JP2009501463A - Dspによって複数のスピーカを制御する装置および方法 - Google Patents

Dspによって複数のスピーカを制御する装置および方法 Download PDF

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Abstract

再生環境において、スピーカは方向群にグループ分けされ、方向群は関連するスピーカに関して重複するため、第1の方向群および第2の方向群に対する異なる値を有するスピーカパラメータを有するスピーカが存在する。複数のスピーカを制御する手段は、音源の音源位置を与える手段(40)を含み、この音源位置は第1の方向群位置と第2の方向群位置との間に置かれる。装置はさらに、スピーカパラメータに対する第1のパラメータ値(42a)と、スピーカパラメータに対する第2のパラメータ値(42b)とに基づいて、少なくとも1つのスピーカに対するスピーカ信号を算出する手段(42)を含む。
図4

Description

説明
この発明は音声技術に関し、特にデルタ立体音響システム(delta stereophony systems:DSS)もしくは波面合成システムまたは両方のシステムを含むシステムにおける音源の位置決めに関する。
会議室、またはホールもしくは野外のコンサートステージなど、比較的大きな環境に供給するための典型的な音波処理システムすべての有する問題点は、一般的に用いられるスピーカチャンネルの数が少ないために音源のリアルロケーション再生ができないことである。モノチャンネルに加えて左チャンネルと右チャンネルとが用いられたとしても、レベルに関する問題が残る。たとえば、後部座席、すなわちステージから遠く離れた座席にもステージに近い座席と同様に音を供給する必要がある。たとえば、スピーカが講堂(オーディトリアム)の前方または講堂の側部にのみ配置されている場合の固有の問題点は、後方の人が聞こえるようにするとスピーカの近くに座っている人がスピーカの音量が大きすぎると感じることである。言換えると、こうした音波処理シナリオにおいては個々の供給スピーカが点音源として感知されるという事実のために、音量が大きすぎると主張する人が必ずいる一方で、音量が不十分だと言う人もいる。音量がいつも大きすぎるという人は点音源様スピーカのすぐ近くに座っている人であり、音量が不十分だという人はスピーカから遠く離れて座っている人である。
この問題を少なくともある程度まで回避するために、スピーカをより高い場所、すなわちスピーカの近くに座っている人の上方に置くことによって、少なくともスピーカの近くの人がすべての音を完全に受けず、スピーカの音のかなりの量は聴衆の頭上を伝搬するために前方の聴衆の構成員に感知されず、その一方でさらに後方の聴衆の構成員に対して十分なレベルの音を提供するという試みが行なわれてきた。加えて、この問題は線形アレイ技術にも起こる。
他の可能性として、前列の人、すなわちスピーカに近い人に重圧をかけすぎないような低レベルでの動作があるが、ここにも部屋のさらに後方では音量が不十分になる危険性があることは明らかである。
方向認識に関しては、問題全体がさらに大きくなる。例を挙げると、たとえば会議室にある単一のモノスピーカは、方向認識を与えることができない。方向認識が可能になるのは、スピーカの場所がその方向に一致する場合のみである。これは本質的に、1つの単一スピーカチャンネルしかないという事実によるものである。しかし、たとえ2つのステレオチャンネルがあったとしても、せいぜい左右のチャンネル間でフェードオーバーまたはクロスフェードできる、すなわちパニングを行なえるぐらいである。これは1つの単一音源しかないときには有利であり得る。しかしいくつかの音源があるときには、2つのステレオチャンネルによって可能なこの定位は、講堂の小さな範囲内においてのみほぼ可能となる。ステレオによる方向認識があったとしても、それはスイートスポットにおける場合のみである。いくつかの音源があるとき、特に音源の数が増えるにつれてこの方向印象はより一層ぼんやりしてくる。
他のシナリオにおいては、ステレオまたはモノラルの混合が供給されるこうした中型から大型の講堂において、スピーカは聴衆の上方に置かれるために音源のいかなる方向情報も再生できない。
たとえば話をする人または舞台俳優などの音源がステージ上にあっても、彼/彼女は側方または中央に配置されたスピーカから感知される。この状況においては、自然な方向認識は不要とされてきた。音量が後方の聴衆にとって十分に大きく、前方の聴衆にとって耐え難いほど大きくなければ満足される。
特定のシナリオにおいては、音源に近接して位置決めされるいわゆる「サポートスピーカ」も用いられる。この態様で、聴覚の部分における自然な位置探索の回復が試みられる。これらのサポートスピーカは通常遅延なしにトリガされるのに対し、供給スピーカを介したステレオ音波処理は遅延されるため、まずサポートスピーカが感知されて、第1波面の法則に従って定位が可能となる。しかし、サポートスピーカにも点音源として感知されるという問題がある。このため、一方では音発生者の実際の位置からのずれが生じ、またここでも前方の聴衆にとっては音量が大きくなりすぎ、後方の聴衆にとっては音量が小さくなりすぎる危険性がある。
他方で、サポートスピーカが真の方向認識を可能にするのは、音源、たとえば話をする人がサポートスピーカにすぐ近接して位置するときだけである。これが有効なのは、サポートスピーカが講演用の机の中に構築されており、話をする人が常にその机の所に立っており、この再生空間において聴衆に対してパフォーマンスしながら机の隣に立つことなど考えられないときである。
サポートスピーカと音源との間の位置のずれによって、聴取者の方向認識に角度調整不良が起こり、それによってサポートスピーカに慣れておらずステレオ再生に慣れた聴衆の構成員の不快感が増す。特に第1波面の法則によって働いていてサポートスピーカを用いているときには、たとえば真の音源、すなわち話をする人がサポートスピーカから余りにも離れたときにはサポートスピーカを非活動化した方が良いことが見出されている。言換えると、このことはサポートスピーカを移動させることができないという問題に関係しており、聴衆における前述の不快感を生じさせないために、話をする人がサポートスピーカから余りにも離れたときにはサポートスピーカは完全に非活動化される。
すでに説明したとおり、用いられるサポートスピーカは通常従来のスピーカであって、供給スピーカと同様に点音源の音波特性を示すため、システムのすぐ近くでは過剰なレベルとなり、しばしば不快に感じられる。
よって一般的に、劇場/上演の分野で行なわれるような音波処理シナリオに対する音源位置の聴覚認識を提供するという目的があり、講堂全体に音量を適切に供給するためにのみ設計された一般的な通常の音波処理システムに、指向性スピーカシステムおよびその制御を補うことが意図される。
典型的に、中型から大型の講堂にはステレオまたはモノラルが供給され、5.1サラウンド技術が供給される場合もある。典型的にスピーカは聴衆の構成員の隣または上方に置かれ、聴衆のごく一部に対してのみ音源の正しい方向情報を再生できる。聴衆のほとんどの構成員は誤った方向印象を得る。
しかしこれに加えて、第1音波面の法則に従って方向参照を生じるデルタ立体音響システム(DSS)も存在する。特許文献1は、活動またはパフォーマンスの部屋と受信または聴衆の部屋とが直接的に隣接するかまたは同一であるような比較的大型の部屋および範囲に対する大容量音波処理システムを開示している。実行時間の原理に従って音波処理が行なわれる。特に、とりわけ重要なソロ音源の場合における妨害を表わす、移動によって起こるあらゆる調整不良およびジャンプ効果が、あらゆる限定された音源範囲を有さない実行時間動揺が実現され、音源の音響出力が考慮されることによって回避される。遅延または増幅手段に接続された制御装置は、音源および音波放射器の場所の間の音響経路との類似によって制御を行なう。そのために音源の位置が測定されて、それに応じて増幅および遅延に関してスピーカを調整するために用いられる。再生シナリオは、それぞれにトリガされるいくつかの区切られたスピーカ群を含む。
DD242954A3
デルタ立体音響によって、1つまたはいくつかの指向性スピーカが真の音源に近接して(たとえばステージ上に)置かれ、この指向性スピーカは聴衆の範囲の大きな部分における位置発見参照を実現する。ほぼ自然な方向認識が可能である。これらのスピーカは指向性スピーカの後にトリガされることによって位置参照を実現する。この態様で、指向性スピーカは常に最初に感知され、よって定位が可能となり、この関係もまた「第1波面の法則」と呼ばれる。
サポートスピーカは点音源として感知される。その結果、たとえばソリストがサポートスピーカの前または隣に直接的に位置決めされる代わりにサポートスピーカから距離を置いて位置決めされるとき、音発生者すなわち元の音源の実際の位置からのずれが生じる。
したがって、音源が2つのサポートスピーカの間を移動するとき、こうした異なる態様で配置されたサポートスピーカの間でフェードオーバーを行なう必要がある。これはレベルおよび時間の両方に関係する。これとは対照的に、波面合成システムによって、仮想音源を介して真の方向参照が得られてもよい。
この発明をさらに理解するために、波面合成技術を以下にさらに詳細に説明する。
音声再生における改善された自然な空間的印象および向上した筐体は、新たな技術を用いて達成され得る。この技術の基本であるいわゆる波面合成(WFS)は、デルフト工科大学で研究され、80年代後半に初めて紹介された(非特許文献1)。
ベルクホウト(Berkhout), A.J.; デブリース(de Vries), D.; ボーゲル(Vogel), P.: 波面合成による音波制御(Acoustic control by Wave-field Synthesis)。 JASA 93, 1993
この方法によるコンピュータ出力および転送速度に対する要求が莫大であるため、波面合成が実際に適用されたことはまれである。マイクロプロセッサ技術および音声符号化の分野における進歩のため、現在ではこの技術を特定の適用に用いることが可能である。専門分野における最初の製品が本年紹介される予定である。数年のうちには消費者領域に対する最初の波面合成適用が市場参入する予定である。
WFSの基本的な考えは波動説のホイヘンスの原理の適用に基づいている。
波が到達する各点は、球形または円形に伝搬する素元波の出発点である。
音波に関しては、入来する波面のあらゆる形は、互いに隣り合って配置された多数のスピーカ(いわゆるスピーカアレイ)によって複製され得る。最も簡単な、単一点音源の再生およびスピーカの線形アレイの場合には、各スピーカの音声信号に、個々のスピーカの発する音場が正しく重なり合うような態様で時間遅延および振幅スケーリングを供給する必要がある。いくつかの音源がある場合には、各音源について各スピーカへの寄与が別々に算出され、その結果得られる信号が加算される。再生される音源が反射壁を有する部屋に置かれているときは、反射も付加的音源としてスピーカアレイを介して再生されなければならない。したがって、算出における経費は音源の数、録音室の反射特性およびスピーカの数に高く依存する。
この技術の利点は特に、再生室の広範囲にわたって自然な空間的音響印象が可能なことである。公知の技術とは異なり、音源の方向および距離が高度に正確な態様で再生される。限られた程度までなら、仮想音源を真のスピーカアレイと聴取者との間に位置決めすることさえできる。
波面合成は状態が既知である環境に対して有用であるが、その状態が変化するとき、または環境の実際の状態に一致しない環境状態に基づいて波面合成が行なわれるときには不備が生じる。
環境状態は、その環境のパルス応答によって示されてもよい。
このことを以下の例を用いてさらに詳細に示す。あるスピーカが壁に向かって音信号を発し、その壁の反射は望ましくないとする。この簡単な例に対して、波面合成を用いた空間的補償は次のようになる。最初に、この壁の反射を定めることによって、壁に反射された音信号がスピーカに戻る時間が確かめられ、また反射された音信号の振幅が確かめられる。この壁からの反射が望ましくないとき、波面合成ではこの壁からの反射を次のように除去することが可能である。スピーカに元の音声信号に加えて反射信号と逆の相でありかつ対応する振幅を有する信号が印加されることによって、前方向の補償波が反射波を消すために、検討中の環境における壁からの反射が除去される。これは、最初にこの環境のパルス応答を算出し、この環境のパルス応答に基づいて壁の状態および位置を定め、壁をイメージ音源、すなわち入来音を反射する音源として解釈することによってもたらされてもよい。
最初にこの環境のパルス応答を測定し、次に音声信号に重ね合される状態においてスピーカに印加すべき補償信号を算出すれば、この壁からの反射の相殺が起こることによって、この環境中の聴取者は音に関してはこの壁がまったく存在しないような印象を持つだろう。
しかし、反射波の最適な補償のために決定的なのは、部屋のパルス応答を正確に定めることによって過剰補償または補償不足が起こらないようにすることである。
このように、波面合成は大きな再生範囲にわたる仮想音源の正しいイメージングを可能にする。同時に、波面合成はサウンドミキサおよびサウンドエンジニアに、さらに複雑な音響シナリオの創造における新たな技術的および創造的可能性を提供する。80年代の終わりにデルフト工科大学で開発された波面合成(WFS、または音場合成)は、音再生のホログラフ的アプローチを示す。その基礎となるのはキルヒホフ−ヘルムホルツ積分である。それは、閉じた容積の表面に単極子および双極子音源(スピーカアレイ)を分配することによってその容積内にあらゆる音場を生じ得ると述べている。詳細は、非特許文献2、および非特許文献3を参照されたい。
M.M.ブーン(Boone),E.N.G. ヴェルヘイエン(Verheijen),P.F.v.トル(Tol), 「波面合成による空間的音場再生(Spatial Sound-Field Reproduction by Wave-Field Synthesis)」, デルフト工科大学津波音波研究室(Laboratory of Seismics and Acoustics), Journal of J. Audio Eng. Soc., vol. 43, No. 12, 1995年12月 ディエメ デブリース(Diemer de Vries), 「波面合成による音響強化:ラウドスピーカ指向性特性への合成オペレータの適合(Sound Reinforcement by wave-field synthesis: Adaption of the Synthesis Operator to the Loudspeaker Directivity Characteristics)」, デルフト工科大学津波音波研究室, Journal of J. Audio Eng. Soc., vol. 44, No. 12, 1996年12月
波面合成においては、仮想位置において仮想音源を発する音声信号からスピーカアレイの各スピーカに対して合成信号が算出され、振幅および相に関して合成信号が構成されることによって、スピーカアレイに存在するスピーカが発する個々の音波の重ね合せの結果得られる波が、仮想位置における仮想音源が真の位置を有する真の音源であったときにその仮想位置における仮想音源によってもたらされる波と一致するようにされる。
典型的には、いくつかの仮想音源が異なる仮想位置に存在する。合成信号の算出は各仮想位置における各仮想音源に対して行なわれるため、典型的には1つの仮想音源がいくつかのスピーカに対する合成信号をもたらす。スピーカの見地に立つと、このスピーカは異なる仮想音源に由来するいくつかの合成信号を受取る。線形重ね合せの原理によって可能であるこれらの音源の重ね合せの結果、スピーカが実際に発する再生信号が得られる。
波面合成の可能性は、スピーカアレイが近接するほど、すなわち個々のスピーカを互いにできる限り近く位置決めできるほどより良く活用され得る。しかしその結果として、典型的にチャンネル情報も考慮に入れる必要があるため、波面合成ユニットに必要な計算能力が増す。これは特に、原則として各仮想音源から各スピーカへの専用転送チャンネルが存在すること、および原則として各仮想音源によって各スピーカに対する合成信号がもたらされるか、または各スピーカが仮想音源の数に等しい数の合成信号を受取る場合であり得ることを意味する。
この点において付け加えると、音声再生の品質は、利用可能にされるスピーカの数が増加するにつれて高くなる。つまり、スピーカアレイに存在するスピーカの数が増えるほど、音声再生の品質はより良く、よりリアルになる。
上記のシナリオにおいては、個々のスピーカに対する完全にレンダリングされアナログからデジタルに変換された再生信号は、たとえば2線式ラインを介して波面合成中央ユニットから個々のスピーカに転送されてもよい。これは実は、すべてのスピーカが同期して動くことをほぼ確実にするという利点を有し、よってこの場合には同期の目的のためのさらなる方策は必要ない。他方で、各場合において、波面合成中央ユニットは特定の再生室または特定数のスピーカを用いる再生に対してのみ生成できた。これは、各再生室に対して、かなりの量の計算能力を達成する必要のある専用波面合成中央ユニットを生成する必要があることを意味する。なぜなら、特に多数のスピーカまたは多数の仮想音源に関して、音声再生信号の算出は少なくとも部分的に並行かつリアルタイムでもたらされる必要があるためである。
デルタ立体音響に問題があるのは特に、異なる音源の間のフェードオーバーの際に、相およびレベルの誤りのために位置的アーティファクトが生じるためである。加えて、音源の移動速度が異なる場合に相の誤りおよび誤定位が起こる。さらに、1つのサポートスピーカから別のサポートスピーカへのフェードオーバーは、プログラミングに関して非常に大きな費用に結び付くものであり、また特にいくつかの音源が異なるサポートスピーカによってフェードインおよびフェードアウトされるとき、また特に異なる態様でトリガされ得る多数のサポートスピーカがあるときには、全音声シーンの全体像を保つことの問題もある。
加えて、波面合成とデルタ立体音響とは実際には反対の方法であるが、両方のシステムが異なる適用における利点を有しうる。
たとえば、デルタ立体音響はスピーカ信号の算出に関して、波面合成よりもかなり安価である。他方、波面合成による作業ではアーティファクトが生じない。しかし、場所が必要であることおよびスピーカの間隔が短いアレイが必要であることから、波面合成アレイをどこでも用いることはできない。特にステージ技術の分野においては、ステージ上にスピーカバンドまたはスピーカアレイを位置決めすることは非常に問題となる。なぜならこうしたスピーカアレイを隠すことは困難であるため、可視となってステージの視覚的印象に悪影響を及ぼすからである。これは特に、演劇/ミュージカルパフォーマンスの場合に通常そうであるように、ステージの視覚的印象がその他すべての事柄、特に音響または音生成よりも優先されるときに問題となる。他方、波面合成ではサポートスピーカの固定グリッドは予め定義されていないが、仮想音源が継続的に移動する可能性がある。しかし、サポートスピーカは移動できない。だが、指向的なフェードオーバーによってサポートスピーカの動きを仮想的に生成してもよい。
デルタ立体音響の限界は特に、(ステージ設定に依存する)費用の理由から、また音響管理の理由からステージ上に収容され得るサポートスピーカの数が制限されることにある。加えて各サポートスピーカは、第1波面の原理に従って働くとき、必要な音量を生じるさらなるスピーカを必要とする。これこそがデルタ立体音響の利点であり、主に、定位生成には収容が容易な比較的小さなスピーカでも十分であり、近接して置かれた多数のさらなるスピーカが、講堂のかなり後方に座った聴衆の構成員に必要な音量を生成する働きをする。
したがって、ステージ上のすべてのスピーカが異なる方向区域に関連付けられてもよく、各方向区域は遅延なくトリガされるかまたはごくわずかな遅延でトリガされる定位スピーカ(または同時にトリガされる定位スピーカの小群)を有し、方向群の他のスピーカは同じ信号によってトリガされるが、時間遅延を伴うことによって必要な音量を生成し、定位スピーカは特定的に設計された定位を供給する。
十分な音量が必要であるため、方向群のスピーカの数は所望のあらゆる値に減少できないかもしれない。他方で、少なくとも音響の継続的供給を目指して非常に多数の方向区域を有してもよい。各方向区域は定位スピーカに加えて十分な音量を生成するために十分な数のスピーカを必要とするという事実のために、ステージ範囲が相互に隣接する重複のない方向区域に分割されていて、各方向区域が関連の定位スピーカまたは間隔の小さい隣接定位スピーカの小群を有するときには、方向区域の数は制限される。
この発明の目的は、一方で良好な空間的定位を、他方で十分な音量の供給を保証する、複数のスピーカを制御するためのより柔軟な概念を提供することである。
この目的は、請求項1において請求されるような複数のスピーカを制御するための装置、請求項15において請求されるような複数のスピーカを制御するための方法、または請求項16において請求されるようなコンピュータプログラムによって達成される。
この発明は、定位が容易であるステージ上の動きの点の「グリッド」を特定する互いに隣接する方向区域を残す必要があるという発見に基づいている。トリガにおける明確な状態を得るために、方向区域は重複しないことが必要とされるため、方向区域の数は制限された。なぜなら、各方向区域は定位スピーカの他に、定位スピーカによって生成される第1波面に加えて十分な音量をも生成するために十分多数のスピーカを必要としたからである。
この発明に従うと、ステージ範囲は互いに重複する方向区域に分割されるため、スピーカが1つの単一方向区域のみに属するのではなく、複数の方向区域、たとえば少なくとも第1の方向区域および第2の方向区域、また場合によっては第3またはさらに第4の方向区域に属する場合が生じる。
スピーカは、もし方向区域に属していれば、その方向区域によって定められる特定のスピーカパラメータに関連付けられることによって、自身が方向区域に所属することを知る。こうしたスピーカパラメータは、方向区域の定位スピーカにとっては小さいが方向区域の他のスピーカにとってはより大きくなるような遅延であってもよい。さらなるパラメータは、フィルタパラメータ(イコライザパラメータ)によって定められ得るスケーリングまたはフィルタ曲線であってもよい。
この状況において、ステージ上の各スピーカは典型的に、どの方向区域に属するかに関係なく自身のスピーカパラメータを有する。スピーカパラメータの値はそのスピーカが属する方向区域に依存し、典型的には、特定の部屋に対して音響チェックの際にサウンドエンジニアによって部分的に発見的かつ部分的に経験的な態様で指定され、一旦スピーカが動作すれば用いられる。
しかし、この発明に従うとスピーカはいくつかの方向区域に属することができるため、スピーカは2つの異なるスピーカパラメータ値を有する。たとえば、スピーカが方向区域Aに属するときには第1の遅延DAを有する。しかし、このスピーカが方向区域Bに属するときには異なる遅延値DBを有する。
この発明に従うと、方向群Aから方向群Bへの切換えが行なわれるとき、または方向群Aの方向区域位置Aと方向群Bの方向区域位置Bとの間に置かれた音源の位置を再生するとき、このスピーカパラメータが用いられて、このスピーカおよび検討中の音源に対する音声信号が用いられる。この発明に従うと、スピーカが2つの異なる遅延設定、スケーリング設定またはフィルタ設定を有するという実際に解決できない矛盾は、スピーカが発する音声信号を算出するために、含まれるすべての方向群に対するスピーカパラメータ値を用いることによって解決される。
好ましくは、音声信号の算出は距離の尺度、すなわち2つの方向群位置の間の空間的位置に依存し、距離の尺度は典型的には0と1との間の要素であり、0の要素はスピーカが方向群位置Aに置かれていることを定め、1の要素はスピーカが方向群位置Bにあることを定める。
この発明の好ましい実施例においては、本物のスピーカパラメータ値補間が行なわれるか、または第1のスピーカパラメータに基づく音声信号が、方向群位置Aと方向群位置Bとの間で音源が移動する速度の関数として、第2のスピーカパラメータに基づくスピーカ信号にフェードされる。特に遅延設定、すなわち(参照遅延に関する)スピーカの遅延を再生するスピーカパラメータについて、補間またはフェードオーバーが用いられているかどうかを特に注意して見る必要がある。つまり、もし音源が非常に速く移動する場合に補間が用いられると、可聴アーティファクトがもたらされることによって、音量が速く増加する音色または音量が速く減少する音色がもたらされる。したがって、音源の速い移動に対してはフェードオーバーが好ましく、これは実は櫛形フィルタ効果をもたらすが、それは速いフェードオーバーのために聴こえないかまたはほとんど聴こえない。他方で、遅い移動速度に対しては、遅いフェードオーバーによって起こり、付加的にはっきりと可聴となる櫛形フィルタ効果を避けるために、補間が好ましい。クラック音などの可聴になり得るさらなるアーティファクトを避けるために、補間からフェードオーバーへの「切換え(スイッチオーバー)」の際には、切換えを突然、すなわち1つのサンプルから次のサンプルへと行なわず、いくつかのサンプルを含むフェードオーバー範囲内でフェードオーバーを行ない、フェードオーバーは、線形であることが好ましいが、たとえば三角法などの非線形であってもよいフェードオーバー関数に基づいて行なわれる。
この発明のさらに好ましい実施例においては、ある方向区域から別の方向区域への音源の経路をグラフィカルに示すグラフィカルユーザインターフェイスが利用可能にされる。好ましくは、補償経路も考慮に入れることによって、音源の経路を速く変更できるようにするか、またはシーン変更の際に起こり得る音源の激しいジャンプを避ける。補償経路は、音源が方向位置に置かれるときだけでなく、音源が2つの方向位置の間に置かれても音源の経路を変更することを確実にする。これによって、音源は2つの方向位置の間のプログラムされた経路からそれてもよいことが確実になる。言換えると、特に音源の位置を3つの(隣接する)方向区域によって規定してもよく、特に3つの方向区域を識別すること、および2つのフェーディング要素を示すことによって規定してもよいことによって、これが達成される。
この発明のさらに好ましい実施例においては、波面合成スピーカアレイが可能な音波処理室に波面合成アレイが配置され、この波面合成アレイも、仮想位置(たとえばアレイの中央)を示すことによって、方向区域位置によって方向区域を示す。
よって、システムのユーザは音源が波面合成音源かデルタ立体音響音源かを決定しなくてもよい。
よってこの発明に従うと、部屋を方向群に柔軟に分割できるユーザフレンドリかつ柔軟なシステムが提供され、それは方向群の重複が可能だからであり、こうした重複領域内のスピーカは、そのスピーカパラメータに関して、方向区域に属するスピーカパラメータから導出されたスピーカパラメータによって供給され、この導出は好ましくは補間またはフェードオーバーによってもたらされる。代替的には、困難な決断をすることによって、たとえば音源が一方の特定の方向区域により近いときには一方のスピーカパラメータを取り、次いで音源が他方の方向区域により近く置かれたときには他方のスピーカパラメータを取ってもよく、この場合に起こり得る激しいジャンプは、アーティファクト縮小の目的のために単純に平滑化できる。しかし、距離制御されたフェードオーバーまたは距離制御された補間が好ましい。
この発明の好ましい実施例を、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。
図1は、3つの方向区域RGA、RGBおよびRGCに分割されたステージ範囲を概略的に表わす図であり、それぞれの方向区域はステージの幾何学的範囲10a、10bおよび10cを含み、範囲の境界は重要ではない。重要なのは、図1に示されるさまざまな範囲にスピーカが置かれているかどうかだけである。図1に示される例においては、範囲Iに置かれたスピーカは方向群Aのみに属し、方向群Aの位置は11aに示される。定義によって、方向群RGAは位置11aに割当てられ、ここには第1波面の法則に従って、方向群Aに関連する他のすべてのスピーカの遅延よりも小さい遅延を有する方向群Aのスピーカが置かれることが好ましい。範囲IIには方向群RGBのみに関連するスピーカがあり、定義によって方向群RGBは方向群位置11bを有し、ここには方向群RGBの他のすべてのスピーカよりも小さい遅延を有する方向群RGBのサポートスピーカが置かれる。次に、範囲IIIには方向群Cのみに関連するスピーカがあり、定義によって方向群Cは位置11cを有し、ここには方向群RGCの他のすべてのスピーカよりも短い遅延によって送信する方向群RGCのサポートスピーカが配置される。
加えて、図1に示されるステージ範囲の方向区域への細分においては、方向群RGAおよび方向群RGBの両方に関連するスピーカが配置された範囲IVが存在する。また、方向群RGAおよび方向群RGCの両方に関連するスピーカが配置された範囲Vがある。
さらに、方向群RGCおよび方向群RGBの両方に関連するスピーカが配置された範囲VIが存在する。最後に、3つの方向群すべてが重複する範囲があり、この重複範囲VIIは、方向群RGAおよび方向群RGBおよび方向群RGCのすべてに関連するスピーカを含む。
典型的には、ステージ設定における各スピーカは、サウンドエンジニアまたは音響の責任者である監督によって関連付けられたスピーカパラメータまたは複数のスピーカパラメータを有する。図2aの列12に示されるとおり、これらのスピーカパラメータは遅延パラメータと、スケールパラメータと、EQフィルタパラメータとを含む。遅延パラメータDは、このスピーカによって出力される音声信号の遅延の量を、(異なるスピーカに適用されるが必ずしも実質上存在する必要はない)基準値に関して示す。スケールパラメータは、このスピーカによって出力される音声信号の増幅または減衰の量を、基準値と比較して示す。
EQフィルタパラメータは、スピーカによって出力される音声信号の周波数応答がどのようになるかを示す。特定のスピーカに対して、低周波よりも高周波を増幅することが希望されてもよく、これはたとえばスピーカが強いローパス(低域通過)特性を含むステージ部分に近接して置かれた場合に意味をなす。他方で、ローパス特性を有さないステージ範囲に置かれたスピーカに対して、こうしたローパス特性を導入することが希望されてもよく、この場合にはEQフィルタパラメータは低周波に比べて高周波が減衰される周波数応答を示す。一般的に、EQフィルタパラメータを介してあらゆる周波数応答が各スピーカに対して調整されてもよい。
範囲I、範囲IIおよび範囲IIIに置かれたすべてのスピーカに対して、ただ1つの単一遅延パラメータDkと、スケールパラメータSkと、EQフィルタパラメータEqkとが存在する。方向群が活動化されるときはいつも、範囲I、範囲IIおよび範囲III内のスピーカに対する音声信号が、それぞれのスピーカパラメータを考慮しながら簡単に算出される。
しかし、スピーカが範囲IV、範囲Vおよび範囲VIに置かれているときには、各スピーカは各スピーカパラメータに対する2つの関連スピーカパラメータ値を有する。たとえば方向群RGA中のスピーカのみが活動するとき、つまり音源がたとえばちょうど方向群位置A(11a)に位置決めされるとき、この音源に対する方向群Aのスピーカのみが音を出す。この場合には、方向群RGAに関連するパラメータ値の列が用いられてスピーカに対する音声信号が算出される。
しかし、音源がちょうど方向群RGB内の位置11bに置かれるときには、スピーカに対する音声信号が算出されるときに方向群RGBに関連する複数のパラメータ値のみが用いられる。
しかし、音源が音源ABの間に置かれるとき、すなわち図1の11aおよび11bの間の接続線上のいずれかの点に置かれるとき(この接続線を12によって示す)、範囲IVおよび範囲III内に存在するすべてのスピーカが矛盾するパラメータ値を含む。
この発明に従うと、以下に示すとおり、両方のパラメータ値を考慮し、好ましくは距離の尺度を考慮しながら音声信号が算出される。好ましくは、遅延およびスケールパラメータ値の間で補間またはフェードオーバーが行なわれる。加えて、フィルタ特性を混合することによって、同一のスピーカに関連する異なるフィルタパラメータを考慮することが好ましい。
しかし、音源が接続線12上ではなく、たとえば接続線12の下の位置に置かれているときには、方向群RGCのスピーカも活動する必要がある。範囲VII内に置かれたスピーカに対しては、同じスピーカパラメータに対する3つの典型的に異なるパラメータ値が考慮され、範囲Vおよび範囲VIに対しては、同一スピーカに対する方向群Aおよび方向群Cに対するスピーカパラメータが考慮される。
このシナリオを図2bに再び要約する。図1の範囲I、範囲IIおよび範囲IIIに対しては、スピーカパラメータの補間または混合を行なう必要はない。スピーカに関連するパラメータ値を単純に取ればよく、これは明白に関連付けられるスピーカが単一組のスピーカパラメータを有するからである。しかし、範囲IV、範囲Vおよび範囲VIに対しては、2つの異なるパラメータ値の補間/混合を行なうことによって、同一のスピーカに対する新たなスピーカパラメータ値を得る必要がある。
範囲VIIに対しては、新たなスピーカパラメータの算出において、典型的に表の形で保存される2つの異なるスピーカパラメータ値の考慮が行なわれるだけでなく、3つの値の補間、すなわち3つの値の混合が必要である。
なお、より高度な重複が認められてもよく、すなわちスピーカはあらゆる数の方向群に属してもよい。
この場合に変わるのは、混合/補間に対する要求と、以下に示される重み付け要素の算出に対する要求とだけである。
ここで図9aを参照する。図9aは、音源が方向区域A(11a)から方向区域C(11c)に移動している場合を示す。方向区域A内のスピーカに対するスピーカ信号LsAは、AとBとの間の音源の位置、すなわち図9aのFadeACの関数S1が1から0に線形的に減少するにつれて低減し、同時に音源Cのスピーカ信号はだんだん減衰される。これはSが0から1に線形的に増加することによって認識されてもよい。フェードオーバー要素S、Sは、2つの要素の合計がいつでも1になるように選択される。たとえば非線形フェードオーバーなどの代替的なフェードオーバーが用いられてもよい。これらすべてのフェードオーバーについて、各FadeAC値に対して、関係するスピーカに対するフェードオーバー要素の合計が1に等しいことが好ましい。こうした非線形関数は、たとえば要素S1に対するCOS関数であり、重み付け要素S2に対してはSIN関数が用いられる。さらなる関数は当該技術分野において公知である。
なお、図3aは、範囲I、範囲IIおよび範囲III内のすべてのスピーカに対する完全なフェーシング明細を提供している。また、図3aの右上における音声信号ASの算出では、それぞれの範囲から来る、スピーカに関連する図2aの表のパラメータはすでに考慮されている。
図9aにおいて定められるような、音源が2つの方向区域の間の接続線上に置かれ、出発方向区域と目的方向区域との間の正確な場所がフェーディング要素ACによって示されるという正規の場合に加えて、図3bは、たとえば音源の経路が移動とともに変わるときに起こる補償の場合を示す。このとき音源は、2つの方向区域の間に置かれたあらゆる現在位置、すなわち図3bのFadeABによって表わされる位置から、新たな位置にフェードオーバーされる。その結果、図3bの15bによって示される補償経路がもたらされ、方向区域AおよびBの間の元々プログラムされていた(正規の)経路は音源経路15aとして示される。よって図3bに示されるのは、音源のAからBへの移動の際に変化が起こった場合であり、したがって元のプログラミングは、音源がもはや方向区域Bに行くのではなく方向区域Cに行くという内容に変えられる。
図3bの下に示される等式は、方向区域A、B、C内のスピーカに対するフェーディング特性を与える3つの重み付け要素g、g、gを示す。ここでも、個々の方向区域に対する音声信号ASには、方向区域に対する特定のスピーカパラメータがすでに考慮されている。範囲I、II、IIIに対して、元の音声信号ASからの音声信号AS、AS、ASは、それぞれのスピーカに対して保存されている図2aの列16aのスピーカパラメータを用いることによって簡単に算出されてもよく、それによって最終的には重み付け要素gによる最終フェーディング重み付けが行なわれる。しかし代替的には、これらの重み付けが異なる乗法に分割される必要はなく、典型的には同一の乗法内で起こり、スケール要素Skに重み付け要素gを掛けることによって得られる乗数に最後に音声信号を掛けることによって、スピーカ信号LSが得られる。重複範囲に対しては同じ重み付けg、g、gが用いられるが、以下に説明するとおり、その下にある音声信号AS、ASまたはASを算出するためには、同一のスピーカに対して指定されたスピーカパラメータ値の補間/混合を行なう必要がある。
なお、FadeAbCが0にされるとき、3方向重み付け要素g、g、gは図3aの2方向フェードオーバーになり、この場合はg、gが残るが、他の場合、すなわちFadeABが0にされるときには、gおよびgのみが残る。
図4を参照して、トリガのための装置について以下に説明する。図4は複数のスピーカをトリガするための装置を示し、スピーカは方向群にグループ分けされ、第1の方向群はそれに関連する第1の方向群位置を有し、第2の方向群はそれに関連する第2の方向群位置を有し、少なくとも1つのスピーカが第1および第2の方向群に関連し、スピーカはそれに関連するスピーカパラメータを有し、そのスピーカパラメータは第1の方向群に対して第1のパラメータ値を有し、第2の方向群に対して第2のパラメータ値を有する。この装置はまず、2つの方向群位置間の音源位置を与える手段40、すなわち例を挙げると、たとえば図3bのFadeABによって指定されるような、方向群位置11aおよび方向群位置11bの間の音源位置を与える手段を含む。
この発明の装置はさらに、方向群RGAに適用される第1のパラメータ値入力42aを介して与えられる第1のパラメータ値と、方向群RGBに適用される第2のパラメータ値入力42bに与えられる第2のパラメータ値とに基づいて、少なくとも1つのスピーカに対するスピーカ信号を算出する手段42を含む。加えて、算出する手段42は、音声信号入力43を介して音声信号を得ることによって、出力側で、範囲IV、V、VIまたはVII内に想定されるスピーカに対するスピーカ信号を与える。出力44における手段42の出力信号は、現在想定されるスピーカが単一音源のためだけに活動しているときには実際の音声信号となる。しかし、スピーカがいくつかの音源のために活動しているときは、各音源に対して、その1音源70a、70b、70cに基づいて、想定されるスピーカのスピーカ信号に対してプロセッサ71、72または73によって構成要素が算出され、最終的に図7に示されるN構成要素信号が加算器74中で合計される。ここでは制御プロセッサ75を介して時間的同期が起こり、制御プロセッサ75はDSSプロセッサ71、72、73と同様にDSP(デジタル信号プロセッサ)として構成されることも好ましい。
明らかに、この発明は特定用途向けハードウェア(DSP)を用いた実現に制限されない。1つまたはいくつかのPCまたはワークステーションとの一体的な実施も可能であり、特定の適用に対してより有利であり得る。
なお、図7はサンプルごとの計算を示している。加算器74はサンプルごとの加算を行ない、デルタ立体音響プロセッサ71、72、73もサンプルごとに出力し、音声信号もサンプルごとに音源に対して与えられることが好ましい。しかし、ブロックごとの処理を始めるとき、すなわち加算器74内でスペクトルが互いに足し合されるときは、すべての処理動作を周波数範囲で行なうことも可能である。もちろん、往復変換によって行なわれる各処理動作によって、特定の適用に対してどの実施がより適しているかに依存して、特定の処理動作が周波数範囲または時間範囲で行なわれてもよい。同様に、フィルタバンクドメインにおいて処理動作が行なわれてもよく、この場合にはそのための分析フィルタバンクおよび合成フィルタバンクが必要となる。
図4のスピーカ信号を算出する手段42の詳細な実施例について、図5を参照して以下に説明する。
音源に関連する音声信号は、最初に音声信号入力43を介してフィルタ混合ブロック44に与えられる。フィルタ混合ブロック44は、範囲VII内のスピーカが考慮されるときには3つのフィルタパラメータ設定EQ1、EQ2、EQ3のすべてを考慮するように構成される。フィルタ混合ブロック44の出力信号は、後に説明されるとおり、それぞれの構成要素においてフィルタリングされることによって、含まれる3つの方向区域すべてのフィルタパラメータ設定の影響を有する音声信号を表わす。フィルタ混合ブロック44の出力におけるこの音声信号は、次いで遅延処理段階45に与えられる。遅延処理段階45は遅延音声信号を生成するように構成され、その遅延は補間された遅延値に基づいているが、補間が不可能なときは、その波形が3つの遅延D1、D2、D3に依存する。遅延補間の場合には、3つの方向群に対するスピーカに関連する3つの遅延が遅延補間ブロック46に利用可能にされることによって、補間された遅延値Dintが算出され、Dintは次いで補間処理ブロック45に与えられる。
最後に、スケーリング46も行なわれ、スケーリング46は、スピーカがいくつかの方向群に属するという事実のために、同一スピーカに関連する3つのスケーリング要素に依存する総合スケーリング要素を用いて実行される。この総合スケーリング要素は、スケーリング補間ブロック48において算出される。好ましくは、入力49によって示されるように、図3bの状況において示される方向区域に対する全体のフェーディングを示す重み付け要素もスケーリング補間ブロック48に与えられることにより、スケーリングによって、図5に示される実施例において3つの異なる方向群に属し得るスピーカに対する音源に基づいて、ブロック47において最終スピーカ信号構成要素が出力される。
音源が定められた問題の3つの方向群を除く他の方向群のすべてのスピーカは、この音源に対する信号を出力しないが、明らかに他の音源に対して活動してもよい。
なお、図5のブロック45および47の隣の等式によってそれぞれ示されるとおり、遅延Dintの補間またはスケーリング要素Sの補間のために、フェーディングに用いられたのと同じ重み付け要素が用いられてもよい。
DSPに対して実施されるこの発明の好ましい実施例を、図6を参照して以下に示す。音声信号は音声信号入力43を介して与えられ、音声信号が整数形式で存在するときには、最初にブロック60で整数/浮動小数点変換が行なわれる。図6は、図5のフィルタ混合ブロック44の好ましい実施例を示す。特に、図6はフィルタEQ1、EQ2、EQ3を含み、フィルタEQ1、EQ2、EQ3の転送機能またはパルス応答は、フィルタ係数入力440を介してそれぞれのフィルタ係数によって制御される。フィルタEQ1、EQ2、EQ3は、それぞれのフィルタのパルス応答によって音声信号のたたみこみを行なうデジタルフィルタであってもよく、または変換手段があってもよく、周波数転送機能によってスペクトル係数の重み付けが行なわれてもよい。EQ1、EQ2、EQ3におけるイコライザ設定によってフィルタリングされる信号は、分配点441によって示されるとおりすべて同一の音声信号に由来し、この信号は次いでそれぞれのスケーリングブロックにおいて重み付け要素g、g、gによって重み付けされ、その重み付けの結果が加算器内で合計される。次いで、ブロック44の出力、すなわち加算器の出力において、図5の遅延処理45の部分であるサーキュラバッファへの供給が行なわれる。この発明の好ましい実施例において、イコライザパラメータEQ1、EQ2、EQ3は、図2aに示される表に与えられるとおり直接的に取られるのではなく、イコライザパラメータはブロック442で行なわれる補間を受けることが好ましい。
しかし、図6のブロック443によって示されるとおり、入力側でブロック442は実際にはスピーカに関連するイコライザ係数を得る。フィルタランピングブロックの補間タスクは、連続するイコライザ係数のローパスフィルタリングを行なうことによって、迅速に変化するイコライザフィルタパラメータEQ1、EQ2、EQ3によるアーティファクトを回避する。
よって、音源はいくつかの方向区域にわたってフェードオーバーされてもよく、これらの方向区域はイコライザに対する異なる設定を特徴とする。図6のブロック44に示されるとおり、フェードオーバーは異なるイコライザ設定間で行なわれ、すべてのイコライザは並行して通過され、出力はフェードオーバーされる。
なお、イコライザ設定をフェードオーバーまたは混合するためにブロック44において用いられるような重み付け要素g、g、gは、図3bに示される重み付け要素である。重み付け要素を算出するために、音源の位置を好ましくは3つの周囲方向区域に対する重み付け要素に変換する重み付け要素変換ブロック61が存在する。ブロック61の上流には位置補間器62が接続されており、位置補間器62は典型的に、現在位置を、出発位置(POS1)および目的位置(POS2)の入力の関数として、また図3bに示されるシナリオにおける要素fadeABおよびfadeABCというそれぞれのフェーディング要素の関数として算出し、また典型的には、時間内に現在点において行なわれる移動速度入力の関数として算出する。ブロック63において位置入力が行なわれる。しかし、いつでも新たな位置が入力されてもよく、それによって位置補間器を設置する必要をなくしてもよい。加えて、位置更新速度は所望のとおりに調節されてもよい。たとえば、各サンプルに対して新たな重み付け要素が算出されてもよい。しかし、これは好ましくない。むしろ、重み付け要素更新速度は、アーティファクトの有用な回避に関しても、サンプリング周波数の部分によってのみ起こる必要があることが見出されている。
図5のブロック47および48を用いて示されるスケーリング算出は、図6において部分的にのみ示される。図5のブロック48で行なわれた総合スケーリング要素の算出は、図6に示されるDSPでは行なわれず、上流の制御DSPで行なわれる。「スケール」64で示されるとおり、総合スケーリング要素はすでに入力されており、スケーリング/補間ブロック65で補間されることによって、ブロック66aにおいて最終スケーリングが行なわれ、次いでブロック67aに示されるように図7の加算器74に進む。
図6を参照して、図5の遅延処理45の好ましい実施例を以下に示す。
この発明の装置は、2つの遅延処理動作を可能にする。一方の遅延処理動作は遅延混合動作451であり、他方の遅延処理動作はIIRオールパス452によって行なわれる遅延補間である。
サーキュラバッファ450に保存されていたブロック44の出力信号は、以下に説明する遅延混合動作に与えられ、この遅延混合動作は3つの異なる遅延を含み、ブロック451中の遅延ブロックがトリガされるこの遅延は、図2aを参照してスピーカに対して論じられた表中に示される非平滑化遅延である。この事実は、方向群遅延が入力されることを示すブロック66bによっても明らかにされ、ブロック67bには方向群遅延は入力されず、1度に1つのスピーカに対する1つの遅延のみ、つまり図5のブロック46によって生成される補間遅延値Dintが入力される。
図6に示されるとおり、3つの異なる遅延を伴って存在するブロック451の音声信号は、次いで各場合において重み付け要素によって重み付けされるが、重み付け要素は、図3bに示されるような線形フェードオーバーによって生成された重み付け要素ではないことが好ましい。それよりも、ブロック453において重みの音量補正を行なうことによって、非線形3次元フェードオーバーを得ることが好ましい。それによって遅延混合の場合の音声品質が高くなり、アーティファクトがより少なくなることが見出されているが、遅延混合ブロック451においてスケーラをトリガするために重み付け要素g、g、gを用いることもできる。次いで遅延混合ブロック中のスケーラの出力信号を合計することによって、出力453において遅延混合音声信号が得られる。
代替的には、この発明の遅延処理(図5のブロック45)が、遅延補間を行なってもよい。このため、この発明の好ましい実施例においては、ブロック67bを介して与えられ、遅延ランピングブロック68において付加的に平滑化された、(補間)遅延を含む音声信号が、サーキュラバッファ450から読出される。加えて、図6に示される実施例においては、1つのサンプルによって遅延される同じ音声信号も読出される。これら2つの音声信号、または今想定された音声信号のサンプルは、次いで補間のためのIIRフィルタに与えられることによって、出力453bにおいて補間に基づいて生成された音声信号が得られる。
すでに説明したとおり、入力453aにおける音声信号は遅延混合のためにフィルタアーティファクトをほとんど含まない。これに対し、出力453bにおける音声信号は大抵フィルタアーティファクトを含む。しかし、この音声信号は周波数のレベルにシフトを有し得る。遅延が長い遅延値から短い遅延値に補間されるとき、周波数シフトはより高い周波数へのシフトとなり、遅延が短い遅延から長い遅延に補間されるときには、周波数シフトはより低い周波数へのシフトとなる。
この発明に従うと、フェードオーバーブロック457中の出力453aと出力453bとの間で切換えが行なわれ、この切換えはブロック65から来る制御信号によって制御され、その算出については後に論じる。
加えて、ブロック65においては、ブロック457が混合もしくは補間の結果を通過させるかどうか、または結果を混合する割合が制御される。そのために、ブロック68からの平滑化またはフィルタリングされた値を非平滑化値と比較することによって、どちらが大きいかに依存して、457における(重み付けした)切換えが行なわれる。
図6のブロック図は、方向区域に置かれたフェードオーバーされる必要のない静止音源に対する分岐をさらに含む。この音源に対する遅延は、この方向群に対するスピーカに関連する遅延である。
したがって、移動が遅すぎるかまたは速すぎる場合には、遅延算出アルゴリズムが切換わる。同じ物質スピーカが、異なるレベルおよび遅延設定を有する2つの方向区域に存在する。2つの方向区域間を音源がゆっくり移動する場合には、レベルはフェードされ、遅延はオールパスフィルタによって補間され、すなわち出力453bの信号が取られる。しかし、この遅延の補間によって信号のピッチが変わるが、遅い変化の場合にはこれは重要ではない。これに対し、補間の速度が毎秒10msなどの特定の値を超えると、このピッチの変化が感知され得る。したがって速度が速すぎる場合には、遅延はもはや補間されず、ブロック451に示されるとおり、2つの一定の異なる遅延を含む信号はフェードされる。その結果、櫛形フィルタアーティファクトがもたらされる。しかし、フェード速度が高いためにこれは可聴にならない。
説明してきたとおり、2つの出力453aおよび453bの間の切換えは、音源の移動の関数として、より特定的には補間される遅延値の関数として行なわれる。大量の遅延を補間する必要があるとき、出力453aはブロック457を通じて切換えられる。他方で、特定期間内に少量の遅延を補間する必要があるときには、出力453bが取られる。
しかし、この発明の好ましい実施例において、ブロック457を通じた切換えが激しい態様で行なわれることはない。ブロック475は、閾値の周りにフェードオーバー範囲が配置されるように構成される。したがって、補間の速度が閾値にあるとき、ブロック457は出力453a上の現在のサンプルと出力453b上の現在のサンプルとを加算し、その結果を2で割るという態様で出力側サンプルを算出するように構成される。したがって、閾値の周りのフェードオーバー範囲では、ブロック457は出力453bから出力453aへの、またはその逆への穏やかな移行を行なう。このフェードオーバー範囲はあらゆる大きさを有するように構成されてもよく、それによってブロック457はフェードオーバーモードでほぼ継続的に働く。より激しい傾向のある切換えに対しては、フェードオーバー範囲がより小さくなるように選択されてもよく、それによってブロック457はほとんどの時間、出力453aのみ、または出力453bのみをスケーラ66aにつなぐ。
この発明の好ましい実施例において、フェードオーバーブロック457はさらに、ローパスおよび遅延変化閾値のヒステリシスを介してジッタ抑制を行なうように構成される。構成のためのシステムとDSPシステムとの間の制御データ流の実行時間が保証されていないため、制御ファイルにジッタがあるおそれがあり、それが音声信号処理におけるアーティファクトにつながり得る。したがって、DSPシステムの入力において制御データストリームをローパスフィルタリングすることによって、このジッタを補償することが好ましい。この方法は制御時間の反応時間を低減する。他方で、非常に大きなジッタ変動が補償され得る。しかし、遅延補間から遅延フェードオーバーへ、および遅延フェードオーバーから遅延補間への切換えに対して異なる閾値が用いられるとき、ローパスフィルタリングの代替策として、制御データ反応時間を低減することなく、制御データ中のジッタが回避されてもよい。
この発明のさらに好ましい実施例において、フェードオーバーブロック457はさらに、遅延補間から遅延フェーディングにフェードするときに制御データ操作を行なうように構成される。
遅延変化が急速に上昇して、遅延補間および遅延フェードオーバーの間の切換え閾値よりも大きい値になるとき、従来のフェーディングにおいては遅延補間からのピッチ変動の一部はなおも可聴となる。この影響を避けるため、フェードオーバーブロック457は、こうした時に、遅延フェーディングへの完全なフェードオーバーが完了するまで、遅延制御データを一定に保つように構成される。その後初めて遅延制御データが実際の値に合せられる。この制御データ操作を用いて、いかなる可聴音色変化もなく短い制御データ反応時間によってさらに速い遅延変化を実現できる。
この発明の好ましい実施例において、トリガするシステムはさらに、方向区域/音声出力当りのデジタル(仮想)計量を行なうよう構成された計量手段80を含む。これを図11aおよび図11bを参照して説明する。たとえば、図11aは音声マトリックス1110を示し、図11bは同じ音声マトリックス1110を静止音源を考慮して示し、図11aにおいては音声マトリックスは動音源を考慮して示されている。
一般的に、図6に部分的に示されるDSPシステムによって、遅延およびレベルが各マトリックス点において音声マトリックスから算出され、レベルスケーリング値は図11aおよび図11bのAmPによって表わされ、遅延は動音源に対しては「遅延補間」で、静止音源に対しては「遅延」でそれぞれ示される。
これらの設定をユーザに提供するために、これらの設定は方向区域に分割される態様で保存され、方向区域はそれらに割当てられた入力信号を有する。この状況において、いくつかの入力信号が1つの方向区域に割当てられてもよい。
ユーザ側の信号のモニタリングを容易にするための、方向区域に対する計量がブロック80によって示されるが、この計量は、マトリックスのノード点のレベルおよびそれぞれの重み付けから「仮想的に」定められる。
その結果は計量ブロック80によって表示インターフェイスに供給され、これはブロック「ATM」82(ATM=非同期転送モード)によって象徴的に示される。
なお、典型的には、方向区域内でいくつかの音源が同時に音を出しており、たとえば2つの別個の音源が2つの異なる方向から同一の方向区域に「入る」場合について考える。講堂内では、方向区域当りの1つの単一音源の寄与を測定することは不可能である。しかし、これは計量80によって得られ、この測定が仮想測定と呼ばれるのはこのためであり、なぜならある意味で、講堂内ではすべての音源に対するすべての方向区域のすべての寄与が常に重なり合うからである。
さらに、計量80は、1つの単一音源に対して活動するすべての方向区域にわたるいくつかの音源のうち、その単一音源の全レベルを算出する働きをしてもよい。この結果は、すべての出力に対するマトリックス点が1つの入力音源に対して合計されたときに起こる。これに対し、音源に対する方向群の寄与は、他の出力を考慮せずに、想定される方向群に属する出力の総数の出力を合計することによって得られてもよい。
一般的に、この発明の概念は、用いられる再生システムに依存しない、音源の表現に対する全般的な動作概念を提供する。ここでは階層をよりどころとする。一番下の階層構成要素は個々のスピーカである。中間の階層ステージは方向区域であり、スピーカが2つの異なる方向区域に存在することも可能である。
一番上の階層構成要素は方向区域プリセットであり、特定の音声対象/適用に対して、一緒に取られる特定の方向区域が、ユーザインターフェイスにおいて「アンブレラ方向区域」と考えられてもよい。
音源を位置決めするためのこの発明のシステムは、パフォーマンスを行なうためのシステムと、パフォーマンスを構成するためのシステムと、デルタ立体音響を算出するためのDSPシステムと、波面合成を算出するためのDSPシステムと、緊急介入に対するブレークダウンシステムとを含む主要構成要素に分割される。この発明の好ましい実施例においては、グラフィカルユーザインターフェイスを用いて、主役のステージまたはカメラ画像への視覚的割当てを達成する。システムオペレータには3D空間の2次元マッピングが与えられ、その2次元マッピングは図1に示されるように構成されてもよいが、ごく少数の方向群に対しては図9aから図10bに例示されるような態様で実施されてもよい。好適なユーザインターフェイスによって、ユーザは選択された符号を介して、方向区域およびスピーカを3次元空間から2次元マッピングに割当てる。これは構成設定によってもたらされる。システムに対して、スクリーン上の方向区域の2次元位置の、それぞれの方向区域に割当てられたスピーカの真の3次元位置へのマッピングがもたらされる。3次元空間に関する彼/彼女の状況の助けによって、オペレータは方向区域の真の3次元位置を再構築し、3次元空間における音の配置を実現できる。
さらなるユーザインターフェイス(ミキサ)、ならびに音/主役およびそこで行なわれる方向区域を伴うそれらの動きの関連を介して、もしミキサが図6に従うDSPを含み得れば、真の3次元空間における音源の間接的位置決めが行なわれる。このユーザインターフェイスによって、ユーザは遠近感を変える必要なくすべての空間的次元において音を位置決めでき、すなわち音の高さおよび深さを位置決めできる。以下に、図8に従った音源の位置決め、およびプログラムされたステージ活動からのずれの柔軟な補償に対する概念を例示する。
図8は、好ましくはグラフィカルユーザインターフェイスを用いて複数のスピーカを制御するための装置を示し、スピーカは少なくとも3つの方向群にグループ分けされ、各方向群はそれに関連する方向群位置を有する。この装置はまず、第1の方向群位置から第2の方向群位置への音源経路と、その音源経路に対する移動情報とを受取る手段800を含む。図8の装置はさらに、移動情報に基づいて時間内に異なる点に対する音源経路パラメータを算出する手段802を含み、この音源経路パラメータは音源経路上の音源の位置を示す。
この発明の装置はさらに、経路修正命令を受取ることによって第3の方向区域への補償経路を定める手段804を含む。さらに、補償経路が音源経路から分岐する位置に、音源経路パラメータの値を保存する手段806が与えられる。好ましくは、図8の808に示されるように、補償経路上の音源の位置を示す補償経路パラメータ(FadeAC)を算出する手段も存在する。手段806によって算出された音源経路パラメータおよび手段808によって算出された補償経路パラメータはいずれも、3つの方向区域のスピーカに対する重み付け要素を算出する手段810に与えられる。
一般的にいうと、重み付け要素を算出する手段810は、音源経路と、音源経路パラメータの保存された値と、補償経路の情報とに基づく態様で動作するように構成され、補償経路の情報は、新たな目的地、すなわち方向区域Cのみを含むか、または補償経路の情報は、補償経路上の音源の位置、すなわち補償経路パラメータを付加的に含む。なお、まだ補償経路に入っていないとき、または音源がまだ音源経路上にあるときには、この補償経路上の位置の情報は必要ない。よって、音源が補償経路に入るのではなく、補償経路を音源経路上の出発点に逆戻りするための機会として用いることによって、ある意味で補償経路なしに出発点から新たな目的地に直接移動するときには、補償経路上の音源の位置を示す補償経路パラメータは絶対必要なものではない。音源が音源経路上の短い距離しか進んでおらず、今後新たな補償経路を取る利点が少ないことが見出されるとき、この可能性は有用である。補償経路が、何らかの他の理由から音源が定位される範囲ではない講堂内の範囲を含むとき、補償経路に入らずに音源経路に戻って後退するための機会として補償経路が用いられるという代替的な実施が存在してもよい。
この発明の補償経路の提供は、2つの方向区域間の完全な経路にのみ入れるシステムに関して特に有利である。なぜなら、特に方向区域が遠く離れて置かれるとき、音源が新たな(修正された)位置にくる時間が実質的に低減されるからである。さらに、音源の不自然な経路、またはユーザを混乱させて違和感を覚えさせる経路が除去される。たとえば、音源を元々は音源経路の左から右へ移動させることを想定していたが、今は元の位置からそれほど遠くない左側の異なる位置に移動させようとする場合を考えると、補償経路によって音源がステージ全体をほぼ2回横切ることを許さずに、この発明はこのプロセスを短くする。
補償経路は、位置を2つの方向区域および1つの要素によって定めずに、位置を3つの方向区域および2つの要素によって定めることによって、2つの方向群位置間の直接的接続線から離れた他の点も音源によって「トリガ」され得るようにするという事実によって容易にされる。
したがって、図3bに直接見られるとおり、この発明の概念は、再生空間中のあらゆる点が音源によってトリガされることを可能にする。
図9aは、音源が出発方向区域11aと目的方向区域11cとの間の接続線上に置かれた通常の場合を示す。出発方向区域および目的方向区域の間の音源の正確な位置は、フェーディング要素ACによって示される。
しかし、図3bの状況においてすでに示し考察したとおり、通常の場合に加えて補償の場合が存在し、これは音源の経路が移動の際に変更されるときに起こる。移動中の音源の経路の修正は、音源が目的地に向かっているときに変更される音源の目的地によって表わされてもよい。この場合、音源は図3bの音源経路15a上の現在の音源位置から新たな位置へ、すなわち目的地11cへとフェードされる必要がある。その結果、補償経路15bがもたらされ、音源は新たな目的地11cに到着するまでその上を移動する。補償経路15bは、音源の元の位置から音源の新たな理想位置まで直接的に延在する。したがって補償の場合、音源位置は3つの方向区域と2つのフェーディング値とにわたって構成される。方向区域A、方向区域Bおよびフェーディング要素FadeABが補償経路の始まりを形成する。方向区域Cが補償経路の終わりを形成する。フェーディング要素FadeAbCが補償経路の始まりと終わりとの間の音源の位置を定める。
音源の補償経路への移行の際に、その位置において次の修正が起こる。すなわち、方向区域Aは維持される。方向区域Cは方向区域Bになり、フェーディング要素FadeACはFadeABになり、新たな目的方向区域が目的方向区域Cに書込まれる。言換えると、フェーディング要素FadeACは手段806によって保存され、その後方向修正が行なわれるとき、すなわち音源が音源経路を離れて補償経路に入るときに、FadeABの算出に用いられる。新たな目的方向区域は方向区域Cに書込まれる。
この発明に従うと、激しい音源ジャンプを防ぐことがさらに好ましい。一般的に、音源の移動は、音源がジャンプできるように、すなわち1つの位置から別の位置へと迅速に移動できるようにプログラムされてもよい。これはたとえば、シーンが飛ばされるとき、チャンネル保持(channelHOLD)モードが非活動化されるとき、または音源がシーン1においてシーン2とは別の方向区域で終わる場合である。すべての音源ジャンプが激しく切換えられると、可聴アーティファクトがもたらされる。したがって、この発明に従って、激しい音源ジャンプを防ぐための概念が用いられる。このために、再び補償経路が用いられ、この補償経路は特定の補償戦略に基づいて選択される。一般的に、音源は経路の異なる位置に置かれてもよい。音源が2つまたは3つの方向区域の間で、始まりに置かれたか終わりに置かれたかに依存して、音源が所望の位置に最も速く移動する方法は異なる。
図9bは、補償経路の点(900)に置かれた音源が目的位置(902)に移動されるときに従い得る補償戦略を示す。位置900は、あるシーンが終わるときに音源が有し得る位置である。新たなシーンの開始時に、音源はその初期位置すなわち位置906に移動される。この発明に従うと、そこに到着するために、すぐに900から906への切換えを行なう必要はない。代わりに、音源はまずパーソナル目的方向区域すなわち方向区域904に向けて移動し、次いでそこから新たなシーンの初期方向区域すなわち906に移動する。結果的に、音源はシーンの開始時にあるべき点に存在する。しかし、シーンはすでに始まっており、音源は実際にはすでに移動を開始するため、補償される音源は方向区域906と方向区域908との間のプログラムされた経路を、目的位置902に追いつくまで速度を増して移動する必要がある。
一般的に、図9cに与えられる方向区域、補償経路、音源の新たな理想位置、および音源の現在の真の位置に対する表記にすべて従う、異なる補償戦略の実例を、以下の図9dから図9iに示す。
図9dには簡単な補償戦略をみることができる。それを“InPathDual”で示す。音源の目的位置は、音源の出発位置と同じ方向区域A、B、Cで示される。したがってこの発明のジャンプ補償手段は、出発位置の定義に対する方向区域が目的位置の定義に対する方向区域と同一であることを確かめるように構成される。この場合、単純に同じ音源経路に従う、図9dに示される戦略が選択される。次いで、補償によって到達すべき位置(理想位置)が音源の現在位置(真の位置)と同じ方向区域の間にあるとき、InPath戦略が用いられる。InPath戦略には、図9dに示されるようなInPathDualと、図9eに示されるようなInPathTripleとの2種類がある。図9eは、音源の真の位置と理想位置とが2つの方向区域の間ではなく3つの方向区域の間に置かれる場合をさらに示す。この場合、図9eに示される補償戦略が用いられる。特に、図9eは、音源がすでに補償経路上にあって、この補償経路を戻ることによって音源経路の特定の点に達する場合を示す。
ここに示されるとおり、音源の位置は最大で3つの方向区域にわたって定められる。理想位置と真の位置とがちょうど1つの共通方向区域を有するとき、図9fに示される隣接(Adjacent)戦略が用いられる。それは3種類あり、“A”、“B”および“C”の文字は共通方向区域を示す。この補償手段は特に、真の位置と新たな理想位置とが、1つの単一方向区域を共有する方向区域の組によって定められることを定めており、図9fにみられるとおり、その単一方向区域はAdjacentAの場合には方向区域Aであり、AdjacentBの場合には方向区域Bであり、AdjacentCの場合には方向区域Cである。
図9gに示される外側(Outside)戦略は、真の位置と理想位置とが共有方向区域を共有しないときに用いられる。それは2種類あり、すなわちOutsideM戦略およびOutsideC戦略がある。OutsideCは、真の位置が方向区域Cの位置に非常に近いときに用いられる。OutsideMは、音源の真の位置が2つの方向位置の間に置かれているとき、または音源の位置が3つの方向区域の間に置かれているが屈曲部(knee)に非常に近いときに用いられる。
なお、この発明の好ましい実施においては、いかなる方向区域がいかなる方向区域に接続されてもよく、よって音源は1つの方向区域から別の方向区域に行くために第3の方向区域を横切る必要がなく、あらゆる方向区域からあらゆる他の方向区域へのプログラム可能な音源経路が存在する。
この発明の好ましい実施例において、音源は手動で、すなわちいわゆるカダー(Cader)によって移動される。異なる補償経路を提供するこの発明のCader戦略が存在する。Cader戦略は通常、理想位置の方向区域Aおよび方向区域Cを音源の現在位置に接続する補償経路をもたらすことが望ましい。こうした補償経路を図9hにみることができる。新たに到達された真の位置は理想位置の方向区域Cであり、図9hにおいては、真の位置の方向区域Cが方向区域920から方向区域921に修正されるときに補償経路が生じる。
全体的には、図9iに示される3つのCader戦略が存在する。図9iの左側の戦略は、真の位置の目的方向区域Cが変更されたときに用いられる。経路のコースに関する限り、CaderはOutsideM戦略に対応する。真の位置の出発方向区域Aが変更されるときには、CaderInverseが用いられる。生じる補償経路は通常の場合(Cader)の補償経路と類似の態様の挙動を示すが、算出がDSP内で異なることも可能である。音源の真の位置が3つの方向位置の間に置かれており、新たなシーンが進行するときに、CaderTriplestartが用いられる。この場合、音源の真の位置から新たなシーンの出発方向区域への補償経路を構築する必要がある。
音源のアニメーションを行なうためにCaderが用いられてもよい。重み付け要素の算出に関しては、音源が手動で移動されるか自動で移動されるかに依存する違いはない。しかし根本的な違いは、音源の動きがタイマーによって制御されるのではなく、経路修正命令を受取る手段(804)が受取るCader事象によってトリガされるという事実である。したがって、Cader事象は経路修正命令である。この発明の音源アニメーションがCaderによって供給される特別な場合とは、音源の後方向の移動である。音源の位置が通常の場合に対応するとき、音源はCaderによって、または自動的に、意図される経路上を移動する。しかし補償の場合には、音源の後方向の移動は特別な場合となる。この特別な場合を説明するために、音源の経路を音源経路15aと補償経路15bとに分け、デフォルトセクタは音源経路15aの部分を表わし、図10aの補償セクタは補償経路を表わす。デフォルトセクタは、音源の経路の元のプログラムされた部分に対応する。補償セクタは、プログラムされた動きからずれた経路部分を示す。
音源がCaderによって後方向に動かされるとき、音源が補償セクタ上にあるかデフォルトセクタ上にあるかによってその影響は異なる。音源が補償セクタ上にあると仮定すると、Caderの左方向への移動が音源の後方向の移動をもたらす。音源がまだ補償セクタ上にある限り、すべては予想通りに起こる。しかし、音源が補償セクタを離れてデフォルトセクタに入るとすぐに、音源はデフォルトセクタ上を完全に正常に移動するが、補償セクタは再算出されることによって、Caderが再び右に動くときに、音源はまず再びデフォルトセクタに沿って走るのではなく、再算出された補償セクタを介して直接現在の目的方向区域に近づく。この状態を図10bに例示する。後方向の移動によってデフォルトセクタが短くなるとき、音源を後方向に動かし、次いで再び前方向に動かすことによって、修正補償セクタが算出される。
以下に、音源の位置の算出を例示する。A、BおよびCは、それによって音源の位置が定められる方向区域である。A、BおよびFadeABは、補償セクタの開始位置を示す。CおよびFadeAbCは、補償セクタ上の音源の位置を示す。FadeACは、経路全体における音源の位置を示す。
探求されるのは、FadeABおよびFadeAbCに対する2つの値の厄介な入力が不要となる音源位置決めである。代わりに、音源はFadeACを介して直接的に設定される。FadeACが0に等しく設定されるとき、音源は経路の始めにある。FadeACが1に等しく設定されるとき、音源は経路の終わりに位置決めされる。さらに、ユーザが入力の際に補償セクタまたはデフォルトセクタによって「悩まされる」ことが回避される。他方で、FadeACに対する値の設定は、音源が補償セクタ上に置かれるかデフォルトセクタ上に置かれるかに依存する。通常、図10cの頂部に示される等式がFadeACに適用される。
FadeAC値を明白に示すことによって現在の経路部分上の音源の位置を定めることを思い付くかもしれない。図10cは、FadeACが設定されるときにFadeABおよびFadeAbCがどのように振舞うかの例をいくつか示す。
以下に、FadeACが0.5に設定されるときに何が起こるかを説明する。起こることの詳細は、音源が補償セクタ上に置かれるかデフォルトセクタ上に置かれるかに依存する。音源がデフォルトセクタ上に置かれるとき、以下が真となる:
FadeAbC=0。
しかし、音源がデフォルトセクタの終わりまたは補償セクタの始まりに置かれるとき、それぞれ以下が真となる:
FadeAbC=0
および
(FadeAC=FadeAB/FadeAB+1)。
図10dは、FadeACの関数としてのパラメータFadeABおよびFadeAbCの決定を示し、項目1および項目2においては、音源がデフォルトセクタ上に置かれるか補償セクタ上に置かれるかによる区別がなされ、項目3においてはデフォルトセクタに対する値が算出され、項目4においては補償セクタに対する値が算出される。
図10dに従って得られたフェーディング要素は、次いで図3bに例示されたとおり、重み付け要素を算出する手段によって用いられ、それによって最終的に重み付け要素g、g、gが算出され、図6に関して説明したとおり、この重み付け要素から音声信号および補間などが算出され得る。
この発明の概念は、特に波面合成と良好に組合されてもよい。視覚的理由からステージ上に波面合成スピーカアレイが設置されておらず、代わりに方向群によるデルタ立体音響を用いて音響定位を達成しなければならないという1つのシナリオにおいては、典型的には、少なくとも講堂の側部および講堂の後部に波面合成アレイを置くことが可能である。しかし、この発明に従うと、ユーザは音源が今後波面合成アレイまたは方向群によって可聴にされるかどうかに対処する必要がない。
たとえば、視覚的印象を妨げるためにステージの特定の範囲において波面合成スピーカアレイを用いることができないが、ステージの別の範囲においては波面合成スピーカアレイを用いることができるとき、適切な混合シナリオも可能である。ここでも、デルタ立体音響と波面合成との組合せが行なわれる。しかしこの発明に従うと、グラフィカルユーザインターフェイスが、波面合成スピーカアレイが配置された方向群などの範囲も提供するため、ユーザは彼/彼女の音源がどのように処理されたかに対処する必要はない。パフォーマンスを行なうためのシステムの部分においては、位置決めのための方向区域機構は常に、通常のユーザインターフェイスにおいて、いかなるユーザ介入もなしに波面合成またはデルタ立体音響方向音波処理への音源の割り当てが行なわれ得るように提供される。方向区域の概念は普遍的に適用されてもよく、ユーザは常に同じ態様で音源を位置決めする。言換えると、ユーザは、彼/彼女がウェーハ合成アレイを含む方向区域内に音源を位置決めするのかどうか、または彼/彼女が第1波面の原理に従って動作するサポートスピーカを実際に有する方向区域内に音源を位置決めするのかどうかを知ることがない。
音源の移動は、ユーザが方向区域間に移動経路を与えるという事実によってもたらされ、ユーザによって設定されるこの移動経路は、図8に従う音源経路を受取る手段によって受取られる。構成システムの部分においてのみ、それぞれの変換は処理されるのが波面合成音源かデルタ立体音響音源かを決定する。この決定は特に、方向区域の特性パラメータを調べることによって行なわれる。
ここで、各方向区域はあらゆる数のスピーカと、常にちょうど1つの波面合成音源とを含んでもよく、波面合成音源はスピーカアレイ内の固定位置に保持され、および/または仮想位置によってスピーカアレイに関して保持され、それはデルタ立体音響システムにおけるサポートスピーカの(真の)位置に対応する。次いで波面合成音源は波面合成システムのチャンネルを示し、公知であるとおり、波面合成システムにおいては、チャンネル当り1つの個別の音声対象を、すなわち1つの個別音源を処理できる。波面合成音源は適切な波面合成特有のパラメータによって特徴付けられる。
波面合成音源の移動は、利用可能となる計算能力に依存して、2つの態様でもたらされてもよい。固定して位置決めされた波面合成音源は、フェードオーバーによってトリガされる。音源が方向区域から出るとき、スピーカは減衰され、音源が入って来る方向区域のスピーカはより小さい程度にだんだん減衰される。
代替的に、入力固定位置に対して新しい位置が補間されてもよく、この新しい位置が、次いで仮想位置として波面合成レンダラに実際に利用可能にされることにより、仮想位置はフェードオーバーなしに真の波面合成によって生成され、これはもちろんデルタ立体音響に基づいて動作する方向区域では不可能である。
この発明の利点は、音源の自由な位置決めおよび方向区域への割当てがもたらされ得ることであり、また特に重複する方向区域があるとき、つまりスピーカがいくつかの方向区域に属するときに、方向区域位置に関して高分解能を有する多数の方向区域が達成できることである。原則として、許される重複に基づき、ステージ上の各スピーカは自身の方向区域を表わすことができ、その周囲には音量要求を満たすためにより大きな遅延を伴って発生するスピーカが配置される。しかし、他の方向区域が参加するとすぐに、これらの(周囲の)スピーカは突然サポートスピーカとなり、もはや「補助スピーカ」ではなくなる。
この発明の概念は、ユーザの作業をできる限り軽減することによって、システムのすべての詳細に熟練しないユーザによる安全な動作を可能にする直観的オペレータインターフェイスによってさらに特徴付けられる。
さらに、一般的なオペレータインターフェイスを介して波面合成とデルタ立体音響との組合せが達成され、好ましい実施例においては等化パラメータによって音源移動による動的フィルタリングが達成され、また2つのフェードアルゴリズム間で切換えが行なわれることによって1つの方向区域から次の方向区域への移行によるアーティファクトの生成が回避される。さらに、この発明は、方向区域間のフェーディングの際にレベルの一時的減少がないことを確実にし、動的フェーディングがさらに提供されてさらにアーティファクトが低減する。したがって、補償経路の提供によって、ライブ適用適合性が可能となる。なぜなら今後、たとえば主役がプログラムされた指定経路を離れるときの音の追跡の際に反応するように介入する可能性があるためである。
この発明は、劇場、ミュージカルのパフォーマンスのためのステージ、野外ステージ、およびほとんどの大きな講堂またはコンサート用地における音波処理において、特に有利である。
条件によって、この発明の方法はハードウェアまたはソフトウェアにおいて実施されてもよい。実施はデジタル記憶媒体、特にディスクまたはCDにおいて、プログラム可能なコンピュータシステムと協働し得る電子的に読取り可能な制御信号によってもたらされることによって、この方法が行なわれてもよい。一般的に、この発明は、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で走るときに、この発明の方法を行なうための、機械読取可能な担体に保存されたプログラム符号を含むコンピュータプログラム製品にもある。言換えると、この発明は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で走るときに、この方法を行なうためのプログラム符号を含むコンピュータプログラムとして実現されてもよい。
音波処理室の重複する方向群への細分を示す図である。 さまざまな範囲におけるスピーカに対する概略的なスピーカパラメータ表を示す図である。 スピーカパラメータ処理に必要とされるさまざまな範囲に対するステップをより特定的に示す図である。 線形2方向フェードオーバーを示す図である。 3方向フェードオーバーを示す図である。 DSPを用いて複数のスピーカをトリガするための装置の概略ブロック図である。 好ましい実施例に従って、図4のスピーカ信号を算出する手段をより詳細に示す図である。 デルタ立体音響を実施するためのDSPの好ましい実施を示す図である。 異なる音源に由来するいくつかの個々のスピーカ信号からのスピーカ信号の発生を概略的に示す図である。 グラフィカルユーザインターフェイスに基づいてもよい複数のスピーカを制御するための装置を概略的に示す図である。 第1の方向群Aおよび第2の方向群Cの間の音源の移動の典型的なシナリオを示す図である。 音源の激しいジャンプを避けるための補償戦略に従った移動を概略的に示す図である。 図9dから図9iに対する凡例である。 “InPathDual”補償戦略を示す図である。 “InPathTriple”補償戦略を概略的に示す図である。 AdjacentA、AdjacentB、AdjacentC補償戦略を概略的に示す図である。 OutsideMおよびOutsideC補償戦略を概略的に示す図である。 Cader補償経路を概略的に示す図である。 3つのCader補償戦略を概略的に示す図である。 音源経路(DefaultSector)および補償経路(CompensationSector)を定義するための図である。 Caderを用いた音源の後方向の移動を概略的に示す図であって、修正された補償経路が示される。 FadeACの他のフェーディング要素への影響を示す図である。 フェーディング要素およびFadeACの関数としての重み付け要素を算出するための概略図である。 動音源に対する入力/出力マトリックスを示す図である。 静止音源に対する入力/出力マトリックスを示す図である。

Claims (16)

  1. 複数のスピーカを制御するための装置であって、前記スピーカは方向群(10a、10b、10c)にグループ分けされ、第1の方向群位置(11a)は第1の方向群(RGA)に関連し、第2の方向群位置(11b)は第2の方向群(RGB)に関連し、スピーカは第1および第2の方向群に関連し、前記スピーカは、第1の方向群に対する第1のパラメータ値を有し、かつ第2の方向群に対する第2のパラメータ値を有するスピーカパラメータに関連付けられ、前記装置は
    音源の音源位置を与える手段(40)を含み、前記音源位置は第1の方向群位置(11a)と第2の方向群位置(11b)との間に置かれ、前記装置はさらに
    スピーカパラメータに対する第1のパラメータ値と、スピーカパラメータに対する第2のパラメータ値と、音源に対する音声信号とに基づいて、少なくとも1つのスピーカに対するスピーカ信号を算出する手段(42)を含む、装置。
  2. スピーカ信号を算出する手段(42)は、第1の方向群位置および/または第2の方向群位置からの音源位置の距離に依存する方向の尺度(FadeAB)に基づいてスピーカ信号を算出するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
  3. 前記スピーカパラメータは、少なくとも1つのスピーカに固定的に関連する遅延パラメータ(D)、スケールパラメータ(S)またはフィルタパラメータ(EQ)である、請求項1または2に記載の装置。
  4. 算出する手段(42)は、方向の尺度に依存して、第1のパラメータ値および第2のパラメータ値の間で補間する(452)ように構成されるか、または
    方向の尺度に依存して、第1のパラメータ値および第2のパラメータ値の間でフェードオーバーするように構成される、請求項1から3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記音源は可動であり、
    与える手段(40)は、音源移動情報に基づいて現在の音源位置を与えるように構成され、
    前記装置はさらに、移動の速度に依存して、スピーカ信号を算出する手段(42)を制御するように構成される制御手段(65)を含むことによって、補間またはフェードオーバーが行なわれるか、または補間およびフェードオーバーの重み付けされた混合が行なわれることによって、スピーカ信号を得る、請求項4に記載の装置。
  6. 前記制御手段(65)は、閾値よりも小さい移動によって補間の結果を用い、閾値よりも大きい移動によってフェードオーバーの結果を用いるように構成される、請求項5に記載の装置。
  7. 算出する手段(42)は、オールパスフィルタ(452)によって音声信号をフィルタリングするように構成され、いくつかの方向区域に対する1つのスピーカに関連する遅延値の補間に依存する補間遅延に依存する2つの異なる遅延の音声信号をオールパスフィルタに与える手段がさらに設けられる、請求項1から6のいずれかに記載の装置。
  8. 算出する手段(42)はフェードオーバー(451)を行なうように構成され、算出する手段(42)は
    第1のパラメータ値に従う遅延を有する音声信号を与え、第2のパラメータ値に従う遅延を有する音声信号を与える手段と、
    第1のパラメータ値に従って遅延される音声信号を第1の重み付け要素(g1)によって重み付けし、第2のパラメータ値に従って遅延される音声信号を第2の重み付け要素(g2)によって重み付けする手段とを含み、前記重み付け要素は距離の尺度(FadeAB)に依存し、前記算出する手段(42)はさらに
    重み付けされた音声信号を合計することによってフェードオーバー音声信号(453a)を得る手段を含む、請求項1から7のいずれかに記載の装置。
  9. 前記スピーカパラメータはイコライザ設定を含み、算出する手段(42)はさらに
    第1のパラメータに従う第1のイコライザ設定によって音声信号をフィルタリングする第1のイコライザ(EQ1)と、
    第2のパラメータ値に従う第2のイコライザ設定によって音声信号をフィルタリングする第2のイコライザ(EQ2)と、
    距離の尺度(FadeAB)に依存する重み付け要素(g1、g2)に従って、フィルタリングの前または後にそれぞれの音声信号を重み付けする手段と、
    重み付けされフィルタリングされた信号を合計する手段とを含む、請求項1から8のいずれかに記載の装置。
  10. 算出する手段(42)は、
    遅延変更が切換え閾値よりも大きい値に変わるときに、まず行なわれているフェードオーバーを完了し、次いで遅延補間を行なうように構成される制御データ操作手段を含む、請求項6に記載の装置。
  11. スピーカにおける音源によるレベル、または方向区域内のスピーカの群によるレベル、または音源が活動するすべての方向区域内の音源によるレベルを測定するレベルモニタリング手段(80)をさらに含む、請求項1から10のいずれかに記載の装置。
  12. さらなる方向群が、波面合成アレイからのスピーカを含み、前記装置はさらに
    音源の位置によって前記さらなる方向群のスピーカを制御するための波面合成レンダラと、
    音源の位置によって、音源が波面合成レンダラによって処理されるかどうかを定める手段とを含む、請求項1から11のいずれかに記載の装置。
  13. 表示可能な再生環境内の方向群位置を有するグラフィックユーザインターフェイスと、
    2つの方向群位置間の音源に対する移動線を入力するか、または移動パラメータを入力するための入力手段とをさらに含み、
    算出する手段(42)は、移動線入力および移動パラメータ入力によって時間内に1つの点における位置を定めるように構成される、請求項1から12のいずれかに記載の装置。
  14. 与える手段(40)は、いくつかの音源に対する音源位置を与えるように構成され、
    算出する手段(42)は、少なくとも1つのスピーカに対する1つの音源に対する単一のスピーカ信号を算出するように構成され、
    前記装置は、少なくとも1つのスピーカに対する加算器をさらに含むことによって、異なる音源に由来する個々のスピーカ信号を合計して、1つのスピーカによって再生されるスピーカ信号を得る、請求項1から13のいずれかに記載の装置。
  15. 複数のスピーカを制御するための方法であって、前記スピーカは方向群(10a、10b、10c)にグループ分けされ、第1の方向群位置(11a)は第1の方向群(RGA)に関連し、第2の方向群位置(11b)は第2の方向群(RGB)に関連し、スピーカは第1および第2の方向群に関連し、前記スピーカは、第1の方向群に対する第1のパラメータ値を有し、かつ第2の方向群に対する第2のパラメータ値を有するスピーカパラメータに関連付けられ、前記方法は
    音源の音源位置を与えるステップ(40)を含み、前記音源位置は第1の方向群位置(11a)と第2の方向群位置(11b)との間に置かれ、前記方法はさらに
    スピーカパラメータに対する第1のパラメータ値と、スピーカパラメータに対する第2のパラメータ値と、音源に対する音声信号とに基づいて、少なくとも1つのスピーカに対するスピーカ信号を算出するステップ(42)を含む、方法。
  16. プログラムを有するコンピュータプログラムであって、前記プログラムがコンピュータ上で走るときに、請求項15に記載の方法を実行するための、コンピュータプログラム。
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