本発明の第1態様では、第1接続手段と、第2接続手段と、係合手段とを備えるコネクタであって、第1のコネクタと第2のコネクタとが解放自在に接続可能であるように、第1のコネクタの前記第1接続手段と第2のコネクタの前記第2接続手段とが解放自在に係合可能なように構成され、かつ第1のコネクタの前記第2接続手段および第2のコネクタの前記第1接続手段が解放自在に係合可能なように構成されている、コネクタを提供する。
したがって、本発明のコネクタは別の同様のコネクタと解放自在に接続可能となっている。
前記係合手段が第1係合手段と第2係合手段とを備え、第1の前記コネクタの第1係合手段と第2の前記コネクタの第2係合手段とが解放自在に係合可能に構成され、かつ第1の前記コネクタの第2係合手段と第2の前記コネクタの第1係合手段とが解放自在に係合可能に構成されていることが好ましい。
第1接続手段が第1係合手段を備え、第2接続手段が第2係合手段を備えていることが好ましい。
第1および第2接続手段が、第1の前記コネクタの第1接続手段を第2の前記コネクタの第2接続手段に受入れられ、かつ第2の前記コネクタの第1接続手段を第1の前記コネクタの第2接続手段に受入れるように構成されていることが好ましい。
第2接続手段がその遠位端の領域に別の前記コネクタの第1接続手段を受入れるための開口部を備えていることが好ましい。
前記第1接続手段は曲げることができ、前記第1接続手段の第1係合手段が別のコネクタにおける第2接続手段の第2係合手段と係合できるような可撓的な弾性を有していることが好ましい。
第1および第2の前記コネクタの位置合わせを補助するためにガイド手段が設けられていることが好ましい。
1つの実施形態では、第1係合手段は第1接続手段の先端(つまり遠位端)の領域に設けられた凹部を備え、第2係合手段は第2接続手段の後端(つまり近位端)の領域に設けられた突起部を備え、第1および第2の前記コネクタのそれぞれの凹部は、第2および第1の前記コネクタのそれぞれの突起部とそれぞれ係合可能に構成されている。
別の実施形態では、第1係合手段は第1接続手段の先端(つまり遠位端)の領域に設けられた第1の段付表面部を備え、第2係合手段は第2接続手段の後端(つまり近位端)の領域に設けられた相補的な第2の段付表面部を備え、第1および第2の前記コネクタのそれぞれの第1の段付表面部は、第2および第1の前記コネクタのそれぞれの第2の段付表面部とそれぞれ係合可能に構成されている。
別の実施形態では、前記第1係合手段は前記第1接続手段の後端の領域に設けられた第1突出手段を備え、前記第2係合手段は前記第2接続手段の先端(つまり遠位端の)領域に設けられた第2突出手段を備え、前記第1および第2コネクタのそれぞれの第1および第2突出手段は、第2および第1コネクタのそれぞれの第2および第1突出手段とそれぞれ係合可能に構成されている。
コネクタの別の実施形態では、第1係合手段は前記第1接続手段に設けられる切取部分を備え、第2係合手段は前記第2接続手段に設けられたラッチ手段を備え、第1および第2の前記コネクタのそれぞれのラッチ手段は、第2および第1の前記コネクタの切取部分とそれぞれ係合可能に構成されている。
前記ラッチ手段は、前記ラッチ手段と前記切取部分とを係合させるように移動可能に構成される可動部材によって保持されていることが好ましい。
前記ラッチ手段と前記切取部分とが解放自在に係合された状態で維持されるように、前記可動部材を所定の位置に解放自在にロックするためのロック手段を設けていることが好ましい。
本発明の第2態様では、物体を保持するための少なくとも第1収容体であって、各々の前記収容体が物体を収容体に挿入しかつ物体を収容体から取り出すための開口部を有する、収容体と、接続手段を有するストラップとを備えるベルトであって、各々の前記収容体が、前記ストラップと着脱自在に係合する接続手段を有することよって、前記収容体を前記ストラップと解放自在に接続するように構成されているベルトを提供する。
本発明のベルトはさらに、前記ストラップの前記接続手段ならびに前記第1収容体および第2の前記収容体のそれぞれの接続手段によって前記第1収容体および前記ストラップに解放自在に接続可能に構成される第2収容体を備えていることが好ましい。
本発明のベルトはさらに第3収容体を備えており、前記第3収容体が前記第1収容体と、前記第2収容体と、第3収容体とのそれぞれの前記接続手段によって前記第1収容体と前記第2収容体とに解放自在に接続可能に構成されていることが好ましい。
本発明の第3態様では、各収容体が物体を収容体に挿入しかつ物体を収容体から取り出すための開口部を有する複数の収容体を備えるベルトであって、各々の前記収容体が別の収容体の接続手段と着脱自在に係合する接続手段を有することよって1つの前記収容体を別の前記収容体に解放自在に接続するように構成されているベルトを提供する。
本発明の第3態様のベルトでは、本発明の第3態様のベルトを相互に解放自在に接続可能に構成される収容体を備えることよって、ベルトを形成するように、ストラップを省いていることを除いては、本発明の第2態様のベルトと同様となっている。
前記ストラップの前記接続手段は前記ストラップのそれぞれの端部に設けられる第1コネクタおよび第2コネクタを備えていることが好ましい。
好ましくは、各々の前記収容体の前記接続手段は各々の前記収容体のそれぞれの互いに間隔を空けた位置に設けられる2つのコネクタを備えていることが好ましい。
各々の前記収容体の開口部がベルトの幅の方向に実質的に延設されていることが好ましい。
各々の前記収容体の開口部を閉鎖するために閉鎖手段が設けられていることが好ましい。
各々の前記収容体が前壁部と支持手段とを備え、前記前壁部が支持手段に取り付けられるように構成されていることが好ましい。
各々の前記収容体のそれぞれの端部に端部材を設け、各々の前記収容体の前記コネクタを前記それぞれの端部材によって支持していることが好ましい。
前記前壁部が弾性的伸縮性材料から作製されていることが好ましい。
弾性的伸縮性材料は、収容体に含まれる物体を前記収容体の外側から少なくとも部分的に見えるような形式にすることが可能である。弾性的伸縮性材料が、代替的に、または追加的に、弾性的伸縮性材料を介して前記収容体に含まれる物体にアクセス可能にする形式とすることが可能である。
弾性的伸縮性材料はメッシュ状の布になっていることが好ましい。
代替的に、弾性的伸縮性材料は実質的に不透明な形式とすることができる。
前記収容体の幅はストラップの幅と略同一になっていることが好ましい。
本発明の第4態様では、物体を保持する収容体であって、物体を収容体に挿入しかつ収容体から物体を取り出すための開口部と、収容体のそれぞれの互いに間隔を空けた位置にあるコネクタとを備え、収容体のコネクタの1つを別のコネクタに接続することができるように収容体を提供する。
本発明の第2、第3、および第4態様に係るベルトおよび収容体のコネクタは、すでに前述したコネクタとすることができる。
次に、本発明について、実施例として添付の図面を参照しながら説明する。
図1には、2つのコネクタ50aおよび50b(コネクタ50とも呼ぶものとする)が示されている。各コネクタ50は第1接続部品または部材52と、第2接続部品または部材54と、それぞれのコネクタ50aおよび50bの第1接続部品52および第2接続部品54を解放自在に係合するための係合手段とを備えている。2つのコネクタ50は同一である。参照番号50aおよび50bは単に、コネクタ50について使用および動作の方法の説明で記載されるコネクタ50を識別することを補助するために、図面の2つのコネクタ50間を区別する目的で使用されているに過ぎない。
係合手段は第1係合手段56および第2係合手段58を備えている。第1接続部品52は第1係合手段56を具備し、第2接続部品54は第2係合手段58を備えている。
第1係合手段56は、端部60から離れて位置する第1接続部品52の端部の領域付近に設けられている。これは第1接続部品52の先端つまり遠位端である。第1係合手段56は、第1接続部品52の端部の領域付近に凹部85として設けられている。
第2係合手段58は、端部60に近接する第2接続部品54の端部の領域付近に設けられている。これは第2接続部品54の後端つまり近位端の領域である。第2係合手段58は、第2接続部品54の端部の領域付近に突起部87として設けられている。
第1および第2接続部品52および54はコネクタ50の端部60から延設されている。第1および第2接続部品52および54は互いに隣接している。第1接続部品52は指状部材として端部60から延設されている。
第1接続部品52は切取部分62を有している。切取部分62は第1接続部品52の可撓的な弾性を増強するために、端部60に隣接するその近位端の領域で撓むことが可能になる。第1接続部品52はまた、本明細書で後述するように、ユーザが操作することのできるグリップ64を備えている。グリップ64はコネクタ50の側部に設けられている。グリップ64は、ユーザに摩擦グリップ面を提供する鋸歯状部分66を備えていてもよい。
第2接続部品54は壁部67を備え、端部60とは反対側の端部に開口部68を備えている。壁部67および端部60は、開口部68を介してアクセス可能である空間を密閉することとなる。第2接続部品54は一方の側部に第2開口部70を備えている。開口部70は、コネクタ50のグリップ64を有する側とは反対側の第2接続部品54の壁部67に設けられている。
ガイド部材72は第1および第2接続部品52および54の間に設けられている。第2接続部品54は1対の内側棚部74を備えている。内側棚部74は、どちらにも第2開口部70が設けられていないそれぞれの対向壁部67に設けられている。第2接続部品54の内側棚部74および内部壁面部76はガイド空間78を画成している。
端部60は孔部80を備えている。端部60は3つの薄板部材82、84、および86を備えている。中間の薄板部材86は他の薄板部材82および84よりわずかに長くなっている。孔部80は薄板部材82、84、および86を貫通するように延設されている。
第2接続部品54は開口部70に隣接する傾斜内側面88を備えている。傾斜内側面88は、全体的に開口部68から端部60までの方向において第2接続部品54の内側に向かって傾斜している。
第1接続部品52の先端は凹部85を備えている。第2接続部品54は、開口部70の縁に隣接するように端部60付近に突起部87を備えている。
次に、コネクタ50の使用および動作の方法について説明する。
コネクタ50は別の同一のコネクタ50に接続することができる。図8は一体的に接続される2つのコネクタ50aおよび50bを示している。
2つのコネクタ50を一体的に接続するため、最初にコネクタ50は図1に示すような状態に互いに位置合せされる。この位置合せによって、第1コネクタ50aの第1接続部品52の先端つまり遠位端は、第2コネクタ50bの第2接続部品54の開口部68と一列に並べられた状態となっている。同様に、第2コネクタ50bの第1接続部品52の先端つまり遠位端は、第1接続部品50aの第2接続部品54の開口部68と一列に並べた状態となっている。第1接続部品52の先端は、別のコネクタ50の第2接続部品54の開口部68に最初に受入れられる端部となっている。
次いで、第1および第2コネクタ50aおよび50bは、それぞれのコネクタ50aおよび50bの第1接続部品52がコネクタ50bおよび50aのそれぞれの第2接続部品54の開口部68内に受入れられるように、互いに向かって移動する。第1接続部品52が第2接続部品54内に挿入されると、それぞれのコネクタ50aおよび50bのガイド部材72がそれぞれのコネクタ50bおよび50aのガイド空間78内に受入れられる。第1接続部品52が第2接続部品54に挿入されると、第1接続部品52のそれぞれの遠位端が、開口部70に隣接する第2接続部品54の傾斜内側面88に支持されることとなる。第1接続部品52は可撓的な弾性を有するため、第1接続部品52が第2接続部品54内に挿入されるときに、第1接続部品52はガイド部材72の方向に撓むことができる。第1接続部品52の端部は、開口部70に隣接する第2接続部品54の傾斜内側面88に支持されることとなる。
第1接続部品52の遠位端が第2コネクタ54内に挿入されるにつれて撓んでいく状態を表しながら、遠位端の連続的な位置が図6に示されている。第1接続部品52が第2接続部品54内に挿入され続けて、第1接続部品52の遠位端が第2接続部品54の突起部87を通過して、突起部87が第1接続部品52の凹部85内に受入れられることとなる。これは、第1接続部品52が撓んでいない状態にスナップ復帰して、そのスナップ復帰により凹部85および突起部87が係合した状態を生じさせることとなる。このような状態で、それぞれのコネクタ50aおよび50bの第1接続部品52は、コネクタ50bおよび50aの第2接続部品54とそれぞれ係合することとなる。この状態を図8に示す。第1接続部品52はこのような作用によって第2接続部品54内に保持されることとなる。
第1および第2コネクタ50aおよび50bの一体的に接続された状態が図8に示されている。この状態で、それぞれの第1接続部品52のグリップ64は、それぞれの第2接続部品54の開口部70を通過しながら突出している。グリップ64は、コネクタ50aおよび50bの側部からコネクタ50aおよび50bのそれぞれの端部60の方向に傾斜している。第1および第2コネクタ50aおよび50bは、第1および第2コネクタ50aおよび50bのそれぞれの第1および第2接続部品52および54を解放することによって切り離すことができる。このことは、ユーザが彼/彼女の親指と人差し指との間にそれぞれの第1接続部品52のグリップ64を把持し、かつ同時に図8に二重矢印AおよびBで示される方向に押し込むことによって行なうことができる。このことによって、第1接続部品52の近位端の領域が撓み、突起部87および凹部85が解放されることとなる。次いで、第1接続部品52が第2接続部品54から滑り抜け、それぞれの開口部68から滑り出て、コネクタ50aおよび50bは互いに離れるように移動することができる。
図9〜図16は、本発明の第2実施形態に係るコネクタ90を示す。第2実施形態のコネクタ90は第1実施形態のコネクタ50とほぼ同一であり、第1実施形態における同一または類似の特徴に対して使用したものと同じ参照番号が、第2実施形態の特徴を識別するために使用されている。
第2実施形態のコネクタ90と第1実施形態のコネクタ50との間の主な相違点は、第1係合手段56および第2係合手段58についてである。第2実施形態のコネクタ90と第1実施形態のコネクタ50との間の別の相違点は端部60についてである。
第1係合手段56は第1段付表面部を有する突起部92を備え、第2係合手段58は第2段付表面部を有する突起部94を備えている。突起部92および94は相補的な形状となっている。突起部92は第1係合部品52の先端つまり遠位端に設けられている。突起部94は第2係合部品54の近位端、すなわち端部60付近に設けられている。
端部60は、コネクタ90の幅を延ばすようにD字状リングすなわちループ96の形状に形成されている。D字状リング96は第1接続部品52から第2接続部品54まで延びており、開口部98を画成している。
コネクタ90のような形式の端部60は代替的に、本発明のコネクタのどの実施形態でも使用することができる。相応するように、第2実施形態のコネクタ90は代替的に、本発明のコネクタの他の実施形態で使用される形式の端部を備えていてもよい。
コネクタ90は、第2接続部品54に開口部99a、99b、および99cを備えている。これらの開口部99a、99b、および99cは、コネクタ90の製造および組立て工程において必要に応じて設けられることとなる。
他の点については、第2実施形態のコネクタ90は、第1実施形態のコネクタ50と同様となっている。
使用時に、90aおよび90bのような2つのコネクタは一列に並べられて、第1接続部品52は、それぞれのコネクタ90aおよび90bの第2接続部品54内に挿入されることとなる。第1接続部品52が第2接続部品54に挿入されるにつれて、第1接続部品52の先端が第2接続部品54の傾斜内側面88に支持され、第1接続部品52は第1実施形態のコネクタ50に関連して前述したのと同様に撓むこととなる。第1接続部品52を第2接続部品54内にさらに挿入すると、突起部92および94は突起部92および94の段付表面部の相補的な形状によって係合することとなる。このようにして、それぞれのコネクタ90aおよび90bの第1および第2接続部品52および54は係合し、それによってコネクタ90aおよび90bが接続されることとなる。ガイド体72は、第1実施形態のコネクタ50に関連してすでに前述したのと同様の方法で、ガイド空間78に受入れられることとなる。
コネクタ90aおよび90bは、コネクタ50aおよび50bと同様の方法で解放されることとなる。したがって、ユーザがグリップ64を押圧して突起部92および94を解放させることによって、第1接続部品52が第2接続部品54から取り外されることとなる。
図17〜図25は、本発明の第3実施形態に係るコネクタ100を示している。第1および第2実施形態のコネクタ50および90で同一または類似の特徴に対して使用したものと同様の参照番号が、第3実施形態のコネクタ100の特徴に対して使用されている。
第3実施形態のコネクタ100と第1および第2実施形態のコネクタ50および90との間の主な相違点は、第1接続部品52と、第1係合手段56および第2係合手段58とについてである。
図17〜図25において、第1接続部品は参照番号102で識別されている。第1接続部品102は、先端すなわち遠位端の第1部分104と、端部60に向かって延びる第2部分106とを有している。
第1部分104はガイド部材72の先端すなわち遠位端から延設されている。
従って、第1接続部品102は、その近位端の領域が端部60に隣接していないという点で、第1および第2実施形態の第1接続部品52とは異なっている。代替的に、その近位端の領域は端部60から間隔を置いて配置され、第1接続部品102の先端に位置している。この意味で、第1接続部品102の姿勢は、第1および第2実施形態の第1接続部品52と比較して逆転している。
第1係合手段56を保持する第2部分106の端部、すなわち第1係合手段56は、第1接続部品102の後端(先端ではない)に設けられている。第1係合手段56は、くさび状突起部110から延びる指状突起部108を備えている。くさび状突起部110はテーパ面123を有している。突起部108と110の間に空間112が形成されている。
第2接続部品54の第2係合手段58は、第1および第2突起部114および116を備えている。空間または凹部118が突起部114と116の間に設けられている。
コネクタ50、90、および100の第1、第2、および第3実施形態の図面から分かるように、コネクタ50および90の第1および第2実施形態の第1係合手段56は第1接続部品52の遠位端の領域(つまり先端の領域)に位置している一方で、コネクタ100の第3実施形態では、第1係合手段56は第2部分106の端部に位置するために、端部60に近接している。これに対応するように、コネクタ50および90の第1および第2実施形態の第2係合手段58は、端部60に近接して位置する一方、コネクタ100の第3実施形態では、それらは第2接続部品54の端部60から互いに間隔を空けた領域、すなわち開口部68付近に位置している。
端部60に隣接する第1係合部品102の端部は、突起部108を受け入れるために溝部120を備えている。溝部120は、突起部108の横方向への移動自由度を制限するが、突起部108をその軸方向に移動させることができる。突起部108の軸方向は、第1係合部品102が撓むことのできる方向となっている。
使用時に、2つの類似のコネクタ100aおよび100bは、図17に示すように一列に並べることができる。端部104は、接続部品54の開口部68内に挿入される第1接続部品102の第1部分となっている。
第1接続部品102を第2接続部品54内に挿入し続けると、突起部114は第1接続部品102の部分106に支持されることとなる。これを図21および22に示す。第1接続部品102を第2接続部品54内に挿入し続けると、突起部110および114は、図23に示すように、互いに接触するように接近することとなる。突起部110のテーパ面123は突起部114に支持されることとなる。このことによって、第1接続部品102は、ガイド部材72と部分104との接合部で撓むこととなる。いったん突起部110が突起部114を通過すると、第1接続部品102がスナップ復帰して撓んでいない状態になるため、突起部114は突起部108と110との間の空間112内に受入れられ、突起部108は突起部114と116との間の空間118内に受入れられることとなる。これを図24に示す。この状態で、それぞれのコネクタ100aおよび100bの第1および第2係合手段56および58は係合されることとなる。これを図25に示す。
図25からも分かるように、グリップ64は第2接続部品54の開口部70を通過しながら突出することとなる。前述の実施形態のコネクタ50および90と同様に、第1実施形態に関連して本明細書で前述した方法で、グリップ64を押し込むことによって、第1および第2係合手段56および58が解放されて、コネクタ100aおよび100bを切り離すことができる。
コネクタ100は、第2接続部品54の壁部67を貫通して延設される孔部124を備えている。2つのコネクタ100が一体的に接続された状態で、各コネクタ100の第2接続部品54の孔部124に南京錠を通すことができる。各南京錠は第1接続部品102の間隙を通過することとなる。このような方法で1つ、または2つの南京錠を使用することによって、最初に南京錠を解除しなければ、コネクタ100を切り離すことができないことが確実になる。このことは、コネクタ100のユーザにセキュリティを提供することとなる。同様の孔部124は、示されてはいないが、本発明のコネクタのどの実施形態でも使用することができる。
図26〜図36は、本発明の第4実施形態に係るコネクタ130を示す。第1、第2、および第3実施形態のコネクタ50、90、および100の同一および類似の特徴に対して使用されたのと同様の参照番号が、第4実施形態のコネクタ130の特徴に使用されている。
第4実施形態のコネクタ130と第1、第2、および第3実施形態のコネクタ50、90、および100との間の主な相違点は、第1および第2接続部品52および54と、第1および第2係合手段56および58との構造についてである。図26〜図36において、第1接続部品は参照番号132で識別されており、第2接続部品は参照番号134で識別されている。
第1接続部品132は、コネクタ130の端部60から延設される2つの部分136および138を備えている。
第1係合手段56は部分136の切取部分140として提供されている。部分136にはガイド空間142も備えている。部分136は、図27で最もよく分かるように、断面が略正方形に形成されている。
部分138は切取ガイド体144を備えている。
第2接続部品134はガイド部材148を有する開口部146を備えている。
第2接続部品134はさらに、中空コア152を有する回転自在な部材150を備えている。ガイド翼部154が中空コア152内に突出している。第2係合手段58は、中空コア152の外側で、回転自在な部材150から延びるラッチ部材156として提供されている。
回転自在な部材150は、ロックピン160を有するレバー158を備えている。ロックピン160は収容体162内に受入れ可能となっている。
蓋板部材164は、第2接続部品134の開口部166を覆うように設けられている。蓋板部材164は切取部分168を有している。開口部166は、コネクタ130の組立て中に回転自在な部材150を第2接続部品134内に挿入するために設けられている。
開口部80は端部60に設けられている。開口部80は、本明細書で後述するように、コネクタ130を別の要素に取り付けることを可能にする。プラグ170が孔部80および要素の対応する孔部を通過することによって、コネクタ130を要素と共に保持することができる。同様のプラグ170は、本発明のコネクタの他の実施形態の一部におけるいくつかの図にも示されている。孔部80の開放端を閉鎖するために、キャップ172が設けられていてもよい。
使用時に、2つのコネクタ130aおよび130bは、図26に示すように整列一列に並べられている。次いで、コネクタ130aおよび130bは、矢印CおよびDで示すそれぞれの方向に互いに向かって移動することとなる。それぞれのコネクタ130aおよび130bの第1接続部品132は、コネクタ130bおよび130aの第2接続部品134にそれぞれ受入れられることとなる。各々の第1接続部品132の第1部分136は、それぞれのコネクタ130aおよび130bの第2接続部品134の開口部146に受入れられている。第2接続部品134のガイド部材148は、第1接続部品132のガイド空間142に受入れられている。同時に、各々の第1接続部品132の第2部分138は回転自在な部材150の中空コア152に受入れられている。ガイド翼部154は切取ガイド体144に受入れられている。
いったん第1接続部品132が第2接続部品134内に完全に挿入されると、それぞれのコネクタ130および130bの端部60が当接することとなる。次いで、各コネクタ130aおよび130bの回転自在な部材150は、コネクタ130aおよび130bのラッチ部材156がコネクタ130bおよび130aの切取部分140にそれぞれ係合するように、図27に示す矢印Eの方向に回転することができる。このようにして、第1係合手段56および第2係合手段58が係合されるため、第1接続部品132がそれぞれの第2接続部品134と解放自在に係合されることとなる。ピン160は、回転自在な部材150を所定の位置に解放自在にロックするため、収容体162にスナップ復帰した係合状態で受入れ可能となっており、それによってラッチ部材156が切取部分140に保持されることとなる。
コネクタ130aおよび130bは、最初にピン160が収容体162から解放されるように、回転自在な部材150を矢印Eとは反対の方向に回転させることによって、切り離すことができる。次いで、ラッチ部材156が切取部分140から解放され、蓋板部材164の切取部分168に受入れられるように、回転自在な部材150はさらに回転されることとなる。次いで、コネクタ130aおよび130bは、第1接続部品132を第2接続部品134から取り外した状態で、互いに離反して移動させることができる。
本発明のコネクタは、モジュール式収容体から構成されるベルト用のコネクタとして使用することができる。
図37に、それぞれの物体を保持する収容体3a、3b、および3c(全体的に収容体3と呼ばれる)と、ストラップ4とを備えるベルト1が示されている。
ベルト1は略長手方向に延設され、この長手方向に略直交する方向の幅を有している。収容体3a、3b、および3cは、それぞれの収容体3a、3b、および3cに物体を挿入し、かつそこから物体を取り出すためにそれぞれの開口部11a、11b、および11c(全体として開口部11とも呼ぶ)を有している。
ストラップ4はそれぞれの端部に第1および第2コネクタ5を有している。各収容体3は、互いに間隔を空けた位置に、例えば各収容体3のそれぞれの端部に設けられた第1および第2コネクタ5を有している。
コネクタ5は「概略的」に示されており、本明細書で前述した本発明に係るコネクタを指すものである。そのようなコネクタの特定の実施例は、コネクタ50、90、100、および130に関連する実施形態ですでに説明した。ベルト1の以下の説明は、すでに前述した本発明に係るコネクタの実施形態のいずれか1つのコネクタである、コネクタ5に関連している。
収容体3は、第1および第2コネクタ5を支持し、かつ保持する端部材9を備えている。端部材9は、収容体3の残部より剛性の材料から作製することが好ましい。
端部材9は、コネクタ5の端部60に収容されてもよい。
これらの端部材9は、例えば第1実施形態のコネクタ50の薄板部材82と86との間、および薄板部材84と86の間に受入れることができる。
代替的に、第2実施形態のコネクタ90の場合のように、端部60がD字状リング96の形状である場合、端部材9は開口部98を通過してループすることとなる。これらの端部材9は、収容体3のそれぞれの端部に取り付けられる短いストラップとして設けられてもよい。端部材9は縫合によって収容体3に取り付けられてもよい。
収容体3a、3b、および3cは、それぞれ前部または外壁部13a、13b、および13c(全体として前壁部13とも呼ぶ)を有している。
前壁部13a、13b、および13cは、弾性的伸縮性材料から作製することができる。弾性的伸縮性材料は、収容体3a、3b、および3cに収容される物体が収容体3a、3b、および3cの外側から見ることができ、かつ/または、例えばその操作のために材料を通過してアクセスすることができる形式のものとすることができる。弾性的伸縮性材料は例えばメッシュ状の布とすることができる。
代替的に、弾性的伸縮性材料は実質的に不透明な形式とすることができる。
さらなる代替例として、前壁13a、13b、および13cは耐水性材料、例えばプラスチックから作製することができる。
収容体3は、それぞれ裏側に設けられる背面支持体15(図39に見える)をさらに備え、それにそれぞれの前壁部13が直接的に、または図39に示すように側壁部によって取り付けられている。収容体3の側部はベルト1の長手方向に延設されている。それぞれの各前壁部13の他端部は、背面支持体15に取り付けられないままに残され、それによって開口部11が形成される。したがって収容体3はポケット状またはバッグ状構造を有している。背面支持体15は収容体3の後壁部または内壁部を形成している。
収容体3は、開口部11を閉鎖するためのそれぞれの閉鎖体を有している。閉鎖体は、例えばそれぞれの開口部11を閉鎖するための引きひも16を備えている。
閉鎖体の代替的形の例として、閉鎖体はジッパとして、または解放自在の留め金および溝部閉鎖片部として設けてもよい。解放自在の留め金および溝部閉鎖片部は、収容体3の前壁部13を耐水性材料から作製することに特に適している。
ストラップ4は、可撓的な弾性を有し、さらに軽量かつ引裂きおよびほつれに強い合成織物材料から作製することができる。背面支持体15は、好ましくは依然として少なくともある程度の可撓性または弾性を有するような、より剛性的な材料から作製されている。
収容体3aおよび3bの開口部11aおよび11bは、実質的にベルト1の幅の方向に延設されている。このようにして、物体はベルト1の長手方向に沿って収容体3内に挿入され、かつそこから引き出されることとなる。さらに、収容体3はベルト1の長手方向と実質的に直列に延設され、かつストラップ4と略同一の幅となっている。
ベルト1は、ベルト1を着用者が着用することができるように、ベルト1のそれぞれの端部を一体的に接続するために、解放自在に係合可能である締結具(図示せず)を設けることができる。締結具はコネクタ5の形状にすることもできる。ストラップ4は、ベルト1の長さを調整する調整手段を備えている。調整手段は、ベルト1の長さを調整することができるように、例えば調整バックル25を備えてもよい。
図38は、第2実施形態のコネクタ90の形のコネクタを備える収容体3dの実施形態を示す。コネクタ90は収容体3dのそれぞれの端部に接続されることとなる。
図39は、前壁部13が側壁部20によって背面支持体15に取り付けられる収容体3eの実施形態を示す。収容体3eの前壁部13は、すでに前述した実施形態の前壁部より剛性の材料から作製することができる。側壁部20は伸縮性材料から作製することができる。側壁部20に加えて、端壁部(図39では不明瞭)が設けられている。端壁部もまた伸縮性にすることができる。伸縮性材料の側壁部20および端壁部20を設けることは、要素を収容体内に挿入するときに収容体3eを拡張し、それによって要素を保持することを意味する。収容体3eはさらに、収容体3e内に要素を保持することを補助するために、開口部11にリブ21を設けることができる。明瞭にするために、コネクタ5は収容体3eから省略されている。しかしながら、コネクタ5はそれぞれの端部を背面支持体15に取り付けられることを理解されたい。
収容体3f(図40に示す)は収容体3a、3b、3c、3d、および3eとは異なる構造を有し、特に金銭および鍵のような貴重品を格納することを意図している。そのため、収容体3fは不透明な材料から作られた前壁部13fを備えている。しかしながら、収容体3fは前壁部13fの表面側にメッシュ状材料の蓋部材をも有していてもよい。これは、主として収容体3a、3b、3c、3d、3e、および3fがメッシュ状材料から作製される前壁部13、13a、13b、および13cを有する場合に、希望するならば、収容体3a、3b、3c、3d、3e、および3fが有するものと同様の外観を収容体3fに提供するためである。
収容体3fの開口部11fは、図40に示すように、収容体3fの端面部よりむしろ側面部に沿って設けられている。開口部11fを閉鎖するためにジッパ25aを設けることができる。しかしながら、代替的に、開口部11fは収容体3fの端面部で、収容体3a、3b、および3cのそれぞれの開口部11a、11b、および11cと同様の位置に設けることもできる。しかしながら、開口部11fはそれでもなお、収容体3a、3b、および3cで使用される引き紐ではなく、開口部11fを閉鎖するためにジッパ25aを保持することになる。
ベルト1はスリーブ27を備えていてもよい。スリーブ27はベルト1に沿って摺動することができる。スリーブ27の目的は、収容体3a、3b、3c、3d、3e、および3fを覆うように、それを所定の位置まで摺動させることをできるようにすることである。従って、スリーブ27はさらに、収容体3a、3b、3c、3d、3e、および3fの内容物を例えば雨から保護することとなる。この理由から、スリーブ27が実質的に耐水性材料から作製されることが好ましい。
1つ以上の収容体3の背面支持体15は、その裏面側にループ(不明瞭ではあるが、obscured)を設けることができる。ループは、収容体3の1つに保持されるパーソナル音楽プレーヤのような装置からの電気配線を、ループを通して送り込むことができるように設けられる。別のループを同様の目的でストラップ4の前面32bに設けることができる。このようにして、電気配線が着用者に不便を感じさせなくすることとなる。
ベルト1は1つ以上のループ(図示せず)を備えることができる。そのようなループはストラップ4の前面部32bに設けられている。鍵のような要素は、これらのループから吊り下げることができる。
ベルト1を必要に応じた色および模様の材料から作製し、ベルトを流行のアクセサリとして適したものにすることができる。
次に、ベルト1の使用および操作について、特に図面を参照しながら説明する。
使用時に、ベルト1は図43および図44に示すように着用者によって着用される。ベルト1は、着用者の腰の周りに、または肩に掛けて着用することができる(図44に示す通り)。ベルト締結具が設けられた場合、それはベルト1の確実でしかも解放自在の締結を達成するので、それは着用者の所定の位置に保持されることとなる。バックル25は、ベルト1の長さを個々の着用者に適するように調整することを可能にする。
ストラップ4および収容体3の第1および第2コネクタ5は、着用者が必要な個数の収容体3およびストラップ4を一体的に取り付けることを可能にする。代替的に、ストラップ4が使用されない場合、ベルトは完全に接続された収容体3から構成されることとなる。
収容体3は、様々なサイズおよび種類の要素を収容するために、形状およびサイズを変化させることができる。しかしながら、収容体3の第1および第2コネクタ5の使用は、様々な収容体3を一体に接続することを可能にする。
ベルトの収容体3およびストラップ4は全て同一形式のコネクタ5を使用するため、ユーザがどれでも必要な収容体を選択し、それらを一体に接続してベルトを形成することができるように、収容体3は完全に相互交換可能となっている。各収容体3の両端部およびストラップ4の各端部に単一の形式のコネクタ5を使用することは、ユーザが必要とするどの収容体でも、本発明のベルト1を任意の所望のやり方で、例えばユーザの腰の周りに、またはユーザの左または右の肩に掛けるように、方向付けることができることを意味する。この相互交換可能性を図36に破線で示し、図36に示す収容体3の各々がユーザの要求に応じて任意の端部に接続することができることを表わす。したがって、すでに前述したように、一体に接続して係合することのできる1対の異なるコネクタから構成される従来のコネクタでは、ベルト1の収容体3の相互交換ができないことから、そのような従来のコネクタを使用した場合に発生する問題を、本発明のコネクタは克服することとなる。
ベルト1が着用者によって着用される状態で、収容体3の内容物は、開口部11を介して容易にアクセスすることができる。前壁部13が、収容体3内の物体を収容体3の外側から見えるようにし、かつ収容体3の前壁13の材料を通してアクセス可能にする材料から作製される実施形態では、前壁部13の材料を通して携帯電話機のような装置に容易にアクセスすることができる。例えば携帯電話機の表示画面を見ること、およびキー/ボタンを押すことが可能になる。すなわち、操作のためにアクセス可能にするために装置を収容体3から取り出す必要がない。
本明細書全体を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、語「comprise(備える)」または「comprises」もしくは「comprising」のような語尾変化形は、明記した整数または整数群を包含することを暗示しており、任意の他の整数または整数群を排除するものではないことを理解されたい。
当業者に明白となるような変更および変形は、本発明の範囲内とみなされる。