、Y、及びWは、それぞれ独立して1つの結合であるか又はC〜C10アルキリデン鎖であり、ここで該アルキリデン鎖の最高6つまでのメチレン単位は、Vによって必要に応じて置換されており、
各Vは、−O−、−C(=O)−、−S(O)−、−S(O)−、−S−、又は−N(R)−から選択されるものであり、
及びRは、それぞれ独立して−R、−ハロ、−OR、−C(=O)R、−COR、−COCOR、COCHCOR、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)R、−SR、−N(R、−CON(R、−SON(R、−OC(=O)R、−N(R)COR、−N(R)CO(C〜C脂肪族)、−N(R)N(R、−C=NN(R、−C=N−OR、−N(R)CON(R、−N(R)SON(R、−N(R)SOR、又は−OC(=O)N(Rであり、
各Rは、水素、C〜C脂肪族基、C〜C10アリール環、5〜10の環原子を有するヘテロアリール環、又は4〜10の環原子を有するヘテロシクリル環であり、ここで該ヘテロアリール環又は該ヘテロシクリル環は窒素、酸素又は硫黄から選択されるヘテロ環原子を1〜4つ有するものであり、Rは0〜6つのRで必要に応じて置換されており、
各Rは、−R、−COR、−CO、−CON(R、又は−SOであり、
各Rは独立して水素又は必要に応じて置換されているC〜C脂肪族基であるか、又は同じ窒素原子上にある2つのR基は、必要に応じて置換されている4〜6員のヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を該窒素原子とともに形成しており、
各Rは独立して水素又は必要に応じて置換されているC〜C脂肪族基であるか、又は同じ窒素上にある2つのRは、窒素、酸素又は硫黄から選択されるヘテロ原子を1〜4つ含む必要に応じて置換されている4〜8員のヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を該窒素とともに形成しており、
各Rはハロゲン、−CN、又は−NOであり、
各Rは、−R’、−ハロ、−OR’、−C(=O)R’、−COR’、−COCOR’、COCHCOR’、−NO、−CN、−S(O)R’、−S(O)R’、−SR’、−N(R’)、−CON(R’)、−SON(R’)、−OC(=O)R’、−N(R’)COR’、−N(R’)CO(C〜C脂肪族)、−N(R’)N(R’)、−N(R’)CON(R’)、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)SOR’、−OC(=O)N(R’)、=NN(R’)、=N−OR’、又は=Oであり、
各R10は、O、NR11、及びSから選択されるヘテロ原子を1つ含む4員複素環であり、各R10は0〜6つのJで必要に応じて置換されており、
各Jは独立してR、−ハロ、−OR、オキソ、−C(=O)R、−COR、−COCOR、−COCHCOR、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)R、−SR、−N(R、−CON(R、−SON(R)2、−OC(=O)R、−N(R)COR、−N(R)CO(C〜C脂肪族)、−N(R)N(R、=NN(R、=N−OR、−N(R)CON(R、−N(R)SON(R、−N(R)SOR、−OC(=O)N(R、又は−OP(=O)(OR’’)であるか、又は
同じ原子又は異なる原子上にある2つのJ基は、それらが結合する1つ又は複数の原子とともに、O、N又はSから選択されるヘテロ原子を0〜2つ有する3〜8員の飽和環、部分飽和環、又は不飽和環を形成しており、ここで該2つのJ基により形成される該環上の1〜4つの水素原子は、ハロ、C〜Cアルキル、又は−O(C〜Cアルキル)によって必要に応じて置換されており、又は該環上の2つの水素原子は、オキソ又はスピロ構造を有するC〜Cシクロアルキルによって必要に応じて置換されており、ここで該C〜Cアルキルは1〜3つのフッ素で必要に応じて置換されており、
各R11は、−R、−COR、−CO、−CON(R、又は−SOであり、
各R’は、独立して水素又は0〜4つのNH、NH(C〜C脂肪族)、N(C〜C脂肪族)、ハロゲン、C〜C脂肪族、OH、O(C〜C脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C〜C脂肪族)、O(ハロC〜C脂肪族)、又はハロC〜C脂肪族で必要に応じて置換されているC〜C脂肪族基であるか、又は2つのR’は、必要に応じて置換されている3〜6員のカルボシクリル又はヘテロシクリルを、それらが結合する1つ又は複数の原子とともに形成しており、かつ
各R’’は独立してH又はC〜Cアルキルである。
ある実施態様において本発明は式I:
Figure 2009515992
の化合物又はその製薬上許容される塩を提供し、式中、
Htはチアゾール又はピラゾールであり、ここで各環は独立してR及びR2’で必要に応じて置換されており、
Qは−O−、−NR’−、−S−、又は−C(R’)−であり、
は、H、C〜C脂肪族、NO、CN、ハロ、NH、N(C〜C脂肪族)、N(C〜C脂肪族)、O(C〜C脂肪族)、OH、又は−N(C=O)(C〜C脂肪族)であり、ここで該脂肪族は1〜3つのフルオロで必要に応じて置換されており、
はT−R10又はL−Z−R10であり、
はT−(環D)であり、
環Dは、4〜7員単環式のヘテロシクリル環又はカルボシクリル環であり、ここで該ヘテロシクリルはO、N、及びSから選択されるヘテロ環原子を1〜4つ有するものであり、環Dは環D’に縮合されていてもよく、
環D’は、窒素、酸素又は硫黄から選択されるヘテロ環原子を0〜4つ含む5〜8員の芳香環、部分飽和環又は完全不飽和環であり、
環D及び環D’は、それぞれ独立して0〜4つのオキソ、T−R、又はV−Z−Rで必要に応じて置換されており、
T、T、及びTはそれぞれ独立してC〜Cアルキリデン鎖であるか又は存在せず、
ZはC〜Cアルキリデン鎖であるか又は存在せず、
Lは、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−N(R)SO−、−SON(R)−、−N(R)−、−CO−、−CO−、−N(R)CO−、−N(R)C(O)O−、−N(R)CON(R)−、−N(R)SON(R)−、−N(R)N(R)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−C(RO−、−C(RS−、−C(RSO−、−C(RSO−、−C(RSON(R)−、−C(RN(R)−、−C(RN(R)C(O)−、−C(RN(R)C(O)O−、−C(R)=NN(R)−、−C(R)=N−O−、−C(RN(R)N(R)−、−C(RN(R)SON(R)−、又は−C(RN(R)CON(R)−であり、
は、それぞれ独立して存在しないか又はC〜C10アルキリデン鎖であり、ここで該アルキリデン鎖の最高6つまでのC単位は、−O−、−C(=O)−、−S(O)−、−S(O)−、−S−、又は−N(R)−により必要に応じて置換されており、Tは0〜6つのJ基で必要に応じて置換されており、
及びR2’は、それぞれ独立して−R、−T−W−R、又はRであるか、又はR及びR’は、窒素、酸素又は硫黄から選択されるヘテロ環原子を0〜3つ有する5〜8員の不飽和縮合環又は部分不飽和縮合環をそれらの間に介在する原子とともに形成しており、ここでR及びR2’により形成される該縮合環の置換可能な環炭素は、それぞれ独立してハロ、オキソ、−CN、−NO、−R、又は−V−Rで置換されており、かつR及びR2’により形成される該環の置換可能な環窒素は、それぞれ独立してRで置換されており、
は、−R、−ハロ、−OR、−C(=O)R、−COR、−COCOR、COCHCOR、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)R、−SR、−N(R、−CON(R、−SON(R、−OC(=O)R、−N(R)COR、−N(R)CO(C〜C脂肪族)、−N(R)N(R、−C=NN(R、−C=N−OR、−N(R)CON(R、−N(R)SON(R、−N(R)SOR、又は−OC(=O)N(Rであり、
各Rは、水素、C〜C10脂肪族基、C〜C10アリール環、5〜10の環原子を有するヘテロアリール環、又は4〜10の環原子を有するヘテロシクリル環であり、該ヘテロアリール環又は該ヘテロシクリル環は窒素、酸素又は硫黄から選択されるヘテロ環原子を1〜4つ有するものであり、該脂肪族基及び各Rは0〜6つのRで必要に応じて置換されており、
各Rは、−R、−COR、−CO、−CON(R、又は−SOであり、
Vは、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−N(R)SO−、−SON(R)−、−N(R)−、−CO−、−CO−、−N(R)CO−、−N(R)C(O)O−、−N(R)CON(R)−、−N(R)SON(R)−、−N(R)N(R)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−C(RO−、−C(RS−、−C(RSO−、−C(RSO−、−C(RSON(R)−、C(RN(R)−、−C(RN(R)C(O)−、−C(RN(R)C(O)O−、C(R)=NN(R)−、−C(R)=N−O−、−C(RN(R)N(R)−、−C(RN(R)SON(R)−、又は−C(RN(R)CON(R)−であり、
Wは、−C(RO−、−C(RS−、−C(RSO−、−C(RSO−、−C(RSON(R)−、−C(RN(R)−、−CO−、−CO−、−C(ROC(O)−、−C(ROC(O)N(R)−、−C(RN(R)CO−、−C(RN(R)C(O)O−、−C(R)=NN(R)−、−C(R)=N−O−、−C(RN(R)N(R)−、−C(RN(R)SON(R)−、−C(RN(R)CON(R)−、又は−CON(R)−であり、
各Rは独立して水素又は0〜3つのJで必要に応じて置換されているC〜C脂肪族であるか、又は同じ窒素原子上にある2つのR基は、4〜8員のヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を該窒素原子とともに形成しており、ここで該ヘテロシクリル環又は該ヘテロアリール環は0〜4つのJで必要に応じて置換されており、
各Rは独立して水素、C〜C脂肪族、O、N又はSから選択されるヘテロ原子を0〜4つ含む5員ヘテロアリール、又はフェニルであり、各Rは0〜3つのJで必要に応じて置換されており、又は同じ窒素上にある2つのRは、必要に応じて置換されている4〜8員のヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を該窒素とともに形成しており、ここで該ヘテロシクリル環又は該ヘテロアリール環は0〜4つのJで必要に応じて置換されており、
各Rはハロゲン、−CN、又は−NOであり、
各Rは、−R’、−ハロ、−OR’、−C(=O)R’、−COR’、−COCOR’、COCHCOR’、−NO、−CN、−S(O)R’、−S(O)R’、−SR’、−N(R’)、−CON(R’)、−SON(R’)、−OC(=O)R’、−N(R’)COR’、−N(R’)CO(C〜C脂肪族)、−N(R’)N(R’)、−N(R’)CON(R’)、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)SOR’、−OC(=O)N(R’)、=NN(R’)、=N−OR’、=NR’、又は=Oであり、
各R10は、O、NR11、及びSから選択されるヘテロ原子を1つ含む4員複素環であり、各R10は0〜6つのJで必要に応じて置換されており、
J及びJは、それぞれ独立してR、−ハロ、−OR、−C(=O)R、−COR、−COCOR、COCHCOR、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)R、−SR、−N(R、−CON(R、−SON(R)2、−OC(=O)R、−N(R)COR、−N(R)CO(C〜C脂肪族)、−N(R)N(R、=NN(R、=N−OR、=NR’、=O、−N(R)CON(R、−N(R)SON(R、−N(R)SOR、−OC(=O)N(R、又は−OP(=O)(OR’’)であるか、又は
及びJは、それぞれ独立してNH、NH(C〜C脂肪族)、N(C〜C脂肪族)、ハロゲン、C〜C脂肪族、OH、O(C〜C脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C〜C脂肪族)、O(ハロC〜C脂肪族)、又はハロC〜C脂肪族であり、
同じ原子又は異なる原子上にある2つのJ又はJ基は、J又はJの原子の各組が結合する1つ又は複数の原子とともに、O、N又はSから選択されるヘテロ原子を0〜2つ有する3〜8員の飽和環、部分飽和環、又は不飽和環を形成しており、ここで該2つのJ又はJ基により形成される該環上の1〜4つの水素原子は、ハロ、C〜Cアルキル、又は−O(C〜Cアルキル)によって必要に応じて置換されており、ここで該C〜Cアルキルは1〜3つのフッ素で必要に応じて置換されており、又は
該2つのJ又はJ基により形成される該環において同じ原子上の2つの水素原子は、オキソにより必要に応じて置換されており、
各R11は、−R、−COR、−CO、−CON(R、又は−SOであり、
各R’は、独立して水素又は0〜4つのNH、NH(C〜C脂肪族)、N(C〜C脂肪族)、ハロゲン、C〜C脂肪族、OH、O(C〜C脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C〜C脂肪族)、CONH、CONH(C〜C脂肪族)、CON(C〜C脂肪族)、O(ハロC〜C脂肪族)、又はハロC〜C脂肪族で必要に応じて置換されているC〜C脂肪族基であるか、又は2つのR’は、=O、又は、必要に応じて置換されている3〜6員のカルボシクリル若しくはヘテロシクリルを、それらが結合する1つ又は複数の原子とともに形成しており、
各R’’は独立してH又はC〜Cアルキルである。
ある実施態様において、Htは、
Figure 2009515992
又は
Figure 2009515992
であり、式中、各環は独立してR及びR2’で必要に応じて置換されている。
ある実施態様において、Qは−C(=O)−である。他の実施態様において、Qは、−O−、−NR’−又は−S−から選択されるヘテロ原子である。ある実施態様において、Qは−NR’−又は−S−である。ある実施態様において、Qは−NR’−又は−O−である。ある実施態様においてQは−S−である。他の実施態様においてQは−O−である。また他の実施態様においてQは−NR’−である。
ある実施態様において、RはT−(環D)である。ある実施態様において、Tは存在していない。
ある実施態様において、環Dは、ヘテロシクリル環又はカルボシクリル環から選択される、必要に応じて置換されている4〜7員の単環である。ある実施態様において、該ヘテロシクリル環は、窒素、酸素又は硫黄から選択されるヘテロ環原子を1〜4つ有する。ある実施態様において、該ヘテロシクリル環は、O、N、及びSから選択されるヘテロ原子を1〜2つ有する。ある実施態様において、該ヘテロシクリル環は、ピペリジニル、ピロリジニル、又はモルホリニルである。一実施態様において、該ヘテロシクリルはピペリジニルである。他の実施態様において、該ヘテロシクリルはピロリジニルである。
ある実施態様において、環D’はフェニルである。
当業者に明らかなとおり、2つの環が縮合する場合、該2つの環は、2つの隣接する原子を共有するとともに、該隣接する原子の間にある1つ又は複数の結合を共有している。例えば、ピペリジンとフェニルが縮合すると、テトラヒドロイソキノリンが形成され得る。
Figure 2009515992
Figure 2009515992
が縮合すると
Figure 2009515992
が形成され得る。
フェニルとピリミジンが縮合すると、キナゾリンが形成され得る。
Figure 2009515992
Figure 2009515992
が縮合すると
Figure 2009515992
が形成され得る。
フェニルとピロリジンが縮合すると、インドリンが形成され得る。
Figure 2009515992
Figure 2009515992
が縮合すると
Figure 2009515992
が形成され得る。
縮合環は、任意の化学的に安定な方向に回転することができる。例えば、フェニルとイミダゾールが縮合すると、以下の3つの可能な化合物の一つが形成され得る。
Figure 2009515992
又は
Figure 2009515992
ある実施態様において、環Dは、4位においてT−R又はV−Z−Rで一置換されている。ある実施態様において、環Dは、4位においてV−Z−Rで必要に応じて置換されている。
ある実体態様において、Vは、−N(R)CO−、−C(O)N(R)−、−O−、−N(R)−、又は−N(R)SO−である。他の実施態様において、Vは−N(R)CO−又は−C(O)N(R)−である。
ある実施態様において、環Dは−V−Z−Rで置換されている。ある実施態様において、Vは−CO−又は−CO−である。ある実施態様においてZは存在していない。ある実施態様において、RはRである。ある実施態様において、Rは、ハロで必要に応じて置換されているフェニル又はC〜C脂肪族である。ある実施態様において、環Dは、−CO(C〜C脂肪族)又は−CO(フェニル)で置換されている。
特に断らない限り、用語「存在せず(存在していない)」は、ある置換基で他の2つの置換基と結合するものを指す場合、用語「結合(1つの結合)」と同義である。いずれの場合も、該当する記号は、それが結合する他の2つの置換基を結びつける結合として定義される。例えば、置換基が−V−Z−Rであり、そしてZが「結合」であるか又はZが「存在していない」場合、該置換基は−V−Rとなる。ZはVとRをつなぐ結合となる。
他の実施態様において、環Dは、−Z−Rで置換されている。
ある実施態様において、Zは、C〜C10アルキリデン鎖であり、ここで、該アルキリデン鎖の最高6つまでのメチレン単位は、−O−、−C(=O)−、−S(O)−、−S(O)−、−S−、又は−N(R)−により必要に応じて置換されている。ある実施態様において、Zのメチレン単位は、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−N(R)SO−、−SON(R)−、−N(R)−、−CO−、−CO−、−N(R)CO−、−N(R)C(O)O−、−N(R)CON(R)−、−N(R)SON(R)−、−N(R)N(R)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−C(RO−、−C(RS−、−C(RSO−、−C(RSO−、−C(RSON(R)−、C(RN(R)−、−C(RN(R)C(O)−、−C(RN(R)C(O)O−、−C(R)=NN(R)−、−C(R)=N−O−、−C(RN(R)N(R)−、−C(RN(R)SON(R)−、又は−C(RN(R)CON(R)−により置換されている。
他の実施態様において、Zは存在していない。
ある実施態様において、Tは存在していない。
他の実施態様において、TはC〜Cアルキリデン鎖である。
ある実施態様において、R及びRにおける置換基はそれぞれ独立してRから選択される。
他の実施態様において、Rの必要に応じて置換されている脂肪族基は、C〜C脂肪族基である。
ある実施態様において、Rは、C〜C脂肪族、C〜C10アリール、又は5〜10の環原子を有するヘテロアリール環から選択される必要に応じて置換されている基である。ある実施態様において、Rは、C〜C脂肪族又はフェニルから選択される必要に応じて置換されている基である。ある実施態様において、該フェニル基は、ハロで必要に応じて置換されている。
他の実施態様において、RはH又はC〜C脂肪族である(これはある実施態様では置換されていないものである)。
他の実施態様において、RはH又はC〜C脂肪族である(これはある実施態様では置換されていないものである)。
他の実施態様において、R2’はH又はC〜C脂肪族である(これはある実施態様では置換されていないものである)。
ある実施態様において、RはC〜C脂肪族であり、かつR2’はHである。
一実施態様において、Rは、−R、ハロゲン、−NO、−CN、−COR、−OR、又は−SRである。他の実施態様において、RはH又はFである。
一実施態様において、RはT−T10である。ある実施態様において、Tは存在していない。他の実施態様において、Rは−Z−R10である。ある実施態様において、Zは存在していない。他の実施態様において、ZはC〜Cアルキリデン鎖であり、ここでZの1〜2つのメチレン単位は、O、−N(R)−又はSによって必要に応じて置換されている。さらに他の実施態様において、ZはC〜Cアルキリデン鎖である。
他の実施態様において、R10は1つのヘテロ原子を含む4員複素環である。ある実施態様において、R10はアゼチジンである。他の実施態様において、R10は以下である。
Figure 2009515992
ある実施態様において、Rは以下の式iによって表されるものである。
Figure 2009515992
ある実施態様において、JはC〜Cアルキル、C〜Cアルキル、O(C〜C34アルキル)、OH、CN、又はFである。他の実施態様において、Jは、CH、OCH、O(CHCH)、OCH(CH、OC(CH、OH、CN、又はFである。さらに他の実施態様において、JはF又はシクロプロピルである。
他の実施態様において、RはL−Z−R10である。ある実施態様において、Lは−O−、−N(R)−、又は−S−である。ある実施態様において、ZはC〜Cアルキリデン鎖である。他の実施態様において、Zは存在していない。ある実施態様において、Rは以下の式ii−a又は式ii−a’で表されるものである。
Figure 2009515992
他の実施態様において、Rは以下の式ii−b又は式ii−b’で表されるものである。
Figure 2009515992
ある実施態様において、R11はHである。他の実施態様において、R11は必要に応じて置換されているC〜C脂肪族基である。さらに他の実施態様において、R11は−COR、−CO、−CON(R、又は−SOである。
一実施態様において、本発明の化合物は以下の式Iaによって表される。
Figure 2009515992
式中、記号は、本明細書中の任意の実施態様で規定するとおりである。ある実施態様において、QはS又はOである。ある実施態様において、QはSである。他の実施態様においてQはOである。
他の実施態様において、本発明の化合物は以下の式Ibによって表される。
Figure 2009515992
式中、記号は、本明細書中の任意の実施態様で規定するとおりである。
ある実施態様において、QはS又はOである。ある実施態様においてQはSである。他の実施態様においてQはOである。
ある実施態様において、R2’はH又は必要に応じて置換されているC〜C脂肪族である。他の実施態様においてR2’はHである。さらに他の実施態様においてRはH又は必要に応じて置換されているC〜C脂肪族である。
他の実施態様において、RはC〜C脂肪族又はフェニルから選択される必要に応じて置換されている基である。
上述したとおり、式Ia及び式Ibの記号は、本明細書中の任意の実施態様において規定されているとおりである。曖昧さを回避するため、これらの実施態様には、例えば限定されることなく、Rが−Z−R10である化合物が含まれる。ここでZが存在していない場合、R10はO、NR11及びSから選択されるヘテロ原子を1つ含む4員複素環である。明らかなとおり、該複素環が窒素原子を介して結合されるとき(以下の式iに示すように)、R11は存在していない。
Figure 2009515992
他の実施態様において、本発明は、表1から選択される化合物(又はその製薬上許容される塩)を含む。
Figure 2009515992
本発明の目的のため、化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics、第75版、CAS版、the Periodic Table of the Elements(元素の周期律表)に従って特定されている。さらに、有機化学の一般原則は、当業者に知られている教科書に記載されているものであり、そのような教科書には、例えば、“Organic Chemistry”、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito:1999、及び“March’s Advanced Oragnic Chemistry”、第5版、Smith,M.B.及びMarch,J.編、John Wiley & Sons、New York:2001がある。この引用によりそれらの内容はそっくり本明細書に記載されたものとする。
ここに記載するとおり、特定の範囲の原子の数には、その範囲の任意の整数が含まれる。例えば1〜4つの原子を有する基は、1、2、3、又は4つの原子を有することができる。
ここに記載するとおり、本発明の化合物は、1つ以上の置換基で必要に応じて置換されており、その具体例は、一般的に上述したようなものであり、あるいは、本発明の特定のクラス、サブクラス、及び種によって例示されるとおりである。明らかなとおり、用語「必要に応じて置換されている」は、用語「置換又は非置換の(置換されているか又は置換されていない)」と同義なものとして使用される。一般的に、用語「置換」は、用語「されていてもよい」が付いているか否かを問わず、所定の構造において水素ラジカルが特定の置換基のラジカルで置き換えられることを指す。特に断らない限り、必要に応じて置換されている基は、該基の置換可能な位置のそれぞれにおいて置換基を有することができ、任意の所定の構造において1つより多い位置が、特定の群から選択される1つより多い置換基で置換できる場合、それらの置換基は、すべての位置において同じでもよいし異なっていてもよい。本発明の意図する置換基の組合せは、安定な化合物又は化学的に実施可能な化合物の形成をもたらすものが好ましい。
ここで使用する用語「安定な」は、その製造、検出のための条件に置かれる場合に、並びに、好ましくは、その回収、精製、及びここに開示する目的の1つ以上に対する使用のための条件に置かれる場合に実質的に変化しない化合物をさしている。ある実施態様において、安定な化合物又は化学的に実施可能な化合物は、水分や他の化学的に反応性の条件がない状態において、40℃以下の温度で少なくとも1週間以上保存したときに実質的に変化しないものである。
ここで使用する用語「脂肪族」、「脂肪族基」等は、当該分子の残りの部分に対して1つの結合部位を有し、完全に飽和であるか又は1つ以上の不飽和単位を含む、枝なし又は枝分かれの、直鎖又は環状の、置換又は非置換の炭化水素を意味する。特に断らない限り、脂肪族基は、1〜20の脂肪族炭素原子を有する。ある実施態様において、脂肪族基は1〜10の脂肪族炭素原子を含む。他の実施態様において、脂肪族基は、1〜8つの脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施態様において、脂肪族基は、1〜6つの脂肪族炭素原子を含み、さらに他の実施態様において、脂肪族基は1〜4つの脂肪族炭素原子を含む。適当な脂肪族基には、直鎖又は分岐鎖の、置換又は非置換アルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基があるが、これらに限定されるものではない。その具体例には、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、sec−ブチル、ビニル、n−ブテニル、エチニル、及びtert−ブチルがあるが、これらに限定されるものではない。
用語「シクロ脂肪族」(又は「炭素環」、「カルボシクリル」、若しくは「シクロアルキル」など)は、当該分子の残りの部分に対して1つの結合部位を有し、完全に飽和であるか又は1つ以上の不飽和単位を含むが芳香族でない、単環のC〜C炭化水素又は二環のC〜C12炭化水素を指し、ここで該二環系の各環はいずれも3〜7員である。適当なシクロ脂肪族基には、シクロアルキル基及びシクロアルケニル基があるが、これらに限定されるものではない。具体的には、シクロヘキシル、シクロプロペニル、及びシクロブチルがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明の化合物において、環には、直線状に縮合された環、架橋環、又はスピロ環が含まれる。架橋シクロ脂肪族基には、例えば、ビシクロ[3.3.2]デカン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、及びビシクロ[3.2.2]ノナンがあるが、これらに限定されるものではない。
C原子がヘテロ原子で置き換えられている脂肪族基は「ヘテロ脂肪族」と呼ばれる。ここで使用する用語「ヘテロ脂肪族」は、1つ又は2つの炭素原子がそれぞれ独立して1つ以上の酸素、硫黄、窒素、リン、又は珪素で置き換えられている脂肪族基を意味する。ヘテロ脂肪族基は、置換されていても置換されていなくてもよく、枝分かれでも枝なしでもよく、環式でも非環式でもよく、そして、「ヘテロ環」基、「ヘテロシクリル」基、「ヘテロシクロ脂肪族」基、又は「複素環式」基を含む。
ここで使用する用語「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクロ脂肪族」、又は「複素環式」等は、非芳香族で、単環式、二環式若しくは三環式の環系であって、環を構成する1つ以上の原子がそれぞれ独立して選択されたヘテロ原子であるものを意味する。ある実施態様において、「ヘテロ環」基、「ヘテロシクリル」基、「ヘテロシクロ脂肪族」基、又は「複素環式」基は、3〜14の環原子を有し、そのうち、1つ以上の環原子はそれぞれ独立して酸素、硫黄、窒素、又はリンから選択されるヘテロ原子であり、そして該系の各環は、3〜7つの環原子を含む。架橋へテロ環の具体例には、7−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び3−アザ−ビシクロ[3.2.2]ノナンがあるが、これらに限定されるものではない。
適当なヘテロ環には、3−1H−ベンズイミダゾール−2−オン、3−(1−アルキル)−ベンズイミダゾール−2−オン、2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチオフェニル、3−テトラヒドロチオフェニル、2−モルホリノ、3−モルホリノ、4−モルホリノ、2−チオモルホリノ、3−チオモルホリノ、4−チオモルホリノ、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−テトラヒドロピペラジニル、2−テトラヒドロピペラジニル、3−テトラヒドロピペラジニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、1−ピラゾリニル、3−ピラゾリニル、4−ピラゾリニル、5−ピラゾリニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、2−チアゾリジニル、3−チアゾリジニル、4−チアゾリジニル、1−イミダゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、5−イミダゾリジニル、インドリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ベンゾチオラン、ベンゾジチアン、及び1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オンがあるが、これらに限定されるものではない。
用語「ヘテロ原子」は、酸素、硫黄、窒素、リン、又は珪素(窒素、硫黄、リン、又は珪素の任意の酸化形、任意の塩基性窒素の四級化形、あるいは、複素環の置換可能な窒素、例えばN(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにおけるような)、NH(ピロリジニルにおけるような)、又はNR(N−置換ピロリジニルにおけるような)を含む)の1つ以上を意味する。
ここで使用する用語「不飽和」は、ある部分が1つ以上の不飽和の単位を有することを意味する。
ここで使用する用語「アルコキシ」又は「チオアルキル」は、すでに定義したようなアルキル基が、酸素原子(「アルコキシ」)又は硫黄原子(「チオアルキル」)を介して主要な炭素鎖に結合しているものを指す。
用語「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」及び「ハロアルコキシ」は、必要に応じて1つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル、アルケニル又はアルコキシを意味する。用語「ハロゲン」はF、Cl、Br、又はIを意味する。
単独で使用されるか又は「アラルキル」、「アラルコキシ」あるいは「アリールオキシアルキル」のように大きな部位の一部として使用される用語「アリール」は、合計5〜14の環原子を有する単環式、二環式、及び三環式の環系を指し、ここで該系における少なくとも1つの環は芳香族であり、かつ該系における各環は3〜7つの環原子を有している。用語「アリール」は用語「アリール環」と同義なものとして用いることができる。また用語「アリール」は、以下に規定するようなヘテロアリール環系も指す。
単独で使用されるか又は「ヘテロアラルキル」あるいは「ヘテロアリールアルコキシ」のように大きな部位の一部として使用される用語「ヘテロアリール」は、合計5〜14の環原子を有する単環式、二環式、及び三環式の環系を指し、ここで該系における少なくとも1つの環は芳香族であり、該系における少なくとも1つの環は1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ該系における各環は3〜7つの環原子を有している。用語「へテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」又は用語「ヘテロ芳香族」と同義なものとして用いることができる。適当なヘテロアリール環には、2−フラニル、3−フラニル、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、N−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、ピリダジニル(例えば3−ピリダジニル)、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、テトラゾリル(例えば5−テトラゾリル)、トリアゾリル(例えば2−トリアゾリル及び5−トリアゾリル)、2−チエニル、3−チエニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、インドリル(例えば2−インドリル)、ピラゾリル(例えば2−ピラゾリル)、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、プリニル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、キノリニル(例えば2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル)、及びイソキノリニル(例えば1−イソキノリニル、3−イソキノリニル、又は4−イソキノリニル)があるが、これらに限定されるものではない。
アリール基(アラルキル、アラルコキシ、アリールオキシアルキルなどを含む)又はヘテロアリール基(ヘテロアラルキル及びヘテロアリールアルコキシなどを含む)は、1つ以上の置換基を有してもよく、従って、必要に応じて置換されている。上記及び本明細書中で特に断らない限り、アリール基又はヘテロアリール基の不飽和炭素原子上にある適当な置換基は、通常、ハロゲン、−R、−OR、−SR、Rで必要に応じて置換されているフェニル(Ph)、Rで必要に応じて置換されている−O(Ph)、Rで必要に応じて置換されている−(CH1−2(Ph)、Rで必要に応じて置換されている−CH=CH(Ph)、Rで必要に応じて置換されている4〜6員のヘテロアリール環又は複素環、−NO、−CN、−N(R、−NRC(O)R、−NRC(S)R、−NRC(O)N(R、−NRC(S)N(R、−NRCO、−NRNR−、−NRNRC(O)R、−NRNRC(O)N(R、−NRNRCO、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−CO、−C(O)R、−C(S)R、−C(O)N(R、−C(S)N(R、−OC(O)N(R、−OC(O)R、−C(O)N(OR)R、−C(NOR)R、−S(O)、−S(O)、−SON(R、−S(O)R、−NRSON(R、−NRSO、−N(OR)R、−C(=NH)−N(R、−C(=NH)−OR、−P(O)、−PO(R、−OPO(R、又は−(CH0−2NHC(O)Rから選択されるものであり、ここで各Rは、それぞれ独立して水素、必要に応じて置換されているC〜C脂肪族、置換されていない4〜6員のヘテロアリール環若しくは複素環、フェニル、−O(Ph)、又は−CH(Ph)から選択されるものであるか、又は、上記にかかわらず、同じ又は異なる置換基上の2つのRは、窒素、酸素又は硫黄からそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子を0〜4つ有する必要に応じて置換されている3〜12員で飽和、部分不飽和又は完全不飽和の単環又は二環を、各R基が結合する1つ又は複数の原子とともに形成している。
の脂肪族基上に必要に応じて存在する置換基は、NH、NH(C〜C脂肪族)、N(C〜C脂肪族)、ハロゲン、C〜C脂肪族、OH、O(C〜C脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C〜C脂肪族)、O(ハロC〜C脂肪族)、又はハロC〜C脂肪族から選択されるものであり、ここでRの上記C〜C脂肪族基のそれぞれは、置換されていないものである。
脂肪族基若しくはヘテロ脂肪族基、又は非芳香族複素環は、1つ以上の置換基を有してもよく、従って必要に応じて置換されている。上記及び本明細書中で特に断らない限り、脂肪族基、ヘテロ脂肪族基、又は非芳香族複素環の飽和炭素上にある適当な置換基は、アリール又はヘテロアリール基の不飽和炭素について上記で列挙したものから選択されるものであり、さらには以下の、(=O、=S、=NNHR、=NN(R、=NNHC(O)R、=NNHCO(アルキル)、=NNHSO(アルキル)、=N−OH、=N−(OR)、又は=NR(ここでRはそれぞれ独立して水素又は必要に応じて置換されているC〜C脂肪族基から選択される)を含む。
上記又は本明細書中で特に断らない限り、非芳香族複素環の窒素上に必要に応じて存在する置換基は、通常、−R、−N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−SO、−SON(R、−C(=S)N(R+1、−C(=NH)−N(R、又は−NRSOから選択されるものであり、ここでRは、水素、必要に応じて置換されているC〜C脂肪族、必要に応じて置換されているフェニル、必要に応じて置換されている−O(Ph)、必要に応じて置換されている−CH(Ph)、必要に応じて置換されている−(CH1−2(Ph)、必要に応じて置換されている−CH=CH(Ph)、又は、酸素、窒素又は硫黄からそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子を1〜4つ有する置換されていない4〜6員のヘテロアリール環若しくは複素環であるか、又は、上記にかかわらず、同じ又は異なる置換基上にある2つのRは、窒素、酸素又は硫黄からそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子を0〜4つ有する必要に応じて置換されている3〜12員で飽和、部分不飽和又は完全不飽和の単環又は二環を、各R基が結合する1つ又は複数の原子とともに形成している。
の脂肪族基又はフェニル環上に必要に応じて存在する置換基は、−NH、−NH(C〜C脂肪族)、−N(C〜C脂肪族)、ハロゲン、C〜C脂肪族、−OH、−O(C〜C脂肪族)、−NO、−CN、−COH、−CO(C〜C脂肪族)、−O(ハロC〜C脂肪族)、又はハロ(C〜C脂肪族)から選択されるものであり、ここでRの上記C〜C脂肪族基のそれぞれは、置換されていないものである。
用語「アルキリデン鎖」は、完全に飽和であり得るか又は1つ以上の不飽和単位を有することができかつ当該分子の残りの部分に対して2つの結合部位を有する直鎖又は枝分かれの炭素鎖を指す。
ここで使用する用語「保護基」は、多官能性化合物において1つ以上の必要な反応性部位を一時的に保護するため使用される要素を指す。所定の実施態様において、保護基は、以下の性質の1つ以上、好ましくはすべてを有する。a)1つ以上の他の反応性部位で生じる反応に対して安定である保護された基質を良好な収率で選択的にもたらすよう反応する。b)再生される官能基を攻撃しない試薬によって良好な収率で選択的に除去することができる。具体的な保護基は、Greene,T.W.、Wuts,P.G、“Protective Groups in Organic Synthesis”、第3版、John Wiley & Sons、New York:1999、及び同書籍の他の版に詳述されている。この引用によりその内容はそっくり本明細書に記載されたものとする。ここで使用する用語「窒素保護基」は、多官能性化合物において1つ以上の必要な窒素の反応性部位を一時的に保護するため使用される要素を指す。好ましい窒素保護基もまた上述した性質を有する。所定の具体的な窒素保護基もまたGreene,T.W.、Wuts,P.G、“Protective Groups in Organic Synthesis”、第3版、John Wiley & Sons、New York:1999の第7章に詳述されている。この引用によりその内容はそっくり本明細書に記載されたものとする。
ある実施態様において、2つの基は、それらが結合する1つ又は複数の原子とともに、環を形成する。この環は、窒素、酸素、又は硫黄からそれぞれ独立して選択されるヘテロ原子を0〜4つ有する必要に応じて置換されている3〜12員の飽和、部分不飽和、若しくは完全不飽和の単環又は二環である。
そのような環の具体例には、ピペリジン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基、又はモルホリン−4−イル基があるが、これらに限定されるものではない。
ある実施態様において、アルキル鎖、アルキリデン鎖、又は脂肪族鎖の炭素単位(又はC単位)は、別の原子又は基によって必要に応じて置換されている。そのような原子又は基の具体例には、−NR−、−O−、−S−、−CO−、−OC(O)−、−C(O)CO−、−C(O)−、−C(O)NR−、−C(=N−CN)、−NRCO−、−NRC(O)O−、−SONR−、−NRSO−、−NRC(O)NR−、−OC(O)NR−、−NRSONR−、−SO−、又は−SO−(ここでRは本明細書中で規定されているものである)が含まれるが、これらに限定されるものではない。C単位の具体例には−CH−及び=CH−がある。特に断らない限り、必要に応じて行われる置換は、化学的に安定な化合物を形成するものである。必要に応じて、置換は、鎖のいずれかの末端及び鎖内の両方で行うことができる。すなわち、結合部位及び/又は末端の両方で行うことができる。必要に応じて行われる2つの置換は、化学的に安定な化合物が生じる限り、鎖内において互いに隣接することができる。特に断らない限り、置換を末端で行う場合、置換原子は、末端のHに結合する。例えば、−CHCHCHのC単位が必要に応じて−O−により置換される場合、得られる化合物は、−OCHCH、−CHOCH、又は−CHCHOHとなり得る。
特に断らない限り、ここに示す構造は、該構造のすべての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び幾何異性体(又は配座異性体))を含むことを意図しており、例えば、各不斉中心についてのR配置及びS配置、(Z)及び(E)の二重結合異性体、並びに(Z)及び(E)の配座異性体を含むことを意図している。従って、本発明の化合物の一種の立体化学異性体のみならず、本発明の化合物のエナンチオマー混合物、ジアステレオマー混合物、及び幾何異性体(又は配座異性体)混合物も本発明の技術的範囲内にある。
特に断らない限り、本発明の化合物についてすべての互変異性型が、本発明の技術的範囲内にある。
当業者に明らかなとおり、ピラゾール基は、種々の形で表すことができる。例えば、以下のように表される構造は、
Figure 2009515992
例えば以下のような他の可能な互変異性型として表すこともできる。
Figure 2009515992
同様に、以下のように表される構造は、
Figure 2009515992
例えば以下のような他の可能な互変異性型として表すこともできる。
Figure 2009515992
特に断らない限り、置換基は、任意の回転可能な結合について自由に回転することができる。例えば、以下のように表される置換基は、
Figure 2009515992
以下のように表すこともできる。
Figure 2009515992
同様に、以下のように表される置換基は、
Figure 2009515992
以下のように表すこともできる。
Figure 2009515992
また、以下のように表される置換基は、
Figure 2009515992
以下のように表すこともできる。
Figure 2009515992
特に断らない限り、2つの結合が2つの異なる末端に付いている基は、最初に示される結合を介して結合される。例えば、Jが−A−Xで置換される場合、−A−が−C(=O)O−であり、そしてXがHであれば、Jは−C(=O)OHで置換されることとなる。
また特に断らない限り、ここに示す構造は、1種以上の同位体原子が豊富に存在することのみにおいて異なる化合物をも含むことを意図している。例えば、重水素又は三重水素によって水素を置換したこと以外は本構造を有する化合物、あるいは、13C−又は14C−に富む炭素によって炭素を置換した以外は本構造を有する化合物は、本発明の技術的範囲内にある。そのような化合物は、例えば、生物学的アッセイにおいて、プローブ又は分析用手段として有用である。
一般的な合成法
本発明の化合物は、本明細書を考慮した上で、当業者に知られる方法により調製することができる。本発明の化合物は、公知の方法(例えばLCMS(液体クロマトグラフィー質量分析)及びNMR(核磁気共鳴)があるがこれらに限定されない)により分析することができる。
明らかなとおり、以下に示す特定の条件は、単なる具体例であり、本発明の化合物を調製するため使用できる条件の範囲を限定しようとするものではない。むしろ、本明細書を考慮した上で本発明の化合物を調製するため当業者に明らかな条件も、本発明に含まれるものである。示される出発原料は、市販されているかあるいは、当業者に知られた方法により容易に利用できるものである。特に断らない限り、以下のスキームにおけるすべての記号は、本明細書で規定しているとおりである。
以下の省略形を使用している。DIPEAはジイソプロピルエチルアミン、DMFはジメチルホルムアミド、i−PrOHはイソプロピルアルコール、n−BuOHはn−ブタノール、t−BuOHはtert−ブタノール、EtOHはエタノール、MeOHはメタノール、EtOAcは酢酸エチル、TFAはトリフルオロ酢酸、DMSOはジメチルスルホキシド、Rtは保持時間、DCMはジクロロメタン、MeCNはアセトニトリル、THFはテトラヒドロフラン、TBTUは2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸塩、HPLCは高速液体クロマトグラフィー、LCMSは液体クロマトグラフィー質量分析、H NMRは核磁気共鳴である。
Figure 2009515992
上記の一般スキームは、本発明の化合物を調製するいくつかの方法を示しており、ここでは、アゼチジンが窒素原子を介して直接結合されている。
スキームI
Figure 2009515992
上記スキームIは、式3の化合物を調製するための一般的な経路を示しており、式中、R、R、R、及びJは本明細書中で規定したとおりであり、そしてQは−O−、−NR’−、又は−S−である。上で示すとおり、式1の二塩化ピリミジンを、適当なパラジウム触媒及び適当な溶媒(例えばジオキサン)の存在下で必要に応じて置換されているアミノチアゾールとともに加熱し、式2の化合物を形成する。その代わりに、式1の二塩化ピリミジンを、適当な塩基(例えばNaI/DIPEA)及び適当な溶媒(例えばDMF)の存在下で必要に応じて置換されているアミノチアゾールとともに加熱して式2の化合物を形成してもよい。次いで式2の化合物を、適当な塩基(例えばDIPEA/NaI)及び適当な溶媒(例えばn−BuOH)の存在下でアゼチジン誘導体とともに加熱して式3の化合物を形成する。
スキームII
Figure 2009515992
上記スキームIIは、式7の化合物を調製するための一般的な経路を示しており、式中、R、R、R、R2’、及びJは本明細書中で規定したとおりであり、そしてQは−O−、−NR’−、又は−S−である。式4の二塩化ピリミジンをHQ−Rと化合して式5の化合物を形成する。ある実施態様において、これら2つの化合物は、適当な溶媒(例えばt−BuOH)の存在下で16時間加熱される。他の実施態様において、2つの化合物は、アセトニトリル及びトリエチルアミンの存在下で0℃において1時間混合される。次いで式5の化合物を、適当な溶媒(例えばDMF)及び適当な塩基(例えばDIPEA/NaI)の存在下で必要に応じて置換されているアミノピラゾールとともに加熱して式6の化合物を形成する。式6の化合物を、アゼチジン誘導体及び適当な溶媒(例えばn−BuOH)の存在下で加熱して式7の化合物を形成する。
スキームIII
Figure 2009515992
上記スキームIIIは、式12の化合物を調製するための一般的な経路を示しており、式中、R、R、R10、及びHtは本明細書中で規定したとおりであり、そしてQは−O−、−NR’−、又は−S−である。式8のケトエステルを、尿素、適当な溶媒(例えばMeOH、EtOH)、及び適当な塩基(例えばNaOMe)の存在下で環化して式9のジヒドロキシピリミジンを形成する。次いで式9の化合物を、適当な塩素化条件(例えばPOCl及びDIPEAの存在下で加熱)の下、塩素化して式10のジクロロピリミジンを形成する。次いでジクロロピリミジンを、当業者に知られている適当な条件(例えばスキームを参照)の下、適当なアミノ−ヘテロアリールを存在させて加熱し、式11の化合物を形成する。次いで式11の化合物を、適当な溶媒(例えばt−BuOH)の存在下でHQ−Rとともに加熱して式12の化合物を形成する。
スキームIV
Figure 2009515992
上記スキームIVは、式16の化合物を調製するための一般的な経路を示しており、式中、Lは適当な求核種(例えばN、O、又はS)であり、Qは−O−、−NR’−、又は−S−であり、そしてZ、R、R10、及びHtは本明細書中で規定したとおりである。式13のジクロロピリミジンを、HQ−Rの存在下で加熱して式14の置換されたジクロロピリミジンを形成する。次いで式14の化合物を、当業者に知られている適当な条件(例えばスキームを参照)の下、適当なアミノ−ヘテロアリールを存在させて加熱し、式15の化合物を形成する。式15の化合物をR10−Z−L(ここでLは適当な求核種(例えばN、O、又はS)であり、そしてZ及びR10は本明細書中で規定したとおりである)とともに加熱して式16の化合物を形成する。
スキームV
Figure 2009515992
上記スキームVは、式20の化合物を調製するための一般的な経路を示しており、式中、R、R、R、R’、及びHtは本明細書中で規定したとおりである。式17のケトエステルを、置換されたアミジンとともに環化して式18のヒドロキシピリミジンを形成する。次いで式18の化合物を、当業者に知られている適当な塩素化条件(例えばPOCl/DIPEA)の下、塩素化して式19のクロロピリミジンを形成する。次いでクロロピリミジンを、当業者に知られている適当な条件(例えばスキームを参照)の下、適当なアミノ−ヘテロアリールを存在させて加熱し、式20の化合物を形成する。
スキームVI
Figure 2009515992
上記スキームVIは、式29の化合物を調製するための一般的な経路を示しており、式中、R、Het、及びJは本明細書中で規定したとおりであり、Qは−(C=O)−であり、そしてRは必要に応じて置換されているヘテロシクリルである。式21のアミジンを、塩基の存在下でマロン酸エステルとともに環化して、式22の必要なジヒドロキシピリミジンを形成する。次いで式22の化合物を、適当な条件(例えばAcOH、AcO)下でアセチル化して式23の化合物を形成する。次いで式23の化合物を、当業者に知られている方法(例えばPOCl)に従って塩素化して式24のジクロロピリミジンを形成する。次いで式24の化合物を、適当な還元剤(例えばスキーム参照)の存在下で還元した後、適当な酸化剤(例えばスキーム参照)の存在下で酸化し、結果としてカルボン酸エステル(式25)を形成する。次いでカルボン酸エステルを適当な加水分解条件(例えばLiOH、THF、MeOH)下で加水分解してカルボン酸(式26)とする。次いで式26の酸を、適当なペプチド結合条件(例えばEDC、HOBt)下で適当なアミンと結合させて式27のアミドを形成する。次いで式27のアミドを、必要なヘテロアリール−アミンと化合させて式28の化合物を形成する。ある実施態様において、ヘテロアリールがピラゾールである場合、条件はNaI、DIPEA、DMF、90℃で16時間である。他の実施態様において、ヘテロアリールがチアゾールである場合、条件はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン、ジオキサン、100℃で2時間である。次いで式28の化合物を必要に応じて置換されているアゼチジンとともに加熱して式29の化合物を形成する。
スキームA
Figure 2009515992
上記スキームAは、少なくとも1つのJ基が窒素原子を介してアゼチジンに結合しているN−置換アゼチジンを調製するための一般的経路を示している。保護されたアゼチジン31を、適当な脱離基とともに適当な条件下で活性化してアゼチジン32を形成する。アゼチジン32は、塩基性条件下でNHRとの処理によりアミンで置換されたアゼチジン34を形成する。次いでアゼチジン34を適当な窒素脱保護条件下で脱保護して化合物35を形成する。
スキームB
Figure 2009515992
上記スキームBは、少なくとも1つのJ基がOR(RはH又はC〜Cアルキル)であるO−置換アゼチジンを調製するための一般的経路を示している。
スキームC
Figure 2009515992
スキームCは、シクロプロピル−フルオロ−置換アゼチジンを調製するための一般的経路を示す。化合物42を適当な条件下で酸化して化合物43を形成する。化合物43を適当なグリニャール条件下でシクロプロピル−MgBrと化合してシクロプロピル−置換アゼチジン44を形成する。次いで化合物44を適当なフッ素化条件下でフッ素化して化合物45を形成する。化合物45をPd/C条件下で水素化して脱保護された遊離のアゼチジン46を形成する。
かくして、本発明は、本発明の化合物を製造する方法に関する。
本発明の一局面は、プロテインキナーゼ阻害剤を用いる治療により緩和される患者の疾病状態を治療する方法に関し、該方法は、そのような治療が必要な患者に式I(Ia及びIbを含む)の化合物の治療上有効な量を投与することを含む。該方法は、キナーゼ(例えば、オーロラキナーゼ(オーロラA、オーロラB、オーロラC)、FLT−3、JAK−2、JAK−3、ITK、Src、Abl、Abl(T315I)、Arg、FGFR1、MELK、MLK1、MuSK、Ret、TrkA、PLK4、Tie−2、及びTrkA)の阻害剤を使用することによって緩和する疾病状態の治療に特に有用である。
当該化合物のプロテインキナーゼ阻害剤としての活性は、インビトロ、インビボ、又は細胞系において検定することができる。インビトロアッセイには、キナーゼの活性又は活性化されたキナーゼのATPアーゼ活性のいずれかの阻害を測定するアッセイがある。他のインビトロアッセイは、阻害剤のプロテインキナーゼに結合する能力を定量するものであり、結合の前に阻害剤を放射性標識し、阻害剤/キナーゼの複合体を分離し、そして結合した放射性標識の量を測定することにより、あるいは、既知の放射性リガンドに結合したキナーゼとともに新たな阻害剤をインキュベートする競合実験を行うことにより、測定することができる。
本発明の他の局面は、癌の治療が必要な対象において癌を治療する方法に関し、該方法は、本発明の化合物又はその製薬上許容される塩と、さらに別の治療剤とを逐次投与又は同時投与することを含む。ある実施態様において、該別の治療剤は、抗癌剤、抗増殖剤、又は化学治療剤から選択される。
ある実施態様において、該別の治療剤は、カンプトテシン、MEK阻害剤、U0126、KSP(キネシン紡錘体タンパク質)阻害剤、アドリアマイシン、インターフェロン類、及び白金誘導体(例えばシスプラチン)から選択される。
他の実施態様において、該別の治療剤は、タキサン、bcr−ablの阻害剤(例えばGleevec、ダサチニブ、及びニロチニブ)、EGFRの阻害剤(例えばTarceva及びIressa)、DNA損傷剤(例えばシスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、トポイソメラーゼ阻害剤、及びアントラサイクリン)、並びに代謝拮抗剤(例えばAraC及び5−FU)から選択される。
さらに他の実施態様において、該別の治療剤は、カンプトテシン、ドキソルビシン、イダルビシン、シスプラチン、タキソール、タキソテール、ビンクリスチン、タルセバ、MEK阻害剤、U0126、KSP阻害剤、ボリノスタット、Gleevec、ダサチニブ、及びニロチニブから選択される。
他の実施態様において、該別の治療剤は、Her−2阻害剤(例えばHerceptin)、HDAC阻害剤(例えばボリノスタット)、VEGFR阻害剤(例えばAvastin)、c−KIT及びFLT−3の阻害剤(例えばスニチニブ)、BRAF阻害剤(Bayer社のBAY 43−9006)、MEK阻害剤(例えばPfizer社のPD0325901)、及び紡錘体毒(例えばエポチロン類及びパクリタキセルタンパク質−結合粒子(例えばAbraxane(登録商標))から選択される。
本発明の薬剤と併用することができる他の療法又は抗癌剤には以下のものがある。手術、放射線療法(わずかだがいくつか例をあげると、γ線照射、中性子ビーム放射線療法、電子ビーム放射線療法、プロトン療法、近接照射療法、及び全身性放射性同位体)、内分泌療法、生物応答修飾物質(いくつか例をあげるとインターフェロン類、インターロイキン類、及び腫瘍壊死因子(TNF))、発熱療法及び寒冷療法、任意の有害作用を弱める薬剤(例えば鎮吐薬)、並びに他の認可されている化学治療剤(例えばアルキル化薬(メクロレタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、イホスファミド)、代謝拮抗薬(メトトレキサート)、プリン拮抗薬及びピリミジン拮抗薬(6−メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、シタラビン、ゲムシタビン)、紡錘体毒(ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル)、ポドフィロトキシン(エトポシド、イリノテカン、トポテカン)、抗生物質(ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン)、ニトロソ尿素類(カルムスチン、ロムスチン)、無機イオン(シスプラチン、カルボプラチン)、酵素(アスパラギナーゼ)、及びホルモン類(タモキシフェン、ロイプロリド、フルタミド、およびメゲストロール)、Gleevec(商標)、アドリアマイシン、デキサメタゾン、並びにシクロホスファミドがあるが、これらに限定されない)。
また本発明の化合物は、以下の治療剤と併用して癌を治療するのに有用であり得る。アバレリクス(Plenaxis depot(登録商標))、アルデスロイキン(Prokine(登録商標))、アルデスロイキン(Proleukin(登録商標))、アレムツズマブ(Campath(登録商標))、アリトレチノイン(Panretin(登録商標))、アロプリノール(Zyloprim(登録商標))、アルトレタミン(Hexalen(登録商標))、アミホスチン(Ethyol(登録商標))、アナストロゾール(Arimidex(登録商標))、三酸化ヒ素(Trisenox(登録商標))、アスパラギナーゼ(Elspar(登録商標))、アザシチジン(Vidaza(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(登録商標)、ベキサロテンカプセル(Targretin(登録商標))、ベキサロテンゲル(Targretin(登録商標))、ブレオマイシン(Blenoxane(登録商標))、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))、ブスルファン静脈注射(Busulfex(登録商標))、ブスルファン経口薬(Myleran(登録商標))、カルステロン(Methosarb(登録商標))、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標))、カルムスチン(BCNU(登録商標)、BiCNU(登録商標))、カルムスチン(Gliadel(登録商標))、Polifeprosan20インプラント付きカルムスチン(Gliadel Wafer(登録商標))、セレコキシブ(Celebrex(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、クロラムブシル(Leukeran(登録商標))、シスプラチン(Platinol(登録商標))、クラドリビン(Leustatin(登録商標)、2−CdA(登録商標))、クロファラビン(Clolar(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)、Neosar(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan Injection(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan Tablet(登録商標))、シタラビン(Cytosar−U(登録商標))、シタラビンリポソーム(DepoCyt(登録商標))、ダカルバジン(DTIC−Dome(登録商標))、ダクチノマイシン、アクチノマイシンD(Cosmegen(登録商標))、ダルベポエチンα(Aranesp(登録商標))、ダウノルビシンリポソーム(DanuoXome(登録商標))、ダウノルビシン、ダウノマイシン(Daunorubicin(登録商標))、ダウノルビシン、ダウノマイシン(Cerubidine(登録商標))、デニロイキンディフィトックス(Ontak(登録商標))、デクスラゾキサン(Zinecard(登録商標))、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、ドキソルビシン(Adriamycin PFS(登録商標))、ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標)、Rubex(登録商標))、ドキソルビシン(Adriamycin PFS Injection(登録商標))、ドキソルビシンリポソーム(Doxil(登録商標))、プロピオン酸ドロモスタノロン(Dromostanolone(登録商標))、プロピオン酸ドロモスタノロン(masterone Injection(登録商標))、エリオットB溶液(Elliott’s B Solution(登録商標))、エピルビシン(Ellence(登録商標))、エポエチンα(Epogen(登録商標))、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、エストラムスチン(Emcyt(登録商標))、リン酸エトポシド(Etopophos(登録商標))、エトポシド、VP−16(Vepesid(登録商標))、エキセメスタン(Aromasin(登録商標))、フィルグラスチム(Neupogen(登録商標))、フロクスウリジン(動脈内)(FUDR(登録商標))、フルダラビン(Fludara(登録商標))、フルオロウラシル、5−FU(Adrucil(登録商標))、フルベストラント(Faslodex(登録商標))、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、ゲムシタビン(Gemzar(登録商標))、ゲムツズマブ・オゾガミシン(Mylotarg(登録商標))、酢酸ゴセレリン(Zoladex Implant(登録商標))、酢酸ゴセレリン(Zoladex(登録商標))、酢酸ヒストレリン(Histrelin Implant(登録商標))、ヒドロキシ尿素(Hydrea(登録商標))、イブリツモマブ・チウキセタン(Zevalin(登録商標))、イダルビシン(Idamycin(登録商標))、イホスファミド(IFEX(登録商標))、メシル酸イマチニブ(Gleevec(登録商標))、インターフェロンα2a(Roferon A(登録商標))、インターフェロンα2b(Intron A(登録商標))、イリノテカン(Camptosar(登録商標))、レナリドマイド(Revlimid(登録商標))、レトロゾール(Femara(登録商標))、ロイコボリン(Wellcovorin(登録商標)、Leucovorin(登録商標))、酢酸ロイプロリド(Eligard(登録商標))、レバミゾール(Ergamisol(登録商標))、ロムスチン、CCNU(CeeBU(登録商標))、メクロレタミン、ナイトロジェンマスタード(Mustargen(登録商標))、酢酸メゲストロール(Megace(登録商標))、メルファラン、L−PAM(Alkeran(登録商標))、メルカプトプリン、6−MP(Purinethol(登録商標))、メスナ(Mesnex(登録商標))、メスナ(Mesnex tabs(登録商標))、メトトレキサート(Methotrexate(登録商標))、メトキサレン(Uvadex(登録商標))、マイトマイシンC(Mutamycin(登録商標))、ミトタン(Lysodren(登録商標))、ミトキサントロン(Novantrone(登録商標))、フェンプロピオン酸ナンドロロン(Durabolin−50(登録商標))、ネララビン(Arranon(登録商標))、ノフェツモマブ(Nofetumomab)(Verluma(登録商標))、オプレルベキン(Neumega(登録商標))、オキサリプラチン(Eloxatin(登録商標))、パクリタキセル(Paxene(登録商標))、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、パクリタキセルタンパク質結合粒子(Abraxane(登録商標))、パリフェルミン(Kepivance(登録商標))、パミドロネート(Aredia(登録商標))、ペガデマーゼ(pegademase)(Adagen(登録商標)(ウシペガデマーゼ))、ペガスパルガーゼ(Oncaspar(登録商標))、ペグフィルグラスチム(Neulasta(登録商標))、ペメトレクスト二ナトリウム(Alimta(登録商標))、ペントスタチン(Nipent(登録商標))、ピポブロマン(Vercyte(登録商標))、プリカマイシン、ミトラマイシン(Mithracin(登録商標))、ポルフィマーナトリウム(Photofrin(登録商標))、プロカルバジン(Matulane(登録商標))、キナクリン(Atabrine(登録商標))、ラスブリカーゼ(Elitek(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、サルグラモスチム(Leukine(登録商標))、サルグラモスチム(Prokine(登録商標))、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、ストレプトゾシン(Zanosar(登録商標))、マレイン酸スニチニブ(Sutent(登録商標))、タルク(Sclerosol(登録商標))、タモキシフェン(Nolvadex(登録商標))、テモゾロミド(Temodar(登録商標))、テニポシド、VM−26(Vumon(登録商標))、テストラクトン(Teslac(登録商標))、チオグアニン、6−TG(Thioguanine(登録商標)))、チオテパ(Thioplex(登録商標))、トポテカン(Hycamtin(登録商標))、トレミフェン(Fareston(登録商標))、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、トシツモマブ/I−131トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、トレチノイン、ATRA(Vesanoid(登録商標))、ウラシルマスタード(Uracil Mustard Capsules(登録商標))、バルルビシン(Valstar(登録商標))、ビンブラスチン(Velban(登録商標))、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標))、ビノレルビン(Navelbine(登録商標))、ゾレドロネート(Zometa(登録商標))、及びボリノスタット(Zolinza(登録商標))。
最新の癌療法の広範囲な解説については以下を参照されたい。http://www.nci.nih.gov/、http://www.fda.gov/cder/cancer/druglistframe.htmでのFDA認可腫瘍薬の一覧、及びThe Merck Manual、第17版、1999年。この引用によりそれらの内容はそっくり本明細書に記載されたものとする。
プロテインキナーゼ阻害剤又はその製薬上の塩は、動物又はヒトに投与するための医薬組成物に調製することができる。その医薬組成物は、本発明のもう1つの実施態様であり、キナーゼが関与する症状を治療又は予防するのに有効な量のプロテイン阻害剤及び製薬上許容される担体を含む。
ここで使用する用語「プロテインキナーゼが関与する症状」は、プロテインキナーゼがある役割を果たしていることが知られている病気又はその他の有害な症状を指す。そのような症状には、自己免疫疾患、炎症疾患、神経系疾患及び神経変性疾患、癌、循環器疾患、アレルギー及び喘息が含まれるが、これらに限定されるものではない。用語「癌」には以下が含まれるが、それらに限定されるものではない。乳癌、卵巣癌、子宮頚癌、前立腺癌、精巣癌、尿生殖器管癌、食道癌、咽頭癌、グリア芽腫、神経芽腫、胃癌、皮膚癌、角化棘細胞腫、肺癌、類表皮癌、大細胞癌、小細胞癌、肺腺癌、骨癌、結腸癌、腺腫、膵臓癌、腺癌、甲状腺癌、濾胞状癌、未分化癌、乳頭状癌、セミノーマ、黒色腫、肉腫、膀胱癌、肝臓癌及び胆管癌、腎臓癌、骨髄疾患、リンパ系疾患、ホジキン病、毛様細胞癌、口腔前庭癌及び咽頭(口腔)癌、唇癌、舌癌、口腔癌、咽頭癌、小腸癌、結腸−直腸癌、大腸癌、直腸癌、脳及び中枢神経系の癌、並びに白血病。
用語「癌」はさらに以下の癌を含むが、それに限定されるものではない。口腔の類表皮:口腔前庭癌、唇癌、舌癌、口腔癌、咽頭癌、心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋肉腫、線維腫、脂肪腫、及び奇形腫、肺:気管支原性癌(扁平上皮癌又は類表皮癌、未分化小細胞癌、未分化大細胞癌、非小細胞癌、腺癌、肺胞(細気管)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨腫様過誤腫、中皮腫、胃腸:食道(扁平上皮癌、咽頭癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(腺管癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)、結腸癌、結腸−直腸癌、直腸結腸癌、直腸癌、尿生殖器路:腎臓(腺癌、ウィルムス腫(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺癌(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胎生期癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫)、肝臓:肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、胚芽細胞腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、胆道癌、骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨線維腫(骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫、及び巨細胞腫、神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形グリア芽腫、希突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)、婦人科:子宮(子宮内膜癌)、子宮頚(子宮頚癌、前癌性子宮頚部形成異常)、卵巣(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類の癌)、顆粒膜−腱鞘細胞腫、セルトーリ−ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(癌)、乳癌、血液学:血液(骨髄性白血病(急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)、毛様細胞癌、リンパ系疾患、皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、角化棘細胞腫、異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬、甲状腺:乳頭状甲状腺癌、濾胞性甲状腺癌、髄様甲状腺癌、未分化甲状腺癌、多発性内分泌腫瘍タイプ2A、多発性内分泌腫瘍タイプ2B、家族性髄様甲状腺癌、褐色細胞腫、パラガングリオーマ、並びに副腎:神経芽腫。従って、ここで用いる用語「癌細胞」は、上述した症状のいずれか1つにかかっている細胞を含む。ある実施態様において、癌は、直腸結腸癌、甲状腺癌、又は乳癌から選択される。
ここで使用する用語「オーロラが関与する症状」又は「オーロラが関与する病気」は、オーロラ(オーロラA、オーロラB、及びオーロラC)がある役割を果たしていることが知られている任意の病気又はその他の有害な症状を意味する。そのような症状には、癌(例えば直腸結腸癌、甲状腺癌、及び乳癌)、及び骨髄増殖性疾患(例えば真性赤血球増加症、血小板血症、骨髄線維症を伴う骨髄化生、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病、好酸球増多症候群、若年骨髄単球性白血病、及び全身性肥満細胞疾患)があるが、それらに限定されるものではない。
ある実施態様において、本発明の化合物は、癌(例えば直腸結腸癌、甲状腺癌、乳癌、及び非小細胞肺癌)、及び骨髄増殖性疾患(例えば真性赤血球増加症、血小板血症、骨髄線維症を伴う骨髄化生、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、好酸球増多症候群、若年骨髄単球性白血病、及び全身性肥満細胞疾患)を治療するのに有用である。
ある実施態様において、本発明の化合物は、造血系疾患、特に急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、及び急性リンパ性白血病(ALL)を治療するのに有用である。
本発明の化合物に加えて、本発明の化合物の製薬上許容される誘導体又はプロドラッグ(前駆薬)もまた、上述した疾患を治療又は予防するための組成物に使用することができる。
「製薬上許容される誘導体又はプロドラッグ」は、本発明による化合物の任意の製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩、又は他の誘導体であって、投与時に受容体に対して直接的又は間接的に本発明の化合物又はその阻害活性代謝産物若しくは残留物をもたらすことができるものを意味する。特に好ましい誘導体又はプロドラッグは、患者にそのような化合物を投与したとき本発明の化合物のバイオアベイラビリティが向上するもの(例えば経口投与される化合物の血中吸収をより容易にすることにより)あるいは親化合物の生体区分(例えば脳又はリンパ系)への送達を親化合物に比べて促進するものである。
本発明の化合物の製薬上許容されるプロドラッグには、エステル類、アミノ酸エステル類、リン酸エステル類、金属塩類、及びスルホン酸エステル類があるが、これらに限定されるものではない。
本発明の化合物は、治療に対し、遊離形で存在することができ、あるいは、適当な場合、製薬上許容される塩として存在することができる。
ここで使用する用語「製薬上許容される塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等がなく、ヒト及び下級動物の組織に接触させて使用するのに適する化合物の塩であり、妥当な損益比に見合う化合物の塩を指す。
本発明の化合物の製薬上許容される塩には、製薬上許容される無機酸、無機塩基、有機酸、及び有機塩基から誘導されるものがある。それらの塩は、化合物の最終分離及び精製中にその場で調製することができる。酸付加塩は、1)遊離塩基の形態である精製した化合物を適当な有機酸又は無機酸と反応させ、そして2)その結果形成された塩を分離することにより調製することができる。
適当な酸塩の具体例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、二硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、蟻酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パーモエート(palmoate)、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、及びウンデカン酸塩がある。他の酸、例えばシュウ酸(それ自体は製薬上許容されるものではないが)は、本発明の化合物及びその製薬上許容される酸付加塩を得るのに中間体として有用な塩の調製に用いてもよい。
塩基付加塩は、1)酸の形態である精製した化合物を適当な有機塩基又は無機塩基と反応させ、そして2)その結果形成された塩を分離することにより調製することができる。
適当な塩基から誘導される塩には、アルカリ金属(例えばナトリウム及びカリウム)、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム)、アンモニウム、及びN(C〜Cアルキル)の塩がある。また本発明は、ここに開示する化合物の任意の塩基性窒素含有基を四級化することも意図している。水又は油に溶解性又は分散性の生成物を、そのような四級化により得ることができる。
また塩基付加塩には、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が含まれる。典型的なアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。さらに製薬上許容される塩には、適宜、対イオン(例えばハロゲンイオン、水酸化物イオン、カルボン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオン、及びアリールスルホン酸イオン)を用いて形成した非毒性のアンモニウム塩、四級アンモニウム塩、及びアミンカチオンが含まれる。他の酸及び塩基であって、それ自体は製薬上許容されるものでないものは、本発明の化合物及びその製薬上許容される酸付加塩又は塩基付加塩を得るのに中間体として有用な塩の調製に用いてもよい。
これらの医薬組成物に使用できる製薬上許容される担体には、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えばヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えばリン酸塩)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩又は電解質(例えば硫酸プロタミン)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、シリカコロイド、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ロウ、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、及び羊毛脂があるが、これらに限定されるものではない。
本発明の組成物は、経口投与、非経口投与、吸入スプレーにより投与、局所投与、直腸投与、鼻投与、口腔粘膜投与、経膣投与、又は移植貯留器を介して投与することができる。ここで使用する用語「非経口」は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液包内、胸骨内、髄腔内、腹腔内、肝臓内、病変内、及び頭蓋内の注射又は点滴の技法を含む。
注射可能な無菌の形態の本発明の組成物は、水性又は油性の懸濁液とすることができる。これらの懸濁液は、適当な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を用いる当該技術において知られた技法により調製することができる。また注射可能な無菌製剤は、非毒性の非経口投与できる希釈剤又は溶媒における注射可能な無菌溶液又は懸濁液(例えば1,3−ブタンジオールにおける溶液)とすることができる。使用できる可能な賦形剤及び溶媒には、水、リンゲル溶液、及び生理食塩水がある。さらに、無菌の不揮発油を溶媒又は懸濁媒質として通常用いることができる。この目的のため、任意の無刺激不揮発油(合成モノグリセリド又はジグリセリドを含む)を用いることができる。脂肪酸、例えばオレイン酸及びそのグリセリド誘導体は、天然の製薬上許容される油、例えばオリーブ油又はヒマシ油と同様、特にそのポリオキシエチル化された形態において、注射剤の調製に有用である。また、これらの油溶液又は懸濁液は、長鎖アルコール希釈剤若しくは分散剤(例えばカルボキシメチルセルロース)又は乳剤及び懸濁剤などの製薬上許容される剤形の調製に通常使用される同様の分散剤を含んでもよい。また、他の通常使用される界面活性剤、例えばツイーン(Tween)類、スパン(Span)類及び他の乳化剤、あるいは、製薬上許容される固体、液体又は他の剤形の製造に通常使用されるバイオアベイラビリティエンハンサーを製剤の目的に使用することもできる。
本発明の医薬組成物は、任意の経口投与可能な剤形(例えばカプセル剤、錠剤、水性懸濁液又は溶液があるがこれらに限定されない)で経口投与することができる。経口用錠剤の場合、通常使用される担体にはラクトース及びコーンスターチがある。滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム)も典型的に加えることができる。カプセル剤形による経口投与の場合、有用な希釈剤にはラクトース及び乾燥コーンスターチがある。水性懸濁剤が経口使用に必要な場合、有効成分は、乳化剤及び懸濁剤と組み合わされる。必要ならば、所定の甘味剤、矯味・矯臭剤、又は着色剤も添加することができる。
一方、本発明の医薬組成物は、直腸投与用の坐剤の形態で投与してもよい。これらは、薬剤と適当な非刺激性賦形剤とを混合することにより調製することができる。該非刺激性賦形剤は、室温で固体である一方、直腸温度では液体であり、従って、直腸で溶けて薬剤を放出するものである。そのような材料には、カカオ脂、蜜ろう、及びポリエチレングリコールがある。
また、本発明の医薬組成物は、特に、治療の対象が、眼、皮膚、又は下部腸管の疾患など、局所塗布によって容易に処置できる領域又は器官を含む場合、局所投与することができる。適当な局所製剤は、それらの領域又は器官のそれぞれに対して容易に調製される。
下部腸管に対する局所塗布は、直腸坐剤製剤(上記参照)又は適当な浣腸製剤により行うことができる。また、局所経皮パッチも使用することができる。
局所塗布のため、医薬組成物は、1種以上の担体中に懸濁又は溶解された有効成分を含む適当な軟膏剤に調製することができる。本発明の化合物の局所投与用担体には、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス、及び水があるが、これらに限定されるものではない。一方、医薬組成物は、1種以上の製薬上許容される担体中に懸濁又は溶解された有効成分を含む適当なローション剤又はクリーム剤に調製することができる。適当な担体には、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート(polysorbate)60、セチルエステルワックス、ステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、及び水があるが、これらに限定されるものではない。
眼用に対して、医薬組成物は、等張性のpHを調節した無菌食塩水における微粒懸濁液として調製することができ、好ましくは、塩化ベンザルコニウムのような保存剤を含む又は含まない等張性のpHを調節した無菌食塩水における溶液として調製することができる。一方、眼用に対して、医薬組成物は、ワセリンのような軟膏剤に調製してもよい。
また、本発明の医薬組成物は、鼻用エアゾール剤又は吸入剤により投与してもよい。そのような組成物は、製剤技術においてよく知られた手法により調製することができ、また、ベンジルアルコール又は他の適当な保存剤、バイオアベイラビリティを高めるための吸収促進剤、フッ化炭素類、及び/又は他の一般的な可溶化剤若しくは分散剤を用いて、食塩水中の溶液として調製することができる。
単一の剤形を製造するため担体材料と組み合わせることができるキナーゼ阻害剤の量は、治療される対象、投与の特定の態様によって変わってくる。0.01〜100mg/kg体重/日の用量の阻害剤を組成物摂取の患者に投与することができるよう、組成物を調製することが好ましい。
当然のことながら、任意の特定の患者に対する特定の用量及び治療法は、種々の因子によって変わる。そのような因子には、使用する特定の化合物の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食生活、投与の時期、排出率、薬剤の組み合わせ、治療する医師の判断、及び治療する特定の病気の重症度が含まれる。また、阻害剤の量は、該組成物中の特定の化合物によっても変わってくる。
他の実施態様に従って、本発明は、キナーゼが関与する症状を治療又は予防する方法を提供し、該方法は、上記医薬組成物の1つを患者に投与する工程を含む。ここで使用する用語「患者」は、動物、好ましくはヒトを意味する。
ある実施態様において、該キナーゼが関与する症状は、増殖性疾患又は癌である。ある実施態様において、該キナーゼが関与する症状は、造血系疾患、特に急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性骨髄性白血病(CML)、及び急性リンパ性白血病(ALL)から選択されるものである。
該方法は、癌(例えば乳癌、結腸癌、前立腺癌、皮膚癌、膵臓癌、脳癌、尿生殖器管の癌、リンパ系の癌、胃癌、咽頭癌、及び肺癌(肺腺癌及び小細胞肺癌を含む))、脳卒中、糖尿病、骨髄腫、肝腫、心臓肥大、アルツハイマー病、嚢胞性線維症、及びウイルス性疾患から選択される症状、又は上述した任意の特定の病気又は疾患を治療又は予防するため使用することが好ましい。
他の実施態様に従って、本発明は、癌、増殖性疾患、又は骨髄増殖性疾患を治療又は予防する方法を提供し、該方法は、ここに記載した化合物又は医薬組成物の1つを患者に投与する工程を含む。
ある実施態様において、該方法は、造血系疾患、例えば、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、慢性骨髄性白血病(CML)、又は急性リンパ性白血病(ALL)を治療又は予防するため使用される。
他の実施態様において、該方法は、骨髄増殖性疾患、例えば真性赤血球増加症、血小板血症、骨髄線維症を伴う骨髄化生、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病、好酸球増多症候群、若年骨髄単球性白血病、及び全身性肥満細胞疾患を治療又は予防するために使用される。
さらに他の実施態様において、該方法は、癌、例えば乳癌、結腸癌、前立腺癌、皮膚癌、膵臓癌、脳癌、尿生殖器管の癌、リンパ系の癌、胃癌、咽頭癌、及び肺癌(肺腺癌、小細胞肺癌、及び非小細胞肺癌を含む)を治療又は予防するために使用される。
他の実施態様に従って、本発明は、キナーゼが関与する症状を治療又は予防する方法を提供し、該方法は、式Iの化合物又は該化合物を含む組成物を患者に投与する工程を含む。ある実施態様において、該キナーゼはオーロラキナーゼである。
本発明のもう1つの局面は、患者においてキナーゼ活性を阻害することに関し、その方法は、式Iの化合物又は該化合物を含む組成物を該患者に投与することを含む。ある実施態様において、該キナーゼは、オーロラキナーゼ(オーロラA、オーロラB、オーロラC)、FLT−3、JAK−2、JAK−3、ITK、Src、Abl、Abl(T315I)、Arg、FGFR1、MELK、MLK1、MuSK、Ret、TrkA、PLK4、Tie−2、及びTrkAである。
本発明のもう1つの局面は、生物試料中のキナーゼ活性を阻害することに関し、その方法は、該生物試料を、式Iの化合物又は該化合物を含む組成物に接触させることを含む。ここで使用する用語「生物試料」は、インビトロ又は生体外の試料を意味し、例えば、細胞培養物若しくはその抽出物、哺乳動物から得られる生検材料又はその抽出物、及び血液、唾液、尿、糞便、精液、涙、又は他の体液若しくはその抽出物を含むが、それらに限定されるものではない。
生物試料におけるキナーゼ活性の阻害は、当業者に知られる種々の目的に有用である。そのような目的の具体例には、輸血、臓器移植、生体試料の保存、及び生物検定があるが、これらに限定されるものではない。
本発明のもう1つの局面は、生物学的現象及び病理学的現象におけるキナーゼの研究、そのようなキナーゼによって媒介される細胞内シグナル伝達経路の研究、及び新しいキナーゼ阻害剤の比較評価に関する。そのような用途の具体例には、生物検定、例えば酵素アッセイ及び細胞系アッセイがあるがこれらに限定されるものではない。
治療又は予防すべき特定の症状に応じて、そのような症状の治療又は予防のために通常投与されている別の薬剤を、本発明の阻害剤とともに投与してもよい。例えば、増殖性疾患を治療するため、化学治療剤又はその他の抗増殖剤を本発明の阻害剤と併用してもよい。
公知の化学治療剤の具体例には、Gleevec(登録商標)、アドリアマイシン、デキサメタゾン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、フルオロウラシル、トポテカン、タキソール、インターフェロン類、及び白金誘導体があるが、これらに限定されるものではない。
本発明の化合物と併用することができる薬剤の具体例にはさらに以下のものがあるが、これらに限定されるものではない。アルツハイマー病の治療薬(例えばAricept(登録商標)及びExcelon(登録商標))、パーキンソン病の治療薬(例えばL−ドーパ/カルビドーパ、エンタカポン、ロピニロール、プラミペキソール、ブロモクリプチン、ペルゴリド、トリヘキセフェンジル、およびアマンタジン)、多発性硬化症(MS)の治療薬(例えばβ−インターフェロン(例えばAvonex(登録商標)およびRebif(登録商標))、Copaxone(登録商標)、およびミトキサントロン)、喘息の治療薬(例えばアルブテロールおよびSingulair(登録商標))、統合失調症の治療薬(例えばジプレキサ、リスパダール、セロクエル、およびハロペリドール)、抗炎症薬(例えばコルチコステロイド、TNF遮断薬、IL−1 RA、アザチオプリン、シクロホスファミド、及びスルファサラジン)、免疫調節薬または免疫抑制薬(例えばシクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン類、コルチコステロイド類、シクロホスファミド、アザチオプリン、およびスルファサラジン)、神経栄養因子(例えばアセチルコリンエステラーゼ阻害剤、MAO阻害剤、インターフェロン類、抗痙攣薬、イオンチャンネル遮断薬、リルゾール、および抗パーキンソン病薬)、循環器疾患の治療薬(例えばβ−遮断薬、ACE阻害剤、利尿薬、硝酸塩、カルシウムチャンネル遮断薬、およびスタチン)、肝臓病の治療薬(例えばコルチコステロイド類、コレスチラミン、インターフェロン類、および抗ウイルス薬)、血液疾患の治療薬(例えばコルチコステロイド類、抗白血病薬および成長因子)、及び免疫不全疾患の治療薬(例えばγ−グロブリン)。他の実施態様に従って、組み合わせた調製物の同時使用、別々の使用、又は逐次使用が提供される。
これらのさらなる薬剤は、キナーゼ阻害剤を含む化合物又は組成物とは別に、多剤用法の一部として投与することができる。一方、これらの薬剤は、単一の組成物においてキナーゼ阻害剤と混合された単一の剤形の一部としてもよい。
本発明の化合物の活性を評価する方法(例えばキナーゼアッセイ)は、当該技術において知られており、また、ここに示す実施例にも記載されている。
本発明のより十分な理解のため、以下に調製及び試験の実施例を示す。これらの実施例は、単に例示を目的とするものであり、決して本発明の技術的範囲を限定しようとするものではない。ここに引用したすべての文献は、その引用により、その内容が本明細書に記載されたものとする。
ここで使用する用語「Rt(分)」は、化合物についてHPLCの保持時間(分)を指す。特に断らない限り、報告されている保持時間を得るために使用したHPLC法は、以下の通りである。カラム:ACE C8カラム、4.6×150mm、濃度勾配:0〜100%アセトニトリル+メタノール 60:40(20mMトリスリン酸塩)、流速:1.5mL/分、検出:225nm。
質量分析の試料は、エレクトロスプレーイオン化により単一のMSモードで操作したMicroMass Quattro Micro質量分析計において分析した。試料をクロマトグラフィーにより質量分析計に導入した。すべての質量分析に対し移動相は、10mMのpH7酢酸アンモニウムと1:1アセトニトリル−メタノール混合物からなるものであり、カラムの濃度勾配条件は、5%〜100%アセトニトリル−メタノールに対し3.5分の勾配時間、ランタイム5分、ACE C8 3.0×75mmカラムである。流速は1.2ml/分である。
H−NMRスペクトルをBruker DPX400の装置を用いて400MHzで記録した。式Iの以下の化合物を以下のようにして調製し分析した。
スキームVII
Figure 2009515992
実施例1
(S)−3−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2009515992
テトラヒドロフラン(40ml)を窒素下で水素化ナトリウム(油中60%、0.84g、21.02mmol)に慎重に加えた。テトラヒドロフラン(40ml)中の(S)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4.13g、22.06mmol)を加え、そして懸濁物を室温で2時間撹拌した。懸濁物を−78℃に冷却し、4,6−ジクロロ−2−メタンスルホニル−ピリミジン(4.55g、20.04mmol)のテトラヒドロフラン(40ml)溶液を加え、撹拌を−78℃でさらに2時間続けた。飽和NHCl及びEtOAcを加え、有機層を乾燥(NaSO)し、そして真空濃縮した。化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(15% EtOAc/ヘキサン)によって精製して表題の化合物を白色固体(5.27g、79%)として得た。
Figure 2009515992
実施例2
(S)−3−[4−クロロ−6−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルオキシ]−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
Figure 2009515992
丸底フラスコに窒素下で(S)−3−(4,6−ジクロロ−ピリミジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(5.27g、15.83mmol)、5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(3.07g、31.65mmol)、ヨウ化ナトリウム(2.37g、15.83mmol)、ジイソプロピルエチルアミド(4.99g、39.58mmol、6.87ml)、及びジメチルホルムアミド(60ml)を加えた。反応混合物を90℃で16時間撹拌し、次いで室温にまで放冷した。残渣を酢酸エチルで希釈し、食塩水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、真空濃縮した。化合物をフラッシュクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン:EtOAc)で精製して表題の化合物をオフホワイトの固体(4.75g、78%)として得た。
Figure 2009515992
実施例3
(S)−3−[4−アゼチジン−1−イル−6−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルオキシ]−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物I−1)
Figure 2009515992
丸底フラスコに(S)−3−[4−クロロ−6−(5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミノ)−ピリミジン−2−イルオキシ]−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(200mg、0.51mmol)、アゼチジン(58mg、1.02mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(162mg、1.23mmol、0.22ml)、及びn−ブタノール(10ml)を加えた。反応混合物を、80℃で14時間撹拌した後、酢酸エチル(25ml)で希釈し、そして食塩水で洗浄した。有機層を乾燥(NaSO)し、真空濃縮して表題の化合物を白色固体(180mg、85%)として得た。
Figure 2009515992
スキームVIII
Figure 2009515992
実施例4
3−(4−(3−シクロプロピル−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−6−(3−メチル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピリミジン−2−イルオキシ)ピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル(I−2)
Figure 2009515992
ジイソプロピルエチルアミン(1.74g、13.52mmol、2.40ml)を、3−(4−クロロ−6−(3−メチル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピリミジン−2−イルオキシ)ピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル(1.00g、2.54mmol)及び3−シクロプロピル−3−フルオロアゼチジン塩酸塩(768mg、5.07mmol)のn−ブタノール(20ml)懸濁物に加えた。そして混合物を90℃に加熱して20時間撹拌した。混合物を放冷し、そして酢酸エチル(80ml)及び水(50ml)で希釈した。有機層を乾燥(MgSO)濃縮して黄色の油を得た。酢酸エチルで溶出させるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して表題の化合物をオフホワイトの固体(130mg、11%)として得た。
Figure 2009515992
実施例5
(S)−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)(3−(4−(3−シクロプロピル−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−6−(3−メチル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピリミジン−2−イルオキシ)ピロリジン−1−イル)メタノン(I−3)
Figure 2009515992
3−(4−(3−シクロプロピル−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−6−(3−メチル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)ピリミジン−2−イルオキシ)ピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル(105mg、0.24mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液に、トリフルオロ酢酸(2.5ml)を加え、そして溶液を室温で1時間撹拌した。反応物を濃縮し、メタノール(5ml)及び濃塩酸(0.5ml)で処理し、再度濃縮して白色の固体を得た。該固体をDMF(4ml)中に溶解し、そしてEDC(46mg、0.24mmol)、HOBT(32mg、0.24mmol)、DIPEA(122mg、0.96mmol、0.17ml)、及び5−クロロ−2−フルオロ安息香酸(42mg、0.24mmol)を加え、溶液を室温で40時間撹拌した。反応物を、飽和NaHCO(30ml)及び酢酸エチル(30ml)で希釈し、有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO)濃縮して黄色の油を得た。50%EtOAc/ヘキサン〜EtOAcで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して表題の化合物をピンク色の固体(20mg、16%)として得た。
Figure 2009515992
実施例6:オーロラ−2(オーロラA)阻害アッセイ
標準的な共役酵素アッセイ(Foxら、Protein Sci.,(1998)7,2249)を用い、オーロラ−2を阻害する能力について化合物を試験した。100mMのHEPES(pH7.5)、10mMのMgCl、1mMのDTT、25mMのNaCl、2.5mMのホスホエノールピルビン酸塩、300μMのNADH、30μg/mlのピルビン酸キナーゼ、及び10μg/mlの乳酸デヒドロゲナーゼの混合物中でアッセイを行った。アッセイにおいて最終的な基質の濃度は400μMのATP(Sigma Chemicals)及び570μMのペプチド(Kemptide、American Peptide、サニーヴェール、カリフォルニア州)である。アッセイを30℃で40nMのオーロラ−2の存在下において行った。
調製したアッセイ用ストック緩衝溶液は、オーロラ−2及び対象とする試験化合物を除いて、上述した試薬をすべて含有するものであった。そのストック溶液55μlを96ウェルプレートに配置し、次いで試験化合物の一連の希釈物(典型的に7.5μMの最終濃度から開始する)を含む2μlのDMSOストック液を加えた。プレートを予め10分間30℃でインキュベートし、そして10μlのオーロラ−2を加えることにより反応を開始させた。10分の経過時間の間に初期反応速度をMolecular Devices SpectraMax Plusプレートリーダーによって測定した。IC50及びKiデータを、Prismソフトウェアパッケージ(Macintosh用GraphPad Prism、バージョン3.0cx、GraphPad Software、サンディエゴ、カリフォルニア州、米国)を用いる非線形回帰解析から算出した。
化合物I−1はKi値<0.050μMであることが分かった。化合物I−2及び化合物I−3はKi値<0.010μMであることが分かった。
実施例7:オーロラ−1(オーロラB)阻害アッセイ(放射分析)
25mMのHEPES(pH7.5)、10mMのMgCl、0.1%BSA、及び10%グリセロールからなるアッセイ用緩衝溶液を調製した。1.7mMのDTT及び1.5mMのKemptide(LRRASLG)をさらに含有する22nMオーロラ−B溶液をアッセイ用緩衝液中に調製した。96ウェルプレートに配置した22μLのオーロラ−B溶液に、DMSO中の化合物ストック溶液2μlを加えた。そして混合物を10分間25℃において平衡させた。アッセイ用緩衝液中で最終アッセイ濃度800μMとなるよう調製した[γ−33P]−ATPストック溶液(〜20nCi/μL)16μlを加えることによって酵素反応を開始させた。3時間後、500mMのリン酸16μLを加えることにより反応を停止させ、そしてペプチド基質への33Pの取り込みレベルを以下の方法によって測定した。
リン酸セルロース96ウェルプレート(Millipore、Cat No.MAPHNOB50)を100mMのリン酸100μLで前処理した後、酵素反応混合物(40μL)を加えた。溶液をそのまま置いてリン酸セルロース膜を30分間ぬらし、次いでプレートを100mMのリン酸200μLで4回洗浄した。乾燥したプレートの各ウェルに、OptiphaseのSuperMix液体シンチレーションカクテル(Perkin Elmer)30μLを加えた後、シンチレーション計測(1450 Microbeta Liquid Scintillation Counter,Wallac)を行った。酵素触媒作用のないバックグラウンドの放射能レベルを、すべてのアッセイ用成分を含む対照ウェルに500mMのリン酸16μL(酵素を変性されるよう作用する)を加え、その後[γ−33P]−ATP溶液を加えることにより測定した。酵素の触媒作用による33Pの取り込みレベルを、各阻害剤濃度で測定したカウント数からバックグラウンドの平均カウント数を引くことにより算出した。各Ki測定について、8つのデータポイント(典型的に0〜10μMの化合物濃度をカバーする)を2連で得た(10mMの化合物ストック液から開始して1:2.5の希釈を順次行うことによりDMSOストック液を調製した)。Prismソフトウェアパッケージ(Prism3.0、Graphpad Software、サンディエゴ、カリフォルニア州)を用いる非線形回帰により、初期速度データからKi値を算出した。
化合物I−1及び化合物I−2はKi値<0.50μMであることが分かった。化合物I−3はKi値<0.025μMであることが分かった。
実施例8:Itk阻害アッセイ
本発明の化合物をヒトItkキナーゼの阻害剤として放射能に基づくアッセイにより評価した。
20mMのMOPS(pH7.0)、10mMのMgCl、0.1%BSA、及び1mMのDTTの混合物中でアッセイを行った。アッセイにおける最終基質濃度は、7.5μM[γ−33P]ATP(400μCi 33P ATP/μmol ATP、Amersham Pharmacia Biotech/Sigma Chemicals)及び3μMペプチド(SAM68プロテインΔ332−443)であった。25℃において50nMのItkの存在下でアッセイを行った。ATP及び対象とする試験化合物を除いて上記試薬をすべて含むアッセイ用ストック緩衝溶液を調製した。ストック溶液50μLを96ウェルプレートに配置し、次いで試験化合物の一連の希釈物(典型的に50μMの最終濃度から開始して順次2倍希釈していく)を含むDMSOストック液2μLを2連で加えた(最終DMSO濃度2%)。プレートを10分間25℃で予めインキュベートし、そして50μLの[γ−33P]ATP(最終濃度7.5μM)を加えることにより反応を開始させた。
10分後、0.2Mリン酸+0.01%TWEEN20を100μL加えることにより反応を停止させた。マルチスクリーンリン酸セルロースフィルター96ウェルプレート(Millipore、Cat No.MAPHN0B50)を0.2Mリン酸+0.01%TWEEN20の100μLで前処理した後、反応を停止させたアッセイ混合物170μLを加えた。プレートを4×200μLの0.2Mリン酸+0.01%TWEEN20で洗浄した。乾燥の後、OptiphaseのSuperMix液体シンチレーションカクテル(Perkin Elmer)30μLをウェルに加えた後、シンチレーション計測(1450 Microbeta Liquid Scintillation Counter,Wallac)を行った。
Ki(app)データを、Prismソフトウェアパッケージ(Macintosh用GraphPad Prism、バージョン3.0cx、GraphPad Software、サンディエゴ、カリフォルニア州、米国)を用いる初期速度データの非線形回帰解析から算出した。
化合物I−1はKi値<1μMであることが分かった。
実施例9:JAK3阻害アッセイ
以下に示すアッセイを用い、JAKを阻害する能力について化合物を試験した。100mMのHEPES(pH7.4)、1mMのDTT、10mMのMgCl、25mMのNaCl、及び0.01%BSAを含むキナーゼ緩衝液中で反応を行った。アッセイにおける基質濃度は、5μMのATP(200μCi/μmol ATP)及び1μMのポリ(Glu)Tyrであった。反応を25℃及び1nMのJAK3で行った。
96ウェルポリカーボネートプレートの各ウェルに、2μMのポリ(Glu)Tyr及び10μMのATPを含むキナーゼ緩衝液50μlとともに、JAK3阻害剤の候補1.5μlを加えた。次いでこれを混合し、そして2nMのJAK3酵素を含むキナーゼ緩衝液50μlを加えて反応を開始させた。室温(25℃)で20分後、0.4mMのATPをさらに含む20%トリクロロ酢酸(TCA)50μlにより反応を停止させた。次いで各ウェルの内容物全体をTomTek Cell Harvesterを用いて96ウェルガラスファイバーフィルタープレートに移した。洗浄後、シンチレーション液60μlを加え、そして33Pの取り込みをPerkin Elmer TopCountにおいて検出した。
化合物I−1及び化合物I−2はKi値<0.50μMであることが分かった。化合物I−3はKi値<0.25μMであることが分かった。
実施例10:JAK2阻害アッセイ
JAK−2の酵素を使用し、最終ポリ(Glu)Tyr濃度が15μMであり、かつ最終ATP濃度が12μMである以外は、上記実施例3と同様にアッセイを行った。
化合物I−1はKi値<0.25μMであることが分かった。化合物I−2及び化合物I−3はKi値<0.10μMであることが分かった。
実施例11:FLT−3阻害アッセイ
フィルター結合放射性アッセイを用い、FLT−3活性を阻害する能力について化合物を試験することができる。このアッセイは、基質であるポリ(Glu,Tyr)4:1(pE4Y)への33Pの取り込みをモニターする。100mMのHEPES(pH7.5)、10mMのMgCl、25mMのNaCl、1mMのDTT、0.01%BSA、及び2.5%DMSOを含む溶液中で反応を行う。アッセイにおける最終基質濃度は、90μMのATP及び0.5mg/mlのpE4Y(両者ともSigma Chemicals,セントルイス、ミズーリ州から入手)である。本発明の化合物の最終濃度は、通常、0.01〜5μMである。典型的に、10mMの試験化合物DMSOストック液から一連の希釈物を調製することにより12ポイント滴定を行う。反応は室温で行う。
2種のアッセイ用溶液を調製する。溶液1は、100mMのHEPES(pH7.5)、10mMのMgCl、25mMのNaCl、1mg/mlのpE4Y、及び180mMのATP(各反応に対し0.3mCiの[γ−33P]ATPを含む)を含むものである。溶液2は、100mMのHEPES(pH7.5)、10mMのMgCl、25mMのNaCl、2mMのDTT、0.02%BSA、及び3nMのFLT−3を含むものである。50μlの各溶液1と2.5mlの本発明の化合物を混合することにより、96ウェルプレート上でアッセイを行う。溶液2を用いて反応を開始させる。室温で20分間のインキュベーションの後、0.4mMのATPを含む20%TCA50μlにより反応を停止させる。次いでTOMTECからのHarvester9600(ハムデン、コネティカット州)により、反応物の全量をフィルタープレートに移し、5%TCAで洗浄する。pE4yへの33Pの取り込み量をPackard Top Count Microplate Scintillation Counter(メリデン、コネティカット州)により分析する。Prismソフトウェアを用いてデータを当てはめIC50又はKiを求める。
本発明の実施態様をいくつか記載してきたが、当然のことながら、それらの基本的な具体例を変更して、本発明の化合物、方法及び製造方法を利用又は包含する他の実施態様を提供することができる。従って、当然のことながら、本発明の技術的範囲は、添付の請求の範囲に基づいて規定すべきものである。

Claims (38)

  1. 式I:
    Figure 2009515992
    (式中、
    Htはチアゾール又はピラゾールであり、Htは必要に応じて独立してR及びR2’で置換されており、
    Qは−O−、−NR’−、−S−、−C(R’)−、又は−(C=O)−であり、
    はH、C〜C脂肪族、NO、CN、ハロ、NH、N(C〜C脂肪族)、N(C〜C脂肪族)、O(C〜C脂肪族)、OH、又は−N(C=O)(C〜C脂肪族)であり、ここで該脂肪族は必要に応じて1〜3つのフルオロで置換されており、
    は−Z−R10であり、
    はT−(環D)であり、
    環Dは、4〜7員単環式のヘテロシクリル環又はカルボシクリル環であり、ここで該ヘテロシクリルはO、N、及びSから選択されるヘテロ環原子を1〜4つ有し、環Dは必要に応じて環D’に縮合されており、
    環D’は、窒素、酸素又は硫黄から選択されるヘテロ環原子を0〜4つ含む5〜8員の部分飽和単環又は完全不飽和単環であり、
    環D及び環D’は、それぞれ必要に応じて独立して0〜4つのオキソ又は−Z−Rで置換されており、
    各Tは、独立してC〜Cアルキリデン鎖であるか又は存在せず、
    及びR2’は、独立して−R、−W−R、又はRであるか、あるいはR及びR’は、それらの間に介在する原子とともに、窒素、酸素又は硫黄から選択されるヘテロ環原子を0〜3つ有する5〜8員の不飽和縮合環又は部分不飽和縮合環を形成しており、ここで該5〜8員の環は、独立してハロ、オキソ、−CN、−NO、−R、又は−Y−Rで置換されており、
    各Z、Y、及びWは、独立して結合であるか又はC〜C10アルキリデン鎖であり、ここで該アルキリデン鎖の最高6つまでのメチレン単位は、必要に応じてVによって置換されており、
    各Vは、−O−、−C(=O)−、−S(O)−、−S(O)−、−S−、又は−N(R)−から選択され、
    各R及びRは、独立して−R、−ハロ、−OR、−C(=O)R、−COR、−COCOR、COCHCOR、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)R、−SR、−N(R、−CON(R、−SON(R、−OC(=O)R、−N(R)COR、−N(R)CO(C〜C脂肪族)、−N(R)N(R、−C=NN(R、−C=N−OR、−N(R)CON(R、−N(R)SON(R、−N(R)SOR、又は−OC(=O)N(Rであり、
    各Rは、水素、C〜C脂肪族基、C〜C10アリール環、5〜10の環原子を有するヘテロアリール環、又は4〜10の環原子を有するヘテロシクリル環であり、ここで該ヘテロアリール環又は該ヘテロシクリル環は窒素、酸素又は硫黄から選択されるヘテロ環原子を1〜4つ有するものであり、Rは0〜6つのRで必要に応じて置換されており、
    各Rは、−R、−COR、−CO、−CON(R、又は−SOであり、
    各Rは独立して水素又は必要に応じて置換されているC〜C脂肪族基であるか、又は同じ窒素原子上にある2つのR基は、該窒素原子とともに、必要に応じて置換されている4〜6員のヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を形成し、
    各Rは独立して水素又は必要に応じて置換されているC〜C脂肪族基であるか、又は同じ窒素上にある2つのRは、該窒素とともに、窒素、酸素又は硫黄から選択されるヘテロ原子を1〜4つ含む必要に応じて置換されている4〜8員のヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を形成し、
    各Rはハロゲン、−CN、又は−NOであり、
    各Rは、−R’、−ハロ、−OR’、−C(=O)R’、−COR’、−COCOR’、COCHCOR’、−NO、−CN、−S(O)R’、−S(O)R’、−SR’、−N(R’)、−CON(R’)、−SON(R’)、−OC(=O)R’、−N(R’)COR’、−N(R’)CO(C〜C脂肪族)、−N(R’)N(R’)、−N(R’)CON(R’)、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)SOR’、−OC(=O)N(R’)、=NN(R’)、=N−OR’、又は=Oであり、
    各R10は、O、NR11、及びSから選択されるヘテロ原子を1つ含む4員複素環であり、各R10は0〜6つのJで必要に応じて置換されており、
    各Jは独立してR、−ハロ、−OR、オキソ、−C(=O)R、−COR、−COCOR、−COCHCOR、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)R、−SR、−N(R、−CON(R、−SON(R)2、−OC(=O)R、−N(R)COR、−N(R)CO(C〜C脂肪族)、−N(R)N(R、=NN(R、=N−OR、−N(R)CON(R、−N(R)SON(R、−N(R)SOR、−OC(=O)N(R、又は−OP(=O)(OR’’)であるか、又は
    同じ原子又は異なる原子上にある2つのJ基は、それらが結合する1つ又は複数の原子とともに、O、N又はSから選択されるヘテロ原子を0〜2つ有する3〜8員の飽和環、部分飽和環、又は不飽和環を形成しており、ここで該2つのJ基により形成される該環上の1〜4つの水素原子は、ハロ、C〜Cアルキル、又は−O(C〜Cアルキル)によって必要に応じて置換されており、又は該環上の2つの水素原子は、オキソ又はスピロ構造を有するC〜Cシクロアルキルによって必要に応じて置換されており、ここで該C〜Cアルキルは1〜3つのフッ素で必要に応じて置換されており、
    各R11は、−R、−COR、−CO、−CON(R、又は−SOであり、
    各R’は、独立して水素又は0〜4つのNH、NH(C〜C脂肪族)、N(C〜C脂肪族)、ハロゲン、C〜C脂肪族、OH、O(C〜C脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C〜C脂肪族)、O(ハロC〜C脂肪族)、又はハロC〜C脂肪族で必要に応じて置換されているC〜C脂肪族基であるか、又は2つのR’は、必要に応じて置換されている3〜6員のカルボシクリル又はヘテロシクリルを、それらが結合する1つ又は複数の原子とともに形成しており、かつ
    各R’’は独立してH又はC〜Cアルキルである)
    の化合物又はその製薬上許容される塩。
  2. Htが
    Figure 2009515992
    又は
    Figure 2009515992
    であり、ここでHtは必要に応じて独立してR及びR2’で置換されている、請求項1の化合物。
  3. Qが−S−である、請求項1又は2の化合物。
  4. Qが−O−である、請求項1又は2の化合物。
  5. Qが−C(=O)−である、請求項1又は2の化合物。
  6. 環Dがヘテロシクリル環又はカルボシクリル環から選択される必要に応じて置換されている4〜7員単環であり、ここで該ヘテロ環はO、N、及びSから選択されるヘテロ原子を1〜2つ有する、請求項1〜5のいずれか1項の化合物。
  7. 環Dが4〜7員のカルボシクリルである、請求項6の化合物。
  8. 環Dが4〜7員のヘテロシクリルである、請求項6の化合物。
  9. 環Dが必要に応じて置換されているピペリジニル又はピロリジニルである、請求項8の化合物。
  10. Tが存在していない、請求項1〜9のいずれか1項の化合物。
  11. がH又は必要に応じて置換されているC〜C脂肪族である、請求項1〜10のいずれか1項の化合物。
  12. がH又はFである、請求項1〜11のいずれか1項の化合物。
  13. が−Z−R10である、請求項1〜12のいずれか1項の化合物。
  14. Zが存在していない、請求項13の化合物。
  15. ZがC〜Cアルキリデン鎖であり、ここでZの1〜2つのメチレン単位はO、−N(R)−、又はSによって必要に応じて置換されている、請求項13の化合物。
  16. ZがC〜Cアルキリデン鎖である、請求項15の化合物。
  17. 10が必要に応じて置換されているアゼチジンである、請求項13〜16のいずれか1項の化合物。
  18. 10が式i:
    Figure 2009515992
    によって表される、請求項17の化合物。
  19. が式ii−a’:
    Figure 2009515992
    によって表される、請求項1〜16のいずれか1項の化合物。
  20. 式Ia:
    Figure 2009515992
    によって表されるものである、請求項1〜19のいずれか1項の化合物。
  21. QがOである、請求項20の化合物。
  22. QがSである、請求項20の化合物。
  23. 式Ib:
    Figure 2009515992
    によって表されるものである、請求項1〜19のいずれか1項の化合物。
  24. QがOである、請求項23の化合物。
  25. QがSである、請求項23の化合物。
  26. 2’がH又は必要に応じて置換されているC〜C脂肪族である、請求項20〜25のいずれか1項の化合物。
  27. 2’がHである、請求項26の化合物。
  28. がH又は必要に応じて置換されているC〜C脂肪族である、請求項20〜27のいずれか1項の化合物。
  29. がC〜C脂肪族又はフェニルから選択される必要に応じて置換されている基である、請求項20〜27のいずれか1項の化合物。
  30. 以下の化合物。
    Figure 2009515992
  31. 請求項1〜30のいずれか1項の化合物及び製薬上許容される担体、佐剤、又は賦形剤を含む、組成物。
  32. 生物試料中のオーロラプロテインキナーゼ活性を阻害する方法であって、該生物試料を請求項1〜30のいずれか1項の化合物に接触させることを含む、方法。
  33. 患者の増殖性疾患を治療する方法であって、該患者に請求項1〜30のいずれか1項の化合物を投与する工程を含む、方法。
  34. 請求項33の方法であって、前記増殖性疾患が、治療が必要な患者における黒色腫、骨髄腫、白血病、リンパ腫、神経芽腫、又は結腸癌、乳癌、胃癌、卵巣癌、子宮頚癌、肺癌、中枢神経系(CNS)の癌、腎臓癌、前立腺癌、膀胱癌、膵臓癌、脳の癌(神経膠腫)、頭及び首の癌、腎臓癌、肝臓癌、黒色腫、肉腫、若しくは甲状腺癌から選択される癌から選択され、該方法は、請求項1〜30のいずれか1項の化合物を該患者に投与することを含む、方法。
  35. 治療が必要な対象において癌を治療する方法であって、請求項1〜30のいずれか1項の化合物又はその製薬上許容される塩と、さらに別の治療剤とを逐次投与又は同時投与することを含む、方法。
  36. 前記治療剤が、タキサン、bcr−ablの阻害剤、EGFRの阻害剤、DNA損傷剤、及び代謝拮抗剤から選択されるものである、請求項35の方法。
  37. 前記治療剤が、パクリタキセル、グリベック(Gleevec)、ダサチニブ、ニロチニブ、タルセバ(Tarceva)、イレッサ(Iressa)、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、アントラサイクリン、AraC、及び5−FUから選択されるものである、請求項35の方法。
  38. 前記治療剤が、カンプトテシン、ドキソルビシン、イダルビシン、シスプラチン、タキソール、タキソテール(Taxotere)、ビンクリスチン、タルセバ、MEK阻害剤、U0126、KSP阻害剤、ボリノスタット、グリベック(Gleevec)、ダサチニブ、及びニロチニブから選択される、請求項35の方法。
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