JP2009507858A - キノリン誘導体および抗腫瘍薬としての使用 - Google Patents

キノリン誘導体および抗腫瘍薬としての使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、本明細書に記述される式Iの化合物、または薬学的に受容可能なその塩を提供する(式中、YはF、Cl、またはBrである)。この化合物は、効果的な抗腫瘍薬である。本発明は、式Iの化合物またはその塩を含む医薬品組成物、式Iの化合物を調製するのに有用な中間体、および式Iの化合物またはその塩を、その必要がある哺乳動物に投与するステップを含む治療方法も提供する。本発明はまた、腫瘍の処置のための、そのような化合物を含む組成物も提供する。

Description

本明細書に記述される発明は、その一部は米国国立癌研究所によって与えられたNCI−NIH助成金番号CA82341の下、政府の援助によってなされたものである。米国政府は、本発明に関してある一定の権利を有する。
本出願は、2005年9月9日に出願された、抗腫瘍薬(Antitumor Agents)という名称の米国特許出願第11/223806号のPCT出願である。
特許文献1は、下式の除草剤化合物について開示した
Figure 2009507858
(式中、Aは−CH−または−N−であり;Xはハロゲンであり;nは0、1、または2であり;Rは水素または低級アルキル基であり;Rは、数ある中でも−Hである)。これらの化合物の1つは、広葉作物における一年生および多年生イネ科雑草の制御を目的として、現在市販されている。この化合物は、下式を有する。
Figure 2009507858
非特許文献1は、マウスの充実性腫瘍に対する活性に関して、一連のキノキサリン化合物について評価した。下記の化合物(XK469と呼ぶ)は、移植可能なマウス腫瘍に対して広範活性を有することが報告された。
Figure 2009507858
この化合物は、比較的低い効力を有すること、および生体内での毒性、例えば麻痺性イレウス、GI上皮損傷、骨髄毒性、神経筋毒性、および体重減少を含めた、いくつかの望ましくない副作用をもたらすことも報告された。
特許文献2は、下式の化合物または薬学的に受容可能なその塩について、権利を主張しかつ開示している
Figure 2009507858
(式中、YはF、Cl、Br、メチル、またはメトキシである)。これらの化合物は、抗腫瘍活性を有することが報告されている。
米国特許第4,629,493号明細書 米国特許第6,867,219号明細書 Corbettら、Investigational New Drugs、16巻、129〜139頁(1998年)
現在、さらなる抗腫瘍薬が求められている。
(発明の要旨)
本発明は、有効な抗腫瘍薬である化合物を提供する。したがって、式Iの化合物または薬学的に受容可能なその塩である、本発明の化合物が提供される
Figure 2009507858
(式中、YはF、Cl、またはBrである)。
本発明は、哺乳動物における腫瘍細胞の増殖を阻害する治療方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に本発明の化合物の有効量を投与するステップを含む方法も提供する。
本発明は、哺乳動物の癌を治療するための治療方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に本発明の化合物の有効量を投与するステップを含む方法も提供する。
本発明は、医学療法における本発明の化合物の使用も提供する。
本発明は、哺乳動物の癌の治療用の薬物を製造するための、本発明の化合物の使用も提供する。
(発明の詳細な説明)
当業者なら、キラル中心を有する本発明の化合物が、光学活性な形およびラセミ体の形で存在してもよく、またそのような形に単離されてもよいことが理解されよう。いくつかの化合物は、多形性を示してもよい。本発明は、本明細書に記述される有用な性質を保有する、本発明の化合物の任意のラセミ、光学活性、多形性、または立体異性の形、あるいはこれらの混合物であって、光学活性の形がどのように調製されるのか(例えば、再結晶技法によるラセミ体の形の分割によって、光学活性な出発材料からの合成によって、キラル合成によって、またはキラル固定相を使用するクロマトグラフィー分離によって)、および本明細書に記述される標準的な試験を使用してまたは当技術分野で周知のその他同様の試験を使用して、抗腫瘍活性がどのように決定されるのかが当技術分野で周知であるものを包含することが理解される。
Yに関する特定の値はFである。
Yに関する別の特定の値はClである。
Yに関する特定の値はBrである。
式(I)の化合物の特定の基は、メチル基を保持する炭素が(R)立体配置である化合物である。
式(I)の化合物の別の特定の基は、メチル基を保持する炭素が(S)立体配置である化合物である。
本発明の好ましい化合物には、2−(4−(7−フルオロ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸;2−(4−(7−クロロ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸;2−(4−(7−ブロモ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸;および薬学的に受容可能なその塩が含まれる。
化合物が、安定な無毒性の酸または塩基塩を形成するのに十分な塩基性または酸性である場合、塩としてこの化合物を投与することが適切と考えられる。薬学的に受容可能な塩の例は、生理学的に許容される陰イオンを形成する酸で形成された有機酸付加塩であり、例えばトシル酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩、およびα−グリセロリン酸塩である。塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩、および炭酸塩を含めた、適切な無機塩も形成することができる。
薬学的に受容可能な塩は、当技術分野で周知の標準的な手順を使用して、例えばアミンなど十分塩基性の化合物を、生理学的に許容される陰イオンをもたらす適切な酸と反応させることによって、得ることができる。カルボン酸のアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム、またはリチウム)またはアルカリ土類金属(例えばカルシウム)塩も、作製することができる。
式Iの化合物は、医薬品組成物として配合することができ、選択された投与経路、即ち経口または非経口的、静脈内、筋肉内、局所、または皮下経路に適合させた様々な形で、ヒト患者などの哺乳動物宿主に投与することができる。
したがって本発明の化合物は、不活性な希釈剤や吸収可能な食用担体などの薬学的に受容可能なビヒクルと組み合わせて、例えば経口的に、全身投与することができる。これらの化合物は、硬質または軟質の殻ゼラチンカプセルに封入してもよく、錠剤に圧縮してもよく、または患者の食事の食物と共に直接取り込んでもよい。経口治療投与では、活性化合物を、1種または複数の賦形剤と組み合わせてもよく、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、およびウェハースなどの形で使用してもよい。そのような組成物および製剤は、少なくとも0.1%の活性化合物を含有すべきである。組成物および製剤のパーセンテージは、当然ながら様々でよく、好都合には所与の単位剤形の重量の約2から約60%の間でよい。そのような、治療上有用な組成物中の活性化合物の量は、有効投薬レベルが得られるような量である。
錠剤、トローチ、丸薬、およびカプセルなどは、下記の物質:トラガカントガム、アカシアガム、コーンスターチ、またはゼラチンなどの結合剤;リン酸二カルシウムなどの賦形剤;コーンスターチ、ジャガイモデンプン、およびアルギン酸などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;およびスクロース、フルクトース、ラクトース、またはアスパルテームなどの甘味剤を含有してもよく、あるいはペパーミント、ウィンターグリーン油、またはチェリーフレーバーなどの香料を添加してもよい。単位剤形がカプセルである場合は、上述のタイプの材料の他に、植物油やポリエチレングリコールなどの液体担体を含有してもよい。様々なその他の材料を、コーティングとして存在させてもよく、またはその他の手法で固体単位剤形の物理的な形を変更させるために存在させてもよい。例えば錠剤、丸薬、またはカプセルを、ゼラチン、ワックス、シェラック、または糖などでコーティングしてもよい。シロップまたはエリキシルは、活性化合物を、また甘味剤としてスクロースまたはフルクトースを、また防腐剤としてメチルおよびプロピルパラベンを、またチェリーやオレンジフレーバーなどの色素およびフレーバーを含有しもよい。当然ながら、任意の単位剤形を調製するのに使用される任意の材料は、用いられる量において、医薬品として許容されかつ実質的に無毒性であるべきである。さらに活性化合物は、徐放性製剤およびデバイスに組み込んでもよい。
活性化合物は、輸液または注射によって、静脈内または腹腔内から投与してもよい。活性化合物またはその塩の溶液は、水中で調製することができ、任意選択で無毒性の界面活性剤と混合することができる。分散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン、およびこれらの混合物中で、また油中で調製することもできる。通常の保存および使用条件下で、これらの製剤は、微生物の成長を防止する防腐剤を含有する。
注射または輸液に適した医薬品剤形は、滅菌した注射可能なまたは輸液可能な溶液または分散液の即時製剤に適合させた活性成分を含む、任意選択でリポソーム内にカプセル封入した、滅菌水溶液または分散液または滅菌粉末を含むことができる。全ての場合において、最終的な剤形は、滅菌されており、流体であり、製造および保存条件下で安定であるべきである。液体担体またはビヒクルは、例えば水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、植物油、無毒性グリセリルエステル、およびこれらの適切な混合物を含む、溶媒または液体分散媒体でよい。適正な流動度は、例えばリポソームの形成によって、分散液の場合には必要とされる粒度の維持によって、または界面活性剤の使用によって、維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、およびチオメルサールなどによってもたらすことができる。多くの場合、等張剤、例えば糖、緩衝剤、または塩化ナトリウムを含むことが好ましくなる。注射可能な組成物の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤の組成物、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの組成物での使用によって、もたらすことができる。
滅菌注射液は、必要とされる量の活性化合物を、必要に応じて上記列挙された様々なその他の成分を有する適切な溶媒に組み込み、その後、フィルター滅菌することによって調製される。滅菌注射液を調製するための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥技法であり、これによって、先に滅菌濾過された溶液中に存在する活性成分と任意の追加の所望の成分との粉末が得られる。
局所投与では、本発明の化合物は、即ちこの化合物が液体である場合、純粋な形で施用することができる。しかし一般にこれらの化合物は、固体であっても液体であってもよい、皮膚科的に許容される担体と組み合わせた、組成物または配合物として皮膚に投与することが望ましくなる。
有用な固体担体には、タルクやクレー、微結晶質セルロース、シリカ、およびアルミナなどの、微細に分割された固体が含まれる。有用な液体担体には、本発明の化合物を、任意選択で無毒性の界面活性剤の助けを借りて有効レベルで溶解しまたは分散させることができる、水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アルコール、またはグリコール、または水−アルコール/グリコールのブレンドが含まれる。芳香剤や追加の抗菌剤などの助剤を、所与の使用に向けて性質を最適化するために添加することができる。得られた液体組成物は、吸収パッドで塗布することができ、包帯およびその他のドレッシングに含浸させるのに使用することができ、またはポンプタイプもしくはエアロゾルスプレーを使用して患部に噴霧することができる。
合成ポリマーや脂肪酸、脂肪酸塩およびエステル、脂肪アルコール、変性セルロース、または変性鉱物質などの増粘剤も、使用者の皮膚に直接施用するための塗布可能なペースト、ゲル、軟膏、および石鹸などを形成するために液体担体と共に用いることができる。
式Iの化合物を皮膚に送達するのに使用することができる、有用な皮膚科組成物の例は、当技術分野で知られており、例えばJacquetら(米国特許第4608392号)、Geria(米国特許第4992478号)、Smithら(米国特許第4559157号)、およびWortzman(米国特許第4820508号)を参照されたい。
式Iの化合物の有用な投薬量は、動物モデルにおけるその生体外活性と生体内活性とを比較することによって決定することができる。マウスおよびその他の動物における有効投薬量を、ヒトに当てはめて推定する方法は、当技術分野で知られており、例えば米国特許第4938949号を参照されたい。
治療での使用に求められる、化合物またはその活性な塩もしくは誘導体の量は、選択された特定の塩に応じてだけではなく、投与経路、治療される状態の性質、患者の年齢および状態に応じて様々に変わることになり、最終的には主治医または臨床医の裁量で判断されることになる。
化合物は、例えば単位剤形当たり活性成分を5から1000mg/m、好都合には10から750mg/m、最も好都合には50から500mg/m含有する単位剤形で投与することが、好都合である。
所望の用量は、好都合には単回用量で、または適切な間隔、例えば1日に2回、3回、4回、またはそれ以上の部分用量として投与する分割用量で存在させてもよい。部分用量そのものを、例えば何回か別々に大きく間隔をあけて投与するように、さらに分割してもよい。
本発明の化合物は、有効な抗腫瘍薬であり、XK469に比べてより高い効力および/または低い毒性を有する。好ましくは本発明の化合物は、(R)XK469よりも効力があり毒性が少なく、かつ/またはXK469が遭遇する異化代謝の可能性がある部位を回避し、即ちXK469とは異なる代謝プロファイルを有する。
本発明は、癌を有する哺乳動物に、本発明の化合物または組成物の有効量を投与するステップを含む、哺乳動物の癌を治療するための治療方法を提供する。哺乳動物には、霊長類、ヒト、げっ歯類、イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ウマ、ブタ、ヤギ、およびウシなどが含まれる。癌は、任意の様々なタイプの悪性新生物を指し、例えば結腸癌、乳癌、メラノーマ、および白血病を指し、一般に、望ましくない細胞増殖、例えば未制御の増殖、分化の不足、局所組織侵襲、および転移によって特徴付けられる。
本発明の化合物が癌を治療する能力は、当技術分野で周知のアッセイを使用することによって決定することができる。例えば、治療プロトコルの設計、毒性評価、データ解析、腫瘍細胞死滅の定量、および移植可能な腫瘍のスクリーンの使用の生物学的有意性が、文書化されている。さらに、化合物が癌を治療する能力は、以下に記述される試験を使用して決定することができる。
実験#2877Aでは、下記の一般的方法を用いた。
(腫瘍および動物の維持)
哺乳動物腺癌16/Cを、研究で使用した。腫瘍を、原系CHのマウス株中で(哺乳動物腫瘍用)維持した。各実験ごとの個々のマウスの体重は、5グラム以内であり、全てのマウスは治療開始時に17グラムを超えていた。これらのマウスに、食物および水を適宜供給した。
(充実性腫瘍の化学療法)
動物をプールし、第0日に12ゲージのトロカールによって30から60mgの腫瘍断片を皮下移植し、再びプールした後に、様々な治療および対照群に無差別分布させた。初期段階治療では、細胞数が比較的少ない間に(10から10細胞)、腫瘍移植後1から3日以内に化学療法を開始した。腫瘍を、ノギスで毎週2回測定した。腫瘍が1500mgに達したら、マウスを犠牲にした。腫瘍の重量は、二次元測定から推定される。
腫瘍重量(単位:mg)=(a×b)/2
(式中、aおよびbは、それぞれ腫瘍の長さおよび幅(単位:mm)である。)
(充実性腫瘍に関する抗腫瘍活性を評価するためのエンドポイント)
下記の定量エンドポイントを使用して、抗腫瘍活性を評価した。
a)腫瘍増殖遅延(T−C値)、但しTは、所定のサイズに到達するのに治療群の腫瘍で必要とされるメジアン時間(単位:日)であり、Cは、対照群の腫瘍が同じサイズに到達するためのメジアン時間(単位:日)である。腫瘍フリーの生存体を、これらの計算から除外する(治療は別に作表する)。この値は、腫瘍細胞の死滅の定量を可能にするので、抗腫瘍効果の重要な基準である。
b)皮下(SC)増殖腫瘍に関する腫瘍細胞死滅の計算。log10細胞死滅は、下式から計算した
Figure 2009507858
(式中、T−Cは、上述の腫瘍増殖遅延であり、Tdは、腫瘍値倍加時間(単位:日)であり、これらは、指数増殖(100から800mg範囲)の対照群腫瘍の対数線形増殖プロットからの、最良適合直線から推定されたものである)。治療後の腫瘍再増殖(Rx)のTdは、未治療対照マウスの腫瘍のTd値に近似するので、T−C値からlog10細胞死滅への変換が可能である。
腫瘍増殖遅延(T−C値)から対数腫瘍細胞死滅への変換の問題は、先に研究され特許を受けたこのXK469系において、薬剤の5つによって多数の治癒が得られたので、この系で正当化される。治癒は、腫瘍細胞死滅の明らかな徴候である(腫瘍細胞複製の停止ではない)。
選択されたケースでは、履歴生体内評価データ並びに本明細書に示されるデータの両方に関し、著しく異なる試験スケジュールの試みから得た対数死滅数を比較することが価値あるものである。この目的で、活性の表を作成したが、それを以下に示す。活性の評点である+++から++++は、マウスのほとんどの移植済み充実性腫瘍の、100から300mgサイズの質量の部分退行(PR)または完全退行(CR)を引き起こすのに、必要であることに留意されたい。このように、活性の評点+または++は、通常の臨床基準により活性であるとは記録されない。PRは、腫瘍質量が治療前のサイズの50%未満に減少したことを示す。CRは、腫瘍質量が触診できるサイズに至らない程度まで減少したことを示す(即ち、検出可能な質量がゼロにまで減少した)。
Figure 2009507858
対照群の腫瘍サイズが約700から1200mgに達したときに、治療群および対照群を測定した(群のメジアン)。T/C値(単位:パーセント)は、抗腫瘍効果の指標である:T/C=0%は、腫瘍増殖が無いことを意味する。T/C=100%は、抗腫瘍活性が無いこと、即ち治療および対照の腫瘍が均等に増殖することを意味する。42%以下であるT/Cは、the Drug Evaluation Branch of the Division of Cancer Treatment(NCI)によって有意な抗腫瘍活性であると見なされる。T/C値<10%は、非常に有意な抗腫瘍活性を示すと見なされ、毒性、配合、および一部のその他の要件が満たされる場合に、臨床試験を正当化するためにNCIによって使用されるレベルである(DN−2レベル活性と呼ぶ)。体重損失の最下点(群の平均)が20%を超えるとき、または20%を超える薬物死は、ほとんどの1回の試験で過剰に毒性が投薬されたことを示すと見なされる。
次に本発明を、下記の非限定的な実施例により例示する:
(実施例1)
(R)−2−(4−(7−ハロ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸の合成
Figure 2009507858
(E)−3−エトキシ−N−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)アクリルアミド(3a)
Figure 2009507858
6−フルオロ−o−アニシジン(2a)(5.08g、36mmol)、DMAP(0.44g、3.6mmol)、およびピリジン(25mL)の混合物を、氷浴内で1時間撹拌した。濃縮後、水(50mL)およびAcOEt(100mL)を添加した。濃HClを、pH1になるまで添加した。抽出をAcOEtで行い、有機層を、2mLの1M HClを含有する25mLの飽和NaCl、5mLのNaHCOを含有する25mLの飽和NaCl、最後に25mLの飽和NaClで順次洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、1:1、次いで2:1のヘキサン−AcOEtの溶媒系を使用してシリカゲルのカラムに通すことにより精製した。生成物を、10:1 4:1 2:1の溶媒系の組合せを使用するカラムクロマトグラフィーによってさらに精製した。生成物を、冷却した10:1のヘキサン−AcOEtから再結晶させることにより、オフホワイトの結晶が得られた(3.16g、収率37%)。
Figure 2009507858
7−フルオロ−8−メトキシキノリン−2−オール(4a)
Figure 2009507858
(E)−N−(3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−3−エトキシプロペンアミド(3a)(3.16g、13.2mmol)、および濃HSO 25mLの混合物を、室温で一晩撹拌した。溶液を氷上に注ぎ、pH5になるまで濃NHを添加して、生成物を析出させた。この混合物を濾過し、洗浄し、乾燥することにより、生成物が白色固体として得られた(2.55g、収率87%)。
Figure 2009507858
2−クロロ−7−フルオロ−8−メトキシキノリン(5a)
Figure 2009507858
7−フルオロ−8−メトキシ−2−キノリノール(4a)(2.26g、11.7mmol)およびPOCl(5.5mL、60mmol)の混合物を、1.5時間還流した。内容物を濃縮し、NaHCOで中和し、この混合物を、水およびAcOEtと共に加熱した。溶液を濾過して、溶解していない不純物を除去し、その後、抽出した。有機層を、飽和NaClで洗浄し、MgSOで乾燥した。生成物を、***CHCl−ヘキサンから再結晶させ、それによって白色結晶が得られた(2.24g、収率90%)。融点85〜86℃;
Figure 2009507858
2−(4−(7−フルオロ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸(SH144)
Figure 2009507858
2−クロロ−7−フルオロ−8−メトキシキノリン(5a)(0.53g、2.5mmol)、2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸(6a)(0.46g、2.5mmol)、およびKCO(0.86g、6.3mmol)、およびDMF(5mL)の混合物を、105℃で21時間加熱した。この混合物を濃縮してDMFを除去し、残留物を蒸留水に溶解した。混合物をセライトに通して濾過し、冷却し、1M HClで酸性化した。生成物を濾過し、収集し、乾燥した。生成物をAcOEtに溶解し、シリカゲルに通して濾過し、その後、カラムクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン−AcOEt)にかけた。より純粋な生成物(0.18g、収率20%)が、CHCl−ヘキサンを使用した再結晶から得られ、オフホワイトの結晶としてもたらされた。融点143〜145℃;
Figure 2009507858
(E)−N−(3−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−エトキシアクリルアミド(3b)
Figure 2009507858
3−クロロ−o−アニシジン(2b)(5.25g、33.3mmol)およびピリジン(20mL)の混合物を、氷浴内に入れた。溶液を1時間連続して撹拌しながら、塩化(E)−3−エトキシ−2−プロペノイル(1)(4g、40.1mmol)を1滴ずつ添加した。混合物を濃縮してピリジンを除去し、分液漏斗に移し、そこにAcOEtおよび水を添加した。濃HClを、水層がpH1になるまで添加した。水層をAcOEtで2回抽出し、有機層を、1M HCl(2mL)を含有する飽和NaCl(25mL)で洗浄した。この手順の後、飽和NaHCO(5mL)を含有する飽和NaCl(25mL)による2回目の洗浄を行った。有機層を、最後に25mLの飽和NaClで洗浄した。生成物層を乾燥し、1:1、次いで2:1のヘキサン−AcOEtの溶媒系を使用してシリカゲル(2)に通して濾過した。生成物をクロマトグラフィー(2:1 1:1 ヘキサン:AcOEt)にかけ、10:1のヘキサンAcOEtから再結晶させることにより、生成物がオフホワイトの結晶として得られた(4.19g、収率49%)。融点98〜99℃;
Figure 2009507858
7−クロロ−8−メトキシキノリン−2−オール(4b)
Figure 2009507858
濃HSO(30mL)に、(E)−N−(3−クロロ−2−メトキシフェニル)−3−エトキシプロペンアミド(3b)(3.73g、14.6mmol)を添加し、一晩撹拌した。この溶液を氷上に注ぎ、濾過し、洗浄し、乾燥することにより、黄色の固体が得られた(2.85g、収率93%)。
Figure 2009507858
2,7−ジクロロ−8−メトキシキノリン(5b)
Figure 2009507858
7−クロロ−8−メトキシ−2−キノリノール(4b)(2.85g、13.6mmol)をPOCl(6mL)と混合し、1.5時間還流した。濃縮された内容物に、HOおよびAcOEtを添加し、その後NaHCOを添加して、混合物を中和した。水層をAcOEtで抽出し、飽和NaClで洗浄し、MgSOで乾燥した。生成物を、CHClを使用してシリカゲルに通して濾過し、CHCl−ヘキサンから再結晶させることにより、所望の生成物がオフホワイトの結晶として得られた(2.53g、収率82%)。融点103〜104℃;
Figure 2009507858
2−(4−(7−クロロ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸(SH140)
Figure 2009507858
2,7−ジクロロ−8−メトキシキノリン(5b)(0.81g、3.6mmol)、2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸(6)(0.65g、3.6mmol)、KCO(1.23g、8.9mmol)およびDMF(10mL)の混合物を、油浴内で、125℃で一晩加熱した。DMFを濃縮し、水を添加した後に、濾過した。溶液を冷却し、1M HClを添加してpH3にした。水溶液を、AcOEtで抽出した。有機層を飽和NaClで洗浄し、MgSOで乾燥した。生成物を、1:1 1:2 AcOEt−ヘキサンを用いたクロマトグラフィーにかけ、CHCl−ヘキサンから再結晶させることにより、純粋な生成物が白色結晶として得られた(0.50g、収率38%)。融点168〜169℃;
Figure 2009507858
(E)−N−(3−ブロモ−2−メトキシフェニル)−3−エトキシアクリルアミド(3c)
Figure 2009507858
3−ブロモ−o−アニシジン(2c)(4.50g、22.3mmol)およびピリジン(15mL)の混合物を、氷浴に入れた。この溶液を1時間連続して撹拌しながら、塩化(E)−3−エトキシ−2−プロペノイル(1)(3.75g、27.9mmol)を1滴ずつ添加した。混合物を濃縮してピリジンを除去し、分液漏斗に移し、そこにAcOEtおよび水を添加した。濃HClを、水層がpH1になるまで添加した。水層をAcOEtで2回抽出し、有機層を、1M HCl(2mL)を含有する飽和NaCl(25mL)で洗浄した。この手順の後、飽和NaHCO(5mL)を含有する飽和NaCl(25mL)を用いて2回目の洗浄を行った。有機層を、最後に飽和NaCl(25mL)で洗浄した。生成物層を乾燥し、1:1、次いで2:1のヘキサンAcOEtの溶媒系を使用してシリカゲル(2)に通して濾過した。生成物をクロマトグラフィー(2:1 1:1 ヘキサン:AcOEt)にかけ、10:1のヘキサン−AcOEtから再結晶させることにより、薄い褐色−橙色の結晶が得られた(3.35g、収率50%)。融点102〜104℃;
Figure 2009507858
7−ブロモ−8−メトキシキノリン−2−オール(4c)
Figure 2009507858
撹拌した濃HSO(30mL)に、(E)−(N)−(3−ブロモ−2−メトキシフェニル)−3−エトキシプロペンアミド(3c)(2.11g、7.03mmol)を添加し、室温で一晩撹拌した。溶液を氷上に注ぎ、得られた固体を濾別し、洗浄し、乾燥した。所望の生成物が黄色の固体として得られた(1.75g、収率98%)。
Figure 2009507858
7−ブロモ−2−クロロ−8−メトキシキノリン(5c)
Figure 2009507858
7−ブロモ−8−メトキシ−2−キノリノール(4c)(2.22g、8.7mmol)およびPOCl(7mL)の混合物を、1.5時間加熱還流した。NaHCOによる中和およびAcOEtによる抽出の後、残留物をCHClに溶解し、シリカゲルに通して濾過して、褐色の極性不純物を除去した。生成物(1.99g、収率84%)が、AcOEt−ヘキサンからの再結晶によって白色結晶として得られた。融点130〜132℃;
Figure 2009507858
2−(4−(7−ブロモ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸(SH135)
Figure 2009507858
7−ブロモ−2−クロロ−8−メトキシキノリン(5c)(0.54g、2.0mmol)、2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸(6c)(0.36g、2.0mmol)、KCO(0.69g、5.0mmol)、およびDMF(5mL)の混合物を、125℃で8時間加熱した。この溶液を濃縮し、HOに溶解し、セライトに通して濾過し、冷却した。濾液を、pH3になるまで1M HClで酸性化した。抽出をAcOEtで行い、飽和NaClで洗浄した。生成物をMgSOで乾燥し、シリカゲルに通して濾過し、カラムクロマトグラフィー(1:1 ヘキサン−AcOEt)により精製し、EtOH−ヘキサンから再結晶させることにより、白色結晶が得られた(0.43g、収率52%)。融点157〜158℃;
Figure 2009507858
Figure 2009507858
(調製)
SH80(R)、SH135(R)、SH140(R)、SH144(R):全ての試験薬剤は、以下に示すように同じ手法で調製した:
供給元:Hazeldine/Horwitz(KCl):白色固体+3%EtOH+1%POE+0.5%NaHCO(体積で)+dHO→溶液(pH=9.0→7.0、1.0N HClで);0.2ml/マウス/IV注射
(考察)
対照:ケージ1−腫瘍増殖は予測通り;腫瘍体積倍加時間(Td)=1.0日。
SH80(R):ケージ2には、Q2dx7で、開始1日目に60mg/kgを注射しかつ全体で420mg/kgの用量を注射した。この用量は、十分に耐用性があり、適度な−3.4%の体重損失をもたらした(最下点は2日目;完全回復日は15日目)。宿主回復時間は13日目に延びたが、マウスは、試験の所要時間全体にわたって優れた状態にあり、全体的な体重損失は非常に適度であって、回復期間中、−1.7〜−3.4%の間(1gm未満)を推移していた。このスケジュールにおけるSH80(R)は、予測通りに高活性であり、0%のT/Cおよび4.8総対数死滅(GLK)をもたらした;++++活性評価。
ケージ3には、Q2dx7で、開始1日目に38mg/kgを注射しかつ全体で266mg/kgの用量を注射した。−3.5%の体重損失が生じた(最下点は2日目;完全回復日は7日目)。この用量も活性であり、11%のT/Cおよび2.1(+++活性評価)をもたらした。
SH135(R):ケージ4には、Q2dx7で、開始1日目に54mg/kgを注射しかつ全体で378mg/kgの用量を注射した。−10.5%の体重損失が生じたが(最下点は12日目;完全回復日は20日目)、これは適切な治療であることを示している。この用量は高活性で、0%のT/Cおよび5.0GLK(++++活性評価)をもたらしており、SH80(R)よりもわずかに良好であった。
ケージ5には、Q2dx7で、開始1日目に34mg/kgを注射しかつ全体で238mg/kgの用量を注射した。−3.6%の体重損失が生じた(最下点は2日目;完全回復日は7日目)。この用量は高活性であり、0%のT/Cおよび4.2GLK(++++活性評価)をもたらした。
SH140(R):ケージ6は、Q2dx7で、開始1日目に48mg/kgを注射し(7日目および9日目に54mg/kg、11日目および13日目に60mg/kgと上昇させた)かつ全体で372mg/kgの用量を注射した。−5.3%の体重損失が生じた(最下点は14日目;完全回復日は19日目)。この用量は高活性であり、0%のT/Cおよび4.8GLK(++++活性評価)をもたらしており、SH80(R)と本質的に同等であった。
ケージ7には、Q2dx7で、開始1日目に30mg/kgを注射し(7日目および9日目に34mg/kg、11日目および13日目に38mg/kgと上昇させた)かつ全体で234mg/kgの用量を注射した。−5.5%の体重損失が生じた(最下点は2日目;完全回復日は6日目)。この用量は高活性であり、5.5%のT/Cおよび3.6GLK(++++活性評価)をもたらした。
SH144(R):ケージ8には、Q2dx7で、開始1日目に57mg/kgを注射し、次いで投薬量を上昇させ、7日目(63mg/kg)から13日目(125mg/kg)まで毎日注射をし、全体で822mg/kgの用量を注射した。−15.7%の体重損失が生じ(最下点は17日目;完全回復日は19日目)、これは致死量レベル付近であることを示している。2日間の宿主回復時間でマウスが素早く回復したので、薬物死は無かった。この用量は高活性で、0%のT/Cおよび4.1GLK(++++活性評価)をもたらしたが、SH80(R)、SH135(R)、およびSH140(R)よりも劣っていた。
ケージ9には、Q2dx7で、開始1日目に36mg/kgを注射し、次いで投薬量を上昇させ、7日目(39mg/kg)から13日目(75mg/kg)まで毎日注射をし、全体で513mg/kgの用量を注射した。−5.3%の体重損失が生じた(最下点は2日目;完全回復日は7日目)。この用量も活性であり、28%のT/Cおよび2.1GLK(+++活性評価)をもたらした。
(まとめ)
3種のハロ−メトキシキノリン化合物に関し、この試験の初期段階マウスMam 16/Cに対する抗腫瘍活性について、SH80と比較して評価した。ブロモ−メトキシ類似体[SH135(R)]が最も活性で、全用量378mg/kgで5.0GLKをもたらし、その後に、クロロ−メトキシ[SH140(R):4.8GLK、全用量372mg/kg]が続いた。SH80(R)は、適度に高い容量420mg/kgで同様の4.8GLKをもたらした。この系で活性が少ないのは、フルオロ−メトキシ化合物[SH144(R):4.1GLK、全用量822mg/kg]であった。毒性は、どの化合物においてもこの試験では達成されなかったが、−15.8%の体重損失が、フルオロ類似体で治療したマウスに生じ、このケースでは致死量レベル程度が送達したことを示している。一般に、体重損失の最下点は、ハロ−メトキシ化合物(ブロモ:−10.5%;12日目;クロロ:−5.3%;14日目;フルオロ:−15.8%;17日目)の場合にSH80(フラット−2.0〜3.0%体重損失;2〜15日目)よりも大きく、より後になって生じたが、これはおそらく、これらの化合物の場合に毒性が遅延する可能性があること、または半減期がより長くなる可能性があることを示している。興味深いことに、ブロモおよびクロロ−メトキシ類似体は、より低い用量でもSH80より活性であった(活性の深さがより大きいことを示す)。より低い用量を比較すると、最も高い対数死滅から順に:SH135(R)(ケージ5:ブロモメトキシ):4.2対数死滅@238mg/kgはSH140R(ケージ7:クロロメトキシ)よりも優れており:3.6対数死滅@234mg/kg;SH80(R)(ケージ3):2.1対数死滅@266mg/kg;およびSH144(R)(ケージ9:フルオロ−メトキシ):2.1対数死滅@513mg/kgであった。この試験において、最高から最低までの活性を有する化合物の評価は:ブロモ−メトキシSH135(R)>ブロモSH80(R)=クロロ−メトキシSH140(R)>フルオロ−メトキシSH144(R)であった。
高用量要件(SH80とほぼ同程度に高い、少なくともこの1つの試験で)は、負でありまたはSH80を超えて改善されないと見なされる。しかし、低用量のブロモ−メトキシおよびクロロ−メトキシ類似体に関して高活性(>3対数死滅)が維持されることは、優れていることを示しているようにも見え、可能なら、3つまたは4つの用量レベルで別の腫瘍に関して少なくとももう1つの試験で追跡すべきである。
(実施例3)
下記の事項は、ヒトにおける治療または予防の用途での、式Iの化合物(「化合物X」)を含有する代表的な医薬品剤形を示す。
(i)錠剤1 mg/錠剤
「化合物X」 100.0
ラクトース 77.5
ポビドン 15.0
クロスカルメロースナトリウム 12.0
微結晶質セルロース 92.5
ステアリン酸マグネシウム 3.0
300.0
(ii)錠剤2 mg/錠剤
「化合物X」 20.0
微結晶質セルロース 410.0
デンプン 50.0
デンプングリコール酸ナトリウム 15.0
ステアリン酸マグネシウム 5.0
500.0
(iii)カプセル mg/カプセル
「化合物X」 10.0
コロイド状二酸化ケイ素 1.5
ラクトース 465.5
α化デンプン 120.0
ステアリン酸マグネシウム 3.0
600.0
(iv)注射1(1mg/ml) mg/mL
「化合物X」(遊離酸形態) 1.0
第二リン酸ナトリウム 12.0
第一リン酸ナトリウム 0.7
塩化ナトリウム 4.5
1.0N水酸化ナトリウム溶液
(pHは7.0〜7.5に調節) 十分量
注射液 十分量で1mL
(v)注射2(10mg/mL) mg/mL
「化合物X」(遊離酸形態) 10.0
第一リン酸ナトリウム 0.3
第二リン酸ナトリウム 1.1
ポリエチレングリコール400 200.0
0.1N水酸化ナトリウム溶液
(pHは7.0〜7.5に調節) 十分量
注射液 十分量で1mL
(vi)エアロゾル mg/カン
「化合物X」 20.0
オレイン酸 10.0
トリクロロモノフルオロメタン 5000.0
ジクロロジフルオロメタン 10000.0
ジクロロテトラフルオロエタン 5000.0
上記配合物は、医薬品分野で周知の従来の手順によって、得ることができる。
全ての刊行物、特許、および特許文書は、参照により個々に組み込まれるように、参照により本明細書に組み込む。本発明について、様々な特定のおよび好ましい実施形態および技法を参照しながら述べてきた。しかし、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、多くの変更および修正を行うことができることを理解すべきである。

Claims (32)

  1. 式Iの化合物、または薬学的に受容可能なその塩
    Figure 2009507858
    (式中、Yは、F、Cl、またはBrである)。
  2. YがFである、請求項1に記載の化合物。
  3. YがClである、請求項1に記載の化合物。
  4. YがBrである、請求項1に記載の化合物。
  5. メチル基を保持する炭素が(R)立体配置にある、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. メチル基を保持する炭素が(S)立体配置にある、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  7. 2−(4−(7−フルオロ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸である、請求項1に記載の化合物。
  8. 2−(4−(7−クロロ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸である、請求項1に記載の化合物。
  9. 2−(4−(7−ブロモ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸である、請求項1に記載の化合物。
  10. 薬学的に受容可能な希釈剤または担体と組み合わせて、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物を含む組成物。
  11. 哺乳動物の癌を治療するための治療方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に、式Iの化合物または薬学的に受容可能なその塩の有効量を投与するステップを含む方法
    Figure 2009507858
    (式中、Yは、F、Cl、またはBrである)。
  12. 哺乳動物の癌を治療するための治療方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に、2−(4−(7−ブロモ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸の有効量を投与するステップを含む方法。
  13. 哺乳動物の癌を治療するための治療方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に、2−(4−(7−フルオロ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸の有効量を投与するステップを含む方法。
  14. 哺乳動物の癌を治療するための治療方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に、2−(4−(7−クロロ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸の有効量を投与するステップを含む方法。
  15. 医学療法または診断における使用のための、式Iの化合物または薬学的に受容可能なその塩
    Figure 2009507858
    (式中、Yは、F、Cl、またはBrである)。
  16. YがFである、請求項15に記載の化合物。
  17. YがClである、請求項15に記載の化合物。
  18. YがBrである、請求項15に記載の化合物。
  19. メチル基を保持する炭素が(R)立体配置にある、請求項15〜18のいずれか一項に記載の化合物。
  20. メチル基を保持する炭素が(S)立体配置にある、請求項15〜18のいずれか一項に記載の化合物。
  21. 2−(4−(7−フルオロ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸である、請求項15に記載の化合物。
  22. 2−(4−(7−クロロ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸である、請求項15に記載の化合物。
  23. 2−(4−(7−ブロモ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸である、請求項15に記載の化合物。
  24. 哺乳動物における癌を治療する薬剤を製造するための、式Iの化合物または薬学的に受容可能なその塩の使用
    Figure 2009507858
    (式中、Yは、F、Cl、またはBrである)。
  25. YがFである、請求項24に記載の化合物の使用。
  26. YがClである、請求項24に記載の化合物の使用。
  27. YがBrである、請求項24に記載の化合物の使用。
  28. メチル基を保持する炭素が(R)立体配置にある、請求項24〜27のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  29. メチル基を保持する炭素が(S)立体配置にある、請求項24〜27のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  30. 式(I)の化合物が2−(4−(7−フルオロ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸である、請求項24に記載の化合物の使用。
  31. 式(I)の化合物が2−(4−(7−クロロ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸である、請求項24に記載の化合物の使用。
  32. 式(I)の化合物が2−(4−(7−ブロモ−8−メトキシキノリン−2−イルオキシ)フェノキシ)プロパン酸である、請求項24に記載の化合物の使用。
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