JP2009513125A - がん検出方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、哺乳動物(特にヒト)におけるがんを検出するために使用することができる方法および組成物に関する。本願は、特に、がんの血清マーカーおよび診断方法におけるそれらの使用について記述する。また本願は、これらの方法を実行するために使用することができるツールおよび/またはキット(試薬、プローブ、プライマー、抗体、チップ、細胞など)、それらの製造ならびにそれらの使用に関する。本発明は、がん、特に乳がん(早期のものを含む)の存在または進行を検出するために使用することができる。

Description

本願は、哺乳動物(特にヒト)におけるがんを検出するために使用することができる方法および組成物に関する。本願は、特に、がんの血清マーカーおよび診断方法におけるそれらの使用について記述する。また本願は、これらの方法を実行するために使用することができるツールおよび/またはキット(試薬、プローブ、プライマー、抗体、チップ、細胞など)、それらの製造ならびにそれらの使用に関する。本発明は、哺乳動物におけるがん、特に乳がん(その初期を含む)の存在または進行を検出するために使用することができる。
女性の場合、乳がんは、工業国におけるがん死の主原因である。年齢は最大のリスクファクターである。西洋諸国では1歳ごとに0.5%ずつリスクが増加する。妊娠回数および初回妊娠年齢、授乳、思春期および閉経期の開始、閉経後のエストロゲン処置、ストレスおよび栄養などといった他のリスクファクターも知られている。
乳がんの診断は一般にマンモグラフィーによって下される。しかし、マンモグラフィーによって検出することができる最小腫瘍サイズは1cmであると見積られ、これは診断時に平均で8年間は進行した後であることを表す。小さな腫瘍は、そのサイズから外挿されうる悪性度よりも、はるかに悪性度が低い。すなわち、大きな腫瘍の攻撃性はそのサイズだけでなく、腫瘍の加齢と共に増加するその「固有攻撃性」にもよる(Bucchiら, Br J Cancer 2005, p.156-161;Norden T, Eur J Cancer 1997, p.624-628)。
マンモグラフィーの利益は、過去30年間にわたって、何十万もの患者で証明されている。しかしこれらの検査には、感度の年齢依存性、ホルモン療法、マンモグラフィーの実施回数、医師の経験などのバイアスがある(FletcherおよびElmore, NEJM 2003, p.1672fまたはBaines CJ, Breast J 2005, S7-10参照)。
乳がんとの戦いでは、ターゲット遺伝子パネルの発現解析も有意義であり、特に、ER受容体を発現させる患者とER受容体を発現させない患者との間で差別的に発現される176遺伝子のパネルの解析に言及することができる(Bertucciら, Human Molecular Genetics, 2000;9:2981-2991)。乳がんの早期診断に利用することができる37遺伝子のパネルの解析にも言及することができる(Sharmaら, Breast cancer Research 2005, 7:R634-R644)。しかしこの研究に参加した患者は、全員が、乳房疾患(「疑わしい初回マンモグラム(suspect initial mammogram)」)を持つと疑われる患者であり、この遺伝子パネルは、マンモグラフィー前に乳がんを診断するためのルーチン検査には、あまり適していないだろう。
したがって、がんを早期に高い信頼性で簡便に検出することのできる診断ツールおよび診断検査が、大いに必要とされている。
本願は、哺乳動物におけるがん(好ましくは乳がん)の存在または進行を、高い信頼性で検出し、特徴づけ、または追跡するために、単独でまたは組み合わせて(好ましくは組み合わせて)使用することができる、一群の生物学的マーカーを提供する。本発明は、組織生検や分離ステップを必要とせず、全血を使って実行できる点で、特に有利である。
特に本願は、乳がんを持つヒト患者に特有な血清遺伝子マーカーの同定に由来する。これらのマーカーは、例えばスプライシングの変異または遺伝子発現レベルの変異などに相当し、単独で、または(好適には)組み合わされて、がんの存在または進行期の検出を可能にすることができる。これらは、好適には、乳がんの存在をその早期から直ちに(すなわち病期IおよびII、すなわち特に、マンモグラフィーが有効でない病期において)検出することを可能にする。これらは、マンモグラフィーの検出閾を下回るためにマンモグラフィーでは検出することができない早期乳がんを検出するためにも使用することができる。
本願の主題の一つは、哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクを検出するための方法(インビトロまたはエクスビボ)であって、その哺乳動物の生体試料における、
a)配列番号1〜437から選択される配列を含有する核酸または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、
b)a)に記載の核酸に対して相補的な配列を持つ核酸、
c)a)またはb)に記載の核酸の機能的類似体、または
d)a)〜c)に記載の核酸によってコードされるポリペプチド
から選択される1個または好ましくは数個のターゲット分子の存在(または非存在または(相対)量)の決定を含み、試料中の前記ターゲット分子の存在(または非存在または(相対)量)が、前記哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクの指標である方法に関する。
特定実施形態の一つにおいて、本方法は、少なくとも5、10、15、20、30、40、50、60、70個またはそれ以上のターゲット分子(例えば上に定義したもの)の存在または非存在または(相対)量の複合的決定を含む。「複合的」決定とは、いくつかのマーカーが関わるハイブリダイゼーションプロファイル(またはシグネチャー)が決定されるという事実を表す。複合的決定は典型的には同時に、すなわち発現プロファイルの包括的測定によって行われる。しかし複合的決定は、プロファイルの同定につながるいくつかのマーカーの並行測定または逐次測定によって行うこともできる。本発明では、哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクを評価するために、一群のマーカーに関してハイブリダイゼーションプロファイル(またはシグネチャー)を確立し、決定することが、実際に可能である。ハイブリダイゼーションプロファイルは、典型的には、上記のターゲットから選択されるいくつかのマーカーの組み合わせ(例えばこれらのターゲットを全て含有するもの)を使って行われる。
特定実施形態の一つにおいて、本発明の方法は、上に定義したターゲット分子から選択される少なくとも5個(好ましくは少なくとも10個)の別個のターゲット分子の、哺乳動物生体試料における存在(または非存在または(相対)量)の決定を含む。
好ましい実施形態において、本発明の方法は、上記ターゲット分子から選択されるターゲット分子の特定部分群の、哺乳動物生体試料における存在(または非存在または(相対)量)の複合的決定を含む。実施例に記載する前記部分群は、全血の試料に基づいて患者における乳がんの存在を(とりわけ早期に)検出するのに、特に適している。
したがって特定実施形態の一つにおいて、本発明の方法は、上記a)〜d)項に定義したようなマーカーを含むターゲット(またはシグネチャー)のパネル全体の核酸(好ましくは本願に定義するパネル1〜11の一つの全ての分子)の存在(または非存在または(相対)量)の、哺乳動物生体試料における複合的決定を含む。
したがって特定実施形態の一つにおいて、本発明の方法は、表4の第1列に示す配列を含むパネル1の全ての核酸もしくは少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片またはそれに対して相補的な配列を持つ核酸、および/または他の種に由来するその機能的類似体、および/またはこれらの核酸によってコードされるポリペプチドの存在(または非存在または(相対)量)の、哺乳動物生体試料における複合的決定を含む。本願に記載する実施例は、がんの存在、がんを発生させるリスク、またはがんの進行期の予測的検出に、このマーカーパネルを使用できることを、効果的に示す。特定実施形態の一つにおいて、本発明は、先に定義したような他のターゲット分子の一つ以上の検出も含む。
もう一つの特定実施形態において、本発明の方法は、配列番号18、19、23、26、51、52、53、54、55、69、80、125、145、148、225、228、240および312に示す配列を含有する核酸(パネル2)もしくは少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、またはそれに対して相補的な配列を持つ核酸および/または他の種に由来するその機能的類似体、および/またはこれらの核酸によってコードされるポリペプチドの存在(または非存在または(相対)量)の、哺乳動物生体試料における複合的決定を含む。本願に記載する実施例は、このマーカーパネルが、がんの存在、がんを発生させるリスク、またはがんの進行期の予測的検出を可能にすることを、効果的に示す。特定実施形態の一つにおいて、本発明は、先に定義したような他のターゲット分子の一つ以上の検出も含む。
もう一つの特定実施形態において、本発明の方法は、配列番号18、19、23、26、27、51、52、53、54、55、69、80、125、145、148、161、188、225、228、240、280および312に示す配列を含有する核酸(パネル3)もしくは少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、またはそれに対して相補的な配列を持つ核酸および/または他の種に由来するその機能的類似体、および/または前記核酸によってコードされるポリペプチドの存在(または非存在または(相対)量)の、哺乳動物生体試料における複合的決定を含む。本願に記載する実施例は、このマーカーパネルが、がんの存在、がんを発生させるリスク、またはがんの進行期の予測的検出を可能にすることを、効果的に示す。特定実施形態の一つにおいて、本方法は、先に定義したような一つ以上の他のターゲット分子の検出も含む。
もう一つの特定実施形態において、本発明の方法は、配列番号13、16〜19、23、26〜28、47、51〜55、58、69、80、81、89、116、121、125、145、148、158、160、161、164、189、190、225、229、240、248、280、281、284、299、300、310および312に示す配列を含有する核酸(パネル4)もしくは少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、またはそれに対して相補的な配列を持つ核酸および/または他の種に由来するその機能的類似体、および/またはこれらの核酸によってコードされるポリペプチドの存在(または非存在または(相対)量)の、哺乳動物生体試料における複合的決定を含む。本願に記載する実施例は、このマーカーパネルが、がんの存在、がんを発生させるリスク、またはがんの進行期の予測的検出を可能にすることを、効果的に示す。特定実施形態の一つにおいて、本方法は、先に定義したような他のターゲット分子の一つ以上の検出も含む。
もう一つの特定実施形態において、本発明の方法は、配列番号7、13、14、16〜19、23〜28、47、51〜55、58、69、80、81、89、116、121、125、137、139、145、148、158、160、161、164、189、190、225、228、229、240、245、248、252、280、281、284、290、298〜300、310および312に示す配列を含有する核酸(パネル5)もしくは少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、またはそれに対して相補的な配列を持つ核酸および/または他の種に由来するその機能的類似体、および/またはこれらの核酸によってコードされるポリペプチドの存在(または非存在または(相対)量)の、哺乳動物生体試料における複合的決定を含む。本願に記載する実施例は、このマーカーパネルが、がんの存在、がんを発生させるリスク、またはがんの進行期の予測的検出を可能にすることを、効果的に示す。特定実施形態の一つにおいて、本方法は、先に定義したような一つ以上の他のターゲット分子の検出も含む。
もう一つの特定実施形態において、本発明の方法は、配列番号5、7、13、14、16〜20、23〜28、47、51〜55、58、64、69、80、81、88〜90、116、121、125、137、139、145、148、158、160、161、164、188〜191、208、222、225、228、229、236、240、242、245、248、252、280、281、284、290、298〜300および309〜312に示す配列を含有する核酸(パネル6)もしくは少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、またはそれに対して相補的な配列を持つ核酸および/または他の種に由来するその機能的類似体、および/またはこれらの核酸によってコードされるポリペプチドの存在(または非存在または(相対)量)の、哺乳動物生体試料における複合的決定を含む。本願に記載する実施例は、このマーカーパネルが、がんの存在、がんを発生させるリスク、またはがんの進行期の予測的検出を可能にすることを、効果的に示す。もう一つの特定実施形態において、本方法は、先に定義したような一つ以上の他のターゲット分子の検出も含む。
もう一つの特定実施形態において、本発明の方法は、表4に示す配列を含むパネル7の全ての核酸もしくは少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、またはそれに対して相補的な配列を持つ核酸および/または他の種に由来するその機能的類似体、および/またはこれらの核酸によってコードされるポリペプチドの存在(または非存在または(相対)量)の、哺乳動物生体試料における複合的決定を含む。本願に記載する実施例は、このマーカーパネルが、がんの存在、がんを発生させるリスク、またはがんの進行期の予測的検出を可能にすることを、効果的に示す。特定実施形態の一つにおいて、本方法は、先に定義したような一つ以上の他のターゲット分子の検出も含む。
もう一つの特定実施形態において、本発明の方法は、表4に示す配列を含むパネル8内の全ての核酸もしくは少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、またはそれに対して相補的な配列を持つ核酸および/または他の種に由来するその機能的類似体、および/またはこれらの核酸によってコードされるポリペプチドの存在(または非存在または(相対)量)の、哺乳動物生体試料における複合的決定を含む。本願に記載する実施例は、このマーカーパネルが、がんの存在、がんを発生させるリスク、またはがんの進行期の予測的検出を可能にすることを、効果的に示す。特定実施形態の一つにおいて、本方法は、先に定義したような他のターゲット分子の一つ以上の検出も含む。
もう一つの特定実施形態において、本発明の方法は、表4に示す配列を含むパネル9内の全ての核酸もしくは少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、またはそれに対して相補的な配列を持つ核酸および/またはその機能的類似体および/またはこれらの核酸によってコードされるポリペプチドの存在(または非存在または(相対)量)の、哺乳動物生体試料における複合的決定を含む。本願に記載する実施例は、このマーカーパネルが、がんの存在、がんを発生させるリスク、またはがんの進行期の予測的検出を可能にすることを、効果的に示す。特定実施形態の一つにおいて、本方法は、先に定義したような他のターゲット分子の一つ以上の検出も含む。
もう一つの特定実施形態において、本発明の方法は、表4に示す配列を含むパネル10内の全ての核酸もしくは少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、またはそれに対して相補的な配列を持つ核酸および/または他の種に由来するその機能的類似体、および/またはこれらの核酸によってコードされるポリペプチドの存在(または非存在または(相対)量)の、哺乳動物生体試料における複合的決定を含む。本願に記載する実施例は、このマーカーパネルが、がんの存在、がんを発生させるリスク、またはがんの進行期の予測的検出を可能にすることを、効果的に示す。特定実施形態の一つにおいて、本方法は、先に定義したような他のターゲット分子の一つ以上の検出も含む。
もう一つの特定実施形態において、本発明の方法は、配列番号23、52、53、148および225に示す配列を含む核酸(パネル11)、もしくは少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、またはそれに対して相補的な配列を持つ核酸および/または他の種に由来するその機能的類似体、および/またはこれらの核酸によってコードされるポリペプチドの存在(または非存在または(相対)量)の、哺乳動物生体試料における複合的決定を含む。本願に記載する実施例は、このマーカーパネルが、がんの存在、がんを発生させるリスク、またはがんの進行期の予測的検出を可能にすることを、効果的に示す。特定実施形態の一つにおいて、本方法は、先に定義したような他のターゲット分子の一つ以上の検出も含む。
具体的実施形態の一つにおいて、本発明の方法は、配列番号1〜437に示す配列をそれぞれ含む核酸もしくは少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、またはその相補配列を持つ核酸の存在(または非存在または(相対)量)の、哺乳動物生体試料における決定を含む。
本発明のさらにもう一つの特定主題は、哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクを検出する方法であって、その哺乳動物の血液試料に由来する核酸を、相補的な配列間のハイブリダイゼーションを許す条件下で、以下のターゲット分子:
a)先に定義したようなパネル1〜11の一つに示す配列を含む核酸または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、および/または
b)a)に記載の配列に対して相補的な配列を持つ核酸、および/または
c)別の種に由来するa)またはb)に記載の核酸の機能的類似体
に特異的な一組のプローブと接触させて、ハイブリダイゼーションプロファイルを取得することを含み、そのハイブリダイゼーションプロファイルが、この哺乳動物における乳がんの存在または乳がんを発生させるリスクに特有である方法にある。
また、本発明において同定されたさまざまな遺伝子(患者においてその発現が変化しているもの)を解析すると、それらが、細胞シグナリング経路または共通の調節機序に関与する遺伝子ファミリーに属することがわかる。したがって特に、この解析により、TLR刺激によって開始されるメッセージの伝達に使用されるシグナリングカスケード、サイトカインの分泌、またはTリンパ球の活性化に関与する非常に多くの遺伝子が証明される。したがって本発明は、がんを患っている患者ではこれらのシグナリングカスケードに変化が生じ、これらのカスケードに参加する任意の遺伝子もしくはRNAまたはこれらの遺伝子もしくはRNAの何らかの調節解除ががんの存在またはがんに対する素因のマーカーを形成しうるという事実を証明する。前記の変化は、腫瘍細胞が単球、マクロファージおよび樹状細胞に強いる酸化ストレス時に起こりうる。このストレスは、腫瘍部で免疫系とがん細胞の間に生じる異なる細胞相互作用の帰結の一部である。したがって、免疫応答に関与するシグナリングカスケードの変化を明らかにする分子イベントを血液循環において証明することは、血液試料に基づいて体内の腫瘍を証明することを可能にする新しいツールおよび新規なアプローチになる。
したがって、本発明の特定主題の一つは、哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクを検出する方法(インビトロまたはエクスビボ)であって、(自然または獲得)免疫応答に関与するシグナリング経路に参加する遺伝子またはRNAの変化の、哺乳動物生体試料(好ましくは血液(由来)試料)における存在(または非存在)の決定を含み、前記変化の存在がこの哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクを示す方法に関する。免疫応答に関与するシグナリング経路は、好適には、TLR刺激、サイトカイン分泌またはTリンパ球活性化から選択される。
樹状細胞の初回刺激は自然応答に相当し、toll様受容体(TLR)を介してなされる。複数のTLRが、病原体または腫瘍細胞が保有しうる異なるリガンドと反応し、樹状細胞による異なる炎症誘発性サイトカインの産生を誘導する。この現象に付随して、ナイーブT細胞に対する抗原の提示が起こり、それが特異的獲得免疫応答を開始する。これらのシグナリングカスケードの分子状関与因子のうち、好ましく言及しうるものは、受容体、アダプター、酵素、遺伝子発現の調節に関与する因子、ケモカイン、サイトカインおよびインターロイキンである。
本発明の特定主題の一つは、哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクのインビトロまたはエクスビボ検出方法であって、自然免疫の現象を制御するシグナリング経路の調節に関与する遺伝子またはRNAの変化の、哺乳動物生体試料(好ましくは血液(由来)試料)における存在(または非存在)の決定を含む方法である。特に、この現象は、TLRによって開始されるカスケードを動員し、マクロファージおよび樹状細胞の活性を調節する。
本発明のもう一つの特定主題は、哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクのインビトロまたはエクスビボ検出方法であって、獲得免疫または適応免疫の現象を制御するシグナリング経路の調節に関与する遺伝子またはRNAの変化の、哺乳動物生体試料(好ましくは血液(由来)試料)における存在(または非存在)の決定を含む方法である。特に、この現象にはTリンパ球受容体(TCR)が関与する。
本発明のさらにもう一つの特定主題は、哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクのインビトロまたはエクスビボ検出方法であって、自然免疫と獲得免疫の間の移行、協調に関与する遺伝子またはRNAの変化の、哺乳動物生体試料(好ましくは血液(由来)試料)における存在(または非存在)の決定を含む方法である。特に、これらの遺伝子は、アラキドン酸などの前駆体からの脂質分子の生合成に関与する。
したがって本発明の特定主題の一つは、哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクを検出するための方法(インビトロまたはエクスビボ)であって、TLRの刺激、サイトカインの分泌、またはTリンパ球の活性化に関与する遺伝子またはRNAの変化の、哺乳動物生体試料(好ましくは血液(由来)試料)における存在(または非存在)の決定を含み、前記遺伝子またはRNAは、好適には、受容体、アダプター、酵素、遺伝子発現の調節に関与する因子、ケモカイン、サイトカインおよびインターロイキンから選択され、前記変化の存在が、この哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクを示す方法にある。
本発明にいう遺伝子またはRNAの変化とは、任意の変化した発現、具体的にはスプライシングの調節解除、特に、特定スプライス型の発生または異なるスプライス型間の(相対)量もしくは比の変化につながるものである。
以下に述べるように、本願は、がん患者の血液に見出される、自然免疫および獲得免疫に関与するシグナリングカスケードの関与因子におけるスプライシング調節解除の同定について記述する(表5)。その発現がスプライシング変化の影響を受けるRNA配列に由来するオリゴヌクレオチドを、固相担体上に沈着させるか、固相担体上で合成して、対照血液試料およびがん患者から得た血液試料に由来する核酸プローブとハイブリダイズさせることができ、これにより、最も識別的なオリゴヌクレオチドを選択することができる。より一般的に言うと、自然免疫および獲得免疫に関与する任意のタンパク質をコードする任意のmRNAに相当するオリゴヌクレオチドを選択することができる。特に、これらのオリゴヌクレオチドは、表6に示す遺伝子に由来しうる。変化は、これらの遺伝子またはRNAがコードするポリペプチドの構造または発現レベルに、例えば特異的抗体を使って、以下に詳述するように検出することもできる。
したがって本発明の特定主題の一つは、哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクを検出するための方法(インビトロまたはエクスビボ)であって、表5に示す少なくとも1個(好ましくは少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個)の遺伝子または対応するRNAの変化、特に、前記遺伝子またはRNAの変化したスプライシングの、哺乳動物生体試料(好ましくは血液(由来)試料)における存在(または非存在)の決定を含み、前記変化の存在が、この哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクの指標である方法にある。
したがって本発明のもう一つの特定主題は、哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクを検出するための方法(インビトロまたはエクスビボ)であって、表6に示す少なくとも1個(好ましくは少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個)の遺伝子または対応するRNAの変化、特に、前記遺伝子またはRNAの変化したスプライシングの、哺乳動物生体試料(好ましくは血液(由来)試料)における存在(または非存在)の決定を含み、前記変化の存在が、この哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクの指標である方法にある。
ターゲット分子
本発明は、ヒト患者における乳がんの存在に特有な血清生物学的イベントの証明および特徴づけに基づく。これらのイベントは、患者におけるその検出が(好ましくは組み合わされて)前記がんを発生させるリスクまたは前記がんの存在の決定を早期であっても可能にするような(バイオ)マーカーを形成する。本発明において、マーカーという用語と転写物という用語は、文脈上それぞれに特別な意味が与えられる場合を除き、可換的に使用される。
同定された生物学的イベントは、典型的には、遺伝子発現の調節の変化に対応する。これは、遺伝子もしくはRNAまたは遺伝子もしくはRNAのいくつかの形態の発現の部分的なまたは完全な阻害、遺伝子または遺伝子もしくはRNAのいくつかの形態の発現の増加、遺伝子スプライス型の発生または消失などに関係する。
したがって本発明は、そのように同定された生物学的イベントに相当する一つ以上のターゲット分子の、試料における検出に基づく。上述のように、これらのターゲット分子は、
a)配列番号1〜437から選択される配列または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片を含む核酸、
b)a)に記載の核酸に対して相補的な配列を持つ核酸、
c)a)またはb)に記載の核酸の機能的類似体、または
d)a)〜c)に記載の核酸によってコードされるポリペプチド
から選択することができる。
ターゲット分子は、配列番号1〜437の配列に対応する遺伝子またはRNAまたはタンパク質の完全配列であるか、その弁別的断片(すなわちその配列が、前記遺伝子もしくはRNAまたは前記タンパク質に特異的であり、かつ/または検出すべき生物学的イベントに相当する変異性ドメイン(スプライシング、欠失、多型など)を含む断片)であることができる。マーカーおよび対応する遺伝子の完全なリストを表1に示す。
「機能的類似体」という用語は、別の哺乳動物種に由来する類似体を表す。配列番号1〜437の配列はヒトから同定されたものであり、これらの配列は、ヒト患者におけるがんの検出に適した効率のよいマーカーを形成する。しかし、本発明を他の哺乳動物種に応用するには、考慮中の種において特徴づけられたこれらの配列の機能的類似体を使用することが、一般に好ましい。これらの類似体は、当業者に知られる任意の技法を使用することにより、とりわけ本願に記載の配列および対応する遺伝子の名称を考慮して、同定することができる。
特定実施形態の一つにおいて、本方法は、a)〜c)に記載の少なくとも一つの核酸の存在の決定を含む。
特定実施形態の一つにおいて、本発明は、ヒト個体におけるがんを検出するために使用され、a)またはb)に記載の少なくとも一つの核酸の存在の決定を含む。さらに好ましくは、本方法は、本願において定義するようなターゲットマーカーのパネル(パネル1〜11または表5および6)の存在(もしくは非存在)または(相対もしくは絶対)量の複合的検出を含む。
本発明の特定実施形態の一つは、哺乳動物における乳がんの存在または乳がんを発生させるリスクを検出するための方法であって、少なくとも以下のターゲット分子:
a)表4に記載のパネル1〜11の配列を含む核酸または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、および/または
b)a)に記載の配列に対して相補的な配列を持つ核酸、および/または
c)別の種に由来するa)またはb)に記載の核酸の機能的類似体、および/または
d)a)〜c)に記載の核酸によってコードされるポリペプチド
を含む一群の分子の、哺乳動物血液試料における存在または(相対もしくは絶対)量の複合的決定を含み、試料中の前記ターゲット分子の存在が、この哺乳動物における乳がんの存在または乳がんを発生させるリスクの指標である方法にある。
本発明の特定実施形態の一つは、哺乳動物における乳がんの存在または乳がんを発生させるリスクを検出するための方法であって、その哺乳動物の血液試料における、以下のターゲット分子:
a)配列番号18、19、23、26、51、52、53、54、55、69、80、125、145、148、225、228、240および312(パネル2)に示す配列を含む核酸もしくは少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、および/または
b)a)に記載の配列に対して相補的な配列を持つ核酸、および/または
c)別の種に由来するa)またはb)に記載の核酸の機能的類似体、および/または
d)a)〜c)に記載の核酸によってコードされるポリペプチド
の存在または量の複合的決定を含み、試料中の前記分子の存在が、この哺乳動物における乳がんの存在または乳がんを発生させるリスクの指標である方法にある。
本発明の特定実施形態の一つは、哺乳動物における乳がんの存在または乳がんを発生させるリスクを検出するための方法であって、その哺乳動物の血液試料における、以下のターゲット分子:
a)表4に示すパネル10の配列を含む核酸、または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、および/または
b)a)に記載の配列に対して相補的な配列を持つ核酸、および/または
c)別の種に由来するa)またはb)に記載の核酸の機能的類似体、および/または
d)a)〜c)に記載の核酸によってコードされるポリペプチド
の存在または量の複合的決定を含み、試料中の前記ターゲット分子の存在が、この哺乳動物における乳がんの存在または乳がんを発生させるリスクの指標である方法にある。
本発明のさらにもう一つの具体的主題は、哺乳動物における乳がんの存在または乳がんを発生させるリスクを検出するための方法であって、その哺乳動物の血液試料における、以下のターゲット分子:
a)配列番号18、19、23、26、51、52、53、54、55、69、80、125、145、148、225、228、240および312(パネル2)に示す配列を含む核酸もしくは少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、および/または
b)a)に記載の配列に対して相補的な配列を持つ核酸、および/または
c)別の種に由来するa)またはb)に記載の核酸の機能的類似体、および/または
d)a)〜c)に記載の核酸によってコードされるポリペプチド
の検出を含み、試料中のこれらのターゲット分子の存在、非存在または(相対)量が、この哺乳動物における乳がんの存在または乳がんを発生させるリスクの指標である方法にある。
本発明では、少なくとも数個の先に定義したようなマーカー(場合によっては、これらを他のマーカーと組み合わせてもよい)を含むさらなるパネルを定義することも可能である。このパネルは、患者試料におけるこれらのマーカーの存在または非存在を調べて、特定の病変におそらく特異的であるだろう他の予測的組み合わせを定義することによって得ることができる。
核酸の検出
本発明では、試料中の核酸種の検出を可能にするさまざまな技法、例えばノーザンブロット、または選択的ハイブリダイゼーション、プローブオリゴヌクレオチドで被覆された担体の使用、核酸増幅、例えばRT-PCR、定量PCRまたはライゲーションPCRなどを使用することができる。これらの方法は、試料中のターゲット核酸を選択的または特異的に検出する能力を持つ核酸プローブ(例えばオリゴヌクレオチド)の使用を含みうる。増幅は、当業者には自体公知のさまざまな方法、例えばPCR、LCR、TMA法、SDA法、NASBA、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)の使用、対立遺伝子特異的増幅、サザンブロット、一本鎖コンフォメーション解析SSCA、インサイチューハイブリダイゼーション(例えばFISH)、ゲル泳動、ヘテロ二重鎖の解析などによって行うことができる。
好ましい実施形態の一つによれば、本方法は、選択的ハイブリダイゼーションまたは選択的増幅による、a)〜c)に記載した核酸の存在もしくは非存在または(相対)量の検出を含む。選択的ハイブリダイゼーションは、典型的には核酸プローブ(好ましくは担体上、例えば核酸プローブの固定化を可能にする少なくとも一つの表面(平面でも非平面でもよい)を持つ固形または半固形支持体上に固定化されたもの)を使って行われる。前記支持体は、例えばスライド、ビーズ、膜、フィルター、カラム、プレートなどである。それらは、任意の適合性材料で、特にガラス、シリカ、プラスチック、繊維、金属、ポリマーなどで作製することができる。核酸プローブは、上記a)〜c)に定義したようなターゲット分子に特異的な配列を含む任意の核酸(DNA、RNA、PNAなど)(好ましくは一本鎖)であることができる。プローブは、典型的には、5〜400個の塩基を含み、好ましくは、8〜200個、より好ましくは100個未満、さらに好ましくは75、60、50、40、さらには30個未満の塩基を含む。プローブは、通常の合成技法を使って、本発明のターゲット分子の配列に基づいて製造された、合成オリゴヌクレオチドであることができる。前記オリゴヌクレオチドは典型的には10〜50個の塩基、好ましくは20〜40個、例えば約25個の塩基を含む。特に有利な実施形態の一つでは、同じターゲット分子を検出するために、数個の異なるオリゴヌクレオチド(またはプローブ)を使用する。これらは同じターゲット分子の異なる領域に特異的なオリゴヌクレオチドであってもよいし、同じ一つの領域に異なるように整列させてもよい。一方の構成要素がターゲット分子と完全にマッチし、他方の構成要素がミスマッチするプローブ対を使用して、バックグラウンドノイズの見積もりを可能にすることもできる。下記の実施例では、25個の塩基を持つオリゴヌクレオチドを、各ターゲット分子につき6〜11対使用した。
プローブは、当業者には自体公知の方法を使って、あらかじめ合成してから担体上に沈着させるか、担体上に直接その場合成することができる。プローブは、遺伝子技術を使って、例えば増幅、組換え、ライゲーションなどによって、作製することもできる。
このように定義されるプローブは、がん検出のための(基本的にインビトロでの)それらの使用と共に、本願のもう一つの主題を形成する。特に好ましい方法では、配列番号1〜437の配列の全部もしくは各配列の少なくとも15個の連続塩基(好ましくは少なくとも17、19、20、22または25個の連続塩基)の断片、またはその相補鎖を含むの一組の核酸プローブ(好適には担体上に固定化されたもの)を使用する。
ハイブリダイゼーションは、当業者に知られる通常の条件下で行うことができ、当業者はその条件を調節することができる(Sambrook, Fritsch, Maniatis (1989) Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Press)。特に、ハイブリダイゼーションは、所望する感度のレベル、利用できる材料の量などに応じて、高、中または低ストリンジェンシーの条件下で行うことができる。例えば、適切なハイブリダイゼーションの条件は、低密度担体上、55〜63℃の温度で、2〜18時間を含む。高密度担体には、例えば44〜55℃のハイブリダイゼーション温度など、他のハイブリダイゼーション条件が必要かもしれない。ハイブリダイゼーション後は、ハイブリダイズしていない分子を除去するために、典型的には、SDSを含有するSSC緩衝液、例えば0.1〜10×SSCおよび0.5〜0.01%SDSを含有する緩衝液などで、さまざまな洗浄を行うことができる。SSPE、MES、NaClまたはEDTAを含有する他の洗浄緩衝液も使用しうる。
典型的な実施形態の一つでは、核酸(またはチップまたは担体)を、典型的には100μg/mlのサケ精子DNAを含有するハイブリダイゼーション緩衝液(Rapid Hybrid Buffer、Amersham)中、65℃で30分間、プレハイブリダイズする。次に、試料の核酸を、65℃で2〜18時間、プローブと接触させる(典型的には担体またはチップに適用する)。好ましくは、任意の既知の標識法(放射性、酵素、蛍光、発光など)を使って、試料の核酸をあらかじめ標識する。次に、担体を5×SSC、0.1%SDS緩衝液中、65℃で30分間洗浄した後、0.2×SSC、0.1%SDS緩衝液中で洗浄する。通常の技法を使って、例えば担体上のラベルを適当な計器(例えばInstantImager、Packard Instruments)を使って測定することなどにより、ハイブリダイゼーションプロファイルを解析する。例えばハイブリダイゼーション温度および/または緩衝液の塩濃度を調整することによって、またはホルムアミドもしくは一本鎖DNAなどの補助物質を添加することによって、当業者がハイブリダイゼーション条件を調節できることは明らかである。
本発明の特定主題の一つは、哺乳動物における乳がんの存在または乳がんを発生させるリスクを検出するための方法であって、その哺乳動物の血液試料に由来する核酸を、相補的な配列間のハイブリダイゼーションを可能にする条件下で、少なくとも以下のターゲット分子:
a)先に定義したパネル1〜11の一つの配列を含有する核酸、または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、および/または
b)a)に記載の配列に対して相補的な配列を持つ核酸、および/または
c)別の種に由来するa)またはb)に記載の核酸の機能的類似体
に特異的な一組のプローブと接触させて、ハイブリダイゼーションプロファイルを取得することを含み、そのハイブリダイゼーションプロファイルが、この哺乳動物における乳がんの存在または乳がんを発生させるリスクに特有である方法にある。
本発明の特定主題の一つは、哺乳動物における乳がんの存在または乳がんを発生させるリスクを検出するための方法であって、その哺乳動物の血液試料に由来する核酸を、相補的な配列間のハイブリダイゼーションを可能にする条件下で、以下のターゲット分子:
a)上に定義したようなパネル1、2、10または11の一つに示す配列を含有する核酸、または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、および/または
b)a)に記載の配列に対して相補的な配列を持つ核酸、および/または
c)別の種に由来するa)またはb)に記載の核酸の機能的類似体
に特異的な一組のプローブと接触させて、ハイブリダイゼーションプロファイルを取得することを含み、そのハイブリダイゼーションプロファイルが、この哺乳動物における乳がんの存在または乳がんを発生させるリスクに特有である方法にある。
特定の実施形態において、本発明の方法は、他のターゲット分子および/または他のプローブ、特に本願において言及するターゲット分子の部分群も使用する。
したがって、本発明の他の特定主題の一つは、哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクを検出するための方法であって、その哺乳動物の血液試料に由来する核酸を、相補的な配列間のハイブリダイゼーションを可能にする条件下で、以下のターゲット:
a)配列番号1〜437に示す配列を含有する核酸または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、および/または
b)a)に記載の配列に対して相補的な配列を持つ核酸、および/または
c)別の種に由来するa)またはb)に記載の核酸の機能的類似体
から選択される少なくとも二つの別個の分子に特異的な一組のプローブと接触させて、ハイブリダイゼーションプロファイルを取得することを含み、そのハイブリダイゼーションプロファイルが、この哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクに特有である方法にある。
ハイブリダイゼーションプロファイルは、一つ以上の参照プロファイル、特に、健常個体および/またはがんを患っている個体に特有な参照プロファイルと比較することができ、その比較は、被検患者ががんを持つ可能性またはリスクの決定を可能にする。この比較は、典型的には、当業者には自体公知のコンピュータプログラムを使って行われる。
選択的増幅は、好ましくは、試料中にターゲット核酸が存在する場合に、その一つの全部または一部の増幅を可能にするプライマーまたはプライマー対を使って行われる。プライマーは、配列番号1〜437に記載のターゲット配列に特異的であっても、試料の核酸中のターゲット配列に隣接する領域に特異的であってもよい。プライマーは、典型的には、長さが好適には5〜50塩基、好ましくは5〜30塩基である一本鎖核酸を含む。前記プライマーは、個体におけるがんを検出するための(基本的にはインビトロでの)その使用と共に、本願のもう一つの主題を形成する。
この点において、本発明のさらにもう一つの主題は、哺乳動物におけるがん、特にヒトにおける、好ましくは乳がんを検出するための、配列番号1〜437に記載のターゲット配列を含有する一つまたは好ましくは数個の遺伝子またはRNAのの全部または一部の増幅を可能にするヌクレオチドプライマーまたは一組のヌクレオチドプライマーの使用にある。
本発明のもう一つの特定主題は、哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクを検出するための方法であって、その哺乳動物の血液試料に由来する核酸を、増幅を可能にする条件下で、以下のターゲット:
a)配列番号1〜437に示す配列を含有する核酸または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、および/または
b)a)に記載の配列に対して相補的な配列を持つ核酸、および/または
c)別の種に由来するa)またはb)に記載の核酸の機能的類似体
から選択される少なくとも二つの別個の分子に特異的な一組のプライマーと接触させて、増幅プロファイルを取得することを含み、その増幅プロファイルが、この哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクに特有である方法にある。
ポリペプチドの検出
もう一つの実施形態において、本発明は、d)に記載するポリペプチドの存在の決定を含む。試料中のポリペプチドの証明は、自体公知の任意の技法を使って、特に特異的リガンド、例えば抗体または抗体のフラグメントもしくは誘導体を使って行われる。好ましくは、リガンドは、ポリペプチドに特異的な抗体、または前記抗体のフラグメント(例えばFab、Fab'、CDRなど)もしくは前記抗体の誘導体(例えば単鎖抗体、ScFv)である。リガンドは、典型的には、スライド、ビーズ、カラム、プレートなどの担体上に固定化される。試料中のターゲットポリペプチドの存在は、ターゲットとリガンドとの複合体を、例えば標識リガンドを使うか、第2の標識呈色リガンドを使うなどして証明することにより、検出することができる。使用することができる周知の免疫学的技法はELISA、RIA技法などである。
ターゲットポリペプチドに特異的な抗体は、通常の技法を使って、特に、当該ポリペプチド(またはその免疫原性フラグメント)を含有する免疫原で非ヒト動物を免疫し、(ポリクローナル)抗体を収集するか、(モノクローナル抗体を生産するために)産生細胞を収集することよって製造することができる。ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体、ScFVフラグメント、ヒト抗体またはヒト化抗体を製造するための技法は、例えばHarlowら, Antibodies: A Laboratory Manual, CSH Press, 1988;Wardら, Nature 341 (1989) 544;Birdら, Science 242 (1988) 423;WO94/02602;US5,223,409;US5,877,293;WO93/01288などに記載されている。免疫原は、合成によって製造するか、適切な宿主における上に定義したようなターゲット核酸の発現によって製造することができる。前記モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体、および同じ抗原特異性を持つその誘導体も、がんを検出するためのそれらの使用と共に、本願の主題を形成する。
本方法の実行
本発明の方法は、被検哺乳動物の任意の生体試料(特に核酸またはポリペプチドを含有する任意の試料)に適用することができる。好適には、血液、血漿、血小板、唾液、尿、糞便などの試料を挙げることができ、より一般的には任意の組織、臓器または好適には核酸もしくはポリペプチドを含有する任意の生体液であることができる。
好ましい特に有利な実行の実施形態の一つでは、試料が血液または血漿試料である。本発明は、がんの血液マーカーを同定した結果としてなされたものであり、それゆえに、組織生検を一切必要とせず、血液試料を使用するだけで、これらの病変の検出を可能にする。
試料は、例えば試料の収集物または試料バンクから非侵襲的な技法を使って試料を採取することなど、自体公知の任意の技法を使って取得することができる。試料は、ターゲット分子に到達しやすくなるように、例えば溶解(機械的、化学的、酵素的溶解など)、精製、遠心分離、分離などによって前処理してもよい。好適には、PaxGeneシステムを使用する(Feezorら, Physiol Genomics 2004,:pp.247-254)。ターゲット分子の存在の決定を容易にするために、試料を標識してもよい(蛍光標識、放射性標識、発光標識、化学標識、酵素標識など)。
好ましい実施形態の一つにおいて、生体試料は全血の試料(すなわち分離ステップを一切経ていないもの)であり、場合によっては希釈してもよい。
本発明は、任意の哺乳動物、好ましくはヒトに適用することができる。本発明の方法は、乳がんの検出、特にヒトにおける乳がんの存在、乳がんを発生させるリスク、または乳がんの進行期の検出に、とりわけ有用である。したがって実施例に記載するデータは、本発明では、乳がんの存在を92%を超える感度および86%を上回る特異性で検出できることを示す。早期の乳がん、すなわちUICC(「国際対がん連合」)が開発し維持している(「悪性腫瘍のTNM分類」で定義されるような)病期IまたはIIの乳がんのスクリーニングには、とりわけ適している。TNM分類はAJCC(「対がん米国合同委員会」)およびFIGO(「国際産科婦人科連合」)でも使用されている。
本発明の特定主題の一つは、ヒト個体における乳がんの存在、乳がんの進行、または乳がんを発生させるリスクを検出するための方法であって、
a)配列番号1〜437から選択される配列を含有する核酸または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその断片、
b)a)に記載の核酸に対して相補的な配列を持つ核酸、
c)a)またはb)に記載の核酸によってコードされるポリペプチド
から選択されるターゲット分子の存在(または非存在または(相対)量)の、ヒト個体から得た生体試料における複合的決定を含む方法に関する。
好ましくは、本方法は、上に定義したような5、10、20、30、40、50または60個のターゲット分子の存在、非存在または量の複合的決定を含む。
本発明のさらにもう一つの特定主題は、ヒト個体における乳がんの存在、乳がんの進行、または乳がんを発生させるリスクを検出するための方法であって、核酸を含有するその個体の生体試料を、(i)配列番号1〜437から選択される配列を含有する核酸または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその断片および(ii)(i)に記載の配列に対して相補的な配列を持つ核酸から選択される一つまたは好ましくは数個のターゲット分子に相補的かつ/または特異的な配列を含有する核酸が固定化されている担体を含む物品と接触させること、およびハイブリダイゼーションプロファイルを決定することを含み、そのプロファイルが、前記ヒト個体における乳がんの存在、乳がんの病期、または乳がんを発生させるリスクを示す方法に関する。好ましくは、本物品は、上述のような少なくとも5、10、20、30、40、50、60個またはそれ以上の異なるターゲット分子に相補的かつ/または特異的な配列を含有する別個の核酸を含有する。
本願のさらにもう一つの主題は、(i)配列番号1〜437から選択される配列を含有する核酸または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその断片および(ii)(i)に記載の配列に対して相補的な配列を持つ核酸から選択される一つまたは好ましくは数個のターゲット分子に相補的かつ/または特異的な配列を含有する核酸が固定化されている担体を含む物品に関する。好ましくは、本物品は、上述のような少なくとも5、10、20、30、40、50、60個またはそれ以上の異なるターゲット分子に相補的かつ/または特異的な配列を含有する別個の核酸を含む。好ましくは、本物品は、本願に定義するようなマーカーのパネルの一つに相補的かつ/または特異的な配列を含有する別個の核酸を含む。
本願のさらにもう一つの主題は、配列番号1〜437またはその機能的類似体から選択される配列を含有する少なくとも一つ(好ましくは数個)の核酸が固定化されている担体を含有する物品に関する。好ましくは、本物品は、上述の核酸から選択される少なくとも5、10、20、30、40、50、60個またはそれ以上の異なる核酸を含む。特定実施形態の一つでは、本物品が、配列番号1〜376の配列を持つ核酸のそれぞれを含む。
本発明のさらにもう一つの主題は、上に定義したようなターゲット核酸(すなわち配列番号1〜437から選択される配列を含有する核酸、少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、それに対して相補的な配列を持つ核酸またはその機能的類似体)によってコードされるポリペプチドの少なくとも一つのリガンドが固定化されている担体を含む物品に関する。好ましくは、本物品は、上述のポリペプチドから選択される異なるポリペプチドの少なくとも5、10、20、30、40、50、60個またはそれ以上のリガンドを含有する。
担体は、核酸またはポリペプチドの固定化が可能な少なくとも一つの表面(平面でも非平面でもよい)を持つ任意の固形または半固形支持体であることができる。前記担体は、例えばスライド、ビーズ、膜、フィルター;カラム、プレートなどである。それらは、例えばガラス、シリカ、プラスチック、繊維、金属、ポリマー、ポリスチレン、テフロン(登録商標)など、任意の適合性材料で作製することができる。試薬類は、既知の技法を使って担体の表面に固定化するか、核酸の場合であれは、担体上に直接その場合成することができる。固定化技法には、受動的吸着(Inouyeら, J. Clin. Microbiol. 28 (1990) 1469)、共有結合が含まれる。いくつかの技法が、例えばWO90/03382、WO99/46403に記載されている。担体上に固定化される試薬は、形成された複合体の検出および同定が容易になるように、予め設定された順序で、種々の調節可能な密度で配置することができる。
実施形態の一つにおいて、本発明の物品は、a)〜c)に記載の一つ以上のターゲット核酸に特異的な5〜100塩基長の複数の合成オリゴヌクレオチドを含む。
本発明の物品は、典型的には、結果を標準化および/または規格化するために使用される対照分子を含む。
本発明のさらにもう一つの主題は、上に定義したようなターゲット核酸に相補的かつ/または特異的な配列を含む少なくとも一つ(好ましくは数個)の核酸および/または先に定義したようなターゲットポリペプチドの一つ(好ましくは数個)のリガンドを含有する区画または容器を含むキットに関する。好ましくは、本物品は、上述の核酸およびリガンドから選択される少なくとも5、10、20、30、40、50、60個またはそれ以上の異なる核酸を含有する。特定実施形態の一つにおいて、本物品は、配列番号1〜437の配列を持つ核酸のそれぞれまたは上に定義したようなターゲットポリペプチドのそれぞれに対するリガンドを含む。本キットは、ハイブリダイゼーションまたは免疫学的反応のための試薬、ならびに場合によっては対照および/または説明書も含有することができる。
本発明のさらにもう一つの主題は、哺乳動物(好ましくはヒト個体)におけるがんを検出するための(特に乳がんを検出するための)、上に定義したような物品またはキットの使用に関する。
本発明のさらにもう一つの主題は、配列番号1〜437から選択される配列を持つ核酸、または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を含むその弁別的断片、またはそれに対して相補的な配列を持つ核酸、またはその機能的類似体に関する。本発明は、これらの核酸を含有するクローニングベクターまたは発現ベクターおよび前記ベクターまたは核酸を含有する任意の組換え細胞にも関する。
本発明のさらにもう一つの主題は、哺乳動物におけるがんを検出(基本的にインビトロ検出)するための、配列番号1〜437から選択される配列を含む核酸、または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を含有するその弁別的断片、またはそれに対して相補的な配列を持つ核酸、またはその機能的類似体の使用に関する。
本発明の実施形態の特定例の一つでは、試験すべき哺乳動物から血液試料を採取する。血液試料は、場合によっては、核酸をより接近しやすくするために処理してもよく、それらを標識する。次に核酸を上に定義したような物品に適用し、ハイブリダイゼーションプロファイルを決定して、被検哺乳動物にがんが存在するかどうかの診断を可能にする。本発明の方法は簡便であり、エクスビボで行われ、血液試料からのがんの早期検出を可能にする。
本願の範囲内で、ターゲット分子の存在を決定するために、任意の等価な技法を使用しうることは、明らかである。
本発明の他の態様および利点は、例示であって限定ではないと解釈すべき以下の実施例を読めば、明白になるだろう。
1.生体試料の特徴づけ
下記の実施例は、まず最初に、92の血液試料(2本のPaxGeneチューブに採取した5mlの全血)から行った。これらの試料は、健常対照患者から得た37の血液試料(H、フランス血液機構から入手)および病期II/IIの乳がんを患っている患者から得た55の試料(CI/II)からなった。
2.血液試料からの全RNAの抽出
血液試料をPAXGene(商標)Blood RNAチューブ(PreAnalytix、スイス・ホムブレヒティコン)に直接収集した。血液試料採取段階後、細胞を完全に溶解するために、チューブを室温で4時間放置し、次に、生体材料の抽出まで-20℃で保存した。より正確に述べると、このプロトコールでは、PAXGene Blood RNA(登録商標)キット(PreAnalytix)を製造者の説明書に従って使用することにより、全RNAを抽出した。簡単に述べると、チューブを遠心分離(15分、3000g)して核酸の残渣を得た。この残渣を洗浄し、タンパク質の消化に必要なプロテイナーゼKを含有する緩衝液に溶解した(55℃で10分)。さらなる遠心分離(5分、19000g)を行って細胞片を除去し、核酸の固定条件を最適化するためにエタノールを加えた。全RNAをPAXgene RNAスピンカラム上に特異的に固定し、その溶出前に、RNAseフリーDNAseセット(Qiagen、ドイツ・ヒルデン)を使って、夾雑DNAの消化を行った。全RNAの量をAGILENT 2100バイオライザー(Agilent Technologies、ドイツ・ヴァルドブロン)で解析した。
3.DATASプロファイリング実験
以下の群間で3シリーズの「DATAS」プロファイリングを行った。
第1DATAS:早期乳がん(病期IおよびII)対対照群(PBMN試験)
第2DATAS:後期乳がん(病期IIIおよびIV)対対照群(PBMO試験)
第3DATAS:乳がん(病期I、II、IIIおよびIV)対対照群(PMNP試験)。
DATASは、例えば選択的スプライシングによって生じるようなメッセンジャーRNAレベルでの定性的相違を特徴づけることができる、二つの試料間の遺伝子発現のプロファイリング技術である。この特許技術は特許US 6,251,590に記載されている。
二つの情況(一方は正常(mN)、他方は病的(mP))に対応する全RNAを、上述のPAXgeneシステム(PreAnalytix)を使って、血液試料から単離する。このRNA(各群50μg)を、逆転写酵素(RT)(Invitrogen)およびビオチン化オリゴヌクレオチド・オリゴdT25(Invitrogen)を使って、相補的DNA(cN)および(cP)に変換する。各群の50μgを構成する試料を表A〜Fに示す。
次に、ハイブリッドmN/cPおよびcN/mPを液相で生成させる。mNおよびcPならびにcNおよびmPのエタノール沈殿後に、沈殿物を、80%ホルムアミドおよび0.1%SDSを含有するハイブリダイゼーション溶液30μlに溶解し、40℃で終夜インキュベートする。次に、ストレプトアビジン磁気ビーズ(Dynal)を使って、ヘテロ二重鎖を捕捉する。洗浄操作中は磁石を使ってビーズをチューブ内に保持する。次に、ビーズ/ヘテロ二重鎖を50μlのRNAseH緩衝液に溶解し、RNaseH(Invitrogen)と共に37℃で30分間インキュベートする。さらに磁石を適用して上清を集める。DNAseI(Ambion)の作用によって残存DNAを除去する。酵素を失活させた後、RNAフラグメントをエタノールで沈殿させ、RNAse out(Ambion)を補足したDPECで処理した水に溶解する。次に、ランダムヘキサマーオリゴヌクレオチドを使ってRNAフラグメントを逆転写する(Reverse transcription TaqManキット、Applied Biosystem)。次に、得られた相補DNAを、半縮重プライマーを使ってPCR増幅する。一般的には10対のプライマーを使用する。得られたアンプリコンは、アガロースゲルでの電気泳動によって可視化することができる(図1、2および3)。不均一な増幅集団を観察することができ、そのタイプおよび強度は、使用したプライマーおよび試料に応じて変化する。これらの増幅集団をTOPO TA(Invitrogen)クローニングベクターにクローニングし、コンピテント大腸菌細菌の株(Invitrogen)に形質転換する。そのコロニーを96ウェルプレートに移し、アンピシリンを補足した2XTY培地で終夜培養する。次に、グリセロールストック(50%)を作製する。一般的には、2方向のうちの1方向で1対のプライマーにつき1枚の96ウェルプレートを処理する。これにより、96×10×2=1920個の特徴づけるべきコロニーが得られる。
第1DATASプロファイリングでは1728個のクローンを配列決定し、第2DATASプロファイリングでは1920個をクローニングして配列決定し、第3DATASプロファイリングでは1920個をクローニングして配列決定した。
4.バイオインフォマティクス解析
表Gに、三つのプロファイリングバンクで特徴づけられたクローンの数を要約する。「シングルトン」と呼ぶクローンは、そのクローンの配列がそのバンク中に1回しか同定されなかったこと、およびその配列とオーバーラップするクローンは他になかったことを意味する。「クラスタ」とは、オーバーラップする配列を持つ一群のクローンを示す。結果として、これら三つのDATASプロファイリングにより、1741個の非重複クローンが得られた。
表G:三つのDATASバンクで得られたクローンの特徴づけ
Figure 2009513125
これら1741個のクローンに対して、それらが関連する遺伝子および対応する核酸の公共データベースにおける既知スプライシングイベントを同定するために、バイオインフォマティクス解析を行った。これら1741個のDATASクローンは、1170個の異なる遺伝子に関連づけることができ、一部の非オーバーラップDATASフラグメントは同じ遺伝子の異なる領域に関連づけられた。
5.マイクロアレイ構成用のターゲットイベントの選択および設計
マイクロアレイでスプライシング変異体の発現を検出し定量するには、特定のプローブ構成を使用する必要がある。対照メッセンジャーRNA/スプライシング変異体ペアは、いずれも長アイソフォーム/短アイソフォームとしてモデル化することができる(図4)。したがって、エクソンスキップに関連するスプライシング変異体は、対照変異体と比較して短アイソフォームになるだろう。新規エクソンを含有するスプライシング変異体またはイントロンを保持しているスプライシング変異体は、対照変異体と比較して、長いアイソフォームになるだろう。他の選択的スプライシングイベント(5'または3'潜在スプライス部位の使用)も同様にモデル化することができる。
スプライシング変異体の発現を測定するために必要なプローブのセットも図4に示す。このセットは、二つの従来型「エクソン」プローブAおよびBと、エクソン-エクソン型またはエクソン-イントロン型の三つの接合部プローブC、DおよびEとからなる。プローブAは二つのアイソマーの発現を測定し、プローブB、CおよびDは長アイソマーの発現を測定し、プローブEは短形の発現を測定する。
これら全てのプローブを設計するには、DATASフラグメントに対応するスプライシングイベントを同定し、次に、プローブの設計に用いる「ターゲット」領域を同定しなければならない。接合部プローブC、DおよびEに対応するターゲット配列は、接合部の両側15ヌクレオチドずつ、30ヌクレオチドの長さによって定義される。したがって、10/15、11/14、12/13、13/12、14/11および15/10(記号/は接合部領域を表す)タイプの25ヌクレオチドのプローブによって、任意の接合部を「カバー」することができる。「エクソン」プローブAおよびBの方が制約は少ない。長形に特異的な追加配列(図4の配列2)およびスプライス部位の上流にある共通配列(図4の配列1)が、これらのプローブのターゲット配列を定義する(ただし、これらの配列は500ヌクレオチドを超える場合もあるが、その上限は500ヌクレオチドとする)。ターゲット配列の定義を図5に要約する。
したがって、1741個のDATASクローンに対応する1170個の遺伝子を使って、そのそれぞれについて、配列に定性的な相違を潜在的に持つ公共の配列データバンクに登録されているcDNAおよびEST、スプライスイベントの原因を同定した。選択したイベントは、DATASフラグメントの5'末端または3'末端から100ヌクレオチド未満に位置する。
このようにして2108個のイベントを選択し、Excelファイルに列挙することができた。その一部であって、抽出されたデータを表しているものを、図6に示す。所与のイベントに関するこれらのデータは、イベントの識別番号、イベントのタイプ、長形および短形のアクセッション番号、ターゲット配列A〜Eならびにこれらのターゲット配列のサイズを含む。
これらの配列の定義には厳密な品質管理を適用した。いくつかのヌクレオチドに関する多義性は、対照RNA(RefSeq)上の対応するヌクレオチドまたはゲノムDNAから得られる対応するヌクレオチドでそれらを置換することによって修正した。適当な短形または長形への帰属を確認するために、全てのターゲット配列を再整列させた。
6.プローブおよびチップの設計
先に述べた2108個のイベントの発現を測定することができるように、専用DNAチップを設計した。このチップ上で、各イベントを、その五つのターゲット配列A〜Eによって特徴づけた。各配列AおよびBについては、25ヌクレオチドのプローブを11対設計し、タイプC、DまたはEのターゲット配列は、25ヌクレオチドのプローブ6対を使って検出した。
プローブ対とは、ターゲット転写物由来のcDNAの一つと完全にハイブリダイズする第1プローブ(完全マッチ(perfect match)の略でPMプローブという)と、プローブの中央にあるミスマッチを除けば第1プローブと同一である第2プローブ(すなわちミスマッチ(mismatched)の略でMMプローブ)とを意味する。各MMプローブは、非相補的配列を持つ二つのヌクレオチドフラグメント間のハイブリダイゼーションに相当するバックグラウンドノイズを見積るために使用した(Affimetrix技術資料「Statistical Algorithms Reference Guide」;Lipshutzら (1999) Nat. Genet. 1 Suppl., 20-24)。配列AおよびBに関して少なくとも6個のプローブまたは配列C、DおよびEに関して少なくとも4個のプローブを設計することができない場合、専用チップにはこれらの配列を含めなかった。そのような情況は、連続的であれ非連続的であれ繰返し構造または「ヘアピン」構造を含有する複雑度の低い配列によって生じうる。30ヌクレオチド未満というA〜Eの配列サイズも、これらのプローブの除外をもたらした。Affymetrixの勧告に従って、5'→3'方向の高品質な配列だけをプローブの設計に使用した。
7.cRNAの合成、cDNAの取得および標識ならびに断片化
本発明に従ってターゲット転写物の発現を解析するために、Klenow 3'-5'-エキソヌクレアーゼ酵素、100単位のSuperScript II逆転写酵素(Invitrogen)、10単位のRNAse阻害剤H Superase-IN(Ambion、英国ハンティンドン)およびT7プロモーターを含有する200pmolの「ランダム」プライマー(RP-T7プライマー、Eurogenetec、ベルギー・セラン)を使って、400ngの全RNAから、全RNA(例えば上で精製したもの)に含まれるmRNAの相補DNA(cDNA)を取得した。
次に、このようにして得たcDNAの全てを、MEGAscript T7キット(Ambion)を使って37℃で16時間行うインビトロ転写にかけた。次に、RNeasy Miniキット(Invitrogen)を使って、得られたcRNAをカラム精製し、AGILIENT 2100バイオアナライザーを使って、得られたcRNAの品質を解析した。次に、精製cRNAを分光測光法によって定量し、cRNAの溶液を1.24μg/μl cRNAの濃度に調節した。次に、26μgのcRNAを二本のエッペンドルフチューブに入れ、各チューブに3μgの「ランダム」プライマーを加えた。逆転写は、800単位のSuperScriptII(Invitrogen)およびRNAse Hの阻害剤10単位を使って、Klenow酵素の存在下、37℃で1時間行った。次に、このアプローチによって得た二本鎖cDNAを、QIAquick PCR Purification Kit(Qiagen)を使って精製し、分光測光法で定量した。次に、3本のエッペンドルフチューブに分配した16μgのcRNAを、チューブ1本あたり0.6単位のDNAse Iを使って、37℃で10分間断片化した。2100バイオアナライザー(Agilent)を使って断片化の効率を確認した。次に、断片化したcDNAを、cDNA 1マイクログラムにつき330単位のターミナルトランスフェラーゼ(Roche Molecular Biochemicals、フランス・メラン)と1μlのDNA Labeling Reagent(DLR-1a、5mM)[Affymetrix]とを使って、37℃で60分間、ビオチンで標識した。
最後に、断片化し標識したcDNAの全部を、11μmチップに適合させた標準的ハイブリダイゼーションプロトコルに従って、専用DNAチップ(「A520138F」と呼ぶ、実施例6参照)上でハイブリダイズさせた。
8.血液試料から乳がんを診断するための発現プロファイルの証明
8.1.対照患者(S)と病期I/IIがんを患っている患者との識別を可能にする転写物の発現プロファイルを証明する
約800の遺伝子に相当する約2000のRNA変異体の発現を解析し、S患者とC I/II患者の間で比較した。この目的のために、各試料から得た16μgの断片化されたcDNAを、ハイブリダイゼーション緩衝液(Affymetrix)に加え、この溶液200μlを発現チップ上、50℃で16時間接触させた。最良のハイブリダイゼーションおよび洗浄成績レベルを記録するために、「対照」として適格なビオチン化RNA(bioB、bioC、bioDおよびcre)ならびにオリゴヌクレオチド(オリゴB2)も、ハイブリダイゼーション緩衝液に含めた。ハイブリダイゼーションステップ後に、チップ上でハイブリダイズさせたビオチン化cDNAを、ストレプトアビジン-フィコエリトリン溶液を使って呈色させ、抗ストレプトアビジン抗体を使ってシグナルを増幅した。ハイブリダイゼーションは「GeneChip Hybridisationオーブン」(Affymetrix)で行い、準拠したAffymetricプロトコールはEuk GE-WS2プロトコールである。洗浄および呈色ステップは「Fluidics Station 450」(Affymetrix)上で行った。次に、ハイブリダイズしているチップ上の領域を同定するために、各チップをAffymetrix G3000 GeneArray Scannerにより、1.5ミクロンの解像度で解析した。このスキャナーでは、アルゴンレーザーによる励起後に蛍光分子が放射するシグナルを、落射蛍光顕微鏡技法を使って検出することができる。したがって、各位置について、固定化されたcDNAの量に比例するシグナルが得られる。次に、GeneChip Operating Software(GCOS 1.2、Affymetrix)を使って、シグナルを解析した。
異なるチップを使用することによって得られる変動に備えるために、各チップについて得られた生データの平均分布を一致させる「Bioconductor」ツールを使った標準化アプローチに従った。そうすることにより、あるチップ上で得られた結果を、別のチップ上で得られた結果と比較することができる。GCOS 1.2ソフトウェアでは、転写物が発現されたか発現されなかったかを決定するための統計学的アルゴリズムを含めることもできた。
約2000の転写物に相当するチップのプローブ6242グループから、本発明者らは、乳がんの発生と相関関係を示す関連転写物を選択した。大半のチップ上でその発現レベルが低すぎる転写物と、異なるチップ間で実質的な変動を一切示さなかった転写物とは、除外した(Liら, 2001, Bioinformatics, 17:1131-1142)。「ランダムフォレストアルゴリズム」と呼ばれるデータマイニング技法(http://ligarto.org/rdiaz/Papers/jornadas.bioinfo.randomForest.pdf)を使って、EFS患者群とCI/II患者群とを識別する転写物パネルの検索を行った。多変量型の解析であるランダムフォレストアルゴリズムを使ったデータ解析に加えて、EFS患者とCI/II患者とで差別的に発現される転写物を同定するために、いわゆる「一変量」解析も使用した。SAM(「マイクロアレイの有意性解析」)と呼ばれるこの解析は、主として、変動性が低い遺伝子によって導入されるバイアスに対する対策を施した改変型のスチューデントt検定に基づく。このアプローチでは、一変量解析における偽陽性遺伝子のパーセンテージを抑制することができる。
上述した全ての解析で、本発明の318の関連転写物(表1、配列番号1〜318参照)を含む転写物の第1パネルを証明することができた。C I/II患者と比較して健常患者(S)に観察される各転写物の発現の増減を、表1に記載する。
本発明者らは、318個の転写物の同時発現を調べて、発現プロファイルを取得した。ランダムフォレスト法を使って、患者の90%が正しく分類された。より正確には、37人の対照のうち32人および55人の患者のうち51人が正しく分類され、これは92.7%の感度および86.4%の特異性に相当する。最初の92個の試料に関する解析に加えて、上に挙げたシグネチャーの妥当性を実証するために、さらなる解析を行った。すなわち、5人の健常対照および16人の病期I/II乳がん患者の独立コホートが、盲検試験を受けた。独立コホートの解析は、遺伝子または転写物のシグネチャーの予測値を検証する最もよい方法の一つである(SMRS working group, Nat Biotech 2005, 7:p.833-838参照)。配列番号1〜318の配列に基づいて、ランダムフォレストアルゴリズムは、5人中5人の対照および16人中13人の患者を正しく分類した(86%分類)。
188人の患者で行った追加のハイブリダイゼーションおよび解析実験により、配列番号319〜437の配列に相当するさらに119のターゲットが同定された(表1参照)。
8.2.100マーカーの予測的パネルの同定(パネル7)
本発明者らは、表2に記載の配列から選択される100個のヌクレオチド配列の転写物の同時発現を調べて、発現プロファイルを取得した。ランダムフォレスト法を使って、患者の89%が正しく分類された。より正確には、37人の対照のうち31人、55人の患者のうち51人が正しく分類され、これは92.7%の感度および83.7%の特異性に相当する。これらの結果を、もう一つの解析技法、階層的クラスタ技法によって確認した。この教師なし解析では、一人の対照が患者の中に位置し(赤い点線の左側、図7参照)、10人の癌患者が健常対照の中に現われる(赤い点線の右側)。図7は、アルゴリズム的解析によって同定された100個の遺伝子の発現を使った、早期乳がんを患っている55人の患者(C I/II、Dともいう)と37人の対照(健常ドナー)から得た血液試料の階層的クラスタ解析を示す。Spotfireソフトウェアの階層的クラスタリング機能は、類似する発現プロファイルを持つ患者または遺伝子が隣接する位置に表示されるように、C I/II患者および対照を列に配置し、遺伝子を行に配置する。ピアソンの相関係数を、遺伝子および患者に関する類似性の指標として使用した。これらの結果は「bioconductor」ツールで標準化したAffymetrix蛍光レベルに対応する。遺伝子間の構成的な発現の相違を考慮するために、標準測度を計算することによって、各遺伝子の発現レベルを標準化した。低発現レベルは白色で表し、中間レベルは灰色で表し、最強レベルは黒色で表す。デンドログラムの枝の高さは発現プロファイル間の類似性の指標を示す。
最初の92個の試料に関する解析に加えて、上に挙げたシグネチャーの妥当性を実証するために、さらなる解析を行った。すなわち、5人の対照および16人の病期I/II乳がん患者の独立コホートで盲検試験を行った。トップ100に基づいて、ランダムフォレストアルゴリズムは5人中5人の対照および16人中14人の患者を正しく分類した(90%分類)。
100個のマーカー遺伝子の組み合わせのうち、以下の実施例で説明するように、より小さなパネルでも、対照患者と乳がん患者の間の識別を行うことが可能になることを、本発明者らは証明した。
8.3.66マーカーの予測的パネルの同定(パネル6)
本発明者らは、配列番号5、7、13、14、16〜20、23〜28、47、51〜55、58、64、69、80、81、88〜90、116、121、125、137、139、145、148、158、160、161、164、188〜191、208、222、225、228、229、236、240、242、245、248、252、280、281、284、290、298〜300および309〜312に基づく66個のマーカーの組み合わせを証明した(表3参照)。この組み合わせでは試料の80%以上を正しく分類することができる。
8.4.53マーカーの予測的パネルの同定(パネル5)
本発明者らは、配列番号7、13、14、16〜19、23〜28、47、51〜55、58、69、80、81、89、116、121、125、137、139、145、148、158、160、161、164、189、190、225、228、229、240、245、248、252、280、281、284、290、298〜300、310および312の配列に基づく53個のマーカーの組み合わせも証明した。この組み合わせでも試料の80%以上を正しく分類することができる。
8.5.42マーカーの予測的パネルの同定(パネル4)
本発明者らは、配列番号13、16〜19、23、26〜28、47、51〜55、58、69、80、81、89、116、121、125、145、148、158、160、161、164、189、190、225、229、240、248、280、281、284、299、300、310および312の配列に基づく42個のマーカーの組み合わせも証明した。この組み合わせでも試料の80%以上を正しく分類することができる。
8.6.22マーカーの予測的パネルの同定(パネル3)
本発明者らは、配列番号18、19、23、26、27、51、52、53、54、55、69、80、125、145、148、161、188、225、228、240、280および312の配列に基づく22個のマーカーの組み合わせを証明した。この組み合わせでも試料の76%を正しく分類することができる。
8.7.18マーカーの予測的パネルの同定(パネル2)
本発明者らは、表3に記載する配列番号18、19、23、26、51、52、53、54、55、69、80、125、145、148、225、228、240および312のターゲット配列に基づく18個のマーカーの組み合わせも証明した。この組み合わせでは試料の76%を正しく分類することができる。
これは、これら18マーカーの発現の解析が、再発のリスクが高い患者と、再発のリスクが低い患者とを識別するための良いツールであることを裏付けている。限られた遺伝子パネルの使用は、検出および予後判定ツールを得るのにとりわけ適している。十数個程度のマーカーの発現の解析は、DNAチップの個別製作を必要とせず、PCRまたはNASBA技法を使って直接実行するか、低密度チップを使って実行することができ、実行が簡便化されると共に、経済的にもかなり有利である。
8.8.予測的マーカーパネルの同定(パネル1および7〜9)
本発明者らは、配列番号1〜437のターゲット配列に基づき、個体における乳がんの存在の検出を可能にする100個、104個および110個のマーカーの組み合わせを証明した。これらのパネルを表4に記載する。パネル1はパネル7〜9に共通する配列を全て含んでいる。
8.9.90マーカーの予測的パネルの同定(パネル10および11)
追加のハイブリダイゼーションおよび解析実験を188人の患者で行うことにより、本発明者らは、配列番号11、12、18、23、51〜53、59、60、105、148、150、191、195、206、225〜227、229、280、281、308〜310、312、327、343、360、367、377〜437に基づく90個のマーカーの組み合わせを証明した(表4参照)。
この組み合わせでは、早期乳がんの試料の86.1%を正しく分類することができる。このパネル中の遺伝子は、早期乳がんに特異的である。追加試験では、大腸癌を患っている女性から採取とした19の血液試料と、転移性乳がんを患っている女性から採取した20の血液試料を、上述したような専用チップで解析した。これら二つの疾患のそれぞれについて、パネル10に含まれる90個のマーカーが類似する発現を示したのは、3患者だけだった。したがって、大腸癌の84.2%(19人中16人)および転移性乳がんの85%(20人中17人)は、早期乳がんと混同されることはなかった。
パネル11は、パネル1〜10の全てに共通する配列、すなわち配列番号23、52、53、148および225に示す配列を含む核酸を、全て含んでいる(表4参照)。
8.10.免疫応答のシグナリングカスケードの同定
患者において発現が変化している本発明で同定されたさまざまな遺伝子の解析は、それらが細胞シグナリング経路または共通の調節機序に関与する遺伝子のファミリーに属することを示している。特にこの解析は、(自然または獲得)免疫応答で使用されるシグナリングカスケード、特にTLRの刺激によって開始されるメッセージの伝達、サイトカインの分泌またはTリンパ球活性化に関与する数多くの遺伝子を示す。
したがって出願人は、がんの検出にとって興味深いターゲットを形成する免疫応答のシグナリング経路に関係または参加する遺伝子のパネルを明らかにした。これらのパネルを表5および6に示す。
表A:第1DATAS(PBMN)において早期乳がん群用に選択した試料
Figure 2009513125
表B:第1DATAS(PBMN)において対照群用に選択した試料
Figure 2009513125
表C:第2DATAS(PBMO)において後期乳がん群用に選択した試料
Figure 2009513125
表D:第2DATAS(PBMO)において対照群用に選択した試料
Figure 2009513125
表E:第3DATAS(PBMP)において全病期乳がん群用に選択した試料
Figure 2009513125
Figure 2009513125
表F:第3DATAS(PBMP)において対照群用に選択した試料
Figure 2009513125
表1−乳がんの発生時に差別的に発現される437個の転写物のリスト
Figure 2009513125

Figure 2009513125

Figure 2009513125

Figure 2009513125

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配列番号:308〜318の変異体は新規ESTに相当する。
表2−乳がんにおいて差別的に発現されるマーカー100個のパネル(パネル7)

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表3−乳がんにおいて差別的に発現されるマーカー66個のパネル(パネル6)

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表4−乳がんにおいて差別的に発現されるマーカーのパネル1〜11の要約表
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表5.乳がん患者の血液試料をプロファイリングすることによって編纂されたDATASバンク内で免疫シグナリング経路に関連すると同定された遺伝子/転写物のリスト
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表6.免疫シグナリング経路に関連する遺伝子/転写物のリスト

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10対の半縮重プライマーを使った第1プロファイリング(PBMN)によって得られるDATAS cDNAのPCR増幅。DATASプロファイリングは両方向に行った(病期IおよびIIがん対対照、ならびに対照対病期IおよびIIがん)。HepG2細胞由来のcDNAを使った陽性対照を含める。 10対の半縮重プライマーを使った第2プロファイリング(PBMO)によって得られるDATAS cDNAのPCR増幅。DATASプロファイリングは両方向に行った(病期IIIおよびIVがん対対照、ならびに対照対病期IIIおよびIVがん)。HepG2細胞由来のcDNAを使った陽性対照を含める。 10対の半縮重プライマーを使った第3プロファイリング(PBMP)によって得られるDATAS cDNAのPCR増幅。DATASプロファイリングは両方向に行った(病期IおよびIVがん対対照、ならびに対照対病期IおよびIVがん)。HepG2細胞由来のcDNAを使った陽性対照を含める。 選択的スプライシングによって生成する変異体の発現を測定するためのプローブの具体的構成。両アイソフォームに共通するプローブAは両変異体の発現を測定する。長フォームの追加配列に特異的なプローブBならびにこの追加配列周辺の接合部配列に特異的なプローブCおよびDは、長アイソフォームの発現を測定する。追加配列が存在しない場合に生じる接合部に特異的なプローブEは、短アイソフォームの発現を測定する。 「ターゲット」配列の定義。各接合部の両側にある15ヌクレオチドと、追加配列および上流配列の最大500ヌクレオチドとを捕捉する。 「ターゲット配列」および関連データ。列の説明:idn°:スプライシングイベントの識別番号;description:スプライシングイベントのタイプ;Long form:長形のアクセッション番号;Short form:短形のアクセッション番号。Target A〜E:ターゲットA〜Eの配列。long:前列の配列のサイズ。 100ヌクレオチドを用いた37対照および55患者の階層的クラスタリング。

Claims (23)

  1. 哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクを検出するための方法であって、その哺乳動物の生体試料における、
    a)配列番号23、52、53、148および225に示す配列を含有する核酸(パネル11)、または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、および/または
    b)a)に記載の配列に対して相補的な配列を持つ核酸、および/または
    c)別の種に由来するa)またはb)に記載の核酸の機能的類似体、および/または
    d)a)〜c)に記載の核酸によってコードされるポリペプチド
    の検出を含み、試料中のこれらのターゲット分子の存在、非存在または(相対)量が前記哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクの指標である方法。
  2. a)に記載の核酸が、表4のパネル1〜10の一つに記載する配列を含有する核酸、または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. a)に記載の核酸が表4のパネル10に記載する配列を含有する核酸、または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクのインビトロまたはエクスビボ検出方法であって、その哺乳動物の生体試料(好ましくは血液(由来)試料)における、TLRの刺激、サイトカインの分泌、またはTリンパ球の活性化に関与する遺伝子またはRNAの変化の存在(または非存在)の決定を含み、前記遺伝子またはRNAは、好適には、受容体、アダプター、酵素、遺伝子発現の調節に関与する因子、ケモカイン、サイトカインおよびインターロイキンから選択され、前記変化の存在がこの哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクを示す方法。
  5. 表5に示す少なくとも一つの(好ましくは少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個の)遺伝子または対応するRNAの変化、特に前記遺伝子またはRNAの変化したスプライシングの、哺乳動物の生体試料(好ましくは血液(由来)試料)における存在(または非存在)の決定を含み、前記変化の存在が、この哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクの指標である、請求項4に記載の方法。
  6. 表6に示す少なくとも1個(好ましくは少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個)の遺伝子または対応するRNAの変化、特に、前記遺伝子またはRNAの変化したスプライシングの、哺乳動物の生体試料(好ましくは血液(由来)試料)における存在(または非存在)の決定を含み、前記変化の存在が、この哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクの指標である、請求項4に記載の方法。
  7. 選択的ハイブリダイゼーションまたは選択的増幅による核酸の存在または非存在の検出を含む、上記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  8. 相補的な配列間のハイブリダイゼーションを許す条件下で、哺乳動物の血液試料に由来する核酸を、
    a)請求項1および2で定義するパネル1〜11の一つの核酸、または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、および/または
    b)a)に記載の配列に対して相補的な配列を持つ核酸、および/または
    c)別の種に由来するa)またはb)に記載の核酸の機能的類似体、
    から選択されるターゲット分子群に特異的な一組のプローブと接触させて、ハイブリダイゼーションプロファイルを取得することを含み、そのハイブリダイゼーションプロファイルが、この哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクに特有である、哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクを検出するための上記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  9. 相補的な配列間のハイブリダイゼーションを許す条件下で、哺乳動物の血液試料に由来する核酸を、以下のターゲット分子:
    a)パネル11の核酸または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、および/または
    b)a)に記載の配列に対して相補的な配列を持つ核酸、および/または
    c)別の種に由来するa)またはb)に記載の核酸の機能的類似体、
    に特異的な一組のプローブと接触させて、ハイブリダイゼーションプロファイルを取得することを含み、そのハイブリダイゼーションプロファイルが、この哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクに特有である、請求項8に記載の方法。
  10. 相補的な配列間のハイブリダイゼーションを許す条件下で、哺乳動物の血液試料に由来する核酸を、表5および6に示す少なくとも二つの遺伝子または対応するRNAに特異的な一組のプローブと接触させることを含む、請求項5に記載の方法。
  11. プローブが担体上に固定化されることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 増幅反応を許す条件下で、哺乳動物の血液試料に由来する核酸を、
    a)請求項1および2に定義するパネル1〜11の一つの核酸、または少なくとも15個(好ましくは少なくとも16、17、18、19、20、25または30個)の連続塩基を持つその弁別的断片、および/または
    b)a)に記載の配列に対して相補的な配列を持つ核酸、および/または
    c)別の種に由来するa)またはb)に記載の核酸の機能的類似体、
    から選択されるターゲット分子群に特異的な一組のプライマーと接触させて、増幅プロファイルを取得することを含み、その増幅プロファイルが、この哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクに特有である、哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクを検出するための請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  13. 増幅反応を許す条件下で、哺乳動物の血液試料に由来する核酸を、表5および6に示す少なくとも二つの遺伝子または対応するRNAに特異的な一組のプライマーと接触させることを含む、請求項6または7に記載の方法。
  14. 特異的抗体またはそのフラグメントもしくは誘導体を利用して、前記遺伝子またはRNAがコードするポリペプチドの存在または非存在を検出することを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  15. 試料が血液由来試料、好ましくは全血の試料であることを特徴とする、上記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  16. 病期IまたはIIの早期乳がんの存在を検出するための、上記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  17. マンモグラフィーでは検出不可能な早期乳がんの存在を検出するための、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  18. 請求項1〜8のいずれか一項に定義するようなターゲット核酸に特異的な核酸プローブであって、15〜400個の塩基を含むプローブの、ヒト個体におけるがんのインビトロ検出のための使用。
  19. 請求項1〜7のいずれか一項に定義するようなターゲット核酸の全部または一部の増幅を可能にする核酸プライマーであって、5〜50塩基の長さを持つ一本鎖であるプライマーの、ヒト個体におけるがんのインビトロ検出のための使用。
  20. 配列番号1〜437から選択される少なくとも二つの配列を含有する少なくとも二つの別個のターゲット核酸または表5もしくは6に示す少なくとも一つの遺伝子もしくはRNAに相補的かつ/または特異的な配列を含む、少なくとも二つの別個の核酸プローブが固定化されている担体を含む物品。
  21. 請求項1に定義するパネル1〜11の一つの核酸に相補的かつ/または特異的な配列を含有する、少なくとも一組の別個の核酸プローブが固定化されている担体を含む、請求項20に記載の物品。
  22. 哺乳動物におけるがんの存在またはがんを発生させるリスクのインビトロまたはエクスビボ検出のための、請求項20に記載の物品の使用。
  23. 哺乳動物における乳がんの存在または乳がんを発生させるリスクのインビトロまたはエクスビボ検出のための、請求項21に記載の物品の使用。
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