JP2009298754A - R−サプロプテリン又はその塩の製造方法 - Google Patents

R−サプロプテリン又はその塩の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】R−サプロプテリン又はその塩を選択的にかつ工業的に有利に得ることの可能な製造方法を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるL−エリスロビオプテリンを、当該L−エリスロビオプテリンの質量に対して2〜50倍量(v/w)の水溶媒中、白金触媒及び有機第4級アンモニウム塩の共存下、ゲージ圧で1.9MPa以下の圧力にて水添する水添工程を含む、下記一般式(2)で表されるR−サプロプテリン又はその塩の製造方法。
Figure 2009298754

【選択図】なし

Description

本発明は、R−サプロプテリン又はその塩の製造方法に関する。
サプロプテリン(L−テトラヒドロビオプテリン)又はその塩には、6位の水素の立体配置により6R体(R−BH4)と、6S体(S−BH4)の異性体が存在する。これらのうち、R−BH4のみが高フェニルアラニン血症の治療に有用な医薬化合物として用いられている。
R−BH4の製造方法としては、下記の反応スキームに示すように、単離されたL−エリスロビオプテリン(BP)を出発原料とし、これを水添する方法が一般に採用されている。
Figure 2009298754
この水添反応においてはR−BH4とS−BH4の2種の異性体が生じ、これら異性体を分離しなければならないが、これらの分離は極めて困難である。そのため、R/Sの生成比率を高め、R−BH4を選択的に製造する方法が提案されており、例えば、BPをリン酸二水素アルカリ金属及び酸化白金の存在下において水中で水添する方法(特許文献1)、あるいはBPを炭酸カリウム水溶液中で白金属触媒の存在下に水添する方法(特許文献2)などが知られている。
しかしながら、これら方法においては、リン酸二水素アルカリ金属や炭酸カリウム等の無機塩基に由来する無機塩の除去が極めて困難であり、製品中への無機塩の混入が避けられなかった。また、製品から無機物を除くのは大変困難であり、製品の精製を繰り返し行なわなければならないため、多大な時間と労力を要するだけでなく、製品の収率の著しい低下を招来する。更に、これらの方法は、反応溶媒をBPに対して100〜400倍容量と大量に用いているので、1バッチ当たりの仕込み量が少なく効率的な製造方法とは言い難い。
さらに、R−BH4の製造方法として、BP又はそのアシル誘導体を白金黒を触媒としてアミン類の存在下、pH10〜13で接触還元し、アシル誘導体の場合には更にアシル基を脱離してR−BH4を高比率で得る方法が提案されている(特許文献3)。この方法においては、高R/S比を実現するには実質的にH2圧力100kgf/cm2(9.8MPa)という高圧条件が必要となるため、高圧条件に耐え得る特殊な製造装置が必要になり、コスト的に不利である。また、水添反応前の反応装置の水素置換に多大な時間を要する。更に、水添反応の際に溶媒量を多く用いるため (BPに対して95倍容量)、1バッチ当たりの仕込み量が少なく効率的な製造方法とは言い難い。また、溶媒を大量に用いていることから、反応後の濃縮に長時間を要する。
特開昭60−204786号公報 特開平60−178887号公報 特開平9−157270号公報
このように、従来のR−サプロプテリン又はその塩の製造方法は工業的に有利な方法とは言い難く、そのためR−サプロプテリン又はその塩を選択的にかつ工業的に有利に得ることの可能な製造方法の創製が望まれている。
したがって、本発明は、R−サプロプテリン又はその塩を選択的にかつ工業的に有利に得ることの可能な製造方法を提供することを目的とする。
斯かる実情において、本発明者らは鋭意検討した結果、BPを出発原料とし、これを特定条件にて水添反応に付することで、H2圧力9.8MPaよりも大幅に低い圧力でR−BH4を高い生成比率で効率的に、かつ製品中に塩の混入がなく製造し得ることを見出した。更に、溶媒量を大幅に削減して濃縮時間を短縮し、かつ1バッチ当たりの生産量の増大が可能になることを見出した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるL−エリスロビオプテリン(以下、「BP」という)を、当該BPの質量に対して2〜50倍量(v/w)の水溶媒中、白金触媒及び有機第4級アンモニウム塩の共存下、ゲージ圧で1.9MPa以下の圧力にて水添する水添工程を含む、下記一般式(2)で表されるR−サプロプテリン(以下、「R−BH4」という)又はその塩の製造方法を提供するものであり、具体的には下記のスキーム1に表すことができる。
Figure 2009298754
本発明によれば、BPを出発原料とし、これを特定条件にて水添反応に付することで、R−BH4を高い生成比率で効率的に製造することができる。
しがたって、本発明の製造方法は、製造に要する労力(工程数、時間等)及びコストを大幅に軽減することができるため、R−BH4を安価に提供することが可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のR−BH4又はその塩の製造方法は、上記のとおり、BPを、当該BPの質量に対して2〜50倍量(v/w)の水溶媒中、白金触媒及び有機第4級アンモニウム塩の共存下、ゲージ圧で1.9MPa以下の圧力にて水添する水添工程を含むことを特徴とする。
本発明において出発原料であるBPは、公知の方法により製造されたものを使用することができるが、その製造法として、例えば、特開昭59−186986号公報等に記載の方法が挙げられる。
有機第4級アンモニウム塩としては、塩基性、特に強塩基性であるものが好ましい。具体的には、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、アラルキルトリアルキルアンモニウムヒドロキシド、グリシジルトリアルキルアンモニウムヒドロキシド、クロロヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウムヒドロキシド、陰イオン交換樹脂等が例示される。中でも、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドが好適である。なお、窒素原子に結合したアルキル基は同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜16の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、更に炭素数1〜6の直鎖アルキル基、特に炭素数1〜3の直鎖アルキル基が好ましい。
テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジエチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリブチルアンモニウムヒドロキシド、セチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等が例示される。中でも、反応性及び不斉合成率の観点から、テトラC1-3アルキルアンモニウムヒドロキシド、特にテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
アラルキルトリアルキルアンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、ベンジルトリC1-3アルキルアンモニウムヒドロキシドが例示され、具体的には、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
グリシジルトリアルキルアンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、グリシジルトリC1-3アルキルアンモニウムヒドロキシドが例示され、具体的には、グリシジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
クロロヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、クロロヒドロキシプロピルトリC1-3アルキルアンモニウムヒドロキシドが例示され、具体的には、クロロヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
陰イオン交換樹脂としては、例えば、ベンゼン環にトリメチルアンモニウム基を有するポリスチレン樹脂(強塩基性陰イオン交換樹脂)、ベンゼン環にジメチルエタノールアンモニウム基を有するポリスチレン樹脂(強塩基性陰イオン交換樹脂)が好ましい。
有機第4級アンモニウム塩の使用量は、反応系内のpH(20℃)が10〜13、更に10.7〜12.5、特に11.2〜12.0となる量が好ましい。これにより、反応を促進させて反応性を高めるとともに、不斉合成率を向上させることができる。
白金触媒としては、例えば、白金黒、酸化白金が例示され、中でも白金黒が好ましい。
白金触媒の使用量は、BPの質量に対して0.64〜10質量%であることが好ましく、反応性及びコストの観点から、2.0〜8質量%、特に3.0〜6.5質量%が好ましい。
2圧力はゲージ圧で1.9MPa以下であるが、反応性及びコストの観点から、1.7MPa以下、1.5MPa以下、1.3MPa以下、特に1.1MPa以下が好ましい。ここで、本明細書において「ゲージ圧」とは、絶対圧力と大気圧の差をいう。なお、かかるゲージ圧の下限値は大気圧よりも高ければ特に限定されないが、0.01MPa、更に0.05MPa、特に0.08MPaが好ましい。
反応温度は20℃以下が好ましく、更に−10〜20℃、特に0〜5℃が好ましい。また、反応時間は、4時間以上が好ましく、更に5〜60時間、特に10〜40時間であることが生産効率の観点から好ましい。
このような反応条件を採用することにより、不斉合成率R/Sが11以上、更に12以上、特に13以上でR−BH4又はその塩を効率的に得ることができる。
水溶媒の使用量は、BPの質量に対する容量比で2〜50倍量(v/w)であるが、反応性及び不斉合成率の観点から、2〜40倍量、3〜30倍量、3〜21倍量、4〜15倍量、特に5〜10倍量が好ましい。このような高濃度条件を採用することにより、生産効率が改善されるだけなく、反応率及び不斉合成率を格段に向上させることが可能になる。なお、有機第4級アンモニウム塩を水溶液の形態で商業的に入手できる場合には、それを使用してもよく、溶媒量には当該有機第4級アンモニウム塩の水溶液中の水容量が包含される。
反応終了後、反応液を濾過して触媒を除き、濾液を酸性にして濃縮し、アルコールを添加して濾過する。そして、濾過により得られた結晶を減圧乾燥してR−BH4を収率よく得ることができる。
反応液を酸性にする際、無機酸が好適に使用される。無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等が例示され、中でも塩酸が好ましい。なお、酸の使用量は、反応液のpH(25℃)が1以下になる量が好ましい。また、アルコールとしては、炭素数1〜4の低級アルコールが好ましく、特にエタノールが好ましい。アルコールの使用量は、BPの質量に対して10〜20倍量(v/w)が好ましく、特に14〜16倍量(v/w)が好ましい。
このようにしてR−BH4が製造されるが、R−BH4は塩の形態であってもよく、例えば、無機酸との塩、有機酸との塩等にすることができる。無機酸との塩としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が例示され、有機酸との塩としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が例示される。中でも、無機酸との塩が好ましく、特に塩酸塩が好ましい。
本発明のR−BH4の製造方法によれば、従来法に比較して溶媒使用量を大幅に削減し微加圧条件でも反応可能であるため、特殊な製造装置が不要になり、しかもポットイールドを格段に向上させることができる。したがって、製造に要する労力(工程数、時間等)及びコストを大幅に軽減されるため、R−BH4を安価に提供することが可能になる。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
サプロプテリン塩酸塩(BH4塩酸塩)の製造
500mLビーカーにBP 50.00g、蒸留水250mL及び26wt% TMAH 90.525gを加え(溶媒量8.6v/w)、室温で溶解した。溶液のpH(20℃)を測定し、11.2であることを確認した。この溶液を2.50g(6.4wt%)の白金ブラックを加えてある1Lオートクレーブに入れ蓋をし、水素置換した。水素をゲージ圧で0.15MPaまで充填後、1200rpmの攪拌速度、外温0℃、内温1.5〜1.8℃で60時間反応した。その後、水素をリークし、HPLCで反応の終点を確認し、併せてR/S比を確認した。その結果を表1に示す。
HPLC測定条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:275nm)
カラム:Partisil-10SCX,4.5×250 mm
移動相:30mMリン酸アンモニウム・3mM亜硫酸アンモニウム(pH=3.0)
流量 :2mL/min
反応の終点を確認後、濾過して白金ブラックを除去し水洗後、濃塩酸267.7gを加えて反応液を塩酸酸性にした。得られた溶液は739.18gであった。この内、295.68gをBH4の結晶化のために用いた。即ち,この溶液にn−ブタノール38.84g及び濃塩酸82.92gを加え減圧濃縮した。濃縮後、ブタノールを加え共沸し水分を減じた。得られた残渣にエタノール234mLを加えて内温60℃で1時間攪拌、その後内温を35℃まで冷却して60.5時間攪拌した。この懸濁液を濾過し、得られた結晶をエタノールで洗浄後、60℃で減圧乾燥して目的のBH4塩酸塩が収量17.84g、収率86%で得られた。
(実施例2)
サプロプテリン(BH4)の製造
100mLビーカーにBP 5.00g、蒸留水25mL及び26wt% TMAH 9.053gを加え(溶媒量8.6v/w)、室温で溶解した。溶液のpH(20℃)を測定し、11.2であることを確認した。この溶液を250.0mg(6.4wt%)の白金ブラックを加えてある200mLの耐圧ガラスシリンダーに入れ蓋をし、水素置換した。水素をゲージ圧で0.10MPaまで充填後、1000rpmの攪拌速度、外温0℃で87.5時間反応した。
反応終了後、水素をリークし、HPLCで反応の終点を確認した。その結果を表1に示す。
(実施例3)
サプロプテリン(BH4)の製造
25mL耐圧容器にBP 0.50g、イオン交換水2.5mL及び35wt% テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)1.05mLを加え(溶媒量7.1v/w)、室温で溶解した。溶液のpH(20℃)を測定し、12.3であることを確認した。この溶液に25mg(6.0wt%)の白金ブラックを加えて蓋をし、水素置換した。水素をゲージ圧で0.15MPaまで充填後、外温0℃で70時間反応した。
反応終了後、水素をリークし、HPLCで反応の終点を確認した。その結果を表1に示す。
Figure 2009298754
(実施例4)
サプロプテリン(BH4)の製造
実施例2において0.1Lスケールで行ったBH4合成を、100Lスケールで実施した。すなわち、100L容器にBP 8.00kg、イオン交換水40L及び26wt% TMAH 14.48kgを加え(溶媒量8.6v/w)、室温で溶解した。溶液のpH(20℃)を測定し、11.2であることを確認した。この溶液を400g(6.4wt%)の白金ブラックを加えてある100Lのオートクレーブに入れ、水素置換した。水素をゲージ圧で0.10MPaまで充填後、外温0℃で攪拌を始めた。20時間後HPLCで反応終点を確認したところ、反応は終了していた。HPLCの結果、面積百分率でR-BH4は90.0%、R/S比は15.0であった。
(実施例5)
サプロプテリン(BH4)の製造
100mLビーカーにBP 11.43g 及び26wt% TMAH 21.216gを加え(溶媒量2.4v/w)、室温で溶解した。溶液のpH(20℃)を測定し、11.4であることを確認した。この溶液を571.5mg(6.4wt%)の白金ブラックを加えてある200mL耐圧ガラスシリンダーに入れ蓋をし、水素置換した。水素をゲージ圧で1.0MPaにまで充填後、1000rpmの攪拌速度、外温20℃で10時間反応した。
反応終了後、水素をリークし、HPLCで反応の終点を確認した。その結果を表2に示す。
(実施例6)
サプロプテリン(BH4)の製造
100mLビーカーにBP 5.72g 及び26wt% TMAH 11.037gを加え(溶媒量2.4v/w)、室温で溶解した。溶液のpH(20℃)を測定し、11.6であることを確認した。この溶液を142.9mg(3.2wt%)の白金ブラックを加えてある200mL耐圧ガラスシリンダーに入れ蓋をし、水素置換した。水素をゲージ圧で1.0MPaにまで充填後、1000rpmの攪拌速度、外温0℃で40時間反応した。
反応終了後、水素をリークし、HPLCで反応の終点を確認した。その結果を表2に示す。
(実施例7)
サプロプテリン(BH4)の製造
100mLビーカーにBP 7.38g、蒸留水 18.5mL及び26wt% TMAH 13.364gを加え(溶媒量5.4v/w)、室温で溶解した。溶液のpH(20℃)を測定し、11.7であることを確認した。この溶液を369mg(6.4wt%)の白金ブラックを加えてある200mL耐圧ガラスシリンダーに入れ蓋をし、水素置換した。水素をゲージ圧で1.0MPaにまで充填後、1000rpmの攪拌速度、外温20℃で19時間反応した。
反応終了後、水素をリークし、HPLCで反応の終点を確認した。その結果を表2に示す。
(実施例8)
サプロプテリン(BH4)の製造
100mLビーカーにBP 5.00g、蒸留水25mL及び26wt% TMAH 9.053gを加え(溶媒量8.6v/w)、室温で溶解した。溶液のpH(20℃)を測定し、11.3であることを確認した。溶液を250mg(6.4wt%)の白金ブラックを加えてある200mLの耐圧ガラスシリンダーに入れ蓋をし、水素置換した。水素をゲージ圧で1.0MPaにまで充填後、1000rpmの攪拌速度、外温20℃で10時間又は外温0℃で20時間反応した。
反応終了後、水素をリークし、HPLCで反応の終点を確認した。その結果を表2に示す。
Figure 2009298754
(比較例1)
サプロプテリン(BH4)の製造
100mLビーカーにBP 5.00g、蒸留水25mL及び26wt% TMAH 9.053gを加え(溶媒量8.6v/w)、室温で溶解した。溶液のpH(20℃)を測定し、11.1であることを確認した.この溶液を250mg(6.4wt%)の白金ブラックを加えてある200mL耐圧ガラスシリンダーに入れ蓋をし、水素置換した。大気圧下(ゲージ圧0MPa)、1000rpmの攪拌速度、外温25℃で45時間反応した。
反応終了後、水素をリークし,HPLCで反応の終点を確認した。その結果を表3に示す。
(比較例2)
サプロプテリン(BH4)の製造
25mL耐圧容器にBP 0.50g,イオン交換水10mL(20v/w)及びトリエチルアミン1.25mLを加え、室温で溶解した。溶液のpH(20℃)を測定し、11.2であることを確認した。この溶液に25mg(6.0wt%)の白金ブラックを加えて蓋をし、水素置換した。水素をゲージ圧で0.15MPaまで充填後、外温0℃で21時間反応した。
反応終了後、水素をリークし,HPLCで反応の終点を確認した。その結果を表3に示す。
(比較例3)
サプロプテリン(BH4)の製造
80mLハイパーガラスシリンダーにBP 1g,メタノール5mL(5v/w)及び10wt% テトラメチルアンモニウムヒドロキシドメタノール溶液1.40mLを加え、室温で溶解した。溶液のpH(20℃)を測定し、11.4であることを確認した。この溶液に25mg(3.0wt%)の白金ブラックを加えて蓋をし、水素置換した。水素をゲージ圧で0.15MPaまで充填後、外温0℃で67時間反応した。
反応終了後、水素をリークし,HPLCで反応の終点を確認した。その結果を表3に示す。
Figure 2009298754

Claims (4)

  1. 下記一般式(1);
    Figure 2009298754
    で表されるL−エリスロビオプテリンを、当該L−エリスロビオプテリンの質量に対して2〜50倍量(v/w)の水溶媒中、白金触媒及び有機第4級アンモニウム塩の共存下、ゲージ圧で1.9MPa以下の圧力にて水添する水添工程を含む、下記一般式(2);
    Figure 2009298754
    で表されるR−サプロプテリン又はその塩の製造方法。
  2. 有機第4級アンモニウム塩がテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドである、請求項1記載の製造方法。
  3. テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドがテトラメチルアンモニウムヒドロキシドである、請求項2記載の製造方法。
  4. 白金触媒が白金黒又は酸化白金である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
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