JP2009298052A - 見る角度によって認識される色が異なる物品及びその製造方法 - Google Patents

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智之 石井
Masaichi Tsuji
正一 辻
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Abstract

【課題】金属光沢面を有し且つ見る角度によって認識される色が異なる、面白みがある意匠性を有する物品を提供する。
【解決手段】金属光沢面を有する基材と、当該金属光沢面上の蛍光色素含有クリヤー層とを含む、見る角度によって認識される色が異なる物品であって、上記金属光沢面の、45度の入射角から光を入射した場合に30度の反射角で観測される光のX101010表色系のY10値が5以下であり、上記蛍光色素が可視光領域に発光波長を有する、見る角度によって色相が異なる物品。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属光沢を有しかつ意匠性に優れる物品に関する。
特殊な意匠性を有する物品は、審美性や面白みのある意匠性を有するために、多くの分野で利用されている。例えば、特殊な意匠性を有する物品として、金属光沢を有する物品、例えば、自動車部品、家電部品、化粧容器、照明器具、外灯又は家具部品等が挙げられる。
例えば、特許文献1には、粘着剤塗膜層、柔軟性樹脂塗膜層、金属蒸着層及び耐候性樹脂塗膜層からなる金属光沢を有する、柔軟性のある外装用複合材料に関する発明が開示されており、当該材料を基材に貼付することにより金属光沢を有する物品を得ることができる。
また、特許文献2には、金属光沢に加え他の特殊な意匠性を付与した金属調表面成形品が開示されている。当該成形品は、プラスチック素材等の材料により形成された成形品の表面に銀鏡面層が形成され、上記銀鏡面層の表面にトップコート層が形成され、さらに上記トップコート層に燐光性物質を含有させることにより製造され、その表面が金属感と暗中での視認性とを有することを特徴としている。
また、他の特殊な意匠性を有する物品として、見る角度によって色が異なるものを挙げることができる。例えば、特許文献3には、透明性基材の上に、ホログラム顔料含有光輝性クリヤー塗膜層を形成後、上記光輝性クリヤー塗膜層の上にカラーベース塗膜層を形成する光輝性塗膜形成方法により得られた光輝性塗膜に関する発明が開示されている。当該光輝性塗膜は、ホログラム顔料含有光輝性クリヤー層による、見る角度によって虹色に変化する意匠性を特徴としている。
特開平6−126886号公報 特開2004−237524号公報 特開2001−58154号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明により得られる物品は、金属光沢を有するために正反射光とその他の反射光との間では明度が異なるものの、色に差異はない。また特許文献2に記載の成形品は、金属光沢を有し、かつ燐光性蛍光体の効果により暗中で視認性があるといった特殊な意匠性を有しているが、明中では金属光沢のみを観察することができ、一方、暗中では蓄光のみを観察することができる。従って、明中、暗中のどちらにおいても、その他の意匠性、特に見る角度による色の差異をほとんど観察することができない。また、特許文献3に記載の発明により得られる光輝性塗膜は、見る角度によって色は大きく異なるが、そもそも、金属光沢を有していない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明は、金属光沢を有し、かつ見る角度により認識される色が異なる、面白みある意匠性を有する物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、金属光沢面を有する基材と、当該基材上の蛍光色素含有クリヤー層とを含む、見る角度によって認識される色が異なる物品により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の態様に関する。
「態様1」
金属光沢面を有する基材と、当該金属光沢面上の蛍光色素含有クリヤー層とを含む、見る角度によって認識される色が異なる物品であって、
上記金属光沢面の、45度の入射角から光を入射した場合に30度の反射角で観測される光のX101010表色系のY10値が、5以下であり、
上記蛍光色素が、可視光領域に発光波長を有する、
見る角度によって認識される色が異なる物品。
「態様2」
上記金属光沢面が金属蒸着層に由来する、態様1に記載の物品。
「態様3」
上記クリヤー層が、上記蛍光色素を含有するクリヤー塗料組成物を塗装して形成されたクリヤー層である、態様1又は2に記載の物品。
「態様4」
上記蛍光色素が、ナフタルイミド系蛍光染料又はペリレン系蛍光染料である、態様1〜3のいずれか一つに記載の物品。
「態様5」
金属光沢面を有する基材上に、蛍光色素含有クリヤー塗料組成物を塗装する段階、
を含む見る角度によって認識される色が異なる物品の製造方法であって、
上記金属光沢面の、45度の入射角から光を入射した場合に30度の反射角で観測される光のX101010表色系のY10値が、5以下であり、
上記蛍光色素が、可視光領域に発光波長を有する、
見る角度によって認識される色が異なる物品の製造方法。
本発明の物品は、金属光沢面を有する基材の上に、蛍光色素を含有するクリヤー層が積層された構造を有する。当該構造を有することにより、本発明の物品は、金属光沢を有し且つ見る角度により認識される色が異なる効果を有する。
本発明について、以下、詳しく説明する。
[金属光沢面を有する基材]
(1)基材
上記基材は、金属光沢面を有していれば、その素材は、特に限定されるものではない。上記基材の素材としては、例えば、金属及びプラスチックが挙げられる。具体的には、金属としては、例えば、アルミニウム、鉄、亜鉛、錫、銅及びステンレスが挙げられる。また、プラスチックとしては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、FRP、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂及びゴムが挙げられる。また、上記基材の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、フィルム状、板状、成形品等を挙げることができる。
(2)金属光沢面
本明細書において、「金属光沢」とは、研磨された金属面に見られるような、金属類に特有の光沢、すなわち光を反射する性質を意味する。
「金属光沢面」とは、上述の金属光沢を有する表面を意味する。
上記基材上の金属光沢面は、特に限定されず、公知の方法により形成することができる。具体的には、例えば、金属製の基材では、例えば、メッキ法、並びに電解研磨、バフ研磨及びバレル研磨等の研磨による鏡面仕上げ方法が挙げられる。また、プラスチック製の基材では、例えば、当該基材に金属を蒸着若しくはスパッタリングして金属光沢面を形成する方法が挙げられる。上記蒸着に使用する金属としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等が挙げられる。また、上記プラスチック製の基材では、例えば、当該基材にアルミニウムフレーク又は金属蒸着膜を粉砕した金属片を含有する光輝性塗料組成物を塗装して金属光沢面を形成する方法が挙げられる。なお、プラスチック製の基材に金属光沢面を形成する際には、付着性を向上させる目的等で、例えば、塗装により、上記基材上にプライマー層を形成させ、当該プライマー層上に金属光沢面を形成させてもよい。
上記金属光沢面は、上記基材上の一部に形成されていてもよく、また当該基材上の全体に形成されていてもよい。
上記金属光沢面は、クリヤー層を塗装していない金属光沢面に、45度の入射角から光を入射した場合に、30度の反射角(すなわち、入射光から75度)で観測される光のX101010表色系のY10値が5以下となるような面を有することが好ましい。このような表面を有することにより、見る角度により認識される色が大きく異なり、本発明の効果がより顕著となる。
ここで、X101010表色系は、正式名称をCIE 1964 補助標準表色系(CIE 1964 Supplementary Standard Colormetric System)という。また、Y10は、上記X101010表色系の三刺激値のY10を意味する。Y10値は、明度の指標であることが一般的に知られている。
上述のY10値は、例えば、変角分光光度計GCMS−4(商品名、村上色彩技術研究所社製)を用いて、D65光源、10度視野の条件で測定することにより得ることができる。
本明細書では、上述のY10値を、以下、単に「Y10値」という場合がある。
[クリヤー層]
本発明に用いられるクリヤー層には、蛍光色素が含まれている。
[蛍光色素]
本明細書において、「蛍光色素」は、紫外線、可視光線及び赤外線等の光を選択的に吸収する色素のうち、その一重項状態から自然放出により蛍光を発する色素を意味する。
蛍光色素は、一般的に、発光波長が吸収波長よりも大きいことが知られているが、本発明の見る角度により認識される色が異なる効果を有するためには、発光波長が可視光領域にあることが好ましく、最大発光波長が可視光領域にあることがより好ましい。
また、態様の一つでは、最大発光波長が最大吸収波長よりも5〜100nm大きい蛍光色素を用いることができ、そして最大発光波長が最大吸収波長よりも10〜50nm大きい蛍光色素を用いることもできる。
ここで、「可視光」又は「可視光線」は、360nm〜830nmの波長を有する光を意味する。
また、「吸収波長」とは、上記蛍光色素が吸収する光の波長を意味し、そして「最大吸収波長」とは、その中で最も強度の高い波長を意味する。
さらに、「発光波長」とは、上記蛍光色素が発する蛍光の波長を意味し、そして「最大発光波長」とは、その中で最も強度の高い波長を意味する。
また、「見る角度により認識される色が異なる」とは、見者が基準であり、ある光源から本発明の物品に光を入射させた場合に、当該物品のうち光源が反射して見える部分(すなわち、正反射部分)と、物品のそれ以外の部分との色が異なることを意味する。例えば、太陽光の下で本発明の物品を観察した場合に、見者からは、物品の中で太陽光が反射して見える部分と、それ以外の部分とでは色が異なる。
本明細書において、「色」には、色相及び/又は彩度が含まれる。従って、「見る角度により認識される色が異なる」ことには、見る角度によって、認識される色相及び/又は彩度が異なることが含まれる。
「見る角度により認識される色が異なる」理由は、光を基準に考えると、以下のように説明することができる。本発明の物品に太陽光が入射した場合、太陽光は、クリヤー層内に入り、金属光沢面を有する基材の表面で反射するが、一般的には、正反射光の強度が最も強い。本発明に用いられるクリヤー層は蛍光色素を含むので、入射した白色光は、クリヤー層内で、蛍光色素の吸収波長に相当する部分が吸収され、反射光は、その残余の光(蛍光色素の吸収波長の補色)となる。一方、当該入射光を吸収した蛍光色素は、方向性を有しない蛍光を発するのが一般的である。従って、正反射方向に進む光には、正反射光、すなわち、蛍光色素の吸収波長の補色が多く含まれることとなる。一方、正反射方向以外の方向に進む光には、蛍光色素が発する蛍光色が多く含まれる色が観察されることとなる。
なお、強い太陽光のように入射光の強度が高い場合には、目視により正反射光の色を認識することが難しい場合もある。
一方、従来の蛍光色素を含む物品、例えば、雑誌等の印刷物の場合には、ある角度から入射した入射光は、クリヤー層内で、蛍光色素の吸収波長に相当する部分が吸収され、その残余の光(蛍光色素の補色)を反射するが、当該反射光が正反射ではなく乱反射となる。従って、従来の蛍光色素を含む物品の場合には、方向性のあまりない乱反射光と、方向性を有しない蛍光との混色が、見る角度とは無関係に観察される点が本発明と大きく異なる。
蛍光色素としては、蛍光を発する物質であれば特に限定されないが、例えば、蛍光染料、例えば、有機蛍光染料、無機蛍光染料、蛍光顔料、例えば、有機蛍光顔料、無機蛍光顔料が含まれる。
上記蛍光染料としては、特に限定されず、公知の蛍光染料、例えば、有機蛍光染料、例えば、ナフタルイミド系染料、ペリレン系染料等が挙げられる。具体例としては、Lumogen F Violet 570(商品名、BASF Japan社製、ナフタルイミド系有機蛍光染料、最大吸収波長378nm、最大発光波長413nm)、Lumogen F Blue 650(商品名、BASF Japan社製、ナフタルイミド系有機蛍光染料、最大吸収波長377nm、最大発光波長411nm)、Lumogen F Yellow 083(商品名、BASF Japan社製、ペリレン系有機蛍光染料、最大吸収波長476nm、最大発光波長490nm)、Lumogen F Orange 240(商品名、BASF Japan社製、ペリレン系有機蛍光染料、最大吸収波長524nm、最大発光波長539nm)、Lumogen F Red 305(商品名、BASF Japan社製、ペリレン系有機蛍光染料、最大吸収波長578nm、最大発光波長613nm)、Lumogen F Green 850(商品名、BASF Japan社製、ペリレン系有機蛍光染料、最大吸収波長475nm、最大発光波長489nm)等が挙げられる。
上記蛍光顔料としては、上記クリヤー層の透明性を確保し、顔料による光の乱反射を防ぐために、粒径の小さなものを用いることが好ましい。具体例としては、例えば、シンロイヒカラーFZ−2000シリーズ、例えば、FZ−2001、FZ−2002、FZ−2003、FZ−2004、FZ−2005、FZ−2006、FZ−2007、FZ−5000シリーズ、例えば、FZ−5012、FZ−5006、FZ−5005、FZ−6000シリーズ、例えば、FZ−6011、FZ−6013、FZ−6014、FZ−6027、FZ−6037(全て商品名、シンロイヒ株式会社製)が挙げられる。
上記クリヤー層中に含まれるべき蛍光色素の量は、原則として、上記基材の特性(基材の平滑性、金属光沢面の正反射率、Y10値等)、及び蛍光色素の特性(発光波長、最大発光波長、吸収波長、最大吸収波長、クリヤー中の濃度等)の複合的な要因によって決まるものであるが、上記蛍光色素の量は、本発明の物品に蛍光色素の色が観察され、そして見る角度によって認識される色が異なって見えるような量である。上記蛍光色素の含有量がより少なくなると、反射光に対する上記蛍光色素が発する蛍光の割合がより小さくなり、観察される蛍光色が弱くなる傾向がある。そのため、見る角度による認識される色の差異がより小さくなる傾向がある。一方、上記蛍光色素の含有量がより多くなると、反射光に対する上記蛍光色素が発する蛍光の割合がより大きくなり、観察される蛍光色がより強くなる傾向がある。そのため、どの角度においても蛍光色が強く観察されるため、見る角度による認識される色の差異がより小さくなる傾向がある。
本発明の態様の一つでは、見る角度によって認識される色を変化させるために、上記蛍光色素は、上記クリヤー層100質量部に0.015〜0.90質量部含まれることが好ましく、0.10〜0.70質量部含まれることがより好ましい。
本発明の態様の一つでは、例えば、上記蛍光色素は、クリヤー塗装部の物品の表面積1m2あたり0.0015〜0.090g含まれる。
ここで、物品の表面積1m2あたりの蛍光色素の含有量は、例えば、クリヤー塗料組成物の固形分に対する蛍光色素の含有量を変動させること、又はクリヤー層の厚さを変えること等によって、適宜調節することができる。
上記クリヤー層の厚みは、本発明の見る角度によって認識される色が異なる物品が得られる範囲であれば特に制限はないが、例えば、塗装により上記クリヤー層を形成する場合には、その厚みは、0.3〜40μm、好ましくは1.0〜33μmである。
上記クリヤー層は、上記金属光沢面上に形成されている。上記クリヤー層を積層する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。
上記クリヤー層を積層する方法としては、例えば、上記金属光沢面上に、上記蛍光色素を含有するクリヤー塗料組成物を塗装する方法が挙げられる。
上記クリヤー塗料組成物は、上記蛍光色素以外の成分として、皮膜形成樹脂を含有する。上記皮膜形成樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、シリコーンアクリル樹脂及びフッ素樹脂並びにこれらの樹脂の変性樹脂を挙げることができ、また、これらの樹脂を2種以上組み合わせて用いることができる。さらに、これらの樹脂は、いわゆるラッカータイプとして用いるか、又は硬化剤と組合せて用いることができる。硬化剤としては、例えば、メラミン樹脂などのアミノ樹脂、ポリエポキシ化合物、ポリアミン化合物、ブロック化されていてもよいポリイソシアネート化合物などを挙げることができる。
さらに、上記皮膜形成樹脂として、活性エネルギー線硬化性樹脂を用いてもよい。活性エネルギー線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和基を含有するモノマー、オリゴマー、ポリマー等が挙げられる。上記活性エネルギー線硬化性樹脂は、通常、光重合開始剤とともに使用される。
上記クリヤー塗料組成物は、本発明の効果を損なうことのない範囲内で、体質顔料、着色顔料等を含有することができる。
また上記クリヤー塗料組成物は、水又は有機溶剤を含有することができる。有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、エチルイソアミルケトン、ジイソブチルケトン、メチルへキシルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールエーテル類;エチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類;芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類等が挙げられる。これらを、塗料粘度の調整、塗装性の調整等を目的として適宜組み合わせて使用することができる。
さらに、上記クリヤー塗料組成物は、添加剤を含有することができる。添加剤としては、増粘剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、硬化触媒、可塑剤等が挙げられる。
当該クリヤー塗料組成物の塗装方法は特に限定されるものではない。例えば、ローラー塗装、ロールコーター塗装、スピンコーター塗装、カーテンコーター塗装、スリットコーター塗装、スプレー塗装、静電塗装、浸漬塗装、シルク印刷、スピン塗装等が挙げられる。
塗装後は、必要に応じて、加熱・乾燥を行ってもよい。加熱・乾燥条件は特に限定されるものではない。
また、上記皮膜形成樹脂として活性エネルギー線硬化性樹脂を用いた場合には、樹脂を硬化させるために、活性エネルギー線を照射することができる。活性エネルギー線の照射条件は、適宜選択され、特に限定されるものではない。
また、上記クリヤー層を積層する別の方法としては、例えば、蛍光色素を含有するフィルム、例えば、プラスチックフィルムを、上記金属光沢面の上に接着又は熱融着等により貼付する方法が挙げられる。
上記フィルムは、上記蛍光色素の以外の成分として、例えば、有機樹脂を含むフィルム形成成分を含有する。当該フィルム形成成分としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が挙げられる。
上記基材が成形品である場合には、上記クリヤー層を積層する方法としては、例えば、上記蛍光色素を含有する有機樹脂を、金型内に装填された成形品の金属光沢面の上に、インサート成形により積層させる方法が挙げられる。
上記有機樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、シリコーンアクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂及びそれらの変性樹脂を用いることができ、さらに、上記樹脂を2種以上組み合わせて用いることができる。
上記クリヤー層を積層する方法としては、工程が簡単な点、及び凹凸のある成形品に対して適用し易い点から、上記蛍光色素を含有するクリヤー塗料組成物を、上記金属光沢面上に塗装する方法が好ましい。
なお、上記金属光沢面と当該表面上に形成されたクリヤー層との間には、本発明の効果を損なうことのない範囲で、プライマー層を、例えば、上記金属光沢面と上記クリヤー層との付着性を向上させるために設けることができる。
本発明の物品は、例えば、自動車部品、家電部品、化粧容器、照明器具、外灯あるいは家具部品等であることができる。また、本発明の物品は、例えば、基材がフィルム状であって、当該フィルム状基材の裏面に粘着層及び離型層を有する貼付用フィルムであることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、「部」及び「%」は、別記しない限り「質量部」及び「質量%」を示す。
[製造例1〜11]
表1に示す製造例1〜11の配合に従って、皮膜形成樹脂、有機蛍光色素及び溶剤を混合して、No.1〜11のクリヤー塗料組成物を製造した。
Figure 2009298052
アクリディックA−195:商品名、大日本インキ化学工業社製、アクリル樹脂、固形分40質量%
Lumogen F Orange 240:商品名、BASF Japan社製、ペリレン系有機蛍光染料、最大吸収波長524nm、最大発光波長539nm
Lumogen F Violet 570:商品名、BASF Japan社製、ナフタルイミド系有機蛍光染料、最大吸収波長378nm、最大発光波長413nm
Lumogen F Blue 650:商品名、BASF Japan社製、ナフタルイミド系有機蛍光染料、最大吸収波長377nm、最大発光波長411nm
Lumogen F Yellow 083:商品名、BASF Japan社製、ペリレン系有機蛍光染料、最大吸収波長476nm、最大発光波長490nm
Lumogen F Red 305:商品名、BASF Japan社製、ペリレン系有機蛍光染料、最大吸収波長578nm、最大発光波長613nm
Lumogen F Green 850:商品名、BASF Japan社製、ペリレン系有機蛍光染料、最大吸収波長475nm、最大発光波長489nm
[実施例1〜28及び比較例1〜3]
表2に示す各基材(試験片サイズ:2×60×11mm)の上に、各クリヤー塗料組成物をスプレー塗装により塗装した後、80℃で30分乾燥してクリヤー層を積層し、表2に示す試験板を得た。得られた試験板を、下記の評価方法に従って評価した。
Figure 2009298052
表2の基材は以下の通りである。
基材A:アルミニウムを蒸着した、金属光沢面を有するアクリル樹脂製基材
基材B:白色塗料〔レタンPG2K531ホワイト:レタンPG2K硬化剤=5:1(重量比)、関西ペイント社製〕を塗装したアクリル樹脂製基材
基材C:黒色塗料〔レタンPG2K400ディープブラック:レタンPG2K硬化剤=5:1(重量比)、関西ペイント社製〕を塗装したアクリル樹脂製基材
ここで、基材AのY10値を、変角分光光度計GCMS−4(商品名、村上色彩技術研究所社製、D65光源、10度視野)を用いて測定したところ、0.6であった。
[意匠性の評価]
目視評価
晴れた日の明中の太陽光を、45度の入射角で上記試験板の表面に入射させ、反射角45度(正反射)、反射角30度(入射角から75度)、反射角0度(入射角から45度)の方向に進む光の色を目視により観察した。その結果を表3に示す。また、反射角45度方向の光の色と反射角45度以外の方向に進む光の色との差を目視により観察し、下記基準により評価した。その結果を表3に示す。
○:色が異なって見える
×:色が全く異なって見えないか、又はほとんど異ならないように見える
金属光沢の有無について、目視により観察し、下記基準により評価した。その結果を表3に示す。
○:金属光沢がある
×:金属光沢がない
[分光測色計による評価]
実施例1〜28及び比較例1〜3について、積分球分光測色計x−rite SP64(商品名、x−rite社製)を用いて測定することにより、見る角度による色の変化を評価した。測定は、SCI(正反射光込み)とSCE(正反射光除去)の2つの条件でそれぞれ測定を行った。SCI条件で測定されたL*a*b*表色系のa*値、b*値と、SCE条件で測定されたa*値、b*値から、a*b*座標面上におけるSCI条件での測定値〔a*(SCI)、b*(SCI)〕とSCE条件での測定値〔a*(SCE)、b*(SCE)〕の距離を計算した。計算式は、√[〔a*(SCI)-a*(SCE)+〔b*(SCI)-b*(SCE)]である。ここで、求めた値が大きいことは、正反射角で観察される色と他の反射角で観察される色が大きく異なることを意味する。したがって、求めた値が大きいほど、見る角度による色の変化が大きいことを示す。測定の結果を表3に示す。
Figure 2009298052
Figure 2009298052
Figure 2009298052
本発明は、金属光沢を有し且つ見る角度によって認識される色が異なる物品を提供することができるので、産業上有用である。

Claims (5)

  1. 金属光沢面を有する基材と、当該金属光沢面上の蛍光色素含有クリヤー層とを含む、見る角度によって認識される色が異なる物品であって、
    前記金属光沢面の、45度の入射角から光を入射した場合に30度の反射角で観測される光のX101010表色系のY10値が、5以下であり、
    前記蛍光色素が、可視光領域に発光波長を有する、
    見る角度によって認識される色が異なる物品。
  2. 前記金属光沢面が金属蒸着層に由来する、請求項1に記載の物品。
  3. 前記クリヤー層が、前記蛍光色素を含有するクリヤー塗料組成物を塗装して形成されたクリヤー層である、請求項1又は2に記載の物品。
  4. 前記蛍光色素が、ナフタルイミド系蛍光染料又はペリレン系蛍光染料である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品。
  5. 金属光沢面を有する基材上に、蛍光色素含有クリヤー塗料組成物を塗装する段階、
    を含む見る角度によって認識される色が異なる物品の製造方法であって、
    前記金属光沢面の、45度の入射角から光を入射した場合に30度の反射角で観測される光のX101010表色系のY10値が、5以下であり、
    前記蛍光色素が、可視光領域に発光波長を有する、
    見る角度によって認識される色が異なる物品の製造方法。
JP2008155912A 2008-06-13 2008-06-13 見る角度によって認識される色が異なる物品及びその製造方法 Pending JP2009298052A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016002670A1 (ja) * 2014-06-30 2016-01-07 横浜ゴム株式会社 紫外線硬化性樹脂組成物及びこれを用いる積層体
WO2021025054A1 (ja) * 2019-08-08 2021-02-11 日東電工株式会社 電磁波透過性積層体

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