JP2009297121A - 移乗支援機器 - Google Patents
移乗支援機器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009297121A JP2009297121A JP2008152591A JP2008152591A JP2009297121A JP 2009297121 A JP2009297121 A JP 2009297121A JP 2008152591 A JP2008152591 A JP 2008152591A JP 2008152591 A JP2008152591 A JP 2008152591A JP 2009297121 A JP2009297121 A JP 2009297121A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- transfer
- transfer tool
- tool
- bending
- support device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Invalid Beds And Related Equipment (AREA)
Abstract
【課題】 起伏のある載置具に利用でき、載置具の方向によらず載置具上の被介護者を移乗させることを可能とする移乗支援機器を提供する。
【解決手段】 移乗支援機器1は、被介護者2を移乗するための移載具5を移載具中心部50について、長辺方向両側方向に対称となる7つ以上の移載具要素52に分割し、隣接する移載具要素52間を屈曲可能な屈曲連結部53で連結する構成とし、屈曲連結部53は、体幹方向について移載具中心部50と被介護者2の腰部関節回転軸部21と一致させ、載置具4の屈曲部または被介護者2の関節位置に相当する部位であって、移載具中心部について長辺方向に対称に設けられている。
【選択図】図4
【解決手段】 移乗支援機器1は、被介護者2を移乗するための移載具5を移載具中心部50について、長辺方向両側方向に対称となる7つ以上の移載具要素52に分割し、隣接する移載具要素52間を屈曲可能な屈曲連結部53で連結する構成とし、屈曲連結部53は、体幹方向について移載具中心部50と被介護者2の腰部関節回転軸部21と一致させ、載置具4の屈曲部または被介護者2の関節位置に相当する部位であって、移載具中心部について長辺方向に対称に設けられている。
【選択図】図4
Description
本発明は、病院や家庭などにおいて人が行う移乗作業を支援する移乗支援機器に関し、特に、老人、病人または怪我人などの介護を受ける者(以下、「被介護者」という)であって、例えばベッドなどの載置具に載置されている被介護者を車いすなどの別の載置具へ移乗させるための移乗支援機器に関する。
病院、介護施設や家庭などにおいて、自ら移動したり、体を動かすことが困難な者やベッドに横たわっている者に対しては、従来、看護士、介護ヘルパなどの専門の担当者や家族が介護者となり、主として人手により介護が行われていた。この場合、介護者にとっては作業に伴う身体的、精神的負担は大きいため、健康管理面で様々な課題を伴う。また、少子高齢社会の進展に伴い、若年介護労働力の不足、介護者の高齢化、老々介護等々が社会問題化しつつある。こうした事情から、介護施設においては介護要員の確保が困難となりつつある。
このような課題に対応するために、従来からベッド上に寝たきりで全介助を必要とする被介護者の移乗や移動を支援するための移乗支援機器が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
これらの例では、患者(以下、被介護者)の上半身、腰部および脚部をそれぞれ支える複数に分割された移載用プレート(以下、移載具)をベッド側部に横付けし、ベッドの上面に沿って側方向に前後移動可能な移載具を介護者の操作に従って被介護者とベッド面との間に挿入して、被介護者の体全体を移載具に載せでベッドから移乗支援機器上に被介護者を移動させ、移載具の分割部が回動して座位状態に変形し、移動時に被介護者が安楽な姿勢をとらせるものが開示されている。
特開昭60−185552号公報
特開昭60−31749号公報
しかしながら、従来の移乗支援機器は、いずれも移乗支援機器上での被介護者の座位姿勢の形成またはヘッドレストなどの頭支持部を持たない一般の座面固定式の車いすへの移乗を目的としており、全介助を必要とする寝たきり高齢者等(以下、被介護者)が利用する身体全体をサポートするリクライニング車いすへの移乗については想定されていない。被介護者は、一般的に頚部および体幹の支持能力に衰えがある場合が多く、一般の座面固定式の車いすではなく、頭部までしっかり支持できて、安楽な姿勢がとれるリクライニング機能や体圧分散のためチルト機能を有するリクライニング車いすを利用する場合が多い。
また、このような被介護者は関節の疼痛や骨粗しょう症などの場合が多いため、例えばベッドからリクライニング車いすへの移乗させる場合においては、リクライニング車いすをリクライニング状態に変形させ、被介護者を安静な臥位状態を維持しつつ、静かに載せ移すことにより移乗時に与える身体負担を最小限に抑えるような配慮がなされている。
一般的にリクライニング車いすはリクライニング時に座面が完全に水平にならず、僅かながら傾斜をしていたり、頭部に可動式のヘッドレストや固定式の枕が備え付けられていたりすることが多い。このため、ベッドからこうしたリクライニング車いすへ被介護者を移載するためには、移載具がリクライニング車いすの座面の起伏に倣うことが必要となる。
また、居室におけるベッドは、通常一方の側面が居室の壁側に隣接して配置されていることが多く、介護者や車いすなどがアプローチできるのは片側面に限られる場合が殆どである。さらに、ベッドの方向も居室の構成、被介護者の好みに応じて変わるため、ベッド脇の介護者から見て被介護者の頭足の方向はまちまちで常に同じ方向とは限らない。
一般的にリクライニング車いすはリクライニング時に座面が完全に水平にならず、僅かながら傾斜をしていたり、頭部に可動式のヘッドレストや固定式の枕が備え付けられていたりすることが多い。このため、ベッドからこうしたリクライニング車いすへ被介護者を移載するためには、移載具がリクライニング車いすの座面の起伏に倣うことが必要となる。
また、居室におけるベッドは、通常一方の側面が居室の壁側に隣接して配置されていることが多く、介護者や車いすなどがアプローチできるのは片側面に限られる場合が殆どである。さらに、ベッドの方向も居室の構成、被介護者の好みに応じて変わるため、ベッド脇の介護者から見て被介護者の頭足の方向はまちまちで常に同じ方向とは限らない。
このような状況において、例えば介護施設で一台の移乗支援機器を用いて複数の被介護者を順次、ベッドからリクライニング車いすへと移乗させる場合、移乗支援機器は、ベッドの方向に依存せず何れの方向にも対応できることが望ましい。
ところが、従来の移乗支援機器は、リクライニング車いすの座面の起伏、およびベッドの方向への非依存対応が考慮されていないため、移乗支援機器をリクライニング車いすに対して利用することが困難である。また、移載具に対称性を持たすために車いすなどの座面分割に合わせて背部、臀部、脚部のように移載具5を単純に対称分割すると図10に示すようにリクライニング車いす41と移載具5の位置合せが適切に行えず、頭部の支持が不足したり、脚部の支持が長すぎたりと移乗が困難になるほか、ベッドでの臥位方向により移載具5のアプローチ位置が異なる(腰部関節回転軸部21と移載具中心部50の位置が一致しない)など、リクライニング車いすへの移乗をスムーズに行うことは困難であった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、リクライニング車いすのリクライニング時の座面の起伏に対応し、かつベッドでの被介護者の臥位方向に依存することなく、ベッドとリクライニング車いす間の移乗を円滑に支援することができる移乗支援機器を提供することを目的とする。
上述したような目的を達成するために、本発明の移乗支援機器は、載置具の載置面と当該載置面に載置された人体との間に挿入され、人体を移載する移載具を備え、移載具は、人体の体幹方向を長辺、体側方向を短辺とする人体全身を載置可能な略長方形状の移載面を有し、長辺方向についての中心部である移載具中心部より長辺方向両側に向けて対称な所定位置で少なくとも7以上の複数の移載具要素に分割にされ、隣接する前記移載具要素間には短辺方向を軸として回動または屈曲可能に連結される複数の屈曲連結部を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、ベッド、ストレッチャ等の一方の載置具からからリクライニング車いす等の他方の載置具に移載支援機器を用いて被介護者を移乗させる際、リクライニング車いすのヘッドレスト、腰部、足部の可動部位近傍に設けられた移載具の屈曲連結部を回動または屈曲させ、各移載具要素をリクライニング車いすの座面の起伏に倣わせることができるので、移載具上に搭載した被介護者をスムーズにリクライニング車いすへ移乗させることが可能となる。
また、移載具の移載具要素は移載具中心部より対称に配置されているため、ベッドの方向が逆転して、被介護者の頭足の方向が変わっても不都合なく利用することが可能となる。したがって、たとえば介護施設の1フロアにおいて1台の移乗支援機器を共用機器として用いて複数の被介護者を移乗させるような場合には、機器に使用に当たり各被介護者の臥床方向を制限することないため、広く利用することができる。
また、移乗支援機器は、複数の移載具要素を連結する屈曲連結部が、少なくとも体幹方向について人体の腰部関節と移載具中心部を一致させたときの、載置具の載置面の屈曲部に相当する部位であって、移載具中心部について長辺方向に対称に設けられていることを特徴とする。
また、移乗支援機器は、複数の移載具要素を連結する屈曲連結部が、少なくとも体幹方向について人体の腰部関節と移載具中心部を一致させたときの、載置具の載置面の屈曲部に相当する部位であって、移載具中心部について長辺方向に対称に設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、例えばリクライニング車いすに載置されている被介護者の腰部関節を中心として、移載具が体幹方向に対称な構成となっているので、移載具をリクライニング車いすの側部にアプローチする場合、介護者は被介護者の腰部関節近傍に移載具の移載具中心部を位置合せすればよく、このとき、移載具の屈曲連結部は、リクライニング車いすの屈曲部近傍に位置するため、移載具のリクライニング車いすの起伏への倣いが良好に行える。また、移載具は対称性を有するため、リクライニング車いすの方向が反対となっても、同様に利用することができるので便利である。
また、移乗支援機器は、複数の移載具要素を連結する屈曲連結部が、少なくとも体幹方向について人体の腰部関節と移載具中心部を一致させたときの、人体の関節部に相当する部位であって、移載具中心部について長辺方向に対称に設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、移載具の屈曲連結部は被介護者の腰部関節を中心として膝関節、頚部関節等の主要な関節に対応する部位に設けられているため、介護者は被介護者の腰部関節近傍に移載具の移載具中心部を位置合せすればよく、このとき、移載具の屈曲連結部は、被介護者の膝関節、頚部関節等で回動または屈曲して、被介護者の体幹の屈曲に沿った移載具形状が形成でき、移載具挿入時の身体的負担を軽減できる。
また、移乗支援機器は、複数の屈曲連結部のうち、移載具中心部について前記長辺方向対称位置に配され対を成す屈曲連結部対を一対以上回動させ、当該屈曲連結部対の回転角を所定の収納角度で保持することにより前記移載具の収納状態を形成することを特徴とする。
このような構成によれば、移載具は移乗時には人体全体を支持するための広い支持面を備えて体圧を分散し、身体に負担を与えることなく安全・安定して 被介護者を積載し、移乗支援機器を使用しないときには、所定の屈曲連結部対を所定の角度まで回動させて、移乗具要素を均等に折り畳んで移乗支援機器の対称性を保ち、取り回し性、収納性を高めつつコンパクトに変形させることができる。
また、移乗支援機器は、移載具が人体に作用時、少なくとも一以上の屈曲連結部が人体と各移載具要素の接触状態に応じて各々の屈曲連結部で定められた所定の可動角範囲内において自在に回動することを特徴とする。
また、移乗支援機器は、移載具が人体に作用時、少なくとも一以上の屈曲連結部が人体と各移載具要素の接触状態に応じて各々の屈曲連結部で定められた所定の可動角範囲内において自在に回動することを特徴とする。
このような構成によれば、移載具が被介護者の背面に挿入されるときに、各移載具要素が被介護者の部位毎への接触状態に応じて隣接する屈曲連結部を回動または屈曲させ自在に傾斜して、被介護者の体形に倣って体との接触面積が広くなるため、移載具要素が被介護者に及ぼす圧力が低減されて、被介護者への移載具作用時における身体的負担を軽減することができる。
また、移乗支援機器は、移載具の各々の屈曲連結部の可動角が移載具へ人体積載時に各々の屈曲連結部近傍の身体部位の関節可動域を超えないように構成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、屈曲連結部の屈曲角度が移載具の移載面に載置されている被介護者の首、腰、膝等の各関節の可動範囲内でのみ動作するので、介護者が操作を誤っても、被介護者の身体に過大な負担を与えることは無い。
また、移乗支援機器は、移載具の屈曲連結部対のうち少なくとも一対が、回動または屈曲に加え、長辺方向への伸縮を行う伸縮屈曲連結部対であることを特徴とする。
このような構成によれば、被介護者が利用するリクライニング車いすのヘッドレストの位置や座面の屈曲部位に合わせて各々の伸縮屈曲連結部を伸縮させ、移載具とリクライニング車いすの屈曲部位をほぼ合わせることができるのでの、個別のリクライニング車いすへの対応性が高まり、機器の利便性が向上する。
また、移乗支援機器は、移載具の屈曲連結部が屈曲方向に可撓性を有する可撓部材により構成されることを特徴とする。
このような構成によれば、移載具要素を連結する屈曲連結部の回動中心が固定されず、屈曲時の曲率が自在となるため、移載具が被介護者の背面に挿入されるときに、各移載具要素が被介護者の部位毎への接触状態に応じて隣接する屈曲連結部を屈曲させ自在に傾斜して、被介護者の体形に倣って体との接触面積が広くなることに加え、屈曲連結部も被介護者の身体屈曲に倣って柔軟に変形するため、移載具要素および屈曲連結部が被介護者に及ぼす圧力が一層低減されて、被介護者への移載具作用時における身体的負担を軽減することができる。
また、移乗支援機器は、移載具と、移載具の高さを調節するための昇降部と、前記移載具の下面に当接し前記移載要素部を上方に押上げ屈曲連結部の角度調整、および角度保持を行うアーム部と、移載具を積載し、移動させるための台車部と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、移乗支援機器は、被介護者が使用するベッドやリクライニング車椅子の高さに合わせて移載具の高さを調整し、アーム部によりリクライニング車いすの座面傾斜に合わせて移載具要素の角度調整を行うことができるので載置具への対応性が高まる。また、電動や手動の台車を備えることにより、被介護者積載時のベッドとリクライニング車いす間の移乗支援機器の移動や位置合せを容易に行うことができる。
以上述べたように本発明によれば、ベッドやリクライニング車いすといった載置具の配置および被介護者の臥位方向によらず、被介護者の安静を維持した状態でベッド、リクライニング車いす間の移乗支援をスムーズに行うことが可能な移乗支援機器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
まず、図1および図2を参照しながら、介護者3が本発明の実施の形態1の移乗支援機器1を使用して、被介護者2の介護を行う場合の概要を説明する。
まず、図1および図2を参照しながら、介護者3が本発明の実施の形態1の移乗支援機器1を使用して、被介護者2の介護を行う場合の概要を説明する。
図1は、移乗支援機器1の使用時の状況を示す斜視図、図2は、移載作業時の被介護者2と、載置具4と、移載具5との体幹方向についての位置関係を示す側面図で、図2(a)は、被介護者2と、載置具としての介護ベッド42と、移載具5の位置関係、図2(b)は、被介護者2と、載置具としてのリクライニング車いす41と、移載具5の位置関係をあらわす。
図1は、介護者3が移乗支援機器1を操作し、被介護者2を載置具4としてのリクライニング車いす41から移載具5の移載面51上に載せ移す作業を行っている様子である。
このように、移乗支援機器1は、載置具4(介護ベッド41やリクライニング車いす42等)上に載置されている人体である被介護者2を、載置具4と被介護者2との間に移載具5を挿入し、移載具5の移載面51上に被介護者2を乗せ移して他の載置具4に移乗させることを主要な目的として使用される。
通常、被介護者2は、就寝時は介護ベッド42、食事や移動時は頭部までしっかり体を保持でき、安楽な姿勢形成や体圧分散ができるリクライニング車いす41を使用している例が多く見られる。
このようなケースにおいて、例えば介護者3が被介護者2を介護ベッド42から移載する場合は、図2(a)に示すように、介護ベッド42を水平状態にして移乗作業を行うことができる。
一方、図2(b)のに示すように、リクライニング車いす41は、シート部410がフルリクライニング時にも、載置面としてのシート面が屈曲しており、背部シート412や脚部シート413が水平とならず、僅かに傾斜しているものがある。また、頭設置部にはヘッドレスト414や枕を備えている。このため、被介護者2をリクライニング車いす41から移乗する場合は、シート部410に起伏がある状態で移乗作業を行う必要がある。本実施例の形態1では、このようなリクライニング車いす41の起伏や傾斜に対しても対応可能な構成となっている。
次に、移乗支援機器1を用いて介護ベッド42、リクライニング車いす41からの移乗を行う作業の概要について説明する。
図2(a)に示す例では、被介護者2が水平な介護ベッド42面上で、臥位姿勢をとって載置されている。まず、介護者3は、移乗支援機器1を介護ベッド42の側面に横付けし、移載具5の移載面51の水平状態を保ったまま、介護ベッド42上面の高さに移載具5の下面高さを調整し、被介護者2の側方より移載具5の挿入を行う。そして、移載具5の挿入が完了すると、図1に示すように移載具5を移乗支援機器1上に戻し、介護ベッド42から移乗支援機器1への移乗が完了する。
そしてこの後、移乗支援機器1を移乗対象となる他の載置具4まで移動させ、移乗支援機器1への移乗と逆の手順で他の載置具4に被介護者2を移乗させる。
図2(b)に示す例では、被介護者2がリクライニング車いす41においてリクライニング姿勢をとって載置されている。
この場合も、まず介護者3は、介護ベッド42の場合と同様、移乗支援機器1をリクライニング車いす41の側面に横付けし、移載具5の下面高さがリクライニング車いす41の座面高さに一致するよう移載具5の高さ調整を行うが、このとき高さ調整と同時にリクライニング車いす41の背部シート412の傾斜角、脚部シート413の傾斜角、ヘッドレスト414の傾斜角に合わせて、移載具5を構成する移載具要素52の角度調整を行う。
これにより、移載具5はリクライニング車いす41のシート面高さ、およびシート410各部の傾斜に合わせることができるので、シート部410の上面に倣って移載具5を移動させ、被介護者2の側方より移載具5の挿入を行う。そして、介護ベッド42の場合と同様の手順で他の載置具4に被介護者2を移乗させる。
このように、移載具5を構成する複数の移載具要素52の角度、および移載具5全体の高さ調整を行うことにより、移載具5の移載具要素52の各移載面51は、複数の起伏を
有するリクライニング車いす41、平らな介護ベッド42に対応することができる。
移載具要素52は、移載面51に被介護者2を載せたときの体幹方向である長辺方向の中心である移載具中心部50から、長辺方向両側に向けて対称に配設されている構造としているため、移乗支援機器1を載置具4に横付けした場合の被介護者2の臥床方向に関係なく対応することができる。
有するリクライニング車いす41、平らな介護ベッド42に対応することができる。
移載具要素52は、移載面51に被介護者2を載せたときの体幹方向である長辺方向の中心である移載具中心部50から、長辺方向両側に向けて対称に配設されている構造としているため、移乗支援機器1を載置具4に横付けした場合の被介護者2の臥床方向に関係なく対応することができる。
次に、図3を参照しながら、移乗支援機器1の構造について説明する。図3は本発明の実施の形態1における移乗支援機器1の要部の構造を示す斜視図である。
移乗支援機器1は、移載具5、昇降部6、台車部7、アーム部8、制御部9および入力部10を備えている。
昇降部6、台車部7、アーム部8および制御部9は、本体部11に収容されている。
移載具5は、移載時には本体部11から分離され、載置具4に載置された被介護者2と載置具4の載置面の間に挿入され、被介護者2の身体全体を移載具5の移載面51上に載せ移す目的で配設されている。
移載具5は、移乗する被介護者2の体幹方向を長辺、体側方向を短辺として、被介護者2の体全体を搭載可能な略長方形上の移載面51を備える。
移載具5は、移載具5の長辺方向についての中心部である移載具中心部50より、長辺方向両側に向けて対称となるように移載具要素52に7分割されている。
7つの移載具要素52は、移載具中心部50に位置する第1センターユニット521を中心に、長辺方向両側に夫々対称に外側に向かって第2センターユニット522、第1サイドユニット523、第2サイドユニット524の順に連結され、移載具5全体を構成している。
隣接する移載具要素52同士は、移載具要素52間に設けられた屈曲連結部53により、移載具5の短辺方向を軸として回動可能に連結されている。また、夫々の屈曲連結部53には可動角範囲を制限するための回動角規制部54(不図示)が設けられているため、屈曲連結部53は可動角範囲内でのみ回転動作することができる。
なお、屈曲連結部53の回動角規制部54の可動角も移載具中心部50を中心に長辺方向について対称となる位置のものは同じ角度範囲となるように規制される屈曲連結部対をなす構成となっている。
すなわち、移載具5は、移載具中心部50について長辺方向両側方向に移載具要素52、屈曲連結部53、回動角規制部54が対称となり、ように配置されているため、移載具中心部50両側の移載具要素52は対称な形状で、対称な動作領域を持つようになっている。
次に、図4を参照しながら、移載具5の分割構成について説明する。図4は、移乗時のリクライニング車いす41のシート部410、移載具5、および被介護者2の体幹方向についての位置関係をあらわす側面図で、図4(a)は、被介護者2の臥位方向が紙面に向かって右側に頭がある場合、図4(b)は、被介護者2の臥位方向が紙面に向かって左側に頭がある場合を示す。
移載具5の各屈曲連結部53の位置は、移乗対象となるリクライニング車いす41のシ
ート部410に被介護者2を適正に載せた状態での被介護者2の大転子近傍の腰部関節回転軸部21と移載具5の移載具中心部50の体幹方向の位置を合わせたときの、シート部410の背部シート412、臀部シート411、脚部シート413に対応する分割部および頭部に対応するヘッドレスト部414の分割部または枕部(不図示)の突起部の合計3つのシート屈曲部415の位置に対応するように設けられている。
ート部410に被介護者2を適正に載せた状態での被介護者2の大転子近傍の腰部関節回転軸部21と移載具5の移載具中心部50の体幹方向の位置を合わせたときの、シート部410の背部シート412、臀部シート411、脚部シート413に対応する分割部および頭部に対応するヘッドレスト部414の分割部または枕部(不図示)の突起部の合計3つのシート屈曲部415の位置に対応するように設けられている。
すなわち、屈曲連結部53aは、臀部シート411と背部シート412間のシート屈曲部415a近傍、屈曲連結部53bは、臀部シート411と脚部シート413間のシート屈曲部415b近傍、屈曲連結部53cは、ヘッドレスト部414と背部シート412間のシート屈曲部415c近傍に設けられる。
この際、移載具5は移載具中心部50について長辺方向に対称構造であるので、各屈曲連結部53はその対称位置にも設けられている。
移載具5をこのような構成とすることにより、床面が水平な介護ベッド42に対しても、シート面に起伏があるリクライニング車いす41に対しても、移載面51を倣わせることができるので、何れの載置具4に載置された被介護者2に対しても移載具5をスムーズに挿入することが可能となり、被介護者2の体に負担の少ない移乗を行うことができる。また、移載具5は、被介護者2の腰部関節回転軸部21に対応する移載具中心部50を中心に体幹方向に対称構造としているため、移載具5はリクライニング車いす41と移載具5の位置関係は図4(a)のような場合のほか、図4(b)のような位置関係に対しても同様に対応することができる。
したがって、移載具5に対する介護ベッド42やリクライニング車いす41の頭足の向きが何れであっても、移載支援機器1は柔軟に対応できるため、例えば介護施設などで複数の被介護者にたいして移乗支援機器1を利用する場合、居室における介護ベッドの配置や、移乗時の車いすの向きを自由に配置できるので便利である。
また、本実施の形態1では、移乗時に介護ベッド5の床面が水平である状態での説明を行ったが、介護ベッド5は水平である必要は無く、背上げや足上げ状態であってもリクライニング車いす41と同様に移載具5を床面に倣わせて移乗させることができる。
また、移載具5の各屈曲連結部53の位置は、被介護者2の体幹方向について被介護者2の腰部関節回転軸部21と移載具中心部50を一致させた場合の被介護者2の頚部関節22、膝関節23に相当する部位(図4(b)53c、53b)に設けてもよい。このような位置に屈曲連結部53を設けることにより、移乗時、介護者3は被介護者2の腰部関節近傍に移載具5の移載具中心部50を位置合せすればよく、このとき、移載具5の屈曲連結部53は、被介護者2の頚部関節22、膝関節23等で回動または屈曲して、被介護者2の体幹の屈曲に沿った移載具形状が形成でき、移載具5挿入時の身体的負担を軽減できる。
次に、図5を参照しながら、移載具要素52の詳細な構成について説明する。
図5は本発明の実施の形態1における移乗支援機器1の移載具要素52の構造を示す。図5(a)は移載具要素52の上面図、図5(b)は移載具要素52の側面図を示す。
夫々の移載具要素52は、枠体20、上ベルト部21、下ベルト部22を備えている。
夫々の移載具要素52は、枠体20、上ベルト部21、下ベルト部22を備えている。
枠体20は、上ベルト部21と下ベルト部22を支持し、隣接する他の移載具要素52と接続するための屈曲連結部53、回動角規制部54が側面に設けられている。
上ベルト部21は、載置具4と載置具4上の被介護者2の間に進入し、被介護者2を移載具5上に載せ移したり、被介護者2を載置具4上に降ろすために利用される。
上ベルト部21は、駆動ローラ210と、ガイドローラ211と、無端ベルト部212とを備えている。
上ベルト部21は、駆動ローラ210と、ガイドローラ211と、無端ベルト部212とを備えている。
無端ベルト212は、移載面51の挿入方向両端に設けられた駆動ローラ210と、ガイドローラ211に巻掛けられている。テンションローラ(不図示)が、駆動ローラ210近傍に設けられ、無端ベルト212を外側から所定の力で押し付けて無端ベルト212の緩みや伸びを吸収し、常に張力がかかるようになっている。
駆動ローラ210は、モータ等の駆動源(不図示)により回動駆動され、無端ベルト212を摩擦駆動する。無端ベルト212と接触する駆動ローラ210の表面部は、ウレタンゴムなどの摩擦係数の高い材料により形成されており、無端ベルト212と駆動ローラ210間の滑りを抑えて、負荷駆動力を高める構成をとっている。
ガイドローラ211は両端部を転がりまたは滑り軸受けで支持されており、無端ベルト212の動作に従い回動するようになっている。
下ベルト部22は、載置具4上を移動するために用いられるもので、構成は上ベルト部21と同様である。
下ベルト部22は、載置具4上を移動するために用いられるもので、構成は上ベルト部21と同様である。
なお、上ベルト部21、下ベルト部22の無端ベルトの駆動は摩擦駆動に限られるものではなく、スプロケットや歯付きプーリ等を用いた噛合い駆動としてもよい。
また、回動角規制部54の各々は、夫々の屈曲連結部53の可動領域を、被介護者2の頚部関節22、膝関節23の可動領域に合わせ設定することができる。このようにすることにより、屈曲連結部53の屈曲角度が移載具5の移載面51に載置されている被介護者2の首、腰、膝等の各関節の可動範囲内でのみ動作するので、介護者3が操作を誤っても、被介護者2の身体に過大な負担を与えることは無い。
さらに、屈曲連結部53は、回動角規制部54により規制された角度範囲内において、外力により自由に回動できる構造としてもよい。このように構成する事により、移載具5が被介護者2の背面に挿入されるときに、各移載具要素52が被介護者2の部位毎への接触状態に応じて隣接する屈曲連結部53を回動させ自在に傾斜して、被介護者2の体形に倣って体との接触面積が広くなるため、移載具要素52が被介護者2に及ぼす圧力が低減されて、被介護者2への移載具5作用時における身体的負担を軽減することができる。
次に図6を参照しながら、本体部11について説明する。図6は、移乗支援機器1の要部の構造を示す側面図であり、図6(a)は、移載時の状態を示す図、図6(b)は、収納時の状態を示す図である。
本体部11は、第1センターユニット521、第2センターユニット522の3つの移載具要素52の下面を下側から支持する移載具支持面54を備える。
昇降部6は、本体部11内に設けられており、手動または、電動モータや油圧等による駆動源(不図示)の動作により移載具支持面54を上下移動させ、本体部11上面に配設された移載具5の高さ調整を行う。
昇降部6は、本体部11内に設けられており、手動または、電動モータや油圧等による駆動源(不図示)の動作により移載具支持面54を上下移動させ、本体部11上面に配設された移載具5の高さ調整を行う。
アーム部8は、本体部11の両側部(移載具5の長辺方向)に設けられており、本体部11の側部上方にアーム回動部81を有し、本体側部外側に伸びるアーム82を、本体部11に収納されたリニアアクチュエータなどの駆動源(不図示)によりアーム回動部81を中心に回転させる構成をとる。
アーム82先端部は、第1サイドユニット523の下面に当接しており、アーム82先端部が回動動作により、移載具支持面54より上方に移動するときは、屈曲連結部53aを回転中心として第2センターユニット522、第1サイドユニット523,第2サイドユニット524が一体となって回動する。また、アーム82先端部が移載具支持面54より下方に移動するときは、屈曲連結部53bを回転中心として第1サイドユニット523,第2サイドユニット524が一体となって回動する。この際、第1サイドユニット523、第2サイドユニット524は、屈曲連結部53cに備えたラチェット構造(不図示)などにより角度が保持されるようになっている。
このような構成とする事により、移載支援機器1は収納時や移動時にはアーム82を移載具支持面54より下方に約90°回転させることにより、屈曲連結部53bが回動し、移載具5の第1サイドユニット523、第2サイドユニット524を図6(b)のように折りたたんで、コンパクトすることができるため、利便性が高まる。
台車部7は、本体部11の最下部に設けられており、4輪のキャスターや動力付の駆動輪等71からなる。
移乗支援機器1は、台車部7を介して床面と接しており、キャスターや駆動輪71等の転動により床面を自在に移動するものである。
制御部9は、本体部11の中に設けられており、各部に設けられたセンサ(不図示)からの信号や、操作者としての介護者3より入力される入力部10からの操作信号を統合的に処理して、移載具5、昇降部6、アーム部8、台車部7の駆動源を連携動作させて、一連の移乗作業を制御すると共に、移乗支援機器1全体の不具合の監視、統括・管理する。入力部10は、介護者3が移乗支援機器1を操作するための指示情報を入力するためのものである。この指示情報は制御部9に伝達され、制御部9はこの指示情報を利用して上記した各駆動部分を制御する。
入力部14には、移動方向、移動速度、操作指示の切り換えなどの操作入力が可能な力センサ、ジョイスティック、レバー、プッシュスイッチ、タッチパネルなどの公知の入力デバイスを用いることができる。介護者3は、入力部10を操作することにより、移乗支援機器1を操縦することができる。なお、入力部10に、入力操作を補助するための報知部または表示部をさらに備えてもよい。
次に、図7を参照しながら、移乗支援機器1の動作について説明する。図7は本発明の実施の形態1における移乗支援機器1の動作を説明するためのフローチャートである。以下、移乗支援機器1が、載置具4上に載置されている被介護者2を掬い上げて移乗させる場合の、介護者3の操作手順と移乗支援機器1の動作について説明する。
まず、介護者3は、移乗支援機器1を被介護者2が横たわっている載置具41の側面に近づけるため、入力部10に入力し操作指示を行う(S1)。この入力に基づいて、制御部9は、モータ駆動部を制御して駆動輪71を駆動させ、移乗支援機器1を載置具4の側面に近づける(S2)。
次に、介護者3は、入力部10を操作して(S3)載置具4上面と移載具下面の高さが略同じになり接触するように移載具5の高さを調整し(S4)、さらに載置具4の載置面と移載具5が平行となるように入力指示を行い(S5)、移載具5の各移載具要素52が対応する載置具4の座面や床面に夫々平行状態となるように角度が調整される。(S6)
この際、移載具5の高さ調整、および角度調整は夫々、入力部14の信号に基づいて、
制御部9が動力駆動部を制御し、昇降部6、アーム部8の駆動源を動作させる。
この際、移載具5の高さ調整、および角度調整は夫々、入力部14の信号に基づいて、
制御部9が動力駆動部を制御し、昇降部6、アーム部8の駆動源を動作させる。
次に、移載具5の下面を載置具4の上面に接触させたまま、被介護者2と載置具4との間に移載具5を挿入するための指示を入力部10に入力する(S7)。これにより、介護者3は、移載具5の下面の傾きを維持した状態で被介護者2と載置具4との間に移載具5を挿入することができる。
このとき、制御部9は、上ベルト部21については無端ベルト212の上面が移載具5の挿入方向と反対方向となるように駆動ローラ210を駆動し、下ベルト部22については無端ベルト222の下面が移載具5の挿入方向と反対方向となるように駆動ローラ220を駆動することにより移載具5を挿入する(S9)。したがって、移載具5の挿入時には被介護者2と無端ベルト212との相対速度は略「0」となり、被介護者2の背中に接する無端ベルト212が被介護者2と擦れることがなく、また、同様に載置具4の上面と移載具5の下面が擦れることがなく、移載具5は円滑に挿入することができる。
そして、移載具5の挿入が完了すると、介護者3は、移載具5を移載支援機器1の本体部11へ戻すための指示情報を入力部14に入力する(S10)。制御部9は下ベルト部22の駆動ローラ220を挿入時と逆方向に回転させ、移載具5を本体上に移動させる(S11)。
次に、介護者3は、移乗支援機器1を移動先の載置具4に移動させるための指示情報を入力部10に入力する(S12)。この入力に基づいて、制御部9は動力駆動部を制御し、移動先となる他方側の載置具4の位置まで、移乗支援機器1を移動させる(S13)。
介護者3は、移乗支援機器1が移動先の載置具4に近づいたことを確認して、移載具5の下面の高さを移動先の載置具4の上面の高さに合わせるための指示情報を入力部14に入力する(S14)。
この入力に基づいて、制御部9は、昇降部6の駆動源を制御し、被介護者2を乗せた移載具5を他方側の載置具4の上面に位置合せする(S15)。
そして、介護者3は、載置具4の載置面と移載具5が平行となるように入力指示を行うと(S16)、制御部9が動力駆動部を制御し、アーム部8の駆動源を動作させて、移載具5の各移載具要素52が対応する載置具4の座面や床面に夫々平行状態となるように角度が調整される。(S17)
次に、介護者3は、移載具5を移載支援機器1の本体部11から他の載置具4に移動させるための指示情報を入力部14に入力する(S18)。制御部9は下ベルト部22の無端ベルト222の下面が移載具5の移動方向と反対方向となるように駆動ローラ220を駆動することにより移載具5を移動させる(S19)。
次に、介護者3は、移載具5を移載支援機器1の本体部11から他の載置具4に移動させるための指示情報を入力部14に入力する(S18)。制御部9は下ベルト部22の無端ベルト222の下面が移載具5の移動方向と反対方向となるように駆動ローラ220を駆動することにより移載具5を移動させる(S19)。
そして、移載具5の移動が完了すると、介護者3は、移載具5を被介護者2から引き抜き、移載支援機器1の本体部11へ戻すための指示情報を入力部14に入力する(S20)。制御部9は駆動ローラ210、220を挿入時と逆方向に回転させ、被介護者2を他の載置具4に残して移載具5を本体上に移動させる(S21)。
以上述べたように、本発明の実施の形態1における移乗支援機器1によれば、被介護者2と載置具4の載置面との間に移載具5を挿入するときに、リクライニング車いす41のように載置面が水平でない場合であっても、被介護者2と載置面との間に移載具5を挿入するに際し、移載具要素52の屈曲連結部53を回動させて、載置面の起伏に移載具5を倣わせ、載置面と各移載具要素52との間の倣い状態を形成し、維持することができる。
そして、移載具5は対称構造となっているために、移載具5を載置具4に横付けした場合に載置具4上の被介護者2の臥位方向(頭足の向き)が何れの方向であっても、移乗対象となるリクライニング車いす41等の載置具4に被介護者2を適正に載せた状態であれば被介護者2の大転子近傍の腰部関節回転軸部21と移載具5の移載具中心部50の位置合わせをおこなうことにより、載置面の起伏に対して適切に対応し、移載することができる。
そして、移載具5は対称構造となっているために、移載具5を載置具4に横付けした場合に載置具4上の被介護者2の臥位方向(頭足の向き)が何れの方向であっても、移乗対象となるリクライニング車いす41等の載置具4に被介護者2を適正に載せた状態であれば被介護者2の大転子近傍の腰部関節回転軸部21と移載具5の移載具中心部50の位置合わせをおこなうことにより、載置面の起伏に対して適切に対応し、移載することができる。
したがって、移載具5に対する介護ベッド42やリクライニング車いす41の頭足の向きが何れであっても、移載支援機器1は柔軟に対応できるため、例えば介護施設などで複数の被介護者に対して移乗支援機器1を利用する場合、居室における介護ベッドの配置や、移乗時の車いすの向きを自由に配置できるので便利である。これにより、汎用で高性能な移乗支援機器1を実現することができる。
なお、本実施の形態1では、移載具5を7つの移載具要素52に分割した例を示したが、分割数は7分割に限定されるものではない。
(実施の形態2)
次に、図8、図9を参照しながら、本発明の実施の形態2における移載具5について説明する。
次に、図8、図9を参照しながら、本発明の実施の形態2における移載具5について説明する。
図8は、本発明の実施の形態2における移載支援機器1の要部の構造を示す斜視図である。図9は、移乗時のリクライニング車いす41、移載具5、および被介護者2の体幹方向についての位置関係をあらわす側面図である。なお、実施の形態1における移乗支援機器1と同一の機能は同じ符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態1における移乗支援機器1の移載具5では、これを構成する移載具要素52間の連結を回動ヒンジにより構成された屈曲連結部53でおこない、屈曲連結部53の回動軸中心に移載具要素52が回動して、リクライニング車いす41の座面の傾斜に移載具要素52を倣わせる構成をとっていた。
本実施の形態2では、屈曲連結部53は、屈曲に加えて伸縮性を備える構造としたものとする。
図8に示すように、移乗支援機器1は、移載具5、昇降部6、台車部7、アーム部8、制御部9および入力部10を備えている。
昇降部6、台車部7、アーム部8および制御部9は、本体部11に収容されている。移載具5は、移載時には本体部11から分離され、載置具4に載置された被介護者2と載置具4の載置面の間に挿入され、被介護者2の身体全体を移載具5の移載面51上に載せ移す目的で配設されている。
移載具5は、移乗する被介護者2の体幹方向を長辺、体側方向を短辺として、被介護者2の体全体を搭載可能な略長方形上の移載面51を備える。
移載具5は、移載具5の長辺方向についての中心部である移載具中心部50より、長辺方向両側に向けて対称となるように移載具要素52に7分割されている。
7つの移載具要素52は、移載具中心部50に位置する第1センターユニット521を中心に、長辺方向両側に夫々対称に外側に向かって第2センターユニット522、第1サイドユニット523、第2サイドユニット524の順に連結され、移載具5全体を構成し
ている。
ている。
隣接する移載具要素52同士は、移載具要素52間に設けられた屈曲連結部53により、回動および伸縮可能に連結されている。また、夫々の屈曲連結部53には可動角、伸縮可能範囲を制限するための回動角・伸縮規制部(不図示)が設けられているため、屈曲連結部53は可動角、伸縮可能範囲内でのみ回動、伸縮動作することができる。
なお、屈曲連結部53の回動角・伸縮規制部の可動角、伸縮可能範囲も移載具中心部50を中心に長辺方向について対称となる位置のものは同じ範囲となるように規制される伸縮屈曲連結部対をなす構成となっている。
したがって、移載具5は、移載具中心部50について長辺方向両側方向に移載具要素52、屈曲連結部53、回動角・伸縮規制部が対称となるように配置されているため、移載具中心部50両側の移載具要素52は対称な形状で、対称な動作領域を持つようになっている。
屈曲連結部53は、移載具5の厚みより薄く可撓性、高い摺動性を有する樹脂材料により構成されており、屈曲動作はこの樹脂材料の曲げにより実現される。
また、屈曲連結部53を構成する樹脂材は、移載具要素52の側面に設けられたスリット部(不図示)を通じて移載具要素52の内部に収納できるようになっており、移載具5の動作や、必要に応じて手動または電動により、長辺方向に引き出されるようになっている。これにより、屈曲連結部53の屈曲および伸縮が行われる。
このように屈曲連結部53を構成することにより、本実施の形態2における移乗支援機器1は、被介護者2の身長の違いに合わせて、各移載具要素52間の屈曲連結部53の伸縮を行うことで、身体により適切にフィットさせることができるので、様々な身長の被介護者2に柔軟に対応可能となり、移載具5による被介護者2への身体的負担を大きく低減することができる。
また、屈曲連結部53は柔軟な樹脂で構成されているので、屈曲時に屈曲連結部53は滑らかに曲がるため、屈曲連結部53が被介護者2の身体に対して滑らかに広い面積で接触して、移載具5による被介護者2への身体的負担を大きく低減することができる。
なお、本実施の形態2では、屈曲連結部53を樹脂材料により構成し、回動、伸縮を行ったが、屈曲連結部53の回動、伸縮方式はこれに限定されるものではなく、例えば、回転ジョイントと伸縮スライダの組合せなどにより構成してもよい。
なお、本実施の形態2では、屈曲連結部53を樹脂材料により構成し、回動、伸縮を行ったが、屈曲連結部53の回動、伸縮方式はこれに限定されるものではなく、例えば、回転ジョイントと伸縮スライダの組合せなどにより構成してもよい。
また、本実施の形態2では、移載具5を7つの移載具要素52に分割した例を示したが、分割数は7分割に限定されるものではない。
1 移乗支援機器
2 被介護者
21 腰部関節回転軸部
3 介護者
4 載置具
5 移載具
50 移載具中心部
51 移載面
52 移載具要素
53 屈曲連結部
54 回動角規制部
6 昇降部
7 移動部
8 アーム部
9 制御部
10 入力部
11 本体部
20 枠体
21 上ベルト部
22 下ベルト部
2 被介護者
21 腰部関節回転軸部
3 介護者
4 載置具
5 移載具
50 移載具中心部
51 移載面
52 移載具要素
53 屈曲連結部
54 回動角規制部
6 昇降部
7 移動部
8 アーム部
9 制御部
10 入力部
11 本体部
20 枠体
21 上ベルト部
22 下ベルト部
Claims (9)
- 載置具の載置面と当該載置面に載置された人体との間に挿入され、前記人体を移載する移載具を備え、
前記移載具は、前記人体の体幹方向を長辺、体側方向を短辺とする前記人体全身を載置可能な略長方形状の移載面を有し、前記長辺方向についての中心部である移載具中心部より前記長辺方向両側に向けて対称な所定位置で少なくとも7以上の複数の移載具要素に分割にされ、隣接する前記移載具要素間には前記短辺方向を軸として回動または屈曲可能に連結される複数の屈曲連結部を備えることを特徴とする移乗支援機器。 - 前記複数の移載具要素を連結する前記屈曲連結部は、少なくとも体幹方向について前記人体の腰部関節と移載具中心部を一致させたときの、前記載置具の載置面の屈曲部に相当する部位であって、前記移載具中心部について長辺方向に対称に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の移乗支援機器。
- 前記複数の移載具要素を連結する前記屈曲連結部は、少なくとも体幹方向について前記人体の腰部関節と移載具中心部を一致させたときの、前記人体の関節部に相当する部位であって、前記移載具中心部について長辺方向に対称に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の移乗支援機器。
- 前記複数の屈曲連結部のうち、前記移載具中心部について前記長辺方向対称位置に配され対を成す屈曲連結部対を一対以上回動させ、当該屈曲連結部対の屈曲角を所定の収納角度で保持することにより前記移載具の収納状態を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の移乗支援機器。
- 前記移載具は、前記人体に作用時、少なくとも一以上の前記屈曲連結部が前記人体と前記各移載具要素の接触状態に応じて各々の屈曲連結部で定められた所定の可動角範囲内において自在に屈曲することを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の移乗支援機器。
- 前記各々の屈曲連結部の可動角は、前記移載具へ前記人体積載時に前記各々の屈曲連結部近傍の身体部位の関節可動域を超えないように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の移乗支援機器。
- 前記屈曲連結部対のうち少なくとも一対は、回動または屈曲に加え、前記長辺方向への伸縮を行う伸縮屈曲連結部対であることを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の移乗支援機器。
- 前記伸縮屈曲連結部対は、屈曲方向に可撓性を有する可撓部材により構成されることを特徴とする請求項7に記載の移乗支援機器。
- 前記移載具と、前記移載具の高さを調節するための昇降部と、前記移載具の下面に当接し、前記移載要素部を上方に押上げ屈曲連結部の角度調整、および角度保持を行うアーム部と、前記移載具を積載し、移動させるための台車部と、を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8に記載の移乗支援機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008152591A JP2009297121A (ja) | 2008-06-11 | 2008-06-11 | 移乗支援機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008152591A JP2009297121A (ja) | 2008-06-11 | 2008-06-11 | 移乗支援機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009297121A true JP2009297121A (ja) | 2009-12-24 |
Family
ID=41544663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008152591A Pending JP2009297121A (ja) | 2008-06-11 | 2008-06-11 | 移乗支援機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009297121A (ja) |
-
2008
- 2008-06-11 JP JP2008152591A patent/JP2009297121A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7748062B2 (en) | Body transfer system and method | |
US8214944B2 (en) | Patient lift and transfer device | |
US20120292883A1 (en) | Convertible wheelchairs with movable carriages for transferring patients to/from the wheelchairs | |
WO2006061606A9 (en) | System for turning a patient | |
US20240065908A1 (en) | Devices and methods for transferring an object | |
US8601619B2 (en) | Body transfer system with yaw control | |
JP4232181B2 (ja) | 人体移送装置 | |
JP2001104378A (ja) | 移載装置 | |
KR102076161B1 (ko) | 환자용 침대 | |
JP4415149B2 (ja) | 移乗支援機構、この移乗支援機構を備えた担架及びベッド | |
JP2009297121A (ja) | 移乗支援機器 | |
JP2004261435A (ja) | 介護ベッド | |
JP3575995B2 (ja) | ベッド装置及びベッド装置用テーブル板 | |
WO2011036494A1 (en) | Support pad for rotating sleep surface transfer system | |
JP3006428U (ja) | 介護用ベッド | |
JP2004057217A (ja) | 起床式ベッド装置及びマットレス | |
KR102194000B1 (ko) | 환자용 침대 | |
CN216222059U (zh) | 全自动化辅助康复移动装置 | |
US20220401278A1 (en) | Patient Turning Device | |
JP4960842B2 (ja) | 介護用の移乗介助装置 | |
JPH07213561A (ja) | 医療介護システムにおけるベッド及びこれと組み合わされる患者移送装置並びにこれらを連結する連結装置及び連動操作装置 | |
JPS62298330A (ja) | 介助装置 | |
JPH04124139U (ja) | ベツドにおける床部構造 | |
JP2016093272A (ja) | 介護用移送リフト | |
JP2005000578A (ja) | スライド式介護ベッド |