JP2009505666A - 完全ヒトハイブリドーマ融合パートナー細胞株 - Google Patents

完全ヒトハイブリドーマ融合パートナー細胞株 Download PDF

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Abstract

本発明のある種の特徴は、新規な完全にヒトの融合パートナー細胞株(カリオキ(Karyochi)細胞と呼ぶ)、及びそれらを作成する方法を目的とする。続いてヒト抗体分泌類リンパ球細胞とヒトカリオキ細胞を融合させ、完全にヒトのハイブリドーマ(カリオキベースのハイブリドーマと呼ぶ)を作成する。前記は同様に完全にヒトのモノクローナル抗体を分泌する。ヒトカリオキ細胞は、第一の悪性B-リンパ球細胞株又は正常なB-リンパ球のどちらかに由来する実質的に細胞質を含まないドナー核を単離し、前記ドナー核を第二のT-又はB-類リンパ球細胞株由来の受容細胞の細胞質に移入することによって作成される。時間とともに、前記の核は同期化及び融合して、キメラカリオキ融合パートナー細胞株が形成される。核の移入は、細胞質ゾル内核注入を用いるか、又は衝撃誘発核投入によって達成することができる。

Description

本発明は、完全にヒトのモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマの作成で使用される融合パートナー細胞株に関する。
Kohler and Milstein(G. Kohler and C. Milstein Nature 1975, 256:495)による、予め規定した抗原に対する特異的なモノクローナル抗体を分泌することができるマウスハイブリドーマの大いに可能性を秘めた発見は実験免疫学の新時代を開き、抗血清に付随する多くの問題が回避された。ハイブリドーマ細胞株のクローン選別及び不朽性は、抗体生成物の単一クローン性及び永久的利用可能性を担保した。臨床レベルでは、しかしながらそのような抗体の使用は、それらが外来タンパク質であり、ヒトに対して抗原として作用するという事実によって明瞭に制限を受ける。
Kohler and Milsteinの報告以来、マウスモノクローナル抗体の製造は日常的になった。しかしながら、in vivo診断及び治療のための異種性MAbの利用は、しばしば望ましくない作用(例えばヒトの抗マウス免疫グロブリン応答)を伴う。完全ヒトモノクローナル抗体作成における進歩は、マウスミエローマ細胞の望ましい属性(例えば安定性及び高い抗体産生)をもつ融合パートナーとしての使用に適したヒトミエローマ細胞が存在しないために妨げられてきた。エプスタイン-バーウイルス(EBV)の使用は、ヒトリンパ球の不朽化に極めて効率的であることが証明された(D. Kozdor and J. Roder, J. Immunology 1981, 127:1275;O. Casual Science 1986, 234:476)が、ある種の制限、例えば低い抗体分泌速度、抗体分泌株の貧弱なクローン形成性、及び頻繁なサブクローニングを必要とする染色体の不安定性を示す。
もっとも強力な融合パートナーは、十分に発達したタンパク質合成機構を有する同系ミエローマ細胞である(K. Nilsson and J. Ponten, Int J Cancer 1975, 15:321)。しかしながら、培養の困難さのために、ほとんどの株に、in vitro増殖及び生存率の高いハイブリッドの産生能力をもたせることができなかった(R.E. Goldman-Leikin, J Lab Clin Med 1989, 113:335)。現存する同系のミエローマは、MAb産生は比較的安定であるが、融合収率が低く、ハイブリッドの増殖は遅い(T. Brodin, J Immunol Meth, 1983, 60:1)。遺伝的不安定性(例えばヒト細胞との不朽化パートナーとしてマウスミエローマを用いるときに生じるようなもの)は、種間ハイブリッドの主要な欠点である。マウス-ヒト細胞ハイブリッドの生成は困難ではない。これらの細胞は、in vitroでは通常のマウス-マウスハイブリドーマの増殖の特徴と類似の特徴を有する(N.N.H. Teng, Proc Natl Acad Sci (USA) 1983, 80:7308)。しかしながら、ヒト染色体の偶発的な排除は、安定なMAbの分泌の確率を顕著に低下させる(M.C. Weiss and H. Green, Proc Natl Acad Sci (USA) 1967, 58:1104)。増殖の特徴及びHu-MAb産生の安定性を改善するために、マウスミエローマ細胞とヒトリンパ球とのヘテロハイブリッド(L. Oestberg and E. Pursch, Hybridoma, 1983, 2:361)が、ヘテロミエローマ(D. Kozbor et al. J Immunology 1984, 133:3001)と同様に融合パートナーとして用いられた。しかしながら、ネズミ/ヒトヘテロミエローマを用いて作成したハイブリドーマは完全なヒト抗体を産生しない。
ただ1つの完全にヒトの融合パートナーが報告された。Abraham Karpasらは、多発性ミエローマを有する患者から融合パートナー細胞株(Karpas 707と称される)を開発した(前記は細胞融合の産物ではなかった)(Abraham Karpas et al. PNAS February 13, 2001, 98(4):1799-1804;及びM. Vaisbourd et al. Hybridoma and Hybridomics, 2001, 20(5):287-292、前記文献の全内容は参照により本明細書に含まれる)。理想的な融合パートナー細胞株は免疫グロブリンを一切分泌せず、短いダブリングタイムを有するであろう。残念ながら、Karpas 707はガンマ軽鎖を分泌し、約35時間の非常に遅いダブリングタイムを有する。
これらの問題を克服するための1つの試みが、げっ歯類の可変領域とヒトの定常領域を連結してキメラ抗体を産生することによって、又はマウス抗体由来の相補性決定領域の遺伝子セグメントをヒトの遺伝子に移植してヒト化抗体を作成することによってマウスのモノクローナル抗体を改変することであった。これらの改変は抗体の免疫原性を低下させるが、排除はしない。ファージディスプレー技術が、ヒトのモノクローナル抗体のin vitro生成のために開発され、さらにマウスIg遺伝子の代わりにヒトのIg遺伝子を含むトランスジェニックマウス株が開発された(M. Bruggemann et al. Immunol. Today, 1996, 17:391-97)。これらのマウス株はヒトの遺伝子を有しヒト抗体を生成するが、株の多様性はヒトではなくマウス宿主で選別され、抗体は、ヒトの環境下ではなくマウスでアフィニティー成熟を受ける。エプスタイン-バーウイルスによるベータ-リンパ球の免疫もまた試みられたが、誘導された細胞は典型的には不安定であり、非常に少量の抗体を分泌する。
したがって、免疫グロブリンを全く産生せず、安定であり、ヒトリンパ球と良好に融合して、完全にヒト化した抗体を安定的に生じるハイブリドーマを生じる、完全にヒトの天然融合パートナー細胞株が強く希求されている。
本発明のある種の特徴は、新規な完全にヒトの融合パートナー細胞株の作成方法を目的とし、前記細胞株は、カリオキ(Karyochi)細胞と称され、抗体分泌細胞と融合して、カリオキベースのハイブリドーマと称される完全にヒトのハイブリドーマを生成することができる。前記ハイブリドーマは、同様に完全にヒトのモノクローナル抗体を分泌する。いくつかの特徴は、カリオキベースのハイブリドーマによって産生される完全にヒトの抗体を目的とする。他の特徴は、カリオキ細胞の作成に用いることができるある種の親細胞であり、ヒトリンパ腫細胞株FP0(特許寄託指定番号PTA-7466)、及びヒトミエローマ細胞株FP1.0(特許寄託指定番号PTA-7465)を含む。ある種の特徴はさらに、ヒトキメラ融合パートナー細胞株Karyochi-XX(前記は特許寄託指定番号PTA-7468を有する)及びKaryochi-7(前記は特許寄託指定番号PTA-7467を有する)を目的とする。
本発明のある特徴は、カリオキ融合パートナー細胞株(2つの異なる細胞由来の核を有するキメラ細胞)、及び単一動物種由来(好ましくはヒト由来)の細胞を用いてそれらを作成する方法を目的とする。カリオキ細胞は、第一の悪性B-リンパ球細胞株又は正常なB-リンパ球のどちらかに由来する、実質的に細胞質を含まないドナー核を単一動物種で単離し、前記ドナー核を単一動物種の第二のT-又はB-類リンパ球細胞株由来の受容細胞の細胞質に移入し、受容細胞内の2つの核の同期化及び融合のための時間を与えてキメラカリオキ融合パートナー細胞株を形成することによって作成される。核の移入は、細胞ゾル内核注入を用いて、又は衝撃誘発核投入によって達成することができる。本発明のいくつかの特徴では、第一及び第二のヒト類リンパ球細胞株は、ミエローマ、リンパ腫、多発性ミエローマ、リンパ芽腫及び白血病細胞株を含む群から選択される異なる細胞株である。本発明の好ましい特徴は、完全にヒトのカリオキ細胞及びカリオキベースのハイブリドーマを作成し、これを用いて完全にヒトのモノクローナル抗体を得ることを必要とするが、一方、カリオキ細胞及びカリオキベースのハイブリドーマは、抗体を産生する任意の動物種(全ての哺乳動物、鳥類、及び爬虫類を含む)の細胞を用いて作成することができる。
本発明のいくつかの実施態様は、モノクローナル抗体を産生及び分泌するカリオキベースのハイブリドーマ、及びそれらを作成する方法を目的とする。好ましい実施態様では、カリオキベースのハイブリドーマは完全にヒトであり、さらに完全にヒトのモノクローナル抗体を生成する。しかしながら、カリオキベースのハイブリドーマは任意の動物種について作成することができる。例えば、ヒトカリオキベースのハイブリドーマは、上記に記載したように作成したヒトカリオキ融合パートナー細胞を入手し、前記をヒトの抗体産生類リンパ球細胞と融合させ、さらにカリオキ細胞の核と類リンパ球細胞の核に時間を与えて同期化させ、カリオキベースのハイブリドーマを形成することによって作成される。ヒト抗体産生類リンパ球細胞は、脾臓細胞、リンパ節細胞、ペイヤー斑由来の細胞、抹消血リンパ球、B細胞、T細胞、又は扁桃腺のリンパ球でありえる。本発明の特徴では、カリオキベースのハイブリドーマは、各々が別個の選別マーカー(8-アザグアニン耐性、5-ブロモウラシル、5-フルオロウラシル又はG-418耐性を含む)を発現する類リンパ球細胞株を用いて作成される。本発明のいくつかの特徴では、カリオキベースのハイブリドーマを作成するために用いられるヒト抗体産生類リンパ球細胞は、ある病的状態に付随する抗原の発現を引き起こす前記病的状態を有するヒトに由来する。例えば前記病的状態は疾患(例えば細菌感染)であり、前記抗原は細菌の内毒素である。又は前記病的状態は癌であり、抗原は癌抗原である。続いて、前記病的状態に付随する抗原に対して特異的であるか、又は高い親和性を有するヒトモノクローナル抗体を産生するカリオキベースのハイブリドーマを選別する。本発明のある特徴では、ハイブリドーマを作成するために用いられる類リンパ球細胞は、病的状態(癌のような疾患、感染性疾患、自己免疫疾患、ホルモンもしくは酵素の過剰抑制に付随する疾患、対宿主性移植片病、及び心脈管系疾患を含む)を有する動物(好ましくはヒト)に由来する。ある種の実施態様では、完全にヒトのモノクローナル抗体は、腫瘍関連抗原、細胞特異的抗原、組織特異的抗原、ホルモン、酵素、核酸、毒素、ウイルス抗原、細菌抗原、菌類抗原、寄生虫抗原、ピロン、酵素又は真核細胞抗原でありえる抗原に対して特異的であるか、又は高い親和性を有する。
定義
ヒト類リンパ球細胞株(“HuLCL”)には、ミエローマ、多発性ミエローマ、リンパ腫及びリンパ芽腫、並びに白血病細胞株が含まれる。特段の規定がないかぎり、本発明に関連して用いられる学術的及び技術的用語は、当業者によって一般的に理解されているもっとも広い範囲の意味を有するであろう。さらにまた文脈による特段の要求がないかぎり、単数の用語は複数の用語を意味し、複数の用語は単数の用語を含む。
一般的には、本明細書に記載される細胞培養及び組織培養、分子生物学、並びにタンパク質及びオリゴ又はポリヌクレオチド化学、並びにハイブリダイゼーション技術、及び前記に関連して利用される命名法は周知のものであり、当分野で一般的に用いられているものであって、多様な文献及びより具体的な文献、例えば本明細書を通して引用され考察される文献に記載されている。例えば以下を参照されたい:Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 2. sup. nd. ed., J. Wiley & Sons (New York, N.Y. 1994);Sambrook et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd. ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989)(前記文献は参照により本明細書に含まれる)。
本明細書では、“哺乳動物”は任意の哺乳動物を意味し、好ましくはヒトである。
本明細書で用いられる“ヒト以外の哺乳動物”及び“非ヒト哺乳動物”という用語は互いに同義であり、上記に規定するヒト以外の全ての哺乳動物である。
本明細書で用いられる“モノクローナル抗体”という用語は、実質的に均質な抗体集団から得られる抗体を指す(すなわち、集団を構成する個々の抗体は、微量で存在しえる天然に存在する可能な変異を除いて同一である)。さらに前記用語は抗体のフラグメント又は部分を含む。モノクローナル抗体は高度に特異的であり、単一の抗原性部位又はエピトープに対して誘導される。さらにまた、ポリクローナル抗体(種々の決定基(エピトープ)に対して誘導された種々の抗体を含む)とは対照的に、各モノクローナル抗体は抗原上の単一の決定基に対して誘導される。本明細書で用いられるモノクローナル抗体は、カリオキベースのハイブリドーマによって産生され分泌される。完全にヒトのカリオキベースのハイブリドーマによって生成される、本発明の完全にヒトのモノクローナル抗体は、免疫グロブリンの任意のクラス及び任意のサブクラス(IgG(IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4)、IgM、IgA(IgA1及びIgA2)、IgD、IGD及びIgE又はIgMを含む)に属する任意のアイソタイプを有する、任意のヒトモノクローナル抗体又はその部分でありえる。特に好ましい本発明の免疫グロブリンの例は、ヒト由来のIgG(IgM、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4)に属するものである。
“エピトープ”という用語は、タンパク質抗原上の抗体のための結合部位を指すために用いられる。エピトープ決定基は、通常は分子(例えばアミノ酸又は糖側鎖)の化学的に活性な表面配置から成り、通常は固有の三次元構造特性を固有の荷電特性と同様に有する。
本発明の範囲内の“単離”モノクローナル抗体は、その天然の環境の成分から識別され、さらに分離及び/又は回収されたものである。
本明細書で用いられる“中和モノクローナル抗体”は、前記抗体が結合する標的抗原(例えば癌抗原又は腫瘍抗原)のエフェクター機能を排除又は顕著に低下させることができるモノクローナル抗体分子である。ある実施態様では、中和抗体は、エフェクター機能を1−10、10−20、20−30、30−50、50−70、70−80、80−90、90−95、99−100%低下させるであろう。
核型は、細胞又は生物の染色体の完全なセットを意味する。
カリオガミーは2つ以上の核の融合を意味する。
ヒト類リンパ球細胞株(“HuLCL”)にはミエローマ、多発性ミエローマ、リンパ腫、リンパ芽腫及び白血病細胞株が含まれる。
ヘテロミエローマは、2つの異なる類リンパ球細胞株由来の遺伝物質を、各類リンパ球細胞株の完全細胞を融合させることによって結合させた細胞株を意味し、前記用語は、ヘテロリンパ腫を含む。対照的に、カリオキ(Karyochi)細胞は、2つの完全細胞の融合から形成されるのではなく、したがって得られた細胞はヘテロハイブリドーマ又はヘテロミエローマと定義することはできない。
ハイブリドーマは、安定的に抗体を産生する不朽性抗体産生細胞株を意味し、前記は不朽性細胞株(形質転換されている)由来細胞を抗体産生細胞(例えばベータリンパ球)と融合させることによって作成される。
ヒト-ネズミハイブリドーマは、不朽性抗体産生細胞株を意味し、前記はネズミのヘテロミエローマ細胞株とヒトのベータリンパ球との融合により生じる。
ドナー核とは、類リンパ球細胞又は類リンパ球細胞株(好ましくはヒト)から単離された核を意味し、前記の核は実質的に細胞質を含まない。
受容細胞は、類リンパ球細胞株(好ましくはヒト)由来の完全な細胞を意味する。
キメラ細胞は、2つの異なる異種細胞由来の染色体を有する細胞を意味する。
カリオキ細胞は、融合パートナー細胞株として使用されるキメラ細胞を意味し、前記は、単一動物種(好ましくはヒト)由来の細胞を用いて作成される。カリオキ細胞を作成するために、実質的に細胞質を含まない単離ドナー核を正常なB-細胞又はB-細胞株から入手し、続いてT-又はB-類リンパ球細胞株から採取した完全な受容細胞に移入する。時間とともに、前記ドナー核及び受容細胞の核は融合して単一核となり、したがってキメラカリオキ融合パートナー細胞が作成される。カリオキ細胞は、好ましくはドナー核及び受容細胞から作成され、前記受容細胞は、いくつかの種(好ましくはヒト)に由来するが、抗体を産生するいずれの動物種(哺乳動物、鳥類及び爬虫類を含む)も用いることができる。ドナー核及び受容細胞が両方とも悪性のB-細胞株から採取される場合は、それらは異なる(異種)細胞株に由来する必要がある。ヒトカリオキ細胞を用いて、完全にヒトの抗体を分泌するハイブリドーマ(カリオキベースのハイブリドーマと称される)を作成することができる。多様な細胞の組合せを用いて、カリオキ細胞を作成することができる:
Figure 2009505666
トリオーマは3つの核を有する細胞を意味する。
抗体産生類リンパ球細胞は、抗体を産生することができる任意の動物種に由来する任意の類リンパ球細胞(例えば抹消血リンパ球、脾臓細胞、リンパ節細胞、B細胞、扁桃腺リンパ球、又はペイヤー斑細胞)、好ましくはヒトの類リンパ球細胞を意味する。
カリオキベースのハイブリドーマとは、モノクローナル抗体産生細胞株を意味し、前記はカリオキ細胞と抗体産生類リンパ球細胞との融合より生じる。好ましくは、カリオキ細胞及び抗体産生類リンパ球は同じ種、好ましくはヒトに由来し、その結果、カリオキベースのハイブリドーマは、完全にヒトのモノクローナル抗体を分泌する。カリオキベースのハイブリドーマは、抗体を産生する任意の動物(哺乳動物、爬虫類及び鳥類を含む)由来の細胞を用いて作成することができる。
T-細胞(又はTリンパ球)は、胸腺で成熟し、それらの細胞表面上のレセプターを介して特異的なペプチド抗原を認識する能力を有する任意のリンパ球を意味する。
B-細胞は、特定の抗原の存在の検出に応答して抗体を産生することができるリンパ球のタイプを意味する。
特異的モノクローナル抗体は、定められた固有の抗原、エピトープ、細胞又は組織と特異的に結合し、与えられた抗体に対して定められた固有の抗原、エピトープ、細胞又は組織とは結合しない抗体のタイプを意味する。前記抗体は10-7−10-13Mの範囲のアフィニティー定数(Ka)を有する。
発明の詳細な説明
本発明のある種の実施態様は、“カリオキ細胞”と称される新規なキメラ融合パートナー細胞株(本明細書で規定される)、並びに前記細胞株を作成及び使用する方法を目的とする。カリオキ細胞は、実質的に細胞質を含まない単離ドナー核を入手し、さらに前記単離核を完全な受容細胞に移入することによって作成される。好ましい実施態様では、ドナー核及び受容細胞は、同じ動物種(好ましくはヒト)に由来する。ヒト細胞が用いられる場合は、ドナー核は類リンパ球細胞株に由来し、したがってT/B又はB/Bキメラカリオキ細胞が作成される。キメラ細胞の構築でT-細胞を使用することが有利である。なぜならば、T-細胞は細胞増殖及び抗体分泌を刺激する一連のオートクリン及びパラクリン増殖因子並びにサイトカインを分泌するからである。このようにして形成したキメラ細胞は2つの異なる核型を有する。したがってその名称は“カリオキ細胞”である。なぜならば、カリオキ細胞は2つの完全な細胞の融合から形成されるのではないからである。生じた細胞は、ヘテロハイブリドーマ又はヘテロミエローマと定義することはできない。カリオキ細胞は、異なる細胞タイプに由来する(好ましくは同じ種に由来する)2つの異なる染色体セットを保持するキメラ細胞である。時間とともに、カリオキ細胞内の核は同期化及び融合して、単一の核を形成する。ヒトのカリオキ細胞は、完全にヒトのモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ(“カリオキベースのハイブリドーマ”(本明細書で規定される)と称される)を形成するための理想的な融合パートナー細胞株である。カリオキ細胞は、抗体産生細胞を有する任意の動物(全ての哺乳動物、鳥類及び爬虫類を含む)に由来することができる。
本発明はさらにカリオキ細胞を作成する方法を目的とする。前記方法は、例えば試験管受精で開拓された核の単離技術を用いて、正常又は悪性B-細胞から実質的に細胞質を含まない単離ドナー核を入手する工程を含む。ドナー核を移入するための好ましい方法は、ドナー核の受容細胞細胞質への細胞質ゾル内核注入である。核の移入はまた、衝撃誘発核投入(IINI)によって実施することができる。
本発明のある種の実施態様は、カリオキベースのハイブリドーマ(完全にヒトのモノクローナル抗体を産生することができる完全にヒトのハイブリドーマ)、及び前記を作成する方法を目的とする。ある実施態様では、カリオキベースのハイブリドーマは、記載したカリオキ細胞(好ましくはヒト)を抗体産生類リンパ球細胞(好ましくはヒト)と融合させ、問題の抗原に対する抗体を産生するモノクローナル抗体産生カリオキベースのハイブリドーマを選別することによって得られる。本発明はさらに、ヒトのカリオキベースのハイブリドーマによって産生されるに完全にヒトのモノクローナル抗体(以下では“HuMAb”)、及び任意の種のカリオキベースのハイブリドーマによって産生される任意のモノクローナル抗体を目的とする。ある種の実施態様はまた、全てが同じ種に由来する細胞から産生されるモノクローナル抗体(したがって前記モノクローナル抗体を当該種に完全に適合させえる)を目的とする。本発明の実施態様にしたがえば、ハイブリドーマの複製はin vitro又はin vivoの両方で有効である。したがってカリオキベースのハイブリドーマ細胞は、例えばペトリ皿、フラスコ、ウェル又はバイオリアクターと同様に、免疫不全マウスでin vivoでも増殖させることができる。ある種の実施態様では、ヒトの抗体産生類リンパ球細胞は、ある病的状態(例えば感染又は癌を含む疾患)を有する患者から採取される(前記病的状態は、前記病的状態の存在に付随する少なくとも1つの抗原、例えば疾患特異的、症状特異的又は腫瘍関連抗原の前記動物における発現をもたらす)。ある種の実施態様では、ヒトのカリオキベースのハイブリドーマは、感染又は疾患を有すること又は問題の病的状態を有することが判明している対象者由来の抗体分泌細胞を用いて作成される。続いて、これらのハイブリドーマによって産生された完全にヒトの単離HuMAbを、前記感染、疾患又は病的状態に付随することが判明している抗原に対する特異性又は親和性についてスクリーニングする。続いて、そのようなHuMAbを当業界で公知の方法を用いて治療又は診断に使用することができる。ある種の実施態様では、単離された完全にヒト(又は他の種)のモノクローナル抗体は、前記抗原を発現する標的細胞を殺すことができる毒素又は放射性核種と結合させられる。ここに記載した全ての例は、完全にヒトのカリオキ細胞、カリオキベースのハイブリドーマ及びモノクローナル抗体を作成するためのものである。
完全にヒトのモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを作成するために良好な融合パートナー細胞株は、理想的には以下の要件を満たすべきである:
−起源が完全にヒトであること;
−全く又は極めてわずかの量の内因性免疫グロブリン又は個体の免疫グロブリン鎖しか産生しないこと;
−ダブリング時間が短いこと;
−懸濁培養で増殖すること;
−異なる組織学的起源のB-細胞との高効率融合に適していること;
−種々のIgアイソタイプを産生するB-細胞との融合で偏りをもたないこと(Ig型に関して非選択性であること);
−長期にわたって安定な特異的Ig産生能力を有する安定なIg産生ハイブリッドが得られること;及び
−モノクローナル抗体の大量生産のために、血清及びタンパク質を含まない培養液並びにバイオリアクターでの培養に容易に適用しえること。
我々のより初期の実験で、我々は、MFP2(ATCC指定番号HB-12482)と称されるヘテロミエローマ融合パートナー細胞株を開発した(前記は現在利用可能なより良好な融合パートナー細胞株の1つである)。MFP2細胞は徹底的に研究され、米国特許6,197,582号の主題である(前記文献は参照により本明細書に含まれる)。MFP2細胞は良好な細胞であるが、それらは、マウスミエローマ653細胞及びヒトミエローマRPMI8226細胞の融合により形成されるので完全にはヒトのものではない。表1は、動物及びヒト起源のいくつかの融合パートナー細胞株(MFP2、X63、653、RPMI−8226及びB6B11)の一般的特徴を比較している。表1で示されるように、RPMI-8226はそれ自体良好な融合パートナー細胞株ではない。前記はIgG軽鎖を産生し、他の細胞との融合性レベルが低く、融合効率は非常に低い。しかしながら、マウスミエローマ653と融合したRPMIはMFP2細胞株を生じ、前記は、完全にはヒトではないという事実にもかかわらず良好な融合パートナー細胞株(FPCL)である。
Abraham Karpasらは、潜在的な有用性のみを有する完全にヒトの融合パートナー細胞株を報告した。前記はKrpas707と称される(Abraham Karpas et al. PNAS February 13 2001, 98(4):1799-1804;及びM. Vaisbourd, Hybridoma and Hybridomics, 2001, 20(5):287-292(前記文献は参照により本明細書に含まれる))。Karpas707は、多発性ミエローマを有する患者から樹立されたが、前記は細胞融合の産物ではなかった。Karpas707細胞はガンマ軽鎖を分泌し、約35時間の非常に遅いダブリングタイムを有する。Karpas707へテロハイブリドーマ由来の抗体重鎖及び軽鎖の可変領域を解析した報告は、それらが、ファミリーの使用、セグメントの使用、体細胞変異及び鎖のペアリングに関してヒトBリンパ球を代表するものであることを示した。ダブリングタイムが長いこととIgG軽鎖を産生することと合わせて、Karpas707はヒトの融合パートナー細胞株として理想的ではなくなった。Karpas707細胞の融合効率は報告されなかった。
カリオキ細胞:形成及び特徴
本発明のある種の実施態様は、カリオキ細胞と称される新規なヒト融合パートナー細胞株(FPCL)を目的とし、前記は、カリオキベースのハイブリドーマと称される、完全にヒトの抗体を産生するハイブリドーマを作成するためのものである。既知のハイブリッド融合パートナー細胞(2つの異なる種由来の細胞を用いて2つの完全な細胞の融合から作成される)と異なり、カリオキ細胞は、同じ種に由来する細胞を用いて作成され、さらに、それらは2つの完全な細胞の融合から形成されるわけではない。その代わりに、カリオキ細胞は、例えば正常又は悪性B-細胞から採取した実質的に細胞質を含まない単離ドナー核を、異なる類リンパ球細胞株から採取した完全な受容細胞の細胞質に移入することによって作成される。このようにして形成したキメラ細胞は、2つの異なる核型を有し、したがって、“カリオキ細胞”という名称は、前記細胞を2つの完全な細胞の融合によって作成される細胞と区別する。好ましい実施態様では、カリオキ細胞は完全にヒトである。核の移入後、カリオキ細胞中の2つの核は最終的に同期化し融合する。カリオキ細胞は異数体であり、すなわちヒトカリオキ細胞はヒト染色体の典型的な23の相同対セットをもたない。ドナー及び受容細胞の両方が形質転換細胞に由来するこれらのカリオキ細胞では、顕著な染色体不安定性は日常的である。ヒトカリオキ細胞は典型的には46より多い染色体を有する。2つの核型が一緒にされるとき、それらは、染色体数が単純な数学的合計である安定な核型キメラを形成しない。キメラ化後に核型が安定するまで時間をかけて、細胞は染色体排除を受ける。形質転換細胞のキメラの核型は通常は、最頻値(すなわち同じ細胞株の個々の細胞で見いだされえる染色体数の範囲)として示される。予備的実験では、ヒトカリオキ細胞は最頻数として約120から約140染色体を有すると概算された。
ドナー及び受容細胞核について異種細胞タイプを使用すると決定されたのは、ヘテロハイブリドーマ及びヘテロミエローマは、ヒトリンパ球との融合においてどちらかの親細胞株よりも個々に良好に機能してハイブリドーマを形成するということが示された、伝統的完全細胞融合における以前の経験を基にしている(L. Ostberg, Human monoclonal antibodies in transplantation, Transplant Proc 1992 Aug;24(4 Suppl 2):26-30;L. Ostberg, E. Pursch, Human X (mouse X human) hybridoma stably producing human antibodies, Hybridoma. 1983, 2(4):361-7;K. Nilsson et al. Entrapment of animal cells for production of monoclonal antibodies and other biomolecules, Nature 1983 Apr. 14, 302(5909):629-30;L. Ostberg, Human X (mouse X human) hybridomasa, Methods Enzymol. 1986, 121:228-34;C. Isaacson et al. Human and primate monoclonal antibodies for in vivo therapy, Clin Chem. 1988 Sep, 34(9):1681-8(前記文献は参照により本明細書に含まれる))。カリオキ細胞の作成に適した類リンパ球細胞株にはミエローマ、リンパ腫、類リンパ芽腫及び白血病が含まれる。ある実施態様では、カリオキ細胞は、形質転換されていないT-又はB-類リンパ球細胞に由来するドナー細胞を類リンパ球細胞株と融合させることによって形成される。
好ましい実施態様では、ドナー核は、試験管受精(IVF)のために精子から核を単離するために用いられる細胞ゾル内核注入(ICNI)技術を用いて単離される(K.M. Trokoudes et al. Pregnancy with spermatozoa from a globozoospermic man after intracytoplasmic sperm injection treatment. Hum Reprod, 1995 Apr, 10(4):880-2;D. Hlinka et al. A modified method of intracytoplasmic sperm injection without the use of polyvinylpyrrolidone, Hum Reprod. 1998 Jul, 13(7):1922-7;H. Katayose et al. Efficient injection of bull spermatozoa into oocytes using a Piezo-driven pipette Theriogenology, 1999 Nov, 52(7):1215-24(前記文献は参照により本明細書に含まれる))。この方法は、実質的に細胞質を含まないように、極細マイクロマニピュレーター針(直径<5μm)を用いてドナー細胞から核を取り出し、さらに前記核を完全な受容細胞に注入することを必要とする。受容細胞は、典型的には直径が約30−60μmで、体積の平均が約50,000μm3である。ドナー核(ほとんど細胞質を含まない)の体積は実質的には変動するが、典型的には約150μm3であり、これは受容細胞の体積の約0.3%である。したがって、実質的に細胞質を含まないドナー核を使用する(完全なドナー細胞ではなく)本発明の新規な方法は、細胞質の下部組織の破壊及び受容細胞の体積の変化をほとんど生じない。さらにまた、受容細胞の細胞質の破壊はドナー核の挿入部位に限定される。受容細胞全体の小胞体及びゴルジ装置は本質的に無傷のままである。カリオキ細胞作成時に受容細胞の破壊が最小限であることが、モノクローナル抗体を産生する安定なカリオキベースのハイブリドーマの作成の成功が改善されたことの少なくとも部分的な理由であると考えられる。
ICNI及び核移入のその他の方法は以下の文献により完全に記載されている:M.A. Khalili et al. J Assist Reprod Genet, 2002, 19:84-6;及びK.D. Nusser et al. Human Reproduction, 16(1):130-137(前記文献は参照により本明細書に含まれる))。核の単離及び精製のための方法関しては、我々は以下の文献を挙げる:Deborah L. Hodge et al. Molecular and Cellular Biology 2002, 22(6):1742-1753;及びP.A. Dijkwel et al. Mol Cell Biol 1991, 11:3850-3859(前記文献は参照により本明細書に含まれる)。
別の実施態様では、ドナー核は、衝撃誘発核投入(IINA)を用いて細胞の細胞質に移入される(D.C. Wallace et al. J Cell Biol, 1975, Oct,Cytoplasmic transfer of chloramphenicol resistance in humann tissue culture cells., 67(1):174-88;K.W.J. Jeon, Selective effects of enucleation and transfer of heterologous nuclei on cytoplasmic organelles in Amoeba proteus Protozool, 1975 Aug, 22(3):402-5;R. Appels et al. The first division of HeLa times chick erythrocyte heterokaryons. Transfer of chick nuclei to daughter cells, Exp Cell Res, 1975 Apr, 92(1):79-86(前記文献は参照により本明細書に含まれる))。IINI方法では、実質的に細胞質を含まない精製ドナー核は、細胞を溶解させ、さらにシュクロースグラディエントで核を分離することによって単離される。数回洗浄した後、核を沈殿させ、PBSに0.5%のアルブミン及び10%のシュクロースに再懸濁させ、計測してIINAに備える。続いて、遠心機を用い数百重力下で受容細胞床上に単離核を沈殿させる。400−500gの力を適用したとき、ドナー核の一定の部分が受容細胞膜を通過し、受容細胞を破壊又は損傷することなく細胞質と一体化する。図1Aは、ICNIを用いてカリオキ細胞を作成する方法の模式図であり、図1Bは、IINAを用いてカリオキ細胞を作成する方法の模式図である。2つ以上の核を受け入れた細胞は通常生存しない。カリオキ細胞の選別は、HAT及びG418の存在下で受容細胞を培養することによって達成される(HAT及びG418は、キメラ細胞のみの生存を可能にするが、一方、ドナー核を受容しなかった受容細胞を生存させない2つの選別マーカーである)。
種々の細胞の組合せを用いてカリオキ細胞を作成することができる。いくつかの組合せが表2に示されている。
表1:融合パートナー細胞株の全般的特徴
Figure 2009505666
ND=データ無し
表2:カリオキ細胞作成のための細胞の組合せ
Figure 2009505666
これまでのところ12の完全にヒトのカリオキ融合パートナー細胞株を作成した。これらはKaryochi 1−6、Karyochi XXと名付けられ、さらにKaryochi XXの子孫はXX-1、XX-3、XX-5、XX-7及びXX-10と名付けられた。カリオキ細胞株1−6及びXXの系列は表3で説明される。Karyochi-XXは、ドナー核としてFP0リンパ芽腫及び受容細胞としてFP1.0ミエローマを用いて作成した核型ハイブリッド細胞集団であった。続いてこの集団を、当業界で周知でありハイブリドーマ開発で広く用いられている単一細胞クローニング方法を用いてクローニングした。Karyochi-XX-1からKaryochi-XX-10の標識を付与した10のサブクローンを、それらの融合効率及び安定なハイブリドーマ形成能力についてさらに選別した。これらのサブクローンの1つ、Karyochi-XX-7(以下では“Karyochi-7”)は優れた特性を示し更なる研究のために選択された。Karyochi−7は、親細胞FP0及びFP1.0に由来する、安定なクローン化核型ハイブリッドの融合パートナー細胞株である。ある種の実施態様は、Karyochi-7細胞(ATCCに寄託され、特許指定番号PTA-7467を有する)、及びKaryochi-XX細胞(ATCCに寄託され、特許指定番号PTA-7468を有する)に関する。
表3:カリオキ細胞の系図
Figure 2009505666
完全にヒトのモノクローナル抗体を分泌する、8つの完全にヒトのカリオキベースのハイブリドーマ細胞株を、PBL、脾臓及びリンパ節由来の抗体産生ヒト類リンパ球細胞と融合させたカリオキ融合パートナー細胞株1、2、5、XX-1、XX-3、XX-5、Karyochi-7及びXX-10を用いて作成した。表4及び5は、これらカリオキベースのハイブリドーマの種々の特徴を示す。表4及び5のデータを基に、最適なモノクローナル抗体産生ハイブリドーマのための好ましい融合パートナー細胞株として、Karyochi-7細胞株(Karyochi XXの子孫でFP.0xFP1.0)を選択した。ハイブリドーマ融合のために選択されるヒトモノクローナル抗体産生類リンパ球細胞に応じて、多様なカリオキ細胞株が好ましいであろうと期待される。
表4:カリオキベースのハイブリドーマ
Figure 2009505666
カリオキ細胞作成例は、完全にヒトのKaryochi-XX細胞株について記載する。前記細胞株は、ホジキンリンパ腫の患者から採取した生検由来培養から樹立したヒトFP0細胞のドナー核を用いて作成された。Karyochi-7融合パートナー細胞はKaryochi XXの子孫である。FPO細胞は、それらがT-細胞起源であることを示す混合表現型を有する:CD3+CD4+CD19-CD20-CD45-CD38-CD33-CD34-CD138-λ-κ-a。これらの細胞はアメリカ菌培養収集所(ATCC)に寄託され、特許指定番号PTA-7466を有し、本発明の実施態様の目的である。FPO細胞は、形態学的に不規則な形状を有し、懸濁状態でクランプとして増殖する。FPO細胞に紫外線によって変異を導入し、8-アザグアニン(8-Ag)に対する二重耐性(“FP0-AgR細胞”と称される)及びHAT感受性(ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジン)を有する細胞が選別された。FP0は、融合パートナーゼロ(Fusion Partner Zero)を表す。続いて、FP0-AgR細胞にNeo+プラスミド(ジェネチシンG418耐性を付与する)をトランスフェクトし、ジェネチシンG418耐性クローンを選別した。得られた細胞(“FP0-AgR-neo+細胞”と称される)を核ドナーとして用いた。本発明のある種の実施態様はFP0-AgR-neo+細胞株を目的とし、前記はATCCに寄託された。
表5:カリオキ融合パートナー細胞:グループ細胞の特徴
Figure 2009505666
Karyochi XX及びKaryochi-7細胞を作成するために用いられる完全な受容細胞はヒトFP1.0細胞であり、前記はミエローマの患者から採取した生検の培養で樹立された。FP1.0細胞には変異を導入せず、本来の“野生型”をカリオキ細胞に対する受容細胞として用いた。ある実施態様は、ATCCに寄託され特許寄託指定番号PTA-7465を与えられたFP1.0細胞を目的とする。前記細胞は以下の表現型を有する:CD38+CD56+CD138+CD45-CD19-CD20-CD3-CD4-CD10+CD33-CD34-λ-κ-。FP1.0野生型細胞は球形の外観を有し、懸濁状態で増殖して標準的なRPMI-1640培養液で2x106細胞/mLに近い密度に達する。カリオキ細胞を作成するために、FP0-AgR-neo+細胞由来の単離ドナー核を完全なFP1.0細胞の細胞質に顕微注入した。注入シリーズには、1マイクロドロップ中にほぼ3細胞で20−30細胞が含まれていた。
単離ドナー核を完全受容細胞に移入するICNI及びIINAの両方法によってジカリオン(2つの核を保有する細胞)が生じ、1つの核は受容細胞の本来の核であり、もう一方はドナー核である。ドナー核注入の後の最初の有糸分裂の中期に、前記の核は融合し、両方の核由来の染色体が混じりあう。受容細胞の分割後に、生じた娘細胞は、単一核内に両方の親細胞に由来する染色体から成る混合核型を保有する。真のカリオキ細胞を選別するために、ドナー核を保有する受容細胞を48時間インキュベートし、その後、それらを選別剤HAT及びG418を含む培養液に入れた。カリオキ細胞と称される真のキメラのみがこの選別培地で生存することができた。ドナー核を受けとらなかった細胞はHATの存在下で死滅する。同様に、ドナー核を受け取ったが何らかの理由でそれら自身の核を失った細胞はG418の存在下で死滅する。ドナー核(FP0-AgR-neo+)及び受容細胞(FP1.0)の核を有するカリオキ細胞のみがHAT及びG418の存在下で生存することができる。
表6:Karyochi-7とKarpas 707との比較
Figure 2009505666
表4及び5に示すように、融合能力、融合効率、クローン原性、無血清培養液で増殖する能力、及び腹水又はバイオリアクターで生産される能力に関して、全てのカリオキ細胞が同じ特徴を有するわけではない。表6は、Karyochi-7細胞は完全にヒトのKarpas707融合パートナー細胞株よりも優れていることを示している。Karyochi-7細胞は約20時間のダブリングタイムを有し、これはMFP2細胞のダブリングタイムの20−22時間よりわずかに優れている(表1)。さらにまた、Karyochi-7細胞は、Karpas-707細胞(35時間のダブリングタイムを有する)よりも実質的に速く再生する。MFP2細胞のように、Karyochi-7細胞は免疫グロブリンを産生せず、これは融合パートナー細胞として極めて望ましいことである。対照的に、Karpas707細胞はラムダ軽鎖IgG分子を産生する。Karyochi-7細胞は、ヒト多形核細胞(PMNC)、リンパ節細胞、リンパ球及び脾臓細胞と融合することができる。Karpas707細胞は、エプスタイン-バーウイルスで形質転換した細胞株(164細胞)と、新鮮な扁桃細胞及び抹消血の白血球細胞とヘテロハイブリドーマを形成し、持続的な5ヶ月の増殖の間に免疫グロブリン分泌を失わない安定なハイブリッドを生じたと報告された。Karyochi-7細胞株は、そのダブリングタイム及び融合効率を維持しながら12ヶ月間安定であった。重要なことには、融合パートナー細胞株としてKryochi-7細胞を用いて作成したカリオキベースのハイブリドーマは、平均して7ヶ月にわたってひけをとらないほどに安定であり、モニターした最長のハイブリドーマは10ヶ月間安定であった(表4参照)。カリオキ細胞、特にKaryochi-7細胞(本発明のある種の実施態様の目的である)は理想的な融合パートナーである。それらは完全にヒト起源であり、内因性免疫グロブリン又は個別の免疫グロブリン鎖を全く又はほとんど生成せず、ダブリングタイムが短く、懸濁状態で増殖し、種々の組織学的起源のB-細胞と高い融合効率を有し、Igアイソタイプを産生するB-細胞との融合で偏向性(Igタイプに対して非選択性)をもたず、特異的な免疫グロブリンの長期安定産生能力をもつ安定なIg産生ハイブリッドを産出し、モノクローナル抗体の大量生産のためにバイオリアクターでの無血清培養液及び培養に容易に順化させることができる。融合効率は、融合パートナー細胞株では非常に重要である。Karyochi-7細胞は良好な融合効率(>1/105類リンパ球細胞)を有し、これは、MFP2細胞、X63.653マウス形質細胞腫細胞(表1参照)及びB6B11ヘテロミエローマ細胞(表1参照)より優れている。PEGでのKaryochi-7細胞の融合効率は高く(>1/105)、電気的融合を用いた場合にはさらに高い(>1/104)(U. Zimmerman et al. Hum. Antibodies Hybridomas 1995, 6(2):77-80、前記文献は参照により本明細書に含まれる)。
重要なことには、カリオキベースのハイブリドーマは、高レベルのIgG及びIgM(300ug/mL/24hrs/106細胞まで)を産生し、前記は、MFP2ハイブリドーマ及びKarpas707細胞に匹敵する。カリオキベースのハイブリドーマは、種々のIgアイソタイプを産生するB-細胞との融合で偏向性をもたない(Igタイプに対して非選択性である)。Karyochi-7細胞を用いて作成したカリオキベースのハイブリドーマは、高レベルのIgG、IgA及びIgMを産生し、これは、MFP2ハイブリドーマ及びKarpas707細胞によって産生されるレベルに匹敵する。Karyochi-7細胞を用いて作成されたカリオキベースのハイブリドーマはまた、完全にヒトのモノクローナル抗体の大量生産のために無血清培養液及びバイオリアクターでの培養に順化させることができる。さらにまた、Karyochi-7細胞は、PEG融合方式を用いてリンパ球と非常に良好に融合し、一方、Karpas707細胞株はPEG感受性である。
カリオキベースのハイブリドーマの形成
本発明のある種の実施態様は、カリオキ細胞(好ましくはヒト)を抗体産生類リンパ球細胞(好ましくはヒト)(抹消血リンパ球、脾臓細胞、リンパ節細胞、B細胞、T細胞、扁桃腺リンパ球、単球、マクロファージ、類赤芽球細胞又はペイヤー斑細胞を含む)と融合させることによって作成したカリオキベースのハイブリドーマを目的とする。カリオキベースのハイブリドーマは、表5に示すように種々のカリオキ細胞とヒト類リンパ球細胞との組合せを用いて作成された。
カリオキベースのハイブリドーマ#7と称されるある特定のハイブリドーマシリーズ(表4)は、Karyochi-7細胞をヒトの脾臓細胞と融合させることによって作成された。カリオキベースのハイブリドーマ#7は、当業界で公知の方法にしたがい、ハイブリドーマクローニング因子(Origen 50-0615)を用いて限定稀釈によってクローニングした(S. Fazekas de St. Groth et al. J Immunol Methods 1980, 35:1-21;R. Sugasawara, J Tissue Cul Methods 1989, 12:93-95;及びR. Sugasawara, Bio/Technology 1988, 6:895-902、前記文献は参照により本明細書に含まれる)。ハイブリドーマの上清は、実施例1に記載した当業界で公知の方法にしたがって、非特異的免疫グロブリン分泌の存在についてスクリーニングした。カリオキベースのハイブリドーマ#7(Karyochi-7(融合パートナー細胞株)と混同してはいけない)は、完全にヒトの全てのクラスのモノクローナル抗体(IgG、IgM及びIgA)を約300ug/mL/24hrs/106細胞まで(1例)のレベルで産生し、培養状態で9ヶ月間安定であった。前記は増殖、分裂、抗体産生及び分泌を続けた。ある実施態様では、本発明は、ヒトのモノクローナル抗体産生カリオキベースのハイブリドーマを作成する方法を目的とする。前記方法は、ヒトのカリオキ細胞を入手し、このカリオキ細胞をヒトの類リンパ球と融合させ、カリオキ細胞の核と類リンパ球細胞とを同期化して融合させるための時間を与え、抗体産生を許容する条件下で前記融合細胞をインキュベートし、融合細胞がモノクローナル抗体を産生するか否かを決定し、もし産生するとしたら前記細胞をカリオキベースのハイブリドーマと認定することによって実施される。
我々の初期の研究で、我々は、甲状腺癌患者由来のリンパ節から誘導したハイブリドーマは抗サイログロブリン抗体を産生することを示した(G. Kalantarov, S. Rudchenko, I. Trakht, Human Antibodies, 2002, 11(3):85-96、前記文献は参照により本明細書に含まれる)。これは、この患者は自己免疫疾患(すなわち抗甲状腺抗体)の既往歴をもっていなかったので予想に反する結果であった。これは、サイログロブリンに対してこの患者で産生された抗体は、甲状腺癌腫の癌細胞(前記はサイログロブリンを分泌することが知られている)の存在によって誘導されたことを示した。したがって、このことは、患者の腫瘍細胞は腫瘍関連抗原に対して液性免疫応答を誘発することができることを示した。さらにまた、癌をもつ患者のリンパ球を融合パートナー細胞株と融合させて、抗腫瘍モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを作成することによって、抗体産生細胞を特定しこれを不朽化することができることもまた示された。
ヒト乳癌について同様な結果が得られ、米国特許6,197,582号に記載されている(前記文献は参照により本明細書に含まれる)。乳房切除又はランペクトミーを受けた乳癌患者から腋窩リンパ節を切り出した。これらのリンパ節から単離したリンパ球をMFP2融合パートナー細胞と融合させた。続いて、生じたハイブリドーマによって産生され分泌されたモノクローナル抗体を、乳癌細胞株MCF7、SK-BR-3、ZR-75-1に対してスクリーニングした。ほぼ全てのハイブリドーマがIgG又はIgMを産生した(それぞれほぼ85%及び10%)。乳癌細胞株に対してアッセイしたほぼ15%のハイブリドーマが、乳癌細胞に対して特異的に誘導される抗体を産生した。このハイブリドーマ上清を2つの方法で検査した:(1)生細胞でのCELISA(細胞ELISA)アッセイ及び(2)細胞溶解物使用ウェスタンブロッテイング。患者の免疫系に対して抑制作用を有すると合理的に予想される77サイクルの化学療法を施された癌患者でさえも、融合パートナー細胞株と融合させてハイブリドーマを作成するために適切な抗癌抗体を産生した(I. Trakht et al.未発表データ)。これらの方法は当業界で公知であり、カリオキベースのハイブリドーマによって産生される、単離した完全にヒトのHuMAbの検査に用いることができる。
カリオキベースのハイブリドーマは、疾患又は病的状態(例えば癌又は感染)をもつ動物(好ましくはヒト)から採取したB-リンパ球を用いて同様に作成することができる。ヒトモノクローナル抗体によって認識される特異的抗原の分子量範囲は、公知の方法を用いて決定することができる。抗原標的の性質を正確に示すために、免疫沈澱とそれに続くマイクロシークェンシングを実施することができる。さらにまた、ランダムなペプチドコンビナトリアルライブラリーを用いて、癌特異的抗体の分子標的を特定することができる(I. Birch-Machin et al. J Virol Methods, 2000, 88(1):89-104、前記文献は参照により本明細書に含まれる)。ヒトモノクローナル抗体はまた、癌の免疫療法のための潜在的標的として記載されている既知の癌特異的抗原に対してスクリーニングすることができる。前記潜在的標的には、HER2/neu、ムチン1及びムチン2、p53、c-myc、血液抗原T、Tn及びシアリル-Tn、切端(tuncated)型EGF、Lewis-Y抗原及びその他が含まれる。これら抗原に対する循環抗体の存在が癌患者で報告されている(G. Moller, 1995(前記文献は参照により本明細書に含まれる))。HuMAbは、肺癌、肝癌、白血病、リンパ腫、神経芽腫、グリオーマ、髄膜腫、骨癌、甲状腺癌、乳癌又は前立腺癌を含む任意の癌抗原に対して生成することができる。
感染性疾患は通常よく発達した液性及び細胞性免疫応答を伴う。ある種の感染を有する患者はしばしば大量の特異的抗体産生リンパ球を有し、前記をカリオキベースのハイブリドーマの作成に用いることができる。感染個体はまた、前炎症性サイトカイン及びリンホカイン(腫瘍壊死因子アルファ及びインターロイキン-1aを含む)を過剰発現する傾向がある(前記は敗血症ショックに中心的に関与する)。これらのサイトカインは、カリオキベースのハイブリドーマ由来の単離ヒトモノクローナル抗体によって中和することができる。抗体中和療法のためのさらに別の標的には、感染因子及びそれらの毒素、例えば破傷風毒素、炭疽毒素、ボツリヌス毒素及び脂質Aが含まれる。細菌、菌類、原虫又はウイルスに感染した患者の抹消血は、典型的には抗体産生循環細胞を含み、前記細胞を単離してカリオキ細胞と融合させて、感染宿主で特異的に産生された抗原に対する完全にヒトのモノクローナル抗体を産生する、カリオキベースのハイブリドーマを作成することができる。前記抗原には、感染に応答して産生された抗原、又は感染因子自身によって発現された抗原(例えば細菌内毒素)が含まれる。例として、PBLを敗血症ショック、エイズ、ハンタウイルス感染、HIV、HTLV-1、HTLV-II、インフルエンザ、エボラウイルス、ヒトパピローマウイルス、ブドウ球菌、連鎖球菌、クレブシーラ、大腸菌、炭疽又はクリプトコッカス、B型及びC型肝炎、又はヘルペスウイルスを有する患者から入手することができる。PBL(又は他の抗体産生細胞)をカリオキ細胞と融合させることによって作成したカリオキベースのハイブリドーマを、対応する抗原に対してスクリーニングして、治療価値及び特異性を有するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを選別することができきる。本発明の細胞及び方法を用いて、エイズを治療用の受動免疫で使用される大量の抗HIV抗体を作成することができる。そのような抗体をオートロガス的又はヘテロロガス的態様で用いることができる。したがって、本発明のまた別の実施態様は、感染、疾患又は病的状態を有する患者由来の類リンパ球細胞をカリオキ融合パートナー細胞と融合させることによって作成したカリオキベースのハイブリドーマ、及び、前記ハイブリドーマが産生する、前記対応する感染、疾患又は病的状態に付随する抗原に対して特異的なHuMAbを目的とする。前記抗原は、感染を引き起こす病原体に特異的であるか、又は前記抗原は、前記病原体が生成するタンパク質又は前記病原体のDNAにより感染宿主が産生する抗原と結合することができる。
ヒトモノクローナル抗体はまた、それらを自己抗体のブロッキング又は患者自身のCD4+ T細胞(自己免疫細胞性細胞障害に中心的に関与する)のブロッキングに用いることにより治療的に用いて、自己免疫疾患を有する患者を治療することができる。本発明のある実施態様では、CD4+ T細胞に対するヒトモノクローナル抗体は、カリオキ細胞を患者のCD4+ 細胞と融合させて作成したカリオキベースのハイブリドーマによって産生させることができる。続いて、得られたハイブリドーマをCD4に対するHuMAbの産生及び分泌についてスクリーニングする。これらのHuMAbを治療的に投与して、患者の過剰なCD4+ 細胞を減少又は枯渇させ、それによって自己免疫細胞攻撃を緩和することができる。前記抗体は完全にヒトの抗体であり良好な耐性を示すはずであるので、CD4の過剰発現を罹患している他の患者でもまた用いることができる。別の実施態様では、カリオキ細胞を用いて、特定の自己抗体に対する抗イディオタイプHuMAbを産生することができるカリオキベースのハイブリドーマ細胞を作成することができる。例えば、自己免疫甲状腺炎は自己免疫機能不全であり、前記疾患では高力価の抗サイログロブリン抗体が患者の血漿中に存在する。カリオキ細胞との融合のために、PBL由来リンパ球をそのような患者から単離することができる。得られたカリオキベースのハイブリドーマ細胞をスクリーニングして、サイログロブリンと反応する自己抗体に対する実質的な抗イディオタイプ免疫応答を有するHuMAbを産生することができるハイブリドーマ細胞を特定することができる。続いて、これらの抗イディオタイプ抗体を用いて、患者の抗サイログロブリン抗体を中和し、それによって前記抗体を減少又は枯渇させて自己免疫疾患を調節することができる。そのようなアプローチはオートロガス的に又はヘテロロガス的に用いることができる。オートロガス的アプローチでは、抗イディオタイプ抗体産生細胞を治療されるべき患者の抹消血液中で特定し、続いてこれをカリオキ細胞と融合させる。カリオキベースのハイブリドーマによって産生される特異的な抗-抗サイログロブリンHuMAb抗体について選別した後、この抗体を最初の患者に受動的に投与する。ヘテロロガス的アプローチでは、抗-抗サイログロブリン抗体は別個の患者に投与される。
カリオキベースのハイブリドーマによって産生されるHuMAbを、OKT3(抗CD3)マーカーを介してT細胞をブロッキングすることにより、器官移植拒絶の予防で用いることができる。免疫細胞の遊走を妨げる粘着分子に対する抗体(抗インテグリン抗体)もまた生成することができる。前記は例えば慢性関節リウマチで重要である。例えば冠状動脈形成術後の急性心虚血では、血小板のGPIIb/IIIaに対するヒトモノクローナル抗体を用いて血液凝固を調節することができる。免疫グロブリンの静脈内輸液は、血小板又は他の血液細胞のFc-レセプター仲介細胞凝集の中和に役立つ(例えば特発性血小板減少性紫斑病)。Hu-Mabはまた、毒素又は毒液暴露を解毒又は中和するために用いることができる。そのような暴露には、ヘビ、クモ、毒ガエルによる咬傷及びスズメバチ又はサソリの刺し傷が含まれるが、ただしこれらに限定されない。前記を達成するためには、毒素/毒液に暴露された患者から類リンパ球を単離し、これら細胞をカリオキ細胞と融合させ、カリオキベースのハイブリドーマを作成する。前記ハイブリドーマのHu-MAbを前記毒素/毒液に対する親和性についてスクリーニングする。また別には、下記に記載するように、リンパ球を非毒性用量の毒素/毒液でin vitroで免疫し、これらの細胞を融合に用いることができる。これらの種類の治療に要求される天然のヒト免疫グロブリンは不足している。ガラガラヘビの毒液の中和に従来用いられているウマの抗血清は、血清ショック症を30%の症例で引き起こす。本明細書に記載したヒトモノクローナル抗体産生系は、個々の要求に適合するように選択することができる、本質的に無限量の完全にヒトの免疫グロブリンのin vitro生産を容易にする。例えば、Fcレセプターをブロッキングする免疫グロブリンの事例では、プールした免疫グロブリン(わずかな割合の分子のみが要求される特性を有する)で患者を治療する代わりに、要求される特性を有する免疫グロブリン調製物を、カリオキ融合パートナー及びカリオキベースのハイブリドーマを用いて製造することができる。
ヒト抗腫瘍抗体又は感染性因子に対する抗体を作成するための以前の試みでは、精製又は単離抗原による対象者の強制的又は人工的免疫を必要とした。本発明のカリオキ細胞及びハイブリドーマを用いる場合、抗原は未知であってもよい。抗体を生じさせるための出発物質は、天然の形態のin vivo環境で提示された外来抗原に対する天然の免疫応答の部分として進化した免疫担当リンパ球プールである。カリオキベースのハイブリドーマの形成に用いられるべきリンパ球は、米国特許6,197,582号(Trakht)に記載されたように、問題の抗原に対してin vitroで免疫することができる。続いて当業界で周知の方法を用い、ハイブリドーマを抗原に対しHuMAbを産生するそれらの能力について選別することができる。基本的には、新しく単離したリンパ球を適切な培養液(例えば1.5mMのL-ロイシンメチルエステル(Leu-OMe)を含むRPMI-S)(CAK. Borrebaeck et al. 1987)に懸濁し、約107細胞/mLの最終濃度まで培養される。続いて、前記懸濁リンパ球をマイトジェン(例えばアメリカヤマゴボウマイトジェン、PWM)及び種々の濃度の問題の抗原とともにインキュベートすることができる。免疫後、前記免疫したリンパ球をカリオキ細胞と融合させて、カリオキベースのハイブリドーマを作成することができる。例えば酵素結合免疫アッセイ(ELISA)のようなアッセイを用いて、カリオキベースのハイブリドーマの上清を、問題の抗原に対する抗体の存在について検査することができる。
したがって、ある種の実施態様では、本発明のカリオキ細胞と融合されるヒト抗体産生類リンパ球細胞は、ある病的状態を有する患者から入手される。前記ある病的状態とは、例えば前記状態に付随する少なくとも1つの抗原が前記状態のために生じる状態である。この抗原は、宿主のリンパ球に前記抗原に対する抗体を産生させることがすでに確認されて公知である抗原であっても、又は未知の抗原であってのよい。また別の実施態様は、病的状態を有する患者から採取した類リンパ球細胞をヒトカリオキ細胞と融合させることによって、ヒトカリオキベースのハイブリドーマが、前記疾患に特異的な抗原に対して特異的で高い結合親和性を有するヒトモノクローナル抗体を分泌することができる、ヒトカリオキベースのハイブリドーマを目的とする。本発明の他の実施態様は、カリオキベースのハイブリドーマによって産生されるHuMAb及びそれらの使用、並びに任意の種のカリオキハイブリドーマによって産生される他の任意のモノクローナル抗体を目的とする。本発明のまた別の実施態様にしたがえば、疾患特異的抗原は、腫瘍関連抗原、細胞特異的抗原、組織特異的抗原、酵素、核酸、免疫グロブリン、毒素、ウイルス抗原、細菌抗原、又は真核細胞抗原である。本発明のある実施態様では、抗原は、哺乳動物、昆虫、大腸菌又はクレブシーラ抗原である。いくつかの実施態様では、カリオキベースのハイブリドーマによって産生されるHuMAbは、エフェクター化合物、例えば細胞毒性物質、薬剤、酵素、色素又は放射性同位元素と結合され、治療又は診断に用いられる。
ヒトカリオキバースのハイブリドーマによって産生されるHuMAbの安定的な産生の基礎となるメカニズムは不明である。最初の融合後にパートナー株に保持されるヒト染色体又はそれらのフラグメントが、第二の融合後にヒトリンパ球染色体又はフラグメントが安定化されるような態様で細胞内環境を改変すると他の研究者は提唱している(L. Oestberg and E. Pursch, 1983)。本発明の完全にヒトのカリオキ細胞は、以前の融合パートナー細胞株よりも極めて改善されている。なぜならば、それらは、完全にヒトのモノクローナル抗体を産生するカリオキベースのハイブリドーマの作成に用いることができるからであり、さらにカリオキ細胞は、他のパラメーターにおいてMFP2細胞よりも融合パートナーとして優れているからである。本発明の完全にヒトのカリオキ細胞及びカリオキベースのハイブリドーマは、正常状態及び病的状態下での多様な天然のヒト抗体レパートリーの研究のための基礎を提供する。本明細書に記載した細胞及び方法は、新規な腫瘍関連マーカー又は感染症関連マーカーの特定のための基礎を提供し、さらに多重投与の場合でさえも顕著な副作用リスクを伴うことなく、in vivoでの治療的及びin vitroでの診断的使用を目的とする完全にヒトのモノクローナル抗体を提供する。本発明の実施態様にしたがえば、HuMAbは、容易な検出のために、検出可能なマーカー、例えば放射能標識分子、蛍光分子、酵素、リガンド、比色マーカー又は磁性ビーズと結合される。
本発明はまた、記載のヒトカリオキベースのハイブリドーマによって産生されるヒトモノクローナル抗体をコードする単離核酸を提供する。核酸には、DNA、RNA、cDNA、オリゴヌクレオチド類似体、ベクター、発現ベクター又はプローブが含まれえるが、ただしこれらに限定されない。さらにまた、本発明は、宿主細胞中でモノクローナル抗体又はその部分を発現することができる前記モノクローナル抗体をコードする核酸を発現するためのDNA構築物を意図する。
種々の病的状態(例えば癌のような疾患を含む)の診断、治療及び監視のためのヒトモノクローナル抗体が長い間希求されてきた。臨床試験で異種性抗体を利用しようとする試みは有望な結果を提供しなかった。例えばマウス由来の非ヒト抗体は、ヒト抗マウス免疫応答の発生、最終的にはアナフィラキシー反応をもたらす外来タンパク質に対する感作、及び生物学的効果の欠如(異種性抗体のエフェクター作用はヒト免疫系の成分と適合しない可能性がある)をもたらす。ヒトモノクローナル抗体は多数の利点を有する。その1つは、ヒトモノクローナル抗体は、ヒトでのみ免疫原性である腫瘍関連抗原(TAA)を認識することができるが、一方、ほとんどの事例で異種性抗体は、宿主でイムノドミナンスを発現しさらにしばしば組織特異的エピトープである抗原及び抗原エピトープを認識するということである。また別の利点は、ヒトモノクローナル抗体と宿主免疫系のエフェクター成分(例えば補体)とのよく発達した相互作用である。さらにまた、ヒトモノクローナル抗体はヒトの対象者に対してシンジェニックであるので、注射可能なヒトモノクローナル抗体に対するアレルギー及び/又はアナフィラキシー反応の心配は少ない。本発明のカリオキ細胞融合パートナー細胞株、カリオキベースのハイブリドーマ及びHuMAbは、抗原に対し天然の液性免疫応答によりin vivoで生じる完全にヒトのモノクローナル抗体を産生する細胞の特定、不朽化、及びex vivoでの拡大を促進する。ヒトカリオキベースのハイブリドーマを作成するために用いられるヒト類リンパ球細胞は、天然の免疫系の応答の一部分であるので、それらが産生する完全にヒトのモノクローナル抗体は、免疫系の他の成分と適合し、安全で有効で特異的な生物学的応答をヒトの対象者で誘発することができる。
上記に記載したように、特異的なモノクローナル抗体を産生する細胞を特定し、これを無尽蔵にex vivoで(バイオリアクター、SCIDマウスなどを用いて)生産することができる。抗体は、受動免疫療法として同じ対象者でオートロガスに又は別の対象者でヘテロロガスに用いることができる。ヒトモノクローナル抗体のシンジェニック又はアロジェニックな使用は、抗異種性免疫応答を生じるリスクをもたらすことなく、同じ患者に完全にヒトのHuMAbを何回も輸液することができるので極めて有効である。輸液されたHuMAbは、それらのエフェクター機能に応じて、標的腫瘍細胞の補体依存細胞溶解、若しくは抗体依存細胞性細胞障害(ADCC)(NK又はCTLによって)を始動させるか、又はアポトーシスを介して直接的細胞障害作用を提供することができる。得られた抗体はまた、侵襲的診断(画像診断、免疫シンチグラフィー)又は治療(薬剤の標的誘導、放射能免疫療法、補体依存細胞溶解、ADCC、アポトーシスによる細胞溶解など)の両方に利用することができる。
天然の抗体及び免疫グロブリン(カリオキハイブリドーマによって産生されるヒトモノクローナル抗体を含む)は、通常、約150,000ダルトンのヘテロテトラマーの糖タンパク質であり、2つの同一の軽(L)鎖及び2つの同一の重(H)鎖を含む。各軽鎖は1つのジスルフィド共有結合で重鎖と結合され、一方、ジスルフィド結合の数は、種々の免疫グロブリンアイソタイプの重鎖間で変動する。各重鎖及び軽鎖はまた、規則的に間隔を置いて配置された鎖内のジスルフィド架橋を有する。各重鎖の一方の端には、可変ドメイン(VH)が存在し、その後に多数の定常ドメインが続く。各軽鎖は一方の端に可変ドメイン(VL)及び他端に定常ドメインを有する。軽鎖の定常ドメインは重鎖の第一の定常ドメインと平行に並び、軽鎖の可変ドメインは重鎖の可変ドメインと平行に並ぶ。特定のアミノ酸残基が、軽鎖及び重鎖ドメイン間の境界面を形成すると考えられる(Chothia et al. J Mol Biol 1985, 186:651;Novotny and Haber, 1985, Proc Natl Acad Sci USA 82:4592;Chothia et al. 1989, Nature 342:877-883)。
モノクローナル抗体又はその部分には、“F(ab')2”及び“Fab'”が含まれ、前記は、モノクローナル抗体をプロテアーゼ(例えばペプシン及びパパイン)で処理することによって生成される。“F(ab')2”及び“Fab'”フラグメントは、2つのH鎖の各々の間に存在するヒンジ領域内のジスルフィド結合近くで免疫グロブリンを消化することによって生成される抗体フラグメントを意味する。例えば、パパインは、2つのH鎖の各々の間に存在するヒンジ領域内のジスルフィド結合の上流でIgGを切断して、2つの相同な抗体フラグメントを生成する。これら2つの相同な抗体フラグメントの各々はFab'と称される。別の例では、ペプシンは、2つのH鎖の各々の間に存在するヒンジ領域内のジスルフィド結合の下流でIgGを切断して、上記に記載した2つのFab'がヒンジ領域で連結されたフラグメントよりわずかに大きい抗体フラグメントを生じる。この抗体フラグメントはF(ab')2と称される。
本発明の範囲内に包含される“単離された”モノクローナル抗体は、特定されさらにその天然の環境の成分から分離及び/又は回収された抗体である。その天然の環境の夾雑成分は、抗体の診断的又は治療的使用に干渉し、酵素、ホルモン及び他のタンパク質性又は非タンパク質性溶質が含まれえる。ある種の好ましい実施態様では、モノクローナル抗体は、(1)ローリーの方法、及びスピンニングカップシークェネーター(spinning cup sequenator)の使用による末端または内部アミノ酸配列によって決定したとき抗体の95重量%を超えて精製されるか、又は(2)還元若しくは非還元条件下でクーマシーブルー、又は好ましくは、銀染色を用いてSDS-PAGEで均質となるまで精製されるであろう。単離抗体には、組換え細胞内にin situの状態で存在する抗体が含まれる。なぜならば、抗体の天然の環境中の少なくとも1つの成分が存在しないからである。しかしながら、通常的には、単離抗体は少なくとも1つの精製工程によって調製されるであろう。
モノクローナル抗体を産生するカリオキベースのハイブリドーマは、マイクロタイタープレートで細胞を培養することによって、例えばハイブリドーマの増殖が観察されるウェルの培養上清中の任意の問題の抗原(免疫原を含む)に対する反応性を、例えば酵素免疫アッセイ(例えば放射性免疫アッセイ(RIA)及び酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA))で測定することによってスクリーニングすることができる。モノクローナル抗体は、in vitro又はin vivo(例えばマウス、ラット、モルモット、ハムスター又はウサギ、好ましくはラット又はマウス、より好ましくはマウスの腹水中)でハイブリドーマを培養し、得られた培養上清又は腹水から抗体を単離することによって、カリオキベースのハイブリドーマから製造することができる。例えば腹水浸出法では、鉱物油、例えばプリスタン(2,6,10,14-テトラメチルペンタデカン)が、ハイブリドーマを増殖させる哺乳動物の腹腔内に投与される。例えば、前記哺乳動物は、ミエローマ細胞が由来する種と同じであることができる。続いて約1x107から約1x109細胞のハイブリドーマを動物の腹腔内に投与し、大量のハイブリドーマ細胞を動物で増殖させる。1から4週間後、好ましくは2から3週間後に、腹水又は血清を動物から採集する。腹水又は血清から抗体を精製する必要がある場合は、通常の方法、例えば硫安による塩析、インイオン交換物質(例えばDEAEセルロース)によるイオン交換クロマトグラフィー、プロテインAセファロースによるアフィニティークロマトグラフィー及びゲルろ過によって抗体を精製することができる。前記方法は、単独で又は組み合わせて用いることができる。ハイブリドーマを増殖させモノクローナル抗体を分離するための他の方法は、米国特許6,605,705に記載されている(前記文献は参照により本明細書に含まれる)。
カリオキベースのハイブリドーマのin vitro培養は、例えば培養される細胞の特性、試験研究の目的、及び培養方法の種々の条件にしたがい、ハイブリドーマの増殖、維持及び保存のための公知の栄養培養液又は公知の基本的培養液から誘導した任意の栄養培養液を使用することによって実施し、培養上清中にモノクローナル抗体を産生させることができる。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ培養上清又は上記に記載した腹水から当業界で公知の任意の方法により単離及び精製することができる。前記方法には、飽和硫安沈殿、真性グロブリン沈殿法、カプロン酸法、カプリル酸法、イオン交換クロマトグラフィー(DEAE又はDE52)、抗免疫グロブリンカラムを用いるアフィニティークロマトグラフィー又はプロテインAカラムが含まれる。本発明のヒトモノクローナル抗体はまた、通常的な方法、例えば細胞培養法、腹水浸出法などを用いて単離してもよい。例えば、細胞培養法では、ハイブリドーマは2から14日間、例えば10から20%のウシ血清を含むRPMI-1640、MEM又はE-RDFのような培養液又は無血清培養液で、通常の培養条件下(例えば37℃、5%のCO2)で培養される。続いて培養から抗体を入手することができる。
本明細書の“結合速度定数(Ka)”は、抗体抗原反応カイネティクスを基準に算出した、モノクローナル抗体と標的抗原との結合力(程度)を示す値を指す。“解離速度定数(Kd)”は、標的抗原からモノクローナル抗体が解離する力(程度)を示す値である。“解離定数(Kd)”は、“解離速度定数(Kd)”を“結合速度定数(Ka)”値で割ることによって得られる値である。これらの定数は、モノクローナル抗体の抗原に対する親和性及び抗原を中和するその活性を表すために用いられる。前記定数は種々の方法にしたがって分析することができ、市販のアッセイキット、BiacoreX(Amersham Pharmacia)又は類似のキットを、キットに添付されたマニュアル及び実験方法にしたがって用いて容易に分析することができる。キットを用いて得られるka、kd及びKd値は、1/M秒、1/秒及びM(モル濃度)単位でそれぞれ表現される。より高いka値は被検モノクローナル抗体のより強い抗原結合活性を示し、より小さいKd値は抗体のより強い抗原中和活性を示す。
本発明を具体的な態様を引用しながら前述の明細書に記載してきた。しかしながら、種々の改変及び変更が本発明の範囲を逸脱することなく為しえることは明らかであろう。本明細書及び図面は、制限的な意味合いではなく例示とみなされるべきである。
実施例1:ヒトカリオキ細胞の調製
IINIのためのドナー核の単離:
ジギトニン使用プロトコルを用いて以前に記載されたように核を単離した。略記すれば、単層細胞を氷冷細胞洗浄緩衝液(CWB)(5mMのトリス-HCl(pH7.4)、50mMのKCl、0.5mMのEDTA、0.05mMのスペルミン、0.125mMのスペルミジン、0.5%のチオグリコール及び0.25mMのPMSFを含む)で2回洗浄した。続いて、ジギトニン(水溶形;Sigma)を含むCWBを前記単層細胞に加えた後(5mL/15cmプレート)、細胞をプラスチックの細胞掻きとり棒(Fisher Scientific, Springfield, NJ, USA)で剥がした。細胞懸濁物を21ゲージの皮下注射針に3回通し、これを15mLの円錐形プラスチック試験管に入れたCWB-ジギトニン中の12.5%グリセロール(2mL)上に重層した。3000gで10分間の遠心によって核を沈殿させた。この核単離プロトコルを用いてIINI用の核を調製した。
リンパ球(脾臓細胞、リンパ細胞及びPBL)の単離:
リンパ節:培養液:ピルビン酸ナトリウム、非必須アミノ酸及びビタミンを補充した任意の無血清培養液を用い、ヒトのリンパ球を単離することができる。リンパ節組織を100mmのペトリ皿に入れ、ハサミで細切し、続いてガラスの乳棒を用いて篩から押出した。0.5%のウシ胎児血清を含むDMEMにペレットを懸濁させ、下層にヒストパーク(Hystopaque)-1.077(Sigma, H8889)(細胞懸濁物の体積の1/3)を置いた、50mLの試験管に細胞懸濁物を移し、室温にて400gで40分遠心した。リンパ球は、ヒストパークの境界上に乳白色のリングを形成し、ヒストパークは吸引のためにリンパ球の識別を容易にする。続いてこのリンパ球を吸引し、同じ培養液で2回洗浄し、計測した。
血液:ピルビン酸ナトリウム、非必須アミノ酸及びビタミンを補充した任意の無血清培養液で血液を1:1に稀釈し、50mLの試験管に分配した。下層にヒストパーク(Hystopaque)-1.077(Sigma, H8889)(細胞懸濁物の体積の1/3)を置き、室温にて400gで40分遠心した。抹消血リンパ球は、ヒストパークの境界上に乳白色のリングを形成し、ヒストパークは吸引のためにリンパ球の識別を容易にする。続いてこのPBLを吸引し、同じ培養液で2回洗浄し、計測した。
B.カリオキの調製
FP0細胞は、ホジキンリンパ腫患者から採取した生検の培養で樹立された。FPO細胞は、それらがT-細胞起源であることを示す混合表現型を有する:CD3+CD4+CD19-CD20-CD45-CD38-CD33-CD34-CD138-λ-κ-。前記細胞は形態学的に不規則な形状を有し、懸濁状態でクランプとして増殖する。これらのFPO細胞に、各回30秒で数回の紫外線によって変異を導入し、8-アザグアニン(8-Ag)の濃度を5μg/mLから20μg/mLに徐々に上昇することにより8-Agに対する耐性について選別した。最終的な変異体FP0-AgR細胞は、20μg/mLの8-Agの存在下で増殖することができた。これらのFP0-AgR細胞はHAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジン)に対し感受性を有し、それによりHATの存在下では72時間以内に全ての細胞が死滅した。続いてFP0-AgR細胞にNeo+プラスミドをトランスフェクトし、1000μg/mL(有効濃度がほぼ600μg/mLである総質量濃度)のG418の存在下でジェネチシンG418耐性クローンを選別した。得られたFP0-AgR-neo+細胞を核ドナーとして用いた。
ヒトFP1.0細胞は、ミエローマの患者から採取した生検から培養で樹立した。前記細胞を培養に順化させ、10%FCS(ウシ胎児血清)の存在下で増殖させた。これらの細胞は変異させず、本来の“野生” 型を受容細胞として用い、核型キメラを作成した。FP1.0細胞を表現型決定に付し、以下の表現型を有することが判明した:CD38+CD56+CD138+CD45-CD19-CD20-CD3-CD4-CD10+CD33-CD34-CD138-λ-κ-。前記細胞は球形で、懸濁状態で増殖して、ビタミン、グルタミン、非必須のアミノ酸及び10%FCSを補充した標準的なRPMI-1640培養液で2x106細胞/mLに近い密度に達した。
カリオキ(核型キメラ、Karyochi;KARYOtypic CHImera)細胞は、FP0-AgR-neo+細胞から核が実質的に細胞質を含まないように核を取り出すことによって作成された。単離したFP0の核はドナー核である。このドナー核をFP1.0受容細胞の細胞質に移入し、ここで前記ドナー核はFP1.0細胞の核と最終的に融合して、カリオキ細胞を形成する。ドナー核の移入は、2つの異なる技術を用いて達成することができる。受容細胞の細胞質ゾルにドナー核を細胞ゾル内注入することが核移入の好ましい方法である(細胞ゾル内核注入、ICNI)。この方法は、極細マイクロマニピュレーター針(直径<6μm)を用いてドナー細胞から核を取り出し、受容細胞の細胞質に前記核を移入することを必要とする。
我々が用いた細胞融合方法の1つは、受容細胞の細胞質へのドナー核の衝撃誘発投入の変法である。受容細胞の細胞質へのドナー核の衝撃誘発投入(Impact-Induced Nucleus Administration、IINA)は、ドナー細胞から単離した精製核調製物を用いる。前記調製物は、遠心沈殿を用いて数百Gの重力下で受容細胞床上に沈殿させられる。以下は関連文献である:C. Hahn et al. 1990;P. Smith et al. 1988;M. Hill et al. 1985;K. Nahava et al. 1977;及びM. Jett et al. 1977(前記文献は参照により本明細書に含まれる)。400−500gの力を適用したとき、核の一定の部分が受容細胞膜を通過し、受容細胞の完全性及び機能性を保存しながら細胞質と一体化する。ジカリオンは典型的には良好に生存するが、3つ以上の核をもつ細胞は死滅する。続いて、染色体数を決定するために細胞の核型分析を実施し、2つの核を受け取ったカリオキ細胞を確定する。
両方法によってジカリオンが得られる。ジカリオンは2つの核を保有する細胞で、1つは受容細胞の本来の核であり、もう一方はドナー核である。核注入の後の最初の有糸分裂の中期に、前記の核は融合し、両方の核由来の染色体が混じりあう。受容細胞の分割後に、生じた娘細胞は、単一核内に両方の親細胞に由来する染色体から成る混合核型を保有する。本物のキメラ(ヘテロミエローマ)を選別するために細胞を48時間インキュベートし、その後、それらを選別剤HAT及びG418を含む培養液に入れた。カリオキ細胞と称される真のキメラのみがこの選別培地で生存する。ドナー核を受けとらなかった細胞はHATの存在下で死滅する。同様に、ドナー核を受け取ったが何らかの理由でそれら自身の核を失った細胞はG418の存在下で死滅する。カリオキ細胞のみがHAT及びG418の存在下で生存することができる。
C.Karyochi-7のために採用した融合プロトコル:
カリオキ細胞(Karyochi-7)と脾臓、リンパ節又は血液から単離したリンパ球とを融合してカリオキベースのハイブリドーマを作成するためのプロトコルを以下で説明する:
1.リンパ球とKaryochi-7細胞の両方を、室温にて200gで10分遠心することによって4回洗浄し、融合前に計測しなければならない。洗浄に適した培養液には、L-グルタミン、ピルビン酸ナトリウム、NEAA及びビタミンを補充した任意の無血清培養液が含まれる。
2.細胞の生存率を決定するためにトリパンブルー(Cellgro, 25-900-LI)の存在下で血球計算板を用い細胞を計測する。トリパンブルーは0.4%のストック溶液として供給される。0.1%の作業溶液を調製するために、トリパンブルーの1容とPBSの3容を混合する。細胞を計測するために、等体積の細胞懸濁液及び0.1%トリパンブルーを混合する。
3.細胞を計測した後、Karyochi-7及びリンパ球を1:4又は1:5(Karyochi-7:リンパ球)の割合で混合し、洗浄液を50mLまで添加し、この細胞混合物を室温にて10分200gで沈殿させる。
4.上清を廃棄し、試験管を30秒間さかさまに放置する。残留する培養液を完全に吸引する。
5.親指でチューブを振盪してペレットを再懸濁させる。
6.予め37℃に加温したポリエチレングリコール(PEG-1500)(Sigma, P7181)の300μLを約10−300x106細胞の細胞混合物の場合に、約300x106を超える細胞数の場合には400μLを添加する。定常的に3分間室温で振盪しながらインキュベートする。
7.PEG溶液を以下のスケジュールで洗い流す:10分間10mL、及び5分間5mL。
8.C-RPMIを添加することによって、PEG洗浄方法による洗浄を継続する(10分間10mL、及び5分間5mL)。
9.細胞懸濁物を室温にて200gで10分間遠心する。細胞を1x106リンパ球/mLの濃度で1xHAT(Sigma, Ho262)及び1xHT(Sigma, H0137)を含むC-RPMIに懸濁し、前記懸濁物を96ウェルプレート(Falcon, 3872)に約200μL/ウェルの量で分注する。
10.1/2の培養液をHAT及びHTを含む同じ培養液と3−4日毎に交換する。スクリーニングの前に、カリオキベースのハイブリドーマ細胞を約2−4週間増殖させる。スクリーニングは、カリオキベースのハイブリドーマ細胞がウェルの体積のほぼ1/5を占めたときに開始するべきである。
D.カリオキベースのハイブリドーマ細胞のクローニング
カリオキベースのハイブリドーマ細胞は、ハイブリドーマクローニング因子(Origen, 50-0615)をフィーダーとして用いて(C-RPMIに20%)限定稀釈によりクローニングする。クローニングは細胞により2−4週間を要する。
E.カリオキベースのハイブリドーマの上清の非特異的Ig分泌についてのスクリーニング
非特異的免疫グロブリン分泌の存在を検出するスクリーニング方法は下記に示される:
1.炭酸-重炭酸緩衝液(0.1MのNa2CO3を1容、0.1MのNaHCO3を9容)(pH9.6)を調製する。
2.捕捉抗体、ヤギ抗ヒトIgG(Fc-特異的)(Sigma, I2136)又はヤギ抗ヒトIgM(Sigma, I2386)を用いた。
3.1μg/mLの炭酸-重炭酸緩衝液中の捕捉抗体溶液を調製し、96ウェルプレート(非無菌的、Nunc, 439454)に100μL/ウェル(100ng/ウェル)の量で分注する。プレートにパラフィンで蓋をし、+4℃でインキュベートする。
4.脱イオン(DI)水で5回プレートを洗浄し、非特異的結合をリン酸緩衝食塩水中の0.3%のドライミルク(Foodclub)で室温にて1時間遮断する。
カリオキベースのハイブリドーマの上清を100μL/ウェルの量で適用する。標準的ヒトIgM(Sigma, I8260)、又は標準的ヒトIgG(Sigma, I2511)を0.5μg/ウェルの量(最高濃度)で適用し、室温にて2時間インキュベートする。
6.DI水でプレートを6回洗浄する。
7.二次抗体溶液(ペルオキシダーゼ標識-ヤギ抗ヒト多価IgG)の1:2000をPBS/ミルク(0.3%)で調製する。標識抗体の100μLをプレートに適用し、室温にて1時間インキュベートする。
8.DI水でプレートを8回洗浄する。
9.1錠の基質(テトラメチルベンジジン、Sigma)を1mLのDMSOに溶解し、9mLの0.05リン酸-クエン酸緩衝液(pH5.0)(Sigma, P4809)(0.03%の過ホウ酸ナトリウム(Sigma, P4922)を含む)を添加する。
10.基質溶液をウェルに添加する(100μL/ウェル)。
11.プレートを655nmで読み取る(フィルター#7)。
12.分泌モノクローナル抗体のアイソタイプは、ネズミ抗ヒト軽鎖及び重鎖(MAH-L, H)及びペルオキシダーゼと結合させヒト免疫グロブリンで吸収したヤギ抗マウス免疫グロブリン(25μg/mL)を用いELISAによって決定することができる。カリオキベースのハイブリドーマの細胞質軽及び/又は重鎖の産生は、米国特許6,197,582号(前記文献は参照により本明細書に含まれる)に記載したようペルオキシダーゼ-抗ペルオキシダーゼ系(PAP)を用いて免疫細胞化学的に概算することができる。
F.融合プロトコル
融合プロトコルは、それぞれ対応する細胞株について記載したプロトコルにしたがって用いた。そのようなプロトコルが利用できない場合には、Karyochi-7に順化させた融合プロトコルを用いた。以下のパラメータを各実験の過程の間モニターした:
−融合効率(陽性細胞増殖を示したウェルの数及びヒトリンパ球数当たりのハイブリッドの頻度として表す);
−Ig産生を示したウェルの数;
−非クローニングカリオキベースのハイブリドーマにおける6週間にわたるIg産生の安定性;
−クローン原性;及び
−少なくとも6週間にわたる個々のクローンのIg産生の安定性。
G.染色体分析
中期染色体の調製物は以下の技術によって入手することができる。コルヒチンを指数期増殖中の細胞に添加する。続いて、細胞をトリプシン処理し、記載(S. Seabright, Lancet 1971, 2:971)のようにG-バンドについて染色した(各株から10−15プレート)。染色体数を計測するために、続いて各細胞株について少なくとも50の中期像を分析した。
H.フローサイトメトリーによるDNA分析
DNA含有量を概算するために、細胞(1x106)を70%エタノール(1mL)で固定し、洗浄し、0.3mg/mLのリボヌクレアーゼA(Serva)とともにHank's溶液(pH7.4)中で2−3時間インキュベートし、さらにHank's溶液中のヨウ化プロピジウム(0.05mg/mL, Sigma)で染色する。続いて、DNA含有量をFACS-IIサイトフルオロメーター(Becton Dickinson)で測定する。蛍光は、アルゴンイオンレーザーによって488nm(164-05モデル、Spectra-Physics)で400mWにて励起され、600nmのロングパス干渉フィルター(Ditric Optica)の後方で記録された。
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本発明は、以下に添付する図面で例示により(限定ではなく)説明される。
カリオキ細胞を構築する方法を説明する模式図である。図1Aは細胞質ゾル内核注入技術(ICN)を示し、図1Bは衝撃誘発核投入法(IINA)を示す。

Claims (41)

  1. 特許寄託指定番号PTA-7466を有するヒトリンパ腫細胞株FP0。
  2. 特許寄託指定番号PTA-7465を有するヒトミエローマ細胞株FP1.0。
  3. 特許寄託指定番号PTA-7467を有するヒト融合パートナー細胞株Karyocho-7。
  4. 特許寄託指定番号PTA-7468を有するヒト融合パートナー細胞株Karyochi-XX。
  5. 以下の工程を含む、単一の動物種に由来する細胞を用いてカリオキ融合パートナー細胞株を作成する方法:
    (a)第一の悪性B-リンパ球細胞株又は正常なB-リンパ球のどちらかから実質的に細胞質を含まないドナー核を単一の動物種で単離する工程:
    (b)前記ドナー核を単一動物種の第二のT-又はB-類リンパ球細胞株由来の受容細胞の細胞質に移入する工程:
    (c)受容細胞内の前記2つの核の同期化及び融合のために時間を与える工程:及び
    (d)カリオキ融合パートナー細胞株を特定及び選別する工程。
  6. ドナー核がサイトゾル内核注入によって移入される、請求項5記載の方法。
  7. ドナー核が衝撃誘発核投入によって受容細胞の細胞質に移入される、請求項5記載の方法。
  8. 第一及び第二のヒト類リンパ球細胞株が、ミエローマ、リンパ腫、多発性ミエローマ、リンパ芽腫及び白血病細胞株を含む群から選択される異なる細胞株である、請求項5記載の方法。
  9. 動物種が哺乳動物の属のメンバーである、請求項5記載の方法。
  10. 哺乳動物がヒトである、請求項9記載の方法。
  11. ドナー細胞が特許寄託指定番号PTA-7466を有するヒトリンパ腫細胞株FP0に由来し、さらに受容細胞が特許寄託指定番号PTA-7465を有するヒトミエローマ細胞株FP1.0に由来する、請求項5記載の方法。
  12. ドナー核及び受容細胞の各々が、8-アザグアニン耐性、5-ブロモウラシル、5-フルオロウラシル又はG-418耐性から選択されるメンバーである、異なる選別マーカーを発現する、請求項5記載の方法。
  13. 以下の工程を含む、単一動物種に由来する細胞を用いてモノクローナル抗体を分泌するカリオキベースのハイブリドーマを作成する方法:
    (a)(1)第一の悪性B-リンパ球細胞株又は正常なB-リンパ球のどちらかから実質的に細胞質を含まないドナー核を単一の動物種から単離し、(2)前記ドナー核を単一動物種の第二のT-又はB-類リンパ球細胞株由来の受容細胞の細胞質に移入し、(3)受容細胞内の前記2つの核の同期化及び融合のために時間を与え、さらに(4)カリオキ融合パートナー細胞株を特定及び選別することによって作成される、カリオキ融合パートナー細胞を入手する工程;
    (b)工程(a)のカリオキ融合パートナー細胞を、単一動物種由来の抗体産生類リンパ球細胞と融合させる工程;
    (c)カリオキ細胞の核及び類リンパ球細胞の核が同期化及び融合する時間を与える工程;
    (d)工程(c)で形成された融合細胞を、抗体産生を許容する条件下でインキュベートする工程;及び
    (e)モノクローナル抗体を分泌するカリオキベースのハイブリドーマを特定及び選別する工程。
  14. 単一動物種が哺乳動物の1つの種である、請求項13記載の方法。
  15. 哺乳動物がヒトである、請求項14記載の方法。
  16. 動物が非ヒト哺乳動物、爬虫類又は鳥類である、請求項15記載の方法。
  17. 工程(b)の抗体産生類リンパ球細胞が、脾臓細胞、リンパ節細胞、ペイヤー斑由来の細胞、抹消血リンパ球、B細胞、T細胞、及び扁桃腺のリンパ球を含む群のメンバーであるヒト細胞である、請求項13記載の方法。
  18. 動物がヒトであり、工程(b)の抗体産生類リンパ球細胞が、ある病的状態に付随する抗原の発現を引き起こす前記病的状態を有するヒトに由来し、さらにカリオキベースのハイブリドーマが、前記抗原に対して特異的であるか、又は高い親和性を有するヒトモノクローナル抗体を産生する、請求項13記載の方法。
  19. 前記病的状態が疾患であり、前記病的状態に付随する抗原が、免疫応答を誘引する疾患特異的抗原である、請求項18記載の方法。
  20. 前記疾患が、癌、感染性疾患、自己免疫疾患、ホルモン又は酵素の過剰発現に付随する疾患、対宿主性移植片病、及び心脈管系疾患を含む群のメンバーである、請求項19記載の方法。
  21. 前記抗原が、腫瘍関連抗原、細胞特異的抗原、組織特異的抗原、酵素、ホルモン、核酸、毒素、ウイルス抗原、細菌抗原、菌類抗原、寄生虫抗原、パイロン、及び真核細胞抗原を含む群から選択されるメンバーである、請求項18記載の方法。
  22. 以下の工程によって作成される、ヒトカリオキ融合パートナー細胞:
    (a)第一の悪性B-リンパ球細胞株又は正常なB-リンパ球のどちらかから実質的に細胞質を含まないヒトドナー核を単離する工程:
    (b)前記ドナー核を第二のT-又はB-類リンパ球細胞株由来のヒト受容細胞の細胞質に移入する工程:
    (c)受容細胞内の前記2つの核の同期化及び融合のために時間を与える工程:及び
    (d)ヒトカリオキ融合パートナー細胞株を特定及び選別する工程。
  23. 第一及び第二のヒト類リンパ球細胞株が異なっていて、さらにミエローマ、リンパ腫、多発性ミエローマ、リンパ芽腫及び白血病細胞株を含む群から選択されるメンバーである、請求項22記載のカリオキ細胞。
  24. ドナー核が特許寄託指定番号PTA-7466を有するヒトリンパ腫細胞株FP0に由来し、さらに受容細胞が特許寄託指定番号PTA-7465を有するヒトミエローマ細胞株FP1.0に由来する、請求項22記載のカリオキ融合パートナー細胞。
  25. 以下の工程によって作成される、ヒトモノクローナル抗体を産生するヒトカリオキベースのハイブリドーマ:
    (a)(1)第一の悪性B-リンパ球細胞株又は正常なB-リンパ球のどちらかから実質的に細胞質を含まないヒトドナー核を単離し、(2)前記ドナー核を第二のT-又はB-類リンパ球細胞株由来のヒト受容細胞の細胞質に移入し、(3)受容細胞内の前記2つの核の同期化及び融合のために時間を与え、さらに(4)ヒトカリオキ融合パートナー細胞株を特定及び選別することによって作成される、ヒトカリオキ細胞を入手する工程;
    (b)工程(a)のカリオキ細胞を、ヒトの抗体産生類リンパ球細胞と融合させる工程;
    (c)カリオキ細胞の核及び類リンパ球細胞の核が同期化及び融合する時間を与える工程;
    (d)工程(c)で形成された融合細胞を、抗体産生を許容する条件下でインキュベートする工程;及び
    (e)ヒトモノクローナル抗体を産生するカリオキベースのハイブリドーマを特定及び選別する工程。
  26. 工程(a)のカリオキ細胞が、特許寄託指定番号PTA-7467を有するヒトKaryochi-7融合パートナー細胞である、請求項25記載のカリオキベースのハイブリドーマ。
  27. 請求項25記載のカリオキベースのハイブリドーマによって産生される、単離された完全にヒトのモノクローナル抗体又はその部分若しくはフラグメント。
  28. 請求項26記載のカリオキベースのハイブリドーマによって産生される、単離された完全にヒトのモノクローナル抗体又はその部分若しくはフラグメント。
  29. ヒト抗体産生類リンパ球細胞が、ある病的状態に付随する抗原の発現を惹起する前記病的状態を有するヒトに由来し、さらにカリオキベースのハイブリドーマが、前記抗原に対し特異的であるか又は高い親和性を有するヒトモノクローナル抗体を産生する、請求項25記載のカリオキベースのハイブリドーマ。
  30. 前記病的状態が疾患であり、前記病的状態に付随する抗原が、前記疾患を有する患者で免疫応答を誘引する疾患特異的抗原である、請求項29記載のカリオキベースのハイブリドーマ。
  31. 前記疾患が、癌、感染性疾患、自己免疫疾患、ホルモン又は酵素の過剰発現に付随する疾患、対宿主性移植片病、及び心脈管系疾患を含む群のメンバーである、請求項30記載のカリオキベースのハイブリドーマ。
  32. 前記抗原が、腫瘍関連抗原、細胞特異的抗原、組織特異的抗原、ホルモン、酵素、核酸、毒素、ウイルス抗原、細菌抗原、菌類抗原、寄生虫抗原、パイロン、酵素、及び真核細胞抗原を含む群から選択されるメンバーである、請求項29記載のカリオキベースのハイブリドーマ。
  33. 第一及び第二の類リンパ球細胞株が異なっていて、さらにそれらが、ミエローマ、リンパ腫、多発性ミエローマ、リンパ芽腫細胞株、又は白血病細胞株を含む群から選択されるメンバーである、請求項25記載のカリオキベースのハイブリドーマ。
  34. 請求項25記載のカリオキベースのハイブリドーマによって産生される、単離された完全にヒトのモノクローナル抗体又はその部分若しくはフラグメントであって、前記ヒト抗体産生類リンパ球細胞が、ある病的状態に付随する抗原の発現を惹起する前記病的状態を有するヒト患者に由来し、さらに前記モノクローナル抗体が、前記抗原に対し特異的であるか又は高い親和性を有する、前記モノクローナル抗体又はその部分若しくはフラグメント。
  35. 請求項25記載のカリオキベースのハイブリドーマによって産生される、単離された完全にヒトのモノクローナル抗体又はその部分若しくはフラグメントであって、前記ヒト抗体産生類リンパ球細胞が、癌、感染性疾患、自己免疫疾患、ホルモン又は酵素の過剰発現に付随する疾患、対宿主性移植片病、及び心脈管系疾患を含む群から選択される疾患を有するヒトに由来し、前記抗原が、腫瘍関連抗原、細胞特異的抗原、組織特異的抗原、ホルモン、酵素、核酸、毒素、ウイルス抗原、細菌抗原、菌類抗原、寄生虫抗原、パイロン、酵素、及び真核細胞抗原を含む群から選択されるメンバーであり、さらに前記モノクローナル抗体が、前記抗原に対し特異的であるか又は高い親和性を有する、前記モノクローナル抗体又はその部分若しくはフラグメント。
  36. 第一及び第二の非ヒト動物類リンパ球細胞株の各々が、8-アザグアニン耐性、5-ブロモウラシル、5-フルオロウラシル又はG-418耐性を含む群から選択されるメンバーである、異なる選別マーカーを発現する、請求項13記載のカリオキベースのハイブリドーマ。
  37. 動物が非ヒト哺乳動物、爬虫類又は鳥類である、請求項5記載の方法。
  38. 単一の非ヒト動物種に由来する細胞を用い以下の工程によって作成される、カリオキ融合パートナー細胞株:
    (1)第一の悪性B-リンパ球細胞株又は正常なB-リンパ球のどちらかから実質的に細胞質を含まないドナー核を単一の動物種で単離する工程:
    (2)前記ドナー核を単一動物種の第二のT-又はB-類リンパ球細胞株由来の受容細胞の細胞質に移入する工程:
    (3)受容細胞内の前記2つの核の同期化及び融合のために時間を与える工程:及び
    (4)単一の非ヒト動物種由来の細胞を用いて作成されたカリオキ融合パートナー細胞株を特定及び選別する工程。
  39. 単一の非ヒト動物種に由来する細胞を用い以下の工程によって作成される、モノクローナル抗体を分泌するカリオキベースのハイブリドーマ:
    (a)(1)第一の悪性B-リンパ球細胞株又は正常なB-リンパ球のどちらかから実質的に細胞質を含まないドナー核を単離し、(2)前記ドナー核を単一動物種の第二のT-又はB-類リンパ球細胞株由来の受容細胞の細胞質に移入し、(3)受容細胞内の前記2つの核の同期化及び融合のために時間を与え、さらに(4)単一動物種由来の細胞を用いて作成されたカリオキ融合パートナー細胞株を特定及び選別することによって作成される、ヒトカリオキ細胞を入手する工程;
    (b)工程(a)のカリオキ細胞を、単一動物種由来の抗体産生類リンパ球細胞と融合させる工程;
    (c)カリオキ細胞の核及び類リンパ球細胞の核が同期化及び融合する時間を与える工程;
    (d)工程(c)で形成された融合細胞を、抗体産生を許容する条件下でインキュベートする工程;及び
    (e)単一の非ヒト動物種由来の、モノクローナル抗体を産生するカリオキベースのハイブリドーマを特定及び選別する工程。
  40. 単一動物種が、非ヒト哺乳動物、爬虫類及び鳥類を含む群のメンバーである、請求項39記載のモノクローナル抗体を分泌するカリオキベースのハイブリドーマ。
  41. 請求項39記載のカリオキベースのハイブリドーマによって産生される、単離されたモノクローナル抗体又はその部分若しくはフラグメント。
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