JP2009510416A - カンジダ診断チップ - Google Patents
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Abstract
本発明はタンパク質バイオチップによる臨床材料中のカンジダ及びカンジダ類縁真菌細胞の検出のための手段及び方法に関する。
Description
本発明は臨床材料中のカンジダ及びカンジダ類縁真菌細胞の検出のための手段及び方法に関する。
カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)は酵母菌に属するカンジダ属の真菌である。この真菌は温血動物で(従ってヒトでも)しばしば鼻腔及び咽頭の粘膜、生殖器領域及び消化管で見出される。すべての健常人(男性及び女性)の約75%で検出することができる(ドイツ栄養学会による)。手足の指の間や爪の上に現れることもある。カンジダは通性病原菌に属し(特定の条件でのみ病疾を発症する)、他の微生物と平衡状態で常在する腐生菌とみなされる。この真菌の生息は通常、ほとんど症状を引き起こさない。ところが例えば他の基礎疾病及び/又は薬物投与に関連して免疫が欠如又は減少すると、この真菌は病原菌に変わる。カンジダ感染症、例えばカンジダ症、モニリア症、カンジダ菌症、モノリアシス又は鵞口瘡が起こる。
多くの場合カンジダ感染症は基礎疾患、例えば重い糖尿病、白血病、AIDS、特定の薬物例えば避妊薬、抵抗力を故意に又は副作用として引き下げる薬物、多量及び頻繁に投与する抗生剤、高い用量のコルチコイド及び細胞分裂抑制剤及び/又はその他の促進条件で現れる。好中球減少症を伴う腫瘍患者、骨髄移植又はその他の臓器移植の後の患者、免疫抑制を行った患者、大きな創傷面又は火傷がある患者、多発性創傷患者及び未熟児が危険グループに数えられる。さらに重症患者には全身カンジダ感染症の素因がある。
深在性カンジダ症を発症し、その後生命を脅かすカンジダ敗血症を招く本来の病態生理学的機構はまだ明確に解明されていない。組織損傷作用は主として、まだあまり研究されていない有毒の真菌生成物によるものである。
重症患者でのカンジダ菌血症及び播種性カンジダ症の発生が近年著しく増えている。関連する高い罹病率及び致死率にかんがみ、カンジダ侵襲の確実かつ早期の検出により診断の困難を克服することが望まれる。
臨床常用検査室でカンジダ症の診断はたいてい顕微鏡的に行われる。粘膜採取物、糞便試料、尿、陽性血液培養又は無菌の臓器区画のその他の検査材料(液、組織バイオプシー)が適している。その場合カンジダ症の確実な検出に成功するのはごくまれである。偽陽性の結果が多い一方で、ほかならぬカンジダ敗血症で偽陰性の所見も現れる。また患者試料の培養は大変時間がかかり、このため診断があまりにも遅れてようやく行われることが多い。
真菌は生きた抗原モザイクであり、免疫系の様々な部分を刺激することができる。タンパク質、多糖、脂質及びキチン様物質の形の真菌カプセルの抗原はB細胞による抗体形成を誘導する。その結果真菌感染患者の血清中に当該の補体形成沈降抗体を検出することができる。全身カンジダ感染症が臨床的に疑われる場合は、同時に血清学的経過検査でカンジダ指向抗体の適定量の上昇が示されることが多い。
周知の抗体検定は、たいてい担体小球(いわゆるビーズ)に固定された細胞壁タンパク質指向抗体に基づくものである。血液型決定に似た仕組みで臨床試料、例えば血液を抗体ビーズと接触させる。試料中にカンジダ特異的細胞壁成分があれば、ビーズが団塊になり、このことが点滴板又は微量点滴板ではっきり見える。このテストはいわゆる赤血球凝集素テスト(HAT)として知られている。ところがこのテストは感度と供述力が乏しいため医療では異論が多い。
この感染症の迅速、正確かつ供述力の高い検出が行われるなら、命を救う効果的な治療を迅速かつ的確に行うことができるであろう。真菌治療の成果は、いかに適時に治療が開始されるかに少なからず左右される。他方では、使用される抗真菌剤は少なからぬ副作用がある。新たに開発された特殊な高性能な抗真菌剤は副作用が少ないが、しかし適用に多額の費用がかかる。カンジダの迅速かつ鋭敏な検出のほかに、偽陽性の結果の数、従って不要な治療の数を最小化するために、カンジダテストは高い選択性ももたねばならない。
さらにカンジダテストは臨床的日常診断で迅速確実に使用できなければならない。即ち個別テストのコストを減少し、専門要員の費用を少なくして、なるべく高い試料処理量を可能にしなければならない。これは通常、特に患者データバンクに直結する自動化読出し装置を使用することによって達成される。理想的には多数の個別テストを1回の処理で実現しなければならない。さらに改善されたテストは、例えば他の病原体の検出のための他の類縁のテストとともに単一の検定で行うことを可能にするものでなければならない。
本発明の根底にあるのは、先行技術で周知の欠点が取り除かれ、特に高い感度と選択性が得られ、自動化スクリーニング及び分析システムでの使用に適した、カンジダ及びカンジダ類縁真菌細胞の検出のための手段及び方法を提供するという技術問題である。
本発明は、1つの表面を有する担体及び該担体表面上に配置された少なくとも1つのミクロ構造を含み、該ミクロ構造上に、タンパク質TSA 1に対する特異的抗体、とりわけいわゆる抗TSA1 IgG及びタンパク質TSA 1から選択される分子特異的認識部位が固定されている、カンジダの検出のための機能要素、即ちカンジダ診断チップを提供することによって、その根底にある技術問題を解決する。
ここで「TSA」とは、ペルオキシレドキシン酵素ファミリー(EC1.11.1.15)のメンバーであるカンジダのタンパク質「チオール特異的抗酸化剤(様)タンパク質」を意味する。これはジスルフィド結合を有する生理学的に重要な抗酸化剤であって、酵素活性により硫黄含有ラジカルに対して防御することができる。TSA 1は主に細胞質基質に局在する。TSA 1は配列番号1のアミノ酸配列を有する。
TSA 1は組換えTSA 1の形で使用することが好ましい。本発明に基づきTSA 1の断片又は誘導体を使用できることはもちろんである。断片又は誘導体は配列番号1のタンパク質から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、1〜10、1〜20、1〜30、1〜40及び/又は1〜50のアミノ酸を交換又は除去することによって得られる。TSA 1の断片又は誘導体もカンジダ特異的抗原性を有し、カンジダ特異的抗TSA 1抗体(抗TSA1 IgG)に特異的に結合する。本発明に基づく別の好ましい変型では、TSA 1タンパク質はカンジダ細胞溶解物又はカンジダ細胞から得られるタンパク質カクテル、例えば細胞質基質タンパク質又は細胞壁タンパク質の成分である。TSA 1タンパク質のほかにさらに別のカンジダタンパク質を固定した場合でも、機能要素は本発明に基づく分子特異的認識部位を有する。
ミクロ構造は三次元的に重なり合って配置された複数のナノ粒子層からなり、ナノ粒子は分子特異的認識部位を有することが好ましい。
さらにカンジダ抗原又は抗体に対して同じ分子特異的認識部位を有するミクロ構造が好ましい。さらにカンジダ抗原又は抗体に対して異なる分子特異的認識部位も有するミクロ構造が好ましい。この構造は複数の異なるカンジダタンパク質を1つのテストに統合することを可能にする。
好ましい実施形態では、ミクロ構造は少なくとも1つの生体分子安定剤を包含して形成される。とりわけ多次元配列のナノ粒子層は所望の検出反応のために利用しうる機能要素の反応表面を大幅に拡大すると同時に、好ましい実施形態ではタンパク質安定剤を包含することによって、TSA 1タンパク質又は抗TSA 1抗体の使用の際にタンパク質の天然構造及び機能が維持される。
複数のとりわけ三次元配列の、厚さ10nm〜10μm、とりわけ50nm〜2.5μm、特に100nm〜1.5μmのナノ粒子層を担体表面に配置することが好ましい。機能要素の本発明に基づく構造は、検出される分析物がごく少量であっても高い検出感度を可能にする。
本発明に基づき使用されるカンジダ検出用の機能要素−横方向に構造形成−は、各々が特異的にアドレス可能な異なる分子特異的認識部位を有する別の機能層を備えることが好ましい。こうして、特異的に局所で分離する分析物を結合することができる。単一の機能要素で単一の検出方法によりカンジダ特異的分子と並んで別の分析物の平行検出が可能になる。別の分子特異的認識部位として、−応用分野によっては−とりわけ微生物病原体、例えば真菌細胞に対して特異的なタンパク質及び/又は抗体が使用される。真菌細胞はとりわけ臨床的に重要な病原体、例えばアスペルギルス属、クリプトコッカス属(ヒストプラズマ属、ブラストミセス属)、コクシジオイデス・イミチス、表皮菌属、ゲオトリクム属、パラコクシジオイデス属(ブラストミセス属)である。別の分子特異的認識部位はとりわけ別の選ばれた単離カンジダ抗原及び/又は別のカンジダ抗原を指向する抗体である。
そこで本発明は表面に1つ又は複数のミクロ構造が配置された機能要素を提供する。その場合各ミクロ構造はとりわけ同一の又は異なる分子特異的認識部位をもつ複数の層の多数のナノ粒子からなり、少なくとも1つの分子特異的認識部位はタンパク質TSA 1に対する特異的抗体、とりわけいわゆる抗TSA1 IgG及びタンパク質TSA 1から選ばれることが好ましい。
先行技術で周知のシステム、例えば在来の遺伝子又はタンパク質アレイと異なり、本発明は生体分子を平面な表面に直接結合するのではなく、複数の、とりわけ三次元のナノ粒子表面に固定するものである。このナノ粒子表面は固定の前又は後に横方向構造をもつミクロ構造の形成のために使用される。
本発明に基づく機能要素で分子特異的認識部位がナノ粒子に共有及び/又は非共有結合される。タンパク質TSAに対する特異的抗体又はタンパク質TSAはナノ粒子に方向性の有無にかかわらず固定することができ、その場合生体分子のほぼあらゆる所望の整列が可能である。ナノ粒子に生体分子を固定することによって、生体分子の安定化も得られる。
本発明に関連して「ナノ粒子」とは、第1の官能基を含む分子特異的認識部位を有する特定の結合基質を意味する。本発明に基づき使用されるナノ粒子は、表面に第1の官能基が配置されたコアを含み、この第1の官能基は生体分子の相補的な第2の官能基に共有又は非共有結合することができる。第1及び第2の官能基の間の相互作用によって、生体分子はナノ粒子に、即ち機能要素のミクロ構造に固定され、及び/又はこれに固定することができる。本発明に基づきミクロ構造の形成のために使用されるナノ粒子は500nm未満、とりわけ150nm未満の大きさを有する。
本発明に基づきとりわけ使用されるナノ粒子はコア・シェル構造を有する。好ましい実施形態では、ナノ粒子のコアは無機材料、例えば金属(例えば金、銀又はニッケル)、ケイ素、SiO2、SiO、ケイ酸塩、Al2O3、SiO2・Al2O3、Fe2O3、Ag2O、TiO2、ZrO2、Zr2O3、Ta2O5、ゼオライト、ガラス、酸化スズインジウム、ヒドロキシルアパタイト、Qドット又はこれらの混合物からなり、又はこれを含む。別の好ましい実施形態ではコアは有機材料からなり、又はこれを含む。とりわけ有機ポリマーは、ポリプロピレン、ポリスチロール、ポリアクリル酸、乳酸のポリエステル又はこれらの混合物である。本発明に基づき使用されるナノ粒子のコアの作製は、専門分野で公知の慣用の方法、例えばゾルゲル合成法、乳化重合法、懸濁重合法等を使用して行うことができる。
好ましい実施形態では、適当な検出方法を使用してナノ粒子のコア及びミクロ構造の簡単な検出を行うことができる補助機能がコアに定着されている。この機能は例えば蛍光マーキング、UV/Vis(紫外線/可視光線)マーキング、超常磁性機能、強磁性機能及び/又は放射性マーキングである。ナノ粒子の適当な検出方法は例えば蛍光及び/又はUV-Vis分光法、蛍光又は光学顕微鏡法、MALDI質量分析法、導波管分光法、インピーダンス分光法、電気的方法及び放射計法を含む。ナノ粒子の検出のためにこれらの方法の組合せも使用することができる。別の実施形態では補助機能、例えば蛍光マーキング、UV/Visマーキング、超常磁性機能、強磁性機能及び/又は放射性マーキングを加えることによってコア表面が修飾される。ナノ粒子コアの表面は別個に又は補足的にイオン交換機能を有することが好ましい。イオン交換機能を持つナノ粒子は崩壊的なイオンに結合することができるので、特にMALDI分析の最適化に適している。
さらにコア表面は固定された分子の立体的安定化及び/又はコンホメーションの変化の阻止及び/又は別の生物学的活性化合物のコア表面への付加の阻止のために役立つ化合物を有する。この化合物はとりわけポリエチレングリコール、オリゴエチレングリコール、デキストラン又はこれらの混合物である。
本発明に基づきとりわけ使用されるナノ粒子は5nm〜500nmの直径を有する。従ってこのようなナノ粒子を使用して、nmからμmの領域の任意の形の極微のミクロ構造を有する機能要素が作製される。従ってミクロ構造を作るためにナノ粒子を使用することによって、機能要素のこれまで得られなかった小型化が可能であり、それに伴って機能要素の重要なパラメーターが大幅に改善される。
「ミクロ構造」とは、数μm又はnmの領域の構造を意味する。特に本発明に関連して「ミクロ構造」とは、分子特異的認識部位を有する複数の三次元配列のナノ粒子層の形の少なくとも2つの個別成分からなり、担体の表面に配置された構造を意味する。その場合担体表面の特定の部分面が隠蔽され、この部分面は所定の形状及び所定の単位面積を有し、担体の表面より小さい。本発明に基づき特にミクロ構造によって覆われる部分面を決定する面−長さパラメーターの少なくとも1つはμm領域にあるものとする。ミクロ構造が例えば円形を有するならば、円の直径はμm領域にある。ミクロ構造が長方形になっているならば、例えばこの長方形の幅がμm領域にある。本発明に基づき特にミクロ構造によって覆われる部分面を決定する少なくとも1つの面−長さパラメーターは999μm未満とする。ミクロ構造は本発明に基づき少なくとも2つのナノ粒子からなるから、この面−長さパラメーターの下限は10nmである。
好ましい実施形態では、三次元配列のナノ粒子層は10nm〜10μmの全厚さを有する。本発明に基づき50nm〜2.5μmの厚さ、特に100nm〜1.5μmの厚さが好ましい。
ミクロ構造を形成するためにとりわけ使用されるナノ粒子は比較的大きな表面/体積比を有し、従って質量当りで大量の生体分子を結合することができる。生体分子が平面な担体に直接結合された系と比較して、機能要素は単位面積当りではるかに多量の生体分子を結合することができる。従って本発明に基づき担体表面上にミクロ構造を作るために複数の粒子層が重なり合って積層されているから、単位面積当り結合される分子の量即ち充填密度がすこぶる大きい。とりわけナノ粒子をまずヒドロゲルで、次に生体分子で被覆することによって、単位面積当りに結合される生体分子の量をさらに増加することができる。
本発明に関連して「機能要素」とは、単独で又はより複雑な装置の構成部分として、即ち別の類似の又は別種の機能要素に関連して、少なくとも1つの所定の機能を遂行する要素を意味する。機能要素は同じ又は異なる材料からなる複数の構成部分を包含する。機能要素の個々の構成部分は1つの機能要素の中で異なる機能を遂行することができ、要素の全体的機能に様々な程度に様々な仕方で寄与することができる。本発明では機能要素は、担体表面上に所定のナノ粒子層がミクロ構造としてとりわけ三次元で配列された担体を包含する。その場合ナノ粒子はタンパク質TSA 1に対する特異的抗体、とりわけいわゆる抗TSA1 IgG及びタンパク質TSA 1から選ばれた、カンジダ特異的分子の結合のための分子特異的認識部位を備えている。
本発明に基づく機能要素は公知の方法を使用して簡単に作製される。機能要素の作製及び別の実施形態について、後公開のドイツ特許出願DE102004062573を参照のために挙げ、これに関連してその開示内容を全面的に取り入れる。
例えば適当な懸濁剤を使用してナノ粒子から極めて簡単に安定な懸濁液が作られる。ナノ粒子懸濁液は溶液のように振る舞い、このためミクロ構造形成方法に適合する。従ってナノ粒子の固着のために結合剤であらかじめ予備処理した適当な担体上に、例えば在来の方法、例えばニードルリング・プリンター、リソグラフィー法、インクジェット法及び/又はマイクロコンタクト法を使用して、ナノ粒子懸濁液を直接沈着して構造を形成することができる。結合剤を適当に選択することによって、生じるミクロ構造がその後の時点で例えばpH値又は温度の変更により、機能要素の担体表面から部分的又は完全に剥離し、場合によっては他の機能要素の担体表面に転移されるように形成することができる。
本発明に基づきミクロ構造に少なくとも1つの生体分子安定剤、特に少なくとも1つのタンパク質安定剤を含めることが好ましい。このような安定剤によって生体分子の安定化が一層強化される。少なくとも1つの生体分子安定化添加物、特に少なくとも1つのタンパク質安定化添加物の添加は、これが基質上で乾燥される場合に、粒子層内のナノ粒子結合生体分子、特にペプチド又はタンパク質の機能性を維持し、こうしてナノ粒子機能層の貯蔵性を保証する。その場合貯蔵性は1年以内、とりわけ8ヶ月以内、特に3ヶ月以内である。このようにして本発明に基づき少なくとも1つの生体分子安定剤、特に少なくとも1つのタンパク質安定剤をミクロ構造に含めることは、本発明に基づく機能要素の機能、とりわけ生物学的機能及び効果を保護する。「生体分子安定剤」、特に「タンパク質安定剤」とは、本発明に基づき乾燥応力のもとでタンパク質の三次元構造、即ち二次、三次、四次構造を安定化し、それとともに乾燥状態での、即ち溶媒の蒸発の後のタンパク質の機能性を維持する作用物質を意味する。1つの好ましい実施形態では、タンパク質安定剤は糖類、特にサッカロース(スクロース)、ラクトース、グルコース、トレハロース又はマルトース、ポリアルコール、特にイノシトール、エチレングリコ−ル、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール又は2−メチル−2,4−ペンタンジオール、アミノ酸、特にグルタミン酸ナトリウム、プロリン、α−アラニン、β−アラニン、グリシン、リシン−HCl又は4-ヒドロキシプロリン、ポリマー、特にポリエチレングリコール、デキストラン、ポリビニルピロリドン、無機塩、特に硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム又はフッ化ナトリウム、有機塩、特に酢酸ナトリウム、ポリエチレンナトリウム、カプリル酸ナトリウム、プロピオン酸塩、乳酸塩又はスクシン酸塩、又はトリメチルアミンN-オキシド、サルコシン、ベタイン、γ−アミノ酪酸、オクトピン、アラノピン、ストロムビン、ジメチルスルホキシド又はエタノールもしくは上記の物質の混合物である。
本発明に基づき機能要素の担体、特に担体表面は金属、金属酸化物、ポリマー、ガラス、半導体材料又はセラミックスからなる。好ましい実施形態では機能要素の担体は透明ガラス、二酸化ケイ素、金属、金属酸化物、デキストラン又はアミドのポリマー及びコポリマー、例えばアクリルアミド誘導体、セルロース、ナイロン又は重合材料、例えばポリエチレンテレフタレート、セルロースアセテート、ポリスチレン又はポリメチルメタクリレート又はビスフェノールAのポリカーボネートのような材料からなる。このことは、本発明に関連して担体が完全に上記の材料の1つからなるか、又は本質的にこれを含むことを意味する。なお担体又はその表面は少なくとも約60%、とりわけ約70%、約80%又は約100%が上記の材料の1つ又は上記の材料の組合せからなる。
本発明の好ましい実施形態では、担体表面とミクロ構造の間に少なくとも1つの結合剤層が配置されるものとする。結合剤はナノ粒子を機能要素の担体表面に固結するためのものである。結合剤の選択は担体材料の表面及び結合されるナノ粒子に従う。結合剤はとりわけ荷電又は非荷電ポリマーである。結合剤はとりわけ弱又は強高分子電解質である。即ちその電荷密度はpH依存性又はpH非依存性である。1つの好ましい実施形態では、結合剤はポリ(ジアリル-ジメチル-アンモニウムクロリド)、ポリ(スチレンスルホン酸)のナトリウム塩、ポリ(ビニルスルホン酸)のナトリウム塩、ポリ(アリルアミン-ヒドロクロリド)、線形又は分岐ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)又はこれらの混合物からなる。
別の好ましい結合剤は特にガラス表面、シリコン表面等の活性化のための官能性シラン、特に金表面の活性化のための官能性チオールから選ばれたものである。これらの分子は本質的に「アンカー」、例えばシラノール、クロルシラン等、「スペーサー」、例えばポリエチレングリコール、オリゴエチレングリコール、炭化水素鎖、炭水化物鎖等及び少なくとも1つの官能基、例えばアミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、塩化トシル、N-ヒドロキシ-スクシミドエステル、マレイミド及び/又はビオチンからなる。
また別の好ましい結合剤は活性エステルを含むポリマー、例えばフェニルジメチル-スルホニウムメチルスルフェート基、光活性架橋剤、タンパク質、例えばストレプトアビジン、BSA等及び核酸からなる。
少なくとも2つの上記の結合剤の組合せも好ましい。
本発明に関連して「アドレス可能」とは、ナノ粒子を担体表面に塗布した後にミクロ構造が再発見及び/又は検出可能であることを意味する。例えばマスク又はスタンプを使用して担体表面にミクロ構造を塗布すれば、一方ではマスク又はスタンプによって指定され、ミクロ構造が塗布される担体表面区域のx及びy座標からミクロ構造のアドレスが生じる。他方ではミクロ構造の再発見又は検出を可能にするナノ粒子表面の分子特異的認識部位からミクロ構造のアドレスが生じる。
本発明はさらにカンジダ及びカンジダ類縁真菌細胞の検出、特にヒト又は動物の身体のカンジダ症の診断のための本発明に基づく機能要素の使用に関する。
「臨床材料」又は「臨床材料の試料」とは、全血、血清、リンパ液、組織液、気管支洗浄液、胃腸洗浄液、糞便、頚管粘液、粘膜採取物のような試料を意味する。また生きている又は死んだ生体、臓器又は組織から採取したバイオプシー又は組織試料をも意味する。但し試料は生物、例えば微生物もしくはヒト、動物または植物細胞が培養された培地、例えば発酵培地であることも可能である。このような試料は精製処理、例えばタンパク質単離がすでに行われていてもよいが、未精製であることも可能である。
本発明に基づく機能要素の本発明に基づく使用は、タンパク質TSA 1に対する特異的抗体及びタンパク質TSA 1から選ばれた分子特異的認識部位と臨床材料の被検試料中にある対応するカンジダ特異的分子との特異的抗原抗体結合を利用する。
機能要素と用意された臨床材料を接触させることによって形成される抗原抗体複合体は、周知の方法で検出することができる。公知の免疫組織学の方法が、適当に適応させて機能要素に応用される。本発明に基づき機能要素上の抗原抗体複合体の検出のために、抗原抗体複合体に特異的に結合された試料のカンジダ特異的分子を別の特異的抗原抗体結合で標識する標識抗原タンパク質もしくは標識一次抗体又は標識二次抗体を使用することが好ましい。標識剤として蛍光マーキング又は金属マーキングを使用することが好ましい。この標識の検出のためにMALDI質量分析法、蛍光又はUV-VIS分光測定法、蛍光又は光学顕微鏡法、導波管分光測定法、電気的方法、例えばインピーダンス分光測定法又はこれらの方法の組合せを使用することが好ましい。
蛍光検出法を使用する場合は、蛍光標識分析物及び/又はナノ粒子に結合された、生物学的活性のある蛍光標識検出分子を光で励起し、光で読み出す。本発明に基づき蛍光法を使用する場合は、分析物及び/又は分子特異的検出分子及び/又はその他の二次検出分子、例えば二次抗体、ストレプトアビジン等を蛍光で標識することが好ましい。
特に標識抗原抗体複合体の検出を自動化形式で、例えばスキャナーで行うことが好ましい。
そこで本発明は特に臨床材料中のカンジダ及びカンジダ類縁真菌細胞の同定及び/又は検出のための方法、特にヒト又は動物の身体のカンジダ症の診断のための方法に関する。方法の工程a)で、特に臨床材料から試料が調製される。方法の別の工程b)で、本発明に基づく機能要素、即ちカンジダ診断チップが調製され、方法の別の段階c)で特異的抗原抗体結合を可能にする条件下で、機能要素が試料と接触させられ、その際試料のカンジダ特異的分子が、タンパク質TSA 1に対する特異的抗体及びタンパク質TSA 1から選ばれた機能要素の分子特異的認識部位に結合され、抗原抗体複合体となる。方法の別の工程f)で、カンジダ診断チップに形成された抗原抗体複合体が周知のように、とりわけ蛍光標識抗原又は抗体により検出される。そこで工程e)で、とりわけカンジダ診断チップに結合されたカンジダ特異的分子が蛍光標識分子、例えば標識抗体、標識二次抗体、標識組換えタンパク質等と結合される。別の好ましい方法形態では、検出方法としてMALDI質量分析法が適用される。
工程c)の後かつ工程f)の検出の前に、追加工程d)で未結合のカンジダ特異的分子及び非特異的分子を生体適合性洗浄液で洗浄して機能要素から除去する。生体適合性洗浄液はとりわけ水及び/又は緩衝液、例えばリン酸緩衝生理食塩水(PBS)及び/又は界面活性剤(例えばTritonX-100)を添加した緩衝液である。本発明の好ましい実施形態では、担体を室温で順次、水及び緩衝液(場合によって界面活性剤を含む)で、又は緩衝液(場合によって界面活性剤入り)及び水で例えば30分ずつ洗浄する。
機能要素の別の本発明に基づく使用は、タンパク質TSA 1に対する特異的抗体及びタンパク質TSA 1から選ばれ、固定された分子特異的認識部位と相互作用するタンパク質の試料からの単離である。
最後に、本発明はヒト及び動物の身体のカンジダ症及び類縁真菌感染症の診断及び治療のための薬剤の開発及び作製のための機能要素の使用に関する。
本発明のその他の有利な実施形態が従属請求項で明らかである。
配列プロトコルは下記を含む。
配列番号1:TSA 1のアミノ酸配列(カンジダ・アルビカンス)
配列番号2:使用したポリクローナル抗体の結合配列のアミノ酸配列
配列番号3:使用したポリクローナル抗体の結合配列のアミノ酸配列
配列番号4:TSA 1-MBP-融合タンパク質のアミノ酸配列
配列番号5:MBPのアミノ酸配列
配列番号6:MBPのC末端のTSA 1に対するリンカーのアミノ酸配列
配列番号1:TSA 1のアミノ酸配列(カンジダ・アルビカンス)
配列番号2:使用したポリクローナル抗体の結合配列のアミノ酸配列
配列番号3:使用したポリクローナル抗体の結合配列のアミノ酸配列
配列番号4:TSA 1-MBP-融合タンパク質のアミノ酸配列
配列番号5:MBPのアミノ酸配列
配列番号6:MBPのC末端のTSA 1に対するリンカーのアミノ酸配列
下記の図面及び実施例に基づき本発明を詳述する。
実施例1:臨床材料中の抗カンジダ・アルビカンス抗体の検出
本実施例では、カンジダ・アルビカンスの抗原TSA 1に向けられた抗体を検出する。カンジダ細胞溶解物を官能性シリカ・ナノ粒子上に固定し、この生体活性ナノ粒子を親和性被覆として基質上に沈着することによって、試料の抗カンジダ抗体の検出を行う。試料の中にある抗カンジダ抗体は、三次元ナノ構造親和層に固定されたカンジダ抗原TSAに結合する。蛍光標識二次抗体によって結合の検出を行った。
本実施例では、カンジダ・アルビカンスの抗原TSA 1に向けられた抗体を検出する。カンジダ細胞溶解物を官能性シリカ・ナノ粒子上に固定し、この生体活性ナノ粒子を親和性被覆として基質上に沈着することによって、試料の抗カンジダ抗体の検出を行う。試料の中にある抗カンジダ抗体は、三次元ナノ構造親和層に固定されたカンジダ抗原TSAに結合する。蛍光標識二次抗体によって結合の検出を行った。
1.1 ナノ粒子ベースのカンジダ診断チップの作製
基質:
蛍光読み出しに適したナノ粒子ベースのカンジダ診断チップの作製のために、一例としてガラス基質を使用する。この場合、表面へのナノ粒子の付着は大部分が静電気相互作用によって仲介される。タンパク質で被覆したナノ粒子を基質に吸着するには、たいてい正荷電の表面が必要である。表面に陽性基を有する市販の標本スライドガラスに、別に前処理せずに、タンパク質で被覆したナノ粒子をプリントする。
基質:
蛍光読み出しに適したナノ粒子ベースのカンジダ診断チップの作製のために、一例としてガラス基質を使用する。この場合、表面へのナノ粒子の付着は大部分が静電気相互作用によって仲介される。タンパク質で被覆したナノ粒子を基質に吸着するには、たいてい正荷電の表面が必要である。表面に陽性基を有する市販の標本スライドガラスに、別に前処理せずに、タンパク質で被覆したナノ粒子をプリントする。
慣用のガラス表面をHELLMANEX(登録商標)の2容積%水溶液で40℃で90分間浄化する。MilliQ-H2O(脱イオン水、18MΩ)で洗浄の後に、ガラス表面を3:1(v/v)NH3/H2O2溶液で70℃で40分ヒドロキシル化する(分析用純NH3の約25%水溶液及び分析用H2O2、30%、ISO試薬、安定化)。
MilliQ水でよく洗浄した後に基質をポリカチオン水溶液(0.02mol/l ポリ(アリルアミン)(モノマー基準)、pH8.5)で室温で20分間温置し、MilliQ水で5分洗浄し、続いて乾式で遠心する。
コア・シェル粒子の合成:
200mlのエタノールに12mmolのテトラエトキシシラン及び90mmolのNH3を加える。次に室温で24時間攪拌する。続いて繰り返し遠心することによって粒子を精製する。平均粒度125nmのコア・シェル粒子650mgが生じる。
200mlのエタノールに12mmolのテトラエトキシシラン及び90mmolのNH3を加える。次に室温で24時間攪拌する。続いて繰り返し遠心することによって粒子を精製する。平均粒度125nmのコア・シェル粒子650mgが生じる。
コア・シェル粒子のアミノ官能化:
1重量%のコア・シェル粒子懸濁水と10容積%の25%アンモニア水を混合する。次に粒子に対して20重量%のアミノプロピルトリエトキシシランを加え、室温で1時間攪拌する。繰り返し遠心して粒子を精製する。粒子は表面に官能性アミノ基を担持する(0.1mol/l酢酸緩衝液中のゼータ電位:+35mV)。
1重量%のコア・シェル粒子懸濁水と10容積%の25%アンモニア水を混合する。次に粒子に対して20重量%のアミノプロピルトリエトキシシランを加え、室温で1時間攪拌する。繰り返し遠心して粒子を精製する。粒子は表面に官能性アミノ基を担持する(0.1mol/l酢酸緩衝液中のゼータ電位:+35mV)。
コア・シェル粒子のカルボキシ官能化:
アミノ官能化ナノ粒子の2重量%懸濁液10mlをテトラヒドロフランに受ける。さらに260mgの無水コハク酸を加える。超音波で5分間処理した後、室温で1時間攪拌する。繰り返し遠心して粒子を精製する。粒子は表面に官能性カルボキシ基を担持する(0.1mol/lの酢酸緩衝液中のゼータ電位:-35mV)。平均粒度は170nmである。
アミノ官能化ナノ粒子の2重量%懸濁液10mlをテトラヒドロフランに受ける。さらに260mgの無水コハク酸を加える。超音波で5分間処理した後、室温で1時間攪拌する。繰り返し遠心して粒子を精製する。粒子は表面に官能性カルボキシ基を担持する(0.1mol/lの酢酸緩衝液中のゼータ電位:-35mV)。平均粒度は170nmである。
1.2 分子特異的認識部位のコア・シェル粒子への結合−TSA 1タンパク質含有カンジダ細胞溶解物の結合
1mgのカルボキシ官能化コア・シェル粒子と、抗原TSA 1を含む30μlのカンジダ細胞溶解物及び10μlのEDC溶液(N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド-HCl;3.8mg/ml)を混合し、MES緩衝液(pH4.5)を注ぎ足して1mlとする。
1mgのカルボキシ官能化コア・シェル粒子と、抗原TSA 1を含む30μlのカンジダ細胞溶解物及び10μlのEDC溶液(N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド-HCl;3.8mg/ml)を混合し、MES緩衝液(pH4.5)を注ぎ足して1mlとする。
4℃で一晩(約10時間)振とうする。続いて粒子を繰り返し遠心して精製する。
野生型カンジダ・アルビカンスの細胞溶解物を負荷したナノ粒子を作製する。対照として、カンジダ・アルビカンス-TSA 1-ノックアウトの細胞溶解物を負荷したナノ粒子を使用する。
ナノ粒子層のタンパク質機能の保存:
ナノ粒子層におけるナノ粒子結合捕捉タンパク質の機能の安定化のために、被覆する粒子を5%(w/v)トレハロース水溶液に懸濁する。
ナノ粒子層におけるナノ粒子結合捕捉タンパク質の機能の安定化のために、被覆する粒子を5%(w/v)トレハロース水溶液に懸濁する。
1.3 マイクロアレイの作製
蛍光読み出し可能なカンジダ診断チップを作製するために、カンジダ細胞溶解物を負荷したナノ粒子をピン・リング・スポッターにより、前処理したガラス基質に移す。使用した粒子懸濁液の濃度は2%(w/v)である。表面とのニードル接触部ごとに約50plの懸濁液が転写され、スポットごとに5回プリントする。スポット直径は約150μmである。基質上の個々のスポットの配置は自由にプログラムすることができる。
蛍光読み出し可能なカンジダ診断チップを作製するために、カンジダ細胞溶解物を負荷したナノ粒子をピン・リング・スポッターにより、前処理したガラス基質に移す。使用した粒子懸濁液の濃度は2%(w/v)である。表面とのニードル接触部ごとに約50plの懸濁液が転写され、スポットごとに5回プリントする。スポット直径は約150μmである。基質上の個々のスポットの配置は自由にプログラムすることができる。
1.4 カンジダ診断チップの使用
抗体の作製:
300μlのPBS中の各々3mgの合成ペプチドHPGDETIKPS(配列番号2)及びEASKEYFNKVNK(配列番号3)(各々20mgを合成、純度>70%;テルモ・エレクトロン・コーポレーション(Thermo Electron Corporation)、ウルム)を、300μlの水中の3mgのキーホールリンペット・ヘモシアニン(Keyhole limpet hemocyanin:KLH、シグマ・アルドリッヒ(Sigma Aldrich)、 タウフキルヒェン)にカップリングさせた。カップリングはまず室温で各々2.4μlの5%グルタルアルデヒド(最終濃度約10mmol/l)を5分間隔で5回添加して行った。反応混合物を氷上で30分温置した。24μlの1mol/lグリシン、pH8.5でブロッキングを行った。
抗体の作製:
300μlのPBS中の各々3mgの合成ペプチドHPGDETIKPS(配列番号2)及びEASKEYFNKVNK(配列番号3)(各々20mgを合成、純度>70%;テルモ・エレクトロン・コーポレーション(Thermo Electron Corporation)、ウルム)を、300μlの水中の3mgのキーホールリンペット・ヘモシアニン(Keyhole limpet hemocyanin:KLH、シグマ・アルドリッヒ(Sigma Aldrich)、 タウフキルヒェン)にカップリングさせた。カップリングはまず室温で各々2.4μlの5%グルタルアルデヒド(最終濃度約10mmol/l)を5分間隔で5回添加して行った。反応混合物を氷上で30分温置した。24μlの1mol/lグリシン、pH8.5でブロッキングを行った。
カップリングしたペプチドを精製し、動物1頭ごとに半量ずつを使用した。2頭のウサギを30日間隔で合計4回免疫処理した(ピネダ(Pineda)、ベルリン)。免疫前血清、免疫処理61日目、90日目及び120日目の血清の特性を決定した。
TSA 1抗体の親和性精製のための固定化ペプチドをCNBr活性化セファロース4B(アマーシャム・バイオサイエンス(Amersham Bioscience) 、フライブルク)により同社の指示に従って作製した。0.3gのCNBr活性化セファロース4Bを試験管に入れて、1mmol/l HClで15分間膨潤させ、ビーズを覆った。続いてセファロースを合計300mlの1mmol/l HClで、次に7.5mlの100mmol/l NaHCO3 0.5mol/l NaCl pH 8.3(結合緩衝液)で数回洗浄した。
2.5mgずつのペプチド10及びペプチド12を2mlの結合緩衝液に溶解し、洗浄済みのセファロースに加え、4℃で回転輪上で一晩温置した。5mlの結合緩衝液で1回洗浄して過剰のペプチドを除き、なお残る活性基を1mol/lのエタノールアミン、pH8.0で2時間ブロックした。セファロースを0.1mol/l酢酸ナトリウム 0.5mol/l NaCl pH4及び0.1mol/l トリス-HCl 0.5mol/l NaCl pH 8.0により5倍のゲル容積で交互にそれぞれ少なくとも3回洗浄した。親和性基質をさらにPBS pH7.4で2回洗浄し、0.02%アジド(w/v)とともに4℃で貯蔵した。
試料との接触:
精製のためにTSA 1抗体血清3mlを使用した。4℃で回転しつつ一晩温置し、PBS(pH7.4)で3回洗浄し、続いて0.1mol/lのグリシン(pH2.8)で溶出した。各々50μlの1mol/l トリス-HCl(pH8.8)を含有する1.5ml反応容器に溶出液の1ml画分を集めた。全体として10の画分を集めた。これを石英吸収セルにおいて280nmで測定し、画分1−3を精製し、PBS(pH7.4)に対して透析した。透析は、1回を2時間で、1回を一晩にて、4℃でそれぞれ2lのPBSで行った。親和性精製し、透析したTSA 1抗体を0.02%(w/v)アジドと混合し、4℃で貯蔵した。
精製のためにTSA 1抗体血清3mlを使用した。4℃で回転しつつ一晩温置し、PBS(pH7.4)で3回洗浄し、続いて0.1mol/lのグリシン(pH2.8)で溶出した。各々50μlの1mol/l トリス-HCl(pH8.8)を含有する1.5ml反応容器に溶出液の1ml画分を集めた。全体として10の画分を集めた。これを石英吸収セルにおいて280nmで測定し、画分1−3を精製し、PBS(pH7.4)に対して透析した。透析は、1回を2時間で、1回を一晩にて、4℃でそれぞれ2lのPBSで行った。親和性精製し、透析したTSA 1抗体を0.02%(w/v)アジドと混合し、4℃で貯蔵した。
ナノ粒子表面をまずPBS緩衝液中のBSA3%(w/v)溶液で1時間ブロックする。続いて精製抗TSA 1抗体(100ml PBS+1%BSAに対して約230pmol/l又は5μg)を含む試料とともに暗所において室温で1.5時間温置する。次にPBSでそれぞれ30分洗浄する。
対照として、抗原TSA 1を含まないカンジダ菌株(この抗原の遺伝子は機能停止されているからである(ノックアウト菌株))の細胞溶解物が固定された官能性ナノ粒子を使用する。
結合された抗TSA 1抗体のマーキング:
抗体が由来する種に対する蛍光標識二次抗体(この場合、動物実験バッチでは抗ウサギ抗体、診断テストでは抗ヒト抗体)により結合を検出する。蛍光標識二次抗体をPBS/Tween(0.1%)中の1%BSA溶液に溶解する(100mlに対して0.7μg)。こうしてチップを暗所において室温で蛍光標識二次抗体とともに1時間温置し、続いてPBS/0.1% TritonX 100、PBS及びMilliQ-水でそれぞれ30分洗浄する。すべての処置を標本スライドガラス載物台で行う。
抗体が由来する種に対する蛍光標識二次抗体(この場合、動物実験バッチでは抗ウサギ抗体、診断テストでは抗ヒト抗体)により結合を検出する。蛍光標識二次抗体をPBS/Tween(0.1%)中の1%BSA溶液に溶解する(100mlに対して0.7μg)。こうしてチップを暗所において室温で蛍光標識二次抗体とともに1時間温置し、続いてPBS/0.1% TritonX 100、PBS及びMilliQ-水でそれぞれ30分洗浄する。すべての処置を標本スライドガラス載物台で行う。
チップの読み出し:
結合された抗カンジダ抗体、抗ウサギ抗体の蛍光シグナルをアレイ・ウォークス(Array Worx)社の市販のチップ・リーダーシステムで検出する。露光時間は0.1秒〜2秒であり、実験の範囲内で一定に保持する。シグナル強度をグレースケールレベルの形で記憶する。レイテスト(Raytest)社(ベルリン)のプログラムAidaによりデータの評価を行う。結果を図1に示す。
結合された抗カンジダ抗体、抗ウサギ抗体の蛍光シグナルをアレイ・ウォークス(Array Worx)社の市販のチップ・リーダーシステムで検出する。露光時間は0.1秒〜2秒であり、実験の範囲内で一定に保持する。シグナル強度をグレースケールレベルの形で記憶する。レイテスト(Raytest)社(ベルリン)のプログラムAidaによりデータの評価を行う。結果を図1に示す。
実施例2:カンジダ診断チップによる蛍光標識組換えカンジダ・アルビカンス抗原の検出
TSA 1に対する抗体を官能性シリカ・ナノ粒子に固定し、この生体活性ナノ粒子を親和性被覆として基質上に沈着することによって、試料中のカンジダ特異的抗原TSA 1の検出を行う。試料中に存在するTSA 1抗原(実験では、例えばTSA 1マルトース結合タンパク質融合構築物(TSA 1-MPB))は、三次元ナノ構造親和層に固定された抗TSA 1抗体に結合する。本実施例では、組換え蛍光標識TSA 1-MPB融合タンパク質をカンジダ抗原として使用した。
TSA 1に対する抗体を官能性シリカ・ナノ粒子に固定し、この生体活性ナノ粒子を親和性被覆として基質上に沈着することによって、試料中のカンジダ特異的抗原TSA 1の検出を行う。試料中に存在するTSA 1抗原(実験では、例えばTSA 1マルトース結合タンパク質融合構築物(TSA 1-MPB))は、三次元ナノ構造親和層に固定された抗TSA 1抗体に結合する。本実施例では、組換え蛍光標識TSA 1-MPB融合タンパク質をカンジダ抗原として使用した。
2.1 ナノ粒子ベースのカンジダ診断チップの作製
実施例1.1に相当する。
実施例1.1に相当する。
2.2 分子特異的認識部位のコア・シェル粒子への結合−抗TSA 1-IgGの結合
一例として使用したウサギ抗TSA 1-IgG分子を、a)無指向で共有結合により、又はb)プロテインG若しくはc)抗ウサギIgGを介して指向的に、官能性ナノ粒子に結合させることができる。
一例として使用したウサギ抗TSA 1-IgG分子を、a)無指向で共有結合により、又はb)プロテインG若しくはc)抗ウサギIgGを介して指向的に、官能性ナノ粒子に結合させることができる。
a)共有、無指向:
1mgのカルボキシ官能化シリカ粒子を66μlのウサギ抗TSA 1 IgG溶液(0.7mg/ml)及び10μlのEDC溶液(N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド-HCl;3.8mg/ml)と混合し、MES緩衝液(pH4.5)を注ぎ足して1mlにする。混合物を4℃で一晩振とうし、続いて繰り返し遠心して粒子を精製する。
1mgのカルボキシ官能化シリカ粒子を66μlのウサギ抗TSA 1 IgG溶液(0.7mg/ml)及び10μlのEDC溶液(N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド-HCl;3.8mg/ml)と混合し、MES緩衝液(pH4.5)を注ぎ足して1mlにする。混合物を4℃で一晩振とうし、続いて繰り返し遠心して粒子を精製する。
b)プロテインGを介して:
1mgのカルボキシ官能化シリカ粒子を10μlのプロテインG Gamma Bind Type 2 (ピアス(Pierce)社)(3mg/ml)及び10μlのEDC溶液(N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド-HCl;3.8mg/ml)と混合し、MES緩衝液(pH4.5)を注ぎ足して1mlにする。混合物を4℃で一晩振とうし、続いて繰り返し遠心して粒子を精製する。
1mgのカルボキシ官能化シリカ粒子を10μlのプロテインG Gamma Bind Type 2 (ピアス(Pierce)社)(3mg/ml)及び10μlのEDC溶液(N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド-HCl;3.8mg/ml)と混合し、MES緩衝液(pH4.5)を注ぎ足して1mlにする。混合物を4℃で一晩振とうし、続いて繰り返し遠心して粒子を精製する。
500μgのプロテインG粒子を26μlの抗TSA 1 IgG溶液(0.7mg/ml)と混合し、PBSを注ぎ足して500μlにする。混合物を4℃で一晩振とうし、続いて繰り返し遠心して粒子を精製する。
c)抗ウサギIgGを介して:
1mgのカルボキシ官能化シリカ粒子を66μlの抗ウサギIgG溶液(0.7mg/ml)及び10μlのEDC溶液(N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド-HCl;3.8mg/ml)と混合し、MES緩衝液(pH4.5)を注ぎ足して1mlにする。混合物を4℃で一晩振とうし、続いて繰り返し遠心して粒子を精製する。
1mgのカルボキシ官能化シリカ粒子を66μlの抗ウサギIgG溶液(0.7mg/ml)及び10μlのEDC溶液(N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド-HCl;3.8mg/ml)と混合し、MES緩衝液(pH4.5)を注ぎ足して1mlにする。混合物を4℃で一晩振とうし、続いて繰り返し遠心して粒子を精製する。
500μgの抗ウサギIgG粒子を26μlの抗TSA 1 IgG溶液(0.7mg/ml)と混合し、PBSを注ぎ足して500μlにする。混合物を4℃で一晩振とうし、続いて繰り返し遠心して粒子を精製する。
タンパク質機能の安定化:
ナノ粒子層のナノ粒子に結合したタンパク質のタンパク質機能の保存/安定化のために、粒子を被覆のために5%(w/v)トレハロース水溶液に懸濁する。
ナノ粒子層のナノ粒子に結合したタンパク質のタンパク質機能の保存/安定化のために、粒子を被覆のために5%(w/v)トレハロース水溶液に懸濁する。
2.3 マイクロアレイの作製
実施例1.3に相当する。
実施例1.3に相当する。
2.4 カンジダ診断チップの使用
TSA 1-マルトース結合タンパク質−融合構築物
一例として融合タンパク質を試料(TSA 1-抗原)として使用した。マルトース結合タンパク質(MBP;配列番号5)により精製することができるように、融合タンパク質(配列番号4)をクローニングした。TSA 1(配列番号1)を、リンカー(配列番号6)を介してMBP(配列番号5)のC末端に連結した。
TSA 1-マルトース結合タンパク質−融合構築物
一例として融合タンパク質を試料(TSA 1-抗原)として使用した。マルトース結合タンパク質(MBP;配列番号5)により精製することができるように、融合タンパク質(配列番号4)をクローニングした。TSA 1(配列番号1)を、リンカー(配列番号6)を介してMBP(配列番号5)のC末端に連結した。
過剰発現ベクターとしてpMAL-p2X(NEB社)を使用した。タンパク質精製は製造元の指示書に従って周知の方法で行った。
試料との接触:
ナノ粒子表面をまずPBS緩衝液中のBSAの3%(w/v)溶液で1時間ブロックする。続いてこれらを、暗所において室温で蛍光標識組換えTSA 1-MBP融合タンパク質抗原(PBS中40pmol/l)とともに1時間温置する。続いてチップをPBS/0.1%TritonX100、PBS及びMilliQ水で各々30分間洗浄する。すべての処置を標本スライドガラス載物台で行う。
ナノ粒子表面をまずPBS緩衝液中のBSAの3%(w/v)溶液で1時間ブロックする。続いてこれらを、暗所において室温で蛍光標識組換えTSA 1-MBP融合タンパク質抗原(PBS中40pmol/l)とともに1時間温置する。続いてチップをPBS/0.1%TritonX100、PBS及びMilliQ水で各々30分間洗浄する。すべての処置を標本スライドガラス載物台で行う。
陰性対照として抗ウサギIgG、抗ヤギIgG及び/又はストレプトアビジン被覆ナノ粒子を使用する。
チップの読み出し:
実施例1.4を参照。結果を図2に示す。
実施例1.4を参照。結果を図2に示す。
実施例3:ナノ粒子ベースのカンジダ診断チップでサンドイッチ法によるカンジダ・アルビカンス抗原の検出
TSA 1に対する抗体を官能性シリカ・ナノ粒子に固定し、この生体活性ナノ粒子を基質上に親和性被覆として沈着することによって、試料中のカンジダ・アルビカンス抗原の検出を行う。試料中に存在するTSA 1抗原は、三次元ナノ構造親和層に固定された抗カンジダ抗体に結合する。蛍光標識検出抗体によって結合が検出される(サンドイッチ)。陰性対照として抗ヤギIgG被覆ナノ粒子を使用する。
TSA 1に対する抗体を官能性シリカ・ナノ粒子に固定し、この生体活性ナノ粒子を基質上に親和性被覆として沈着することによって、試料中のカンジダ・アルビカンス抗原の検出を行う。試料中に存在するTSA 1抗原は、三次元ナノ構造親和層に固定された抗カンジダ抗体に結合する。蛍光標識検出抗体によって結合が検出される(サンドイッチ)。陰性対照として抗ヤギIgG被覆ナノ粒子を使用する。
3.1 ナノ粒子ベースのカンジダ診断チップの作製
実施例1.1に相当する。
実施例1.1に相当する。
3.2 分子特異的認識部位のコア・シェル粒子への結合−ウサギ抗カンジダIgGの結合
ウサギ抗カンジダIgGのコア・シェルナノ粒子への結合は共有結合により、無指向で行われる(実施例2.2に相当する)。タンパク質を実施例2.2のように安定化する。
ウサギ抗カンジダIgGのコア・シェルナノ粒子への結合は共有結合により、無指向で行われる(実施例2.2に相当する)。タンパク質を実施例2.2のように安定化する。
3.3 マイクロアレイの作製
実施例1.3に相当する。
実施例1.3に相当する。
3.4 カンジダ診断チップの使用
抗カンジダ・ナノ粒子表面をまずPBS緩衝液中のBSAの3%(w/v)溶液で1時間ブロックし、次に室温で組換えTSA 1-MBP-融合タンパク質抗原溶液(PBS中100pmol/l)とともに1時間温置する。続いてチップをPBS/0.1%TritonX100及びPBSで各々30分間洗浄し、次にBSA溶液で再び30分間ブロックする。
抗カンジダ・ナノ粒子表面をまずPBS緩衝液中のBSAの3%(w/v)溶液で1時間ブロックし、次に室温で組換えTSA 1-MBP-融合タンパク質抗原溶液(PBS中100pmol/l)とともに1時間温置する。続いてチップをPBS/0.1%TritonX100及びPBSで各々30分間洗浄し、次にBSA溶液で再び30分間ブロックする。
次に、これらを暗所において室温で蛍光標識検出抗体溶液(PBS中40pmol/l)とともに1時間温置し、最後にPBS/0.1%TritonX100、PBS及びMilliQ水で各々30分間洗浄する。すべての処置を標本スライドガラス載物台で行う。
結果を図3に示す。
Claims (15)
- 1つの表面を有する担体及び該担体表面上に配置された少なくとも1つのミクロ構造を含むカンジダ診断チップであって、該ミクロ構造上に、
a)タンパク質TSAに対する特異的抗体及び、
b)タンパク質TSA、
の1つから選択される分子特異的認識部位が固定されている、前記カンジダ診断チップ。 - 前記ミクロ構造が前記分子特異的認識部位を有する少なくとも2つのナノ粒子から形成されている、請求項1に記載のカンジダ診断チップ。
- 前記ミクロ構造が厚さ10nm〜10μm、好ましくは50nm〜2.5μm、特に好ましくは100nm〜1.5μmの複数の三次元的に重なり合って配置されたナノ粒子層から形成されている、請求項2に記載のカンジダ診断チップ。
- 前記ミクロ構造が少なくとも1つのタンパク質安定剤を包含して形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカンジダ診断チップ。
- 前記担体及び/又は担体表面が金属、金属酸化物、ポリマー、半導体材料、ガラス及び/又はセラミックスで構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカンジダ診断チップ。
- 前記担体表面が平面であるか又はあらかじめ構造形成されており、且つ前記担体が不透過性及び/又は多孔性である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカンジダ診断チップ。
- 前記担体表面と前記ミクロ構造との間に結合剤層が配置されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のカンジダ診断チップ。
- 以下の工程:
a)担体の調製及び、
b)担体表面への少なくとも1つのミクロ構造の塗布、
を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のカンジダ診断チップを担体から作製するための方法であって、該ミクロ構造が、
i)タンパク質TSAに対する特異的抗体及び、
ii)タンパク質TSA、
の1つから選択される分子特異的認識部位を有するタンパク質が固定された少なくとも2つのナノ粒子を含有する、前記方法。 - 前記工程b)が、以下のサブ工程:
b1)アミノ及び/又はカルボキシ官能基による前記ナノ粒子表面の官能化、及び、
b2)前記タンパク質と前記官能化ナノ粒子との接触による該官能化ナノ粒子上への該タンパク質の固定、
を含む、請求項8に記載の方法。 - 以下の工程:
a)臨床材料から試料を調製する工程、
b)請求項1〜7のいずれか1項に記載のカンジダ診断チップ又は請求項8若しくは9に記載の方法により作製されるカンジダ診断チップを調製する工程、
c)特異的抗原抗体結合を可能にする条件下で前記試料と前記カンジダ診断チップとを接触させる工程であって、その際、該試料のカンジダ特異的分子が該カンジダ診断チップの分子特異的認識部位に特異的に結合される、前記工程、及び、
f)前記カンジダ診断チップ上に特異的に結合した前記カンジダ特異的分子を検出する工程、
を含む、臨床材料中のカンジダを検出する方法。 - 追加工程d)において、生体適合性洗浄液で洗浄することにより未結合のカンジダ特異的分子及び/又は非特異的分子を前記カンジダ診断チップから除去する、請求項10に記載の方法。
- 前記工程f)で行われる検出方法が蛍光法である、請求項10又は11に記載の方法。
- 追加工程e)において、前記カンジダ診断チップ上に特異的に結合したカンジダ特異的分子を蛍光標識分子と結合させる、請求項12に記載の方法。
- 特に請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法において臨床材料中のカンジダを検出するための、請求項1〜7のいずれか1項に記載のカンジダ診断チップ又は請求項8若しくは9に記載の方法で作製したカンジダ診断チップの使用。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のカンジダ診断チップ及び/又は請求項8若しくは9に記載の方法で作製したカンジダ診断チップを含む、臨床材料中のカンジダを検出するためのキット。
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