JP2009298859A - エンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物、及び当該組成物から成形させたエンジン冷却水系部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリアミド樹脂(A)及び無機充填材(B)を含むエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物であって、ポリアミド樹脂(A)のジカルボン酸成分が蓚酸から成り、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンから成り、そして1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとのモル比が1:99〜99:1である、エンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
従って、このような過酷な使用環境下においても、低吸水性、耐薬品性、耐加水分解性等に優れるポリアミド樹脂に対する要望がある。
先行文献においてはジアミン成分として1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンの2種のジアミンを特定の比率で用いたポリオキサミド樹脂の具体的な開示はなかった。
[態様1]
ポリアミド樹脂(A)及び無機充填材(B)を含むエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物であって、
ポリアミド樹脂(A)のジカルボン酸成分が蓚酸から成り、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンから成り、そして
1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとのモル比が1:99〜99:1である、
エンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。
ポリアミド樹脂(A)の、96%硫酸を溶媒とし、濃度が1.0g/dlのポリアミド樹脂溶液を用いて25℃で測定した相対粘度(ηr)が、1.8〜6.0である、態様1記載のエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。
[態様3]
ポリアミド樹脂(A)の、窒素雰囲気下において10℃/分の昇温速度で測定した熱重量分析における1%重量減少温度と、窒素雰囲気下において10℃/分の昇温速度で測定した示差走査熱量法により測定した融点との温度差が、50℃以上である、態様1又は2に記載のエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。
1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとのモル比が5:95〜95:5である、態様1〜3のいずれか一つに記載のエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。
[態様5]
ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、無機充填材(B)5〜150質量部を含む、態様1〜4のいずれか一つに記載のエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。
無機充填材(B)がガラス繊維である、態様1〜5のいずれか一つに記載のエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。
[態様7]
態様1〜6のいずれか一つに記載のポリアミド樹脂組成物から成形させたエンジン冷却水系部品。
[ポリアミド樹脂(A)]
ポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸成分が蓚酸から成り、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンから成り、そして1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとのモル比が1:99〜99:1である。
当該モル比が5:95〜40:60、特に5:95〜30:70である場合、結晶性に優れるため、低吸水性及び力学的特性が得に優れるとともに、液体及び/又は蒸気(例えば、アルコール)の透過性も低いという利点があり、さらに1,9−ノナンジアミンのモル含有率が2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル含有率よりも高い場合と比べて、より吸水性が低いという利点がある。一方、モル比が60:40〜95:5、特に70:30〜90:10である場合には、低吸水性及び力学特性がより優れるとともに、優れた透明性が付与されるという利点がある。
本発明に用いられるポリアミド樹脂(A)は、ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方法により製造することができる。本発明者らの研究によれば、ジアミン及び蓚酸ジエステルをバッチ式又は連続式で重縮合反応させることにより、上記ポリアミド樹脂を合成することができる。具体的には、以下の操作で示されるような、(i)前重縮合工程、(ii)後重縮合工程の順で行うのが好ましい。
本発明に用いられるポリアミド樹脂(A)の分子量に特別の制限はないが、1.0g/dlの96%濃硫酸溶液を用い、25℃で測定した相対粘度ηrが1.8〜6.0、より好ましくは2.0〜5.5、特に好ましくは2.5〜4.5の範囲にあるような分子量である。分子量が低くなると成形物が脆くなり物性が低下する傾向がある。一方、分子量が高くなると溶融粘度が高くなり、溶融成形性が悪くなる傾向がある。
無機充填材(B)は、ポリアミド樹脂(A)に添加して、強化材として作用する無機成分である。
本発明で用いられる無機充填材(B)としては、上記特性を向上させる無機成分であれば、特に限定されずに用いることができる。
本発明のエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)及び無機充填材(B)を含む。
無機充填材(B)の量は、上記特性等を向上させることができる量であれば、特に制限されないが、例えば、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、5〜150質量部、好ましくは10〜120質量部、より好ましくは、25〜100質量部である。無機充填材(B)の量が少なくなると、ポリアミド樹脂(A)の機械的強度が向上せず、150質量部より多くなると、成形性や表面状態の問題が生ずる傾向がある。
本発明に用いられるジカルボン酸成分が蓚酸から成り、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンから成り、そして1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとのモル比が1:99〜99:1であるポリアミド樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、その一部を他のポリマー成分で置換されうる。他のポリマー成分としては、例えば、他のポリアミド類、例えば、ポリオキサミド、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミド等、並びにポリアミド以外のポリマー、例えば、熱可塑性ポリマー、エラストマーが挙げられる。
なお、以下単に、「ポリアミド」、又は「ポリアミド樹脂」と称する場合には、ジカルボン酸成分が蓚酸から成り、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンから成り、そして1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとのモル比が1:99〜99:1であるポリアミド樹脂のことを指すものとする。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、他の添加剤を添加することができる。例えば、顔料、染料、着色剤、耐熱剤、酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、滑剤、結晶核剤、結晶化促進剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、銅化合物等の安定剤、帯電防止剤、難燃剤、ガラス繊維、潤滑剤、フィラー、補強繊維等を挙げることができる。
上記耐候剤としては、ヒンダードアミン類やサリシレート類が挙げられ、単独又はこれらを組み合わせて使用することができる。
上記結晶核剤としては、タルク、クレー等の無機フィラー類や脂肪酸金属塩等の有機結晶核剤等が挙げられ、単独又はこれらを組み合わせて使用することができる。
上記離型剤としては、脂肪酸金属塩類、脂肪酸アミド類や各種ワックス類が挙げられ、単独又はこれらを組み合わせて使用することができる。
上記帯電防止剤としては、脂肪族アルコール類、脂肪族アルコールエステル類や高級脂肪酸エステル類が挙げられ、単独又はこれらを組み合わせて使用することができる。
本発明のエンジン冷却水系部品は、当業界で通常行われる成形方法により、例えば、上記エンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物のペレット等を押出成形、ブロー成形、圧縮成形、射出成形等の方法により成形することにより製造することができる。
特性値を、以下の方法により測定した。
(1)相対粘度(ηr)
ηrは、ポリアミドの96%硫酸溶液(濃度:1.0g/dl)を用いて、オストワルド型粘度計により25℃で測定した。
Tm及びTcは、PerkinELmer社製PYRIS Diamond DSC用いて窒素雰囲気下で測定した。30℃から270℃まで10℃/分の速度で昇温し(昇温ファーストランと呼ぶ)、270℃で3分保持したのち、−100℃まで10℃/分の速度で降温し(降温ファーストランと呼ぶ)、次に270℃まで10℃/分の速度で昇温した(昇温セカンドランと呼ぶ)。得られたDSCチャートから降温ファーストランの発熱ピーク温度をTc、昇温セカンドランの吸熱ピーク温度をTmとした。
Tdは島津製作所社製THERMOGRAVIMETRIC ANALYZER TGA−50を用い、熱重量分析(TGA)により測定した。20ml/分の窒素気流下室温から500℃まで10℃/分の昇温速度で昇温し、Tdを測定した。
(4)溶融粘度
溶融粘度はティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製溶融粘弾性測定装置ARESに25mmのコーン・プレートを装着して、窒素中、250℃、せん断速度0.1s-1の条件で測定した。
東邦マシナリー社製真空プレス機TMB−10を用いて、ペレットからフィルムを成形した。500〜700Paの減圧雰囲気下において260℃(PA66では樹脂温度290℃)で5分間加熱溶融させた後、5MPaで1分間プレスを行いフィルム成形した。次に減圧雰囲気を常圧まで戻したのち室温5MPaで1分間冷却結晶化させてフィルムを得た。
上記(5)の条件で成形したフィルム(寸法:20mm×10mm、厚さ0.25mm;質量約0.05g)を23℃のイオン交換水に浸漬し、所定時間ごとにフィルムを取り出し、フィルムの質量を測定した。フィルム質量の増加率が0.2%の範囲内で3回続いた場合にポリアミド樹脂フィルムへの水分の吸収が飽和に達したと判断して、水に浸漬する前のフィルムの質量(Xg)と飽和に達した時のフィルムの質量(Yg)から次の式(1)により飽和吸水率(%)を算出した。
飽和吸水率(%)=100×(Y−X)/X (1)
本発明によって得られるポリアミドの熱プレスフィルムを以下に列挙する薬品中に7日間、23℃で浸漬した後に、フィルムの質量残存率(%)及び外観の変化を観測した。濃塩酸、64%硫酸、氷酢酸について試験を行った。
本発明のエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物の熱プレスフィルムを、オートクレーブに入れ、水(pH=7)、0.5mol/l硫酸(pH=1)又は1mol/l水酸化ナトリウム水溶液(pH=14)内で、121℃、60分間処理した後の重量残存率(%)及び外観変化を調べた。
以下に示す〔1〕〜〔4〕の測定は、下記の試験片を樹脂温度260℃(PA66では樹脂温度290℃)、金型温度80℃の射出成形により成形し、これを用いて行った。成形後に未調湿、23℃で測定したデータをdry、成形後に湿度65%RHで調湿し、23℃で測定したデータをwetとして表中に記載した。
〔1〕引張降伏点強度又は引張強度、及び引張破断伸び:ASTM D638に記載のTypeIの試験片を用いてASTM D638に準拠して測定した。
〔2〕曲げ強度及び曲げ弾性率:試験片寸法3.2mm×12.7mm×127mmの試験片を用いてASTM D790に準拠し測定した。
〔3〕アイゾット衝撃強度:試験片寸法3.2mm×12.7mm×127mmの試験片を用いてASTM D256に準拠し、23℃で測定した。
〔4〕荷重たわみ温度(熱変形温度):試験片寸法3.2mm×12.7mm×127mmの試験片を用いてASTM D648に準拠し、荷重1.82MPaで測定した。
23℃及び湿度65%RHの条件下に置いた以外は、(6)飽和吸水率の測定方法に従って、吸水率(%)を算出した。
ASTM1号試験片を用い、前処理として80℃の水中に8時間浸漬した。次に、80℃及び85%RHの恒温恒湿漕中に1時間調湿処理した後、飽和塩化カルシウム水溶液を試験片に塗布し、100℃オーブン中にて1時間熱処理した。調湿処理と熱処理を1サイクルとして30サイクルまで繰り返し、試験片にクラックが入るサイクル数を指標とした。
ASTM1号試験片を用い、前処理として80℃の水中に8時間浸漬した。次に、80℃及び85%RHの恒温恒湿漕中に1時間調湿処理した後、飽和塩化亜鉛水溶液を試験片に塗布し、100℃オーブン中にて1時間熱処理した。調湿処理と熱処理を1サイクルとして30サイクルまで繰り返し、試験片にクラックが入るサイクル数を指標とした。
10×15×3.2mmの試験片の初期のダインスタット衝撃強度と、自動車不凍液:水の1:1混合物中で120℃/1000時間処理した後のダインスタット衝撃強度とをBS1330規格に順じて測定し、その保持率を算出し、耐不凍液性の指標とした。
30×100×3mmの試験片を用い、50℃の温水に144時間浸漬した後の寸法変化率を測定し、寸法安定性の指標とした。
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、ダイアフラムポンプを直結した原料投入口、窒素ガス導入口、放圧口、圧力調節装置及びポリマー抜出し口を備えた内容積が150リットルの圧力容器にシュウ酸ジブチル28.40kg(140.4モル)を仕込み、圧力容器の内部を純度が99.9999%の窒素ガスで0.5MPaに加圧した後、次に常圧まで窒素ガスを放出する操作を5回繰り返し、窒素置換を行った後、封圧下、攪拌しながら系内を昇温した。約30分間かけてシュウ酸ジブチルの温度を100℃にした後、1,9−ノナンジアミン18.89kg(119.3モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン3.34kg(21.1モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)をダイアフラムフポンプにより流速1.49リットル/分で約17分間かけて反応容器内に供給すると同時に昇温した。供給直後の圧力容器内の内圧は、重縮合反応により生成したブタノールによって0.35MPaまで上昇し、重縮合物の温度は約170℃まで上昇した。その後、1時間かけて温度を235℃まで昇温した。その間、生成したブタノールを放圧口より抜き出しながら、内圧を0.5MPaに調節した。重縮合物の温度が235℃に達した直後から放圧口よりブタノールを約20分間かけて抜き出し、内圧を常圧にした。常圧にしたところから、1.5リットル/分で窒素ガスを流しながら昇温を開始し、約1時間かけて重縮合物の温度を260℃にし、260℃において4.5時間反応させた。その後、攪拌を止めて系内を窒素で1MPaに加圧して約10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重縮合物を圧力容器下部抜出口より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、水冷した紐状の樹脂はペレタイザーによってペレット化した。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであり、ηr=3.20であった。
1,9−ノナンジアミン17.62kg(111.3モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン4.45kg(28.1モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が80:20)を仕込んだほかは、製造例1と同様に反応を行ってポリアミドを得た。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであり、ηr=3.10であった。
1,9−ノナンジアミン11.11kg(70.2モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン11.11kg(70.2モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が50:50)を仕込んだ以外は、製造例1と同様に反応を行ってポリアミドを得た。得られた重合物は白色の強靭なポリマーであり、ηr=3.35であった。
1,9−ノナンジアミン6.67kg(42.1モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン15.56kg(98.3モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が30:70)を仕込んだ以外は製造例1と同様に反応を行ってポリアミドを得た。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであり、ηr=3.55であった。
1,9−ノナンジアミン1.33kg(8.4モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン20.88kg(131.9モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が6:94)を仕込んだほかは、製造例1と同様に反応を行ってポリアミドを得た。得られた重合物は白色の強靭なポリマーであり、ηr=3.53であった。
1,9−ノナンジアミン1.33kg(8.4モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン20.88kg(131.9モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が6:94)を仕込み、ブタノールの抜出による内圧を0.25MPaに保持した以外は、製造例1と同様に反応を行ってポリアミドを得た。得られた重合物は白色の強靭なポリマーであり、ηr=4.00であった。
ジアミン原料として1,9−ノナンジアミン22.25kg(140.4モル)だけを用いて、製造例1と同様に反応を行ってポリアミドを得た。得られた重合物は黄白色のポリマーであり、ηr=2.78であった。
製造例1〜7で調製したポリアミド、並びに市販品のPA6(宇部興産製、UBEナイロン1015B)及びPA66(宇部興産製、UBEナイロン2020B)の特性データを表1に示す。
なお、本発明のエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物には、ポリアミド樹脂(A)と、無機充填材(B)とが含まれるが、当該エンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物は、基本的に、ポリアミド樹脂(A)の特性を保持している。
PA92−1ペレット100質量部をバレル温度285℃に設定した44mmφベント付2軸押出機で混練した。このポリアミド樹脂を混練する際、ポリアミド樹脂100質量部に対し、ガラス繊維(繊維径11μm、繊維カット長3mm)を45質量部となるように押出機の途中から供給し、目的とするポリアミド樹脂組成物のペレットを作成した。次に得られたペレットを110℃、10torrの減圧化で24時間乾燥した後、シリンダー温度285℃、金型温度80℃で射出成形し、各種試験片を製造し、物性を評価した。得られた結果を表2に示す。
表2に記載の配合とした以外は、実施例1に従って、各種試験片を製造し、物性を評価した。得られた結果を表2に示す。
ポリアミド樹脂を宇部興産製ナイロン66 2020Bとした以外は実施例1と同様にして、各種試験片を製造し、物性を評価した。得られた結果を表2に示す。
実施例1〜7で得られたポリアミド樹脂組成物のペレットを射出成形し、ラジエータタンクを製造した。実施例1〜7で得られたポリアミド樹脂組成物は、PA6及びPA66と同等以上の成形性を有していた。
Claims (7)
- ポリアミド樹脂(A)及び無機充填材(B)を含むエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物であって、
ポリアミド樹脂(A)のジカルボン酸成分が蓚酸から成り、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンから成り、そして
1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとのモル比が1:99〜99:1である、
エンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。 - ポリアミド樹脂(A)の、96%硫酸を溶媒とし、濃度が1.0g/dlのポリアミド樹脂溶液を用いて25℃で測定した相対粘度(ηr)が、1.8〜6.0である、請求項1記載のエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂(A)の、窒素雰囲気下において10℃/分の昇温速度で測定した熱重量分析における1%重量減少温度と、窒素雰囲気下において10℃/分の昇温速度で測定した示差走査熱量法により測定した融点との温度差が、50℃以上である、請求項1又は2に記載のエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。
- 1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとのモル比が5:95〜95:5である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、無機充填材(B)5〜150質量部を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。
- 無機充填材(B)がガラス繊維である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のエンジン冷却水系部品用ポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物から成形させたエンジン冷却水系部品。
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