JP2009513505A - 2型真性糖尿病及びインスリン抵抗性に伴う機能不全を治療及び/又は予防するための組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、2型真性糖尿病及びインスリン抵抗性に伴う代謝機能不全を治療し、予防し、及び/又は改善するための組成物の使用に関し、前記組成物はアセトゲン(acetogenic)繊維を含む。

Description

本発明は、インスリン抵抗性及び/又は2型真性糖尿病に伴う機能不全を治療し、及び/又は予防するためのアセトゲン(acetogenic)繊維を含む組成物の使用に関し、そしてこれらの成分を含有する栄養又は医薬組成物及び機能食品製品に関する。
真性糖尿病及びインスリン抵抗性の両方は、重大なよく起こる徴候である、高血糖症を示す代謝障害である。
真性糖尿病は、膵臓によるインスリン生産における遺伝性及び/又は後天性欠陥、及び/又は生産されたインスリンの不効果により始まり、肝臓及び周辺組織はインスリンの作用に対して抵抗性になっている。インスリン分泌及びインスリン感受性におけるそのような欠陥は、血液中のグルコース濃度の上昇を生じ、これは次々に多くの身体組織、特に血管及び神経を損傷する。
糖尿病には、2つの主要型である1型及び2型が存在する。
1型糖尿病において、患っている各個人の膵臓は、ほとんどの場合ウイルス感染のような幾つかの環境的要因により引き起こされる自己免疫反応の結果として起こると思われる、ランゲルハンス島の破壊に大部分が起因してインスリンを生成することができない。重度のリンパ球浸潤は、島において及び島の周りにおいて現れ、島の数及び大きさを減少させ、結局は減少したインスリン生産及びグルコース不耐症に導く。これはほとんど多くの場合、子供達及び青年において発生するが、しかし生涯の後半(晩年)においてしだいに顕著になってくる。
2型糖尿病は、膵臓により生産されたインスリンの作用に対して身体が適当に反応することができなくなることから生ずる。それはほとんどの場合、成人において起こるが、しかし同様に次第に若者でもますます顕著になりつつある。ランゲルハンス島は、2型真性糖尿病において正常数であるか又は若干減少する。島内の線維形成及びアミリンポリペプチドの沈着は、2型糖尿病の慢性状態の最たる特徴である。
両方の型の真性糖尿病は、多くの生命にかかわる、及び/又は身体障害性の病気を伴っている。それらの例は、慢性腎不全に導く可能性がある、結節性及び広汎性の糸球体硬化症である。糖尿病は感染しやすく、特に腎盂腎炎を起こしやすい。また、糖尿病網膜障害を患う可能性があり、これは、回復できない失明の主要な原因の1つである。1型糖尿病を有するほとんどの人々及び2型糖尿病を有する多くの人々は、或る種の背景(非増殖性)網膜障害を発現する。重症の場合において、血管新生により、虹彩と角膜との間、又は虹彩と水晶体との間の付着(癒着(シネキア))が生じ、いつかは失明を伴う二次緑内障をもたらす可能性がある。また、白内障は糖尿病においてさらに一般的である。このような白内障の好発生は、水晶体への浸透圧障害を生ずるソルビトールの蓄積を招く、高血糖症から生ずると思われる。
1型であれ、又は2型であれ、真性糖尿病を有する人々はまた、早期及び促進性アテローム性硬化症を示す。最も重度の合併症は、アテローム性硬化心臓疾患、脳血管疾患及び腎臓疾患であり、最も一般的な死因は心筋梗塞である。抹消血管疾患は、真性糖尿病では特有の問題であり、糖尿病性神経障害の発生により悪化し、外傷の習慣性を招く。ムコール菌症は、真性糖尿病を患っている個人における他の恐ろしい合併症である。菌迷入(involvement)の部位は、典型的には鼻咽頭領域であるが、しかしその感染が広がって顔の軟組織及び骨、眼窩、頭蓋及び脳を冒す。
糖尿病を患っている個人の治療は、身体活動、規定食(diet)及び/又は医薬の投与を包含する。1型糖尿病を有する人々は通常、毎日の投与を必要とする救命のためのインスリン注射に全体的に依存している。2型糖尿病患者は通常厳しい規定食を維持しつづけなければならず、そしてそれらの投与がしばしば度の副作用及び合併症を伴う、スルホニル尿素、アルファ−グルコシダーゼ抑剤及びグアニド類のような経口糖尿病治療薬(抗糖尿病薬)又はインスリン注射をも追加的に受けることができる。
大部分の人々は、世界中のすべての糖尿病の場合の約90%を占める2型糖尿病を患っている。2型糖尿病は、分子水準で、インスリン分泌及び作用の両方の不足により特徴づけられる。インスリン分泌の不足は、膵臓からの食後インスリン放出の第1時期に主に関係し、この場合、糖尿病患者において、すでに形成されたインスリンがβ−細胞内に貯えられるが、しかし循環系に放出されることができない。事実、2型糖尿病患者の大部分は、健康な人々に存在するのと同様なグルコース濃度に対応するために、2型糖尿病が血漿中においていっそう高い濃度のインスリンを必要とするようにインスリンの作用に抵抗を示す。
グルコース代謝における異常の他のタイプは、不安定な(perturbed)脂質(血液脂肪類)代謝、肥満及び高血圧を一緒に生ずる、インスリン抵抗性、即ちインスリンの作用に対する身体の組織における減少した感受性である。この異常の一群は、症候群X(Syndrome X)、ザ デッドリー クァルテット(the Deadly Quartet)及びインスリン抵抗症候群を包含する、種々の名称の症候群として知られるようになってきた。
インスリン抵抗性、又は減少したインスリン感受性が存在する場合、身体は、膵臓からより多くのインスリンを分泌することによりこの抵抗性を克服しようとする。2型、又は非インスリン依存性の糖尿病の発生は、膵臓がこの増大したインスリン分泌を維持することができなくなったときに起こる。インスリン抵抗性症候群、又は恐らくさらに正確には“多代謝症候群(The Pluri−Metabolic Syndrome)”の重大性は、その結果にある。その症候群は、典型的には、変化する程度のグルコース不耐症、異常なコレステロール及び/又はトリグリセリドの水準、高血圧、及び上半身肥満症によって特徴づけられる。これらはすべては心臓病の独立した危険要因である。
インスリン抵抗性を患っている人は、食後に、血液中に循環しているグルコースが増加し、グルコースが細胞により吸収されるまで、膵臓からなおいっそう多いインスリンが放出されることを求める合図を送っている。成人の人口の11〜25パーセントが、或る程度インスリンに対して抵抗性である可能性があることを、専門家達は示唆している。
世界中での罹患した人々の増加及び社会の生活スタイルの変化に起因して、当技術分野において2型真性糖尿病及び/又はインスリン抵抗性に伴っている症状を予防し、治療し、及び/又は改善することにおいて有用である追加的手段を提供する必要性が存在する。さらにそのような手段は多くの経口糖尿病治療薬(抗糖尿病薬)からの周知の不利な副作用が本質的に存在すべきではなく、そして受け入れ易くなければならない。
食物繊維を用いての食品の補足は、便秘、腸毒血症、コレチアシス(cholethiasis)、結腸癌及び大腸炎等のような多種の様々な胃腸疾患を予防し又は治療することにおいて助けとなることができ、そしてコレステロール吸収、変動するリポ蛋白質リパーゼ活性又は脂肪酸代謝を妨げることにより脂質代謝に積極的に影響することができることが知られている。食品の繊維補足に一般的に伴う積極的な効果のあるものは、消化管中の繊維の細菌発酵の生成物として短鎖脂肪酸類(SCFA類:アセテート、プロピオネート及びブチレート)の形成に結びついていた。これらのSCFA類の中で、アセテートがしばしば主要な生成物であり、そして結腸粘膜により容易に吸収されることが知られており、そしてアセテートがヒトにおける基礎エネルギー消費の6〜10%を供給できることが示されてきた。特に、アセテートはアセチル−CoAに活性化され、そしてその後に上皮膜の構築のための遊離脂肪酸合成に包含されることができるか、又はケトン体を生成しエネルギーを提供するミトコンドリアに入ることができる。
驚くべきことに、本発明者等は、アセトゲン(acetogenic)繊維がインスリン感受性を改良することにおいて、特に正常なインスリン感受性、かくして正常な全身代謝を確立することにおいて有意義な効果を有することを、今や見い出した。
それ故、本発明は、2型真性糖尿病又はインスリン抵抗性に伴う代謝機能を不全及び症状を治療し、予防し、及び/又は改善するための栄養及び/又は医薬組成物の調製のためにアセトゲン(acetogenic)繊維を含む組成物の使用を提供する。
“食物繊維”と言う用語は、一般的に、ヒト酵素によっては消化されることができず、胃及び小腸をそのまま通過して変化しないまま大腸に到達する非でんぷん質多糖類を示すと理解されている。大腸においてこれらの繊維は、腸内細菌によって発酵して、ガス類、短鎖脂肪酸類及びそのような酸のエステル類、主としてアセテート類、プロピオネート類及びブチレート類を生成する。“アセトゲン(acetogenic)繊維”と言う用語は、大腸においての発酵の際、主として酢酸及びアセテート類を生成する食物繊維を示すものとして本明細書において使用される。食物繊維は、文献においてこの方法で一般に分類されているが、しかしながら、それらは大腸において考えられる条件にシミュレートするように考案された回分式技術によりインビトロで発酵させることができ、相対量のアセテート、プロピオネート及びブチレートを測定することができる。この技術により測定した場合、アセトゲン繊維は、発酵させたとき、少なくとも60%の酢酸/アセテート類を生成する繊維であると考えられることができる。
別の測定は、その場合においてアセトゲン繊維類を発酵させたとき、ヒト接種材料(inoculums)を有するインビトロ条件において24時間で繊維の100mg当たり少なくとも約600マイクロモルのアセテートを生成する繊維であると考えることができる生成アセテートの量である。そのような繊維の例は、ラクツロース、柑橘類ペクチン、りんごペクチンおよびにんじんペクチンのようなペクチン類、アラビアガム、大豆繊維、ソイ(soy)繊維及びアカシアガムを包含し、そしてこれらの繊維の混合物、例えば80%アカシアガムとの20%りんごペクチンの混合物をまた使用することができる。可溶性又は低粘性繊維、即ち、水溶液中で低い粘度を有する非ゲル形成性繊維が好ましい。
組成物の合計重量に基づいて約0.2〜90重量%、好ましくは0.5〜70重量%、さらに好ましくは0.7〜30重量%、なおさらに好ましくは5〜25重量%、最も好ましくは約7重量%の量でアセトゲン繊維を本組成物中に導入することができる。
どんな理論にも束縛されることを望まないが、本発明に従う組成物の投与から結果として生ずる、血液及び組織中のアセテートの増大した量が、減少した脂肪分解、即ち組織から血液中へのグリセロール及び脂肪酸の減少した遊離を生ずると、現在推定されている。このことはインスリン受容体を不活性化する遊離脂肪酸量の減少を生じ得、これが次に、健康な人々に存在する水準までにインスリン感受性の改善をもたらすことができるであろう。
本発明に従う組成物はまた、現時点ではインスリン抵抗性又は2型真性糖尿病を患ってはいないが、しかし高い危険性のある食事又は遺伝的素因のいずれかに起因して、前記病気のいずれかを発生する危険性にある標的グループに属する大部分の人々にとって高い関心のあるものであろう。さらに、インスリンは筋肉質量維持及び発育のために必要な蛋白質同化ホルモンであるので、インスリン感受性における増大はまた、筋肉の消耗に導く病気又は外傷から回復している患者、運動している人又は高齢者のような他のグループの人々の高い関心を引いている。
上記のような組成物をまた、いわゆる機能食品製品又は医薬組成物の製造のために、勿論使用することができる。
本発明に従う組成物の最初の投与の間に、アセトゲン繊維は、結腸において消化されなければならないことを、心にとめておかなければならない;それ故、食事の3時間〜7時間前、例えば4時間前に組成物が吸収されることが好ましい。組成物の何回かの投与の後に、本発明者等は、増大したインスリン感受性を観察しておりそしてその第2段階において、組成物は食事、特に炭水化物を含有する食事と一緒に、又はそのような食事の30分前まで、又は30分後までに、又は好ましくはそのような食事の10分前まで又は10分後までのようなそのような食事の少し前に又は食事の少し後に、消費することができる。本組成物は、食事とは別々に取ることができ、又は食事の補足として取ることができる。
例えば、標準の食事、特に炭水化物を含む標準の食事の間に、その前に、又はその食事の後に、体重のkg当たり少なくとも0.1gのアセトゲン繊維、さらに好ましくは体重のkg当たり0.1〜1.5gのアセトゲン繊維、最も好ましくは体重のkg当たり0.3〜0.8gのアセトゲン繊維、なおその上に好ましくは体重のkg当たり0.5gのアセトゲン繊維を提供する場合に、特に良好な結果を達成させることができる。標準の食事は少なくとも150キロカロリー、さらに好ましくは少なくとも250キロカロリーを含む任意の食事である。
本発明に従う栄養組成物は、粉末、濃縮液又は直ぐに飲むことができる飲料のような経腸的に投与することができるものが好ましい。その組成物を、直接に消費することができるか、又は種々の食品、特にビスケット又はバー(bar)のような直ぐに食べることができるスナック類、乳製品又は飲み物と混合して消費することができるか、あるいは経口又は経腸栄養組成物又はフルーツジュースの調製のために使用することができる。
本発明に従う組成物は、蛋白質類、消化性炭水化物類、脂質類、ビタミン類及びミネラル類、可溶性又は不溶性の両方の他の繊維類、食品添加物のような他の慣用の成分を、勿論含むことができる。
特に、ビタミン類及びミネラル類は、1日の投与当たりUS RDA(米国推奨(1日)食事許容量)の30%〜150%の量で存在することができる。さらに、所望に応じて、モノ−及びジグリセリド類のジアセチル酒石酸エステル、レシチン、モノ−又はジグリセリド類、あるいはそれらの混合物のような1種以上の食品級乳化剤をその栄養組成物中に包含させることができる。同様に、適当な食品として許容できる塩類及び/又は安定剤もまた包含させることができる。
蛋白質源を含んでいる場合、それは好ましくは組成物の21〜40重量%、さらに好ましくは約25〜35重量%を占める。適当な蛋白質類は、甘乳漿(sweet why)のような乳漿蛋白質類、えんどう豆蛋白質及び大豆蛋白質を包含する。
脂質源を含む場合、組成物の総エネルギーに基づいて(カロリーで測定して)、好ましくはエネルギーの約5%〜40%を占め;好ましくはエネルギーの約10〜約20%を占める。任意の適当な脂肪又は脂肪混合物を使用できる。植物性脂肪は特に適している。例えば大豆油、パーム油、ココナッツ油、紅花油、ひまわり油、とうもろこし油、カノラ油、レシチン等が特に適している。乳脂肪のような動物性脂肪もまた、所望に応じて加えることができる。
炭水化物源を含む場合、組成物の10重量%未満、好ましくは5重量%未満、さらに好ましくは1重量%未満を含むのが好ましい。例えば直ぐに飲むことができる飲料のような、いくつかの適用においては、単糖類を本質的に含まないか、又は5重量%未満の単糖類を含む組成物が有利である。単糖類が存在する場合、グルコース、ガラクトース及びタガトースの各々は好ましくは単糖類の40重量%未満の割合を占め、さらに好ましくは10重量%未満の割合を占め、なおさらに好ましくは1重量%未満の割合を占める。しかしながら、直ぐに使用できるスナック類のような他の適用において、組成物の総エネルギーに基づいて、好ましくはエネルギーの1〜70%、さらに好ましくはエネルギーの25〜45%の量で炭水化物源を包含させることが有利であり得る。
非カロリー甘味料、香味料及び食品として許容できる着色料もまた包含させることができる。
特に有利な態様は、所望に応じてミネラル類、ビタミン類、及び/又は炭酸を補足してもよい、フルーツジュース、野菜ジュース、水、等張飲料、炭酸入りフレーバー飲料、ソフトドリンク、茶類、コーヒー類、乳製品、肉スープ及び/又は野菜スープ又はそれらの混合物に基づく、直ぐに飲むことができる飲料のような液体組成物からなる。
フルーツジュース又は野菜ジュースを含む飲料は、ビタミン類、ミネラル類又は酵素でさえを含む利点をさらに提供し、そして本発明に従う栄養組成物の有利な補足物を提供する。特に、オレンジ、りんご、パイナップル、グレープフルーツ、レモン、ライム、マンゴー、パッションフルーツ、ニワトコ、クランベリー、スグリ、ぶどう、とまと、にんじん又はそれらの組み合わせのようなジュース類が直ぐに使用することができる飲料のためのベースを形成することができる。
液体組成物は、液体製剤の総重量に基づいて、上記ジュース類、飲料類、水又はそれらの混合物のいずれかの11〜97重量%、好ましくは21〜80重量%、最も好ましくは61〜75重量%、及び本発明に従う組成物の3〜89重量%、好ましくは20〜79重量%、最も好ましくは25〜39重量%からなることができる。
有利には、本発明に従う飲料は、液体の100g当たり1〜150キロカロリー、好ましくは21〜100キロカロリー、さらに好ましくは31〜50キロカロリーを提供する。例えば標準の食事と一緒の飲料は、例えば一回の適用量当たり(即ち一回の標準の食事当たり)、0.1〜100g、好ましくは5〜40gのアセトゲン(acetogenic)繊維、さらに好ましくは10〜30gのアセトゲン繊維、なおさらに好ましくは20gのアセトゲン繊維を提供することができる。
勿論、消費者はまた、本発明に従う(包装の上の使用説明書に従う)組成物を、彼らの選択した飲み物と混合することによりそのような飲料を調製することができる。
別法として,食品製品を本発明に従う組成物で補強することができる。例えば発酵乳、ヨーグルト、フレッシュチーズ、レンネット化(renneted)乳、キャンデー棒、朝食加工穀物フレーク又はバー類(bars)、飲み物、乳粉末、大豆をベースとする製品、非乳発酵製品又は臨床栄養のための栄養サプリメント。それから、加えられる本組成物の量は、食品製品の総重量に基づいて、好ましくは少なくとも0.5重量%、さらに好ましくは11〜40重量%である。
上に詳細に記載したような食品製品又は飲料は、人による食事の直前に、食事中に、又は食事の直後に消費され得、特に2型糖尿病を患っている人に、インスリン感受性の容易な解決を可能にする利点を提供する。したがって、本発明に従う組成物は、人口のうち大きなグループ生活の質を有意義に高めることにおいて助けとなることができる。
本発明に従う組成物は、また、特に筋肉消耗の患者のために又は筋肉維持を支えるために、経腸栄養配合物の調製に使用することができる。
本発明に従う上記製品のすべては、望ましくない副作用が本質的に存在しないことが判明している、周知の栄養成分に基づいてそれらは配合されるので、それらが消費者により高度に受け入れられることが期待できるという利点を提供する。さらに本発明に従う組成物は、嫌な味を本質的に有せず、そして規則的に、例えば毎日消費されることができる。
本発明はまた、本発明に従う組成物の有効量を投与することからなる、代謝機能不全を治療し又は予防するための方法、及び/又は2型真性糖尿病又は(症候群X(Syndrome X)を包含する)インスリン抵抗性に伴っている症状を改善するための方法を提供する。
以下の例は、例示だけのために提供され、そして本願の対象を限定するものとして解釈されるべきではない。
例 1
8人の肥満したそしてインスリン抵抗性の被験者は9時間にわたって0.50マイクロモル/kg/分の速度で〔1−13C〕アセテートの用意された(primed)一定の静脈注入、及び0.11マイクロモル/kg/分の速度で〔1,1,2,3,3−〕グリセロールの用意された一定の静脈注入を受けた。トレーサー注入の3時間後に、患者は30gの純粋なラクツロース又は生理食塩水を経口摂取した。動脈血化血液サンプルを規則的に採集した。
生理食塩水又はラクツロースの摂取前に、血漿アセテートターンオーバーは同様であった:生理食塩水に関して11.4±2.4マイクロモル/kg/分 対 ラクツロースに関して10.7±1.4マイクロモル/kg/分。同様に、血漿グリセロールターンオーバーは、生理食塩水に関して、3.8±0.4マイクロモル/kg/分 対 ラクツロースに関して、4.8±1.9マイクロモル/kg/分であった。血漿アセテート濃度は、201.1±31.5マイクロモル/リットル及び221.5±34.0マイクロモル/リットルのそれぞれであり、血漿グリセロール濃度は61.3±10.9マイクロモル/リットル及び61.0±8.8マイクロモル/リットルであり、そしてFFA濃度はまた安定していた。ラクツロースの経口摂取後にアセテートターンオーバーは有意義に高くなり、生理食塩水に関して10.3±2.2マイクロモル/kg/分(P<0.0001)と比較して15.5±2.2マイクロモル/kg/分となった。
グリセロールターンオーバーは生理食塩水と比較してラクツロース経口摂取では減少し、2.8±0.4対3.5±0.3のマイクロモル/kg/分(P≦0.005)であった。経口摂取後にグリセロールターンオーバーとアセテートターンオーバーとの間に顕著な相関関係が見い出された(r=−0.78、P<0.02)。アセテート濃度は最大≒400マイクロモル/リットルまでに増加し、次に基本線まで減少した。FFA濃度は120分まで顕著に減少し、その後にゆっくりと増加した。
これらの結果は、ラクツロースの経口摂取及びそれに伴ってのアセテート生成の増加は、脂肪分解の減少を示す、血液脂肪酸の短期間変化を生じさせることを示している。
例 2
フランス国ナントのホスピタルホテルデュー(Dieu)で行われたクロスオーバー法を用いての無作為の単一施設単盲検臨床試験のために、20人の肥満(25〜35の体質量指数)の男性の被験者を募集した。被験者達はインスリン抵抗性であったが、本格的な糖尿病を発生してはいなかった。被験者達を2つのグループに分けた。第1グループにおける被験者は100mg/mlの濃度でのアセトゲン繊維(20%のりんごペクチン−80%のアカシアガム)の150ml水溶液を1日2回(1日当たり繊維混合物の30gの消費に相当する)を受け取る。溶液は香りをつけ、甘味をつけ、そして着色している。第2グループの被験者は同じ量の、香りをつけ、甘味をつけ、そして着色した水を受け取る。その溶液を朝の8時30分〜10時30分の間及び午後の4時〜6時の間に投与される。この試験を5週間続ける。
この試験の主な目的はインスリン感受性について5週間におけるアセトゲン繊維の高い摂取の効果を調べることであり、そして第2の目的は、インスリン血症、血糖症、遊離脂肪酸及びグリセロール血漿水準のような脂質パラメーター、コレステロール、りん脂質、トリアシルグリセリド類、グリセロール、アセテート及びグルコースの血中動態、レプチン(leptin)及びアジポネクチン(adiponectin)及び体重における変化を監視することである。
この試験を開始する前に、すべての被験者のインスリンの感受性を査定し、遊離脂肪酸、インスリン、グルコース、グリセロール、アセテート、トリアシルグリセリド類、りん脂質類、総コレステロール、HDL及びLDLコレステロール、血液イオノグラム、クレアチニン、ALAT、ASATレプチン(leptin)及びアジポネクチン(adiponectin)の測定のために血液を採取した。次に、第1グループは5週間アセトゲン繊維を含有する溶液を受け取り、そして第2グループは5週間プラシーボ溶液を受け取った。
5週間の期間の最後の日に、生化学及びインスリン感受性における変化を測定するために、すべての被験者は血中動態研究及びオイグリセミック−高インスリン血症−クランプを受ける。6週間の期間の後に、HOMAを用いてすべての被験者のインスリン感受性を再び査定し、そして5週間の追加の期間に第1グループはプラシーボを受け取り、そして第2グループはアセトゲン繊維を受け取る投薬計画を再開する。5週間の期間の最後の日に、すべて被験者は血中動態研究及びオイグリセミック−高インスリン血症−クランプを受ける。被験者達は16週間の期間の全体を通じて、普通の食事を取るように忠告を受ける。
一般に、アセトゲン繊維を含有する溶液を受容しているグループのインスリン感受性が処置の期間中に増加し、また遊離脂肪酸の血漿水準が減少することが分かり、そしてこれらの効果は、その処置を停止した後の数時間持続する傾向があることが分かった。
本明細書において記載された現在の好ましい態様に対する種々の変更及び修正は、当業者にとって明らかであることが理解されるであろう。そのような変更及び修正は、本発明の精神及び範囲から離れることなしに、そしてそれに付随する利点を減少させることなしに行うことができる。それ故、そのような変更及び修正は、本願特許請求の範囲により包含されることが意図される。

Claims (6)

  1. 2型真性糖尿病又はインスリン抵抗性に伴う代謝機能不全及び症状を治療し、予防し、及び/又は改善するための栄養及び/又は医薬組成物の調製のためのアセトゲン(acetogenic)繊維を含む組成物の使用。
  2. アセトゲン繊維が、ラクツロース、柑橘類ペクチン、りんごペクチン、にんじんペクチン、大豆繊維、ソイ(soy)繊維、アカシアガム、アラビアガム又はそれらの混合物である、請求項1に記載の使用。
  3. 組成物中アセトゲン繊維の量が、組成物の総重量に基づいて、0.2〜90重量%、好ましくは0.5〜50重量%、さらに好ましくは0.7〜30重量%、なおさらに好ましくは5〜25重量%、最も好ましくは約7重量%の範囲にある、請求項1又は2に記載の使用。
  4. インスリン感受性を増大させるため、及び/又は異常脂肪血症を予防するための、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
  5. アセトゲン繊維を含む組成物の有効量を投与することを含む、2型真性糖尿病又はインスリン抵抗性に関する代謝機能不全又は症状を治療し、予防し、及び/又は改善するための方法。
  6. アセトゲン繊維が体重のkg当たり0.1〜1.5g、好ましくは体重のkg当たり0.3〜0.8g、さらに好ましくは体重のkg当たり0.5gの量で投与される請求項5の方法。
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