JP2009510048A - ゲル化疎水性注入ポリマー組成物 - Google Patents
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Abstract
【選択図】 図8
Description
図面の簡単な記述
図1は、p(SA:RA)(3:7)の粘度を種々の剪断速度において温度(℃)の関数として示すグラフである(加えられた剪断速度が角括弧で示される)。実線は、リン酸塩緩衝液にさらされる前のポリマーを示し、点線は、リン酸塩緩衝液にさらされた後のポリマーを示す(pH7.4、0.1M、37℃、24時間)。
図2は、種々の剪断速度における温度(℃)の関数としてのポリ(セバシン酸−co−リシノール酸)(p(SA:RA))(2:8)の粘度のグラフである(加えられた剪断速度が角括弧で示される)。実線は、リン酸塩緩衝液にさらされる前のポリマーを示し、点線は、リン酸塩緩衝液にさらされた後のポリマーを示す(pH7.4、0.1M、37℃、24時間)。
図3は、種々の剪断速度における温度(℃)の関数としてのポリリシノール酸(PRA)の粘度のグラフである(加えられた剪断速度が角括弧で示される)。実線は、リン酸塩緩衝液にさらされる前のポリマーを示し、点線は、リン酸塩緩衝液にさらされた後のポリマーを示す(pH7.4、0.1M、37℃、24時間)。
図4は、p(SA:RA)(3:4)をリン酸塩緩衝液にさらした前後における、剪断速度(sec−1)と、剪断応力(ダイン/cm2)との間における関係を示すグラフである。測定を23℃で行った。実線は、リン酸塩緩衝液にさらされる前のポリマーを示し、点線は、リン酸塩緩衝液にさらされた後のポリマーを示す。
図5は、5%w/wおよび10%w/wのパクリタキセルが負荷されたP(SA:RA)(2:8)からのパクリタキセルのインビトロでの累積放出を示す。それぞれの点が平均値±STD(n=3)を表す。放出を0.1Mリン酸塩緩衝液(pH7.4)において37℃で行った。パクリタキセルの濃度をHPLCによって求めた。
図6は、負荷P(SA:RA)(2:8)および無負荷P(SA:RA)(2:8)のインビトロでの加水分解による分解を示す。図6aは、分解途中のサンプルの重量減少によってモニターされる、無負荷のP(SA:RA)(2:8)、ならびに、5%w/wおよび10%w/wのパクリタキセルが負荷されたP(SA:RA)(2:8)のインビトロでの加水分解による分解を示す。図6bは、インビトロでの加水分解による分解の期間中でのサンプルにおけるパクリタキセルの蓄積(NP HPLCによって求められる)を示す。インビトロでの加水分解による分解を一定の振とう(100RPM)とともに37℃でリン酸塩緩衝溶液(50ml、0.1M、pH7.4)において行った。
図7は、C3H正常マウスの皮下に注入されたブランクポリマーおよびパクリタキセル配合物(5%および10%)のインビボでの分解を示す。それぞれの時点(1日目、7日目、21日目および70日目)で、マウス(n=4)を屠殺し、ポリマーインプラントを、Mw、重量およびパクリタキセル含有量について調べた。
図8は、C3HマウスにおけるMBT異所性モデルに対するパクリタキセル配合物のインビボ抗腫瘍効果を示す。治療を腫瘍細胞接種後8日目に開始した。時間ゼロは治療の開始を表す。それぞれの点は平均±STD(n=10)を表す。
図9は、C57Bl/6ラットにB16F1が接種された後、異なる濃度のパクリタキセルが負荷されたP(SA:RA)(2:8)により治療されたときの生存の進展を示す。
図10は、57Bl/6ラットにB16F1が接種された後、異なる濃度のパクリタキセルが負荷されたP(SA:RA)(2:8)により治療されたときの腫瘍量の進展を示す。
図11は、実験期間中のすべての治療群におけるラットの平均体重の進展を示す。標準偏差が誤差棒によって示される。
図12は、種々の治療群についての死亡時の腫瘍体積の進展を示す。
図13は、p(SA:RA)(20:80)(w/w)およびp(SA:RA)(30:70)(w/w)からの、ウシ血清アルブミン(「BSA」)、インスリン、インターフェロン−α(「INF−alpha」)およびインターロイキンのパーセントインビトロ放出を時間(hours)の関数として示す。ペプチドの放出を0.1Mリン酸塩緩衝液(pH7.4)において37℃で行った。放出媒体における薬物含有量をLowryタンパク質アッセイによって求めた。
図14は、異なる分子量のp(SA:RA)(3:7)からのゲンタマイシンのパーセントインビトロ放出を時間(日数)の関数として示す。
図15は、3つの異なる希釈物について時間(日数)に対する細菌濃度(光学濃度)を示すグラフである。
図16は、4℃および−17℃で8週間にわたって貯蔵された後でのゲンタマイシンの放出を時間(日数)の関数として示す。図16aは、4℃で8週間にわたって貯蔵された配合物からのゲンタマイシンの放出を示す。図16bは、−17℃で8週間にわたって貯蔵された配合物からのゲンタマイシンの放出を示す。
A.ポリマー
リシノール酸オリゴマーと、少なくとも1つのカルボン酸基および少なくとも1つのヒドロキシ基またはカルボン酸基を有する脂肪族分子とから合成された生分解性キャリアであって、37℃未満の温度で液体またはペーストであり、かつ、水性媒体に浸けられたとき、その粘度を著しく増大させる生分解性キャリアが本明細書中に記載される。そのようなポリマーは分子量が少なくとも3000ダルトンであり、好ましくは少なくとも7000ダルトンであり、より好ましくは少なくとも10000ダルトンである。そのようなポリマーは様々な重合度を有することができる。1つの実施形態において、そのようなポリマーは重合度が少なくとも40である。
本明細書中に記載されるポリマー組成物は、治療剤、診断剤および/または予防薬剤を送達するために使用することができる。
様々な配合物が、安全および効果的であると見なされ、かつ、望ましくない生物学的副作用または望まれない相互作用を引き起こすことなく個体に投与することができる物質から構成される医薬的に許容され得る「キャリア」を使用して調製される。「キャリア」は、その有効成分を除く、医薬配合物に存在するすべての成分である。用語「キャリア」には、界面活性剤、希釈剤、緩衝剤、塩および保存剤または安定剤が含まれるが、これらに限定されない。安定剤が、例として酸化的反応を含む薬物の分解反応を阻害するために、または遅らせるために使用される。
本明細書中に記載されるポリマーは、当該分野で知られている様々な方法によって調製することができる。ポリ(リシノール酸−無水物)コポリマーを溶融縮合によって調製することができる。1つの実施形態において、脂肪族または芳香族のジカルボン酸が、ポリ無水物のプレポリマーを形成するために無水酢酸と反応させられる。このプレポリマーは、ポリ無水物を形成するために高真空下で加熱される。低分子量のポリ(リシノール酸−無水物)コポリマーを、ポリ無水物をリシノール酸によりエステル化することによって調製することができる。
本明細書中に記載されるポリマー組成物は、局所的疾患、例えば、ガン、細菌および真菌の局所的感染、ならびに、痛みなどを治療するための分解性キャリアとして使用することができる。高い薬物濃度を疾患部位において長期間にわたってもたらす部位特異的な化学療法が、感染領域を切除した後での残存する感染細胞(例えば、固形腫瘍など)を治療する効果的な方法である。典型的には、配合物は、(腫瘍切除前、腫瘍切除時または腫瘍切除後に)注入および/または埋め込みによって筋肉内、皮下、腹腔内および/または腫瘍内に投与される。ポリマーは、添加剤を必要とすることなく注入または埋め込むことができるように室温において液体またはペーストである。しかしながら、様々な添加剤を、必要に応じて、組成物の粘度を低下させるために、および/または、組成物の注入性を改善するために加えることができる。
リシノール酸(RA)(85%純粋)をFluka(Buch、スイス)から得て、クロマトグラフィーによって測定されたとき、97%に精製した。セバシン酸(SA)(99%)、アジピン酸、フマル酸、無水マレイン酸および無水コハク酸をSigma−Aldrich(イスラエル)から得た。すべての溶媒が、BioLab(Jerusalem、イスラエル)またはFrutarom(Haifa、イスラエル)から得られた分析規格であり、これらをさらに精製することなく使用した。
純粋なリシノール酸の調製
ひまし油を、常時攪拌で室温で数時間、エタノール中の2N KOHの2体積に溶解した。エタノールにおける生じたリシノール酸カリウムの沈殿物を、沈殿物をより良好に分離するためにイソプロピルエーテルと混合し、混合物を分離させた。沈殿物のスラリーを、固体を分離するために遠心分離し、溶媒をデカンテーションした。リシノール酸のカリウム塩を、氷冷した1N HCl溶液に分散し、酢酸エチルにより抽出した。溶媒をエバポレーションした後、わずかに黄色のオイルが得られ、これは、ガスクロマトグラフィーによって測定されたとき、100%の脂肪酸を含有し、その少なくとも95%がリシノール酸であった。
PSA(ポリ(セバシン酸))を溶融縮合によって調製した。セバシン酸を無水酢酸中で20分間煮沸した。無水酢酸を、乾固するまでエバポレーションして、セバシン酸の灰白色のプレポリマーを得た。PSAを調製するために、このセバシン酸プレポリマーを、高真空(1.3x10−1mbar)下で3時間、140℃に加熱して、30000Daを超えるMwを有するポリ(セバシン酸)を得た。低分子量(AS3−102、AS3−101、AS3−92)のポリ(セバシン酸−co−リシノール酸)(p(SA:RA))コポリマーを、PSAをリシノール酸(RA、298DaのMw)によりエステル化することによって調製した。より高分子量の(p(SA:RA))コポリマーを、PSAをRAのオリゴマー(約2100Da〜3500DaのMw)によりエステル化することによって調製した(AS3−114、AS3−104)。エステル交換反応が、P(SA:RA)(3:7)(AS3−101、AS3−102、AS3−114)については3:7(w/w)の比率で行われ、P(SA:RA)(2:8)(AS3−92、AS3−104)については2:8の比率で行われる。反応を、一括して乾燥フラスコで、窒素雰囲気下において120℃で3時間〜4時間行った。反応を、1000ダルトンの分子量が達成されたときに停止させた。その後、無水酢酸を加えた(1/1、w/w)。溶液を140℃で30分間還流し、過剰な無水酢酸および酢酸を、乾固するまでエバポレーションして、粘性の黄色オイルを得た。この油状プレポリマーを、所望される分子量に依存して、4時間〜8時間、0.19mmHg〜0.32mmHgの真空下において140℃で重合した。リシノール酸オリゴマーから調製されたポリマーについては、反応時間が長いほど、ポリマーの得られる分子量が大きくなった。リシノール酸モノマーを用いて調製されたポリマーについては、到達された最大MWがMw=8000であった。粗リシノール酸(85%のリシノール酸含有量)から調製されたポリマーについては、3500までの分子量が得られた。
合成
ポリ(フマル酸−co−リシノール酸−エステル−無水物)(3:7(w/w)の比率)
20グラムのフマル酸(FA)を無水酢酸中で2時間還流した。無水酢酸をエバポレーションし、残渣を170℃で4時間重合して、20000の分子量を有するポリ(フマル酸)(PFA)を得た。50グラムのリシノール酸(RA)オリゴマー(Mw=700)を加え、120℃での4時間のエステル交換反応の後では、ポリマーの分子量が1200ダルトンに低下した。オリゴマーを無水酢酸によって活性化し、再び重合した。得られたポリマーは、Mwが15000であり、Mnが8000であった。DSCでのMPピークが34℃に存在した。IR:1732cm−1および1819cm−1。
20グラムのアジピン酸(AA)を無水酢酸中で30分間還流した。無水酢酸をエバポレーションし、アジピン酸プレポリマーを170℃で4時間重合して、27000ダルトンの分子量を有するポリマーを作製した。50グラムのRAを加え、120℃での4時間のエステル交換反応の後では、ポリマーの分子量が900に低下した。オリゴマーを無水酢酸によって活性化し、再び重合した。得られたポリマーは、Mnが4000であり、Mwが6000であった。ポリマーの融点は10℃であった。IR:1732cm−1および1819cm−1。NMR:5.3ppmおよび5.4ppm(CH=CH)、4.8ppm(CH−O−CO)、1.6ppm(CH2−CH2−CH2アジピン酸)。同様に、ポリマーを、Mw=2200のリシノール酸オリゴマーから調製して、Mw=15000の液状ポリマーを得た。
36グラム(0.12mol)のRAおよび無水コハク酸(24グラム、0.24mol)をトルエン中で一晩還流した。溶媒をエバポレーションし、生成物をジクロロメタンに溶解し、ろ過し、2回蒸留水(DDW)により4回洗浄して、未反応の無水コハク酸を溶解した。収率は67%であった。NMRにより、エステル形成が確認された:4.8ppm(CH−O−CO)。生成物を無水酢酸(1:10、w/v)中で30分間還流し、乾固するまでエバポレーションした。プレポリマーを無水物との縮合によって重合した。4時間後、Mn=4200およびMw=6200。ポリマーの融点は−2℃であった。IR:1732cm−1および1819cm−1。NMR:5.3ppmおよび5.4ppm(CH=CH)、4.8ppm(CH−O−CO)、2.6ppm(CO−CH2−CH2−CH2スクシナート)。ポリマーを、Mw=2200のリシノール酸オリゴマーから調製して、Mw=20000の液状ポリマーを得た。
36グラム(0.12mol)のRAおよび無水マレイン酸(24グラム、0.24mol)をトルエン中で一晩還流した。溶媒をエバポレーションし、生成物をジクロロメタンに溶解し、ろ過し、DDWにより4回洗浄して、未反応の無水マレイン酸を溶解した。収率は72%であった。NMRにより、エステル形成が確認された:4.8ppm(CH−O−CO)。生成物を無水酢酸(1:10、w/v)中で30分間還流し、乾固するまでエバポレーションした。プレポリマーを無水物との縮合によって重合した。4時間後、Mn=4700およびMw=7000。ポリマーの融点は−8℃であった。24時間後、Mn=11000およびMw=14000(一定)。IR:1732cm−1および1819cm−1。NMR:5.3ppmおよび5.4ppm(CH=CH)、4.8ppm(CH−O−CO)、6.8ppmおよび6.2ppm(CO−CH2=CH2−COマレアート)。同様に、ポリマーを、Mw=2200のリシノール酸オリゴマーから調製して、Mwが15000を超える液状ポリマーを得た。
RAのオリゴマーを、塊状のRAを120℃で7時間エステル化することによって調製した。得られた分子量は、300、900、1200および2100であった(1個、3個、4個および7個の反復ユニット)。平均分子量はMnが約950であった。
ポリマーのゲル化挙動を、熱分析、光学顕微鏡観察、低温走査電子顕微鏡観察および粘度測定を使用して評価した。
緩衝液にさらされる前のポリマーと、緩衝液にさらされた後でのポリマーとの間での違いを、デジタルカメラ(Cooplix990、Nikon、日本)を画像記録のために備えた立体顕微鏡Stemi SV11(Zeiss、ドイツ)でのサンプルの顕微鏡観察によって調べた。画像記録を、種々の顕微鏡ズーム倍率を、最も良い画像分解能に調節されたデジタルカメラのズームと一緒に適用する通常の画質モードで行った。照明を、KL1500Electronic照明システム(Zeiss、ドイツ)によって供給される反射光によって行った。
湿潤ポリマーサンプルおよび乾燥ポリマーサンプルをスタブに固定し、高真空下で液体窒素により凍結し、その後、Polarone E5100を使用して金被覆した。ポリマーサンプルをCryo−SEM用に調製するために、ポリマーを緩衝溶液(0.1M、pH7.4)の中に注入した。24時間後、サンプルを引き出し、乾燥することなくスタブの上に置いた。サンプルを高真空下で液体窒素により凍結した。凍結サンプルを、Polarone E5100を使用して金被覆した。
ポリマーサンプル(P(SA:RA)(3:7)およびP(SA:RA)(2:8))をリン酸塩緩衝液(pH7.4、0.1M、37℃)に入れ、KF滴定を、緩衝液への0時間、4時間、12時間、26時間および40時間の暴露の後で行った。別個のポリマーサンプルをそれぞれの時点のために調製した。それぞれの時点で、ポリマーを緩衝液から取り出し、吸取り紙でブロットし、重量測定し、1mlのジクロロメタンに溶解した。ポリマー溶液を滴定ポットに入れた。直接の滴定を、通常のKF試薬を使用してメタノール中で行った。試料の内側コアからのサンプルを同様に調製した。
緩衝液にさらした種々の期間でのP(SA:RA)(3:7)の吸熱を測定した。ポリマーを緩衝液にさらす前には、ピークを35℃に有する1つの転移が存在する。緩衝液中で3時間後、ピークは38.3℃であり、緩衝液中で12時間では、転移が45℃になった。24時間では、さらなる転移が61℃で現れた。これは、分解プロセス、すなわち、セバシン酸の形成が始まっていることを示しているかもしれない。同様の結果がP(SA:RA)(2:8)について見出された。ポリマーを緩衝液にさらす前には、ピークを約32℃に有する1つの転移が存在する。緩衝液中で12時間後および24時間後、転移温度がそれぞれ、42℃および50℃になった。
円筒状のスピンドルを使用した。ポリマーの粘度を、ポリマーが水性媒体にさらされる前、および、一定の振とう(100RPM)とともに37℃でリン酸塩緩衝溶液(0.1M、pH7.4)において12時間インキュベーションされた後で測定した。粘度測定を行うための大きい十分なサンプルを得るために、ポリマーを大きい表面に広げ、緩衝液の中に入れた。水性媒体にさらした後、ポリマーサンプルを回収し、ガラス容器に入れた。感熱性試験を、一定の回転速度を加えることによって、40℃の温度で開始し、室温(22℃)まで行った。レオロジー学的挙動の検出を、より粘性のポリマーについては0.209sec−1から始め、また、それほど粘性でないポリマーについては36sec−1までの種々の剪断速度で剪断応力および/または粘度を測定することによって行った。すべての実験を三連で行った。
F=ηdv/dr
式中、比例定数ηは粘性率である。
同系交配された8週齢〜10週齢のメスのC3Hマウス(約20gの体重)(Harlan Laboratories、イスラエル)を特定病原体除去(SPF)条件下で飼育し、マウスには、放射線照射された無菌餌および酸性化水を、実験期間中を通して自由に摂取させた。異なる体積のP(SA:RA)ポリマー(0.05ml、0.1mlおよび0.15ml)を22Gのニードルにより背中に皮下注入した。注入後の8時間および24時間で、マウスを頸椎脱臼によって屠殺した。動物の皮膚を持ち上げ、ポリマーインプラントを露出させ、写真撮影した。Hebrew大学(Jerusalem)倫理委員会(NIH承認番号:OPRR−A01−5011)は動物研究についての申請を検討し、研究が、研究室動物の管理および使用に関する基準に適合し得ることを評決している(倫理委員会−研究番号:MD−80.04−3)。
優れた耐性(炎症反応が全くないか、または、最小限である)
良好な耐性(最小限の有害な反応、最小限の炎症)
中程度の耐性(中程度の炎症)
良好でない耐性(有害な反応、炎症反応)
不耐性(重度の壊死および炎症反応)
脳適合性に関しては、3日目の時点を含めて、すべての時点でのすべての動物が、優れた生体適合性を示した。類似した結果がパクリタキセル負荷ポリマーから得られた。
本研究の結果から、本実験において記載されたポリ(セバシン酸−co−リシノール酸)が、水媒体と相互作用したときにゲル化し、従って、ポリマーインプラントのin situ形成における使用、あるいは、組織の接着を防止するための生分解性のシーラントまたはバリアとしての使用を有することが立証される。これらのポリマーは、有機ゲルをin situで形成する溶媒を伴わない純物質である。有機ゲルは水不溶性の両親媒性脂質から構成され、そのようなゲルは水中で膨潤し、様々なタイプのリオトロピック液晶を形成する。形成される液晶相の性質は、脂質の構造的性質、温度、および、系における水の量に依存する。薬物送達について今日までに調べられた両親媒性脂質は主に、室温でワックスである脂肪酸のグリセロールエステル(例えば、グリセロールのモノオレアート、モノパルミトステアラートおよびモノリノレアートなど)である。これらの化合物は、水性媒体に注入されたとき、立方液晶相を形成する。この液晶構造はゲル様であり、非常に粘性であった。P(SA:RA)コポリマーは、水性媒体にさらされたときに粘度および融点の変化を示す水不溶性のコポリマーである。レオロジー学的変化が、三次元網状組織の形成によって引き起こされ、SEMを使用して得られた画像により、緩衝液にさらされたときに現れた可逆的な特異な物理的構造が示された。この三次元構造は、カルボキシル基と、周囲の水分子との間での水素結合の形成によって説明されるかもしれない。類似する機構が、有機ゲルにおける水素結合によるレシチン架橋について、液体の官能基がどこで溶媒に対する親和性を示すか、また、液体の官能基が溶媒にどのように結合したかについて示唆された(Shchipunov YA、Shumilina EV、有機ゲルにおける水素結合によるレシチン架橋、Mater.Sci.Eng.C−Biomimetic Mater.Sens.Syst.、1995:3(1):43〜50)。
ポリ(セバシン酸−co−リシノール酸)およびパクリタキセルに基づく注入可能なポリマー配合物の、異所性腫瘍モデルに対する有効性を調べた。
ポリ(セバシン酸−co−リシノール酸エステル無水物)(2:8)を、上記で議論されたように合成した。パクリタキセル(GMP規格)(BioxelPharma、QC、カナダ)、無水酢酸(Merck、Darmstadt、ドイツ)およびLutrol F86(Sigma、イスラエル)を使用した。すべての溶媒が、BioLAB(Jerusalem、イスラエル)またはFrutarom(Haifa、イスラエル)から得られた分析規格であり、これらをさらに精製することなく使用した。MBT(マウス膀胱腫瘍)細胞は、Hadassah Ein−Karem Hospital(Jerusalem、イスラエル)のOfer Gofrit博士からの譲渡物であった。細胞培養培地およびウシ胎児血清(FCS)をBeit−Haemek(イスラエル)から得た。
パクリタキセル(5%および10%、w/w)が負荷されたポリマーの配合物を、ポリマーを室温で薬物と直接に混合することによって調製した。組成物を、滑らかなペーストが形成されるまで混合した。すべての配合物を、加熱することなく室温でシリンジに充填した。得られた配合物は室温で注射可能な半固体のペーストであった。インビトロ薬物放出研究を、一定の振とう(100RPM)とともに37℃で、10mgのペースト状配合物サンプルを50mlのリン酸塩緩衝溶液(0.1M、pH7.4)に注入することによって行った。ペーストは、緩衝液に添加された直後に軟らかい固体に硬化した。放出媒体を新鮮な緩衝溶液により定期的に取り替え、溶液におけるパクリタキセル濃度をHPLCによって求めた。すべての実験を三連で行った。
インビトロでの加水分解を、一定の振とう(100RPM)とともに37℃で、25mgのブランクポリマーP(SA:RA)(2:8)、または、パクリタキセル(5%および10%、w/w)を含有する配合物をリン酸塩緩衝溶液(50ml、0.1M、pH7.4)に注入することによって行った。媒体を新鮮な緩衝溶液により定期的に取り替えた。それぞれの時点で、ポリマーサンプルを緩衝液から取り出し、湿重量を測定し、凍結乾燥後に乾燥重量を測定した。ポリマーの加水分解を、(1)分子量低下および(2)残存するポリマー配合物におけるパクリタキセル含有量によってモニターした。それぞれの時点で、配合物を、NP HPLCによって、分解されたサンプルにおけるパクリタキセル含有量について調べた。
同系交配された8週齢〜10週齢のメスのC3Hマウス(約20gの体重)(Harlan Laboratories、イスラエル)を特定病原体除去(SPF)条件下で飼育し、マウスには、放射線照射された無菌餌および酸性化水を、実験期間中を通して自由に摂取させた。ブランクポリマー、および、パクリタキセル(5%および10%、w/w)を含有するペースト状配合物を、各群において4匹のC3Hマウスからなる12の群に23Gのニードルにより背中に皮下注入した。動物を局所的および全身的な毒性の徴候について、また、体重減少について観察した。1日後、7日後、21日後および70日後、マウスを頸椎脱臼によって屠殺した。ポリマーインプラントを取り出し、凍結乾燥の前後で重量測定し、残存する配合物におけるパクリタキセル含有量について調べた。Hebrew大学(Jerusalem)倫理委員会(NIH承認番号:OPRR−A01−5011)はこの研究を検討し、研究が、研究室動物の管理および使用に関する基準に適合し得ることを評決した(倫理委員会−研究番号:MD−80.04−3)。
MBT細胞の接種
同系交配された8週齢〜10週齢のメスのC3Hマウス(約20gの体重)(Harlan Laboratories、イスラエル)を特定病原体除去(SPF)条件下で飼育し、マウスには、放射線照射された餌および酸性化水を、実験期間中を通して自由に摂取させた。マウスには、0.1mlのRPMI培地に懸濁された1*106個のMBT細胞を後脇腹に27ゲージのニードルにより皮下注入した。腫瘍を、カリパスを使用して1日おきに測定し、その体積を、文献に記載される下記の式を使用して計算した:
長さx幅x高さx0.523
MBTモデルにおいて、治療を、腫瘍が触診可能になり、0.5cm3に達した接種後8日目に開始した。マウスを3つの治療群の1つに無作為に割り当てた(それぞれ群においてn=10)。2つのコントロール群(それぞれ群においてn=10)には、0.1mlのブランクポリマーの腫瘍内注入が与えられたか、または、治療が全く与えられなかった。第1の治療群には、5%のパクリタキセルを含有する配合物の0.1ml(250mg/kgと等価)が腫瘍内に与えられ、第2の治療群には、この配合物の0.15ml(375mg/kgと等価)が与えられ、第3の治療群には、10%のパクリタキセルを含有する配合物の0.15ml(750mg/kgと等価)が与えられた。マウスには、実験期間中に1回だけ注入された。動物を、腫瘍が潰瘍化したとき、または、腫瘍が許容され得ない苦痛を引き起こしたときに屠殺した。
インビトロでのパクリタキセル放出
Mw=4000およびMn=3500であるポリマーキャリア−ランダムポリ(SA:RA)(2:8)を、上記で議論されたような溶融縮合によって精製RA(98%純粋)およびSA(99%純粋)から調製した。ポリマーの構造を下記に示す。
本発明者らは、分子量およびサンプル重量における低下をモニターすることによってポリマーの加水分解を調べた。結果が図6に示される。パクリタキセルを含まないポリマーが最も速い分解速度を有していた。最初の1週間で、ブランクポリマーはその初期重量の33±2%を失い、その後は徐々に分解し、40日後では、その初期重量の90.7±6.8%を失っていた。パクリタキセルが負荷されたポリマーの分解速度はそれよりも遅かった。5%のパクリタキセルを含有する配合物は最初の1週間の期間中に18±5%が分解し、40日後では78±4%を失い、80日後では、配合物のわずかに6%だけが残っていた。10%のパクリタキセルを含有する配合物は最初の1週間の期間中に13±5%が分解し、40日後では65±8%を失い、80日後では、配合物の19%が残っていた。ブランクポリマーおよびパクリタキセル含有ポリマーの分子量(Mw)低下は類似していた。サンプルが緩衝液に浸けられた後、そのMwは最初の3日の期間中に3900Daから1200Daに低下した。次の25日の期間中に、ブランクポリマーの分子量は670Daに低下し、一方、パクリタキセルを伴う配合物はそのMwを1070Daで保った。これは主にパクリタキセルの寄与である。パクリタキセルを含有するポリマーのより遅い分解速度は、パクリタキセルがポリマーを保護し、水が浸透し、薬物およびポリマー分解生成物を溶解することを許さないという本発明者らの以前の発見を裏付けている。他方で、配合物のMwが、ほとんどブランクポリマーのMwのように低下する。このことは、水が依然としてポリマーマトリックスの内側に浸透し、ポリマーの加水分解を引き起こし得ることを意味する。
注入された配合物のインビボでの分解の程度を重量減少によって評価した(図7)。ブランクポリマーはインビボで1日後ではその初期重量の40±7%を失い、5%のパクリタキセルが負荷されたP(SA:RA)(2:8)は31±5%を失い、10%のパクリタキセルが負荷されたP(SA:RA)(2:8)は15±8%を失っていた。ブランクポリマーは注入後7日で完全に分解し、一方、パクリタキセルを伴う配合物はそのときまでにその初期重量の半分を失い(著しい違いが、5%または10%のパクリタキセルを含有する配合物の間で何ら見られなかった)、70日後には注入部位から完全になくなった。パクリタキセルを含有する配合物の注入部位における何らかの活発な炎症反応または組織過敏の証拠は何ら認められなかった。
腫瘍内に送達されたパクリタキセルの効力をマウス膀胱腫瘍(MBT)異所性モデルで調べた。治療を腫瘍細胞接種後8日目に開始した。治療されなかったマウス、および、ブランクポリマーが注入されたマウスは、腫瘍サイズが17cm3を越えたので、接種後25日で屠殺された。しかしながら、腫瘍の大きさは、ブランク注入群の方が小さかった(コントロールの非治療群の17cm3に対して11cm3)(図8)。腫瘍内へのブランクポリマーの注入はその構造を傷つけ、その発達を遅らせたことが理論的に想定される。
腫瘍内に注入された配合物からのパクリタキセルの局所的送達を、C57BL/6マウスにおけるメラノーマ異所性モデルを使用して調べた。腫瘍の進行、生存時間および体重における変化を、局所的なパクリタキセル治療の有効性を明らかにするために77日の期間にわたって観察した。腫瘍保有動物に、5%、10%、15%および20%のパクリタキセルを含有する配合物の異なる体積を腫瘍内に注入した。
動物がその環境に順応すると、腫瘍を移植する前に、マウスを、10匹のマウスからなる8つの群に分けた(コントロール群#8では11匹)。この場合、マウスの群間の平均体重はできる限り等しくした。マウスには、100μLのDMEMに懸濁された200000個のB16F1腫瘍細胞を肩甲骨のレベルで皮下に注入した。マウスを1日に2回(午前および夕方)に観察した。マウスの体重を毎日測定し、腫瘍を、腫瘍が急速に成長し続けてからは毎日測定した。メラノーマ腫瘍が検出可能になったとき、その測定を開始した。腫瘍体積を標準的な式に基づいて推定した:腫瘍体積(mm3)=(w2xl)/2、式中、w=腫瘍の幅(mm)およびl=腫瘍の長さ(mm)。実験を続け、腫瘍重量が体重の10%に達したとき、または、倫理プロトコルに記載されるように、苦痛が許容され得なくなったとき、マウスを屠殺した。安楽死の基準を満たすマウスを、CO2を使用して屠殺した。安楽死の後、肺を取り出し、肺転移の数を目視より求めた。簡単な検死解剖を、転移物の存在を求めるために行った。
腫瘍移植後2日で、マウスはその治療を受けた。2つの陰性コントロール群(それぞれの群においてn=10)には、パクリタキセルを伴わないポリマーP(SA:RA)(20:80)の0.1mlが腫瘍内に注入され(群#1)、群#8は治療を何ら受けなかった。治療群(2〜5)には、5%、10%、15%および20%のパクリタキセルが負荷されたポリマーP(SA:RA)(20:80)が腫瘍内に注入された(5%および10%の負荷については0.2ml、15%および20%の負荷については0.1ml)。治療群6には、10%のパクリタキセルが負荷されたパクリタキセル懸濁物が腫瘍内に注入された(0.1ml)。マウスには、実験期間中、1回だけ注入された。治療群7は、1日目、4日目、7日目および10日目に腹腔内注入されるパクリタキセル/Chremophor溶液の従来の全身的治療により治療された。腫瘍が潰瘍化したとき、または、腫瘍が、許容されない苦痛を引き起こしたとき、または、腫瘍サイズが動物体重の10%に達したとき、動物を屠殺した。
すべての統計学的分析を、S−PLUSを使用して行った。生存時間(日数)をそれぞれのマウスについて記録した。治療群によるノンパラメトリック生存曲線を、右側打ち切り事例(研究終了時を越えて生存する動物について)を考慮に入れて、Kaplan−Meier法を使用して得た。パクリタキセルゲルの治療を受けている動物についての生存時間における統計学的有意差が存在するかどうかを検定するために、生存曲線を、ログランク検定を使用して比較した。生存の関連した尺度は2つの治療の間でのハザード比である。ハザードにより、小さい時間単位の期間中における死亡率、または、その次の続く時間間隔の期間中における瀕死状態の発生率の尺度が提供される。プラセボに対する治療の間でのハザード比を推定するために、セミパラメトリックCox比例ハザード回帰モデルをデータに対して近似した。ハザード比に対するパクリタキセル用量濃度の影響を定量化するために、また、5つのゲル治療におけるパクリタキセルの増大する濃度レベルを考慮に入れるために、Cox比例ハザードモデルを5つのゲル治療について近似した。具体的には、本発明者らは、ハザード比に対する、連続変数としての用量の影響をモデル化したいと思っている。そのうえ、用量と、ハザード比との間での関係における何らかの曲線関係を説明するために、用量についての二乗項もまた、モデルに含められた。より精密には、近似されたモデルは、
Log(ハザード比)=a*用量+b*用量2
であった。
二次項がモデルにおいて統計学的に有意であると考えられるとしても、最小のハザード比をもたらす0%〜20%の間での最適な用量濃度を、最小値が存在するならば、曲線の最小値を見つけることによって決定することができる。
α=5%の全般的な有意水準がすべての統計学的検定について仮定された。
それぞれの統計学的検定のために、全体的な治療影響が見出されたときには常に、多重比較法を使用して、治療のどの対が統計学的に異なっているかを認定した。多重検定を説明するために、多重比較補正を、全般的なα−レベルを5%で維持するためにTukey法を使用して適用した。治療群による検出可能な腫瘍体積までの時間についてのノンパラメトリック生存曲線を、右側打ち切り事例(0の一貫した腫瘍体積を有する動物)を考慮に入れて、Kaplan−Meier法を使用して得た。
前述されたように、治療日におけるそれぞれの群の平均体重が20グラムから変動した。群間の平均体重の分布は、治療後の最初の10日の期間中は非常に狭かった。実験の最初の10日の後、体重の増大はそれぞれの群について比較的類似しており、また、残存する腫瘍の重量の増大について「平衡化」した著しい腫瘍重量を有するマウスを安楽死させた以降は、治療のタイプとの相関を何ら示さなかった。
それぞれの群についての生存率が図9に示される。生存は、何らかの形態の治療を受けかなかったコントロール群であった群#8において、また同様に、パクリタキセルを伴わないポリマーP(SA:RA)(20:80)だけを受けた群#1において最低であった。両方の群については、動物の死亡が13日目に始まり、マウスはすべてが20日目に死亡し、メジアン生存時間(MST)が16日であった。パクリタキセルをその治療において受けているすべてのマウスは、コントロールよりも大きいMSTを示した。このことは治療の非急性毒性を例示している。
治療後におけるそれぞれの群についての腫瘍成長速度が図10に示される。最大の腫瘍サイズが、パクリタキセルをその治療様式において受けなかったコントロール群について報告される。群#8(治療なし)では、腫瘍サイズが20日目に3.6gであり、群#1(パクリタキセルを伴わないP(SA:RA)(20:80))では、腫瘍サイズが2.5gであった。パクリタキセルが負荷されたポリマーにより治療されたすべての群では、腫瘍サイズがブランクポリマー群または非治療群における腫瘍サイズよりもはるかに小さく、1.3g〜0.3gの範囲であった(図11)。
このデータから、本発明者らは下記のことを認めることができる:
・活性な治療は、プラセボ治療または0%のパクリタキセル治療よりも長い不顕性期間(すなわち、腫瘍サイズが増大し始める前の時間)を示した;
・5%、10%、15%および20%でのパクリタキセル−ポリマー治療は、腫瘍体積において、それ以外の治療よりも遅い増大速度を有するようである;
・腫瘍成長が検出できないマウスが、5%、10%、15%および20%でのパクリタキセルポリマー治療、ならびに、パクリタキセル/PluronicF68治療について認められる。
腫瘍体積が検出可能になる前における時間(日数)に関する記述統計学では、下記のことが示される:
・腫瘍体積が引き続き検出できないマウスの大部分が10%のパクリタキセルゲル治療群において生じていた;
・最大のメジアン時間(すなわち、26.5日)が10%用量でもまた生じていた;
・変動係数(CV)は、プラセボ群および10%用量群の方が活性な治療の場合よりも低い;
・このことは、動物が、活性な治療の群においては異なる反応を示す傾向があり、これに対して、コントロール群における挙動がより一貫しているという事実によって説明することができる。
治療を比較するために、Cox比例ハザードモデルを、ハザードに対する治療の影響を検定するために近似した。推定されたハザード比が、プラセボコントロールに関して下記の結果において示される。結果から、本発明者らは、それぞれの治療と、プラセボとの間におけるハザード比が統計学的に有意であること(0.05未満のp値)を見出す。他の結果と一致しているように、ハザードにおける最大の低下を示す治療は10%のパクリタキセルゲル治療であり、ハザードがプラセボのハザードの0.0338倍である。そのうえ、5%および15%のパクリタキセルゲル治療は、検出可能な腫瘍体積を生じさせるというハザードにおいて類似する低下をもたらし、ハザード比がプラセボのハザード比の0.0933倍および0.0907倍である。
興味深いことに、腫瘍の近くにあるポリマーは、注入されたポリマーに比べて、非常に類似した外観を有したことが最初の死体解剖のときに認められた。しかしながら、数日後には、ポリマーは硬化するようであり、塊が収縮し続けた。加えて、パクリタキセルが負荷されたポリマーを取り囲む組織は形質転換し続け、破壊された。
本研究の目的は、ラットにおける同所性前立腺腫瘍に対する、パクリタキセルを伴う注入可能なポリマーペースト配合物の効力を評価することであった。パクリタキセルが負荷されたポリマーを、腫瘍細胞接種後3日で、ラットの腫瘍保有前立腺に室温で注入した。Dunning R−3327ラット前立腺腺ガンは、腫瘍の進行を研究するために使用される、そのヒト対応物の対応する実験的腫瘍モデルである。本発明者らの研究において、本発明者らは、最も攻撃的な局所的転移能を有するMatLyLu亜系統を使用した。
・群1:50μlのRPMI1640培地に懸濁された8x103個の細胞;
・群2:50μlのRPMI1640培地に懸濁された1.5x104個の細胞;
・群3:50μlのRPMI1640培地に懸濁された2.5x104個の細胞;
パクリタキセル(10%w/w)が負荷されたポリマーの配合物を、ポリマーを室温で薬物と直接に混合することによって調製した。組成物を、滑らかなペーストが形成されるまで混合した。すべての配合物を、加熱することなく室温でシリンジに充填した。得られたポリマー配合物は室温で注射可能なペーストであった。
開始時の体重が220g〜240gであるオスのCopenhagenラット(n=26)(Harlan Laboratories、イスラエル)を特定病原体除去(SPF)条件下で飼育し、ラットには、放射線照射された無菌餌および酸性化水を、実験期間中を通して自由に摂取させた。同所性モデルを作製するために、Copenhagenラットを5つの群に分け、麻酔し(ケタミン/キシラジン、IP)、上記で示されたように手術した。腫瘍細胞(50μlに懸濁された8x103個のMatLyLu細胞)を、下記のように、インスリンシリンジおよび26Gのニードルを使用して腹葉の中に注入した。腹筋を3/0のビクリル縫合糸により閉じ、皮膚を3/0の絹糸により閉じた。動物の体重を2日毎にモニターした。治療を腫瘍細胞注入後3日目に開始した。薬物が負荷されたポリマー、および、パクリタキセル懸濁物を、前立腺の腹葉における成長中の腫瘍の中に注入した。非経口パクリタキセルにより治療される群におけるラットには3日毎にIP注入した。実験の予定表が表5に記載され、治療群が表6に記載される。
動物から集められた後、腫瘍を切除し、腫瘍体積の目視による計算を、下記に示される式を使用して行った:
V=(長さx高さx幅)xπ/6。
すべての動物に由来する腫瘍を切除し、測定し、4%ホルムアルデヒド溶液において固定処理した。組織スライド片をパラフィン中に処理し、3μmの切片を組織学的評価のためにヘマトキシリン&エオシンにより染色した。検査パラメーターは、壊死の総面積、被膜形成、炎症細胞の浸潤、および、腫瘍内血管の含有量であった。
生存分布およびメジアン生存をKaplan−Meier法によって計算し、ログランク検定を使用して比較した。0.01未満のp値をすべての検定について有意であると見なした。
手術手法および腫瘍細胞注入は十分に許容され、すべてのラットが両方の手術(腫瘍細胞接種、および、3日後に与えられた治療)の後で覚醒した。すべてのラットにおいて、同所性腫瘍が、組織学的検査によって確認されたように、腫瘍細胞の注入によって首尾良く移植された。Dunning R−3327ラット前立腺腺ガンは、成長速度、分化、ホルモン応答性および転移能において異なる数多くの亜系統によって誘導され得ることには留意しなければならない。本発明者らの研究において、本発明者らは、最も攻撃的な局所的転移能を有するMatLyLu亜系統を使用した。
ラットの3つの群に、増大する濃度の腫瘍細胞をその前立腺に注入した。MatLyLu亜系統の攻撃性のために、安定な、しかし、依然として治療可能な腫瘍を生じさせる細胞の最適な最少量を選択した。以前に報告されたように(18)、腫瘍をすべての前立腺内注入動物において形成させたMatLyLu細胞の最少量は5x103個の細胞であった。これらの結果に従って、本発明者らは、腫瘍が、注入された前立腺において実際に成長することが確信されるように、類似する濃度の細胞を使用した。他方で、ラットに、2x105個が前立腺内に注入されたとき(データは示されず)、得られた腫瘍は非常に大きく、治療できず、すべてのラットが細胞接種後2週間以内に死亡した。
図12には、異なる治療群における腫瘍を有する前立腺の体積が示される。非治療の群では、1匹のラットが腫瘍細胞接種後21日で死亡し、11.83cm3の前立腺体積を有し、他のラットが25日目で死亡し、14.8±1.08cm3の前立腺体積を有していた。非経口パクリタキセルにより治療された群では、死亡は二峰性であった。すなわち、ラットの半数が9日後に死亡し、14.18cm3の前立腺体積を有し、他のラットが25日後に死亡し、13.65±0.26cm3の前立腺体積を有していた。より良好な結果が、腫瘍内に注入されたパクリタキセル懸濁物により治療された群においてであった。すなわち、すべてのラットが25日後に死亡し、6.6±0.7cm3の前立腺体積を有していた。最も良い結果がポリマー/パクリタキセル治療について得られ、この場合、1匹のラットが21日後に死亡し、0.845cm3の前立腺体積を有し、他のラットが最も長い期間を生存し、35日後に死亡し、0.862±0.16cm3の前立腺体積を有していた。一方、200μlのポリマーが注入された健康な前立腺の体積は約0.4cm3である。
ポリマー/パクリタキセル群から35日目で採取された前立腺、および、すべての他の群からは25日目で採取された前立腺の比較では、それらの群の間における目視による違いが明瞭に示された。
すべての上記パラメーターが評価されたが、群の間で違いを明らかにした唯一のパラメーターが腫瘍内壊死であった。すべての他の評価されたパラメーターは群の間で違いを何ら示さなかった。従って、このデータは示されていない。非治療の群では、総腫瘍内壊死の割合が低かった(10%〜20%)。パクリタキセル懸濁物により治療された群では、総腫瘍内壊死の割合は類似しており(10%〜15%)、1つのだけの腫瘍がより大きい壊死を示しただけであった(約50%)。パクリタキセル懸濁物の非経口配合物により治療された群では、腫瘍内壊死が全く見出されず、一方、総腫瘍内壊死の最も大きい割合が、10%のパクリタキセルが負荷されたポリマーにより治療された群において見出された(25%〜70%)。加えて、ポリマー/パクリタキセル群に由来する3匹のラットを腫瘍細胞接種後10日で屠殺し、それらの前立腺を組織病理学的評価に送った。間質壊死および腺内壊死の多数の領域、ならびに、急性の炎症が認められた。しかしながら、前立腺ガンの明らかな存在はなかった。
本研究の目的は、配合物からのパクリタキセルの放出に影響を及ぼすことなく、リシノール酸、リン脂質、PEG400およびPEG2000をポリマー−薬物配合物に取り込むことによって、ポリ(SA:RA)(3:7)−パクリタキセル配合物の粘度をさらに低下させ、また、その注入性を改善することであった。配合物を、下記の3つの工程で行われた、室温におけるすべての成分の直接の混合によって調製した:a)パクリタキセル(5%および10%w/w)を添加剤(PEGまたはリン脂質)と粉砕により混合した;b)リシノール酸(20%w/w)を混合物に加えた;c)混合物をp(SA:RA)(30:70)ポリマーペーストに粉砕により配合した。組成物を、滑らかなペーストが形成されるまで混合した。パクリタキセルを伴わない配合物を、工程2から出発して同じスキームによって調製した。下記の配合物を調製した:a)パクリタキセル(5%および10%、w/w)を含有するか、または、パクリタキセルを伴わないp(SA:RA)(3:7)+20%リシノール(RA);b)パクリタキセル(5%および10%、w/w)を含有するか、または、パクリタキセルを伴わないp(SA:RA)(3:7)+20%リシノール(RA)+5%リン脂質(PL);c)パクリタキセル(5%および10%、w/w)を含有するか、または、パクリタキセルを伴わないp(SA:RA)(3:7)+20%リシノール(RA)+5%ポリ(エチレングリコール)400(PEG400);d)パクリタキセル(5%および10%、w/w)を含有するか、または、パクリタキセルを伴わないp(SA:RA)(3:7)+20%リシノール(RA)+5%ポリ(エチレングリコール)2000(PEG2000);および、コントロールとして、パクリタキセル(5%および10%、w/w)を含有するか、または、薬物を伴わない、添加剤を含まないp(SA:RA)(3:7)。すべての配合物を調製し、さらに加熱することなく室温でシリンジに充填した。得られた配合物は、注入することができる室温で半固体のペーストであった。インビトロ薬物放出研究を、一定の振とう(100RPM)とともに37℃で、10mgのペースト状配合物サンプルを50mlのリン酸塩緩衝溶液(0.1M、pH7.4)に注入することによって行った。ペーストは、緩衝液に添加された直後に軟らかい固体に硬化する。放出媒体を新鮮な緩衝溶液により定期的に取り替え、溶液における薬物濃度をHPLCによって求めた。すべての実験を三連で行った。
インビトロでの加水分解を、一定の振とう(100RPM)とともに37℃で、25mgのブランクポリマー、または、パクリタキセル(5%および10%、w/w)を含有する添加剤含有ペースト状配合物をリン酸塩緩衝溶液(50ml、0.1M、pH7.4)に注入することによって評価した。媒体を新鮮な緩衝溶液により定期的に取り替えた。それぞれの時点で、ポリマーサンプルを緩衝液から取り出し、湿重量を測定し、凍結乾燥後に乾燥重量を測定した。ポリマーの加水分解をサンプルの重量減少によってモニターした。
ポリマーP(SA:RA)(3:7)に添加される選択された添加剤は、リシノール酸、卵のリン脂質、PEG400およびPEG2000であった。これらの添加剤と均一に混合されたポリマー、および、パクリタキセル(5%および10%、w/w)が負荷された添加剤含有配合物は、加熱することなく22Gのニードルにより容易に注入することができた。
数多くのペプチド治療剤およびタンパク質治療剤が承認されているか、または、臨床試験の進んだ段階にある。広範な研究がペプチドおよびタンパク質のための制御放出システムのためのポリマーについて行われている。本研究のほとんどがPLGAに集中している。残念なことに、PLGAの塊状分解は酸性のコアをもたらし、そのような酸性コアはpH感受性薬物(例えば、ペプチドおよびタンパク質など)に損傷をもたらすことがある。表面侵食性ポリマー(例えば、ポリ無水物など)は、粒子からの可溶性フラグメントの増大した拡散速度によって酸性増大の影響を低下させる。本明細書中に記載される液状ポリマーおよびペースト状ポリマーはペプチドおよびタンパク質の送達のために使用された。ペースト状態の薬物送達システムを使用することの利点は、何らかの有機溶媒、熱または剪断力を用いることなく、薬物粉末をポリマーのペーストに室温で単に混合することによる薬物取り込みにおける容易さである。
手術後の痛みは、手術後の患者および治癒プロセスにとって大きな問題であると見なされる。現在の方法では、短期間作用する局所麻酔剤の溶液を多数回注射することが含まれるが、時間がかかり、また、高価な設備および綿密なモニターリングが要求される。浸襲性がより低い方法は一般にそれほど有効でない。手術後の痛みのための効率的な治療がこのようにないことにより、新しい治療原理がさし迫って必要であることがこの領域では強調される。代わりの方法が高用量の局所麻酔剤の局所投与であり、これは、局所麻酔剤の効果を、制御放出の注入可能なインプラントにより、数日の期間にわたって、または、数週間の期間にわたってさえ延ばすことができる。そのような部位特異的な薬物送達システムは薬物の効果的な用量をもたらすことができ、また、全身的な配合物の繰り返される使用に関連する全身毒性を避けることができる。
ブピバカイン遊離塩基(5%、7%、10%、w/w)を、薬物粉末を40℃でポリマーに混合し、1mlのシリンジをこの配合物で満たすことによって液状ポリマーに配合した。この配合物は室温では半固体物であり、体温では液体である。インビトロ薬物放出研究を、一定の振とう(100RPM)とともに37℃で、100mgの半固体配合物を50mlの溶解媒体(リン酸塩緩衝液(0.1M、pH7.4))に注入することによって行った。インビボでのシンク条件をシミュレーションするために、大量の溶解媒体を使用し、ブピバカインがその最大溶解度の10%を決して越えないようにした。放出媒体を新鮮な緩衝溶液により定期的に取り替え、溶液における薬物濃度をHPLCによって求めた。すべての実験を三連で行った。同様に、ブピバカイン塩酸塩を、類似した手順を使用してポリマーに配合した。遊離塩基のブピバカインはポリマーにおいて透明な溶液を形成し、一方、HCl塩は微細な分散物であった。
体重が40gであるメスのICRマウスを使用した。マウスを1つのケージに対して10匹収容し、餌および水を自由に摂取させた。動物室を循環的に照明し(12時間の照明、12時間の消灯)、温度は22℃であった。動物を、座骨神経の特定および配合物の注入の期間中、ハロタン(1.5%〜2%)により麻酔した。神経を神経刺激装置(Stimuplex(登録商標)22Gの直径、B.Braun Melsungen AG、ドイツ)により特定した。それぞれの動物は、ブピバカイン(10%w/w)含有ポリマーの1回の注入(0.1ml)を一方の側面に受け、対応するブランクポリマーまたは生理的食塩水溶液を反対側に受けた。
主要な器官における炎症、感染および壊死、ならびに、ポリマー−薬物およびコントロールにより治療された座骨神経についての死後の組織学評価を行った。ブピバカインの効力についての実験が完了した後、動物をクロラール水和物(4%)(0.2ml)により麻酔し、血液を心臓から抜き取り、そして、動物を肺穿刺によって屠殺した後、主要な器官(心臓、肺、肝臓、脾臓、脳および左右の座骨神経)を切除し、固定処理のために10%ホルマリン溶液に入れた。その後、組織をパラフィンに包埋し、ヘマトキシリン−エオシンにより染色した。組織学的評価を、Hebrew大学Hadassah Hospitalにおける動物施設において病理学者の助けをかりて光学顕微鏡観察によって行った。マウス血液におけるブピバカイン濃度を知られている手法に従って求めた。簡単に記載すると、0.5mlのマウス血漿を1.5mlのヘプタン−酢酸エチル(9:1、v/v)により抽出し、2分間振とうした。1200gでの10分間の遠心分離の後、有機相をコニカルチューブに移した。2回目の抽出工程を、100μlの0.05M硫酸を加え、2分間振とうした後で行った。1200gでの5分間の遠心分離の後、有機相を捨て、50μlの水性酸塩基に100μlのDDWを加えた。100μlのアリコートをクロマトグラフィーに注入した。クロマトグラフィーシステムは、C18逆相カラム(LichroCartR250−4、LichrospherR100、5μm)を備えたHP1100ポンプ、HP1050UV検出器およびHP ChemStationデータ分析プログラムからなった。移動相はアセトニトリルおよび0.01Mリン酸二水素ナトリウムのpH2.1での混合物であった。流速は1ml/分であり、UV検出が205nmにおいてであった(注入体積:100μl、処理時間:12分)。
運動ブロック
マウスを4点の尺度に従って運動ブロックに関して評価した:1−正常、2−尾によって持ち上げられたとき、足の損なわれていない背屈、しかし、足の指を広げることができない、3−曲がった足の指および足の裏、しかし、広げることができない、4−背屈の喪失、足の指の屈曲、および、歩行障害。
このモデルは、独立した運動試験および感覚試験を可能にする。マウスを、プレートの上で立たせるように置いた。装置に慣れさせた後、赤外ビーム(標準熱温度、50℃〜52℃)を、試験された後足に向ける。後足をホットプレートから引っ込めるまでの遅れ時間を、足を交代させ、少なくとも15秒の回復をプレート測定の間で許すことによって記録する。脚についての引っ込め筋肉は腿の内転筋(座骨神経ではなく、大腿神経)であるので、マウスは、完全な(レベル4)の座骨神経ブロックにもかかわらず、足を引っ込めることができる。加えて、針で刺すことを足に加え、反応(あり=1、または、なし=0)が記録される。
Hargreaves(事象までの時間)スコアを、分散の混合モデル分析を使用して分析した。注目される大きな疑問は、薬物がHargreavesスコアに影響を及ぼしたかどうかであった。2つの実験を行い、異なる動物を様々な時間で使用した。薬物、実験および時間は固定効果であると見なされ、動物(実験および時間において入れ子にされる)がランダム効果であると見なされた。SAS Proc Mixed(バージョン8/02)を使用して、分析を行った。
インビトロでの薬物放出
ブピバカインを、GPCによって確認されるように、ポリマーの分子量に影響を及ぼすことなくポリマーに配合した。ブピバカイン遊離塩基(BFB)は15%(w/w)のBFBまでP(SA:RA)に容易に可溶である。塩酸塩の塩は、少なくとも15%(w/w)の負荷まで、その粘度に影響を及ぼすことなくポリマーに十分に分散した。5%および7%のブピバカインを含有するP(SA:RA)(2:8)配合物およびP(SA:RA)(3:7)配合物は、一次のプロフィルで薬物を絶えず放出し、取り込まれた薬物の約60%が緩衝液において7日の期間中に放出され、10%を含有する配合物はその含有量のおよそ70%をこの期間中に放出した。すべての実験について、より大きいMWのポリマー(Mw=18000)は、低いMWのポリマー(Mw=5000)と比較して、薬物をより遅い速度(それぞれの時点で放出された量の10%〜20%少ない)で放出する。
座骨神経、その周りの組織(脂肪および筋肉)および主要な器官の組織学的評価を、注入後の3日および1週間で屠殺されたマウスに対して行った。注入後3日では、3匹中1匹のマウスにおいてのみ、マクロファージの浸潤が、座骨神経を取り囲む脂肪に見出された。それ以外の2匹のマウスでは、左右の神経、周りの筋肉および脂肪は正常であることが見出された。他の調べられた器官のすべて(肺、肝臓、心臓、脳および脾臓)がすべての調べられたマウスにおいて正常であることが見出された。注入後1週間で行われた組織学的検査では、5匹中2匹のマウスにおいてのみ、希な好中球および神経周囲リンパ球が、座骨神経を取り囲む組織に見出され、調べられた器官のすべて(肺、肝臓、心臓、脳および脾臓)がすべての調べられたマウスにおいて正常であることが見出された。
Hargreavesホットプレート感覚試験を、ブピバカイン配合物の注入後、4日の期間中に行った。麻酔効果が注入後の3日の期間中維持されたことが見出された。運動ブロックが注入後24時間〜36時間で消失した。
骨髄炎は、通常の場合には細菌によって、しかし、ときには真菌によって引き起こされる骨感染症である。骨が冒され得る3つの可能な様式がある。骨の感染が、傷害を受けているか、または、血液循環が悪い隣接する軟組織からの感染の拡大によって引き起こされ得る。身体の他の部分からの感染が血液を介して骨に持ち込まれ得る(血液学的広まり)。直接の骨感染が穿通創または開放骨折の結果であり得る。骨感染の治療は主に、手術による創面切除、すべての異物の除去、および、抗生物質治療を伴う。通常、静脈内投与による抗生物質が3週間にわたって処方され、その後、3週間の経口投与による抗生物質が続く。しかしながら、骨における効果的な治療的薬物レベルを達成するために要求される抗生物質の大きい非経口用量、ならびに、長期にわたる治療経過は、抗生物質の全身毒性をもたらし得る。感染部位への抗生物質の局所的送達は、従来の静脈内治療を上回る大きな利点をもたらす。局所的な薬物送達システムでは、低い全身的薬物レベルを維持しながら、感染部位における大きな薬物濃度を達成することができる。抗生物質の局所的送達のために開発された薬物送達システムは非生分解性キャリアおよび生分解性キャリアに分けることができる。ゲンタマイシンを含有するポリメタクリル酸メチル(PMMA)ビーズが、欧州では骨髄炎の治療における使用のために承認されている。この製造物は、有効であることが証明されているが、非生分解性であり、かつ、抗生物質の放出が完了したときにビーズのその後の取り出しを必要とするという大きな欠点を有する。近年、様々な生分解性の送達システムが開発され、骨感染症の治療における抗生物質の局所的送達について評価されている。硫酸ゲンタマイシンは強力な抗生物質薬剤であり、現在、長期の留置カテーテル、抗生物質を含有するポリメタクリル酸メチルビーズまたはリン酸カルシウム(骨セメント)の局所インプラントとともに、主に静脈内注入による骨髄炎の治療のために使用されている。
異なる分子量を有するP(SA:RA)(3:7)(w/w比)ポリマーを、実施例1に記載されるように調製した。硫酸ゲンタマイシンを、均一な混合物が得られるまで、加熱または溶媒の使用を何ら伴うことなく、室温でポリ(SA:RA)(3:7)に混合した。薬物負荷量は10%および20%であった。薬物放出研究を、一定の振とう(100RPM)とともに37℃で、200mgの配合物を50mlのリン酸塩緩衝液(0.1M、pH7.4)に入れることによって行った。生物学的流体の流れをシミュレーションするために、緩衝溶液を48時間毎に取り替え、取り替えた溶液をゲンタマイシン分析のために保存した。
ゲンタマイシンを含有するポリマーのインビトロ放出研究からの上清溶液をS.aureusの培養液に加えた。集められた上清をPBSで100倍、1000倍および10000倍希釈し、106個のS.aureusをTSBに含有する96ウエルマイクロタイター平底プレートにおけるウエルに加えた。プレートを、温度制御されたマイクロプレート分光光度計(VERSAmax、Molecular Devices Corporation、CA、米国)の内部で24時間インキュベーションした。光学濃度(OD)の測定を650nmで2時間毎に行って、ウエルにおける細菌濃度を求めた。相関が、フルオレスカミン法によって求められたゲンタマイシン濃度と、インビトロでの細菌作用との間で見出された。
10%および20%の硫酸ゲンタマイシンが負荷された注入可能なp(セバシン酸−co−リシノール酸エステル−無水物)の3:7(w/w)ポリマーおよび2:8(w/w)ポリマーを使用した。効力研究を、16匹のオスWistarラットの両方の脛骨近位端において黄色ブドウ球菌(S.aureus)を感染させたラットに対して行った。脚を剃毛し、除毛し、アルコール消毒した。無菌状態を手術期間中に提供するために、動物を無菌ドレープの上に置き、身体を無菌シートで覆った。脚を無菌の切開ホイルで別々に覆った。近位側の脛骨骨幹端における皮膚および筋膜を長さ5mmにわたって切開した。穴を、皮質骨および海綿骨を貫いて開けた(3mmのチタンバー)。1mlあたり1.0x106コロニー形成ユニット(CFU)を含有するS.aureusの懸濁物を調製した。10μlの懸濁物を50μlのシリンジによりそれぞれの創傷部位に注入した。動物を、骨髄炎を発症させるために4週間維持した。この期間の後、患部肢のX線写真を撮影し、ラットは治療を受けた。配合物を試験群からのラットの感染骨に注入した。
オスのWistarラット(10週齢)(Harlan laboratories、Jerusalem、イスラエル)を特定病原体除去条件下で飼育し、マウスには、放射線照射された餌および酸性化水を、実験期間中を通して自由に摂取させた。Hebrew大学(Jerusalem)倫理委員会(国立衛生研究所承認番号:OPRR−A01−5011)は動物研究についての申請を検討し、研究が、研究室動物の管理および使用に関する基準に適合し得ることを評決している(倫理委員会−研究番号:MD−80.04−3)。
20%の硫酸ゲンタマイシン(GS)を伴うP(SA:RA)(3:7)(w/w)を本研究では使用した。重合が完了した後、GSをペースト状ポリマーに室温で加え、均一な混合物が達成されるまで機械的に混合した。1mlの混合物を1mlのロック式プラスチックシリンジに入れた。1mlのブランクポリマーを含有するシリンジもまた調製した。すべてのポリマーに2.5Mradの吸収線量を60Co線源(450000Ci;8時間)によって照射した。照射をSor−Van Radiation Ltd.(Kiryat Soreq、Yavne、イスラエル)において行った。
リシノール酸の直接の縮合によって調製された、Mwが2200および3600であるリシノール酸オリゴマーを本研究では使用した。ヒドロキシ末端のRAオリゴマーを、RAオリゴマーを、エチレングリコールまたはプロピレングリコールのエステルを形成するエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドと反応することによって得た。このヒドロキシ末端のRAオリゴマーを、DL−ラクチド、カプロラクトンおよびグリコール酸ならびにそれらの混合物の開環重合のための開始剤として使用した。Bセグメントがリシノール酸オリゴマーであるABAトリブロックコポリマーを、HO末端のAオリゴマーを、オクタン酸第一スズを触媒として使用してDL−ラクチドと開環重合することによって得た。RAオリゴマーおよびラクチドの間でのモル比により、分子量およびセグメント長さが決定された。20%のRAオリゴマーを含有するDL−ラクチドのトリブロックコポリマーは室温で液状であったし、水中でゲルを形成する。同様に、ペースト状ポリマーを、DL−ラクチドと、1つのヒドロキシル基を有するRAオリゴマーとのジブロックコポリマーから得た。
L−乳酸(50%水溶液)を使用前に一晩凍結乾燥した。ひまし油およびL−乳酸を、1:10、1:5、2:5、3:5のw/w比(w/w、ひまし油対ラクチド)で、触媒としての0.5%(w/w)のH3PO4と混合し、乾燥N2を流しながら1.5時間、170℃に加熱して、系を乾燥させた。1.5時間後、反応物を15mBarの真空につなぎ、反応を24時間続けた。サンプルを3時間、5時間および7時間の重合のときに採取した。
10%(w/w)のタキソールおよび10%(w/w)のメトトレキサートを含有する配合物を、薬物を、Mn=3000およびMw=7000を有するポリ(乳酸:ひまし油)の60:40(w/w)比のコポリマーおよび70:30(w/w)比のコポリマーと混合することによって調製した。薬物を、乳鉢および乳棒を使用してポリマーと室温で混合した。溶媒または熱は何ら使用しなかった。ペースト状配合物における薬物粒子の粒子サイズは、SEM分析によって決定されたとき、100ミクロン未満であった。
Claims (23)
- 37℃未満の温度で液体またはペーストであり、水溶液においてゲル化する、疎水性ポリマー組成物。
- 組成物はリシノール酸エステルオリゴマーと、少なくとも1つのカルボン酸基および少なくとも1つのヒドロキシル基または1つのさらなるカルボン酸基を有する脂肪族分子とから構成される、ポリエステルまたはポリ(エステル−無水物)を含み、組成物は37℃未満の温度で液体またはペーストである、請求項1に記載の組成物。
- 少なくとも1つの活性薬剤をさらに含む、請求項1または2に記載の組成物。
- 治療剤、診断剤、および予防薬剤からなる群から選択される薬剤を含む、請求項3に記載の組成物。
- ポリ(エステル−無水物)は、少なくとも4個の炭素原子を有するアルカン二酸モノマーユニットを含む、請求項2に記載の組成物。
- アルカン二酸モノマーユニットは、構造HOOC(CH2)xCOOHの直鎖のジカルボン酸(式中、xは2〜16の整数である)、フマル酸、またはマレイン酸からなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
- ポリエステルまたはポリ(エステル−無水物)は、2〜6個の炭素原子を有する1つ以上のヒドロキシアルカン酸モノマーユニットを含む、請求項2に記載の組成物。
- ヒドロキシアルカン酸モノマーユニットは、乳酸、グリコール酸、4−ヒドロキシ酪酸、および5−ヒドロキシ吉草酸からなる群から選択される、請求項7に記載の組成物。
- エステル結合によって連結される少なくとも平均で1.5個のリシノール酸ユニットを有するリシノール酸エステルオリゴマーを含む、請求項2に記載の組成物。
- 1つ以上の賦形剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
- 治療剤、診断剤、および予防薬剤は、小さな薬物分子、ペプチド、タンパク質、オリゴおよびポリヌクレオチド、除草剤、および殺虫剤からなる群から選択される、請求項4に記載の組成物。
- 治療剤、診断剤、および予防薬剤は、鎮痛剤、局所麻酔剤、抗感染剤、抗炎症剤、抗生物質、成長ホルモン、抗ガン剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項4に記載の組成物。
- ポリマー組成物は手術シーラントとして適用される、請求項1または2に記載の組成物。
- ポリマー組成物は臓器間の接着を低下させるためのバリアとして適用される、請求項1または2に記載の組成物。
- ポリマー組成物は被覆として使用される、請求項1または2に記載の組成物。
- ポリマーは10000以上の重量平均分子量を有する、請求項1に記載の組成物。
- ポリマーは40以上の重合度を有する、請求項1に記載の組成物。
- ポリマーは約12週間で生分解する、請求項1に記載の組成物。
- 請求項1〜18のいずれかに記載の組成物中に薬剤を取り込むことを含む、生物活性剤、診断剤、および予防薬剤からなる群から選択される薬剤の送達のための配合物を作製する方法。
- 請求項1〜18のいずれかに記載の組成物を、それを必要とする個体に投与することを含む、治療剤、診断剤、および予防薬剤からなる群から選択される薬剤の送達のための方法。
- 組成物は注入または埋め込みによって投与される、請求項20に記載の方法。
- 治療剤は抗ガン剤であり、組成物は固形腫瘍を治療するために投与される、請求項20に記載の方法。
- 治療剤は抗生物質であり、組成物は骨感染を治療するために投与される、請求項20に記載の方法。
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