JP2009300504A - セラミックスローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】円筒体層の外周に表面層を有し、円筒体層を固定フランジで固定するセラミックスローラにおいて、ローラ加熱時の空気の熱膨張に伴う表面層の膨れや剥がれなどを防止するセラミックスローラを提供すること。
【解決手段】帯電像を用いる電子写真装置の熱定着装置で使用されるセラミックスローラであって、軸芯と、該軸芯の外周に形成される多孔質セラミックス製の円筒体層と、該円筒体層の外周に形成される耐熱性樹脂製の表面層と、該円筒体層を固定する固定フランジとからなり、該フランジに該円筒体層側と該フランジの外側を繋ぐ貫通穴を形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸芯と、該軸芯の外周に形成される円筒体層を備えるセラミックスローラに関し、特に帯電像を用いる電子複写機やプリンタなどの電子写真装置に搭載される熱定着装置に使用されるセラミックスローラに関するものである。
静電複写機、レーザープリンタなどの電子写真装置は、暗中で一様に帯電した感光体表面に光学像を投影すると、感光体表面には光学像に対応した静電気潜像が形成され、その表面に現像剤である帯電トナーを散布して静電気的に付着させて画像を現像し、この感光体表面に前記トナーの帯電とは反対の極性に帯電させた印刷紙の表面を重ねて該トナーを紙面に転写し、この紙面上のトナーを熱定着ローラにより加圧下、加熱、溶融して紙面上に熱定着することにより、画像を複写させるものである。
熱定着ローラにより紙面上のトナーを熱定着する熱定着装置部分としては、通常、熱定着ローラと加圧ローラの2つのローラで構成されたもの、あるいは、熱定着ローラと加圧ローラと搬送ローラの3つのローラで構成され、熱定着ローラまたは加圧ローラのうち何れか一方と、搬送ローラとの間に巻装される無端ベルトを有するものが知られている。すなわち、印刷紙は、その裏面側から加圧ローラ又は無端ベルトを介した加圧ローラで支持され、表面側から加熱された熱定着ローラにより加圧、加熱させて紙面上のトナーが融着して熱定着される。熱定着ローラの温度は、一般的に150〜200℃程度であるが、ローラ昇温時には、オーバーシュートにより、一時的にそれ以上の温度に達する場合もある。
熱定着ローラにより紙面上のトナーを融着させるために、融着可能な高温に加熱されるが、熱定着操作が行われる際、常に熱定着温度より遥かに低温の印刷紙や加圧ローラ、あるいは無端ベルトと接触し、回転するため、その瞬間に、多量の熱エネルギーが奪い取られて冷却される。このため、熱定着ローラは、このような接触による冷却を見込んで、より高い温度に加熱しておく必要があり、消費電力が増大してしまう。従って、加圧ローラには、熱伝導率の小さな性質、すなわち、断熱性が要求される。また、加圧ローラは、高温の熱定着ローラと接触するため、耐熱性及び強度も要求される。このような加圧ローラとして、軸芯の外周にケイ酸カルシウムを主成分とする多孔質セラミックスの円筒体層を設け、該円筒体層の外周にフッ素樹脂からなる表面層を設けたセラミックスローラが提案されている(特開2006−171170号公報)。このような表面層を設けたセラミックスローラは上記特性の他、平滑性、摺動性及び記録媒体に対する離型性に優れたものとなる。
特開2006−171170号公報
しかしながら、軸芯の外周にセラミックスの多孔質円筒体層を、該円筒体層の外周にフッ素樹脂からなる表面層をそれぞれ設け、円筒体層を固定フランジで固定するセラミックスローラにおいては、ローラ作製時あるいはローラ使用時など加熱温度が約200℃となるようなローラ加熱時に、多孔質の円筒体層内の空気が熱膨張し、ローラ内に内圧を発生させ、その結果、表面層の膨れや剥がれなどが生じるという問題がある。
従って、本発明の目的は、円筒体層の外周に表面層を有し、円筒体層を固定フランジで固定するセラミックスローラにおいて、ローラ加熱時の空気の熱膨張に伴う表面層の膨れや剥がれなどを防止するセラミックスローラを提供することにある。
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、帯電像を用いる電子写真装置の熱定着装置で使用される円筒体層の外周に表面層を有し、円筒体層を固定フランジで固定するセラミックスローラにおいて、該フランジに該円筒体層側と該フランジの外側を繋ぐ貫通穴を形成したものであれば、ローラ加熱時に空気が熱膨張した際、貫通穴より空気が逃げるため、表面層の膨れや剥がれなどを防止することができることなどを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、帯電像を用いる電子写真装置の熱定着装置で使用されるセラミックスローラであって、軸芯と、該軸芯の外周に形成される多孔質セラミックス製の円筒体層と、該円筒体層の外周に形成される耐熱性樹脂製の表面層と、該円筒体層を固定する固定フランジとからなり、該フランジに該円筒体層側と該フランジの外側を繋ぐ貫通穴を形成したことを特徴とするセラミックスローラを提供するものである。
本発明のセラミックスローラによれば、フランジに円筒体層側と該フランジの外側を繋ぐ貫通穴を形成したため、ローラ加熱時に空気が熱膨張した際、貫通穴より空気が逃げるため、表面層の膨れや剥がれなどを防止することができる。
本発明のセラミックスローラは、中心から外側に向けて順に、軸芯、セラミックス製の円筒体層及び耐熱性樹脂製の表面層からなる。なお、本発明において、セラミックスとは非金属無機材料を主成分とする材料を言う。本発明において、軸芯としては、使用に耐える剛性を有する金属又は硬化樹脂であれば、特に制限されず、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮、炭素鋼、ポリカーボネート、硬質ナイロンなどが挙げられる。
本発明において、軸芯の外周側に形成される多孔質セラミックス製の円筒体層としては、特に制限されず、低熱伝導率及び低熱容量で表される高断熱性、高耐熱性、高強度のものであり、具体的には、ケイ酸カルシウムを主成分とし、耐熱性繊維を補強繊維とするセラミックス及び耐熱性繊維と無機質バインダーを主成分とするセラミックスが挙げられ、この中、ケイ酸カルシウムを主成分とし、耐熱性繊維を補強繊維とするセラミックスが高強度で、熱伝導率が小さい点で好ましい。円筒体層は、単一の円筒体、ブロック状の円筒体を軸芯の長手方向に積層した積層物、リング状のシート片を軸芯の長手方向に積層した積層物のいずれであってもよい。
ケイ酸カルシウムを主成分とし、耐熱性繊維を補強繊維とするセラミックスにおいて、ケイ酸カルシウムとしては、ケイ酸質原料とカルシウム原料を水の存在下で水熱反応せしめて生成した化合物が好適である。ケイ酸カルシウムの結晶としては、例えばゾノトライト結晶、トバモライト結晶、不定形C−S−H結晶等が挙げられ、特にゾノトライト結晶からなる成形体は軽量で比強度が非常に大きく、耐熱性と断熱性に優れているため好ましい。ゾノトライト結晶は特開2007−272051号公報に記載されたものと同様であり、集合し且つ結合して二次粒子を形成しているが、本発明のセラミックスローラにおける円筒体層中では扁平状として存在している。
ケイ酸カルシウムと併用される耐熱性繊維は、補強繊維として使用されるものである。耐熱性繊維には、耐熱性無機繊維と耐熱性有機繊維がある。耐熱性無機繊維としては、例えば、アルミナシリカ繊維、アルミナ繊維、クリストタイル、カーボンファイバー、ガラス繊維、スラグウール、シリカ繊維、ジルコニア繊維、石膏ウイスカー、炭化珪素繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、高珪酸ファイバー、溶融シリカファイバー及びロックウール、ワラストナイトなどが挙げられ、耐熱性有機繊維としては、例えば、アラミド繊維などが挙げられる。なお、これらの耐熱性繊維は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
円筒体層は、ケイ酸カルシウム及び耐熱性繊維以外に、補強材、充填材、軽量骨材等が必要に応じて任意の配合割合で添加されていてもよい。補強材としては、セメント、石膏等が挙げられ、充填材としては、タルク、珪藻土、フライアッシュ等が挙げられ、軽量骨材としては、マイクロシリカ、パーライト、シラスバルーン、ガラスバルーン等が挙げられる。また、その配合量としては、例えば、ゾノトライト結晶の二次粒子100質量部に対して、耐熱性繊維5〜95質量部、好ましくは20〜60質量部、補強材0〜36質量部、好ましくは7〜15質量部、充填材0〜30質量部、軽量骨材0〜30質量部である。
耐熱性繊維と無機質バインダーを主成分とするセラミックスにおいて、耐熱性繊維及び無機質バインダーは、例えば特開2007−272051に記載と同様のものが挙げられる。
表面層は、円筒体層の外周に形成される耐熱性樹脂製の層である。このような表面層を有することで、セラミックスローラに摺動性、平滑性及び記録媒体に対する離型性をもたせることができる。表面層の厚さとしては、通常5〜500μm、好ましくは20〜100μmである。厚さが5μm未満であると、表面に円筒体層の凹凸が表れたり、表面層が破れたりすることがある。また、500μmを越えると断熱性が低下し易くなる。
表面層を形成する耐熱性樹脂としては、パーフルオロアルキル-ビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂が好適である。この中、PFAが耐熱性と加工性の観点から好ましい。
貫通穴はフランジに形成され、円筒体層側とフランジの外側を繋ぐものである。これにより、ローラ加熱時に空気が熱膨張した際、貫通穴より空気が逃げるため、表面層の膨れや剥がれなどを防止することができる。貫通穴の穴形状としては、特に制限されず、丸穴、四角穴、楕円穴、不定形状の穴が挙げられる。貫通穴の穴径は、丸穴とした場合、1μm以上である。穴径の上限値は、円筒体層の径、フランジが円筒体層を圧縮固定できる限度、フランジによる円筒体層の圧縮が不均一とならない限度などを考慮して適宜決定されるものであり、最大1cmである。好ましい丸穴径は、1〜2mmである。貫通穴の設置数は特に制限されず、1個以上、好ましくは1〜8個である。貫通穴を複数設置する場合、円周周りに等ピッチで形成することが、円筒体層内の加熱空気を万遍なく速やかに逃がすことができる点で好ましい。
貫通穴の円筒体層側の開口は円筒体層の端面に当接しており、他の開口はフランジの端面にあっても、フランジの周面にあってもよい。貫通穴はフランジ内において屈曲していてもよいが、直線状とすることが、加工がし易い点で好ましい。また、貫通穴は円筒体層の外側に近い位置、例えば図2中、円筒体層の径方向の厚みw(r−r)(但し、rは中心から円筒体層の外端までの長さ、rは中心から円筒体層の内端までの長さ)の中心位置より外側、すなわち、図2中、r((r−r)/2)線より外側に形成することが好ましい。空気の熱膨張による膨れは外側で起こるため、貫通穴をr線より外側に形成することで、表面層の膨れをより効果的に防止できる。なお、図2は図1の右側面図である。
本発明のセラミックスローラにおいて、フランジと円筒体層の端面の間に、貫通穴を塞ぐ通気性を有する耐熱性シートを設けることが、該貫通穴から多孔質のセラミックスの粉が漏れ出すことを防止することができる点で好ましい。耐熱性とは、200℃の使用温度に耐え得る特性を言う。また、通気性は、空気が抜けるものであればよく、例えば通気抵抗度(ガーレー)が、0.1〜100秒/100cc、好ましくは0.1〜10秒/100ccのものである。通気性がないシートを使用したのでは、貫通穴を設けた意味がない。通気抵抗度は一定量の空気が試験片を通り抜けるのに要した時間であり、JIS P 8117(紙及び板紙通気度試験方法 ガーレー試験機法)に準拠して得られる。測定器としては、B型ガーレー式デンソメータを使用すればよい。
通気性を有する耐熱性シートとしては、樹脂シートあるいは不織布シートを使用することができる。樹脂シートは、PTFE、PFA、PI等の多孔質シートであり、気孔径は0.1〜200μm、好ましくは0.1〜100μm、厚さ0.01〜1mm、好ましくは0.05〜0.3mmである。気孔径が大き過ぎると、セラミックスの粉が漏れ出てしまう。PTFE多孔質シートとしては「ポアフロンメンブレン」(住友電工ファインポリマー社製)が使用できる。不織布シートとしては、アラミドペーパーあるいはセラミックペーパーが挙げられる。通気性を有する耐熱性シートの大きさ(面積)は、貫通穴を塞ぐに足りる面積であればよいが、円筒体層の端面の形状と同じとすることが、フランジによる円筒体層の圧縮を均一とする点で好ましい。
本発明のセラミックスローラにおいて、軸芯への円筒体層の固定方法は、軸芯に装着された円筒体層を両側のフランジから所定の押圧力で挟持する固定方法である。なお、軸芯と円筒体層間には隙間があってもなくてもよい。また、円筒体層は軸芯に対して接着剤で固定されていてもよい。
本発明のセラミックスローラにおいて、円筒体層のセラミックスの嵩密度は、通常0.05〜0.7g/cmであり、好ましくは0.25〜0.5g/cmである。また、円筒体層のセラミックスの熱容量は、0.04〜0.65J/K・cm、好ましくは0.04〜0.4J/K・cmである。また、円筒体層のセラミックスの熱伝導率は、0.01〜0.15W/m・Kであり、好ましくは0.06〜0.12W/m・Kである。
熱容量(KJ/cm)は、試料を粉砕し、そのうちの50gを、高温試料投下型比熱測定装置を用いて比熱を測定し、嵩密度の値から算出することができる。また、圧縮された円筒体層のセラミックスの熱伝導率(W/m・K)は、別途、セラミックスローラとした際の密度と同じ密度となる幅100mm、厚さ20mm、長さ50mmの平面板状の試験体における表面を、JIS R2618 非定常熱線法に準じて、迅速熱伝導率計QTM−500(京都電子工業株式会社製)により、室温で測定したものである。
本発明のセラミックスローラの一例を図1を参照して説明する。図1はセラミックスローラの断面図である。セラミックスローラ10は、中心から外側に向けて順に、軸芯1、セラミックスの円筒体層2及び表面層3からなる。軸芯1は軸芯1に装着された円筒体層2を両側から所定の押圧力で挟持することができる貫通穴5を有するフランジ4とからなる。また、円筒体層2の端面とフランジ5間には、通気性を有する耐熱性シート6が付設されてもよい。
次に、本発明のセラミックスローラの製造方法について説明する。本発明のセラミックスローラの製造方法としては、耐熱性繊維を含む原材料と水を混合してスラリー又は水系混練物を調製するI工程と、スラリー又は水系混練物から成形体を得るII工程と、軸芯周りに円筒体層を形成するIII工程と、円筒体層の周りに表面層を形成するIV工程を有する。II工程で得られる成形体の形状は、例えばシート状、板状、四角柱状又は円柱状などであり、これらは適宜、III工程で、あるいはII工程後、III工程前で円筒体形状に加工される。III工程において、軸芯には固定用フランジが取り付けられており、このフランジには貫通穴が形成されている。上記I工程からIV工程は、公知の方法に準拠して行えばよい。
好適なセラミックスローラの製造方法としては、耐熱性繊維を含む原材料と水を混合してスラリーを調製するスラリー調製工程と、スラリーからシートを吸引脱水成形法又は抄造法によって得る成形工程と、シートを厚さ方向に打ち抜き、リング状のシート片を得る打ち抜き加工工程と、数十あるいは数百のリング状のシート片の中空部に軸芯を通し且つシート片を軸芯長手方向に圧縮して固定する工程とを有する方法が挙げられる。
例えば、数十あるいは数百のリング状のシート片を軸芯長手方向に所定の圧縮長さとなるように圧縮して固定する方法としては、例えば雌螺子がきられたフランジをねじ込む方法、または圧入されたシート片とローレット加工で軸芯に形成される凹凸との固定方法、または軸芯にフランジを嵌め合い公差に基づいて圧入する固定方法等が挙げられる。この際、円筒体層の端面とフランジとの間に耐熱性シートを介在させることができる。このような固定方法によりセラミックスローラは、フランジ間の圧縮力により回転トルクを発生することができる。従って、軸芯と円筒体層間の接着剤は使用せずともよい。また、円筒体層1の長手方向においては柔軟なペーパーを圧縮しているため、ペーパー間に隙間は発生せず、円筒体層の表面には隙間が生じることはない。
本発明のセラミックスローラは、円筒体層を圧縮固定するフランジに貫通穴を設けたため、ローラ加熱時に空気が熱膨張した際、貫通穴より空気が逃げるため、表面層の膨れや剥がれなどを防止することができる。また、熱伝導率も小さく断熱性に優れるため、電子複写機やプリンタなどの電子写真装置に搭載される熱定着装置に使用される断熱性が要求されるセラミックスローラに使用することができる。すなわち、本発明のセラミックスローラが使用できる用途としては、種々な名称で呼ばれている、例えば、加圧ローラ、搬送ローラ、補助ローラ、ドライブローラ、剥離ローラ、テンションローラ、駆動ローラ、ガイドローラ等が挙げられる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(貫通穴を有するフランジの作製)
厚さ5mm、外径39.3mm、内径22mmのステンレス製の一対のフランジに、厚み方向に直線状に貫通する穴径1mmの穴を4個、切削加工によりそれぞれ形成した。貫通穴の形成位置は、図2に示した通りであり、円筒体層の外端から厚みwの1/4、内側に入った位置であり、且つ円筒体層の周方向に等ピッチで形成した。
(ゾノトライト結晶の生成)
石灰質原料として生石灰を24倍量の90℃の熱水に投入し、160rpmで回転する回転翼で攪拌しながら30分間消化して石灰乳を得た。次いで、得られた石灰乳にケイ酸質原料としての珪石粉末(伊豆珪石特粉D)をCaO/SiOモル比が1.0になるように添加し、同時に、生石灰と珪石粉末との合計量の30倍量の水を加えて均一なスラリーとし、オートクレーブ中、120rpmで攪拌しながら、容器内圧力16kg/cmで4時間水熱反応させた。得られたスラリー中の固形物は実質的にゾノトライト結晶からなり、一次粒子である針状結晶が多数集結した直径30〜130μmの球状の二次粒子を形成していた。
(スラリーの調製)
上記スラリーゾノトライト結晶の2次粒子70重量部に対して、5重量部のポルトランドセメント(普通ポルトランドセメント、宇部三菱セメント社製)、10重量部のガラス繊維(CS6J−888S、日東紡社製)、15重量部の細径ガラス繊維(Qファイバ、Manville社製)、0.05重量部の凝集剤(サンフロックN−OP、三洋化成工業社製)を添加し、均一に混合して抄造用スラリーを得た。そして該スラリーを長網抄造機にて抄造し、紙を形成したあと、約4kgf/cmの圧力でプレスし、乾燥を行い、密度0.35g/cm、厚さ1.4mmの断熱ペーパーを得た。
(ローラ中間体の製造)
得られた断熱ペーパーから外径39.5mm、内径22.5mmのリング状のシート片を都合267枚、打ち抜き加工により得た。打ち抜き加工は、二重円筒刃を有する打ち抜き機を使用して、20個採り/1回で14回の打ち抜きを実施したものである。次いで、軸径22.0mmのステンレス製の軸芯1に、リング状のシート片を次々に挿入して、267枚の分割成形片が繋がった積層体を得た。次いで、上記方法で得られた貫通穴を有するフランジ4を用いてこの積層体を軸芯長手方向に圧縮して、長さ300mm、嵩密度0.45g/cmの円筒体層(断熱層)を備えたローラ中間体を得た。
(セラミックスローラの製造)
ローラ中間体の円筒体層の外周面に熱硬化型シリコンゴム(「KE1850」信越化学社製)を塗布した。次いで、厚さ50μmのPFAチューブを、ローラ中間体に被覆してセラミックスローラを得た。得られたセラミックスローラについて、下記の加熱試験を行った。その結果を表1に示す。
(加熱試験)
試験体を送風低温恒温機(「DN610」(ヤマト化学社製)にて、昇温速度40℃/時間で200℃まで加熱し、60分後、試験体を取り出し、表面層の膨れなどを観察する。なお、試験体は上記セラミックスローラの製造の際、熱硬化型シリコンゴムを硬化させる加熱工程の前のものを使用し、実際のローラ作製時の加熱工程での不具合を再現する条件とした。表1中、符号「○」は表面層の膨れは観察されなかったことを、符号「×」は表面層の膨れが観察されたことを示す。
貫通穴径1mmに代えて、貫通穴径2mmとしたこと、貫通穴の設置数4個に代えて、設置数1個とした以外は、実施例1と同様の方法で行った。その結果を表1に示す。
円筒体層の端面とフランジとの間に、気孔径0.45μm、厚さ80μm、通気抵抗度3秒/100ccのPTFE製のシートAを設置した以外は、実施例1と同様の方法で行った。その結果を表1に示す。なお、PTFE製のシートAは温度200℃での使用に十分耐えるものであり、形状は円筒体層の端面形状と同じとし、円筒体層をフランジで圧縮固定する際、円筒体層とフランジの間に介在させて組み込んだ。
気孔径0.45μm、厚さ80μm、通気抵抗度3秒/100ccのPTFE製のシートAに代えて、気孔径0.2μm、厚さ80μm、通気抵抗度6秒/100ccの通気性のPTFE製のシートBを使用した以外は、実施例3と同様の方法で行った。その結果を表1に示す。
貫通穴の設置数4個に代えて、設置数8個としたこと、気孔径0.45μm、厚さ80μm、通気抵抗度3秒/100ccのPTFE製のシートAに代えて、気孔径0.1μm、厚さ80μm、通気抵抗度15秒/100ccの通気性のPTFE製のシートCを使用したこと以外は、実施例3と同様の方法で行った。その結果を表1に示す。
比較例1
フランジに貫通穴を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で行った。その結果を表1に示す。
Figure 2009300504
フランジに円筒体層側とフランジの外側を繋げる貫通穴を形成した実施例は、いずれも、200℃に加熱されても、表面層に膨れは観察されなかった。比較例は、貫通穴が無く、表面層の膨れが観察された。これは200℃の加熱により、多孔質の円筒体層内の空気が熱膨張し、ローラ内に内圧を発生させ、表面層の膨れが生じたものである。
本発明の実施の形態におけるセラミックスローラの断面図である。 図1のセラミックスローラの右側面図である。
符号の説明
1 軸芯
2 円筒体層
3 表面層
4 フランジ
5 貫通穴
6 耐熱性シート

Claims (4)

  1. 帯電像を用いる電子写真装置の熱定着装置で使用されるセラミックスローラであって、軸芯と、該軸芯の外周に形成される多孔質セラミックス製の円筒体層と、該円筒体層の外周に形成される耐熱性樹脂製の表面層と、該円筒体層を固定する固定フランジとからなり、該フランジに該円筒体層側と該フランジの外側を繋ぐ貫通穴を形成したことを特徴とするセラミックスローラ。
  2. 前記貫通穴は、ひとつのフランジに少なくとも1つ形成され、その穴径が1μm〜1cmであることを特徴とする請求項1記載のセラミックスローラ。
  3. 前記表面層が、PTFE膜又はPFA膜であることを特徴とする請求項1又は2記載のセラミックスローラ。
  4. 前記フランジと該円筒体層の間に、前記貫通穴を塞ぐ通気性を有する耐熱性シートを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミックスローラ。
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