JP2009503251A - エバポレータと、蒸発ボートを掴持および位置決めするデバイスとを備える真空処置プラント - Google Patents

エバポレータと、蒸発ボートを掴持および位置決めするデバイスとを備える真空処置プラント Download PDF

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Abstract

本発明は、真空コーティング設備用のエバポレータ(1)を備える真空処置プラントに関する。本発明によるエバポレータ(1)は、掴持方向(A)に移動可能で、基部(22)を有する蒸発ボート(3)を掴持および位置決めすることを目的とした供給ライン(4)を案内するためのデバイスを備え、上記エバポレータ(1)はさらに、上記移動可能な供給ライン(4)を上記基部(22)に固定的に接続するための2つのスペーサ(18、19)を備え、それぞれの上記スペーサ(18、19)の一側には移動可能な供給ライン(4)が、他側には基部(22)が配置されているため、上記第1供給ライン(4)を強制的に案内することができ、また、上記スペーサ(18、19)は、上記第1供給ライン(4)と上記基部(22)の間に、上記スペーサ(18、19)の少なくとも小さな逸脱範囲にかけて案内方向(B)が上記掴持方向(A)と本質的に平行である長さと構成を有する。
【選択図】 図1

Description

発明の内容
本発明は、請求項1の序文による真空処置プラントと、請求項17の前文による真空コーティング設備のためのエバポレータとに関する。
エバポレータは、具体的には基板上に薄膜を蒸着(真空気相堆積)するために使用される。近年のエバポレータは、特に、2本の電気伝導供給ラインの間にしっかりと掴持された蒸発ボートからなるロールコーティングまたは連続片コーティング設備の場合に、広い表面範囲にかけてスパッタリングを行うことを目的としたものである。エバポレータの動作時に、供給ライン(供給ラインの一方は電気伝導を行うように、他方はアースとして通常構成されている)と蒸発ボートの間に最適な電気接触が確保されなければならない。しかし同時に、蒸発ボートは可能な限り容易に交換できるものとする。
そのようなエバポレータの様々な構成が従来技術より知られている。例えば、米国3,387,116号は、第1の固定された筋交い状供給ラインと、ばね張力が付加され、第2の固定された供給ラインにおいて保持および案内される摩擦部材との間にトラフ状の蒸発ボートが掴持されているエバポレータについて説明している。このエバポレータには、交換処理にばね張力を低減するための工具を必要とするので蒸発ボートの交換に時間がかかり、また、接触が困難であるために蒸発ボートの除去が不都合であるといった欠点がある。
これに関して向上されたエバポレータがDE4014385号に説明されている。このエバポレータでは、蒸発ボートが、ばね力の手段によって、あご状キャリアを設けた2つの筋交い状供給ラインの間に掴持されており、このばね力は偏心部材によって調整可能である。これに加えて、エバポレータは、電気伝導供給ラインのための冷却システムを有し、また、移動可能な電気伝導供給ラインのスライドベアリングを採泥または詰まりから保護するための保護手段を備える。しかし、このエバポレータには、複雑な構造構成を有する上での不利点がある。さらに、この処理によって多量の採泥が生じることで、エバポレータが比較的高いレベルでの損耗を受ける。
近年、真空処置設備では、内部において静止接地ピンと軸方向へ移動する電流ピンとの間で蒸発ボートが掴持されたエバポレータが使用されてきた。電流ピンは、案内スリーブ内で、半径方向に滑動するベアリングにより電気絶縁方式で案内される。案内スリーブは、処理チャンバの壁に外部からねじで接続されたフランジを有しているため、エバポレータが大気圧から確実に密封される。電流ピンの案内には、案内スリーブを比較的長く構成する必要があり、案内スリーブは処理チャンバ内に完全に突出する。動作状態においては、蒸発ボートを掴持するための力が、大気圧と処理チャンバ圧力の間の圧力差のみによって発せられ、その一方で、メンテナンス状態においては、案内スリーブ内で電流ピンに抗して作用する圧縮ばねによって蒸発ボートが予め張力が与えられる。この構成には、滑動ベアリングと密封部が多量の採泥を行う傾向にあるという不利点がある。この多量の採泥は、処理によってもたらされ、さらに、滑動ベアリング内の研磨やプロセス雰囲気自体によって生じるものである。さらに、この構造構成は非常に狭い製造公差を要するためコスト高となる。これに加え、電流ピンの位置を固定した結果、設置場所内にエバポレータベンチが固定され、特に真空直線動作リードスルーに対して垂直方式に移動できなくなるか、または、例えば、基板から蒸発ボートまでの距離を変更するために構成を相当に変更した場合に限り移動できるようになる。
本発明の目的は、エバポレータを備える真空処置プラントを構成すること、前述したタイプのエバポレータを構成することであり、この場合、上述の従来技術で遭遇した欠点を回避することにより、供給ラインと蒸発ボートの間に信頼性の高い電気接触が確保される。
この目的は、請求項1による真空処置プラントおよび請求項17によるエバポレータよって解決される。本発明の有利な延長は従属請求項の主題である。
本発明によれば、好ましくは電気伝導的に構成されたエバポレータの可動供給ラインが、真空処置プラント内で本質的に平行四辺形リンケージ機構を介して案内される。この平行四辺形リンケージは、移動可能な供給ラインを他の供給ラインおよび蒸発ボートに対して強制的に案内する。
平行四辺形リンケージは、それぞれの場合において相互に対し平行に配列され、平行四辺形を形成する2つの部材によって特徴付けられる。平行四辺形の内角の和は常に360°であり、また、対角線的に対面する角度は等しいため、2つの対向する側部、例えば基部に関連したエバポレータの可動供給ラインを、相互に対して平行にのみ移動することができる。
それでも、上記に関連して改良され、また、2つの対向する側部が平行でなく、長さも等しくない平行四辺形リンケージ機構を追加的に使用することができる。例えば、基部と可動供給ラインの間に長さの異なる2つのスペーサが蝶番留めされた状態で配置され、基部と供給ラインの間において長い方のスペーサが短い方のスペーサよりも大きく傾斜している場合に、本質的に基部に対して平行である供給ラインの動作を小さい逸脱範囲内に確実に抑えることが可能である。エバポレータは、蒸発ボートと静止供給ラインに対する可動供給ラインの最小の動作しか必要としないため、本発明による真空処置プラントおよびエバポレータの場合には、上記のように改良した平行四辺形リンケージをさらに使用することができる。
本発明によれば、真空処置プラントは、蒸発ボートを掴持および位置決めする可動供給ラインを案内するデバイスを有する少なくとも1つのエバポレータを備える。この場合のデバイスは、供給ラインが2つのスペーサによって固定的に接続された基部を備える平行四辺形リンケージであり、このスペーサは、供給ラインを少なくともスペーサの小さい逸脱範囲にかけて掴持方向と本質的に平行に案内することを可能にする長さと構成を、基部と供給ラインの間に有する。
この平行四辺形リンケージは、可動供給ラインに従来使用されてきた案内機構と比較して構造が単純であるため、本発明による真空処置プラントおよびエバポレータが、従来の構成よりもさらにコスト効果が良い。これに加えて、平方四辺形リンケージは、互いに滑り合う表面または密封部を全く備えておらず、これは即ち、本発明によるエバポレータおよび真空処置プラントは、例えばアルミニウムや亜鉛粉塵により生じたもののように、処理が原因で生じる多量の採泥の傾向が遥かに少ないことを意味する。さらに、本発明によるエバポレータは、可動供給ラインを包囲する案内スリーブを設ける必要が全くない。その結果、エバポレータは幅狭い構成となり、従来の構成と比較して蒸発ボート距離が狭くなるため、ラインエバポレータ、即ち複数の平行に整列された構成の蒸発ボートの場合における、性能ブーストポテンシャルを達成することができる。
有利な実施形態に基づいて、少なくとも1つのスペーサは硬質に構成され、蝶番留めした連結部の手段によって基板および可動供給ライン上に配列されている。しかし、少なくとも1つのスペーサを板ばねまたは矩形板ばねとして構成することもできる。これと同時に、実際にはこのような板ばねによって掴持方向へ働く予張力が可能となる。
2つの硬質なスペーサを使用する場合には、この予張力を可能にするための手段を提供することが好ましく、この予張力は具体的には50Nであるものとする。メンテナンス状態では、また換言すれば、適切な手段によって掴持力の利用が不可能である場合には、この予張力を使用することで、2本の供給ラインの間の蒸発ボートに対して、蒸発ボートが高い信頼性をもって位置決めされることを確実にする引張力が提供される。
具体的には、基部へ移動する可動供給ラインの能力を制限するための少なくとも1つの垂直制限停止部材を与えることが好ましい。これにより、板ばねとして構成されたスペーサのメンテナンス状態での座屈が防止される。
さらに、把持方向における可動供給ラインの動作を制限する目的で、少なくとも1つの水平な制限停止部材の利点が提供される。その結果、一方で、依然として掴持方向とおおむね平行な方式で内部において動作が生じる領域への動作を制御しながら、他方では、これによって平行四辺形リンケージ部材が、メンテナンス状態での不適切な扱いによって生じるような過剰な負荷に露出することを防止する。
可動供給ラインは、プレート上にスペーサが配置された状態で、プレート上に有利に位置決めされる。プレート自体、またはプレートと供給ラインの間の中間層が電気絶縁されている場合には、供給ラインをリンケージから非常に容易に電気絶縁することができる。
2つの水平制限停止部は具体的に有利に形成され、横向きに突出した突起を有しており、これの構成は垂直な制限停止部材または複数の垂直な制限停止部材上に位置決めされた2つのあご部を補足するものになっている。こうすることで、水平な停止部材と垂直な停止部材を、構造構成の観点から非常に容易にリンケージに一体化することができる。
この動作状態において、2本の供給ラインの間で蒸発ボートを掴持する掴持圧力が、可動供給ラインに直接作用する、またはプレートに作用する圧力ばねによって有利に利用可能となることで、蒸発ボートが全ての動作状況下で最良の効果と電気接触する。圧縮ばねを、これのばねを装填または解除するために空気圧部材を提供することは具体的に好ましく、この結果、エバポレータのメンテナンス状態において圧縮ばねより発せられた掴持圧力を低下または全て除去することができ、これにより、板ばねの予張力のみを蒸発ボートに作用させることが可能になる。
好ましい実施形態では、可動供給ラインは構成に一体化されていないが、電流供給が接続され、平方四辺形リンケージに電気絶縁方式で繋がれている電流ピンと銅製ブロックとを備える。電流ピンは、緩いフランジの手段により銅製ブロックに有利に取り付け可能であるため、エバポレータの動作の結果相当に損耗する電流ピンの設置および取り外しが非常に単純になることで、電流ピンを銅製ブロックに対して連続的に可変方法にて回転させることが可能となる。
第2供給ラインは好ましくは接地ピンを有し、エバポレータの接地ピンおよび/または電流ピンは蒸発ボート用の複数のあご状キャリアを有する。これにより、相当に損耗するピンのサービス寿命が増加するために、高い経済性での使用が可能となる。接地ピンは、好ましくは回転対称的な方式で方形基部の全周囲に位置決めされた4つのあご状キャリアを有し、また、電流ピンのあご状キャリアは環状または円形基部によって形成される。
電流ピンの耐性を増加させるために、このピンは、冷却剤分配管を用いるブラインドエンドボアを有することが好ましく、冷却剤分配管は、これに関連する、銅製ブロック内の冷却水供給と放出ラインに接続しており、このために、エバポレータの動作時に、電気伝導供給ラインの温度の調整が可能となる。しかし、可動供給ラインを他の適切な冷却デバイスに嵌合することもできる。
蒸発濃縮用器を真空処置プラント内に、スパッタ処理対象である基板に関連して調整可能に形成するといった有利な拡張を行える。エバポレータの距離は、基板に対して調整可能であることが好ましい。こうすることで、例えば、エバポレータユニット全体を可変高さ部材に取り付けることができる。
本発明による真空処置プラントおよびエバポレータのさらなる特徴、特性、利点については、関連する図面に基づいて以降で詳細に述べる以下の例証的な実施形態にて説明される。
図1は、メンテナンス状態にある、真空コーティング設備のための、本発明によるエバポレータ1の好ましい例証的な実施形態を表す。エバポレータ1は、真空処置プラントの処理チャンバ2内に設置されており、メンテナンス状態では掴持されず、動作状態(図2を参照)では、第1供給ライン4と第2供給ライン5の間に掴持方向Aにて受容される蒸発ボート3を備える。蒸発ボート3が端面にて受容されるように、第1供給ライン4は、第2供給ライン5の接地ピン7と同様、あご状キャリア8、9を設けた電流ピン6を有する。
電流ピン6は、蒸発ボートキャリア8に面した端部に緩いフランジ10有する。この緩いフランジ10は、好ましくはねじ11のような適切な固定手段によって、電流ピン6を銅製ブロック13のキャリア12に、形状ロックされた導電方式で取り付けるために使用できる。銅製ブロック13はさらにキャリア14を有する。動作状態にある蒸気容器3に給電を行うために、このキャリアに、描画した例では可撓性銅片である電源15を電流ピン6によって取り付けることができる。銅製ブロック13の下面には、プレート17を取り付けた電気絶縁手段16が設けられている。
プレート17には2枚の葉状または矩形の板ばね18、19が取り付けられており、次にこれらが、基部22に取り付けられた2つの垂直な制限停止部材20、21に固定されている。2つの板ばね18、19のそれぞれは、相互に対して平面平行である方式でプレート17の端面に接続しており、対向する端部において2つの垂直制限停止部材20、21にそれぞれ固定されている。板ばね18、19をプレート17および制限停止部材20、21に取り付ける方式は、任意の適切な固定手段、具体的にはねじ式の取り付けを使用することで行うことができる。板ばね18、19は、プレート17を第2基部22に関連して可動的に維持するばね鋼鉄で作成されている。そのため、板ばね18、19が、メンテナンス状態において自動的に得られる図1の平衡状態(自然な位置)から逸脱した場合には、これと同時に、プレート17に作用する予張力が提供されるようになっている。プレート17と基部22だけでなく、さらに2つの板ばね18、19が、それぞれ相互に対して平行に位置決めされているため、平行四辺形リンケージ機構が画成される。この平行四辺形リンケージ機構は、プレート17を基部22に対して強制的に、プレート17および基部22と平行な案内方向Bへ案内する動作を提供する。基部22は、掴持方向Aと平行した状態で支持部材23に取り外し可能に固定されており、支持部材23には固定された第2供給ライン5も取り付けられており、また、基部22は取り外した状態において掴持方向Aへ移動することができる。その結果、案内方向Bは掴持方向Aと常に平行である。
垂直制限停止部材20、21は、基部22へ向かうプレート17の垂直逸脱に限界を定めるためのものである。これにより、メンテナンス状態にて不正確な取り扱いをしたために板ばね18、19が座屈してしまう可能性が防止される。プレート17の案内方向Bへの逸脱は、プレート17の横突起部24、25によって形成された2つの水平制限停止部により規制される。これらの横突起部は垂直制限停止部材20、21と協働する。
基部22は、メンテナンス状態時における電流ピン6と接地ピン7のあご状キャリア8、9との間の距離が、蒸発ボート3の長さよりも或る長さだけ短くなるように、支持部材23に掴持方向Aで固定されている。こうすることで、電流ピン6と接地ピン7の間に蒸発ボート3を挿入した後、第1供給ライン4が、好ましくは数ミリメートルである長さaだけ逸脱し、これにより、図2の板ばねのS字構成で示すように板ばね18、19が平衡状態から逸脱する。そのため、メンテナンス状態において、挿入した蒸気容器3に作用し、図示の実施例では50Nに達している予張力が、板ばね18、19を介して可能となる。これにより、蒸発ボート3を2本のピン6、7の間に正確に位置決めでき、さらにこの位置を保持できるようになるため、メンテナンス中に蒸発ボート3がエバポレータ1から落下する危険がない。
動作状態(図2を参照)で蒸発ボート3の引張を可能にするために、圧縮ばね26が提供されている。この圧縮ばねはシャフト27上に配置され、シャフトの厚くなったヘッド部分28と、基部22に固定されたばね制限停止部29との間で延びている。空気圧部材30もバネ制限停止部29上に同様に位置決めされ、シャフト27を介して、負荷を加える、または負荷を解除するように圧縮ばね26に作用する。
エバポレータ1の動作時に、圧縮ばね26によって電流ピン6が蒸発ボート3に対して押圧され、これがシャフトヘッド28を介してプレート17に作用し、このような力によって、蒸発ボート3が電流ピン6と接地ピン7の間に保持されることで、これら3つの部材の間に最適な電気接触が作成される。蒸発ボート3の接触を向上させるため、また、表面の粗さを補正するために、ピン6、7のあご部8、9をグラファイトホイルでコーティングすることができる。エバポレータ1のメンテナンス状態において、空気圧部材30がシャフト27を引き込むことで圧縮ばね26がプレート17に作用しなくなり、代わりに、板ばね18、19によって呈された予張力がプレート17に作用するようになる。
複数のあご状キャリア8、9を電流ピン6と接地ピン7の両方に、好ましくは円筒形のピン6、7の端面周囲で回転的に対称な方式にて位置決めすることができる。電流ピン6は、端面で円形の状態で突出した(図3参照)、軸方向に対称な基部31を有利に有する。緩いフランジ10により、電流ピンが、銅製ブロック13のキャリア12の周囲で連続的に変化可能な形で回転できるようになる。蒸発ボート3の高い電力消費のために、電流ピン6は高いレベルで損耗するため、電流ピン6を完全に利用し切ることで、電流ピン6の交換回数を減らすことができる。方形基部32を設けることにより、好ましくは4つの受容あご部9が軸方向対称な方式で接地ピン7上に形成されるため、接地ピン7を4回使用できるようになる(図4を参照)。方形基部32の直線支持面は、蒸発ボート3の位置決め補助として働く。
無論、蒸発ボート3の端面の形状が異なる場合には、これ以外の形状をしたピン6、7の受容あご部8、9も可能である。しかし、いずれにせよ最適な電気接触を確保するためには、蒸発ボート3の端面が、ピン6、7のあご状キャリア8、9の表面範囲全体と接触することが望ましい。
図1に描かれた実施形態に加えて、銅製ブロック13内を走行し、電流ピン6内のブラインドエンドボアに供給を行う水冷却システムを提供することができる。電流ピン6内の冷却剤分配管と、電流ピン6の緩いフランジ10と銅製ブロック13のキャリア12の間の適切な水接続とによって、供給ラインと排出ラインの間で水を直接交換できるようになり、これにより第1供給ライン4全体を冷却できるようになる。
上述の説明から、本発明のエバポレータでは、損耗を低レベルのものに抑えることが可能な非常に単純な構造構成の一部としての平行四辺形のリンケージを介して、第1供給ライン4の案内が実施されることが明らかである。エバポレータ1は、互いに滑り合う表面や密封部を全く有していない。その結果、エバポレータ1の、処理によってもたらされる多量の採泥の傾向が全体的に低くなる。エバポレータ1は構造構成が単純であるため、従来のエバポレータ構成よりも製造コストが安価である。この結果、本発明による真空処置プラントの運営コストが大幅に節約される。これに加えて、インラインエバポレータの場合にこのアプローチによって得られる蒸発ボートの間の距離が狭くなるために、エバポレータ1は従来のエバポレータよりも幅が狭い構成となるので、本発明のエバポレータ1全体は本発明の真空処置プラントの性能が高まる可能性を与える。さらに、本発明のエバポレータ1の場合、エバポレータユニット全体は支持部材23の手段によって可変高さ部材に取り付けられているため、従来技術のエバポレータとは対照的に、基板に対する蒸発ボート3の距離を容易に可変的に調節できる。
メンテナンス状態にある本発明によるエバポレータの例証的な実施形態の側面図を示す。 本発明によるエバポレータが動作状態にある、図1の例証的な実施形態の側面図を示す。 本発明による電流ピンの端面図を示す。 本発明による接地ピンの端面図を示す。
参照符号の説明
1…エバポレータ、2…処理チャンバ、3…蒸発ボート、4…第1供給ライン、5…第2供給ライン、6…電流ピン、7…接地ピン、8、9…あご状キャリア、10…緩いフランジ、11…ねじ、12…キャリア、13…銅製ブロック、14…キャリア、15…電源、16…電気絶縁手段、17…プレート、18、19…葉状または矩形の板ばね、20、21…垂直な制限停止部材、22…基部、23…支持部材、24、25…横突起部、26…圧縮ばね、27…シャフト、28…シャフトの厚くなったヘッド部分、29…ばね制限停止部、30…空気圧部材。

Claims (17)

  1. 処理チャンバ(2)内に配置された少なくとも1つのエバポレータ(1)を有する真空処置プラント、具体的にはロールコーティングプラントであって、前記エバポレータが、電力の制御が可能で、電流の通過によって加熱される蒸発ボート(3)を備え、前記エバポレータ(3)がさらに、間に前記蒸発ボート(3)を掴持することができる2つの電気供給ライン(4、5)を備え、前記第1供給ライン(4)が前記第2供給ライン(5)に対して掴持方向(A)に移動可能であり、前記エバポレータがさらに、前記蒸発ボート(3)を前記供給ライン(4、5)の間で掴持および位置決めするために前記第1供給ライン(4)を案内するデバイスを備える真空処置プラントにおいて、
    前記供給ライン(4)を案内する前記デバイスが、少なくとも2つのスペーサ(18、19)と基部(22)を備え、前記第1供給ライン(4)が、前記スペーサ(18、19)を介して前記基部(22)に移動可能に接続しており、前記スペーサ(18、19)の一側には前記第1供給ライン(4)が、他側には前記基部(22)が設置されており、このため、前記第1供給ライン(4)を強制的に案内することが可能となり、前記スペーサ(18、19)が前記第1供給ライン(4)と前記基部(22)の間に、前記スペーサ(18、19)の少なくとも小さな逸脱範囲にかけて案内方向(B)が前記掴持方向(A)と本質的に平行である長さと構成を有することを特徴とする、真空処置プラント。
  2. 少なくとも1つのスペーサが硬質に構成され、蝶番留め接続の手段によって前記第1供給ライン(4)と前記基部(22)の上に位置決めされることを特徴とする、請求項1に記載の真空処置プラント。
  3. 予張力、具体的には50Nの予張力を与える手段が、握持方向(A)へ、また少なくとも前記第2供給ライン(5)に抗して与えられることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の真空処置プラント。
  4. 少なくとも1つのスペーサ(18、19)が、掴持方向(A)に向かい、少なくとも前記第2供給ライン(5)に抗する予張力を与える板ばねとして構成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の真空処置プラント。
  5. 前記基部(22)に向かう前記第1供給ライン(4)の動作を制限するために、少なくとも1つの垂直制限停止部材(20、21)が提供されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の真空処置プラント。
  6. 前記掴持方向において前記第1供給ライン(4)の動作を制限するために、少なくとも1つの水平制限停止部(20、24、21、25)が与えられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の真空処置プラント。
  7. 前記第1供給ライン(4)がプレート(17)上に配置されており、前記スペーサ(18、19)が前記プレート(17)の上に配置されており、いずれの前記プレート(17)自体も、または前記プレート(17)と第1供給ライン(4)の間に介在する中間シム(16)も電気絶縁されているため、前記第1供給ライン(4)を案内する前記デバイスが前記第1供給ライン(4)から電気的に絶縁されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の真空処置プラント。
  8. 2つの水平制限停止部が、2つのあご部と、これと相補的関係にある突起(24、25)とによって形成されており、前記突起(24,25)は、前記プレート(17)で突出しており、前記あご部が前記垂直制限停止部材(20、21)または複数の前記垂直制限停止部材(20、21)上に配置されていることを特徴とする、請求項7に記載の真空処置プラント。
  9. 圧縮ばね(26)が備えられ、前記ばねは前記第1供給ライン(4)を、前記第2供給ライン(5)に向けて前記掴持方向(A)へ移動させることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の真空処置プラント。
  10. 前記圧縮ばね(26)に負荷を与える、または負荷を解除するために、空気圧部材(30)が備えられていることを特徴とする、請求項9に記載の真空処置プラント。
  11. 前記第1供給ライン(4)が、好ましくは銅製の第1部材(13)と、前記第1部材に取り付け可能な第2部材(6)とを備え、前記第2部材は電流ピン(6)として形成されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の真空処置プラント。
  12. 前記電流ピン(6)が、緩いフランジ(10)を介して前記第1部材(13)に取り付け可能であるため、前記電流ピン(6)を前記第1部材(13)に対して連続的に変化可能な方式で回転させることができることを特徴とする、請求項11に記載の真空処置プラント。
  13. 前記第2供給ライン(5)が接地ピン(7)を備え、前記接地ピン(7)および/または前記電流ピン(6)は前記蒸発ボート(3)用の複数のあご状キャリア(8、9)を備えることを特徴とする、請求項11または12のいずれか一項に記載の真空処置プラント。
  14. 前記接地ピン(7)が、方形基部(32)に沿って回転的に対称な方式(rotationally symmetrical manner)に配列された4つのあご状キャリア(9)を備え、前記電流ピン(6)の前記あご状キャリア(8)が環状または円形の基部(31)によって形成されていることを特徴とする、請求項13に記載の真空処置プラント。
  15. 前記第1供給ライン(4)が、前記第2部材(13)内部に冷却剤分配管を有するブラインドエンドボアとして構成されることが好ましい水冷却システムを備えることを特徴とする、請求項11〜14のいずれか一項に記載の真空処置プラント。
  16. 前記真空処置プラント内の前記エバポレータ(1)が、スパッタリング対象の基板に関連して、具体的には前記基板までの距離に関連して調整可能に構成されていることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の真空処置プラント。
  17. 真空コーティング設備用の、具体的にはロールコーティング設備におけるラインエバポレータ用のエバポレータ(1)において、
    前出の請求項1〜16の少なくとも1つの特徴によって特徴付けられ、前記特徴はエバポレータ(1)に関する、エバポレータ(1)。
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