これより本革新について図面を参照しながら説明しよう。図面では、全体を通して、類似した参照数詞は類似した要素を参照するのに使用される。説明を目的とする以下の記述では、完全に理解できるよう多くの具体的な細部が説明される。しかしながら、本革新が、これらの特定の細部が無くても実施可能なことは明白かもしれない。記述の容易化のために、既知の構造および装置がブロック図形式で示される場合もある。
本出願での使用では、用語「構成要素」および「システム」は、ハードウェアか、ハードウェアとソフトウェアの組合せか、ソフトウェアか、または実行中のソフトウェアかのコンピュータ関連の実体を指すものとする。例えば、ある構成要素は、プロセッサ上で実行中のプロセス、プロセッサ、ハードディスク駆動装置、(光学的および/または磁気的記憶媒体による)複数の記憶装置、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであってよいが、これらに限定されるものではない。例として、サーバ上で実行中のアプリケーションおよびサーバの両者ともが構成要素であってよい。1つ以上の構成要素が、プロセスおよび/または実行スレッド中に存在してもよく、また1つの構成要素が、1つのコンピュータ上に存在してもよく、および/または2つ以上のコンピュータ間に分散してもよい。
任意の現存または未開発の無線通信ネットワークに適用可能ではあるが、本発明の態様について、GPRS(General Packet Radio Service、汎用パケット無線サービス)を対応ベアラとして使用するGSMエアインタフェースに関して述べるものとしよう。その他の好適な無線および無線周波数データ伝送システムの例には、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、広帯域符合分割多元接続(WCDMA)、直交周波数分割多重(OFDM)、およびその他多様な2.5および3G(第3世代)およびそれ以上の世代の無線通信システムが含まれる。その他の好適なベアラの例には、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)、EDGE(Enhanced Data rates for Global Evolution)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)、および同様の通信プロトコルが含まれる。
主題の革新は多くの移動管理機能を提供する。第1に、本革新は、セルラネットワークと、建物(例えば、居宅)にサービスするブロードバンド接続をバックホールとして使用する別のネットワークとの間で、音声呼を自動的にそして(ユーザに)感知されることなくリダイレクトする機能を提供する。次に、本革新は、無線LAN(Wireless LAN、WLAN)とセルラネットワークとの間の音声呼のハンドオーバを開示する。
ここでは、ネットワークの電話呼リダイレクトの典型的な実装における、GSMネットワークおよびWLANネットワークの自動検知の形でのネットワーク検知について述べる。ネットワーク選択は、GSMネットワークとWLANネットワークとの間の、自動的でユーザに感知されることのない移行を提供する。加入者登録は、WiFiを使用するIMS(IP Multimedia Subsystem、IPマルチメディア・サブシステム)サービスへのアクセスを容易化するGSM位置更新手順を使用する。呼のリダイレクトは、音声サービスをGSMネットワークからWLANネットワークへ、またWLANネットワークからGSMネットワークへリダイレクトすることを容易化する。GSMネットワークとWLANネットワークとの間の移行に際して、パーシステント・データ・セションが提供される。音声呼のハンドオーバは、GSMネットワークとWLANネットワークとの間の実行中の呼の移行を含む。SMS(Short Message Service、ショート・メッセージ・サービス)データサービスのリダイレクトは、例えば、ホームSMSC(SMS Center、SMSセンタ)からSGW(Signaling Gateway、信号伝達ゲートウェイ)のSMSメッセージ・ハンドラへ、またSGWのSMSメッセージ・ハンドラからホームSMSCへ、SMSメッセージを転送する。
主題の革新の意図には、別のセルラネットワーク技術(例えば、UMTS、CDMA,等)が使用可能であること、および別のデータサービス(例えば、MMS)のリダイレクトもまた使用可能であることが含まれる。
動作中に、例えば、加入者が移動機ハンドセットを居宅内へ移動すると、ハンドセットのクライアントがWLANアクセスポイントの信号を検知する。ハンドセットが検知すると、ハンドセットのSIP(Session Initiation Protocol、セション開始プロトコル)クライアントが、ブロードバンド接続を介して、アプリケーション・サービス提供業者(ASP)に設けられたWLAN VoIPサービスへの登録手順を開始する。しかし、ブロードバンド接続がダウンしているかまたは存在しない場合、この接続はPOTSネットワークを介してASPに行うこともできる。ハンドセットのSIPクライアントは、IMSのVoIPアプリケーション・サーバへの登録を開始する。ハンドセットがSIPクライアントを使用せず、免許不要無線技術(ブルートゥース、等)を組み込んでいる場合、コードレス電話プロファイルを使用して、ホーム・アクセスポイントをVoIPネットワークへのゲートウェイとすることができる。こうして、ハンドセットがアクセスポイントと接することがトリガとなり、これが、アクセスポイントがSIP VoIPネットワークへの登録手順を開始するようトリガする。これはさらに、ブロードバンド接続を介する音声呼のリダイレクトをトリガする。このように、検知は、移動機ハンドセットで、またはアクセスポイントで、またはハンドセットとアクセスポイントの両方で起こり得る。
ハンドセットが屋外またはアクセスポイントの通信範囲外へ移動して、セルラネットワークとの信号通信が可能になると、セルラネットワーク(GSM、等)は登録処理を開始する。これがセルラネットワークのローミング処理をトリガし、ホームネットワークとの位置更新が実行される。ホームネットワークは位置取消しMAP(Mobile Application Part、移動アプリケーション部)信号を訪問先ネットワークに送信し、そこで訪問先ネットワークは加入者がもはやその訪問先ネットワークのメンバでなくなったことを知る。
最初に図面を参照すると、図1は、革新的態様に従って呼リダイレクトを使用するシステム100を説明する。システム100はトリガ構成要素102を備えることができ、これは、トリガ構成要素102にリダイレクト構成要素104へのトリガ信号を出力させる信号を入力として受信する。リダイレクト構成要素104は、セルラネットワークとホームネットワークとの間で呼を処理する。すなわち、電話呼の実行中にユーザが通話しながら建物(例えば、居宅またはビジネス)内へ移動すると、リダイレクト構成要素104は、トリガ構成要素102からトリガ信号を受信し、セルラ通信システム(例えば、GSM)から建物内のVoIP(Voice over IP、IP音声)システムへの呼のリダイレクトを容易化する。逆に、ユーザが通話しながら建物から外へ移動すると、リダイレクト構成要素104はトリガ構成要素102からトリガ信号を受信し、内部のVoIPネットワークからセルラ通信システム(例えば、GSM)への呼のリダイレクトを容易化する。これはユーザに感知されることなく行われる。
ある事例では、本開示の革新は、移動機着信呼のホームPLMN(公衆陸上移動ネットワーク)すなわちHPLMNから加入者居宅への、POTS(Plain Old Telephone Service)および/またはブロードバンド接続を介するリダイレクトの活性化および非活性化、IMSプラットホームとPLMNとの間のローミング登録、WiFiからGSMへの音声ハンドオーバ、をユーザに感知されることなく自動的に実行できる。
図2は、革新的態様に従って呼をリダイレクトする方法を示す。本明細書で、例えば、フローチャート形式または流れ図形式で示す1つ以上の方法は、説明の簡単化のため、一連の動作として示され説明されるが、本主題の革新は動作順序で限定されるものではなく、動作によっては、本主題の革新に従いながらも、本明細書に示され説明されたのとは異なる順序で生起してもよく、および/または他の動作と同時に生起してもよいことを理解し、認識されたい。例えば、方法は、状態図におけるように、一連の相互に関連する状態またはイベントとして、別のやり方でも表現できることを当業者は理解し、認識しよう。さらに、本革新に従って方法を実現するのに、示された全ての動作が必ずしも必要とされなくてもよい。
200で、ユーザが建物の外にいる間に、セルラネットワーク上で呼が開始される。202で、発呼者は呼の最中に建物に入る。204で、例えば、屋内アクセスポイント(Indoor Access Point、IAP)信号を介して、ユーザのハンドセットが屋内にあることが検知される。206で、セルラネットワークからホームネットワークへのハンドオーバがトリガされ、ユーザに感知されることなく実行される。208で、ユーザが建物から退出する。210で、ホームネットワークからセルラネットワークへの戻りのハンドオーバがトリガされる。これもまた、ユーザに感知されることなく実行される。
ここで図3を参照すると、GSM/WiFi構成の利用時に呼をリダイレクトする方法が示されている。300で、セルラネットワーク上でGSM/WiFi2重モード・ハンドセットを使用して呼が開始される。302で、呼の最中に、ユーザが屋内VoIPネットワークを有する建物に入る。304で、ハンドセットのWiFiクライアントがIAPと相互作用する。306で、GSMネットワークから屋内VoIPネットワークへのハンドオーバが、IAPの無線標識信号に一部基づいてトリガされる。308で、ユーザがその居宅を退出する。310で、IAPからハンドセットのWiFiクライアントへの信号の消失の結果、ホームネットワークからGSMセルラネットワークへのハンドオーバがトリガされる。312で、自動的にそしてユーザに感知されることなく、呼がGSMネットワーク上で継続する。
図4は、本革新の別の態様に従って呼のリダイレクトを容易化する2重モード・ネットワーク400を示す。2重モード・ネットワーク400は、世界規模の通信ネットワーク406(例えば、インターネット)上のブロードバンド接続を介し、またPSTNネットワーク408を介してアプリケーション・サービス提供業者(ASP)404に接続される居宅立地402、および無線局410とSS7(共通線信号No.7)ネットワーク412を含むことができる。居宅立地402には、IAP414、SIPクライアント418を備える多重モード・ハンドセット416(例えば、GSM/WiFi)、VoIP電話機420および旧来型(例えば、POTS)電話機422が描かれている。
GSM/WiFi2重モード動作が可能でSIP対応クライアント418を備えるGSMハンドセット416が、登録信号伝達用および呼の発着信のために随意に使用される。ハンドセット416は、信号伝達およびベアラ・トラヒックを制御可能にするSIP(または、その他の)ソフトウェア・クライアント418を備えないかもしれない。この場合は、IAP414が登録信号伝達を制御することができ、GSMハンドセット416はIAP414を通しての送信または受信ができない。IAP414は、受動モードまたは能動モードで動作可能である。能動モードでは、IAP414は以下の機能を装備できる。すなわち、SIPクライアント、GSM IWF(Inter-working Function、相互作用機能)、NAC(Network Access Controller、ネットワーク・アクセス・コントローラ)機能、屋内ネットワーク無線送受信機、機械的スイッチ、およびGSM受信機である。GSM IWF/NAC構成要素は、IAP414がGSM認証、アクセス制御、および音声コーデックをサポートできるようにする。それはこの機能性がGSMハンドセットにない場合にのみ必要となる。NAC機能は、802.1xおよび、EAP−SIMとEAP−AKA(Authentication and Key Agreement、認証/暗号鍵配送方式)をサポートするRADIUSクライアントを含む。機械的スイッチは、IAP414がハンドセット426を自動的に検知できない時に、IAP414が信号伝達およびリダイレクトを手動で制御できるように機能する。GSM送受信機は、GSMモードで動作中のハンドセット416の存在の検知を容易化し、ハンドセット416のWiFi無線の活性化をトリガする。トリガ方法は、ブロードバンド接続/PSTN接続およびGSMネットワーク/GPRSネットワークを介するメッセージ伝達を含んでもよい。
一般には、居宅402は旧来型の通信システムを備え、それは、POTSを介してPSTN408へ、そこからさらに地域電話会社(LEC)の機械間中継線(Inter-machine Trunk、IMT)を介して無線局410への呼を実行する旧来型電話機422を含む。この実現では、居宅の無線通信システム/ブロードバンド通信システムは、IAP414(これは、旧来型システムにつながる)、VoIP電話機420、無線ハンドセット416、およびブロードバンド接続を含む。ブロードバンド動作は、インターネット406への、そこからASP404へのIP接続を容易化する。ASP404はまた、ホームネットワークがブロードバンド接続をサポートしない場合に、POTSを通すダイアルアップサービスを提供するためにPSTN408に接続される。ASP404はまた、セルラ(例えば、GSM)回線交換(CS)呼を、居宅のVoIP電話機420が使用可能なパケット化された呼へ変換するサービスを提供する。無線局410は、ASP404と無線局410との間の制御信号伝達を提供するために、国内SS7ネットワーク412を介してASP404に接続される。
動作中に、ユーザが多重モード・ハンドセット416を携えて居宅402に入ると、IAP414が無線標識信号を送信し、ハンドセット416がIAP414を検知する。ハンドセット416のWiFi送受信機がIAP無線標識信号を検知し、IAP414と結び付く。それからWiFiクライアント418は、IAP414を通し、インターネット・ブロードバンド接続を介して、ASP404のWLANサブシステム(図示されていない)へのWLAN登録および認証を開始する。WLANサブシステムは、無線局410のHLR(図示されていない)への認証を容易化する。ハンドセットの登録および認証が成功すると、WiFiハンドセット416は、インターネット・ブロードバンド接続を介して、ASP404のIMS HSS(図示されていない)へのIMS登録および認証を開始する。これはまた、ASP404のVoIPサービスへの加入を含む。この加入はIMS HSS中の加入者記録を更新し、これが無線局410のHLRへの更新をトリガする。その後は、ASP404が移動機呼を居宅402からWiFiネットワークへ送る。音声ハンドオーバおよびSMSメッセージ伝達についてのさらなる詳細は以下で述べる。
図5は、本開示の革新の革新的態様を使用可能な、典型的なベアラおよび信号伝達アーキテクチャ500を示す。ハンドセット416(例えば、GSM)のWiFi送受信機が電源断で、IAP414がハンドセット416を検知した場合、IAP414は、ハンドセット416がWiFi送受信機を電源投入するようトリガするために、VoIP機能サーバ502へのSIP信号を開始する。この手順は、IAP414がハンドセット416を識別できることを仮定しており、そうでない場合は、IAP414はGSM受動モードで動作することになろう。ハンドセットのWiFi送受信機がIAP無線標識信号504を検知すると、その送受信機はヒステリシス・アルゴリズムをトリガし、これがIAP414に結び付くかどうかを判定する。ハンドセット416がIAP414に結び付く場合、WiFiハンドセットのクライアントはWLANサブシステム登録と認証の手順を開始する(例えば、3GPP(第3世代パートナーシップ・プロジェクト))。次に、WiFiハンドセットのクライアントは、IMS登録と認証の手順(例えば、3GPP)、これはVoIP機能サービス502への加入を含む、を開始する。IAP414は、Gm参照点を介してブロードバンド・インターネット接続と、そこからWLANサブシステム・ネットワーク506を越えて、パケット・サービス・ネットワーク508と、インタフェースを有することに注意されたい。
信号伝達インタフェースは、CSCF(Call Session Control Function、呼セション制御機能)エンティティ510を通しての、SIPプロトコルを介するVoIP機能サーバ502への信号通信を容易化する。CSCFエンティティ510はIMSノードであり、IMS512中のサービスにアクセスする加入者のためにセション制御を提供する。IMS512については、必ずしも全てのエンティティが図示されていないことに注意されたい。IMS512はまた、分散交換システムのための呼制御機能をサポートするMGCF(Media Gateway Control Function、メディア・ゲートウェイ制御機能)エンティティ514を含む。CSCFエンティティ510およびMGCFエンティティ514は、SIPを介して信号を通信する。IMS512はまた、DIAMETERプロトコルを介するAAAサービスを容易化するHSS(Home Subscriber Server、ホーム加入者サーバ)516を備える。
HSS516はPLMN用の基本データベースであり、論理上は1つのエンティティとみなせるが、実際上は、サポートを要する加入者数やサービスの程度により、幾つかの物理的なデータベースで構成されよう。HSS516は、加入者が行う呼やセションのサポート、確立、および保全用の変数や識別情報を保持可能である。これは加入者のIMSI(International Mobile Subscriber Identity、移動機加入者識別番号)、セキュリティ変数および位置情報を含む。IMSIはGSMネットワーク中の各移動機加入者に割当てられた一意の識別子である。それは移動国番号、移動ネットワーク番号および移動機識別番号で構成される。VoIP機能サーバ502かHSS516かの一方が、MAP通信を行うことができるように、IWF517を使用することができる。別案では、VoIP機能サーバ502とHSS516の両者がIWF517を使用することができる。
基本HLR(Home Location Register、ホーム・ロケーション・レジスタ)機能/AuC(Authentication Center、認証センタ)機能と同様に、HSS516は追加のデータベースおよび参照点の使用を通して強化可能である。これは、CAMEL(Customized Applications for Mobile Network Enhanced Logic、移動ネットワーク用拡張論理のためのカスタマイズ・アプリケーション)、OSA(Open Service Access、オープン・サービス・アクセス)およびSIPに基づいてサービス・アプリケーション・サーバとインタフェースを持つことにより、ネットワークが加入者に高度のサービスや特徴を提供することを可能にする。CAMELは、固定ネットワーク中に構築された従来型IN(Intelligent Network、インテリジェント・ネットワーク)サービスを移動ネットワークへと拡張するものであり、3GPPが主導する。そのアーキテクチャは、制御機能と交換機能が分かれており、従来のINのものに類似している。固定IN環境とは異なり、移動ネットワークでは、加入者は別のPLMNへと徘徊する場合もあり、その結果、制御機能は別のネットワークの交換機能とも相互作用しなければならない。CAMELは、これらのネットワーク間で遣り取りできる合意された情報流を規定する。
DIAMETERプロトコルは、接続および認証が行われる多くのネットワークにわたるAAA/ポリシのサポートを必要とする任意のサービスについて枠組みの提供を意図するものである。DIAMETERの主な機能は、移動IP、課金管理、ネットワークアクセスおよび強力なセキュリティをサポートすることである。VoIPサーバ502もまた、DIAMETERプロトコルを使用してHSS516への通信が可能であることに注意されたい。
描かれたもう1つのIMSノードは、MGW(Media Gateway、メディア・ゲートウェイ)/MRF(Media Resource Function、メディア・リソース機能)エンティティ518である。IMS512内のコンファレンスは、S−CSCF(Serving-Call Session Control Function、サービング呼セション制御機能)により、図4のASP404のAS(Application Server、アプリケーション・サーバ)と協力して、調整することができる。多様なコンファレンス参加者のメディア・ストリームの混合がMRFにより実行される。MRFは、MRFC(Media Resource Function Controller、メディア・リソース機能コントローラ)およびMRFP(Media Resource Function Processor、メディア・リソース機能プロセッサ)、いずれも図示されていない、を備える。これらは機能において、適当なIPを確立するためにH.248を使用しまた必要な場合には混合メディア・ストリームをサポートするためにSS7ベアラを使用する、MGCF514およびMGWに非常に似ている。処理では、MRFPが確立したメディア・ストリームを、MRFCが、S−CSCFおよび関連するアプリケーション・サーバによって供給される情報に基づいて制御する。H.248信号伝達はMpインタフェース(図示されていない)を跨いでMRFPに渡される。H.248は、ITU−T(International Telecommunications Union-Telecommunication Standardization Sector、国際電気通信連合・電気通信標準化部門)によって規定されたメディア・ゲートウェイ制御プロトコルである。それは、IETF(Internet Engineering Task Force、インターネット・エンジニアリング・タスク・フォース)と協同で規定された。H.248はASN.1(Abstract Syntax Notation 1、抽象構文記法1)を使用し、一方、MGCP(MEGACO、メディア・ゲートウェイ制御、と呼ばれる)のIETF版はテキスト・ベース版のプロトコルを使用する。IMSノードはどの当事者に置かれてもよく、またどの当事者によって管理されてもよいことに注意されたい。
HSS516またはVoIP機能サーバ502は、無線局410の一部であるHPLMNのHLR520と共に位置更新手順を開始し、移動機着信呼をHPLMNからWiFiネットワークへIMSのMGW/MRFエンティティ518を経由して送るために、VPLMNのVLR(Visitor Location Register、ビジタ位置レジスタ)として動作する。無線局410はまた、MSC(Mobile Switching Center、移動交換センタ)/GMSC(Gateway MSC、ゲートウェイMSC)エンティティ522および信号伝達転送点(Signaling Transfer Point、STP)524を含む。MSCはセルラネットワーク・アーキテクチャ中の電気通信スイッチすなわち交換機であり、位置データベースとの相互作用が可能である。GMSCはPLMN中のエッジ機能を提供する。それはまた、PSTNの信号伝達およびトラヒック形式を終端し、これを移動ネットワークで使用されるプロトコルへ変換する。移動機着信呼については、GMSCがHLR520と相互作用を行って経路情報を得る。STPは、信号伝達リンクから別の信号伝達リンクへの信号伝達メッセージの転送にあたる。
図示のように、IMSのHSSエンティティ516は、MAP(Mobile Application Part、移動アプリケーション部)プロトコルを介するSTP524との信号インタフェースを有する。同様に、無線局410のHLRエンティティ520は、STP524がMSC/GMSC522に対するように、MAPを介するSTP524とのインタフェースを有する。IMS512のMGCFエンティティ514はISUP(ISDN User Part、ISDNユーザ部)を介するSTP524とのインタフェースを有する。ISUPはSS7プロトコル・レイヤの一部であり、音声およびデータを運ぶ回線の立上げ、管理、および開放時に、発呼側と着呼側との間で使用される。MSC/GMSCエンティティ522もまた、STP524とのISUPを使用するインタフェースを有する。
MSC/GMSCエンティティ522とMGW/MRFエンティティ518は、TDM(Time Division Multiplex、時分割多重)回線を介して、またPSTN408を経由するTDM回線を介して、直接的にベアラ・トラヒックを交換する。MGW/MRFエンティティ518は、IPベアラを介してIPトラヒックをパケット・サービス・ネットワークと通信する。
屋内ネットワークにおいてGSMハンドセット416の在不在を自動的に検知する場合、位置更新手法によってより高信頼な解法が得られる。この解法は、呼のリダイレクトを非活性化するのに、CFUによる解法の場合のようには屋内ネットワークに依存しない。GSMハンドセット416が屋内ネットワークとの接触を失った場合、GSMネットワークがホームネットワークへの呼のリダイレクトを非活性化する。ハンドセット416は、GSM送受信機を電源投入し、GSMネットワークへの登録および位置更新を開始しよう。この手順の完了後、GSMは屋内ネットワークに位置取消しメッセージを送信する。GSMハンドセット416は、屋内ネットワークとの接触を保って呼のリダイレクトを活性状態に維持する必要はない。この解法は、加入者がGSMハンドセット416を電源断にできるようにする。このように、ハンドセット416は呼のリダイレクト処理を活性化し、GSMネットワークは呼のリダイレクト処理を非活性化する。こうすると、GSMネットワークがリダイレクト処理を活性化する必要はない。
ローカルな有線ネットワークおよび/または図4のASP404は、加入者が屋内ネットワークに登録されさえすれば、最適な経路選択を行うためにAIN(Advanced Intelligent Networking、高度インテリジェント・ネットワーク)能力およびCAMELを使用することができる。さらに、有線ネットワークは、移動機着信呼用の呼信号伝達を最適化するために、AIN能力および/またはSIP信号伝達でキャッシングを使用することができる。この方法は、PSTNとHPLMNとの間でE.164およびENUMを使用することを意味する。E.164はITU−TのE164標準により定義された世界交換電話番号の形式である。16桁の番号が、国際、国内およびユーザの番号部に分かれている(例えば、+44(0) 1189 497094)。ENUMはIETFプロポーザルであり、E.164電話番号をURL(Uniform Resource Locator)およびIPアドレスに変換するのにDNS(Domain Name System、ドメイン・ネーム・システム)を使用することができる。
PSTNからの移動機着信呼については、PSTNは、ENUMを使用し、SIPのURLをルックアップして公衆E.164番号を取得し、またSIP加入者および/またはプレゼンス・サービスに問い合わせて、呼を直接にSIPのURLまたは一時的なE.164番号に送ることの可用性を取得する。
WiFiを介する緊急時サービス(例えば、E911サービス)については、物理的な位置と完全性が問題となり得る。位置は、ブロードバンド・アクセスポイントの街区番地を使用して、PSAP(Public Safety Answering Point、緊急応答機関)に提供してもよい。加入時または住所変更時に、ブロードバンド・アクセスポイントの街区番地をウェブ書式に入力するよう、顧客に要求してもよい。PSAPは物理的な拠点であり、そこでは、911緊急電話呼を受信して、適切な緊急サービスへ送る。位置情報の完全性は、擬似的な自己申告システムに基づくものであってもよい。VoIPサービスが、ブロードバンド・アクセスポイントの状態変化を検知して、加入者に緊急サービス位置情報を再入力させてもよい。加入者に、2重モード緊急サービス要求条件を遵守するかまたは緊急サービスに加入しないかを選択するよう法的に強制してもよい。
ここで図6を参照すると、本開示の革新に従うASP404のより詳細な図が示されている。ASP404は、屋内ネットワークがブロードバンド接続をサポートしない場合に、POTSを通してダイアルアップサービスをサポートする遠隔アクセスサービス(Remote Access Service、RAS)600を備える。メディア・ゲートウェイ602は、GSM回線交換呼のVoIP装置で使用できるパケット化音声呼への仲介または変換を容易化するために、メディア・ゲートウェイ制御機能(MGCF)を使用する。MGCFは、呼状態の、メディア・ゲートウェイでのメディア・チャンネルの接続制御に関係する部分を制御する。信号伝達ゲートウェイ604は、SIGTRAN形式の信号伝達メッセージをTDM回線を介して伝送される旧来型のSS7信号伝達メッセージへ変換し、またHPLMNと屋内ネットワークとの間でSMSメッセージを送るためのSMSメッセージ・ハンドラを備える。
SIPアプリケーション・サーバ606は、幾つかの論理サービスを含む。SIP登録構成要素は、基本VoIP加入レジスタ(またはデータベース)の役割を持ち、そこへは、他のネットワーク要素が加入者についての、例えば、加入者が屋内ネットワーク上で動作中で呼を受信中か、等の情報を得るために問い合わせる。GSMのIWF構成要素は、GSMの認証、アクセス制御、およびMAP信号伝達をサポートする。それは、GSM登録を処理する論理、すなわち、CFU(Call Forwarding Unconditional、無条件呼転送)の活性化および不活性化、位置更新、および位置取消しメッセージを提供する。GSMのVLRは、HLRから加入者情報を受信するために標準GSMのVLRとして動作する。それは、SIP登録構成要素の加入者更新をトリガする。SIPのDNSは標準DNSサーバとして動作し、E.164およびSIPネーム・アドレス処理をサポートする。VoIP機能サーバ構成要素は、SIP信号伝達に基づいて、音声通信呼の制御および処理を提供する。
ASP404はまた、ASPまたは個々の加入者がサービスを自ら設備して管理できるようにする、ウェブ・サービス・インタフェースおよび/またはインターネット・ポータルを提供する自己装備サーバ608を備える。WLANサブシステム610(例えば、3GPP)(WLANサブシステム506に類似)は、パケット・データ・ゲートウェイ(例えば、VPN(Virtual Private Network)サーバ)および、加入者がパケット・サービス(例えば、3GPP)へのベアラとしてWiFi接続を使用できるようにするAAA(Access, Authorization and Accounting、アクセス・認可・課金管理)サーバ(例えば、3GPP)を備える。IMSエンティティ612(IMSエンティティ512に類似)は、VoIP等のSIPベース・アプリケーションのサービス提供を可能にする一群のネットワーク要素を備える。IPルータ614は、ASP404とインターネットとの間でIPトラヒックを送ることを容易化する。
図7は、図4の無線局410のエンティティのより詳細な図を示す。HLR700(図5のHLR520に類似)が装備され、これは、セルラネットワークで使用されるSS7データベースである。HLR700は、SS7プロトコルの一部であるMAPを介してSTP702(図5のSTP524に類似)とのインタフェースを有する。MAP標準は通信事業者の登録およびシステム間のハンドオフ通信手順を目的とする。STP702は、ASP404への信号通信用に、国内SS7ネットワーク412とのインタフェースを有する。無線局410はまた、MAPを介してHLR700と、またLECのIMTを介してPSTN408とインタフェースを有する、MSC/GMSC704(図5のMSC/GMSC522に類似)を備えてもよい。GMSCは、着呼側HLRを備えるMSCへ移動機呼を送るための手段である。
図8Aおよび図8BはWiFiネットワークで加入者を登録する方法を示す。ハンドセットのWiFi送受信機が電源断で、IAPがハンドセットを検知した場合、ハンドセットがWiFi送受信機を電源投入するようトリガするために、IAPはVoIPサーバへのSIP信号伝達を開始できる。本方法は、IAPがGSMハンドセットを識別可能であることを仮定しており、そうでない場合は、IAPはGSM受動モードで動作しよう。先ず図8Aであるが、800で、ハンドセットが電源断モードにあることが受信される。802で、IAPがハンドセットを検知する。804で、IAPは、VoIPサーバへのSIP信号を開始する。806で、VoIPサーバは、ハンドセットがWiFi送受信機を電源投入するようトリガする。808で、WiFi送受信機がIAPの無線標識信号を検知すると、送受信機はヒステリシス・アルゴリズムをトリガし、これは810に示されるように、IAPに結び付くか否かを判定する。
図8Bへ続いて、812に示すように、ハンドセットはIAPに結び付き、ハンドセットのクライアントがWLAN(例えば、3GPP)登録および認証を開始する。814で、WiFiハンドセットのクライアントはIMS登録および認証手順(例えば、3GPP)を開始し、これには、VoIPサービスへの加入が含まれる。816で、HSS(Home Subscriber Server、ホーム加入者サーバ)またはVoIP機能サーバが位置更新手順を開始する。更新手順は、HPLMNのHLRを使用して開始され、HSSまたはVoIPサーバが、HPLMNからWiFiネットワークへIMSメディア・ゲートウェイ/メッセージ・リソース機能を経由して移動機着信呼を送るためのビジタPLMN(VPLMN)のVLRとして動作する。これを818に示す。
図9は、加入者をGSMネットワークに登録する方法を示す。900で、加入者(または移動機ユーザ)は、GSMハンドセットを携えて居宅を退出する。902で、ハンドセットのヒステリシス構成要素は、IAPからの受信信号強度が所定の受容可能レベル以下に落ちたことを検知する。一旦こうなると、904で、GSM送受信機は電力を増強され、906で、GSM登録が行われる。GSMハンドセットは、通常のGSM登録および、データおよび音声呼のリダイレクトを取消す位置更新手順を開始する。登録後、ハンドセットは、908に示されるように、IAPから離脱する。910で、GSMハンドセットは、GSMネットワーク上での呼の発信および着信の準備が整う。912で、HPLMNは、加入者記録を除去するために、通常のGSM Location CancelメッセージをSIPアプリケーション・サーバであるGSMのIWFに送信する。
図10は、音声呼をWiFiネットワークからGSMネットワークへハンドオーバする方法を示す。1000で、ユーザが建物から退出し、WiFiからGSMへの音声呼のハンドオーバ手順が開始される。1002で、ハンドセットのヒステリシス・アルゴリズムは、ハンドセットがGSMネットワークへの移行手順を開始するようトリガする。1004で、そのとき実行中のVoWLAN(Voice Over WLAN、WLAN音声)呼が、ハンドセット中のSIPクライアントがVoIPコンファレンス・セションを開始するようトリガする。1006で、VoIPコンファレンス・セションは、コンファレンス・ミーティングE.164番号をGSMハンドセットのクライアントに返す。1008で、GSMハンドセットのクライアントは、コンファレンス・ミーティングE.164番号への呼を開始する。1010で、VoWLAN音声セションが脱落し、1012に示されるように、ハンドオーバが完成する。
図11は、音声呼をGSMネットワークからWiFiネットワークへハンドオーバする方法を示す。1100で、加入者が建物に入り、WiFiネットワークからGSMネットワークへのハンドオーバが開始される。1102で、WiFiネットワークの検知がハンドセットでトリガされる。1104で、ハンドセットのSIPクライアントはIMSに登録し、VoIPサービスに加入する。1106で、そのとき実行中のGSM音声呼とVoIPへの加入とが、ハンドセットのSIPクライアントがIMSコンファレンスのVoIPセションを開始するようトリガする。1108で、IMSコンファレンスのVoIPセションがコンファレンス・ミーティングE.164番号をGSMハンドセットのクライアントへ返す。1110で、GSMハンドセットのクライアントは、MGWおよびVoIPコンファレンス・サーバを介してGSMのMSC呼のレッグをWiFiのVoIP呼のレッグに接続するために、GSMのSS(Supplementary Service、補助的サービス)ECT(Explicit Call Transfer、明示的呼転送)手順を開始する。1112で、GSMのSS ECT手順の成功裡の実行が、GSMのRAN(Radio Access Network、無線アクセスネットワーク)呼のレッグが脱落するようトリガする。1114で、ハンドオーバが完成する。
図12は、別の態様に従ってGSM呼をリダイレクトする方法を示す。本方法は、HSSがVPLMNのVLR機能を提供し、またCインタフェースとDインタフェースとを使用してHPLMNのGMSC/MSCと相互接続することを仮定する。本機能は、2重モード・ハンドセットがWiFiネットワークへローミングして、GSM移動機着信呼をGSMネットワークからWiFiネットワークへリダイレクトするのに使用されるとき、活性化される。1200で、2重モード・ハンドセットがWiFiネットワークへローミングし、IMS登録を完了し、VoIPサービスに加入し、そして実行中のGSM呼があればそれをハンドオーバする。1202で、ハンドセットのSIPクライアントは、HSSがHPLMNのHLRへのGSM位置更新手順を開始するよう信号を送る。1204で、GSM位置更新手順は、HPLMN GMSC/MSCに、HSSに問い合わせて2重モード加入者のローミング番号を取得させる。1206で、2重モード加入者のローミング番号は、移動機着信CS呼をIMS MGWおよびVoIPコンファレンス・サーバへ送る。1208で、IMS MGWおよびVoIPコンファレンス・サーバは、CS呼をVoIPへコード変換する。1210で、IMS MGWおよびVoIPコンファレンス・サーバは、音声セションをハンドセットへ接続する。実装によっては、移動機発信SMSメッセージは、移動機着信SMSメッセージの逆のパスを辿ってもよいことに注意されたい。移動機発信SMSメッセージが移動機着信SMSメッセージの逆のパスを辿らない、別の実装もある。
図13は、SMSメッセージをHPLMNからローミングE.164番号へリダイレクトする方法を示す。1300で、GSMのVoice Call Redirection中で実行されるGSMのLocation Update MAP手順が、HPLMNがSMSメッセージをHPLMNから加入者のローミングE.164番号へSS7を介してリダイレクトするようトリガする。1302で、移動機着信SMSメッセージがHPLMNに到着する。1304で、移動機着信SMSメッセージが到着した時、HPLMNは、加入者のローミング番号を取得するために、HSSに対してMAP問い合わせを行う。1306で、HPLMNは、SS7を介するローミングE.164番号宛てのSMSメッセージを、SGW/SMSメッセージ・ハンドラへ送信する。1308で、SGW/SMSメッセージ・ハンドラのSS7プローブが、加入者のSMSメッセージを含むSS7メッセージをフィルタして取り出す。1310で、フィルタされたSMSメッセージはSIPインスタント・メッセージング・メッセージに変換される。1312で、フィルタされたSMSメッセージはSIMPLEアプリケーションによって処理される。
SMSについては少なくとも2つのベアラ方法があり得る。1つは、そのとき実行中の音声パス制御チャンネルまたは1つの制御チャンネルを、発呼者が音声およびSMSメッセージを同時に受信できるよう、標準的に使用することである。もう1つの方法は、SMSをGPRSで受信することである。このように、ベアラ・メカニズムに依って、SMSメッセージをリダイレクトする異なる手順が存在し得る。
図14から17は、革新的なリダイレクト用アーキテクチャの1つ以上の態様を有する信号の流れ図を示す。簡明を期して、必ずしも全ての信号手順が示されてはおらず、また手順によっては簡単化されていることに注意されたい。
図14は、WiFi登録のためのメッセージ伝達および信号伝達の流れ図を示す。手順の流れを以下に述べる。先ず、ユーザがハンドセットを通信範囲内に持ち込むと、WiFiのIAPはSSID(Service Set Identifier、サービスセット識別子)信号を屋内ネットワーク中に同報する。SSIDまたはネットワーク名が、特定のネットワークを識別するために、IEEE802.1ネットワーク中で使用される。それは通常WLANを設置する管理者によって設定され、ただ1つしかないものとされる。SSIDは、結び付くネットワークをハンドセットが決定できるよう、IAPから無線ネットワーク内に放送される。
別のシナリオでは、IAPはSSIDを放送はしないが、ハンドセットはIEEE802.11の相手を検知することができ、これがトリガとなろう。SSIDが放送されるまたはされないいずれのケースにおいても、ハンドセットが認可されたIAPに一旦アクセスできると、これがリダイレクト処理へのトリガとなり得る。
ハンドセットはそれからIAP信号を検知する。ハンドセットのWiFiクライアントは802.1x EAP−SIM(Extensible Authentication Protocol-Subscriber Identity Module、拡張認証プロトコル−加入者識別モジュール)の認証手順を開始する。IAPはハンドセットから来る全ての非認証パケットを阻止する。WiFi IAP NAC機能は、3GPP WLANサブシステム(例えば、3GPP AAAサーバ)と通信しまたSIM信用証明を交わす。3GPP WLANサブシステムは、SIM認証手順で使用するGSMトリプレットを読み出すために、MAP_SEND AUTHENTICATION_INFOメッセージを介して、HPLMN HLRに問い合わせを行う。HPLMN HLRは、SS7 MAP_SEND AUTHENTICATION_INFOメッセージ中でGSMトリプレットを返す。3GPP WLANサブシステムはMAPメッセージからGSMトリプレットを読み取る。
3GPP WLANサブシステムは、ハンドセットとEAP−SIM手順を開始する。ハンドセットは、GSMトリプレットに対してGSM認証アルゴリズムを実行し、チャレンジ回答をWLANサブシステムに返す。WLANサブシステムは、チャレンジ回答の正当性を確認し、WiFiアクセスポイントにEAP_Successメッセージを返して、ハンドセットが認証に成功したことを示す。WiFiアクセスポイントは、EAP_Successメッセージをハンドセットに返す。WiFiネットワーク接続認証処理はそこで完了する。WiFiアクセスポイントはトラヒック・ゲートを開き、ハンドセットが全てのパケットを送受信できるようにする。WLANサブシステム・トンネル手順が開始され、完了する。それからSIMを使用する3GPP IMS登録手順が開始され、完了する。ハンドセットは、VoWLANサービスに接続するために、SIP加入者メッセージをVoIP機能サーバへ送る。VoIP機能サーバは、サービスを完成するためにSIP OKで応答する。VoIP機能サーバは、HLRをトリガするためにHSS中の加入者記録を更新する。HSSはMAP_LOCATION_UPDATEメッセージをHLRに送る。移動機着信呼のWiFiへのリダイレクトはこれで完成する。
図15は、WiFiからGSMへの音声ハンドオーバのためのメッセージ伝達および信号伝達の流れ図を示す。手順の流れは以下に述べるとおりである。実行中の音声呼が、WiFiモードの2重モード・ハンドセットと標準的なGSMハンドセットとの間で確立している。その呼は、メディア・ゲートウェイを経由して送られ、これは音声コンファレンス機能を提供する。ヒステリシス・アルゴリズムがWiFiからGSMへのハンドオーバ手順をトリガする。ハンドセットは、実行中の音声呼のための音声コンファレンスE.164ダイアルイン番号を要求するために、SIP OPTIONメッセージをVoIP機能サーバに送る。VoIP機能サーバはそこで音声コンファレンスE.164ダイアルイン番号を生成する。VoIP機能サーバは音声コンファレンスE.164ダイアルイン番号を、SIP OPTION応答でハンドセットに返す。ハンドセットは音声コンファレンスE.164ダイアルイン番号を受信する。ハンドセットは、有効期限が0のSIP REGISTERメッセージをVoIPサーバに送る。これによりSIP登録が終了させる。
VoIPサーバは登録抹消を承認するためにSIP OKメッセージで応答し、これが、ハンドセットをトリガして、GSM送受信機を活性化させ、また標準的なGSM登録および位置更新手順を開始することによりGSMネットワークに登録させる。ハンドセットはGSMネットワークに、MRF音声コンファレンス機能宛のMSCを介するCS呼を確立するよう、信号を送る。GSM CSベアラがハンドセット、MSC、およびMRF間で確立される。ハンドセットはその後、WiFiパケット交換(PS)音声ベアラ・セション(第1レッグ)を終わらせるために、SIP BYEメッセージをWiFiを介してVoIP機能サーバ宛に送る。PS音声ベアラ・セション(第1レッグ)が切断される。ハンドオーバ手順がそこで完了する。
図16は、GSMからWiFiへの音声ハンドオーバのためのメッセージ伝達および信号伝達の流れ図を示す。手順の流れは以下に述べるとおりである。GCM CS呼が2重モード・ハンドセットと別のCS通信先(移動またはPSTN)との間で進行中である。ハンドセットがIEEE802.11アクセスポイントの無線標識信号を検知する。ハンドセットはWiFiネットワークにアクセスし、IMSクライアントおよび3GPP IMSシステムによるネットワークを認証する。2重モード・ハンドセットのクライアントは、音声PSセションとCSセションとの橋渡しに使用するE.164コンファレンス番号を問い合わせるために、SIP OPTIONメッセージをVoIP機能サーバに送る。VoIP機能サーバはE.164コンファレンス番号を生成する。VoIP機能サーバは、E.164コンファレンス番号をSIP OPTIONメッセージで2重モード・ハンドセットに返す。ハンドセットはSIP OPTIONメッセージからE.164コンファレンス番号を読出し、それはその後のSIP INVITEメッセージで使用される。2重モード・ハンドセットのクライアントは、SIP REGISTERメッセージをVoIPサービスの加入者に送る。VoIP機能サーバはSIP OKメッセージを返す。
2重モード・ハンドセットは、2重モード・ハンドセットとMRFとの間のPS音声パスを設定するために、SIP INVITEメッセージを送信する。VoIP機能サーバは、SIP OKメッセージを返す(図示されていない)。第2レッグPS音声ベアラが確立される。2重モード・ハンドセットは、当事者BをE.164コンファレンス番号へ接続するために、信号伝達手順(例えば、3GPP ECT SS)をMSCに送る。第3レッグCS音声ベアラが確立する。第1レッグCS音声ベアラが切断される。ハンドオーバが完成する。VoIP機能サーバ(またはHSS)は位置更新メッセージを、GSM MT(Mobile Terminated、移動機着信)呼を屋内ネットワークへリダイレクトするGSM HLRに送る。
図17は、MT SMSメッセージをWiFiハンドセットへリダイレクトするためのメッセージおよび信号伝達の流れ図を示す。手順の流れは以下に述べるとおりである。はじめに、加入者はWLANおよびIMSに登録されており、IMSは、移動機着信SMSメッセージをWiFiネットワークへリダイレクトするために、GSM HLRを更新済みである。GSMSが加入者へのSMSメッセージを受信する。GMSCはGSM手順を介して屋内ネットワークからローミングE.164番号を読み取る。ローミングE.164番号は、SGW SMSハンドラをSMS SC(Switching Center、交換センタ)であると識別する。GMSCは、SMSメッセージをSS7 MAP:Forward_Short_Message手順でSMSハンドラ宛に転送する。SMSハンドラはそのメッセージ内容を処理し、それをSIMPLE手順を使用してSIMPLEサーバ宛に送信する。SIMPLEサーバは、SIP:MESSAGEを加入者宛に送信する。加入者がSIP OKで応答する。移動機着信SMSメッセージ配信が完了する。
図18は、革新的態様に従う2重モード・ハンドセット(Dual Mode Handset、DMH)1800の概略ブロック図を示す。革新の多様な態様への背景を追加して提示するために、図18および以下の論考では、革新の多様な態様を実装可能な好適な環境1800について簡潔かつ一般的に説明することとしよう。本説明は、コンピュータで実行可能な命令との関連での説明を広く含むが、当業者は、本革新がまた、別のプログラムモジュールと組み合わせて、および/またはハードウェアとソフトウェアの組合せとして実現できることを認識しよう。
一般には、アプリケーション(プログラムモジュール、等)は、特定のタスクを実行する、または特定の抽象的なデータ・タイプを実現する、ルーチン、プログラム、構成要素、データ構造、等を含むことができる。さらに、当業者は、本発明の方法が、単一プロセッサまたは多重プロセッサ・システム、ミニコンピュータ、ハンドヘルド・コンピュータ装置、マイクロプロセッサ・ベースのまたはプログラム可能な家電装置、等を含み、その各々が1つ以上の関連装置と組合わされて動作できるようなその他のシステム構成でもっても実施可能であることを認識しよう。
コンピュータ装置は、通常、多様なコンピュータ可読型の媒体を含むことができる。コンピュータ可読型の媒体は、コンピュータによってアクセスでき、揮発性媒体および非揮発性媒体の両者、取外し可能な媒体および非取外し可能な媒体の両者を含む、利用可能などのような媒体であってもよい。例として、しかしこれに限定するものではないが、コンピュータ可読型の媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含むことができる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読型命令、データ構造、プログラムモジュールまたはその他のデータ等の情報を蓄積する任意の方法または技術で実現された、揮発性媒体および非揮発性媒体の両者、取外し可能な媒体および非取外し可能な媒体の両者を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたはその他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル・ビデオ・ディスク(Digital Video Disk、DVD)またはその他の光学的ディスク記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶またはその他の磁気記憶装置、または所望の情報を蓄積するのに使用でき、コンピュータでアクセスできる任意のその他の媒体を含むが、しかしこれらに限定されるものではない。
通信媒体は、通常、コンピュータ可読型命令、データ構造、プログラムモジュールまたはその他のデータを、搬送波またはその他の伝達メカニズム等の変調データ信号中に具体化しており、また任意の情報配信用媒体を含む。用語「変調データ信号」は、信号中に情報を符号化するよう1つ以上の特性を設定または変化させた信号を意味する。例として、しかしこれに限定するものではないが、通信媒体は、有線ネットワークまたは電線で直結等の有線媒体、および音響、RF、赤外線およびその他の無線媒体等の無線媒体を含む。以上の任意の組合せもまたコンピュータ可読型媒体の範囲に含まれるはずであろう。
DMH1800(ハンドセット416に類似)は、全ての搭載された動作および機能を制御および処理するプロセッサ1802を備える。メモリ1804は、データおよび1つ以上のアプリケーション1806(例えば、ビデオ・プレーヤ・ソフトウェア、ユーザ・フィードバック構成要素ソフトウェア、等)を記憶するために、プロセッサ1802とのインタフェースを有する。所定の音声コマンドの音声認識を備えるアプリケーションも存在し、以下に述べるものと同様に、ユーザのフィードバック信号の手引きを容易化する。アプリケーション1806は、メモリ1804および/またはファームウェア1808に記憶することができ、プロセッサ1802によりメモリ1804および/またはファームウェア1808の一方または両方から実行可能である。ファームウェア1808はまた、DMH1800の初期化時に実行する立ち上げ用コードを記憶することができる。通信構成要素1810は、セルラネットワーク、VoIPネットワーク等の外部システムとの有線/無線の通信を容易化するために、プロセッサ1802とのインタフェースを有する。ここで、通信構成要素1810はまた、それぞれの信号通信用に、GSM送受信機1811およびWiFi送受信機1813を備える。DMH1800は、セルラ電話機、移動通信能力を有するPDA、およびメッセージ伝達指向の装置、等の装置であってもよい。
DMH1800は、テキスト、映像、ビデオ、電話機能(例えば、発呼者ID機能)、立ち上げ機能の表示用、およびユーザ入力用の表示装置1812を備える。表示装置1812はまた、マルチメディア・コンテンツの提示にも対応できる。シリアルI/Oインタフェース1814が、配線接続およびその他のシリアル入力装置(例えば、キーボード、キーパッド、およびマウス)を介する有線および/または無線によるシリアル通信(例えば、USB、および/またはIEEE1394)を容易化するために、プロセッサ1804との通信において提供される。これは、例えば、DMH1800の更新および故障診断をサポートする。オーディオ能力が、オーディオI/O構成要素1816により提供される。オーディオI/O構成要素1816はオーディオ信号を出力するスピーカを備えてもよく、例えば、そのオーディオ信号が、ユーザが正しいキーまたはキーの組合せを押下したとの指示に関連しており、ユーザのフィードバック信号を手引きしてもよい。オーディオI/O構成要素1816はまた、データおよび/または電話音声データを記録するために、および通話用の音声信号の入力用に、マイクロホンを介するオーディオ信号の入力を容易化する。
DMH1800は、カード型加入者識別モジュール(Subscriber Identity Module、SIM)1820のフォームファクタのSIC(Subscriber Identity Component、加入者識別構成要素)を収容するため、およびSIMカード1820をプロセッサ1802に接続するためのスロット・インタフェース1818を備える。しかし、SIMカード1820はDMH1800中に作り込むことができ、データおよびソフトウェアをそこにダウンロードすることにより更新可能なことを理解されたい。
DMH1800は、例えば、ISPまたはブロードバンド・ケーブル提供業者を介する、インターネット、企業イントラネット、ホームネットワーク、パーソン・エリア・ネットワーク、等のIPネットワークからのIPトラヒックに対応できるよう、通信構成要素1810を介してIPデータ・トラヒックを処理することができる。こうして、VoIPトラヒックはDMH1800により利用可能であり、符号化または復号化のいずれかの形式でIPベースのマルチメディア・コンテンツを受信することができる。
ビデオ処理構成要素1822(例えば、カメラ)を符号化マルチメディア・コンテンツの復号用に装備できる。DMH1800はまた、電池および/またはAC電力サブシステムの形の電源1824を備え、この電源1824は、電力I/O構成要素1826を介して外部の電力システムまたは充電装置(図示されていない)へのインタフェースを有してもよい。
DMH1800はまた、受信したビデオ・コンテンツを処理するため、およびビデオ・コンテンツを記録および送信するために、ビデオ構成要素1830を備えてもよい。位置追跡構成要素1832はDMH1800を地理的に位置づけることを容易化する。先に述べたように、これは、ユーザがフィードバック信号を自動または手動で開始するときに起こり得る。ユーザ入力構成要素1834は、ユーザが品質フィードバック信号を開始するのを容易化する。入力構成要素は、例えば、キーボード、マウス、スタイラスペン、およびタッチパネル等の従来からの入力装置を備えてもよい。
再びアプリケーション1806を参照して、ヒステリシス構成要素1836は、ヒステリシス・データの分析および処理を容易化する。このデータは、そのIAPに結び付くべきかを決定するのに使用される。ソフトウェアトリガ構成要素1838を備えることができ、これは、WiFi送受信機1813がIAPの無線標識信号を検知した際にヒステリシス構成要素1836をトリガすることを容易化する。能動モードでは、DMH GSM/WiFiハンドセット1800は以下の機能を備えてもよい。SIPクライアント1840は、DMH1800がSIPプロトコルをサポートできるようにし、加入者をSIP登録サーバへ登録できるようにする。
DMH1800は、先に通信構成要素1810に関して述べたように、屋内ネットワーク無線送受信機1813(例えば、WiFi送受信機)を備える。この機能は、2重モードGSMハンドセット1800用のIEEE802.11等の屋内無線リンクをサポートする。
図19は、革新的態様に従って呼のリダイレクトを容易化する典型的なGSMネットワーク1900を示す。2Gセルラ通信システムとして設計されたGSMシステムは、呼の容量を増大できるよう、TDMA(Time Division Multiple Access、時分割多重接続)技術を使用する。デジタル符号化された通話はまた、呼のプライバシ保護のために暗号化してもよい。音声呼はGSMシステムの主要機能である。これを達成するために、通話はデジタル符号化され、後で音声復号器を使用して復号化される。
GSMはまた、その他の多様なデータサービスをサポートする。そのようなデータサービス(例えば、ファクシミリおよびテレテキスト)の性能は低いのではあるが。双方向メッセージング、蓄積転送型の配信、および英数字メッセージが可能なSMSを含むデータサービスもある。GSMの総体的なシステム定義には、エアインタフェースのみならずネットワークも含まれる。GSMは200KHzのRFチャンネルを使用し、このチャンネルは、通常、例えば、各搬送波に8ユーザが接続できるよう多重化される。
GSMネットワーク1900は、基地局サブシステム(Base Station Subsystem、BSS)1902、ネットワーク・サブシステム(Network Subsystem、NSS)1904およびGPRS基幹ネットワーク1906を備える。BSS1902は、1つ以上の、A−bisインタフェースで相互接続された無線基地局装置(Base Transceiver Station、BTS)1908および基地局コントローラ(Base Station Controller、BSC)1910を備えてもよい。BTSおよびそれに連なる基地局(図示されていない)が携帯電話をセルラネットワークへ接続する。基地局は、ハンドオーバと呼ばれる処理を介して、セルへの接続を失うことなくセルから別のセルへのローミングを容易化するために、全て相互接続されている。
正確な位置は提供業者のアーキテクチャに依存し得るのであるが、パケット制御ユニット(Packet Control Unit、PCU)1912がBTS1910に接続されるのが図示されている。BSS1902はエアインタフェースUmにより移動機1914に接続される。BTS1908は実際の送受信機であり、無線信号を受信する。ピコセル以外の用途向けのBTSは、一般には、複数の異なる送受信機(TRX)を有するものであり、そのため複数の異なる周波数または(分割基地局の場合には)複数の異なるセルの用にさえ供し得るようになっている。
各々異なる方向を指す指向性アンテナを基地局で使用することにより、同一位置から複数の異なるセルにサービスするよう、基地局を分割することができる。これは、隣接セルに惹き起こされる干渉を大きく増大させることなく(どの方向にも、僅かな数の周波数しかブロードキャストされない)、基地局のトラヒック容量を増大させる(各周波数は8音声チャンネルを運べる)。
BSC1910は、BTS1908の背後にあって知力を提供する。典型的には、BSCは、制御下に数十または数百に及ぶBTS1908を有し得る。BSC1910は、無線チャンネルの割付を処理し、携帯電話機から測定値を受信し、そしてBTSからBTSへのハンドオーバを制御する(制御が部分的にMSCの責務である、MSC間のハンドオーバの場合は除く)。BSC1910の1機能は、BTS1908への多くの異なる低容量接続をMSCへの少数の接続へと低減できるよう、集線装置として動作することである。一般には、これは、ネットワークがしばしばBTS1908近くの領域に分散化した多くのBSC1910を有し、そしてBTS1908が大規模なMSCサイトへ接続されるよう、構成されることを意味する。
PCU1912は、BSC1910と同等のタスクの幾らかを実行できる。音声とデータとの間でのチャンネル割当ては基地局によって制御可能であるが、チャンネルが一旦PCU1912に割当てられると、PCU1912がそのチャンネルを完全に制御する。PCU1912は、基地局への設置、BSCへの設置が可能であり、アーキテクチャによってはSGSNサイトでの設置さえ可能である。
BSS1902はAインタフェースによりNSS1904と接続する。NSS1904がMSC1916を含み、それがSS7ネットワーク1918を介してHLR1920に接続されるのが示されている。AuCおよびEIRが、技術的にはHLR1920とは別の機能ではあるが、ネットワーク中でそれらを組み合わせることが実行可能なことから、一緒に示されている。
携帯電話機1914とSIMカード(図示されていない)の組合せにより、加入者番号を含む特別なデジタル「署名」が創られ、それが携帯電話機1914から最寄りのBTS1908へ送信されて、そのネットワークの使用を特定ネットワークの加入者に許可するよう依頼する。その要求は、BTS1908のネットワークに沿ってセルラネットワークの中心であるMSC1916に渡される。MSCはまた、全ての着信呼および発信呼を固定回線のネットワークまたは別のセルラネットワークとの間で送り合う。ユーザが呼の発信を欲する時、VLRと呼ばれるMSCの別の部分が、発呼者が実際にその呼の実行を許されているかをチェックする。例えば、発呼者が国際ダイアルを禁じられている場合、その効果を持つメッセージがVLRにより作られ、ネットワークに沿って送られ、そして殆ど即時に携帯電話機に返される。
MSC1916もまた、発呼者をそのネットワークの加入者として認証し、登録し、位置決定するのに必要な管理情報を提供するHLR1920と呼ばれる構成要素を備える。HLRがログオン要求を受信すると、HLR1920は直ちに要求に含まれる特別な「署名」をHLRの特別な加入者データベースと照合してチェックする。加入が認められていると、MSC1916は、BTS1908のネットワークを介して、発呼者がネットワークに接続を許可されている旨示すメッセージを電話機に送り返す。ネットワークの名前またはコードが携帯電話機1914のLCD画面に表示されよう。このネットワークの「名前」メッセージが電話機のLCD画面に表示されると、それは発呼者がネットワークに接続され、電話を送受できることを意味する。
HLR1920は、携帯電話機が現にどの基地局に接続されているかを登録し、ネットワークのMSC1916が着信呼を携帯電話番号に送る必要があるとき、先ずHLR1920をチェックすればその携帯電話機がどこに位置するかがわかるようにする。携帯電話機は、どこにそれが存在するかを示すメッセージを、ポーリングと呼ばれる処理にで、周期的にネットワークに送ることになる。追跡機能と発呼者の一意性あるデジタル署名の組合せにより、MSC1916が呼を、その携帯電話機が偶々接続されている将にその基地局に、それからその携帯電話機そのものに、多数のその他の加入者がその基地局に同時に接続されている場合であっても、送ることが可能になる。
例えば、ドライブ中に別のセルに移動したとき、HLR1920が自動的に更新され、発呼者がその後別の基地局の範囲内へと移動しても、その呼を厳密にどこへ送るべきかを監視し続ける。経路設定手順は、数十万の加入者の中から、正しい携帯電話機のみが必要なときに呼出し音を鳴らすことを意味する。
NSS1904は、MSC1916からPSTN1922への直接の接続を有する。また、NSS1904からGPRS基幹ネットワーク1906へのGr/Gsインタフェースを介する接続も存在する。これはオプションであり常に実装されるものではないが。図示のGPRS基幹ネットワーク1906は、(GbインタフェースによりBSS1902に接続された)SGSN1924およびGGSN1926を備えるように簡略化されている。SGSN1924およびGGSN1926は、GPRSバックボーンと呼ばれる私的なIPネットワーク1928により相互接続されており、これがGn参照点で示されている。コンピュータ1930が、インターネットまたは企業ネットワーク1932を介して基幹ネットワーク1906に接続されるように図示されている。
幾つかの音声メール・システムがネットワークの、ショートメッセージを処理する特別の設備である、SMSセンタ(SMSC)に結ばれている。SMSCは、メールボックスに発呼者宛ての未読メールがあるとき発呼者に知らせる、特別のSMSメッセージを生成する。SMSメッセージは、発呼者が音声呼の最中であっても、SMS対応の携帯電話機で受信することができる。これは、それらの2つが干渉しないよう、SMSメッセージが音声呼とは別の無線周波数のGSMデータ・チャンネルで送られるからである。
以上で述べてきた事項は、本開示の革新の事例を含んでいる。構成要素および/または方法の考え得るすべての組合せを述べることは、元より不可能であるが、多くのさらなる組合せや置換が可能であることを当業者は理解しよう。したがって、本革新は、添付の特許請求の精神と範囲に納まる、全てのそのような変更、修正および派生形を包摂することを意図するものである。さらに、用語「含む(include)」が明細書か特許請求の範囲かで使用される限り、この用語は、特許請求の範囲にけるトランジション語として使用される場合に解釈されるときの用語「含む(comprising)」と同様に、包括的であることを意図するものである。