JP2009299108A - Fe基非晶質合金及びそれを用いた磁気シート - Google Patents

Fe基非晶質合金及びそれを用いた磁気シート Download PDF

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Abstract

【課題】 特に、機械的特性を改善して扁平化しやすくしたFe基非晶質合金、及びこのFe基非晶質合金を用いて所望のシート特性を得られるようにした磁気シートを提供することを目的としている。
【解決手段】 磁気シート4は扁平化されたFe基非晶質合金とマトリクス材料を含む。Fe基非晶質合金は、少なくともFe、M(Sn,In,Znの少なくともいずれか1種)、P及びCを有し、ビッカース硬さ(Hv)が885以下で、引張強度が200〜360(MPa)で、ヤング率が35〜60(MPa)、伸び(歪み)が0.3%以上である特性を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、機械的特性を改善して扁平化しやすくしたFe基非晶質合金、及びこのFe基非晶質合金を用いて所望のシート特性を得られるようにした磁気シートに関する。
下記に示す特許文献に記載されているように(例えば特許文献1の[0036]欄)、扁平化されたFe基非晶質合金とマトリクス材料を含む磁気シートが知られている。
Fe基非晶質合金の扁平化にはFe基非晶質合金の機械的特性が重要である。すなわち例えばFe基非晶質合金が非常に硬かったり脆かったりすれば、適切に扁平加工することが出来ない。よってFe基非晶質合金には適度な強度を持つがしなやかな機械的特性が求められた。
しかしながら下記に示す特許文献にはいずれもFe基非晶質合金の機械的特性に関する記述がない。
特開2004−140322号公報 特開2005−325429号公報 特許第3728320号公報
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、機械的特性を改善して扁平化しやすくしたFe基非晶質合金、及びこのFe基非晶質合金を用いて所望のシート特性を得られるようにした磁気シートを提供することを目的としている。
本発明におけるFe基非晶質合金は、少なくともFe、M(Sn,In,Znの少なくともいずれか1種)、P及びCを有し、ビッカース硬さ(Hv)が885以下で、引張強度が200〜360(MPa)で、ヤング率が35〜60(MPa)、伸び(歪み)が0.3%以上であることを特徴とするものである。
本発明では、機械的特性を改善でき、従来に比べてFe基非晶質合金を扁平加工しやすい。
本発明では、組成式がFe100-a-b-x-y-z-w-taNibCrxyzwSit(0<a≦5at%、0≦b≦10at%、0≦x≦8at%、6≦y≦13at%、2≦z≦12at%、0≦w≦5at%、0≦t≦4at%)であることが好ましい。本発明では、機械的特性の改善に加えて、Tg、Tx、Tmを低くできる。
具体的には、ガラス遷移温度(Tg)を659〜723Kで、結晶化開始温度(Tx)を662〜755で、Tg/Tm(Tmは融点)≧0.513、Tx/Tm≧0.527にできる。
また本発明における磁気シートは、マトリクス材料と、上記のいずれかに記載のFe基非晶質合金で形成された扁平粉末とを含むことを特徴とするものである。本発明によれば、Fe基非晶質合金を適切に扁平加工でき、所望のシート特性を得ることが可能である。
例えば本発明の磁気シートは、RFID用として用いられる。これにより本発明では、効果的に、複素比透磁率の実数部μ´を大きくでき、複素比透磁率の虚数部μ″を小さくすることができる。
本発明によれば、機械的特性を改善でき、従来に比べてFe基非晶質合金を扁平加工しやすい。
そして本発明のFe基非晶質合金を扁平化して、マトリクス材料と磁気シートを構成することで、所望のシート特性を得ることが可能である。
本実施形態におけるFe基非晶質合金は、少なくともFe、M(Sn,In,Znの少なくともいずれか1種)、P及びCを有し、ビッカース硬さ(Hv)が885以下で、引張強度が200〜360(MPa)で、ヤング率が35〜60(MPa)、伸び(歪み)が0.3%以上である。
ビッカース硬さ、引張強度、及びヤング率の機械的特性は、元素Mの添加量等により適切に調整することが可能である。
本実施形態のFe基非晶質合金は、組成式がFe100-a-b-x-y-z-w-taNibCrxyzwSit(0<a≦5at%、0≦b≦10at%、0≦x≦8at%、6≦y≦13at%、2≦z≦12at%、0≦w≦5at%、0≦t≦4at%)であることが好適である。
構成元素の中でFe量が最も高い組成比(100−a−b−x−y−z−w−t)である。これにより高い飽和磁化(σs)を示す。また非晶質形成能の程度を示す換算ガラス化温度(Tg/Tm)を適度な大きさに調整できる。
次に、元素Mは、上記した機械的強度の調整に寄与するとともに、Niとの同時添加によりガラス遷移温度(Tg)、結晶化開始温度(Tx)、融点(Tm)を低下させることが出来る。元素Mの組成比aは非晶質状態の形成等を考慮して0at%より大きく5at%以下であることが好適である。
元素MにはSnを選択することがより好ましい。また元素Mの組成比aは、1at%〜3at%の範囲内であることがより好ましく、1.5at%〜2.5at%の範囲内であることが更に好ましい。
NiはFeとの置換によりTg、Txを低下させる役割を担う。Niの組成比bは、0〜10at%の範囲内であることが好ましい。Tmも低下できるが、Niの組成比bが6at%を越えるとTmが増加する傾向にあるため、Niの組成比bは3〜6at%の範囲内であることがより好ましい。
Crの組成比xは、0〜8at%としたが、熱的安定性は1〜8at%であることが好ましく、また合金の耐食性を考慮すると2at%以上であることが好ましく、4at%以上であると塩水に浸漬させても問題が無い。なおCrの組成比xが8at%を超えるとTm、Tgが上昇するので8at%以下が好適である。
Pの組成比yは、Fe−P−C(Fe79.410.89.8)の三元合金の共晶組成付近であることが好ましいことを考慮して、6〜13at%、特に6〜11at%であることが好適である。
またCの組成比zは、Fe−P−C(Fe79.410.89.8)の三元合金の共晶組成付近であることが好ましいことを考慮して、2〜12at%、特に6〜11at%であることが好適である。
次にBの組成比wは、B量の増加により、Tg、Tx、Tmが上昇することを考慮して、0〜5at%、特に0〜2at%であることが好適である。
次にSiの組成比tは、Si量の増加によりTg/Tm、Tx、Tmが低下することを考慮して、0〜4at%、特に0〜2at%であることが好適である。
本実施形態では上記組成式からなるFe基非晶質合金は、ガラス遷移温度(Tg)を659〜723K、結晶化開始温度(Tx)を662〜755で、Tg/Tm(Tmは融点)≧0.513、Tx/Tm≧0.527に出来る。
これにより適切に非晶質化でき、また、磁気シート4を形成する際に低アニール処理を行うことが可能である。
上記のFe基非晶質合金を扁平加工して得られた扁平粉末の平均粒径(D50)は、概ね20〜30μmであることが好ましい。ここでD50とは、累積50%粒径(メジアン粒径)である。また平均粒径は、扁平粉末の長辺と短辺との平均で求められる。
扁平粉末のアスペクト比(縦横比)は、35〜70であることが好ましい。これにより磁気シート4内で扁平粉末を均一に分散配置でき、扁平粉末の充填密度を向上させることが可能である。
磁気シートは、上記した扁平粉末とマトリクス材料とを含んで構成される。マトリクス材料としては、シリコーン樹脂、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、ポリエチレン、アクリル樹脂、エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマ(EPDM)、クロロプレン、ポリウレタン、塩化ビニル、飽和ポリエステル、ニトリル樹脂等を選択できる。また、リン酸エステル、赤燐、三酸化アンチモン、カーボンブラック、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ヘキサブロモベンゼン、メラミン誘導体、臭素系、塩素系、白金系等の難燃剤を添加してもよい。
扁平粉末の含有量は、30〜70体積%の範囲内であることが好ましい。これにより所望のシート特性を得ることが出来る。
磁気シートを製造するには、まずFe基非晶質合金の溶湯を水に噴出して急冷する、水アトマイズ法により合金粉末を作製する。なおFe基非晶質合金の製造方法としては水アトマイズ法に限定されず、ガスアトマイズ法、上記合金溶湯から急冷したリボンを粉砕して粉末化する液体急冷法等を用いてもよい。また水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、液体急冷法の処理条件については、原料の種類に応じて通常行われる条件を用いることが出来る。
そして得られたFe基非晶質合金粉末を分級して粒度を揃えた後に、アトライタ等の装置を用いて合金粉末を扁平加工する。なお必要に応じて、内部応力を緩和させる目的でアニール処理を施してもよい。
次に、磁気シートを構成するマトリクス材料の液状体中に上記の扁平粉末を混合させて混合液を作製した後に、混合液をシート化することにより磁気シートを作製する。その後、必要に応じて磁気シートに対してアニール処理を施しても良い。
本実施形態の磁気シートの厚さは特に限定されないが、磁気シートの厚さを薄くしても、具体的には1mmより薄くしても磁気シートを使用するデバイスに適したシート特性を得ることが出来る。本実施形態では磁気シートの厚さを0.5mm以下、さらには0.2mm以下に設定しても良好なシート特性を得ることが出来る。
本実施形態の磁気シートは、例えば、RFIDデバイスに適用できる。図1は、RFIDデバイス及びリードライタの模式図である。RFIDデバイスは、携帯電話やICカード等である。
図1に示すようにRFID(Radio Frequency ID)デバイス1は、アンテナ及びICチップを備えるRFIDタグ2と、金属部材3と、RFIDタグ2と金属部材3との間に挿入された本実施形態の磁気シート4とを有して構成される。
RFIDタグ2は、基板上にアンテナ及びICチップが形成された形態である。
金属部材3は例えば筐体の一部を成しており、Al、Ti、Cr等で形成される。金属部材3の膜厚T1は、0.05〜0.5mm程度である。
本実施形態では、図1に示すように、磁気シート4をRFIDタグ2と金属部材3との間に挿入することで、リードライタ10からの磁束Hが磁気シート4内を通り、RFIDデバイス1とリードライタ10との間で還流磁束が形成される。この結果、RFIDタグ2のアンテナにて受信した信号出力の減衰量を小さくでき、例えば13.56MHzでのRFID特性の向上を効果的に図ることができる。また、本実施形態では、RFIDデバイス1とリードライタ10間の通信距離L1の範囲を広げることができ、適切に無線通信を行うことが可能である。
本実施形態の磁気シート4は、複素比透磁率の実数部μ´を大きく、複素比透磁率の虚数部μ″を小さくすることが可能であり、この結果、RFID用の磁気シートとして効果的に適用できる。
図2は、本実施形態の磁気シート4(実施例1)における周波数と、複素比透磁率の実数部μ´及び複素比透磁率の虚数部μ″との関係を示すグラフである。図2の実験で使用したFe基非晶質合金の組成は、Fe70.9Sn1.5Ni3Cr410.88.81であった。また、扁平化されたFe基非晶質合金のアスペクト比は60であった。またFe基非晶質合金の平均粒径(D50)は、概ね30μmであった。また磁気シート4の厚さは0.1mmであった。またFe基非晶質合金の含有量は、50体積%であった。またマトリクス材料にはシリコーン樹脂を使用した。
また以下に示す表1には磁性粉末の特性及びシート特性が示されている。
Figure 2009299108
図2及び表1に示すように本実施形態の磁気シート4は、13.56MHzにて、72程度の高い複素比透磁率の実数部μ´を備え、一方、8程度の低い複素比透磁率の虚数部μ″を備える。
図3は、Fe−Al−Siを含む磁気シート(比較例1)における周波数と、複素比透磁率の実数部μ´及び複素比透磁率の虚数部μ″との関係を示すグラフである。磁気シートにはNECトーキン製の商品名R4N(01)を使用した。磁気シートとの厚さは、100μmであった。
図3及び表1に示すように、13.56MHzでは、複素比透磁率の実数部μ´が56程度と小さくなり、一方、複素比透磁率の虚数部μ″が16程度に大きくなった。特に、複素比透磁率の実数部μ´は、13.56MHz付近から、下がり始め、また複素比透磁率の虚数部μ″は、13.56MHz付近で最大値にかなり近づくことがわかった。
このように本実施形態の磁気シートは、13.56MHzで安定して大きい複素比透磁率の実数部μ´を得ることが出来るとともに、小さい複素比透磁率の虚数部μ″を得ることが出来るとわかった。本実施形態において、複素比透磁率の実数部μ´を大きくでき、一方、複素比透磁率の虚数部μ″を小さくできるのは、本実施形態の磁気シート4に含まれるFe基非晶質合金が、次に示す特徴(1)〜(5)を備えているためと考えられる。各特徴(1)〜(5)は、図2に示す矢印方向に複素比透磁率の実数部μ´及び複素比透磁率の虚数部μ″を調整するために機能する。
(1) ビッカース硬さ(Hv)が885以下で、引張強度が200〜360(MPa)で、ヤング率が35〜60(MPa)、伸び(歪み)が0.3以上である。
上記の機械的特性を備えることでFe−Al−Si合金に比べて伸びが大きくよく撓るので、扁平加工する際に変形しやすく、且つ壊れにくい。よって効果的に極薄の扁平粉末を得ることが可能である。そのため、図2、表1に示すように、複素比透磁率の実数部μ´を大きくでき、また渦電流が発生しにくいため、複素比透磁率の虚数部μ″を高周波領域まで低く抑えることができ、高い品質係数Qを得ることが出来る。品質係数Qは、μ´/μ″で求めることが出来る。
(2) 表1に示すように実施例1は比較例1に比べて電気抵抗(比抵抗ρ)が高い。よって実施例1は渦電流が発生しにくく、図2及び表1に示すように高周波帯域まで複素比透磁率の虚数部μ″を低く抑えることが出来る。
(3) 表1に示すように実施例1は磁歪λsを有する。これにより磁歪効果によって異方性が付与され、高周波帯域における複素比透磁率の実数部μ´の低下を抑制できる。
(4) 実施例1は、比較例1と異なってガラス遷移温度(Tg)を有し、低温でのアニール処理が可能である。磁性粉末をアニール処理して磁気シートを成形する製造過程に加えて、磁気シートに対して低温でのアニール処理(400℃以下で行うことが好適である)を行うことが可能であるため、Fe基非晶質合金が構造緩和を起こしてシート成形時の歪を開放できる。これにより、複素比透磁率の実数部μ´を大きくすることができる。
(5) 実施例1は、比較例1と異なって優れた軟磁気特性を有する。すなわち表1に示すように実施例1の最大透磁率μmaxが、比較例1に比べて高い。よって複素比透磁率の実数部μ´を大きくすることができる。
本実施形態の磁気シート4をRFID用として適用することで、近接する金属部材3による磁束減衰の効果を改善でき、またヌル点の発生を防止でき、通信の安定化を図ることが出来る。
以下の表2に示す組成から成る各試料の特性を測定した。
Figure 2009299108
実験では各試料の臨界温度(Tc)、ガラス遷移温度(Tg)、結晶化開始温度(Tx)、ΔTx(Tx−Tg)、融点(Tm)、Tg/Tm、Tx/Tm、飽和磁化(σs)、保磁力(Hc)、磁歪λs、ビッカース硬さ(Hv)、引張強度、ヤング率、伸び(歪み)を測定した。引張強度、及びヤング率については、シート状に形成された各試料を用いて行った。シート状の試料はダンベル試験片であり、最小幅が3mm、厚さは0.02〜0.03mm、但し、Fe−Al−Siについては脆くて薄い形状に加工が出来ないため1mmとした。伸び(歪み)は、引張試験で評価した応力−ひずみ曲線での破断伸びである。試験片は、JISZ2201の試験片13Bの幅Wを3mmとしてほぼ均等に縮小したものを使用した。
表2に示すように実施例2〜5は、いずれも、ビッカース硬さ(Hv)が885以下で、引張強度が200〜360(MPa)で、ヤング率が35〜60(MPa)、伸び(歪み)が0.3%以上であった。実施例2〜5は、比較例2,比較例3と対比するとSnを含んでおり、これにより、機械的特性を適度な硬さと、適度に高い強度と適度に低いヤング率に調整できるものと考えられる。
例えばFe−Si−Alの比較例4を見ると、本実施例に比べて引張強度が低く、ヤング率が高く伸び(歪み)が低いことがわかった。このため本実施例に比べて磁性合金を扁平状に加工しにくい。
これに対して本実施例では、機械的特性を適度な硬さと、適度に高い強度と適度に低いヤング率、伸び(歪み)に調整でき、各比較例に比べて磁性合金を扁平加工する際、変形しやすく且つ壊れにくくできることがわかった。
また、実施例2〜5は、ガラス遷移温度(Tg)が659〜685Kで、結晶化開始温度(Tx)が675〜713で、Tg/Tm(Tmは融点)≧0.522、Tx/Tm≧0.53であることがわかった。
また、実施例2〜7及び比較例2,3の各Fe基非晶質合金を扁平加工し、扁平粉末とマトリクス材料とを混合して磁気シートを作製し、磁気シートの13.56MHzにおける複素比透磁率の実数部μ´及び複素比透磁率の虚数部μ″を測定した。扁平化されたFe基非晶質合金のアスペクト比は35〜70であった。またFe基非晶質合金の平均粒径(D50)は、概ね30〜50μmであった。また磁気シートの厚さは0.1mmであった。またFe基非晶質合金の含有量は、50体積%であった。またマトリクス材料にはシリコーン樹脂を使用した。
表2には実施例2〜7及び比較例2,3のシート特性が掲載されている。実施例2〜7では高い複素比透磁率の実数部μ´及び低い複素比透磁率の虚数部μ″を得ることが出来た。実施例3は、他の実施例に比べて複素比透磁率の虚数部μ″が高くなるものの、複素比透磁率の実数部μ´も高くなり、比較的高い品質係数Qを得ることが出来るとわかった。
次に、以下の表3に示す各磁気シートのシート特性、及びRFID特性を調べた。
Figure 2009299108
参照例は、図1において磁気シート4を設けない例である。比較例5,比較例6にはTDK製のRFID用磁気シート(IRL)を使用した。比較例5と比較例6はシート厚が異なっている(シート厚が0.25mmと0.5mm)。比較例7は、フェライト磁性粉末からなる磁気シートを使用した(シート厚が1mm)。
実施例8〜13は、いずれも磁気シートに含まれる扁平粉末がFe70.9Cr4Ni3Sn1.510.88.81(単位はat%)であった。マトリクス材料としてはシリコーン樹脂を使用した。
実施例8〜10の磁気シートはいずれもシート厚が0.2mmであり、下記のような条件で作製されたものである。
磁性粉末の含有量 アスペクト比 粒径(D50)
実施例8 50体積% 70 50μm
実施例9 50体積% 60 30μm
実施例10 35体積% 60 30μm
実施例11〜13の磁気シートはいずれもシート厚が0.1mmとし、磁性粉末の含有量、アスペクト比、粒径(D50)は、実施例11が実施例8、実施例12が実施例9、実施例13が実施例10に夫々、対応する。
実施例8と実施例11はノイズ抑制用であり、RFID用である実施例9,10,12,13に比べて複素比透磁率の虚数部μ″が高くなるように調整されている。
実験ではまず各磁気シートのシート特性として複素比透磁率の実数部μ´と複素比透磁率の虚数部μ″を測定した。
次に各磁気シートが設置されたRFIDデバイス(ICカード)のRFID特性を、図4に示す装置を用いて測定した。図4のように、RFIDデバイスと、リードライタ間を30mmとし、図1に示す金属部材3を設けたときと、設けないときの受信信号の出力を求めた。その結果が表3の「Without metal」欄と「on metal」欄に夫々記載されている。また表3には受信信号の減衰量が「Attenuation Level」欄に記載されている。減衰量は、「Without metal」欄の出力から「on metal」欄の出力を引いたものである。
また減衰量を基に通信可能な距離を示したのが「communication distance」欄である。
図5は、各磁気シートのシート特性、及び各磁気シートを用いたRFID特性をグラフにまとめたものである。
図5に示すように、磁気シートの複素比透磁率の実数部μ´が高く、且つ複素比透磁率の虚数部μ″が低くなると、減衰量を小さくでき、通信距離を伸ばすことができRFID特性を向上できることがわかった。
また、実施例8〜13は、比較例5〜7に比べて磁気シートのシート厚が薄くても良好なRFID特性を得ることができ、RFIDデバイスの薄型化を促進できることがわかった。
RFIDデバイス及びリードライタの模式図、 本実施形態の磁気シート(実施例1)における周波数と、複素比透磁率の実数部μ´及び複素比透磁率の虚数部μ″との関係を示すグラフ、 Fe−Al−Siを含む磁気シート(比較例1)における周波数と、複素比透磁率の実数部μ´及び複素比透磁率の虚数部μ″との関係を示すグラフ、 RFID特性を測定するための装置の概念図、 表3に示す各磁気シートのシート特性、及び各磁気シートを用いたRFID特性のグラフ、
符号の説明
1 RFIDデバイス
2 RFIDタグ
3 金属部材
4 磁気シート
10 リードライタ

Claims (5)

  1. 少なくともFe、M(Sn,In,Znの少なくともいずれか1種)、P及びCを有し、ビッカース硬さ(Hv)が885以下で、引張強度が200〜360(MPa)で、ヤング率が35〜60(MPa)、伸び(歪み)が0.3%以上であることを特徴とするFe基非晶質合金。
  2. 組成式がFe100-a-b-x-y-z-w-taNibCrxyzwSit(0<a≦5at%、0≦b≦10at%、0≦x≦8at%、6≦y≦13at%、2≦z≦12at%、0≦w≦5at%、0≦t≦4at%)である請求項1記載のFe基非晶質合金。
  3. ガラス遷移温度(Tg)が659〜723Kで、結晶化開始温度(Tx)が662〜755で、Tg/Tm(Tmは融点)≧0.513、Tx/Tm≧0.527である請求項1又は2に記載のFe基非晶質合金。
  4. マトリクス材料と、請求項1ないし3のいずれかに記載のFe基非晶質合金で形成された扁平粉末とを含むことを特徴とする磁気シート。
  5. RFID用として用いられる請求項4記載の磁気シート。
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