JP2009301651A - 磁気記録媒体および磁気記録媒体製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体および磁気記録媒体製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】書込みエラーの発生を抑えて情報を高い精度で簡単に記録することができる設計上の自由度が高いパターンドメディアの磁気ディスクと、そのような磁気ディスクを製造することができる磁気ディスク製造方法を提供する。
【解決手段】ディスク基板と、ディスク基板上に、同心円状に並んで2次元的に並ぶ、外周側ほど周回方向の長さが長い、各々が個別に磁化を保持する複数のドットとを備えた磁気ディスク100において、各ドットを、ディスク基板に交わる方向を磁化容易軸とする結晶磁気異方性を有する磁性材料で形成するとともに、結晶磁気異方性を弱めるイオン注入を施すものであり、内周側から外周側にかけての同心円状の4つの領域100a,100b,100c,100dへのイオン注入量を、内周側の領域から外周側の領域にかけて4段階に亘って減少させる。
【選択図】 図4

Description

本件は、磁化の向きで情報が記録される磁気記録媒体、および、そのような磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体製造方法に関する。
コンピュータの分野では、日常的に多量の情報が取り扱われるようになっており、このような多量の情報を記録再生する装置の1つとして、ハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)が使用されている。このHDDには、情報が記録されるディスク状の磁気記録媒体である磁気ディスクが内蔵されている。磁気ディスクとしては、従来、非磁性材料からなるディスク上に連続的な磁性層が形成された連続媒体の磁気ディスクが知られている。このタイプの磁気ディスクでは、磁性層を構成する結晶粒の集合体からなる磁区に、各結晶粒に生じる磁化の向きで情報が記録される。この磁区は、磁気ヘッドによって磁気ディスク上の任意箇所に形成可能となっている。
ここで、磁気ディスクに記録された情報の長期保存を妨げる現象の1つに、熱揺らぎと呼ばれる現象がある。熱揺らぎは、磁性粒子における磁化の向きが、外部の熱エネルギーの影響により不安定となってしまう現象であり、磁性粒子が小さいほど顕著に現れる。近年では、磁気ディスクの分野で高記録密度化が進み、磁性層を構成する結晶粒が微細化される傾向にあり熱揺らぎが大きな問題となっている。
各磁区における磁化を、磁気ディスクの表裏面に対する垂直方向に向けることで情報を記録するいわゆる垂直磁気記録方式は、従来、熱揺らぎに強い記録方式として知られておりHDDの分野における現行の主流技術となっている。しかし、磁気ディスクに対する高記録密度化の要望は依然として強く、一層の高記録密度化のために結晶粒がさらに微細化されると垂直磁気記録方式でも熱揺らぎに対抗することが困難となってしまう。
そこで、記録密度をさらに高めつつ熱揺らぎに強い磁気ディスクの一例として、以下に説明するパターンドメディアと呼ばれるタイプの磁気ディスクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
パターンドメディアの磁気ディスクは、磁気ディスク上の固定位置に配列された微小磁性体(ドット)を有している。各ドットは、1つの結晶粒が成形されたもの、あるいは、磁気的に強く結合した複数の結晶粒の集合体であって磁気的に1つの結晶粒のように振舞う集合体が成形されたものである。各ドットは、1つの磁化を保持して最小単位の情報を記憶する。また、パターンドメディアの磁気ディスクの多くでは、各ドットには、磁気ディスクの表裏面に対する垂直方向を磁化容易軸とした磁気異方性が付与されており、情報が、上述の垂直磁気記録方式で記録される。
このパターンドメディアの磁気ディスクでは、情報の最小単位が記録されるドットは、1つの結晶粒そのもの、あるいは、1つの結晶粒として振る舞うものであるため、各ドットの微細化によって高記録密度化を図りつつも、熱揺らぎに対する耐性に影響する結晶粒の大きさについては、上記の連続媒体の磁気ディスクにおける結晶粒の大きさよりも大きくすることができる。一般に、パターンドメディアの磁気ディスクでは、連続媒体の磁気ディスクが有する記録密度と同程度の記録密度を、連続媒体の磁気ディスクにおける結晶粒の大きさの数倍から数十倍の大きさの結晶粒で実現し、熱揺らぎに対する非常に強い耐性を得ることができる。
ところで、一般的なHDDでは、上記の磁気ディスクが一定速度で回転している状態で、情報の記録や再生が行われる。このとき、回転状態にある磁気ディスクでは、内周側よりも外周側の方が周速が速くなる。ここで、磁気ディスクでは、この回転状態にあるときの内周側でも外周側でも、個々のドットについての情報の記録時間や再生時間が同じであることが望ましい。パターンドメディアの磁気ディスクでは、上記のような周速の相違を吸収して望ましい記録や再生が行えるようにするために、従来、ドットの周回方向の長さ(ドット長)を、磁気ディスクの外周側ほど長くするということが行われている。例えば、このような磁気ディスクでは、最外周におけるドット長に対する最内周におけるドット長の比が、直径が2.5インチの磁気ディスクでは2倍程度となり、直系が3.5インチの磁気ディスクでは3倍程度となる。
ここで、パターンドメディアの磁気ディスクで、各ドット中の磁化を反転させるのに要する磁界である磁化反転磁界は、この磁気ディスクに対する情報の記録精度を左右する重要なパラメータであり、磁気ディスクの全てのドットに高精度で情報が記録されるためには、磁気ディスク内でドットの磁化反転磁界が均一であることが望ましい。ところが、上記のようにドット長が外周側ほど長くなっている磁気ディスクでは、一般的にドットの磁化反転磁界が均一にならないことが知られている。
その理由は、ドットの磁化反転磁界が、ドットを構成する結晶粒の結晶構造に起因した上述の磁気異方性(結晶磁気異方性)と、ドットの形状に起因した下記のような磁気異方性(形状磁気異方性)との両方に基づいていることによる。
例えば直方体形状等のように、長手方向を有する形状のドットでは、そのドット中の磁化が短手方向よりも長手方向に向き易く、ドットが、その長手方向を磁化容易軸とした形状磁気異方性を持つこととなる。
一般に、結晶磁気異方性の方が形状磁気異方性よりも強いので、基本的にドット中の磁化は上記の垂直方向を向く。その上で、磁化は、形状磁気異方性に起因して、ドットの長手側に回転する回転方向に反転し易い状態となっている。また、形状磁気異方性は、ドットが長手方向に長い程大きくなるので、磁化は、ドットが長手方向に長い程反転し易くなる。つまり、ドットが長手方向に長い程、そのドットの磁化反転磁界が低下する。
上記のようにドット長が外周側ほど長くなっている磁気ディスクでは、このドット長の変化に応じて、周回方向を磁化容易軸とした形状磁気異方性が大きくなり、その結果、磁化反転磁界が低下する。
図13は、ドット長の変化に応じて磁化反転磁界が低下する様子を示すグラフである。
この図13に示すグラフG21は、ドットの厚み(ドット厚)が「10nm」で、磁気ディスクの半径方向におけるドットの幅(ドット幅)が「10nm」のドットについて、ドット長が「10nm」から「40nm」まで変化したときの磁化反転磁界の変化をシミュレートしたものである。また、この図13の例では、そのシミュレートにおけるパラメータとして、ドットの結晶磁気異方性の大きさと飽和磁化とが与えられている。一般的に、結晶磁気異方性や形状磁気異方性の大きさは、各異方性における磁化容易軸と直交する方向に磁化を向かせるのに要する磁界(結晶磁気異方性磁界,形状磁気異方性磁界)の強度で表わされる。図13の例では、ドットの結晶磁気異方性磁界Hkの強度として、「10kOe(795.77kA/m)」が与えられている。さらに、この図13の例では、ドットの飽和磁化Msとして「1000emu(1MA/m)」が与えられている。
図13に示すグラフG21では、横軸にドット長がとられ縦軸に磁化反転磁界がとられており、ドット長の変化に対する磁化反転磁界の変化を示すラインL21が記載されている。このグラフG21におけるラインL21から分かるように、図13の例では、ドット長が「10nm」から「30nm」まで長くなるにつれて、磁化反転磁界は40パーセント以上も低下している。
このため、上述したように、個々のドットについての記録や再生に要する時間を一定に保つために、外周側ほどドット長が長くなっている磁気ディスクでは、ドットの磁化反転磁界が均一にならず、外周側ほどドットの磁化反転磁界が低下することとなる。
その結果、磁気ヘッドが印加するヘッド磁界の強度を、内周側のドットの磁化反転磁界に基づいて決めると、外周側における情報の記録時に、ヘッド磁界が強すぎて、記録対称のドットに隣接する他のドットに情報を上書きしてしまう書込みエラーが生じる恐れがある。また、ヘッド磁界の強度を、外周側のドットの磁化反転磁界に基づいて決めると、内周側における情報の記録時に、ヘッド磁界の強度が弱すぎて情報の記録に失敗する書込みエラーが生じる恐れがある。
そこで、このような磁化反転磁界の不均一に起因した書込みエラーの発生を抑えるために、次のような技術が提案されている。
例えば、ドット長とドット幅とを互いにほぼ等しくする等といったドットの形状についての工夫や、形状磁気異方性の大きさを決定付けるパラメータの1つである飽和磁化Msが小さい磁性材料でドットを形成するといった材料選定についての工夫によって、ドットの形状磁気異方性自体を抑制することで、上記のような書込みエラーの発生を抑える技術が提案されている。
また、電流の供給を受けてその電流の大きさに応じた強度のヘッド磁界を印加する磁気ヘッドに、各ドットの、磁気ディスクにおける半径方向の位置に応じた大きさの電流を供給し各ドットの磁化反転磁界とヘッド磁界の強度とを互いに整合させることで、上記のような書込みエラーの発生を抑える技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第1888363号公報 特許第4006400号公報
しかしながら、ドットの形状についての工夫や材料選定についての工夫によってドットの形状磁気異方性自体を抑制するという技術には、磁気ディスクの設計上の自由度が著しく制限されてしまうという問題がある。また、磁気ヘッドへの供給電流の大きさを調整することで各ドットの磁化反転磁界とヘッド磁界の強度とを互いに整合させるという技術には、供給電流の大きさを調整するための制御系が新たに必要となり、HDD等の情報記録装置の制御系が複雑化してしまうという問題がある。
ここで、磁気ディスクには、表面が同心円状に複数の領域(ゾーン)に分けられているものがある。このタイプの磁気ディスクでは、例えば磁気ディスクの回転速度やドットに対する記録速度や再生速度を各ゾーンのディスク中心からの距離に応じた速度とすること等により、異なるゾーンの間において、一方のゾーン内のドットに対する記録や再生に要する時間と、他方のゾーン内のドットに対する記録や再生に要する時間とをほぼ一致させることが可能となる。しかし、各ゾーン内では、依然として内周側と外周側とで周速の差が生じるため、この周速の差を吸収するために、各ゾーン内で、上述のように外周側ほどドットの周回方向の長さを長くすることが考えられる。その結果、ゾーン構造を有する磁気ディスクでは、各ゾーン内において、上述した磁化反転磁界が不均一となる問題が生じることとなる。
上記では、磁気ディスクにおいて磁化反転磁界が不均一となる範囲については言及しなかったが、ゾーン構造を有する磁気ディスクでは、上述のように各ゾーン内においてこの問題が生じ、ゾーン構造を持たない磁気ディスクでは、最内周から最外周に至る全範囲においてこの問題が生じる。
本件は、上記事情に鑑み、書込みエラーの発生を抑えて情報を高い精度で簡単に記録することができる設計上の自由度が高いパターンドメディアの磁気記録媒体(磁気ディスク)と、そのような磁気記録媒体を製造することができる磁気記録媒体製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する磁気記録媒体の基本形態は、
ディスク状の基板と、
上記基板のディスク中心を周回し複数周に亘ってその基板上に配列された、少なくとも所定範囲内では各々の周回方向の長さが外周側ほど長い、各々が個別に磁化を保持する、各々が磁性材料からなり結晶磁気異方性の磁化容易軸が上記基板の表裏面に交わる方向を向いた、その磁性材料の結晶磁気異方性を弱めるイオン注入が施されその所定範囲内では外周側ほど注入量が少ない複数の磁化保持体とを備えたことを特徴とする。
尚、上記にいう所定範囲とは、磁気記録媒体を同心円状に分割する複数の範囲(ゾーン)のうちのいずれかであっても良く、あるいは、後述するように、最内周から最外周に至る全範囲であっても良い。
また、上記にいう「外周側ほど注入量が少ない」とは、外周側に向かうにつれて注入量が段階的に減少する状態であっても良く、あるいは、外周側に向かうにつれて注入量が連続的に減少する状態であっても良い。
この磁気記録媒体の基本形態は、上記基板に、上記磁化保持体が、情報の最少記録単位であるドットとして配列されたパターンドメディアの磁気記録媒体である。そして、この磁気記録媒体の基本形態では、磁化保持体の周回方向の長さ(ドット長)が、外周側ほど長いことから、その外周側の磁化保持体ほど大きな形状磁気異方性を持つこととなっている。ここで、この磁気記録媒体の基本形態では、各磁化保持体が、結晶磁気異方性を弱めるイオン注入を受けている。そして、内周側から外周側にかけてイオン注入量が減少していることから、外周側の磁化保持体ほど大きな結晶磁気異方性を持つこととなっている。これにより、各磁化保持体の形状磁気異方性の不均一さに起因する磁化反転磁界の不均一さが、各磁化保持体の結晶磁気異方性の相違によって打ち消され、磁化反転磁界の不均一さが抑制されることとなる。その結果、この磁気記録媒体の基本形態によれば、各磁化保持体に対し同じ強度の磁界による磁化の反転が可能となり、書込みエラーの発生を抑えて情報を高い精度で簡単に記録することができることとなる。また、この磁気記録媒体の基本形態によれば、磁化反転磁界の不均一さが、各磁化保持体に上記イオン注入が施されることで抑制されているので、磁化保持体自体の形状や磁化保持体を形成する磁性材料の選定等については何ら制限を受けることがなく、自由度の高い設計を行うことができる。
また、上記目的を達成する磁気記録媒体製造方法の基本形態は、
ディスク状の基板に、磁性材料からなり結晶磁気異方性の磁化容易軸が上記基板の表裏面に交わる方向を向いた磁性膜を形成する磁性膜形成過程と、
上記磁性膜が有する磁性を局所的に残し他の箇所では破壊することで、上記基板のディスク中心を周回し複数周に亘ってその基板上に配列された、少なくとも所定範囲内では各々の周回方向の長さが外周側ほど長い、各々が個別に磁化を保持する複数の磁化保持体を形成する磁化保持体形成過程と、
上記磁性材料の結晶磁気異方性を弱めるイオン注入を、上記所定範囲内では外周側ほど少ない注入量で、上記磁化保持体形成過程の前あるいは後で施すイオン注入過程とを有することを特徴とする。
この磁気記録媒体製造方法の基本形態によれば、結晶磁気異方性を弱めるイオン注入を外周側ほど少ない注入量で施すことで、各ドット間での形状磁気異方性の不均一さに起因する磁化反転磁界の不均一さを打ち消し、磁化反転磁界が各ドット間で均一となった磁気記録媒体を得ることができる。つまり、この磁気記録媒体製造方法の基本形態によれば、書込みエラーの発生を抑えて情報を高い精度で簡単に記録することができる設計上の自由度が高い、上記に基本形態について説明した磁気記録媒体を製造することができる。
以上、説明したように、本件によれば、書込みエラーの発生を抑えて情報を高い精度で簡単に記録することができる設計上の自由度が高いパターンドメディアの磁気記録媒体(磁気ディスク)と、そのような磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体製造方法を得ることができる。
以下、上記に説明した磁気記録媒体および磁気記録媒体製造方法の基本形態に対する具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、磁気記録媒体および磁気記録媒体製造方法の基本形態に対する第1実施形態について説明する。
この第1実施形態では、磁気記録媒体の一実施形態であるパターンドメディアの磁気ディスクと、各々が磁気記録媒体製造方法の一実施形態である2種類の磁気ディスク製造方法とを例示する。
図1は、磁気記録媒体の一実施形態であるパターンドメディアの磁気ディスクを示す図である。
図1のパート(a)には、垂直磁気記録方式で情報が記録されるパターンドメディアの磁気ディスク100と、その磁気ディスク100に対して情報の記録や再生を行なう磁気ヘッド151(パート(b)に図示)が先端に搭載されたヘッドジンバルアセンブリ150とが示されている。また、パート(b)には、パート(a)に示す磁気ディスク100における領域Aの拡大図が示されている。
図1のパート(b)に示すように、パターンドメディアの磁気ディスク100は、非磁性材料のディスク基板101と、そのディスク基板101上に形成された磁性材料からなる裏打ち層102と非磁性材料からなる中間層103との2層膜の上に配列され、各々が個別に磁化を保持する複数の微小磁性体(ドット)104を有している。
ディスク基板101が、上述の基本形態における基板の一例に相当し、ドット104が、この基本形態における磁化保持体の一例に相当する。
また、上述の磁気記録媒体および磁気記録媒体製造方法の基本形態に対し、
「上記磁化保持体が、コバルトおよび白金を含有した磁性材料で形成されたものである」という応用形態は典型的な形態である。
コバルトおよび白金を含有した磁性材料は、良好な磁性を有する材料であり、一般的に磁気ディスクにおいて情報記録のための磁性材料として使われている。
本実施形態でも、上記のドット104が、コバルトおよび白金を含有した合金で形成されている。即ち、ドット104は、この応用形態における磁化保持体の一例にも相当する。
また、本実施形態では、垂直磁気記録方式が採用されており、各ドット104は、上記の合金における結晶構造を利用して、ドット104内の磁化が磁気ディスク100の表裏面に直交する方向を磁化容易軸とした磁気異方性(結晶磁気異方性)を持つようになっている。これにより、各ドット104は、図中に示す磁化Bのように、磁気ディスク100の表裏面に直交する磁化を保持することとなる。
そして、磁気ディスク100では、これら複数のドット104が、上記の2層膜の上に、ディスク中心を同心円状に周回するように複数周に亘って配列されることで、パート(a)に示すように複数本のトラック110が形成されている。また、本実施形態では、各ドット104は、そのドット104が属するトラックの周回方向に延びた直方体形状を有している。また、各ドット104の間は、非磁性の間隙部105で埋められている。本実施形態では、中間層103の上に形成された一様な磁性膜の磁性が、各ドット104の部分については局所的に残され、他の部分について、アルゴンイオンを用いたイオン注入によって破壊されることで、上記のドット104と間隙部105とが形成されている。
この磁気ディスク100に対する情報の記録や再生の際には、ヘッドジンバルアセンブリ150が、図中の矢印P1が示す方向に回動することでトラッキングが行なわれ、先端の磁気ヘッド151が、対象のトラック110の上に配置される。この状態で、磁気ディスク100が、矢印P2が示す方向に回転すると、磁気ヘッド151の下を、その対象のトラック110に属する各ドット104が順次に通過する。そして、磁気ヘッド151が、直下を通過するドット104における磁化の向きを検出することで情報の再生が行われ、磁気ヘッド151が、直下を通過するドット104に磁界を印加してそのドット104における磁化をその磁界の向きに応じた向きに向かせることで情報の記録が行われる。
図1のパート(b)には、隣り合う3本のトラック110それぞれにおけるドット104の配列と、磁気ヘッド151が、それら3本のトラック110のうち中央のトラック110を情報の再生対象あるいは記録対称として、そのトラック110の上方に配置された様子が示されている。
ここで、図1のパート(b)では、図の簡単化のため、互いに異なるトラック110に属するドット104の周回方向の長さ(ドット長)Wが、互いに同じ長さで図示されている。しかし、本実施形態では、各ドット104のドット長Wが外周側ほど長くなっている。
図2は、図1の磁気ディスクにおいて、各ドットのドット長が外周側ほど長くなっている様子を模式的に示す図である。
この図2に示すように、本実施形態では、最内周のトラック110aから最外周のトラック110bに至る全範囲内で、各ドット104のドット長Wが外周側ほど長くなっている。
磁気ディスク100に対する情報の記録や再生の際には、回転状態にある磁気ディスク100において、異なるトラック110間で周速に差が生じる。即ち、内周側のトラック110よりも外周側のトラック110の方が周速が速くなる。ここで、この回転状態にある磁気ディスク100の内周側でも外周側でも、個々のドット104についての情報の記録や再生に要する時間は同じであることが望ましい。本実施形態の磁気ディスク100では、上記のような周速の相違を最内周のトラック110aから最外周のトラック110bに至る全範囲内で吸収して、望ましい記録や再生が行えるようにするために、この全範囲内で、各ドット104のドット長Wが外周側ほど長くなっている。
その一方で、この磁気ディスク100では、外周側ほどドット長Wが長くなっていることから、周回方向を磁化容易軸とした各ドット104の形状磁気異方性が、最内周のトラック110aから最外周のトラック110bに至る全範囲内で外周側ほど大きくなっている。
ここで、この磁気ディスク100では、各ドット104において、上記の形状異方性に起因して、各ドット104中の磁化の反転に要する磁化反転磁界を低下させようとする作用が生じる。そして、この磁気ディスク100では、形状磁気異方性が外周側ほど大きくなっていることから、その磁化反転磁界を低下させようとする作用が外周側ほど強い。
このような、内周側から外周側にかけての、各ドット104の磁化反転磁界を低下させようとする作用の強まりを打ち消して、磁化反転磁界を上記の全範囲内で均一に維持するために、本実施形態では、各ドット104における、磁気ディスク100に対する垂直方向を磁化容易軸とした結晶磁気異方性を外周側ほど、即ち、ドット長が長いほど大きくするという方法が採られている。
図3は、ドット長が長いほど結晶磁気異方性を大きくすることで、磁化反転磁界が均一に維持される様子を示す図である。
この図3には、ドットの厚み(ドット厚)が「10nm」で、磁気ディスクの半径方向におけるドットの幅(ドット幅)が「10nm」で、飽和磁化Msが「1000emu(1MA/m)」のドットについて、ドット長Wが「10nm」から「40nm」まで連続的に変化したときの形状磁気異方性の変化、結晶磁気異方性の変化、および磁化反転磁界の変化を示すグラフG11が示されている。この図3のグラフG11では、横軸にドット長Wがとられ、縦軸には、上記の2種類の磁気異方性それぞれを表わす異方性磁界と磁化反転磁界とがとられている。尚、このグラフG11では、縦軸において、磁化反転磁界を増加させる方向が正となっている。即ち、形状磁気異方性の増加は、上述のように磁化反転磁界の低下を招くことから、このグラフG11では、形状磁気異方性は負の異方性磁界で示され、逆に、結晶磁気異方性の増加は、磁化反転磁界の増加を招くことから、結晶磁気異方性は正の異方性磁界で示されている。
この図3のグラフG11には、まず、形状磁気異方性の変化を点線で表わす第1のラインL11が記載されている。この第1のラインL11が示すように、ドット長Wが長くなると、形状磁気異方性は、負の方向、即ち、磁化反転磁界を低下させる方向に増加する。
また、図3のグラフG11には、結晶磁気異方性の変化を点線で表わす第2のラインL12が記載されている。この第2のラインL12が示すように、ドット長Wが長くなるにつれて、結晶磁気異方性を、形状磁気異方性の負の方向への増加分と同じ量だけ、正方向へ増加させたとすると、その形状磁気異方性の増加に起因する磁化反転磁界の低下が、結晶磁気異方性の増加に起因する磁化反転磁界の増加によって打ち消されることとなる。
図3のグラフG11には、上記のように、ドット長Wが長くなることによる形状磁気異方性の増加に起因する磁化反転磁界の低下が結晶磁気異方性の増加に起因する磁化反転磁界の増加によって打ち消され、ドット長Wの変化に対して一定に維持された磁化反転磁界が実線(第3のラインL13)で示されている。
本実施形態では、磁化反転磁界をドット長Wの変化に対して一定に維持するための、ドット長が長いほど大きい、即ち、磁気ディスク100の外周側ほど大きい結晶磁気異方性が、次のように実現されている。
一般に、磁性体における結晶磁気異方性は、アルゴンイオン等によるイオン注入によって結晶構造を乱すことで弱めることができる。本実施形態では、アルゴンイオンを用いたイオン注入による結晶磁気異方性の低減効果を利用することで、外周側ほど大きい結晶磁気異方性が実現されている。即ち、本実施形態では、上記のようなアルゴンイオンによるイオン注入を、最内周から最外周に至る全範囲において外周側ほどイオン注入量を減らして施すことで、外周側ほどドットの結晶磁気異方性が大きくされている。
ここで、上述の基本形態に対し、
「上記磁化保持体が、上記イオンとして、アルゴンイオン、酸素イオン、および窒素イオンのうちから選択された1種以上のイオンが注入されたものである」という応用形態は好適である。
アルゴンイオン、酸素イオン、および窒素イオンは、いずれも上記のような磁性材料の結晶構造を乱して良好に結晶磁気異方性を低下させることができる。
本実施形態において、上記のようにアルゴンイオンによるイオン注入を受けたドット104は、この応用形態の一例に相当する。
また、以上に説明した本実施形態の磁気ディスク100は、いわゆるゾーン構造を持たず、情報の記録や再生の際には一定の回転速度で回転される単純なタイプの磁気記録媒体である。そのため、最内周から最外周に至る全範囲において内周側のトラック110よりも外周側のトラック110の方が周速が速くなる。その結果、上述したように、個々のドット104についての情報の記録や再生に要する時間を均一にするために、全範囲において外周側ほどドット長が長くなっており、そのドット長の差異に起因して形状磁気異方性が上記の全範囲において外周側ほど大きくなっている。そして、その形状磁気異方性の不均一さに起因する磁化反転磁界の不均一さが、上記のイオン注入におけるイオン注入量をその全範囲において外周側ほど少なくして結晶磁気異方性を大きくすることで打ち消されている。
ここで、上述の基本形態に対し、
「上記複数の磁化保持体は、最内周から最外周に至る全範囲内で、外周側ほど周回方向の長さが長く、外周側ほどイオン注入量が少ないものである」という応用形態も好適である。
この応用形態は、ゾーン構造を持たない単純なタイプの磁気記録媒体について、磁化反転磁界の不均一さが抑制された形態であり、本実施形態のドット104は、この応用形態における磁化保持体の一例に相当する。この応用形態では、ゾーン構造に特有の磁気記録媒体(磁気ディスク)の回転速度やドットに対する記録速度および再生速度の調整等が不要であり、情報の記録や再生を一層簡単に行うことができる。
図4は、図1の磁気ディスクにおいて、外周側ほどドットへのイオン注入量が少なく、その結果、外周側ほどドットの結晶磁気異方性が大きくなっている様子を示す図である。
この図4に示すように、本実施形態の磁気ディスク100は、内周側から、第1領域100a、第2領域100b、第3領域100c、第4領域100dという4つの領域に分かれている。そして、各領域内のドットへのイオン注入量が、内周側から、第1領域100aでのイオン注入量I1、第2領域100bでのイオン注入量I2、第3領域100cでのイオン注入量I3、第4領域100dでのイオン注入量I4の順で少なくなっている。その結果、各領域でのイオン注入量に応じて、各領域内のドット104の結晶磁気異方性の大きさを表わす結晶磁気異方性磁界が、内周側から、第1領域100aでの結晶磁気異方性磁界Hk1、第2領域100bでの結晶磁気異方性磁界Hk2、第3領域100cでの結晶磁気異方性磁界Hk3、第4領域100dでの結晶磁気異方性磁界Hk4の順で大きくなっている。
また、本実施形態では、最外周の領域である第4領域100dでのイオン注入量I4が「0」となっている。そして、この第4領域100dでの結晶磁気異方性磁界Hk4、即ち、イオン注入量I4が「0」のデフォルトの結晶磁気異方性磁界が、図3のグラフG11の第2のラインL12上で、第4領域100d内でのドット長の平均値に対応した結晶磁気異方性磁界となっている。
そして、第1領域100aでの結晶磁気異方性磁界Hk1は、図3のグラフG11の第2のラインL12上で、第1領域100a内でのドット長の平均値に対応した結晶磁気異方性磁界となっており、この第1領域100aにおけるイオン注入量I1は、上記のデフォルトの結晶磁気異方性磁界Hk4を、このグラフG11から求められる第1領域100aでの結晶磁気異方性磁界Hk1まで低下させるのに要するイオン注入量となっている。
同様に、第2および第3それぞれの領域での結晶磁気異方性磁界Hk2,Hk3は、各領域内でのドット長の平均値に図3のグラフG11の第2のラインL12上で対応した結晶磁気異方性磁界となっており、各領域におけるイオン注入量I2,I3は、デフォルトの結晶磁気異方性磁界Hk4を、グラフG11から求められる各領域での結晶磁気異方性磁界Hk2,Hk3まで低下させるのに要するイオン注入量となっている。
その結果、本実施形態の磁気ディスク100では、最内周から最外周に至る全範囲内で、ドットの磁化反転磁界が、多少の変動はあるものの、図3のグラフG11の第3のラインL13が示している「10kOe(795.77kA/m)」でほぼ均一となっている。
これにより、この磁気ディスク100によれば、上記の全範囲に亘って、各ドットに対して同じ強度の磁界による磁化の反転が可能となり、書込みエラーの発生を抑えて情報を高い精度で簡単に記録することができることとなる。また、この磁気ディスク100では、磁化反転磁界の均一さが、上記のようなイオン注入によって実現されている。つまり、磁気ディスク100のようなタイプの磁気ディスクは、このドット自体の形状や、ドットを形成する磁性材料の選定等については何ら制限を受けることがなく、高い自由度で設計することができる。
次に、図1から図4までを参照して説明した磁気ディスク100を製造するための第1の磁気ディスク製造方法について説明する。この第1の磁気ディスク製造方法は、磁気記録媒体製造方法の一実施形態に相当する。
図5は、図1から図4までを参照して説明した磁気ディスクを製造するための第1の磁気ディスク製造方法の流れを示す図である。
この図5に示す第1の磁気ディスク製造方法では、まず、非磁性材料のディスク基板101上に、所定の磁性材料からなる裏打ち層102と、非磁性材料からなる中間層103と、後述するようにドット104の元となる、ディスク基板101に垂直な方向を磁化容易軸とする結晶磁気異方性を有し、イオン注入によってその結晶磁気異方性を低下させることが可能な、コバルトおよび白金を含有した合金からなる磁性膜106との3層の膜が、スパッタ法によって製膜される(ステップS11)。尚、本実施形態では、磁性膜106の結晶磁気異方性は、図4の第4領域100dでの結晶磁気異方性磁界Hk4、即ち、図3のグラフG11の第2のラインL12上で、第4領域100d内でのドット長の平均値に対応した結晶磁気異方性磁界となっている。このステップS11の処理が、上述の基本形態における磁性膜形成過程の一例に相当する。
次に、上記の磁性膜106に対して、アルゴンイオンによるイオン注入が行なわれる(ステップS12)。このステップS12では、図4に示す4つの領域100a,100b,100c,100dの磁性膜106それぞれに対し、以下に説明するように、上述の4種類のイオン注入量I1,I2,I3,I4でのアルゴンイオンによるイオン注入が行なわれる。このステップS12の処理は、上述の基本形態におけるイオン注入過程の一例に相当する。
図6は、アルゴンイオンによるイオン注入処理の詳細を示す図である。
この図6に示すようにアルゴンイオンによるイオン注入処理では、アルゴンイオンを遮る材料で形成され、中央に開口が設けられた、その開口の大きさが互いに異なる3種類のマスク501,502,503が使われる。即ち、図4の第1領域100aの外径に等しい内径を有する開口が設けられた第1マスク501と、第2領域100bの外径に等しい内径を有する開口が設けられた第2マスク502と、第3領域100cの外径に等しい内径を有する開口が設けられた第3マスク503とが使われる。そして、このアルゴンイオンによるイオン注入処理では、これら3種類のマスク501,502,503それぞれを使った、合計3回のアルゴンイオンによるイオン注入が行なわれる。また、これら3回のアルゴンイオンによるイオン注入は、アルゴンイオンのイオンソース504を使って行なわれる。
まず、第1マスク501を使ったアルゴンイオンによるイオン注入が行なわれる(ステップS121)。このステップS121では、第1マスク501の中央がディスク基板101の中央と一致するように、そのディスク基板101の直上に配置される。そして、イオンソース504から、第1マスク501の開口を通して、磁性膜106における図4の第1領域100aに相当する部分に、アルゴンイオンが後述の第1注入量I5で注入される。
次に、第2マスク502を使ったアルゴンイオンによるイオン注入が行なわれる(ステップS122)。このステップS122では、第2マスク502の開口を通して、磁性膜106における図4の第1領域100aおよび第2領域100bに相当する部分に、アルゴンイオンが後述の第2注入量I6で注入される。この結果、図4の第1領域100aに相当する部分には、第1注入量I5と第2注入量I6とを足し合わせたイオン注入量での注入が行なわれ、第2領域100bに相当する部分には、第2注入量I6での注入が行なわれたこととなる。
最後に、第3マスク503を使ったアルゴンイオンによるイオン注入が行なわれる(ステップS123)。このステップS123では、第3マスク503の開口を通して、磁性膜106における図4の第1領域100aから第3領域100bまでに相当する部分に、アルゴンイオンが後述の第3注入量I7で注入される。この結果、図4の第1領域100aに相当する部分には、第1注入量I5と第2注入量I6と第3注入量I7とを足し合わせたイオン注入量での注入が行なわれ、第2領域100bに相当する部分には、第1注入量I5と第2注入量I6とを足し合わせたイオン注入量での注入が行なわれ、第3領域100cに相当する部分には、第3注入量I7での注入が行なわれたこととなる。
ここで、本実施形態では、第3注入量I7が、図4の第3領域100cでのイオン注入量I3に等しいイオン注入量、即ち、上述した磁性膜106の結晶磁気異方性磁界Hk4を、図3のグラフG11から上述したように求められる第3領域100cの結晶磁気異方性磁界Hk3まで低下させるのに要するイオン注入量I3となっている。
また、上記の第2注入量I6は、次のように決められたイオン注入量である。図4の第2領域100bでのイオン注入量I2は、この第2注入量I6に上記の第3注入量I7(第3領域100cでのイオン注入量I3)を足し合わせた注入量であるが、一方で、上述したように磁性膜106の結晶磁気異方性磁界Hk4を、図3のグラフG11から上述したように求められる結晶磁気異方性磁界Hk3まで低下させるのに要するイオン注入量でもあり、既知の値である。これにより、上記の第2注入量I6は、既知である図4の第2領域100bでのイオン注入量I2から、上記の第3注入量I7(第3領域100cでのイオン注入量I3)を減ずることで求められる。
同様に、上記の第1注入量I5は、既知である図4の第1領域100aでのイオン注入量I1から、上記の第3注入量I7と第2注入量I6とを減ずることで求められる。
以上に説明した3回のアルゴンイオンによるイオン注入処理により、磁性膜106における図4の第1領域100aに相当する部分には、第1領域100aの結晶磁気異方性磁界Hk1を実現するに足るイオン注入量I1でアルゴンイオンが注入され、第2領域100aに相当する部分には、第2領域100bの結晶磁気異方性磁界Hk2を実現するに足るイオン注入量I2でアルゴンイオンが注入され、第3領域100cに相当する部分には、第3領域100bの結晶磁気異方性磁界Hk3を実現するに足るイオン注入量I3でアルゴンイオンが注入されることとなる。また、第4領域100dに相当する部分は、このアルゴンイオンによるイオン注入処理において最後までアルゴンイオンによるイオン注入が遮断されたままであるので、上述したように、この部分へのイオン注入量I4が「0」となっており、磁性膜106が元々有していた、第4領域100dの結晶磁気異方性磁界Hk4に等しい結晶磁気異方性磁界がそのまま維持される。
このように、開口の大きさが異なる3種類のマスクを用いる、本実施形態でのアルゴンイオンによるイオン注入処理によれば、注入処理自体は3回に亘るものの、上記のマスクを簡単に作成することができ準備に手間が掛からないので、アルゴンイオンによるイオン注入処理を簡単に実行することができる。
以上に説明したことから、上述の基本形態に対し、
「上記イオン注入過程が、開口の大きさが互いに異なり、その開口以外の部分で上記イオンを遮る複数のマスクを順次に交換しながら、上記基板上に配置し、イオン注入を各マスクについて行なうことで、内周側から外周側にかけてイオン注入量を減らす過程である」という応用形態が好適であることが分かる。
図5のステップS12および図6に示すアルゴンイオンによるイオン注入処理は、この応用形態におけるイオン注入過程の一例に相当する。
図5のステップS12および図6に示すアルゴンイオンによるイオン注入処理が終了すると、ドット104の形成が行なわれる(ステップS13)。このステップS13の処理は、上述の基本形態における磁化保持体形成過程の一例に相当する。
このステップS13では、まず、上記のようなアルゴンイオンによるイオン注入を経た磁性膜106の上に、ドット104として磁性を残す部分を覆うレジストパターンが形成され、次いで、このレジストパターン越しに、そのレジストパターンから外れた部分の磁性を破壊するのに要するイオン注入量で、再度、アルゴンイオンによるイオン注入が行なわれる。このレジストパターン越しのアルゴンイオンによるイオン注入により、レジストパターンで覆われていた部分がドット104となり、レジストパターンから外れていた部分が、ドット104の間を埋める間隙部105となる。このステップS13では、このドット104の形成後に、表面にダイヤモンドライクカーボンの保護層等が形成されて、パターンドメディアの磁気ディスク100が完成する。
以上に説明した、図5に示す第1の磁気ディスク製造方法は、ゾーン構造を持たない単純なタイプの磁気ディスクである図1から図4までを参照して説明した磁気ディスク100を製造するための磁気ディスク製造方法である。
ここで、上述の基本形態に対し、
「上記磁化保持体形成過程は、最内周から最外周に至る全範囲内で、外周側ほど周回方向の長さが長い複数の磁化保持体を形成する過程であり、
上記イオン注入過程は、最内周から最外周に至る全範囲内で、外周側ほど少ない注入量で上記イオン注入を施す過程である」という応用形態も好適である。
この応用形態は、ゾーン構造を持たず情報を一層簡単に記録および再生することができる単純なタイプの磁気記録媒体を、磁化反転磁界の不均一さを抑制して製造する形態であり、図5に示す第1の磁気ディスク製造方法におけるステップS12の処理は、この応用形態におけるイオン注入過程の一例にも相当し、ステップS13の処理は、この応用形態における磁化保持体形成過程の一例にも相当する。
以上に説明した第1の磁気ディスク製造方法によれば、結晶磁気異方性を弱めるアルゴンイオンを、内周側から外周側に至る全範囲において4段階にイオン注入量が少なくなるように注入することで各ドット間での形状磁気異方性の不均一さに起因する磁化反転磁界の不均一さを打ち消し、磁化反転磁界が各ドット間で均一となった、図4のパターンドメディアの磁気ディスク100を得ることができる。
次に、図1から図4までを参照して説明した磁気ディスク100を製造するための第2の磁気ディスク製造方法について説明する。この第2の磁気ディスク製造方法も、磁気記録媒体製造方法の一実施形態に相当する。
図7は、図1から図4までを参照して説明した磁気ディスクを製造するための第2の磁気ディスク製造方法の流れを示す図である。
この図7の第2の磁気ディスク製造方法は、図5に示す第1の磁気ディスク製造方法におけるアルゴンイオンによるイオン注入処理とドットの形成処理との順番が入れ替わった方法である。
まず、図5のステップS11の処理と同じ処理が行われ、非磁性材料のディスク基板101上に、裏打ち層102と中間層103と磁性膜106との3層の膜が製膜される(ステップS21)。このステップS21の処理は、上述の基本形態における磁性膜形成過程の一例に相当する。
次に、この図7の第2の磁気ディスク製造方法では、図5のステップS13に示すドットの形成処理と同じ処理が行われ、ドットおよび間隙部105、さらに保護膜等が形成される(ステップS22)。ただし、このステップS22で形成されるドットは、全てのドットの結晶磁気異方性磁界が、磁性膜106が元々有していた結晶磁気異方性磁界であり、最終的に得られる磁気ディスク100のドット104とは異なっているので、この図7のステップS22では、このステップS22の処理で形成されるドットが、ディスク100のドット104とは異なる符合「104’」が付されて示されている。本実施形態では、このステップS22の処理が、上述の基本形態および応用形態における磁化保持体形成過程の一例に相当する。
この図7の第2の磁気ディスク製造方法では、最後に、図5のステップS12に示す、「0」を含む4種類のイオン注入量I1,I2,I3,I4でのイオン注入処理と同じ処理が行われる(ステップS23)。ただし、この図7の第2の磁気ディスク製造方法では、このイオン注入処理が、ドット形成済みの磁性膜106に対して行われる。これにより、上記のステップS22で形成されたドット104’の結晶磁気異方性磁界が適宜に下げられて、図4に示す、4種類の結晶磁気異方性磁界Hk1,Hk2,Hk3,Hk4それぞれを有するドット104を内部に有する4つの領域100a,100b,100c,100dを備えたパターンドメディアの磁気ディスク100が完成する。本実施形態では、このステップS23の処理が、上述の基本形態および応用形態におけるイオン注入過程の一例に相当する。
この図7に示す第2の磁気ディスク製造方法によっても、上記の図5の第1の磁気ディスク製造方法と同様に、磁化反転磁界が各ドット間で均一となった、図4のパターンドメディアの磁気ディスク100を得ることができる。
次に、磁気記録媒体および磁気記録媒体製造方法の基本形態に対する第2実施形態について説明する。
この第2実施形態でも、上述の第1実施形態と同様に、磁気記録媒体の一実施形態であるパターンドメディアの磁気ディスクと、各々が磁気記録媒体製造方法の一実施形態である2種類の磁気ディスク製造方法とを例示する。
図8は、磁気記録媒体の一実施形態であるパターンドメディアの磁気ディスクを示す図である。
この図8に示す本実施形態の磁気ディスクは、上述の図4に示す第1実施形態の磁気ディスク100が、ドット104の結晶磁気異方性が内周側から外周側に亘って4段階に増加しているものであったのに対し、この結晶磁気異方性が内周側から外周側に亘って連続的に増加したものである。
この図8の磁気ディスク200は、図1や図4に示す磁気ディスク100と同様のパターンドメディアの磁気ディスクであるが、上記のように、ドットの結晶磁気異方性磁界Hkが最内周のトラックから最外周のトラックに亘って連続的に増加している。本実施形態では、この連続的な結晶磁気異方性磁界Hkの増加が、後述するように、デフォルトの結晶磁気異方性磁界を有する磁性膜に対して、外周側ほどイオン注入量Iが連続的に少なくなるイオン注入が施されることによって実現されている。
ここで、本実施形態では、最内周のトラックから最外周のトラックに亘る結晶磁気異方性磁界Hkの変化は、上記の図3のグラフG11の第2のラインL12上で、最内周のトラックから最外周のトラックに亘るドット長の変化に対応する部分が示す結晶磁気異方性の変化となっている。そして、最内周のトラックから最外周のトラックに亘るイオン注入量Iの変化は、この結晶磁気異方性の変化に要する変化となっている。
これにより、本実施形態の磁気ディスク200でも、上記の図4の磁気ディスク100と同様に、最内周から最外周に至る全範囲内で、ドットの磁化反転磁界が、図3のグラフG11の第3のラインL13が示している「10kOe(795.77kA/m)」でほぼ均一となっている。また、本実施形態の磁気ディスク200では、結晶磁気異方性の変化が連続的であることから、図4の磁気ディスク100よりも磁化反転磁界の均一さが高くなっている。
その結果、本実施形態の磁気ディスク200でも、図4の磁気ディスク100と同様に、書込みエラーの発生を抑えて情報を高い精度で簡単に記録することができ、さらに、この磁気ディスク200のようなタイプの磁気ディスクは、このドット自体の形状や、ドットを形成する磁性材料の選定等については何ら制限を受けることがなく、高い自由度で設計することができる。
尚、この本実施形態の磁気ディスク200におけるディスク基板やドットについては、後述する磁気ディスク200の製造方法を示す図において図示するが、本実施形態では、これらのディスク基板やドットが、上述の基本形態における基板や磁化保持体の各一例に相当する。
次に、図8を参照して説明した磁気ディスク200を製造するための第1の磁気ディスク製造方法について説明する。この第1の磁気ディスク製造方法も、磁気記録媒体製造方法の一実施形態に相当する。
図9は、図8を参照して説明した磁気ディスクを製造するための第1の磁気ディスク製造方法の流れを示す図である。
まず、上記の図5のステップS11の処理と同じ処理が行われ、非磁性材料のディスク基板201上に、裏打ち層202と中間層203と磁性膜206との3層の膜が製膜される(ステップS31)。このステップS31は、上述の基本形態における磁性膜形成過程の一例に相当する。
次に、上記の磁性膜206の上に、内周側から外周側に亘って厚みが増す、厚み応じた率のアルゴンイオンを遮るカーボン製のフィルタ膜601が形成される(ステップS32)。ここで、このフィルタ膜601の厚みは、このフィルタ膜601の各部を通って磁性膜206の各部に注入されるアルゴンイオンのイオン注入量が、上述の結晶磁気異方性の変化に要する注入量に制御されるように、内周側から外周側にかけて増加している。
図10は、図9のステップS32におけるフィルタ膜の形成方法を示す図である。
この図10のパート(a)には、フィルタ膜601の形成方法が示されており、パート(b)には、この形成方法で使われる後述のコリメータ602の上面図が示されている。
このフィルタ膜602の形成方法は、スパッタ法によりカーボンの膜を磁性膜206の上に形成する方法であるが、本実施形態では、このスパッタ法が、カーボンのスパッタ源603と磁性膜206の間に、以下に説明するコリメータ602が配置された状態で行われる。
コリメータ602は、格子構造を有する、ディスク基板201よりも直径が若干大きい円形の篩いであり、コリメータ602に向かってくるスパッタ粒子のうち凡そ格子の深さ方向に進むものを通過させる働きをする。ここで、本実施形態では、このコリメータ602の格子構造における格子間隔が、コリメータ602の中央から外周に亘って広くなっている。
ここで、一般的にコリメータでは格子間隔が広いほどスパッタ粒子が通過し易いため、コリメータの直下におけるスパッタ粒子粒子の堆積速度、即ち、膜の形成速度は、格子間隔が広いほど速くなる。
図11は、格子間隔とスパッタ粒子の堆積速度との関係を示すグラフである。
この図11のグラフG12では、横軸に、格子深さHの格子間隔Wに対する比であるコリメータアスペクト比がとられ、縦軸にスパッタ粒子の堆積速度がとられている。ここで、このグラフG12では、格子深さHが一定であり、その結果、横軸では、コリメータアスペクト比が小さいほど格子間隔Wが広いことを意味し、逆に、コリメータアスペクト比が大きいほど格子間隔Wが狭いことを意味している。
このグラフG12には、コリメータアスペクト比と堆積速度との関係、即ち、格子間隔Wと堆積速度との関係を示すラインL12が記載されている。このラインL12が示すように、格子間隔Wが広いほどスパッタ粒子が通過し易いために堆積速度が速く、格子間隔Wが狭いほどスパッタ粒子が通過し難く堆積速度が遅い。
ここで、上記のフィルタ膜601の形成に使われる図10のコリメータ602の格子間隔は、上述したようにコリメータ602の中央から外周に亘って広くなっている。その結果、図10に示すフィルタ膜601の形成時には、このコリメータ602の直下では、このコリメータ602の外周ほどスパッタ粒子が速く堆積することとなる。これにより、カーボンのスパッタ源603と磁性膜206の間に、このコリメータ602が配置された状態で行われるスパッタ法では、コリメータ602の外周ほど、即ち、ディスク基板201の外周ほど厚みが増した図9や図10に示すフィルタ膜601が形成されることとなる。
また、上述したように、このフィルタ膜601の厚みは、このフィルタ膜601の各部を通って磁性膜206の各部に注入されるアルゴンイオンのイオン注入量が、上述の結晶磁気異方性の変化に要する注入量に制御されるように、内周側から外周側にかけて増加する必要がある。このため、本実施形態では、図10に示すコリメータ602の格子間隔が、このような厚みの増加を実現できる割合で、内周側から外周側にかけて広くなっている。
図9のステップS32の処理において、図10および図11を参照して説明したようにフィルタ膜601が形成されると、次に、そのフィルタ膜601の上からアルゴンイオンによるイオン注入が行なわれる(ステップS33)。ここで、本実施形態では、このフィルタ膜601の上からのアルゴンイオンのイオン注入量Iは、フィルタ膜601を通過後のイオン注入量が上述の結晶磁気異方性の変化に要する注入量となるように、このフィルタ膜601の厚みと磁性膜206の厚みに基づいて決定される。そして、このステップS33における、フィルタ膜601越しのアルゴンイオンによるイオン注入により、磁性膜206の結晶磁気異方性が、ディスク基板201の内周側から外周側にかけて連続的に低下することとなる。
また、このステップS33では、アルゴンイオンによるイオン注入の終了後に、フィルタ膜601が、反応性イオンエッチングによって除去される。
以上に説明したステップS32とステップS33とを合わせた処理が、上述の基本形態におけるイオン注入過程の一例に相当する。
ここで、本実施形態では、上述のフィルタ膜601越しのイオン注入により、結晶磁気異方性を、簡単に、ディスク基板201の内周側から外周側にかけて連続的に低下させることができる。
このことは、上述の磁気記録媒体製造方法の基本形態に対し、
「上記イオン注入過程が、さらに、
厚みに応じた率のイオンを遮るフィルタ膜を、上記内周側から上記外周側に向けて厚みを増しながら形成するフィルタ膜形成過程と、
上記フィルタ膜を介して上記イオン注入を行なう注入過程と、
上記フィルタ膜を除去するフィルタ膜除去過程とを有する」という応用形態が好適であることを示している。
ここで、図9のステップS32の処理が、この応用形態におけるフィルタ膜形成過程の一例に相当し、ステップS33の処理が、この応用形態における注入過程とフィルタ膜除去過程とを兼ねた一例に相当する。
また、本実施形態では、上述のようにフィルタ膜601が、反応性イオンエッチングによる除去性が良好なカーボンで形成されている。このカーボンは、磁性膜206を形成するコバルトおよび白金を含有した合金よりもエッチングレートが高いので、反応性イオンエッチングによるフィルタ膜601の除去時の磁性膜206へのダメージが効果的に回避されることとなる。
このことは、上述のフィルタ膜を介してイオン注入を行なうタイプの応用形態に対し、
「上記フィルタ膜形成過程が、上記磁性材料よりもエッチングレートが高い材料で上記フィルタ膜を形成する過程であり、
上記フィルタ膜除去過程が、上記フィルタ膜をエッチングによって除去する過程である」という応用形態が好適であることを示している。
上記の図9のステップS32の処理は、この応用形態におけるフィルタ膜形成過程の一例にも相当し、ステップS33の処理は、この応用形態におけるフィルタ膜除去過程の一例にも相当する。
また、上述のフィルタ膜を介してイオン注入を行なうタイプの応用形態に対し、
「上記フィルタ膜形成過程が、カーボン、タンタル、およびシリコンのいずれかを含む材料で上記フィルタ膜を形成する過程である」という応用形態はさらに好適である。
カーボン、タンタル、およびシリコンは、いずれもエッチングによって除去でき、上記のような磁性材料に比べてエッチングレートが高い材料として知られている。
本実施形態において、上記のようにカーボンでフィルタ膜601を形成する図9のステップS32は、このさらに好適な応用形態の一例に相当する。
図9のステップS33の処理が終了すると、上記の図5のステップS13の処理と同じ処理によりドット204の形成と保護層等の形成が行なわれ、パターンドメディアの磁気ディスク200が完成する(ステップS34)。
以上に説明した、図9に示す第1の磁気ディスク製造方法によれば、結晶磁気異方性を弱めるアルゴンイオンを、内周側から外周側にかけて連続的にイオン注入量が少なくなるように注入することで各ドット間での形状磁気異方性の不均一さに起因する磁化反転磁界の不均一さを打ち消して、磁化反転磁界が各ドット間で均一となった、パターンドメディアの磁気ディスク200を得ることができる。
次に、図8を参照して説明した磁気ディスク200を製造するための第2の磁気ディスク製造方法について説明する。この第2の磁気ディスク製造方法も、磁気記録媒体製造方法の一実施形態に相当する。
図12は、図8を参照して説明した磁気ディスクを製造するための第2の磁気ディスク製造方法の流れを示す図である。
この図12の第2の磁気ディスク製造方法は、図9に示す第1の磁気ディスク製造方法におけるフィルタ膜206の形成処理からアルゴンイオンによるイオン注入処理に至る処理と、ドットの形成処理との順番が入れ替わった方法である。
まず、図9のステップS31の処理と同じ処理が行われ、非磁性材料のディスク基板201上に、裏打ち層202と中間層203と磁性膜206との3層の膜が製膜される(ステップS41)。このステップS41は、上述の基本形態における磁性膜形成過程の一例に相当する。
次に、この図12の第2の磁気ディスク製造方法では、図9のステップS34に示すドットの形成処理と同じ処理が行われ、ドットおよび間隙部205、さらに保護膜等が形成される(ステップS42)。ただし、このステップS42で形成されるドットは、全てのドットの結晶磁気異方性磁界が、磁性膜206が元々有していた結晶磁気異方性磁界であり、最終的に得られる磁気ディスク200のドット204とは異なっているので、この図12のステップS42では、このステップS42の処理で形成されるドットが、ディスク200のドット204とは異なる符合「204’」が付されて示されている。本実施形態では、このステップS42の処理が、上述の基本形態および応用形態における磁化保持体形成過程の一例に相当する。
そして、この図12の第2の磁気ディスク製造方法では、このステップS42でのドット形成処理の後に、図9のステップS32のフィルタ膜601の形成処理と同じ処理(ステップS43)と、図9のステップS33のアルゴンイオンによるイオン注入処理と同じ処理(ステップS44)とがこの順番で行われる。このステップS44の処理が終了した段階で、内周側から外周側に亘って結晶磁気異方性磁界Hkが連続的に低下した複数のドット204が得られることとなる。
最後に、この図12の第2の磁気ディスク製造方法では、フィルタ膜601が反応性イオンエッチングによって除去されて、パターンドメディアの磁気ディスク200が完成する(ステップS45)。本実施形態では、ステップS43からステップS45に至る一連の処理が、上述の基本形態および応用形態におけるイオン注入過程の一例に相当する。
この図12に示す第2の磁気ディスク製造方法によっても、上記の図9の第1の磁気ディスク製造方法と同様に、磁化反転磁界が各ドット間で均一となったパターンドメディアの磁気ディスク200を得ることができる。
尚、上記では、磁気記録媒体の一実施形態として、最内周から最外周に至る全範囲内で外周側ほど周回方向の長さが長く、さらに、その全範囲内で内周側から外周側にかけて段階的又は連続的にドットへのイオン注入量が減少しているパターンドメディアの磁気ディスク100,200を例示したが、磁気記録媒体はこれに限るものではない。この磁気記録媒体は、例えば、ゾーン構造を有し、各ゾーン内で外周側ほど周回方向の長さが長く、各ゾーン内で、内周側から外周側にかけて段階的又は連続的にドットへのイオン注入量が減少しているもの等であっても良い。
また、上記では、磁気記録媒体の一実施形態として、ドットへのイオン注入量が内周側から外周側にかけて4段階に減少しているパターンドメディアの磁気ディスク100を例示したが、磁気記録媒体はこれに限るものではなく、4段階以外の段階数でイオン注入量が減少しているもの等であっても良い。
また、上記では、磁気記録媒体製造方法の一実施形態として、3種類のマスクを使って、ドットへのイオン注入量を内周側から外周側にかけて4段階に減少させる磁気ディスク製造方法を例示したが、磁気記録媒体製造方法はこれに限るものではなく、3種類以外の数のマスクを使って、4段階以外の段階数でイオン注入量を減少させる方法等であっても良い。
また、上記では、磁気記録媒体製造方法の一実施形態として、内周側から外周側にかけて膜圧が増加しているイオンのフィルタ膜を使って、ドットへのイオン注入量を内周側から外周側にかけて連続的に減少させる磁気ディスク製造方法を例示したが、磁気記録媒体製造方法はこれに限るものではない。この磁気記録媒体製造方法は、例えば、カメラの絞り等に使われているアイリス機構等といった、開口の大きさを連続的に変化させることが可能なマスクを用い、このマスクの開口を徐々に開きながらイオン注入を行なうことで、ドットへのイオン注入量を内周側から外周側にかけて連続的に減少させる方法等であっても良い。
また、上記では、磁気記録媒体や磁気記録媒体製造方法の一実施形態として、各ドットの磁化反転磁界が「10kOe(795.77kA/m)」で均一となる形態を例示したが、磁気記録媒体や磁気記録媒体製造方法はこれに限るものではなく、磁化反転磁界が「10kOe(795.77kA/m)」以外の値で均一になる形態であっても良い。
また、上記では、上述の基本形態および応用形態における磁化保持体の一例として、コバルトおよび白金を含有した合金で形成されたドットを例示したが、上記の磁化保持体はこれに限るものではなく、例えば、コバルトを主成分とする膜と、金、銀、白金、パラジウムの少なくとも何れかの元素を含む膜とが交互に積層された多層構造膜等であっても良い。
また、上記では、磁気記録媒体や磁気記録媒体製造方法の一実施形態として、磁性材料からなる磁性層に、ドットの配列に対応した形状のレジストパターンを形成し、そのレジストパターン越しにイオン注入を行なって、レジストパターンから外れた箇所の結晶磁気異方性を破壊することで、ドットと、ドット間を生める間隙部とが形成される形態を例示したが、磁気記録媒体や磁気記録媒体製造方法はこれに限るものではない。磁気記録媒体や磁気記録媒体製造方法は、例えば、磁性材料からなる磁性層から、ドット以外の部分をイオンミリングや反応性イオンエッチング等により物理的に除去し、その除去された部分を非磁性材料で埋めることで、ドットと、ドット間を生める間隙部とが形成される形態等であっても良い。
また、上記では、上述の基本形態および応用形態におけるイオン注入の一例としてアルゴンイオンによるイオン注入を例示したが、このイオン注入はこれに限るものではなく、例えば、酸素イオンや窒素イオン、あるいは、アルゴンイオン、酸素イオン、および窒素イオンのうちから選択された1種以上のイオンによるイオン注入であれば良い。
また、上記では、磁気記録媒体製造方法の一実施形態として、裏打ち層や中間層や磁性膜がスパッタ法によりディスク基板上に形成されるという形態を例示したが、磁気記録媒体製造方法はこれに限るものではなく、裏打ち層や中間層や磁性層が、例えば真空蒸着法や化学気相生長法等の手法によりディスク基板上に形成されるという方法であっても良い。
また、上記では、上述の応用形態におけるフィルタ膜の一例として、カーボンで形成されたフィルタ膜を例示したが、この応用形態におけるフィルタ膜はこれに限るものではなく、例えばタンタル、シリコン、酸化シリコン、炭化シリコン、窒化シリコン等で形成されたものであっても良い。
また、上記では、磁気記録媒体製造方法の一実施形態として、上記のフィルタ膜がスパッタ法により形成されるという形態を例示したが、磁気記録媒体製造方法はこれに限るものではなく、フィルタ膜が、例えば真空蒸着法や化学気相生長法等の手法により形成されるという方法であっても良い。
また、上記では、上述の基本形態および応用形態における磁化保持体の一例として、トラックの周回方向に延びた形状を有するドットを例示したが、磁化保持体はこれに限るものではなく、例えば、磁気ヘッドのスキュー角に対応し、トラックの直上に配置された状態の磁気ヘッドと平行に延びた形状を有するもの等であっても良い。
磁気記録媒体の一実施形態であるパターンドメディアの磁気ディスクを示す図である。 図1の磁気ディスクにおいて、各ドットのドット長が外周側ほど長くなっている様子を模式的に示す図である。 ドット長が長いほど結晶磁気異方性を大きくすることで、磁化反転磁界が均一に維持される様子を示す図である。 図1の磁気ディスクにおいて、外周側ほどドットへのイオン注入量が少なく、その結果、外周側ほどドットの結晶磁気異方性が大きくなっている様子を示す図である。 図1から図4までを参照して説明した磁気ディスクを製造するための第1の磁気ディスク製造方法の流れを示す図である。 アルゴンイオンによるイオン注入処理の詳細を示す図である。 図1から図4までを参照して説明した磁気ディスクを製造するための第2の磁気ディスク製造方法の流れを示す図である。 磁気記録媒体の一実施形態であるパターンドメディアの磁気ディスクを示す図である。 図8を参照して説明した磁気ディスクを製造するための第1の磁気ディスク製造方法の流れを示す図である。 図9のステップS32におけるフィルタ膜の形成方法を示す図である。 格子間隔とスパッタ粒子の堆積速度との関係を示すグラフである。 図8を参照して説明した磁気ディスクを製造するための第2の磁気ディスク製造方法の流れを示す図である。 ドット長の変化に応じて磁化反転磁界が低下する様子を示すグラフである。
符号の説明
100,200 磁気ディスク
100a 第1領域
100b 第2領域
100c 第3領域
100d 第4領域
101,201 ディスク基板
102,202 裏打ち層
103,203 中間層
104,104’,204,204’ ドット
105 間隙部
106,206 磁性膜
110 トラック
110a 最内周のトラック
110b 最外周のトラック
150 ヘッドジンバルアセンブリ
151 磁気ヘッド
501 第1マスク
502 第2マスク
503 第3マスク
504 イオンソース
601 フィルタ膜
602 コリメータ
603 スパッタ源

Claims (10)

  1. ディスク状の基板と、
    前記基板のディスク中心を周回し複数周に亘って該基板上に配列された、少なくとも所定範囲内では各々の周回方向の長さが外周側ほど長い、各々が個別に磁化を保持する、各々が磁性材料からなり結晶磁気異方性の磁化容易軸が前記基板の表裏面に交わる方向を向いた、該磁性材料の結晶磁気異方性を弱めるイオン注入が施され該所定範囲内では外周側ほど注入量が少ない複数の磁化保持体とを備えたことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記複数の磁化保持体は、最内周から最外周に至る全範囲内で、外周側ほど周回方向の長さが長く、外周側ほどイオン注入量が少ないものであることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 前記磁化保持体が、前記イオンとして、アルゴンイオン、酸素イオン、および窒素イオンのうちから選択された1種以上のイオンが注入されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気記録媒体。
  4. 前記磁化保持体が、コバルトおよび白金を含有した磁性材料で形成されたものであることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の磁気記録媒体。
  5. ディスク状の基板に、磁性材料からなり結晶磁気異方性の磁化容易軸が前記基板の表裏面に交わる方向を向いた磁性膜を形成する磁性膜形成過程と、
    前記磁性膜が有する磁性を局所的に残し他の箇所では破壊することで、前記基板のディスク中心を周回し複数周に亘って該基板上に配列された、少なくとも所定範囲内では各々の周回方向の長さが外周側ほど長い、各々が個別に磁化を保持する複数の磁化保持体を形成する磁化保持体形成過程と、
    前記磁性材料の結晶磁気異方性を弱めるイオン注入を、前記所定範囲内では外周側ほど少ない注入量で、前記磁化保持体形成過程の前あるいは後で施すイオン注入過程とを有することを特徴とする磁気記録媒体製造方法。
  6. 前記磁化保持体形成過程は、最内周から最外周に至る全範囲内で、外周側ほど周回方向の長さが長い複数の磁化保持体を形成する過程であり、
    前記イオン注入過程は、最内周から最外周に至る全範囲内で、外周側ほど少ない注入量で前記イオン注入を施す過程であることを特徴とする請求項5記載の磁気記録媒体製造方法。
  7. 前記イオン注入過程が、開口の大きさが互いに異なり、該開口以外の部分で前記イオンを遮る複数のマスクを順次に交換しながら、前記基板上に配置し、イオン注入を各マスクについて行なうことで、内周側から外周側にかけてイオン注入量を減らす過程であることを特徴とする請求項5又は6記載の磁気記録媒体製造方法。
  8. 前記イオン注入過程が、さらに、
    厚みに応じた率のイオンを遮るフィルタ膜を、前記内周側から前記外周側に向けて厚みを増しながら形成するフィルタ膜形成過程と、
    前記フィルタ膜を介して前記イオン注入を行なう注入過程と、
    前記フィルタ膜を除去するフィルタ膜除去過程とを有することを特徴とする請求項5又は6記載の磁気記録媒体製造方法。
  9. 前記フィルタ膜形成過程が、前記磁性材料よりもエッチングレートが高い材料で前記フィルタ膜を形成する過程であり、
    前記フィルタ膜除去過程が、前記フィルタ膜をエッチングによって除去する過程であることを特徴とする請求項8記載の磁気記録媒体製造方法。
  10. 前記フィルタ膜形成過程が、カーボン、タンタル、およびシリコンのいずれかを含む材料で前記フィルタ膜を形成する過程であることを特徴とする請求項8又は9記載の磁気記録媒体製造方法。
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