JP2009513135A - エンコードされたライブラリーを用いて興味のある化合物を同定する方法 - Google Patents

エンコードされたライブラリーを用いて興味のある化合物を同定する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、エンコーディングオリゴヌクレオチドタグを含む分子のライブラリーをスクリーニングすることにより、興味のある化合物を同定する方法を提供する。

Description

(関連出願)
本出願は、2005年10月28日に提出された米国仮出願番号60/731,464の優先権を主張する。本出願は、2005年6月9日に提出された米国特許出願番号60/689,466(係属中)、および2004年12月17日に提出された米国特許出願番号11/015458に関連する。本出願はさらに、2003年12月17日に提出された米国仮特許出願番号60/530,854;2004年1月30日に提出された米国仮特許出願番号60/540,681;2004年3月15日に提出された米国仮特許出願番号60/553,715;および2004年7月16日に提出された米国仮特許出願番号60/588,672にも関連する。前記出願のそれぞれの全内容は本発明の一部として参照される。
(技術分野)
有用な生物活性を有する化合物を同定するためのより有効な方法の探索は、コンビナトリアルライブラリーと呼ばれる集団において存在する、膨大な数の異なる化合物のスクリーニング法の開発に至っている。このようなライブラリーは10以上の異なる化合物を含み得る。コンビナトリアルライブラリーを産生するための様々な方法が存在し、ペプチド、ペプチド模倣物および有機小分子の組み合わせ合成が報告されている。
医薬発見における組み合わせ法の使用における2つの主な課題は、十分な複雑さを有するライブラリーの合成および使用されるスクリーンにおいて活性である分子の同定である。ライブラリーの複雑さの程度が高いほど、すなわち、ライブラリー中に存在する異なる構造の数が多いほど、このライブラリーが興味のある活性を有する可能性が高くなることは一般に認識されている。従って、ライブラリー合成において用いられる化学反応は、妥当な時間枠内で膨大な数の化合物を産生できなければならない。しかしながら、所定の形式的または全体的な濃度について、ライブラリー内の異なるメンバーの数の増大は、任意の特定のライブラリーメンバーの濃度を低下させる。これは、高複雑度のライブラリーからの活性分子の同定を複雑にする。
米国仮出願番号60/731,464 米国特許出願番号60/689,466 米国特許出願番号11/015458 米国仮特許出願番号60/530,854 米国仮特許出願番号60/540,681 米国仮特許出願番号60/553,715 米国仮特許出願番号60/588,672
これらの障害を克服するための一つの方法は、エンコードされたライブラリー、特に、各化合物が増幅可能なタグを含むライブラリーの開発であった。このようなライブラリーは、DNAエンコード化ライブラリーであって、分子生物学の技術、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応を用いてライブラリーメンバーを同定するDNAタグを増幅することができるものを含む。しかしながら、非常に大きなライブラリーの製造するためのこのような方法の使用はまだ実証されていないが、かかるライブラリーを製造するための改善法が、薬剤開発のこの方法の可能性の実現のために必要である。
伝統的な薬剤開発法は、多段階選択法であって、しばしば、核酸分子の増幅(例えば、PCR増幅)、および最高1000以上のトップクローンの配列決定を含む方法に依存する。この多段階選択法および核酸増幅のために、しばしば、多くの偏りが導入される(例えば、Holt、L.J.ら (2000) Nucleic Acids Res. 28(15):E72において考察)。偏りの存在は、典型的には、所望の生物活性が欠損した化合物の選択につながる。
本発明は、従来技術の方法と比較して、前記のかたよりを排除する方法を提供する点で改善された方法を提供する。例えば、本発明は、より少ない選択段階を用いて望ましい生物活性を有する化合物の正確な同定に導く、大規模平行配列決定法を用いて興味のある化合物を同定する方法を提供する。さらに、本明細書において記載されるように、核酸増幅、例えば、PCR増幅により導入される偏りを排除する独特の標識システムが開発された。加えて、本明細書において記載される方法は、望ましい生物特性を有する選択された化合物の拡張的で大規模な分析を可能にし、次いで科の構造関係を有する関連化合物が同定される(構造活性関係)。まとめると、本発明の方法を用いて、一段階選択/濃縮サイクルを行うことができ、次に配列決定を単分子レベルで、好ましくは核酸増幅を必要としないで行うことができる。
従って、一つの態様において、本発明は生物学的標的と結合する1以上の化合物を同定する方法を提供する。この方法は、化合物のライブラリーを合成し(ここで、化合物は、mのイニシエーター化合物を含む溶液を提供することにより官能部分の構造を同定する初期オリゴヌクレオチドと操作可能に結合した2以上のビルディングブロックを含む官能部分を含み、ここで、mは1以上の整数であり、イニシエーター化合物は、nのビルディングブロックを含む官能部分からなり、nは1以上の整数であり、前記ビルディングブロックは、nのビルディングブロックを同定する初期オリゴヌクレオチドに操作可能に結合する)、前記溶液をrの反応容器中に分割し(ここで、rは2以上の整数である)、これによりrの溶液のアリコートを得、各反応容器中のイニシエーター化合物をrのビルディングブロックのうちの1つと反応させ、これにより、初期オリゴヌクレオチドに操作可能に結合したn+1のビルディングブロックを含む官能部分からなる化合物を含むrのアリコートを得、各アリコート中の初期オリゴヌクレオチドをrの異なる入力オリゴヌクレオチドの組の1つと、入力オリゴヌクレオチドおよび初期オリゴヌクレオチドの結紮を触媒する酵素の存在下で、入力オリゴヌクレオチドと初期オリゴヌクレオチドの酵素結紮に適した条件下で反応させ;これにより、n+1ビルディングブロックをエンコードする伸長されたオリゴヌクレオチドと操作可能に結合したn+1ビルディングブロックを含む官能部分からなる分子のrのアリコートを作製し;生物学的標的を化合物のライブラリー、またはその一部と、化合物のライブラリーの少なくとも1つのメンバーが標的と結合するために適した条件下で接触させ、標的と結合しないライブラリーメンバーを除去し、標的と結合する化合物のライブラリーの少なくとも1つのメンバーのエンコーディングオリゴヌクレオチドを配列決定し、生物学的標的と結合する化合物のライブラリーのメンバーの官能部分の構造を決定するために、前記配列を使用し、これにより、生物学的標的と結合する1以上の化合物を同定することを含む。
1つの実施形態において、本発明の方法は、配列決定の前に標的と結合する化合物のライブラリーの少なくとも1つのメンバーのエンコーディングオリゴヌクレオチドの増幅をさらに含む。
1つの実施形態において、増幅法は、油中水エマルジョンを形成して、複数の水性マイクロリアクターを作製し(ここで、マイクロリアクターの少なくとも1つは、標的と結合する化合物のライブラリーの少なくとも1つのメンバー、標的と結合する化合物のライブラリーの少なくとも1つのメンバーのエンコーディングオリゴヌクレオチドと結合できる単一のビーズ、および核酸増幅を行うために必要な試薬を含む増幅反応溶液を含む)、マイクロリアクター中のエンコーディングオリゴヌクレオチドを増幅して、増幅されたエンコーディングオリゴヌクレオチドを形成し、増幅されたエンコーディングオリゴヌクレオチドをマイクロリアクター中のビーズと結合させることを含む。
1つの実施形態において、配列決定法は、有効量のシークエンシングプライマーをエンコーディングオリゴヌクレオチドの増幅されたコピーにアニールし、シークエンシングプライマーをポリメラーゼおよび所定のヌクレオチド三リン酸で伸長して、シークエンシング生成物および、所定のヌクレオチド三リン酸がシークエンシングプライマーの3’末端に組み入れられるならば、シークエンシング反応副生成物を得、シークエンシング反応副生成物を同定し、これによりエンコーディングオリゴヌクレオチドの配列を決定することを含む。
1つの実施形態において、配列決定は、ポリメラーゼ連鎖反応を用いて行われる。もう一つ別の実施形態において、配列決定は、ピロホスフェート配列決定法を使用するか、または合成法による単分子配列決定を用いて行われる。
本発明は、化合物およびコンビナトリアル化合物ライブラリーを産生する方法、本発明の方法により産生された化合物およびライブラリー、ならびに望ましい性質、例えば、望ましい生物活性を有する化合物を同定するためのライブラリーの使用法に関する。本発明はさらに、これらの方法を用いて同定された化合物に関する。
コンビナトリアルライブラリーを製造し、スクリーンするために、様々な方法が行われてきた。例には、例えば1つの化合物が多数の反応容器のそれぞれにおいて合成される場合に、ライブラリーの個々のメンバーが互いに物理的に分離される方法が含まれる。しかしながら、これらのライブラリーは典型的には、1つの化合物を一度に、または最高でも、数個の化合物を一度にスクリーンするので、その結果、最も有効なスクリーニング法は得られない。他の方法において、化合物は固体支持体上で合成される。このような固体支持体は、特定の化合物が特定のチップまたは膜の特定の領域(アドレス可能な位置)を占めるチップを含む。他の方法において、化合物はビーズ上で合成され、各ビーズは異なる化学構造を含有する。
大きなライブラリーのスクリーニングにおいて生じる2つの困難は(1)スクリーンできる異なる化合物の数;および(2)スクリーンにおいて活性である化合物の同定である。1つの方法において、スクリーンにおいて活性である化合物は、当初のライブラリーをさらに小さなフラクションおよびサブフラクションに縮小し、それぞれの場合において、活性化合物を含有するフラクションまたはサブフラクションを選択し、小集団の全てのメンバーが個々に合成でき、所望の活性について評価できるような十分小さい化合物の組を含有する活性なサブフラクションが得られるまでさらに分割することにより同定される。これは、退屈で、時間がかかる作業である。
コンビナトリアルライブラリースクリーンの結果を解析する別の方法は、ライブラリーメンバーが識別標識で標識されているライブラリー、すなわち、ライブラリーにおいて存在する各ラベルがライブラリーにおいて存在する異なる化学構造と関連し、ラベルの同定が標識された分子の構造を見分けるものを利用することである。標識されたライブラリーについての一つの方法は、例えば、米国特許番号5,573,905;5,708,153; 5,723,598、6,060,596、公開されたPCT出願WO 93/06121;WO 93/20242;WO 94/13623;WO 00/23458;WO 02/074929およびWO 02/103008、ならびにBrennerおよびLerner(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89、5381−5383(1992);NielsenおよびJanda(Methods:A Companion toMethods in Enzymology 6、361−371(1994);およびNielsen、BrennerおよびJanda(J. Am. Chem. Soc. 115、9812−9813(1993))(それぞれは全体として本発明の一部として参照される)により記載されているように、オリゴヌクレオチド標識を利用する。このような標識は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応を用いて増幅することができ、多くの標識を産生することができ、配列決定により標識を同定することができる。標識の配列は次に、純粋な形態において合成でき、試験できる結合分子の構造を識別する。今日まで、Lernerらにより開示された方法の、大きなライブラリーを調製するための使用は報告されていない。本発明は DNAによりエンコードされたライブラリーを産生するための方法における改善、ならびにDNAによりエンコードされた分子の大(10メンバー以上)ライブラリーであって、官能部分が溶液相合成法を用いて合成される最初の例を提供する。
本発明は、オリゴヌクレオチドによりエンコードされたコンビナトリアルライブラリーの合成を促進にでき、かかるオリゴヌクレオチド標識を分子の膨大な集団に添加するための有効な高忠実度手段を可能にする方法を提供する。
本発明の方法は、ビルディングブロックから構成される第一部分(官能部分)、および第一部分に操作可能に結合し、第一部分の構造を識別するオリゴヌクレオチドタグを含む第二部分を含む二官能性分子の合成法を含む。すなわち、オリゴヌクレオチドタグは、どのビルディングブロックが第一部分の構築において使用されたか、ならびにビルディングブロックが結合された順序を示す。一般に、オリゴヌクレオチドタグにより提供される情報は、活性部分を構築するために使用されるビルディングブロックを決定するために十分である。ある実施形態において、オリゴヌクレオチドタグの配列は、官能部分例えばペプチド部分については、アミノ酸配列におけるビルディングブロックの配列を決定するために十分である。
本明細書において用いられる場合、「官能部分」なる用語は、1以上のビルディングブロックを含む化学基を意味する。好ましくは、官能部分におけるビルディングブロックは核酸ではない。官能部分は直鎖または環状ポリマーまたはオリゴマーまたは小有機分子であり得る。
本明細書において用いられる場合、「ビルディングブロック」なる用語は、他の化学構造単位と結合しているか、またはこのような単位と結合できる化学構造単位である。官能部分がポリマーまたはオリゴマーである場合、ビルディングブロックはこのポリマーまたはオリゴマーのモノマー単位である。ビルディングブロックは、これに1以上のさらなる構造(末梢ビルディングブロック)が結合しているか、または結合できる骨格構造(骨格ビルディングブロック)も含み得る。
「ビルディングブロック」なる用語は、本明細書において用いられる場合、官能部分として存在し、官能部分の合成に用いられる反応性形態でも存在するような化学構造単位を意味すると理解されるべきである。官能部分内で、ビルディングブロックは、官能部分中にビルディングブロックを組み入れた結果として失われるビルディングブロックの部分がない状態で存在するであろう。例えば、結合形成反応が小分子を放出する場合(下記参照)、官能部分において存在するようなビルディングブロックは「ビルディングブロック残基」、すなわち、放出された分子に寄与する原子を失った後に合成において用いられるビルディングブロックの残りである。
ビルディングブロックは、相補的である任意の化合物である。すなわち、ビルディングブロックは互いに反応して、2以上のビルディングブロックを含む構造を形成するはずである。典型的には、使用されるビルディングブロックの全ては少なくとも2つの反応性基を有するが、使用されるビルディングブロックのいくつか(例えば、オリゴマー官能部分における最後のビルディングブロック)はそれぞれ1つのだけの反応性基を有する。2つの異なるビルディングブロック上の反応性基は相補性、すなわち、互いに反応して、共有結合を形成することができ、任意に、同時に小分子、例えば、水、HCl、HFなどを失う。
本発明の目的に関して、2つの反応性基は、これらが互いに反応して共有結合を形成できるならば相補性である。好ましい実施形態において、好ましい実施形態において、結合形成反応は周囲条件下で、実質的に副生成物を形成することなく容易に起こる。好ましくは、所定の反応性基は所定の相補反応性基とちょうど1回反応する。1つの実施形態において、2つのビルディングブロックの相補反応性基は、例えば、求核置換により反応して、共有結合を形成する。1つの実施形態において、相補反応性基対の1つのメンバーは求電子基であり、対の他のメンバーは求核基である。
相補性求電子および求核基は、任意の好適な条件下で求核置換により反応して、共有結合を形成する任意の2つの基を包含する。様々な好適な結合形成反応が当該分野において公知である。例えば、March、Advanced Organic Chemistry、fourth edition、New York:John WileyおよびSons(1992)、Chapters 10 to 16;CareyおよびSundberg、Advanced Organic Chemistry、Part B、Plenum(1990)、Chapters 1−11;およびCollman et al.、PrinciplesおよびApplications of OrganotransitionMetal Chemistry、University Science Books、Mill Valley、Calif.(1987)、Chapters 13 to 20;(そのそれぞれは全体として本発明の一部として参照される)参照。好適な求電子基の例としては、反応性カルボニル基、例えば、アシルクロリド基、エステル基、例えば カルボニルペンタフルオロフェニル エステルおよびスクシンイミドエステル、ケトン基およびアルデヒド基;反応性スルホニル基、例えば、スルホニルクロリド基、および反応性ホスホニル基が挙げられる。他の求電子基は、末端エポキシド基、イソシアネート基およびアルキルハライド基を包含する。好適な求核基は、第一および第二アミノ基およびヒドロキシル基およびカルボキシル基を包含する。
好適な相補反応性基を以下に記載する。当業者は、本発明の方法において使用できる他の反応基対を容易に決定でき、本明細書において記載される例は制限的であることを意図しない。
第一の実施形態において、相補反応性基は活性化カルボキシル基、反応性スルホニル基または反応性ホスホニル基、あるいはその組み合わせ、ならびに第一および第二アミノ基を包含する。この実施形態において、相補反応性基は、好適な条件下で反応して、アミド、スルホンアミドまたはホスホンアミデートを形成する。
第二の実施形態において、相補反応性基は、エポキシド基および第一または第二アミノ基を包含する。エポキシド含有ビルディングブロックはアミン含有ビルディングブロックと好適な条件下で反応して、炭素−窒素結合を形成し、その結果、β−アミノアルコールが得られる。
もう一つ別の実施形態において、相補反応性基はアジリジン基および第一または第二アミノ基を包含する。炭素−窒素結合を形成するために適した条件下で、アジリジン含有ビルディングブロックはアミン含有ビルディングブロックと反応し、その結果、1,2−ジアミンが得られる。第三の実施形態において、相補反応性基はイソシアネート基および第一または第二アミノ基を包含する。イソシアネート含有ビルディングブロックはアミノ含有ビルディングブロックと炭素−窒素結合を形成するために適した条件下で反応し、その結果、尿素基が得られる。
第四の実施形態において、相補反応性基はイソシアネート基およびヒドロキシル基を包含する。イソシアネート含有ビルディングブロックはヒドロキシル含有ビルディングブロックを炭素−酸素結合を形成するために適した条件下で反応し、その結果、カーバメート基が得られる。
第五の実施形態において、相補反応性基はアミノ基およびカルボニル含有基、例えば、アルデヒドまたはケトン基を包含する。アミンはかかる基と還元的アミノ化により反応して、新規炭素−窒素結合を形成する。
第六の実施形態において、相補反応性基はリンイリド基およびアルデヒドまたはケトン基を包含する。リンイリド含有ビルディングブロックはアルデヒドまたはケトン含有ビルディングブロックと炭素−炭素二重結合を形成するために適した条件下で反応して、その結果、アルケンが得られる。
第七の実施形態において、相補反応性基は付加環化により反応して、環状構造を形成する。かかる相補反応性基の一例は、アルキンおよび有機アジドであって、これらは好適な条件下で反応して、トリアゾール環構造を形成する。2つのビルディングブロックを結合させるためのこの反応の使用の一例を図8に示す。かかる反応に適した条件は、当該分野において公知であり、WO 03/101972(その全内容は、全体として、本発明の一部として参照される)に開示されているものを包含する。
第八の実施形態において、相補反応性基はアルキルハライドおよび求核試薬、例えば、アミノ基、ヒドロキシル基またはカルボキシル基である。かかる基は好適な条件下で反応して、炭素−窒素(アルキルハライド+アミン)または炭素 酸素(アルキルハライド+ヒドロキシルまたはカルボキシル基)を形成する。
第九の実施形態において、相補性官能基はハロゲン化複素環式芳香族基および求核試薬であり、ビルディングブロックは好適な条件下で芳香族求核置換により結合する。好適なハロゲン化複素環式芳香族基は、塩素化ピリミジン、トリアジンおよびプリンを包含し、これらは求核試薬、例えば、アミンと穏やかな条件下、水溶液中で反応する。オリゴヌクレオチド標識されたトリクロロトリアジンのアミンとの反応の代表例を図9および10に示す。好適な塩素化複素環式芳香族基の例を図11に示す。
本発明の分子およびライブラリーの合成においてビルディングブロックを結合させるために使用できるさらなる結合形成反応は以下に示すものを包含する。以下に示される反応は、反応性官能基を強調する。R、R、RおよびRと表示されるものはじめとする、様々な置換基が反応物質中に存在し得る。置換され得る可能な位置は、これに限定されないが、R、R、RおよびRにより表示されるものを包含する。これらの置換基は、任意の好適な化学基を包含するが、好ましくは、表示される反応を妨害しないか、または著しく阻害しないものに限定され、特に記載しない限り、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アミノ、置換アミノおよび当該分野において公知の他のものを包含する。これらの基上の好適な置換基は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、メルカプト、カルボキシル、およびカルボキサミドを包含する。特定される場合、好適な電子求引基は、ニトロ、カルボキシル、ハロアルキル、例えば、トリフルオロメチルおよび当該分野において公知である他のものを包含する。好適な電子供与基の例は、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、アミノ、ハロゲン、アセトアミドおよび当該分野において公知である他のものを包含する。
第一アミンのアルケンへの付加:
Figure 2009513135
求核置換
Figure 2009513135
アミンの還元的アルキル化:
Figure 2009513135
Figure 2009513135
パラジウムにより触媒された炭素−炭素結合形成反応:
Figure 2009513135
Figure 2009513135
Ugi縮合反応:
Figure 2009513135
芳香族求核置換反応:
Figure 2009513135
Xは電子供与基である。
イミン/イミニウム/エナミン形成反応:
Figure 2009513135
Figure 2009513135
付加環化反応:
Figure 2009513135
Diels−Alder 付加環化
Figure 2009513135
1,3−双極性環状付加、X−Y−Z=C−N−O、C−N−S、N
芳香族求核置換反応:
Figure 2009513135
Wは電子求引基である。
Figure 2009513135
好適な置換基XおよびYの例は、置換または非置換アミノ、置換または非置換アルコキシ、置換または非置換チオアルコキシ、置換または非置換アリールオキシおよび置換および非置換チオアリールオキシを包含する。
Figure 2009513135
Heck反応:
Figure 2009513135
アセタール形成:
Figure 2009513135
好適な置換基XおよびYの例は、置換および非置換アミノ、ヒドロキシルおよびスルフヒドリルを包含し;Yは、XおよびYを結合させるリンカーであり、反応の生成物において見出される環構造の形成に適している。
アルドール反応:
Figure 2009513135
好適な置換基Xの例には、O、SおよびNRが含まれる。
本発明の分子およびライブラリーを形成するために使用できる骨格ビルディングブロックは、例えば、前述の1以上の結合形成反応を使用して、末梢ビルディングブロック前駆体との結合形成反応に関与できる2以上の官能基を有するものを包含する。骨格部分はまた、例えば、特異的な方法で反応して、末梢官能基が付加される中心分子部分を含む分子を形成できる、ビルディングブロック前駆体を使用して、本発明のライブラリーおよび分子の構築中に合成できる。1つの実施形態において、本発明のライブラリーは、不変の骨格部分を含むが、異なる末梢部分または異なる配列の末梢部分を含む分子を含む。あるライブラリーにおいて、全てのライブラリーメンバーは、不変の骨格部分を含み;他のライブラリーは2以上の異なる骨格部分を有する分子を含み得る。本発明の分子およびライブラリーの構築において使用できる骨格部分形成反応の例は表に記載されている。表における言及は、その全体として本発明の一部として参照される。基R、R、RおよびRは、表示された反応を妨害しないか、または著しく阻害しないという点でのみ制限され、水素、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、置換アミノおよび当該分野において公知である他のものを包含し得る。好適な置換基としては、これに限定されないが、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、ニトロ、ヒドロキシル、スルフヒドリル、アリールオキシ、アリール−S−、ハロゲン、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、シアノ、シアネート、ニトリル、イソシアネート、チオシアネート、カルバミル、および置換カルバミルが挙げられる。
官能部分の合成は、一つの特定の種類のカップリング反応、例えばこれに限定されないが、前記の反応の1つにより、または2以上のカップリング反応の組み合わせにより、例えば、2以上の前記カップリング反応により進行できると理解されるべきである。例えば、1つの実施形態において、ビルディングブロックはアミド結合形成(アミノおよびカルボン酸相補性基)および還元的アミノ化(アミノおよびアルデヒドまたはケトン相補性基)の組み合わせにより合わせられる。任意のカップリング化学反応は、オリゴヌクレオチドの存在と適合性であるならば、用いることができる。二本鎖(duplex)オリゴヌクレオチドタグは、本発明のある実施形態において用いられる場合、一本鎖タグよりも化学的に強固であり、従って、広範囲の反応条件を容認し、一本鎖タグでは可能でない結合形成反応の使用を可能にする。
ビルディングブロックは、1以上の官能基を、反応性基または機能成分を形成するために用いられる基に加えて含むことができる。これらの追加の官能基の1以上を保護して、これらの官能基の望ましくない反応を防止することができる。好適な保護基は、様々な官能基に関して当該分野において公知である(GreeneおよびWuts、Protective Groups in Organic Synthesis、second edition、New York:John WileyおよびSons(1991)(本発明の一部として参照される))。特に有用な保護基は、t−ブチルエステルおよびエーテル、アセタール、トリチルエーテルおよびアミン、アセチルエステル、トリメチルシリルエーテル,トリクロロエチルエーテルおよびエステルおよびカーバメートを包含する。
1つの実施形態において、各ビルディングブロックは2つの同じであっても、異なっていてもよい反応性基を含む。例えば、サイクルsにおいて添加される各ビルディングブロックは、同一であっても、異なっていてもよいが、どちらも段階s−1およびs+1で添加されるビルディングブロックの反応性基に対して相補性である2つの反応性基を含み得る。もう一つ別の実施形態において、各ビルディングブロックは、それ自体相補性である2つの反応性基を含む。例えば、ポリアミド分子を含むライブラリーは、2つの第一アミノ基を含むビルディングブロックおよび2つの活性化カルボキシル基を含むビルディングブロック間の反応により産生することができる。結果として得られる化合物において、別のアミド基は反対の方向性を有するので、NまたはC末端はない。あるいは、ポリアミドライブラリーは、それぞれがアミノ基および活性化カルボキシル基を含むビルディングブロックを用いて産生することができる。この実施形態において、サイクルの段階nにおいて添加されるビルディングブロックは、n−1ビルディングブロック上の利用可能な反応性基と相補性である遊離反応性基を有し、一方、好ましくは、n番目のビルディングブロック上の他の反応性基は保護される。例えば、ライブラリーのメンバーがCからN方向へ合成されるならば、添加されるビルディングブロックは活性化されたカルボキシル基および保護されたアミノ基を含む。
官能部分は、ポリマーまたはオリゴマー部分、例えば、ペプチド、ペプチド模倣物、ペプチド核酸またはペプトイドであるか、あるいはこれらは小さな非ポリマー分子、例えば、中心骨格および骨格の末梢付近に配列された構造を含む構造を有する分子である。直鎖ポリマーまたはオリゴマーライブラリーは、2つの反応性基を有するビルディングブロックの使用の結果得られ、分岐ポリマーまたはオリゴマーライブラリーは、3以上の反応性基を、任意に2個だけの反応基を有するビルディングブロックとの組み合わせにおいて使用することから得られる。このような分子は、一般式X…Xにより表すことができ、式中、各Xは、n個のモノマー単位を含むポリマーのモノマー単位であり、nは1より大きな整数である。オリゴマーまたはポリマー化合物の場合において、末端ビルディングブロックは2つの官能基を含む必要はない。例えば、ポリアミドライブラリーの場合において、C末端ビルディングブロックは、アミノ基を含み得るが、カルボキシル基の存在は任意である。同様に、N末端でのビルディングブロックはカルボキシル基を含み得るが、アミノ基を含有する必要はない。
少なくとも1つのビルディングブロックが、他のビルディングブロックと反応性である3つの官能基を含むならば、分岐オリゴマーまたはポリマー化合物も合成できる。本発明のライブラリーは直鎖分子、分岐分子またはその組み合わせを含み得る。
ライブラリーはまた、例えば、2以上の反応性基を有する骨格ビルディングブロックを、1つだけの利用可能な反応性基を有する他のビルディングブロックとの組み合わせにおいて使用して構築することができ、ここで、任意の追加の反応性基は保護されるか、または骨格ビルディングブロック中に存在する他の反応性基と反応しないかのいずれかである。1つの実施形態において、例えば、合成される分子は、一般式X(Y)により表すことができ、式中、Xは骨格ビルディングブロックであり;各YはXと結合したビルディングブロックであり、nは少なくとも2の整数であり、好ましくは2〜約6の整数である。一つの好ましい実施形態において、サイクル1の初期ビルディングブロックは骨格ビルディングブロックである。式X(Y)の分子において、各Yは同じであっても、異なっていてもよいが、典型的なライブラリーのほとんどのメンバーにおいて、各Yは異なっている。
1つの実施形態において、本発明のライブラリーはポリアミド化合物を含む。ポリアミド化合物は、20の天然に存在するα−アミノ酸、例えば、アラニン(Ala;A)、グリシン(Gly;G)、アスパラギン(Asn;N)、アスパラギン酸(Asp;D)、グルタミン酸(Glu;E)、ヒスチジン(His;H)、ロイシン(Leu;L)、リシン(Lys;K)、フェニルアラニン(Phe;F)、チロシン(Tyr;Y)、トレオニン(Thr;T)、セリン(Ser;S)、アルギニン(Arg;R)、バリン(Val;V)、グルタミン(Gln;Q)、イソロイシン(Ile;I)、システイン(Cys;C)、メチオニン(Met;M)、プロリン(Pro;P)およびトリプトファン(Trp;W)(ここでは、各アミノ酸についての3文字および1文字コードを示す)をはじめとする任意のアミノ酸から誘導されるビルディングブロックから構成することができる。その天然に存在する形態において、前記アミノ酸のそれぞれは、本発明において特に記載しない限り想定される、L配置において存在する。しかしながら、本発明の方法において、これらのアミノ酸のD配置形態も使用できる。これらのD−アミノ酸は、本明細書において、小文字の3または1文字コード、すなわち、ala(a)、gly(g)、leu(l)、gln(q)、thr(t)、ser(s)などにより表示される。ビルディングブロックは、3−アリールアラニン、例えば、ナフチルアラニン、フェニル−置換フェニルアラニン、例えば、4−フルオロ−、4−クロロ、4−ブロモおよび4−メチルフェニルアラニン;3−ヘテロアリールアラニン、例えば、3−ピリジルアラニン、3−チエニルアラニン、3−キノリルアラニン、および3−イミダゾリルアラニン;オルニチン;シトルリン;ホモシトルリン;サルコシン;ホモプロリン;ホモシステイン;置換プロリン、例えば、ヒドロキシプロリンおよびフルオロプロリン;デヒドロプロリン;ノルロイシン;O−メチルチロシン;O−メチルセリン;O−メチルトレオニンおよび3−シクロヘキシルアラニンを包含するが、これに限定されない他のα−アミノ酸から誘導することもできる。前記アミノ酸のそれぞれは、D−またはL−構造のいずれかにおいて用いることができる。
ビルディングブロックは、α−アミノ酸でないアミノ酸、例えば、α−アザアミノ酸;β、γ、δ、ε−アミノ酸、およびN−置換アミノ酸、例えば、N−置換グリシンであってよく、ここで、N−置換基は、例えば、置換または非置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル基であり得る。1つの実施形態において、N−置換基は、天然に存在するか、または天然に存在しないα−アミノ酸からの側鎖である。
ビルディングブロックはまた、ペプチド模倣構造、例えば、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドまたはペンタペプチド模倣物であってもよい。このようなペプチド模倣ビルディングブロックは、好ましくは、アミノアシル化合物から誘導され、従って、これらのビルディングブロックの成長するポリ(アミノアシル)基への添加の化学反応は、他のビルディングブロックについて用いられる化学反応と同じであるか、または類似している。ビルディングブロックは、ペプチド結合に関して等配電子結合を形成でき、ペプチド骨格修飾、例えば、ペプチド模倣官能部分を形成でき、ペプチド骨格修飾、例えば、Ψ[CHS]、Ψ[CHNH]、Ψ[CSNH]、Ψ[NHCO]、Ψ[COCH]、およびΨ[(E)または(Z)CH=CH]を含むペプチド模倣性官能部分を形成できる分子でもある。前記で使用された用語において、Ψはアミド結合が無いことを示す。アミド基を置換する構造をかっこ内に記載する。
1つの実施形態において、本発明は、エンコーディングオリゴヌクレオチドと操作可能に結合した官能部分を含むか、または前記官能部分からなる化合物を合成する方法を提供する。方法は:(1)nのビルディングブロックを含む初期官能部分からなるイニシエーター化合物を提供し(ここで、nは1以上の整数であり、初期官能部分は少なくとも1つの反応性基を含み、初期官能部分は、nのビルディングブロックをエンコードする初期オリゴヌクレオチドと操作可能に結合している);(2)イニシエーター化合物を、少なくとも1つの相補反応性基を含むビルディングブロックと反応させ(ここで、少なくとも1つの相補反応性基は、反応性基および相補反応性基を反応させて、共有結合を形成するために適した条件下で、段階(1)の反応性基に対して相補性である);(3)初期オリゴヌクレオチドを入力オリゴヌクレオチドと、初期オリゴヌクレオチドおよび入力オリゴヌクレオチドの結紮に適した条件下で、初期オリゴヌクレオチドと入力オリゴヌクレオチドの結紮を触媒する酵素の存在下で反応させ、これにより、エンコーディングオリゴヌクレオチドと操作可能に結合したn+1のビルディングブロックを含む官能部分を含むか、または前記官能部分からなる分子を産生する段階を含む。段階(3)の官能部分が反応性基を含むならば、段階1−3は1回以上繰り返すことができ、これによりサイクル1〜iが形成される(ここで、iは2以上の整数であり、サイクルs−1の段階(3)の生成物(sはi以下の整数である)はサイクルsの段階(1)のイニシエーター化合物になる。各サイクルにおいて、1つのビルディングブロックを成長する官能部分に添加し、新規ビルディングブロックをエンコードする1つのオリゴヌクレオチド配列を成長するエンコーディングオリゴヌクレオチドに添加する。
1つの実施形態において、初期イニシエーター化合物は、第一ビルディングブロックを オリゴヌクレオチド(例えば、PCRプライマー配列を含むオリゴヌクレオチドまたは初期オリゴヌクレオチド)または、オリゴヌクレオチドが結合するリンカーと反応させることにより生成される。図5において記載される実施形態において、リンカーは、第一ビルディングブロックの結合のための反応性基を含み、初期オリゴヌクレオチドに結合している。この実施形態において、ビルディングブロック(または複数のアリコートのそれぞれにおいては、ビルディングブロックの集団の1つ)の、リンカーの反応性基との反応およびビルディングブロックをエンコードするオリゴヌクレオチドの初期オリゴヌクレオチドへの添加は、前記プロセスの1以上の初期イニシエーター化合物を産生する。
好ましい実施形態において、個々のビルディングブロックは異なるオリゴヌクレオチドと結合し、従って所定のサイクルにおいて添加されるオリゴヌクレオチド中のオリゴヌクレオチドの配列は、同じサイクルにおいて添加されるビルディングブロックを特定する。
ビルディングブロックのカップリングおよびオリゴヌクレオチドの結紮は、一般に、出発物質および試薬と類似した濃度で起こる。例えば、ビルディングブロックに有効なカップリングのためには、マイクロモル濃度からミリモル濃度のオーダーで、約10mMから約10mMの反応物質の濃度が好ましい。
ある実施形態において、方法はさらに、段階(2)の後に、任意の未反応初期官能部分を除去する段階を含む。特定のサイクルにおける任意の未反応初期官能部分の除去は、サイクルの初期官能部分が、後のサイクルにおいて添加されるビルディングブロックと反応するのを防止する。このような反応は、1以上のビルディングブロックを失った官能部分の生成につながり、潜在的に、特定のオリゴヌクレオチド配列に対応する様々な官能部分構造をもたらす。このような除去段階は、任意の残存する初期官能部分を、段階(2)の反応性基と反応する化合物と反応させることにより行うことができる。好ましくは、スカベンジャー化合物は、段階(2)の反応性基と迅速に反応し、後のサイクルにおいて添加されるビルディングブロックと反応できる追加の反応性基を含まない。例えば、段階(2)の反応性基がアミノ基である化合物の合成において、好適なスカベンジャー化合物はN−ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば、酢酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルである。
もう一つ別の実施形態において、本発明は化合物のライブラリーを生成させる方法を提供し、ここで、各化合物は、オリゴヌクレオチドと操作可能に結合した2以上のビルディングブロックを含む官能部分を含む。好ましい実施形態において、各分子中に存在するオリゴヌクレオチドは、分子内のビルディングブロックおよび、任意に、ビルディングブロックの添加の順序を特定するために十分な情報を提供する。この実施形態において、本発明の方法は、化合物のライブラリーを合成する方法を含み、ここで、化合物は、官能部分の構造を特定するオリゴヌクレオチドと操作可能に結合した2以上のビルディングブロックを含む官能部分を含む。方法は、(1)nのビルディングブロックを特定する初期オリゴヌクレオチドと操作可能に結合したイニシエーター化合物(ここで、mは1以上の整数であり、イニシエーター化合物はnビルディングブロックからなり、nは1以上の整数である)を含む溶液を提供し;(2)段階(1)の溶液を少なくともrのフラクションに分割し(ここで、rは2以上の整数である);(3)各フラクションをrのビルディングブロックの1つと反応させ、これにより、初期オリゴヌクレオチドと操作可能に結合したn+1のビルディングブロックを含む官能部分からなる化合物を含むrのフラクションを生成させ;(4)段階(3)のrフラクションのそれぞれを異なる入力オリゴヌクレオチド組の1つと、入力オリゴヌクレオチドの初期オリゴヌクレオチドとの酵素結紮に適した条件下で反応させ、これにより、n+1のビルディングブロックをエンコードする伸長されたオリゴヌクレオチドに操作可能に結合したn+1のビルディングブロックを含む官能部分からなる分子を含むrのフラクションを生成させる段階を含む。任意に、方法は、(5)段階(4)において製造されたrのフラクションを再結合させて、これにより、n+1のビルディングブロックをエンコードする伸長されたオリゴヌクレオチドと操作可能に結合したn+1のビルディングブロックを含む官能部分からなる分子を含む溶液を得る。段階(1)から(5)は、1回以上行って、サイクル1からiを得ることができ、ここで、iは2以上の整数である。サイクルs+1において(ここで、sはi−1またはそれ以下の整数である)、段階(1)のmのイニシエーター化合物を含む溶液は、サイクルsの段階(5)の溶液である。同様に、サイクルs+1の段階(1)のイニシエーター化合物はサイクルsの段階(4)の生成物である。
好ましくは、段階(2)の溶液をライブラリー合成の各サイクルにおいてrのフラクションに分割する。この実施形態において、各フラクションを独自のビルディングブロックと反応させる。
本発明の方法において、ビルディングブロックおよび入力オリゴヌクレオチドの添加の順序は重要ではなく、分子の合成の段階(2)および(3)、およびライブラリー合成における段階(3)および(4)は逆にすることができる。すなわち、新規ビルディングブロックを添加する前に、入力オリゴヌクレオチドを初期オリゴヌクレオチドと結紮することができる。ある実施形態において、これらの2段階を同時に行うことが可能である。
ある実施形態において、方法は、段階(2)の後に、任意の未反応初期官能部分を除去する段階をさらに含む。特定のサイクルにおいて任意の未反応初期官能部分を除去することは、サイクルの初期官能部分が、後のサイクルで添加されるビルディングブロックと反応することを防止する。このような反応は、1以上のビルディングブロックが欠失した官能部分の生成に至り、潜在的に、特定のオリゴヌクレオチド配列に対応する様々な官能部分構造をもたらす。このような除去は、任意の残存する初期官能部分を、段階(2)の反応性基と反応する化合物と反応させることにより達成できる。好ましくは、スカベンジャー化合物は段階(2)の反応性基と迅速に反応し、後のサイクルにおいて添加されるビルディングブロックと反応できる追加の反応性基を含まない。例えば、段階(2)の反応性基がアミノ基である化合物の合成において、好適なスカベンジャー化合物はN−ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば、酢酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルである。
1つの実施形態において、ライブラリー合成において使用されるビルディングブロックは、候補ビルディングブロックの組から、ライブラリーの合成に使用される条件下で、適切な相補性官能部分と反応する候補ビルディングブロックの能力を評価することにより選択される。かかる条件下で好適に反応性を示すビルディングブロックを次にライブラリー中への組み入れについて選択することができる。所定のサイクルの生成物は、任意に精製することができる。サイクルが中間サイクル、すなわち、最終サイクル前の任意のサイクルである場合、これらの生成物は中間体であり、次のサイクルの開始前に精製することができる。サイクルが最終サイクルであるならば、サイクルの生成物は最終生成物であり、化合物の使用前に精製することができる。この精製段階は、例えば、未反応または過剰な反応物質およびオリゴヌクレオチド結紮に用いられる酵素を除去することができる。高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)などの液体クロマトグラフィーおよびエタノールなどの好適な補助溶媒での沈殿をはじめとする、溶液中に存在する他の種から生成物を分離するために適した任意の方法を使用できる。好適な精製法は、生成物および合成に使用される溶媒系の性質に依存する。
反応は、好ましくは、水溶液、例えば、緩衝水溶液中で行われるが、ビルディングブロック、オリゴヌクレオチド、中間体および最終生成物、ならびにオリゴヌクレオチド結紮を触媒するために使用される酵素の溶解特性と合致する混合水性/有機媒体中で行うこともできる。
前記方法における所定のサイクルにより生成される化合物の理論数は、サイクル中で使用される異なるイニシエータ化合物の数mおよびサイクル中に添加される異なるビルディングブロックの数rの積であると理解される。サイクルにおいて生成される異なる化合物の実際の数は、rおよびmの積(r×m)であり得るが、あるビルディングブロックの他のビルディングブロックの反応性に差があるならば、さらに低い可能性がある。例えば、特定のビルディングブロックの、特定のイニシエーター化合物への添加の動力学は、合成サイクルの時間スケールで、反応の生成物がほとんどまたは全く生成されないほどである。
ある実施形態において、サイクル1の前、最終サイクル後または任意の2つのサイクルの間で、共通のビルディングブロックが添加される。例えば、官能部分がポリアミドである場合、共通のN−末端キャッピングビルディングブロックを、最終サイクル後に添加することができる。例えば、官能基、例えば、アルキンまたはアジド基(例えば、環化により、官能部分を修飾するために利用できる)を、ライブラリー合成後に添加するために、共通のビルディングブロックは、任意の2つのサイクル間に導入することもできる。
「操作可能に結合した」なる用語は、本明細書において用いられる場合、2つの化学構造が、これらが受けることが予想される様々な操作により結合したままであるような方法で、結合されることを意味する。典型的には、官能部分およびエンコーディングオリゴヌクレオチドは、適切な結合基により共有結合する。結合基は、オリゴヌクレオチドの結合部位および官能部分の結合部位を有する二価部分である。例えば、官能部分がポリアミド化合物である場合、このポリアミド化合物は、そのN末端、そのC末端の結合基に、または側鎖の1つの官能基により結合することができる。結合基は、少なくとも1つの原子、好ましくは1より多い原子、例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5または少なくとも6個の原子により、ポリアミド化合物およびオリゴヌクレオチドを分離するために十分である。好ましくは、結合基は、オリゴヌクレオチドと独立した方法で、ポリアミド化合物を標的分子と結合させるために十分柔軟性である。
1つの実施形態において、結合基は、ポリアミド化合物のN末端およびオリゴヌクレオチドの5’−ホスフェート基に結合する。例えば、結合基は、一端上に活性化カルボキシル基および他端上に活性化エステルを含む結合基前駆体から誘導することができる。結合基前駆体のN末端窒素原子との反応は、結合基をポリアミド化合物またはN末端ビルディングブロックと連結するアミド結合を形成し、一方、結合基前駆体のオリゴヌクレオチドの5’−ヒドロキシ基との反応の結果、オリゴヌクレオチドがエステル結合により結合基に結合される。結合基は、例えば、ポリメチレン鎖、例えば、−(CH−鎖またはポリ(エチレングリコール)鎖、例えば、−(CHCHO)鎖を含むことができ、両方の場合において、nは1から約20の整数である。好ましくは、nは2〜約12、さらに好ましくは約4から約10である。1つの実施形態において、結合基はヘキサメチレン(−(CH−)基を含む。
ビルディングブロックがアミノ酸残基である場合、得られる官能部分はポリアミドである。アミド結合の形成に適した任意の化学反応を用いて、アミノ酸をカップリングさせることができる。好ましくは、アミノ酸ビルディングブロックのカップリングは、オリゴヌクレオチドの酵素結紮と適合する条件下、例えば、中性または中性付近のpHで、水溶液中で行われる。1つの実施形態において、ポリアミド化合物は、C末端からN末端方向へ合成される。この実施形態において、第一、またはC末端ビルディングブロックをそのカルボキシル末端で、オリゴヌクレオチドに、好適な結合基によりカップリングさせる。第一ビルディングブロックを第二ビルディングブロックと反応させ、これは好ましくは、活性化カルボキシル基および保護されたアミノ基を有する。溶液相アミド結合形成に適した任意の基の活性化/保護法を使用できる。例えば、好適な活性化カルボキシル種は、アシルフルオリド(米国特許第5,360,928号、その全体として本発明の一部として参照される)、対称無水物およびN−ヒドロキシスクシンイミドエステルを包含する。アシル基は当該分野において公知であるように、好適な活性化化合物との反応により、その場で活性化することもできる。好適な活性化化合物は、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノン(EEDQ)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド(EDC)、n−プロパン−ホスホン酸無水物(PPA)、N,N−ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)イミド−ホスホリルクロリド(BOP−Cl)、ブロモ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBrop)、ジフェニルホスホリル アジド(DPPA)、Castro試薬(BOP、PyBop)、O−ベンゾトリアゾリル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム塩(HBTU)、ジエチルホスホリルシアニド(DEPCN)、2,5−ジフェニル−2,3−ジヒドロ−3−オキソ−4−ヒドロキシ−チオフェンジオキシド(Steglich試薬;HOTDO)、1,1’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)、および4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)を包含する。カップリング試薬は、単独または添加剤、例えば、N.N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)、N−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(HOBt)、N−ヒドロキシベンゾトリアジン(HOOBt)、N−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu) N−ヒドロキシアザベンゾトリアゾール(HOAt)、アザベンゾトリアゾリル−テトラメチルウロニウム塩(HATU、HAPyU)または2−ヒドロキシピリジンとの組み合わせにおいて用いることができる。ある実施形態において、ライブラリーの合成は、構造的に多様なビルディングブロックの組の使用を可能にするために、2以上の活性化法の使用を必要とする。各ビルディングブロックについて、当業者は適切な活性化法を決定できる。
N末端保護基は、プロセスの条件と適合性である任意の保護基、例えば、溶液相合成条件に適した保護基であり得る。好ましい保護基は、フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基である。アミノアシルビルディングブロックの側鎖上の任意の潜在的に反応性の官能基も適切に保護する必要がある。好ましくは、側鎖保護基はN末端保護基に対して直角である。すなわち、側鎖保護基は、N末端保護基の除去に必要とされる条件とは異なる条件下で除去される。好適な側鎖保護基は、側鎖カルボキシル基および側鎖アミノ基の両方を保護するために使用できるニトロベラトリル基を包含する。別の好適な側鎖アミン保護基は、N−ペント−4−エノイル基である。
ビルディングブロックを、官能部分中に組み入れた後に、例えば、1以上のビルディングブロック上の官能基を含む好適な反応により修飾することができる。ビルディングブロック修飾は、最終ビルディングブロックの添加後または官能部分の合成のいずれかの中間時点、例えば、合成プロセスの任意のサイクル後に行うことができる。本発明の二官能性分子のライブラリーが合成される場合、ビルディングブロック修飾は、全ライブラリーまたはライブラリーの一部に関して行うことができ、これにより、ライブラリーの複雑さの程度が増大する。好適なビルディングブロック修飾反応は、官能部分およびエンコーディングオリゴヌクレオチドと適合性の条件下で行うことができる反応を包含する。かかる反応の例は、アミノ基またはヒドロキシル基のアシル化およびスルホン化、アミノ基のアルキル化、カルボキシル基のエステル化またはチオエステル化、カルボキシル基のアミド化、アルケンのエポキシ化、および当該分野において公知の他の反応を包含する。官能部分がアルキンまたはアジド官能基を有するビルディングブロックを含む場合、アジド/アルキン付加環化反応を用いて、ビルディングブロックを誘導体化することができる。例えば、アルキンを含むビルディングブロックを有機アジドと反応させることができるか、または、アジドを含むビルディングブロックをアルキンと反応させることができ、いずれかの場合に、トリアゾールが形成される。ビルディングブロック修飾反応は、最終ビルディングブロックの添加後、または合成プロセスの中間時点で行うことができ、炭水化物、金属結合部分およびある生体分子または組織タイプを標的とする構造を包含する様々な化学構造を官能部分に付加するために使用できる。
もう一つ別の実施形態において、官能部分は線系列のビルディングブロックを含み、この線系列は、好適な反応を用いて環化される。例えば、直線状アレイにおける少なくとも2つのビルディングブロックがスルフヒドリル基を含む場合、このスルフヒドリル基を酸化して、ジスルフィド結合を形成することができ、これにより直線状アレイを環化する。例えば、官能部分は、2以上のLまたはD−システインおよび/またはLまたはD−ホモシステイン部分を含むオリゴペプチドであり得る。ビルディングブロックはまた、一緒に反応して、直線状アレイを環化させることができる他の官能基、例えば、カルボキシル基およびアミノまたはヒドロキシル基も含み得る。
好ましい実施形態において、直線状アレイ中のビルディングブロックの1つはアルキン基を含み、直線状アレイにおける別のビルディングブロックはアジド基を含む。アジドおよびアルキン基は、付加環化により反応させることができ、その結果、大員環状構造が形成される。図9において示される例において、官能部分は、プロパルギルグリシンビルディングブロックをそのC末端で、アジドアセチル基をそのN末端で含むポリペプチドである。アルキンおよびアジド基の好適な条件下での反応の結果、環状化合物が形成され、これは、その大員環内にトリアゾール構造を含む。ライブラリーの場合、1つの実施形態において、ライブラリーの各メンバーは、アルキン−およびアジド含有ビルディングブロックを含み、このようにして環化することができる。第二の実施形態において、ライブラリーの全てのメンバーは、アルキン−およびアジド−含有ビルディングブロックを含むが、ライブラリーの一部だけが環化される。第三の実施形態において、ある官能部分のみがアルキン−およびアジド−含有ビルディングブロックを含み、これらの分子だけが環化する。前記の第二および第三の実施形態において、ライブラリーは、付加環化反応後に、環状および直線状官能部分の両方を含むであろう。
同じ官能部分、例えば、トリアジンが、特定の合成段階中にライブラリーのフラクションのそれぞれ全部に添加される本発明のいくつかの実施形態において、この官能部分をエンコードするオリゴヌクレオチドタグを添加する必要はない。
オリゴヌクレオチドを化学的または酵素法により結紮することができる。1つの実施形態において、オリゴヌクレオチドを化学的手段により結紮する。DNAおよびRNAの化学的結紮は、試薬、例えば、水溶性カルボジイミドおよび臭化シアンを用いて、例えば、Shabarova、et al.(1991) Nucleic Acids Research、19、4247−4251)、Federova、et al.(1996) Nucleosides and Nucleotides、15、1137−1147、およびCarrieroおよびDamha(2003) Journal of Organic Chemistry、68、8328−8338により教唆されるようにして行うことができる。1つの実施形態において、化学的結紮は臭化シアンを用い、5Mアセトニトリル中、5’リン酸化オリゴヌクレオチドと1:10v/vの比で、in a pH 7.6緩衝液(1mMES + 20mMmgCl)中、0度で1〜5分間行われる。オリゴヌクレオチドは二本鎖であり、好ましくは、約5から約14塩基の突出部を有する。オリゴヌクレオチドはまた、一本鎖であってもよく、この場合、約6塩基の重複を有するスプリントであって、オリゴヌクレオチドのそれぞれと結紮されるものを用いて、反応性5’および3’部分を互いに近接した位置にする。
もう一つ別の実施形態において、酵素法を用いてオリゴヌクレオチドを結紮する。1つの実施形態において、初期ビルディングブロックを初期オリゴヌクレオチドと操作可能に結合させる。第二ビルディングブロックを初期ビルディングブロックとカップリングさせる前、またはカプリング後に、第二ビルディングブロックを同定する第二オリゴヌクレオチド配列を初期オリゴヌクレオチドに結紮する。初期オリゴヌクレオチド配列および入力オリゴヌクレオチド配列を結紮する方法は図1および2に記載される。図1において、初期オリゴヌクレオチドは二本鎖であり、1つのストランドは、第二オリゴヌクレオチドの一端と相補性であり、第二オリゴヌクレオチドを初期オリゴヌクレオチドと接触させる突出部配列を含む。好ましくは、初期オリゴヌクレオチドの突出配列および第二オリゴヌクレオチドの相補性配列はどちらも少なくとも約4塩基;さらに好ましくは、両配列はどちらも同じ長さである。初期オリゴヌクレオチドおよび第二オリゴヌクレオチドを、好適な酵素を用いて結紮することができる。初期オリゴヌクレオチドが第一ビルディングブロックとストランド(トップストランド)の5’末端で結合されるならば、トップストランドと相補性であるストランド(ボトムストランド)は、その5’末端で突出配列を含み、第二オリゴヌクレオチドはその5’末端で相補性配列を含む。第二オリゴヌクレオチドの結紮後に、突出部相補性配列に対して3’である第二オリゴヌクレオチドの配列と相補性であり、追加の突出部配列を含むストランドを添加することができる。
1つの実施形態において、オリゴヌクレオチドは図2において記載されるように伸長される。成長する官能部分に結合したオリゴヌクレオチドおよび入力オリゴヌクレオチドは、初期オリゴヌクレオチドの3’末端に対して相補性である領域および入力オリゴヌクレオチドの5’末端に対して相補性である領域を含む「スプリント」配列の使用により結紮されるために配置される。スプリントは、オリゴヌクレオチドの5’末端を入力オリゴヌクレオチドの3’末端と接近させ、結紮は酵素結紮を用いて行われる。図2において示される例において、初期オリゴヌクレオチドは16のヌクレオ塩基からなり、スプリントは3’末端で6塩基に対して相補性である。入力オリゴヌクレオチドは12のヌクレオ塩基からなり、スプリントは5’末端で6塩基に対して相補性である。スプリントの長さおよび相補性領域の長さは重要ではない。しかしながら、相補性領域は、結紮の条件下で安定なダイマー形成を可能にするために十分長くなければならないが、最終分子において過剰に大きなエンコーディングヌクレオチドが得られるほど長くない。相補性領域が約4塩基から約12塩基、さらに好ましくは約5塩基から約10塩基、最も好ましくは、約5塩基から約8塩基の長さであるのが好ましい。
本明細書において記載されるライブラリー合成の方法に使用されるスプリット・アンド・プール(split−and−pool)法は、各独自の官能部分が、少なくとも1つの独自のオリゴヌクレオチド配列であって、官能部分を同定するものに操作可能に結合することを保証する。2以上の異なるオリゴヌクレオチドタグが、少なくとも1つの合成サイクルにおいて、少なくとも1つのビルディングブロックに使用されるならば、ビルディングブロックを含むそれぞれの異なる官能部分は、複数のオリゴヌクレオチドによりエンコードされる。例えば、2のオリゴヌクレオチドタグが、4サイクルのライブラリーの合成中に各ビルディングブロックについて使用されるならば、各独自の官能部分をエンコードする16のDNA配列(2)が存在する。複数の配列を有するそれぞれの独自の官能部分をエンコードするいくつかの潜在的な利点が存在する。第一に、同じ官能部分をエンコードするタグ配列の異なる組み合わせの選択は、これらの分子が独立して選択されることを保証する。第二に、同じ官能部分をエンコードするタグ配列の異なる組み合わせの選択は、選択がオリゴヌクレオチドの配列に基づく可能性を排除する。第三に、技術的人工物は、特定の官能部分が非常に豊富であるが、多くの可能性のうち、1つの配列組み合わせのみであることを配列分析が示唆するかどうかを認識できる。複数標識付けは、同じビルディングブロックであるが、異なるオリゴヌクレオチドタグとの独立したスプリット反応をすることにより達成できる。別法として、複数標識付けは、個々のビルディングブロックとの単一タグ付け反応において各タグの適切な比を混合することにより達成できる。
1つの実施形態において、初期オリゴヌクレオチドは二本鎖であり、2つのストランドは共有結合している。2つのストランドを共有結合させる1つの手段を図3に示し、図中、結合部分は2つのストランドおよび官能部分を連結させるために使用される。結合部分は、ビルディングブロックと反応させられる第一官能基、オリゴヌクレオチドの3’末端と反応させられる第二官能基、およびオリゴヌクレオチドの5’末端と反応させられる第三官能基を含む任意の化学構造を有するものであり得る。好ましくは、第二および第三官能基は、2つのオリゴヌクレオチドストランドを、2つのストランドのハイブリダイゼーションを可能にする相対配向に配置されるように配向させる。例えば、結合部分は一般構造(I):
Figure 2009513135
(I)
を有し得、式中、Aは、ビルディングブロックと共有結合を形成できる官能基であり、Bはオリゴヌクレオチドの5’末端と結合を形成できる官能基であり、Cはオリゴヌクレオチドの3’末端と結合を形成できる官能基である。D、FおよびEは官能基A、CおよびBを、コア原子または骨格であるSと連結する化学基である。好ましくは、D、EおよびF はそれぞれ独立して、原子の鎖、例えば、アルキレン鎖またはオリゴ(エチレングリコール)鎖であり、およびD、EおよびFは同一または異なり、好ましくは、2つのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションおよび官能部分の合成を可能にするために有効である。1つの実施形態において、三価リンカーは構造
Figure 2009513135
を有する。この実施形態において、NH基はビルディングブロックとの結合に利用可能であり、一方、末端ホスフェート基はオリゴヌクレオチドとの結合に利用可能である。
初期オリゴヌクレオチドが二本鎖である実施形態において、入力オリゴヌクレオチドも二本鎖である。図3に示すように、初期オリゴヌクレオチドは、他よりも長い1つのストランドを有し、突出部配列を提供する。この実施形態において、入力オリゴヌクレオチドは、初期オリゴヌクレオチドの突出部と相補性である突出配列を含む。2つの相補性突出配列のハイブリダイゼーションは、入力オリゴヌクレオチドを初期オリゴヌクレオチドとの結紮のための位置にする。この結紮は、DNAまたはRNAリガーゼを用いて酵素により行うことができる。入力オリゴヌクレオチドおよび初期オリゴヌクレオチドの突出部配列は好ましくは同じ長さであり、2以上のヌクレオチド、好ましくは2〜約10のヌクレオチド、さらに好ましくは2から約6ヌクレオチドからなる。一つの好ましい実施形態において、入力オリゴヌクレオチドは、各末端に突出部配列を有する二本鎖オリゴヌクレオチドである。一端での突出部配列は初期オリゴヌクレオチドの突出部配列に対して相補性であり、一方、入力オリゴヌクレオチドおよび初期オリゴヌクレオチドの結紮後、他の末端での突出部配列は次のサイクルの初期オリゴヌクレオチドの突出部配列になる。1つの実施形態において、3つの突出部配列はすべて長さが2から6ヌクレオチドであり、入力オリゴヌクレオチドのエンコーディング配列は長さが3から10ヌクレオチドであり、好ましくは、3から6ヌクレオチドの長さである。特定の実施形態において、突出部配列は全て長さが2ヌクレオチドであり、エンコーディング配列は長さが5ヌクレオチドである。
図4において示される実施形態において、入力ストランドは初期オリゴヌクレオチドの3’末端と相補性である領域をその3’末端に有し、両ストランドの5’末端で突出部が残される。5’末端は、例えば、DNAポリメラーゼ、例えば、ベントポリメラーゼを用いてうめることができ、その結果、二本鎖の伸長されたオリゴヌクレオチドが得られる。このオリゴヌクレオチドのボトムストランドを除去することができ、追加の配列を同じ方法を用いてトップストランドの3’末端に添加できる。
エンコーディングオリゴヌクレオチドタグは、それぞれの連続したビルディングブロックを同定するオリゴヌクレオチドの連続した添加の結果として形成される。本発明の方法の1つの実施形態において、連続オリゴヌクレオチドタグを酵素結紮によりカップリングさせることができ、エンコーディングオリゴヌクレオチドを得る。
酵素により触媒されたオリゴヌクレオチドの結紮は、核酸フラグメントを結紮する能力を有する任意の酵素を用いて行うことができる。酵素の例は、リガーゼ、ポリメラーゼ、およびトポイソメラーゼを包含する。本発明の特定の実施形態において、DNAリガーゼ(EC 6.5.1.1)、DNAポリメラーゼ(EC 2.7.7.7)、RNAポリメラーゼ(EC 2.7.7.6)またはトポイソメラーゼ(EC 5.99.1.2)は、オリゴヌクレオチドを結紮するために使用される。各ECクラスに含まれる酵素は、例えば、Bairoch(2000) Nucleic Acids Research 28:304−5において記載されているようにして、見出すことができる。
好ましい実施形態において、本発明の方法において使用されるオリゴヌクレオチドは、オリゴデオキシヌクレオチドであり、オリゴヌクレオチド結紮を触媒するために使用される酵素は、DNAリガーゼである。結紮がリガーゼの存在下で起こるために、すなわち、ホスホジエステル結合が2つのオリゴヌクレオチド間で形成されるために、1つのオリゴヌクレオチドは遊離5’ホスフェート基を有さなければならず、他のオリゴヌクレオチドは遊離3’ヒドロキシル基を有さなければならない。本発明の方法において用いることができるDNAリガーゼの例は、T4 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、T RNAリガーゼ、DNAリガーゼ(イー・コリ)(全て、例えば、New England Biolabs、MAから入手可能である)を包含する。
当業者は、結紮に使用される各酵素は、温度、緩衝液濃度、pHおよび時間などの特定の条件下で最適の活性を有することを理解するであろう。これらの条件のそれぞれは、オリゴヌクレオチドタグの最適結紮を得るために、例えば、製造業者の指示に従って調節することができる。
入力オリゴヌクレオチドは任意の望ましい長さのものであり得るが、好ましくは少なくとも3ヌクレオ塩基の長さである。さらに好ましくは、入力オリゴヌクレオチドは4以上のヌクレオ塩基の長さである。1つの実施形態において、入力オリゴヌクレオチドは3から約12ヌクレオ塩基の長さである。本発明のライブラリーにおける分子のオリゴヌクレオチドが、当該分野において公知のように、PCRのプライマーとして機能できる共通末端配列を有することが好ましい。このような共通末端配列を、ライブラリー合成の最終サイクルにおいて添加される入力オリゴヌクレオチドの末端として組み入れることができるか、または、例えば、本明細書において開示される酵素結紮法を用いて、ライブラリー合成後に添加することができる。
本発明の方法の好ましい実施形態を図5に記載する。プロセスは、その5’末端で、アミノ基を末端とするリンカーに結合された合成DNA配列で始まる。段階1において、この出発DNA配列を入力DNA配列とスプリントDNAストランド、DNAリガーゼおよびジチオトレイトールの存在下、トリス緩衝液中で結紮する。これにより、標識されたDNA配列を得、これをその後次の段階において直接用いることができるか、または次の段階に進む前に、例えば、HPLCまたはエタノール沈殿を用いて精製することができる。段階2において、標識されたDNAを保護された活性化アミノ酸(この例においては、Fmoc−保護アミノ酸フルオリド)と反応させて、保護アミノ酸−DNA接合体を得る。段階3において、保護されたアミノ酸−DNA接合体を、例えば、ピペリジンの存在下で脱保護し、得られた脱保護接合体を、任意に、例えば、HPLCまたはエタノール沈殿により精製する。脱保護接合体は、第一合成サイクルの生成物であり、第二サイクルの出発物質になり、これは第二アミノ酸残基を脱保護接合体の遊離アミノ基に添加する。
選択された分子のエンコーディングオリゴヌクレオチドを増幅および/または配列決定するためにPCRが使用される実施形態において、エンコーディングオリゴヌクレオチドは、例えば、PCRプライマー配列および/またはシークエンシングプライマー(例えば、プライマー、例えば、3’−GACTACCGCGCTCCCTCCG−5’および3’−GACTCGCCCGACCGTTCCG−5’)を含む。PCRプライマー配列は、たとえば、合成の第一サイクル前に初期オリゴヌクレオチド中に含めることができる、および/または第一入力オリゴヌクレオチドとともに含めることができる、および/またはライブラリー合成の最終サイクル後にエンコーディングオリゴヌクレオチドに結紮することができる、および/または最終サイクルの入力オリゴヌクレオチド中に含めることができる。ライブラリー合成の最終サイクル後に添加される、および/または最終サイクルの入力オリゴヌクレオチド中のPCRプライマー配列は、本明細書において、「キャッピング配列」と称する。
1つの実施形態において、PCRプライマー配列は、エンコーディングオリゴヌクレオチドタグ中に設計される。例えば、PCRプライマー配列を初期オリゴヌクレオチドタグ中に組み入れることができる、および/または最終オリゴヌクレオチドタグ中に組み入れることができる。1つの実施形態において、同じPCRプライマー配列が初期および最終オリゴヌクレオチドタグ中に組み入れられる。もう一つ別の実施形態において、第一PCR配列が初期オリゴヌクレオチドタグ中に組み入れられ、第二PCRプライマー配列が最終オリゴヌクレオチドタグ中に組み入れられる。別法として、第二PCRプライマー配列を本明細書において記載されるキャッピング配列中に組み入れることができる。好ましい実施形態において、PCRプライマー配列は少なくとも約5、7、10、13、15、17、20、22、または25ヌクレオチドの長さである。
本発明のライブラリーにおける使用に適したPCRプライマー配列は当該分野において公知であり;好適なプライマーおよび方法は、例えば、Innis、et al.、eds.、PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications、San Diego:Academic Press(1990)(その内容は全体として本発明の一部として参照される)に記載されている。本明細書において記載されるライブラリーの構築において使用される他の好適なプライマーは、PCT公開WO 2004/069849およびWO 2005/003375(その内容は、本発明の一部として参照される)において記載されているプライマーである。
本明細書において、プライマー伸長法により合成されるプライマー、プローブおよび核酸フラグメントまたはセグメントに関して用いられる「ポリヌクレオチド」なる用語は、2以上、好ましくは3より多いデオキシリボヌクレオチドからなる分子として定義される。
本明細書において用いられる「プライマー」なる用語は、核酸制限消化から精製されるか、または合成により生成されるかにかかわらず、核酸ストランドに対して相補性であるプライマー伸長生成物の合成が誘発される条件下に置かれた場合、すなわち、ヌクレオチドおよび重合用薬剤、例えば、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素などの存在下、好適な温度およびpHで、核酸合成の開始点として作用できるポリヌクレオチドを意味する。プライマーは好ましくは、最大効率を得るためには一本鎖であるが、別法として、二本鎖形態であってもよい。二本鎖であるならば、伸長生成物を調製するために使用される前に、相補ストランドから分離するためにプライマーをまず処理する。好ましくは、プライマーはポリデオキシリボヌクレオチドである。プライマーは、重合用薬剤の存在下で伸長生成物の合成を準備するために十分長くなければならない。プライマーの正確な長さは、温度およびプライマー源をはじめとする多くの因子に依存する。
本発明において使用されるプライマーは、増幅されるそれぞれの特異的配列の異なるストランドに対して「実質的」に相補性であるように選択される。これは、そのそれぞれのテンプレートストランドと非ランダムにハイブリダイズするために、プライマーが実質的に素十分相補性でなければならないことを意味する。従って、プライマー配列は、テンプレートの正確な配列を反映しても、しなくてもよい。
ポリヌクレオチドプライマーは、任意の好適な方法、例えば、Narang et al.、(1979)Meth. Enzymol.、68:90;米国特許第4,356,270号、米国特許第4,458,066号、米国特許第4,416,988号、米国特許第4,293,652号;およびBrown et al.、(1979)Meth. Enzymol.、68:109において記載されているホスホトリエステルまたはホスホジエステル法を用いて調製することができる。前記文献の全ての内容は、本発明の一部として参照される。
PCRプライマー配列が入力オリゴヌクレオチド中に含まれる場合において、これらの入力オリゴヌクレオチドは、好ましくは、他のサイクルにおいて添加される入力オリゴヌクレオチドよりも著しく長い。これは、これらがエンコーディング配列およびPCRプライマー配列の両方を含むからである。
1つの実施形態において、最終ビルディングブロックおよび最終入力オリゴヌクレオチドの添加後、キャッピング配列を添加し、前述のライブラリーの合成は、キャッピング配列をエンコーディングオリゴヌクレオチドと結紮して、実質的に全てのライブラリーメンバーのオリゴヌクレオチド部分がPCRプライマー配列を含む配列で終わるようにする段階を含む。好ましくは、キャッピング配列を、最終合成サイクルの生成物であるプールされたフラクションに結紮することにより添加する。ライブラリーの構築において使用される酵素プロセスを用いて、キャッピング配列を添加することができる。
1つの実施形態において、同じキャッピング配列をライブラリーの全てのメンバーと結紮する。もう一つ別の実施形態において、複数のキャッピング配列が使用される。この実施形態において、様々な塩基を含有するオリゴヌクレオチドキャッピング配列を、例えば、ライブラリーメンバー上に、最終合成サイクル後に結紮する。1つの実施形態において、最終合成サイクル後、フラクションをプールし、次に再度フラクションに分割する(各フラクションは異なるキャッピング配列が添加されている)。別法として、最終合成サイクル後に、複数のキャッピング配列をプールされたライブラリーに添加することができる。両方の実施形態において、最終ライブラリーメンバーは、2以上の異なるキャッピング配列を含む同定オリゴヌクレオチドと結合した特異的官能部分を含む分子を含む。
1つの実施形態において、キャッピングプライマーは、様々な、すなわち、縮重ヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチド配列を含む。キャッピングプライマー内のこのような縮重塩基により、ビルディングブロックの組み合わせがPCR複製(同じ配列)の結果であるか、または分子の独立した存在(異なる配列)の結果であるかを決定することにより、興味のあるライブラリー分子の同定が可能になる。例えば、このような縮重塩基は、エンコードされたライブラリーの生物学的スクリーニングの間に同定される誤検出の見込数を減少させる。
1つの実施形態において、縮重キャッピングプライマーは次の配列を含むかまたは有する:
Figure 2009513135
ここで、Nは4塩基のいずれかであり、1024の異なる配列(4)が可能である。プライマーはライブラリー上へのその結紮およびプライマー伸長後に次の配列を有する:
5’−CAGCGTTCGA N’N’N’N’N’CAGACAAGCTTCACCTGC−3’
3’−AA GTCGCAAGCT N N N N N GTCTGTTCGAAGTGGACG−5’
もう一つ別の実施形態において、キャッピングプライマーは次の配列を含むかまたは有する:
3’−AA GTCGCAAGCTACG ABBBABBBABBBA GACTACCGCGCTCCCTCCG
Figure 2009513135
ここで、BはC、GまたはTのいずれかであり、19,683の異なる配列(3)が可能である。縮重B塩基の側面に位置し、中断するA塩基は、3塩基より大きなホモポリマーストレッチを防止し、配列アライメントを促進するので、このプライマーにおける縮重領域のデザインは、DNA配列分析を向上させる。
1つの実施形態において、縮重キャッピングオリゴヌクレオチドをライブラリーのメンバーと、好適な酵素を用いて結紮し、縮重キャッピングオリゴヌクレオチドの上部ストランドを次に好適な酵素、例えば、DNAポリメラーゼを用いて重合する。
もう1つ別の実施形態において、PCRプライミング配列は「ユニバーサルアダプター」または「ユニバーサルプライマー」である。本明細書において用いられる場合、「ユニバーサルアダプター」または「ユニバーサルプライマー」は、独自のPCRプライミング領域、すなわち、例えば、約5、7、10、13、15、17、20、22、または25ヌクレオチドの長さの領域を含有するオリゴヌクレオチドであって、独自の配列決定プライミング領域、すなわち、例えば、約5、7、10、13、15、17、20、22、または25ヌクレオチドの長さの領域に隣接した位置にあり、任意に、4つのデオキシリボヌクレオチド(すなわち、A、C、G、T)のそれぞれの少なくとも1つからなる独自の特異なキー配列(またはサンプル識別子配列)が後に続くものである。
本明細書において用いられる場合、「特異なキー配列」または「サンプル識別子配列」なる用語は、サンプルからの分子の集団を独自に標識するために使用できる配列をさす。複数のサンプルであって、それぞれが独自のサンプル識別子配列を含有するものを混合し、配列決定し、個々のサンプルの分析のためのDNA配列決定後に配列決定および再分類することができる。同じ特異な配列を全ライブラリーについて用いることができるか、あるいは異なる特異なキー配列を用いて、異なるライブラリーを追跡することができる。1つの実施形態において、特異なキー配列は、5’PCRプライマー、3’PCRプライマー、または両プライマー上のいずれかである。両PCRプライマーがサンプル識別子配列を含有するならば、独自のサンプル識別子配列とともにプールできる異なるサンプルの数は各プライマー上のサンプル識別子配列の数の積である。したがって、10の異なる5’サンプル識別子配列プライマーを10の異なる3’サンプル識別子配列と組み合わせて、100の異なるサンプル識別子配列組み合わせを得ることができる。
特異なキー配列を含有する5’および3’独自PCRプライマーの非制限的例は、次のものを包含する:
Figure 2009513135
Figure 2009513135
Figure 2009513135
1つの実施形態において、特異なキー配列は約4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチドの長さである。もう1つ別の実施形態において、特異なキー配列は約1−4ヌクレオチドの組み合わせである。さらに別の実施形態において、各ユニバーサルアダプターは約44ヌクレオチドの長さである。1つの実施形態において、ユニバーサルアダプターは、T4 DNAリガーゼを用いて、エンコーディングオリゴヌクレオチドの末端上に結紮される。異なるユニバーサルアダプターを、各ライブラリー調製について特異的に設計することができ、従って、各ライブラリーの独自の識別子を提供する。ユニバーサルアダプターのサイズおよび配列は当業者により必要であるとして修飾され得る。
1つの実施形態において、キャッピング配列として添加されるユニバーサルアダプターを支持体結合部分に連結させる。例えば、5’−ビオチンをユニバーサルアダプターに添加して、例えば、一本鎖DNAテンプレートの単離、ならびにユニバーサルアダプターの、ビオチン結合タンパク質(すなわち、ストレプトアビジン、ニュートロアビジンまたはアビジン)で飽和された固体支持体表面への非共有カップリングを可能にする。他の結合は当該分野において周知であり、ビオチン−ストレプトアビジン(例えば抗体/抗原−エピトープ、レセプター/リガンドおよびオリゴヌクレオチド対合または相補性)の代わりに使用できる。
もう一つ別の実施形態において、キャッピング配列はアンカープライマー配列を含有し、したがって、ライブラリーのメンバーは固体支持体に結合できる。1つの実施形態において、承認された技術を用いてアンカープライマー配列をキャッピング配列にアニールする(例えば、Hatch、et al.(1999) Genet. Anal Biomol Engineer 15:35−40;米国特許第5,714,320号、および米国特許第5,854,033号参照)。一般に、アンカープライマーをキャッピング配列にアニールするための任意の手順は、結果として、特異的な、すなわち、アンカープライマー配列中のアダプター領域とキャッピング配列中に存在する配列間に完全またはほぼ完全な相補性が形成される限り、好適である。エンコーディングオリゴヌクレオチドの固体表面に対する固定は可逆的または不可逆的であり、例えば、固体表面に対するアンカーは開裂可能であるか、または非開裂可能である。
1つの実施形態において、ユニバーサルプライマーは、ユニバーサルアダプター末端のPCRプライミング領域に対して相補性であるオリゴヌクレオチド捕捉プライマーを含有する固体支持体にアニールされる。
1つの実施形態において、固体支持体はビーズ、例えばセファロースビーズである。ビーズは、任意の都合のよいサイズであり、任意の数の公知材料から加工することができる。かかる材料の例は:無機物質、天然ポリマー、および合成ポリマーを包含する。これらの材料の具体例は:セルロース、セルロース誘導体、アクリル樹脂、ガラス;シリカゲル、ポリスチレン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ビニルおよびアクリルアミドのコポリマー、ジビニルベンゼンなどと架橋したポリスチレン(Merrifield(1964) Biochemistry 3:1385−1390参照)、ポリアクリルアミド、ラテックスゲル、ポリスチレン、デキストラン、ゴム、シリコン、プラスチック、ニトロセルロース、セルロース、天然スポンジ、シリカゲル、ガラス、金属プラスチック、セルロース、架橋デキストラン(例えば、SephadexTM)およびアガロースゲル(SepharoseTM)および当業者に公知の固相支持体を包含する。
エンコーディングオリゴヌクレオチドは、固体支持体捕捉ビーズ(DNA捕捉ビーズ) に、当該分野において公知の任意の方法で結合させることができる。当該分野において公知の任意の好適なカップリング剤、例えば、水溶性カルボジイミドを用いて、DNA上の5’−ホスフェートをアミンでコートされた捕捉ビーズに、ホスホアミデート結合により結合させることができ、類似の化学反応を用い、DNAをビーズ上のリンカーと結合させるDNAリガーゼを用いて特異的オリゴヌクレオチドリンカーをビーズにカップリングさせ、N−ヒドロキシスクシンアミド(NHS)およびその誘導体を用いてオリゴヌクレオチドをビーズに結合させて、オリゴヌクレオチドの一端が、固体支持体と共有結合を形成する反応性基(例えば、アミド基)を含有し、一方、リンカーの他の末端は、固定化されるオリゴヌクレオチドと結合できる第二反応性基を含有する。
もう一つ別の実施形態において、オリゴヌクレオチドは非共有結合、例えば、キレート化によりDNA捕捉ビーズと結合するか、または抗原−抗体複合体を用いて、オリゴヌクレオチドをビーズと結合させることができる。DNAフラグメントの末端、例えば、制限酵素部位からの重複する末端またはバクテリオファージラムダベースのクローニングベクターの「付着末端」で独自の配列と特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドリンカーを用いることができるが、平滑末端結紮も有利に使用できる。これらの方法は、米国特許第5,674,743号において詳細に記載されている。ビーズを固定化するために使用される任意の方法は、固定化されたオリゴヌクレオチドを本発明の方法における段階全体にわたって結合し続けることが好ましい。
1つの実施形態において、オリゴヌクレオチドを、例えば、ガラス、プラスチック、ナイロン膜、ゲルマトリックス、セラミックス、シリカ、シリコン、または米国特許第6,787,308号(本発明の一部として参照される)において記載されているような、任意の他の非反応性物質から製造さえる固体支持体に付着させる。支持体表面は、一般的に、平らな、すなわち、平面的な表面、または少なくとも分析される分子が同じ平面にある配置を含む。オリゴヌクレオチドを特異的共有または非共有結合性相互作用により付着させることができる。本発明の1つの実施形態において、支持体の表面はストレプトアビジンまたはアビジンでコートされる。本発明のもう一つ別の実施形態において、固体支持体はエポキシドでコートされ、分子はアミン結合によりカップリングされる。さらに別の実施形態において、エンコーディングオリゴヌクレオチドを固体支持体に、固体支持体にあらかじめ付着させた相補性核酸分子とのハイブリダイゼーションにより付着させることができる。
1つの実施形態において、固体支持体を前処理して、オリゴヌクレオ付着および次の配列分析を容易にする界面化学を形成する。1つの実施形態において、固体支持体を高分子電解質多層(PEM)でコートする。もう一つ別の実施形態において、エンコーディングオリゴヌクレオチドを微細加工チャンネルの表面または微細加工フローチャンネルに沿って配置された反応チャンバーの表面に付着させる。これらの付着法のそれぞれの方法は、PCT公開番号WO 2005/080605(その全内容は本発明の一部として参照される)において記載されている。
1つの実施形態において、エンコーディングオリゴヌクレオチドを固体表面に高密度で、単一分子解像度で付着させる。1つの実施形態において、エンコーディングオリゴヌクレオチドを個別にアドレス可能な位置で固体表面に付着させる(例えば、PCT公開番号WO 2005/080605参照)。
エンコーディングオリゴヌクレオチドの任意の好適な固体表面への付着は、増幅および/または配列決定のためのプライマーのハイブリダイゼーション前に起こり得るか、あるいは エンコーディングオリゴヌクレオチドは、増幅および/または配列決定のためのプライマーのハイブリダイゼーション後に任意の好適な固体表面に付着させることができる。
もう一つ別の実施形態において、オリゴヌクレオチドを、粒子、例えば、マイクロスフェアであって、それ自体が固体支持体に付着しているものに付着させる。マイクロスフェアは、任意の好適なサイズ、典型的には、直径10nmから100nmの範囲であってよい。
1つの実施形態において、ユニバーサルアダプターは5’−リン酸化されていない。したがって、当該分野において承認された技術に従ってニック付DNAフラグメントに結合し、ストランド置換し、伸長することができるDNAポリメラーゼ酵素を使用することにより、「ギャップ」または「ニック」を埋めることができる。3’−> 5’エキソヌクレアーゼ活性が欠如しているが、5’ −> 3’エキソヌクレアーゼ活性を示すDNAポリメラーゼは、結果として非ニック付二本鎖DNAの修復を形成する方法で、ニックを認識し、ニック付ストランドを置換し、ストランドを伸長する能力を有する(Hamilton、et al.(2001) BioTechniques 31:370)
いくつかの修飾酵素(ポリメラーゼ、リガーゼおよびキナーゼを包含するが、これに限定されない)はニック修復段階に利用される。この用途に使用できるDNAポリメラーゼは、例えば、イー・コリDNA pol I、Thermoanaerobacter thermohydrosulfuricus pol I、およびバクテリオファージphi 29を包含する。1つの実施形態において、ストランド置換酵素Bacillus stearothermophilus pol I(Bst DNAポリメラーゼI)がニック付dsDNAを修復するために使用され、その結果、非ニック付dsDNAが得られる。もう一つ別の実施形態において、リガーゼはT4であり、キナーゼはポリヌクレオチドキナーゼである。
本発明はさらに、本発明の方法を用いて産生できる化合物、およびかかる化合物(単離種または化学構造のライブラリーを形成するためにプールされる)の集合にも関する。本発明の化合物は、式

Figure 2009513135
の化合物を包含し、式中、Xは、1以上のビルディングブロックを含む官能部分であり、Zはその3’末端でBに付着したオリゴヌクレオチドであり、YはCにその5’末端で付着するオリゴヌクレオチドである。Aは、Xと共有結合を形成する官能基であり、Bは、Zの3’末端と結合を形成する官能基であり、Cは、Yの5’末端と結合を形成する官能基である。D、FおよびEは、官能基A、CおよびBを、中心原子または骨格であるSと連結する化学基である、好ましくは、D、EおよびFはそれぞれ独立して、原子の鎖、例えば、アルキレン鎖またはオリゴ(エチレングリコール)鎖であり、D、EおよびFは同一または異なり得て、好ましくは、2つのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションおよび官能部分の合成を行うのに有効である。
好ましくは、YおよびZは実質的に相補性であり、Watson−Crick塩基対合および二本鎖形成を好適な条件下で可能にするために化合物において配向している。YおよびZは同じ長さであるか、または異なる長さである。好ましくは、YおよびZは同じ長さであるか、またはYおよびZの一方は他方よりも1から10塩基長い。好ましい実施形態において、YおよびZはそれぞれ10塩基以上の長さであり、10塩基対以上の相補性領域を有する。さらに好ましくは、YおよびZはその長さ全体にわたって実質的に相補性である。すなわち、これらは10塩基対ごとに1以下のミスマッチを有する。最も好ましくは、YおよびZはその長さ全体にわたって、相補性である。すなわち、YまたはZ上の突出部を除いて、ストランドはWatson−Crick塩基対合により、その全長にわたってミスマッチなしにハイブリダイズする。
Sは1つの原子または分子骨格であり得る。例えば、Sは炭素原子、ホウ素原子、窒素原子またはリン原子、あるいは多原子骨格、例えば、ホスフェート基または環状基、例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリールまたはヘテロアリール基であり得る。1つの実施形態において、リンカーは構造
Figure 2009513135
の基であり、式中、n、mおよびpのそれぞれは、独立して、1から約20、好ましくは2から8、さらに好ましくは、3から6の整数である。一つの好ましい実施形態において、リンカーは以下に示す構造を有する
Figure 2009513135
1つの実施形態において、本発明のライブラリーは、ビルディングブロックから構成される官能部分からなる分子を含み、ここで、各官能部分は、エンコーディングオリゴヌクレオチドと操作可能に結合している。エンコーディングオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列は、官能部分において存在するビルディングブロックを示し、いくつかの実施形態においては、ビルディングブロックの結合性および配列を示す。本発明は、官能部分を構築するために使用される方法およびオリゴヌクレオチドタグを構築するために使用される方法は、同じ反応媒体、好ましくは、水性媒体中で行うことができ、従って、従来技術における方法と比較して、ライブラリーを調製する方法が簡素化されるという利点を提供する。オリゴヌクレオチド結紮段階およびビルディングブロック添加段階がどちらも水性媒体中で行うことができる、ある実施形態において、各反応は異なるpH最適値を有する。これらの実施形態において、ビルディングブロック添加反応は、好適な水性緩衝液中、好適なpHおよび温度で行うことができる。緩衝液を次に、オリゴヌクレオチド結紮に適したpHを提供する水性緩衝液に交換することができる。
もう一つ別の実施形態において、本発明は、式IIの化合物、およびかかる化合物を含むライブラリーを提供する
Figure 2009513135
(II)
式中、Xは分子骨格であり、各Yは独立して、末梢部分であり、nは1から6の整数である。各Aは独立してビルディングブロックであり、nは0から約5の整数である。Lは結合部分であり、Zは一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドであって、構造−A−X(Y)を特定するものである。構造X(Y)は、例えば、表8(下記参照)に記載される骨格構造の一つである。1つの実施形態において、本発明は式IIIの化合物、およびかかる化合物を含むライブラリーを提供する
Figure 2009513135
(III)
式中、tは0から約5、好ましくは、0から3の整数であり、各Aは独立してビルディングブロックである。Lは結合部分であり、Zは一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドであって、各AおよびR、R、RおよびRを特定するものである。R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、置換基水素、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、および置換アミノから選択される置換基である。1つの実施形態において、各Aはアミノ酸残基である。
式IIまたは式IIIの化合物を含むライブラリーは、少なくともabout 100;1000;10,000;100,000;1,000,000 または10,000,000の式IIまたは式IIIの化合物を含むことができる。1つの実施形態において、ライブラリーは、少なくとも約100;1000;10,000;100,000;1,000,000または10,000,000の式IIまたは式IIIの化合物を含むライブラリーを作製するために設計される方法により調製される。
Figure 2009513135
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本発明の方法の一つの利点は、膨大な数の化合物を含むライブラリーを調製するために使用できることである。公知方法、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いてエンコーディングオリゴヌクレオチド配列を増幅できることは、比較的少ないコピーが回収される場合でも、選択された分子を同定できることを意味する。これにより、その高い複雑さのために、比較的少ない所定のライブラリーメンバーを含むか、または非常に大きな体積を使用することを必要とする、非常に大きなライブラリーの実用化が可能になる。例えば、10の独自の構造からなるライブラリーであって、それぞれの構造が1 x 1012コピー(約1ピコモル)を有し、1μMの有効濃度の約100Lの溶液を必要とするもの。同じライブラリーに関して、各メンバーが1,000,000コピーにより表されるならば、必要な体積は、1μMの有効濃度で100μLである。
好ましい実施形態において、ライブラリーは約10から約1015の各ライブラリーメンバーを含む。ライブラリーメンバー間で合成の有効性に差があるならば、異なるライブラリーメンバーは所定のライブラリーにおいて異なる数のコピーを有することが可能である。従って、ライブラリー中に理論的に存在する各メンバーの数は同じであるが、任意の所定のライブラリーメンバーの実際の数は、他のメンバーの数と関係ない。本発明の化合物ライブラリーは、少なくとも約10、10または10の各ライブラリーメンバー、あるいは実質的に全てのライブラリーメンバーを含む。「実質的に全て」のライブラリーメンバーとは、少なくとも約85%のライブラリーのメンバー好ましくは、少なくとも約90%、さらに好ましくは、少なくとも約95%のライブラリーのメンバーを意味する。
好ましくは、ライブラリーは、複数回(すなわち2以上)の生物学的標的に対する選択を、行うことができ、残存する分子のオリゴヌクレオチドタグの増幅を可能にする選択の最終回後に十分な量の結合分子が残存し、従って、結合分子の官能部分の同定が可能になる、十分な数の各メンバーを含む。 かかる選択プロセスの概略図を図6に示し、図中、1および2はライブラリーメンバーを表し、Bは標的分子であり、XはBと操作可能に結合した部分であって、選択培地からのBの除去を可能にするものである。この例において、化合物1はBと結合し、一方、化合物2はBと結合しない。ラウンド1において図示される選択プロセスは、(I)化合物1および2を含むライブラリーをB−Xと、化合物1のBに対する結合に適した条件下で接触させ;(II)未結合化合物2を除去し、(III)化合物1をBから解離させ、BXを反応媒体から除去することを含む。ラウンド1の結果は、化合物2に対して化合物1が豊富である分子の集団である。段階I−IIIを採用する次のラウンドの結果、化合物2に対して化合物1がさらに濃縮される。3ラウンドの選択を図6において示すが、非結合分子に対して望ましい濃度の結合分子を得るために、実際、任意の数のラウンド、例えば、1ラウンドから10ラウンドを用いることができる。
図6において示される実施形態において、選択のラウンドのいずれかの後に残存する化合物の増幅(より多くのコピーの合成)がない。このような増幅は、選択後に残存する化合物の相対量と一致しない化合物の混合物をもたらす。この不一致は、ある化合物が他の化合物よりも容易に合成され得るので、選択後のその存在に比例しない方法で増幅され得るという事実のためである。例えば、化合物2が化合物1よりも容易に合成され得るならば、ラウンド2後に残存する分子の増幅の結果、化合物1に対して化合物2の不均衡な増幅になり、結果として得られる化合物の混合物は、化合物2に対して化合物の濃度がずっと低い(もしあれば)。
1つの実施形態において、標的は固体支持体上に、任意の公知固定化技術により固定化される。固体支持体は、例えば、クロマトグラフィーカラムまたは膜内に含まれる水不溶性マトリックスであり得る。エンコードされたライブラリーを、クロマトグラフィーカラム内に含まれる水不溶性マトリックスに適用することができる。カラムを次に洗浄して、非特異性バインダーを除去する。標的結合化合物を次に、pH、塩濃度、有機溶媒濃度を変えることによるか、または他の方、例えば、標的に対する公知リガンドに対する競合法により解離させることができる。
もう一つ別の実施形態において、標的は溶液中フリーで、エンコードされたライブラリーとともにインキュベートされる。標的と結合する化合物(本明細書においては、「リガンド」とも称する)はサイズ分離段階、例えば、ゲル濾過または限外濾過により選択的に単離される。1つの実施形態において、エンコードされた化合物の混合物および標的生体分子を、任意のリガンド−標的複合体を未結合化合物から分離する、サイズ排除クロマトグラフィーカラム(ゲル濾過)に通す。リガンド−標的複合体を、リガンドを標的から解離させる、逆相クロマトグラフィーカラムに移す。解離したリガンドを次にエンコーディングオリゴヌクレオチドのPCR増幅および配列分析により分析する。この方法は、標的の固定化の結果、活性が失われる状況において特に有利である。
従って、本発明の一つの態様において、本明細書において記載されるようにして産生され、生物学的標的と結合する1以上の化合物を同定し、次に生物学的標的と結合する化合物のライブラリーのメンバーの官能部分の構造を決定する方法が提供される。
例えば、1つの実施形態において、生物学的標的と結合する1以上の化合物は:
(A)化合物のライブラリーを合成し(ここで、化合物は:
(i)mのイニシエーター化合物を含む溶液を提供し(ここで、mは1以上の整数であり、イニシエーター化合物は、nのビルディングブロックを含む官能部分(ここで、nは1以上の整数である)であって、nのビルディングブロックを同定する初期オリゴヌクレオチドと操作可能に結合するものからなり;
(ii)段階(i)の溶液をrの反応容器中に分割し(ここで、rは2以上の整数である)、これにより、溶液のrのアリコートを作製し;
(iii)各反応容器中のイニシエーター化合物をrのビルディングブロックの1つと反応させ、これにより、初期オリゴヌクレオチドと操作可能に結合したn+1のビルディングブロックを含む官能部分からなる化合物を含むrのアリコートを作製し;
(iv)各アリコート中の初期オリゴヌクレオチドを、rの独立した入力オリゴヌクレオチドの組の一つと、入力オリゴヌクレオチドおよび初期オリゴヌクレオチドを触媒する酵素の存在下、入力オリゴヌクレオチドおよび初期オリゴヌクレオチドの酵素結紮に適した条件下で反応させ;これにより、n+1のビルディングブロックをエンコードする伸長されたオリゴヌクレオチドと操作可能に結合したn+1のビルディングブロックを含む官能部分からなる分子のrのアリコートを作製する
ことにより、官能部分の構造を特定する初期オリゴヌクレオチドと操作可能に結合する2以上のビルディングブロックを含む官能部分を含む);
(B)生物学的標的を化合物のライブラリー、またはその一部と、化合物のライブラリーの少なくとも1つのメンバーが標的と結合するために適した条件下で接触させ;
(C)標的と結合しないライブラリーメンバーを除去し;
(D)標的と結合する化合物のライブラリーの少なくとも1つのメンバーのエンコーディングオリゴヌクレオチドを配列決定し;
(E)生物学的標的と結合する化合物のライブラリーのメンバー,の官能部分の構造を決定するために、段階(D)において決定された配列を使用し、これにより生物学的標的と結合する1以上の化合物を同定することを含む方法により同定することができる。
1つの実施形態において、方法は縮重キャッピングオリゴヌクレオチドを化合物のライブラリーのメンバーと、結紮を触媒する酵素の存在下で結紮し、縮重キャッピングオリゴヌクレオチドを、DNAの重合を触媒する酵素と重合させることをさらに含む。
1つの実施形態において、方法は、配列決定前に標的と結合する化合物のライブラリーの少なくとも1つのメンバーのエンコーディングオリゴヌクレオチドを増幅することをさらに含み得る。
本発明の1つの実施形態において、ライブラリーの選択および濃縮は、オリゴヌクレオチドアレイを用いてモニターされる。例えば、化合物のライブラリーは、固体表面、例えば、オリゴヌクレオチドを含むチップ、例えば、Affymetrixオリゴヌクレオチドチップとハイブリダイズさせることができ、これを次に蛍光発光させて、表面に結合したオリゴヌクレオチドタグを検出する。所望の生物活性を有する化合物を同定するために、このハイブリダイゼーションをスクリーニングプロセスの各連続した段階で繰り返すことができる。
1つの実施形態において、前記のようにビーズを捕捉するために任意に結合していてもよいエンコーディングオリゴヌクレオチドを含む化合物のライブラリーを、熱安定油中みずエマルジョンとして乳化させて、PCT公開WO 2004/069849、WO 2005/003375、およびWO 2005/073410において記載されている方法に従って、マイクロカプセルを形成する。1つの実施形態において、オリゴヌクレオチドタグ(付着したビーズの有無を問わない)を増幅溶液中に懸濁して、例えば、「マイクロリアクター」を形成することにより、エマルジョンを生成させることができる。本明細書において用いられる場合、「増幅溶液」なる用語は、テンプレートDNAの増幅を行うために必要な試薬の十分な混合物を意味する。増幅溶液の一例は、PCR増幅溶液であって、当業者が容易に調製できるものである。
本発明の1つの実施形態において、エンコーディングオリゴヌクレオチドを含む化合物のライブラリーを増幅させて、配列決定前に、エンコーディングオリゴヌクレオチド分子の数を増加させる。エンコーディングオリゴヌクレオチドを任意の好適なDNA増幅法、例えば、例えば、温度サイクル−ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば、Saiki、et al.(1995) Science 230:1350−1354;Gingeras、et al. WO 88/10315;Daveyら、欧州特許出願公開番号329,822;Millerら、WO 89/06700)、リガーゼ連鎖li反応(例えば、Barany(1991) Proc. Natl Acad. Sci. USA 88:189−193;Barringer、et al.(1990) Gene 89:117−122参照)、転写ベースの増幅(例えば、Kwoh、et al.(1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:1173−1177参照)等温増幅システム−自立配列複製(例えば、Guatelli、et al.(1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874−1878);Qpレプリカーゼシステム(例えば、Lizardi、et al.(1988) BioTechnology 6:1197−1202参照);ストランド置換増幅(Walker、et al.(1992) Nucleic Acids Res 20(7):1691−6;Walkerらにより記載されている方法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1992) l:89(l):392−6;Kievitsら(J Virol Methods(1991) 35(3):273−86;「race」(Frohman、In:PCR Protocols:A Guide to MethodsおよびApplications、Academic Press、NY(1990))により記載されている方法;「片側PCR」(Ohara、et al.(1989) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 86.5673−5677参照);「ジ−オリゴヌクレオチド」増幅、等温増幅(Walker、et al.(1992) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 89:392−396)、およびローリングサークル増幅(米国特許第5,714,320号において総説)により増幅することができる。
1つの実施形態において、選択されたライブラリーミックス中に存在するDNA分子の集団分布における任意の潜在的なひずみを最小限に抑えるために、エンコーディングオリゴヌクレオチドを含む化合物のライブラリーは、配列分析の前に増幅される。例えば、少量のライブラリーのみが選択段階後に回収され、典型的には、配列分析前にPCRを用いて増幅される。PCRは、選択されたライブラリーミックス中に存在するDNA分子の集団分布におけるひずみをもたらす可能性を有する。インプット分子の数が少なく、インプット分子が不十分なPCRテンプレートである場合に、これは特に問題である。早期サイクルで産生されるPCR産物は、共有二本鎖ライブラリーよりも有効なテンプレートであり、従って、最終増幅集団におけるこれらの分子の頻度は、当初のインプットテンプレートよりもはるかに高い。
したがって、PCRひずみのこのような可能性を最小限に抑えるために、本発明の1つの実施形態において、個々のライブラリーメンバーに対応する一本鎖オリゴヌクレオチドの集団は、例えば、反応において1つのプライマーを使用し、続いて2つのプライマーを用いてPCR増幅することにより産生される。このようにすることにより、PCRを用いたっすうてき増幅の前に、一本鎖プライマー伸長産物の直線的蓄積が存在し、蓄積したプライマー伸長産物における分子の多様性および分布は、当初のインプットテンプレート中に存在する分子の多様性および分布をより正確に反映するが、これは、増幅の対数期は、存在する当初の分子多様性の多くがプライマー伸長反応中に産生される分子の集団において表された後にのみ、指数増幅期が起こるためである。
好ましくは、DNA増幅はPCRにより行われる。PCR増幅法は、米国特許第4,683,192号、第4,683,202号、第4,800,159号、および第4,965,188号において記載され、少なくともPCR Technology:Principlesand Applications for DNA Amplification、H. Erlich、ed.、Stockton Press、New York(1989);およびPCR Protocols:A Guide to MethodsおよびApplications、Innis et al.、eds.、Academic Press、San Diego、Calif.(1990)において記載される。前記文献の全ての内容は、出典明示により本発明の一部として参照される。本発明の1つの実施形態において、テンプレートのPCR増幅は、ビーズに結合し、PCR反応に必要な試薬の全てを含むPCR溶液で封入されたオリゴヌクレオチドタグに関して行われ、本発明のもう一つ別の実施形態において、テンプレートのPCR増幅は、可溶性オリゴヌクレオチドタグ(すなわち、ビーズに結合していない)であって、PCR反応に必要な試薬の全てを含むPCR溶液で封入されたものに関して行われる。PCRはその後、エマルジョンを、当該分野において公知の任意の好適な熱サイクル法に付すことにより行われる。1つの実施形態において、30から50の間のサイクル、好ましくは、約40サイクルの増幅が行われる。増幅処置後に、1以上のハイブリダイゼーションおよび増幅のサイクル後に伸長サイクルがあるのが望ましいが、必要ではない。別の実施形態において、10から30サイクルの間、または約25サイクルのハイブリダイゼーションおよび伸長が行われる。1つの実施形態において、テンプレートDNAは、1つのビーズにつき、約2百万から5千万または約1千万から3千万のテンプレートDNAが固定化されるまで増幅される。
エンコーディングオリゴヌクレオチドタグ増幅後、エマルジョンを「破壊」(当該分野において「抗乳化」とも称する)される。エマルジョンを破壊する周知の方法が数多くあり(例えば、米国特許第5,989,892および本明細書において記載される文献)、当業者は適切な方法を選択することができる。 例えば、エマルジョンは、追加の油を添加することにより破壊することができ、エマルジョンを2相に分ける。油相を次に除去し、好適な有機溶媒(例えば、ヘキサン)を添加する。混合後、油/有機溶媒相を除去する。この段階を数回繰り返すことができる。最後に水性層を除去する。エンコーディングオリゴヌクレオチドがビーズに付着するならば、ビーズを次に有機溶媒/アニーリング緩衝液混合物で洗浄し、次にアニーリング緩衝液中で再度洗浄する。好適な有機溶媒は、アルコール、例えば、メタノール、エタノール等を含む。
例えば、公知技術に従ってシークエンシング反応において使用するために、増幅されたエンコーディングオリゴヌクレオチドを次に水溶液中に再懸濁させることができる。(例えばSanger、F. et al.(1977) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 75:5463−5467;Maxam & Gilbert(1977) Proc Natl Acad Sci USA 74:560−564;Ronaghi、et al.(1998) Science 281:363、365;Lysov、et al.(1988) Dokl Akad Nauk SSSR 303:1508−1511;Bains & Smith (1988) J TheorBiol 135:303−307;Drnanac、R. et al.(1989) Genomics 4:114−128;Khrapko、et al.(1989) FEBS Lett 256:118−122 ;Pevzner(1989) J Biomol Struct Dyn 7:63−73;Southern、et al.(1992) Genomics 13:1008−1017参照)。
ビーズに付着したエンコーディングオリゴヌクレオチドが、ピロホスフェートベースのシークエンシング反応(例えば、米国特許第6,274,320、6258,568号および第6,210,891号において記載、本発明の一部として参照される)において使用されるならば、PCR産物の第二ストランドを除去し、シークエンシングプライマーをビーズに結合した1つの標準的テンプレートにアニールする必要がある。
簡単に説明すると、任意の数の一般的に公知の方法、例えば、NaOH低イオン(例えば、塩)強度、または熱処理を用いて第二ストランドを溶融させる。溶融段階後、ビーズをペレット化し、上清を捨てる。ビーズをアニーリング緩衝液中に再懸濁させ、シークエンシングプライマーを添加し、標準的アニーリングサイクルを用いて、ビーズに付着した一本鎖テンプレートにアニールする。
増幅されたエンコーディングオリゴヌクレオチド(任意にビーズ上)を、直接または異なる反応容器中で配列決定させることができる。本発明の1つの実施形態において、エンコーディングオリゴヌクレオチドは、ビーズを反応容器に移し、シークエンシング反応(例えば、ピロホスフェートまたはSangerシークエンシング)に付すことにより、ビーズ上で直接配列決定させる、別法として、ビーズを単離することができ、エンコーディングオリゴヌクレオチドを各ビーズから除去し、配列決定することができる。それでも、シークエンシング段階を個々のビーズについて行うことができる、および/または核酸テンプレートを含有しないビーズを、たとえば、ビオチン−ストレプトアビジン磁気ビーズにより、反応容器に分配する前に除去することができる。ビーズを分離するための他の好適な方法は、例えば、Bauer、J.(1999) J. Chromatography B、722:55−69およびin Brody et al.(1999) Applied Physics Lett. 74:144−146において記載されている。
エンコーディングオリゴヌクレオチドタグが増幅されたら、タグの配列、最終的には選択された分子の組成を、核酸配列分析、ヌクレオチド配列の配列を決定するための周知の手順を用いて決定することができる。核酸配列分析は、(a)プローブストランド+その相補性標的のハイブリダイゼーションまたは変性に基づく生理化学的技術、および(b)ポリメラーゼを用いた酵素反応の組み合わせにより取り組むことができる。
前記のように官能部分を構成するビルディングブロックを同定するポリヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドタグのヌクレオチド配列は、当業者に公知のシークエンシング法の使用により決定することができる。好適な方法は、例えば、Sanger、F. et al.(1977) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 75:5463−5467;Maxam & Gilbert(1977) Proc Natl Acad Sci USA 74:560−564;Ronaghi、et al.(1998) Science 281:363、365;Lysov、et al.(1988) Dokl Akad Nauk SSSR 303:1508−1511;Bains & Smith (1988) J TheorBiol 135:303−307;Drnanac、R. et al.(1989) Genomics 4:114−128;Khrapko、et al.(1989) FEBS Lett 256:118−122 ;Pevzner(1989) J Biomol Struct Dyn 7:63−73;Southern、et al.(1992) Genomics 13:1008−1017)において記載されている。
好ましい実施形態において、オリゴヌクレオチドタグは、PCT 公開WO 2004/069849、WO 2005/003375、WO 2005/073410、およびWO 2005/054431(それぞれの内容は、本発明の一部として参照される)において記載される装置および方法を用いて配列決定される。
1つの実施形態において、シークエンシングプライマーをテンプレート核酸の領域にアニールし、次にシークエンシングプライマーをDNAポリメラーゼおよび公知ヌクレオチド三リン酸、すなわち、dATP、dCTP、dGTP、dTTP、またはこれらのヌクレオチドの類似体、例えば、例えば、−チオ−dATPと接触させることにより、配列産物の領域が決定される。配列は、配列反応当該分野において公知の方法を用いて、配列反応副生成物を検出することにより決定できる。
いくつかの実施形態において、ヌクレオチドは、ハプテンのジスルフィド−誘導体、例えば、ビオチンを含有するように修飾される。アンカー基質にアニールされた新生プライマーへの修飾されたヌクレオチドの添加を、好適な重合後法により分析する。このような方法は、ヌクレオチドを所定の目標位置において同定し、電気泳動法および潜在的に危険な放射性標識の使用を回避しつつ、DNAが簡単かつ迅速に配列されることを可能にする。
好適なハプテンの例は、例えば、ビオチン、ジゴキシゲニン、蛍光色素分子cy3およびcy5、およびフルオレセインを包含する。ハプテンの付着は、糖、塩基、および/またはヌクレオチド上のホスフェート部分による結合により起こり得る。エンコーディングオリゴヌクレオチドの重合および伸長後のシグナル増幅の手段の例は、蛍光手段、電気化学的手段および酵素手段を包含する。酵素増幅を使用する1つの実施形態において、酵素はその発光基質が公知であるもの、例えば、アルカリホスファターゼ(AP)、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、ベータ−ガラクトシダーゼ、または ルシフェラーゼであり、これらの発光(化学発光)基質を検出するための手段はCCDカメラを含み得る。
シークエンシングプライマーは、ある領域の核酸テンプレート(すなわち、オリゴヌクレオチドタグ)と特異的にアニールできる限り、任意の長さまたは塩基組成であり得る。本発明のオリゴヌクレオチドプライマーは、通常の技術により、例えば、商業的なオリゴヌクレオチド合成器を使用して、および/またはこのようにして合成されたサブフラグメントをあわせて結紮することにより、合成できる。シークエンシングプライマーは、テンプレート核酸上の領域を特異的にプライムできる限り、特別な構造は必要とされない。シークエンシングプライマーはDNAポリメラーゼで伸長されて、配列生成物を形成する。伸長は、1種以上のヌクレオチド三リン酸、および必要に応じて、補助結合タンパク質の存在下で行われる。dNTPの組み入れは、例えば、シークエンシング副生成物の存在について分析することにより決定される。
1つの実施形態において、オリゴヌクレオチドタグの核酸配列は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用により決定される。簡単に説明すると、オリゴヌクレオチドタグ(任意にビーズに付着していてもよい)を次のようにしてPCR反応に付す。適切なサンプルをPCRプライマー対(この対の各メンバーはあらかじめ選択されたヌクレオチド配列を有する)と接触させる。PCRプライマー対は、エンコーディングオリゴヌクレオチドタグ上のPCRプライマー結合部位とハイブリダイズすることにより、プライマー伸長反応を開始させることができる。
PCR反応は、PCRプライマー対、好ましくは、その所定量をPCR緩衝液中でエンコーディングオリゴヌクレオチドタグの核酸と混合して、PCR反応混合物を形成することにより行われる。混合は、あらかじめ決められた、PCR反応生成物の形成に十分な多数サイクルで熱サイクルされる。生成物の十分な量とは、DNA配列決定を可能にするために十分な量で単離することができるようなものである。
PCRは典型的には、熱サイクリングにより、すなわち、PCR反応混合物の温度を、下限が約30℃から上限が約90℃〜約100℃である範囲内で繰り返し上下させることにより行われる。上昇および下降は連続的に行うことができるが、好ましくは、好ましいポリヌクレオチド合成、変性およびハイブリダイゼーションのそれぞれの相対的温度安定性の期間をともなう一過性のものである。
PCR反応は、好適な方法を用いて行われる。一般に、PCR反応は、緩衝水溶液、すなわち、PCR緩衝液中、好ましくはpH7〜9で起こる。好ましくは、モル過剰のプライマーが存在する。プロセスの効率を改善するためには、大モル過剰が好ましい。
PCR緩衝液は、デオキシリボヌクレオチド三リン酸(ポリヌクレオチド合成基質)dATP、dCTP、dGTP、およびdTTPおよびポリメラーゼ(典型的には熱安定性で、すべてプライマー伸長(ポリヌクレオチド合成)反応に適切な量)も含有する。結果として得られる溶液(PCR混合物)を約90℃〜100℃に約1〜10分間、好ましくは1〜4分間加熱する。この加熱期間の後、溶液をプライマーのハイブリダイゼーションに好ましい54℃に冷却させる。合成反応は、室温からポリメラーゼ(薬剤を含む)がもはや有効に機能しない温度までの範囲の温度で起こり得る。したがって、例えば、DNAポリメラーゼ が使用されるならば、温度は一般に約40℃以下である。望ましい量のPCR産物が産生されるまで、熱サイクルを繰り返す。PCR緩衝液の一例は、次の試薬を含む:50mM KCl;10mM トリス−HCl(pH8.3);1.5mM MgCl.sub.2;0.001%(wt/vol)ゼラチン、200mM dATP;200mM dTTP;200mM dCTP;200mM dGTP;および2.5単位のThermus aquaticus(Taq)DNAポリメラーゼI(100マクロリットルの緩衝液あたり)。
プライマー配列を伸長するために適した酵素は例えば、イー・コリDNAポリメラーゼ I、Taq DNAポリメラーゼ、イー・コリDNAポリメラーゼ IのKlenowフラグメント、T4 DNAポリメラーゼ、他の利用可能なDNAポリメラーゼ、逆転写酵素、および他の酵素、例えば熱安定性酵素(ヌクレオチドの組み合わせを適切な方法で促進して、各核酸ストランドに対して相補性であるプライマー伸長産物を形成する)を包含する。一般に、合成は各プライマーの3’末端で開始され、5’方向にテンプレートストランドに沿って合成が終結するまで進行して、異なる長さの分子を産生する。新たに合成されたDNAストランドおよびその相補性ストランドは、分析プロセスの次の段階において使用できる二本鎖分子を形成する。
1つの実施形態において、オリゴヌクレオチドタグのヌクレオチド配列は、dNMPが伸長された配列プライマー中に組み入れられる際にヌクレオチド三リン酸(dNTP)から放出される無機ピロホスフェート(PPi)を測定することにより決定される。このシークエンシング法(Pyrosequencing(登録商標)技術(PyroSequencing AB、Stockholm、Sweden)と称する)は、溶液(液相)中または固相技術として行うことができる。PPiベースのシークエンシング法は、例えば、米国特許第6,274,320号、第6258,568号および第6,210,891号、WO9813523A1、Ronaghi、et al.(1996) Anal Biochem. 242:84−89、Ronaghi、et al.(1998) Science 281:363−365、およびUSSN 2001/0024790において記載されている。これらのPPiシークエンシングの開示は、その全体として本発明の一部として参照される。例えば、米国特許第6,210,891号および第6,258,568号(それぞれ、出典明示により完全に本発明の一部として参照される)も参照のこと。
ピロホスフェートは、多くの異なる方法により検出することができ、様々な酵素法がすでに記載されている(例えば、Reeves、et al.(1969) Anal Biochem. 28:282−287;Guillory、et al.(1971) Anal Biochem. 39:170−180;Johnson、et al.(1968) Anal Biochem. 15:273;Cook、et al. 1978. Anal Biochem. 91:557−565;およびDrake、et al.(1979) Anal Biochem. 94:117−120参照)。
1つの実施形態において、PPiは、酵素により(例えば、光の発生により)検出される。このような方法は、ヌクレオチドが所定の標的位置において同定され、電気泳動法および潜在的に危険な放射標識の使用を回避しつつ、簡単かつ迅速にDNAが配列決定されるのを可能にする。
1つの実施形態において、PPiおよびカップリングされたルシフェラーゼ−ルシフェリン反応を使用して、検出のために光を発生させる。もう一つ別の実施形態において、PPiおよびカップリングされたスルフリラーゼ/ルシフェラーゼ反応を使用して、米国特許第6,902,921号(その内容は本発明の一部として参照される)において記載されるように光を発生させる。1つの実施形態において、スルフリラーゼは熱安定性である。いくつかの実施形態において、スルフリラーゼおよびルシフェラーゼのいずれか、または両方を各反応部位に配置された1以上の固体支持体上に固定化する。
もう一つ別の実施形態において、オリゴヌクレオチドタグのヌクレオチド配列は、PCT公開番号WO 01/23610(その内容は本発明の一部として参照される)において記載されている方法に従って決定される。簡単にいうと、標的ヌクレオチド配列は、好適なプライマーを伸長するためにポリメラーゼ反応を使用して、その補体を生成させ、相補配列を生成させる塩基の連続的組み入れを特徴づけることにより決定できる。標的配列は、典型的には、固体支持体上に固定される。異なる塩基A、T、G、またはCのそれぞれを次に、連続添加により、標的と接触させ、任意の組み入れ事象が好適な塩基への付着により検出される。
ポリメラーゼ、例えば、3’から5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ(例えば、DNAポリメラーゼ I、Klenowフラグメント、DNAポリメラーゼIII、T4 DNAポリメラーゼ、およびT7 DNAポリメラーゼ)の使用により、標識された塩基を相補性配列中に組み入れる。組み入れられた標識された塩基の検出後、ポリメラーゼは末端で標識された塩基を対応する未標識塩基と置換し、かくしてシークエンシングが起こる。
さらに別の実施形態において、オリゴヌクレオチドタグのヌクレオチド配列は、例えば、PCT公開番号WO 2005/080605(その全内容は明確に本発明の一部として参照される)において記載される合成法による単一分子シークエンシングの使用により決定される。この技術を使用する利点は、シークエンシングの前にDNA増幅の必要がなく、増幅エラーおよび偏りの導入をなくすことである。簡単に言うと、エンコーディングオリゴヌクレオチドを固体表面上に固定化されたユニバーサルプライマーにハイブリダイズする。例えば、表面をレーザーで照らし、顕微鏡に接続されたデジタルTVカメラで画像化することにより視覚化し、表面上の全ての二本鎖の位置を記録する。DNAポリメラーゼおよび1種の蛍光標識されたヌクレオチド、例えばAを表面に添加し、適切なプライマー中に組み入れる。続いて、ポリメラーゼおよび組み入れられていないヌクレオチドを表面から洗い流し、組み入れられたヌクレオチドを、例えば表面をレーザーで照らし、カメラで画像化することにより視覚化した後、組み入れられたヌクレオチドの位置を記録する。蛍光標識をそれぞれの組み入れられたヌクレオチドから除去し、次のヌクレオチド、例えば、Gに関して、A、C、G、Tから、所望のリード長が達成されるまでプロセスを繰り返す。
このシークエンシング法に適した蛍光色素の1つの基は、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)色素、例えば、ドナーおよびアクセプターエネルギー蛍光色素およびリンカー、例えば、Cy3およびCy5である。FRETは、例えば、Selvin(1995)Methods in Enzym. 246:300において記載されている現象である。FRETは、複数のヌクレオチドの単一オリゴヌクレオチド分子中への組み入れを検出することができ、従っておよび本発明のエンコーディングオリゴヌクレオチドのシークエンシングに有用である。FRETを用いたシークエンシング法は、例えば、PCT公開番号WO 2005/080605(その全内容は明確に本発明の一部として参照される)において記載されている。あるいは、量子ドットを使用して、シークエンシング反応において使用される異なる種類のヌクレオチド上の標識部分として使用できる。
1つのリガンドが前記方法により同定されると、様々なレベルの分析を適用して、構造活性な関連情報を得、リガンドの親和性。特異性および生物活性のさらなる最適化をガイドする。同じ骨格から誘導されるリガンドについて、三次元分子モデルを用いて、リガンドに共通した顕著な構造特性を特定することができ、これにより、おそらくは標的生体分子上の共通の部位で結合する小分子リガンドのファミリーを生成させる。
様々なスクリーニング法を用いて、1つの標的に対して高い親和性を有するが、別の密接に関連した標的については著しく弱い親和性を有するリガンドを得ることができる。1つのスクリーニング法は、平行実験における両生体分子についてのリガンドを同定し、相互参照比較により共通のリガンドを実質的に削除することである。この方法において、各生体分子生体分子のリガンドを前記のように別々に同定することができる。この方法は、固定化された標的分子および溶液中で遊離した標的生体分子の両方と適合性である。
免疫化標的生体分子について、非標的生体分子と結合する全てのリガンドをライブラリーから排除する別の方法を事前選択の段階に付加する。例えば、前記のように第一生体分子をエンコードされたライブラリーと接触させることができる。第一生体分子と結合しない化合物を次に形成される任意の第一生体分子−リガンド複合体から分離する。第二生体分子を次に、第一生体分子と結合しない化合物を接触させる。第二生体分子と結合しない化合物を前記のように特定することができ、この化合物は第二生体分子について第一生体分子よりも著しく高い親和性を有する。
前記開示の方法により特定される既知機能を有する生体分子のリガンドは、生体分子の生物学的機能を決定するためにも使用できる。新規遺伝子が継続して同定されるが、これらの配列によりエンコードされるタンパク質の機能およびこれらのタンパク質の新規薬剤発見および開発の標的としての有効性は測定することが困難であり、おそらくは疾患の治療のゲノム情報を適用するための最も顕著な障害であるので、これは有利である。本発明において記載されるプロセスにより得られる標的特異性リガンドは、標的タンパク質の機能および治療的介入のための標的タンパク質の有効性の両方の理解のための全細胞生物学的検定法または適切な動物モデルにおいて有効に用いることができる。この方法はまた、標的が小分子薬剤開発を特に受けやすいことを裏付けることができる。
1つの実施形態において、本発明のライブラリー内の1以上の化合物は特定の生体分子のリガンドとして同定される。これらの化合物を次に、インビトロアッセイにおいて、生体分子と結合するその能力について評価することができる。好ましくは、結合化合物の官能部分は、オリゴヌクレオチドタグまたはリンカー部分無しに合成され、これらの官能部分は生体分子と結合するその能力について評価される。
官能部分の生体分子との結合の、生体分子の機能に対する影響はまた、インビトロ無細胞検定または細胞ベースの検定を用いて評価することができる。既知の機能を有する生体分子について、検定は、リガンドの存在下および不在下での生体分子の活性を、例えば、酵素活性などの活性の直接測定、または、例えば生体分子により影響を受ける細胞機能の間接的測定により比較する。生体分子が未知の機能を有するものであるならば、生体分子を発現する細胞をリガンドと接触させることができ、細胞の有効性、機能、表現型、および/または遺伝子発現に対するリガンドの効果を評価する。インビトロ分析は、例えば、細胞死検定、細胞増殖検定またはウイルス複製検定であり得る。例えば、生体分子がウイルスにより発現されるタンパク質であるならば、ウイルスに感染した細胞をタンパク質のリガンドと接触させることができる。ウイルス有効性に対するリガンドのタンパク質との結合の影響を次にホウ化することができる。
本発明の方法により同定されるリガンドは、インビボモデルまたはヒトモデルにおいて評価することもできる。例えば、リガンドは、生体分子を産生する動物または生命体において評価することができる。結果としての動物または生命体の健康状態における変化(例えば、疾患の進行)を判定することができる。
未知の機能を有する生体分子、例えば、タンパク質または核酸分子について、生体分子を産生する細胞または生命体に対する生体分子と結合するリガンドは、生体分子の生物学的機能に関する情報を提供する。例えば、特定の細胞プロセスがリガンドの存在下で阻害されるという観察は、このプロセスが、少なくとも一部で生体分子の機能に依存することを示す。
本発明の方法を用いて同定されるリガンドはまた、これらが結合する生体分子の親和性試薬として用いることもできる。1つの実施形態において、このようなリガンドは、例えば、1以上のかかるリガンドが付着される固相を使用して、生体分子を含む溶液のクロマトグラフィーにより、生体分子の親和性精製に影響を及ぼすために使用される。
本明細書において記載されるようなエンコードされたライブラリーのスクリーニングに加えて、他の伝統的な医薬開発法、例えば、ファージディスプレー、差次的発現(mRNA ディスプレー)、およびaptamer/SELEXは、増幅エラーおよび偏りの導入を排除する本発明の方法から恩恵を受け得る。例えば、ファージディスプレー(例えば、PCT公開番号WO91/18980、W091/19818、およびW092/18619、および米国特許第5223409号(それぞれの全内容は本発明の一部として参照される)において記載)を用いた複数ラウンドの選択は、宿主毒性の原因となり、結果として、所望のライブラリーメンバーの損失または少ない発現量の原因となる(例えば、Daugherty、P.S.、et al.(1999) Protein Engineering 12(7):613−621およびHolt、L.J.、et al.(2000) Nuclei Acid Res. 28(15):E72参照)。さらに、方法は、例えば、指数的濃縮によるリガンドの系統的発生(SELEXとも呼ばれ、米国特許第5654151号、第5503978号、第5567588号および第5270163号、ならびにPCT公開番号WO 96/38579およびWO9927133A1に記載され、それぞれの全内容は本発明の一部として参照される)は、複数ラウンドの選択、すなわち、未結合核酸を、標的分子と特異的に結合した核酸から分離すること、ならびに逆転写およびPCRにより標的と結合した核酸の複数回の増幅を必要とするために偏りを導入する。同様に、差次的発現(例えば、米国特許第5580726号および第5700644号(それぞれの全内容は本発明の一部として参照される)において記載されている)などの選択法は、複数ラウンドのPCR増幅に依存し、これはさらに、ライブラリーにおけるクローンの同等でない発現量につながる。従って、前記多段選択プロセスは、大規模並列シークエンシング法を用いる本発明において記載される方法(例えば、ピロホスフェート−ベースのシークエンシング法または合成法による単一分子シークエンシング )から恩恵を受け、これは、核酸増幅を必要とせずに、所望の生物活性を有する化合物の正確な同定につながる。
本発明を次の実施例(制限的であると理解すべきではない)によりさらに説明する。本出願、ならびに図面および配列表全体にわたって記載される全ての文献、特許、公開された特許出願は本発明の一部として参照される。
実施例
10メンバーのオーダーのライブラリーの合成および特性化
10のオーダーで異なるメンバーを含むライブラリーの合成を、次の試薬を用いて行った:
Figure 2009513135

デオキシリボヌクレオチドについての1文字コード:
A=アデノシン
C=シチジン
G=グアノシン
T=チミジン
ビルディングブロック前駆体:
Figure 2009513135
BB1 BB2 BB3
Figure 2009513135
BB4 BB5 BB6
Figure 2009513135
BB7 BB8 BB9
Figure 2009513135
BB10 BB11 BB12
オリゴヌクレオチドタグ:
配列 タグ番号
5’−PO−GCAACGAAG(配列番号1) 1.1
ACCGTTGCT−PO−5’(配列番号2)
5’−PO−GCGTACAAG(配列番号3) 1.2
ACCGCATGT−PO−5’(配列番号4)
5’−PO−GCTCTGTAG(配列番号5) 1.3
ACCGAGACA−PO−5’(配列番号6)
5’−PO−GTGCCATAG(配列番号7) 1.4
ACCACGGTA−PO−5’(配列番号8)
5’−PO−GTTGACCAG(配列番号9) 1.5
ACCAACTGG−PO−5’(配列番号10)
5’−PO−CGACTTGAC(配列番号11) 1.6
CAAGTCGCA−PO−5’(配列番号12)
5’−PO−CGTAGTCAG(配列番号13) 1.7
ACGCATCAG−PO−5’(配列番号14)
5’−PO−CCAGCATAG(配列番号15) 1.8
ACGGTCGTA−PO−5’(配列番号16)
5’−PO−CCTACAGAG(配列番号17) 1.9
ACGGATGTC−PO−5’(配列番号18)
5’−PO−CTGAACGAG(配列番号19) 1.10
CGTTCAGCA−PO−5’(配列番号20)
5’−PO−CTCCAGTAG(配列番号21) 1.11
ACGAGGTCA−PO−5’(配列番号22)
5’−PO−TAGGTCCAG(配列番号23) 1.12
ACATCCAGG−PO−5’(配列番号24)
5’−PO−GCGTGTTGT(配列番号25) 2.1
TCCGCACAA−PO−5’(配列番号26)
5’−PO−GCTTGGAGT(配列番号27) 2.2
TCCGAACCT−PO−5’(配列番号28)
5’−PO−GTCAAGCGT(配列番号29) 2.3
TCCAGTTCG−PO−5’(配列番号30)
5’−PO−CAAGAGCGT(配列番号31) 2.4
TCGTTCTCG−PO−5’(配列番号32)
5’−PO−CAGTTCGGT(配列番号33) 2.5
TCGTCAAGC−PO−5’(配列番号34)
5’−PO−CGAAGGAGT(配列番号35) 2.6
TCGCTTCCT−PO−5’(配列番号36)
5’−PO−CGGTGTTGT(配列番号37) 2.7
TCGCCACAA−PO−5’(配列番号38)
5’−PO−CGTTGCTGT(配列番号39) 2.8
TCGCAACGA−PO−5’(配列番号40)
5’−PO−CCGATCTGT(配列番号41) 2.9
TCGGCTAGA−PO−5’(配列番号42)
5’−PO−CCTTCTCGT(配列番号43) 2.10
TCGGAAGAG−PO−5’(配列番号44)
5’−PO−TGAGTCCGT(配列番号45) 2.11
TCACTCAGG−PO−5’(配列番号46)
5’−PO−TGCTACGGT(配列番号47) 2.12
TCAGATTGC−PO−5’(配列番号48)
5’−PO−GTGCGTTGA(配列番号49) 3.1
CACACGCAA−PO−5’(配列番号50)
5’−PO−GTTGGCAGA(配列番号51) 3.2
CACAACCGT−PO−5’(配列番号52)
5’−PO−CCTGTAGGA(配列番号53) 3.3
CAGGACATC−PO−5’(配列番号54)
5’−PO−CTGCGTAGA(配列番号55) 3.4
CAGACGCAT−PO−5’(配列番号56)
5’−PO−CTTACGCGA(配列番号57) 3.5
CAGAATGCG−PO−5’(配列番号58)
5’−PO−TGGTCACGA(配列番号59) 3.6
CAACCAGTG−PO−5’(配列番号60)
5’−PO−TCAGAGCGA(配列番号61) 3.7
CAAGTCTCG−PO−5’(配列番号62)
5’−PO−TTGCTCGGA(配列番号63) 3.8
CAAACGAGC−PO−5’(配列番号64)
5’−PO−GCAGTTGGA(配列番号65) 3.9
CACGTCAAC−PO−5’(配列番号66)
5’−PO−GCCTGAAGA(配列番号67) 3.10
CACGGACTT−PO−5’(配列番号68)
5’−PO−GTAGCCAGA(配列番号69) 3.11
CACATCGGT−PO−5’(配列番号70)
5’−PO−GTCGCTTGA(配列番号71) 3.12
CACAGCGAA−PO−5’(配列番号72)
5’−PO−GCCTAAGTT(配列番号73) 4.1
CTCGGATTC−PO−5’(配列番号74)
5’−PO−GTAGTGCTT(配列番号75) 4.2
CTCATCACG−PO−5’(配列番号76)
5’−PO−GTCGAAGTT(配列番号77) 4.3
CTCAGCTTC−PO−5’(配列番号78)
5’−PO−GTTTCGGTT(配列番号79) 4.4
CTCAAAGCC−PO−5’(配列番号80)
5’−PO−CAGCGTTTT(配列番号81) 4.5
CTGTCGCAA−PO−5’(配列番号82)
5’−PO−CATACGCTT(配列番号83) 4.6
CTGTATGCG−PO−5’(配列番号84)
5’−PO−CGATCTGTT(配列番号85) 4.7
CTGCTAGAC−PO−5’(配列番号86)
5’−PO−CGCTTTGTT(配列番号87) 4.8
CTGCGAAAC−PO−5’(配列番号88)
5’−PO−CCACAGTTT(配列番号89) 4.9
CTGGTGTCA−PO−5’(配列番号90)
5’−PO−CCTGAAGTT(配列番号91) 4.10
CTGGACTTC−PO−5’(配列番号92)
5’−PO−CTGACGATT(配列番号93) 4.11
CTGACTGCT−PO−5’(配列番号94)
5’−PO−CTCCACTTT(配列番号95) 4.12
CTGAGGTGA−PO−5’(配列番号96)
5’−PO−ACCAGAGCC(配列番号97) 5.1
AATGGTCTC−PO−5’(配列番号98)
5’−PO−ATCCGCACC(配列番号99) 5.2
AATAGGCGT−PO−5’(配列番号100)
5’−PO−GACGACACC(配列番号101) 5.3
AACTGCTGT−PO−5’(配列番号102)
5’−PO−GGATGGACC(配列番号103) 5.4
AACCTACCT−PO−5’(配列番号104)
5’−PO−GCAGAAGCC(配列番号105) 5.5
AACGTCTTC−PO−5’(配列番号106)
5’−PO−GCCATGTCC(配列番号107) 5.6
AACGGTACA−PO−5’(配列番号108)
5’−PO−GTCTGCTCC(配列番号109) 5.7
AACAGACGA−PO−5’(配列番号110)
5’−PO−CGACAGACC(配列番号111) 5.8
AAGCTGTCT−PO−5’(配列番号112)
5’−PO−CGCTACTCC(配列番号113) 5.9
AAGCGATGA−PO−5’(配列番号114)
5’−PO−CCACAGACC(配列番号115) 5.10
AAGGTGTCT−PO−5’(配列番号116)
5’−PO−CCTCTCTCC(配列番号117) 5.11
AAGGAGAGA−PO−5’(配列番号118)
5’−PO−CTCGTAGCC(配列番号119) 5.12
AAGAGCATC−PO−5’(配列番号120)
1Xリガーゼ緩衝液:50mM トリス、pH 7.5;10mM ジチオトレイトール;10mM MgCl;2.5mM ATP;50mM NaCl。
10Xリガーゼ緩衝液:500mM トリス、pH 7.5;100mM ジチオトレイトール;100mMmgCl;25mM ATP;500mM NaCl
サイクル1
12のPCR試験管のそれぞれに、化合物1の水中1mM溶液50μL;タグ1.1−1.12のうちの1つの0.8mM溶液75μL;10Xリガーゼ緩衝液15μLおよび脱イオン水10μLを添加した。試験管を95℃に1分間加熱し、次いで16℃に10分間かけて冷却した。各試験管に、50μl 1Xリガーゼ緩衝液中5,000単位のT4 DNAリガーゼ(2,000,000単位/mL溶液2.5μL(New England Biolabs、Cat. No.M0202))を添加し、得られた溶液を16℃で16時間インキュベートした。
結紮後、サンプルを1.5μlのEppendorf試験管に移し、20μL 5μ水性NaClおよび500μL冷(−20℃)エタノールで処理し、−20℃で1時間保持した。遠心分離後、上清を除去し、ペレットを70%水性エタノールで−20℃で洗浄した。ペレットのそれぞれを次に150μLの150mM ホウ酸ナトリウム緩衝液(pH 9.4)中に溶解させた。
ビルディングブロック前駆体BB1からBB12、N,N−ジイソプロピルエタノールアミンおよびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(それぞれ0.25Mの濃度)のそれぞれ1つを含むストック溶液をDMF中で調製し、室温で20分間撹拌した。ビルディングブロック前駆体溶液を前記ペレット溶液のそれぞれに添加して、リンカーに対して10倍過剰のビルディングブロック前駆体を得た。得られた溶液を撹拌した。追加の10当量のビルディングブロック前駆体を20分後に反応混合物に添加し、さらに10当量を40分後に添加した。反応混合物中のDMFの最終濃度は22%であった。反応溶液を次に一夜4℃で撹拌した。 反応の進行は、50mM水性テトラエチルアンモニウムアセテート(pH=7.5)およびアセトニトリルおよび2−46%アセトニトリルの勾配を用いて14分にわたってRP−HPLCによりモニターした。出発物質(リンカー)の〜95%がアシル化されたら、反応を停止した。アシル化後、反応混合物をプールし、凍結乾固させた。凍結乾燥さえた物質を次にHPLCにより精製し、ライブラリー(アシル化生成物)に対応するフラクションをプールし、凍結乾燥した。
ライブラリーを2.5μlの0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH=8.2)中に溶解させ、0.1mlのピペリジン(4% v/v)をこれに添加した。ピペリジンを添加すると濁り、これは混合しても溶解しない。反応混合物を室温で50分間撹拌し、次に濁った溶液を遠心分離し(14,000rpm)、200μlピペットを用いて上清を除去し、およびペレットを0.1μlの水中に再懸濁させた。水性洗浄液を上清と合わせ、ペレットを捨てた。過剰の氷冷エタノールの添加により脱保護ライブラリーを溶液から沈殿させ、反応中エタノールの最終濃度を70% v/vにした。水性エタノール混合物の遠心分離により、ライブラリーを含む白色ペレットを得た。ペレットを1回冷70%水性エタノールで洗浄した。溶媒の除去後、ペレットを空気中で乾燥し(〜分) 、微量のエタノールを除去し、次にサイクル2において使用した。タグおよびラウンド1において使用された対応するビルディングブロック前駆体を以下の表1に記載する。
Figure 2009513135
サイクル2〜5
これらのサイクルのそれぞれについて、前のサイクルから得られる合した溶液をそれぞれ50ulの12の等しいアリコートに分割し、PCR管中に入れた。それぞれの試験管に、異なるタグを含む溶液を添加し、結紮、精製およびアシル化をサイクル1について記載されたようにして行った。ただし、サイクル3−5について、サイクル1について記載されたHPLC精製段階は省略した。サイクル2−5についてのタグおよびビルディングブロック前駆体間の対応を表2に示す。
サイクル5の生成物を以下に示すクロージングプライマーと、タグの結紮について前述の方法を用いて結紮した。
5’−PO−GGCACATTGATTTGGGAGTCA
GTGTAACTAAACCCTCAGT−PO−5’
Figure 2009513135
結果:
前記の合成手順は、12(約249,000)の異なる構造を含むライブラリーを産生できる。ライブラリーの合成は、各サイクルの生成物のゲル電気泳動法によりモニターした。5サイクルのそれぞれの結果およびクロージングプライマーの結紮後の最終ライブラリーを図7に示す。化合物標識「ヘッドピース」は化合物1である。図は、各サイクルの結果、予想されるように分子量が増加し、各サイクルの生成物は分子量に関して実質的に均一であることを示す。
10メンバーのオーダーのライブラリーの合成および特性化
10のオーダーの異なるメンバーを含むライブラリーの合成は、次の試薬を用いて行った:
化合物2:
Figure 2009513135
デオキシリボヌクレオチドの1文字コード:
A=アデノシン
C=シチジン
G=グアノシン
T=チミジン
ビルディングブロック前駆体:
Figure 2009513135
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Figure 2009513135
Figure 2009513135
Figure 2009513135
1Xリガーゼ緩衝液:50mM トリス、pH 7.5;10mMジチオトレイトール;10mMmgCl;2mM ATP;50mM NaCl
10Xリガーゼ緩衝液:500mM トリス、pH 7.5;100mMジチオトレイトール;100mMmgCl;20mM ATP;500mM NaCl
水溶性スペーサーの化合物2への付着
化合物2(60mL、1mM)のホウ酸ナトリウム緩衝液(150mM、pH9.4)中溶液(4℃に冷却)に、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(16mL、0.15M)中40当量のN−Fmoc−15−アミノ−4,7,10,13−テトラオキサオクタデカン酸(S−Ado)を添加し、続いて、水(9.6mL、0.25M)中40当量の4−(4,6−ジメトキシ[1.3.5]トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド水和物(DMTMM)を添加した。混合物を2時間4℃で穏やかに振盪した後、追加の40当量のS−AdoおよびDMTMMを添加し、4℃でさらに16時間振盪した。
アシル化後、0.1X体積の5M水性NaClおよび2.5X体積の冷(−20℃)エタノールを添加し、混合物を20℃で少なくとも1時間静置した。混合物を次に15分間14,000rpmで4℃の遠心分離機中で遠心分離して、白色ペレットを得、これを冷EtOHで洗浄し、次に凍結乾燥機中、室温で30分間乾燥させた。固体を40mLの水中に溶解させ、Waters Xterra RP18カラムを用いた逆相HPLCにより精製した。50mM水性トリエチルアンモニウムアセテート緩衝液(pH7.5)および99%アセトニトリル/1%水溶液を用いて生成物を溶出させるために、二成分移動相勾配特性を使用した。精製された物質を凍結乾燥により濃縮し、得られた残留物を5mLの水中に溶解させた。0.1X体積のピペリジンを溶液に添加し、混合物を穏やかに45分間室温で振盪した。生成物を次に前記のようにしてエタノール沈殿により精製した。得られたペレットを2回冷EtOHで洗浄し、凍結乾燥により乾燥させて、精製された化合物3を得た。
サイクル1
96ウェルプレート中の各ウェルに、12.5μLの化合物3の水中4mM溶液;100μLの表3(化合物3のタグに対するモル比は1:2であった)に示すオリゴヌクレオチドタグ1.1から1.96のうちの1つの1mM溶液を添加した。プレートを96℃に1分間加熱し、次に10分にわたって16℃に冷却した。各ウェルに、10μLの10Xリガーゼ緩衝液、30単位のT4 DNAリガーゼ(1μLの30単位/μL溶液(FermentasLife Science、Cat. No. EL0013))、76.5μlの水を添加し、得られた溶液を16℃で16時間インキュベートした。
結紮反応後、20μLの5M水性NaClを各ウェルに直接添加し、続いて500μLの冷(−20℃)エタノールを添加し、−20℃で1時間保持した。プレートを1時間3200gでBeckman Coulter Allegra 6R遠心分離機中、Beckman Microplus Carriersを用いて遠心分離した。プレートを反転させることにより、上清を慎重に除去し、ペレットを、70%水性冷エタノールを用いて−20℃で洗浄した。ペレットのそれぞれを次にホウ酸ナトリウム緩衝液(50μL、150mM、pH9.4)中に1mMの濃度になるように溶解させ、4℃に冷却した。
各溶液に、DMF中40当量の96ビルディングブロック前駆体のうちの1つ(13μL、0.15M)を添加し、続いて水中40当量のDMT−MM(8μL、0.25M)を添加し、溶液を穏やかに4℃で振盪した。2時間後、追加の40当量のビルディングブロック前駆体おnそれぞれのうちの1つおよびDMTMMを添加し、溶液をおだやかに16時間4℃で振盪した。アシル化後、DMF中10当量の酢酸−N−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル(2μL、0.25M)を各溶液に添加し、10分間穏やかに振盪した。
アシル化後、96の反応混合物をプールし、0.1体積の5M水性NaClおよび2.5体積の冷無水エタノールを添加し、溶液を−20℃で少なくとも1時間静置した。混合物を次に遠心分離した。遠心分離後、マイクロピペットを用いて、できるだけ多くの上清を除去し、ペレットを冷エタノールで洗浄し、再度遠心分離した。上清を200μLピペットで除去した。冷70%エタノールを試験管に添加し、得られた混合物を5分間4℃で遠心分離した。
上清を除去し、室温で10分間凍結乾燥ルウことにより、残存するエタノールを除去した。ペレットを2mLの水中に溶解させ、Waters Xterra RP18カラムを用いた逆相HPLCにより精製した。50mM水性トリエチルアンモニウムアセテート緩衝液(pH7.5)および99%アセトニトリル/1%水溶液を使用して、ライブラリーを溶出させるために、二成分移動相勾配特性を使用した。ライブラリーを含有するフラクションを集め、プールし、凍結乾燥した。得られた残基を2.5mLの水中に溶解させ、250μLのピペリジンを添加した。溶液を穏やかに45分間振盪し、次に前述のようにエタノールで沈殿させた。得られたペレットを凍結乾燥により乾燥させ、次にホウ酸ナトリウム緩衝液(4.8mL、150mM、pH 9.4)中に1mMの濃度になるように溶解させた。
溶液を4℃に冷却し、それぞれ40当量のDMF中N−Fmoc−プロパルギルグリシン(1.2mL、0.15M)および水中DMT−MM(7.7mL、0.25M)を添加した。混合物を穏やかに2時間4℃で振等した後、40当量のN−Fmoc−プロパルギルグリシンおよびDMT−MMを添加し、溶液をさらに16時間振盪した。混合物を後に前述のようなEtOH沈殿および逆相HPLCにより精製し、前述のようにピペリジンでの処理によりN−Fmoc基を除去した。EtOH沈殿による最終精製後、得られたペレットを凍結乾燥により乾燥し、合成の次のサイクルに移した。
サイクル2〜4
これらのサイクルのそれぞれについて、先のサイクルから得られた乾燥ペレットを水中に溶解させ、ライブラリーの濃度をライブラリーのDNA成分の消散係数に基づいた吸光分光分析により決定し、ここで、化合物2の当初の消散係数は131,500 L/(モル.cm)であった。ライブラリーの濃度を水で調節して、その後の結紮反応における最終濃度っが0.25mMになるようにした。ライブラリーを次に96ウェルプレート中96の等しいアリコートに分割した。各ウェルに、異なるタグ(ライブラリーのタグに対するモル比は1:2であった)を含む溶液を添加し、サイクル1について記載されたようにして結紮を行った。サイクル2、3および4において使用したオリゴヌクレオチドタグをそれぞれ表4、5および6に記載する。サイクル1から4のそれぞれについてのタグとビルディングブロック前駆体間の対応を表7に示す。サイクル1について前述のようにライブラリーをエタノールの添加により沈殿させ、ホウ酸ナトリウム緩衝液(150mM、pH 9.4)中に1mMの濃度まで溶解させた。続いてアシル化および精製をサイクル1について記載されたようにして行った。ただし、HPLC精製をサイクル3において省略した。
サイクル4の生成物を以下に示すクロージングプライマーと、タグの結紮について前述された方法を用いて結紮した。
5’−PO−CAG AAG ACA GAC AAG CTT CAC CTG C (配列番号889)
5’−PO−GCA GGT GAA GCT TGT CTG TCT TCT GAA (配列番号890)
結果:
前記の合成手順は、96(約10)の異なる構造を含むライブラリーを産生できる。 ライブラリーの合成は、各サイクルの生成物のゲル電気泳動法およびLC/MSによりモニターした。完了時に、いくつかの技術を用いてライブラリーを分析した。図13aはサイクル4後であるが、クロージングプライマーの結紮前のライブラリーのクロマトグラムであり;図13bは、同じ合成段階でのライブラリーの質量スペクトルである。平均分子量は負イオンLC/MS分析により決定した。ProMassソフトウェアを用いて、イオンシグナルを脱回旋させた。この結果はライブラリーの予想される質量と一致する。
ライブラリーのDNA成分をアガロースゲル電気泳動法により分析し、これにより、ライブラリー材料のほとんどは正しいサイズの結紮生成物に対応することが示された。ライブラリーのサンプリング由来のPCR産物の分子クローンのDNA配列により、DNA結紮が高い忠実性で、ほぼ完了近くまで起こることがわかる。
ライブラリー環化
サイクル4の完了時に、通常のアシル化条件下でアジド酢酸を用いて、ライブラリーの一部をN末端でキャップした。生成物を、EtOH沈殿による精製後、リン酸ナトリウム緩衝液(150mM、pH8)中に1mMの濃度まで溶解させ、それぞれ4当量の、水中CuSO (200mM)、水中アスコルビン酸(200mM)、および以下に示す化合物のDMF中溶液DMF(200mM)を添加した。反応混合物を次に穏やかに2時間室温で振盪した。
Figure 2009513135
環化の程度を分析するために、ライブラリー環化反応から5μLアリコートを取り出し、実施例3において記載されたようにして調製された、蛍光標識されたアジドまたはアルキン(100mM DMFストック1μL)で処理した。16時間後、500nmでのHPLC分析によると、アルキンまたはアジド標識はどちらもライブラリー中に組み入れられなかった。この結果は、ライブラリーがもはや付加環化可能なアジドまたはアルキン基を含有せず、ライブラリーは従ってそれ自体と、環化反応または分子間反応により反応したことを示す。環化したライブラリーをすでに記載されたようにして、逆相HPLCにより精製した。未環化ライブラリーを用いた対照実験は、前記の蛍光タグの完全な取り込みを示した。
環化検定のための蛍光タグの調製
別の試験管中で、プロパルギルグリシンまたは2−アミノ−3−フェニルプロピルアジド(それぞれ8マイクロモル)をFAM−OSu(Molecular Probes Inc.)(1.2当量)とpH9.4ホウ酸塩緩衝液(250μL)中で組み合わせた。反応を室温で3時間進行させ、次に一夜凍結乾燥した。HPLCによる精製により、定量的収率で所望の蛍光アルキンおよびアジドを得た。
Figure 2009513135
アジド/アルキン付加環化反応を用いた個々の化合物の環化
アジドアセチル−Gly−Pro−Phe−Pra−NHの調製:
0.3ミリモルのRink−アミド樹脂を用いて、Fmoc−保護アミノ酸およびHATUを活性化剤として用いた標準的固相合成技術を用いて、表示された配列を合成した(Pra=C−プロパルギルグリシン)。アジド酢酸を用いて、テトラペプチドにキャップをして。20% TFA/DCMを4時間用いて樹脂からペプチドを開裂させた。RP HPLCにより精製して、白色固体として生成物を得た(75mg、51%)。H NMR(DMSO−d、400MHz):8.4−7.8(m、3H)、7.4−7.1(m、7 H)、4.6−4.4(m、1H)、4.4−4.2(m、2H)、4.0−3.9(m、2H)、3.74(dd、1H、J=6 Hz、17 Hz)、3.5−3.3(m、2H)、3.07(dt、1H、J=5 Hz、14 Hz)、2.92(dd、1H、J=5 Hz、16 Hz)、2.86(t、1H、J=2 Hz)、2.85−2.75(m、1H)、2.6−2.4(m、2H)、2.2−1.6(m、4H)。IR(mull) 2900、2100、1450、1300 cm−1. ESIMS 497.4([M+H]、100%)、993.4([2M+H]、50%)。イオン源フラグメンテーションを伴うESIMS:519.3([M+Na]、100%)、491.3(100%)、480.1([M−NH]、90%)、452.2([M−NH−CO]、20%)、424.2(20%)、385.1([M−Pra]、50%)、357.1([M−Pra−CO]、40%)、238.0([M−Pra−Phe]、100%)。
アジドアセチル−Gly−Pro−Phe−Pra−NHの環化:
Figure 2009513135

アジドアセチルペプチド(31mg、0.62ミリモル)をMeCN(30mL)中に溶解させた。ジイソプロピルエチルアミン(DIEA、1mL)およびCu(MeCN)PF(1mg)を添加した。1.5時間撹拌後、溶液を蒸発させ、結果として得られた残留物を20%MeCN/HO中に溶解させた。遠心分離して不溶性塩を除去した後、溶液を分取逆相HPLCに付した。所望の環状ペプチドが白色固体として単離された(10mg、32%)。H NMR(DMSO−d、400MHz):8.28(t、1H、J=5 Hz)、7.77(s、1H)、7.2−6.9(m、9H)、4.98(m、2H)、4.48(m、1H)、4.28(m、1H)、4.1−3.9(m、2H)、3.63(dd、1H、J=5 Hz、16 Hz)、3.33(m、2H)、3.0(m、3H)、2.48(dd、1H、J=11 Hz、14 Hz)、1.75(m、1H0、1.55(m、1H)、1.32(m、1H)、1.05(m、1H)。IR(mull) 2900、1475、1400 cm−1. ESIMS 497.2([M+H]、100%)、993.2([2M+H]、30%)、1015.2([2M+Na]、15%)。イオン源フラグメンテーションを伴うESIMS:535.2(70%)、519.3([M+Na]、100%)、497.2([M+H]、80%)、480.1([M−NH]、30%)、452.2([M−NH−CO]、40%)、208.1(60%)。
アジドアセチル−Gly−Pro−Phe−Pra−Gly−OHの調製:
0.3ミリモルのグリシン−Wang樹脂を使用して、表示された配列を、Fmoc−保護アミノ酸およびHATUを活性化剤として使用して合成した。アジド酢酸を最後のカップリング段階において使用して、ペンタペプチドをキャップした。ペプチドの開裂は、50%TFA/DCMを用いて2時間行った。RP HPLCによる精製により、ペプチドを白色固体として得た(83mg;50%)。H NMR(DMSO−d、400MHz):8.4−7.9(m、4H)、7.2(m、5H)、4.7−4.2(m、3H)、4.0−3.7(m、4H)、3.5−3.3(m、2H)、3.1(m、1H)、2.91(dd、1H、J=4 Hz、16 Hz)、2.84(t、1H、J=2.5 Hz)、2.78(m、1H)、2.6−2.4(m、2H)、2.2−1.6(m、4H)。IR(mull) 2900、2100、1450、1350 cm−1. ESIMS 555.3([M+H]、100%)。イオン源フラグメンテーションを伴うESIMS:577.1([M+Na]、90%)、555.3([M+H]、80%)、480.1([M−Gly]、100%)、385.1([M−Gly−Pra]、70%)、357.1([M−Gly−Pra−CO]、40%)、238.0([M−Gly−Pra−Phe]、80%)。
アジドアセチル−Gly−Pro−Phe−Pra−Gly−OHの環化:
ペプチド(32mg、0.058ミリモル)をMeCN(60mL)中に溶解させた。ジイソプロピルエチルアミン(1mL)およびCu(MeCN)PF(1mg)を添加し、溶液を2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗生成物をRP HPLCに付して、ダイマーおよびトリマーを除去した。環状モノマーが無色ガラス状物質(6mg、20%)として単離された。ESIMS 555.6([M+H]、100%)、1109.3([2M+H]、20%)、1131.2([2M+Na]、15%)。
イオン源フラグメンテーションを伴うESIMS:555.3([M+H]、100%)、480.4([M−Gly]、30%)、452.2([M−Gly−CO]、25%)、424.5([M−Gly−2CO]、10%、only possible in a 環状構造)。
直鎖ペプチドのDNAへの接合:
化合物2(45nmol)を45μL ホウ酸ナトリウム緩衝液(pH 9.4;150mM)中に溶解させた。4℃で、直鎖ペプチド(100mMのDMF中ストックを18μL;180nmol;40当量)を添加し、続いて、DMT−MM(500mMの水中ストックを3.6μL;180 nmol;40当量)を添加した。2時間撹拌後、LCMS は完全な反応を示し、生成物は、エタノール沈殿により単離された。ESIMS 1823.0([M−3H]/3、20%)、1367.2([M−4H]/4、20%)、1093.7([M−5H]/5、40%)、911.4([M−6H]/6、100%)。
環状ペプチドのDNAへの接合:
化合物2(20nmol)を20μLホウ酸ナトリウム緩衝液(pH9.4、150mM)中に溶解させた。4℃で、直鎖ペプチド(100mMのDMF中ストックを8μL;80nmol;40当量)を添加し、続いて、DMT−MM(500mMの水中ストック1.6μL;80nmol;40当量)を添加した。2時間撹拌後、LCMSは完全な反応を示し、生成物は、エタノール沈殿により単離された。ESIMS 1823.0([M−3H]/3、20%)、1367.2([M−4H]/4、20%)、1093.7([M−5H]/5、40%)、911.4([M−6H]/6、100%)。
DNA−結合ペプチドの環化:
直鎖ペプチド−DNA接合体(10nmol)をpH8リン酸ナトリウム緩衝液(10μL、150mm)中に溶解させた。室温で、それぞれ4当量のCuSO、アスコルビン酸、およびSharplessリガンドを全て添加した(200mM ストック0.2μL)。反応を一夜進行させた。RP HPLCは、直線状ペプチド−DNAが存在しないこと、および生成物が真正環状ペプチド−DNAとともに同時溶出されたことを示す。微量のダイマーまたは他のオリゴマーは観察されなかった。
Figure 2009513135
官能部分合成への芳香族求核置換反応の適用
塩化シアヌルを用いた化合物3のアリール化の基本手順:
化合物2をpH9.4ホウ酸ナトリウム緩衝液中に1mMの濃度で溶解させる。溶液を4℃に冷却し、20当量の塩化シアヌルを次いでMeCN中500mM溶液として添加する。2時間後、完全な反応をLCMSにより確認し、結果として得られたジクロロトリアジン−DNA接合体をエタノール沈殿により単離する。
ジクロロトリアジン−DNAのアミン置換の手順:
ジクロロトリアジン−DNA接合体をpH9.5ホウ酸塩緩衝液中に1mMの濃度で溶解させる。室温で、40当量の脂肪族アミンをDMF溶液として添加する。反応に続いてLCMSを行い、通常2時間後に完了する。結果として得られるアルキルアミノ−モノクロロトリアジン−DNA接合体をエタノール沈殿により単離する。
モノクロロトリアジン−DNAのアミン置換の手順:
アルキルアミノ−モノクロロトリアジン−DNA接合体をpH9.5ホウ酸塩緩衝液中に1mMの濃度で溶解させる。42℃で、40当量の第二脂肪族アミンをDMF溶液として添加する。反応に続いてLCMSを行い、通常2時間後に完了する。結果として得られるジアミノトリアジン−DNA接合体をエタノール沈殿により単離する。
官能部分合成への還元的アミノ化反応の適用
アルデヒドビルディングブロックを有する第二アミンを癌有するDNA−リンカーの還元的アミノ化の基本手順:
化合物2N末端プロリン残基にカップリングさせた。結果として得られた化合物をリン酸ナトリウム緩衝液(50μL、150mM、pH5.5)中に1mMの濃度で溶解させた。この溶液に、それぞれ40当量の、DMF(8μL、0.25M)中アルデヒドビルディングブロックおよびDMF(8μL、0.25M)中ナトリウムシアノボロヒドリドを添加し、溶液を80℃で2時間加熱した。アルキル化後、溶液をエタノール沈殿により精製した。
アミンビルディングブロックを有するアルデヒドを含有するDNA−リンカーの還元的アミノ化の基本手順:
アルデヒド基を含むビルディングブロックとカップリングした化合物2を、リン酸ナトリウム緩衝液(50μL、250mM、pH 5.5)中に1mMの濃度で溶解させた。この溶液に、それぞれ40当量のDMF(8μL、0.25M)中アミンビルディングブロックおよびDMF(8μL、0.25M)中ナトリウムシアノボロヒドリドを添加し、溶液を80℃で2時間加熱した。アルキル化後、溶液をエタノール沈殿により精製した。
官能部分合成へのペプトイドビルディング反応の適用
DNAリンカー上でのペプトイド合成の基本手順:
Figure 2009513135

化合物2をホウ酸ナトリウム緩衝液(50μL、150mM、pH9.4)中に1mMの濃度で溶解させ、4℃に冷却した。この溶液に、DMF(13μL、0.15M)中40当量のN−ヒドロキシスクシンイミジルブロモアセテートを添加し、溶液を4℃で2時間優しく振盪した。アシル化後、DNAリンカーをエタノール沈殿により精製し、ホウ酸ナトリウム緩衝液(50μL、150mM、pH 9.4)中に1mMの濃度で再溶解させ、4℃に冷却した。この溶液に、DMF(13μL、0.15M)中40当量のアミンビルディングブロックを添加し、溶液を4℃で16時間優しく振盪した。DNAリンカーをエタノール沈殿により精製し、ホウ酸ナトリウム緩衝液(50μL、150mM、pH 9.4)中に1mMの濃度で再溶解させ、4℃に冷却した。ペプトイド合成に続いてN−ヒドロキシスクシンイミジルブロモアセテートを滴下し、続いてアミンビルディングブロックを添加する。
アジド−アルキン付加環化反応の官能部分合成への適用
基本手順
アルキン含有DNA接合体をpH8.0リン酸塩緩衝液中に約1mMの濃度で溶解させる。この混合物に、10当量の有機アジドおよびそれぞれ5当量の硫酸銅(II)、アスコルビン酸、およびリガンド(トリス−((1−ベンジルトリアゾール−4−イル)メチル)アミンを全て室温で添加する。反応に続いてLCMSを行い、通常、1〜2時間後に完了する。結果として得られるトリアゾール−DNA接合体をエタノール沈殿により単離できる。
エンコードされたライブラリー内のAb1キナーゼに対するリガンドの同定
DNAでエンコードされたライブラリーにおける興味のある分子を望ましくないライブラリーメンバーよりも濃縮する能力は、興味のある治療標的に対して所定の特性を有する1つの化合物を同定するために重要である。この濃縮能力を示すために、rhAblキナーゼ(GenBank U07563)に対して公知の結合分子(Shah et al.、Science 305、399−401(2004)(本発明の一部として参照される)により記載)を合成した。標準的方法を用いてこの化合物を前記実施例において記載されるリンカーにより二本鎖DNAオリゴヌクレオチドに付着させ、実施例1および2において記載される方法により産生されるものと類似した分子(オリゴヌクレオチドに結合した官能部分)を産生した。実施例2において記載されたように一般的に生成されたライブラリーおよびDNA結合Ablキナーゼバインダーは、両種のqPCR分析を可能にする独自のDNA配列を有するように設計された。DNA結合Ablキナーゼバインダーをライブラリーと1:1000の比で混合した。この混合物をrhAbleキナーゼと平衡化し、酵素を固相上に捕捉し、洗浄して、非結合ライブラリーメンバーを除去し、結合分子を溶出させた。溶離液中のライブラリー分子のDNA結合Ablキナーゼ阻害物質に対する比は1:1であり、このことは、ライブラリー分子の1000倍過剰でDNA結合Abl−キナーゼの500倍以上の濃縮を示す。
評価
当業者らは、単に慣用の実験を用いて、本明細書において記載された本発明の特定の実施形態の多くの等価物を承認または確認することができる。このような等価物は、以下の請求の範囲に含まれることを意図される。
二本鎖オリゴヌクレオチドの結紮の概略図であり、図中、初期オリゴヌクレオチドは、入力オリゴヌクレオチドの突出部と相補性である突出部を有する。初期ストランドは、遊離しているか、アミノヘキシルリンカーと共役しているか、またはフェニルアラニン残基とアミノヘキシルリンカーにより共役しているかのいずれかとして表される。 スプリントストランドを使用したオリゴヌクレオチド結紮の概略図である。この実施形態において、スプリントは、一本鎖初期オリゴヌクレオチドおよび一本鎖入力オリゴヌクレオチドと相補性の配列を有する12−merオリゴヌクレオチドである。 初期オリゴヌクレオチドが共有結合したストランドを有する二本鎖であり、入力オリゴヌクレオチドが二本鎖である場合の、初期オリゴヌクレオチドおよび入力オリゴヌクレオチドの結紮の概略図である。 ポリメラーゼを用いたオリゴヌクレオチド伸長の概略図である。初期ストランドは遊離しているか、アミノヘキシルリンカーと共役しているか、またはアミノヘキシルリンカーによりフェニルアラニン残基と共役しているかのいずれかとして表される。 本発明の一つの実施態様の合成サイクルの概略図である。 本発明のライブラリーを使用した複数ラウンドの選択プロセスの概略図である。 実施例1において記載されるサイクル1〜5のそれぞれ、およびその後のクロージングプライマーの結紮の産物の電気泳動から得られるゲルである。分子量標準はレーン1に示され、DNA定量化についてハイパーラダーの表示された量はレーン9〜12に示される。 アジド−アルキン付加環化を用いたビルディングブロックのカップリングの概略図である。 塩素化トリアジン上の芳香族求核置換によるビルディングブロックのカップリングを表す図である。 塩素化トリアジン上の芳香族求核置換によるビルディングブロックのカップリングを表す図である。 官能部分の合成法における使用に適した代表的な塩素化複素環式芳香族構造を示す図である。 アジド/アルキン付加環化反応を用いた直鎖ペプチドの環化を表す図である。 実施例2において記載されるようにしてサイクル4後に産生されるライブラリーのクロマトグラムである。 実施例2において記載されるようにしてサイクル4後に産生されるライブラリーのマススペクトルである。
符号の説明
1および2はライブラリーメンバーを表す。
Bは標的分子であり、XはBと操作可能に結合した部分であって、選択培地からのBの除去を可能にするものである。

Claims (47)

  1. 生物学的標的と結合する1以上の化合物を同定する方法であって:
    (A)化合物のライブラリーを合成し(ここで、化合物は:
    (i)mのイニシエーター化合物を含む溶液を提供し(ここで、mは1以上の整数であり、イニシエーター化合物は、nのビルディングブロックを含む官能部分(ここで、nは1以上の整数である)であって、nのビルディングブロックを同定する初期オリゴヌクレオチドと操作可能に結合するものからなる);
    (ii)段階(i)の溶液をrの反応容器中に分割し(ここで、rは2以上の整数である)、これにより、溶液のrのアリコートを作製し;
    (iii)各反応容器中のイニシエーター化合物をrのビルディングブロックの1つと反応させ、これにより、初期オリゴヌクレオチドと操作可能に結合したn+1のビルディングブロックを含む官能部分からなる化合物を含むrのアリコートを作製し;
    (iv)各アリコート中の初期オリゴヌクレオチドを、rの独立した入力オリゴヌクレオチドの組の一つと、入力オリゴヌクレオチドおよび初期オリゴヌクレオチドを触媒する酵素の存在下、入力オリゴヌクレオチドおよび初期オリゴヌクレオチドの酵素結紮に適した条件下で反応させ;これにより、n+1のビルディングブロックをエンコードする伸長されたオリゴヌクレオチドと操作可能に結合したn+1のビルディングブロックを含む官能部分からなる分子のrのアリコートを作製する
    ことにより官能部分の構造を特定する初期オリゴヌクレオチドと操作可能に結合する2以上のビルディングブロックを含む官能部分を含む);
    (B)生物学的標的を化合物のライブラリー、またはその一部と、化合物のライブラリーの少なくとも1つのメンバーが標的と結合するために適した条件下で接触させ;
    (C)標的と結合しないライブラリーメンバーを除去し;
    (D)標的と結合する化合物のライブラリーの少なくとも1つのメンバーのエンコーディングオリゴヌクレオチドを配列決定し;
    (E)生物学的標的と結合する化合物のライブラリーのメンバー,の官能部分の構造を決定するために、段階(D)において決定された配列を使用し、これにより生物学的標的と結合する1以上の化合物を同定することを含む方法。
  2. 標的と結合する化合物のライブラリーの少なくとも1つのメンバーのエンコーディングオリゴヌクレオチドを増幅することをさらに含む請求項1記載の方法。
  3. 前記増幅段階が:
    (i)油中水エマルジョンを形成して、複数の水性ミクロリアクターを作製し(ここで、ミクロリアクターの少なくとも1つは、標的と結合する化合物のライブラリーの少なくとも1つのメンバー、標的と結合する化合物のライブラリーの少なくとも1つのメンバーのエンコーディングオリゴヌクレオチドと結合できる1つのビーズ、および核酸増幅を行うために必要な試薬を含有する増幅反応溶液を含む);
    (ii)前記エンコーディングオリゴヌクレオチドの増幅されたコピーを形成するために、ミクロリアクター中でエンコーディングオリゴヌクレオチドを増幅し;
    (iii)ミクロリアクター中のビーズにエンコーディングオリゴヌクレオチドの増幅されたコピーを結合させることを含む、請求項2記載の方法。
  4. 前記配列決定段階(D)が:
    (i)有効量のシークエンシングプライマーをエンコーディングオリゴヌクレオチドの増幅されたコピーとアニールし、シークエンシングプライマーをポリメラーゼおよび所定のヌクレオチド三リン酸で伸長して、配列決定生成物、および所定のヌクレオチド三リン酸が前記シークエンシングプライマーの3’末端上に組み入れられるならば、シークエンシング反応副生成物を得;
    (ii)シークエンシング反応副生成物を同定し、これにより、エンコーディングオリゴヌクレオチドの配列を決定することを含む、請求項1記載の方法。
  5. 生物学的標的と結合する1以上の化合物を同定する方法であって:
    (A)化合物のライブラリーを合成し(ここで、化合物は:
    (i)mのイニシエーター化合物を含む溶液を提供し(ここで、mは1以上の整数であり、イニシエーター化合物は、nのビルディングブロックを含む官能部分からなり、nは1以上の整数であり、前記化合物は、nのビルディングブロックを特定する初期オリゴヌクレオチドと操作可能に結合する);
    (ii)段階(i)の溶液をrの反応容器中に分割し(ここで、rは2以上の整数である)、これにより溶液のrのアリコートを得;
    (iii)各反応容器中のイニシエーター化合物をrのビルディングブロックのうちの1つと反応させて、これにより、初期オリゴヌクレオチドと操作可能に結合したn+1のビルディングブロックを含む官能部分からなる化合物を含むrのアリコートを作製し;
    (iv)各アリコート中の初期オリゴヌクレオチドを、1組のrの異なる入力オリゴヌクレオチドの1つと、入力オリゴヌクレオチドおよび初期オリゴヌクレオチドの結紮を触媒する酵素の存在下、入力オリゴヌクレオチドおよび初期オリゴヌクレオチドの酵素結紮に適した条件下で反応させ;これにより、n+1ビルディングブロックをエンコードする伸長されたオリゴヌクレオチドと操作可能に結合するn+1のビルディングブロックを含む官能部分からなる分子のrアリコートを作製する
    ことにより官能部分の構造を特定する初期オリゴヌクレオチドと操作可能に結合する2以上のビルディングブロックを含む官能部分を含む);
    (B)生物学的標的を化合物のライブラリー、またはその一部と、化合物のライブラリーの少なくとも1つのメンバーを標的と結合させるために適した条件下で接触させ;
    (C)標的と結合しないライブラリーメンバーを除去し;
    (D)標的と結合する化合物のライブラリーの少なくとも1つのメンバーのエンコーディングオリゴヌクレオチドを配列決定し(ここで、前記配列決定は:
    (i)有効量のシークエンシングプライマーを増幅されたエンコーディングオリゴヌクレオチドとアニールし、シークエンシングプライマーをポリメラーゼおよび所定のヌクレオチド三リン酸で伸長して、シークエンシング産物および、もし所定のヌクレオチド三リン酸が前記シークエンシングプライマーの3’末端上に組み入れられるならば、シークエンシング反応副生成物を得;
    (ii)シークエンシング反応副生成物を同定し、これによりエンコーディングオリゴヌクレオチドの配列を決定することを含む);
    (E)段階(D)において決定されたエンコーディングオリゴヌクレオチドの配列を用いて、生物学的標的と結合する化合物のライブラリーのメンバーの官能部分の構造を決定し、これにより生物学的標的と結合する1以上の化合物を同定することを含む方法。
  6. 標的と結合する化合物のライブラリーの少なくとも1つのメンバーのエンコーディングオリゴヌクレオチドを増幅することをさらに含む請求項5記載の方法。
  7. エンコーディングオリゴヌクレオチドの前記増幅が:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR);転写ベースの増幅、cDNA末端の迅速増幅、連続流増幅、およびローリングサークル増幅からなる群から選択される方法により行われる請求項6記載の方法。
  8. エンコーディングオリゴヌクレオチドの前記配列決定が、ピロホスフェートベースのシークエンシング反応または合成法による単分子配列決定により行われる、請求項1、4、または5のいずれか1項記載の方法。
  9. シークエンシング反応副生成物がPPiであり、カップリングしたスルフリラーゼ/ルシフェラーゼ反応が、検出のための光を発生させるために使用される、請求項8記載の方法。
  10. エンコーディングオリゴヌクレオチドが結合しないビーズから離れた、増幅したエンコーディングオリゴヌクレオチドと結合するビーズに関して濃縮する段階をさらに含む請求項1または5のいずれか1項記載の方法。
  11. 前記濃縮段階が、親和性精製、および電気泳動法からなる群から選択される請求項10記載の方法。
  12. 1以上の増幅されたエンコーディングオリゴヌクレオチドを回収するために、エマルジョンを破壊することをさらに含む請求項3記載の方法。
  13. (A)(v)rのアリコートの2以上を組み合わせ、これにより、n+1のビルディングブロックをエンコードする伸長されたオリゴヌクレオチドと操作可能に結合するn+1のビルディングブロックを含む官能部分からなる溶液を生成させる段階をさらに含む、請求項1または5記載の方法。
  14. rのアリコートが組み合わせられる請求項13記載の方法。
  15. (A)(i)から(A)(v)の段階が、1回以上行われ、サイクル1〜iが得られ、ここで、iは2以上の整数であり、サイクルs+1において、sはi−1以下の整数であり、段階(a)のmのイニシエーター化合物を含む溶液が、サイクルsの段階(e)の溶液である、請求項13記載の方法。
  16. 少なくとも1つのビルディングブロックがアミノ酸である請求項1または5記載の方法。
  17. 初期オリゴヌクレオチドが共有結合した二本鎖オリゴヌクレオチドである請求項1または5記載の方法。
  18. 入力オリゴヌクレオチドが二本鎖オリゴヌクレオチドである請求項17記載の方法。
  19. イニシエーター化合物が、ビルディングブロックと結合するために適合させられる第一官能基、オリゴヌクレオチドの5’末端と結合するために適合される第二官能基、およびオリゴヌクレオチドの3’末端と結合するために適合される第三官能基を含むリンカー部分を含む請求項1または5記載の方法。
  20. リンカー部分が構造:
    しない
    Figure 2009513135
    (式中
    Aはビルディングブロックと結合するために適合される官能基であり;
    Bはオリゴヌクレオチドの5’末端と結合するために適合される官能基であり;
    Cはオリゴヌクレオチドの3’末端と結合するために適合された官能基であり;
    Sは原子または骨格であり;
    DはAをSと連結する化学構造であり;
    EはBをSと連結する化学構造であり;
    FはCをSと連結するる化学構造である)
    を有するものである請求項19記載の方法。
  21. Aがアミノ基であり;
    Bがホスフェートであり;
    Cがホスフェートである請求項20記載の方法。
  22. D、EおよびFがそれぞれ独立して、アルキレン基またはオリゴ(エチレングリコール)基である請求項20記載の方法。
  23. Sが炭素原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、ホスフェート、環状基または多環式基である請求項23記載の方法。
  24. リンカー部分が構造:
    Figure 2009513135
    (式中、n、mおよびpのそれぞれは、独立して、1から約20の整数である)
    を有する、請求項23記載の方法。
  25. n、mおよびpのそれぞれが独立して2から8の整数である請求項24記載の方法。
  26. n、mおよびpのそれぞれが独立して3から6の整数である請求項25記載の方法。
  27. リンカー部分が構造:
    Figure 2009513135
    を有する請求項24記載の方法。
  28. 前記イニシエーター化合物のそれぞれが反応性基を含み、前記のrのビルディングブロックが前記反応性基に対して相補性である相補反応性基を含む請求項1または5記載の方法。
  29. 反応性基および相補反応性基が、アミノ基;カルボキシル基;スルホニル基;ホスホニル基;エポキシド基;アジリジン基;およびイソシアネート基からなる群から選択される請求項28記載の方法。
  30. 反応性基および相補反応性基が、ヒドロキシル基;カルボキシル基;スルホニル基;ホスホニル基;エポキシド基;アジリジン基;およびイソシアネート基からなる群から選択される請求項28記載の方法。
  31. 反応性基および相補反応性基が、アミノ基およびアルデヒドまたはケトン基からなる群から選択される請求項28記載の方法。
  32. 反応性基および相補反応性基間の反応が還元条件下で行われる請求項28記載の方法。
  33. 反応性基および相補反応性基が、リンイリド基およびアルデヒドまたはケトン基からなる群から選択される請求項28記載の方法。
  34. 反応性基および相補反応性基が付加環化により反応して、環状構造を形成する請求項28記載の方法。
  35. 反応性基および相補反応性基が、アルキンおよびアジドからなる群から選択される請求項34記載の方法。
  36. 反応性基および相補性官能基が、ハロゲン化複素環式芳香族基および求核試薬からなる群から選択される請求項28記載の方法。
  37. ハロゲン化複素環式芳香族基が、塩素化ピリミジン、塩素化トリアジンおよび塩素化プリンからなる群から選択される請求項36記載の方法。
  38. 求核試薬がアミノ基である請求項36記載の方法。
  39. サイクルi後に:
    (A)(vi)1以上の官能部分を環化する段階をさらに含む請求項13記載の方法。
  40. 段階(A)(vi)の官能部分がアジド基およびアルキニル基を含む請求項39記載の方法。
  41. 官能部分が、アジド基およびアルキニル基の付加環化に適した条件下で維持されて、トリアゾール基を形成し、これにより環状官能部分を形成する、請求項40記載の方法。
  42. 付加環化反応が、銅触媒の存在下で行われる請求項41記載の方法。
  43. 段階(f)の1以上の官能部分の少なくとも1つが、少なくとも2つのスルフヒドリル基を含み、前記官能部分が2つのスルフヒドリル基の反応に適した条件下に維持されて、ジスルフィド基を形成し、これにより前記官能部分が環化される請求項42記載の方法。
  44. 初期オリゴヌクレオチドがPCRプライマー配列を含む請求項1または5記載の方法。
  45. サイクルiの入力オリゴヌクレオチドがPCRクロージングプライマーを含む請求項13記載の方法。
  46. サイクルi後に、
    (d)クロージングPCRプライマー配列を含むオリゴヌクレオチドをエンコーディングオリゴヌクレオチドに結紮する段階をさらに含む請求項13記載の方法。
  47. クロージングPCRプライマー配列がエンコーディングオリゴヌクレオチドに、前記結紮を触媒する酵素の存在下で結紮されることを含む請求項46記載の方法。
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