JP2009301769A - 有機エレクトロルミネッセンス装置、およびその製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱室に投入された支持基板の枚数、支持基板上における樹脂の有無、支持基板の履歴などが相違している場合でも、支持基板から水分を十分に除去した後、有機機能層の形成を行なうことのできる有機EL装置、およびその製造装置を提供すること。
【解決手段】有機EL装置100を形成する際、第1電極層140を形成した後、正孔注入層181、正孔輸送層182、発光層183などの有機機能層を形成する前に真空加熱乾燥による水分除去工程をおこなう。この水分除去工程において、加熱室内の基板1枚当たりの水分量、あるいは加熱室内の単位時間当たりの水分減少量を示す監視値が所定レベルに到達した後、有機機能層工程を行なう。
【選択図】図3

Description

本発明は、支持基板上に有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)を備えた有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、有機EL装置という)、およびその製造装置に関するものである。
有機EL装置は、支持基板上に複数の画素が配列された画素領域を有し、前記複数の画素の各々に、少なくとも第1電極層、有機機能層、および第2電極層を備えた有機EL素子が形成された構造を有しており、支持基板において前記有機機能層より下層側に樹脂層を有する場合もある。かかる有機EL装置において、有機機能層は水分により劣化しやすい性質を有しており、有機機能層が水分により劣化した場合、ダークスポットに起因する表示品位の低下や、寿命低下が発生してしまう。
そこで、支持基板上に第1電極層を形成した後、有機機能層を形成する前に、加熱室内で支持基板を100〜200℃の温度で真空加熱して支持基板から水分を除去する水分除去工程を行い、かかる水分除去工程を行なった後、有機機能層を形成することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2004−79528号公報
しかしながら、加熱室に投入された支持基板の枚数が異なる場合や、支持基板上における樹脂の有無、支持基板の履歴などが相違すると、支持基板での水分の減少速度が変動するため、同一条件で真空加熱しても、全ての支持基板から水分を確実に除去することができないという問題点がある。その結果、水分が十分に除去されない支持基板に有機機能層が形成されてしまい、有機機能層の水分劣化に起因するダークスポットなどの発生を確実に防止することができないという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、加熱室に投入された支持基板の枚数、支持基板上における樹脂の有無、支持基板の履歴などが相違している場合でも、支持基板から水分を十分に除去した後、有機機能層の形成を行なうことのできる有機EL装置、およびその製造装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、支持基板上に第1電極層、有機機能層、および第2電極層が順に積層された有機EL素子を備えた有機EL装置の製造方法において、前記支持基板上に前記第1電極層を形成した後、前記有機機能層を形成する前に、前記支持基板を加熱室内で真空加熱して前記支持基板から水分を除去する水分除去工程を有し、当該水分除去工程では、前記加熱室内の水分量を直接あるいは他の物理量を介して間接的に測定し、当該測定結果に基づいて、前記加熱室内の水分量が所定レベルまで低下したと判定された後、前記支持基板に前記有機機能層を形成する有機機能層工程を行なうことを特徴とする。
本発明では、支持基板上に第1電極層、有機機能層、および第2電極層が順に積層された有機EL素子を備えた有機EL装置の製造装置において、前記支持基板上に前記第1電極層を形成した後、前記有機機能層を形成する前に、前記支持基板を真空加熱して前記支持基板から水分を除去する加熱室と、該加熱室内の水分量を直接あるいは他の物理量を介して間接的に測定するセンサと、前記センサによる計測結果に基づいて、前記加熱室内の水分量が所定レベルまで低下したと判定したとき、前記支持基板に対する前記有機機能層の形成を許容する制御部と、を有することを特徴とする。
本発明では、有機機能層を形成する前の水分除去工程において、加熱室内の水分を監視し、加熱室内の水分量が十分減少した時点で支持基板に対する有機機能層の形成を行なう。従って、支持基板を一律に真空加熱する場合と違って、加熱室に投入された支持基板の枚数、支持基板上における樹脂の有無、支持基板の履歴などが相違している場合でも、支持基板から水分を十分に除去した後、有機機能層の形成を行なうことができるので、有機機能層の水分劣化に起因するダークスポットなどの発生を確実に防止することができる。
本発明は特に、前記水分除去工程の前に前記支持基板上に樹脂層を形成する樹脂層形成工程を有している場合に適用すると効果的である。このように構成すると、樹脂に多量の水分が含まれている場合でも、かかる水分を十分に除去してから有機機能層の形成を行なうことができるので、有機機能層の水分劣化に起因するダークスポットなどの発生を確実に防止することができる。
本発明において、前記水分除去工程では、前記加熱室内の支持基板1枚当たりの水分量、あるいは前記加熱室内の単位時間当たりの水分減少量を示す監視値が所定レベルに到達した後、前記有機機能層工程を行なうことが好ましい。このように構成すると、加熱室に投入された支持基板の枚数が相違している場合でも、支持基板に付着している水分量を適正かつ確実に監視することができるので、水分除去工程を効率よく、かつ、適正に行なうことができる。
本発明において、前記乾燥室内の水分量を測定するにあたっては、前記物理量として前記加熱室内の真空度を測定することが好ましい。このように構成すると、微量の水分量を容易かつ確実に監視することができる。
この場合、前記加熱室内に今回投入した前記支持基板の枚数をNとし、前記支持基板を今回、投入する前の前記加熱室の真空度をM1Paとし、現在の前記加熱室内の真空度をM2Paとしたとき、以下の式で求められる値
(M2−M1)/N
が0.3×10-4Pa未満になったとき、前記有機機能層工程を行なうことが好ましい。このように構成すると、このように構成すると、加熱室に投入された支持基板の枚数が相違している場合でも、支持基板に付着している水分量を適正かつ確実に監視することができるので、水分除去工程を効率よく、かつ、適正に行なうことができる。
また、本発明では、前記加熱室内の1分当たりの真空度向上度が3.0×10-6Pa/min未満になったとき、前記支持基板に対して前記有機機能層工程を行なってもよい。すなわち、水分除去が進行するほど、真空度向上度が低下するので、かかる真空向上度を監視すれば、加熱室に投入された支持基板の枚数が相違している場合でも、支持基板に付着している水分量を適正かつ確実に監視することができるので、水分除去工程を効率よく、かつ、適正に行なうことができる。
図面を参照して、本発明を適用した有機EL装置、その製造方法並びに製造装置について説明する。なお、以下の説明に用いる各図においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせてある。
(全体構成)
図1は、本発明を適用した有機EL装置の電気的構成を示すブロック図である。図2(a)、(b)は各々、本発明を適用した有機EL装置を第2基板(封止基板)の側から見た平面図、およびそのJ−J′断面図である。
図1に示す有機EL装置100においては、素子基板としての第1基板110上に、複数の走査線3aと、走査線3aに対して交差する方向に延びる複数のデータ線6aと、走査線3aとデータ線6aとの交差に対応する位置に形成された画素100aとを有しており、複数の画素100aがマトリクス状に配列されている領域によって画素領域110aが構成されている。
また、第1基板110上では、データ線6aに並列して複数の電源線6gが延在し、走査線3aに並列して複数の容量線3eが延在している。データ線6aにはデータ線駆動回路101が接続され、走査線3aには走査線駆動回路104が接続されている。複数の画素100aの各々には、走査線3aを介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用の薄膜トランジスタ30bと、このスイッチング用の薄膜トランジスタ30bを介してデータ線6aから供給される画素信号を保持する保持容量70と、保持容量70によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用の薄膜トランジスタ30cと、この薄膜トランジスタ30cを介して電源線6gに電気的接続したときに電源線6gから駆動電流が流れ込む有機EL素子180とが構成されている。ここで、有機EL素子180は各々、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光を出射し、かかる3つの色に対応する3つの画素100aがサブピクセルを構成している。本形態では、同一の色に対応する画素100aがデータ線6aの延在方向に直線的に並ぶストライプ配列が採用されている。
かかる有機EL装置100では、走査線3aが駆動されてスイッチング用の薄膜トランジスタ30bがオンになると、そのときのデータ線6aの電位が保持容量70に保持され、保持容量70が保持する電荷に応じて、駆動用の薄膜トランジスタ30cのオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用の薄膜トランジスタ30cのチャネルを介して、電源線6gから第1電極層140に電流が流れ、さらに有機機能層を介して第2電極層85に電流が流れる。その結果、有機EL素子180は、これを流れる電流量に応じて発光する。
なお、図1に示す構成では、電源線6gおよび容量線3eが各々、データ線駆動回路101および走査線駆動回路104から延在しているが、定電位が印加されるため、電源線6gおよび容量線3eが直接、端子102から延在している構成などを採用してもよい。また、図1に示す構成では、走査線3aと並列に容量線3eを形成したが、容量線3eを形成せずに、電源線6gと薄膜トランジスタ30bのドレインとの間に保持容量70を形成することもできる。
かかる有機EL装置100は具体的には、図2(a)、(b)に示すように構成される。図2(a)、(b)において、有機EL装置100では、素子基板としての第1基板110と、封止基板としての機能を担う透光性基板を備えた第2基板120とを有しており、第1基板110において、複数の有機EL素子180が形成されている面側に第2基板120が重ねて配置されている。第1基板110と第2基板120とは、第1シール材層191および第2シール材層192によって貼り合わされている。第1シール材層191は、図2(a)にドットを密に付した領域で示してあるように、画素領域110aの周りを囲む周辺領域110cに沿って枠状に形成されている。これに対して、第2シール材層192は、図2(a)にドットを疎に付した領域で示してあるように、第1シール材層191で囲まれた領域の全体にわたって形成されている。
なお、第1基板110において、第2基板120からの張り出し領域110fには端子102、103が形成されており、かかる端子102、103を利用して、図1に示すデータ線駆動回路101や走査線駆動回路104を内蔵する駆動用ICが実装されたフレキシブル基板(図示せず)が接続される。
(有機EL素子の構成)
図3は、本発明を適用した有機EL装置の断面構成を模式的に示す断面図であり、有機EL素子として、赤色(R)、緑色(G)に対応する有機EL素子を1つずつ示し、青色(B)に対応する有機EL素子については2つ示してある。
図3に示すように、第1基板110は、石英基板、ガラス基板、セラミック基板、金属基板などからなる支持基板110dを備えている。支持基板110dの表面には、絶縁膜111、112、113、114、115が形成され、絶縁膜115の上層に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光を出射する有機EL素子180(R)、(G)、(B)が形成されている。本形態において、絶縁膜111、112、113、115は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより形成された酸化シリコン膜や窒化シリコン膜などから形成され、絶縁膜114は、厚さが1.5〜2.0μmの厚い感光性樹脂からなる平坦化膜として形成されている。絶縁膜111は下地絶縁層であり、図示を省略するが、絶縁膜111、112、113、114の層間などを利用して、有機EL素子180(R)、(G)、(B)に対する通電を制御する薄膜トランジスタや配線が形成されている。
本形態の有機EL装置100は、トップエミッション型であり、矢印L1で示すように、支持基板110dからみて有機EL素子180(R)、(G)、(B)が形成されている側から光を取り出すので、支持基板110dとしては、アルミナなどのセラミックス、ステンレススチールなどといった不透明な基板を用いることができる。また、絶縁膜114、115の層間には、真空蒸着法などにより形成されたアルミニウム、銀、それらの合金からなる光反射層131が形成されており、有機EL素子180(R)、(G)、(B)から支持基板110dに向けて出射された光を光反射層131で反射することにより、光を出射可能である。なお、有機EL装置100をボトムエミッション型で構成した場合、支持基板110dの側から光を取り出すので、支持基板110dとしては、ガラスなどの透明基板が用いられる。
第1基板110では、絶縁膜115の上層にITO膜などからなる第1電極層140(画素電極/陽極層)が島状に形成されており、第1電極層140の上層には、発光領域を規定するための開口部を備えた感光性樹脂などからなる厚い隔壁151が形成されている。第1電極層140を構成するITOなどの酸化物材料についてはECRプラズマスパッタ法やプラズマガン方式イオンプレーティング法、マグネトロンスパッタ法などの高密度プラズマ成膜法により形成することができる。
第1電極層140の上層には、正孔注入層181、正孔輸送層182、各色の発光層183(R)、(G)、(B)、電子輸送層184などの有機機能層が形成され、かかる有機機能層の上層に、LiFからなる電子注入層170と、AlやMgAgなどの薄膜金属からなる第2電極層171(陰極層)が積層されている。また、第2電極層171の上層には、Alなどからなる補助配線172がストライプ状に形成されている。正孔注入層181は、トリアリールアミン(ATP)多量体などからなり、正孔輸送層182は、TPD(トリフェニルジアミン)などからなる。発光層183(R)、(G)、(B)は、アントラセン系ドーパントやルブレン系ドーパントなどを含むスチリルアミン系材料(ホスト)などからなり、電子輸送層184は、アルミニウムキノリノール(Alq3)などからなる。このようにして、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光を出射する有機EL素子180(R)、(G)、(B)が形成されている。これらの層(正孔注入層181、正孔輸送層182、発光層183(R)、(G)、(B)、電子輸送層184、電子注入層170、第2電極層171、補助配線172)はいずれも、真空蒸着法で順次形成することができる。
なお、有機EL素子が白色光、または赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の混合色光を出射するように構成する場合があり、このような場合、第2基板120において、有機EL素子と対向する位置に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のカラーフィルタ層を形成して色変換を行なえば、フルカラー表示を行なうができる。
このように構成した有機EL装置100において、有機機能層(正孔注入層181、正孔輸送層182、発光層183(R)、(G)、(B)、電子輸送層184)は、水分により劣化しやすく、かかる劣化は、電子注入効果の劣化などを惹き起こし、ダークスポットと呼ばれる非発光部分を発生させてしまう。そこで、本形態では、第2基板120を封止基板として第1基板110と貼り合せた構成が採用されている。
まず、図1(a)、(b)および図2に示すように、第1基板110と第2基板120との間では、周辺領域110cに沿って第1シール材層191が矩形枠状に形成されている。また、第1シール材層191で囲まれた領域の全体にわたって透光性の第2シール材層192が形成され、第1基板110と第2基板120とは、第1シール材層191および第2シール材層192によって貼り合わされている。本形態において、第1シール材層191には、紫外線によって硬化するエポキシ系接着剤が用いられている。第2シール材層192には、熱によって硬化するエポキシ系接着剤が用いられている。なお、第1基板110に対して、第2電極層171の上層に、窒化シリコン(SiNx)膜や酸窒化シリコン(SiOxy)膜からなる第1層、樹脂層からなる第2層(有機緩衝層)と、および窒化シリコン膜や酸窒化シリコン)膜からなる第3層を備えた積層膜を封止膜として形成することもある。
(有機EL装置の製造方法および製造装置)
さらに、本形態では、有機機能層(正孔注入層181、正孔輸送層182、発光層183(R)、(G)、(B)、電子輸送層184)が水分により劣化することを防止することを目的に、以下の製造装置および製造方法が採用されている。
まず、図1〜図3を参照して説明した有機EL装置100は、図4を参照して説明する製造装置において、真空雰囲気(減圧雰囲気)や窒素雰囲気など、大気と異なる状態での複数の処理を行なうことにより製造される。
図4は、本発明を適用した有機EL装置100の製造装置の構成を模式的に示す平面図である。図4には、有機EL装置100の製造装置10のうち、図3に示す隔壁151までを形成し終えた第1基板110に対して、プラズマ処理や、有機機能層(正孔注入層181、正孔輸送層182、発光層183(R)、(G)、(B)、電子輸送層184)、および無機膜(電子注入層170、第2電極層171、補助配線172)を形成するとともに、封止用の第2基板120を貼り合せるまでの処理を行なう部分が示されている。
図4に示す製造装置10は、クラスタ型の処理ステーション11〜14と、封止ステーション15とを備えている。処理ステーション11と処理ステーション12との間は基板搬送室21で接続され、処理ステーション12と処理ステーション13との間は基板搬送室22で接続され、処理ステーション13と処理ステーション14との間は基板搬送室23で接続され、処理ステーション14と封止ステーション15との間は基板搬送室24で接続されている。ここで、処理ステーション11〜14、封止ステーション15、基板搬送室21〜24はいずれも、真空雰囲気(減圧雰囲気)や窒素雰囲気など、大気と異なる雰囲気に保持されている。
第1番目の処理ステーション11は、八角形の平面形状を備えたメインチャンバ11aと、メインチャンバ11aの辺に相当する接続されたサブチャンバ11b〜11eとを備えており、メインチャンバ11aおよびサブチャンバ11b〜11eは、真空雰囲気(減圧雰囲気)や窒素雰囲気など、大気と異なる雰囲気に保持されている。メインチャンバ11aの中央付近には、基板搬送ロボット(図示せず)が配置され、かかる基板搬送ロボットは、第1基板110(被処理基板)の搬送、取り上げ、載置などを行なうアームを備えている。本形態において、処理ステーション11は前処理クラスタとして利用される。このため、サブチャンバ11b〜11eは各々、第1基板110の仕込み室、加熱室、プラズマ処理室、予備室として利用される。
第2番目の処理ステーション12(有機機能膜形成エリア)も、第1番目の処理ステーション11と同様、八角形の平面形状を備えたメインチャンバ12aと、メインチャンバ12aの辺に相当する接続されたサブチャンバ12b〜12eとを備えており、メインチャンバ12aおよびサブチャンバ12b〜12eは、真空雰囲気(減圧雰囲気)や窒素雰囲気など、大気と異なる雰囲気に保持されている。メインチャンバ12aの中央付近には、基板搬送ロボット(図示せず)が配置されている。本形態において、処理ステーション12は、第1の有機蒸着クラスタとして利用される。このため、サブチャンバ12b〜12dは各々、有機蒸着室として利用され、サブチャンバ12eは、予備室として利用される。
第3番目の処理ステーション13(有機機能膜形成エリア)も、処理ステーション11と同様、八角形の平面形状を備えたメインチャンバ13aと、メインチャンバ13aの辺に相当する接続されたサブチャンバ13b〜13eとを備えており、メインチャンバ13aおよびサブチャンバ13b〜13eは、真空雰囲気(減圧雰囲気)や窒素雰囲気など、大気と異なる雰囲気に保持されている。メインチャンバ13aの中央付近には、基板搬送ロボット(図示せず)が配置されている。本形態において、第3番目の処理ステーション13は、第2の有機蒸着クラスタとして利用される。このため、サブチャンバ13b〜13dは各々、有機蒸着室として利用され、サブチャンバ13eは、予備室として利用される。
第4番目の処理ステーション14(無機膜形成エリア)も、処理ステーション11と同様、八角形の平面形状を備えたメインチャンバ14aと、メインチャンバ14aの辺に相当する接続されたサブチャンバ14b〜14dとを備えており、メインチャンバ14aおよびサブチャンバ14b〜14dは、真空雰囲気(減圧雰囲気)や窒素雰囲気など、大気と異なる雰囲気に保持されている。メインチャンバ14aの中央付近には、基板搬送ロボット(図示せず)が配置されている。本形態において、第4番目の処理ステーション14は、金属蒸着クラスタとして利用される。このため、サブチャンバ14b〜14dは各々、金属蒸着室として利用される。
封止ステーション15は、長方形のメインチャンバ15aと、メインチャンバ15aの辺に相当する接続されたサブチャンバ15b〜15dとを備えており、メインチャンバ15aおよびサブチャンバ15b〜15dは、真空雰囲気(減圧雰囲気)や窒素雰囲気など、大気と異なる雰囲気に保持されている。メインチャンバ14aの中央付近には、基板搬送ロボット(図示せず)が配置されている。ここで、サブチャンバ15b〜15dは各々、シール材塗布室、封止ガラス(第2基板120)の搬入室、基板搬出口として利用される。
このように構成した有機EL装置100の製造装置10において、基板搬送室21〜24での基板の受け渡しは、その前後に位置するステーションに配置された基板搬送ロボットにより行なわれる。また、各ステーションにおいて、メインチャンバとサブチャンバとの間や、メインチャンバと基板搬送室との間にはゲートバルブ(図示せず)が配置されている。
(有機EL装置の製造方法)
図1〜図3を参照して説明した有機EL装置100を製造するには、例えば、単品サイズの基板に対して各工程を行なう方法と、第1基板110を多数取りできる大型基板に各工程を行なった後、大型基板に対して、第2基板120を多数取りできる大型基板を貼り合わせ、しかる後に単品サイズの有機EL装置100を切断する方法が採用される。いずれに方法でも基本的な内容は同様であるので、以下の説明では、単品サイズの基板を用いる場合を説明する。
本形態では、まず、図3に示すように、第1基板110に対して周知の半導体プロセス、その他のプロセスを利用して第1基板110に隔壁151を形成した後、図4に示す第1番目の処理ステーション11のサブチャンバ11b(仕込室)に第1基板110を投入する。次に、サブチャンバ11c(加熱室)において第1基板110に真空加熱を行ない、第1基板110に付着していた水分を除去する。次に、サブチャンバ11d(プラズマ処理室)において第1基板110に酸素プラズマを照射する。かかる酸素プラズマ照射を行なえば、第1電極層140を構成するITO膜の仕事関数を4.6eVから5.0eV、さらには5.2eVまで高め、正孔注入層181のHOMOレベルと同等レベルに調整することができるので、正孔移動の障壁ができることを防止することができる。
次に、基板搬送室21を介して第1基板110を第1番目の処理ステーション11から第2番目の処理ステーション12に搬送し、計3回の有機機能膜形成工程を行なう。第2番目の処理ステーション12では、まず、サブチャンバ12b(有機蒸着室)において正孔注入層181を真空蒸着する。その際、第1基板110に対して、成膜用マスクを重ねておき、第1基板110の所定領域に正孔注入層181を選択的に形成する。次に、サブチャンバ12c(有機蒸着室)において正孔輸送層182を真空蒸着する。その際も、第1基板110に対して、成膜用マスク52を重ねておき、第1基板110の所定領域に正孔輸送層182を選択的に形成する。以下、同様な方法で、サブチャンバ12e(有機蒸着室)において、第1基板110の所定領域に発光層183(B)を真空蒸着(マスク蒸着)する。なお、サブチャンバ12e(予備室)は、第2番目の処理ステーション12での処理前、処理途中あるいは処理後の第1基板110の一時的な滞留や、蒸着材料の保管に用いられる。
次に、基板搬送室22を介して第1基板110を第2番目の処理ステーション12から第3番目の処理ステーション13に搬送し、計3回の有機機能膜形成工程を行なう。第3番目の処理ステーション13では、まず、サブチャンバ13b(有機蒸着室)において、第1基板110の所定領域に発光層183(G)を真空蒸着(マスク蒸着)する。次に、サブチャンバ13c(有機蒸着室)において、第1基板110の所定領域に発光層183(R)を真空蒸着(マスク蒸着)する。次に、サブチャンバ13d(有機蒸着室)において、第1基板110の所定領域に電子輸送層184を真空蒸着(マスク蒸着)する。なお、サブチャンバ13e(予備室)は、第3番目の処理ステーション13での処理前、処理途中あるいは処理後の第1基板110の一時的な滞留や、蒸着材料の保管に用いられる。
次に、基板搬送室23を介して第1基板110を第3番目の処理ステーション13から第4番目の処理ステーション14に搬送し、計3回の無機膜形成工程を行なう。第4番目の処理ステーション14では、まず、サブチャンバ14b(金属蒸着室)において、第1基板110の所定領域に電子注入層170を真空蒸着(マスク蒸着)する。かかるマスク蒸着によれば、フォトリソグラフィ技術やエッチング技術によるパターニングを行なう必要がないので、先に形成した有機機能層を水分で劣化させることなく、電子注入層170を所定領域に形成することができる。次に、補助配線形成工程では、サブチャンバ14c(金属蒸着室/補助配線形成部)において、第1基板110の所定領域に補助配線172を真空蒸着(マスク蒸着)する。次に、第2電極層形成工程において、サブチャンバ14d(金属蒸着室/第2電極層形成部)で第1基板110の所定領域に第2電極層171を真空蒸着(マスク蒸着)する。
その結果、図5に示す第1基板110には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光を出射する3つの有機EL素子180(R)、(G)、(B)をサブ画素して備えた画素がマトリクス状に形成される。
次に、基板搬送室24を介して第1基板110を第4番目の処理ステーション14から封止ステーション15に搬送する。封止ステーション15では、まず、サブチャンバ15b(シール材塗布室)において、第1シール材層191および第2シール材層192を形成するためのシール材191a、192aを順次塗布した後、メインチャンバ15aにおいて、サブチャンバ15c(封止ガラス搬入室)に搬入されていた第2大型基板を第1基板110に重ね合わせるとともに、第1シール材層191および第2シール材層192を硬化させ、第1基板110と第2大型基板とを第1シール材層191および第2シール材層192によって貼り合せる。
しかる後には、第2基板120が貼り合わされた第1基板110をサブチャンバ15d(基板搬出口)から搬出する。かかる工程によって有機EL装置100が完成する。
(水分対策の構成例1)
図5(a)、(b)は、図4に示す製造装置の加熱室の構成を模式的に示す説明図、およびこの加熱室内の真空度(水分量)の時間的変化を示すグラフである。図6は、本形態の有機EL装置100の製造方法のうち、サブチャンバ11c(加熱室)で行なう水分除去工程の内容を示すフローチャート図である。
図4に示す製造装置10において、サブチャンバ11c(加熱室)の内部には、図5(a)に示すように、昇降装置19の出力軸が配置されているとともに、この出力軸には、複数枚の支持基板10dが載置される基板ホルダ18が連結されている。また、基板ホルダ18において、支持基板10dの載置面は、シーズヒータ内蔵のホットプレート17になっており、支持基板10dに対する加熱が行なわれる。ここで、支持基板10dにおいて有機EL素子180が形成される面側をホットプレート17に向けて載置される場合には、ホットプレート17の基板載置面に突起を形成しておけば、支持基板10dにおいて有機EL素子180が形成される面に傷が付くことを防止できるとともに、水分除去を効率よく行なうことができる。
また、サブチャンバ11cには、排気管(図示せず)を介して真空ポンプ(図示せず)が接続されており、サブチャンバ11cの内部では、支持基板10dに対する真空加熱乾燥がおこなわれる。なお、サブチャンバ11には、ゲートバルブ16bを介して固定チャンバ11aが接続されており、固定チャンバ11aに配置された基板搬送ロボット16a、ゲートバルブ16b、および昇降装置19が連動してサブチャンバ11cから固定チャンバ10aを経由してプラズマ処理用のサブチャンバ11d(図4参照)への支持基板10dの搬出が行なわれる。また、同様な機構を採用して、サブチャンバ11cの内部への支持基板10dの搬入、および基板ホルダ18のホットプレート17上への支持基板10dの載置が行なわれる。
さらに、サブチャンバ11cに対しては、その内部の真空度を計測するセンサ21が配置されており、かかるセンサ21は、制御部20に接続されている。制御部20はマイクロコンピュータなどから構成されており、RAMやROMに格納されているプログラムに基づいて、図6を参照して説明する水分除去工程を制御する。
このように構成したサブチャンバ11cにおいて、支持基板10dを投入すると、図5(b)に示すように、支持基板10dから出た水分によってサブチャンバ11c内の真空度が高くなり、真空加熱乾燥を行なっていくうちに、サブチャンバ11c内の水分が減少し、サブチャンバ11c内の真空度が低下していく。但し、新たな支持基板10dをサブチャンバ11cに投入すると、新たな支持基板10dから出た水分によってサブチャンバ11c内の真空度がいったん上昇し、その後、真空加熱乾燥によって、サブチャンバ11c内の水分が減少し、サブチャンバ11c内の真空度が低下していくが、支持基板10dが1枚のときと、支持基板10dが2枚のときとでは、真空度の変化や絶対値が相違する。従って、サブチャンバ11cに投入された支持基板10dの枚数が異なる場合や、支持基板10d上における樹脂の有無、支持基板10dの履歴などが相違すると、同一条件で真空加熱乾燥を行なっても、支持基板10dの水分を確実に除去できないことになる。そこで、本形態では、図6を参照して説明するように、新たな方法で支持基板10dへの真空加熱乾燥を監視、制御する。
図6において、処理がスタートすると、まず、ステップST201において加熱室(サブチャンバ11c)を真空引きした後、ステップST202においてサブチャンバ11cでホットプレート17による加熱を開始し、さらに、ステップST203においてサブチャンバ11cを真空引きする。
次に、ステップST204において、サブチャンバ11cの真空度が1.0×10-3Pa未満になった否かを判断し、真空度が1.0×10-3Pa未満になっていない場合には、ステップST203に戻ってサブチャンバ11cを真空引きする。これに対して、ステップST204において、サブチャンバ11cの真空度が1.0×10-3Pa未満になっていると判断した場合には、ステップST205においてサブチャンバ11cの真空度をM1として記憶してから、ステップST206においてサブチャンバ11cへの支持基板10dの投入を行なう。
この状態で真空加熱乾燥を行い、ステップST207において、サブチャンバ11cの真空度が1.0×10-3Pa未満になった否かを判定し、真空度が1.0×10-3Pa未満である場合には、ステップST208において、サブチャンバ11cに投入すべき支持基板10dの有無を判断する。そして、ステップST208での判断において、サブチャンバ11cに投入すべき支持基板10dが有ると判断したときには、ステップST206に戻ってサブチャンバ11cへの支持基板10dの投入を行なう。
これに対して、ステップST207の判断において、サブチャンバ11cの真空度が1.0×10-3Pa以上になっていると判断した場合、あるいはステップST208の判断において、サブチャンバ11cに投入すべき支持基板10dが無いと判断したときには、ステップST209においてサブチャンバ11cを真空引きする。
次に、ステップST210においてサブチャンバ11cの真空度をM2として記憶するとともに、サブチャンバ11cに投入した支持基板10dの枚数をNとして記憶し、ステップST211において以下の式
M3=0.3×10-4Pa×N+M1
により値M3を求める。
次に、ステップST212において、値M2が値M3未満であるか否かを判断する。すなわち、((M2−M1)/N)で求められる支持基板一枚当たりの真空度の増分が0.3×10-4Pa未満であるか否かを判断する。かかる判断で、値M2が値M3未満でないと判断したときは、ステップST209に戻ってサブチャンバ11cを真空引きし、上記の処理を繰り返す。
これに対して、値M2が値M3未満であると判断したときは、支持基板10dから十分、水分が除去されたと判断して、ステップST213においてサブチャンバ11cからの支持基板10dの搬出を行なう。
そして、サブチャンバ11cからの支持基板10dの搬出を行なった後、ステップST214で、前工程からの次の支持基板10dの受け入れ要求が有るか否かを判断し、次の支持基板10dの受け入れ要求が有る場合には、ステップST205に戻って上記の処理を繰り返す一方、次の支持基板10dの受け入れ要求が無い場合には、処理を終了する。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、サブチャンバ11c内の真空度が十分高まったとき、水分量が所定レベルまで低下したと判断して支持基板10dに対する有機機能層の形成を許容する一方、サブチャンバ11c内の真空度が十分高まっていないときには、水分量が十分低下していないと判断して支持基板10dに対する有機機能層の形成を行なわない。すなわち、サブチャンバ11cに今回投入した支持基板10dの枚数をNとし、支持基10d板を今回、投入する前のサブチャンバ11cの真空度をM1Paとし、現在のサブチャンバ11cの真空度をM2Paとしたとき、以下の式で求められる値
(M2−M1)/N
が0.3×10-4Pa未満になったとき、水分量が所定レベルまで低下したと判断して支持基板10dに対する有機機能層の形成を許容する。言い換えれば、支持基板1枚当たりの真空度の増分が0.3×10-4Pa以下になるまで真空加熱乾燥を行なう。従って、サブチャンバ11cに投入された支持基板10dの枚数が相違している場合でも、支持基板10dに付着している水分量を適正かつ確実に監視することができるので、水分除去工程を効率よく、かつ、適正に行なうことができる。それ故、平坦化膜としての絶縁膜114、および隔壁151を構成する感光性樹脂に水分が多量に含まれているような場合でも、支持基板10dから水分を十分に除去してから有機機能層を形成することができるので、有機機能層の水分劣化に起因するダークスポットなどの発生を確実に防止することができる。
(水分対策の構成例2)
図7は、本発明を適用した有機EL装置100の別の製造方法において、サブチャンバ11c(加熱室)で行なう水分除去工程の内容を示すフローチャート図である。なお、本形態の基本的な構成は、図1〜図6を参照して説明した構成と同様であるため、共通する機能を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本形態でも、図5(a)に示すように、サブチャンバ11cに対しては、その内部の真空度を計測するセンサ21が配置されており、かかるセンサ21は、制御部20に接続されている。制御部20はマイクロコンピュータなどから構成されており、RAMやROMに格納されているプログラムに基づいて、図7を参照して説明する水分除去工程を制御する。
図7において、処理がスタートすると、まず、ステップST401において加熱室(サブチャンバ11c)を真空引きした後、ステップST402においてサブチャンバ11cでホットプレート17による加熱を開始し、さらに、ステップST403においてサブチャンバ11cを真空引きする。
次に、ステップST404において、サブチャンバ11cの真空度が1.0×10-3Pa未満になった否かを判断し、真空度が1.0×10-3未満になっていない場合には、ステップST403に戻ってサブチャンバ11cを真空引きする。これに対して、ステップST404において、サブチャンバ11cの真空度が1.0×10-3Pa未満になっていると判断した場合には、ステップST405においてサブチャンバ11cへの支持基板10dの投入を行なう。
この状態で真空加熱乾燥を行い、ステップST406において、サブチャンバ11cの真空度が1.0×10-3Pa未満になった否かを判定し、真空度が1.0×10-3Pa未満である場合には、ステップST407において、サブチャンバ11cに投入すべき支持基板10dの有無を判断する。そして、ステップST407での判断において、サブチャンバ11cに投入すべき支持基板10dが有ると判断したときには、ステップST405に戻ってサブチャンバ11cへの支持基板10dの投入を行なう。
これに対して、ステップST406の判断において、サブチャンバ11cの真空度が1.0×10-3Pa以上になっていると判断した場合、あるいはステップST407での判断において、サブチャンバ11cに投入すべき支持基板10dが無いと判断したときには、ステップST408においてサブチャンバ11cを真空引きする。
次に、ステップST409においてサブチャンバ11cの真空度をM1′として記憶するとともに、ステップST410においてサブチャンバ11cを1分間真空引きする。そして、ステップST411においてサブチャンバ11cの真空度をM2′として記憶した後、ステップST412において、以下の式
DP=M1′−M2′
により真空度向上度DP
次に、ステップST413において、真空度向上度DPが3.0×10-6Pa/min未満であるか否かを判断する。すなわち、水分の減少速度が3.0×10-6Pa/min未満まで低下しているか否かを判断する。かかる判断で、真空度向上度DPが3.0×10-6Pa/min未満でないと判断したときは、ステップST409に戻ってサブチャンバ11cを真空引きし、上記の処理を繰り返す。
これに対して、真空度向上度DPが3.0×10-6Pa/min未満であると判断したときは、支持基板10dから十分、水分が除去されたと判断して、ステップST414においてサブチャンバ11cからの支持基板10dの搬出を行なう。
そして、サブチャンバ11cからの支持基板10dの搬出を行なった後、ステップST415で、前工程からの次の支持基板10dの受け入れ要求が有るか否かを判断し、次の支持基板10dの受け入れ要求が有る場合には、ステップST405に戻って上記の処理を繰り返す一方、次の支持基板10dの受け入れ要求が無い場合には、処理を終了する。
以上説明したように、本形態では、サブチャンバ11c内の真空度が十分高まったとき、水分量が所定レベルまで低下したと判断して支持基板10dに対する有機機能層の形成を許容する一方、サブチャンバ11c内の真空度が十分高まっていないときには、水分量が十分低下していないと判断して支持基板10dに対する有機機能層の形成を行なわない。すなわち、サブチャンバ11cの1分当たりの真空度向上度DPが3.0×10-6Pa/min未満になったとき、水分量が所定レベルまで低下したと判断して支持基板10dに対する有機機能層の形成を許容する。言い換えれば、支持基板10dに付着している水分量が十分減少して、真空度向上度DPが低くなるまで真空加熱乾燥を行なう。従って、サブチャンバ11cに投入された支持基板10dの枚数が相違している場合でも、支持基板10dに付着している水分量を適正かつ確実に監視することができるので、水分除去工程を効率よく、かつ、適正に行なうことができる。それ故、平坦化膜としての絶縁膜114、および隔壁151を構成する感光性樹脂に水分が多量に含まれているような場合でも、支持基板10dから水分を十分に除去してから有機機能層を形成することができるので、有機機能層の水分劣化に起因するダークスポットなどの発生を確実に防止することができる。
[その他の実施の形態]
上記形態では、サブチャンバ11cの真空度の測定を介して、サブチャンバ11cの水分量を監視し、サブチャンバ11c内の基板1枚当たりの真空度(水分量)、あるいはサブチャンバ11c内の単位時間当たりの真空度向上量(水分減少量)に基づいて水分の除去度合いを判定したが、四重極型質量分析計などを用いてサブチャンバ11cの水分分圧(水分量)を直接測定し、サブチャンバ11c内の基板1枚当たりの水分量、あるいはサブチャンバ11c内の単位時間当たりの水分減少量に基づいて水分の除去度合いを判定してもよい。
上記形態では、真空蒸着法により有機機能層を形成する例を説明したが、インクジェット法などで形成した有機機能層を備えた有機EL装置に本発明を適用してもよい。すなわち、有機EL素子の正孔注入層を形成するにあたっては、3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)などを溶媒に溶かした液状組成物をドット状に吐出した後、それを定着する方法が採用される場合があり、かかる方法を採用した場合に本発明を適用してもよい。また、有機EL素子の発光層を形成するにあたっては、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、またはこれらの高分子材料にペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、例えばルブレン、ペリレン、ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープした材料などを溶媒に溶かした液状組成物をドット状に吐出した後、それを定着する方法が採用される場合があり、かかる方法を採用した場合に本発明を適用してもよい。
上記実施の形態では、本発明を適用した有機EL装置100としてトップエミッション型の有機EL装置を説明したが、ボトムエミッション型の有機EL装置に本発明を適用してもよい。
[電子機器への搭載例]
次に、上述した実施形態に係る有機EL装置100を用いた電子機器について説明する。図8(a)に、有機EL装置100を備えたモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す。パーソナルコンピュータ2000は、表示ユニットとしての有機EL装置100と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。図8(b)に、有機EL装置100を備えた携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての有機EL装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、有機EL装置100に表示される画面がスクロールされる。図8(c)に、有機EL装置100を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての有機EL装置100を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が有機EL装置100に表示される。
なお、有機EL装置100が適用される電子機器としては、図8に示すものの他、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した有機EL装置100が適用可能である。
本発明を適用した有機EL装置の電気的構成を示すブロック図である。 (a)、(b)は各々、本発明を適用した有機EL装置を第2基板(封止基板)の側から見た平面図、およびそのJ−J′断面図である。 本発明を適用した有機EL装置の断面構成を模式的に示す断面図である。 本発明を適用した有機EL装置の製造装置の構成を模式的に示す平面図である。 (a)、(b)は、図4に示す製造装置の加熱室の構成を模式的に示す説明図、およびこの加熱室内の真空度(水分量)の時間的変化を示すグラフである。 本発明を適用した有機EL装置の製造方法のうち、加熱室で行なう水分除去工程の内容を示すフローチャート図である。 本発明を適用した有機EL装置の別の製造方法において、加熱室で行なう水分除去工程の内容を示すフローチャート図である。 本発明に係る電気光学装置を用いた電子機器の説明図である。
符号の説明
10・・有機EL装置の製造装置、11c・・サブチャンバ(加熱室)、20・・制御部、21・・センサ、100・・有機EL装置、100a・・画素、110・・第1基板、180(R)、(G)、(B)・・有機EL素子、181・・正孔注入層(有機機能層)、182・・正孔輸送層(有機機能層)、183(R)、(G)、(B)・・発光層(有機機能層)、184・・電子輸送層(有機機能層)、170・・電子注入層、171・・第2電極層(陰極層)、172・・補助配線

Claims (7)

  1. 支持基板上に第1電極層、有機機能層、および第2電極層が順に積層された有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、
    前記支持基板上に前記第1電極層を形成した後、前記有機機能層を形成する前に、前記支持基板を加熱室内で真空加熱して前記支持基板から水分を除去する水分除去工程を有し、
    当該水分除去工程では、前記加熱室内の水分量を直接あるいは他の物理量を介して間接的に測定し、当該測定結果に基づいて、前記加熱室内の水分量が所定レベルまで低下したと判定された後、前記支持基板に前記有機機能層を形成する有機機能層工程を行なうことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  2. 前記水分除去工程の前に前記支持基板上に樹脂層を形成する樹脂層形成工程を有していることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  3. 前記水分除去工程では、前記加熱室内の支持基板1枚当たりの水分量、あるいは前記加熱室内の単位時間当たりの水分減少量を示す監視値が所定レベルに到達した後、前記有機機能層工程を行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  4. 前記乾燥室内の水分量を測定するにあたっては、前記物理量として前記加熱室内の真空度を測定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  5. 前記加熱室内に今回投入した前記支持基板の枚数をNとし、前記支持基板を今回、投入する前の前記加熱室の真空度をM1Paとし、現在の前記加熱室内の真空度をM2Paとしたとき、以下の式で求められる値
    (M2−M1)/N
    が0.3×10-4Pa未満になったとき、前記支持基板に対して前記有機機能層工程を行なうことを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  6. 前記加熱室内の1分当たりの真空度向上度が3.0×10-6Pa/min未満になったとき、前記支持基板に対して前記有機機能層工程を行なうことを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  7. 支持基板上に第1電極層、有機機能層、および第2電極層が順に積層された有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置において、
    前記支持基板上に前記第1電極層を形成した後、前記有機機能層を形成する前に、前記支持基板を真空加熱して前記支持基板から水分を除去する加熱室と、
    該加熱室内の水分量を直接あるいは他の物理量を介して間接的に測定するセンサと、
    前記センサによる計測結果に基づいて、前記加熱室内の水分量が所定レベルまで低下したと判定したとき、前記支持基板に対する前記有機機能層の形成を許容する制御部と、
    を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置。
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