JP2009506820A - 低温流低減構造接着剤を有する吸収性物品 - Google Patents

Abstract

低温流低減構造接着剤を使用して組み立てられた吸収性物品を記載する。吸収性物品は、約０．７５Ｎ未満のバッグ内圧縮開口力を有する。吸収性物品を作製する方法も記載する。

Description

この発明は、構成要素をおむつ等の吸収性物品に組み立てるために使用される接着剤材料、典型的にホットメルト接着剤に関する（すなわち、構造接着剤）。特に、この発明は、低温（すなわち、約４０℃未満の温度）のときに低減した流動性を有する構造接着剤を使用して組み立てられるそのような吸収性物品に関する。

ユーザー、例えば、幼児の介護人は、彼らの生活を容易にするために使い捨て吸収性物品を頼りにしている。成人の失禁物品及びおむつ等の使い捨て吸収性物品は、一般に幾つかの構成要素を組合せることにより製造される。これらの構成要素としては、典型的に、液体透過性トップシート、トップシートに取り付けられる液体不透過性バックシート及びトップシートとバックシートとの間に位置決めされる吸収性コアが挙げられる。使い捨て物品を着用するとき、液体透過性トップシートは、着用者の身体のすぐ隣に位置付けられる。トップシートは、体液を吸収性コアへ通過させる。液体不透過性バックシートは、吸収性コアに保持された流体が漏れるのを防止するのに役立つ。一般に、吸収性コアは、所望の物理特性、例えば高吸収能力及び高吸収速度を有するよう設計され、その結果、体液を着用者の皮膚から使い捨て吸収性物品内に運ぶことができる。

しばしば、使い捨て吸収性物品の１つ以上の構成要素は、一緒に接着結合される。例えば、接着剤が、トップシート及びバックシート等の吸収性物品の個々の層を一緒に結合するために使用されている。接着剤は、締結具及び脚部弾性体又はカフ等の別個の構成要素を物品に結合するためにも使用されている。接着剤は、しばしば構造接着剤と呼ばれる、というのはそれは、個々の構成要素から吸収性物品を構築するのを助けるために使用されるからである。

多くの場合、ホットメルト接着剤、すなわち積層体を作製する際に一方又は両方の材料に使用する前に加熱され実質的に処方を液化する高分子処方が構造接着剤として使用される。前記処方は、一般に機能するが、費用がかかる場合があり、またそれらの性能特性は、改善の余地がある。例えば、
・吸収性物品が組み立てられた後、接着剤がその意図した場所に残り、「低温」（すなわち、４０℃未満の通常の周囲条件）で流れないことが望ましい。そのような「低温流」は、互いに接着することを意図しない吸収性物品表面間に望ましくない接着（例えば、包装のため折畳まれているおむつのトップシートの部分がトップシートのもう一方の面する部分に接着する場合がある）をもたらすことが見出されている。
・前記接着剤は、望ましい「オープンタイム」（すなわち、ホットメルト接着剤が一方の材料を他方の材料に接合できる十分高い温度にあるときの時間）も有する。オープンタイムが短かすぎると、接着剤は、構造接着剤として好適ではない、というのは、構成要素を確実に組み立てることができないからである。オープンタイムが長すぎると、接着剤は、組み立てられた吸収性物品の構成要素から製造ラインの構成要素に移動し、衛生問題を招くおそれがある。

したがって、吸収性物品及びその製造に使用されるための改善された構造接着剤に対して継続的必要性がある。

本発明は、低温流低減構造接着剤を使用して構成要素の収集物から組み立てられる使い捨て吸収性物品である。構造接着剤は、有効量の結晶化エンハンサを組合せたポリオレフィン樹脂を含む。吸収性物品は、約０．７５Ｎ未満のバッグ内圧縮開口力を有する。本発明は、低温流低減構造接着剤から吸収性物品を製造する方法も含む。

本明細書で使用するとき、以下の用語は、以後に明記される意味を有するものとする。

吸収性物品に関する「使い捨て」は、一般に吸収性物品が洗濯され、ないしは別の方法で吸収性物品として修復又は再使用されるのを意図しない（すなわち、それらは、１回の使用の後処分され、好ましくは再利用され、堆肥化され、ないしは別の方法で環境に適合した方法で処分されることを意図する）ことを意味する。

「吸収性物品」は、身体排出物を吸収及び収容するデバイスを指し、より具体的には、着用者の身体に接触して又は近接して定置され、身体から排出される種々の排出物を吸収及び収容するデバイスを指す。代表的な吸収性物品としては、おむつ、トレーニングパンツ、プルオンパンツ型おむつ（すなわち、米国特許番号第６，１２０，４８７号に示されているような予め形成された腰部開口部及び脚部開口部を有するおむつ）、再締結可能おむつ又はパンツ型おむつ、失禁用ブリーフ及び下着、おむつホルダ及びライナー、パンティライナー等の女性用生理衣類、吸収性挿入物等が挙げられる。

「近位」及び「遠位」は、それぞれ構造体の長手方向又は横方向中心線から比較的近い又は遠い要素の位置を指す（例えば、長手方向に延在した要素の近位縁は、同じ要素の遠位縁が長手方向中心線に対して位置決めされるより同一長手方向中心線により近く位置決めされる）。

「身体に面する」及び「衣類に面する」とは、それぞれ要素の相対位置又は要素若しくは要素群の面を指す。「身体に面する」とは、要素又は面が他の要素又は面より着用時に着用者により近いことを意味する。「衣類に面する」とは、要素又は面が他の要素又は面より着用時に着用者からより遠く離れていることを意味する（すなわち、要素又は面が、使い捨て吸収性物品の上に着用され得る着用者の衣類に最も近い）。

「長手方向の」とは、物品の腰縁部から対向する腰縁部に実質的に垂直に及び物品の最大直線寸法にほぼ平行に走る方向を指す。長手方向の４５度以内の方向は、「長手方向」であると見なされる。

「横方向の」とは、物品の長手方向縁部から対向する長手方向縁部に及び長手方向にほぼ直角に走る方向を指す。横方向の４５度以内の方向は、「横方向」であると見なされる。

「配置された」とは、要素が特定の場所又は位置に位置決めされていることを指す。

「接合された」とは、要素を直接他の要素に取付けることにより一方の要素をもう１つの要素に直接固定する構成、及び要素を中間部材に取付け、その中間部材を次に他の要素を取付けることにより、一方の要素を間接的にもう１つの要素に固定する構成を指す。

「フィルム」は、材料の長さ及び幅が材料の厚さをはるかに上まわるシート状材料を指す。典型的に、フィルムは、約０．５ｍｍ以下の厚さを有する。

「透水性」及び「水不透過性」は、使い捨て吸収性物品の意図した使用に関連して材料の浸透性を指す。具体的には、用語「透水性」は、液体の水、尿又は合成尿が強制圧力がない状態でその厚さを通過できる孔、開口部及び／又は結合された空隙を有する層又は層構造体を指す。逆に、用語「水不透過性」は、液体の水、尿又は合成尿が強制圧力（重力等の自然の力とは別に）がない状態でその厚さを通過できない層又は層構造体を指す。この定義により水不透過性である層又は層構造体は、水蒸気に対して透過性であってよい、すなわち「蒸気透過性」であってよい。当該技術分野において周知のように、吸収性物品に典型的に使用される材料の水、尿又は合成尿に対する透過性を測定する通常の方法は、静水圧力試験であり、静水頭試験又は簡単に「水頭」試験とも呼ばれる。水頭（hydrohead）試験に好適な周知の簡潔な方法は、ＩＮＤＡ（以前の国際不織布及び使い捨て用品協会（International Nonwovens and Disposables Association）、現在の不織布工業協会（Association of the Nonwoven Fabrics Industry））及びＥＤＡＮＡ（欧州使い捨て用品及び不織布協会（European Disposables And Nonwovens Association））によって承認されている。

「延伸性」及び「延伸性がある」とは、緩和された状態の構成要素の幅又は長さを伸ばす又は増大させることができることを意味する。

「弾性体」、「エラストマー」及び「エラストマーの」とは、一般に破断又は破裂なしに少なくとも５０％のひずみに伸ばすことができ、変形力を取り除いた後に実質的にその本来の寸法を回復できる材料を指す。

「エラストマー材」は、弾性性質を示す材料である。エラストマー材としては、エラストマーフィルム、スクリム、不織布及び他のシート状構造体を挙げることができる。

「外側寄り」及び「内側寄り」とは、それぞれ第２要素に対しておむつの長手方向中心線から比較的遠くに又は近くに配置される要素の位置を指す。例えば、要素Ａが要素Ｂの外側寄りであるなら、要素Ａは、要素Ｂより長手方向中心線からより遠くにある。

「パンツ」は、予め形成された腰部及び脚部開口部を有する使い捨て吸収性物品を指す。パンツは、着用者の足を脚部開口部に入れ、パンツを着用者の胴体下部のまわりの位置に滑り込ませることにより身に付けることができる。パンツは、通常「閉じたおむつ」、「予め締結したおむつ」、「プルオンおむつ」、「トレーニングパンツ」及び「おむつパンツ」とも呼ばれる。

「不織布」布地又はウェブは、交互に置かれる（interlaid）個々の繊維又は糸であるが編生地におけるような規則的又は特定可能な様式ではない構造を有するウェブを意味する。不織布布地又はウェブは、例えば、メルトブローイング法、スパンボンディング法、エアレイイング法及び結合カードウェブ法等の多くの方法から形成されている。不織布布地の坪量は、通常１平方ヤード当たりの材料のオンス（ｏｓｙ）又は１平方メートル当たりのグラム（ｇｓｍ）単位で表わされ、繊維直径は、通常ミクロン単位で表わされる。（注：ｏｓｙからｇｓｍへの変換は、ｏｓｙに３３．９１を掛ける。）
「織布」布地又はウェブは、繊維、フィラメント又はヤーンの構造を含む布地又はウェブを意味し、規則的な交互にかみ合わされる様式に配列される。織布布地は、典型的に縦糸及び横糸方向の交互にかみ合わせた繊維を含む。縦糸方向は、布地の長さに相当し、一方横糸方向は、布地の幅に相当する。織布布地は、例えば、シャトル織機、レピア織機、プロジェクタイル織機、エアジェット織機及びウォータジェット織機を含むがこれらに限定されないさまざまな織機で作製できる。

「スパンボンドされた繊維」又は「スパンボンド繊維」は、例えば米国特許番号第４，３４０，５６３号、同第３，６９２，６１８号、同第３，８０２，８１７号、同第３，３３８，９９２号、同第３，３４１，３９４号、同第３，５０２，７６３号、同第３，５０２，５３８号及び同第３，５４２，６１５号によるように、溶融熱可塑性材料を円形又は他の形状を有する紡糸口金の複数の微細毛管からフィラメントとして押出し、押出されたフィラメントの直径をその後急激に減少させることにより典型的に形成される小直径繊維を意味する。スパンボンド繊維は収集面に堆積するときに急冷され、通常は粘着性はない。スパンボンド繊維は、一般に連続で、多くの場合約７ミクロンより大きい、より具体的には約１０〜３０ミクロンの平均直径を有する。スパンボンド材料、層、又は基材は、スパンボンドされた（又はスパンボンド）繊維を含む。

用語「メルトブロー繊維」は、溶融材料、典型的には事実上熱可塑性樹脂を溶融糸又はフィラメントとして複数の微細で通常円形のダイ毛管を通して溶融材料のフィラメントを細くする先細高速加熱ガス（例えば、空気）流中に押出して、それらの直径をマイクロファイバー直径にまで減少させることにより形成される繊維を意味する。その後、メルトブロー繊維は、高速ガス流で運ばれ、収集面に堆積されて、ランダムに分散したメルトブロー繊維のウェブを形成する。前記方法が、例えば米国特許番号第３，８４９，２４１号に開示されている。メルトブロー繊維は、連続又は不連続であってよいマイクロファイバーであり、一般に直径が１０ミクロンより小さく、収集面に堆積されると通常自己粘着性である。

用語「マイクロファイバー」は、約１００ミクロン以下の平均直径を有する、例えば約０．５ミクロン〜約５０ミクロンの直径を有する小直径繊維を意味し、より具体的にはマイクロファイバーは、約１ミクロン〜約２０ミクロンの平均直径を有してよい。約３ミクロン以下の平均直径を有するマイクロファイバーは、通常超微細マイクロファイバーと呼ばれる。超微細マイクロファイバーを作製する代表的な方法の記載は、例えば米国特許番号第５，２１３，８８１号に見出すことができる。

「従来のホットメルト接着剤」は、一般に幾つかの構成成分を含む処方を意味する。典型的に、これらの構成成分としては、凝集力を提供する１つ以上のポリマー類（例えば、ポリ（エチレン−ｃｏ−プロピレン）コポリマー等の脂肪族ポリオレフィン類、エチレンビニルアセテートコポリマー類、スチレン−ブタジエン又はスチレン−イソプレンブロックコポリマー類等）、接着力を提供する樹脂若しくは類似材料（時として粘着付与剤と呼ばれる）（例えば、石油留出物から蒸留される炭化水素類、ロジン類及び／又はロジンエステル類、例えば木材又はカンキツ類から誘導されるテルペン類等）、粘度（すなわち、流動性）を変性するための、おそらくワックス類、可塑剤類若しくは他の物質（前記物質の例としては、鉱油、ポリブテン、パラフィン油類、エステル油類等が挙げられるがこれらに限定されない）、及び／又は酸化防止剤類若しくは他の安定剤類を含むがこれに限定されない他の添加剤類が挙げられる。典型的なホットメルト接着剤処方は、約１５〜約３５重量％の凝集力のポリマー又はポリマー類、約５０〜約６５重量％の樹脂、又は他の粘着付与剤若しくは粘着付与剤類、ゼロ超〜約３０重量％の可塑剤又は他の粘度変性剤、及び所望により１重量％未満の安定剤又は他の添加剤を含有してよい。これらの構成成分の異なる重量パーセントを含む他の接着剤処方が可能であることを理解すべきである。

「ホットメルト処理可能」とは、接着剤組成物をホットメルトタンク（すなわち、それが実質的に液体形態になるよう組成物を加熱するシステム）を使用して液化させ、ポンプ（例えば、ギアポンプ又は容積式ポンプ）によりタンクから基材又は他の材料に隣接した適用地点、又は他のタンク、システム若しくは単位操作（例えば、別のシステムであって、それは接着剤を適用地点に移送するため追加のポンプ又はポンプ類を含んでよい）に輸送できることを意味する。ホットメルト接着剤を実質的に液化するのに使用されるホットメルトタンクは、典型的に約３８℃〜約２３０℃の範囲で操作する。一般に、適用地点において、実質的に液化された接着剤組成物は、ノズル又はノズルの列を通過することになるが、スロット等の幾つかの他の機械的な要素を通過してもよい。ホットメルト処理可能接着剤組成物は、従来の押出成形機、並びに押出成形機の付属圧力及び温度特性を必要とする組成物とは異なり、組成物を液化、混合及び／又は移送する。ホットメルト処理システムにおけるホットメルトタンク及びポンプは、約１Ｐａ．ｓ（約１，０００センチポアズ）〜約１０Ｐａ．ｓ（約１０，０００センチポアズ）の範囲の接着剤組成物粘度を取り扱うことができるが、押出成形機は、約１０Ｐａ．ｓ（約１０，０００センチポアズ）〜約数百Ｐａ．ｓ（数十万センチポアズ）の粘度の範囲の接着剤組成物粘度を取り扱い及び処理できる。

特に記載がない限り「積層構造体」又は「積層体」は、一方の層、材料、構成要素、ウェブ又は基材が、少なくとも部分的にもう一方の層、材料、構成要素、ウェブ又は基材に接着結合される構造体を意味する。この出願の他のところで明記されるように、層、材料、構成要素、ウェブ又は基材は、それ自身の上に折畳まれそれ自身に接着結合されて、「積層構造体」又は「積層体」を形成してよい。

図１は、平らな非収縮状態（すなわち、弾性誘導収縮がない）における本発明のおむつ２０の代表的な非限定の実施形態の平面図である。おむつ２０の衣類に面する面１２０が、見る側に面している。おむつ２０は、長手方向中心線１００及び横方向中心線１１０を含む。おむつ２０は、シャーシ２２を備えてよい。おむつ２０及びシャーシ２２は、前側腰部区域３６、前側腰部区域３６に対向する後側腰部区域３８及び前側腰部区域３６と後側腰部区域３８との間に位置決めされる股部区域３７を有することが示されている。腰部区域３６及び３８は、一般に、着用したときに着用者の腰部を取り囲むおむつ２０の部分を構成する。腰部領域３６及び３８は弾性要素を含み、着用者のウエスト周りで縮んで改善されたフィット及び封入性を提供してもよい。股部区域３７は、おむつ２０が着用されたときに、概ね着用者の脚の間に位置付けられるおむつ２０の部分である。

シャーシ２２の外側周辺部は、長手方向側縁部１２及び終縁部１４により画定される。シャーシ２２は、長手方向中心線１００にほぼ平行に向けられる対向する長手方向側縁部１２を有してよい。しかし、よりよくフィットさせるため、長手方向側縁部１２を湾曲させ又は曲げ、平面図で見たとき、例えば「砂時計」形状のおむつを製造してもよい。シャーシ２２は、横方向中心線１１０にほぼ平行に向けられる対向する終縁部（lend edges）１４を有してもよい。

シャーシ２２は、長手方向側縁部２５、バックシート２６及びトップシート２４とバックシート２６との間の吸収性コア２８を有する液体透過性トップシート２４を備えてもよい。吸収性コア２８は、身体に面する表面及び衣類に面する表面を有してよい。トップシート２４は、コア２８及び／又はバックシート２６に接合されてもよい。バックシート２６は、コア２８及び／又はトップシート２４に接合されてもよい。他の構造体、要素又は基材が、コア２８とトップシート２４及び／又はバックシート２６との間に位置決めされてもよいことを認識すべきである。ある実施形態において、シャーシ２２は、他の特徴が加えられて複合おむつ構造体を形成したおむつ２０の主構造体を備える。トップシート２４、バックシート２６及び吸収性コア２８は、種々の周知の構成で組み立てることができるが、好ましいおむつの構成が、総じて米国特許番号第３，８６０，００３号、同第５，１５１，０９２号、同第５，２２１，２７４号、同第５，５５４，１４５号、同第５，５６９，２３４号、同第５，５８０，４１１号及び同第６，００４，３０６号に記載されている。

トップシート２４は、一般に着用者に少なくとも部分的に接触又は近接して位置決めされてよいおむつ２０の部分である。好適なトップシート２４は、多孔質発泡体、網状発泡体、有孔プラスチックフィルム、又は天然繊維（例えば、木材又は綿繊維）、合成繊維（例えば、ポリエステル又はポリプロピレン繊維）若しくは天然繊維及び合成繊維の組合せの、織布又は不織布ウェブ等の広い範囲の材料から製造できる。トップシート２４は、一般に着用者の皮膚に対して柔軟で柔らかい感触であり、刺激がない。一般に、少なくともトップシート２４の一部分は、液体透過性であり、それにより液体はトップシート２４の厚さを通って容易に浸透できる。特に好ましいトップシート２４が、テネシー州ブレントウッド（Brentwood）のＢＢＡファイバーウェブ（BBA Fiberweb）から供給元コード０５５ＳＬＰＶ０９Ｕとして入手できる。

トップシート２４のいかなる部分も、当技術分野で既知のローションをコーティングされてよい。好適なローションの例としては、米国特許番号第５，６０７，７６０号、同第５，６０９，５８７号、５，６３５，１９１号及び同第５，６４３，５８８号に記載されているものが挙げられる。トップシート２４は、全体的に又は部分的に伸縮されてもよく、又は収縮させてトップシート２４とコア２８との間に空隙を提供してもよい。伸縮又は収縮されたトップシートを含む代表的な構造体が、米国特許番号第４，８９２，５３６号、同第４，９９０，１４７号、同第５，０３７，４１６号及び同第５，２６９，７７５号により詳細に記載されている。

吸収性コア２８は、使い捨ておむつ及び他の吸収性物品に通常使用される多種多様の液体吸収性材料を含んでよい。好適な吸収性材料としては、一般にエアフェルト縮みセルロース詰め物と呼ばれる粉砕木材パルプ、コフォームを含むメルトブローポリマー、化学的に剛化、変性若しくは架橋されたセルロース繊維、ティッシュラップ及びティッシュラミネートを含むティッシュ、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材、又は任意の他の周知の吸収性材料若しくは材料の組合せが挙げられる。これらの材料は、捕捉層、分配層及び貯蔵層等の流体処理層を含み得る１つ以上の層（図示されていない個々の層）の形態のコア２８を提供するため組合されてよい。前記吸収性コア２８は、他のコア構成要素を安定化するための層（図示せず）も含むことができる。前記層としては、コアカバー及びダスティング層が挙げられる。前記層に好適な材料は、ノースカロライナ州ノックスビル（Knoxville）のアブゴル・アメリカ社（Avgol America, Inc.）から入手可能な約１０〜１５ｇ／ｍ^２（メルトブロウン層は＜５ｇ／ｍ^２を占める）の坪量を有するスパンボンド／メルトブロウン／スパンボンド不織布である。例えば、吸収性コア２８として使用される代表的な吸収性構造体が、米国特許番号第４，６１０，６７８号、同第４，６７３，４０２号、同第４，８３４，７３５号、同第４，８８８，２３１号、同第５，１３７，５３７号、同第５，１４７，３４５号、同第５，３４２，３３８号、同第５，２６０，３４５号、同第５，３８７，２０７号、同第５，３９７，３１６号及び同第５，６２５，２２２号、並びに公開された米国特許出願番号第０４／０１６２５３６号及び同第０４／０１６７４８６号に記載されている。

バックシート２６は、一般にそれがおむつ２０の衣類に面する表面１２０の少なくとも一部分であり得るように位置決めされる。バックシート２６は、おむつ２０により吸収されおむつ２０内に収容された排出物が、おむつ２０に接触するおそれがあるベッドシーツ及び下着等の物品を汚すのを防止するよう設計されてよい。ある実施形態において、バックシート２６は、実質的に水不透過性である。好適なバックシート２６材料としては、インディアナ州テレホート（Terre Haute）のトレデガー・インダストリーズ社（Tredegar Industries Inc.）により製造され、商標名Ｘ１５３０６、Ｘ１０９６２及びＸ１０９６４のもとに販売されるもの等のフィルムが挙げられる。他の好適なバックシート２６材料としては、蒸気がおむつ２０から逃れるのを可能にし、同時に排出物がバックシート２６を通り抜けるのを更に防止する通気性材料を挙げることができる。代表的な通気性材料としては、織布ウェブ、不織布ウェブ、フィルムコーティング不織布ウェブなどの複合材料、並びにエスポアール（ESPOIR）ＮＯの名称で日本の三井東圧株式会社（Mitsui Toatsu Co.）により製造されているミクロ孔質フィルム及びエグザイア（EXXAIRE）の名称でテキサス州ベイシティー（Bay City）のエクソン・ケミカル社（EXXON Chemical Co.）により製造されているようなミクロ孔質フィルムなどの材料を挙げることができる。ポリマーブレンドを含む好適な通気性複合材料は、名称ハイトレル（HYTREL）ブレンドＰ１８−３０９７として、クロペイ社（Clopay Corporation）（オハイオ州シンシナティー（Cincinnati））から入手可能である。前記通気性材料が、ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９５／１６７４６及び米国特許番号第５，８６５，８２３号により詳細に記載されている。不織布ウェブ及び孔あき成形フィルムを含む他の通気性バックシートは、米国特許第５，５７１，０９６号に記載されている。代表的な好適なバックシートは、米国特許番号第６，１０７，５３７号に開示されている。好適なバックシート２６を提供するため、他の好適な材料及び／又は製造技術が使用されてよく、これらには表面処理、特定のフィルムの選定と加工、特定のフィラメントの選定と加工などが含まれるが、これらに限定されない。

バックシート２６は、図１の切欠に示したような１つを超える層から構成されてもよい。バックシート２６は、外側カバー２６ａと内側層２６ｂを備えてよい。外側カバー２６ａは、長手方向側縁部２７ａを有してよく、内側層２６ｂは、長手方向側縁部２７ｂを有してよい。外側カバー２６ａは、柔軟な不織布材で作製できる。内側層２６ｂは、実質的に水不透過性のフィルムで作製できる。外側カバー２６ａと内側層２６ｂは、接着剤、又は任意の他の好適な材料若しくは方法により一緒に接合されてよい。特に好適な外側カバー２６ａは、ドイツ、パイネ（Peine）のコロビン社（Corovin GmbH）から供給元コードＡ１８ＡＨＯとして入手でき、特に好適な内側層２６ｂは、ドイツ、グロナウ（Gronau）のＲＫＷグロナウ社（Gronau GmbH）から供給元コードＰＧＢＲ４ＷＰＲとして入手できる。本明細書では様々なバックシート構成が考えられるが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正が可能であることは当業者にとって明らかである。

おむつ２０は、締着装置５０も含んでよい。締結時、締着装置５０は、前側腰部区域３６と後側腰部区域３８を相互に接続し、おむつ２０着用時に着用者を取り囲むことができる腰部周囲をもたらす。締着装置５０は、テープ状ひも、フック及びループ締結構成要素等の締結具、タブ＆スロット、バックル、ボタン、スナップ、並びに／又は両性締結構成要素等のインターロック締結具を備えてよいが、一般に他の周知のいかなる締結手段も許容できる。幾つかの代表的な面上締着装置が、米国特許番号第３，８４８，５９４号、同第４，６６２，８７５号、同第４，８４６，８１５号、同第４，８９４，０６０号、同第４，９４６，５２７号、同第５，１５１，０９２号及び同第５，２２１，２７４号に開示されている。代表的なインターロック締着装置は、米国特許番号第６，４３２，０９８号に開示されている。締着装置５０は、米国特許番号第４，９６３，１４０号に開示されているように、使い捨て構成の物品を保持する手段を提供してもよい。締着装置５０は、米国特許番号第４，６９９，６２２号に開示されているように、一次及び二次締着装置を含んでもよい。締着装置５０は、米国特許番号第５，２４２，４３６号、同第５，４９９，９７８号、同第５，５０７，７３６号及び同第５，５９１，１５２号に開示されているように、重なり合う部分の移動を減少させ又はフィット性を改善するよう構成されてもよい。

図１は、係合部材５２及び受容部材５４を有する締着装置５０を示す。係合部材５２は、フック、ループ、接着剤、凝集剤又は他の締結部材を含むことができる係合面５３を有して示されている。受容部材５４は、係合部材５２の係合を可能にする表面を有し得る。受容部材５４は、フック、ループ、接着剤、凝集剤又は係合部材５２を受容できる他の締結部材を含んでよい。好適な係合部材５２と受容部材５４との組合せとしては、フック／ループ、フック／フック、接着剤／高分子フィルム、凝集剤／凝集剤、接着剤／接着剤、タブ／スロット、及びボタン／ボタン孔が挙げられるが、これらに限定されない。

おむつ２０は、バリアカフ６０及び／又はガスケッティングカフ７０を含むことができる。ガスケッティングカフ７０は、外側レッグカフ、レッグバンド、サイドフラップ、レッグカフ又は伸縮性カフとも呼ぶことができる。バリアカフ６０は、第２カフ、内側レッグカフ又は「立った」伸縮フラップとも呼ぶことができる。

ガスケッティングカフ７０は、実質的に非弾性的であってよく、又は着用者の脚に動的にフィットするように弾性的延伸性であってもよい。ガスケッティングカフ７０は、おむつ２０の形成に使用されるトップシート２４、バックシート２６又は任意の他の好適な基材に動作可能に接合される１つ以上の伸縮部材７２（弾性ストランド等）により形成されてもよい。好適なガスケッティングカフ構成が、米国特許番号第３，８６０，００３号に更に記載されている。

バリアカフ６０は、実質的に長手方向中心線１００にほぼ平行に走る遠位縁６１及び近位縁６３を有することができる。バリアカフ６０は、おむつ２０の長手方向長さ全体にわたってよい。バリアカフ６０は、フラップ６２及び伸縮部材６４（弾性ストランド等）により形成できる。フラップ６２は、おむつ２０を形成する既存材料又は要素のいずれかの連続的な延伸部であってよい。他の実施形態において、図１に示すようにバリアカフ６０は、別個の要素であってもよい。前記実施形態において、フラップ６２及び伸縮部材６４を含むバリアカフ６０が形成され、その後、結合部６５によりシャーシ２２に接合されてもよい。

フラップ６２は、プラスチックフィルム、並びに天然繊維（例えば、木材又は綿繊維）、合成繊維（例えば、ポリエステル又はポリプロピレン繊維）又は天然繊維及び合成繊維の組合せの、織布又は不織布ウェブ等の種々の基材を含んでよい。ある実施形態において、フラップ６２は、スパンボンドウェブ、メルトブロウンウェブ、カードウェブ及びこれらの組合せ（例えば、スパンボンド−メルトブロウン複合材料及び変異型）等の不織布ウェブを含んでよい。前述した基材の積層体を使用してフラップ６２を形成してもよい。特に好適なフラップは、テネシー州ブレントウッド（Brentwood）のＢＢＡファイバーウェブ（BBA Fiberweb）から供給元コード３０９２６として入手可能な不織布を含み得る。特に好適な伸縮部材は、カンザス州ウィチタ（Wichita）のインビスタ（Invista）から供給元コードＴ２６２Ｐとして入手できる。バリアカフ及び前記バリアカフの好適な構成を有するおむつのさらなる記載を米国特許番号第４，８０８，１７８号及び同第４，９０９，８０３号に見出すことができる。伸縮部材６４は、一般にバリアカフ６０の長手方向長さに及ぶ。他の実施形態において、伸縮部材６４は、少なくとも股部区域３７内のバリアカフ６０の長手方向長さに及んでよい。伸縮部材６４は、バリアカフ６０の近位縁６３が通常の着用時に着用者に接触したままであるような十分な弾性を示し、それによりバリアカフ６０のバリア性を向上させるのが望ましい。伸縮部材６４は、対向する長手方向末端部でフラップ６２に接続されてもよい。ある実施形態において、フラップ６２は、伸縮部材６４を取り囲むようにそれ自身の上に折畳まれてもよい。フラップ６２の折畳まれた部分を固定するため、結合部６７が使用されてもよい。

バリアカフ６０及び／又はガスケッティングカフ７０は、トップシートについて上述したようにローションで全部若しくは一部が処理されてもよく、又は米国特許出願番号第１１／０５５７４３（２００５年２月１０日出願）に詳述されているように疎水性表面コーティングで完全に若しくは部分的にコーティングされてもよい。

おむつ２０は、前側耳部４０及び後側耳部４２を含んでよい。前側耳部４０及び／又は後側耳部４２は、おむつ２０の単一要素であってもよい（すなわち、それらは、おむつ２０に固定された別々に操作できる要素ではなく、むしろおむつの種々の層の１つ以上から形成され種々の層の１つ以上の延伸部である）。ある実施形態において、前側耳部４０及び／又は後側耳部４２は、図１に示したようにシャーシ２２に接合される別個の要素であってもよい。別個の前側耳部４０及び／又は後側耳部４２は、接着剤結合、圧力結合、熱結合等の、当該技術分野において既知の任意の結合方法によりシャーシ２２に接合できる。他の実施形態において、前側耳部４０及び／又は後側耳部４２は、シャーシ２２に接合された別個の要素を含んでよく、シャーシ２２は、前側耳部４０及び／又は後側耳部４２の上に延びる層、要素又は基材を有する。前側耳部４０及び後側耳部４２は、延伸性、非延伸性、伸縮性又は非伸縮性であってよい。前側耳部４０及び後側耳部４２は、不織布ウェブ、織布ウェブ、編生地、高分子及びエラストマーフィルム、有孔フィルム、スポンジ、発泡体、スクリム並びにそれらの組合せ及び積層体から形成できる。ある実施形態において、前側耳部４０及び後側耳部４２は、不織布／エラストマー材積層体又は不織布／エラストマー材／不織布積層体で形成できる。好適な伸縮性後側耳部４２は、２つの不織布層（テネシー州ブレントウッド（Brentwood）のＢＢＡファイバーウェブ（BBA Fiberweb）から供給元コードＦＰＮ３３２として入手可能なような）の間に配置されるエラストマーフィルム（バージニア州リッチモンド（Richmond）のトレデガー社（Tredegar Corp）から供給元コードＸ２５００７として入手可能なような）を含む積層体であってもよい。以下の実施形態は、後側耳部４２の設計及び構築を対象とするが、これらの実施形態は、同等に前側耳部４０の設計及び構築に適用できる。以下の実施形態のいかなる組合せも後側耳部４２及び／又は前側耳部４０に使用されてよいことを認識すべきである。

他の実施形態において、おむつ２０は、パンツを製作するため製造業者により予備成形されてもよい。パンツは、いかなる好適な技法により予備形成されてもよく、これには再締結可能及び／又は再締結不可能な結合（例えば、縫い目、溶着、接着剤、凝集性結合、締結具など）を用いて物品の一部を互いに接合することが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、図１のおむつ２０は、係合された締着装置５０を有して製造されてもよい（すなわち、係合部材５２は受容部材５４に接合される）。追加の実施例として、図１のおむつ２０は、接着剤結合、機械結合又は当該技術分野において既知の幾つかの他の結合技術等の結合により、後側耳部４２に接合される前側耳部４０を有して製造されてもよい。好適なパンツが、米国特許番号第５，２４６，４３３号、同第５，５６９，２３４号、同第６，１２０，４８７号、同第６，１２０，４８９号、同第４，９４０，４６４号、同第５，０９２，８６１号、同第５，８９７，５４５号及び同第５，９５７，９０８号に開示されている。

上記のように、構造接着剤は、吸収性物品が組み立てられるときに吸収性物品の構成要素を接合するために典型的に使用される。構造接着剤を使用する前記接合の非限定的な実施例としては、
・コアカバーのダスティング層への封止、
・バックシート２６をコア２８へ、
・バリアカフ６０又はガスケッティングカフ７０を形成するために、伸縮部材６４を不織布及び／又はフィルムへ、
・バックシート２６を形成するために、不織布を蒸気透過性フィルムへ、
・バリアカフをトップシート２４へ、
・受容部材５４をトップシート２４へ、
・耳部４０及び４２をバックシート２６へ、
が挙げられるが、これらに限定されない。

認識されるように、これらの使用の多くは、不織布材の他の材料への接合を含む。更に認識されるように、構造接着剤が作業の期間流動しすぎると、それが不織布材を通って流れ、プロセス性能又は製品知覚に悪影響を及ぼすおそれがある。

１つの実施例において、構造接着剤のオープンタイムが長すぎると、接着剤は、接合される２つの構成要素が組立プロセスの接合単位操作からそのプロセスの次の単位操作に通過した後も流動性で粘着性のままである可能性がある。場合によっては、そのような後続加工は、接着剤に力を加え、それが不織布材を通って流れる原因になるおそれがある。例えば、不織布材がロール上を通過すると、ウェブ張力が不織布に圧力をもたらし、流動性接着剤が不織布内の空隙内に、及び更に空隙を通って流れる原因となるおそれがある。接着剤がロールと接触する不織布の表面に到達すると、接着剤の一部がロールに移動してその汚染の原因となる場合がある。そのような汚染は、ウェブベースの組立プロセスに実質的な操作上の問題を引き起こすおそれがある（例えば、ロールラッピング）。

他の実施例において、周囲条件（例えば、約４０℃未満）での粘度が低すぎると、吸収性物品に通常使用される圧縮包装に起因する圧力が駆動力をもたらして、構造接着剤の一部分が不織布材の空隙容量内に及び更に空隙容量を通って流れる原因となるおそれがある（低すぎるとは相対的な用語であり、絶対粘度がかなり高くても、なお比較的長期間のために不織布内に流れ得ることを認識すべきである）。接着剤が不織布材の外表面に到達すると、隣接した任意の材料に接合するように作用し得る。例えば、フラップ６２を構成する不織布材にバリアカフ６０の伸縮部材６４を接合するために使用される構造接着剤（図示せず）が、不織布材を通って流れて、バリアカフ６０をトップシート２４に接着させる場合がある。そのような接着が生じると、ユーザー（例えば、幼児の介護人）は、着用者に取り付けるためにおむつを開くのが困難となり得る。以下の試験方法に記載されるバッグ内圧縮開口試験は、使用される吸収性物品の開口部をシミュレートし、吸収性物品の構成要素を互いに接着させ開口の困難さを増大させる任意の力の測定値を提供する。

驚いたことに、構造接着剤を含む高分子物質の結晶化速度を増加させると、前記開口力が驚くほど減少することを見出した。以下の実施例及び図２からわかるように、有効量の結晶化促進剤を加えると、バッグ内圧縮開口試験により測定したときの製品の開口力を著しく減少できる。本明細書で使用するとき、結晶化エンハンサの有効量は、結晶化エンハンサを含む構造接着剤を使用して組み立てられた製品の開口力をバッグ内圧縮開口試験により測定したとき０．７５Ｎ未満にするのに必要な量である。好ましくは、開口力は、約０．６Ｎ未満、より好ましくは約０．５Ｎ未満である。好適な結晶化エンハンサとしては、微晶性ワックス類及び結晶性オレフィンホモポリマー類が挙げられるが、これらに限定されない。直鎖ポリエチレンホモポリマーが、特に好ましい。理論に束縛されないが、前記物質は、最小分岐により温度が低下するとき、より容易に結晶化すると思われる。そのようにして形成された微結晶は、次に高分子物質の結晶化のテンプレートとして機能する。

周知のようにホットメルト接着剤は、幅広いベースポリマーを含むことができる。ホットメルト接着剤処方の好適な材料としては、ポリエチレン、エチレンビニルアセテート、ブロックコポリマーエラストマー類（例えば、スチレンイソプレンスチレン（ＳＩＳ）及びスチレンブタジエンスチレン（ＳＢＳ））及び非晶質ポリオレフィン類（例えば、アタクチックポリプロピレン）が挙げられるが、これらに限定されない。これらのベースポリマーの幾つかから処方されるホットメルト接着剤は、望ましく低い開口力を更に有することができる。例えば、実施例に記載されたスチレンイソプレンスチレン系ホットメルト処方（ミネソタ州セントポール（St. Paul）のＨ．Ｂ．フラー社（H. B. Fuller Company）から入手できるようなＨ１３５８）は、約０．５Ｎの開口力を有する。しかし、酸化に対するブロックコポリマー系接着剤の感受性がよく知られている（理論に束縛されないが、前記感受性は、分解に影響されやすいポリマー主鎖中の残留不飽和によると思われる）。本発明の目的の好ましいホットメルト接着剤は、公開されたＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９７／３３９２１に総じて記載されているようなＣ_３〜Ｃ_２０オレフィンを有するエチレンインターポリマーに基づく処方である。前記ポリマーを含む特に好ましい樹脂は、ミシガン州ミッドランド（Midland）のダウ・ケミカル社（Dow Chemical Company）により商標名アフィニティ（Affinity）のもとに市販されるエチレン及び１−オクテンのインターポリマーである。前記処方は、望ましい酸化耐性を提供する、というのは、それらはより少ない残留不飽和を有していると思われ、本発明の低開口力を有する吸収性物品を提供するような結晶化エンハンサの適切な選択により変性され得るからである。本発明による吸収性物品を提供するための構造接着剤として使用される特に好ましいホットメルト接着剤処方は、Ｈ．Ｂ．フラー社（H. B. Fuller Company）から入手できるＤ３１６６である。

構造接着剤は、スロット押出成形、らせん状のスプレーを含むスプレー及びビーズを含むがこれらに限定されない幅広い既知の適用法を利用して適用されてよい。具体的な実施例としては、
・トップシートを下にある不織布層に接合するための、らせん状スプレー又はスロットコーティングでの構造接着剤の適用、
・捕捉層又は分配層をコアカバーに接合するための、スロットコーティングによる構造接着剤の適用、
・カフを構成する不織布材とバックシートとの間に位置決めされる構造接着剤ビーズの適用、
・吸収性物品の長手方向縁部を密封するようにトップシートをバックシートに接合するための、らせん状スプレー又はスロットコーティングでの構造接着剤の適用、
・ランディング領域（すなわち、受容層）をバックシートに接合するための、スロットコーティングを利用した構造接着剤の適用、
・コアカバーをダスティング層に接合するための、スロットコーティングを利用した構造接着剤の適用、
・コアをバックシートに接合するための、らせん状スプレーでの構造接着剤の適用、
・カフを構成する不織布材をバックシートを構成する不織布材に接合するための、らせん状スプレーでの構造接着剤の適用
が挙げられるが、これらに限定されない。

構造接着剤が適用できるようホットメルト処理可能とするため、接着剤は、接着剤が容易に流れるのを確実にするように十分に高いが、許容できない速度で接着剤を分解させるほど熱くない温度に、加熱されなければならない。好適には、接着剤は、適用前に約１００℃〜約２３０℃の温度に維持される。好ましくは、接着剤は、約１２０℃〜約２００℃の温度に維持される。

試験方法
バッグ内圧縮開口力試験
試料の調製
１．評価される構造接着剤を使用した完成した吸収性物品を組み立て、市販寸法の包装に梱包する。
２．好適な手段（例えば、実験室オーブン）を使用し、梱包された吸収性物品を６０℃±２℃で３日貯蔵する。
３．梱包された吸収性物品を６０℃の貯蔵庫から取り出し、２５℃±２℃で平衡状態にさせる。
４．梱包を開き、１つの評価当たり少なくとも５個の吸収性物品を、表面間のいかなる結合も妨げないよう注意しながら、そこから注意深く取り出す。

開口力測定
装置
引張り試験機：好適な機器がミネソタ州エデンプレイリー（Eden Prairie）のＭＴＳシステムズ（MTS Systems）からモデルＱ試験／１Ｌ又は同等物として入手できる。
ロードセル：１００Ｎ、ＭＴＳパーツ番号４５０１００８１８
つかみ具：ゴムグリップを有する２５×７５ｍｍ、ＭＴＳパーツ番号５６−１６３−８１５又は同等物
インターフェースソフトウェア：ＭＴＳからのテスト・ワークス（Test Works）４又は同等物。力／伸びデータを引張り試験機から取得するように設定する。
パーソナルコンピュータ：インターフェースソフトウェアを実行するのに適したシステム

設定
クロスヘッドスピード ３００ｍｍ／分
標点距離 ６０ｍｍ
ストップ長さ １２０ｍｍ

操作
１．製造業者の説明書により引張り試験機を設定及び較正する。
２．試料の吸収性物品の耳部の１つを暴露するよう注意深く長手方向の折畳みを開く。
３．吸収性物品の構成要素間に存在し得る接着を妨げないように注意しながら、試料の耳部の遠位縁を部分的に開き、上部つかみ具に挿入し固定する。
４．折畳まれた対向する耳部を引張り試験機の下部つかみ具に注意深く挿入し固定し、固定した試料に僅かなゆるみがあるのを確実にする。
５．引張り試験機の延伸サイクルを開始する。
６．開口力は、６０ｍｍ延伸サイクル時に観察されるピーク力として定義される。
７．少なくとも４個の追加の試料について工程２〜６を繰り返す。

計算及び報告
１．上記のようにして測定された個々の開口力の平均及び標準偏差を決定する。
２．評価した吸収性物品種別毎の平均開口力及び関連する標準偏差を報告する。

この実施例は、吸収性物品を組み立てるために使用された構造接着剤の平均開口力を示すことを意図している。

幼児用おむつを３つの異なる構造接着剤を使用して標準おむつ製造ラインで製造した。表１には、接着剤及び開口力評価の結果を記載する。

１． ミネソタ州セントポール（St. Paul）のＨ．Ｂ．フラー社（H. B. Fuller Company）から入手可能な構造接着剤Ｄ３１５５を使用して組み立てられたサイズ５幼児用おむつ
２． ミネソタ州セントポール（St. Paul）のＨ．Ｂ．フラー社（H. B. Fuller Company）から入手可能な構造接着剤Ｄ３１６６を使用して組み立てられたサイズ５幼児用おむつ
３． ミネソタ州セントポール（St. Paul）のＨ．Ｂ．フラー社（H. B. Fuller Company）から入手可能な構造接着剤Ｈ１３５８ＬＯＦを使用して組み立てられたサイズ４幼児用おむつ

図２は、それぞれの構造接着剤を使用して組み立てられたおむつの開口力の測定値に関する代表的な応力歪み曲線（Ｆはニュートン単位の力、Ｅはｍｍ単位の伸び）を示し、２１０は接着剤Ａの曲線、２２０は接着剤Ｂの曲線及び２３０は接着剤Ｃの曲線である。見てわかるように、本発明によるおむつを組み立てるために使用された構造接着剤とＳＩＳ構造接着剤を使用して組み立てられたおむつは、非常に類似した平均開口力を有し、一方その他のポリオレフィン系接着剤を使用して組み立てられたおむつは、ほぼ３倍大きい開口力を有する。

本発明の「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。本書における用語のいずれかの定義又は意味が、参考として組み込まれた文献におけるその用語のいずれかの定義又は意味と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。

本発明の特定の実施形態を説明及び記述してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。前記実施形態及び特徴の組合せが可能であり、この発明の範囲内で実行できることは明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

平らな非収縮状態の代表的なおむつの平面図。 実施例の吸収性物品の開口力の応力／歪み曲線。

Claims (9)

1. 長手方向中心線及び横方向中心線、前側腰部縁部を備える前側腰部区域、後側腰部縁部を備える後側腰部区域、前記前側腰部区域と前記後側腰部区域との間に配置される股部区域、並びに前記前側腰部縁部を前記後側腰部縁部に接合する２つの離間配置される長手方向側縁部を有する吸収性物品を組み立て、前記吸収性物品が低バッグ内圧縮開口力を有する方法であって、
   ａ）エチレン系ポリオレフィン樹脂を含む低温流低減構造接着剤を供給する工程と、
   ｂ）吸収性物品構成要素の収集物を提供する工程であって、
   ｉ）前記吸収性物品を着用するときに前記前側腰部区域を前記後側腰部区域に接合する締着装置、
   ｉｉ）前記長手方向側縁部の１つと前記長手方向中心線との間に位置するバリアカフ、
   ｉｉｉ）前記長手方向側縁部と前記バリアカフとの間に位置するガスケッティングカフ、
   ｉｖ）前記前側腰部区域内に配置される前側耳部、
   ｖ）前記後側腰部区域内に配置される後側耳部、
   ｖｉ）トップシート、
   ｖｉｉ）バックシート、
   ｖｉｉｉ）コアカバー、ダスティング層、捕捉部材、分配部材及び貯蔵部材の少なくとも１つを含む吸収性コア、並びに
   ｉｘ）受容部材
   からなる群から前記吸収性物品構成要素の収集物が選択される、工程と、
   ｃ）前記吸収性物品を組み立て、それにより前記吸収性物品が０．７５Ｎ未満のバッグ内圧縮開口力を有するように、前記低温流低減構造接着剤を用いて前記吸収性物品構成要素の少なくとも一方を前記吸収性物品構成要素の他方に接合する工程とにより特徴付けられる、方法。
2. 工程ｃが、前記トップシートを下にある不織布層に接合する工程を含む、請求項１に記載の方法。
3. 工程ｃが、弾性材を不織布材に接合して前記バリアカフを形成する工程を含む、請求項１に記載の方法。
4. 工程ｃが、弾性材を不織布及びバックシート材に接合する工程を含む、請求項１に記載の方法。
5. 工程ｃが、前記捕捉層又は分配層を前記コアカバーに接合する工程を含む、請求項１に記載の方法。
6. 工程ｃが、前記トップシートを前記吸収性物品の前記長手方向縁部の１つに隣接した前記バックシートに接合する工程を含む、請求項１に記載の方法。
7. 工程ｃが、前記受容部材、ダスティング層又はコアを前記バックシートに接合する工程を含む、請求項１に記載の方法。
8. 工程ｃが、前記コアカバーを前記ダスティング層に接合する工程を含む、請求項１に記載の方法。
9. 長手方向中心線及び横方向中心線、前側腰部縁部を備える前側腰部区域、後側腰部縁部を備える後側腰部区域、前記前側腰部区域と前記後側腰部区域との間に配置される股部区域、並びに前記前側腰部縁部を前記後側腰部縁部に接合する２つの離間配置される長手方向側縁部を有する使い捨て吸収性物品であって、
   ａ）トップシート、
   ｂ）前記トップシートの下にあるバックシート、
   ｃ）前記トップシートと前記バックシートとの間に配置される吸収性コア、
   ｄ）ｉ）前記吸収性物品を着用するときに前記前側腰部区域を前記後側腰部区域に接合する締着装置、
   ｉｉ）前記長手方向側縁部の１つに隣接しその内部に位置するバリアカフ、
   ｉｉｉ）前記長手方向側縁部と前記バリアカフとの間に位置するガスケッティングカフ、
   ｉｖ）前記前側腰部区域内に配置される前側耳部、
   ｖ）前記後側腰部区域内に配置される後側耳部、
   ｖｉ）トップシート、
   ｖｉｉ）バックシート、
   ｖｉｉｉ）コアカバー、ダスティング層、捕捉部材、分配部材及び貯蔵部材の少なくとも１つを含む吸収性コア、並びに
   ｉｘ）受容部材
   からなる群から選択される少なくとも１つの特徴、並びに
   ｅ）前記構成要素の少なくとも一方を前記構成要素の他方に接合するのに好適な低温流低減構造接着剤であって、前記接着剤が、組み合わされた結晶化エンハンサの有効量を有するエチレン系ポリオレフィン樹脂を含み、前記吸収性物品が、０．７５Ｎ未満、好ましくは０．６Ｎ未満、及び最も好ましくは０．５Ｎ未満のバッグ内圧縮開口力を有する前記低温流低減構造接着剤を含む構成要素の組立体を備える、使い捨て吸収性物品。

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