JP2009507003A - 視神経炎の治療 - Google Patents

視神経炎の治療 Download PDF

Info

Publication number
JP2009507003A
JP2009507003A JP2008528515A JP2008528515A JP2009507003A JP 2009507003 A JP2009507003 A JP 2009507003A JP 2008528515 A JP2008528515 A JP 2008528515A JP 2008528515 A JP2008528515 A JP 2008528515A JP 2009507003 A JP2009507003 A JP 2009507003A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
interferon
administered
patient
miu
protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008528515A
Other languages
English (en)
Inventor
サーゴット,ロバート
Original Assignee
アレス トレーディング ソシエテ アノニム
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アレス トレーディング ソシエテ アノニム filed Critical アレス トレーディング ソシエテ アノニム
Publication of JP2009507003A publication Critical patent/JP2009507003A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/19Cytokines; Lymphokines; Interferons
    • A61K38/21Interferons [IFN]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/56Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/19Cytokines; Lymphokines; Interferons
    • A61K38/21Interferons [IFN]
    • A61K38/215IFN-beta
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/33Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans derived from pro-opiomelanocortin, pro-enkephalin or pro-dynorphin
    • A61K38/35Corticotropin [ACTH]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
    • A61P27/02Ophthalmic agents

Abstract

本発明は、ステロイド化合物とインターフェロンβタンパク質との連続的又は同時投与を含む、脱髄性視神経炎(DON)を有する患者を治療する方法を提供する。そのような治療において、例えばインターフェロンβタンパク質が毎週の累積投与量が12MIUを超えて投与される場合に、IFN−βの早期積極的治療が有効であることがわかった。本発明の方法は、早期段階DONを有する患者の治療に特に適しておりかつ有効である。特に本発明で治療されることにより利益を受けるDONは無症状の段階にあるものである。

Description

本発明は医学の分野であり、視神経炎の治療に関する。より具体的には、本発明は、例えば孤立脱髄性神経炎のような視神経炎を有する患者の治療法と、該患者の治療用薬剤の製造とにおけるIFNβの使用に関する。
視神経炎は、青年の視覚消失の一般的原因であり、またしばしば多発性硬化症の最初の兆候でもある。視神経炎を有する患者の約75%は、15年以内に臨床的に明確な多発性硬化症(CDMS)に進行することがわかっている。従って多発性硬化症を診断を最初に検討するのは眼科医かも知れない。
MSは、軸策脱髄と消失とを特徴とする炎症性自己免疫疾患である。MS患者の大部分はまず視神経炎(ON)の症状を示し、これは視神経傷害を特徴とする。特に視神経炎研究グループ(Optic Neuritis Study Group;ONTT)の臨床研究は、視神経炎の自然の病歴と治療を明らかにすることを促進した。これらの研究は、経口プレドニソロン又はプラセボと比較して、静脈内メチオニンプレドニソロン(IVMP)による治療が視力をより早く回復させるが、長期的には視力に差が無いことを証明した(例えば、ONTTプロトコールとその結果についての説明は、Current Opin Neurol.1995 Feb;8(1):72−6を参照)。IVMPで治療された患者の臨床的に明確な多発性硬化症のその後の発症は、最大2年間遅延された。しかし治療された患者をプラセボ群と比較すると、3年目で臨床的に明確な多発性硬化症(CDMS)の発症率に差はなかった。
すなわち、視神経炎の治療のためのこのプロトコールを改良する必要がある。
追加の臨床試験は、視神経炎における又は臨床的に明確な多発性硬化症の「リスク患者」の最初の臨床事象の治療におけるインターフェロンβ(IFNβ)の使用を示唆している。
例えばBalcerとGaletta,Semin Ophthalmol.2002 Mar;17(1):4−10は、静脈内メチオニンプレドニソロン(IVMP)の次に週1回経口プレドニソンと筋肉内IFNβ1aの30マイクログラム(mcg)又は週1回の皮下22mcgにより、臨床的に明確な多発性硬化症(CDMS)を発症するリスクが高い患者の脱髄性視神経炎を治療することを提唱している。
CHAMPS研究は、「リスク患者」(MRI基準:>2のT2病変)と「高リスク患者」(>9のT2病変、>1のガドリニウム陽性病変)における最初の臨床事象後のCDMSへの転換速度を低下させるために、週1回の筋肉内IFNβ30mcgの早期使用を調べた。
同様にETOMS研究は、リスク患者(患者は、>4のT2病変又は3の病変を有し、そのうちの1つはテント下又はガドリニウム陽性であった)における最初の臨床事象後のCDMSへの転換速度を低下させるために、週1回の皮下IFNβ22mcgの早期使用を調べた。
視神経炎の治療のための現在利用できる薬物治療のどれも充分満足できるものではない。従って本発明の目的は、視神経炎の改良された治療法を提供することである。
本発明は、ONを有する患者、特に脱髄性視神経炎(DON)を有する患者を治療するための新しい有利な方法を提供する。この方法は、免疫抑制化合物(例えばステロイド化合物)とインターフェロンβタンパク質の連続的又は同時投与を含む。かかる治療法においてIFN−bによる積極的治療が有効であることがわかっている。本発明の方法は、早期段階ONを有する患者の治療に特に適しておりかつ有効である。特に本発明の治療により利益を受ける早期段階ONは、治療される時無症状の、すなわち診断手段を用いることによってのみ検出できる段階である。
本発明は、IFNβが早期ON、特にDONの症状を有する患者に有効な効果を有することを示す臨床治験データに基づく。早期DONには、視神経中の軸策消失に関連した構造変化が関連することがわかった。これらの構造変化は、網膜神経繊維層(RNFL)の厚さを測定する連続的光干渉断層撮影 (serial optical coherence tomography)解析により同定され定量される。ONとMS疾患の進行中の軸索変性は経時的にRNFL密度(厚さ)を減少させるため、OCTは、軸策消失、生存、及び治療への応答について求心性視覚系を評価するためにONとMSで使用される。
驚くべきことに、例えばDON患者の臨床的に罹患していない目のようなONの観察された早期段階の変化は、ONTTプロトコールのように、免疫抑制化合物(ステロイド剤を含む)に基づく標準的治療プロトコールに従うON治療と組合せてIFN−bを用いる早期積極的治療を用いて、停止、低減、及び逆転させることができることが、本発明で発見された。
従ってある態様において本発明は、視神経炎(ON)を有する患者を治療する方法であって、ステロイド化合物とインターフェロンβタンパク質を連続的又は同時に投与することを含み、ここでインターフェロンβタンパク質は毎週の累積投与量が12MIUを超えることを特徴とする上記方法を提供する。好ましくは治療される視神経炎は脱髄性視神経炎(DON)である。
さらに好適な実施態様において本発明の治療法で治療される患者は、臨床的に明確な多発性硬化症(CDMS)を持っていない。好適な実施態様においてONは孤立した症状である(孤立した視神経炎、「臨床的孤立症候群[CIS])。ONを示す患者は、次にCDMSを示すことも示さないこともある。
すなわち本発明において、ON及び特にDONは、炎症性CNS疾患に関連しているか、又は全身性炎症性CNS疾患に関連していない。用語「炎症性CNS疾患」は、特に脱髄性炎症性CNS疾患、例えばMS、進行性多病巣性白質脳症(PML)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、又は他の関連疾患を含む。
好適な実施形態において本発明の治療法で治療される患者は、例えばMRI基準で規定される臨床的に明確な多発性硬化症(CDMS)を発症する高リスクにはない。例えば好適な実施態様において本発明の治療法で治療される患者は、3またはそれ以上の直径3mmを超える白質病変を持たず、好ましくは2またはそれ以上の直径3mmを超える白質病変を有さない。さらに好ましくは患者は、直径3mmを超える白質病変を有さない。
好適な実施態様において本発明の治療法で治療される患者は、臨床的に明確な多発性硬化症(CDMS)を発症するリスクがあり、これはONの最初の診断の10年後に30、28、26、24、22、又は20%に等しい又はそれ以下である。
別の実施態様において本発明の治療法で治療される患者は、患者は男性であり、初めてONを診断された時視神経円板浮腫、出血、又は浸出液を示し、及び/又は罹患した目の疼痛が無いため、臨床的に明確な多発性硬化症(CDMS)を発症する低リスクプロフィールを有する。
別の実施態様において本発明の治療法で治療される患者は、最初にONが現れる時、軸策消失及び/又は網膜神経節消失の高リスクを有する。最初にONが現れる時軸策消失及び/又は網膜神経節消失の高リスクを有する患者は、例えばパルス静脈内ステロイド療法で3〜4週間以内に視覚機能が改善しない患者、及び/又は軸索の消失症状(OCT、例えば連続的光コヒーレンストモグラフィー(sOCT)、又はスキャニングレーザー偏光測定法(SLP)により測定するとRNFL厚さが少なくとも平均5%、10%、20%、さらには30%の低下)を示す患者である。さらにONが最初に現れる時に5%を超える又は10%もしくは15%を超える軸策消失を示す患者は、本発明の治療法により治療される時、利益を受けると考えられる。かかる軸策消失は、免疫抑制剤(例えばステロイド)による初期治療前又は後に侵襲的又は非侵襲的方法により測定される。好ましくは軸策消失について非侵襲的なインビボのバイオマーカーが測定される。
本発明で用語「多発性硬化症」は、DSM−IV分類のように定義される(「炎症性CNS疾患の診断と統計的マニュアル(Diagnosis and Statistical Manual of Inflammatory CNS Disorders)」、第4版、アメリカ精神医学会(American Psychiatric Association)、ワシントンD.C.、1994)。
さらに好適な実施態様においてDONは、1つの視神経でのみ臨床的に現れる。「臨床的に現れる」とは、患者が主観的に感じる(例えば、視力の低下)か、又は生理学的臓器機能が機能的に確認できる量で低下している、生理学的臓器機能の障害のような少なくとも1つの症状を有することを意味する。視神経について確認される生理学的臓器機能には、例えば視力、コントラスト感度、色覚、及び視野がある。
ある実施態様においてONは、治療される患者では臨床的に現れていない。ONが臨床的に現れていない場合、患者は視力は低下していないであろうが、軸策消失のような病理プロセスは、適切な診断法、例えばOCT、SLP、視覚誘発電位(VEP)又は網膜電位図(PERG)記録により確認される。
ある実施態様において本発明で治療される患者は、治療の開始時に少なくとも1つの眼でRNFL厚さが30ミクロン以下、好ましくは25、20、又は15ミクロン以下の低下を有する。
別の実施態様において本発明で治療される患者は、少なくとも1つの眼でRNFL厚さが少なくとも10又は5ミクロンの低下を有する。
本発明のある実施態様において使用されるインターフェロンβタンパク質は、インターフェロンβ1aであり、例えばAvonex(登録商標)又はRebif(登録商標)である。本発明の別の実施態様においてインターフェロンβタンパク質はインターフェロンβ1bであり、例えばBetaferon(登録商標)である。
本発明のさらなる実施態様においてインターフェロンβタンパク質は改変インターフェロンβタンパク質であり、例えば長時間作用型インターフェロンβである。特に長時間作用性インターフェロンβは、ペグ化インターフェロンβ、インターフェロンβHAS融合タンパク質、及びインターフェロンβFc融合タンパク質から選択される。
好適な実施態様においてIFNは免疫グロブリン分子のコード領域に融合される。好ましくはこれは重鎖領域(例えばヒトIgG1のCH2及びCH3ドメイン)に融合される。他のアイソフォーム型の免疫グロブリン分子(例えばアイソフォームIgG2、IgG3、もしくはIgG4)又は他の免疫グロブリンクラス(例えばIgM又はIgA)も、本発明の融合タンパク質の作成に適している。融合タンパク質はモノマー又はマルチマー、ヘテロもしくはホモマルチマーでもよい。
さらに好適な実施態様において官能性誘導体は、アミノ酸残基上の1つまたはそれ以上の側鎖として存在する1つまたはそれ以上の官能基に結合した少なくとも1つの成分を含む。好ましくは成分はポリエチレン(PEG)成分である。PEG化は、例えばWO99/55377に記載のように公知の方法により行われる。
本発明のある実施態様においてインターフェロンβは、1回の投与当たり少なくとも44mcg皮下投与される。好ましくはインターフェロンβは週3回投与される。ある特に好適な実施態様においてインターフェロンβは、週3回44mcg皮下投与される。
本発明においてインターフェロンβタンパク質は、ステロイド治療の終了後、28日以内、21日以内、又は14日以内、さらに7日以内の間隔で、週3回少なくとも44mcg皮下の用量まで徐々に増量される。
本発明で使用される免疫抑制化合物は、例えば随時抗増殖活性/抗新生物活性を有する免疫抑制剤(例えば、ミトキサントロン、メソトレキセート、アザチオプリン、シクロホスファミド、又はステロイド)から選択される。例えば免疫抑制剤は、以下の用量範囲でヒトに投与される:シクロホスファミド500〜1500mg/m2静脈内;メソトレキセート最大20mg経口;ミトキサントロン12mg/m2静脈内、又はアザチオプリン2mg/kg経口。
好適な実施態様において免疫抑制化合物はステロイド化合物である。
本発明のステロイド化合物は、例えばメチルプレドニソロン、プレドニソンもしくはデキサメタゾン、又はステロイド分泌性薬剤、例えばACTHよりなる群から選択される。ステロイドは以下の用量範囲でヒトに投与される:メチルプレドニソロン1〜2mg静脈内、又は24〜48mg経口;プレドニソン1mg/m2経口、又はACTH最大100MIU。
好適な実施態様においてステロイド化合物はメチルプレドニソロンである。
ステロイド化合物及びインターフェロンβタンパク質の投与は連続的でも同時でもよい。本発明の好適な実施態様において免疫抑制化合物(例えばステロイド化合物及びインターフェロンβタンパク質)の投与は連続的である。好ましくは免疫抑制化合物による治療は、インターフェロンβタンパク質の投与の前に行われる。
本発明においてステロイド化合物は分割用量で投与される。好適な実施態様においてステロイド化合物は少なくとも2回の分割用量で投与される。
別の好適な実施態様においてステロイド化合物は、視神経炎治療治験(ONTT)プロトコール(Beck RW,視神経炎研究グループ、視神経炎治療治験、Arch Ophthalmol 1988;106:1051−53)。
本発明の治療法は、単独で又はMSに有効な追加の化合物と組合せて行われる。すなわち本発明のある実施態様において、さらなる「MS化合物」(又は「MS薬」)が患者に投与される。
本明細書において用語「インターフェロンβ(IFNβ又はIFN−β)」はヒト繊維芽細胞インターフェロンを含み、これは未変性、すなわち天然の供給源から精製されるか、又は原核生物源(例えば大腸菌(E. coli))又は真核生物宿主細胞(例えば酵母又は哺乳動物細胞)から組換えDNA技術により得られる。例えばチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)又はヒト細胞のような哺乳動物細胞は、組換えIFNβの生産のための好適な宿主である。IFNβはグリコシル化されてもグリコシル化されなくてもよい。本明細書において用語「インターフェロンβ」は、天然のインターフェロンβ、ならびに原核生物(例えば大腸菌)又は真核生物(例えばCHO)宿主からでも、組換え法により産生されるインターフェロンβを包含する。本発明で使用されるIFNβがグリコシル化されていない(例えば大腸菌中で産生される)場合、グリコシル化IFNβに匹敵する生物学的作用又は薬理効果を得るために、より多量のIFNβを投与することが好ましい。例えば同等の活性を得るために、グリコシル化IFNβの量より約10倍多い量の非グリコシル化IFNβを投与することが好ましい。本明細書において用語「インターフェロンβ」はまた、IFNβの官能性誘導体、ムテイン、類似体、又は融合タンパク質を包含する。
すなわち本明細書において用語「インターフェロン(IFN)」及び「インターフェロンβ(IFNβ)」は、生物学的液体から単離することにより得られるような特にヒト起源の繊維芽細胞インターフェロン、又は原核生物もしくは真核生物宿主細胞から組換えDNA技術により得られるインターフェロン、ならびにその塩、官能性誘導体、変異体、類似体、及び活性断片を含む。
好ましくは本発明の範囲内で使用されるIFNβは、Avonex(登録商標)、Betaseron(登録商標)、又はさらに好ましくはRebif(登録商標)である。
Rebif(登録商標)(インターフェロンβ1a)は、分子量が約22,500ダルトンの精製された166アミノ酸の糖タンパク質である。これは組換えDNA技術を使用して、ヒトインターフェロンβ遺伝子を導入された遺伝子改変したチャイニーズハムスター卵巣細胞を使用して産生される。Rebif(登録商標)のアミノ酸配列は、ヒトインターフェロンβから得られる天然の繊維芽細胞と同じである。天然のインターフェロンβ及びインターフェロンβ1a(Rebif(登録商標))はグリコシル化されており、それぞれが単一のN結合複合炭水化物成分を含有する。
世界保健機構(World Health Organization)の天然インターフェロンβ標準物質(インターフェロン第2国際標準物質(Second International Standard for Interferon)、ヒト繊維芽細胞GB23902531)に対して較正した標準物質を使用すると、WISH細胞及び水疱性口内炎ウイルス(Vesicular Stomatitis virus)を使用するインビトロ細胞変性作用バイオアッセイにより測定すると、Rebif(登録商標)は比活性が1mgのインターフェロンβ1aについて約2億7000万国際単位(MIU)の抗ウイルス活性を有する。
Figure 2009507003
この方法を使用すると、Rebif(登録商標)44mcgは約12 MIUの抗ウイルス活性を有する。
MSの現在の薬物療法には、疾患改変治療法、すなわちMSの経過を改変、免疫系を調節又は抑制する治療法がある。従って本発明の意味においてMS化合物には、RRMSのための4つのFDA認可免疫調節剤;3つのベータインターフェロン(Betaseron(登録商標)、Berlex;Avonex(登録商標)、Biogen;Rebif(登録商標)、Serono)、及びGlatimarer Acetate(Copaxone(登録商標)、Amgen)がある。本発明の意味においてMSの薬物療法はまた、悪化性MSのFDA認可免疫抑制剤ミトキサントロン(Novantrone(登録商標)、Amgen)がある。
本発明に適したIFNβは市販されており、例えばRebif(登録商標)(Serono)、Avonex(登録商標)(Biogen)、又はBetaferon(登録商標)(Schering)である。本発明ではヒト起源のインターフェロンの使用も好ましい。本明細書において用語インターフェロンは、その塩、官能性誘導体、変異体、類似体、及び活性断片を包含する。
Rebif(登録商標)(組換えヒトインターフェロンβ)は、多発性硬化症(MS)のインターフェロン療法で最も最近開発されたものであり、治療における大きな進歩である。Rebif(登録商標)は、哺乳動物細胞株から産生されたインターフェロン(IFN)−ベータ1aである。インターフェロンβ1aを週に3回皮下投与することは再発/寛解型多発性硬化症(RRMS)の治療に有効であることが証明された。インターフェロンβ1aは、再発の頻度と重症度を低減させることにより、及びMRIで測定される疾患及び疾患活性の負荷を低減させることにより、MSの長期経過に有効な作用を有する。
本発明の再発/寛解型MSの治療におけるIFNβの投与は、使用されるIFNβの種類に依存する。
本発明においてIFNが大腸菌で産生された組換えIFNβ1b(商標Betaseronで市販されている)である場合、これは好ましくは1日置きに1人当たり約250〜300mcg又は8MIU〜9.6MIUの用量で皮下投与される。
本発明においてIFNがチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)で産生された組換えIFNβ1a(商標Avonexで市販されている)である場合、これは好ましくは週に1回1人当たり約30〜33mcg又は6MIU〜6.6MIUの用量で筋肉内投与される。
本発明においてIFNがチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)で産生された組換えIFNβ1a(商標Rebifで市販されている)である場合、これは好ましくは、週に3回(TIW)1人当たり22〜44mcg又は6MIU〜12MIUの用量で皮下投与される。好ましくは1回の投与当たり44mcg又は12MIUの用量が選択される。
本発明のIFNβタンパク質は、IFNβの誘導体、変異体、及びムテインを含む。
本明細書において「官能性誘導体」は、IFN−ベータの誘導体、その変異体又はムテイン及び融合タンパク質を含み、これは残基上の側鎖として又はN末端基もしくはC末端基として存在する官能基から当該分野で公知の方法により調製される。これらの官能性誘導体は、医薬的に許容される限り、すなわちタンパク質の活性を破壊せず、IFNβの活性と実質的に同様の又はこれより優れており、これを含有する組成物に有害な性質を付与しない限り、本発明に含まれる。
これらの誘導体は例えばポリエチレングリコール側鎖を含んでよく、これはタンパク質の他の性質、例えば安定性、半減期、バイオアベイラビリティ、人体による耐性、又は免疫原性を改善することがある。この目標を達成するために、IFNβは例えばポリエチレングリコール(PEG)に連結してもよい。PEG化は例えばWO92/13095に記載のような公知の方法により行われる。特にPEG−IFNは、WO99/55377の教示に従って調製することができる。
従って好適な実施態様においてIFNβの官能性誘導体は、アミノ酸残基上の1つまたはそれ以上の側鎖として存在する1つまたはそれ以上の官能基に結合した少なくとも1つの成分を含む。成分がポリエチレングリコール(PEG)成分である実施態様が極めて好ましい。本発明において数個のPEG成分をIFNβに結合させてもよい。
他の誘導体には、カルボキシル基の脂肪族エステル、カルボキシル基とアンモニア又は1級もしくは2級アミンとの反応によるアミド、アシル成分(例えば、アルカノイルもしくは炭素環アロイル基)と生成されるアミノ酸残基の遊離アミノ基のN−アシル誘導体、又はアシル成分と生成される遊離ヒドロキシル基(例えばセリル又はスレオニル残基のもの)のO−アシル誘導体がある。
本発明の範囲で使用される「変異体」又は「ムテイン」は、IFNβの類似体を意味し、ここで天然のIFNβの1つまたはそれ以上のアミノ酸残基は、野生型IFNβと比較して生じる生成物の活性を大きく低下させることなく、異なるアミノ酸残基で置換されるか、又は欠失されるか、又は1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が天然の配列のIFNβに付加される。これらのムテインは、公知の合成法及び/又は部位特異的突然変異誘発法、又は任意の他の適切な方法により調製される。
本発明の用語「変異体」又は「ムテイン」は、厳密性条件下で例えばUS4,738,931号に開示されたようにIFNβをコードするDNA又はRNAにハイブリダイズする核酸(例えばDNA又はRNA)によりコードされるタンパク質を含む。用語「厳密性条件」は、ハイブリダイゼーションと以後の洗浄条件を意味し、これを当業者は「厳密」であると呼ぶ。Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology(前述)、Interscience,N.Y.、セクション6.3と6.4(1987、1992)を参照。特に限定されないが、厳密性条件の例には、試験中のハイブリッドの計算されるTmより低い12〜20℃での、例えば2×SSCと0.5%SDS中で5分間、2×SSCと0.1%SDS中で15分間の洗浄条件;0.1×SSCと0.5%SDS中で37℃で30〜60分間、次に0.1×SSCと0.5%SDS中で68℃で30〜60分間の洗浄条件がある。当業者は、厳密性条件がDNA配列、オリゴヌクレオチドプローブ(例えば10〜40塩基)、又はこの混合オリゴヌクレオチドプローブの長さにも依存することを理解するであろう。混合プローブを使用する場合は、SSCの代わりに塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)を使用することが好ましい。Ausubel(前述)を参照されたい。
同一性は、配列を比較することにより決定される2つまたはそれ以上のポリペプチド配列又は2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列の間の関係を反映する。一般に同一性は、比較される配列の長さにわたって、それぞれ2つのポリヌクレオチド又は2つのポリペプチド配列の正確なヌクレオチド対ヌクレオチド又はアミノ酸対アミノ酸の一致を意味する。
正確な対応の無い配列について、「%同一性」が測定される。一般に、比較される2つの配列は配列間の最大相関を与えるように整列される。これは、整列の程度を上昇させるために、1つの配列又は両方の配列に「ギャップ」を挿入することを含む。%同一性は、比較される配列のそれぞれの全長にわたって決定され(いわゆる全体整列)、これは同じ長さ又は似た長さの配列、又はより短い特定の長さ(いわゆる局所的整列)にわたって特に適しており、これは長さの等しくない配列により適している。
2つまたはそれ以上の配列の同一性と相同性を比較する方法は当該分野で公知である。すなわち例えば、Wisconsin Sequence Analysis Package、バージョン9.1(Devereux Jら、1984)で入手できるプログラム、例えばプログラムBESTFITとGAPを使用して、2つのポリヌクレオチド間の%同一性、及び2つのポリペプチド配列間の%同一性と%相同性を決定することができる。BESTFITはSmithとWaterman(1981)の「局所相同性」アルゴリズムを使用し、2つの配列間の類似性の最適な単一の領域を見つける。配列間の同一性及び/又は類似性を決定するための他のプログラムも当該分野で公知であり、例えばBLASTファミリのプログラム(Altschul,S.F.ら、1990,Altschul,S.F.ら、1997、www.ncbi.mlm.nih.govでNCBIのホームページからアクセスできる)やFASTA(Pearson W R,1990)がある。
かかる変異体又はムテインは好ましくは、IFNβと実質的に同様の活性を有するように、IFNβのアミノ酸配列と充分重複したの配列を有する。任意の変異体又はムテインがIFNβと同様の活性を有するかどうかを評価するための機能的アッセイは、例えばYoucerfiら、1985が記載したWISH細胞中の水疱性口内炎ウイルスの細胞変性作用に対するインターフェロンの活性を測定するアッセイである。すなわち、あるムテインはIFNβと実質的に同じ活性を有するかどうかを慣習的な実験により測定することができる。
好適な実施態様においてかかる変異体又はムテインは、米国特許第4,738,931号に記載のIFNβの配列と少なくとも40%の同一性又は相同性を有する。さらに好ましくはこれは、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%の同一性又は相同性を有する。
本発明で使用できるIFNβのムテイン、又はこれをコードする核酸は、本明細書に記載した教示や指針に基づき、過度の実験をすることなく、当業者により慣習的に得られる置換ペプチドまたはポリヌクレオチドとして実質的に対応する配列の有限のセットを含む。
本発明のムテインの好適な変化は、「保存的」置換として知られているものである。IFNβポリペプチドの保存的アミノ酸置換には、群のメンバー間の置換でも分子の生物学的機能が保存されるように、充分に似ている生理化学的性質を有する群内の同義のアミノ酸を含む(例えば、Grantham,1974)。特に挿入及び/又は欠失が数個のアミノ酸(例えば30未満、好ましくは10未満)のみを含み、かつ機能コンフォメーションに決定的に重要なアミノ酸(例えばシステイン残基)を除去したり排除したりしないなら、その機能を変化させることなく、上記で定義した配列にアミノ酸を挿入及び/又は欠失させてもよいことは明らかである。かかる欠失及び/又は挿入により産生されるタンパク質及びムテインは、本発明の範囲内である。
好ましくは、同義のアミノ酸群は表Iで定義されるものである。さらに好ましくは同義のアミノ酸群は表IIで定義されるものである。さらに好ましくは同義のアミノ酸群は表IIIで定義されるものである。
表I
同義のアミノ酸の好適な群
アミノ酸 同義の群
Ser Ser, Thr, Gly, Asn
Arg Arg, Gln, Lys, Glu, His
Leu Ile, Phe, Tyr, Met, Val, Leu
Pro Gly, Ala, Thr, Pro
Thr Pro, Ser, Ala, Gly, His, Gln, Thr
Ala Gly, Thr, Pro, Ala
Val Met, Tyr, Phe, Ile, Leu, Val
Gly Ala, Thr, Pro, Ser, Gly
Ile Met, Tyr, Phe, Val, Leu, Ile
Phe Trp, Met, Tyr, Ile, Val, Leu, Phe
Tyr Trp, Met, Phe, Ile, Val, Leu, Tyr
Cys Ser, Thr, Cys
His Glu, Lys, Gln, Thr, Arg, His
Gln Glu, Lys, Asn, His, Thr, Arg, Gln
Asn Gln, Asp, Ser, Asn
Lys Glu, Gln, His, Arg, Lys
Asp Glu, Asn, Asp
Glu Asp, Lys, Asn, Gln, His, Arg, Glu
Met Phe, Ile, Val, Leu, Met
Trp Trp
表II
同義のアミノ酸のより好適な群
アミノ酸 同義の群
Ser Ser
Arg His, Lys, Arg
Leu Leu, Ile, Phe, Met
Pro Ala, Pro
Thr Thr
Ala Pro, Ala
Val Val, Met, Ile
Gly Gly
Ile Ile, Met, Phe, Val, Leu
Phe Met, Tyr, Ile, Leu, Phe
Tyr Phe, Tyr
Cys Cys, Ser
His His, Gln, Arg
Gln Glu, Gln, His
Asn Asp, Asn
Lys Lys, Arg
Asp Asp, Asn
Glu Glu, Gln
Met Met, Phe, Ile, Val, Leu
Trp Trp
表III
同義のアミノ酸の最も好適な群
アミノ酸 同義の群
Ser Ser
Arg Arg
Leu Leu, Ile, Met
Pro Pro
Thr Thr
Ala Ala
Val Val
Gly Gly
Ile Ile, Met, Leu
Phe Phe
Tyr Tyr
Cys Cys, Ser
His His
Gln Gln
Asn Asn
Lys Lys
Asp Asp
Glu Glu
Met Met, Ile, Leu
Trp Met
本発明で使用されるIFNβのムテインを得るために使用できるタンパク質のアミノ酸置換の作成例には、任意の公知の方法、例えばMarkらの米国特許第4,959,314号、4,588,585号、及び4,737,462号;Kothsらの5,116,943号、Namenらの4,965,195号;Chongらの4,879,111号;及びLeeらの5,017,691号に記載のもの;及び米国特許第4,904,584号(Shawら)に記載のリジン置換タンパク質がある。
特殊な種類のインターフェロン変異体が最近記載されている。いわゆる「コンセンサスインターフェロン」は、IFNの天然に存在しない変異体である(US6,013,253)。コンセンサスインターフェロンはまた本発明で使用される。
本明細書においてIFNβの「官能性誘導体」は、当該分野で公知の方法により、残基上の側鎖として又はN末端もしくはC末端基として存在する官能基から調製され、医薬的に許容される限り、すなわち上記タンパク質の生物活性を破壊しない限り、すなわち対応する受容体に結合し受容体シグナル伝達を開始する能力を破壊しない限り、及びこれを含有する組成物に毒性を付与しない限り、本発明に包含される。誘導体は化学的成分(例えば炭水化物又はリン酸塩残基)を有するが、ただしかかる誘導体はタンパク質の生物活性を保持し、医薬的に許容されるままである。
例えば誘導体は、カルボキシル基の脂肪族エステル、カルボキシル基とアンモニア又は1級もしくは2級アミンとの反応によるアミド、アシル成分(例えば、アルカノイルもしくは炭素環アロイル基)と生成されるアミノ酸残基の遊離アミノ基のN−アシル誘導体、又はアシル成分と生成される遊離ヒドロキシル基(例えばセリル又はスレオニル残基のもの)のO−アシル誘導体がある。かかる誘導体はまたポリエチレングリコール側鎖があり、これは抗原性部位をマスクし、体液中の分子の滞留を延長させることがある。
特に重要なのは、複合体形成物質で誘導体化又は組合せて持続性になるようにしたタンパク質である。例えば本発明でペグ化体又は体内で長期作用性を示すように遺伝子改変タンパク質を使用することができる。インターフェロンβ1aのペグ化体はWO99/55377に記載されており、本願のインターフェロンβの定義に含まれると考えられる。
本発明においてIFNβの塩も視神経炎の治療に使用される。
本明細書において用語「塩」は、カルボキシル基の塩、及び上記タンパク質又はその類似体のアミノ基の酸付加塩の両方を意味する。カルボキシル基の塩は当該分野で公知の方法により生成され、無機塩、例えばナトリウム、カルシウム、アンモニウム、第二鉄、もしくは亜鉛塩など、及び例えばアミン(例えばトリエタノールアミン、アルギニン、又はリジン、ピペリジン、プロカインなど)と形成されるような他の塩基との塩を含む。酸付加塩には、例えば鉱酸、例えば塩酸又は硫酸との塩、及び有機酸、例えば酢酸又はシュウ酸との塩がある。もちろんかかる塩は、例えば上記バイオアッセイで測定されるIFNβの生物活性を保持しなければならない。
用語「融合タンパク質」は、別のタンパク質に融合したIFNβを含むタンパク質、又はその変異体もしくは断片を意味し、これは例えば体液中の滞留時間が延長している。すなわちIFNβは、別のタンパク質、ポリペプチドなど(例えば免疫グロブリンまたはその断片)に融合してもよい。
従ってさらなる実施態様においてIFNβは免疫グロブリン融合体を含み、すなわちIFNβは、免疫グロブリンのすべて又は一部に融合したIFNβのすべて又は一部を含む融合タンパク質である。免疫グロブリン融合タンパク質を作成する方法は当該分野で公知であり、例えばWO01/03737に記載されている。本発明で得られる融合タンパク質がIFNβの生物活性を保持することを当業者は理解するであろう。融合は、直接的でも、短いリンカーペプチド(1〜3アミノ酸残基の長さ又はそれ以上、例えば13アミノ酸残基の長さでもよい)を介してもよい。該リンカーは配列E−F−M(GLu−Phe−Met)のトリペプチド、Glu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−GLy−GLu−Phe−Metを含む13アミノ酸リンカー配列、又はIFNβ配列と免疫グロブリン配列から得られる配列との間に導入されたGly−Serリッチなリンカーでもよい。生じる融合タンパク質は改良された性質、例えば体液中の滞留時間(半減期)の延長、比活性の上昇、発現レベルの上昇、又は融合タンパク質の精製の促進を有する。
さらに好適な実施態様においてIFNβはIg分子の定常領域(しばしば免疫グロブリンのFc部分と呼ばれる)に融合される。好ましくはこれは重鎖領域(例えばヒトIgG1のCH2及びCH3ドメイン)に融合される。Ig分子の他のアイソフォーム(例えばアイソフォームIgG2又はIgG4、又は他のIgクラス、例えばIgM又はIgA)も、本発明の融合タンパク質の作成に適している。融合タンパク質はモノマーでも、マルチマーでも、ヘテロもしくはモノマルチマーでもよい。免疫グロブリン融合タンパク質の調製法は当該分野で公知であり、例えばEP526452又はUS5,155,027に記載されている。IFNβ成分を含むIg融合タンパク質は、例えばEP227110、US5,541,087、WO97/24137、又はWO00/23472に記載されている。
本発明の「断片」は、IFNβの任意のサブセット(すなわち、上記バイオアッセイにより測定される所望の生物活性を保持するより短いペプチド)を意味する。断片は、分子のいずれかの端からアミノ酸を除去し、生成物を受容体アゴニストとしての性質について試験することにより容易に調製される。ポリペプチドのN末端又はC末端から1回に1つのアミノ酸を除去するためのプロテアーゼは公知であり、生物活性を保持する断片は、Youcefiら、1985に記載された慣習的な実験のみを含む試験で測定される。
本発明は、上記誘導体を作成するための組換え法を与えるが、これらの誘導体はまた、従来のタンパク質合成法(当業者には公知である)により作成することもできる。
IFNβ、又はIFNβ活性を有するその変異体/ムテイン、官能性誘導体、活性断片、又は融合タンパク質は、好ましくは全身性に、かつ好ましくは皮下もしくは筋肉内に投与される。皮内、経皮(例えば持続放出性製剤で)、静脈内、経口、頭蓋内、硬膜外、局所的、直腸内、及び鼻内経路も本発明の範囲内である。
他の治療的に有効な投与経路も使用され、例えば上皮もしくは内皮組織を介する吸収、又は遺伝子治療(IFNβをコードするDNA分子が患者に投与される(例えばベクターを介して))が使用され、これはIFNβをインビボで発現させ分泌させる。
IFNβは医薬組成物、すなわち医薬的に許容される担体、賦形剤などと一緒に調製される。
「医薬的に許容される」の定義は、活性成分の生物活性の有効性を妨害せず、投与される宿主に対して毒性ではない任意の担体を包含することを意味する。例えば非経口投与について活性タンパク質は、食塩水、ブドウ糖液、血清アルブミン、及びリンゲル液のようなビヒクル中の注射用の単位投与型で調製される。
本明細書において用語「治療する」又は「治療している」は、一時的に又は永久に症状を改善、軽減するか、症状の原因を排除するか、又は疾患の兆候または症状の出現を防ぐかもしくは遅らせることを意味する。本明細書において用語「治療」は「疾患の予防」という用語を含み、これは例えば、疾患症状の発症を医学的に有意な程度に遅らせることにより証明される。疾患の治療は、例えば疾患が引き起こす症状の低減、又は疾患症状の再発の改善により証明される。
単回投与又は多回投与として個体に投与される用量は、種々の要因[例えばIFNβの薬物動態、投与経路、患者の症状と特徴(性、年齢、体重、健康、サイズ)、症状の程度、同時の治療、治療頻度を含む]により変化する。確立された用量範囲の調整と調節は、当業者により行われる。
本発明の好適な用量と治療法は、12MIU(44mcg)のIFNβを週に3回、12MIU(44mcg)を毎日、24MIU(88mcg)を週に3回、24MIU(88mcg)を毎日、よりなる群から選択される。これらの用量は好ましくは皮下投与される。
100mcg(約27MIU)のIFNβを週に1回筋肉内投与することも好ましい。
1日用量はまた、所望の結果を得るのに有効な分割用量又は持続放出性製剤で投与してもよい。2回目又はそれ以降の投与は、個体に投与された最初の又はその前の用量と同じか、より少ないか、又はより多い用量で行われる。
本発明のさらに好適な実施態様においてIFNβによる治療は、MSの治療に有用な他の薬剤(「MS剤」)と組合せることができる。これらの薬剤は、組換えIFNβと同時に、別に、又は連続して投与することができる。例えばMSの薬物(MS剤)療法が治療(すなわちMSの経過)を改変するか、免疫系を調節もしくは抑制してもよい。すなわち本発明の意味内においてMS剤には、Glatimarer Acetate(Copaxone(登録商標)、Amgen)、ならびに悪化するMSのFDA認可された免疫抑制剤ミトキサントロン(Novantrone(登録商標)、Amgen)がある。さらにMS治療のために開発中の薬剤も本発明で使用され、例えばスフィンゴシン−1−ホスフェート(S1P)受容体アゴニスト、修飾ペプチドリガンド、免疫抑制剤、アデノデアミナーゼインヒビター、IV免疫グロブリンG、T細胞表面マーカーのモノクローナル抗体、TH2促進サイトカイン、TH1促進サイトカインの発現を阻害する化合物、抗けいれん剤、AMPAグルタミン酸受容体アンタゴニスト、VCAM−1発現のインヒビターもしくはそのリガンドのアンタゴニスト、抗マクロファージ遊走阻止因子、カテプシンSインヒビター、及びmTORインヒビターがある。すなわち本発明の意味内でMS剤は以下を含む:
− バクロフェン、ジアゼパム、ピラセタム、及びダントロレンを含む抗けいれん剤。例えば抗けいれん剤は、以下の用量でヒトに投与される:バクロフェンを経口で最大100mg、ジアゼパムを経口で最大20mg、ピラセタムを経口で最大24mg、ダントロレンを経口で最大100mg、ラモトリジンを最大100mg/日、リルゾールを経口で最大100mg、チザニジンを経口で最大12mg、クロニジンを経口で最大0.1mg、ベータ遮断薬(例えばプロパノロール)を経口で最大160mg、シプロヘプタジエンを経口で最大8mg、オルフェナドリンを経口で最大100mg、及びカナビノイド(例えばドロナビノール)を経口で最大5mg。
− アデノシンデアミナーゼインヒビター、例えばクラドリビン。例えばクラドリビンのようなADAインヒビターは、最大0.07mg/kg/日の用量範囲でヒトに投与される。
− 修飾ペプチドリガンド、例えば酢酸塩型のグラチラマー。グラチラマーは例えば皮下で最大20mg又は経口で最大50mgでヒトに投与される。
− AMPAグルタミン酸受容体アンタゴニスト、例えば2,3−ジヒドロキシ−6−ニトロ−7−スルファモイルベンゾ(f)キノキサリン、[1,2,3,4−テトラヒドロ−7−モルホリン−イル−2,3−ジオキシ−6−(トリフルオロメチル)キノキサリン−1−イル]メチルホスホネート、1−(4−アミノフェニル)−4−メチル−7,8−メチレン−ジオキシ−5H−2,3−ベンゾジアゼピン、又は(−)1−(4−アミノフェニル)−4−メチル−7,8−メチレン−ジオキシ−4,5−ジヒドロ−3−メチルカルバモイル−2,3−ベンゾジアゼピン。
− カテプシンSインヒビター。カテプシンSインヒビター(例えばWO03/20721に開示されたような化合物)は、0.1〜100mg/kg/日の用量範囲でヒトに投与される。
− 免疫グロブリンG(例えば、Neurology,1998,May 50(5):1273−81に開示されているもの)。例えば免疫グロブリンGは最大400mg/kgの用量範囲でヒトに静脈内投与される。
− 種々のT細胞表面マーカーに対するモノクローナル抗体、例えばナタリズマブ(Antegren(登録商標)、Tysabri(登録商標))又はアレムツズマブ。例えば種々のT細胞表面マーカーに対するモノクローナル抗体は以下の用量範囲でヒトに投与される:ナタリズマブを静脈内に最大3mg/kg、アレムツズマブを皮下又は静脈内に最大30mcg。
− TH2促進サイトカイン、例えばIL−4、IL−10、又はTH1促進サイトカインの発現を阻害する化合物、例えばホスホジエステラーゼインヒビター、例えばペントキシフィリン、ラモトリジン、リフルゾール、チザニジン、クロニジン、ベータ遮断薬、シプロヘプタジン、オルフェナドリン、又はカナビノイド。例えば、TH2促進サイトカインは以下の用量範囲でヒトに投与される:IL−4を皮下に最大3llg/kg、又はIL−10を皮下に最大20p.g/kg。TH1促進サイトカインの発現を阻害する化合物(例えばホスホジエステラーゼインヒビターペントキシフィリン)は最大4mgをヒトに経口投与される。
− VCAM−1発現のインヒビター又はそのリガンドのアンタゴニスト、例えばthea4IインテグリンVLA−4及び/又はアルファ−4−ベータ−7インテグリンのアンタゴニスト、例えばナラリズマブ(ANTEGREN)。
− S1P受容体アゴニスト、例えばEP627406A1(例えば、式Iの化合物)、EP0778263A1(例えば式IIIの化合物)、WO02/18395(例えば式IVa又はIVbの化合物)、WO02/076995(例えば式Vの化合物)、JP2002316985(例えば式VIIIの化合物)、WO03/2914(例えば、式IIIとIXの化合物)に開示されたS1P受容体アゴニスト。適切な用量と投与経路は、上記化合物についての上記文献から容易にわかる。
− mTorインヒビター。例えばmTorインヒビター[例えばラパマイシン又はその誘導体、例えば40−0−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン]は、約0.1〜25mg/kg/日の用量範囲で投与される。
− 抗マクロファージ遊走阻止因子(抗MIF)。
− 抗炎症剤、例えばUS5540938に記載の抗炎症化合物、例えばファムプリジン;WO01/45698に記載の抗炎症化合物、例えばシンバスタチン;WO9967230に記載の抗炎症化合物、例えばCDP323;WO2004043965に記載の抗炎症化合物、例えばMLN3897;WO03070711に記載の抗炎症化合物;WO01/47920に記載の抗炎症化合物;WO03/068230に記載の抗炎症化合物、例えばデスカーピルフェニドン;WO9848802に記載の抗炎症化合物、例えばザリプロデン;WO0228866に記載の抗炎症化合物、例えばテンシロリムス;WO99/55678に記載の抗炎症化合物、例えばラキニモド;EP−727,406、WO2004/028251及びWO2004/028251に記載の抗炎症化合物、例えばフィンゴリモド:WO02080897に記載の抗炎症化合物、例えばテリフルノミド。
通常の技術を有する医師、臨床家、又は獣医師は、症状の進行を緩和、抵抗し、又は停止させるのに必要な単一の活性成分の有効量を容易に決定し処方することができる。毒性を示さずに効力を与える範囲内の活性成分の濃度を達成するのに最適な精度は、標的部位への活性成分の利用可能性の動態に基づく処方を必要とする。
本発明を充分説明したため、本発明の精神と範囲を逸脱することなくかつ過度の実験をすることなく、広範囲の同等のパラメータ、濃度、及び条件内で本発明を実施できることを当業者は理解するであろう。
本発明をその具体例に関連して説明しているが、さらなる修飾が可能であることは理解されるであろう。本願は本発明の原理に一般的に従い、かつ本発明に関連する分野で公知もしくは慣習の範囲内で、及びこれまでの基本的な特徴に適用され請求の範囲に従う本開示との差を含む、本発明の任意の変更態様、使用、又は適用を包含することを企図する。
雑誌論文又は書録、公開されたかもしくは非公開の米国特許もしくは外国特許、公告された米国特許もしくは外国特許、又は任意の他の文献を含む本明細書に引用されたすべての文献は、引用文献中のすべてのデータ、表、図面、及び本文を含む全体が参照することにより本明細書に組み込まれる。従って本明細書に引用された文献内で引用された文献の全内容も参照することにより本明細書に組み込まれる。
公知の方法の工程、従来法の工程、公知の方法、又は従来法への参照は、決して関係する分野で本発明の態様、説明、又は実施態様が開示、教示、又は示唆されていることを認めるものではない。
具体例の前記説明は本発明の一般的性質を充分に明らかにしているため、当該分野の技術内の知識(引用文献の内容を含む)を応用することにより、過度の実験をすることなく、本発明の一般的概念から逸脱することなく、種々の応用のためにかかる具体例を容易に修飾及び/又は改変することができるであろう。従ってかかる改変及び修飾は、本明細書に記載の教示と指針に基づき、開示された実施態様の同等物の範囲内であると考えられる。本明細書の語法又は用語は説明のためであって決して限定するものではなく、本明細書の語法又は用語は本明細書に提示した教示と指針に照らして当業者の知識と組合せて解釈すべきである。
視神経炎において光コヒーレンストモグラフィーを使用して軸索生存に対する皮下インターフェロンβ1aの作用を評価
目的:光コヒーレンストモグラフィー(OCT)を使用して、多発性硬化症(MS)が引き起こす脱髄性視神経炎(ON)において軸索消失/生存に対する皮下インターフェロンβ1a(Rebif(登録商標))の作用を評価する。症例研究を示す。
方法:患者に標準的神経眼科検査(視力、求心性瞳孔欠陥、眼内圧、及び色視検査を含む)を行った。脳と脊髄病変の程度をMRIで評価した。解析目的に、それぞれの目を12のセクターに分けて、ベースライン、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、及び12ヶ月目にOCT測定値を得た。
結果:35才の白人男性は右目に一側性ONを示し、視神経炎治療治験プロトコールに従って高用量静脈内メチルプレドニソロンにより治療された。患者は4年以上無症候性であり、次に左目にONを示し大きな高強度MRI脳病変を示した。OCTは、右目に顕著に減少したRNFL厚さと左目に軽いRNFL消失を証明した。再発/寛解型MSで診断して、患者をメチルプレドニソロン、次にRebif皮下44mcg週3回で治療した。視力は改善し、MRI病変は解消し、シグナル強度の低下した小さな領域となった。連続OCT解析は、右目の継続する軸策消失を証明したが、左目の小セクターのRNFL厚さがゆっくり上昇した。Rebif療法は充分許容され、最後の24ヶ月の間、患者は新しいMRI病変は無く再発が無かった。
結論:OCTは、軸策消失/生存を定量するための信頼できる非侵襲的手段である。ON患者の我々の予備的観察は、臨床症状が無くても、罹患していない目のRFNL厚さが経時的に低下することを示唆する。この症例研究の証拠は、インターフェロンβ1a皮下による早期積極的治療によりONの無症状のOCT変化が停止され逆転する可能性のあることを示唆する。早期診断とIFNβによる積極的治療は、長期の臨床的結果を改善することができる。
高用量高頻度インターフェロン療法によるインビボ神経保護:多発性硬化症と視神経炎における連続的光コヒーレンストモグラフィー実験
目的:光コヒーレンストモグラフィー(OCT)は網膜神経繊維層(RNFL)厚さを測定する。本研究は、再発/寛解型多発性硬化症(RRMS)と視神経炎(ON)を有する患者で連続OCTを使用して、高用量、高周波数インターフェロンβ1a皮下(Rebif)療法で起きる軸索の変化を評価した。
方法:患者(N=18)がRRMSと一側性ONを有した場合、この進行中のプロスペクティブオープンラベル概念実証試験に参加させ、ベースラインで視神経の浮腫を有するか又は他のDMTで治療中であった場合は除外した。患者は視神経炎治療治験プロトコールに従ってパルスIVメチルプレドニソロン(MP)で、その直後にRebif 22mcgを週3回〜44mcgを週3回まで2週間変化させて治療した。1つの眼について12のセクターのRNFL厚さをStratus OCTを用いて、ベースライン、3、6、9、及び12ヶ月目に測定した。罹患した目と罹患していない目について別々に、ベースラインから各時点までの変化を、対応のあるt−検定により比較した。それぞれの目のタイプでOCTとの相関についてMRIデータを解析した。応答(ベースラインから>4%の上昇)をセクター毎かつ各タイプの目で応答するセクターの数を解析した。
結果:ON患者についての我々の予備観察結果は、罹患した目における急速な軸策消失以外に、患者は臨床的に罹患していない目で、臨床症状が無くても無症候性の軸策消失を有することを示唆する。臨床的に罹患した目では、5つのセクターで3ヶ月までに、6つのセクターでベースライン後の最後の通院(最大12ヶ月)までにRNFL厚さは有意に低下し、臨床的に罹患していない目では、3ヶ月目又はベースライン後の最後の通院でも有意な変化は無かった。
結論:我々の結果はMPとRebifを用いる治療が、罹患していない目でRNFL厚さを維持し、従って神経保護作用を与えることを示唆する。我々のデータは、ONとMSの早期診断におけるOCTの有用性を証明し、早期かつ積極的な治療を可能にし、これはONにおける無症候性のOCT変化を遅らせ、停止させることができ、そして/又は場合によっては逆転させる可能性を有し、良好な長期の予後を促進することを証明している。

Claims (35)

  1. 免疫抑制化合物とインターフェロンβタンパク質との連続的又は同時投与を含んで成る、視神経炎(ON)を有する患者を治療する方法であって、ここで該インターフェロンβタンパク質は毎週の累積投与量が12MIUを超えて投与されることを特徴とする方法。
  2. 免疫抑制化合物の連続的又は同時投与を含んで成る視神経炎(ON)を有する患者の治療のための医薬の製造におけるインターフェロンβタンパク質の使用であって、ここで該インターフェロンβタンパク質は毎週の累積投与量が12MIUを超えて投与されることを特徴とする使用。
  3. 毎週の累積投与量が、16MIU以上、20MIU以上、24MIU以上、28MIU以上、32MIU以上、36MIU以上、又は40MIU以上であることを特徴とする、請求項1又は2の方法。
  4. 前記視神経炎(ON)が脱髄性視神経炎(DON)である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 患者が臨床的に明確な多発性硬化症(CDMS)を有さない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 患者が、MRI基準に従って臨床的に明確な多発性硬化症(CDMS)を発症するリスクが高くない、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 患者が、直径が3mmを超える白質病変を、3つまたはそれ以上、好ましくは2つまたはそれ以上有さない、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 患者が、直径が3mmを超える白質病変を有さない、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 患者が室周囲又は卵形白質病変を有さない、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記ONが、1つのみの視神経において臨床的に明確である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記ONが臨床的に明確でない、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記ONが単独の臨床症状である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 患者が、治療の開始時に、少なくとも1つの眼において30ミクロン以下、好ましくは25、20、15、又は10ミクロン以下のRNFLの厚さの低下を有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 患者が、少なくとも1つの眼において少なくとも10、7.5、又は5ミクロンのRNFLの厚さの低下を有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記インターフェロンβがインターフェロンβ1aである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記インターフェロンβがインターフェロンβ1bである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記インターフェロンβタンパク質が皮下投与される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記インターフェロンβタンパク質が筋肉内投与される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記インターフェロンβが修飾インターフェロンβである、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記インターフェロンβが長時間作用性インターフェロンβである、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記長時間作用性インターフェロンβが、ペグ化インターフェロンβ又はインターフェロンβFc融合タンパク質から選択される、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記インターフェロンβが1回の投与当たり少なくとも44mcgにおいて皮下投与される、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記インターフェロンβが少なくとも週に3回投与される、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記インターフェロンβが44mcgにおいて週に3回皮下投与される、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記インターフェロンβが、免疫抑制化合物による治療の停止後に28日以内の間隔で、好ましくは21日以内の間隔で、少なくとも44mcg皮下の用量で週3回投与まで漸増されることを特徴とする、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記免疫抑制化合物がステロイド化合物である、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記ステロイド化合物が、メチルプレドニソロン、プレドニソン、もしくはデキサメタゾン、又はステロイド分泌性薬剤、例えばACTHよりなる群から選択される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記ステロイド化合物がメチルプレドニソロンである、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 投与が連続的である、請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記免疫抑制化合物の投与がインターフェロンβタンパク質の投与より先に行われる、請求項1〜29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記免疫抑制化合物が少なくとも2つの異なるの用量で投与される、請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記免疫抑制化合物がステロイド化合物である、請求項1〜31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 前記ステロイド化合物が、視神経炎治療治験(ONTT)プロトコールに従って投与される、請求項1〜32のいずれか1項に記載の方法。
  34. さらなるMS化合物が連続的に又は同時に投与される、請求項1〜33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 前記さらなるMS化合物が、スフィンゴシン−1−ホスフェート(S1P)受容体アゴニスト、修飾ペプチドリガンド、免疫抑制剤、アデノシンデアミナーゼインヒビター、IV免疫グロブリンG、T細胞表面マーカーに対するモノクローナル抗体、TH2促進サイトカイン、TH1促進サイトカインの発現を阻害する化合物、抗けいれん剤、AMPAグルタミン酸受容体アンタゴニスト、VCAM−1発現のインヒビターもしくはそのリガンドのアンタゴニスト、抗マクロファージ遊走阻害因子、カテプシンSインヒビター、及びmTORインヒビターよりなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜34のいずれか1項に記載の方法。
JP2008528515A 2005-09-01 2006-08-30 視神経炎の治療 Pending JP2009507003A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US71324605P 2005-09-01 2005-09-01
PCT/EP2006/065830 WO2007025991A2 (en) 2005-09-01 2006-08-30 Treatment of optic neuritis

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009507003A true JP2009507003A (ja) 2009-02-19

Family

ID=37478847

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008528515A Pending JP2009507003A (ja) 2005-09-01 2006-08-30 視神経炎の治療

Country Status (12)

Country Link
US (1) US8178083B2 (ja)
EP (1) EP1933860A2 (ja)
JP (1) JP2009507003A (ja)
KR (1) KR20080050591A (ja)
CN (1) CN101282740A (ja)
AU (1) AU2006286489B2 (ja)
BR (1) BRPI0616118A2 (ja)
CA (1) CA2616479A1 (ja)
EA (1) EA013816B1 (ja)
IL (1) IL189849A (ja)
WO (1) WO2007025991A2 (ja)
ZA (1) ZA200801923B (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008137471A2 (en) 2007-05-02 2008-11-13 Ambrx, Inc. Modified interferon beta polypeptides and their uses
CA2843432A1 (en) * 2011-07-28 2013-01-31 Teva Pharmaceutical Industries Ltd. Treatment of multiple sclerosis with combination of laquinimod and interferon-beta
RU2494709C1 (ru) * 2012-05-16 2013-10-10 Федеральное государственное бюджетное учреждение "Межотраслевой научно-технический комплекс "Микрохирургия глаза" имени академика С.Н. Федорова" Министерства здравоохранения и социального развития Российской Федерации Способ лечения острого неврита зрительного нерва

Family Cites Families (42)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1982002715A1 (fr) * 1981-02-04 1982-08-19 Sugano Haruo Gene d'interferon (beta)humain
US4588585A (en) * 1982-10-19 1986-05-13 Cetus Corporation Human recombinant cysteine depleted interferon-β muteins
US4737462A (en) * 1982-10-19 1988-04-12 Cetus Corporation Structural genes, plasmids and transformed cells for producing cysteine depleted muteins of interferon-β
US4959314A (en) * 1984-11-09 1990-09-25 Cetus Corporation Cysteine-depleted muteins of biologically active proteins
US5116943A (en) * 1985-01-18 1992-05-26 Cetus Corporation Oxidation-resistant muteins of Il-2 and other protein
US5017691A (en) * 1986-07-03 1991-05-21 Schering Corporation Mammalian interleukin-4
JPS62153300A (ja) 1985-12-26 1987-07-08 Teijin Ltd ヒト免疫グロブリンGFc領域蛋白質およびその製造方法
US4879111A (en) * 1986-04-17 1989-11-07 Cetus Corporation Treatment of infections with lymphokines
US4965195A (en) * 1987-10-26 1990-10-23 Immunex Corp. Interleukin-7
US4904584A (en) * 1987-12-23 1990-02-27 Genetics Institute, Inc. Site-specific homogeneous modification of polypeptides
ES2092468T3 (es) * 1988-01-22 1996-12-01 Zymogenetics Inc Metodos para producir analogos de receptores secretados.
US5116964A (en) 1989-02-23 1992-05-26 Genentech, Inc. Hybrid immunoglobulins
IE82916B1 (en) * 1990-11-02 2003-06-11 Elan Corp Plc Formulations and their use in the treatment of neurological diseases
SG63617A1 (en) 1991-01-18 1999-03-30 Amgen Boulder Inc Methods for treating tumar necrosis factor mediated diseases
EP0627406B1 (en) * 1992-10-21 1998-10-28 Yoshitomi Pharmaceutical Industries, Ltd. 2-amino-1,3-propanediol compound and immunosuppressant
DE69524962D1 (de) 1994-08-22 2002-02-14 Welfide Corp Benzolderivate und deren medizinische verwendung
US5541087A (en) * 1994-09-14 1996-07-30 Fuji Immunopharmaceuticals Corporation Expression and export technology of proteins as immunofusins
DE59509577D1 (de) 1995-02-16 2001-10-11 Merck Patent Gmbh Vinylenverbindungen und flüssigkristallines Medium
US5723125A (en) 1995-12-28 1998-03-03 Tanox Biosystems, Inc. Hybrid with interferon-alpha and an immunoglobulin Fc linked through a non-immunogenic peptide
AU728488B2 (en) * 1997-04-02 2001-01-11 Sankyo Company Limited Dithiolan derivatives, their preparation and their therapeutic effect
FR2762514B1 (fr) 1997-04-29 1999-10-22 Sanofi Sa Utilisation de derives de la tetrahydropyridine pour la preparation de medicaments pour le traitement des maladies entrainant une demyelinisation
US6013253A (en) * 1997-08-15 2000-01-11 Amgen, Inc. Treatment of multiple sclerosis using consensus interferon and IL-1 receptor antagonist
SE9801474D0 (sv) 1998-04-27 1998-04-27 Active Biotech Ab Quinoline Derivatives
CA2330451A1 (en) 1998-04-28 1999-11-04 Applied Research Systems Ars Holding N.V. Polyol-ifn-beta conjugates
TW591026B (en) 1998-06-23 2004-06-11 Upjohn Co Inhibitors of alpha4beta1 mediated cell adhesion
ES2265693T3 (es) * 1998-10-16 2007-02-16 Biogen Idec Ma Inc. Proteinas de fusion con interferon-beta y usos.
EP1200124B1 (en) 1999-07-13 2008-09-10 Bolder Biotechnology, Inc. Erythropoietin-immunoglobulin fusion proteins
US20020115689A1 (en) 1999-12-21 2002-08-22 Joanne Waldstreicher Combination therapy for treating neurodegenerative disease
EP1110957A1 (en) 1999-12-24 2001-06-27 Applied Research Systems ARS Holding N.V. Benzazole derivatives and their use as JNK modulators
JP2004507552A (ja) 2000-08-31 2004-03-11 メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド 免疫調節剤としてのリン酸誘導体
US6399626B1 (en) 2000-10-02 2002-06-04 Wyeth Hydroxyesters of 7-desmethylrapamycin
US6356036B1 (en) * 2000-12-01 2002-03-12 Laser Diagnostic Technologies, Inc. System and method for determining birefringence of anterior segment of a patient's eye
ATE314383T1 (de) 2001-03-26 2006-01-15 Novartis Pharma Gmbh 2-amino-propanol derivate
EP1935416A3 (en) 2001-04-05 2008-10-22 Aventis Pharma Inc (Z) -2-cyano-3-hydroxybut-2-enoic acid (4'-trifluoromethylphenyl) amide for the treatment of multiple sclerosis
JP2002316985A (ja) 2001-04-20 2002-10-31 Sankyo Co Ltd ベンゾチオフェン誘導体
GB0121033D0 (en) 2001-08-30 2001-10-24 Novartis Ag Organic compounds
GEP20063937B (en) 2002-02-14 2006-10-10 Pharmacia Corp Substituted pyridinones as modulators of p38 map kinase
GB0204159D0 (en) 2002-02-22 2002-04-10 British Biotech Pharm Metalloproteinase inhibitors
US7016048B2 (en) * 2002-04-09 2006-03-21 The Regents Of The University Of California Phase-resolved functional optical coherence tomography: simultaneous imaging of the stokes vectors, structure, blood flow velocity, standard deviation and birefringence in biological samples
MXPA05003254A (es) * 2002-09-24 2005-06-08 Novartis Ag Agonistas del receptor de esfingosina-1-fosfato en el tratamiento de trastornos de desmielinacion.
KR20050048642A (ko) 2002-09-25 2005-05-24 메이지 세이카 가부시키가이샤 서방성 농약 입제
TWI291467B (en) 2002-11-13 2007-12-21 Millennium Pharm Inc CCR1 antagonists and methods of use therefor

Non-Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN5008013499; BALCER LAURA J: SEMINARS IN OPHTHALMOLOGY V17 N1, 200203, P4-10 *
JPN5008013500; FOROOZAN ROD: CURRENT OPINION IN OPHTHALMOLOGY V13 N6, 200212, P375-380 *
JPN5008013503; PANITCH H: NEUROLOGY V59 N10, 20021126, P1496-1506 *
JPN6012002311; American Journal of Ophthalmology Vol.132, No.4, 2001, p.463-471 *
JPN6012002312; Lancet Vol.352, No.9153, 1998, p.1498-1504 *

Also Published As

Publication number Publication date
EP1933860A2 (en) 2008-06-25
US20080317711A1 (en) 2008-12-25
AU2006286489B2 (en) 2012-08-09
WO2007025991A2 (en) 2007-03-08
AU2006286489A1 (en) 2007-03-08
IL189849A (en) 2012-04-30
ZA200801923B (en) 2009-09-30
IL189849A0 (en) 2008-11-03
WO2007025991A3 (en) 2007-05-10
EA013816B1 (ru) 2010-08-30
KR20080050591A (ko) 2008-06-09
CN101282740A (zh) 2008-10-08
US8178083B2 (en) 2012-05-15
CA2616479A1 (en) 2007-03-08
EA200800729A1 (ru) 2008-06-30
BRPI0616118A2 (pt) 2011-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7132194B2 (ja) 多発性硬化症を治療するためのクラドリビン・レジメン
JP2006306890A (ja) Il−1媒介疾患を処置するためにil−1インヒビターを使用する組合せ療法
KR20090104041A (ko) 다발성 경화증을 치료하기 위한 α페토프로테인 및 면역조절제의 병용투여
JP2009513689A (ja) 神経学的疾患の治療、及び/又は予防のためのsdf−1の使用
JP2009507003A (ja) 視神経炎の治療
Khan et al. Comparative assessment of immunomodulating therapies for relapsing-remitting multiple sclerosis
US10849919B2 (en) Cladribine regimen for treating progressive forms of multiple sclerosis
ES2384399T3 (es) Combinación de interferón beta y un regimen de cladribina para tratar la esclerosis múltiple
JP2022524814A (ja) 抗lingo-1抗体を含む医薬組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120124

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120424

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120502

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121127