JPH07231500A - 音像位置の上下方向への制御方法 - Google Patents
音像位置の上下方向への制御方法Info
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- JPH07231500A JPH07231500A JP6041777A JP4177794A JPH07231500A JP H07231500 A JPH07231500 A JP H07231500A JP 6041777 A JP6041777 A JP 6041777A JP 4177794 A JP4177794 A JP 4177794A JP H07231500 A JPH07231500 A JP H07231500A
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- Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
- Stereophonic Arrangements (AREA)
- Obtaining Desirable Characteristics In Audible-Bandwidth Transducers (AREA)
- Stereophonic System (AREA)
- Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 音像が上下方向に移動しているような感覚を
聴取者に抱かせることができる音像位置の制御方法を提
供する。 【構成】 測定用信号を音場１に放射し、音場の聴取位
置に配置したダミーヘッドマイクロホン６で音場におけ
る臨界帯域の相対音圧レベル８を測定し、その測定値
と、予め実験により作成した音像の上下方向の所定位置
における相対音圧レベルのデータ９との差分を求め、そ
の差分を解消できるように周波数イコライザ12の特性を
調整し、音場に放射される聴取用信号11の周波数特性を
周波数イコライザで補正すると共に、周波数イコライザ
によるこの補正を時間的に変化させる。臨界帯域の相対
音圧レベルを、音像が上下方向の所定位置に在るときの
相対音圧レベルに補正することにより、聴取者には、実
際にその位置に音像が在るように聴こえる。この補正を
時間的に変えることにより、聴取者は、音像が上下方向
に移動しているように感じる。
聴取者に抱かせることができる音像位置の制御方法を提
供する。 【構成】 測定用信号を音場１に放射し、音場の聴取位
置に配置したダミーヘッドマイクロホン６で音場におけ
る臨界帯域の相対音圧レベル８を測定し、その測定値
と、予め実験により作成した音像の上下方向の所定位置
における相対音圧レベルのデータ９との差分を求め、そ
の差分を解消できるように周波数イコライザ12の特性を
調整し、音場に放射される聴取用信号11の周波数特性を
周波数イコライザで補正すると共に、周波数イコライザ
によるこの補正を時間的に変化させる。臨界帯域の相対
音圧レベルを、音像が上下方向の所定位置に在るときの
相対音圧レベルに補正することにより、聴取者には、実
際にその位置に音像が在るように聴こえる。この補正を
時間的に変えることにより、聴取者は、音像が上下方向
に移動しているように感じる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、舞台や放送現場等、音
を扱う分野において、音の聞こえてくる方向を電気的に
制御する音像位置制御方法に関し、特に、音像を上下方
向に移動できるように構成したものである。
を扱う分野において、音の聞こえてくる方向を電気的に
制御する音像位置制御方法に関し、特に、音像を上下方
向に移動できるように構成したものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、音場内の音像の位置を制御するた
めに、特開昭６１−１３００００号公報に記載された装
置が用いられている。この装置は、図３に示すように、
入力信号20を減衰するアッテネータ24、26と、入力信号
を遅延させる可変遅延回路25、27と、アッテネータ24、
26の減衰量および可変遅延回路25、27の遅延量を制御す
るコントローラ28とを備えており、これらの回路で調整
された音声信号が、音場29の聴取者21の前のスピーカ2
2、23を通じて放音される。
めに、特開昭６１−１３００００号公報に記載された装
置が用いられている。この装置は、図３に示すように、
入力信号20を減衰するアッテネータ24、26と、入力信号
を遅延させる可変遅延回路25、27と、アッテネータ24、
26の減衰量および可変遅延回路25、27の遅延量を制御す
るコントローラ28とを備えており、これらの回路で調整
された音声信号が、音場29の聴取者21の前のスピーカ2
2、23を通じて放音される。
【０００３】この音像位置制御装置では、入力信号20を
２チャンネルに分け、各チャネルの信号の音量と伝送時
間とをアッテネータ24、26および可変遅延回路25、27で
調整した後、各スピーカ22、23から音場29内に放音して
いる。この時、聴取者21は、左右の耳に到達する音声の
違いによって音像の位置を認識している。音像は、スピ
ーカ22とスピーカ23との間に生じる。アッテネータ24、
26の減衰量と可変遅延回路25、27の遅延時間とを変えた
場合には、スピーカ23、23から放射される音声の音量比
と時間差とが変化し、それによって、音像の位置が、ス
ピーカ22と23との間で変化する。従って、コントローラ
28でアッテネータ24、26と可変遅延回路25、27とを調整
することにより、音像を任意の位置に移すことができ、
また、スピーカ22、23から放射される信号の音量比と時
間差とを連続的に変化させることにより、音像をスピー
カ22、23の間で動かすことができる。
２チャンネルに分け、各チャネルの信号の音量と伝送時
間とをアッテネータ24、26および可変遅延回路25、27で
調整した後、各スピーカ22、23から音場29内に放音して
いる。この時、聴取者21は、左右の耳に到達する音声の
違いによって音像の位置を認識している。音像は、スピ
ーカ22とスピーカ23との間に生じる。アッテネータ24、
26の減衰量と可変遅延回路25、27の遅延時間とを変えた
場合には、スピーカ23、23から放射される音声の音量比
と時間差とが変化し、それによって、音像の位置が、ス
ピーカ22と23との間で変化する。従って、コントローラ
28でアッテネータ24、26と可変遅延回路25、27とを調整
することにより、音像を任意の位置に移すことができ、
また、スピーカ22、23から放射される信号の音量比と時
間差とを連続的に変化させることにより、音像をスピー
カ22、23の間で動かすことができる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の音像位
置制御装置は、音像の横方向の位置を制御することはで
きるが、音像の高さの制御、即ち、音像の位置を上下方
向に変更したり、音像を上下に動かしたりすることはで
きない。音源が横方向に動く場合には、聴取者の左右の
耳に到達する音の音量および到達時間に違いが生じ、従
来の音像位置制御装置では、この違いを擬似的に作り出
すことによって、音像の位置を制御している。しかし、
音源を聴取者の正面で上下方向に動かしたり、聴取者の
真後ろに移動させた場合には、聴取者の左右の耳に到達
する音の音量や到達時間には違いが発生しない。そのた
め、音像位置の上下方向の制御を、従来の方法で行なう
ことはできない。
置制御装置は、音像の横方向の位置を制御することはで
きるが、音像の高さの制御、即ち、音像の位置を上下方
向に変更したり、音像を上下に動かしたりすることはで
きない。音源が横方向に動く場合には、聴取者の左右の
耳に到達する音の音量および到達時間に違いが生じ、従
来の音像位置制御装置では、この違いを擬似的に作り出
すことによって、音像の位置を制御している。しかし、
音源を聴取者の正面で上下方向に動かしたり、聴取者の
真後ろに移動させた場合には、聴取者の左右の耳に到達
する音の音量や到達時間には違いが発生しない。そのた
め、音像位置の上下方向の制御を、従来の方法で行なう
ことはできない。
【０００５】本発明は、こうした従来の問題点を解決す
るものであり、音像が上下方向に移動しているような感
覚を聴取者に抱かせることができる音像位置の制御方法
を提供することを目的としている。
るものであり、音像が上下方向に移動しているような感
覚を聴取者に抱かせることができる音像位置の制御方法
を提供することを目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、音
場における音像が上下方向に移動しているように制御す
るために、測定用信号を音場に放射し、この音場の聴取
位置に配置したダミーヘッドマイクロホンで音場におけ
る臨界帯域の相対音圧レベルを測定し、その測定値と、
予め実験により作成した音像の上下方向の所定位置にお
ける相対音圧レベルのデータとの差分を求め、その差分
を解消できるように周波数イコライザの特性を調整し、
音場に放射される聴取用信号の周波数特性をこの周波数
イコライザで補正すると共に、周波数イコライザによる
この補正を時間的に変化させている。
場における音像が上下方向に移動しているように制御す
るために、測定用信号を音場に放射し、この音場の聴取
位置に配置したダミーヘッドマイクロホンで音場におけ
る臨界帯域の相対音圧レベルを測定し、その測定値と、
予め実験により作成した音像の上下方向の所定位置にお
ける相対音圧レベルのデータとの差分を求め、その差分
を解消できるように周波数イコライザの特性を調整し、
音場に放射される聴取用信号の周波数特性をこの周波数
イコライザで補正すると共に、周波数イコライザによる
この補正を時間的に変化させている。
【０００７】また、測定用信号として白色雑音またはイ
ンパルスを用いている。
ンパルスを用いている。
【０００８】
【作用】そのため、臨界帯域の相対音圧レベルを、音像
が上下方向の所定位置に在るときの相対音圧レベルに補
正することにより、聴取者には、実際にその位置に音像
が在るように聴こえる。この補正を時間的に変えること
により、聴取者は、音像が上下方向に移動しているよう
に感じ取る。
が上下方向の所定位置に在るときの相対音圧レベルに補
正することにより、聴取者には、実際にその位置に音像
が在るように聴こえる。この補正を時間的に変えること
により、聴取者は、音像が上下方向に移動しているよう
に感じ取る。
【０００９】
（第１実施例）本発明では、次のような原理に基づいて
音像の上下方向の位置を制御する。前述したように、聴
取者の正面に位置する音源を上下に移動しても、聴取者
の左右の耳に入る音には差異が生じない。しかし、その
場合でも、我々は、音が上の方から来ているか、下の方
から来ているかを認識することができ、また、真後ろか
ら来る音も、識別することができる。これは、音源から
耳までの伝達周波数特性が、音源の上下の方向に応じ
て、頭や耳介の影響を受けて変化するためであり、聴取
者は、この周波数の変化を識別して音の上下方向を認識
している（この点は、例えば、J.Blauert,“Sound Loca
lization in the Median Plane" Acustica，vol.22，p
p.205〜213（1967／1970）に示唆されている）。そこ
で、本発明では、聴取者に聞かせる音に対して、設定し
ようとする音像の上下方向の位置に応じた所定の周波数
変化を与えることにより、聴取者にその位置から音が聞
こえてくるように感じさせる。
音像の上下方向の位置を制御する。前述したように、聴
取者の正面に位置する音源を上下に移動しても、聴取者
の左右の耳に入る音には差異が生じない。しかし、その
場合でも、我々は、音が上の方から来ているか、下の方
から来ているかを認識することができ、また、真後ろか
ら来る音も、識別することができる。これは、音源から
耳までの伝達周波数特性が、音源の上下の方向に応じ
て、頭や耳介の影響を受けて変化するためであり、聴取
者は、この周波数の変化を識別して音の上下方向を認識
している（この点は、例えば、J.Blauert,“Sound Loca
lization in the Median Plane" Acustica，vol.22，p
p.205〜213（1967／1970）に示唆されている）。そこ
で、本発明では、聴取者に聞かせる音に対して、設定し
ようとする音像の上下方向の位置に応じた所定の周波数
変化を与えることにより、聴取者にその位置から音が聞
こえてくるように感じさせる。
【００１０】なお、この明細書では、聴取者の前方にお
ける音像の高さだけでは無く、後方および上方における
音像の高さをも含めて「音像の上下方向」と表現する。
ける音像の高さだけでは無く、後方および上方における
音像の高さをも含めて「音像の上下方向」と表現する。
【００１１】また、ある音が他の音の存在によって聞こ
えにくくなる現象をマスキングと云うが、我々の耳は、
周波数帯域を幾つかの幅に分け、各周波数帯域幅に対し
てそれぞれ一様のマスキングのためのフィルタ処理を行
なっている。つまり、我々の耳は、中心周波数可変の帯
域フィルタ群として見ることができ、この各幅の周波数
帯域を臨界帯域と呼んでいる。耳に聞こえる広帯域スペ
クトルの音の大きさは、臨界帯域ごとの音の大きさの足
し合わせで求めることができる。
えにくくなる現象をマスキングと云うが、我々の耳は、
周波数帯域を幾つかの幅に分け、各周波数帯域幅に対し
てそれぞれ一様のマスキングのためのフィルタ処理を行
なっている。つまり、我々の耳は、中心周波数可変の帯
域フィルタ群として見ることができ、この各幅の周波数
帯域を臨界帯域と呼んでいる。耳に聞こえる広帯域スペ
クトルの音の大きさは、臨界帯域ごとの音の大きさの足
し合わせで求めることができる。
【００１２】さて、本発明の音像位置の制御方法を実施
する第１実施例の装置は、図１に示すように、測定用の
白色雑音を出力する測定用白色雑音発生器２と、この測
定が済んだ後に聴取者に聞かせる音を出力する聴取用音
源信号発生器11と、測定用音源からの信号と聴取用音源
からの信号とを切替えて出力する音源信号切替器３と、
音源の信号を増幅する増幅器４と、音場１に音を放射す
るスピーカ５と、音場１内でスピーカ５と相対向して配
置されたダミーヘッドマイクロホン６と、ダミーヘッド
マイクロホン６で聴取した音を各臨界帯域に帯域分割す
る臨界帯域フイルタ７と、音圧レベルを測定する音圧レ
ベル測定器８と、事前の実験によって作成した音像の上
下方向制御データベース９と、測定された音圧レベルと
音像の上下方向制御データベースとの差分を算出する差
分算出器10と、聴取用音源信号の周波数特性を補正する
周波数イコライザ12と、周波数イコライザ12および聴取
用音源信号発生器11の動作を制御するコントローラ13と
を備えている。
する第１実施例の装置は、図１に示すように、測定用の
白色雑音を出力する測定用白色雑音発生器２と、この測
定が済んだ後に聴取者に聞かせる音を出力する聴取用音
源信号発生器11と、測定用音源からの信号と聴取用音源
からの信号とを切替えて出力する音源信号切替器３と、
音源の信号を増幅する増幅器４と、音場１に音を放射す
るスピーカ５と、音場１内でスピーカ５と相対向して配
置されたダミーヘッドマイクロホン６と、ダミーヘッド
マイクロホン６で聴取した音を各臨界帯域に帯域分割す
る臨界帯域フイルタ７と、音圧レベルを測定する音圧レ
ベル測定器８と、事前の実験によって作成した音像の上
下方向制御データベース９と、測定された音圧レベルと
音像の上下方向制御データベースとの差分を算出する差
分算出器10と、聴取用音源信号の周波数特性を補正する
周波数イコライザ12と、周波数イコライザ12および聴取
用音源信号発生器11の動作を制御するコントローラ13と
を備えている。
【００１３】音像の上下方向制御データベース９は、ダ
ミーヘッドを用いた頭部伝達関数の測定から求められ
る。この測定は無響室で行なわれ、無響室内にダミーヘ
ッドマイクロホンとスピーカとを向い合わせに置き、ス
ピーカは、ダミーヘッドマイクロホンに対する仰角が可
変できるように保持する。次いで、この仰角を一定に保
ったまま、スピーカから白色雑音を放射し、このときに
ダミーヘッドマイクロホンで測定した音を臨界帯域フイ
ルタで帯域分割し、各臨界帯域における相対音圧レベル
を測定して記録する。こうした測定を、仰角を一定角度
ずつ変えながら繰返し、音像の上下方向制御データベー
スを作成する。
ミーヘッドを用いた頭部伝達関数の測定から求められ
る。この測定は無響室で行なわれ、無響室内にダミーヘ
ッドマイクロホンとスピーカとを向い合わせに置き、ス
ピーカは、ダミーヘッドマイクロホンに対する仰角が可
変できるように保持する。次いで、この仰角を一定に保
ったまま、スピーカから白色雑音を放射し、このときに
ダミーヘッドマイクロホンで測定した音を臨界帯域フイ
ルタで帯域分割し、各臨界帯域における相対音圧レベル
を測定して記録する。こうした測定を、仰角を一定角度
ずつ変えながら繰返し、音像の上下方向制御データベー
スを作成する。
【００１４】この装置を用いて、音像の上下方向への移
動を次のように制御する。音像位置を制御しようとする
音場１内にスピーカ５とダミーヘッドマイクロホン６と
を向い合わせに配置し、測定用白色雑音発生器２から測
定用の白色雑音を発生させる。この白色雑音は、増幅器
４で増幅された後、スピーカ５から音場１内に音源信号
として放射される。この放射された測定用音源信号は、
音場１の聴取位置に置かれたダミーヘッドマイクロホン
６で受音され、ダミーヘッドマイクロホン６は、聴取位
置の人間の左および右耳に入るべき音を測定する。ダミ
ーヘッドマイクロホン６で測定された信号は、臨界帯域
フイルタ７に出力され、そこで各臨界帯域に帯域分割さ
れた後、各臨界帯域の相対音圧レベルが音圧レベル測定
器８により算出される。
動を次のように制御する。音像位置を制御しようとする
音場１内にスピーカ５とダミーヘッドマイクロホン６と
を向い合わせに配置し、測定用白色雑音発生器２から測
定用の白色雑音を発生させる。この白色雑音は、増幅器
４で増幅された後、スピーカ５から音場１内に音源信号
として放射される。この放射された測定用音源信号は、
音場１の聴取位置に置かれたダミーヘッドマイクロホン
６で受音され、ダミーヘッドマイクロホン６は、聴取位
置の人間の左および右耳に入るべき音を測定する。ダミ
ーヘッドマイクロホン６で測定された信号は、臨界帯域
フイルタ７に出力され、そこで各臨界帯域に帯域分割さ
れた後、各臨界帯域の相対音圧レベルが音圧レベル測定
器８により算出される。
【００１５】音圧レベル測定器８の算出した各臨界帯域
の相対音圧レベルは、差分算出器10に出力される。差分
算出器10は、音像の上下方向制御データベース９から、
指定された仰角における各臨界帯域の相対音圧レベルの
データを読出し、この値と音圧レベル測定器８から入力
された値との差分を算出し、その結果を周波数イコライ
ザ12に出力する。周波数イコライザ12は、この差分を０
にするように、そのイコライザ特性を調整し、その調整
値を記憶する。
の相対音圧レベルは、差分算出器10に出力される。差分
算出器10は、音像の上下方向制御データベース９から、
指定された仰角における各臨界帯域の相対音圧レベルの
データを読出し、この値と音圧レベル測定器８から入力
された値との差分を算出し、その結果を周波数イコライ
ザ12に出力する。周波数イコライザ12は、この差分を０
にするように、そのイコライザ特性を調整し、その調整
値を記憶する。
【００１６】こうした手順を、音像の上下方向制御デー
タベース９から読出すデータの仰角を種々変えながら、
複数回繰返すことにより、或いは、差分算出器10におい
て音像の上下方向制御データベース９から複数のデータ
を読出し、それらのデータと測定値との差分をそれぞれ
算出して出力することにより、周波数イコライザ12に複
数の仰角に対応するイコライザ特性の調整値を記憶させ
る。
タベース９から読出すデータの仰角を種々変えながら、
複数回繰返すことにより、或いは、差分算出器10におい
て音像の上下方向制御データベース９から複数のデータ
を読出し、それらのデータと測定値との差分をそれぞれ
算出して出力することにより、周波数イコライザ12に複
数の仰角に対応するイコライザ特性の調整値を記憶させ
る。
【００１７】次に、音場１のダミーヘッド６の位置（或
いはダミーヘッドの近傍）に聴取者を座らせ、音源信号
切替器３を聴取用音源信号発生器11側に切換えた後、コ
ントローラ13を操作して、聴取用音源信号発生器11に対
して聴取用音源信号の発生を指令する。同時にコントロ
ーラ13から、周波数イコライザ12に対して、音源の上下
方向の制御位置（仰角）を指定して聴取用音源信号の補
正を指令する。周波数イコライザ12は、指定された仰角
に対応するイコライザ特性によって、聴取用音源信号の
周波数特性を補正する。
いはダミーヘッドの近傍）に聴取者を座らせ、音源信号
切替器３を聴取用音源信号発生器11側に切換えた後、コ
ントローラ13を操作して、聴取用音源信号発生器11に対
して聴取用音源信号の発生を指令する。同時にコントロ
ーラ13から、周波数イコライザ12に対して、音源の上下
方向の制御位置（仰角）を指定して聴取用音源信号の補
正を指令する。周波数イコライザ12は、指定された仰角
に対応するイコライザ特性によって、聴取用音源信号の
周波数特性を補正する。
【００１８】周波数特性が補正された聴取用音源の信号
は、増幅器４で増幅された後、スピーカ５から音場１内
に放射される。この音を聴いた聴取者は、指定された仰
角の位置に音像が在るように感ずることができる。
は、増幅器４で増幅された後、スピーカ５から音場１内
に放射される。この音を聴いた聴取者は、指定された仰
角の位置に音像が在るように感ずることができる。
【００１９】コントローラ13から、周波数イコライザ12
に対して、音源の上下方向の制御位置（仰角）を次々と
変えて指令を出すことにより、周波数イコライザ12は、
イコライザ特性を順次切替えて、聴取用音源信号の周波
数特性を補正する。その結果、聴取者は、音場１内で音
像が上下方向に移動しているように感じることができ
る。
に対して、音源の上下方向の制御位置（仰角）を次々と
変えて指令を出すことにより、周波数イコライザ12は、
イコライザ特性を順次切替えて、聴取用音源信号の周波
数特性を補正する。その結果、聴取者は、音場１内で音
像が上下方向に移動しているように感じることができ
る。
【００２０】このように、第１実施例の音像位置の制御
方法では、ダミーヘッドマイクロホン６で測定した白色
雑音信号を臨界帯域フイルタ７で帯域分割し、音圧レベ
ル測定器８で各臨界帯域の相対音圧レベルを算出し、音
像の上下方向制御データベース９のデータとの差分を差
分算出器10で算出し、その結果を周波数イコライザ12に
出力して、各仰角に対応するイコライザ特性を周波数イ
コライザに記憶させ、続いて、コントローラ13から、周
波数イコライザ12に対して、指定する仰角を時間的に変
えながら、聴取用音源信号発生器11の発生する聴取用音
源信号の補正を指令する。周波数イコライザ12は、指令
に応じて、聴取用音源信号の周波数を、イコライザ特性
を変えながら連続的に補正する。それにより、聴取者
は、音像が音場１内で上下方向に移動しているように聴
こえる。
方法では、ダミーヘッドマイクロホン６で測定した白色
雑音信号を臨界帯域フイルタ７で帯域分割し、音圧レベ
ル測定器８で各臨界帯域の相対音圧レベルを算出し、音
像の上下方向制御データベース９のデータとの差分を差
分算出器10で算出し、その結果を周波数イコライザ12に
出力して、各仰角に対応するイコライザ特性を周波数イ
コライザに記憶させ、続いて、コントローラ13から、周
波数イコライザ12に対して、指定する仰角を時間的に変
えながら、聴取用音源信号発生器11の発生する聴取用音
源信号の補正を指令する。周波数イコライザ12は、指令
に応じて、聴取用音源信号の周波数を、イコライザ特性
を変えながら連続的に補正する。それにより、聴取者
は、音像が音場１内で上下方向に移動しているように聴
こえる。
【００２１】なお、聴取者の傍らにダミーヘッドを置い
た状態で、相対音圧レベルの差分を求める測定と、その
測定に基づいて周波数特性を補正した聴取用音源信号の
放音とを交互に繰返しながら、音像の上下方向への移動
を制御することもできる。
た状態で、相対音圧レベルの差分を求める測定と、その
測定に基づいて周波数特性を補正した聴取用音源信号の
放音とを交互に繰返しながら、音像の上下方向への移動
を制御することもできる。
【００２２】（第２実施例）第２実施例の装置は、図２
に示すように、測定用信号としてインパルスを発生する
測定用インパルス発生器14と、ダミーヘッドマイクロホ
ン６の聴取したインパルス応答をフーリエ変換により周
波数変換するフーリエ変換器15とを備えている。その他
の構成は第１実施例の装置と変わりがない。
に示すように、測定用信号としてインパルスを発生する
測定用インパルス発生器14と、ダミーヘッドマイクロホ
ン６の聴取したインパルス応答をフーリエ変換により周
波数変換するフーリエ変換器15とを備えている。その他
の構成は第１実施例の装置と変わりがない。
【００２３】この装置では、測定用インパルス発生器14
から発生されたインパルスが、増幅器４で増幅された
後、スピーカ５を通じて音場１内に放射される。ダミー
ヘッドマイクロホン６は、このインパルス応答を測定し
てフーリエ変換器15に出力し、フーリエ変換器15は、入
力した信号にフーリエ変換を施して、その周波数スペク
トルを求め、音圧レベル測定器８は、フーリエ変換器15
から出力された信号の各臨界帯域における相対音圧レベ
ルを算出する。その後の動作は、第１実施例の場合と変
わりがない。
から発生されたインパルスが、増幅器４で増幅された
後、スピーカ５を通じて音場１内に放射される。ダミー
ヘッドマイクロホン６は、このインパルス応答を測定し
てフーリエ変換器15に出力し、フーリエ変換器15は、入
力した信号にフーリエ変換を施して、その周波数スペク
トルを求め、音圧レベル測定器８は、フーリエ変換器15
から出力された信号の各臨界帯域における相対音圧レベ
ルを算出する。その後の動作は、第１実施例の場合と変
わりがない。
【００２４】このように、第２実施例では、測定用信号
にインパルスを用いて、音像の上下位置の移動を制御す
ることができる。
にインパルスを用いて、音像の上下位置の移動を制御す
ることができる。
【００２５】
【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなよう
に、本発明の音像位置制御方法では、コントローラの操
作によって、音像が上下方向に移動しているように聴取
者に感じさせることが可能であり、舞台やコンサート会
場等、音を扱う各種分野において、多彩な音響効果を実
現することができる。
に、本発明の音像位置制御方法では、コントローラの操
作によって、音像が上下方向に移動しているように聴取
者に感じさせることが可能であり、舞台やコンサート会
場等、音を扱う各種分野において、多彩な音響効果を実
現することができる。
【図１】本発明の音像位置制御方法を実施する第１実施
例の装置を示すブロック図、
例の装置を示すブロック図、
【図２】本発明の音像位置制御方法を実施する第２実施
例の装置を示すブロック図、
例の装置を示すブロック図、
【図３】従来の音像位置制御方法を実施する装置の構成
を示すブロック図でる。
を示すブロック図でる。
１、29 音場 ２ 測定用白色雑音発生器 ３ 音源信号切替器 ４ 増幅器 ５、22、23 スピーカ ６ ダミーヘッドマイクロホン ７ 臨界帯域フイルタ ８ 音圧レベル測定器 ９ 音像の上下方向制御データベース 10 差分算出器 11 聴取用音源信号発生器 12 周波数イコライザ 13、28 コントローラ 14 測定用インパルス発生器 15 フーリエ変換器 20 入力信号 21 聴取者 24、26 アッテネータ 25、27 可変遅延回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０４Ｒ 1/34 ３２０ 1/40 ３１０ 3/12 Ｚ 5/027 Ａ
Claims (2)
- 【請求項１】 音場における音像が上下方向に移動して
いるように制御する音像位置制御方法において、 測定用信号を音場に放射し、前記音場の聴取位置に配置
したダミーヘッドマイクロホンで前記音場における臨界
帯域の相対音圧レベルを測定し、その測定値と、予め実
験により作成した音像の上下方向の所定位置における前
記相対音圧レベルのデータとの差分を求め、前記差分を
解消できるように周波数イコライザの特性を調整し、前
記音場に放射される聴取用信号の周波数特性を前記周波
数イコライザによって補正するとともに、前記周波数イ
コライザによる前記補正を時間的に変化させることを特
徴とする音像位置制御方法。 - 【請求項２】 前記測定用信号として白色雑音またはイ
ンパルスを用いることを特徴とする請求項１に記載の音
像位置制御方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04177794A JP3288520B2 (ja) | 1994-02-17 | 1994-02-17 | 音像位置の上下方向への制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04177794A JP3288520B2 (ja) | 1994-02-17 | 1994-02-17 | 音像位置の上下方向への制御方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07231500A true JPH07231500A (ja) | 1995-08-29 |
| JP3288520B2 JP3288520B2 (ja) | 2002-06-04 |
Family
ID=12617807
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP04177794A Expired - Fee Related JP3288520B2 (ja) | 1994-02-17 | 1994-02-17 | 音像位置の上下方向への制御方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3288520B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003526122A (ja) * | 2000-03-07 | 2003-09-02 | セントラル リサーチ ラボラトリーズ リミティド | 耳に近接するスピーカ音声の可聴性を改善する方法、ならびに該方法を使用する装置および電話機 |
| JPWO2006030692A1 (ja) * | 2004-09-16 | 2008-05-15 | 松下電器産業株式会社 | 音像定位装置 |
| JP2009501463A (ja) * | 2005-07-15 | 2009-01-15 | フラウンホーファーゲゼルシャフト ツール フォルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシユング エー．フアー． | Ｄｓｐによって複数のスピーカを制御する装置および方法 |
| JP2019500823A (ja) * | 2015-10-26 | 2019-01-10 | フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン | エレベーション・レンダリングを実現するフィルタリング済みオーディオ信号を生成する装置および方法 |
-
1994
- 1994-02-17 JP JP04177794A patent/JP3288520B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003526122A (ja) * | 2000-03-07 | 2003-09-02 | セントラル リサーチ ラボラトリーズ リミティド | 耳に近接するスピーカ音声の可聴性を改善する方法、ならびに該方法を使用する装置および電話機 |
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| JP4684234B2 (ja) * | 2004-09-16 | 2011-05-18 | パナソニック株式会社 | 音像定位装置 |
| JP2009501463A (ja) * | 2005-07-15 | 2009-01-15 | フラウンホーファーゲゼルシャフト ツール フォルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシユング エー．フアー． | Ｄｓｐによって複数のスピーカを制御する装置および方法 |
| US8160280B2 (en) | 2005-07-15 | 2012-04-17 | Fraunhofer-Gesellschaft Zur Foerderung Der Angewandten Forschung E.V. | Apparatus and method for controlling a plurality of speakers by means of a DSP |
| JP2019500823A (ja) * | 2015-10-26 | 2019-01-10 | フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン | エレベーション・レンダリングを実現するフィルタリング済みオーディオ信号を生成する装置および方法 |
| US10433098B2 (en) | 2015-10-26 | 2019-10-01 | Fraunhofer-Gesellschaft Zur Foerderung Der Angewandten Forschung E.V. | Apparatus and method for generating a filtered audio signal realizing elevation rendering |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3288520B2 (ja) | 2002-06-04 |
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|---|---|---|---|
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