JP2009303373A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】始動に十分な始動トルクを確保できる回転電機を提供することを課題とする。
【解決手段】ロータ2の始動時に、対向する永久磁石5N、5Sとステータ1のティース3とが反磁界となるように励磁電流を供給して励磁する一方、非対向の永久磁石5N、5Sとステータ1のティース3に対しては回転トルクの方向に対応した励磁電流を供給して励磁することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】ロータ2の始動時に、対向する永久磁石5N、5Sとステータ1のティース3とが反磁界となるように励磁電流を供給して励磁する一方、非対向の永久磁石5N、5Sとステータ1のティース3に対しては回転トルクの方向に対応した励磁電流を供給して励磁することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、電流損失が少なく小型化された回転電機に関する。
従来、この種の技術としては、例えば以下に示す文献に記載されたものが知られている(特許文献1、2参照)。各文献には、それぞれの回転子まわりの磁極数が異なる永久磁石の組に相当する複数の磁石磁束を合算して発生させる磁束発生部材を持つ回転子を備え、高調波磁束が発生するように永久磁石を配置した同期電動機の技術が記載されている。
特開2005−151236
特開2005−174885
上記従来の同期電動機においては、高調波磁束が含まれたBackEMF(誘起電圧)を有する電動機に基本波に重畳して高調波電流を通電する際に、電動機で発生するトルクは脈動的となり、瞬時最大トルクは非常に大きくなる一方、瞬時最小トルクはほぼ0となる場合がある。
このため、瞬時最小トルクがほぼ0になるときには、一般的な電流の通電方法では、電動機を始動するに十分な始動トルクが得られないといった問題があった。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、始動に十分な始動トルクを確保できる回転電機を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の課題を解決する手段は、電動機の始動時に、対向する永久磁石とステータティースとが反磁界となるように励磁電流を供給して励磁する一方、非対向の永久磁石とステータティースに対しては回転トルクの方向に対応した励磁電流を供給して励磁することを特徴とする。
本発明によれば、電動機の始動時に、永久磁石の端部に磁束を収集させ、かつ永久磁石の両端で異なる大きさの磁束密度を得ることが可能となり、これにより始動トルクを向上させることができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の実施例を説明する。
図1は本発明の実施例1に係る回転電機の構成を示す断面図であり、全体の1/8モデルを示している。図1に示す実施例1の回転電機は、円筒状のステータ(固定子)1の内側に所定の隙間を介してロータ(回転子)2が同軸に回転可能に配置され、同期型の電動機として構成され、N極及びS極の永久磁石の磁束発生部の中心が、駆動電流の基本波1極あたりの長さの中心に対して互いに異なる方向にずれて構成されている。
ステータ1は、例えば24個のティース3のそれぞれに巻線4が集中的に巻かれている。この巻線4は、8個おきに配置されている3個が1セット(U相、V相、W相、トータル8セット)となっており、直列あるいは並列に接続され、その一方が中性点として他の相の一方と接続され、他方は電動機に駆動電流を供給するインバータの内部で、電源ラインの+側・−側にスイッチング素子を介して接続されている。このインバータは8相を制御する構成となっている。なお、巻線4は集中巻に限らず分布巻でも適用可能である。
ロータ2は、この実施例では極数が16で、永久磁石5N,5Sがロータに埋め込まれた埋め込み磁石型で構成されている。ロータ2にはN極となる1対の永久磁石5NとS極となる1対の永久磁石5Sが、ロータコア6を挟んでそれぞれV字形に配置され、ロータ2の磁束を増加させている。ロータ2の内側には電動機の負荷と連結されるシャフト7が同軸に配置されている。
このような電動機において、永久磁石5N,5Sとティース3が対向するところと、ティース3が永久磁石5N,5Sと対向しないところがあり、ロータ2がフリーの状態においては図1に示す状態でロータ2がステータ1に対して停止する。このような状態においては、磁気エネルギーが最も低く安定した状態となり、ロータ2を始動することが困難となる。
図1に示す電動機は基本波電流と2次高調波電流とを重畳した、図2に示すような複合電流を通電して駆動するが、ロータ2の永久磁石5N,5Sとステータ1のティース3とが対向するところでは、複合電流あたりのトルクが小さく、電流はほぼ0となり始動するに十分なトルクが得られない。
そこで、図1に示すようなN極の永久磁石5N、S極の永久磁石5Sに対向したティースにはそれぞれの永久磁石5N,5S対して反発力(反磁界)が作用するように巻線4に複合電流を供給して励磁し、対向していないティース3の巻線4をトルクの向きによって決まる電流、すなわち始動トルクの方向と同方向となる電流で励磁する。これにより、図1に示すように。U相のティース3における励磁方向は符号Uで示す方向となり、V相のティース3における励磁方向は符号Vで示す方向となり、W相のティース3における励磁方向は符号Wで示す方向となる。
このように励磁することで、永久磁石5N,5Sの端部に磁束が集中し、さらに加えてこれらの磁束の密度の大きさが永久磁石5N,5Sの端部左右で異なるため、電動機を回転始動させるに十分な始動トルクを発生させることが可能となり、この始動トルクは図1に示す場合では時計方向に発生する。
また、ロータ2とステータ1の位置関係が磁気エネルギー的に安定したところで上述した複合電流を通電することで、最低トルクを向上することが可能となり、トルクリップルを低減することができる。これにより、このような電動機を車両用の走行用主モータに適用した場合には、振動や、この振動による振動音を抑制することが可能となり、乗り心地を向上させることができる。
上記で採用した励磁手法では、各相(U相、V相、W相)すべてを励磁したが、図3に示すように所定の2相だけを励磁するようにしても、同様に始動トルクを確保することが可能である。
すなわち、図3(a)に示す励磁では、U相のみに反磁界が作用するように励磁しているがV相は励磁していない。このような励磁では、U相、W相の励磁方向は符号U、符号Wで示す方向となり、巻線4の通電による励磁方向は符号C3aで示すようになり、永久磁石5Sにより発生した磁束は符号M3aで示すようになり、反時計方向の始動トルクが発生する。
一方、図3(b)に示す励磁では、V相のみに反磁界が作用するように励磁しているがU相は無励磁である。このような励磁では、V相、W相の励磁方向は符号V、符号Wで示す方向となり、巻線4の通電による励磁方向は符号C3bで示すようになり、永久磁石5Nで発生した磁束は符号M3bで示すようになり、時計方向の始動トルクが発生する。
図4はこの発明の実施例2に係る回転電機の構成を示す断面図である。この実施例2の特徴とするところは、図1に示す構成に対して、ロータ2に磁性体8を配置したことにある。磁性体8は、N極の永久磁石5NとS極の永久磁石5Sとの間のロータコア6内であって、ロータコア6と対向するステータ1におけるティース3の中心線9に対してN極の永久磁石5N側(もしくはS極の永久磁石5S側)に偏りティース3と対向し、ロータコア6の外側表層に配置されている。このように配置された磁性体8は、その透磁率が周囲のロータコア6の透磁率よりも低く設定されている。
このような磁性体8を設けることで、磁性体8により透磁率が段階的に変化する面(透磁率の不連続な面)に力が生じ、例えば先に説明した図3(a)に示すように励磁された場合には、その力は符号10で示すように始動トルクと同方向(反時計方向)に作用する。これにより、実施例1に比べて始動トルクのさらなる増大を図ることが可能となる。
なお、上記磁性体8に代えて、磁性体8が設けられたと同じ部位のロータコア6を削除して空間(エアースリット、切り欠き部)11としてもよい。このような構成では、この空間の部位の透磁率がμ0となるので、発生する力は大きくなり、より一層始動トルクを増大させることが可能となる。
図6はこの発明の実施例3に係る回転電機の構成を示す断面図である。この実施例3の電動機は、極数6でU相、V相、W相を1セットとする6セットの6相駆動タイプの電動機であり、6極数の2倍の12極数を等価的に実現した電動機であり、その特徴とするところは、ロータコア12に配置された一対の永久磁石13N、13Sの内、S極の永久磁石13Sの左右片側に空気層で形成されたフラックスバリア14を延長することで他方に比べて大きく形成し、フラックスバリアを非対称化したことにある。
このような特徴的な構成においては、フラックスバリア14を非対称化したことで先の図4、図5で説明したと同様の力が発生し、この力により始動トルクを増大させることが可能となる。また、永久磁石の漏れ磁束を低減することができる。
なお図6では、N極の永久磁石13NならびにS極の永久磁石13Sは1つの棒状の磁石で構成していたが、図7に示すように、それぞれの極を2つの永久磁石をV字型に配置して構成するようにしてもよい。このような構成を採用することで、磁束をさらに増加させることが可能となり、始動トルクをさらに増大させることができる。
図8はこの発明の実施例4に係る回転電機の始動開始時ならびにその後の回転を制御する制御回路の構成を示す図である。この制御回路は、目標始動電圧指令部21、目標電流切替部22、ならびにMVC制御(ベクトル制御)部23を備えて構成されている。
目標始動電圧指令部21は、ロータ回転センサ(図示せず)で検出されたロータが回転しているか停止しているかを示すロータ回転信号、ならびにロータ位置センサ(図示せず)で検出されたロータの位置信号を受けて、これらの信号に基づいて始動時のロータの停止位置に応じた目標始動電圧を得る際のPWM制御時の最大の目標始動電圧デューティを出力する。目標始動電圧指令部21は、ロータが停止している状態において、例えば先に説明した図3(a)に示すようにステータ1の巻線4を励磁してロータ2を回転始動させる場合には、同図に示すようにU相とW相を励磁する一方V相を無励磁とするために、U相とW相の目標始動電圧が最大となる目標始動電圧デューティを出力し、V相の目標始動電圧デューティを0とする。
目標始動電圧指令部21は、ロータが回転始動された後は、各相の目標始動電圧デューティはすべて0に設定して出力する。
目標電流切替部22は、ロータ回転信号によりロータが停止している場合には、電動機をベクトル制御して駆動する際の目標電流を0に設定して選択する一方、ロータが回転始動された後は、駆動電流の基本波成分ならびに2次の高調波成分のd軸とq軸の外部から与えられた目標電流を選択し、選択した目標電流をMVC制御部23に与える。
MVC制御部23は、目標電流切替部22で選択された目標電流を受けて、ロータの始動後に、電動機の各相をd軸電流ならびにq軸電流で制御して電動機の回転を制御するベクトル制御を実施する際の各相の目標電圧デューティを出力する。
このような構成において、ロータが停止している状態から始動するときには、停止時のロータ位置に応じて励磁する相の目標始動電圧デューティが目標始動電圧指令部21から出力される一方、始動時の目標電流は0に設定され、目標始動電圧指令部21から出力された目標始動電圧デューティが目標電圧デューティとして設定され、この目標電圧デューティに基づいて電動機を停止状態から始動する際の目標電圧が生成されて電動機に与えられ、これによりロータの始動時にステータは最大電流で励磁される。
一方、ロータが始動されて回転すると、回転信号に基づいて各相の目標始動電圧指令部21から出力される目標始動電圧デューティは0に設定される一方、目標電流切替部22で外部から与えられる目標電流が選択され、この目標電流に基づいてMVC制御部23で目標電圧デューティが生成され、生成された目標電圧デューティに基づいて電動機が回転した後のトルク制御が実施される。
このように、この実施例4では、ロータの停止位置に応じて最適な励磁により始動トルクを増大させて始動することが可能となり、始動後は円滑に回転時のトルク制御に移行することができる。
1…ステータ
2…ロータ
3…ティース
4…巻線
5N,5S,13N,13S…永久磁石
6…ロータコア
7…シャフト
8…磁性体
12…ロータコア
14…フラックスバリア
21…目標始動電圧指令部
22…目標電流切替部
23…MVC制御部
2…ロータ
3…ティース
4…巻線
5N,5S,13N,13S…永久磁石
6…ロータコア
7…シャフト
8…磁性体
12…ロータコア
14…フラックスバリア
21…目標始動電圧指令部
22…目標電流切替部
23…MVC制御部
Claims (6)
- ロータに配置されたN極及びS極の永久磁石の磁力発生部の中心が励磁電流の基本波における磁極1極あたりの長さの中心に対して互いに異なる方向にずれている回転電機において、
ロータの始動時に前記永久磁石と対向するステータティースの巻線に、対向する前記永久磁石に対して反磁界となる励磁電流を供給して励磁し、かつ前記永久磁石と対向していないステータティースの巻線に回転トルクの方向に対応した励磁電流を供給して励磁する励磁手段
を有することを特徴とする回転電機。 - 前記ステータティースに対向するロータコアに、前記ステータティースの中心線に対して左右いずれか一方側に偏って、周囲のロータコアの透磁率よりも低い透磁率の磁性体を配置した
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。 - 前記ステータティースに対向するロータコアに、前記ステータティースの中心線に対して左右いずれか一方側に偏ってエアースリットを設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。 - 前記永久磁石は、前記ロータ内に埋め込まれて配置され、前記永久磁石の左右両側にフラックスバリアが設けられ、前記左右のフラックスバリアが非対称化されている
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。 - 前記永久磁石は、V字型に配置されている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転電機。 - 前記永久磁石数当たりのステータティース数は1.5である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転電機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008154428A JP2009303373A (ja) | 2008-06-12 | 2008-06-12 | 回転電機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008154428A JP2009303373A (ja) | 2008-06-12 | 2008-06-12 | 回転電機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009303373A true JP2009303373A (ja) | 2009-12-24 |
Family
ID=41549671
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008154428A Pending JP2009303373A (ja) | 2008-06-12 | 2008-06-12 | 回転電機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009303373A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012086758A1 (ja) | 2010-12-24 | 2012-06-28 | Necライティング株式会社 | 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス照明装置 |
WO2021205724A1 (ja) * | 2020-04-08 | 2021-10-14 | 日立Astemo株式会社 | 回転子及び回転電機 |
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2008
- 2008-06-12 JP JP2008154428A patent/JP2009303373A/ja active Pending
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WO2012086758A1 (ja) | 2010-12-24 | 2012-06-28 | Necライティング株式会社 | 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス照明装置 |
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