JPWO2012073375A1 - 新規化合物、並びに、キネシンスピンドルタンパク質阻害剤及びその応用 - Google Patents

新規化合物、並びに、キネシンスピンドルタンパク質阻害剤及びその応用 Download PDF

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Abstract

下記一般式(I)で表されることを特徴とする化合物の提供。ただし、前記一般式(I)において、R1及びR2は、置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R3は、下記一般式(II)及び下記一般式(III)いずれかを表し、前記R1及び前記R2は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。ただし、前記一般式(II)及び前記一般式(III)において、Xは、水素原子及びハロゲン原子のいずれかを表し、R4は、メチル基、ジメチル基、及び酸素原子のいずれかを表し、*は、結合手を表す。

Description

本発明は、化合物、前記化合物を含有するキネシンスピンドルタンパク質阻害剤、前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤を含有する医薬組成物、並びに、前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤を用いたキネシンスピンドルタンパク質の阻害方法、及び前記医薬組成物を用いた予防乃至治療方法に関する。
キネシンは、アデノシン三リン酸を使用して微小管上を滑走し、細胞小器官及び小胞などを輸送する運動タンパク質であり、細胞分裂や神経軸索輸送等の細胞内物質輸送など、多様な細胞生物学的プロセスにおいて重要な役割を果たしている。
現在、約100種類のキネシン様タンパク質が同定されている。これらは有糸分裂紡錘体の微小管又は染色体と直接相互作用して細胞周期の有糸分裂時期に極めて重要な役割を果たすと考えられている。
細胞分裂は、生物が生存し内部環境の恒常性を維持していく上で欠かすことのできない現象である。一方で、この恒常性を維持するために、生体内においてアポトーシスが起こることも重要である。即ち、細胞分裂(増殖)とアポトーシスとがバランスよく行われることで生物の内部環境の恒常性が維持される。
しかし、この細胞分裂とアポトーシスとのバランスが崩れ、細胞分裂が亢進すると、ガン等の細胞増殖性疾患が引き起こされる。
そこで、ガン等の細胞増殖性疾患の治療方法として前記キネシンを阻害することが検討されている。ガンの治療に用いられる常套の化学療法剤には、タキサン類及びビンカアルカロイド類がある。タキサン類及びビンカアルカロイド類は、各種の細胞構造に存在する微小管に作用する。これらの薬剤による有糸分裂紡錘体の破壊によってガン細胞の分裂が阻害され、ガン細胞の細胞死が誘発されると推定されている。
しかし、微小管は、ガン細胞だけでなく神経細胞等の正常細胞でも重要な機能を担っている。そのため、これらの常套の化学療法剤は、有糸分裂紡錘体を特異的に標的とするものではなく、手足のしびれ等の神経障害が副作用として問題となっている。
前記同定されたキネシン様タンパク質の1つとして、キネシンスピンドルタンパク質(KSP、Eg5、KNSL1、TRIP5、KIF11などと称することもある。)が、有糸分裂紡錘体に局在し、双極有糸分裂紡錘体の形成及び機能に必要であること知られている(非特許文献1参照)。
前記Eg5は、マウスのニューロン発達に関与していることが知られているが、出生直後ニューロンから消失するので、Eg5の阻害は常套の化学療法剤にともなう末梢神経障害を起こさないことが示唆されている(非特許文献2参照)。
したがって、キネシンスピンドルタンパク質を高効率で阻害することができる低分子の新規化合物、該低分子化合物を含有するキネシンスピンドルタンパク質阻害剤、該キネシンスピンドルタンパク質を含有し、少なくとも一部にキネシンスピンドルタンパク質が介在する障害を予防乃至治療することができ、かつ副作用がなく安全性の高い医薬組成物の提供が望まれているのが現状である。
Anne Blangy et al., 1995, Cell, Vol.83, p.1159−1169 Lotfi Ferhat et al., 1998, The Journal of Neuroscience, 18(19), p.7822−7835
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、キネシンスピンドルタンパク質を高効率で阻害することができる低分子の新規化合物、該低分子の新規化合物を含有するキネシンスピンドルタンパク質阻害剤及びキネシンスピンドルタンパク質の阻害方法、該キネシンスピンドルタンパク質阻害剤を含有し、少なくとも一部にキネシンスピンドルタンパク質が介在する障害を予防乃至治療することができ、かつ副作用がなく安全性の高い医薬組成物、該医薬組成物を用いた治療乃至予防方法を提供することを目的とする。
新規化合物は、下記一般式(I)で表される。
キネシンスピンドルタンパク質阻害剤は、前記化合物を含有し、キネシンスピンドルタンパク質の活性を阻害する。
医薬組成物は、前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤を含有し、少なくとも一部にキネシンスピンドルタンパク質が介在する障害を予防乃至治療する。
キネシンスピンドルタンパク質の阻害方法は、前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤と細胞とを接触させて、該細胞におけるキネシンスピンドルタンパク質の活性を阻害する。
予防乃至治療方法は、前記医薬組成物を用いて、少なくとも一部にキネシンスピンドルタンパク質が介在する障害を予防乃至治療する。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、キネシンスピンドルタンパク質を高効率で阻害することができる低分子の新規化合物、該低分子の新規化合物を含有するキネシンスピンドルタンパク質阻害剤及びキネシンスピンドルタンパク質の阻害方法、該キネシンスピンドルタンパク質阻害剤を含有し、少なくとも一部にキネシンスピンドルタンパク質が介在する障害を予防乃至治療することができ、かつ副作用がなく安全性の高い医薬組成物、該医薬組成物を用いた治療乃至予防方法を提供することができる。
図1は、一般式(I)で表される化合物の好ましい一例である構造式(1)で表される化合物のプロトン核磁気共鳴スペクトルである。 図2Aは、一般式(I)で表される化合物の好ましい一例である構造式(1)で表される化合物の高速液体クロマトグラフ質量分析における、LC(液体クロマトグラフィー)(上段)及びMS(質量分析)(下段)のクロマトグラム像である。 図2Bは、一般式(I)で表される化合物の好ましい一例である構造式(1)で表される化合物の高速液体クロマトグラフ質量分析におけるリテンションタイム3.142のピーク成分の質量分析の結果を示した図である。 図3は、一般式(V)で表される化合物の好ましい一例である構造式(2)で表される化合物の中間体であるN−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)アセトアミドのプロトン核磁気共鳴スペクトルである。 図4は、一般式(V)で表される化合物の好ましい一例である構造式(2)で表される化合物の中間体である(E)−3−(3−アセトアミド−6−クロロ−2−フルオロフェニル)アクリル酸のプロトン核磁気共鳴スペクトルである。 図5は、一般式(V)で表される化合物の好ましい一例である構造式(2)で表される化合物の中間体である3−(3−アセトアミド−2−フルオロフェニル)プロパン酸のプロトン核磁気共鳴スペクトルである。 図6は、一般式(V)で表される化合物の好ましい一例である構造式(2)で表される化合物の中間体であるN−(4−フルオロ−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)アセトアミドのプロトン核磁気共鳴スペクトルである。 図7は、一般式(V)で表される化合物の好ましい一例である構造式(2)で表される化合物の中間体である5−アミノ−4−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オンのプロトン核磁気共鳴スペクトルである。 図8は、一般式(V)で表される化合物の好ましい一例である構造式(2)で表される化合物の中間体である5−(ベンジルアミノ)−4−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オンのプロトン核磁気共鳴スペクトルである。 図9は、一般式(V)で表される化合物の好ましい一例である構造式(2)で表される化合物のプロトン核磁気共鳴スペクトルである。 図10は、一般式(VI)で表される化合物の好ましい一例である構造式(2)で表される化合物の中間体である[ベンジル−(3−ヒドロキシ−1−H−インダン−5−イル)−アミノ]酢酸のプロトン核磁気共鳴スペクトルである。 図11は、一般式(VI)で表される化合物の好ましい一例である構造式(3)で表される化合物のプロトン核磁気共鳴スペクトルである。 図12は、一般式(VI)で表される化合物の好ましい一例である構造式(4)で表される化合物のプロトン核磁気共鳴スペクトルである。
(新規化合物)
新規化合物は、下記一般式(I)で表される。
ただし、前記一般式(I)において、
及びRは、置換基を有していてもよいアルキル基を表し、
は、下記一般式(II)及び下記一般式(III)いずれかを表し、
前記R及び前記Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
ただし、前記一般式(II)及び前記一般式(III)において、
Xは、水素原子及びハロゲン原子のいずれかを表し、
は、メチル基、ジメチル基、及び酸素原子のいずれかを表し、
*は、結合手を表す。
前記一般式(1)で表される化合物は、薬理学的に許容される塩やエステルであってもよく、互変異性体であってもよい。
前記塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボン酸塩、無機酸塩、アミノ酸塩、スルホン酸塩などが挙げられる。
前記カルボン酸塩としては、例えば、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、ヒドロキシ酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、安息香酸塩、酪酸塩、マレイン酸塩、プロピオン酸塩、蟻酸塩、リンゴ酸塩などが挙げられる。
前記無機酸塩としては、例えば、ハロゲン化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩などが挙げられる。
前記アミノ酸塩としては、例えば、アルギニン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などが挙げられる。
前記スルホン酸塩としては、例えば、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などが挙げられる。
これらの中でも、前記一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(IV)、下記一般式(V)、及び下記一般式(VI)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。

ただし、前記一般式(IV)、前記一般式(V)、及び前記一般式(VI)において、
及びRは、置換基を有していてもよいアルキル基を表し、
Xは、水素原子及びハロゲン原子のいずれかを表し、
前記R及び前記Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
これらの中でも、前記一般式(I)〜(VI)において、R及びRの少なくともいずれかが、エチル基及びメチル基のいずれかであることが好ましく、R及びRが同一の基であることがより好ましい。
また、前記一般式(I)〜(VI)において、Xは、水素原子、フッ素原子、及び塩素原子のいずれかであることが好ましい。
<一般式(IV)で表される化合物>
前記一般式(IV)で表される化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記構造式(1)で表される化合物が好ましい。
−物理化学的性状−
前記構造式(1)で表される化合物の物理化学的性状としては、以下のとおりである。
(1)分子式は、C2429FNOで表される。分子量は、380.23である。
(2)プロトン核磁気共鳴(NMR)は、400MHzにおいて重クロロホルム(CDCl)中で25℃にて測定した。プロトン核磁気共鳴スペクトルとしては、図1に示す通りである。
(3)高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC−MS:正イオンモード)による、実験値は、m/z381.2(M+H)であり、Mの計算値は、m/z381.23(C2430FNO)である。分析結果を図2Aに示す。図2Aにおいて、上段は、LC(液体クロマトグラフィー)のクロマトグラフ像(縦軸:シグナル強度(mAU)、横軸:測定時間(分間)であり、下段は、MS(質量分析)のクロマトグラフ像(縦軸:シグナル強度、横軸:測定時間(分間))である。また、図2Bにリテンションタイム3.142のピーク成分の質量分析の結果を示す。
<<製造方法>>
前記一般式(IV)で表される化合物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、化学合成による方法などが挙げられる。
以下に、前記構造式(1)で表される化合物を例に挙げ、前記一般式(IV)で表される化合物の製造方法の一例を説明する。
前記構造式(1)で表される化合物を化学合成により得る方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、出発物質を下記に示す2−フルオロ安息香酸(化合物1)を用い、中間体を経て合成する方法などが挙げられる。
前記出発物質2−フルオロ安息香酸を用いて、前記構造式(1)で表される化合物を製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中間体を10個経る方法などが挙げられる。
前記中間体としては、例えば、第1に下記化合物2(以下、「中間体1−1」と称することがある。)、第2に下記化合物3(以下、「中間体1−2」と称することがある。)、第3に下記化合物4(以下、「中間体1−3」と称することがある。)、第4に下記化合物5(以下、「中間体1−4」と称することがある。)、第5に下記化合物6(以下、「中間体1−5」と称することがある。)、第6に下記化合物7(以下、「中間体1−6」と称することがある。)、第7に下記化合物8(以下、「中間体1−7」と称することがある。)、第8に下記化合物9(以下、「中間体1−8」と称することがある。)、第9に下記化合物10(以下、「中間体1−9」と称することがある。)、第10に下記化合物11(以下、「中間体1−10」と称することがある。)などが挙げられる。
前記中間体1−1〜1−10を得る方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、化学合成による方法などが挙げられる。また、化学合成によらず、市販品を用いることもできる。
前記一般式(IV)で表される化合物、及び前記中間体1−1〜1−10を化学合成する際の、反応温度、反応時間、合成方法、及び化合物の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記化学合成に用いる化合物の状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液体の状態、固体の状態、乾燥した状態、油状物の状態、再結晶化した状態などが挙げられる。
前記中間体を確認する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロトン核磁気共鳴分光法、質量分析法、炭素13核磁気共鳴分光法、赤外分光法、高速液体クロマトグラフィー法等で分析する方法などが挙げられる。
また、前記化学合成により得た生成物は、必要に応じて精製することができる。
前記精製の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、順層系又は逆層系充填剤を使用したカラム、prep−TLC(分取TLC)、prep−HPLC(分取HPLC)などの方法を用いることができる。
<一般式(V)で表される化合物>
前記一般式(V)で表される化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記構造式(2)で表される化合物が好ましい。
−物理化学的性状−
前記構造式(2)で表される化合物の物理化学的性状としては、以下のとおりである。
(1)分子式は、C2225FNで表される。分子量は、368.44である。
(2)プロトン核磁気共鳴(NMR)は、400MHzにおいて重クロロホルム(CDCl)中で25℃にて測定した。プロトン核磁気共鳴スペクトルとしては、図9に示す通りである。
<<製造方法>>
前記一般式(V)で表される化合物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、化学合成による方法などが挙げられる。
以下に、前記構造式(2)で表される化合物を例に挙げ、前記一般式(V)で表される化合物の製造方法の一例を説明する。
前記構造式(2)で表される化合物を化学合成による得る方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、出発物質として下記4−クロロ−2−フルオロアニリンを用い、中間体を経て製造する方法などが挙げられる。
前記4−クロロ−2−フルオロアニリンを用いて、前記構造式(2)で表される化合物を製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記に示すように、中間体を8つ経る方法などが挙げられる。
前記中間体としては、例えば、第1にN−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)アセトアミド(以下、「中間体2−1」と称することがある。)、第2にN−(4−クロロ−2−フルオロ−3−ホルミルフェニル)アセトアミド(以下、「中間体2−2」と称することがある。)、第3に(E)−エチル−3−(3−アセトアミド−6−クロロ−2−フルオロフェニル)アクリレート(以下、「中間体2−3」と称することがある。)、第4に(E)−3−(3−アセトアミド−6−クロロ−2−フルオロフェニル)アクリル酸(以下、「中間体2−4」と称することがある。)、第5に3−(3−アセトアミド−2−フルオロフェニル)プロパン酸(以下、「中間体2−5」と称することがある。)、第6にN−(4−フルオロ−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)アセトアミド(以下、「中間体2−6」と称することがある。)、第7に5−アミノ−4−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(以下、「中間体2−7」と称することがある。)、第8に5−(ベンジルアミノ)−4−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(以下、「中間体2−8」と称することがある。)などが挙げられる。
前記中間体2−1〜2−8を得る方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、化学合成による方法などが挙げられる。また、市販品を用いてもよい。
前記一般式(V)で表される化合物、及び前記中間体2−1〜2−8を化学合成する際の、反応温度、反応時間、合成方法、及び化合物の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記化学合成に用いる各化合物の状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液体の状態、固体の状態、乾燥した状態、油状物の状態、再結晶化した状態などが挙げられる。
前記中間体を確認する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロトン核磁気共鳴分光法、質量分析法、炭素13核磁気共鳴分光法、赤外分光法、高速液体クロマトグラフィー法等で分析する方法などが挙げられる。
また、前記化学合成により得た生成物は、必要に応じて精製することができる。
前記精製の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、順層系又は逆層系充填剤を使用したカラム、prep−TLC、prep−HPLCなどの方法を用いることができる。
<一般式(VI)で表される化合物>
前記一般式(VI)で表される化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記構造式(3)及び下記構造式(4)のいずれかで表される化合物が好ましい。
−物理化学的性状−
前記構造式(3)で表される化合物の物理化学的性状としては、以下のとおりである。
(1)分子式は、C2328Oで表される。分子量は、348.48である。
(2)プロトン核磁気共鳴(NMR)は、400MHzにおいて重クロロホルム(CDCl)中で25℃にて測定した。プロトン核磁気共鳴スペクトルとしては、図11に示す通りである。
前記構造式(4)で表される化合物の物理化学的性状としては、以下のとおりである。
(1)分子式は、C2124Oで表される。分子量は、320.43である。
(2)プロトン核磁気共鳴(NMR)は、400MHzにおいて重クロロホルム(CDCl)中で25℃にて測定した。プロトン核磁気共鳴スペクトルとしては、図12に示す通りである。
<<製造方法>>
前記一般式(VI)で表される化合物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、化学合成による方法などが挙げられる。
以下に、前記構造式(3)及び前記構造式(4)で表される化合物を例に挙げ、前記一般式(VI)で表される化合物の製造方法の一例を説明する。
前記構造式(3)及び前記構造式(4)で表される化合物を化学合成による得る方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、出発物質として下記ブロモベンゼンを用い、中間体を経て製造する方法などが挙げられる。
前記ブロモベンゼンを用いて、前記構造式(3)及び前記構造式(4)で表される化合物を製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記に示すように、中間体を10個経る方法などが挙げられる。
前記中間体としては、例えば、第1にフェニルリチウム(以下、「中間体3−1」と称することがある。)、第2に3−フェニルブタン酸(以下、「中間体3−2」と称することがある。)、第3に3−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(以下、「中間体3−3」と称することがある。)、第4に3−メチル−6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1−H−インデン−1−オン(以下、「中間体3−4」と称することがある。)、第5に6−アミノ−3−メチル−2,3−ジヒドロ−1−H−インデン−1−オン(以下、「中間体3−5」と称することがある。)、第6にN−(1−メチル−3−オキソ−インダン−5−イル)ベンズアミド(以下、「中間体3−6」と称することがある。)、第7に[ベンジル−(1−メチル−3−オキソ−インダン−5−イル)−アミノ]酢酸エチルエステル(以下、「中間体3−7」と称することがある。)、第8に[ベンジル−(3−ヒドロキシ−1−メチル−インダン−5−イル)−アミノ]酢酸エチルエステル(以下、「中間体3−8」と称することがある。)、第9に[ベンジル−(3−ヒドロキシ−1−H−インダン−5−イル)−アミノ]酢酸エチルエステル(以下、「中間体3−9」と称することがある。)、第10に[ベンジル−(3−ヒドロキシ−1−H−インダン−5−イル)−アミノ]酢酸エチルエステル(以下、「中間体3−10」と称することがある。)などが挙げられる。
前記中間体3−1〜3−10を得る方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、化学合成による方法などが挙げられる。また、市販品を用いてもよい。
前記一般式(VI)で表される化合物、及び前記中間体3−1〜3−10を化学合成する際の、反応温度、反応時間、合成方法、及び化合物の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記化学合成に用いる各化合物の状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液体の状態、固体の状態、乾燥した状態、油状物の状態、再結晶化した状態などが挙げられる。
前記中間体を確認する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロトン核磁気共鳴分光法、質量分析法、炭素13核磁気共鳴分光法、赤外分光法、高速液体クロマトグラフィー法等で分析する方法などが挙げられる。
また、前記化学合成により得た生成物は、必要に応じて精製することができる。
前記精製の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、順層系又は逆層系充填剤を使用したカラム、prep−TLC、prep−HPLCなどの方法を用いることができる。
(キネシンスピンドルタンパク質阻害剤)
キネシンスピンドルタンパク質阻害剤は、前記一般式(I)で表される化合物を含有し、必要に応じて、更にその他の成分を含有する。
<一般式(I)で表される化合物>
前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤中の前記一般式(I)で表される化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤における前記一般式(I)で表される化合物の含有量としては、キネシンスピンドルタンパク質の活性を阻害することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤は、前記一般式(I)で表される化合物そのものであってもよい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、薬理学的に許容される担体の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、薬理学的に許容される担体などが挙げられる。
<剤型>
前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤の剤型としては、特に制限はなく、例えば、固形剤、半固形剤、液剤などが挙げられる。
−固形剤−
前記固形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、内容剤として用いられる場合、例えば、錠剤、チュアブル錠、発泡錠、口腔内崩壊錠、トローチ剤、ドロップ剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、ドライシロップ剤、浸剤などが挙げられる。
前記固形剤が、外用剤として用いられる場合、例えば、坐剤、パップ剤、プラスター剤などが挙げられる。
−半固形剤−
前記半固形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、内用剤として用いられる場合、例えば、舐剤、チューインガム剤、ホイップ剤、ゼリー剤などが挙げられる。
前記半固形剤が、外用剤として用いられる場合、例えば、軟膏剤、クリーム剤、ムース剤、インヘラー剤、ナザールジェル剤などが挙げられる。
−液剤−
前記液剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、内用剤として用いられる場合、例えば、シロップ剤、ドリンク剤、懸濁剤、酒精剤などが挙げられる。
前記液剤が、外用剤として用いられる場合、例えば、液剤、点眼剤、エアゾール剤、噴霧剤などが挙げられる。
(キネシンスピンドルタンパク質の阻害方法)
キネシンスピンドルタンパク質の活性は、前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤と細胞とを接触させることにより阻害することができる。
<キネシンスピンドルタンパク質阻害剤>
前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤の使用量としては、前記細胞におけるキネシンスピンドルタンパク質の活性を阻害することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤は、1種単独で使用してもよく、他のキネシンスピンドルタンパク質阻害剤と併用してもよい。
<細胞>
前記細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、生体内の細胞、培養細胞などが挙げられる。
−生体内の細胞−
前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤と、前記生体内の細胞とを接触させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤を動物等の投与対象に投与する方法などが挙げられる。
前記投与対象となる動物種としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒト、サル、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、トリなどが挙げられる。
前記投与方法としては、特に制限はなく、キネシンスピンドルタンパク質の活性を阻害したい部位などに応じて適宜選択することができ、例えば、局所投与法、径腸投与法、非経口投与法などが挙げられる。
前記局所投与法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、皮膚上投与法、吸入投与法、注投与法、結膜上への点眼、経鼻投与法、膣内投与法などが挙げられる。
前記径腸投与法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、経口投与法、径管栄養法、注腸投与法などが挙げられる。
前記非経口投与法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、径静脈投与法、径動脈投与法、筋肉内投与法、心臓内投与法、皮下投与法、骨内投与法、皮内投与法、くも膜下投与法、腹腔内投与法、膀胱内投与法、径皮投与法、径粘膜投与法、吸入投与法、硬膜外投与法、硝子体内投与法などが挙げられる。
前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤の投与量としては、特に制限はなく投与対象となる個体の年齢、体重、体質、症状、他の成分を有効成分とする医薬の投与の有無など、様々な要因を考慮して適宜選択することができる。
−培養細胞−
前記培養細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記培養細胞は、公知の培養細胞株であってもよく、動物から採取した初代培養細胞、又は前記初代培養細胞を継代培養した細胞であってもよい。
前記培養細胞の細胞数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤と、前記培養細胞とを接触させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤を、前記培養細胞を培養中の培地に添加する方法などが挙げられる。
前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤の添加量としては、特に制限はなく、培養細胞の細胞数などに応じて適宜選択することができる。
(医薬組成物、予防乃至治療方法)
医薬組成物は、前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤を含有し、必要に応じて、更にその他の成分を含有する。
前記医薬組成物を用いることにより、少なくとも一部にキネシンスピンドルタンパク質が介在する障害を予防乃至治療することができる。
<医薬組成物>
<<キネシンスピンドルタンパク質阻害剤>>
前記医薬組成物における、前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤の含有量としては、前記障害を予防乃至治療することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤は、1種単独で含有されていてもよく、2種以上が含有されていてもよい。また、前記医薬組成物は、前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤そのものであってもよい。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、薬理学的に許容される担体、他の成分を有効成分とする薬剤などが挙げられる。
前記医薬組成物中の、その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−薬理学的に許容される担体−
前記薬理学的に許容される担体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、清涼剤、殺菌剤、保存剤、粘結剤、増粘剤、固着剤、結合剤、着色剤、安定化剤、pH調節剤、緩衝剤、等調化剤、溶剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、結晶析出防止剤、消泡剤、物性向上剤、防腐剤などが挙げられる。
前記粘結剤、増粘剤、固着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、澱粉、デキストリン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアゴム、キサンタンガム、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、エチレン・プロピレンブロックポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、酸化鉄などが挙げられる。
前記安定化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸などが挙げられる。
前記pH調節剤及び前記緩衝剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記等張化剤としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩化ナトリウム、ブドウ糖などが挙げられる。
−他の成分を有効成分とする薬剤−
前記他の成分を有効成分とする薬剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ガンの治療乃至予防に用いられる薬剤が好ましい。
前記ガンの治療乃至予防に用いられる薬剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、BCG(bacille Calmette−Guerin)、アクチノマイシンD、アクラルビシン、アザシチジン、アスパラギナーゼ、アセグラトン、アナストロゾール、アミノグルテチミド、アムサクリン、アレムツズマブ、アロプリノール、アントラサイクリン、アンドロゲン、アンドロゲン ビカルタミド、抗アンドロゲン、イブリツモマブ、イホスファミド、イマチニブ、イリノテカン、インターフェロン、インターフェロンアルファ、インターロイキン−2、ウベニメクス、エキセメスタン、エストラムスチン、エストロゲン、エトポシド、エノシタビン、エピルビシン、オキサリプラチン、オクトレオチド、カルボコン、カルボプラチン、カルムスチン、カルモフール、クラドリビン、クラリスロマイシン、クレスチン(PSK)、クロラムブシル、ケトコナゾール、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、ゴセレリン、サリドマイド、シクロホスファミド、シスプラチン、シゾフィラン、シタラビン、シプロヘプタジン、ジノスタチンスチマラマー、ストレプトゾシン、スラミン、ソブゾキサン、タモキシフェン、タルグレチン、ダウノルビシン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、チオグアニン、チオテパ、テガフール、テガフール・ウラシル、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム、テニポシド、デキサメタゾン、デニロイキンジフチトクス、トポテカン、トラスツズマブ、トリプトレリン、トレチノイン、トレミフェン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドセタキセル、ニムスチン、ネオカルチノスタチン、ネダプラチン、バルルビシン、パクリタキセル、ヒドロキシウレア、ヒドロキシカルバミド、ビカルタミド、ビノレルビン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンブラスチン、ピシバニール、ピラルビシン、ファドロゾール、フルオロウラシル、フルタミド、フルダラビン、フルベストラント、フロクスウリジン、ブスルファン、ブレオマイシン、プリカマイシン、プレドニゾン、プロカルバジン、プロカルバジン、ペプロマイシン、ペメトレキセド、ペントスタチン、ポルフィマーナトリウム、マイトマイシン、ミトキサントロン、ミトタン、メクロレタミン、メスナ、メチセルジド、メトトレキサート、メドロキシプロゲステロン、メラシン、メルカプトプリン、メルファラン、ラニムスチン、リツキシマブ、リュープロライド、レトロゾール、レバミゾール、レンチナン、ロイコボリン、ロムスチン、三酸化ヒ酸、酢酸メゲストロール、放射性ヨウ素−131、放射性リン等を有効成分とする薬剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<<使用>>
前記医薬組成物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、医薬組成物は、他の成分を有効性分とする医薬と併せて使用されてもよく、他の成分を有効成分とする医薬に配合された状態で使用されてもよい。
<<キネシンスピンドルタンパク質が介在する障害>>
前記障害としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、細胞増殖性疾患であることが好ましく、ガン疾患であることがより好ましい。
前記ガン疾患としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、肺ガン、気管支ガン、前立腺ガン、乳ガン、膵臓ガン、結腸ガン、直腸ガン、小腸ガン、甲状腺ガン、食道ガン、口腔ガン、咽頭ガン、喉頭ガン、胃ガン、肝臓ガン、肝内胆管ガン、腎臓ガン、腎盂ガン、膀胱ガン、子宮体ガン、子宮頸ガン、卵巣ガン、結膜ガン、涙腺ガン、眼瞼ガン、多発性骨髄腫、脳腫瘍、非ホジキンリンパ腫、黒色腫、繊毛性結腸腺腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ性白血病、骨髄性白血病などが挙げられる。
<予防乃至治療方法>
前記少なくとも一部にキネシンスピンドルタンパク質が介在する障害を予防乃至治療する方法としては、前記医薬組成物を用いる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、前記障害の発症前又は発症後の投与対象に前記医薬組成物を投与する方法などが挙げられる。
前記投与量、投与対象、投与時期としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記投与対象となる動物種としては、例えば、ヒト、サル、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、トリなどが挙げられる。
前記投与方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記キネシンスピンドルタンパク質阻害剤の投与方法と同様の方法などが挙げられる。
前記投与量としては、特に制限はなく、投与対象個体の年齢、体重、体質、症状、他の成分を有効成分とする医薬の投与の有無など、様々な要因を考慮して適宜選択することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら制限されるものではない。
(製造例1:構造式(1)で表される化合物の合成)
<化合物2の合成>
下記反応式で示すとおり、2−フルオロ安息香酸(10g、71mmol)と塩化チオニル(SOCl;9mL)混合液を40度で30分反応し溶媒を留去し精製することなく次行程に使用した。
<化合物3の合成>
下記反応式で示すとおり、化合物2の粗生成物を塩化メチレン50mlに溶かし氷冷下塩化アルミニウム(AlCl;13g、9.7mmol)及び塩化ナトリウム(NaCl;6g、10mmol)を加え、攪拌下エチレンガスを2時間導入した。反応液に100gの氷を加え濾過を30mlのエーテルで3回抽出し100mlの飽和食塩水で洗った。無水硫酸ナトリウムで乾燥し濾液を濃縮しnーヘキサンと酢酸エチルを用いて100gのシリカゲルカラムで精製すると目的化合物3を得た(2.5g、収率:23%)。
<化合物4の合成>
下記反応式で示すとおり、化合物3(19g、127mmol)、及びトリエチルアミン(EtN;14g、138mmol)のアセトニトリル(CHCN;100mL)混合液に、氷冷下tert−ブチルジメチルクロロシラン(TBSCl)(21g、140mmol)を加えた。次に、混合液を1時間還流下で攪拌した。反応液を濃縮し残渣を得た後、該残渣をエーテル(150mL)に溶解させた。得られた濾液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することにより化合物4の粗生成物を得た。該粗生成物は、精製は行わずに次工程に使用した。
<化合物5の合成>
下記反応式で示すとおり、化合物4の粗生成物(32gをアセトニトリル(250mL)に溶かし、ヨウ化メチル(MeI;44g、310mmol)及びリチウムヘキサメチルジシラジド(LiHMDS;g、310mmol)の29%のテトラハイドロフラン溶液(200mL)を加え、2時間還流した。この反応液に氷水200mlを加え100mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することにより化合物5の粗生成物を得た。該粗生成物は、精製は行わずに次工程に使用した。
<化合物6の合成>
下記反応式で示すとおり、化合物5の粗生成物(20.4g、77mmol)のテトラハイドロフラン(250mL)混合液に、セシウムフロライド(10g、66mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。テトラハイドロフランを減圧で100mlまで濃縮し100mLの酢酸エチルと氷水100mlを加えて酢酸100mlで3回抽出した。合わせた有機相を、飽和食塩水100mlで洗い無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することにより化合物6を得た(12g、収率:53%)。
<化合物7の合成>
下記反応式で示すとおり、化合物6(12g、67mmol)に、硝酸カリウム(KNO;8g、81mmol)の硫酸(20mL)混合液を添加し、氷冷下1時間、更に室温2時間攪拌した。この反応液に200mLの氷水を加え酢酸エチル100mlで3回抽出した。合わせた有機相を、飽和食塩水で洗い無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することにより化合物7a(5g、収率:33%)及び7b(4g、収率:27%)を得た。
<化合物8の合成>
下記反応式で示すとおり、化合物7a(5g、22mmol)及び水素化ホウ素ナトリウム(NaBH;1g、26mmol)のエタノール(50mL)混合液を、室温1時間攪拌した。この混合液に水100mlを加え100mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を、飽和食塩水100mlで洗い無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することにより化合物8の粗生成物を得た。該粗生成物は、精製は行わずに次工程に使用した。
<化合物9の合成>
下記反応式で示すとおり、化合物8(3g、13mmol)及びp−トリスルホン酸触媒(TsOH(cat);200mg)をトルエン30mlに溶かし3時間還流した。この反応液のトルエンを濃縮後水30mlを加えて30mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することにより化合物9を得た(2.5g、収率:90%)。
<化合物10の合成>
下記反応式で示すとおり、化合物9(2.5g、12mmol)と塩化スズ(SnCl;5.7g、30mmol)に、塩酸(HCl;15.5mL)及びを室温にて添加し、その後60度で2時間攪拌した。この反応液に氷水50mLを加え酢酸エチル30mlで3回抽出した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することにより化合物10を得た(1.5g、収率:71%)。
<化合物11の合成>
下記反応式で示すとおり、化合物10(500mg、2.8mmol)のジメチルフォルムアミド(7mL)混合液にトリエチルアミン300mg(30mM)とヨウ素酢酸ジエチルアミド(640mg、30mmol)を加え40度で2時間攪拌した。この反応液に20mlの氷水を加え30mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することにより化合物11を得た(140mg、収率:17%)。
<構造式(1)で表される化合物の合成>
下記反応式で示すとおり、化合物11(140mg、0.48mmol)のジメチルホルムアミド(5mL)混合液にトリエチルアミン50mg(0.5mM)とベンジルブロマイド80mg(0.5mM)を加え60度で2時間加熱した。この反応液に20mlの水を加え5mLの酢酸エチルで3回抽出し溶媒を蒸去後、prep−HPLC(Waters社製)で精製して生成物を得た(15mg、収率:8.2%)。
前記構造式(1)で表される化合物のプロトン核磁気共鳴(NMR)は、400MHzにおいて重クロロホルム(CDCl)中で25℃にて測定した。プロトン核磁気共鳴スペクトルを図1に示す。
また、前記構造式(1)で表される化合物の高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC−MS:正イオンモード)による、実験値は、m/z381.2(M+H)であり、Mの計算値は、m/z381.23(C2430FNO)であった。分析結果を図2Aに示す。図2Aにおいて、上段は、LC(液体クロマトグラフィー)のクロマトグラフ像(縦軸:シグナル強度(mAU)、横軸:測定時間(分間)であり、下段は、MS(質量分析)のクロマトグラフ像(縦軸:シグナル強度、横軸:測定時間(分間))である。また、図2Bにリテンションタイム3.142のピーク成分の質量分析の結果を示す。
(製造例2:構造式(2)で表される化合物の合成)
<N−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)アセトアミドの調製>
下記反応式で示すとおり、4−クロロ−2−フルオロアニリン(2g、13.8mmol)の酢酸(2mL)混合液に、無水酢酸(AcO;1.7mL)を数回に分けて室温(約25℃)にて添加した。得られた反応混合液を2時間攪拌した。反応終了後、混合液をろ過し粗生成物を得た。次に、前記粗生成物をヘキサンで洗浄することにより、N−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)アセトアミドを得た(2.4g、収率:94%)。
このN−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)アセトアミドのプロトン核磁気共鳴(NMR)は、400MHzにおいて重クロロホルム(CDCl)中で25℃にて測定した。プロトン核磁気共鳴スペクトルを図3に示す。
<N−(4−クロロ−2−フルオロ−3−ホルミルフェニル)アセトアミドの調製>
下記反応式で示すとおり、N−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)アセトアミド(30g、0.16mol)のテトラヒドロフラン(THF;300mL)溶液に、−78℃でn−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン溶液(166mL、0.35mol)を数回に分けて添加した。得られた反応混合液を1時間攪拌した。次に、無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF;10.5mL、0.18mol)を−78℃で混合液に添加し、更に0.5時間攪拌した。飽和塩化アンモニウムで反応を停止させた。有機相を分離し、乾燥させ、濃縮することにより粗生成物を得た後、該粗生成物を精製せずに次工程に使用した。
<(E)−エチル−3−(3−アセトアミド−6−クロロ−2−フルオロフェニル)アクリレートの調製>
N−(4−クロロ−2−フルオロ−3−ホルミルフェニル)アセトアミドとエチル−2−(ジエトキシホスホリル)アセテート(37.6g、0.17mol)とを含有するトルエン(500mL)溶液に、水酸化ナトリウム(5.3g、0.22mol)を0℃で添加した。得られた溶液を室温(25℃)にて2時間攪拌した。飽和塩化アンモニウムで反応を停止させ、300mLの酢酸エチルで3回抽出した。有機相を分離し、乾燥させ、濃縮することにより粗生成物を得た後、該粗生成物を精製せずに次工程に使用した。
<(E)−3−(3−アセトアミド−6−クロロ−2−フルオロフェニル)アクリル酸の調製>
(E)−エチル−3−(3−アセトアミド−6−クロロ−2−フルオロフェニル)アクリレートと、メタノール(150mL)/テトラヒドロフラン(THF;150mL)混合溶液との混合液に、水酸化リチウム水溶液(11.3g、150mL、0.27mol)を室温(25℃)にて添加し、次に得られた溶液を2時間攪拌した。混合液を30mLの酢酸エチルで3回抽出した。水相のpHを塩化水素(1M)で1〜2に調整し、30mLの酢酸エチルで3回抽出した。
有機相を乾燥させ濃縮することにより、純粋な生成物である(E)−3−(3−アセトアミド−6−クロロ−2−フルオロフェニル)アクリル酸を得た(15g、収率:37%)。なお、前記収率は、前記3ステップを経た収率である。
この(E)−3−(3−アセトアミド−6−クロロ−2−フルオロフェニル)アクリル酸のプロトン核磁気共鳴(NMR)は、400MHzにおいて重クロロホルム(CDCl)中で25℃にて測定した。プロトン核磁気共鳴スペクトルを図4に示す。
<3−(3−アセトアミド−2−フルオロフェニル)プロパン酸の調製>
下記反応式で示すとおり、(E)−3−(3−アセトアミド−6−クロロ−2−フルオロフェニル)アクリル酸(15g、0.058mol)、パラジウム炭素(Pd/C;1.5g、5.8mmol)、メタノール(100mL)、及びトリエチルアミン(6.4g、0.06mol)の混合液を50℃、1気圧(H)の条件下で一晩攪拌した。混合液をろ過し濃縮することにより3−(3−アセトアミド−2−フルオロフェニル)プロパン酸を黄色固体として得た(10g、収率:73%)。
この3−(3−アセトアミド−2−フルオロフェニル)プロパン酸のプロトン核磁気共鳴(NMR)は、400MHzにおいて重メタノール(MeOD)中で25℃にて測定した。プロトン核磁気共鳴スペクトルを図5に示す。
<N−(4−フルオロ−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)アセトアミドの調製>
下記反応式で示すとおり、3−(3−アセトアミド−2−フルオロフェニル)プロパン酸(10g、0.04mmol)のポリリン酸溶液(PPA;20mL)溶液を120℃で2時間攪拌した。得られた混合液を4N水酸化ナトリウムで処理してpHを10〜12に調整し、100mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することによりN−(4−フルオロ−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)アセトアミドを黄色固体として得た(3.0g、収率:38%)。
このN−(4−フルオロ−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)アセトアミドのプロトン核磁気共鳴(NMR)は、400MHzにおいて重クロロホルム(CDCl)中で25℃にて測定した。プロトン核磁気共鳴スペクトルを図6に示す。
<5−アミノ−4−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オンの調製>
下記反応式で示すとおり、N−(4−フルオロ−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)アセトアミド(3g、0.01mmol)の濃硫酸(20mL)溶液を80℃で0.5時間攪拌した。得られた混合液を4N水酸化ナトリウムで処理してpHを10〜12に調整し、100mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することにより5−アミノ−4−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オンを得た(2.3g、収率:96%)。
この5−アミノ−4−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オンのプロトン核磁気共鳴(NMR)は、400MHzにおいて重クロロホルム(CDCl)中で25℃にて測定した。プロトン核磁気共鳴スペクトルを図7に示す。
<5−(ベンジルアミノ)−4−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オンの調製>
下記反応式で示すとおり、5−アミノ−4−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(2.3g、14mmol)、炭酸セシウム(CsCO;12g、28mmol)、及び臭化ベンジル(0.17g、72mmol)のアセトニトリル(CHCN;20mL)混合液を48時間還流下で攪拌した。混合液を濃縮し残渣を得た後、該残渣を水(20mL)に溶解させた。得られた溶液を20mLの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮することにより粗生成物を得た後、該粗生成物をpre−TLC(Merck社製)で精製することにより、5−(ベンジルアミノ)−4−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オンを黄色固体として得た(370mg、収率:10%)。
この5−(ベンジルアミノ)−4−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オンのプロトン核磁気共鳴(NMR)は、400MHzにおいて重クロロホルム(CDCl)中で25℃にて測定した。プロトン核磁気共鳴スペクトルを図8に示す。
<構造式(2)で表される化合物の調製>
下記反応式で示すとおり、5−(ベンジルアミノ)−4−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(370mg、1.5mmol)及び炭酸セシウム(CsCO;940mg、3mmol)のアセトニトリル(CHCN;20mL)混合液に、N,N−ジエチル−2−ヨードアセトアミド(723mg、3mmol)を室温にて滴下した。次に、混合液を48時間還流した。続いて混合液をろ過し、ろ液を濃縮することにより粗生成物を得た後、該粗生成物をpre−TLC(Merck社製)で精製することにより、構造式(2)で表される2−(ベンジル(4−フルオロ−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)アミノ)−N,N−ジエチルアセトアミドを黄色固体として得た(5mg、収率:1%)。
この2−(ベンジル(4−フルオロ−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)アミノ)−N,N−ジエチルアセトアミドのプロトン核磁気共鳴(NMR)は、400MHzにおいて重クロロホルム(CDCl)中で25℃にて測定した。プロトン核磁気共鳴スペクトルを図9に示す。
(製造例3:構造式(3)及び構造式(4)で表される化合物の合成)
<3−フェニルブタン酸の調製>
下記反応式で示すとおり、ブロモベンゼン(166g、1.07mol)のテトラヒドロフラン(THF;500mL)混合液に、n−ブチルリチウム(n−BuLi;428mL、1.07mol)を−78℃〜−65℃で滴下し、次いで、−78℃で0.5時間攪拌した。次に、(E)−2−ブテン酸(46g、0.53mol)を前記混合液に滴下した。反応終了後、混合液を塩酸で処理してpHを1.0に調整し、続いて500mLのジクロロメタン(DCM)で2回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ濃縮することにより粗生成物を得た後、該粗生成物をカラムクロマトグラフィー(Merck社製のシリカゲル300g)で精製し、3−フェニルブタン酸を黄色液体として得た(52g、収率:60%)。
<3−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オンの調製>
下記反応式で示すとおり、3−フェニルブタン酸(30g、0.18mol)の塩化チオニル(SOCl;100mL)混合液を2時間加熱還流した後、該塩化チオニルを除去した。トルエン(200mL)と塩化アルミニウム(AlCl;24g、0.18mol)を混合液に0℃で添加し、反応混合液を0℃で0.5時間攪拌し、次いで加熱還流した。反応終了後、混合液を氷水で処理し、続いて200mLのジクロロメタン(DCM)で2回抽出した。合わせた有機相を水(100mL)と飽和食塩水(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ濃縮することにより粗生成物を得た後、該粗生成物をゲルカラムクロマトグラフィー(Merck社のシリカゲル100g)にてペンタン(PE):酢酸エチル(20:1(体積比))で溶出させて精製することにより、3−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オンを褐色油状物として得た(16g、収率:60%)。
<3−メチル−6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1−H−インデン−1−オンの調製>
下記反応式で示すとおり、3−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(9.0g、0.06mol)の硫酸(HSO;40mL)混合液に、硝酸カリウム(KNO;6.2g、0.06mol)の硫酸(30mL)溶液を0℃で滴下した。次に、該混合液を反応が終了するまで0℃で攪拌した。この反応により得られた混合液を氷水に添加し、ろ過した。ケーキを水で洗浄し100gのシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Merck社製)にてペンタン(PE):酢酸エチル(10:1(体積比))で溶出させて精製することにより、3−メチル−6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1−H−インデン−1−オンを黄色固体として得た(8g、収率:69%)。
<6−アミノ−3−メチル−2,3−ジヒドロ−1−H−インデン−1−オンの調製>
下記反応式で示すとおり、3−メチル−6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1−H−インデン−1−オン(5.0g、0.026mol)、塩酸(HCl;90mL)及び水(HO;30mL)の混合液に、塩化スズ(SnCl;26.5g、0.117mol)を室温にて添加し、反応混合液を40℃で0.5時間攪拌した。反応終了後、混合液を飽和、無水炭酸カリウム(KCO;300mL)で処理し、続いて100mLのジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機相を濃縮することにより、6−アミノ−3−メチル−2,3−ジヒドロ−1−H−インデン−1−オンを得た(3.8g、収率:92%)。
<N−(1−メチル−3−オキソ−インダン−5−イル)ベンズアミドの調製>
下記反応式で示すとおり、3−メチル−6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1−H−インデン−1−オン(7g、0.043mol)及びトリエチルアミン(9.6g、0.095mol)のジクロロメタン(DCM;100mL)混合液に、塩化ベンゾイル(PhCOCl;6.7g、0.043mol)のジクロロメタン(DCM;20mL)溶液を0℃で添加し、反応混合液を2時間攪拌した。反応終了後、混合液を水(50mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(50mL)、及び飽和食塩水(50mL)で洗浄し、濃縮することにより粗生成物を得た後、該粗生成物を50gのシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Merck社製)にてペンタン(PE):酢酸エチル(10:1(体積比))で溶出させて精製し、所望の生成物であるN−(1−メチル−3−オキソ−インダン−5−イル)ベンズアミドを黄色固体として得た(10g、収率:87%)。
<[ベンジル−(1−メチル−3−オキソ−インダン−5−イル)−アミノ]酢酸エチルエステルの調製>
下記反応式で示すとおり、N−(1−メチル−3−オキソ−インダン−5−イル)ベンズアミド(10g、0.037mol)及び無水炭酸カリウム(10.4g、0.075mol)のアセトニトリル(150mL)混合液に、ブロモ酢酸エチル(BrCHCOOEt;7.5g、0.045mol)のアセトニトリル(20mL)溶液を添加し、反応混合液を5時間還流した。反応終了後、混合液をろ過し、ろ液を濃縮することにより粗生成物として[ベンジル−(1−メチル−3−オキソ−インダン−5−イル)−アミノ]酢酸エチルエステルを黄色固体として得た(8g、収率:63%)。
<[ベンジル−(3−ヒドロキシ−1−メチル−インダン−5−イル)−アミノ]酢酸エチルエステルの調製>
下記反応式で示すとおり、[ベンジル−(1−メチル−3−オキソ−インダン−5−イル)−アミノ]酢酸エチルエステル(4g、0.011mol)とテトラヒドロフラン(THF;50mL)との溶液に、ボラン(BH)のメチルスルフィド(MeS;1.4mL、0.014mol)混合液を添加し、反応混合液を2時間還流した。BHのMeS(1.4mL、0.014mol)混合液は、残留反応物が消失するまで数回に分けて添加した。メタノール(10mL)にて0℃で反応を停止させた。得られた混合液を室温まで加温し0.5時間攪拌した。混合液を濃縮して粗生成物を得た後、該粗生成物を30gのシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Merck社製)にてペンタン(PE):酢酸エチル(5:1(体積比))で溶出させて精製し、所望の生成物である[ベンジル−(3−ヒドロキシ−1−メチル−インダン−5−イル)−アミノ]酢酸エチルエステルを得た(1.4g、収率:32%)。
<[ベンジル−(3−ヒドロキシ−1−H−インダン−5−イル)−アミノ]酢酸エチルエステルの調製>
下記反応式で示すとおり、[ベンジル−(3−ヒドロキシ−1−メチル−インダン−5−イル)−アミノ]酢酸エチルエステル(2g、5.9mmol)及びp−トルエンスルホン酸−水和物(P−TsOH.2HO;0.12g、0.6mmol)のトルエン(50mL)混合液を2時間還流した。反応終了後、混合液を炭酸水素ナトリウムで処理し、続いて20mLの酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を、水(20mL)と飽和食塩水(20mL)とで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮することにより粗生成物として[ベンジル−(3−ヒドロキシ−1−H−インダン−5−イル)−アミノ]酢酸エチルエステルを得た(1.5g、収率:77%)。該粗生成物をprep−HPLC(Waters社製)で精製し純粋な生成物を得た。
<[ベンジル−(3−ヒドロキシ−1−H−インダン−5−イル)−アミノ]酢酸の調製>
下記反応式で示すとおり、[ベンジル−(3−ヒドロキシ−1−H−インダン−5−イル)−アミノ]酢酸エチルエステル(0.5g、0.0016mol)、水酸化リチウム(LiOH;0.13g、0.003mol)、テトラヒドロフラン(THF;7mL)、水(3mL)、及びメタノール(3mL)の混合液を、反応が終了するまで室温にて攪拌した。得られた混合液を塩酸で処理してpHを6.0に調整し、続いて30mLのジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水(25mL)で洗浄し硫酸マグネシウムで乾燥させ濃縮することにより粗生成物として[ベンジル−(3−ヒドロキシ−1−H−インダン−5−イル)−アミノ]酢酸を得た(0.32g、70%)。該粗生成物は、更なる精製は行わずに次工程に使用した。
この[ベンジル−(3−ヒドロキシ−1−H−インダン−5−イル)−アミノ]酢酸のプロトン核磁気共鳴(NMR)は、400MHzにおいて重クロロホルム(CDCl)中で25℃にて測定した。プロトン核磁気共鳴スペクトルを図10に示す。
<構造式(3)で表される化合物及び構造式(4)で表される化合物の調製>
下記反応式で示すとおり、[ベンジル−(3−ヒドロキシ−1−H−インダン−5−イル)−アミノ]酢酸(0.2g、0.7mmol)、HATU(0.38g、1mmol、Aldrich社製)、トリエチルアミン(NEt;0.5g、5mmol)及びジクロロメタン(10mL)の混合液に、アミン(3.5mmol)を20℃で1時間添加した。次に、混合液を20mLの水で3回洗浄し、prep−HPLC(Waters社製)で精製して生成物として、構造式(3)で表される化合物(42mg、収率:19%)及び構造式(4)で表される化合物(35mg、収率:14%)を得た。
なお、同様に、下記構造式(5)で表される化合物(55mg、収率:24%)及び下記構造式(6)で表される化合物(39mg、収率:17%)も得られたが、後述する実施例1では、構造式(3)で表される化合物及び構造式(4)で表される化合物を用いて試験を行った。
この構造式(3)で表される化合物及び構造式(4)で表される化合物のプロトン核磁気共鳴(NMR)は、400MHzにおいて重クロロホルム(CDCl)中で25℃にて測定した。構造式(3)で表される化合物のプロトン核磁気共鳴スペクトルを図11に、構造式(4)で表される化合物のプロトン核磁気共鳴スペクトルを図12に示す。
(実施例1)
前記構造式(1)〜(4)で表される化合物のそれぞれのキネシンスピンドルタンパク質阻害活性を、Elizabeth B. Cogan et al., Analytical Biochemistry, 1999, 271, p.29−35及びKeith W. Rickert et al., Archives of Biochemistry and Biophysics, 2008, 469, p.220−231に記載の方法を参照し、以下の方法で測定した。
<キネシンスピンドルタンパク質の調製>
−キネシンスピンドルタンパク質の発現−
BL21 Star(DE3)(インビトロジェン株式会社製)をLB(Luria−Bertani)培地を用いて37℃、200rpmの条件で、1晩培養した。この培養物を2LのLB培地に添加し600nmにおけるODを0.01とした。次いで、37℃、200rpmの条件で、600nmにおけるODが0.4となる細胞密度になるまで培養した。
キネシンスピンドルタンパク質の発現は、1mM IPTG(Isopropyl−β−D−thiogalactopyranoside)を添加することにより誘導し、IPTGによる誘導開始から3時間後に、4℃、7,000gで15分間遠心分離を行うことにより細胞を回収した。このリコンビナントキネシンスピンドルタンパク質を発現する細胞は、1g/パックとして、使用時まで−80℃で保存した。
−キネシンスピンドルタンパク質の精製−
リコンビナントキネシンスピンドルタンパク質を発現するウェット細胞2gを氷冷したタンパク質抽出バッファー(下記に組成を示す。)50mLに懸濁した。マイクロフルイダイザー(MICROFLUIDIZER、Microfluidics社製)を用いて、4℃にて15,000psiの圧力で細胞を3回処理し溶解させた。次いで、高機能高速冷却遠心機(Beckman Avanti J−26XP、ベックマンコールター社製)を用いて、4℃にて20,000×gで30分間遠心分離を行った後、上清を回収し、続いて該上清を0.45μMフィルターでろ過した。
ろ液を1mL HisTrap(商標)HPカラム(GEヘルスケア社製)に充填した。A280がベースラインに達するまで、このカラムに、His−Buffer A(下記に組成を示す。)とHis−Buffer B(下記に組成を示す。)(His−Buffer A:His−Buffer B=95:5(体積比))を流した。His−Buffer Bを、His−Buffer Aに対して0体積%〜50体積%のリニアグラジエントで流してリコンビナントキネシンスピンドルタンパク質を溶出させた。
キネシンスピンドルタンパク質のピークは、25体積%のBuffer B(250mMイミダゾール)で観測された。この粗キネシンスピンドルタンパク質画分(4mL)を透析チューブ(Ting Ke Hong Da(中国製))に入れ、4℃で、500mLのIEX Buffer A(下記に組成を示す。)で透析した。この透析は2回行った。
次いで、更なる精製をイオン交換(IEX)クロマトグラフィーにて行った。キネシンスピンドルタンパク質の画分を1mL HisTrap(商標)SPXLカラム(GEヘルスケア社製)に充填した。A280がベースラインに達するまで、このカラムにIEX Buffer Aを流し、続いてpH6.8のIEX Buffer A及びIEX Buffer B(下記に組成を示す。)を用いて塩化ナトリウムの濃度について0M〜1Mのリニアグラジエントで流した。
キネシンスピンドルタンパク質は、塩化ナトリウムの濃度が約400mMのときに溶出され、この画分を透析により保存用バッファー(下記に組成を示す。)に移した。透析の方法は、1回目の精製と同様の方法で行った。
最終的に精製したキネシンスピンドルタンパク質の濃度を、紫外吸収法により測定した。精製したキネシンスピンドルタンパク質の濃度は1.5μMであった。これを100μL/チューブ(総量1.45mL)に分けて使用時まで−80℃で保存した。
[タンパク質抽出バッファーの組成]
50mM HEPES(4−(2−ハイドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルフォン酸)(pH8.0)
2mM 塩化マグネシウム
250mM 塩化ナトリウム
10質量% グリセロール
0.1質量% NP−40(ポリオキシエチレン(9)オクチルフェニルエーテル)
1mM ジチオトレイトール(DTT)
1mM フェニルメチルスルフォニルフルオライド(PMSF)
0.5mM ATP−Mg
10mM イミダゾール
2mM Benzimidine
[His−Buffer Aの組成]
50mM HEPES(pH8.0)
2mM 塩化マグネシウム
250mM 塩化ナトリウム
10質量% グリセロール
[His−Buffer Bの組成]
50mM HEPES(pH8.0)
2mM 塩化マグネシウム
250mM 塩化ナトリウム
10質量% グリセロール
1M イミダゾール
[IEX Buffer Aの組成]
50mM HEPES(pH6.8)
1mM 塩化マグネシウム
1mM ジチオトレイトール(DTT)
10質量% グリセロール
[IEX Buffer Bの組成]
50mM HEPES(pH6.8)
1mM 塩化マグネシウム
1mM ジチオトレイトール(DTT)
10質量% グリセロール
1M 塩化ナトリウム
[保存用バッファー]
50mM HEPES(pH6.8)
1mM 塩化マグネシウム
1mM ジチオトレイトール(DTT)
10質量% グリセロール
<キネシンスピンドルタンパク質阻害活性の測定>
−構造式(1)〜(4)で表される化合物の調製−
前記構造式(1)〜(4)で表される化合物は、それぞれ100質量%DMSO(ジメチルスルホキシド)中に100倍濃度(100×)で調製した。次いで、100質量%DMSOで0.001mM、0.003.mM、0.01mM、0.03mM、0.1mM、0.3mM、1mM、3mM、10mM、30mMとなるように希釈した。
−キネシンスピンドルタンパク質阻害活性の測定方法−
下記表1に示す反応液を調製した。即ち、水28.5μLと、前記精製したキネシンスピンドルタンパク質(1.5μM)1μLと、10×反応バッファー(150mM PIPES(1,4−ピペラジンジエタンスルフォン酸)(pH7.0)、10mM 塩化マグネシウム、10mM EGTA(グリコールエーテルジアミン四酢酸))5μLと、5×微小管溶液(330μg/mL微小管、15mM PIPES(pH7.0)、1mM塩化マグネシウム、10μMタキソール)10μLと、前記調製した100×化合物(構造式(1)で表される化合物、構造式(2)で表される化合物、構造式(3)で表される化合物、又は構造式(4)で表される化合物)0.5μLとを混合して45μLの反応液を調製し、37℃で10分間インキュベートした後、10×ATP溶液(10mM ATP、10mM PIPES(pH7.0))5μLを添加して反応を開始させ、直ちに37℃で20分間インキュベートした。なお、前記反応液50μL中の終濃度は、19mM PIPES、1mM EGTA、1.2mM塩化マグネシウム、2μMタキソール、66μg/mL微小管、30nMキネシンスピンドルタンパク質、1mM ATPとなる。
また、ハイコントロールは、前記反応液において、100×化合物に代えて100質量%DMSOのみを用いたこと以外は、前記反応液と同様の方法で調製し、同様の方法で反応させた。
また、ローコントロールは、前記反応液において、キネシンスピンドルタンパク質1μLに代えて水1μLを添加したこと以外は、前記反応液と同様の方法で調製し、同様の方法で反応させた。
反応後、150μLのQuench Cバッファー(下記に組成を示す。)を添加して反応を停止させて、続いて室温で5分間インキュベートした。525nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダ(SpectraMax、Molecular Devices社製)で測定した。
[Quench Cの組成]
100μLのQuench A(1mg/mLキナルジンレッド(QR)、0.14質量%PVA)と50μLのQuench B(1.15M硫酸、12.3mM七モリブデン酸アンモニウム)とを混合した。なお、Quench Cバッファーは、試験前に用時調製したものを用いた。
キネシンスピンドルタンパク質は、ATPをADPとPi(リン酸)に分解する。分解して生成されたPiは、キナルジンレッド(QR)及び七モリブデン酸アンモニウムと結合して複合体を形成する。このため、525nmにおける吸光度を測定することによりPiの生成量を測定することができる。したがって、前記ハイコントロールの525nmにおける吸光度の値(Piの生成量)を100としたとき、該ハイコントロールの吸光度の値と、前記化合物を添加した試験区の吸光度の値とを比較することで、キネシンスピンドルタンパク質の活性が阻害されているか否かを判断することができる。
即ち、キネシンスピンドルタンパク質の活性阻害率は、以下の計算式より算出することができる。前記各化合物の濃度と、キネシンスピンドルタンパク質活性の阻害率との関係を下記表2に示す。
阻害率(%)=(S−L)/(H−L)×100
上記計算式において、「S」は、前記構造式(1)で表される化合物、前記構造式(2)で表される化合物、前記構造式(3)で表される化合物、又は前記構造式(4)で表される化合物を添加した反応液で試験した吸光度の値、「L」は、ローコントロールの吸光度の値、「H」は、ハイコントロールの吸光度の値を表わす。
表2の結果より、前記構造式(1)で表される化合物、前記構造式(2)で表される化合物、前記構造式(3)で表される化合物、及び前記構造式(4)で表される化合物は、それぞれ好適にキネシンスピンドルタンパク質の活性を阻害できることがわかった。

Claims (20)

  1. 下記一般式(I)で表されることを特徴とする化合物。
    ただし、前記一般式(I)において、
    及びRは、置換基を有していてもよいアルキル基を表し、
    は、下記一般式(II)及び下記一般式(III)いずれかを表し、
    前記R及び前記Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
    ただし、前記一般式(II)及び前記一般式(III)において、
    Xは、水素原子及びハロゲン原子のいずれかを表し、
    は、メチル基、ジメチル基、及び酸素原子のいずれかを表し、
    *は、結合手を表す。
  2. 一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(IV)、下記一般式(V)、及び下記一般式(VI)のいずれかで表される化合物である請求項1に記載の化合物。

    ただし、前記一般式(IV)、前記一般式(V)、及び前記一般式(VI)において、
    及びRは、置換基を有していてもよいアルキル基を表し、
    Xは、水素原子及びハロゲン原子のいずれかを表し、
    前記R及び前記Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
  3. 一般式(I)で表される化合物において、R及びRの少なくともいずれかが、エチル基及びメチル基のいずれかであり、Xが、水素原子、フッ素原子、及び塩素原子のいずれかである請求項1から2のいずれかに記載の化合物。
  4. 一般式(I)で表される化合物が、下記構造式(1)、下記構造式(2)、下記構造式(3)、及び下記構造式(4)のいずれかで表される化合物である請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の化合物を含有し、キネシンスピンドルタンパク質の活性を阻害することを特徴とするキネシンスピンドルタンパク質阻害剤。
  6. 請求項5に記載のキネシンスピンドルタンパク質阻害剤を含有し、少なくとも一部にキネシンスピンドルタンパク質が介在する障害を予防乃至治療することを特徴とする医薬組成物。
  7. 少なくとも一部にキネシンスピンドルタンパク質が介在する障害が、細胞増殖性疾患である請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 細胞増殖性疾患が、ガン疾患である請求項7に記載の医薬組成物。
  9. ガン疾患が、肺ガン、気管支ガン、前立腺ガン、乳ガン、膵臓ガン、結腸ガン、直腸ガン、小腸ガン、甲状腺ガン、食道ガン、口腔ガン、咽頭ガン、喉頭ガン、胃ガン、肝臓ガン、肝内胆管ガン、腎臓ガン、腎盂ガン、膀胱ガン、子宮体ガン、子宮頸ガン、卵巣ガン、結膜ガン、涙腺ガン、眼瞼ガン、多発性骨髄腫、脳腫瘍、非ホジキンリンパ腫、黒色腫、繊毛性結腸腺腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ性白血病、及び骨髄性白血病から選択される少なくとも1種である請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 更に薬理学的に許容される担体を含む請求項6から9のいずれかに記載の医薬組成物。
  11. 更にガンの予防乃至治療に用いられる少なくとも1種の薬剤を含む、請求項6から10のいずれかに記載の医薬組成物。
  12. 請求項5に記載のキネシンスピンドルタンパク質阻害剤と細胞とを接触させて、該細胞におけるキネシンスピンドルタンパク質の活性を阻害することを特徴とするキネシンスピンドルタンパク質の阻害方法。
  13. 細胞が、生体内の細胞及び培養細胞のいずれかである請求項12に記載のキネシンスピンドルタンパク質の阻害方法。
  14. キネシンスピンドルタンパク質阻害剤を動物に投与することにより、前記キネシンスピンドルタンパク質と生体内の細胞とを接触させる請求項13に記載のキネシンスピンドルタンパク質の阻害方法。
  15. 動物が、非ヒト動物である請求項14に記載のキネシンスピンドルタンパク質の阻害方法。
  16. 請求項6から11のいずれかに記載の医薬組成物を用いて、少なくとも一部にキネシンスピンドルタンパク質が介在する障害を予防乃至治療することを特徴とする予防乃至治療方法。
  17. 少なくとも一部にキネシンスピンドルタンパク質が介在する障害が、細胞増殖性疾患である請求項16に記載の予防乃至治療方法。
  18. 細胞増殖性疾患が、ガン疾患である請求項17に記載の予防乃至治療方法。
  19. ガン疾患が、肺ガン、気管支ガン、前立腺ガン、乳ガン、膵臓ガン、結腸ガン、直腸ガン、小腸ガン、甲状腺ガン、食道ガン、口腔ガン、咽頭ガン、喉頭ガン、胃ガン、肝臓ガン、肝内胆管ガン、腎臓ガン、腎盂ガン、膀胱ガン、子宮体ガン、子宮頸ガン、卵巣ガン、結膜ガン、涙腺ガン、眼瞼ガン、多発性骨髄腫、脳腫瘍、非ホジキンリンパ腫、黒色腫、繊毛性結腸腺腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ性白血病、及び骨髄性白血病から選択される少なくとも1種である請求項18に記載の予防乃至治療方法。
  20. 少なくとも一部にキネシンスピンドルタンパク質が介在する障害の予防乃至治療が、医薬組成物を動物に投与することにより行われる請求項16から19のいずれかに記載の予防乃至治療方法。
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