JP2009508903A - 認知障害を伴う疾患の治療に用いるための脳血液関門透過性が改善されたコリン作用増強剤 - Google Patents

認知障害を伴う疾患の治療に用いるための脳血液関門透過性が改善されたコリン作用増強剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、アセチルコリン及びコリン並びにそれらの外生作用物質に対する神経性コリン作動性受容体の感受性を増強すること、並びに/又はコリンエステラーゼ阻害剤及び/又は神経保護剤として作用することに加えて、それらの親化合物と比較して脳血液関門透過性が強化されている化合物に関する。本化合物は(その化学構造により正式に行うか又は直接的な化学合成によるかいずれかにより)ヒガンバナ科アルカロイドの種類に属する天然化合物、例えば、ガランタミン、ナルウェジン、及びリコラミン、又は当該化合物類の代謝産物から誘導される。本発明の化合物はそれ自体が標的分子と相互作用するか、或いは体内でそれらの標的部位に到達した後に、元の親化合物への加水分解又は酵素的攻撃によって転化されてそれが標的分子と反応するという意味で、「プロドラッグ」として作用するか、又はその両方がありうる。この発明の化合物は、薬物として使用することができる。

Description

本発明は、アセチルコリン及びコリン並びにそれらの作用物質に対する神経性コリン作動性受容体の感受性を増強すること、並びに/又はコリンエステラーゼ阻害剤及び/又は神経保護剤として作用することに加えて、それらの親化合物と比較して脳血液関門透過性が増強されている化合物に関する。本化合物は(その化学構造により正式に行うか又は直接的な化学合成によるかいずれかにより)ヒガンバナ科アルカロイドの種類に属する天然化合物、例えば、ガランタミン、ナルウェジン、及びリコラミン、又は当該化合物類の代謝産物から誘導される。本発明の化合物はそれ自体が標的分子と相互作用するか、或いは体内でそれらの標的領域に到達した後に、元の親化合物への加水分解又は酵素的攻撃によって転化され、それが標的分子と反応するという意味で、「プロドラッグ」として作用するか、又はその両方がありうる。この発明の化合物は、薬物として神経組織変成疾患、アルツハイマー病及びパーキンソン病、並びに神経障害/精神障害、血管性痴呆、統合失調症及びてんかんを含む、コリン作動欠損に関連するヒト脳疾患の治療に使用することができる。
脳間質液を循環血液から分離している膜である脳血液関門の存在によって、血漿から脳の中への化合物の拡散は困難になっている。中枢神経系において活性があり脳血液関門を通過することができる薬物を設計する際には、内在性の活性メカニズムを活用するか、適当な送達技術を利用するか、又はプロドラッグ誘導体の合成を通して化学構造を修飾することができる。
ガランタミンは、様々なスノードロップ類(ガランサス)、水仙類(ラッパズイセン、ヒガンバナ科)、及び近縁種の球根から単離することができるアルカロイドで、最近特にヒガンバナから高濃度で単離されている。合成臭化水素酸ガランタミンは他の会社でも、サノケミファ及びヤンセン・ファーマシューティカによって製造されている。この薬物は、軽度から中程度のアルツハイマー病(AD)、神経組織変成脳疾患の治療について70を超える国々で認可されている。マウス、ラット、ウサギ及び犬におけるガランタミンの薬物動態プロフィール、組織分布及び蓄積に関する広範囲な研究から、経口投与されたガランタミンが上記の脳疾患でそれが治療活性を発揮すると考えられている部位である脳に決して優先的に分布されることはないということが示されている。対照的に、この薬物は身体の他の組織にははるかに高い濃度で蓄積される。雄及び雌のラットの組織では、腎臓(組織/血漿比;T/P〜10-15)、唾液腺及び副腎(T/P〜7-14)、雌ラット脾臓(T/P〜20)、肺、肝臓、心臓、骨格筋及び精巣(T/P〜2-4)において最も高い濃度が観察される。対照的に、脳の対血漿比はわずかにT/P〜1.5である。同様に、脳/血漿分配係数Kbrainは、ガランタミンの他のほとんどのKorganよりも著しく低い。
ガランタミンの脳血液関門(BBB)を通過して中枢神経系(CNS)内に透過する能力が制限されていることは、この化合物のlogP値が1.3であることによって同様に示されている;logPは、中性分子として水相中における化合物濃度の非混和性溶媒中における化合物濃度に対する比率である分配係数Pの十進法対数として定義される。logP値は予測的コンピューター計算法によって得られ、薬物のCNSに対する迅速なアクセスが得られるかどうかに関する一般的なガイドラインを提供するものである。そこで、過去30年以上にわたって、受動的な吸収を仮定して、最適なCNS透過性を持つ薬物は一般的に2前後、又は2より幾分高いlogP値を有するということが確立されている。著しく低いlogP値は、低い脳対血漿比及び高い非脳組織対血漿比にしばしば関係している(上記参照:ガランタミンに関するlogP及びT/P比)。しかしながら、高い親油性は毒性、非特異的結合、不十分な経口吸収及び制限されたバイオアベラビリティーにしばしば関係してくるので、非常に高いlogP値も不利である。このことから、BBB透過及びT/P比は、主に中枢神経系内で、或いはもっぱら中枢神経系内で作用すると考えられる薬物の場合に考慮すべき必須のパラメーターである。
化合物のBBB透過を制御する他の重要なパラメーターは、合計極性表面積、分子上のイオン化する官能基の存在及び、血清アルブミンへの結合親和性と比較した生体膜への結合親和性である。最後に述べたデータセットは計算されたlogP値を精査するためにしばしば使用される。特別な輸送システムがBBBを通じての化合物の輸送において主要な役割を果たすわけではない場合には、親油性とBBB透過性を予測することが、親化合物よりも効率的にBBBを通過する誘導体を設計する上で実に適している。
本発明は1つ以上の適当な官能基と可逆的な結合を形成することにより化合物の親油性及び/又はBBB透過及び/又は脳対血漿比率が増強され、それにより「プロドラッグ」、すなわち、脳血液関門を通過した後に患者の脳の内部で元の化合物そのものに転化される(戻る)化学誘導体が得られる方法に関する。親化合物の遊離は化学的加水分解若しくは酵素作用、又は酸化還元反応によるものでもよい。別の態様では、本発明は、基本化合物の化学的修飾の後にBBB透過にとってより好ましいlopP値を達成した化合物であって、これらの誘導体自体が患者の脳内の標的分子に作用する化合物に関する。
アルツハイマー病(AD)の治療用に現在認可されている薬物は、それらがすべて脳内の興奮性神経伝達、すなわちコリン作動性システム及びグルタミン酸作動性システムを標的としているという点で共通している。現在使用できる4種の薬物(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、メマンティン)のうちの3つは、それらがすべてコリンエステラーゼ(ChE)と言われるアセチルコリン分解酵素ファミリーを阻害するという点でコリン作用増強剤(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン)である。ChEの阻害によりアセチルコリン(ACh)のシナプス濃度が増加し、それによりムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)及びニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)におけるAChの作用が増強し延長される。ChE阻害剤として作用することに加えて、ガランタミンはさらにアロステリック的にコリン作動性受容体を刺激する(感作する)ことにより作用する。ニコチン性受容体のアロステリックな感作はACh又はコリン(Ch)によるその活性化を増強し、それにより疾患に関連した伝達物質又は受容体濃度の不足を矯正する (Maelicke A & Albuquerque EX (1996) Drug Discovery Today 1, 53-59; Maelicke A & Albuquerque EX (2000) Eur J Pharmacol 393, 165-170)。治療上の有益性の他に、これらの薬物は末梢性及び中枢性の副作用を誘導する;ムスカリン性のものとしては吐き気、嘔吐及び下痢、ニコチン性のものとしては振せん及び筋痙攣が挙げられる。その後のデータ(Cochrane reviews, (2004), Issue 4) 及び直接比較臨床試験 (Wilcock GK et al. (2000) Brit Med Journ 321:1-7) では、現在使用されている3つのChE阻害剤の中で相対的に最も弱いガランタミンが最も高い臨床的な有効性を示しており、AChEを効果的に阻害するのに必要な濃度よりも十分に低い濃度で治療上の有益性を達成する (Raskind MA et al. (2000) Neurology 54, 2261-2268; Maelicke A & Albuquerque EX (2000) Eur J Pharmacol 393, 165-170)。他の2つの利用可能なChE阻害剤と比較してガランタミンの治療効果が高いのは、付加的又は代替的な作用様式、すなわちnAChRのアロステリックな感作によるものであることが示唆されている (Maelicke A & Albuquerque EX (1996) Drug Discovery Today 1, 53-59)。
ガランタミンは、ニコチン性受容体に直接作用することによりニコチン性コリン作動性神経伝達を増強する (Schrattenholz A et al. (1996) Mol Pharmacol 49, 1-6; Samochocki M et al. (2003) J Pharmacol Exp Therap 305, 1024-1036)。この薬物はこれらの受容体上の別個のアロステリック部位に結合し (Schroder B et al. (1993) J Biol Chem 269, 10407-10416)、それによりアセチルコリン(又はコリン)と相乗的に作用してnAChRの活性化を容易にする (Maelicke A & Albuquerque EX (1996) Drug Discovery Today 1, 53-59; Maelicke A & Albuquerque EX (2000) Eur J Pharmacol 393, 165-170)。ガランタミンと同様にこの様式で作用する化合物は、「アロステリック強化リガンド(APL)」と呼ばれる (Schrattenholz A et al. (1996) Mol Pharmacol 49, 1-6, Maelicke A & Albuquerque EX (2000) Eur J Pharmacol 393, 165-170)。
ヒトのニコチン性受容体に対するAPL作用はヒト脳切片 (Alkondon, M. et al., (2000) J Neurosci 20, 66-75)及び、単一のnAChRサブタイプをそれぞれ発現させるヒト組み換え細胞株を使用して、電気生理学試験によって証明されている (Samochocki M et al (2000) Acta Neuro Scand Suppl 176, 68-73, Samochocki M et al. (2003) J Pharmacol Exp Therap 305, 1024-1036)。これまでに分析されたヒトnAChRサブタイプは全てAPLによる増強作用について感受性を有する。ガランタミンの存在下では、nAChRの結合親和性及びチャンネル開口確率が増加し、AChについてのEC50は30%から65%の間に低下する(Samochocki M et al (2000) Acta Neuro Scand Suppl 176, 68-73, Samochocki M et al. (2003) J Pharmacol Exp Therap 305, 1024-1036)。さらに、ガランタミンはAChに対する用量-反応曲線の傾きを増加させ、それはnAChRサブユニット間の協同性の増加によるものと解釈されている (Maelicke A & Albuquerque EX (1996) Drug Discovery Today 1, 53-59)。
ガランタミンのAPL効果は、マイクロモル以下の濃度 (Samochocki M et al (2000) Acta Neuro Scand Suppl 176, 68-73, Samochocki M et al. (2003) J Pharmacol Exp Therap 305, 1024-1036) 、すなわちChE阻害が起こる濃度範囲より低い濃度で観察される。イオンフラックス試験 (Okonjo K et al (1991) Eur J Biochem 200, 671-677; Kuhlmann J et al (1991) FEBS Lett 279, 216-218) 及びラットとヒトの両方からの脳切片の電気生理学試験 (Santos MD et al (2002) Mol Pharmacol 61, 1222-1234) によって示されたように、ニコチン性APLの2つの作用様式は互いに独立している。これらの研究で、コリンエステラーゼ活性が可逆的又は不可逆的な遮断薬によって完全に遮断されている場合、ニコチン性APL、例えばガランタミンはそれでも他のChE阻害剤の非存在下と同じ程度のAPL効果をもたらすことができた。AD薬物として現在認可されているコリンエステラーゼ阻害剤のうち、ガランタミンはニコチン性APL活性を持つ唯一の薬物である (Maelicke A et al (2000) Behav Brain Res 113, 199-206)。
AD及びPDを含む認知障害に対する薬物療法戦略としてガランタミン及び他のAPLを使用することは1996年に提案された (Maelicke A & Albuquerque EX (1996) Drug Discovery Today 1, 53-59)。その後、その提案は、血管性及び混合型痴呆 (Maelicke A et al (2001) Biol Psychiatry 49, 279-288)、統合失調症、てんかん及び他のニコチン性コリン作動欠損を伴う疾患にも拡大された。
脳中のガランタミンの蓄積量が比較すると低いということは、薬物治療への使用に関して、すなわち、ADのような認知障害の治療にとって重大な不利益と言える。T/P比によって示されるように、投与された薬物のごく一部だけが脳に達し、他の(末梢)組織中の薬物が高濃度であるということが、観察された副作用のいくつかの原因となりうる。この事情の一面として、ADの治療について認可されるずっと以前から、ガランタミンは主に重症筋無力症やポリオを含むいくつかの神経筋障害の治療に使用されてきた。
EP-A 648 771、EP-A 649 846及びEP-A 653 427はすべて、ガランタミン誘導体、それらの製造プロセス及びそれらの医薬品としての使用について述べている。しかしながら、これらの出願のいずれもが、基本化合物及び誘導体の脳血液関門の透過及び脳対血漿比を高める方法や手段について考慮していない。
US 6,150,354はアルツハイマー病の治療に用いるいくつかのガランタミン類似化合物に関するものである。しかしながら、脳血液関門の透過を増加させるための選択的な化学的修飾については考慮されていない。
WO 01/74820、WO 00/32199及びWO 2005030333は、様々なヒトの脳及び他の疾患、並びに急性の機能的脳損傷の治療に用いるガランタミン誘導体及び類似化合物に関するものである。しかしながら、脳血液関門透過を改善するための選択的な化学的修飾又は他の手段については考慮されていない。
WO 88/08708、WO 99/21561、WO 01/43697及びUS 2003/0162770は、様々な認知症の治療に用いるガランタミン誘導体及び類似化合物に関するものである。しかしながら、脳血液関門透過を改善するための選択的な化学的修飾又は他の手段については考慮されていない。
WO 2005/030713は、ナルウェジンブロモアミド誘導体からのガランタミンの光学異性体の合成方法に関するものである。しかしながら、それはガランタミンの他の誘導体、医薬品としてのそれらの使用、又は当該化合物の脳血液関門透過を高めることを目的とした化学的修飾を論じていない。
WO 97/40049は、アルツハイマー病の治療に適用しうるいくつかのベンズアゼピン誘導体及び関連化合物について述べている。しかしながら、この出願には化合物の脳血液関門透過を増加させるための概念は提供されていない。
本発明は、コリン作動性受容体増感剤、コリンエステラーゼ阻害剤及び神経保護薬剤を含む多種の抗痴呆薬物の脳対末梢の好ましい分布比率を達成するための方法を提供することを目的とする。
この目的は請求項に規定されるような方法及び化合物によって達成される。
このように、本出願中に言及した疾患に上記薬物を医薬品として投与した場合には、治療効果対用量比を増大させ、副作用を減少させることができる。この目的は特に、例えば、当該化合物の部位特異的な化学修飾(誘導体化)によって達成される。
本発明はAPLガランタミン(及び関連化合物)のようなコリン作動性受容体増感剤の脳対血漿比を有意に増大させることに関するものであり、それは薬物そのものではなく患者の脳内で薬物そのものに転化される(戻される)「プロドラッグ」の投与により達成される。脳血液関門(BBB)を通じての透過を改善し、それにより薬物の治療効率を改善する別の手段として、化合物自体を化学的に修飾することにより、ニコチン性APL及び/又は神経保護剤としてより大きな有効性を持つようにするだけでなく加えて親油性が高められ(より高いlogPを有し)或いはBBB輸送性を改善させている。これらの改良により、本出願で述べられているプロドラッグ及び他の化合物は、例えばガランタミンよりも認知障害の治療用薬物として著しく効果的となるに違いない。本発明は、口、血液、皮膚経由、点鼻、又は他の適当な投薬経路によって投与されることになる化合物、選択されたプロドラッグ、及びそれらの医薬上許容しうる塩類に適用される。
ここでの用語「プロドラッグ」とは、誘導体が作用領域又は部位に到達した時に上記の基本化合物上に添加又は置換された官能基が開裂されるか又は元々基本化合物に含まれた官能基に戻る基本化合物の誘導体のことを指す。従って、「プロドラッグ」の場合には、効果を持つ薬剤が誘導体(すなわち上記のプロドラッグ)として投与されても、脳内の標的部位で主として又は唯一有効な化合物は薬剤そのものであって、その誘導化合物又は代謝産物ではない。
「誘導体」という用語では、本出願に定義された基本化合物の任意の変化を指す。「誘導体」という用語はプロドラッグになりうるか、或いはそれ自身/それ自体が又は誘導された形態で有効な薬剤でありえる化合物を表すために使用される。
「増感剤」及び「アロステリック強化リガンド、APL」という用語は、アロステリック部位を介してコリン作動性受容体と直接相互作用することによりコリン作動性の神経伝達を増進する作用因子を指す。
「コリン作用増強剤」及び「コリン作用薬」という用語は、コリンエステラーゼの阻害、コリン作動性受容体のアロステリックな増感及び/又は直接的な活性化、及び/又は二次伝達物質カスケードを介した関連する細胞内経路の活性化/調節によってコリン作動性神経伝達を増進/調節する化合物を指す。
誘導体又はプロドラッグは、基本化合物を誘導体にすることなく投与した場合と比較して、生体にそのプロドラッグ又は誘導体を投与した後に、より大量の当該化合物がBBBを通じて透過し、その結果、より高いレベルの有効薬剤が脳内に得られる場合に、本発明による「増強された脳血液関門透過性」又は「増強された脳血液関門透過」を示すと言える。増強されたBBB透過により、有効薬剤の脳対組織比が、基本化合物のそれと比較して増加することになる。増強されたBBB透過性を測定する方法は本出願に開示されている(上記参照)。
本発明による「基本化合物」は、好ましくはガランタミン、ノルガランタミン、ナルウェジン、N-デメチルナルウェジン、リコラミン、リコラミノン、サンギニン、ノルサンギニン等である(表1参照)。
「logP」は、中性分子として水相中における化合物濃度の非混和性溶媒中における化合物濃度に対する比率である分配係数Pの十進法対数として定義される。
「アルキル」という用語は指定された炭素原子数の直鎖、分枝鎖、又は環状のアルキル基を意味するものとする。例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチ基、t-ブチル基、並びに直鎖及び分枝鎖ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ペンタデシル基等、又はそれらによる環状アルキル基が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
「ハロ」という用語は、クロロ、フルオロ、ブロモ及びヨードを意味するものとする。
「アリル」という用語は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、ハロゲン基又はトリハロメチル基から成る群から独立に選択される0、1、2又は3個の置換基を有するフェニル基を意味するものとする。
「シクロアルキル」という用語は、3ないし12個の炭素原子を有し、例えばアダマンチル基、カムフォニル基、3-ノルアダマンチル基のような複式環アルキル基を含むシクロアルキル基を意味するものとする。
2つの限界値の間の範囲が記載されている場合にはいずれも、この範囲内のいずれの値又は整数も開示されていることを意味する。例えば、「C1-C8」はC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7又はC8を意味し、或いは「0.1及び1の間」は0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9又は1を意味する。
「天然アミノ酸」とは、生化学的経路中、又はペプチド/蛋白中に自然に存在する任意のアミノ酸である。詳しく言うと、これらはアラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、グルタミン酸、アルギニン、セリン、スレオニン、バリン、トリプトファン、チロシン、それらのメチル化形態、又はそれらによる塩類である。
「糖」という用語は、アルドース又はケトース、ピラノース又はフラノース、ヘプトース又はヘキソース、単糖類又は多糖類などの任意の適当な糖、例えばグルクロン酸、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、サッカロース、ラクトース、マルトース等を意味するが、グルクロン酸が好ましい。
主に本発明の中心をなすのは、コリン作動欠損の矯正に有効な薬物として作用することが知られている化合物、例えばニコチン性受容体のAPL又はコリンエステラーゼ阻害剤の親油性若しくは移動性、又は脳血液関門を通過する能力を高めることにより、脳血液関門透過性を改善することである。
好ましい1つの態様において、本発明は一般式(I)の基本構造を有する分子の誘導体を(その化学構造により正式に行うか又は直接的な化学合成によるかいずれかにより)製造することによって、コリン作用増強剤の脳血液関門透過を増加させる方法に関する:
Figure 2009508903
式中、<11>と<12>の間と同様に位置<1>と<2>の間の結合は単結合又は二重結合を表し、<10>と<11>の間の結合は単結合又は結合無しのいずれかである。
R1= =O、=NOH、=NH-NHCH3、-OH、-OCOCH3、-NH2、又はセミカルバゾン、チオセミカルバゾン、アミノグアニジンなどのようなケトンの(置換された)誘導体
R2= H、CH3、アセチル基
R3= H、CH3、F、Cl、Br、I
R4= H、CH3
表I中に、一般式(II)の基本構造を有する化合物を例示する:
Figure 2009508903

この構造は式(I)に要約される構造に属す。
Figure 2009508903
本発明による誘導体化をするための基本化合物として使用される、表1に掲げた化合物及び他の化合物は、天然原料からの単離若しくは完全な化学合成、又は天然化合物若しくは合成化合物の化学的修飾のいずれかにより得ることができる。
本発明で使用される化合物は、コリン作用増強剤として作用することが証明できる上記に掲げた分子の誘導体でもよい。前述の誘導体のこの特性は下記の特性の1つ又は複数によって明らかにすることができる;すなわち、コリン作動性受容体を増感する能力、及び/又は脳コリンエステラーゼを阻害する能力、及び/又は細胞内の伝達物質レベルを調節する能力、及び/又は神経保護的に作用する能力。Schrattenholz A et al. (1996) Mol Pharmacol 49, 1-6 及び Samochocki M et al (2000) Acta Neuro Scand Suppl 176, 68-73; Samochocki M et al. (2003) J Pharmacol Exp Therap 305, 1024-1036に記載されているように、ニコチン性受容体に対して増感剤として作用する能力は電気生理学による、Ca画像処理法によって測定することができる。コリンエステラーゼを阻害する能力は、Ellman et al., Biochem. Pharmacol. 7, 88 (1961)の測光法によって測定することができる。細胞内の伝達物質レベルを調節する能力はCa画像処理法(Samochocki M et al. (2003) J Pharmacol Exp Therap 305, 1024-1036)及び細胞内伝達物質レベルの変化又はその結果生じる効果を記録する他の手段 (Kihara T et al (2004) Biochem Biophys Res Commun 325, 976-982)により測定することができる。神経保護的に作用する能力は、細胞培養 (Arias E et al (2003) Neuropharmacol 46, 103-1S 14; Kihara T et al (2004) Biochem Biophys Res Commun 325, 976-982) 及び神経組織変成疾患の動物モデル (Capsoni et al (2002) Proc Natl Acad Sci USA 99, 12432-12437) を含む多様なインビトロ及びインビボの試験系で測定することができる。
特定の例として、下記一般式(III)の基本構造を持つ誘導体でありコリン作用増強剤として何らかの方法で作用する化合物を表2に例示する:
Figure 2009508903
Figure 2009508903
表2に掲げた化合物のほとんどは上記で引用した試験の1つ以上で有効な薬剤であるだけでなく、同時にそれらのほとんどはそれらが誘導された基本化合物よりも好ましいlogP及び/又は輸送性を有する。
BBB透過性及び脳/血漿分布比率をさらに改善するために下記の種類の修飾を行って、表1及び2に例示されている化合物を、基本化合物と比較して、より親油性にするか又は他の方法によりCNS中へのそれらの輸送を増強することができる:
1.代謝上の転化の過程で生じることが知られている官能基又は分子への抱合、例えば、グリコシル、グルクロニド及び天然の代謝産物のような炭水化物抱合体、或いはそうでなければ容易に脳血液関門を通過することが知られている官能基又は分子、例えば、アミノ酸、ビタミン、様々な伝達物質及び薬物への抱合。
2.不安定な窒素炭素結合を有する第4級アンモニウム塩をもたらすような官能基への抱合(例えば、実施例1を参照)。
3.例えばアシル誘導体のような親油性及びBBB透過性が増強されたエステルをもたらすような官能基への抱合。例えば、そのような化合物は下記の基本構造式(IV)の3位及び/又は6位の酸素基のエステルでもよい:
Figure 2009508903
a) 1-22個の炭素原子を含み、任意でそれに加えてアルコキシ基又はジアルキルアミノ基を含む飽和又は不飽和脂肪酸とのエステル。
b) 炭酸とのエステルであって、炭酸の1つの酸性基がガランタミンの3位及び/又は6位とエステル化されていて、もう一方が3aに定義されるようなエステルを表すエステル。
c) (置換)ピリジン-又は(置換)ジヒドロピリジン-カルボン酸とのエステル(例えば、実施例2を参照)。
d) リン酸及びスルホン酸とのエステル。
4.3、6及び10位の置換基によるケタール又はアミナールの形成;これにより、親油性が増大し、加水分解されて望ましい誘導体、例えば(ノル)ガランタミン誘導体となる(例えば、実施例3及び4を参照)。
5.上記化合物の化学上又は代謝上不安定な塩基性及び/又は第四級カルバメートの形成。
6.親油性ジヒドロピリジニウムキャリヤー、例えば、1,4-ジヒドロ-1-メチル-3-ピリジンカルボキシレートへの抱合;これは、脳中で酵素的に酸化されて対応するイオン性ピリミジニウム塩となる。
7.親油性及びBBBを通しての輸送性を増強するニコチン酸、ニコチン酸アミド、様々な補助因子、伝達物質分子及び他の化学物質との抱合。
これらの修飾により下記一般式(III)の化合物がもたらされる:
Figure 2009508903
式中、上記構造は表1に掲げたもののいずれでもないという条件で<1>位と<2>位の間の結合は単結合又は二重結合を表し、また<1>から<2>及び<11>から<12>の結合は単結合又は二重結合のいずれでもよく、<10>と<11>の間の結合は単結合か又は結合無しのいずれかであり、残基R1−R5は以下のように定義される:
R1:
a) <3>からR1への結合が二重結合の場合、
R1=O、NH、NOH、NOR6、N-CO-NH2、N-CS-NH2、N-C(=NH)-NH2、N-NH-フェニル、N-NHR6、N-N(R6)2、N-N=(CH2)n、但し、R6=C1-C5の非分枝又は分枝の、飽和又は不飽和のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基、及びn=2-8 であり、
b) <3>からR1への結合が単結合の場合、
R1=OH、SH、NH2、NHR6、N(R6)2、OR7、O-CR8R9-O-CO-CHR10-NR11R12、
但し、R7=C1-C22の非分枝又は分枝の、(ポリ)不飽和又は飽和の、アルキル基であって任意でさらにアルコキシ基又はジアルキルアミノ基を含むことがあるアルキル基、糖若しくは糖誘導体残基(好ましくはグルクロン酸)、ホスホリル基、アルキルホスホリル基若しくはアリルホスホリル基、スルファチル基若しくはアルキルスルファチル基、又はCOR13、
但し、R13=R6若しくはR7、又はピリジル基若しくはジヒドロピリジル基、又はOR6、好ましくは、メチル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基、3-ジヒドロピリジル基l、4-ジヒドロピリジル基、
R8及びR9は同一又は異なっていて、H、Me、Phのいずれかであるか、又は一緒にn=4-6のスピロ環−(CH2)n-を形成し、
R10=H又は、R10及びR11が一緒にプロリン若しくはヒドロキシプロリン誘導体を形成しているR10及びR11を含む天然アミノ酸の側鎖、
R11はR10と一緒にプロリン若しくはヒドロキシプロリン誘導体を形成しているか、又はHのいずれかであり、
R12はt-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基及び他のN-保護基を含むカルバメート保護基である;
R2:
H、R7、又はO-CR8R9-O-CO-CHR10-NR11R12:但し、R7-R12は上記と同じ定義である;
R3:
H、F、Cl、Br、I、NH2、NO2、CN、CH3
R4:
H又はCH3
R5:
R4=Hの場合、R5は電子対を示す
R4=CH3の場合、R5は水素、又はC1-C5アルキル基、CH2-O-CH3、CH2-O-、CO-R6、CH2-O-CR8R9-O-CO-CHR10-NR11R12を示す:但しR6及びR8-R12は上記と同じ定義である;
最後のケースではすべてにおいて、窒素は付加的なプラス電荷を帯び、同時に、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硝酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、トシラート又は他の医薬上許容しうる陰イオンから選択される対イオンを伴う。
本発明の主要な概念による好ましい誘導体は、R5が不安定な窒素-炭素結合の第四級アンモニウム塩;上記基本化合物の水酸基 (R1、R2) によるモノ-又はジアシル誘導体(エステル);糖誘導体、好ましくは、グルクロニド (R1、R2);ニコチン酸と結合した誘導体(R1、R2);及び選択されたハロゲン化物 (R3) である。
本発明の主要な概念による別の好ましい誘導体は、親油性のジヒドロピリジニウムキャリヤーである。この酸化還元化学送達系(RCDS; Misra A et al (2003) J Pharm Pharmaceut Sci 6, 252-273) はBBBを通しての脳実質中への薬物送達を有意に増強することが知られている。脳内に入ると、ジヒドロピリジニウム部分は酵素により酸化されて対応するイオン性ピリジニウム塩になる。次いでキャリヤーから元の化合物が開裂すると元の化合物が遊離して脳組織内のレベルが維持される。
主要な概念による他の好ましい誘導体は、活性アミノ酸キャリヤー(例えば、チロシン)によって脳中へ輸送されることが知られているアミノ酸である。脳実質内に入ると、これらの誘導体はその標的分子に対して直接作用することができるか、或いはまず最初に酵素的に遊離されて元の親化合物として作用する。
本発明のさらに別の局面として、化学的修飾によって得られた誘導体がそのまま薬物として働く必要はなく、最初はむしろプロドラッグとして存在して脳血液関門を透過した後に(例えば、脳内酵素によって)親化合物又は代謝産物に転化されてそれが薬物として働いてもよい。上記のプロドラッグ又は誘導体を使用して、コリン作動欠損に関連するヒト脳疾患の治療に好ましく使用することができる薬物又は医薬組成物が製造される。
式(III)の一般構造式及びそれに伴う条件と定義に含まれる誘導体のうち、以下のものは、それら化学的修飾により誘導された元の親化合物(表I)よりも高い親油性及び/又は、より優れたBBB輸送性及び/又は、より高い脳対血漿比率を有するという前提で記載又は開発されたことがこれまでになかったため、本発明において特に重要である:
Figure 2009508903
Figure 2009508903
Figure 2009508903
式(III)の一般構造式及びそれに伴う条件と定義に包含される以下の誘導体は、それらがこれまでに他の出版物又は特許に言及又は記載されていないという点で本発明の主要な概念による特に好ましい誘導体である。
表4:
(i)コリン作用増強剤として作用し、及び/又は(ii)ガランタミンよりも高いlogP値を有する、新規化合物の例(ガランタミンは単に比較のために表中に含まれている)
実務上の理由から表4は図1として本出願に添付してある。
表3及び4に示される誘導体は薬物又は他の医薬組成物を製造するために使用してもよい。そのような薬物又は医薬組成物はコリン作動欠損に関連する疾患状態の治療に使用することができる。
誘導体の、親化合物に転化する前及び/後に有効な医薬物として作用する有用性は、コリン作動性受容体を増感させる能力、及び/又は脳コリンエステラーゼを阻害する能力、及び/又は細胞内伝達物質レベルを調節する能力、及び/又は神経保護的に作用する能力により明らかにされる。Schrattenholz A et al. (1996) Mol Pharmacol 49, 1-6 及び Samochocki M et al (2000) Acta Neuro Scand Suppl 176, 68-73; Samochocki M et al. (2003) J Pharmacol Exp Therap 305, 1024-1036に記載されているように、ニコチン性受容体に対して増感剤として作用する能力は電気生理学による、Ca画像処理法によって測定することができる。コリンエステラーゼを阻害する能力は、Ellman et al., Biochem. Pharmacol. 7, 88 (1961)の測光法によって測定することができる。細胞内の伝達物質レベルを調節する能力はCa画像処理法(Samochocki M et al. (2003) J Pharmacol Exp Therap 305, 1024-1036)及び細胞内伝達物質レベルの変化又はその結果生じる効果を記録する他の手段 (Kihara T et al (2004) Biochem Biophys Res Commun 325, 976-982)により測定することができる。神経保護的に作用する能力は、細胞培養 (Arias E et al (2003) Neuropharmacol 46, 103-1S 14; Kihara T et al (2004) Biochem Biophys Res Commun 325, 976-982) 及び神経組織変成疾患の動物モデル (Capsoni et al (2002) Proc Natl Acad Sci USA 99, 12432-12437) を含む多様なインビトロ及びインビボの試験系で測定することができる。
この有用性はまたこれらの化合物の (1) アルツハイマー病の動物モデルにおける認知障害とともにニューロン細胞死及びアミロイド斑形成を減少させる能力 (Capsoni et al (2002) Proc Natl Acad Sci USA 99, 12432-12437)、及び (2) 様々な動物試験系における学習成績を高める能力を測定することにより確かめることができる。高齢及び若齢のウサギに用いたある特定の学習パラダイムでは (Woodruff-Pak D et al (2001) Proc Natl Acad Sci USA, 98, 2089-2094)、中隔海馬コリン作動系に対する認知増強薬の効果を試験するための古典的なまばたき検査を使用する。活性を有する本発明の被験化合物は、動物の目に噴きかけられる空気がその動物に保護手段として目を閉じる(まばたき)必要がないことを学習するのに必要な試験回数を減少させるであろう。
この有用性はまたこれらの化合物の、暗所回避アッセイ(DAA)におけるコリン作動欠損による記憶欠如を回復させる能力を測定することにより確かめることができる。このアッセイでは、一定期間、例えば24時間、不快な刺激を記憶する能力についてマウスを試験する。マウスを暗い区画を中に設けたチャンバーに入れる;強い白熱光でマウスを暗区画に追い込み、そこで床の金属板を通して電気ショックが与えられる。この動物を試験装置から取り出し、24時間後に、暗区画で与えられる電気ショックを記憶している能力について再び試験する。
ニコチン性又はムスカリン性拮抗薬、すなわち、記憶障害を引き起こす抗コリン作用薬を動物が最初に試験チャンバーを経験する前に投与した場合、その動物は24時間後に試験チャンバーに入れられた時に抗コリン作用薬を投与していない場合よりもはるかに早く暗区画に再び入る傾向にある。抗コリン作用薬のこの効果は活性被験化合物により遮断され、その結果、暗区画中に再び入るまでの間隔がより長くなる。
試験結果は、試験チャンバーに入れられた時と暗区画に再び入った時との時間間隔が長くなることにより明示される、抗コリン作用薬の効果が遮断又は低減された動物群のパーセントによって表示することができる。
現在の意図及びアプローチで、ここに提示するプロドラッグ及び誘導体で治療することができる脳疾患は、任意の種類のコリン作動欠損に関連する任意の精神病、神経疾患及び神経組織変成疾患であり、それにはコリン作用性神経伝達物質及び/又は受容体、ACh合成・代謝酵素、輸送蛋白などの神経組織変成的欠損が含まれる。そのような疾患の例としてはアルツハイマー病及びパーキンソン病、他の種類の痴呆、統合失調症、てんかん、卒中、ポリオ、神経炎、ミオパシー、低酸素状態の後の脳中の酸素及び栄養欠乏、無酸素症、仮死、心停止、慢性疲労症候群、様々な種類の中毒、麻酔、特に神経弛緩麻酔、脊髄障害、炎症、特に中枢性炎症性障害、術後譫妄及び/又は亜症候性術後譫妄、神経障害性疼痛、アルコール及び薬物乱用の後続症状、アルコール及びニコチン依存症、及び放射線療法の後続症状などが挙げられる。そのような疾患の治療でのガランタミン又は他のコリンエステラーゼ阻害剤の効果は、例えば、WO2005/74535、WO2005/72713、WO2005/41979、WO2005/30332、WO2005/27975、US2004/266659及びWO2004/14393に記載されている。
式(III)の一般(基本)構造式並びに表2、3及び4で述べられている誘導体は全て、脳内に入った後に有効な薬物、例えば、ガランタミン、ナルウェジン、リコラミン、又はその他の上記基本化合物に「転化して戻される」誘導体を意味するプロドラッグとして効果を持つか、或いはそれらは誘導体そのものとして有効(すなわち、上記の定義によるコリン作用増強剤又はコリン作用薬として有効)であり、それはつまりそれらが標的分子、例えば、コリン作動性受容体又はコリンエステラーゼに対して薬物として作用する前に転化又は代謝を受ける必要がないことを意味するか、のいずれかである。本出願の誘導体の共通の特徴は、それら全てが基本化合物(それは本発明により好ましくはガランタミン及び関連化合物である)よりも効果的に脳血液関門を透過するということである。改善されたBBB透過性の結果、これらの化合物は、例えばガランタミンよりもより高い治療効力とより低い副作用を持つことになる。
本発明の化合物は、プロドラッグであっても或いはそれ以外の有効な薬物であっても、そのもの自体、又は医薬上許容しうる塩として投与することができる。
上に定義したような共通の式で表される誘導体は任意の既知の方法で製造することができるが、以下の特許中でそれらの化合物の誘導体化について記載されている方法を適切に使用して上記誘導体が製造されることが好ましい;それぞれ、EP-A 649 846 のスキーム I及び実施例;EP-A648 771 のスキーム I及び実施例;EP-A 653 427のスキーム I及び実施例;US 6,150,354、「手順」パラグラフ及び実施例;又は US 6,638,925,「実験の部」パラグラフに記載されている。さらにWO 01/74820を参照すると、組み合わせ合成及び/又は並行合成が開示されており、いくつかの化合物の合成が実施例に記載されている。さらに、Gomes, P.et al., Rui. Centro de Investigacao em Quimica da Universidade do Porto, Oporto, Port. Synthetic Communications (2003), 33(10), 1683-1693に記載されているような方法も使用できる。当業者は、いずれの場合でも基本構造の望ましい誘導体化が得られるように適切な遊離体(類)を使用するべきであることを明確に理解するであろう。ここに記載する化合物が得られる限り、製造方法によって本発明が制限されることはない。
発明の化合物は好ましくは、周知の治療上有効な化合物である中間体6-デメチルガランタミン、又は6-デメチルナルウェジンをそれぞれ経由してガランタミン又はナルウェジンの適当な光学異性体から製造される。
本発明のプロドラッグ及び誘導体は以下の試験によって選択されるが、これら試験は一例と考えるべきで本発明を制限するものではない:
1.ヒトのニューロン性ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)の個々のサブタイプを発現するヒト細胞系を使用した電気生理学的方法及びCa画像処理法によって選択的に測定されるニコチン性「アロステリック強化リガンド(APL)」としての活性。
・化合物そのものが作用する場合:Ach又は作用物質によるnAChRの活性化は上記化合物の存在下で増強され、APL活性は抗体FK1により選択的に遮断される。
・プロドラッグの場合:ラット脳又はヒト脳ホモジネート抽出液での処理によってプロドラッグが基本化合物に転化された後の、中枢作用性APLとしての活性増強。
・ラット又はヒトの脳抽出液とインキュベートした際のプロドラッグから薬物への転化の反応速度。
2.様々なインビトロ、培養細胞、及びインビボ試験系で試験される、中枢作用性コリンエステラーゼ阻害剤としての活性。
・プロドラッグの場合:元の基本化合物の代わりにプロドラッグを投与した際に、増強されたコリンエステラーゼ阻害、又は有意に低い用量で同レベルの阻害が観察される。
・ラット又はヒトの脳抽出液とインキュベートした際のプロドラッグから薬物への転化の反応速度。
3.急性毒性保護試験(動物の有機リン中毒、Aβ及び/又はグルタメートによるインビトロ中毒)及び神経組織変成動物モデルにおける神経保護活性。
・プロドラッグの場合:元の基本化合物の代わりにプロドラッグを投与した際に、増強された神経保護活性、又は有意に低い用量で同レベルの神経保護が観察される。
4.未修飾のガランタミン又は他の基本化合物と比較した哺乳動物脳中の誘導体の蓄積。
5.振盪フラスコ(例えば、オクタノール/バッファー)、HPLC保持及びナノビーズ吸着法によって測定される親油性。
6.血中(全身性)と比較した脳中の生物転化反応t1/2
7.分配及びlogP値の理論的/実験的評価。
8.他の様々なテスト。
誘導化合物の改善された親油性を評価する1つの方法として、logP値をいくつかの表に示している。logP値の上昇を特徴とする改善された親油性は、HPLC法を含めて実験的に測定するか、予測的コンピューター計算法によるかいずれかにより測定できる。そのような計算を実験の代わりにすることはできないが、基本化合物のある種の修飾が親油性の改善を結果としてもたらすかどうかがデータから強く示唆される。このような計算を可能にするコンピュータープログラムとしては、例えば、ファーマ・アルゴリズム社のToxBoxes、ACD-Lab、シドラックス社のMolecule Evaluator、その他が挙げられる。
化合物がBBBを横断する容易さを評価する別の手段としては、当該化合物の膜親和性と血清アルブミンへの結合親和性の実験による比較があり、それらは両方ともNIMBUSバイオテクノロジーアッセイにより測定できる(Willmann, S. et al. (2005) J Med Chem、印刷済)。
有効量の本発明の化合物は、カプセル剤又は錠剤として経口で、経皮、又は点鼻を含む様々な方法のいずれによって患者に投与してもよい。遊離の最終的な基本生成物はそれ自体が有効であるが、例えば、安定性、結晶化の便宜、溶解度の上昇、放出遅延などを目的として、医薬上許容しうる塩の形態に処方し投与してもよい。
本発明のプロドラッグ/化合物は基本化合物よりも容易に脳血液関門を通過するため、2つの有利な点がある:第一に、プロドラッグは素早く取り込まれ、そのため効果が速く開始すること、第二に、投薬量を既知の薬物に比べて減らすことができ、その結果として末梢性の副作用は低く、その効果部位(脳)での化合物の有効性は高くなる。さらに脳血液関門を通過した後にプロドラッグは基本化合物に転化し、これの脳血液関門透過性はより低いために、有効な化合物が脳中にとどまり、その結果、有効性がより長い期間続くこととなる。
代表的なケースとして、本発明の活性化合物は、例えば不活性の希釈剤又は食用の基材と共に経口投与してもよく、或いは、それらはゼラチンカプセル中に封入するか錠剤に圧縮してもよい。さらに、本発明の活性化合物は賦形剤と合わせて、錠剤、トローチ、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、カシェ剤、チューインガムなどの形態で使用することができる。本発明の好ましい組成物及び製剤は、経口投薬単位形態が0.1から50ミリグラムの活性化合物を含むように製造される。
本発明により修飾された化合物のBBB透過及び脳対血漿比は有意に増強されているため、以前の適用、臨床試験及び評価と比較して、投与される薬物用量は劇的に減少することになるであろう。
本発明による医薬上許容しうる酸付加塩を製造するために有用な酸としては、スルファミン酸、アミドスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-エチルコハク酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、3-ヒドロキシナフトエ酸、酢酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、カルボン酸、エチレンジアミン四酢酸、カンファースルホン酸、クエン酸、ドデシルスルホン酸、エタンスルホン酸、エテンスルホン酸、エチレンジアミン四酢酸、フマル酸、グルビオン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヘキシルレゾルシン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、(重)炭酸、酒石酸、ヨウ化水素酸、乳酸、ラクトビオン酸、レブリン酸、ラウリル硫酸、リポ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、ナフタレンスルホン酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、過塩素酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、ペクチン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸又は硫酸、p-トルエンスルホン酸のような、無機酸及び有機酸が挙げられるが、そのうち、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸及び過塩素酸が、酒石酸、クエン酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸及びシュウ酸と共に好ましい。
本発明の活性化合物は、例えば、不活性の希釈剤又は食用の基材と共に経口投与してもよく、或いは、それらはゼラチンカプセル中に封入するか錠剤に圧縮してもよい。経口での治療用投与の目的で、本発明の活性化合物を賦形剤と合わせて、錠剤、トローチ、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、カシェ剤、チューインガムなどの形態で使用してもよい。これらの製剤は少なくとも0.5%の活性化合物を含むべきであるが、個々の形態によって様々でよく、その単位形態の重量の5%から約70%の間であると都合が良いと思われる。そのような組成物中の活性化合物の量は適切な投薬量が得られるようなものとなる。本発明の好ましい組成物及び製剤は、経口投薬単位形態が0.1から50ミリグラムの活性化合物を含むように製造される。
錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチなどは、さらに以下の成分を含んでいてもよい:微結晶性セルロース、トラガカントゴム又はゼラチンのような結合剤:デンプン又はラクトースのような賦形剤、アルギン酸、プリモーゲル、コーンスターチ等のような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム又はステロテックスのような潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素のような滑択剤;スクロース又はサッカリンのような甘味料、又はペパーミント、サリチル酸メチル若しくはオレンジ香料のような香味料を加えてもよい。投薬単位形態がカプセル剤である場合、上記タイプの材料に加えて、油のような液体基材を含んでいてもよい。他の投薬単位形態は、例えばコーティングとして、投薬単位の物理的形態を修飾する他の様々な材料を含んでいてもよい。例えば、錠剤又は丸剤は砂糖、セラック又は他の腸溶性コーティング剤でコーティングされていてもよい。シロップ剤は活性化合物に加えて、甘味料としてスクロース、及び何らかの保存剤、色素、着色料及び香料を含んでいてもよい。これらの様々な組成物を製造するのに使用される材料は使用される量において医薬上不純物が無く、かつ毒性が無いものでなければならない。
治療用の点鼻又は非経口投与の目的では、本発明の活性化合物は溶液又は懸濁液に組み入れてもよい。これらの製剤は、少なくとも0.1%の活性化合物を含むべきであるが、その重量の0.5%から約30%の間で様々であってもよい。そのような組成物中の活性化合物の量は適切な投薬量が得られるようなものとなる。本発明の好ましい組成物及び製剤は、点鼻又は非経口投薬単位形態が0.1から20ミリグラムの活性化合物を含むように製造される。
さらに、本発明の化合物はWO2004/02404に詳細に開示されているように鼻腔内送達によって脳脊髄液に投与することができる。
上記の溶液又は懸濁液はさらに下記成分を含んでいてもよい:注射用水、食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒のような無菌の希釈剤;ベンジルアルコール又はメチルパラオキシ安息香酸エステル類のような抗菌剤;アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムのような抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸のようなキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩のようなバッファー;及び塩化ナトリウム又はデキストロースのような張度調節剤。非経口用の多人数用バイアルはガラス又はプラスチック製でもよい。
有効成分の投与における典型的な投薬率は、使用される化合物の性質に依存し、静脈内投与では患者の身体状態及び他の薬物療法に基づいて1日に体重1キログラム当たり0.01から2.0 mgの範囲である。
以下の特定の処方は適切な利用の例である:0.5から50 mgを含む錠剤及びカプセル剤。0.1から30 mg/mlの活性成分を含む非経口投与用の溶液。0.1から15 mg/mlの濃度の経口投与用液体処方。0.1から5 mg/mlの活性成分濃度の点鼻又は脳室内投与用液体処方。本発明の化合物は経皮システムによって投与することもでき、その場合0.1から10 mg/1日が放出される。経皮的な投薬システムは活性物質を遊離の塩基又は塩として0.1から30 mg含む保持層から成っていてもよく、その場合、例えばジメチルスルホキシドのような透過促進剤又は例えばオクタン酸のようなカルボン酸、及び、例えばイソプロピルミリステートのような柔軟剤を含む例えばヘキシルアクリレート/酢酸ビニル/アクリル酸コポリマーのような実際的な外観のポリアクリレートを伴っていてもよい。カバーとしては、活性成分が不透過の外層、例えば厚さ0.35 mmの例えば金属コーティングのシリコン化ポリエチレンパッチを使用することができる。粘着層を形成するには、例えば、有機溶媒中のジメチルアミノ-メタクリレート/メタクリレートコポリマーを使用することができる。
本発明はさらに、医薬上許容しうる補助剤中に治療上有効な量の少なくとも1つの本発明で提示された化合物を含む医薬組成物に関するものである。
誘導体の化学合成及び特性の例:
実施例1:N-メトキシメチル-ガランタミニウムクロライド (=(4aS,6R,8aS)-4a,5,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-11-メトキシメチル-11-メチル-6H-6-ヒドロキシ-3-メトキシ-ベンゾフロ[3a,3,2-ef][2]ベンズアゼ-ピニウム、塩化物)
N-メトキシメチル-ガランタミニウムクロライドはクロロメチルメチルエーテルを使用するアルキル化によってガランタミンから得られる:
Figure 2009508903
乾燥ジメチルホルムアミド(12 mL)中の(‐)-ガランタミン(5.00g, 17.4 mmol)溶液に、クロロメチルメチルエーテル(1.12g, 13.9 mmol)を‐5ないし0°Cで15分かけて加え、室温で4時間撹拌した。反応混合液は酢酸エチル(500 mL)上に注ぎ、得られた沈殿を濾過し、酢酸エチルを用いて洗浄する(3×50 mL)。
粗生成物(4.20g, 82%)は、96%の純度を有する(HPLC)。さらに精製するために、粗生成物を乾燥エタノールに溶解し、活性炭を加えた後撹拌して、濾過し、酢酸エチル(500 mL)に加えた。沈殿を濾過し酢酸エチル(3×50 mL)及び乾燥ジエチルエーテル(1×50 mL)を使用して洗浄する。生成物は無色の結晶(3.85g, 75% d. Th.)の形態で得られ、融点は126-127℃である。
旋光度:[α]D 20=‐113.9°(c=0.18g / 水)
calcd For C19H26ClNO4 * 0.33 H2O C, 61.04; H, 7.19; N, 3.75; found: C, 61.10; H, 7.07; N, 3.75
1H NMR (DMSO-d6) δ 6.86 (s, 2H), 6.29 (d, J = 10 Hz, 1H), 5.88 (d, J = 10 Hz, J = 4 Hz, 1H), 5.13 (bs, 3H), 4.66 (s, 2H), 4.48 (d, J = 14 Hz, 1H), 4.22 - 3.90 (m, 2H), 3.81 (s, 3H), 3.70 (s, 3H), 3.70 - 3.52 (m, 1H), 2.75 (s, 3H), 2.44 - 1.79 (m, 4H); 13C NMR (DMSO-d6)δ 146.4 (s), 145.2 (s), 132.8 (s), 130.2 (d), 125.3 (d), 123.7 (d), 117.8 (s), 112.1 (d), 94.8 (t), 86.4 (d), 61.7 (d), 60.3 (t), 59.4 (q), 56.2 (t), 55.6 (q), 46.2 (s), 40.2 (q), 31.1 (2 t);
この化合物の化学的・生物学的安定性を様々なバッファー中(化学的安定性)、ラット血清中、及びラット脳抽出液中で測定し、誘導体がプロドラッグとして作用しうることが示唆された。
クロロメチルエーテル又はメチルエーテルの代わりに、以下の試薬を代用することができる:メトキシメタノールベンゼンスルホネート、トリフルオロメタンスルホン酸メトキシメチルエステル、又はメトキシメタノール4-メチルベンゼンスルホネート。
実施例2:tert-ブトキシカルボニルアミノ酢酸(N-ノルガランタミニル)-メチルエステル
Figure 2009508903
乾燥DMF(2.0 mL)中のN-Boc-グリシンクロロメチルエステル(1.0 mmol)及びノルガランタミン(1.0 mmol)の溶液に、トリエチルアミン(3 mmol)を滴下混合し、反応液を窒素下で3日間撹拌した。形成された塩化トリエチルアンモニウムを濾過し、乾燥エーテルで洗浄し、濾液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固させた。残渣を加熱しながら乾燥アセトン(2ml)中に再溶解し、4℃で一晩放置しトリエチルアンモニウム塩をさらに沈澱させた。濾過とロータリーエバポレーター処理を再度行った後に、混合液を酢酸エチル/石油エーテルを用いてシリカ上でクロマトグラフィーにかけた。標的生成物は油状物質として単離された。
13H NMR (DMSO-d6) δ 28.5, 33.9, 37.9, 42.0, 48.2, 51.2, 56.2, 56.9, 61.9, 79.5, 79.9, 88.8, 111.8, 121.3, 126.6, 129.8, 130.8, 133.6, 145.8, 148.2, 156.3, 169.6.
実施例3:2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-フェニルプルピオン酢酸(N-ノルガランタミニル)-メチルエステル
Figure 2009508903
この化合物はN-Boc-フェニルアラニンクロロメチルエステルに実施例2の手順を用いて製造した。
13H NMR (DMSO-d6) δ 28.5, 33.9, 36.9, 37.9, 48.2, 51.2, 54.6, 56.2, 56.9, 61.9, 79.5, 80.2, 88.8, 111.8, 121.3, 126.0, 126.6, 127.8, 128.7, 129.8, 130.8, 133.6, 139.5, 145.8, 148.2, 156.0, 171.6.
実施例4:(3R,4aS,9bS)-9-ジメチルアミノメチル-6-メトキシ-3,4,4a,9b-テトラヒドロ-9b-ビニル-ジベンゾフラン-3-オール;(= 10,11-セコ-11,12-デヒドロ-10-メチル-ガランタミン)
Figure 2009508903
35%水酸化カリウム水溶液(150 mL)中のヨウ化N-メチルガランタミニウム(5.0g, 11.6 mmol)溶液を48時間加熱還流し、水(200 mL)で希釈し、濃塩酸を用いてpH=3-4に酸性化し、ジクロロメタン(2×50 mL)で抽出して、非塩基性化合物を除去する。濃アンモニアを用いて水相をpH 12の塩基性にして、ジクロロメタン(4×100 mL)を用いて抽出する。合わせた有機抽出液を塩水(2×50 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ロータリーエバポレーターにかけて粗生成物を得て、これをMPLC(200g SiO2、クロロホルム:メタノール=99:1 +1% 濃アンモニア)で精製する。生成物は黄色油状物質として得られる(2.5g, 71% d. Th.)。通常の方法で得られるフマル酸塩(無色結晶)及びシュウ酸塩(オフホワイト色結晶)は以下である:m.p: 151-153℃(フマル酸塩)、116-118℃(シュウ酸塩)。[α]D 20= ‐56.5°(0.212 g/100 mL H2O)(フマル酸塩)。
フマル酸塩:
C18H25NO3 * 1.0 C4H4O4
Calcd.: C, 62.99; H, 6.97; N, 3.34
Found: C, 62.89; H, 6.62; N, 3.32
シュウ酸塩
C18H25NO3 * 1.0 C2H2O4 * 0.75 H2O
Calcd.: C, 59.32; H, 6.60; N, 3.46
Found.: C, 59.48; H, 6.31; N, 3.38
1H-NMR (CDCl3): δ 6.83 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.13-5.95 (m, 3H), 5.32 (dd, J = 10.3, 1.1 Hz, 1H), 5.25 (dd, J = 18.3, 1.1 Hz), 4.63 (b, 1H), 4.15 (b, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.58 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 3.07 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 2.56 (m, 1H), 2.15 (s, 6H), 1.96 (ddd, J = 16.2, 4.9, 2.3 Hz, 1H); 13C-NMR (CDCl3): δ 146.6 (s), 144.1 (s), 139.0 (t), 132.2 (s), 128.6 (s), 128.1 (d), 127.8 (d), 123.6 (d), 117.3 (t), 111.1 (d), 86.0 (d), 62.0 (t), 59.7 (t), 55.7 (q), 52.9 (s), 44.7 (q), 28.6 (t)
実施例5:(3R,4aS,9bS)-6-メトキシ-9-メチルアミノメチル-3,4,4a,9b-テトラヒドロ-9b-ビニル-ジベンゾフラン-3-オール;(=10,11-セコ-11,12-デヒドロ-ガランタミン)
Figure 2009508903
3-クロロ過安息香酸(0.38g, 75%ig, 1.66 mmol)をジクロロメタン(35 mL)中の(3R,4aS,9bS)-9-ジメチルアミノメチル-6-メトキシ-3,4,4a,9b-テトラヒドロ-9b-ビニル-ジベンゾフラン-3-オール(0.50g, 1.66 mmol)溶液に加え、次いで室温で30分間撹拌する。メタノール(5 mL)中の硫酸鉄(II)ヘプタハイドレード(0.23g, 0.83 mmol)の溶液を加えた後に、室温でさらに20分間撹拌する。その後、2N塩酸(30 mL)を加え、5分間撹拌し、ジクロロメタンをロータリーエバポレーターを用いてほぼ除去する。残った水相をジエチルエーテル(4×20 mL)で洗浄し、濃アンモニアを用いてpH 12まで塩基化し、その後ジクロロメタン(4×40 mL)で抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(30 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させて、濾過し、溶媒を再びロータリーエバポレーターで除去して粗生成物を得る。これをさらにMPLC(Buchi、110g SiO2、クロロホルム:メタノール97: 3 +1% 濃アンモニア)を用いて精製し、黄色油状物質を得る (0.30g, 63% d. Th.)。シュウ酸塩を通常の方法で製造し、無色の結晶として得る;0.37g、59% d. Th, m.p. 127-129°。純度は、TLC(クロロホルム:メタノール=9: 1 +1% 濃アンモニア、Rf=0.35)によってチェックされる。
[α] D 20=‐41.8°(0.220g/100 mL H2O)(シュウ酸塩)
C17H21NO3 * 1.0 C2H2O4 * 0.5 H2O
Calcd.: C, 59.06; H, 6.26; N, 3.62
Found: C, 59.35; H, 6.00; N, 3.56
1H-NMR (CDCl3): δ 6.88 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.75 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.15-5.82 (m, 3H), 4.67 (b, 1H), 4.09-4.20 (m, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.68 (s, 2H), 2.52-2.49 (m, 1H), 2.42 (s, 3H), 1.97 (ddd, J = 16.2, 4.9, 2.3 Hz, 1H); 13C-NMR (CDCl3): δ 146.6 (s), 144.0 (s), 139.4 (d), 131.6 (s), 129.5 (s), 128.9 (d), 127.2 (d), 122.7 (d), 117.6 (t), 111.8 (d), 86.0 (d), 62.0 (d), 55.9 (q), 52.8 (t), 51.1 (s), 36.0 (q), 28.8 (t)
実施例6:(3R,4aS,9bS)-9-ジメチルアミノメチル-9b-エチル-6-メトキシ-3,4,4a,9b-テトラヒドロ-ジベンゾフラン-3-オール;(=10,11-セコ-10-メチル-ガランタミン)
Figure 2009508903
活性炭(90mg)上のパラジウム(10%)を、10psi、室温のパー装置中で、メタノール(40 mL)及び濃酢酸(2 mL)中で45分間、予め水素化させる。(3R,4aS,9bS)-9-ジメチルアミノメチル-6-メトキシ-3,4,4a,9b-テトラヒドロ-9b-ビニル-ジベンゾフラン-3-オール(0.90g, 2.99mmol)を加えた後、15-20psi及び室温で8時間水和させる。その後、触媒を濾過し、溶媒をロータリーエバポレーターにより除去する。次いで、残渣を水(100 mL)に溶解し、濃アンモニアを使って塩基化し、ジクロロメタン(5×40 mL)を用いて抽出する。合わせた水相を飽和塩化ナトリウム溶液(2×20 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、溶媒をロータリーエバポレーターにより除去する。次いで、それをさらにMPLC(Buchi、110g SiO2、クロロホルム:メタノール=98:2 +1% 濃アンモニア)を用いて精製して、無色の油状物質(0.80g、88%)を得て、これを塩酸塩に転化する。m.p. 248-249°。[α]D 20=‐47.3°(0.220g/100mL H2O)。TLCクロロホルム:メタノール=9:1 +1%濃アンモニア、Rf=0.45。
C18H25NO3 * 2.0 HCl
Calcd.: C, 57.45; H, 7.23; N, 3.72
Found: C, 57.95; H, 6.85; N, 3.48
1H-NMR (CDCl3): δ 6.78 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.67 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.12 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 5.89 (dd, J = 10.2, 4.3 Hz, 1H), 4.74 (b, 1H), 4.19-4.09 (m, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.54 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 3.19 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 2.53-2.32 (m, 1H), 1.94-2.13 (m, 2H), 1.69 (ddd, J = 16.2, 4.9, 2.3 Hz, 1H), 0.85 (t, J = 7.6 Hz, 3H); 13C-NMR (CDCl3): δ 146.8 (s), 144.4 (s), 131.6 (d), 128.2 (s), 127.7 (d), 123.6 (d), 110.6 (d), 83.8 (d), 62.7 (d), 61.6 (s), 55.7 (q), 51.1 (s), 45.2 (q), 31.6 (t), 27.5 (t)
実施例7:3.3.4. (3R,4aS,9bS)-9b-エチル-9-メチルアミノメチル-6-メトキシ-3,4,4a,9b-テトラヒドロ-ジベンゾフラン-3-オール;(=10,11-セコ-ガランタミン)
Figure 2009508903
(3R,4aS,9bS)-9-ジメチルアミノメチル-9b-エチル-6-メトキシ-3,4,4a,9b-テトラヒドロ-ジベンゾフラン-3-オールを使用して実施例6の手順に従い、純粋な生成物を黄色油状物質(0.17g、59% d. Th.)として得て、シュウ酸塩及びフマル酸塩に転化する。
M.p. (シュウ酸塩) 162-164°、[α]D 20=‐51.2°(0.146g/100 mL H2O) (シュウ酸塩)。
TLCクロロホルム:メタノール=9:1 +1% 濃アンモニア、Rf=0.39
フマル酸塩:
C17H23NO3 * 1 C4H4O4 * 0.33 H2O
Calcd.: C, 61.31; H, 6.78; N, 3.40
Found: C, 61.22; H, 6.67; N, 3.22
シュウ酸塩
C17H23NO3 * 1 C2H2O4 * 0.25 H2O
Calcd.: C, 59.44; H, 6.69; N, 3.65
Found; C, 59.53; H, 6.78; N, 3.65
1H-NMR (CDCl3):δ 6.85 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.73 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.97-5.92 (m, 2H), 4.74 (dd, J = 5.8, 3.5 Hz, 1H), 4.22-4.12 (m, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.74 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 2.48 (s, 3H), 2.45-2.28 (m, 2H), 2.20-1.62 (m, 5H), 0.85 (t, J = 7.46, 3H); 13C-NMR (CDCl3): δ 146.6 (s), 144.2 (s), 131.1 (s), 131.0 (d), 128.9 (s), 128.8 (d), 122.3 (d), 111.1 (d), 83.8 (d), 62.8 (d), 55.8 (q), 51.0 (s), 36.3 (q), 32.5 (t), 29.1 (t)
実施例8:(4aS,6R,8aS)-4a,5,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-3-メトキシ-11-メチル-6H-ベンゾフロ[3a,3,2-ef][2]ベンズアゼピン-6-イル-β-D-グルコピラノシドウロン酸 (=ガランタミン-3-グルクロニド)
Figure 2009508903
工程1:メチル1,2,3,4-テトラ-O-イソブチリル-β-D-グルコピランウロネート(2)
MeOH(150 mL)中のNaOMe(26mg, 0.48 mmol)の溶液に、グルクロノ-6,3-ラクトン(20.6g, 154 mmol)を数回に分けて加え、溶けるまで撹拌した。その後、溶媒を減圧除去し、ピリジン(85 mL, 1.08mol)中に残渣を回収し、その溶液を0℃に冷却した。次いで、CH2Cl2(70 mL)中のイソブチリルクロライド(110 mL, 1.06mol)を、温度が10℃より低く保たれるような速度で激しく撹拌器で撹拌しながら加え、反応混合液は室温で一晩放置した。その後、さらにCH2Cl2(100 mL)を加え、この溶液を水(400 mL)、2M HCl(3×50 mL)、飽和重炭酸ナトリウム(5×50 mL)及び塩水(50 mL)で洗浄した。乾燥、濾過、及び減圧溜去の後、ゴム状物質が得られ、これを石油エーテル(40-60℃)と研和して結晶化した。濾過し、真空オーブン中、40℃で乾燥させて、表題生成物を得た。MeOH又は石油エーテルから再結晶して純粋なβ異性体 2 を針状結晶として得た;mp 127℃ (21.6g、37%:母液からさらに生成物を単離可能かもしれない)
[α]D = +11.12 (c 1.7 CHCl3); δH (300 MHz, CDCl3): 5.78 (d, J=8 Hz), 5.39 (t, J=9.5 Hz), 5.25 (t, J=9.5 Hz), 5.23 (dd, J=9.5, 8 Hz), 4.19 (d, J=9.5 Hz), 3.75 (s, OMe), 2.65-2.45 (m, 4×CHMe2), 1.17-1.07 (m, 4×CHMe2).
ピバロイルクロライドを用いるもう1つの代用法も使用し、21%のでメチル1,2,3,4-テトラ-O-ピバロイル-β-D-グルコピランウロネートを製造した(化合物2の単離及び結晶化はより容易であった)。
工程2:メチル2,3,4-トリ-O-イソブチリル-D-グルコピランウロネート(3)
水酸化ナトリウムのベッドを通過させることによって予め乾燥させたアンモニアガスを、‐4℃で1時間以上、温度が0℃より低く保たれるような速度で、CH2Cl2(200mL)中にバブリングした。上記のメチル1,2,3,4-テトラ-O-イソブチリル-β-D-グルコピランウロネート(3.0g, 8 mmol)を加え、その溶液を0℃で3時間撹拌し、その後室温に20時間放置した。この溶液に窒素ガスを30分間バブリングし、それを氷冷10% HCl水溶液、次いで水で抽出した。有機相をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去し、粗生成物を得た。CHCl3:PEから再結晶して純粋な微晶質α-エピマーを得た;mp 89℃。
δH (300 MHz, CDCl3): 5.65 (t, J=10 Hz), 5.54 (d, J=3.5 Hz), 4.92 (dd, J=10,3.5 Hz), 4.60 (d, J=10 Hz), 3.75 (s, OMe), 2.61-2.43 (m, 4×CHMe2), 1.20-1.05 (m, 4×CHMe2).
工程3:メチル2,3,4-トリ-O-イソブチリル-1-O-トリクロロアセトイミドイル-β-D-グルコピランウロネート(4)
CH2Cl2(5 mL)中のメチル2,3,4-トリ-O-イソブチリル-D-グルコピランウロネート 3 (418g、1 mmol)溶液を撹拌しながら、そこにトリクロロアセトニトリル(0.4 mL, 3.7 mmol)、次いで無水炭酸カリウム(83mg、0.6 mmol)を加え、混合液を40時間撹拌した。これをシリカのショートパッドで濾過し、エーテルで溶出した。その後、濾過及び減圧溜去により表題生成物4を半結晶性ゴムとして得て、これを乾燥イソプロパノールから結晶して白いプリズム晶を得た;mp 108℃ (422mg, 75%)。
δH (300 MHz, CDCl3): 8.72 (s, NH), 6.66 (d, J=3.5 Hz), 5.70 (t, J=10 Hz), 5.30 70 (t, J=10 Hz), 5.20 (dd, J=10,3.5 Hz), 4.51 (d, J=10 Hz), 3.75 (s, OMe), 2.60-2.43 (m, 3×CHMe2), 1.17-1.06 (m, 3×CHMe2).
工程4:ガランタミン-6-メチル 2,3,4-トリ-O-イソブチリル-β-D-グルコピランウロネート(5)
乾燥ガランタミンハイドロブロミド(92mg, 0.25 mmol)及び上記のメチル 2,3,4-トリ-O-イソブチリル-1-O-トリクロロアセトイミドイル-β-D-グルコピランウロネート 4 (282mg, 0.5 mmol)の乾燥CH2Cl2(10 mL)中の懸濁液に 4Åのモレキュラーシーブを加えて、アルゴン下、室温で撹拌しながら、BF3・ET2O (0.1 mL、0.5 mmol)を加えた。1時間後、実質的に出発物質はすべて溶解し、撹拌を2日間継続した。さらにCH2Cl2(20 mL)を加え、溶液を乾燥させる前に、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10 mL)、水及び塩水で洗浄した。濾過及び減圧溜去して半固体の残渣を得て、これをシリカ上のMPLCで精製した。CHCl3/MeOH 97:3-20で溶出して75mgのグルクロニドを得た。EtOHと研和して30mgの純粋な5を得た。
工程5:(4aS,6R,8aS)-4a,5,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-3-メトキシ-11-メチル-6H-ベンゾフロ[3a,3,2-ef][2]ベンズアゼピン-6-イル-β-D-グルコピラノシドウロン酸 (ガランタミン-3-グルクロニド) (6)
2M-NaOH(2.0 mL)をMeOH(4 mL)中のグロクロネート5 (30mg)の撹拌懸濁液に加え、混合液を一晩放置した。この溶液をその後、氷酢酸でpH 5.5まで酸性化し、溶媒を溜去して、シリカ上でCHCl3: MeOH(乾燥NH3で飽和)95:5を用いて精製した。生成物フラクションを凍結乾燥して、14mgの6を白色粉末として得た:m.p. 238°(分解)。
1H NMR (MeOD, 200 MHz): 1.63-1.73 (m, 1H), 2.02-2.21 (m, 2H), 2.38 (s, 3H), 2.43-2.53 (m, 1H), 2.99-3.06 (m, 1H), 3.19-3.33 (m, 1H), 3.47-3.49 ( m, 1H), 3.65-3.71 (d, 1H, J= 14.9 Hz), 3.78 (s, 3H), 4.05-4.13 (d, 1H, J= 14.9 Hz), 4.58 (m, 1H), 5.85-5.94 (dd, 1H, J2= 4.8 Hz, J2= 10.2 Hz), 6.15-6.21 (d, 1H, J2= 10.2 Hz), 6.63-6.77 (m, 2H)
13C NMR (MeOD, 200 MHz): 23.22, 28.65, 34.57, 42.02, 43.33, 48.09, 54.03, 55.64, 60.43, 88.54, 112.18, 122.30, 127.16, 127.70, 128.64, 133.49, 144.65, 146.39
実施例9:ガランタミン-3,6-ジ-β-D-グルクロニド
Figure 2009508903
工程1:ガランタミン-3,6-ジ(メチル 2,3,4-トリ-O-イソブチリル-β-D-グルコピランウロネート(7)
乾燥CH2Cl2(10 mL)中のサンギニン(137mg, 0.5 mmol)及び上記のイミデート4 (1.12g、2 mmol)を使用すること以外はガランタミン-6-メチル 2,3,4-トリ-O-イソブチリル-β-D-グルコピランウロネートの製造手順に従い、類似の後処理の後に半固体の残渣を得て、これをシリカ上のMPLCで精製した。CHCl3/MeOH 97:3-20で溶出して粗生成物(180mg)を得た。EtOHで研和して、130mgの純粋な生成物7を得た。
工程2:ガランタミン-3(6-β-D-ジグルクロニド(8)
MeOH(4 mL)中の上記グロクロネート 7 (130mg)の懸濁液を撹拌しながら、2M-NaOH(2.0 mL)を加え、混合液を一晩放置した。この溶液をその後、氷酢酸でpH 5.5に酸性化し、溶媒を凍結乾燥によって除去し、生成物をシリカ上でCHCl3: MeOH(乾燥NH3で飽和)95:5を用いたクロマトグラフィーにかけて、48mg (63.5%)の生成物 8を得た。
1H NMR (CDCl3, 200 MHz): 1.60-1.72 (m, 2H), 1.82-2.6 (m, 10 H), 2.88-3.30 (m, 3H), 3.50-3.67 (m, 6H), 3.80-4.20 (m, 3H), 4.30-4.70 (m, 1H), 4.94-5.30 (m, 6H), 5.76-6.21 (m, 2H), 6.42-6.56 (m, 1H), 6.74-6.86 (m, 1H)
実施例10:3-ニコチノイル-ガランタミン
Figure 2009508903
乾燥ピリジン(25 mL)中のガランタミン(431mg, 1.5 mmol)の溶液を0℃で、ニコチノイルクロライド(240mg, 1.7 mmol)及び4-N,N-ジメチルアミンピリジン(5mg)で処理し、溶液を室温で2時間撹拌した後、1時間45℃に加熱した。反応混合液を水(150 mL)に注ぎ、pH を8.0に調節した後、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出液を水及び塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)させて溜去し、粗生成物(480mg, 81.5%)を得た。
13H NMR (DMSO-d6) δ 27.7, 34.3, 41.7, 47.8, 53.6, 55.9, 60.3, 63.2, 86.2, 111.5, 121.3, 122.1, 122.7, 126.0, 129.2, 130.6, 131.9, 136.4, 143.9, 146.5, 150.4, 151.5, 166.0.
この生成物を、最少量の温40%臭化水素酸中に溶解した後に冷却してジヒドロブロミド塩に転化し、無色の結晶として得た。
Anal. calcd. for C23H24N2O4 . 2 HBr . 0.33 H2O
C 49.31; H 4.80; N 5.00.
Found C 49.10; H 5.05; N 4.85.
実施例11:(+−)-8-フルオロガランタミン:
Figure 2009508903
工程1:2-フルオロ-5-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド(1):
硫酸(50ml、95-98%)を、乾燥窒素下で撹拌しながら90-95℃に加熱し、4,5-ジメトキシ-2-フルオロベンズアルデヒド(10.1g, 54.8 mmol)を素早く加え、この混合液を同じ温度で3.5時間撹拌した。反応はHPLCで追跡し、この時点で完了していることが確認された。反応混合液をクラッシュ氷(150g)上に注ぎ、得られた白色スラリーを65℃に加熱し、冷蔵庫中で一晩冷却させた。白色沈殿を濾過し、水(2x100 ml)で洗浄した。ウェットケーキをデシケーター中で減圧乾燥し、オフホワイト色の結晶として生成物を得た(7.6g, 82%, HPLC 95%, m.p.: 146-148)。
工程2:4-フルオロ-5-[[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチルアミノ]-メチル]-2-メトキシ-フェノール(2):
乾燥トルエン(250ml)及びn-ブタノール(250ml)中の、1(7.6g, 45 mmol)及びチラミン(6.7g, 49 mmol)の溶液を、ディーン−シュタルク装置で5時間、撹拌下、加熱還流し、水を除去した。反応の進行はTLC (MeOH:CH2Cl2 1:9)で調節し、この時点で反応が完了していることが確認された。溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を乾燥メタノール(500ml)に溶解した。0‐5℃の温度でNaBH4(1.8g, 45 mmol)を加え、この混合液を一晩撹拌し、その間に温度は室温まで上がり、白色固体が反応混合液から沈殿した。この固体を濾過し、冷メタノール(2x50 ml)で洗浄した。この白色のウェットケーキをデシケーター中で減圧乾燥し、白色粉末として生成物(9.6g, 74%, HPLC>99%)を得た。濾液をロータリーエバポレーター処理して褐色のスラリー(3.6g)を得て、これはシリカ上でクロマトグラフィーにかけ(ジクロロメタン/メタノール、0‐10%勾配)、別の生成物(2.5g, 19%, HPLC>99%)をオフホワイト色の粉末として得た (全収率93%、m.p.:160-162℃)。
1H NMR (MeOD, 200 MHz): 2.69 (s, broad, 4H), 3.66 (s, 2H), 3.80 (s, 3H), 6.66-6.77 (m, 4H), 6.96-7.00 (m, 2H).
工程3:N-[(2-フルオロ-5-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)メチル]-N-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]-(ホルムアミド(3):
ジオキサン(50ml)中の2(7.63g, 26.1 mmol)の懸濁液に、ギ酸エチル(3.1ml, 37.7 mmol)、DMF(1.5ml)及びギ酸(0.25ml, 6.62 mmol)の溶液を滴下混合し、反応混合液をアルゴン下で10時間、加熱還流した。反応の進行はHPLCで調節し、この時点で転化が完了していることが示された。揮発性物質を減圧除去し、残渣をメタノール(32ml)に溶解し、クラッシュアイス(160ml)上に注いだ。できた白色沈殿を1時間、磁石式撹拌器で撹拌し、濾過し、水(3x100 ml)で洗浄し、重量測定用に乾燥して、白色粉末として生成物を得た(6.8g, 81.3%, HPLC>99%, m.p.:153-168℃)。
1H NMR (DMSO, 200 MHz): 2.49-2.67 (m, 2H), 3.15-3.29 (m, 2H), 3.75 (s, 3H), 4.28-4.35 (d, 2H, J2= 13.89 Hz), 6.64-6.95 (m, 6H), 7.84 (s, 0.5 H), 8.20 (s, 0.5 H), 8.95-9.00 (d, 1H, 10.17 Hz), 9.18-9.20 (d, 1H, J= 2.44 Hz).
工程4:4α,5,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-1-フルオロ-3-メトキシ-11-ホルミル-6H-ベンゾフロ[3a,3,2-ef ]ベンズアゼピン-6-オン(4):
トルエン(580ml)及び水(120ml)中の炭酸カリウム(13.2g, 95.5 mmol)及びカリウムヘキサシアノ鉄(28g, 85.4 mmol)の二相性混合液を予め50℃に加熱して激しく撹拌しているところへ、微細粉末化した 3 (6.83g, 21.4 mmol)を一度に加え、この懸濁液を50-60℃に加熱しながら1時間激しく撹拌した。この後、反応混合液をセライトパットで濾過し、トルエン相を分離し、水相はトルエン(2x100 ml)で抽出した。合わせた有機相を乾燥(Na2SO4)してロータリーエバポレーターで減圧溜去して生成物を白色粉末として得た (1.3g, 19%, HPLC 98%)。
1H NMR (DMSO, 200 MHz): 1.75-1.93 (m, 1H), 2.15-2.30 (m, 1H), 2.73-2.83 (m, 1H), 3.00-3.12 (m, 1H), 3.40 (s, 4H), 3.98-4.13 (m, 1H), 4.28-4.35 (m, 0.5 H), 4.51-4.97 (m, 2H), 5.27-5.34 (d, 0.5 H, J= 15,45 Hz), 5.94-6.00 (d, 1H, J= 10.37 Hz), 6.77-6.86 (m, 1H), 7.15-7.26 (m, 1H), 8.10-8.15 (d, 1H, J= 8.99 Hz)
13C NMR (DMSO, 200 MHz): 34.02, 37.21, 37.32, 45.45, 49.33, 49.53, 56.05, 87.29, 100.20, 100.34, 100.77, 100.90, 114.55, 114.93, 115.08, 126.66, 130.83, 130.93, 143.12, 143.43, 143.64, 143.76, 144.29, 144.52, 162.39, 162.62, 194.77.
工程5:1-ブロモ-4a,5,9,10-テトラヒドロ-3-メトキシ-スピロ[6H-ベンゾフロ[3a,3,2-ef][2]ベンズアゼピン-6,2'-[1,3]ジオキソラン]-11(12H)-カルボキサルデヒド(5):
トルエン(10ml)中の4(1.084g, 3.42 mmol)溶液に、1,2-プロパン-ジオール(1.13ml)中の4-トルエンスルホン酸(0.02g, 0.116 mmol)溶液を加え、この混合液を1時間加熱還流しながらディーン=シュタルク装置を使用して水を除去した。1,2-プロパンジオール(0.65ml)中4-トルエンスルホン酸(0.05g)をさらにを加えて、さらに5時間加熱を続けた。反応の進行はHPLCで調節し、この時点で反応が完了していることが確認された。反応混合液を室温に冷却し、酢酸(2x25 ml、10%水溶液)、炭酸水素ナトリウム(2x25 ml、10%水溶液)及び塩水(1x25 ml)で抽出した。トルエン溶液を乾燥し(Na2SO4)、溜去して、コハク油として粗生成物(1.32g)を得た。これをi-プロパノール及びリグロインを用いて結晶化し、無色結晶として、生成物(0.92g, 72%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 200 MHz): 0.74-2.66 (m, 10 H), 2.98-4.86 (m, 8 H), 5.44-5.74 (m, 1H), 6.34-6.39 (m, 1H), 7.98-8.03 (m, 1H).
(±)-8-フルオロ-ナルウェジン(6):
乾燥THF(15ml)中の5(0.91g, 2.43 mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(1.21ml, THF中2.3mol懸濁液)を乾燥窒素を継続して吹き付けながら0-5℃で加え、この混合液を1時間撹拌した。もう一回、水素化アルミニウムリチウム(0.605ml, THF中2.3mmol懸濁液)を加え、さらに1時間撹拌を続け、その間に温度を徐々に室温まで上げた。反応の進行はHPLCで調節し、この時点以降、出発物質は検出されなかった。反応混合液に水/THF 1:1(20ml)を加えて反応を止め、揮発物質を減圧除去した。残渣を2N塩酸(25ml)に溶解し、室温で30分間撹拌した。その後、透明溶液をアンモニア処理してpH 12にし、酢酸エチル(3x50 ml)で抽出した。合わせた有機相を乾燥し(Na2SO4)、チャコール処理して濾過し、溜去して720mgの粗生成物を褐色油として得た。シリカ上のクロマトグラフィーでMeOH:CH2Cl2 5:95中の7N NH3を溶媒として使用して、生成物をコハク油として得た(590mg、収率80%、HPLC 97%)。
1H NMR (CDCl3, 200 MHz): 1.77-1.84 (m, 1H), 2.09-2.24 (m, 1H), 2.38 (s, 3H), 2.60-2.71 (m, 1H), 2.98-3.11 (m, 3H), 3.64-3.72 (m, 4H), 4.03-4.11 (d, 1H, J= 15.65 Hz), 4.65 (s, 1H), 5.93-5.98 (d, 1H, J= 10.56 Hz), 6.40-6.46 (d, 1H, J= 11.34 Hz), 6.84-6.89 (m, 1H)
13C NMR (CDCl3, 200 MHz): 33.41, 37.22, 43.18, 49.42, 49.46, 51.91, 51.99, 54.13, 56.20, 88.12, 99.99, 100.58, 114.98, 115.34, 127.31, 131.33, 131.43, 142.84, 143.51, 143.71, 144.11, 152.42, 157.18, 194.13.
(±)-8-フルオロガランタミン(7):
乾燥THF(30ml)中の6(500mg, 1.64 mmol)の溶液に、L-セレクトリド(1.50ml、THF中1M溶液)を乾燥窒素下、‐5から0℃で滴下混合し、この混合液を同じ温度で30分間撹拌した。反応はHPLCでモニターし、この時点以降、出発物質は検出されなかった。水/THF 2:1(50ml)を加えて反応を止め、溶媒を減圧除去した。残渣を2N塩酸(100ml)に溶解し、冷蔵庫中に一晩置いた。その後、この水溶液をジエチルエーテル(2x30 ml)で洗浄し、アンモニアを加えてpH 12にした。水相を酢酸エチル(3x100 ml)を用いて抽出し、合わせた有機相を塩水(50ml)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、溜去して、透明なわずかに黄色い油状物質として粗生成物(515mg)を得て、これをシリカ上のクロマトグラフィーによりMeOH:CH2Cl2 9:1を使用して精製し、白色粉末として生成物(0.46g, 92%, HPLC>99%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): 1.25 (s, 1H), 1.55-1.67 (m, 1 H), 1.92-2.10 (m, 2 H), 2.41 (s, 4H), 2.62-2.70 (m, 1H), 2.98-3.29 (m, 2H), 3.72-3.78 (d, 1H), 3.81 (s, 3H), 4.07-4.20 (m, 2H), 4.60 (s, 1H), 6.03 (s, 2H), 6.47-6.49 (d, 1H),
13C NMR (CDCl3, 400 MHz): 30.11 (C-5), 34.31 (C-9), 43.10 (N-CH3), 49.21 (C-8a), 52.15 (C-10), 54.32 (OCH3), 56.55 (C-12), 62.37 (C-6), 89.29 (C-4a), 99.86 (C-2), 100.16 (C-12a), 126.89 (C-12b), 134.25 (C-8), 134.30 (C-7), 142.09 (C-3a), 144.23 (C-3), 154.31 (C-1), 156.69 (C-1).
(‐)-8-フルオロガランタミン
(±)-8-フルオロガランタミンのエナンチオマーをキラル分離用カラムクロマトグラフィー(キラセルOD、5μm、5 50cm、80% n-ヘプタン/20% i-PrOH)を使用して分離し2つの異性体を得て、それらを対応する臭化水素酸塩に転化した。このキラル分離の進行及び結果はキラルHPLC(キラセル I OD-H、80% n-ヘプタン + 0.1%のジエチルアミン/20% i-PrOH)により分析した。(‐) 2・HBrの結晶構造を測定して、(‐)-8-フルオロガランタミンが(‐)ガランタミンと同じ絶対配置を有するという予想を確認するに至った
実施例12 ガランタミン、2-プロピルペンタノエート(エステル)
(‐)ガランタミン(287mg, 1mmol)、2-プロピル-ペンタン酸(216mg, 1.5 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(244mg, 2mmoles)を乾燥CH2Cl2に加え、5分間撹拌する。ジシクロヘキシルカルボジイミド溶液(DCC、CH2Cl2中1M溶液を2ml)を徐々に加え、混合液をアルゴン下で20時間撹拌した。反応完了後(TLC、MeOH/CH2Cl2 10:90、リンモリブデン酸による可視化により測定)、沈殿をハイフロ(= 珪藻土)を使用して濾過し、濾液を10% NaHCO3及び水で洗浄した。有機相を溜去し、得られた粗生成物を、UV検出装置を備えた分離用クロマトグラフィーで、0‐8%のメタノール勾配及び塩化メチレンを使用して精製した。純粋な生成物は適当なフラクションの溜去により白色固体として単離された。
1H NMR (CDCl3): 0.84 (6H, m); 1.28 (6H, m); 1.57 (3H, m); 2.20 (6H, m); 2.52 (1H, m); 3.11(1H, m); 3.42 (1H, m); 3.79 (4H, m); 4.28 (1H, m); 4.56 (1H, m); 5.31 (1H, m); 5.91(1H, m); 6.32(1H, m); 6.59 (2H,q).
同様の手順に従って、以下の実施例化合物が製造された:
Figure 2009508903
Figure 2009508903
実施例20:L-フェニルアラニン、N-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-、(4aS,6S,8aS)-4a,5,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-3-メトキシ-11-メチル-6H-ベンゾフロ[3a,3,2-ef][2]ベンズアゼピン-6-イル エステル
乾燥CH2Cl2(30 mL)中の(‐)ガランタミン(287mg, 1.0 mmol)溶液に、N-Boc-フェニルアラニン(400mg, 1.5 mmol)及びトリフェニルホスフィン(340mg, 1.3 mmol)をマグネチッククターラーで撹拌しながら加え、次いで反応混合液に‐10℃でジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)(270mg, 1.34 mmoles)を滴下混合した。反応液をアルゴン下、室温で一晩撹拌した。反応が完了した後(TLC - MeOH/CH2Cl2(10:90))、反応混合液を濾過し、濾液を10%NaHCO3及び水で洗浄した。有機相を溜去し、得られた粗生成物をUV検出装置を備えた分離用クロマトグラフィーで、0‐8%のメタノール勾配及び塩化メチレンを使用して精製した。純粋な生成物を含むフラクションから、溶媒溜去によりこれらが単離された。この処理により6位の酸素の配置の反転が起きる。
1H NMR (CDCl3) 1.35 (9H, s);1.60 (1H,m); 2.05(2H, m); 2.36(3H, s); 2.59 (1H, m); 2.90 (2H, m); 3.30(2H, m); 3.58 (3H, s); 3.65 (2H, m); 4.08 (1H, m); 4.42 (1H,m); 5.23 (1H, m); 5.79 (1H, m); 6.28 (1H, m); 6.54 (2H,m); 7.13 (5H,m)
実施例21:L-フェニルアラニン、(4aS,6S,8aS)-4a,5,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-3-メトキシ-11-メチル-6H-ベンゾフロ[3a,3,2-ef][2]ベンズアゼピン-6-イル エステル
L-フェニルアラニン、(4aS,6S,8aS)-4a,5,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-3-メトキシ-11-メチル-6H-ベンゾフロ[3a,3,2-ef][2]ベンズアゼピン-6-イル エステルは、実施例20で得られた化合物から塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸を用いたBoc脱保護とそれに続く通常の後処理によって製造され、白色粉末としての生成物が得られた。
1H NMR (CDCl3) 1.82 (2H,m);2.05(2H, m); 2.36(3H, s); 2.59 (1H, m); 2.90 (2H, m); 3.30(2H, m); 3.58 (3H, s); 3.65 (2H, m); 4.08 (1H, m); 4.42 (1H,m); 5.23 (1H, m); 5.79 (1H, m); 6.28 (1H, m); 6.54 (2H,m); 7.13 (5H,m)
実施例22:L-チロシン-(4aS,6R,8aS)-4a,5,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-3-メトキシ-11-メチル-6H-ベンゾフロ[3a,3,2-ef][2]ベンズアゼピン-6-イル エステル
L-チロシン-(4aS,6R,8aS)-4a,5,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-3-メトキシ-11-メチル-6H-ベンゾフロ[3a,3,2-ef][2]ベンズアゼピン-6-イル エステルは、実施例21と同様の脱保護方法を使用して、実施例13の化合物から製造された。
1H NMR (CDCl3) 1.68 (2H,m); 1.96(2H, m); 2.32(3H, s); 2.56 (1H, m); 3.01 (2H, m); 3.30(2H, m); 3.78 (3H, s); 3.65 (2H, m); 4.08 (1H, m); 4.42 (1H,m); 5.23 (1H, m); 5.79 (2H, m); 6.28 (1H, m); 6.51 (2H,m); 7.13 (4H,dd)
実施例23:L-ヒスチジン-(4aS,6R,8aS)-4a,5,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-3-メトキシ-11-メチル-6H-ベンゾフロ[3a,3,2-ef][2]ベンズアゼピン-6-イル エステル 塩酸塩
L-ヒスチジン-(4aS,6R,8aS)-4a,5,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-3-メトキシ-11-メチル-6H-ベンゾフロ[3a,3,2-ef][2]ベンズアゼピン-6-イル エステル 塩酸塩を、実施例14の化合物から脱保護用に酢酸エチル中のHClを使用して製造し、塩酸塩として生成物を単離した。
1H NMR (CDCl3) 2.34 (2H, m); 2.54 (4H, m); 2.78 (1H, m); 3.21 (4H, m); 3.79 (5H, m); 4.58 (2H, m); 5.41 (1H, m); 6.18 (1H, m); 6.48 (1H, m); 6.65 (2H, q); 7.38 (2H, m)
実施例24:(4aS,6R,8aS)-6H-ベンゾフロ[3a,3,2-ef][2]ベンズアゼピン-6-オール、4a,5,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-3-メトキシ-11-メチル-、硫酸水素塩(エステル)
Figure 2009508903
クロロスルホン酸(0.16g, 1.39 mmol)を70-80℃に予め加熱した乾燥ピリジン(1ml)に加え、同じ温度で30分間撹拌した。乾燥ピリジン(1ml)中のガランタミン(0.20g, 0.70 mmol)溶液を滴下混合し、混合液を一晩室温で撹拌し、沈殿を形成させた。MeOH/H2O 1:1(5ml)を加え、得られた透明な溶液をさらに30分間撹拌した。揮発性物質をロータリーエバポレーターで溜去し、もう一度MeOH(5ml)を加えた。得られた細かい沈殿を濾過し、生成物を白色粉末として得た(0.21g、収率82%、HPLC>99%)。
IR : 1700.59, 1652.92, 1623.93, 1617.01, 1510.15, 1475.31, 1443.53, 1299.82, 1282.40, 1266.98, 1242.70, 1217.83, 1197.48, 1155.3, 1092.40, 1070.97, 1053.15, 1023.70, 1007.21, 984.45.
図1は、(i) コリン作用増強剤として作用し、及び/又は、(ii) ガランタミンよりもより高いlogP値を有する、新規化合物の124個の化学構造及びlogP値を示すものである(ガランタミンは比較のために表4に加えてある)。

Claims (11)

  1. コリン作用増強剤分子、すなわち、コリン作動性作用物質又はAPL及び/又はコリンエステラーゼ阻害剤及び/又は神経保護剤、の脳血液関門透過性及び/又は脳対血漿分布比率を、式(III)の基本構造の残基R1、R2、R3、R4及び/又はR5のうちの少なくとも1個を修飾することにより改善し、脳中への輸送の増強及び脳中の化合物濃度の増加をもたらすための方法:
    Figure 2009508903
    但し、得られる化合物がガランタミン、ノルガランタミン、サンギニン、ノルサンギニン、リコラミン、ノルリコラミン、リコラミノン、ナルウェジン、ノルナルウェジン、3-アミノ-3-デオキシ-ガランタミン又は3-アミノ-3-デオキシ-1,2-ジヒドロ-ガランタミンではないという条件で、
    式中、<1>位と<2>位の間の結合は単結合又は二重結合を表し、また<1>から<2>及び<11>から<12>の結合は単結合又は二重結合のいずれでもよく、<10>と<11>の間の結合は単結合か又は結合無しのいずれかであり、修飾された残基R1−R5は以下のように定義される:
    R1:
    a) <3>からR1への結合が二重結合の場合、
    R1=O、NH、NOH、NOR6、N-CO-NH2、N-CS-NH2、N-C(=NH)-NH2、N-NH-フェニル、N-NHR6、N-N(R6)2、N-N=(CH2)n、但し、R6=C1-C5の非分枝又は分枝の、飽和又は不飽和のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基、及びn=2-8 であり、
    b) <3>からR1への結合が単結合の場合、
    R1=OH、SH、NH2、NHR6、N(R6)2、OR7、O-CR8R9-O-CO-CHR10-NR11R12、
    但し、R7=C1-C22の非分枝又は分枝の、(ポリ)不飽和又は飽和の、アルキル基であって任意でさらにアルコキシ基又はジアルキルアミノ基を含むことがあるアルキル基、糖若しくは糖誘導体残基(好ましくはグルクロン酸残基)、ホスホリル基、アルキルホスホリル基若しくはアリルホスホリル基、スルファチル基若しくはアルキルスルファチル基、又はCOR13、
    但し、R13=R6若しくはR7、又はピリジル基若しくはジヒドロピリジル基、又はOR6、好ましくは、メチル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基、3-ジヒドロピリジル基、4-ジヒドロピリジル基、
    R8及びR9は同一又は異なっていて、H、Me、Phのいずれかであるか、又は一緒にn=4-6のスピロ環−(CH2)n-を形成し、
    R10=H又は、R10及びR11が一緒にプロリン若しくはヒドロキシプロリン誘導体を形成しているR10及びR11を含む天然アミノ酸の側鎖、
    R11はR10と一緒にプロリン若しくはヒドロキシプロリン誘導体を形成しているか、又はHのいずれかであり、
    R12はt-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基及び他のN-保護基を含むカルバメート保護基である;
    R2:
    H、R7、又はO-CR8R9-O-CO-CHR10-NR11R12:但し、R7-R12は上記と同じ定義である;
    R3:
    H、F、Cl、Br、I、NH2、NO2、CN、CH3
    R4:
    H又はCH3
    R5:
    R4=Hの場合、R5は電子対を示す
    R4=CH3の場合、R5は水素、又はC1-C5アルキル基、CH2-O-CH3、CH2-O-CO-R6、CH2-O-CR8R9-O-CO-CHR10-NR11R12を示す:但しR6及びR8-R12は上記と同じ定義である;但し、最後のケースではすべてにおいて、窒素は付加的なプラス電荷を帯び、同時に、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硝酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、トシラート又は他の医薬上許容しうる陰イオンから選択される対イオンを伴う。
  2. 請求項1に記載の方法であって、<1>から<2>の結合は二重結合で、<3>とR1の間の結合は単結合で、<10>から<11>の結合は単結合又は結合無しであり、残基は、
    R1=OH、OCO-(3-ピリジル)(=ニコチン酸残基)、OCO-(3-メチル-3-ピリジル)、OCO-(C1-C6アルキル)、OCO-(C1-C21アルケニル)、OCO-NH-(C1-C6アルキル)、OCO-(CH2)x-NH-COO-(C1-C6アルキル)、O-CH2-O-(C1-C6 アルキル)、O-(CH2)x-OCO-(C1-C6 アルキル)、O-(CH2)x-OCO-(CH2)x-N-COO-( C1-C6 アルキル)、 O-(CH2)x-OCO-(CH2)y-アリル、OCOO-(C1-C6 アミンアルキル)、OCOO-(CH2)x-テトラヒドロフラニル、又は糖、好ましくはグルクロン酸残基、但し、x=1, 2, 3又は4、及び y=0, 1, 2, 3又は4
    R2 = H、CH3、CO-(C1-C6 アルキル)、CH2-OCO-(CH2)x-アリル、又は糖、好ましくはグルクロン酸残基、
    R3 = H、F又はBr
    R4 = H、C1-C6アルキル、好ましくはCH3、CO-(C1-C6 アルキル)、CO-(3-ピリジル)(=ニコチン酸残基)、CO-(3-メチル-3-ピリジル)、CO-(CH-メルカプトアルキル)-(CH2)x-アリル、 (CH2)x-OCO-(CH2)x-N-COO-(C1-C6 アルキル)、 (CH2)x-OCO-(CH-アリルアルキル)-N-COO-(C1-C6 アルキル)、但し、x=1, 2, 3又は4
    R5 =電子対、又は(CH2)x-O-(C1-C6 アルキル)、(CH2)x-OCO-(C1-C6 アルキル)、(CH2)x-OCO-(CH2)x-アリル、(CH2)x-OCO-(CH2)x-N-COO-(C1-C6 アルキル)、但し、x=1, 2, 3 又は4;<10>から<11>の結合が単結合の場合、窒素はプラス電荷を帯び、対イオンは塩素である。
  3. ガランタミンと比較して、脳血液関門透過性が改善されたプロドラッグ又は薬物を製造するための請求項1に定義される化合物の使用。
  4. 当該化合物がガランタミン、ノルガランタミン、サンギニン、ノルサンギニン、リコラミン、ノルリコラミン、リコラミノン、ナルウェジン、ノルナルウェジン、3-アミノ-3-デオキシ-ガランタミン又は3-アミノ-3-デオキシ-1,2-ジヒドロ-ガランタミンではないという条件で、
    ガランタミンと比較して脳血液関門透過性が改善されたプロドラッグ又は薬物としての
    式(III)の基本構造を有する誘導体:
    Figure 2009508903
    式中、<1>から<2>の結合は二重結合で、<3>とR1の間の結合は単結合で、<10>から<11>の結合は単結合又は結合無しであり、残基は、
    R1=OH、OCO-(3-ピリジル)(=ニコチン酸残基)、OCO-(3-メチル-3-ピリジル)、OCO(C1-C6アルキル)、OCO-(C1-C21アルケニル)、OCO-NH-(C1-C6アルキル)、OCO-(CH2)x-NH-COO-(C1-C6アルキル)、O-CH2-O-(C1-C6 アルキル)、O-(CH2)x-OCO-(C1-C6 アルキル)、O-(CH2)x-OCO-(CH2)x-N-COO-( C1-C6 アルキル)、 O-(CH2)x-OCO-(CH2)y-アリル、OCOO-(C1-C6 アミンアルキル)、OCOO-(CH2)x-テトラヒドロフラニル、又は糖、好ましくはグルクロン酸残基、但し、x=1, 2, 3又は4、及び y=0, 1, 2, 3又は4
    R2 = H、CH3、CO-(C1-C6 アルキル)、CH2-OCO-(CH2)x-アリル、又は糖、好ましくはグルクロン酸残基、
    R3 = H、F又はBr
    R4 = H、C1-C6アルキル、好ましくはCH3、CO-(C1-C6 アルキル)、CO-(3-ピリジル)(=ニコチン酸残基)、CO-(3-メチル-3-ピリジル)、CO-(CH-メルカプトアルキル)-(CH2)x-アリル、 (CH2)x-OCO-(CH2)x-N-COO-(C1-C6 アルキル)、 (CH2)x-OCO-(CH-アリルアルキル)-N-COO-(C1-C6 アルキル)、但し、x=1, 2, 3又は4
    R5 =電子対、又は(CH2)x-O-(C1-C6 アルキル)、(CH2)x-OCO-(C1-C6 アルキル)、(CH2)x-OCO-(CH2)x-アリル、(CH2)x-OCO-(CH2)x-N-COO-(C1-C6 アルキル)、但し、x=1, 2, 3 又は4;<10>から<11>の結合が単結合の場合、窒素はプラス電荷を帯び、対イオンは塩素である。
  5. コリン作動欠損に関連する神経組織変成疾患又は精神病若しくは神経疾患の治療用の薬物を製造するための、請求項4に記載の誘導体。
  6. 請求項4又は5に記載の誘導体であって、当該誘導体が表4に掲げられる群から選択される誘導体。
  7. 式(III)の誘導体:
    Figure 2009508903
    式中、<1>から<2>の結合、及び<3>からR1の結合、及び<10>から<11>の結合、並びに残基R1、R2、R3、R4及びR5が、表4の誘導体が得られるような方法で選択される誘導体。
  8. 請求項4から7のいずれかに記載の誘導体及びその医薬上許容しうる塩を含む医薬組成物。
  9. さらに医薬上許容しうる基材を含む、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. コリン作動欠損に関連する神経組織変成疾患又は精神病又は神経疾患を治療するための、請求項8又は9に記載の医薬組成物。
  11. 上記疾患がアルツハイマー病及びパーキンソン病、他の種類の痴呆、統合失調症、てんかん、卒中、ポリオ、神経炎、ミオパシー、低酸素状態の後の脳中の酸素及び栄養欠乏、無酸素症、仮死、心停止、慢性疲労症候群、様々な種類の中毒、麻酔、特に神経弛緩麻酔、脊髄障害、炎症、特に中枢性炎症性障害、術後譫妄及び/又は亜症候性術後譫妄、神経障害性疼痛、アルコール及び薬物乱用の後続症状、アルコール及びニコチン依存症、及び放射線療法の後続症状から選択される、請求項5に記載の誘導体又は請求項10に記載の医薬組成物。
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