JP2009513113A - C型肝炎ウイルスns2/3活性のアッセイ法 - Google Patents
C型肝炎ウイルスns2/3活性のアッセイ法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
HCVは、フラビウイルス科のエンベロープを有するプラス鎖RNAウイルスである。一本鎖のHCV RNAゲノムはプラスの極性を有し、長さがほぼ9600ヌクレオチドの1個のオープンリーディングフレーム(ORF)を含み、前記はほぼ3010アミノ酸の直鎖状ポリプロテインをコードする。感染細胞内で、このポリプロテインは、細胞性及びウイルス性プロテアーゼによって多数の部位で切断され、構造タンパク質及び非構造(NS)タンパク質を生成する。構造タンパク質(C、E1、E2及びp7)は、ウイルス粒子を構成するポリペプチドを含む。構造タンパク質のプロセッシングは宿主細胞のプロテアーゼによって触媒される。非構造タンパク質(NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5A、NS5B)は、酵素又は付属因子をコードし、これらはHCV RNAゲノムの複製を触媒及び調節する。成熟した非構造タンパク質の生成は、ウイルスによりコードされる2つのプロテアーゼによって触媒される。第一のものはNS2/3プロテアーゼで、これはNS2及びNS3の間の切断を自己触媒する。NS3はN-末端セリンプロテアーゼドメインを含み、ポリプロテインから残りの部分の切断を触媒する。遊離したNS4Aタンパク質は少なくとも2つの役割を有する。第一の役割は、NS3タンパク質と安定な複合体を形成し、NS3/NS4A複合体の膜局在を助けることである。第二は、NS3プロテアーゼ活性のための補助因子として作用することである。この膜結合複合体は、続いてポリプロテイン上の残りの部位の切断を触媒し、したがってNS4B、NS5A及びNS5Bの遊離を達成する。
NS2/3プロテアーゼの最小触媒領域が明らかにされ、前記はNS2のC-末端及びNS3プロテアーゼドメインのN-末端を含む(2−5)。以前に記載されたように、HCV遺伝型1bのNS2/3(904−1206)変種を大腸菌(E. coli)の封入体から精製し、さらにゲルクロマトグラフィーによって再折り畳みを実施した(2、3)。精製されたNS2/3(904−1206)不活化形は、グリセロール及び界面活性剤を添加し、ロイシン残基(1026)とアラニン残基(1027)との間の予想部位で自己切断を誘発することによって活性化することができる(2、3)。in vitroでは、このNS2/3タンパク質の単離形は、プロテアーゼ活性(すなわちNS2/3プロテアーゼ自己切断活性)及びNS3プロテアーゼ活性の両方を所有する。NS2/3前駆体の切断から生じる生成物の分離、又は少なくともNS3プロテアーゼ活性の2つの形態の間の識別が、NS2/3の自己切断によって同じ反応混合物中で生成されるNS3プロテアーゼの量を判定するために要求される。
したがって、現存のアッセイ法の1つ以上の欠点を克服する効率的なNS2/3切断アッセイ法の開発が所望されるであろう。特に、NS2/3タンパク質のNS3プロテアーゼ活性とNS3プロテアーゼ切断生成物とを識別する効率的なNS2/3切断アッセイ法を開発することが所望される。
新規なNS3-選択性アッセイ方法が提供される。前記は、サンプル中のNS2/3プロテアーゼの切断及び、サンプル中の切断生成物NS3の検出を可能にする切断生成物の処置を含む。前記方法は、NS2/3前駆体をNS3切断生成物から分離することを必要としないでNS3切断生成物を検出するために有用である。
本発明はNS2/3切断検出のための新規なアッセイ法を提供する。より具体的には、本発明は、未切断NS2/3の存在下でNS3切断生成物を検出するための新規なアッセイ法を提供する。前記アッセイ法は、生成されたNS3プロテアーゼ生成物の活性を、NS2/3未切断タンパク質のNS3プロテアーゼ活性と区別することを骨子とする。
我々は、ある種の反応条件は、両プロテアーゼの物理的分離を必要とすることなく前記をin situで区別することを可能にすることを見出した。これらの条件は、NS2/3タンパク質のNS3プロテアーゼ活性を低下させ、さらに生成されたNS3プロテアーゼ生成物のNS3プロテアーゼ活性を増加させ、それによってNS2/3の切断から生じたNS3プロテアーゼ活性の識別及び測定を実行することができる“シグナルウィンドウ”を作成することによってこの区別を可能にする。
本発明では、NS3生成物を生じるNS2/3の自己切断に続いて、十分量のNS4A補助因子及び適切な界面活性剤の存在下でサンプルをNS3-基質とともにインキュベートする。そのような適切な条件は、前記プロテアーゼの両方の形態間の識別作用をもたらすであろう。
したがって、本発明の第一の特徴では、NS2/3プロテアーゼを含むサンプル中のNS2/3自己切断活性を検出する方法が提供される。前記方法は以下の工程を含む:
a)NS2/3プロテアーゼの少なくとも一部分が自己切断されてNS3プロテアーゼ生成物を生じる条件に前記サンプルを供する工程;
b)工程a)で生成されたNS3プロテアーゼ生成物を含むサンプルを適切な量のNS4A補助因子と、適切な界面活性剤及び適切なNS3-基質の存在下、NS3プロテアーゼ生成物がNS3-基質の切断を触媒してそのNS3-基質副生成物を生じさせるために十分な条件下でインキュベートする工程;及び
c)工程b)で生成されたNS3-基質副生成物を検出し、それによりNS3-基質副生成物の検出がサンプル中のNS2/3自己切断活性を示す工程。
当業者には周知のところであるが、NS3-基質副生成物の検出は、NS2/3自己切断の量に相関する特異的な量を得るために測定することができる。
したがって、本発明の第二の特徴では、NS2/3プロテアーゼを含むサンプルにおいて、NS2/3自己切断阻害活性について候補化合物をスクリーニングするためのアッセイ法が提供される。前記アッセイ法は以下の工程を含む:
a)NS2/3プロテアーゼを含む第一のサンプルを、NS2/3プロテアーゼの少なくとも一部分が自己切断してNS3プロテアーゼ生成物を生じる条件に供する工程;
b)NS2/3プロテアーゼを含む第二のサンプルを、候補化合物の存在下、工程a)の条件と同じ条件に供する工程;
c)第一及び第二のサンプルの各々を十分量のNS4A補助因子と、適切な界面活性剤及び適切なNS3-基質の存在下、NS3プロテアーゼ生成物がNS3-基質の切断を触媒し、それによってNS3-基質副生成物を生じるために十分な時間インキュベートする工程;
d)第一及び第二のサンプルの各々で生成されたNS3-基質副生成物の量を決定する工程、ここで、第一のサンプルで生成されたNS3-基質副生成物の量と比較して第二のサンプルで生成されたNS3-基質副生成物の量が低下した場合、前記候補化合物がNS2/3自己切断活性の阻害物質でありえることを示す。
当業者には理解されるところであるが、HCV NS2/3プロテアーゼと類似する又は相同な自己切断プロテアーゼの他のタイプを、対応する阻害物質の探索で本発明の方法/アッセイ法において用いることができる。そのような他のプロテアーゼは、ペスチウイルス、例えばGBウイルスA、B又はC;ウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV);古典的ブタ熱ウイルス;ボーダー病ウイルス;ウシペスチウイルス;及びブタペスチウイルス(ただしこれらのウイルスに限定されない)で見出すことができる。
本発明のこれらの特徴及び他の特徴を以下の図面を参照し本明細書で述べる。
定義
特段の規定がない限り、本明細書で用いられる全ての技術的及び学術的用語は、本発明が属する分野の業者が一般的に理解する意味と同じ意味を有する。概して、細胞培養、感染、タンパク質精製の方法、分子生物学的方法などは、当分野で一般的な方法である。そのような技術は、参考書、例えばSambrookら(2001, Molecular Cloning A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press)、Ausubelら(1994, Current Protocols in Molecular Biology, Wiley, New York)、及びColiganら(1995, Current Protocols in Protein Science, Volume 1, John Wiley & Sons, Inc., New York)の著書で見出すことができる。
本明細書で用いられる、名称“P3、P2、P1、P1'など”は、ペプチド類似体のN-末端から始まり、切断部位(すなわちプロテアーゼ酵素の触媒作用によって通常切断される、プロテアーゼ酵素の基質中の結合)に向かって、さらに切断部位を越えて伸張するアミノ酸残基の位置を指す。したがって、P3は、切断部位のC-末端側から位置3を指し、P2は、切断部位のC-末端側から位置2を指すという具合である。P1とP1'残基との間の結合は切断部位と一致する。したがって、P1'の位置は切断部位のN-末端側の第一の位置と一致する(以下を参照されたい:A. Berger & I. Schchter, Transactions of the Royal Society London series B257, 249-264, 1970)。例えば、そのようなペプチドは以下のように表現することができる:P3-P2-P1↓P1'-P2'......等。
ヌクレオチド配列は、本明細書では、当分野で一般的に用いられ、IUPAC-IUB生化学命名委員会が推奨する一文字ヌクレオチド記号を用い、左から右に5'から3'方向の一本鎖によって提示される(Biochemistry, 1972, 11:1726-1732)。
本明細書で提示される全ての値及び濃度は、生物科学において許容可能な±10%の誤差内の固有の変動を前提とする。“約”という用語はまた、この許容可能な変動を指す。
本明細書で用いられる“陰性コントロール”という用語は、必須の因子(例えば酵素又は基質)の省略以外は該当実験に用いられる他のものと同じ条件に付される反応容器を指す。手近な具体的事例では、NS2/3を自己切断させる活性化剤が陰性コントロールウェルでは省略される。
本明細書で相互に用いられる“NS2/3”、“NS2/3タンパク質”又は“NS2/3プロテアーゼ”という用語は、NS3ドメイン(1027−1615)からNS2ドメイン(810−1026)の切断を触媒するC型肝炎ウイルス(HCV)ポリプロテインの領域、及びその機能的に等価な変種を指す。本明細書に記載されるある実施態様では、前記は、ポリプロテインの天然のNS2領域(特にアミノ酸810から1026)及び最小NS3プロテアーゼドメイン(1027から1206)によってコードされ(遺伝型1aH77の配列にしたがって番号付与が為されている)、本明細書では810*-1206(配列番号:1;*ここでアミノ酸810は配列番号:1のアミノ酸1に対応する)と称される。
NS2/3プロテアーゼの機能的に等価な変種は、“NS2/3”、“NS2/3タンパク質”又は“NS2/3プロテアーゼ”という用語に包含され、“機能的に等価”は、NS2/3の切断を触媒することができる変種、例えば他のHCV単離株/遺伝型由来の変種を指す。“変種”という用語はまた、天然のNS2/3に由来するが、挿入、欠失、置換、又は1つ以上のアミノ酸の改変によって改変されたタンパク質を指す。アミノ酸置換に関しては、前記は、当業者には理解されるところであるが、一般的には前記タンパク質のNS2/3機能に影響を及ぼさない保存的アミノ酸置換が含まれるであろう。前記にはまた改変アミノ酸、例えば改変側鎖を含むアミノ酸が含まれる。
さらにまた、“機能的に等価な変種”は、NS2のC-末端(ポリプロテインのアミノ酸の約907位で始まる)及びNS3のN-末端(アミノ酸1206位まで)を含むと決定されたNS2/3プロテアーゼの最小触媒領域を含む切端形を指す(5)。したがって、これらのアミノ酸欠失を含むNS2/3切端形(“NS2/3フラグメント”と称される)は、本発明の変種の例である(例えば、(907−1206;配列番号:2)又は(904−1206;配列番号:3))。さらにまた、NS2/3の天然の配列(810−1615又は810−1206)と切端NS2/3(907−1206)との間で任意の数のアミノ酸欠失を含むNS2/3欠失変異体もまた、本発明の変種であると考えられる。他の変種も同様に当分野で公知であり、例えば、WO01/68818、WO02/48375及びUS6,815,159に記載されたものである。
当業者には容易に理解されるところであるが、“変種”という用語はまた、タンパク質への改変、例えば、抽出/精製又は検出/測定を容易にするたにアフィニティータグ又は検出可能な標識を付加することを含む。さらにまた、置換又は挿入、例えば可溶性の強化を目的とするアミノ酸の付加(例えばリジン)も“変種”という用語に含まれる。そのような変種のある例は、(4K-6H-904-1206-ST-4K)(配列番号:4)である。
NS2/3プロテアーゼと機能的に等価な変種が本発明のアッセイ法で用いられる場合、改変ペプチドがNS2/3自己切断活性を保持していることを確認することが肝要である。これは、標準的な切断アッセイ法、例えば本明細書に引用した参考文献2−5に記載されているようなアッセイ法を用いて実施することができる。
“NS2/3プロテアーゼの少なくとも一部分が切断される”という用語は、アッセイ混合物に存在するNS2/3プロテアーゼの全量の少なくとも一部分が切断されることを意味する。
本明細書で用いられる、“アフィニティー標識”又は“アフィニティータグ”という用語は、レセプター(又相補性リガンド)に対するその強力な親和性を用いて、リガンドと共有結合する物質を抽出(例えば溶液から)又は特異的に捕捉することができる前記リガンドを意味する。アフィニティータグは、組換えタンパク質の検出及び精製を容易にするために開発された必須のツールである。それらは以下の2つのカテゴリーに分類することができる:1)固相に結合させた小分子リガンドと結合するペプチド又はタンパク質融合物を用いるアフィニティータグ(固定させた遷移金属(例えばニッケル)と結合するヘキサヒスチジンタグ);又は2)固定させたタンパク質-結合パートナー(抗体を含む)と結合するペプチドタグ、例えばFLAF-タグ、カルモジュリン-結合ペプチド、Strep-タグ又はStrep-タグII、及びビオチン受容体ペプチド。アフィニティータグ/アフィニティーリガンドペアの例には以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):マルトース-結合タンパク質/マルトース;グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)/グルタチオン;ヒスチジン(His)/金属;アビジン/ビオチン;Strepタグ/ストレプトアビジン又はニュートラビジン。アフィニティーリガンドとして用いられる金属は、コバルト、亜鉛、銅、鉄、及びニッケルから成る群から選択することができる。前記アフィニティー標識は、前記タンパク質のN-末端又はC-末端、特に前記タンパク質のN-末端に配置することができる。特に選択される前記金属はニッケルである。アフィニティーリガンドは、アフィニティークロマトグラフィーによる分離を促進するためにカラムにセットすることができる。参考のための概説が最近刊行された(13)。
本明細書で用いられる、“NS3プロテアーゼ生成物”という用語は、NS2/3プロテアーゼから切断又は遊離されるNS3プロテアーゼドメインを指す。NS3生成物は天然のNS3(1027−1615)と一致してもよいし、又は機能的に等価なその変種、すなわちNS3プロテアーゼ活性を保持する変種であってもよい。本明細書に記載する構築物のある実施態様では、NS3プロテアーゼドメインは、配列番号:3のアミノ酸1027−1206によって表されるが、しかしながら、本発明のNS3プロテアーゼ生成物は、上記に記載したように1つ以上のアミノ酸の挿入、欠失、改変、置換によって改変することができることは当業者には理解されよう。そのような改変は、アッセイ法で利用されるNS2/3プロテアーゼのNS3ドメインに存在する改変と一致することは予想される。“NS3プロテアーゼ生成物”という用語は、本明細書では“NS3生成物”、“NS3プロテアーゼ”、“切断されたNS3生成物”又は“NS3切断生成物”という用語と相互に用いられる。本発明の実施態様では、NS2/3を切断してNS3プロテアーゼ生成物を生成した後で、サンプルは、十分量のNS4A補助因子及び適切な界面活性剤の存在下で、標識したNS3プロテアーゼ-基質(NS3-基質とも称される)とともにインキュベートされる。
天然の切断部位の全てを基準にしたNS3プロテアーゼの合成基質のin vitroにおける性状決定によって、全てのtrans切断部位について以下のコンセンサス配列が明らかになった:(D/E)XXXXC↓(A/S)(配列番号:5)。式中、Xは任意のアミノ酸であり、切断されやすい結合はP1残基CysとP1'残基Ala又はSerとの間に存在する。これらの研究はまた、最良の基質はNS4A/NS4B又はNS5A/NS5Bの天然の切断部位のどちらかを土台とする(例えばそれぞれDEMEEC-ASH(配列番号:6)又はDDIVCC-SMSYTW(配列番号:7))ことを示した。
NS3プロテアーゼ活性によるNS2/3プロテアーゼアッセイで用いられる基質が報告された(7)。そのようなデプシペプチド基質は、残基P1とP1'との間にエステル結合を含み、より熱力学的に有利なトランスエステル化反応のためにアシル-酵素中間体の形成がはるかに容易に達成されるので、セリンプロテアーゼによって効率的に切断される。
本発明の他の有用な基質は検出可能な標識と結合された基質である。さらに別の実施態様では、NS3-基質は検出の目的で標識される。基質は、当分野で通常用いられる標識(例えば蛍光標識(例えば蛍光供与体ラジカルと蛍光受容体ラジカルのペア)、他のタイプの検出可能な標識及び比色標識を含む)を用いて標識することができる。他の実際的で有用な検出可能な標識は、放射性標識(例えば125I)又はβ-ガラクトシダーゼである。そのような他の検出可能な標識は以下で見出すことができる:Invitrogen-Molecular Probes Handbook - A Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technology, 10th ed. 2005。
本明細書で用いられる、“標識”、“検出可能な標識”又は“検出可能なマーカー”という用語は、NS3基質と結合させて、生成されたNS3-基質副生成物の直接的又は間接的な認識を可能にし、その結果、前記副生成物の検出、測定及び定量を可能にすることができる任意の基を指す。そのような“標識”の例には以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):蛍光標識、化学発光標識、比色標識、酵素マーカー、放射性同位元素及びアフィニティータグ(例えばビオチン)。そのような標識は周知の方法によってペプチドと結合される。本発明の1つの標識又は複数の標識はペプチドの任意の場所に導入することができる。例えば標識は、NS3プロテアーゼによって認識及び切断されるというその機能的特性が損なわれないかぎりC-末端若しくはN-末端のどちらか又はペプチド内に存在しえる。
本明細書で用いられる、“蛍光供与体ラジカル”という用語は、改変してアミノ酸配列と結合させることができる蛍光放出ラジカルを意味する。そのようなラジカルの例は、2-アミノベンゾイル(及びそのハロゲン化誘導体)、5-{(2-アミノエチル)アミノ}-ナフタレン-1-スルホニル(EDANS)、7-メトキシクマリン-4-アセチル、ニコチン酸(及びその誘導体)及びトリプトファンから誘導されるものである。
本明細書で用いられる、“蛍光受容体ラジカル”という用語は、蛍光供与体ラジカルが受容体ラジカルと近接して共有結合されたときに、蛍光供与体ラジカルの蛍光エネルギーを吸収し、蛍光放出を減少させる芳香族消光(quenching)ラジカルを意味する。そのようなラジカルの例には、3-ニトロチロシン、4-ニトロフェニルアラニン、2,4-ジニトロフェニルアラニン、5-(ジメチルアミノ)ナフタレン-1-スルホニル(DANSYL)、4-{{4-(ジメチルアミノ)フェニル}アゾ}ベンゾイル(DABCYL)、又は4-(ジメチルアミノ)アゾベンゼン-4'-スルホニル(DABSYL)が含まれる。
供与体/受容体ラジカルペアの例は以下のペアから選択される:
EDANS/DABCYL;
トリプトファン/2,4-ジニトロフェニルアラニン;
トリプトファン/DANSYL;
7-メトキシクマリン-4-アセチル/2,4-ジニトロフェニルアラニン;
2-アミノベンゾイル/2,4-ジニトロフェニルアラニン;又は
2-アミノベンゾイル/3-ニトロチロシン
一般的には、NS4A補助因子(NS4Apeptideとも称される)は、NS4Aタンパク質の中央疎水性ドメインに由来するペプチド、例えば参考文献(11)に記載されているGSVVIVGRIILSGR(配列番号:8)である。本発明の関係では、NS4A野生型補助因子の変種(例えば保存的置換又は可溶性のために付加されたアミノ酸を含む変種)は、NS3プロテアーゼと連係した補助因子活性が損なわれないかぎり、本発明で利用しえることは理解されよう。補助因子活性はUrbaniら(12)の方法によって判定することができる。
本明細書で用いられる、“界面活性剤(detergent)”という用語は、極性及び非極性ドメインを有する両親媒性、表面活性分子を意味する。それらは、疎水性分子又は分子ドメインと強力に結合して水溶性を付与する。界面活性剤の例には以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、脂肪酸の塩、トリトン(商標)類、オクチルグリコシド、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチル-アンモニオ]-1-プロパンスルホネート(CHAPS)、ドデシルマルトシドナトリウム(DM)、ラウリルジエチルアミンオキシド(LDAO)、NP-40及びトゥイーン(商標)類。
本明細書で用いられる、“阻害する”又は“阻害活性”という用語は、NS2/3プロテアーゼと関連して用いられるとき、プロテアーゼの自己切断活性が低下することを意味する。NS2/3プロテアーゼを阻害することができる薬剤又はリガンド(以下では潜在的“阻害剤”と称する)は、細胞集団におけるHCV感染の調節に有用であり、したがって細胞内のHCVの存在を特徴とする病変を治療する医薬として有用でありえる。
本明細書で相互に用いられる、“NS3副生成物”、“NS3プロテアーゼ副生成物”又は“NS3切断副生成物”又は“NS3基質副生成物”という用語は、NS3プロテアーゼ(NS2/3若しくはNS3プロテアーゼの形態又は活性なNS3プロテアーゼの他の任意の形態のいずれであれ)によるNS3基質の切断から生じる生成物を意味する。
したがって、本発明の第一の特徴の実施態様では、NS2/3プロテアーゼを含むサンプルにおいてNS2/3自己切断活性を検出する方法が提供される。前記方法は以下の工程を含む:
a)NS2/3プロテアーゼの少なくとも一部分が自己切断されてNS3プロテアーゼ生成物を生じる条件に前記サンプルを供する工程;
b)工程a)で生成されたNS3プロテアーゼ生成物を含むサンプルを適切な量のNS4A補助因子と、LDAO又はDM及び適切なNS3-基質の存在下、NS3プロテアーゼ生成物がNS3-基質の切断を触媒してそのNS3-基質副生成物を生じさせる条件下でインキュベートする工程;及び
c)工程b)で生成されたNS3-基質副生成物を検出し、それによりNS3-基質副生成物の検出がサンプル中のNS2/3自己切断活性を示す工程。
本発明の第二の特徴のある実施態様では、NS2/3プロテアーゼを含むサンプルにおいて、NS2/3自己切断阻害活性について候補化合物をスクリーニングするアッセイ法が提供される。前記アッセイ法は以下の工程を含む:
a)NS2/3プロテアーゼを含む第一のサンプルを、NS2/3プロテアーゼの少なくとも一部分が自己切断してNS3プロテアーゼ生成物を生じる条件に供する工程;
b)NS2/3プロテアーゼを含む第二のサンプルを、候補化合物の存在下で工程a)の条件と同じ条件に供する工程;
c)第一及び第二のサンプルの各々を十分量のNS4A補助因子と、LDAO又はDM及び適切なNS3-基質の存在下、NS3プロテアーゼ生成物がNS3-基質の切断を触媒し、それによってNS3-基質副生成物を生じるために十分な時間インキュベートする工程;
d)第一及び第二のサンプルの各々で生成されたNS3-基質副生成物の量を決定する工程、ここで、第一のサンプルで生成されたNS3-基質副生成物の量と比較して第二のサンプルで生成されたNS3-基質副生成物の量が低下した場合、前記候補化合物がNS2/3自己切断活性の阻害物質でありえることを示す。
もちろん、当業者には理解されるように、適切な対抗アッセイを実施して、NS3プロテアーゼの阻害物質とNS2/3自己切断活性の阻害物質とを識別することができることを確認しなければならない。対抗アッセイ、例えばNS3プロテアーゼアッセイは当分野では周知である。
特に、配列番号:4のNS2/3変種(4K-6H-904-1206-ST-4K)が本発明のアッセイ法で用いられる。
NS2/3自己切断アッセイの条件
本方法の第一の工程では、サンプルは、NS2/3が切断されてNS3生成物を生じる条件に付託される。活性化物質として界面活性剤を使用することを含む、そのような条件は当分野では公知であり(2−5)、適切な条件はまた本明細書で具体化される。
特に、NS2/3は、アッセイの開始前の自己切断を防ぐために最初はLDAOの溶液中で調製される。特に、LDAOの濃度は、自己切断を阻止するために臨界ミセル濃度(CMC)を十分に超えていなければならない。より具体的には、本アッセイ条件では、LDAOは溶液中に0.5から1.5%で、もっとも具体的には約1%で存在するべきである。NS2/3溶液は、自己切断を進行させるために、その後LDAOを欠く溶液で稀釈され、より低い濃度が達成される。
したがって、自己切断反応は、活性化物質の存在下でLDAOの濃度を低下させることによって誘発される。活性化物質は以下からなる群から選択される:CHAPS、トリトンX-100、NP-40及びn-ドデシル-β-D-マルトシド(DM)。典型的には、活性化物質として作用する界面活性剤はそのCMCを超えて存在する。
典型的には、グリセロールが自己切断を強化するために、特に0%から50%で、より具体的には20%から50%で存在する。
NS3生成物と連係して標識NS3-基質を切断することができる濃度範囲を用いることができることは理解されよう。ある実施態様では、NS3プロテアーゼ生成物に対して約1000倍モル過剰のNS4A補助因子が用いられる。別の実施態様では、100倍モル過剰を用いることができる。本発明で有用な濃度は、当業者によって決定されえることは理解されよう。
本実施態様のこの工程での使用に適した界面活性剤は、適切な条件下にあるNS4A補助因子の存在下で、NS3-基質に対する未切断NS2/3のプロテアーゼ活性と比較して、同じNS3-基質に対しNS3プロテアーゼのプロテアーゼ活性を強化することができる界面活性剤が含まれる。ある実施態様では、前記界面活性剤は、それぞれの臨界ミセル濃度を超えるラウリルジエチルアミンオキシド(LDAO)又はn-ドデシル-β-D-マルトシド(DM)を含む。具体的な実施態様では、前記界面活性剤は、0.2%から2%、具体的には0.5%から1%、特に約0.5%のLDAOである。また別には、前記界面活性剤は、0.05%から2%、具体的には0.2%から1%、特に約0.2%のDMである。
ある実施態様では、NS4A補助因子は、配列KKGSVVIVGRIILSGRK(配列番号:9)を有するペプチドであり、強化された溶解性を付与するためにリジンがNS4A補助因子に付加された。
NS3-基質の標識
ある実施態様では、基質はNS4A/4B切断部位を土台にしたデプシペプチドである。より具体的には、さらに別の実施態様では、前記標識基質は内部消光蛍光発生性デプシペプチド基質:Ac-DED(EDANS)EE-Abu-[C(O)-O]ASK(DABCYL)-NH2(配列番号:10)である。
NS3プロテアーゼ活性緩衝液の組成
NS3プロテアーゼ成分についての典型的な範囲は以下のとおりである:pH:6−9;グリセロール:20%−50%;界面活性剤:その臨界ミセル濃度より上;還元剤:TCEP、ジチオスレイトール(DTT)又はβ-メルカプトエタノール。
特に、アッセイ緩衝液の組成は以下のとおりである:4μMの蛍光発生性基質Ac-DED(EDANS)EE-Abu-[C(O)-O]ASK(DABCYL)-NH2及び10μMのNS4Apeptideを含む、50mMのHEPES(pH7.5)、30%グリセロール、0.5%LDAO、1mMのTCEP。
NS3生成物が標識NS3-基質の切断を触媒するために十分な時間は、アッセイに用いられる種々の条件にしたがって変動すること理解されるであろう。ある実施態様では、前記時間は約45分である。
いったん切断反応混合物をNS3-基質と十分な時間、例えば0.25から0.3時間(ただしこの時間はもっと長くてもよい)インキュベートしたら、サンプル中のNS3の量を、生成された、NS3標識基質の標識副生成物の量を基準にして決定することができる。この測定は、当業者には理解されるところであるが、NS3-基質の標識の性質にしたがって多様であり、通常の検出方法の利用が含まれるであろう。
一般的条件(使用される緩衝液、使用される緩衝液及び溶液のpH、使用される温度及び反応時間を含む)には、意図される多様な工程を阻害しないものが含まれ、さらにそれらを当業者は容易に決定することができることは、本実施態様並びに本明細書に開示され特許請求の範囲に記載された多様な他の実施態様で理解されよう。
本発明の実施態様は、限定と解されるべきではない以下の具体的な実施例を参考に説明される。
Abu:アミノ酪酸;
BSA:ウシ血清アルブミン;
CHAPS:3-[(3-コラミドプロピル)ジメチル-アンモニオ]-1-プロパンスルホネート;
DABCYL:4-{{4-(ジメチルアミノ)フェニル}アゾ}ベンゾイル;
DANSYL:5-(ジメチルアミノ)ナフタレン-1-スルホニル;
DMSO:ジメチルスルホキシド;
DM:n-ドデシル-β-D-マルトシド;
EDANS:5-{(2-アミノエチル)アミノ}-ナフタレン-1-スルホニル;
HEPES:4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸;
LDAO:ラウリルジエチルアミンオキシド;
TCEP:トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンヒドロクロリド。
材料と方法
アッセイ試薬
BSA、グリセロール、HEPES及びDMSOはシグマ-アルドリッチ(Sigma-Aldrich)から購入した。界面活性剤n-ドデシル-β-D-マルトシド(DM)及びラウリルジエチルアミンオキシド(LDAO)は、アナスレイス社(Anathrace Inc.)及びフルカ(Fluka)からそれぞれ購入した。TCEPはピアース(Pierce)から、トゥイーン(商標)20はバイオ-ラド(Bio-Rad)から、塩化ナトリウムはEMサイエンスから購入した。
NS4A由来補助因子ペプチドKKGSVVIVGRIILSGRK(配列番号:9)は、標準的な固相方法(6)を用いて本研究室で合成した。内部消光デプシペプチド蛍光発生基質Ac-DED(EDANS)EE-Abu-[C(O)-O]ASK(DABCYL)-NH2(配列番号:10)は、NS4A/4B切断部位を土台にして設計し、以前に記載された方法(7)にしたがって合成した。
NS2/3プロテアーゼの調製
NS2/3プロテアーゼの発現、製造及び精製は以前に報告された方法(2)にしたがって実施した。実質的に記載すれば、再折畳みを施した不活性なNS2/3タンパク質の一部分を-80℃で凍結保存し、後に融解し、さらに自己切断を誘発するために稀釈した。
NS3プロテアーゼの調製
NS3プロテアーゼドメインの発現、製造及び精製は以前に報告された方法(8)にしたがって実施した。
再折畳みNS2/3プロテアーゼの活性化には、それらの臨界ミセル濃度を超える界面活性剤の使用が要求されるが、ただしいくつかの界面活性剤は自己切断を促進しない。さらにまた、NS2/3の自己切断活性に対する界面活性剤の作用はグリセロールの存在下で強化される(2)。以前に報告されたNS2/3プロテアーゼ自己切断反応の濃度依存性(4)は、SDS-PAGE/ウェスタンブロット分析を用いて確認される。200nMより高い濃度では、濃度依存性は観察されない(データは示されていない)。グリセロール、pH及びDMSOの自己切断に対する影響もまた評価される。類似の切断カイネティクスが、20%又は30%のグリセロールを含む緩衝液で観察される(データは示されていない)。最後に、自己切断はpH7.5で最適であり、DMSOは0.5%−5%の範囲の濃度では活性に対して影響をもたない(データは示されていない)。
したがって、自己切断反応は、10μLのNS2/3プロテアーゼ(配列番号:4)(50mMのHEPES(pH7.5)、20%のグリロール、1mMのTCEP中で800nM)を、30μLの50mMのHEPES(pH7.5)、20%グリセロール、0.266%のn-ドデシル-β-D-マルトシド、1mMのTCEPに添加することによって開始させる(最終DMSO濃度は5%に維持)。反応混合物は室温で45分間インキュベートする。
陰性コントロールのウェルでは、活性化物質(この場合はDM)を添加しないことによって、自己切断は防止される。
動態パラメーター
NS2/3プロテアーゼ(配列番号:4)のNS3プロテアーゼ活性についての動態パラメーターを、NS3プロテアーゼドメインのそれらと比較し、蛍光発生性基質Ac-DED(EDANS)EE-Abu-[C(O)-O]ASK(DABCYL)-NH2(配列番号:10)を用いて決定する。基質の切断は、それぞれ355nm及び485nmの励起及び発光フィルターを備え付けたBMG POLARstar Galaxyフルオロメーターで、0.5から8μMの基質の存在下で持続的にモニターされる。NS2/3プロテアーゼ(15から350nM)のNS3プロテアーゼ活性及びNS3プロテアーゼドメイン(1.5から800nM)のNS3プロテアーゼ活性を、0.05又は1%のLDAOを含む50mMのHEPES(pH7.5)、30%グリセロール、5%DMSO、1mM TCEP中で1000倍モル過剰のNS4Apeptideの存在下又は非存在下でアッセイする。NS4Apeptideの存在下では、15分間の前インキュベーションを導入し、プロテアーゼ-補助因子複合体を形成させる。
NS3プロテアーゼの触媒効率及びNS2/3のNS3プロテアーゼ活性の触媒効率を、表1に示すように、界面活性剤の非存在下及びNS4Apeptide補助因子の非存在下で比較する。双性イオン界面活性剤LDAOのアッセイ緩衝液への添加はプロテアーゼ活性にとって有害であり、NS2/3のNS3プロテアーゼ活性及びNS3プロテアーゼの触媒効率は、それぞれ21倍及び36倍低下する(表1)。
両酵素のNS3プロテアーゼ活性もまたNS4A補助因子の添加時に比較することができる(NS2/3については6.7x104M-1S-1及びNS3については7.8x104M-1S-1)。興味深いことには、NS4Apeptideを含むアッセイ緩衝液への界面活性剤LDAOの添加はNS3プロテアーゼの活性の増加をもたらすが(0.5%LDAOでは2.2倍及び1%LDAOでは3.2倍)、NS2/3のNS3プロテアーゼ活性に対しては影響があるとしても極めてわずかである(表1及び図2)。全体として、プロテアーゼ活性で3倍までの相違が、NS4Apeptide含有緩衝液へのLDAOの添加時に観察される。活性におけるこの相違は、NS2/3プロテアーゼ前駆体とNS3プロテアーゼ生成物との間でNS3プロテアーゼ活性を識別することを可能にする。結果として、NS2/3自己切断は前駆体と生成物を分離することなくモニターすることができる。したがって、NS3プロテアーゼ活性によるNS2/3プロテアーゼアッセイは、基質、NS4Apeptide及びLDAOを含む緩衝液中で20倍稀釈の自己切断反応混合物を用いて開始される。稀釈はまた、1)NS2/3プロテアーゼ濃度を減少させることによって、2)NS4Apeptideによる阻害によって(9、10)、及び3)LDAOの添加による阻害によって自己切断の停止に寄与する。
1動態パラメーターは、デプシペプチド蛍光発生基質Ac-DED(EDANS)EE-Abu-[C(O)-O]ASK(DABCYL)-NH2を用いることによって決定される。データは2つの別々の決定の平均である。
最後に、このアッセイを用いて観察された自己切断のカイネティクスは、SDS-PAGE/ウェスタンブロット分析によって決定されたカイネティクス(データは示されていない)と一致する。
したがって、5μLの自己切断反応混合物が、95μLの50mM HEPES(pH7.5)、30%グリセロール、0.5% LDAO、1mM TCPE(4μMの蛍光発生基質Ac-DED(EDANS)EE-Abu-[C(O)-O]ASK(DABCYL)-NH2及び10μMのNS4Apeptideを含む)に添加される。続いてこのアッセイ混合物は45分間室温でインキュベートされる。蛍光は、355nmの励起フィルター及び485nmの発光フィルターを取り付け、適切なゲインで設定したBMG POLARstar(商標) Galaxyでモニターされる。このアッセイの模式図は図1に示されている。
このアッセイは、そのようなアッセイが多数の潜在的HCV NS2/3プロテアーゼ阻害剤をスクリーニングする目的のために適用しえる様式の種類を例証する。この説明から明らかなように、バックグラウンド活性を差し引くために、適切なコントロールを平行して実施し、未切断NS2/3タンパク質のバックグラウンドNS3プロテアーゼ活性を評価する必要がある。
アッセイの詳細
NS2/3プロテアーゼLys4-His6-[NS2/3(904-1206)]-stretag-Lys4(配列番号:4)はそのようなアッセイで用いられるものである(酵素の製造、精製及び再折畳みは(2)に記載されている)。自己切断反応は、n-ドデシル-β-D-マルトシド(DM)及びグリセロール(±テスト化合物)を含む緩衝液中で実施され、NS2/3プロテアーゼの添加に続いて45分間の室温でのインキュベーションによって開始される。自己切断の評価は、NS3プロテアーゼ生成物のプロテアーゼ活性をモニターすることを骨子とする。NS2/3プロテアーゼのNS3プロテアーゼ活性が、NS3プロテアーゼドメインの活性よりも少なくとも3倍低い条件が見出される。結果として、NS3プロテアーゼアッセイは、NS4Apeptide及びNS3プロテアーゼ基質を含む緩衝液中の自己切断反応混合物の20倍稀釈を用いて開始される。NS2/3プロテアーゼの稀釈、NS4Apeptideの添加、及び1%のLDAOの添加は自己切断を停止させる。
結局、NS2/3プロテアーゼ自己切断は蛍光の増加をもたらす。
プロトコル
A)自己切断反応:
96ウェルの丸底ポリプロピレンプレートに以下が添加される:
−30μLのテスト化合物(最初は100%DMSO中に溶解されるが、50mM HEPES(pH7.5)、20%グリセロール、0.266%DM、1mM TCEPで稀釈される);
−10μLのNS2/3プロテアーゼ(50mM HEPES(pH7.5)、20%グリセロール、1mM TCEP中で800nM、最終濃度は200nM)。最終DMSO含有量は5%に維持される。
プレートは室温で45分間インキュベートされる。
陰性コントロールウェルでは、活性化界面活性剤(すなわちDM)は添加されない。陽性コントロールウェルでは、テスト化合物は添加されない(その代わりに、緩衝液/DMSO溶液が添加される。
B)NS3プロテアーゼ活性:
96ウェルのMicrofluor白色U-底プレート(Thermo Labsystems)に以下が添加される:
−4μMのNS3プロテアーゼ蛍光発生性基質(Ac-DED(EDANS)EE-Abu-[C(O)-O]ASK(DABCYL)-NH2)(配列番号:10)及び10μMのNS4Apeptide(NH2-KKGSVVIVGRIILSGRK−COOH)(配列番号:9)を含む、95μLの50mM HEPES(pH7.5)、30%グリセロール、0.5%LDAO、1mM TCEP;及び
−工程A)の自己切断混合物の5μL。
ウェルは室温で45分間インキュベートされる。
NS3-基質副生成物(Ac-DED(EDANS)EE-Abu-COOH)の蛍光の増加は、355nmの励起フィルター及び485nmの発光フィルターを取り付け、適切なゲインで設定されたBMG POLARstar Galaxy又はTECAN GENios Proプレートリーダーを用いてモニターされる。
この実験の結果は図3に提示される。図3では、2.2のシグナルウィンドウが、陽性コントロール(切断されたNS3プロテアーゼの最大NS3プロテアーゼ活性)及び陰性コントロール(未切断NS2/3タンパク質のバックグラウンドNS3プロテアーゼ活性)との間で安定であり、0.55のZ'を示す(Z'は(15)で定義された統計的パラメーターである)。
図4は、種々の濃度に稀釈したテスト化合物Aについて同アッセイで得られた結果を示す。以下の等式を用いて%阻害を算出する:
100−[(f.u.inh−f.u.-ctl)/(f.u.+ctl−f.u.-ctl)x100]
(f.u.:蛍光単位;inh:テスト化合物;-ctl:陰性コントロール;+ctl:陽性コントロール)
Hillモデルに適合する非線形曲線を阻害-濃度データに適用し、50%有効濃度(IC50)をSASソフトウェア(Statistical Software System; SAS Institute, Inc., Cary, N.C.)によって算出する。
化合物Aについて約55μMのIC50が得られる。
もちろん、当業者にはよく承知されているところであるが、適切な対抗アッセイを実施し、陽性結果が、NS3プロテアーゼの阻害物質によってもたらされる“偽陽性”ではないことを確認しなければならない。そのような“偽陽性”のテスト化合物を排除するために、適切な“シャドウプレート”が、NS2/3アッセイの工程B(NS3プロテアーゼ活性)のように設定される(ただしNS2/3プロテアーゼはNS3プロテアーゼで置き換えられる)。
また別には、各陽性化合物は、当分野で周知の適切なNS3プロテアーゼアッセイ(14)により後で逆スクリーニングしてもよい。
結論すれば、本明細書で提示したNS3プロテアーゼ活性によるNS2/3プロテアーゼアッセイでは、NS2/3プロテアーゼ前駆体のNS3プロテアーゼ活性とNS3プロテアーゼ生成物のNS3プロテアーゼ活性の識別を可能にする、基質、NS4Apeptide補助因子及び界面活性剤LDAO又はDMを含む緩衝液中で自己切断混合物を稀釈した後で、NS3生成物のプロテアーゼ活性は直接測定される。結果として分離工程は要求されない。
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Claims (30)
- 以下の工程を含む、NS2/3プロテアーゼを含むサンプルにおけるNS2/3自己切断活性を検出する方法:
a)NS2/3プロテアーゼの少なくとも一部分が自己切断されてNS3プロテアーゼ生成物を生じる条件に前記サンプルを供する工程;
b)工程a)で生成されたNS3プロテアーゼ生成物を含むサンプルを適切な量のNS4A補助因子と、適切な界面活性剤及び適切なNS3-基質の存在下、NS3プロテアーゼ生成物がNS3-基質の切断を触媒してそのNS3-基質副生成物を生じさせるために十分な条件下でインキュベートする工程;及び
c)工程b)で生成されたNS3-基質副生成物を検出し、それによりNS3-基質副生成物の検出がサンプル中のNS2/3自己切断活性を示す工程。 - 前記適切な界面活性剤が、ラウリルジエチルアミンオキシド(LDAO)及びn-ドデシル-β-D-マルトシド(DM)から成る群から選択される、請求項1記載の方法。
- LDAOの濃度が0.2%から2%である、請求項2記載の方法。
- DMの濃度が0.05%から2%である、請求項2記載の方法。
- 前記NS2/3プロテアーゼが、配列番号:1に示されるアミノ酸810から1206に対応するNS2/3プロテアーゼを含む、請求項1記載の方法。
- 前記NS2/3プロテアーゼが、配列番号:2に規定されるアミノ酸907から1206に対応するフラグメントを含む、請求項5記載の方法。
- 前記NS2/3プロテアーゼが、配列番号:3に規定されるアミノ酸904から1206に対応するフラグメントを含む、請求項5記載の方法。
- 前記NS2/3プロテアーゼがさらにアフィニティータグ又は検出可能な標識を含む、請求項5記載の方法。
- 前記NS2/3プロテアーゼが配列番号:4に規定されるとおりである、請求項8記載の方法。
- 前記NS4A補助因子が、本質的に、配列番号:8に規定される配列GSVVIVGRIILSGRを有するペプチドから成る、請求項1記載の方法。
- 前記NS4A補助因子が、配列番号:9規定される配列KKGSVVIVGRIILSGRKを有する、請求項10に記載の方法。
- 前記NS4A補助因子が、NS3プロテアーゼ生成物に対して1000倍モル過剰で用いられる、請求項10記載の方法。
- 前記NS3基質が、配列(D又はE)XXXXC(A又はS)を含むコンセンサス配列を骨子とし、式中Xは任意のアミノ酸である、請求項1記載の方法。
- 前記NS3基質が、DEMEEC-ASH(配列番号:6)及びDDIVCC-SMSYTW(配列番号:7)から成る群から選択されるデプシペプチドを含む、請求項13記載の方法。
- 前記NS3基質が、本質的に、配列番号:10に規定されるAc-DED(EDANS)EE-Abu-[C(O)-O]ASK(DABCYL)-NH2から成る、請求項13記載の方法。
- 以下の工程を含む、NS2/3プロテアーゼを含むサンプルにおいて、NS2/3自己切断阻害活性について候補化合物をスクリーニングするためのアッセイ法:
a)NS2/3プロテアーゼを含む第一のサンプルを、NS2/3プロテアーゼの少なくとも一部分が自己切断してNS3プロテアーゼ生成物を生じる条件に供する工程;
b)NS2/3プロテアーゼを含む第二のサンプルを、候補化合物の存在下、工程a)の条件と同じ条件に供する工程;
c)第一及び第二のサンプルの各々を十分量のNS4A補助因子と、適切な界面活性剤及び適切なNS3-基質の存在下、NS3プロテアーゼ生成物がNS3-基質の切断を触媒してNS3-基質副生成物を生じさせるために十分な時間インキュベートする工程;
d)第一及び第二のサンプルの各々で生成されたNS3-基質副生成物の量を決定しする工程、ここで、第一のサンプルで生成されたNS3-基質副生成物の量と比較して第二のサンプルで生成されたNS3-基質副生成物の量が低下した場合、前記候補化合物がNS2/3自己切断活性の阻害物質でありえることを示す。 - 前記適切な界面活性剤が、ラウリルジエチルアミンオキシド(LDAO)及びn-ドデシル-β-D-マルトシド(DM)から成る群から選択される、請求項16記載のアッセイ法。
- LDAOの濃度が0.2%から2%である、請求項17記載のアッセイ法。
- DMの濃度が0.05%から2%である、請求項17記載のアッセイ法。
- 前記NS2/3プロテアーゼが、配列番号:1に示されるアミノ酸810から1206に対応するNS2/3プロテアーゼを含む、請求項16記載のアッセイ法。
- 前記NS2/3プロテアーゼが、配列番号:2に規定されるアミノ酸907から1206に対応するフラグメントを含む、請求項20記載のアッセイ法。
- 前記NS2/3プロテアーゼが、配列番号:3に規定されるアミノ酸904から1206に対応するフラグメントを含む、請求項20記載のアッセイ法。
- 前記NS2/3プロテアーゼがさらにアフィニティータグ又は検出可能な標識を含む、請求項20記載のアッセイ法。
- 前記NS2/3プロテアーゼが配列番号:4に規定されるとおりである、請求項23記載のアッセイ法。
- 前記NS4A補助因子が、本質的に、配列番号:8に規定される配列GSVVIVGRIILSGRを有するペプチドから成る、請求項16記載のアッセイ法。
- 前記NS4A補助因子が、配列番号:9に規定される配列KKGSVVIVGRIILSGRKを有する、請求項25記載のアッセイ法。
- 前記NS4A補助因子が、NS3プロテアーゼ生成物に対して1000倍モル過剰で用いられる、請求項25記載のアッセイ法。
- 前記NS3基質が、配列(D又はE)XXXXC(A又はS)を含むコンセンサス配列を骨子とし、式中Xは任意のアミノ酸である、請求項16記載のアッセイ法。
- 前記NS3基質が、DEMEEC-ASH(配列番号:6)及びDDIVCC-SMSYTW(配列番号:7)から成る群から選択されるデプシペプチドを含む、請求項28記載のアッセイ法。
- 前記NS3基質が、本質的に、配列番号:10に規定されるAc-DED(EDANS)EE-Abu-[C(O)-O]ASK(DABCYL)-NH2から成る、請求項28記載のアッセイ法。
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