JP2009299575A - 触媒の劣化判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】還元剤のスリップ量に応じた適切なタイミングで劣化の判定を行うことによって、その判定精度を向上させることができる触媒の劣化判定装置を提供する。
【解決手段】内燃機関3の排気通路5に設けられた触媒7の劣化判定装置1は、触媒7に流入する排ガスを酸化雰囲気から還元雰囲気に切り換えた後、検出された下流側酸素濃度パラメータKACT2に応じて、触媒7を通過した還元剤の量を表すスリップ量パラメータsumkact2を算出する。そして、排ガスを酸化雰囲気から還元雰囲気に切り換えてからスリップ量パラメータがしきい値krefに達したと判定されるまでに得られた上流側酸素濃度パラメータKACT1と下流側酸素濃度パラメータとの比較結果に基づいて、触媒7の劣化を判定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関から排出された排ガスを浄化する触媒の劣化判定装置に関する。
従来の触媒の劣化判定装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この触媒は三元触媒であり、この劣化判定装置では、三元触媒の劣化の判定が以下のようにして行われる。まず、内燃機関に供給する混合気の空燃比を理論空燃比よりもリーン側に制御することによって、三元触媒に酸素を吸着させる。この制御の開始から第1所定期間が経過したときに、三元触媒の吸着能力が限界に達したとして、混合気の空燃比を理論空燃比よりもリッチ側に切り換えることにより、還元剤としての未燃燃料を三元触媒に供給し、三元触媒に吸着している酸素と反応させる。その後、三元触媒の下流側の空燃比が上流側の空燃比にほぼ等しくなったときに、そのときの上流側空燃比と理論空燃比との差に、リッチ側への切換時からの経過時間(以下「第1時間」という)と、吸入空気量を乗算することによって、三元触媒に吸着していた第1酸素量を算出する。
次に、混合気の空燃比を再びリーン側に切り換える。その後、下流側空燃比が上流側空燃比にほぼ等しくなったときに、そのときの上流側空燃比と理論空燃比との差に、リーン側への切換時からの経過時間(以下「第2時間」という)と、吸入空気量を乗算することによって、第2時間内に三元触媒に吸着した第2酸素量を算出する。そして、算出した第1および第2酸素量の平均値を算出し、この平均値が小さいほど、三元触媒の劣化が進行していると判定する。
以上のように、従来の劣化判定装置では、空燃比をリーン側とリッチ側の間で切り換えた後、下流側空燃比が上流側空燃比に等しくなるまでの第1および第2時間に応じて算出した第1および第2酸素量に基づいて、三元触媒の劣化が判定される。しかし、三元触媒が劣化しておらず、正常でも、その活性状態が低いときには、未燃燃料が吸着した酸素と反応することなく、三元触媒をそのまま通過する(スリップする)ことがあり、空燃比のリッチ制御時にこのスリップ量が一時的に多くなると、吸着していた酸素が完全に消費されないうちに下流側空燃比が上流側空燃比に一時的に一致することがある。その場合、第1時間が短めに算出されるため、それに基づく劣化の判定を適切に行うことができず、劣化が進行していると誤判定するおそれがある。
また、三元触媒の劣化が進行していても、下流側空燃比が上流側空燃比に等しくならない限り、劣化の判定が行えないため、特に空燃比のリッチ制御中に、未燃燃料がスリップし続けてしまい、排ガス特性が低下する。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、還元剤のスリップ量に応じた適切なタイミングで劣化の判定を行うことによって、その判定精度を向上させることができる触媒の劣化判定装置を提供することを目的とする。
特開平5−133264号公報
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、内燃機関3の排気通路(実施形態における(以下、本項において同じ)排気管5)に設けられ、内燃機関3の排ガスが酸化雰囲気のときに排ガス中の酸素を貯蔵する酸素貯蔵能力を有し、貯蔵した酸素を排ガスが還元雰囲気のときに放出するとともに、排ガスを浄化する触媒7の劣化判定装置1であって、排気通路の触媒7よりも上流側における排ガス中の酸素濃度を表す上流側酸素濃度パラメータ(第1当量比KACT1)を取得する上流側酸素濃度パラメータ取得手段(上流側LAFセンサ12)と、排気通路の触媒7よりも下流側における排ガス中の酸素濃度を表す下流側酸素濃度パラメータ(第2当量比KACT2)を検出する下流側酸素濃度パラメータセンサ(下流側LAFセンサ13)と、触媒7に流入する排ガスを酸化雰囲気と還元雰囲気に制御可能な制御手段(ECU2)と、制御手段により排ガスを酸化雰囲気から還元雰囲気に切り換えた後、検出された下流側酸素濃度パラメータに応じて、触媒7を通過した還元剤の量を表すスリップ量パラメータ(第2還元剤量積算値sumkact2)を算出するスリップ量パラメータ算出手段(ECU2、図2のステップ4)と、算出されたスリップ量パラメータが所定のしきい値(所定値kref)に達したか否かを判定する判定手段(ECU2、図2のステップ2)と、排ガスを酸化雰囲気から還元雰囲気に切り換えてからスリップ量パラメータがしきい値に達したと判定されるまでに得られた上流側酸素濃度パラメータと下流側酸素濃度パラメータとの比較結果に基づいて、触媒7の劣化を判定する劣化判定手段(ECU2、図2のステップ11)と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、内燃機関の排気通路に設けられた触媒によって内燃機関から排出された排ガスが浄化される。また、この触媒は、排ガスが酸化雰囲気のときに排ガス中の酸素を貯蔵する酸素貯蔵能力を有し、貯蔵した酸素を排ガスが還元雰囲気のときに放出する。本発明の劣化判定装置によれば、排気通路の触媒よりも上流側における排ガス中の酸素濃度を表す上流側酸素濃度パラメータが取得されるとともに、排気通路の触媒よりも下流側における排ガス中の酸素濃度を表す下流側酸素濃度パラメータが検出される。また、触媒に流入する排ガスを酸化雰囲気から還元雰囲気に切り換えた後、検出された下流側酸素濃度パラメータに応じて、触媒を通過した還元剤の量を表すスリップ量パラメータを算出する。
触媒が正常でかつ活性状態にある場合、排ガスを酸化雰囲気から還元雰囲気に切り換えると、触媒に貯蔵されていた酸素が放出され、還元剤と反応するため、還元剤はほとんどスリップせず、それにより、触媒の下流側における排ガス中の酸素濃度はほとんど変化しない。これに対して、触媒が劣化している場合、還元剤はスリップし、劣化度合いが高いほど、スリップ量が多くなるので、触媒の下流側における排ガス中の酸素濃度は低くなる。このように、下流側の酸素濃度はスリップ量を良好に表すため、下流側酸素濃度パラメータに応じて、スリップ量パラメータを適切に算出することができる。そして、算出されたスリップ量パラメータが所定のしきい値に達したと判定されたときに、排ガスを還元雰囲気に切り換えてからそのときまでに得られた上流側酸素濃度パラメータと下流側酸素濃度パラメータとの比較結果に基づいて、触媒の劣化を判定する。
排ガスを酸化雰囲気から還元雰囲気に切り換えると、触媒の上流側では、酸素濃度が直ちに低くなるため、上流側酸素濃度パラメータは、触媒に流入する還元剤量を表す。一方、下流側酸素濃度パラメータはスリップ量を表す。また、貯蔵された酸素の消費が進むにつれて還元剤のスリップ量が多くなるため、スリップ量パラメータも大きくなる。したがって、スリップ量パラメータが所定のしきい値に達したときに、触媒に貯蔵されていた酸素が完全に消費されたとみなすことができる。このため、そのときまでに得られた上流側酸素濃度パラメータと下流側酸素濃度パラメータを比較することによって、劣化の判定を適切に行うことができ、その判定精度を向上させることができる。
また、触媒に貯蔵されていた酸素が完全に消費されたか否かの判定を、スリップ量パラメータに基づいて行うので、触媒の活性状態が低く、還元剤が一時的にスリップするような不安定な状態においても、その影響を受けることなく、適切なタイミングで劣化判定を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は、本実施形態による触媒の劣化判定装置1、およびこれを適用した内燃機関3を示している。この内燃機関(以下「エンジン」という)3は、車両(図示せず)に搭載されたディーゼルエンジンである。
エンジン3のシリンダヘッド3aには、吸気管4および排気管5が接続されるとともに、燃料噴射弁(以下「インジェクタ」という)6が、燃焼室3bに臨むように取り付けられている。
このインジェクタ6は、燃焼室3bの天壁中央部に配置されており、燃料タンク(図示せず)の燃料を燃焼室3bに噴射する。インジェクタ6からの燃料噴射量は、後述するECU2によって設定され、ECU2からの駆動信号により、設定した燃料噴射量が得られるように、インジェクタ6の開弁時間が制御される。
エンジン3には、クランク角センサ10が設けられている。クランク角センサ10は、クランクシャフト3cの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号をECU2に出力する。CRK信号は、所定のクランク角(例えば30゜)ごとに出力される。ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。
吸気管4には、エアフローセンサ11が設けられており、このエアフローセンサ11は、エンジン3に吸入される吸入空気量GAIRを検出し、その検出信号をECU2に出力する。
排気管5には、触媒7が設けられている。この触媒7は、例えば三元触媒で構成されており、流入する排ガスが、その酸素濃度が高い酸化雰囲気にあるときに、排ガス中の酸素を貯蔵する。一方、排ガス中のHCやCOが多く、排ガスが、その酸素濃度が低い還元雰囲気にあるときに、触媒7は、貯蔵していた酸素を放出するとともに、放出した酸素により排ガス中のHCやCOを酸化させることによって、排ガスを浄化する。
また、排気管5には、触媒7の上流側および下流側に、上流側LAFセンサ12および下流側LAFセンサ13がそれぞれ設けられている。この上流側LAFセンサ12は、ジルコニアなどで構成されており、エンジン3に供給される混合気の空燃比がリッチ領域からリーン領域までの広範囲な領域において、触媒7よりも上流側における排ガス中の酸素濃度(以下「上流側酸素濃度」という)をリニアに検出し、それを表す検出信号をECU2に出力する。下流側LAFセンサ13も、上流側LAFセンサ12と同様、ジルコニアなどで構成されており、エンジン3に供給される混合気の空燃比がリッチ領域からリーン領域までの広範囲な領域において、触媒7よりも下流側における排ガス中の酸素濃度(以下「下流側酸素濃度」という)をリニアに検出し、それを表す検出信号をECU2に出力する。
ECU2は、上流側LAFセンサ12からの検出信号に基づいて、触媒7の上流側における排ガス中の還元剤(未燃燃料)の濃度と酸素の濃度との比を表す第1当量比KACT1を、所定時間(例えば10msec)ごとに算出する。この場合、第1当量比KACT1は、混合気の燃空比と理論燃空比との比として算出される。これにより、第1当量比KACT1は、上流側酸素濃度が理論燃空比に相当するときに、値1.0になり、理論燃空比に相当する値よりも低いときに、1.0よりも大きな値になり、理論燃空比に相当する値よりも高いときに、1.0よりも小さな値になる。
同様に、下流側LAFセンサ13からの出力に基づいて、触媒7の下流側における排ガス中の還元剤(未燃燃料)の濃度と酸素の濃度との比を表す第2当量比KACT2を、上記の所定時間ごとに算出する。この場合、第2当量比KACT2は、第1当量比KACT1と同様、混合気の燃空比と理論燃空比との比として算出される。
また、ECU2は、CPU、RAM、ROMおよびI/Oインターフェースなどから成るマイクロコンピュータ(いずれも図示せず)で構成されており、前述した各種のセンサ10〜13からの検出信号などに応じて、エンジン3の運転状態を判別し、判別した運転状態に応じて、燃料噴射量制御などの各種の制御処理を実行するとともに、後述するように、触媒7の劣化判定処理を実行する。なお、本実施形態では、ECU2が、制御手段、スリップ量パラメータ算出手段、判定手段および劣化判定手段に相当する。
図2は、この触媒7の劣化判定処理を示すフローチャートである。本処理は、所定時間(例えば10msec)ごとに実行される。また、この劣化判定処理を実行するに際し、次のような混合気の空燃比制御が行われる。すなわち、このエンジン3は、ディーゼルエンジンであるため、通常、ECU2による燃料噴射量制御により、空燃比が理論空燃比よりもリーン側のリーン運転が行われており、それにより、第1当量比KACT1が値1.0よりも小さな酸化雰囲気に制御されている。劣化判定処理を行う場合には、その状態から空燃比を理論空燃比よりもリッチ側に制御することで、排ガスを、第1当量比KACT1が値1.0よりも大きな還元雰囲気に制御する。以下、このように排ガスを酸化雰囲気から還元雰囲気に切り換え、維持する制御を「排ガス還元制御」という。なお、劣化判定処理は、エンジン3が安定した所定の運転状態にあり、かつECU2および各種のセンサ10〜13が正常であることを条件として実行される。
まず、図2のステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、判定条件成立フラグF_JUDが「1」であるか否かを判別する。この判定条件成立フラグF_JUDは、排ガス還元制御中、触媒7の劣化判定条件が成立しているときに「1」にセットされるものである。この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ1の判別結果がYESで、触媒7の劣化判定条件が成立しているときには、後述する第2還元剤量積算値sumkact2が所定値krefよりも大きいか否かを判別する(ステップ2)。この判別結果がNOのときには、第1還元剤量積算値sumkact1および第2還元剤量積算値sumkact2を算出し(ステップ3および4)、本処理を終了する。ここで、第1還元剤量積算値sumkact1は、触媒7に流入する排ガスが還元雰囲気になった後に触媒7に流入した還元剤の総量を表し、第2還元剤量積算値sumkact2は、触媒7を通過した排ガスが還元雰囲気になった後に触媒7を通過した(スリップした)還元剤の総量を表す。
図3は、第1還元剤量積算値sumkact1の算出処理のサブルーチンを示している。本処理では、まず、ステップ21において、第1当量比KACT1と値1.0との偏差(=KACT1−1.0)を第1偏差DK1として算出する。次に、第1偏差DK1が値0よりも大きいか否かを判別する(ステップ22)。この判別結果がNOのときには、第1還元剤量積算値sumkact1を値0にリセットし(ステップ23)、本処理を終了する。
一方、ステップ22の判別結果がYESのときには、第1偏差DK1および吸入空気量GAIRを用い、次式(1)に従って、第1還元剤量積算値sumkact1を算出し(ステップ24)、本処理を終了する。
Figure 2009299575
ここで、sumkact1Zは第1還元剤量積算値sumkact1の前回値である。
以上のように、第1還元剤量積算値sumkact1は、DK1>0すなわちKACT1>1.0であるときに、第1偏差DK1と吸入空気量GAIRとの積を積算することによって算出されるので、触媒7に流入する排ガスが還元雰囲気になった後に触媒7に流入した還元剤の総量に相当する。
図4は、第2還元剤量積算値sumkact2の算出処理のサブルーチンを示している。本処理では、まず、ステップ31において、第2当量比KACT2と値1.0との偏差(=KACT2−1.0)を第2偏差DK2として算出する。次に、第2偏差DK2が値0よりも大きいか否かを判別する(ステップ32)。
この判別結果がNOのときには、第2還元剤量積算値sumkact2を値0にリセットし(ステップ33)、本処理を終了する。
一方、ステップ32の判別結果がYESのときには、第2偏差DK2および吸入空気量GAIRを用い、次式(2)に従って、第2還元剤量積算値sumkact2を算出し(ステップ34)、本処理を終了する。
Figure 2009299575
ここで、sumkact2Zは第2還元剤量積算値sumkact2の前回値である。
以上のように、第2還元剤量積算値sumkact2は、DK2>0すなわちKACT2>1.0であるときに、第2偏差DK2と吸入空気量GAIRとの積を積算することによって算出されるので、触媒7を通過した排ガスが還元雰囲気に切り換えられた後に触媒7を通過した還元剤の総量に相当する。
図2に戻り、前記ステップ2の判別結果がYESで、第2還元剤量積算値sumkact2>所定値krefのときには、触媒7をスリップした還元剤のスリップ量が多く、触媒7に貯蔵されていた酸素が、触媒7に流入した排ガス中の還元剤との酸化反応によって完全に消費されたとして、第1当量比変化量DKACT1が所定値KREF1よりも小さいか否かを判別する(ステップ5)。この第1当量比変化量DKACT1は、第1当量比の今回値と前回値との差の絶対値(=|KACT1−KACT1Z|)として算出される。この判別結果がNOのときには、第1当量比KACT1が定常状態に達していないとして、後述するステップ7に進む。
一方、ステップ5の判別結果がYESのときには、第1当量比KACT1が定常状態に達したとして、第1当量比KACT1の平均値(以下「第1当量比平均値」という)avekact1を算出し(ステップ6)、ステップ7に進む。この第1当量比平均値avekact1の算出は、具体的には以下のように行われる。
すなわち、DKACT1<KREF1が成立した時点以降に得られた第1当量比KACT1を、制御タイミングごとにサンプリングし、そのサンプリング数が所定値n(例えば100)に達したときに、n個のサンプリング値を相加平均することによって、第1当量比平均値avekact1を算出する。また、第1当量比平均値avekact1の算出が終了したときに、そのことを表すために、第1平均演算終了フラグF_AVE1を「1」にセットする。
前記ステップ5または6に続くステップ7では、第2当量比変化量DKACT2が所定値KREF2よりも小さいか否かを判別する。この第2当量比変化量DKACT2は、第2当量比の今回値と前回値との差の絶対値(=|KACT2−KACT2Z|)として算出される。この判別結果がNOのときには、第2当量比KACT2が定常状態に達していないとして、後述するステップ9に進む。
一方、ステップ7の判別結果がYESのときには、第2当量比KACT2が定常状態に達したとして、第2当量比KACT2の平均値(以下「第2当量比平均値」という)avekact2を算出し(ステップ8)、ステップ9に進む。この第2当量比平均値avekact2の算出は、具体的には以下のように行われる。
すなわち、DKACT2<KREF2が成立した時点以降に得られた第2当量比KACT2を、制御タイミングごとにサンプリングし、そのサンプリング数が前述した所定値nに達したときに、n個のサンプリング値を相加平均することによって、第2当量比平均値avekact2を算出する。また、第2当量比平均値avekact2の算出が終了したときに、そのことを表すために、第2平均演算終了フラグF_AVE2を「1」にセットする。
前記ステップ7または8に続くステップ9では、第1および第2平均演算終了フラグF_AVE1,F_AVE2がいずれも「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、第1および第2当量比平均値avekact1,avekact2の少なくとも一方が算出されていないときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ9の判別結果がYESで、第1および第2当量比平均値avekact1,avekact2の双方が算出されているときには、第1および第2平均値演算終了フラグF_AVE1,F_AVE2をいずれも「0」にリセットした(ステップ10)後、触媒劣化フラグF_CATNGの設定処理を実行し(ステップ11)、本処理を終了する。
図5は、この触媒劣化フラグF_CATNGの設定処理を示すサブルーチンを示している。本処理では、まず、ステップ41において、第1および第2還元剤量積算値sumkact1,2と第1および第2当量比平均値avekact1,2を用い、次式(3)に従って、触媒酸素貯蔵能OSCを算出する。
Figure 2009299575
この触媒酸素貯蔵能OSCは、触媒7の酸素貯蔵能力を表すものであり、その算出式として上式(3)を用いるのは以下の理由による。すなわち、式(3)を変形すると、次式(4)が得られる。
Figure 2009299575
この式(4)から明らかなように、その右辺の括弧内の第2項は、2つの当量比平均値の比avekact1/avekact2を第2還元剤量積算値sumkact2に乗算した値であり、これは、上流側LAFセンサ12の出力と下流側LAFセンサ13の出力とが互いに同じ感度になるように、第2還元剤量積算値sumkact2をゲイン補正した値に相当する。
前述したように、第1還元剤量積算値sumkact1は、触媒7に流入する排ガスが還元雰囲気になった後に触媒7に流入した還元剤の総量を表し、第2還元剤量積算値sumkact2は、触媒7を通過した排ガスが還元雰囲気になった後に触媒7を通過した還元剤の総量を表す。このため、第1還元剤量積算値sumkact1と、上記のようにゲイン補正した第2還元剤量積算値sumkact2との差(すなわち式(4)の右辺の括弧内の値)は、還元雰囲気の排ガスが触媒7を通過した際、触媒7に貯蔵されていた酸素によって酸化された還元剤の総量を表すことになる。したがって、前述した式(4)すなわち式(3)により、そのような差を第1当量比平均値avekact1で除算することによって、触媒酸素貯蔵能OSCが算出されるので、触媒酸素貯蔵能OSCを触媒7の酸素貯蔵能力を適切に表す値として算出できる。
ステップ41に続くステップ42では、触媒酸素貯蔵能OSCが所定の判定値OSCJUDよりも大きいか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、触媒7が劣化していないとし、そのことを表すために、触媒劣化フラグF_CATNGを「0」にセットした(ステップ43)後、本処理を終了する。
一方、ステップ42の判別結果がNOのときには、触媒7が劣化しているとし、そのことを表すために、触媒劣化フラグF_CATNGを「1」にセットした(ステップ44)後、本処理を終了する。
以下、図6を参照しながら、触媒7が劣化していない場合に上述した排ガス還元制御によって得られる動作例を説明する。この例では、タイミングt1において、触媒7に流入する排ガスが酸化雰囲気から還元雰囲気に切り換わると、第1当量比KACT1が値1.0を上回るようになるとともに、それに応じて、触媒7に流入した還元剤の総量を表す第1還元剤量積算値sumkact1の積算が開始される(ステップ24)。
また、第2当量比KACT2は、値1.0を上回るまでは(t1〜t2)、第1当量比KACT1に対し、排ガスが上流側LAFセンサ12から下流側LAFセンサ13に到達するまでに要する時間、遅れて上昇する。そして、第2当量比KACT2が値1.0を上回ると(t2)、触媒7を通過した還元剤の総量を表す第2還元剤量積算値sumkact2の積算が開始される(ステップ34)。また、第2当量比KACT2が値1.0を超えると、触媒7の近傍の酸素濃度がその内部の酸素濃度よりも小さくなることによって、酸素濃度の平衡を保つように、触媒7に貯蔵されていた酸素が放出されるとともに、放出された酸素により排ガス中の還元剤が酸化される。その結果、第2当量比KACT2は、値1.0を若干、超えた状態のまま、ほとんど上昇せずに推移する(t2〜t3)。
その後、触媒7に貯蔵されていた酸素が完全に消費されると(t3以降)、第2当量比KACT2は、急上昇した後、定常状態に達する。このように、触媒7に貯蔵された酸素の消費が進むにつれて、第2還元剤量積算値sumkact2が大きくなり、所定値krefに達したときに(t4)、触媒7の劣化判定を実行する。この劣化判定は、それまでに算出された第1および第2還元剤量積算値sumkact1,2を用いて行われるので、劣化の判定を適切に行うことができ、その判定精度を向上させることができる。
また、第2還元剤量積算値sumkact2が所定値krefに達しない限りは、触媒7の劣化判定を行わないので、還元剤が一時的にスリップするような不安定な状態においても、その影響を受けることなく、適切なタイミングで劣化判定を行うことができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、上流側酸素濃度を、上流側LAFセンサ12で直接、検出しているが、これに限らず、他の適当なパラメータ、例えば燃料噴射量および吸入空気量などに応じて推定してもよい。また、実施形態では、上流側および下流側酸素濃度パラメータとして、第1および第2当量比KACT1,KACT2をそれぞれ用いているが、排ガス中の酸素濃度を表すパラメータであれば、他の任意のパラメータを用いてもよい。例えば、排ガス中のHCやCOなどの還元剤の濃度は、酸素濃度と相関関係にあるので、触媒7よりも上流側および下流側における排ガス中の還元剤の濃度を、上流側および下流側の酸素濃度パラメータとしてそれぞれ用いてもよい。
さらに、実施形態では、酸化雰囲気から還元雰囲気への排ガスの制御を、燃焼室3aへの燃料噴射量を制御することによって行っているが、還元剤としての燃料や尿素などを、排気管5の上流側LAFセンサ12よりも上流側に直接、供給することによって行ってもよい。
また、実施形態では、触媒7は三元触媒であるが、排ガスが酸化雰囲気のときに排ガス中の酸素を貯蔵し、貯蔵した酸素を還元雰囲気のときに放出するとともに、排ガスを浄化するタイプの触媒であれば、他の任意の触媒を用いてもよい。例えば、酸化触媒や、酸化雰囲気のときに排ガス中のNOxを捕捉するとともに、捕捉したNOxを還元雰囲気のときに還元するNOx触媒を用いてもよい。
さらに、実施形態は、本発明を車両に搭載されたディーゼルエンジンに適用した例であるが、本発明は、これに限らず、ディーゼルエンジン以外のガソリンエンジンなどの各種のエンジンに適用してもよく、また、車両用以外のエンジン、例えば、クランク軸を鉛直に配置した船外機などのような船舶推進機用エンジンにも適用可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
本実施形態による触媒の劣化判定装置、およびこれを適用した内燃機関を概略的に示す図である。 劣化判定処理を示すフローチャートである。 第1還元剤量積算値の算出処理を示すサブルーチンである。 第2還元剤量積算値の算出処理を示すサブルーチンである。 触媒劣化フラグの設定処理を示すサブルーチンである。 触媒が劣化していない場合に排ガス還元制御によって得られる動作例を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1 劣化判定装置
2 ECU(制御手段、スリップ量パラメータ算出手段、判定手段および劣化判定手
段)
3 内燃機関
5 排気管(排気通路)
7 触媒
12 上流側LAFセンサ(上流側酸素濃度パラメータ取得手段)
13 下流側LAFセンサ(下流側酸素濃度パラメータセンサ)
kref 所定値(所定のしきい値)
KACT1 第1当量比(上流側酸素濃度パラメータ)
KACT2 第2当量比(下流側酸素濃度パラメータ)
sumkact2 第2還元剤量積算値(スリップ量パラメータ)

Claims (1)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、前記内燃機関の排ガスが酸化雰囲気のときに排ガス中の酸素を貯蔵する酸素貯蔵能力を有し、当該貯蔵した酸素を排ガスが還元雰囲気のときに放出するとともに、排ガスを浄化する触媒の劣化判定装置であって、
    前記排気通路の前記触媒よりも上流側における排ガス中の酸素濃度を表す上流側酸素濃度パラメータを取得する上流側酸素濃度パラメータ取得手段と、
    前記排気通路の前記触媒よりも下流側における排ガス中の酸素濃度を表す下流側酸素濃度パラメータを検出する下流側酸素濃度パラメータセンサと、
    前記触媒に流入する排ガスを酸化雰囲気と還元雰囲気に制御可能な制御手段と、
    当該制御手段により排ガスを酸化雰囲気から還元雰囲気に切り換えた後、前記検出された前記下流側酸素濃度パラメータに応じて、前記触媒を通過した還元剤の量を表すスリップ量パラメータを算出するスリップ量パラメータ算出手段と、
    当該算出されたスリップ量パラメータが所定のしきい値に達したか否かを判定する判定手段と、
    前記排ガスを酸化雰囲気から還元雰囲気に切り換えてから前記スリップ量パラメータが前記しきい値に達したと判定されるまでに得られた前記上流側酸素濃度パラメータと前記下流側酸素濃度パラメータとの比較結果に基づいて、前記触媒の劣化を判定する劣化判定手段と、
    を備えることを特徴とする触媒の劣化判定装置。
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