JP2009298968A - セロウロン酸及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な工程でセロウロン酸を製造することができ、好ましくは高重合度のセロウロン酸を製造することができる製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の製造方法は、セルロース原料に物理的処理を施して前記セルロース原料の結晶化度を低下させる工程と、前記物理的処理後の前記セルロース原料を酸化処理することでセロウロン酸を生成させる工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の製造方法は、セルロース原料に物理的処理を施して前記セルロース原料の結晶化度を低下させる工程と、前記物理的処理後の前記セルロース原料を酸化処理することでセロウロン酸を生成させる工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、セロウロン酸及びその製造方法に関するものである。
再生セルロース、アルカリ膨潤処理天然セルロースのTEMPO触媒酸化(次亜塩素酸ナトリウム−臭化ナトリウム−TEMPO−pH10で反応)によって、均一な化学構造を有する、新規β−(1→4)−ポリグルクロン酸である水溶性セロウロン酸が定量的に得られる(特許文献1、非特許文献1参照)。本セロウロン酸の特徴を利用して様々な応用展開が期待されて検討されている。
表1は、セルロースII型の試料のTEMPO酸化で得られるセロウロン酸(CUA)の収率及び重合度を示したものである。
表1に示すように、従来の再生セルロース(元の重合度400〜600)を出発とした場合には、得られたセロウロン酸の重合度が約40程度に低下してしまう(非特許文献2も参照)。また20%水酸化ナトリウム水溶液に天然セルロースを浸漬後水洗浄した「アルカリ膨潤処理セルロース」を用いても、TEMPO酸化後に得られるセロウロン酸の重合度は80程度である。
さらに、天然セルロースを液体アンモニア処理することにより、セルロースI型の結晶形を結晶化度の低いセルロースIII型に変換することによって、重合度80程度のセロウロン酸が得られている(非特許文献3参照)。
表1に示すように、従来の再生セルロース(元の重合度400〜600)を出発とした場合には、得られたセロウロン酸の重合度が約40程度に低下してしまう(非特許文献2も参照)。また20%水酸化ナトリウム水溶液に天然セルロースを浸漬後水洗浄した「アルカリ膨潤処理セルロース」を用いても、TEMPO酸化後に得られるセロウロン酸の重合度は80程度である。
さらに、天然セルロースを液体アンモニア処理することにより、セルロースI型の結晶形を結晶化度の低いセルロースIII型に変換することによって、重合度80程度のセロウロン酸が得られている(非特許文献3参照)。
上述したように、従来の手法で得られるセロウロン酸は、再生セルロース、天然セルロースのいずれを原料とした場合であっても、その重合度が40〜80程度であった。特に天然セルロースを原料とする場合には、そのままTEMPO酸化処理したのでは、セルロースミクロフィブリルの表面にのみカルボキシル基が導入されたセルロースナノファイバーは得られるが(非特許文献4参照)、水溶性のセロウロン酸を得ることはできない。そのため、アルカリ膨潤処理、液体アンモニア処理、溶解・再生処理などの前処理が必要であり、それに伴う洗浄処理や排水処理が必要であった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、簡便な工程でセロウロン酸を製造することができ、好ましくは高重合度のセロウロン酸を製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明のセロウロン酸の製造方法は、上記課題を解決するために、セルロース原料に物理的処理を施して前記セルロース原料の結晶化度を低下させる工程と、前記物理的処理後の前記セルロース原料を酸化処理することでセロウロン酸を生成させる工程と、を有することを特徴とする。
先に記載のように、従来は天然セルロースから直接セロウロン酸を得ることはできず、アルカリ処理や再生処理が必要であった。これに対して、本発明では、セルロース原料に物理的処理を加えて結晶化度を低下させる手法を採用することで、再生処理やアルカリ処理が不要なセロウロン酸の製造方法を実現した。そして、物理的処理を用いることで、溶剤やアルカリ溶液の使用に伴う洗浄処理や排水処理が不要になるため、従来に比して大幅に簡便な製造方法となる。
また本発明の製造方法では、セルロース原料の種類が限定されないという特徴がある。すなわち、従来の製造方法では全く考慮されていなかった、精製されていない天然セルロース(天然資源そのままのもの)を原料とすることもできる。よって本発明は、木材粉や藁などのバイオマス廃棄物をそのままセルロース原料に用いることができる画期的なセロウロン酸の製造方法である。
前記物理的処理が、前記セルロース原料を破砕する破砕処理であることが好ましい。すなわち、セルロース原料を機械的に処理して微粉化し、これにより結晶化度を低下させる処理であることが好ましい。これにより、溶剤等を全く用いない処理となるので、製造工程をさらに簡素化することができる。
前記破砕処理が、ボールミル装置を用いた処理であることが好ましい。ボールミルを用いることで短時間の処理で効率良くセルロース原料の結晶化度を低下させることでき、セロウロン酸の製造効率を高めることができる。
前記酸化処理が、N−オキシル化合物の存在下、次亜塩素酸を主酸化剤として用いる酸化処理であることが好ましい。これにより、常温常圧などの温和な条件下で効率良く酸化反応を進行させることができる。
前記酸化処理が、N−オキシル化合物の存在下、亜塩素酸を主酸化剤として用いる酸化処理であることが好ましい。これにより、酸化反応においてセルロースのC6位にアルデヒド基が生成するのを防止できるため、アルデヒド基に起因するセロウロン酸の低分子化を防止でき、高重合度のセロウロン酸を得やすくなる。
前記セルロース原料がセルロースを含有する天然資源であることが好ましい。また、前記セルロース原料が精製された天然セルロースであってもよい。
天然資源(バイオマス)をそのままセルロース原料として用いるならば、原料供給とその処理の点で極めて簡便な製造方法となる。また、いずれのセルロース原料を用いた場合にも、再生処理やアルカリ処理を前処理に用いた場合の洗浄処理や排水処理が不要になるため、従来に比して工程を簡便なものとすることができる。
なお、セルロース原料として、従来と同様の再生セルロースやアルカリ処理セルロースを用いることもできるのはもちろんである。
天然資源(バイオマス)をそのままセルロース原料として用いるならば、原料供給とその処理の点で極めて簡便な製造方法となる。また、いずれのセルロース原料を用いた場合にも、再生処理やアルカリ処理を前処理に用いた場合の洗浄処理や排水処理が不要になるため、従来に比して工程を簡便なものとすることができる。
なお、セルロース原料として、従来と同様の再生セルロースやアルカリ処理セルロースを用いることもできるのはもちろんである。
次に、本発明のセロウロン酸は、重合度が100以上であることを特徴とする。また、重合度が150以上であることを特徴とする。
本発明に係る製造方法により得られるセロウロン酸は、重合度が100以上、あるいは150以上である、従来にない高重合度のセロウロン酸であり、その重合度によって特定することができるものである。
本発明に係る製造方法により得られるセロウロン酸は、重合度が100以上、あるいは150以上である、従来にない高重合度のセロウロン酸であり、その重合度によって特定することができるものである。
本発明によれば、洗浄や排水処理が不要である簡便な工程でセロウロン酸を製造することができる。また、セルロースを含有する天然資源を原料として用いることで高重合度のセロウロン酸を簡便な方法で製造することができる。さらに精製された天然セルロースを原料とした場合にも、従来に比して簡便な方法でセロウロン酸を製造することができる。
また本発明のセロウロン酸は、その高い重合度ゆえに幅広い用途に応用できるものである。
また本発明のセロウロン酸は、その高い重合度ゆえに幅広い用途に応用できるものである。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係るセロウロン酸の製造方法は、セルロース原料に物理的処理を施してセルロース原料の結晶化度を低下させる工程と、物理的処理後のセルロース原料を酸化処理することでセロウロン酸を生成させる工程と、を有することを特徴とするセロウロン酸の製造方法である。
本発明の製造方法に用いられるセルロース原料は特に限定されず、天然セルロース、再生セルロースのいずれであってもよい。
本発明における天然セルロースには、植物、動物、バクテリア産生ゲル等のセルロースの生合成系から直接得られる、セルロース含有の天然資源を含む。すなわち、木材チップや種子毛繊維(綿花、ボンバックス綿、カボックなど)、麻、麦わら、バガスなどを含むものである。したがって、木材廃棄物や農産廃棄物等のバイオマス廃棄物をほぼそのままセルロース原料として用いることができる。
また、上記の天然資源を精製して得られる天然セルロース(パルプなど)や、バクテリアセルロース、ホヤから単離されるセルロース、海草から単離されるセルロースも含むものである。
本発明における天然セルロースには、植物、動物、バクテリア産生ゲル等のセルロースの生合成系から直接得られる、セルロース含有の天然資源を含む。すなわち、木材チップや種子毛繊維(綿花、ボンバックス綿、カボックなど)、麻、麦わら、バガスなどを含むものである。したがって、木材廃棄物や農産廃棄物等のバイオマス廃棄物をほぼそのままセルロース原料として用いることができる。
また、上記の天然資源を精製して得られる天然セルロース(パルプなど)や、バクテリアセルロース、ホヤから単離されるセルロース、海草から単離されるセルロースも含むものである。
再生セルロースは、精製した天然セルロースをいったん溶媒に溶解させて得られるものであり、例えば、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン(キュプラ)、ポリノジック、アセテート等が挙げられる。また本発明におけるセルロース原料としては、リョセル等の精製セルロース系のセルロース繊維ももちろん用いることができる。
さらに、天然セルロース又は再生セルロースをアルカリ処理したアルカリ処理セルロースをセルロース原料とすることもできる。セルロースのアルカリ処理は、例えばセルロースに対してアルカリ溶液を散布したり湿潤させる方法や、アルカリ水溶液にセルロースを浸漬又は懸濁する方法により行うことができる。
なお、本発明においてセルロース原料のアルカリ処理は本質的な要素ではない。アルカリ処理に伴う洗浄処理や排水処理が必要になる一方で、得られるセロウロン酸の特性向上には効果的ではないからである。したがって、物理的処理のみではセルロース原料の結晶化度を低下させることが困難である場合等に、アルカリ処理を限定的、補助的に用いることは妨げないが、アルカリ処理は行わないことが好ましい。また、セルロース原料に対する液体アンモニア処理についても同様である。
次に、セルロース原料に物理的処理を施して結晶化度を低下させる工程について説明する。
本工程では、セルロース原料の結晶化度を低下させることができる物理的処理であればいかなる処理も用いることができる。典型的には、公知の破砕処理が採用でき、例えば、ローラーミル、カッターミル、ボールミル、ジェットミル、ハンマーミル、ディスクミル、オングミル、各種ホモジナイザーなどを用いた破砕処理を挙げることができる。また、複数の破砕処理を組み合わせて用いてもよい。
本工程では、セルロース原料の結晶化度を低下させることができる物理的処理であればいかなる処理も用いることができる。典型的には、公知の破砕処理が採用でき、例えば、ローラーミル、カッターミル、ボールミル、ジェットミル、ハンマーミル、ディスクミル、オングミル、各種ホモジナイザーなどを用いた破砕処理を挙げることができる。また、複数の破砕処理を組み合わせて用いてもよい。
上記の破砕処理のうちでも、内部の粉砕媒体の運動に伴うせん断作用、摩擦作用によって粉砕が行なわれるボールミルを用いることが好ましい。ボールミルの種類は特に限定されず、転動ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ミキサーミル等の種々のボールミルを用いることができる。
本工程では、セルロース原料の結晶化度を低下させることが重要であり、破砕処理によってセルロース原料を非晶化することが好ましい。この点、上記のボールミルを用いた破砕処理では、短時間に効率良くセルロース原料を非晶化することが可能であり、本工程に好適である。
なお、本工程における非晶化は、セルロース原料のX線回折パターンにおいて明確なピークが観察されない状態とすることを指す。
また、破砕処理による結晶化度の低下が不十分(強度の低いピークが観測される状態)であってもセロウロン酸を製造することは可能である。ただし、セロウロン酸の収率が低下したり、酸化処理工程に長時間を要するために製造効率は低下する。
なお、本工程における非晶化は、セルロース原料のX線回折パターンにおいて明確なピークが観察されない状態とすることを指す。
また、破砕処理による結晶化度の低下が不十分(強度の低いピークが観測される状態)であってもセロウロン酸を製造することは可能である。ただし、セロウロン酸の収率が低下したり、酸化処理工程に長時間を要するために製造効率は低下する。
次に、物理的処理(破砕処理)後のセルロース原料を酸化させる工程について説明する。
セルロース原料を酸化する工程において、反応溶液におけるセルロース原料の分散媒には、典型的には水が用いられる。反応溶液中のセルロース原料の濃度は、試薬(酸化剤、触媒等)の十分な溶解が可能であれば特に限定されない。通常は、反応溶液の重量に対して5%程度以下の濃度とすることが好ましい。
セルロース原料を酸化する工程において、反応溶液におけるセルロース原料の分散媒には、典型的には水が用いられる。反応溶液中のセルロース原料の濃度は、試薬(酸化剤、触媒等)の十分な溶解が可能であれば特に限定されない。通常は、反応溶液の重量に対して5%程度以下の濃度とすることが好ましい。
反応溶液に添加される触媒としては、N−オキシル化合物が用いられる。N−オキシル化合物としては、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジンーN−オキシル)及びC4位に各種の官能基を有するTEMPO誘導体を用いることができる。特に、TEMPO又は4−アセトアミドTEMPOを用いることが好ましい。
N−オキシル化合物の添加は触媒量で十分であり、具体的には、反応溶液に対して0.1〜4mmol/lの範囲で添加すればよい。好ましくは、0.1〜2mmol/lの添加量範囲である。
N−オキシル化合物の添加は触媒量で十分であり、具体的には、反応溶液に対して0.1〜4mmol/lの範囲で添加すればよい。好ましくは、0.1〜2mmol/lの添加量範囲である。
さらに、酸化剤の種類によっては、N−オキシル化合物に、臭化物やヨウ化物を組み合わせた触媒成分を用いてもよい。例えば、アンモニウム塩(臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム)、臭化又はヨウ化アルカリ金属(臭化リチウム、臭化カリウム、臭化ナトリウムなどの臭化物、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムなどのヨウ化物)、臭化又はヨウ化アルカリ土類金属(臭化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化ストロンチウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化ストロンチウムなど)を用いることができる。これらの臭化物及びヨウ化物は、単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
酸化剤としては、次亜ハロゲン酸又はその塩(次亜塩素酸又はその塩、次亜臭素酸又はその塩、次亜ヨウ素酸又はその塩など)、亜ハロゲン酸又はその塩(亜塩素酸又はその塩、亜臭素酸又はその塩、亜ヨウ素酸又はその塩など)、過ハロゲン酸又はその塩(過塩素酸又はその塩、過ヨウ素酸又はその塩など)、ハロゲン(塩素、臭素、ヨウ素など)、ハロゲン酸化物(ClO、ClO2、Cl2O6、BrO2、Br3O7など)、窒素酸化物(NO、NO2、N2O3など)、過酸(過酸化水素、過酢酸、過硫酸、過安息香酸など)が含まれる。これらの酸化剤は単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。また、ラッカーゼなどの酸化酵素と組み合わせて用いてもよい。酸化剤の含有量は、1〜50mmol/lの範囲とすることが好ましい。
次亜ハロゲン酸塩としては、次亜塩素酸の場合に、次亜塩素酸リチウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩や、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マグネシウム、次亜塩素酸ストロンチウムなどのアルカリ土類金属塩、次亜塩素酸アンモニウムなどを例示することができる。また、これらに対応する次亜臭素酸塩、次亜ヨウ素酸塩を用いることもできる。
亜ハロゲン酸塩としては、例えば亜塩素酸の場合、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩や、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸ストロンチウムなどのアルカリ土類金属塩、亜塩素酸アンモニウムなどを例示することができる。また、これらに対応する亜臭素酸塩、亜ヨウ素酸塩を用いることもできる。
過ハロゲン酸塩としては、例えば過塩素酸塩の場合、過塩素酸リチウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩や、過塩素酸カルシウム、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸ストロンチウムなどのアルカリ土類金属塩、過塩素酸アンモニウムなどを例示することができる。また、これらに対応する過臭素酸塩、過ヨウ素酸塩を用いることもできる。
本発明における好ましい酸化剤としては、次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩、あるいは亜ハロゲン酸アルカリ金属塩を挙げることができ、次亜塩素酸アルカリ金属塩又は亜塩素酸アルカリ金属塩を用いることがより好ましい。
先に記載の触媒については、酸化剤の種類に応じて適宜選択すればよく、例えば、次亜塩素酸アルカリ金属塩を酸化剤とする場合には、N−オキシル化合物と、臭化物又はヨウ化物とを組み合わせた触媒成分を用いることが好ましく、亜塩素酸アルカリ金属塩を酸化剤とする場合には、N−オキシル化合物を単独で触媒成分として用いることが好ましい。
先に記載の触媒については、酸化剤の種類に応じて適宜選択すればよく、例えば、次亜塩素酸アルカリ金属塩を酸化剤とする場合には、N−オキシル化合物と、臭化物又はヨウ化物とを組み合わせた触媒成分を用いることが好ましく、亜塩素酸アルカリ金属塩を酸化剤とする場合には、N−オキシル化合物を単独で触媒成分として用いることが好ましい。
以下、代表的な酸化反応について2種類の具体例を呈示して説明する。
(酸化反応の第1の例)
酸化反応の第1の例では、破砕処理を施したセルロース原料を水に懸濁したものに、N−オキシル化合物(TEMPO等)及びアルカリ金属臭化物(又はアルカリ金属ヨウ化物)と、酸化剤としての次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸塩)とを添加した反応液を調製し、0℃〜室温(10℃〜30℃)の温度条件下、必要に応じて攪拌しながら酸化反応を進行させ、セロウロン酸を生成させる。
酸化反応の第1の例では、破砕処理を施したセルロース原料を水に懸濁したものに、N−オキシル化合物(TEMPO等)及びアルカリ金属臭化物(又はアルカリ金属ヨウ化物)と、酸化剤としての次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸塩)とを添加した反応液を調製し、0℃〜室温(10℃〜30℃)の温度条件下、必要に応じて攪拌しながら酸化反応を進行させ、セロウロン酸を生成させる。
反応終了後は、反応液に貧溶媒(例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類)を添加し、酸化剤(次亜塩素酸ナトリウムなど)を分解する。その後、反応液の水不溶成分を遠心分離やろ過によって除去し、透明な水溶液を得る。
この水溶液を多量のエタノールに注入することでセロウロン酸を析出させる。その後、80%エタノール(エタノール/水混合溶媒)でろ過あるいは遠心分離によって繰り返し洗浄後、乾燥させてエタノールを除去することで、固形顆粒状のセロウロン酸が得られる。
この水溶液を多量のエタノールに注入することでセロウロン酸を析出させる。その後、80%エタノール(エタノール/水混合溶媒)でろ過あるいは遠心分離によって繰り返し洗浄後、乾燥させてエタノールを除去することで、固形顆粒状のセロウロン酸が得られる。
第1の例の酸化反応では、反応の進行に伴ってカルボキシル基が生成するために反応液のpHが低下する。そこで、酸化反応を十分に進行させるためには、反応系をアルカリ性領域、例えばpH9〜12(好ましくは10〜11)の範囲に維持することが好ましい。反応系のpH調整は、アルカリ(水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ金属成分を含む水溶液など)を反応系に適宜添加することにより行うことができる。
また第1の例の酸化反応では、酸化反応の進行に伴って反応液のpHが低下するため、pH低下の進行が認められなくなった時点を反応終点とすることができる。
また第1の例の酸化反応では、酸化反応の進行に伴って反応液のpHが低下するため、pH低下の進行が認められなくなった時点を反応終点とすることができる。
なお、第1の例の酸化反応における反応温度は室温より高くすることもでき、高温で反応させることで反応効率を高めることができる。その一方で、次亜塩素酸ナトリウムから塩素ガスが発生しやすくなるので、高温で反応させる場合には塩素ガスの処理系を用意することが好ましい。
(酸化反応の第2の例)
次に、酸化反応の第2の例では、破砕処理を施したセルロース原料を水に懸濁したものに、N−オキシル化合物と、酸化剤としての亜塩素酸ナトリウム(亜塩素酸塩)とを添加した反応液を調製し、室温〜100℃程度の温度条件下、必要に応じて攪拌しながら酸化反応を進行させ、セロウロン酸を生成させる。
酸化反応終了後のセロウロン酸を抽出する処理は、上述した第1の例の酸化反応の場合と同様である。
次に、酸化反応の第2の例では、破砕処理を施したセルロース原料を水に懸濁したものに、N−オキシル化合物と、酸化剤としての亜塩素酸ナトリウム(亜塩素酸塩)とを添加した反応液を調製し、室温〜100℃程度の温度条件下、必要に応じて攪拌しながら酸化反応を進行させ、セロウロン酸を生成させる。
酸化反応終了後のセロウロン酸を抽出する処理は、上述した第1の例の酸化反応の場合と同様である。
第2の例の酸化反応では、反応液のpHは中性から酸性の範囲で維持される。より具体的には、4以上7以下のpH範囲とすることが好ましい。特に、反応溶液のpHが8以上とならないように留意すべきである。これは、セルロースのC6位に一時的に生成するアルデヒド基によるベータ脱離反応が生じないようにするためである。
さらに、反応溶液に緩衝液を添加することが好ましい。緩衝液としては、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液、トリス緩衝液等、種々の緩衝液を用いることができる。
緩衝液を用いて反応中のpH変化を抑えるようにすることで、pHを維持するための酸やアルカリの連続的な添加が不要になり、またpHメーターの設置も不要になる。そして、酸やアルカリの添加が不要であることから、反応容器を密閉することができる。
緩衝液を用いて反応中のpH変化を抑えるようにすることで、pHを維持するための酸やアルカリの連続的な添加が不要になり、またpHメーターの設置も不要になる。そして、酸やアルカリの添加が不要であることから、反応容器を密閉することができる。
第2の例では、酸化剤として、水酸基の酸化によって生成するアルデヒド基も酸化することができる酸化剤を用いる。このような酸化剤としては、亜塩素酸ナトリウムなどの亜ハロゲン酸又はその塩や、過酸化水素と酸化酵素(ラッカーゼ)の混合物、過酸(過硫酸(過硫酸水素カリウムなど)、過酢酸、過安息香酸など)を例示することができる。
アルデヒド基をカルボキシル基に酸化することができる酸化剤を用いることで、C6位のアルデヒド基の生成を防ぐことができる。N−オキシル化合物を触媒とした酸化反応では、グルコース成分の1級水酸基が選択的に酸化されてアルデヒド基を含む中間体が生成する可能性がある。しかし第2の例の酸化反応では、アルデヒド基を酸化する酸化剤を含むため、この中間体のアルデヒド基は速やかに酸化されてカルボキシル基に変換される。したがって、アルデヒド基によって引き起こされるベータ脱離反応を防止することができ、高重合度のセロウロン酸を得ることができる。
また、上述した酸化剤を主酸化剤として用いるのを前提として、次亜ハロゲン酸又はその塩を添加することが好ましい。例えば、少量の次亜塩素酸ナトリウムを添加することで、反応速度を大きく向上させることができる。反応液に添加された次亜塩素酸ナトリウムは、TEMPOの酸化剤として機能し、酸化されたTEMPOがセルロースのC6位の1級水酸基を酸化してC6位にアルデヒド基を生成する。そして、生成したアルデヒド基は、主酸化剤である亜塩素酸ナトリウムによって迅速にカルボキシル基に酸化される。また、アルデヒド基の酸化の際に、亜塩素酸ナトリウムが次亜塩素酸ナトリウムに変化する。さらに、生成した次亜塩素酸ナトリウムはTEMPOの酸化剤として補充される。
このように、反応液に次亜塩素酸ナトリウム等を添加することで、TEMPOの酸化反応を促進することができ、反応速度を高めることができる。次亜ハロゲン酸塩等の添加量は、1mmol/l程度以下とすることが好ましい。
以上詳細に説明したように、本発明に係るセロウロン酸の製造方法では、酸化処理工程に先立って、セルロース原料に物理的処理を加えてセルロースの結晶化度を低下させるという簡便な手法により、効率良くセロウロン酸を製造することができる。
また本発明の製造方法では、木材粉等の天然資源をそのままセルロース原料として用いることができ、さらにこの場合には、従来得られなかった高重合度(170程度)のセロウロン酸を製造することができる(後述の実施例1)。また、植物系バイオマス廃棄物等の天然資源をそのまま原料にできるため、再生、精製処理やアルカリ処理が不要であり、簡便な製造工程で低コストにセロウロン酸を製造することができる。
また、天然資源を精製して得られる天然セルロース(パルプなど)や再生セルロースをセルロース原料として用いた場合にも、セロウロン酸を製造することができる(後述の実施例2)。この場合に得られるセロウロン酸の重合度は従来の方法で得られるセロウロン酸と同程度(〜80程度)であるが、本発明では溶剤に対する溶解処理やアルカリ処理が不要であるため、洗浄処理や排水処理を大幅に簡素化することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、セルロース原料として天然資源である木材粉を用いたセロウロン酸の製造方法について説明する。
まず、杉材の鋸クズ(杉木粉;木材粉)を4時間程度、大気圧の空気雰囲気中で振動式ボールミル粉砕し(中央化工機社製MB-1)、杉木粉中の結晶性セルロースを非晶化した。図1は、原料である杉木粉のボールミル処理前後のX線回折パターンを比較したグラフである。図1に示すように、ボールミル処理前の杉木粉のX線回折パターンでは明確に観測されていたセルロースI型のピークが、4時間のボールミル処理後には消失しており、杉木粉のセルロースがほぼ非晶化されていることが確認できた。
本実施例では、セルロース原料として天然資源である木材粉を用いたセロウロン酸の製造方法について説明する。
まず、杉材の鋸クズ(杉木粉;木材粉)を4時間程度、大気圧の空気雰囲気中で振動式ボールミル粉砕し(中央化工機社製MB-1)、杉木粉中の結晶性セルロースを非晶化した。図1は、原料である杉木粉のボールミル処理前後のX線回折パターンを比較したグラフである。図1に示すように、ボールミル処理前の杉木粉のX線回折パターンでは明確に観測されていたセルロースI型のピークが、4時間のボールミル処理後には消失しており、杉木粉のセルロースがほぼ非晶化されていることが確認できた。
続いて、この非晶化されたボールミル処理杉木粉を出発物質として、水に分散させ、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を主酸化剤とするTEMPO触媒酸化(第1の例の酸化反応)を行う。すなわち、ボールミル処理杉木粉1gを100mLの水に分散させたものに、TEMPOを0.025g、臭化ナトリウムを0.25g加え、9%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液12〜18mLを添加することで反応液を調製し、反応液を攪拌しながら酸化反応を進行させた。攪拌の間は0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液で、常にpH10を維持した。
室温で2時間攪拌すると、pHの変化がなくなったので反応が終了したと判断し、少量のエタノールを添加して未反応の次亜塩素酸ナトリウムを分解した。この段階では反応液はやや不透明な水不溶成分が認められた。そこで、遠心分離あるいはろ過によってこの水不溶部分を除去し、透明な水溶液を得た。
その後、得られた透明な水溶液を多量のエタノールに注入して、セロウロン酸を析出させた。そして、80%エタノールでろ過あるいは遠心分離によって繰り返し洗浄後、風乾によってエタノールを除去することで、固形顆粒状のセロウロン酸を得た。
また本例では、酸化反応を10時間とした以外は同一条件としたセロウロン酸の試料についても作製した。
その後、得られた透明な水溶液を多量のエタノールに注入して、セロウロン酸を析出させた。そして、80%エタノールでろ過あるいは遠心分離によって繰り返し洗浄後、風乾によってエタノールを除去することで、固形顆粒状のセロウロン酸を得た。
また本例では、酸化反応を10時間とした以外は同一条件としたセロウロン酸の試料についても作製した。
得られたセロウロン酸は水可溶なので、13C−NMRで構造を解析した。図2は、酸化反応を2時間行って得られた試料と、酸化反応を10時間を行って得られた試料の解析結果を示すグラフである。
図2に示すように、上記工程で得られたセロウロン酸には、リグニンやヘミセルロース由来のピークがないことから、ボールミル処理杉木粉のTEMPO触媒酸化によってリグニンやヘミセルロース成分は酸化−低分子化され、洗浄や精製の段階で除去されている。したがって本発明の製造方法によれば、セルロースのC6位が酸化してカルボキシル基に変換したセロウロン酸のみを、含水エタノール不溶分として単離−精製して得ることができる。
図2に示すように、上記工程で得られたセロウロン酸には、リグニンやヘミセルロース由来のピークがないことから、ボールミル処理杉木粉のTEMPO触媒酸化によってリグニンやヘミセルロース成分は酸化−低分子化され、洗浄や精製の段階で除去されている。したがって本発明の製造方法によれば、セルロースのC6位が酸化してカルボキシル基に変換したセロウロン酸のみを、含水エタノール不溶分として単離−精製して得ることができる。
次に、上記のようにして得られたセロウロン酸の重合度を測定した。表2は、ボールミル処理杉木粉のTEMPO触媒酸化(2時間及び10時間)で得られるセロウロン酸の回収率(反応させた木粉の重量を基準)と重合度を示す表である。
表2に示すように、酸化反応時間を2時間としたセロウロン酸の重合度は約170(分子量約34000)であり、従来の方法や、ボールミル処理天然セルロースのTEMPO酸化で得られる重合度80(分子量約16000)の約2倍の大きさであった。
なお、TEMPO酸化反応時間を10時間に延長すると、分子量が低下することが認められた。このことは、酸化反応時間により重合度を調整することが可能であることを示唆している。
なお、TEMPO酸化反応時間を10時間に延長すると、分子量が低下することが認められた。このことは、酸化反応時間により重合度を調整することが可能であることを示唆している。
このように本発明の製造方法によれば、セルロース原料を木材廃棄物、農産廃棄物からパルプ化・漂白処理によって単離・精製したものとする必要がなく、植物バイオマス廃棄物をそのままセルロース原料として用いることができる。
また本実施例の製造方法によれば、従来にない高重合度のセロウロン酸を得ることができ、またその重合度の調整も容易であるため、用途に応じたセロウロン酸の調製が容易で、セロウロン酸の応用展開が広がることになる。
また本実施例の製造方法によれば、従来にない高重合度のセロウロン酸を得ることができ、またその重合度の調整も容易であるため、用途に応じたセロウロン酸の調製が容易で、セロウロン酸の応用展開が広がることになる。
また、酸化反応時間を2時間とした試料における回収率は55%であり、これは、杉木粉におけるセルロース含有量47%から計算した理論収量57.4%(47×198/162=57.4%、198はセロウロン酸の1ユニットのモル数、162はセルロースの1ユニットのモル数である。)と比較すると、55/57.4×100=95.8%となる。このことから、本発明の製造方法によれば、セルロース原料のセルロース含有量に対応する量のセロウロン酸を定量的に得ることができ、極めて効率良くセロウロン酸を製造することが可能である。
(実施例2)
本実施例では、セルロース原料として精製処理を施された天然セルロースを用いたセロウロン酸の製造方法について説明する。
本実施例では、セルロース原料として、リンターセルロース(Advantec Toyo社製、ろ紙パルプ、重合度800)、及び、繊維状微結晶セルロース(Whatman CF11、重合度200)を用いた。これらのリンターセルロース及び繊維状微結晶セルロースを、遊星型ボールミル(P-7、フリッチュジャパン社製)で最大24時間粉砕処理した。そして、ボールミル処理セルロース原料を、TEMPO酸化反応の条件、及び反応生成物の単離−精製プロセスは実施例1と同様として、セロウロン酸を作製した。
本実施例では、セルロース原料として精製処理を施された天然セルロースを用いたセロウロン酸の製造方法について説明する。
本実施例では、セルロース原料として、リンターセルロース(Advantec Toyo社製、ろ紙パルプ、重合度800)、及び、繊維状微結晶セルロース(Whatman CF11、重合度200)を用いた。これらのリンターセルロース及び繊維状微結晶セルロースを、遊星型ボールミル(P-7、フリッチュジャパン社製)で最大24時間粉砕処理した。そして、ボールミル処理セルロース原料を、TEMPO酸化反応の条件、及び反応生成物の単離−精製プロセスは実施例1と同様として、セロウロン酸を作製した。
図3は、リンターセルロース及び繊維状微結晶セルロースのボールミル粉砕処理時間とX線回折パターンの変化を示した図である。図3に示すように、ボールミル粉砕処理時間の経過とともに、セルロースI型の結晶化度が低下した。リンターセルロース(左図)では6時間、繊維状微結晶セルロース(右図)では12時間のボールミル処理で相当程度非晶化され、いずれのセルロース原料も24時間ボールミル処理でほぼ非晶となった。
表3は、ボールミル粉砕処理したリンターセルロース、繊維状微結晶セルロースの重合度と、それらをTEMOPO触媒酸化して得られるセロウロン酸(CUA)の収率と重合度を示したものである。
表3に示すように、本発明の製造方法によれば、既に精製された天然セルロースからもセロウロン酸を得ることができる。
従来は再生セルロース又はアルカリ処理した天然セルロースからはセロウロン酸が得られていたが、精製された天然セルロースをそのままTEMPO酸化した場合にはセロウロン酸が得られなかった(特許文献1、非特許文献4参照)。これに対して、本発明の製造方法によれば、ボールミルで粉砕処理することにより、必ずしも全て非晶化させることなく、TEMPO酸化によってセロウロン酸が得られるようになる。
従来は再生セルロース又はアルカリ処理した天然セルロースからはセロウロン酸が得られていたが、精製された天然セルロースをそのままTEMPO酸化した場合にはセロウロン酸が得られなかった(特許文献1、非特許文献4参照)。これに対して、本発明の製造方法によれば、ボールミルで粉砕処理することにより、必ずしも全て非晶化させることなく、TEMPO酸化によってセロウロン酸が得られるようになる。
精製された天然セルロースを原料とした場合には、本発明の製造方法で得られるセロウロン酸の重合度は約80であり、20%NaOHで膨潤処理(アルカリ処理)した天然セルロースを酸化処理して得られるセロウロン酸の重合度とほぼ同じ値である。しかし、アルカリ処理を施す場合と比べると、ボールミル粉砕処理の方が洗浄や排水処理等が不要である点で簡便であるので、セロウロン酸の製造方法として明らかな優位性がある。
Claims (9)
- セルロース原料に物理的処理を施して前記セルロース原料の結晶化度を低下させる工程と、
前記物理的処理後の前記セルロース原料を酸化処理することでセロウロン酸を生成させる工程と、
を有することを特徴とするセロウロン酸の製造方法。 - 前記物理的処理が、前記セルロース原料を破砕する破砕処理であることを特徴とする請求項1に記載のセロウロン酸の製造方法。
- 前記破砕処理が、ボールミル装置を用いた処理であることを特徴とする請求項2に記載のセロウロン酸の製造方法。
- 前記酸化処理が、N−オキシル化合物の存在下、次亜ハロゲン酸又はその塩を主酸化剤として用いる酸化処理であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のセロウロン酸の製造方法。
- 前記酸化処理が、N−オキシル化合物の存在下、亜ハロゲン酸又はその塩を主酸化剤として用いる酸化処理であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のセロウロン酸の製造方法。
- 前記セルロース原料がセルロースを含有する天然資源であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のセロウロン酸の製造方法。
- 前記セルロース原料が精製された天然セルロースであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のセロウロン酸の製造方法。
- 重合度が100以上であることを特徴とするセロウロン酸。
- 重合度が150以上であることを特徴とするセロウロン酸。
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2008
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