JP2009298907A - 住宅用選択透過材料及び住宅用空調システム - Google Patents

住宅用選択透過材料及び住宅用空調システム Download PDF

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Abstract

【課題】気体の透過性が十分である膜を形成できる住宅用選択透過材料、及び当該住宅用選択透過材料を用いた住宅用空調システムであって、換気による熱損失を抑制することができる住宅用空調システムを提供する。
【解決手段】オルガノシロキサン骨格を有するポリマーに固形添加剤が分散されてなる住宅用選択透過材料であって、前記住宅用選択透過材料から形成される膜に酸素及び窒素を透過させた場合に、23±2℃、膜間の圧力差1.05〜1.20atmにおける酸素及び窒素の透過係数(cm3・cm・sec-1・cm-2・cmHg-1)の関係が下記式(1)で表される、選択透過材料。なお、式中、P(O)は酸素の透過係数、P(N)は窒素の透過係数を示す。
Figure 2009298907

【選択図】なし

Description

本発明は、住宅用選択透過材料及び住宅用空調システムに関する。
近年、シックハウス症候群が報告され、室内の化学物質による健康への影響に対する関心が高まっている。シックハウス症候群は、VOC(volatile organic compounds:揮発性有機物質)等の化学物質を放散する住宅用建材、内装材等の使用により、室内の空気がVOC等の化学物質で汚染されることが原因で起こる。社団法人日本木造住宅産業協会の報告によれば、新築住宅の室内の総揮発性有機化合物(Total Volatile Organic Compounds:TVOC)濃度は、20786μg/m(トルエン換算で約0.0005%)と、厚生労働省が定める暫定目標値400μg/mを大きく越えている。なお、TVOC暫定目標値とは、複数のVOC混合物の目標濃度レベルのことである。シックハウス症候群の防止策の一つとしては、室内の十分な換気が上げられるが、近年の住宅の高気密化によって、室内に化学物質が滞留し易くなり、シックハウス症候群が発生し易くなっている。このような現状を受け、平成15年7月のシックハウス対策に係わる建築基準法の改正があり、換気設備の設置が義務付けられた。この換気設備設置の義務化に対応して住宅用の24時間換気システムが導入されている。
住宅用空調システムの一具体例としては、活性成分が、常温浄化触媒:3重量%以上、光触媒:3重量%以上、かつ活性炭:70重量%以上であり、常温浄化触媒は還元処理によって酸素欠損が導入された酸化物に貴金属を担持してなるものであることを特徴とする活性炭フィルタを備えた空気清浄機が、下記特許文献1に開示されている。
特開2002−263449号公報
従来の住宅用24時間換気システムでは、換気装置を介して室内空気を屋外に放出しているため、特に夏又は冬のような外気温度と室内温度との差が大きい場合には、室内を一定温度に保つためにクーラーやヒーターを余分に稼動させなければならず、換気に伴う熱損失を補填するためのエネルギー消費(クーラーやヒーターを稼動させるエネルギーの消費)が大きくなってしまう。この場合、地球温暖化防止や省エネルギー化を考慮して熱交換器を有する換気装置を用いた場合にも、熱交換率は65%程度であり、熱損失は35%と大きい。
また、冬場の居住空間の暖房として石油ファンヒーター等を使用すると、石油の燃焼に伴ってO濃度が減少し、CO濃度が増加すると共に、人体に有害なCO、窒素酸化物又はVOC等が発生する傾向がある。そのため、ヒーターの使用開始から短時間で換気が必要なレベルにまで室内の空気が汚染される恐れがある。独立行政法人国民生活センターによる報告によれば、石油ファンヒーターを1時間使用することにより、室内のO濃度が1.2%(21%→19.8%)減少し、室内のCO濃度が0.8%(0%→0.8%)増加する。このような暖房による室内の空気汚染も、近年の住宅の高気密化によって発生し易くなっている。
したがって、住宅用の空調システムでは、室内(空調対象空間)への気体の供給及び/又は室内からの気体の排出が行われる膜として、VOC、CO、CO等の有害な化学物質を室外へ除去し、且つ清浄な外気を室内へ導入できると共に、換気による熱損失を抑制できる膜が要求される。
そこで、本発明は、気体の透過性が十分である膜を形成できる住宅用選択透過材料、及び当該住宅用選択透過材料を用いた住宅用空調システムであって、換気による熱損失を抑制することができる住宅用空調システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、オルガノシロキサン骨格を有するポリマー(以下、場合により「シリコーン系ポリマー」ともいう。)と固形添加剤とからなる住宅用選択透過材料であって、住宅用選択透過材料から形成される膜に気体を透過させた場合に、膜を透過する気体の流れにおいてクヌーセン流(Knudsen flow)が支配的である住宅用選択透過材料により、上記目的を達成できることを見出した。なお、「固形添加剤」とは、常温常圧で固形の添加剤をいい、可塑剤やイオン性液体等の液状物質は含まれない。また、「クヌーセン流」とは、分子の動きが問題となるほどの希薄な気体の流れをいい(化学大辞典3、化学大辞典編集委員会編、縮刷版44頁参照)、ガスの透過速度がその分子量に依存するという特徴を有する。また、「クヌーセン流が支配的である」とは、ガスの透過速度がその分子量に依存するようになることをいう。
すなわち、本発明は、シリコーン系ポリマーに固形添加剤が分散されてなる住宅用選択透過材料であって、住宅用選択透過材料から形成される膜に酸素及び窒素を透過させた場合に、23±2℃、膜間の圧力差1.05〜1.20atmにおける酸素及び窒素の透過係数(cm3・cm・sec-1・cm-2・cmHg-1)の関係が下記式(1)で表される、住宅用選択透過材料を提供する。
Figure 2009298907

[式中、P(O)は酸素の透過係数、P(N)は窒素の透過係数を示す。]
このような住宅用選択透過材料から形成される膜によれば、膜の両側でガスの濃度差が存在する場合、この濃度差を駆動力として、ガスが膜を透過して、膜の両側でガスの濃度が均一となる。すなわち、膜を介したガスの選択的な交換によって、膜の両側でガスの濃度を均一に保つことができる。このような膜を住宅用空調システムの空調対象空間への気体の供給及び/又は空調対象空間からの気体の排出が行われる膜として用いることによって、空調対象空間の換気を行うことができる。また、このような膜を透過するガス量は、膜の両側間のガスの濃度差を解消するために要する量に限られるため、その量より多量のガスが膜を透過することがない。すなわち、上記膜によれば、余分な換気が行われない。そのため、上記膜を備える住宅用空調システムでは、換気による熱損失を抑えることができる。その結果、冷暖房の使用が抑えられ、省エネルギー化が可能となる。
また、上記本発明の住宅用選択透過材料によれば、大気中の浮遊物質のうち粒径が10μm以下のもの(以下「SPM」という。)、特に粒径が100nm以下のもの(以下「nSPM」という。)等の大気中の浮遊物質を除去することが可能であり、且つ気体の透過性が十分である膜を形成することができる。なお、本明細書中において、「気体の透過性が十分である」とは、23±2℃、膜間の圧力差1.05〜1.20atmにおける酸素及び窒素の透過係数が8.0×10−8cm3・cm・sec-1・cm-2・cmHg-1以上、好ましくは1.0×10−7cm3・cm・sec-1・cm-2・cmHg-1以上であることをいう。また、本明細書中において、「SPM、nSPM等の大気中の浮遊物質を除去することが可能」とは、nSPMの遮断率が80wt%以上(好ましくは90wt%以上、より好ましくは99wt%以上)であることをいう。nSPMの遮断率が80wt%以上である場合には、当然に、nSPMよりも粒径の大きいSPM等の大気中の浮遊物質も遮断することができる。nSPMの遮断率は、例えば実施例に記載の方法により測定することができる。
上記住宅用選択透過材料から形成される膜に気体を透過させた場合に、この膜を透過する気体の流れにおいてクヌーセン流(Knudsen flow)が生じる。この場合において、シリコーン系ポリマーと固形添加剤との界面、隣接する固形添加剤同士の界面、固形添加剤自身、及び前記シリコーン系ポリマー中の空泡からなる群より選ばれる少なくとも1つに、クヌーセン流が生じる空隙が形成されていることが好ましく、シリコーン系ポリマーと固形添加剤との界面、及び/又は隣接する固形添加剤同士の界面にクヌーセン流が生じる空隙が形成されていることがより好ましい。
固形添加剤は、フィラー、導電性ポリマー、又はこれらの混合物であることが好ましい。フィラーは、膜における気体の透過性の更なる向上の観点から、シリカ系フィラーであることが好ましく、多孔質フィラーであることが特に好ましい。なお、固形添加剤がフィラーである場合において、以下の(1)〜(3)のいずれかの条件を満たすことが好ましい。
(1)前記フィラーが、多孔質シリカ粒子であり、シリコーン系ポリマー100質量部に対して前記固形添加剤の添加量が25〜1560質量部である、
(2)前記フィラーが、平均粒径10〜120nmの、疎水性若しくは親水性表面を有する非多孔質シリカ粒子であり、シリコーン系ポリマー100質量部に対して前記固形添加剤の含有量が65〜3800質量部である、
(3)前記フィラーが、平均粒径10〜60nmの、親水性表面を有する非多孔質酸化チタン粒子であり、シリコーン系ポリマー100質量部に対する前記固形添加剤の含有量が330〜6400質量部である。
導電性ポリマーとしては、ポリアニリン又は酸処理ポリアリニンを採用することもできる。ポリアニリン又は酸処理ポリアニリンは、シリコーン系ポリマーと同様に例えばトルエン等の溶媒に可溶である。このため、ポリアニリンを溶媒に溶解させることにより、シリコーン系ポリマーとの混合、分散を、容易かつ安定して行うことができる。
本発明の住宅用空調システムは、空調対象空間への気体の供給及び/又は空調対象空間からの気体の排出が行われる膜を備え、膜は本発明の住宅用選択透過材料から形成される膜であるものである。
これによれば、空調対象空間の換気を行うことができると共に、換気による住宅用空調システムの熱損失を抑えることができる。その結果、冷暖房によるエネルギー消費が抑えられ、省エネルギー化が可能となる。また、本発明の住宅用空調システムによれば、本発明の住宅用選択透過材料を用いていることから、SPM、nSPM等の大気中の浮遊物質の空調対象空間への流入を防止することができる。
本発明によれば、気体の透過性が十分である膜を形成できる住宅用選択透過材料、及び当該住宅用選択透過材料を用いた住宅用空調システムであって、換気による熱損失を抑制することができる住宅用空調システムを提供することができる。
以下、場合により図面を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
(住宅用選択透過材料)
本発明の住宅用選択透過材料は、シリコーン系ポリマーに固形添加剤が分散されてなる住宅用選択透過材料であって、住宅用選択透過材料から形成される膜に酸素及び窒素を透過させた場合に、23±2℃、膜間の圧力差1.05〜1.20atmにおける酸素及び窒素の透過係数(cm3・cm・sec-1・cm-2・cmHg-1)の関係が下記式(1)で表されるもの、である。
Figure 2009298907

[式中、P(O)は酸素の透過係数、P(N)は窒素の透過係数を示す。]
以下、上記式(1)における酸素の透過係数を窒素の透過係数で除した値(P(O)/P(N):以下、「分離比α」ともいう。)が、0.94以上1未満である場合は、住宅用選択透過材料からなる膜を透過する気体の流れにおいてクヌーセン流が支配的であるということができる。上述のように「クヌーセン流」は、ガスの透過速度がその分子量に依存するような流れであるが、膜を透過する気体の流れが理想的なクヌーセン流である場合には、気体の透過係数Pはその分子量の平方根に逆比例する。例えば、透過するガス成分が酸素及び窒素である場合には、それらの分離比αは、下記式(2)で表されるように0.935となる。
Figure 2009298907

[式中、P(O)及びP(N)はそれぞれ酸素及び窒素の透過係数を示し、M(O)及びM(N)はそれぞれ酸素及び窒素の分子量を示す。]
これに対して、「溶解拡散流」と呼ばれる気体の流れがある。溶解拡散流とは、膜に対する気体の溶解度と膜内での気体の拡散係数との積に依存する流れを言い、一般にクヌーセン流に比べ膜中の気体の透過速度が遅い。従来のシリコーン系ポリマーを含有する膜においては、膜を透過する気体の流れにおいて溶解拡散流が支配的であり、酸素及び窒素の分離比αが1以上であることが知られている。
これらのことから、本発明の住宅用選択透過材料から形成される膜においては、分離比α(P(O)/P(N))が上記式(1)で表されるものであることにより、膜を気体が透過する際にクヌーセン流が生じ、従来のものと比較して、気体の透過性が飛躍的に向上すると考えられる。
本発明の住宅用選択透過材料から形成される膜により、クヌーセン流が生じる理由は必ずしも明らかでないが、本発明者らの考えを、図面を用いて以下に説明する。
図1は、本発明の住宅用選択透過材料から形成される膜13(選択透過膜)の模式断面図である。膜13は、シリコーン系ポリマー21と固形添加剤23とから構成され、それらの境界には、クヌーセン流を生じる空隙25(例えば1〜100nmの空隙)が存在する。シリコーン系ポリマー21と固形添加剤23との親和性が低いことに起因して空隙25が生じているものと考えられる。
このような膜13において、気体は、シリコーン系ポリマー21中を溶解拡散流により、空隙25中をクヌーセン流により透過する。また、固形添加剤23が多孔質体等のようにそれ自身が気体を通す性質を有するものであった場合には、気体が固形添加剤23中を透過することも考えられる。さらに、固形添加剤23同士が隣接する場合には、その隣接する固形添加剤23同士の界面に形成された空隙を気体がクヌーセン流により透過することも考えられ、シリコーン系ポリマー21中に空泡が存在する場合には、その空泡中を気体がクヌーセン流により透過することも考えられる。
本発明の住宅用選択透過材料から形成される膜13においては、気体がクヌーセン流により透過する距離が溶解拡散流により透過する距離よりも長くなるため、気体の透過性が飛躍的に向上すると推察される。また、溶解拡散流により気体が透過する部分に関しては、SPM及びnSPMはブロックされるので、SPM、nSPM等の大気中の浮遊物質の流入を防止することが可能となると考えられる。
「シリコーン系ポリマー」としては、下記一般式(3),(4),(5)及び(6)で示されるシロキシ基(式中のRとしてはそれぞれ独立して炭素数1〜30までのアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、更にはハロゲン原子が置換した上述の置換基等が挙げられる。)から選択される1つ又は2つ以上で構成される、ポリオルガノシロキサン、又は、ポリオルガノシロキシ単位とシリコーン以外の有機ポリマーとの共重合体、例えば、シリコーン変性シクロオレフィンポリマー、シリコーン変性プルランポリマー(例えば、特開平8−208989号公報に記載のもの)及びシリコーン変性ポリイミドポリマー(例えば特開2002−332305号公報に記載のもの)が挙げられる。
SiO1/2 ・・・(3)
SiO2/2 ・・・(4)
RSiO3/2 ・・・(5)
SiO4/2 ・・・(6)
「固形添加剤」は、フィラー、導電性ポリマー、又はこれらの混合物であることが好ましい。「フィラー」としては、有機物フィラー又は無機物フィラーを用いることができ、親水性表面を有する無機物フィラーが好ましい。このような無機物フィラーとしては、例えば、表面水酸基が存在するために親水性表面を有する、シリカ、ゼオライト、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム及び酸化亜鉛等の酸化物からなる酸化物系フィラーが挙げられる。これらの中で、シリコーン系ポリマーとのぬれ性の観点から、シリカ系フィラーが好ましい。シリカ系フィラーとしては、例えば、球状シリカ、多孔質シリカ(ゼオライト及びメソポーラスシリカを含む)、石英パウダー、ガラスパウダー、ガラスビーズ、タルク及びシリカナノチューブが挙げられる。
なお、添加されるフィラーの表面は疎水化されていないことが好ましい。必要に応じて、カップリング剤等を用いた表面処理、又は水和処理による親水化を施したフィラーを用いてもよい。
また、気体の透過性の観点から、フィラーは多孔質フィラーであることが好ましい。多孔質フィラーとしては、メソポーラスシリカ及びゼオライトが好ましい。フィラーの形状については、シリコーン系ポリマーとのぬれ性の観点から、表面の凹凸が実用上無視できるほど小さく、表面積が小さく、配向による特性に影響しない球状であることが好ましい。
フィラーの粒径に関しては、住宅用選択透過材料から形成される膜の膜厚が薄くなる観点から、1nm〜100μmであることが好ましく、10nm〜10μmであることがより好ましい。また、フィラーが疎水性若しくは親水性表面を有する非多孔質シリカ粒子である場合には、膜における気体の透過性の更なる向上の観点から、その平均粒径が10〜120nmであることが好ましく、10〜60nmであることがより好ましい。さらに、フィラーが親水性表面を有する非多孔質酸化チタン粒子である場合には、膜における気体の透過性の更なる向上の観点から、その平均粒径が10〜60nmであることが好ましい。
このようなフィラーをシリコーン系ポリマーに添加する場合には、その添加量は、シリコーン系ポリマー100質量部に対して、25〜500質量部であることが好ましく、25〜300質量部であることがより好ましい。フィラーの添加量が25質量部未満である場合には、形成される膜の気体透過性を向上させる効果が得られ難くなる傾向にあり、500質量部を超える場合には、形成される膜の機械的強度が低下し、薄膜化し難くなる傾向にある。
「導電性ポリマー」としては、例えば、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン及びポリピロールが挙げられ、ポリアニリンが好ましい。ポリアニリンは、シリコーン系ポリマーに対する親和性が低く、且つ良溶媒がシリコーン系ポリマーと異なる。これにより、ポリアニリンとシリコーン系ポリマーとの間の空隙が大きくなり、気体の透過性が向上すると考えられる。
導電性ポリマーは、気体の透過性の観点から、酸により処理した後に添加することが好ましい。ポリアニリン等の導電性ポリマーは、酸と接触すると、ロイコ−エメラルディン(Leuco−Emeraldine)塩及び/又はエメラルディン(Emeraldine)塩を形成し、シリコーン系ポリマーに対する親和性が著しく低下する。これにより、シリコーン系ポリマーと導電性ポリマーとの間の空隙がより大きくなり、気体の透過性が向上すると考えられる。添加する酸としては、塩酸、過塩素酸、硫酸、硝酸、ビニルホスホン酸及びアクリル酸が挙げられる。
このように酸により導電性ポリマーを処理する場合における酸の好ましい添加量は、シリコーン系ポリマーと導電性ポリマーとの組み合わせによって異なるが、導電性ポリマー100質量部に対して、0.5〜45.6質量部であることが好ましい。特に、シリコーン系ポリマーがシリコーン変性プルランポリマーであり、導電性ポリマーがポリアニリンである場合には、導電性ポリマー100質量部に対して0.9〜1.4質量部の2規定塩酸を添加することが好ましい。また、シリコーン系ポリマーがシリコーン変性シクロオレフィンポリマーであり、導電性ポリマーがポリアニリンである場合には、導電性ポリマー100質量部に対して4.6〜9.1質量部の2規定塩酸を添加することが好ましい。
このような導電性ポリマー(導電性高分子であるポリアニリン(アルドリッチ社製、分子量:2万)をシクロへキサノンに溶解して固形分を2wt%に調整した溶液)をシリコーン系ポリマーに添加する場合には、その添加量は、シリコーン系ポリマー100質量部に対して、2.2〜80.0質量部であることが好ましく、5.0〜30質量部であることがより好ましい。導電性ポリマーの添加量が2.2質量部未満である場合には、形成される膜の気体透過性を向上させる効果が得られ難くなる傾向にあり、80.0質量部を超える場合には、形成される膜の気体透過性を向上させる効果が得られ難くなるとともに、成膜性が低下し、形成される膜の機械的強度が低下する傾向にある。
住宅用選択透過材料には、必要に応じて溶剤を添加してもよい。溶剤としては、例えば、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、N−メチルピロリドン(以下、「NMP」という。)、シクロヘキサン、シクロヘキサノンが挙げられる。溶剤の種類は、シリコーン系ポリマーの種類に応じて選択することができ、例えば、シリコーン変性プルランポリマーである場合には、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、NMP等を用いることができる。また、ポリアニリン等の導電性ポリマーを添加する場合には、シリコーン系ポリマーと導電性ポリマーとを別々の溶媒に溶解させた後に混合することが好ましい。例えば、シリコーン系ポリマーをトルエンに、ポリアニリンをシクロヘキサノンにそれぞれ溶解させた後に混合することが好ましい。
住宅用選択透過材料は、必要に応じて混合されていてもよい。例えば、シリコーン系ポリマーがペレット状やベール状等である場合には、押出機やニーダー等を用いて他の成分と混合させてもよい。また、シリコーン系ポリマーが溶媒に溶解したものである場合には、その溶液に他の成分を添加し攪拌することにより、混合させてもよい。さらに、混合した後に、溶媒を除去してもよい。
上述の住宅用選択透過材料を用いて膜を形成させる場合には、用いる成分に対応する成膜加工方法を利用することができる。例えば、シリコーン系ポリマーが、ペレット状等である場合には、融解押出法、カレンダー法等の加工方法により、膜を得ることができる。また、シリコーン系ポリマーが溶媒に溶解したものである場合には、キャスト法、コーター法、水面展開法等の加工方法により、膜を得ることができる。
(住宅用空調システム)
本発明の住宅用空調システムは、空調対象空間への気体の供給及び/又は空調対象空間からの気体の排出が行われる膜を備え、当該膜が本発明の住宅用選択透過材料から形成される膜であるものであり、例えば、外気導入口に上述の膜が設置されたものが挙げられる。なお、空調対象空間とは、内部の気体と外気とを交換することが必要な空間である。住宅用空調システムの具体例を図2に示す。
図2は、二階建て家屋110における住宅用空調システム100を家屋110の高さ方向に切断した概略断面図である。住宅用空調システム100は、家屋110の一階の室内(空調対象空間)の側壁103又は天井104、二階の室内(空調対象空間)の側壁107及び天井108に、本発明の住宅用選択透過材料から形成された選択透過膜13を備える。また、住宅用空調システム100は、各階の室内に、ファン112を備える。さらに、住宅用空調システム100は、一階床102の下方、一階天井104と二階床106との間、及び二階天井108の上方に、家屋110の幅方向に対向する一対の通気口114を備える。また、住宅用空調システム100は、各階の室内(空調対象空間内)に暖房機器(石油ファンヒーター)を備える(図示省略)。
各階の室内は、選択透過膜13以外の部分では、実質的に外気と遮断されている。すなわち、各階の室内の空気は、選択透過膜13のみを介して、通気口114から家屋110内へ取り込まれた外気と接する。各通気口114の間には気流F1、F2、F3、F4が形成され、これらの気流によって外気が室内へ供給されると共に、室内から排出された空気が室外へ排出される。
各階の室内で石油ファンヒーターを作動させると、石油の燃焼に伴って室内のO濃度が減少して、CO濃度が増加する。また、石油の不完全燃焼によって発生したCOや、家屋110を構成する建材又は内装材から放散されたVOCが室内に存在する。したがって、室内の空気では、外気に比べて、O濃度が低く、CO、CO、及びVOCの濃度が高くなる。このような室内の空気と外気との濃度差に起因して、外気中のOが選択透過膜13を介して室内へ導入されると共に、CO、CO、及びVOCが選択透過膜13を介して室外へ排出される。このような選択透過膜13を介したOの導入、CO、CO、及びVOCの排出(ガス交換)は、O、CO、CO、及びVOCの各濃度差が解消されるまで行われる。その結果、室内の空気と外気とで、CO、CO、及びVOCの各濃度を均一にすることができる。
住宅用空調システム100では、ファン112で室内の空気を循環させることによって、上述のガス交換の効率を向上させることができる。また、各通気口114の間に流れる気流F1、F2、F3、F4によって上述のガス交換を促進することができる。
また、住宅用空調システム100では、室内に存在するガスのうち、外気との間で濃度差が生じたガスのみを選択透過膜13を介して選択的に交換し、且つ膜を透過するガスの量は、選択透過膜13の両側間のガスの濃度差を解消するために要する量に限られ、それより多くのガスが膜を透過することがない。すなわち、住宅用空調システム100では、余分な換気が行われない。その結果、換気による住宅用空調システム100の熱損失を抑えることができる。例えば、石油ファンヒーターに起因するCO、COや、建材又は内装材が放散するVOC等の室内で発生する有害ガス(室内空気質組成の悪化分)は、多めに見積もっても室内の空気全体の3%である。ここで、室内と外気との間で交換するガスの総量が室内空気全体の3%であると仮定すると、熱損失は3%となり、従来の住宅用の24時間換気システムに比べて熱損失を抑えることができる。なお、住宅用空調システム100が各階の室内(空調対象空間内)に冷房機器を備える場合においても、換気による住宅用空調システム100の熱損失を抑えることができる。
さらに、住宅用空調システム100では、本発明の住宅用選択透過材料からなる選択透過膜13を介して気体の排出及び導入が行われるので、SPM、nSPM等の大気中の浮遊物質の室内への流入を防止することができる。
選択透過膜13の設置面積は、例えば、室内と外気との間で必要とされる交換量が最も多いOの交換を十分に達成できる程度に設定すればよい。例えば、住宅用空調システム100の空調対象空間が、6畳(10.94m)×天井高2.4mの大きさである場合、空調対象空間の容積は26.26mとなる。石油ファンヒーターによるOの消費量が1時間当たり1.2%とすると、空調対象空間内で石油ファンヒーターが1時間当たりに消費するO全量は、26.26m×1.2%/h=0.315m/hとなる。また、一人当たりのO消費量は0.0244m/h程度である。したがって、6畳の空調対象空間内に4人が存在する状態で石油ファンヒーターを作動させた時の、空調対象空間内での一時間当たりのO消費量は、0.315m/h+0.0244m/h×4=0.4126m/hとなる。ここで、選択透過膜13におけるOの透過率を、0.5×10−2cm/sec/cm=0.18m/h/mとすると、上記空調対象空間内での1時間当たりのO消費量に相当する量のOを透過させるために必要となる選択透過膜13の設置面積は、0.4126m/h÷0.18m/h/m=2.29m(約1.5m×1.5m)となる。このサイズの選択透過膜13を設置するだけの面積を確保できる点において、選択透過膜13の設置場所は室内(空調対象空間)の側壁又は天井であることが好ましい。なお、室内においてOより低濃度であるCO、VOCは上記面積を有する選択透過膜13で十分に交換可能である。
選択透過膜13の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましい。
以上、本発明の住宅用選択透過材料及びこれを用いた住宅用空調システムの好適な実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、図2に示す住宅用空調システム100において、選択透過膜13の代わりに、図3に示す選択透過膜構造体40a、又は図4に示す選択透過膜構造体40bを用いても良い。
図3の選択透過膜構造体40aは、選択透過膜13a及び支持体42aを備える。選択透過膜13aは平面状であり、その片面に密着する平面状の支持体42aによって支持されている。なお、支持体42aは、例えば選択透過膜13aの外周部等、選択透過膜13aの一部のみに密着していてもよく、選択透過膜13aに完全に密着していてもよい。
図4の選択透過膜構造体40bは、選択透過膜13b及び支持体42bを備える。選択透過膜13bは襞状であり、その片面に密着する襞状の支持体42bによって支持されている。なお、支持体42bは、選択透過膜13bの一部のみに密着していてもよく、選択透過膜13bに完全に密着していてもよい。
選択透過膜13a及び13bは、本発明の住宅用選択透過材料から形成される膜により構成されており、その厚さは0.1〜10μmであることが好ましい。支持体42a及び42bは、気体を透過するものであればよく、例えば、紙状の繊維部材、並びに孔径が0.1〜500μmの多孔質体及びメッシュが挙げられる。支持体の厚さは50〜500μmであることが好ましい。また、支持体42a及び42bは断熱材であることが好ましい。これにより、住宅用空調システム100における熱効率を向上させ易くなる。
これらの選択透過膜構造体40a及び40bによれば、選択透過膜13a及び13bが支持体により支持されているため、選択透過膜13a及び13bを薄くして透過する気体量を増加させるとともに、選択透過膜構造体の強度を確保することができる。さらに、選択透過膜構造体40bによれば、選択透過膜13a及び13bの表面積が大きくなるため、気体の透過量をさらに増加させることができる。
なお、上述の選択透過膜構造体は、例えば、後工程で除去可能なフィルム上に上述の成膜加工方法により選択透過膜を形成し、形成された選択透過膜上に支持体を転写した後に、上記フィルムを除去することにより製造することができる。後工程で除去可能なフィルムとしては、水、溶剤、薬品等による洗浄により除去されるフィルムや、UV、EB等の照射により改質した後に除去されるフィルムが挙げられる。また、選択透過膜上に支持体を転写する方法としては、選択透過膜と支持体との間に接着剤や粘着剤を介在させ接着する方法や、加熱や溶剤による溶解等によって選択透過膜と支持体とを接着する方法が挙げられる。
(合成例1)
攪拌子、温度計、冷却管を備えた5L三つ口フラスコにノルボルネン‐2‐イルトリス(トリメチルシロキシ)シラン150g(0.38mol)とトルエン3000gを混合し40℃に昇温した。これにビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウム(IV)ジクロリド0.31g(0.38mmol)をトルエン330gに溶解した溶液を添加して、40℃において重合反応を行った。重合反応開始後、徐々に溶液の粘度は上昇し、20分後エチルビニルエーテル1gを加えることで重合を停止した。重合溶液を大量のメタノールに注いで沈殿物を凝集させ、粉砕洗浄後、濾別し、70℃で5時間減圧乾燥すると白色粉末のシリコーン変性シクロオレフィンポリマーを得た。得られたポリマーの収量は147gであり、分子量はトルエンを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレン換算値としてMn=259,000、Mw=604,000であった。なお、得られたシリコーン変性シクロオレフィンポリマーは下記式(7)で表される構造を有する。
Figure 2009298907
(合成例2)
Pluronic P123(BASF社製、(エチレンオキサイド)20(プロピレンオキサイド)70(エチレンオキサイド)20)88g、水2640g、塩酸453.5mlの混合液を室温でメカニカルスターラーを用いて撹拌し、Pluronic P123が溶解した後、テトラエトキシシラン(関東化学社製)187.8gを滴下して、さらに12時間撹拌した。35℃に保ったオーブンで20時間加熱し、さらに100℃に保ったオーブンで24時間加熱した。生成した白色固体を水洗浄、濾取し、真空ポンプを用いて乾燥した。その後、550℃に保った焼成炉で6時間焼成し、メソポーラスシリカ(56.3g)を得た。
(実施例1)
シリコーン変性プルランポリマー(信越化学工業社製、X−22−8400)をトルエンで溶解して固形分を1wt%に調整した。この溶液12gに対して、球状シリカ(信越化学工業社製、X−24−9163A、平均粒径110nm)0.196g(シリコーン変性プルランポリマー100質量部に対して163質量部(シリコーン変性プルランポリマーに対して50vol%))を配合し、超音波分散機を用いて混合した。この調整した溶液をテフロン(米国デュポン社の登録商標)製φ90mmのシャーレに入れて、減圧乾燥機にてトルエンを除去し、平均厚み25μmの膜を得た。
(実施例2)
シリコーン変性プルランポリマー(信越化学工業社製、X−22−8400)をトルエンで溶解して固形分を1wt%に調整した。この溶液12gに対して、合成例2で得られたメソポーラスシリカ0.098g(シリコーン変性プルランポリマー100質量部に対して82質量部(シリコーン変性プルランポリマーに対して50vol%))を配合し、超音波分散機を用いて混合した。この調整した溶液をテフロン(米国デュポン社の登録商標)製φ90mmのシャーレに入れて、減圧乾燥機にてトルエンを除去し、平均厚み25μmの膜を得た。
(実施例3)
シリコーン変性プルランポリマー(信越化学工業社製、X−22−8400)をトルエンで溶解して固形分を1wt%に調整した。この溶液12gに対して、アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製、KBE903)にて疎水化処理した合成例2で得られたメソポーラスシリカ0.098g(シリコーン変性プルランポリマー100質量部に対して82質量部(シリコーン変性プルランポリマーに対して50vol%))を配合し、超音波分散機を用いて混合した。この調整した溶液をテフロン(米国デュポン社の登録商標)製φ90mmのシャーレに入れて、減圧乾燥機にてトルエンを除去し、平均厚み25μmの膜を得た。
(実施例4)
シリコーン変性プルランポリマー(信越化学工業社製、X−22−8400)をトルエンで溶解して固形分を10wt%に調整した。導電性高分子であるポリアニリン(アルドリッチ社製、エメラルディンベース、分子量:2万)をシクロヘキサノンに溶解して固形分を2wt%に調整した。シリコーン変性プルランポリマーの溶液0.6mlに対して、ポリアニリンの溶液を0.4ml(シリコーン変性プルランポリマー100質量部に対して13.3質量部(シリコーン変性プルランポリマーに対して40vol%))配合し、超音波分散機を用いて混合した。この混合溶液を、支持体アイソポア(日本ミリポア社製、材質:ポリカーボネート、平均孔径0.22μm)上に、水面展開法により成膜した後、乾燥機にてトルエンとシクロヘキサノンを除去し、平均厚み0.1μmの膜を得た。
(実施例5)
シリコーン変性プルランポリマー(信越化学工業社製、X−22−8400)をトルエンで溶解して固形分を10wt%に調整した。導電性高分子であるポリアニリン(アルドリッチ社製、エメラルディンベース、分子量:2万)をシクロヘキサノンに溶解して固形分を2wt%に調整した。シリコーン変性プルランポリマーの溶液0.6mlに対して、ポリアニリンの溶液を0.4ml(シリコーン変性プルランポリマー100質量部に対して13.3質量部(シリコーン変性プルランポリマーに対して40vol%))配合した。そしてこの溶液1mlに対して1μl(シリコーン変性プルランポリマー100質量部に対して0.1質量部(シリコーン変性プルランポリマーに対して0.17vol%))の2N−HClを添加し、超音波分散機を用いて混合した。この混合溶液を、支持体アイソポア(日本ミリポア社製、材質:ポリカーボネート、平均孔径0.22μm)上に、水面展開法により成膜した後、乾燥機にてトルエンとシクロヘキサノンを除去し、平均厚み0.1μmの膜を得た。
(実施例6)
合成例1で得られたシリコーン変性シクロオレフィンポリマーをトルエンで溶解して固形分を10wt%に調整した。導電性高分子であるポリアニリン(アルドリッチ社製、エメラルディンベース、分子量:2万)をシクロヘキサノンに溶解して固形分を2wt%に調整した。シリコーン変性プルランポリマーの溶液0.6mlに対して、ポリアニリンの溶液を0.4ml(シリコーン変性シクロオレフィンポリマー100質量部に対して13.3質量部(シリコーン変性シクロオレフィンポリマーに対して40vol%))配合し、超音波分散機を用いて混合した。この混合溶液を、支持体アイソポア(日本ミリポア社製、材質:ポリカーボネート、平均孔径0.22μm)上に、水面展開法により成膜した後、乾燥機にてトルエンとシクロヘキサノンを除去し、平均厚み0.1μmの膜を得た。
(実施例7)
合成例1で得られたシリコーン変性シクロオレフィンポリマーをトルエンで溶解して固形分を10wt%に調整した。導電性高分子であるポリアニリン(アルドリッチ社製、エメラルディンベース、分子量:2万)をシクロヘキサノンに溶解して固形分を2wt%に調整した。シリコーン変性プルランポリマーの溶液0.6mlに対して、ポリアニリンの溶液を0.4ml(シリコーン変性プルランポリマー100質量部に対して13.3質量部(シリコーン変性シクロオレフィンポリマーに対して40vol%))配合した。そしてこの溶液1mlに対して5μl(シリコーン変性シクロオレフィンポリマー100質量部に対して0.5質量部(シリコーン変性シクロオレフィンポリマーに対して0.83vol%))の2N−HClを添加し、超音波分散機を用いて混合した。この混合溶液を、支持体アイソポア(日本ミリポア社製、材質:ポリカーボネート、平均孔径0.22μm)上に、水面展開法により成膜した後、乾燥機にてトルエンとシクロヘキサノンを除去し、平均厚み0.1μmの膜を得た。
(比較例1)
シリコーン変性プルランポリマー(信越化学工業社製、X−22−8400)をトルエンで溶解して固形分を1wt%に調整した。この溶液をテフロン(米国デュポン社の登録商標)製φ90mmのシャーレに入れて、減圧乾燥機にてトルエンを除去し、平均厚み15μmの膜を得た。
(比較例2)
合成例1で得られたシリコーン変性シクロオレフィンポリマーをトルエンで溶解して固形分を1wt%に調整した。この溶液をテフロン(米国デュポン社の登録商標)製φ90mmのシャーレに入れて、減圧乾燥機にてトルエンを除去し、平均厚み15μmの膜を得た。
[膜の評価]
(気体透過係数の評価)
実施例1〜7及び比較例1、2で得られた膜について、気体透過率測定装置(GTRテック社製、型番:GTR−20XAMDE)を用い、下記の測定条件で、酸素及び窒素についての気体透過係数を測定した。得られた結果を表1及び表2に示す。
<測定条件>
温度 :23±2℃
膜の下流の圧力:約0.0013atm
膜の上流の圧力:1.05〜1.20atm
膜間の圧力差 :1.05〜1.20atm
(nSPM遮断率の評価)
実施例4〜7及び比較例1、2で得られた膜について、図5の概略図に示す装置を用い、次の(1)〜(5)のプロセスで、nSPM遮断率の測定を行った。得られた結果を表2に示す。
(1)ナノ粒子発生装置(Palas社製、型番:GFG−1000)により10〜500nmのカーボン粒子を発生させた。
(2)膜をサンプルホルダー(膜面積:MAX16[cm])にセットし、バルブ(V1)を閉じ、B層を減圧した(差圧1[kPa])。
(3)B層を減圧した後、バルブ(V1)を開き、B層内が大気圧に戻る際に透過するガスに乗せてナノ粒子を膜に供給し、膜を透過した粒子をB層にためた。
(4)B層内の粒子重量を、粒子カウンター(TSI社製、型番:SMPS−3034)で粒子重量を計測した。
(5)以下の式に基づいて遮蔽率を算出した。
nSPM遮断率[wt%]=100×{(Cin−Cout)/Cin}
(式中、「Cin」は、膜上流での粒子濃度[単位:μg/ml]を示し、「Cout」は、膜透過後の粒子濃度[単位:μg/ml]を示す。
Figure 2009298907

シリコーン系ポリマー100質量部に対する添加量。
Figure 2009298907

シリコーン系ポリマー100質量部に対する添加量。
(実施例8〜12、比較例3〜8)
シリコーン変性プルランポリマー(信越化学工業社製、X−22−8400)をトルエンで溶解して固形分を1wt%に調整した。この溶液12gに対して、表3に示す添加剤を所定量配合し、超音波分散機を用いて混合した。この調整したフィラー含有溶液をテフロン(米国デュポン社の登録商標)製φ90mmのシャーレに入れて、減圧乾燥機にてトルエンを除去し、平均厚み20〜30μmの膜を得た。なお、表3中の添加剤の特性を表4に示す。
Figure 2009298907
Figure 2009298907

a)合成例2で得られたメソポーラスシリカについては、粒径分布を示す。
実施例8〜12及び比較例3〜8で得られた膜について、上述した[膜の評価]と同様の方法で酸素及び窒素についての気体透過係数、及びnSPM遮断率を測定した。得られた結果を表5に示す。
Figure 2009298907
(実施例13)
合成例1で得られたシリコーン変性シクロオレフィンポリマーをトルエンで溶解して固形分を10wt%に調整した。導電性高分子であるポリアニリン(アルドリッチ社製、分子量:2万)をシクロへキサノンに溶解して固形分を2wt%に調整した。シリコーン変性シクロオレフィンポリマーの溶液0.6mlに対して、ポリアニリンの溶液を0.4ml(シリコーン変性シクロオレフィンポリマー100質量部に対して13.3質量部)配合し、同時に、球状シリカ(商品名:NanoTek SiO、シーアイ化成社製)をシリコーン変性シクロオレフィンポリマー100質量部に対して50質量部、及び塩酸をシリコーン変性シクロオレフィンポリマーに対して0.5質量部添加し、超音波分散機を用いて混合した。この調整した混合液を、支持体アイソポア(日本ミリポア社製、材質:ポリカーボネート、平均孔径1.2μm)上に、水面展開法により成膜した後、乾燥機にてトルエンとシクロヘキサノンを除去し、平均厚み1.0μmの膜を得た。
(実施例14)
合成例1で得られたシリコーン変性シクロオレフィンポリマーをトルエンで溶解して固形分を10wt%に調整した。導電性高分子であるポリアニリン(アルドリッチ社製、分子量:2万)をシクロへキサノンに溶解して固形分を2wt%に調整した。シリコーン変性シクロオレフィンポリマーの溶液0.6mlに対して、ポリアニリンの溶液を0.4ml(シリコーン変性シクロオレフィンポリマー100質量部に対して13.3質量部)配合し、同時に、球状シリカ(商品名:NanoTek SiO、シーアイ化成社製)をシリコーン変性シクロオレフィンポリマー100質量部に対して50質量部、及びビニルホスホン酸をシリコーン変性シクロオレフィンポリマー100質量部に対して1.5質量部添加し、超音波分散機を用いて混合した。この調整したポリアニリン+シリカ含有溶液を、支持体アイソポア(日本ミリポア社製、材質:ポリカーボネート、平均孔径1.2μm)上に、水面展開法により成膜した後、乾燥機にてトルエンとシクロヘキサノンを除去し、平均厚み1.0μmの膜を得た。
(実施例15)
合成例1で得られたシリコーン変性シクロオレフィンポリマーをトルエンで溶解して固形分を10wt%に調整した。導電性高分子であるポリアニリン(アルドリッチ社製、分子量:2万)をシクロへキサノンに溶解して固形分を2wt%に調整した。シリコーン変性シクロオレフィンポリマーの溶液0.6mlに対して、ポリアニリンの溶液を0.4ml(シリコーン変性シクロオレフィンポリマー100質量部に対して13.3質量部)配合し、同時に、球状シリカ(商品名:NanoTek SiO、シーアイ化成社製)をシリコーン変性シクロオレフィンポリマー100質量部に対して100質量部、及び塩酸をシリコーン変性シクロオレフィンポリマー100質量部に対して0.5質量部添加し、超音波分散機を用いて混合した。この調整したポリアニリン+シリカ含有溶液を、支持体アイソポア(日本ミリポア社製、材質:ポリカーボネート、平均孔径1.2μm)上に、水面展開法により成膜した後、乾燥機にてトルエンとシクロヘキサノンを除去し、平均厚み1.0μmの膜を得た。
(実施例16)
合成例1で得られたシリコーン変性シクロオレフィンポリマーをトルエンで溶解して固形分を10wt%に調整した。導電性高分子であるポリアニリン(アルドリッチ社製、分子量:2万)をシクロへキサノンに溶解して固形分を2wt%に調整した。シリコーン変性シクロオレフィンポリマーの溶液0.6mlに対して、ポリアニリンの溶液を0.4ml(シリコーン変性シクロオレフィンポリマー100質量部に対して13.3質量部)配合し、同時に、球状シリカ(商品名:NanoTek SiO、シーアイ化成社製)をシリコーン変性シクロオレフィンポリマー100質量部に対して100質量部、及びビニルホスホン酸をシリコーン変性シクロオレフィンポリマー100質量部に対して1.5質量部添加し、超音波分散機を用いて混合した。この調整したポリアニリン+シリカ含有溶液を、支持体アイソポア(日本ミリポア社製、材質:ポリカーボネート、平均孔径1.2μm)上に、水面展開法により成膜した後、乾燥機にてトルエンとシクロヘキサノンを除去し、平均厚み1.0μmの膜を得た。
実施例13〜16で得られた膜について、上述の[膜の評価]と同様の方法で酸素及び窒素についての気体透過係数、及びnSPM遮断率を測定した。得られた結果を表6に示す。
Figure 2009298907

シリコーン系ポリマー100質量部に対する添加量。
以上の結果については、シリカ表面における酸への親和性が大きな影響を与えていると考えられる。今回用いたシリカは、その表面は親水性である。従って塩酸を添加したポリアニンは、シリカの表面に吸着しやすいと想定され、そのことによりシリコーン系ポリマーとシリカとの界面の隙間が少なくなり、結果として、シリカのみを添加した膜に対して透過性が低下したものと考えられる。特にこの傾向は、添加率が低い場合に顕著に現れる(実施例13)。添加率が高い場合は、シリカ−シリカ間にも隙間が出来るため、透過性は低下することなく高透過構造が維持される。これに対し添加する酸を非水溶性のビニルホスホン酸を用いるとポリアニリンがシリカ表面に吸着せず、シリカと共に分散するため、ガスのパスが相乗的に増加する。そのためシリカのみを添加した膜に対して透過性が向上する。実施例16が実施例14より大きいのは、シリカ同士、あるいはポリアニリン同士が作り出す新たな隙間が影響していると考えられる。
(実施例17〜22)
シリコーン変性プルランポリマー(信越化学工業社製、X−22−8400)をトルエンで溶解して固形分を10wt%に調整した。導電性高分子であるポリアニリン(アルドリッチ社製、エメラルディンベース、分子量:2万)をシクロヘキサノンに溶解して固形分を2wt%に調整した。シリコーン変性プルランポリマーの溶液0.6mlに対して、ポリアニリンの溶液を0.4ml(シリコーン変性プルランポリマー100質量部に対して13.3質量部)配合した。そしてこの溶液1mlに対して表7に示す酸を所定量添加し、超音波分散機を用いて混合した。この混合溶液を、支持体アイソポア(日本ミリポア社製、材質:ポリカーボネート、平均孔径0.22μm)上に、水面展開法により成膜した後、乾燥機にてトルエンとシクロヘキサノンを除去し、平均厚み0.1μmの膜を得た。
(実施例23〜28)
合成例1で得られたシリコーン変性シクロオレフィンポリマーをトルエンで溶解して固形分を10wt%に調整した。導電性高分子であるポリアニリン(アルドリッチ社製、エメラルディンベース、分子量:2万)をシクロヘキサノンに溶解して固形分を2wt%に調整した。シリコーン変性プルランポリマーの溶液0.6mlに対して、ポリアニリンの溶液を0.4ml(シリコーン変性シクロオレフィンポリマー100質量部に対して13.3質量部)配合した。そしてこの溶液1mlに対して表7に示す酸を所定量添加し、超音波分散機を用いて混合した。この混合溶液を、支持体アイソポア(日本ミリポア社製、材質:ポリカーボネート、平均孔径0.22μm)上に、水面展開法により成膜した後、乾燥機にてトルエンとシクロヘキサノンを除去し、平均厚み0.1μmの膜を得た。
実施例17〜28で得られた膜について、上述した[膜の評価]と同様の方法で酸素及び窒素についての気体透過係数、及びnSPM遮断率を測定した。得られた結果を表7に示す。
Figure 2009298907

シリコーン系ポリマー100質量部に対する添加量。
本発明の住宅用選択透過材料から形成される膜を透過する気体の流れを示すイメージ図である。 本発明の住宅用空調システムの一実施形態を示す図である。 選択透過膜構造体の好ましい形態を示す斜視図である。 選択透過膜構造体の他の好ましい形態を示す斜視図である。 nSPM遮蔽率の測定を行った装置の概略図である。
符号の説明
13,13a,13b・・・選択透過膜、21・・・シリコーン、23・・・固形添加剤、25・・・空隙、40a,40b・・・選択透過膜構造体、42a,42b・・・支持体、100・・・住宅用空調システム、103・・・家屋の一階(空調対象空間)の側壁、104・・・家屋の一階(空調対象空間)の天井、107・・・家屋の二階(空調対象空間)の側壁、108・・・家屋の二階(空調対象空間)の天井、110・・・家屋、112・・・ファン、114・・・通気口、F1,F2,F3,F4・・・気流。

Claims (7)

  1. オルガノシロキサン骨格を有するポリマーに固形添加剤が分散されてなる住宅用選択透過材料であって、
    前記住宅用選択透過材料から形成される膜に酸素及び窒素を透過させた場合に、23±2℃、膜間の圧力差1.05〜1.20atmにおける酸素及び窒素の透過係数(cm3・cm・sec-1・cm-2・cmHg-1)の関係が下記式(1)で表される、住宅用選択透過材料。
    Figure 2009298907

    [式中、P(O)は酸素の透過係数、P(N)は窒素の透過係数を示す。]
  2. 前記住宅用選択透過材料から形成される膜に気体を透過させた場合に、前記膜を透過する気体の流れにおいてクヌーセン流(Knudsen flow)が生じる請求項1記載の住宅用選択透過材料。
  3. 前記オルガノシロキサン骨格を有するポリマーが、ポリオルガノシロキシ単位及び有機単量体単位を備えるシリコーン共重合体又はポリオルガノシロキサンである請求項1又は2記載の住宅用選択透過材料。
  4. 前記固形添加剤は、フィラー及び/又は導電性ポリマーである請求項1〜3のいずれか一項に記載の住宅用選択透過材料。
  5. 以下の(1)〜(3)のいずれかの条件を満たす請求項4記載の住宅用選択透過材料。
    (1)前記フィラーが、多孔質シリカ粒子であり、前記オルガノシロキサン骨格を有するポリマー100質量部に対して前記固形添加剤の添加量が25〜1560質量部である、
    (2)前記フィラーが、平均粒径10〜120nmの、疎水性若しくは親水性表面を有する非多孔質シリカ粒子であり、前記オルガノシロキサン骨格を有するポリマー100質量部に対して前記固形添加剤の含有量が65〜3800質量部である、
    (3)前記フィラーが、平均粒径10〜60nmの、親水性表面を有する非多孔質酸化チタン粒子であり、前記オルガノシロキサン骨格を有するポリマー100質量部に対する前記固形添加剤の含有量が330〜6400質量部である。
  6. 前記導電性ポリマーが、ポリアニリン又は酸処理ポリアリニンである請求項4記載の住宅用選択透過材料。
  7. 空調対象空間への気体の供給及び/又は空調対象空間からの気体の排出が行われる膜を備える住宅用空調システムであって、
    前記膜は請求項1〜6のいずれか一項記載の住宅用選択透過材料からなる膜である住宅用空調システム。
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