JP2009296958A - 高発現プロモーター - Google Patents

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Abstract

【課題】アスペルギルス・オリゼで目的遺伝子を高発現させることができる新規プロモーターを提供する。
【解決手段】以下の(a)又は(b)のDNAからなるプロモーター。(a)特定な配列からなる塩基配列の塩基番号1101〜1500の塩基配列を含む最大1500塩基のDNA。(b)(a)のDNAに相補的なDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつアスペルギルス・オリゼでプロモーターとして機能するDNA。
【選択図】図6

Description

本発明は、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)由来の新規な高発現プロモーター、このプロモーターを含む遺伝子発現カセット、形質転換体、タンパク質の製造方法、及び遺伝子の高発現方法に関する。
近年の遺伝子組換え技術の発展とともに、ヒトの有用タンパク質を大腸菌や酵母等を用いて生産できるようになってきた。しかし大腸菌を宿主としてヒトなどの真核生物由来の遺伝子を発現させる場合は、正常なプロセッシングが行われない、糖鎖が付与しないなどの難点がある。また酵母に異種タンパク質を分泌生産させる場合は、糖鎖は結合されるものの、その分泌量が非常に少ない。
そこで、高いタンパク質分泌能を持つ糸状菌が、真核生物のタンパク質発現の宿主として注目されている。中でも黄麹菌アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)は、清酒や味噌など醸造産業において長く使用されてきた実績から、異種遺伝子発現に積極的に利用されている。
タンパク質生産において重要となるのは、プロモーターの選択と、培養条件のコントロールであり、この双方を適切にすることにより、タンパク質の生産効率を向上させることができる。
本発明は、アスペルギルス・オリゼで目的遺伝子を高発現させることができるプロモーターを提供することを主な課題とする。
上記課題を解決するために本発明者は研究を重ね、以下の知見を得た。
(i) 配列番号1に示す1500塩基の塩基配列からなるDNAはアスペルギルス・オリゼにおいてプロモーターとして機能し、タンパク質をコードする遺伝子などの目的遺伝子を高発現させることができる。
(ii) 配列番号1の中でも塩基番号501〜1500の配列からなるDNAが特に高いプロモーター活性を示す。
(iii) プロモーター活性に必須のシス因子が配列番号1の塩基番号1101〜1400の領域に存在する。
本発明は上記知見に基づき完成されたものであり、下記のプロモーター、目的遺伝子発現カセット、形質転換体、タンパク質の製造方法、及び遺伝子の高発現方法を提供する。
項1. 以下の(a)又は(b)のDNAからなるプロモーター。
(a) 配列番号1において塩基番号1101〜1500の塩基配列を含む最大1500塩基のDNA
(b) (a)のDNAに相補的なDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつアスペルギルス・オリゼでプロモーターとして機能するDNA
項2. (a)が配列番号1において塩基番号801〜1500の塩基配列を含む最大1500塩基のDNAである項1に記載のプロモーター。
項3. (a)が配列番号1において塩基番号501〜1500の塩基配列を含む最大1500塩基のDNAである項1に記載のプロモーター。
項4. (a)が配列番号1において塩基番号501〜1500の塩基配列からなるDNAである項1に記載のプロモーター。
項5. (a)が配列番号1の塩基配列からなるDNAである項1に記載のプロモーター。
項6. 項1〜5のいずれかに記載のプロモーターと、目的遺伝子と、アスペルギルス・オリゼで機能するターミネーターとを含む遺伝子発現カセット。
項7. 項6に記載の遺伝子発現カセットを導入したアスペルギルス属糸状菌形質転換体。
項8. 目的遺伝子がタンパク質をコードする遺伝子であり、項7に記載の形質転換体を培養する工程と、導入した遺伝子がコードするタンパク質を培養物から回収する工程とを含むタンパク質の製造方法。
項9. 項7に記載の形質転換体を培養する工程を含む目的遺伝子の高発現方法。
本発明のプロモーターは、アスペルギルス・オリゼを含むアスペルギルス属糸状菌においてプロモーターとして機能し、タンパク質をコードする遺伝子などの目的遺伝子を高発現させる。本プロモーターは特に固体培養に適しており、固体培養でのタンパク質生産に通常用いられるamyAプロモーターより著しく優れた遺伝子発現能を示す。また、液体培養でも、富栄養培地を用いれば、液体培養高発現プロモーターとして知られるsodMプロモーターと同等の遺伝子発現能を示す。
このため、目的遺伝子としてタンパク質をコードする遺伝子を用いる場合は、固体培養や液体富栄養培地を用いた培養において、高いタンパク質生産能を示す。また、目的遺伝子として、特定遺伝子の発現を抑制する目的で当該特定遺伝子の部分配列を使用する場合には、当該特定遺伝子の発現を効率よく抑えることができる。また、目的遺伝子として、細胞内に存在するRNAの秩序を混乱させる目的でノンコーディングRNAやマイクロRNAなどをコードする遺伝子を使用することにより、RNA秩序を効率よく混乱させることができ、種々の効果を期待できる。
本発明のプロモーターは、溶血毒タンパクであるヘモリシンと相同性の高いタンパク質のプロモーターであるため、糖加水分解酵素のプロモーターで見られるような、グルコースなどの糖加水分解物による発現抑制がないと考えられる。このため、これまで固体培養高発現プロモーターとして一般に利用されているamyAプロモーターやglaBプロモーターに代えて、糖加水分解酵素の生産に好適に用いることができる。
発明の詳細な説明
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)高発現プロモーター
本発明のプロモーターは、配列番号1において塩基番号1101〜1500の塩基配列を含む最大1500塩基のDNAである。塩基番号1101〜1400の領域にはプロモーター活性発現に必須のシス因子が存在し、本プロモーターにおいて塩基番号1101〜1400の領域は必須である。配列番号1において、塩基番号1101〜1500を超えて、塩基番号501までの範囲で長くなるほどプロモーター活性は高くなる。本プロモーターは、配列番号1において、塩基番号801〜1500の領域を含むことが好ましく、塩基番号501〜1500の領域を含むことがより好ましい。塩基番号501〜1500の塩基配列からなるDNAが最も高いプロモーター活性を示す。
また、本発明のプロモーターには、上記説明した配列番号1の全部又は一部の塩基配列からなる各DNAに相補的なDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAであって、少なくともアスペルギルス・オリゼでプロモーターとして機能するDNAも含まれる。
ここで、ストリンジェントな条件とは、90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上、さらにより好ましくは98%以上の相同性が配列間に存在するときにハイブリダイゼーションが起こることを意味する。通常、完全ハイブリッドの融解温度(Tm)より約5〜30℃、好ましくは約10〜25℃、より好ましくは、約15〜20℃低い温度でハイブリダイゼーションが起こる場合をいう。ストリンジェントな条件については、J.Sambrookら,Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Second edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989),特に11.45節”Conditions for Hybridization of Oligonucleotide Probes”に記載されており、ここに記載の条件を使用し得る。
本発明において、塩基配列間の相同性は、計算ソフトGENETYXを用いて計算した値である。
本発明において、「プロモーター活性を有する」とは、少なくとも、アスペルギルス・オリゼ由来のエンドグルカナーゼ遺伝子celAをアスペルギルス・オリゼの小麦フスマ固体培養で発現させ得ることをいう。コムギフスマ培養の条件としては、例えば、アスペルギルス・オリゼOSI1013株を用いた、温度37℃、散水率60%、時間64時間の培養条件が挙げられる。
上記説明した配列番号1の全部又は一部の塩基配列からなる各DNAに相補的なDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAには、例えば、アスペルギルス・オリゼ以外の糸状菌由来のヘモリシンプロモーターの全部又は一部が含まれる。
(2)遺伝子発現カセット
本発明の遺伝子発現カセットには、上記説明した本発明のプロモーター、目的遺伝子、及びアスペルギルス・オリゼで機能するターミネーターが含まれる。通常、プロモーター、目的遺伝子、ターミネーターは5’末端側からこの順でカセット内に含まれる。
目的遺伝子として、代表的にはタンパク質をコードする遺伝子が挙げられる。構造遺伝子は特に限定されず、アスペルギルス・オリゼなどのアスペルギルス属糸状菌を用いて生産できるタンパク質をコードする遺伝子であればよい。このような遺伝子として、例えばフィターゼ、リアーゼ、ペクチナーゼのようなペクチン分解酵素、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、α-アラビノフラノシダーゼ、β-キシロシダーゼ、マンノシダーゼ、イソメラーゼ、インベルターゼ、トランスフェラーゼ、リボヌクレアーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、キチナーゼ、カタラーゼ、ラッカーゼ、フェノールオキシダーゼ、チロシナーゼ、オキシダーゼ、オキシドレダクターゼ、セルラーゼ(エンドグルカナーゼ、セロビオヒドラーゼ)、キシラナーゼ、ペルオキシダーゼ、リパーゼ、ヒドロラーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、プロテアーゼのようなタンパク質分解酵素、アミノペプチダーゼ、及びカルボキシペプチダーゼなどが挙げられる。また、酵素以外のタンパク質としてレクチン、カルモジュリン、トランスフェリンや各種転写因子をコードする遺伝子なども挙げられる。
また、目的遺伝子としては、siRNAにより特定遺伝子の発現を抑制する目的で、その特定遺伝子の部分配列を用いることもできる。また、目的遺伝子としては、細胞内に存在するRNAの秩序を混乱させる目的でノンコーディングRNAやマイクロRNAをコードする遺伝子を用いてもよい。
中でも、タンパク質をコードする遺伝子が好ましく、糖質加水分解酵素の構造遺伝子がより好ましい。糖質加水分解酵素の構造遺伝子を含む遺伝子発現カセットを導入した形質転換体を、バイオマス存在下で固体培養することにより、分解産物による発現抑制を回避して効率よくバイオマスを分解させることができる。
目的遺伝子の由来は問わないが、配列番号1の全部又は一部の塩基配列で構成されるプロモーターを用いる場合は、同じアスペルギルス・オリゼ由来の構造遺伝子を用いてセルフクローニング株を作製するのが好ましい。
上記のタンパク質をコードする遺伝子は、例えば、麹菌ESTデータベース(http://www.nrib.go.jp/ken/EST/db/blast.html)を検索する方法で容易に入手できる。
ターミネーターは、少なくともアスペルギルス・オリゼで機能するターミネーターであればよく、制限なく使用することができる。このようなターミネーターとして、例えば、グルコアミラーゼglaBターミネーター(Gene. 207, 127-134,(1998)、特開2000-245465)、amyA(α-アミラーゼ)ターミネーター、celA(セルラーゼA)ターミネーター等が挙げられる。
遺伝子発現カセットにおいて、プロモーターの上流には任意の塩基配列が付加していてもよい。この任意の塩基配列は、約500塩基以下が好ましく、約200塩基以下がより好ましく、約100塩基以下がさらにより好ましい。付加された塩基配列とプロモーターとを含めて、通常、最大2000塩基程度まで許容される。プロモーターと構造遺伝子との間にも、約30塩基以下、好ましくは約10塩基以下、より好ましくは約6塩基以下の任意の塩基配列が存在していてもよい。構造遺伝子とターミネーターとの間にも、約30塩基以下、好ましくは約10塩基以下、より好ましくは約6塩基以下の任意の塩基配列が存在していてもよい。これらの任意の配列は、セルフクローニングを行う場合は当該生物種に由来する配列であればよい。
また、構造遺伝子にコードされる目的タンパク質が菌体内タンパク質として生産されるものである場合は、目的遺伝子のオープンリーディングフレームに隣接して上流に分泌タンパク質遺伝子を配置することにより、目的タンパク質とその分泌タンパク質との融合タンパク質として菌体外に分泌させることができる。
本発明のプロモーターによる目的遺伝子発現の妨げにならない範囲で、マーカー遺伝子が、遺伝子発現カセット中の任意の位置に存在していてよい。或いは、コトランスフォーメーションを行う場合は、別途用意するフラグメントあるいはプラスミド中の任意の場所にマーカー遺伝子が存在していれば良い。
マーカー遺伝子は、宿主となるアスペルギルス属糸状菌で発現できるものであればよい。例えば、
niaD(Biosci.Biotechnol.Biochem.,59,1795-1797(1995))、argB (Enzyme Microbiol Technol, 6, 386-389, (1984)), sC (Gene,84,329-334, (1989))、ptrA (Biosci Biotechnol Biochem,64,1416-1421, (2000))、pyrG (Biochem Biophys Res Commun, 112, 284-289, (1983)), amdS (Gene, 26, 205-221,(1983))、オーレオバシジン耐性遺伝子 (Mol Gen Genet, 261, 290-296,(1999))、ベノミル耐性遺伝子 (Proc Natl Acad Sci USA, 83,4869-4873,(1986))及びハイグロマイシン耐性遺伝子 (Gene, 57, 21-26,(1987))、イソプロピルリンゴ酸シンターゼ遺伝子leuA(Acta Microbiol Pol., 29, 29-33, (1980))等を使用できる。中でも、復帰変異による要求性の喪失が少なく、薬剤耐性遺伝子よりもバックグラウンドが少ない点で、leuA、pyrGやargBが好ましい。
遺伝子発現カセットは全体として、約15,000塩基以下の大きさであればよい。
(3)形質転換体
本発明の形質転換体は、上記説明した本発明の遺伝子発現カセットを導入したアスペルギルス属糸状菌である。
宿主としては、例えば、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usamii)、アスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)、アスペルギルス・ニドランス(Aspergillus nidulans)などが挙げられる。中でも、アスペルギルス・オリゼ、アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・カワチ、アスペルギルス・ウサミ、アスペルギルス・ソーヤなどが食品産業において有用な菌種である。高いタンパク質生産能及び醸造微生物としての安全性の点で、特にアスペルギルス・オリゼを宿主とすることが好ましい。
形質転換株を容易に選択できるように、導入するマーカー遺伝子が変異した変異株を用いることが好ましい。
形質転換方法は、特に限定されず、PEG−カルシウム法、リン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、エレクトロポレーション法、リポフェクション法、マイクロインジェクション法などの公知の方法を採用できる。
(4)タンパク質の製造方法
目的遺伝子として、タンパク質をコードする遺伝子を用いた遺伝子発現カセットを導入した形質転換体を使用すれば、タンパク質を効率よく生産させることができる。このタンパク質の製造方法は、上記説明した本発明の形質転換体を培養する工程と、培養物から目的タンパク質を回収する工程とを含む方法である。
培養工程において、培地は、固体培地が好ましい。固体培地は、糸状菌の培養に使用される公知の固体培地を制限無く使用できる。固体培地はその固形の支持担体が栄養源を含むか、又は固形の支持担体に栄養源が添加されたものであり、そこに糸状菌が生育できる固形培地である。このような固体培地として主に、フスマ(小麦・米などの穀類由来)、デンプン粉末、米、小麦、大豆の生あるいは蒸したもの、Cz−DOXやポテトデキストロースやその他栄養源を含む寒天培地、更にはメンブレンや多孔質の人工物(例えば園芸に使われるバーミキュライト)等に栄養源を添加したもの等が挙げられる。特に、フスマ、デンプン粉末、米、小麦、大豆の生あるいは蒸したものが好ましい。
固体培養時の培養温度は、約30〜42℃が好ましく、約30〜37℃がより好ましい。散水率(固体培地中の水分含有量(重量%))は、約40〜80%が好ましく、約50〜70%がより好ましい。上記温度及び散水率の範囲であれば、本発明のプロモーター活性が一層高くなりタンパク質生産量が高くなる。また、撹拌できる培地であれば、約1〜4回/日の頻度で撹拌することにより培地の均一性を保つことができ、タンパク質生産効率が向上する。培養時間は、目的遺伝子の種類などによって異なるが、通常、約40〜72時間行えばよい。
また、本発明のプロモーターは液体培養においても高いタンパク質生産能を示す。液体培養には、デキストリン−ペプトン−酵母エキス(DPY)培地、ポテト−スクロース(PS)培地、オートミール培地、麦芽エキス培地などの富栄養培地を使用できる。
液体培養時の培養温度は、約30〜42℃が好ましく、約30〜37℃がより好ましい。培養時間は、目的遺伝子の種類などによって異なるが、通常、約40〜72時間行えばよい。
回収工程では、目的タンパク質が分泌タンパク質である場合、又は分泌タンパク質との融合タンパク質である場合は、培養上清を回収すればよい。固体培地の場合は固体培地自体を回収すればよい。また、目的タンパク質が細胞内に生産されるものである場合は、濾紙、ガラスフィルターなどで集菌し、通常は、液体窒素で凍結して粉砕したり、海砂Bですり潰したり、ポリトロンやホモジナイザー等を用いて菌体を破砕すればよい。破砕物に適切な抽出緩衝液(例えば20mMリン酸緩衝液pH7.0)を添加し、得られた破砕液を約5000〜12000×gで約5〜20分間遠心分離し、上清を回収すればよい。これにより目的タンパク質を回収できる。
さらに、これらの上清を、公知のタンパク質精製方法、例えばイオン交換、疎水、ゲルろ過、アフィニティなどの各種クロマトグラフィーに供することにより目的タンパク質を精製してもよい。
(5)遺伝子の高発現方法
本発明の形質転換体を培養することにより、目的遺伝子の種類を問わず、当該遺伝子を高発現させることができる。培養条件は、タンパク質の生産方法について説明したのと同様である。例えば、目的遺伝子として特定遺伝子の部分配列を含む遺伝子発現カセットを導入した形質転換体を培養することにより、この部分配列が高発現して直接又は間接的にsiRNAが生成し、特定遺伝子の発現が抑制された培養物が得られる。
以下、実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されない。
実施例1(各種プロモーターのエンドグルカナーゼ発現能の比較)
(1)プロモーターの取得
常法に従って、アスペルギルス・オリゼの機能未知遺伝子(AO090010000018;hly)の上流の1500塩基からなる領域の配列を新規プロモーター候補として取得した。新規プロモーター候補は、Aspergillus nidulansの機能未知遺伝子やAspergillus fumigatusの溶血毒ヘモリシン遺伝子と相同性の高い遺伝子の上流領域である。取得したプロモーター候補の塩基配列を配列番号1に示す。
また、アスペルギルス・オリゼ由来の5種の公知のプロモーターも取得した。公知プロモーターのうち、グルコアミラーゼ遺伝子(glaB)プロモーターの塩基配列を配列番号2に示し、クルシフォーム結合タンパク質のプロモーター(特開2002-320477)の塩基配列を配列番号3に示し、ペプチジルプロリルシストランスイソメラーゼ遺伝子プロモーター(特開2002-320477)の塩基配列を配列番号4に示し、small v ATPase遺伝子プロモーター(特許第3792467号)の塩基配列を配列番号5に示し、ヒストンH2Aプロモーター(特許第3792467号)の塩基配列を配列番号6に示す。
また、アスペルギルス・オリゼの、ユビキチン遺伝子に相同性が高い遺伝子(AO090003001182;ubq)の上流1500塩基からなる領域(配列番号7)、及びアスペルギルス・オリゼの、リンゴ酸脱水素酵素遺伝子に相同性が高い遺伝子(AO090701000013;mdh)の上流1000塩基の領域(配列番号8)もプロモーター候補として取得した。
これらのプロモーター及びプロモーター候補は、下記に示す各プライマーセットを用いて、麹菌Aspergillus oryzae OSI1013(月桂冠株式会社保有)のゲノムDNAを鋳型としてPCRを行うことにより取得した。
機能未知遺伝子プロモーター候補:
pUC19-Phly-S1
5’-gaccatgattacgccTGAGTGAAGTTCCGGTCGGAGCAATCAGGG-3’
(配列番号9)
celA-Phly-A1
5’-caatgagagcttcatGGTGTTGTGGTGTGAAGGGTGATTGATGTG-3’
(配列番号10)
グルコアミラーゼ(glaB)プロモーター:
pUC19-PglaB-S1
5’-gaccatgattacgccGCCACTAACACCCTGTGCAGAGAGTATCTA-3’
(配列番号11)
celA-PglaB-A1
5’-caatgagagcttcatGATGGTGGTGACTTCCAAGAAACAAGAAAT-3’
(配列番号12)
クルシフォーム結合タンパク質遺伝子プロモーター:
pUC19-Pcrub-S1
5’-gaccatgattacgccGCAAATGTAGCCAGCCACCTATCCATGGAT-3’
(配列番号13)
celA-Pcrub-A1
5’-caatgagagcttcatTGTGATGGTTGTTTGTGGTTGAAGTGGTTG-3’
(配列番号14)
ペプチジルプロリルシストランスイソメラーゼ遺伝子プロモーター:
pUC19-Pfkbp-S1
5’-gaccatgattacgccCCTTTTTGACCTTGGTGGTTGATAGAACGA-3’
(配列番号15)
celA-Pfkbp-A1
5’-caatgagagcttcatTTTGAGATGCTGAATCGGATAATCAATAAA-3’
(配列番号16)
small v ATPase遺伝子プロモーター:
pUC19-Phex1-S1
5’-gaccatgattacgccAGAACCGGGTCAATTCGCTTGCAATCAGCT-3’
(配列番号17)
celA-Phex1-A1
5’-caatgagagcttcatCTTGCGAGCAGGGGGATGATCAACTACAGT-3’
(配列番号18)
ヒストンH2A遺伝子プロモーター:
pUC19-PH2A-S1
5’-gaccatgattacgccTTCTTCTCACAGCCTGGGTGCCATTTTTGA-3’
(配列番号19)
celA-PH2A-A1
5’-caatgagagcttcatTTTTGCGATTGGGAATGGTTCGACAGAAGT-3’
(配列番号20)
ユビキチン遺伝子プロモーター候補:
pUC19-Pubq-S1
5’-gaccatgattacgccACTAGTCCCGAATGGGGTGCCCGACGGTCT-3’
(配列番号21)
celA-Pubq-A1
5’-caatgagagcttcatGATGACGACGGTGAAAGTATTTCAGTTGTA-3’
(配列番号22)
リンゴ酸脱水素酵素遺伝子プロモーター候補:
pUC19-Pmdh-S1
5’-gaccatgattacgccGACGAAAGGTTTTGGGAGGATAAGCAAGCT-3’
(配列番号23)
celA-Pmdh-A1
5’-caatgagagcttcatGATGGACGAGATTCTCGAATCAAACAATTG-3’
(配列番号24)
(2)celA発現カセット取得用のプラスミドの構築
前述した各種プロモーター(候補)及びglaBターミネーターと連結したcelA発現カセットを取得するために、下記に示す各プライマーと、プライマーTglaB-celA-A1:
5’-cactggaaagtacatTTAGTTGACACTGGCAGTCCAGTTGGGAAC-3’ (配列番号25)とのプライマーセットを用いて、麹菌Aspergillus oryzae OSI1013(月桂冠株式会社保有)のゲノムDNAを鋳型としてPCRにより、アスペルギルス・オリゼのエンドグルカナーゼ遺伝子(celA)を取得した。celA遺伝子の塩基配列を配列番号26に示す。
機能未知遺伝子プロモーター候補連結用プライマー:
Phly-celA-S1
5’-tcacaccacaacaccATGAAGCTCTCATTGGCACTTGCTACGCTC-3’
(配列番号27)
glaBプロモーター連結用プライマー:
PglaB-celA-S1:5’-gaagtcaccaccatcATGAAGCTCTCATTGGCACTTGCTACGCTC-3’ (配列番号28)
クルシフォーム結合タンパク質遺伝子プロモーター連結用プライマー:
Pcrub-celA-S1
5’-caaacaaccatcacaATGAAGCTCTCATTGGCACTTGCTACGCTC-3’
(配列番号29)
ペプチジルプロリルシストランスイソメラーゼ遺伝子プロモーター連結用プライマー:
Pfkbp-celA-S1
5’-attcagcatctcaaaATGAAGCTCTCATTGGCACTTGCTACGCTC-3’
(配列番号30)
small v ATPase遺伝子プロモーター連結用プライマー:
Phex1-celA-S1
5’-ccccctgctcgcaagATGAAGCTCTCATTGGCACTTGCTACGCTC-3’
(配列番号31)
ヒストンH2A遺伝子プロモーター連結用プライマー:
PH2A-celA-S1
5’-ttcccaatcgcaaaaATGAAGCTCTCATTGGCACTTGCTACGCTC-3’
(配列番号32)
ユビキチン遺伝子プロモーター候補連結用プライマー:
Pubq-celA-S1
5’-ttcaccgtcgtcatcATGAAGCTCTCATTGGCACTTGCTACGCTC-3’
(配列番号33)
リンゴ酸脱水素酵素遺伝子プロモーター候補連結用プライマー:
Pmdh-celA-S1
5’-agaatctcgtccatcATGAAGCTCTCATTGGCACTTGCTACGCTC-3’
(配列番号34)
また、glaBターミネーターを、プライマーcelA-TglaB-S1:
5’-gccagtgtcaactaaATGTACTTTCCAGTGCGTGTAGTCTACTCT-3’ (配列番号35)と、pUC19-TglaB-A1:
5’-aaaacgacggccagtATCGGCTGAAGTTAGGAGCGGCCATTGTCT-3’ (配列番号36)とのプライマーセットを用いて、麹菌Aspergillus oryzae OSI1013(月桂冠株式会社保有)のゲノムDNAを鋳型としてPCRを行うことにより取得した。glaBターミネーターの塩基配列を配列番号37に示す。
以上のPCRは、全て、98℃/10秒−55℃/5秒−72℃/1分30秒のサイクルを30回繰り返した。
ここで、各プロモーター(候補)の5’末端、およびglaBターミネーターの3’末端には、後のpUC19への挿入のために、pUC19のマルチクローニングサイトの両端の部分15 bpsずつと相同な配列を付与するようなプライマーを使用している。また、各プロモーター(候補)とcelA遺伝子、celA遺伝子とglaBターミネーターとをover lap PCRにより連結することを目的として、それぞれのPCR増幅断片の末端に、連結させる断片の末端15 bpsと相同な配列を付与している。各プライマーの配列において、それぞれを連結するために付与した配列は小文字で記載してある。
得られたPCR産物を電気泳動後、目的のサイズを切り出し、スピンカラム(プロメガ製、Wizard(R) SV Gel and PCR Clean-Up System)により精製した。
各プロモーター(候補)、celA遺伝子およびglaBターミネーターの3個のPCR増幅産物を鋳型として、各プロモーター(候補)の5’末端およびglaBターミネーターの3’末端にアニールするプライマーを用いてover lap PCRを行い、celA発現カセットを増幅した。PCRの条件としては、98℃/10秒−55℃/5秒−72℃/4分のサイクルを30回繰り返した。得られたPCR産物を電気泳動後目的のサイズを切り出し、スピンカラム(プロメガ製、Wizard(R) SV Gel and PCR Clean-Up System)およびエタノール沈殿により精製した。
次に、pUC19を鋳型として、pUC19-S1:
5’-ACTGGCCGTCGTTTTACAACGTCGT-3’ (配列番号38)及びpUC19-A1:5’-GGCGTAATCATGGTCATAGCTGTTT-3’ (配列番号39)の2つのプライマーを用いてPCRを行った。PCRの条件としては、98℃/10秒−55℃/5秒−72℃/2分30秒のサイクルを30回繰り返した。得られたPCR産物を電気泳動後、目的のサイズを切り出し、スピンカラム(プロメガ社製、Wizard(R) SV Gel and PCR Clean-Up System)およびエタノール沈殿により精製した。
こうして得られたcelA発現カセットおよびpUC19のPCR増幅産物をIn-Fusion CF Liquid PCR Cloning Kit(クロンテック社製)を用いて融合し、celA発現用の8種のプラスミドを得た。
(2)形質転換
得られたプラスミドの発現カセット、及びleuA遺伝子発現カセットを、常法に従い、アスペルギルス・オリゼOSI1013株のロイシン要求性変異株(特開2006-345817号公報参照)へ導入した。
leuA遺伝子発現カセットは、Aspergillus nidulansのゲノムDNAを含むpANLAプラスミド(特開2006-345817号公報参照)を鋳型として、M13 Primer P7:5’-CGCCAGGGTTTTCCCAGTCACGAC-3’ (配列番号40)およびM13 Primer P8:5’-AGCGGATAACAATTTCACACAGGAAAC-3’ (配列番号41)を用いてPCRにより増幅したものを用いた。
(3)エンドグルカナーゼ活性測定
AZCL-HE-Cellulose (Megazyme社製)含有のCzapek-Dox寒天培地(2% Maltose、0.2% NaNO3、0.1% K2HPO4、0.05% KCl、0.05% MgSO4・7H2O、0.001% FeSO4・7H2O、0.1% AZCL-HE-Cellulose、50 mM acetate-sodium acetate buffer (pH5.0)、1.5% Agar、0.1% Triton-X)に、上記のようにして得た形質転換株を植菌し、30℃で培養した。CelAによるAZCL-HE-Celluloseの分解により形成する青色のハロを確認し、エンドグルカナーゼ活性を有する形質転換株を4株ずつ選抜した。これらをPDA(potato dextrose agar、和光純薬製)寒天培地に植え、30℃で1〜2週間培養後、胞子懸濁液を作成し、これを5 gの小麦フスマへ4 ml(胞子数は5.0×108個)植菌した。これを1日に2回程度攪拌を行いながら30℃で64時間培養した。培養後、50 mlの0.5% NaCl含有10 mM 酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)を加え、30℃、120 rpmで30分間振とうすることで、分泌タンパク質を抽出し、得られた上清を用いてエンドグルカナーゼ活性測定およびSDS-PAGEを行った。
エンドグルカナーゼ活性は以下のようにして測定した。即ち、上記で得られたタンパク質抽出液を50 mMの酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)を用いて適当な濃度に希釈し、この希釈液0.2 mlに基質溶液(2% AZO-CM-Cellulose(Megazyme社)水溶液(pH5.0))を0.2 ml添加した。37℃で15分間反応させた後、反応停止液(2.4%酢酸ナトリウム、0.4%酢酸亜鉛、80%エタノール(pH5.0))1 mlを加え撹拌後、15000gで10分間遠心し、上清の590 nmにおける吸光度を測定した。1分間に590 nmにおける吸光度を1上昇させる活性を1Uとした。
SDS-PAGEについては、上記で得られたタンパク質抽出液15 μlに5 μlのサンプルバッファー(2ME+)(×4)(和光純薬製)を加え、5分間煮沸変性後、ゲルにアプライし、電気泳動を行った。電気泳動後のゲルはGelCode? Blue Stain Reagent(タカラバイオ社製)により染色した。
(4)結果
結果を図1に示す。図1のレーン1はglaBプロモーター、レーン2はクルシフォーム結合タンパク質プロモーター、レーン3はペプチジルプロリルシストランスイソメラーゼプロモーター、レーン4はsmall v ATPaseプロモーター、レーン5はヒストンH2Aプロモーター、レーン6はユビキチン遺伝子プロモーター候補、レーン7はリンゴ酸脱水素酵素遺伝子プロモーター候補、レーン8は機能未知遺伝子プロモーター候補を用いた場合の結果を示す。また、レーン9は、A.nidulans leuAのみ導入した場合の結果を示す。
図1のSDS-PAGEの結果から分るように、機能未知遺伝子のプロモーター候補を用いたレーン8で、celAタンパク質に相当する約30kDaのバンドが検出された。このことから、このプロモーター候補がプロモーターとして機能することが確認された。
また、このバンドは、レーン8の機能未知遺伝子の新規プロモーターを用いた場合が最も濃かった。さらに、タンパク質抽出液あたりのエンドグルカナーゼ活性は、この新規プロモーターを用いた場合が最も高かった。このことから、このプロモーターを用いた場合が最も多くのCelAを生産していることが明らかとなった。
機能未知遺伝子プロモーターによる種々の糖加水分解酵素遺伝子発現能の検討
(1)プラスミドの構築
実施例1と同様にして、新規機能未知遺伝子(hly)プロモーター(Phly)またはα-アミラーゼ(amyA)遺伝子プロモーター(PamyA)、種々のエンドグルカナーゼ遺伝子(Aspergillus oryzae由来celAおよびcelB、Trichoderma reesei由来EGLIおよびEGLII)、glaBターミネーター(TglaB)を連結した発現カセットをpUC19へクローニングし、それぞれのエンドグルカナーゼ発現用プラスミドを構築した。それぞれのエンドグルカナーゼ遺伝子発現カセットの構築方法は以下のとおりである。
Phly-celA-TglaB
実施例1において構築した。
PamyA-celA-TglaB
amyAプロモーターについてはpUC19-PamyA-S1:5’-gaccatgattacgccTACGCCTCCGGGTAGTAGACCGAGCAGCCG-3’(配列番号42)及びcelA-PamyA-A1:5’
-caatgagagcttcatAAATGCCTTCTGTGGGGTTTATTGTTCAGA-3’ (配列番号43)の2つのプライマーを用いて、celA遺伝子についてはPamyA-celA-S1:5’-ccacagaaggcatttATGAAGCTCTCATTGGCACTTGCTACGCTC-3’ (配列番号44)及びTglaB-celA-A1:実施例1に記載の2つのプライマーを用いて、麹菌Aspergillus oryzae OSI1013(月桂冠株式会社保有)のゲノムDNAを鋳型としてPCRを行った。また、glaBターミネーターについては実施例1と同様にして取得した。PCRの条件としては、98℃/10秒−55℃/5秒−72℃/1分30秒のサイクルを30回繰り返した。
実施例1と同様にして、得られたPCR産物からcelA発現プラスミドを構築した。amyAプロモーターの塩基配列を配列番号45に示す。
Phly-celB-TglaB
hlyプロモーターについてはpUC19-Phly-S1:実施例1に記載、及びcelB-Phly-A1:5’
-gagtgtccagatcatGGTGTTGTGGTGTGAAGGGTGATTGATGTG-3’ (配列番号46)の2つのプライマーを用いて、celB遺伝子についてはPhly-celB-S1:5’-tcacaccacaacaccATGATCTGGACACTCGCTCCCTTTGTGGCA-3’ (配列番号47)及びTglaB-celB-A1:5’
-cactggaaagtacatCTAATGCCTGTAGGTAGATCCAATATCTCC-3’ (配列番号48)の2つのプライマーを用いて、glaBターミネーターについてはcelB-TglaB-S1:5’
-acctacaggcattagATGTACTTTCCAGTGCGTGTAGTCTACTCT-3’ (配列番号49)及びpUC19-TglaB-A1:実施例1に記載の2つのプライマーを用いて、麹菌Aspergillus oryzae OSI1013(月桂冠株式会社保有)のゲノムDNAを鋳型としてPCRを行った。PCRの条件としては、98℃/10秒−55℃/5秒−72℃/1分30秒のサイクルを30回繰り返した。
実施例1と同様にして、得られたPCR産物からcelB発現プラスミドを構築した。celBの塩基配列を配列番号50に示す。
PamyA-celB-TglaB
amyAプロモーターについてはpUC19-PamyA-S1:上述したとおり、及びcelB-PamyA-A1:5’
-gagtgtccagatcatAAATGCCTTCTGTGGGGTTTATTGTTCAGA-3’ (配列番号51)の2つのプライマーを用いて、celB遺伝子についてはPamyA-celB-S1:5’-ccacagaaggcatttATGATCTGGACACTCGCTCCCTTTGTGGCA-3’ (配列番号52)及びTglaB-celB-A1:上述したとおりの2つのプライマーを用いて、またglaBターミネーターについてはcelB-TglaB-S1:上述したとおり及びpUC19-TglaB-A1:実施例1に記載の2つのプライマーを用いて麹菌Aspergillus oryzae OSI1013(月桂冠株式会社保有)のゲノムDNAを鋳型としてPCRを行った。PCRの条件としては、98℃/10秒−55℃/5秒−72℃/1分30秒のサイクルを30回繰り返した。
実施例1と同様にして、得られたPCR産物からcelB発現プラスミドを構築した。
Phly-EGLI-TglaB
hlyプロモーターについてはpUC19-Phly-S1:実施例1に記載、及びTrEGLI-Phly-A1:5’-aactgagggcgccatGGTGTTGTGGTGTGAAGGGTGATTGATGTG-3’ (配列番号53)の2つのプライマーを用いて、glaBターミネーターについてはTrEGLI-TglaB-S1:5’-tcacaatgcctttagATGTACTTTCCAGTGCGTGTAGTCTACTCT-3’ (配列番号54)及びpUC19-TglaB-A1:実施例1に記載の2つのプライマーを用いて、麹菌Aspergillus oryzae OSI1013(月桂冠株式会社保有)のゲノムDNAを鋳型としてPCRを行った。PCRの条件としては、98℃/10秒−55℃/5秒−72℃/1分30秒のサイクルを30回繰り返した。
また、EGLI遺伝子については、コドン使用頻度をA. oryzaeのものに近づけることでA. oryzaeにおいて発現しやすくするために、本遺伝子を、プライマーを用いた完全合成により調製した。具体的には、ある2つの70塩基からなるプライマーが、それぞれの3’末端20塩基で互いにアニールするように設計し、これらのプライマーを用いて鋳型DNAを加えることなくPCR反応を行うことで、プライマー由来の120塩基からなるDNA断片を得ることができた。以下にそれぞれのDNA断片を得るためのプライマーセットを示す。
DNA断片1:
TrEGLI-S1:5’-ATGGCGCCCTCAGTTACACTGCCATTGACCACGGCCATCCTGGCTATTGCACGGCTCGTTGCCGCGCAGC-3’ (配列番号55)
TrEGLI-A14:5’-CTTGTAGGTTGTCAACTTGGGATGGACCTCTGGAGTGCTTGTACCCGGTTGCTGCGCGGCAACGAGCCGT-3’ (配列番号56)
DNA断片2:
TrEGLI-S2:5’-CCAAGTTGACAACCTACAAGTGTACAAAATCCGGGGGGTGCGTGGCTCAAGATACCTCAGTGGTCCTTGA-3’ (配列番号57)
TrEGLI-A13:5’-TGACGGTACACGAGTTGTAATTTGCATCGTGCATCCAGCGATAGTTCCAGTCAAGGACCACTGAGGTATC-3’ (配列番号58)
DNA断片3:
TrEGLI-S3:5’-TTACAACTCGTGTACCGTCAATGGCGGTGTCAACACCACGCTTTGCCCTGACGAAGCGACATGTGGCAAG-3’ (配列番号59)
TrEGLI-A12:5’-GAGGTTGTGACGCCGGAGGCTGCGTAATCGACTCCCTCGATGAAGCAGTTCTTGCCACATGTCGCTTCGT-3’ (配列番号60)
DNA断片4:
TrEGLI-S4:5’-GCCTCCGGCGTCACAACCTCGGGAAGTTCCCTCACCATGAATCAGTATATGCCCTCCAGTTCTGGTGGCT-3’ (配列番号61)
TrEGLI-A11:5’-GTATTCACCATCAGAGTCCAAGAGATACAGCCGAGGAGAGACACTGCTGTAGCCACCAGAACTGGAGGGC-3’ (配列番号62)
DNA断片5:
TrEGLI-S5:5’-TGGACTCTGATGGTGAATACGTGATGCTGAAGCTCAACGGCCAAGAGCTGTCATTTGACGTTGATCTCTC-3’ (配列番号63)
TrEGLI-A10:5’-CGTCCATTTGAGACAGATAGAGCGAACCGTTTTCTCCACACGGCAGAGCAGAGAGATCAACGTCAAATGA-3’ (配列番号64)
DNA断片6:
TrEGLI-S6:5’-CTATCTGTCTCAAATGGACGAGAACGGGGGAGCTAATCAGTATAACACTGCCGGTGCCAACTACGGGAGC-3’ (配列番号65)
TrEGLI-A9:5’-AGGGTACCATTGCGCCATGTTTGGACAGGGCACTGAGCATCACAGTAGCCGCTCCCGTAGTTGGCACCGG-3’ (配列番号66)
DNA断片7:TrEGLI-S7:5’-ACATGGCGCAATGGTACCCTCAACACTTCCCACCAGGGCTTCTGTTGCAACGAGATGGACATCCTGGAAG-3’ (配列番号67)
TrEGLI-A8:5’-GGCCGTGGCAGTGCAAGAATGAGGTGTCAAGGCATTCGCTCGGGAATTGCCTTCCAGGATGTCCATCTCG-3’ (配列番号68)
DNA断片8:TrEGLI-S8:5’-ATTCTTGCACTGCCACGGCCTGTGATTCTGCCGGTTGTGGATTCAACCCATATGGCTCTGGCTATAAATC-3’ (配列番号69)
TrEGLI-A7:5’-TGATGGTGAAGGTTTTGGAGGTGTCAACGGTATCTCCGGGACCATAGTAAGATTTATAGCCAGAGCCATA-3’ (配列番号70)
DNA断片9:TrEGLI-S9:5’-CTCCAAAACCTTCACCATCATTACCCAGTTCAATACGGATAACGGCTCGCCCTCGGGTAACCTTGTGAGT-3’ (配列番号71)
TrEGLI-A6:5’-GGCTGAGCGCTTGGGATGTCGACTCCATTTTGCTGGTACTTGCGTGTGATACTCACAAGGTTACCCGAGG-3’ (配列番号72)
DNA断片10:TrEGLI-S10:5’-GACATCCCAAGCGCTCAGCCCGGCGGAGATACCATCTCTTCCTGTCCTTCCGCATCAGCCTACGGCGGTC-3’ (配列番号73)
TrEGLI-A5:5’-GGAGAACACGAGCACCATACCTGAACTCAGGGCCTTGCCCATAGTCGCGAGACCGCCGTAGGCTGATGCG-3’ (配列番号74)
DNA断片11:TrEGLI-S11:5’-GTATGGTGCTCGTGTTCTCCATTTGGAACGACAATAGCCAATATATGAACTGGCTCGATTCCGGCAATGC-3’ (配列番号75)
TrEGLI-A4:5’-TATTGGCCAGGATGTTGGATGGGTTTCCCTCGGTGCTACTGCATGGGCCAGCATTGCCGGAATCGAGCCA-3’ (配列番号76)
DNA断片12:TrEGLI-S12:5’-ATCCAACATCCTGGCCAATAACCCCAACACACACGTTGTCTTTTCCAATATCCGCTGGGGAGATATTGGG-3’ (配列番号77)
TrEGLI-A3:5’-GTCGTACTGGATGCAGGCGGAGGCGGGGGTGCAGTTGAGTTCGTAGTAGACCCAATATCTCCCCAGCGGA-3’ (配列番号78)
DNA断片13:TrEGLI-S13:5’-CCGCCTGCATCCAGTACGACATTTTCGACTACACGGCGTAGCTCGACGACTTCAAGTAGCCCGTCGTGTA-3’ (配列番号79)
TrEGLI-A2:5’-CTTACACCCGCTGTACCCAATGCCACCGCACTGCCCCCAATGAGTCTGCGTACACGACGGGCTACTTGAA-3’ (配列番号80)
DNA断片14:TrEGLI-S14:5’-TTGGGTACAGCGGGTGTAAGACTTGCACGTCGGGCACTACGTGCCAGTATAGCAATGACTATTACTCACA-3’ (配列番号81)
TrEGLI-A1:5’-CTAAAGGCATTGTGAGTAATAGTCATTGCTATACT-3’ (配列番号82)
このとき、120塩基からなるDNA断片の両末端20塩基ずつはそれぞれ隣り合う120塩基のDNA断片の末端20塩基と相同な配列となるようにすることで、これらの断片はover lap PCRにより結合することができた。つまり、得られた断片1〜5をover lap PCRの鋳型DNAとして用い、プライマーTrEGLI-S1とTrEGLI-A10を用いてPCRを行い、断片1から5までの領域を結合させ、断片6〜10をover lap PCRの鋳型DNAとして用い、プライマーTrEGLI-S6とTrEGLI-A5を用いてPCRを行い、断片6〜10までを結合させ、断片11〜14をover lap PCRの鋳型DNAとして用い、プライマーTrEGLI-S11とTrEGLI-A1を用いてPCRを行い、断片11〜14までを結合させた。次に、得られた3つの断片をover lap PCRの鋳型DNAとして用い、Phly-TrEGLI-S1:5’
-tcacaccacaacaccATGGCGCCCTCAGTTACACTGCCATTGACC-3’ (配列番号83)及びTglaB-TrEGLI-A1:5’
-cactggaaagtacatCTAAAGGCATTGTGAGTAATAGTCATTGCT-3’ (配列番号84)の2つのプライマーを用いてPCRを行うことにより完全合成されたEGLI遺伝子を得ることができた。なお、それぞれの120塩基からなるDNA断片を増幅するときのPCRの条件としては、98℃/10秒−55℃/5秒−72℃/10秒のサイクルを30回繰り返し、over lap PCRの条件としては、98℃/10秒−55℃/5秒−72℃/1分30秒のサイクルを30回繰り返した。
実施例1と同様にして、得られたPCR産物からEGLI発現プラスミドを構築した。以下にEGLI遺伝子の塩基配列を配列番号85に示す。
PamyA-EGLI-TglaB
amyAプロモーターについてはpUC19-PamyA-S1:上述したとおり、及びTrEGLI-PamyA-A1:5’
-aactgagggcgccatAAATGCCTTCTGTGGGGTTTATTGTTCAGA-3’ (配列番号86)の2つのプライマーを用いて、glaBターミネーターについてはTrEGLI-TglaB-S1:上述したとおり及びpUC19-TglaB-A1:実施例1に記載の2つのプライマーを用いて麹菌Aspergillus oryzae OSI1013(月桂冠株式会社保有)のゲノムDNAを鋳型としてPCRを行った。また、EGLI遺伝子についてはPamyA-TrEGLI-S1:5’
-ccacagaaggcatttATGGCGCCCTCAGTTACACTGCCATTGACC-3’ (配列番号87)及びTglaB-TrEGLI-A1:上述したとおりの2つのプライマーを用いて、上で構築したEGLI発現プラスミドを鋳型としてPCRを行った。PCRの条件としては、98℃/10秒−55℃/5秒−72℃/1分30秒のサイクルを30回繰り返した。
実施例1と同様にして、得られたPCR産物からEGLI発現プラスミドを構築した。
Phly-EGLII-TglaB
hlyプロモーターについてはpUC19-Phly-S1:実施例1に記載、及びTrEGLII-Phly-A1:5’-cacggacttgttcatGGTGTTGTGGTGTGAAGGGTGATTGATGTG-3’ (配列番号88)の2つのプライマーを用いて、glaBターミネーターについてはTrEGLII-TglaB-S1:5’-ctcgcaagaaagtagATGTACTTTCCAGTGCGTGTAGTCTACTCT-3’ (配列番号89)及びpUC19-TglaB-A1:実施例1に記載の2つのプライマーを用いて、麹菌Aspergillus oryzae OSI1013(月桂冠株式会社保有)のゲノムDNAを鋳型としてPCRを行った。PCRの条件としては、98℃/10秒−55℃/5秒−72℃/1分30秒のサイクルを30回繰り返した。
また、EGLII遺伝子については、EGLIと同様にして、コドン使用頻度をA. oryzaeのものに近づけるために完全合成による調製を行った。つまり、以下に示すプライマーセットにより120塩基からなるそれぞれのDNA断片を合成した。
DNA断片1:
TrEGLII-S1:5’-ATGAACAAGTCCGTGGCTCCATTGCTGCTTGCAGCGTCCATCCTATATGGCGGCGCCGTCGCACAGCAGA-3’ (配列番号90)
TrEGLII-A13:5’-ACAATTCGTAGGTCCGCTCCAACCAATACCTCCACACTGGCCCCAGACAGTCTGCTGTGCGACGGCGCCG-3’ (配列番号91)
DNA断片2:
TrEGLII-S2:5’-GGAGCGGACCTACGAATTGTGCTCCTGGCAGTGCTTGTTCGACCCTCAATCCTTATTATGCGCAATGTAT-3’ (配列番号92)
TrEGLII-A12:5’-TTGGACCGGATGGTGGCCGGGTCGAAGTGGTGATAGTTGTGGCTCCCGGAATACATTGCGCATAATAAGG-3’ (配列番号93)
DNA断片3:
TrEGLII-S3:5’-CCGGCCACCATCCGGTCCAACCACCACCACCAGGGCTACCTCAACAAGCTCATCAACACCACCCACGAGC-3’ (配列番号94)
TrEGLII-A11:5’-CAGCCAAAGTCAAAACCCGCGATGTTAACGCCGGCAAATCGGACCCCAGAGCTCGTGGGTGGTGTTGATG-3’ (配列番号95)
DNA断片4:
TrEGLII-S4:5’-GCGGGTTTTGACTTTGGCTGTACCACAGATGGCACTTGCGTTACCTCGAAGGTTTATCCCCCGTTGAAGA-3’ (配列番号96)
TrEGLII-A10:5’-GTGCTGCATCTGGCCGATGCCATCGGGGTAGTTGTTTGAGCCGGTGAAGTTCTTCAACGGGGGATAAACC-3’ (配列番号97)
DNA断片5:
TrEGLII-S5:5’-GCATCGGCCAGATGCAGCACTTCGTGAACGAGGACGGGATGACTATTTTCCGCCTCCCTGTCGGATGGCA-3’ (配列番号98)
TrEGLII-A9:5’-AAATGCTCGTGGAATCAAGATTGCCGCCCAAATTGTTGTTGACGAGGTACTGCCATCCGACAGGGAGGCG-3’ (配列番号99)
DNA断片6:
TrEGLII-S6:5’-TCTTGATTCCACGAGCATTTCCAAGTATGATCAGCTTGTTCAGGGGTGCCTGTCTCTGGGCGCATACTGC-3’ (配列番号100)
TrEGLII-A8:5’-TGACCAATGATCCCACCGTTCCATCGCGCATAATTGTGGATGTCGACGATGCAGTATGCGCCCAGAGACA-3’ (配列番号101)
DNA断片7:
TrEGLII-S7:5’-AACGGTGGGATCATTGGTCAGGGCGGCCCTACTAATGCTCAATTCACGAGCCTTTGGTCGCAGTTGGCAT-3’ (配列番号102)
TrEGLII-A7:5’-GGGCTCATTCATGATGCCGAACCACACCCTCGACTGAGATGCGTACTTTGATGCCAACTGCGACCAAAGG-3’ (配列番号103)
DNA断片8:
TrEGLII-S8:5’-TCGGCATCATGAATGAGCCCCACGACGTGAACATCAACACCTGGGCTGCCACGGTCCAAGAGGTTGTAAC-3’ (配列番号104)
TrEGLII-A6:5’-TTCCAGGCAAAGAGATGAATTGCGACGTAGCACCAGCGTTGCGGATTGCGGTTACAACCTCTTGGACCGT-3’ (配列番号105)
DNA断片9:
TrEGLII-S9:5’-ATTCATCTCTTTGCCTGGAAATGATTGGCAATCTGCTGGGGCTTTCATCTCCGATGGCAGTGCAGCCGCC-3’ (配列番号106)
TrEGLII-A5:5’-TCGAAAATCAGATTCGTTGTACTCCCATCCGGGTTCGTGACTTGAGACAGGGCGGCTGCACTGCCATCGG-3’ (配列番号107)
DNA断片10:
TrEGLII-S10:5’-ACAACGAATCTGATTTTCGACGTGCACAAATACTTGGACTCAGACAACTCCGGTACTCACGCCGAATGTA-3’ (配列番号108)
TrEGLII-A4:5’-TCGGAGCCAAGTGGCAAGCGGAGAAAAGGCGCCGTCAATGTTATTTGTAGTACATTCGGCGTGAGTACCG-3’ (配列番号109)
DNA断片11:
TrEGLII-S11:5’-CGCTTGCCACTTGGCTCCGACAGAACAATCGCCAGGCGATCCTGACAGAAACCGGTGGTGGCAACGTTCA-3’ (配列番号110)
TrEGLII-A3:5’-AGTTCTGGTTGAGGTATTGGATTTGCTGGCACATGTCTTGGATGCAGGACTGAACGTTGCCACCACCGGT-3’ (配列番号111)
DNA断片12:
TrEGLII-S12:5’-CCAATACCTCAACCAGAACTCAGATGTGTATCTTGGCTATGTTGGTTGGGGTGCCGGATCATTTGATAGC-3’ (配列番号112)
TrEGLII-A2:5’-TCCGTCCATGAGTTACCACTGCTAGTCGGTGTTTCCGTCAGGACGTACGTGCTATCAAATGATCCGGCAC-3’ (配列番号113)
得られた断片1〜4をover lap PCRの鋳型DNAとして用い、プライマーTrEGLII-S1とTrEGLII-A10を用いてPCRを行い、断片1〜4までの領域を結合させ、断片5〜8をover lap PCRの鋳型DNAとして用い、プライマーTrEGLII-S5とTrEGLII-A6を用いてPCRを行い、断片5〜8までを結合させ、断片9〜12をover lap PCRの鋳型DNAとして用い、プライマーTrEGLII-S9と
TrEGLII-A1:5’-CTACTTTCTTGCGAGACACGAGCTGACCAAGGATGTGTCCGTCCATGAGTTACCACTGCTAGTCGGTGTT-3’ (配列番号114)を用いてPCRを行い、断片9〜12までを結合させた。次に、得られた3つの断片をover lap PCRの鋳型にして、Phly-TrEGLII-S1:5’
-tcacaccacaacaccATGAACAAGTCCGTGGCTCCATTGCTGCTT-3’ (配列番号115)及びTglaB-TrEGLII-A1:5’
-cactggaaagtacatCTACTTTCTTGCGAGACACGAGCTGACCAA-3’ (配列番号116)の2つのプライマーを用いてover lap PCRを行った。それぞれの120塩基からなるDNA断片を増幅するときのPCRの条件としては、98℃/10秒−55℃/5秒−72℃/10秒のサイクルを30回繰り返し、over lap PCRの条件としては、98℃/10秒−55℃/5秒−72℃/1分30秒のサイクルを30回繰り返した。
実施例1と同様にして、得られたPCR産物からEGLII発現プラスミドを構築した。以下にEGLII遺伝子の塩基配列を配列番号(配列番号117)に示す。
PamyA-EGLII-TglaB
amyAプロモーターについてはpUC19-PamyA-S1:上述したとおり、及びTrEGLII-PamyA-A1:5’
-cacggacttgttcatAAATGCCTTCTGTGGGGTTTATTGTTCAGA-3’ (配列番号118)の2つのプライマーを用いて、glaBターミネーターについてはTrEGLII-TglaB-S1:上述したとおり及びpUC19-TglaB-A1:実施例1に記載の2つのプライマーを用いて麹菌Aspergillus oryzae OSI1013(月桂冠株式会社保有)のゲノムDNAを鋳型としてPCRを行った。また、EGLII遺伝子についてはPamyA-TrEGLII-S1:5’
-ccacagaaggcatttATGAACAAGTCCGTGGCTCCATTGCTGCTT-3’ (配列番号119)及びTglaB-TrEGLII-A1:上述したとおりの2つのプライマーを用いて、上で構築したEGLII発現プラスミドを鋳型としてPCRを行った。PCRの条件としては、98℃/10秒−55℃/5秒−72℃/1分30秒のサイクルを30回繰り返した。
実施例1と同様にして、得られたPCR産物からEGLII発現プラスミドを構築した。
以上、何れの場合も、実施例1と同様に、プロモーターの5’末端、およびglaBターミネーターの3’末端には、後のpUC19への挿入のために、pUC19のマルチクローニングサイトの両端の部分15 bpsずつと相同な配列を付与するようなプライマーを使用している。また、各プロモーターと各エンドグルカナーゼ遺伝子、各エンドグルカナーゼ遺伝子とglaBターミネーターとをover lap PCRにより連結することを目的として、それぞれのPCR増幅断片の末端に、連結させる断片の末端15 bpsと相同な配列を付与している。各プライマーの配列において、それぞれを連結するために付与した配列は小文字で記載してある。
(2)形質転換
実施例1と同様にして行った。
(3)エンドグルカナーゼ活性測定
実施例1と同様にして行った。
(4)結果
結果を図2に示す。図2のレーン1は、leuA発現カセットだけを導入したコントロールであり、レーン2,3はCelA生産株、レーン4,5はCelB生産株、レーン6,7はEGLI生産株、レーン8,9はEGLII生産株である。また、レーン2,4,6,8,はamyAプロモーターを用いた場合であり、レーン3,5,7,9はhlyプロモーターを用いた場合である。
図2から、タンパク質抽出液あたりのエンドグルカナーゼ活性および酵素生産量は何れもhlyプロモーターを用いた場合のほうがamyAプロモーターを用いた場合よりも優れていることが明らかとなった。
種々の小麦フスマ固体培養条件におけるhlyプロモーターのcelA発現能の検討
(1)celA発現麹菌の培養
実施例1および2で得られた、hlyプロモーターまたはamyAプロモーター制御下においてcelAを発現している株を培養温度30、37、42℃、散水率40、60、80、100%(植菌する胞子数(3.0×108個)をそろえて、5 gの小麦フスマに加える水分量を2、3、4、5 mlとする)で実施例1と同様にして、64時間小麦フスマ培養を行った。
(2)エンドグルカナーゼ活性測定
実施例1と同様にして、分泌タンパク質の抽出、エンドグルカナーゼ活性測定およびSDS-PAGEを行った。
(3)結果
結果を図3に示す。図3から、タンパク質抽出液あたりのエンドグルカナーゼ活性および酵素生産量は何れの培養条件においてもhlyプロモーターを用いた場合のほうがamyAプロモーターを用いた場合よりも優れていることが明らかとなり、特に培養温度37℃、散水率60%で最も高いCelA生産性を示した。
小麦フスマ培養時間による機能未知遺伝子プロモーターのCelA生産能の検討
(1)プラスミドの構築
実施例1と同様にして、hlyプロモーター制御下においてcelAを発現させるためのプラスミドを構築した。
(2)形質転換
実施例1と同様にして行った。
(3)形質転換株の培養とエンドグルカナーゼ活性測定
実施例1と同様にして、形質転換株の胞子懸濁液を植菌し、これを1日に2回程度攪拌を行いながら30℃で培養した。各培養時間における小麦フスマ培養物の分泌タンパク質を抽出し、そのエンドグルカナーゼ活性を実施例1と同様にして測定した。
(4)結果
結果を図4に示す。図4から、本プロモーターは小麦フスマ培養40〜72時間で安定してCelAを生産できることが明らかとなった。
液体培養における機能未知遺伝子プロモーターのcelA発現能の検討
(1)プラスミドの構築
実施例1と同様にして、液体培養にて高発現するプロモーターであるスーパーオキシドディスムターゼ遺伝子(sodM)プロモーター(PsodM)制御下においてcelAを発現させるためのプラスミドを構築した。具体的には、sodMプロモーターをpUC19-PsodM-S1:
5’-gaccatgattacgccTTATGTACTCCGTACTCGGTTGAATTATTA-3’ (配列番号120)及びcelA-PsodM-A1:
5’-caatgagagcttcatTTTGGGTGGTTTGGTTGGTATTCTGGTTGA-3’ (配列番号121)の2つのプライマーを用いて、celA遺伝子についてはPsodM-celA-S1:
5’-accaaaccacccaaaATGAAGCTCTCATTGGCACTTGCTACGCTC-3’ (配列番号122)及びTglaB-celA-A1:実施例1に記載の2つのプライマーを用いて、麹菌Aspergillus oryzae OSI1013(月桂冠株式会社保有)のゲノムDNAを鋳型としてPCRを行った。また、glaBターミネーターについては実施例1と同様にして取得した。PCRの条件としては、98℃/10秒−55℃/5秒−72℃/1分30秒のサイクルを30回繰り返した。
実施例1と同様にして、得られたPCR産物からcelA発現プラスミドを構築した。sodMプロモーターの塩基配列を(配列番号123)に示す。
また、実施例1と同様に、プロモーターの5’末端、およびglaBターミネーターの3’末端には、後のpUC19への挿入のために、pUC19のマルチクローニングサイトの両端の部分15 bpsずつと相同な配列を付与するようなプライマーを使用している。また、sodMプロモーターとcelA遺伝子、celA遺伝子とglaBターミネーターとをover lap PCRにより連結することを目的として、それぞれのPCR増幅断片の末端に、連結させる断片の末端15 bpsと相同な配列を付与している。各プライマーの配列において、それぞれを連結するために付与した配列は小文字で記載してある。
(2)形質転換
実施例1と同様にして行った。
(3)形質転換麹菌の液体培養とエンドグルカナーゼ活性測定
実施例1と同様にして、エンドグルカナーゼ活性を有する形質転換株を選抜し、この株および実施例1に記載のhlyプロモーター制御celA発現株の胞子懸濁液2 ml(3.0×108個)を30 mlのCzapek-Dox培地(2% Glucose、0.2% NaNO3、0.1% K2HPO4、0.05% KCl、0.05% MgSO4・7H2O、0.001% FeSO4・7H2O)およびDPY培地(2% Glucose、1% polypeptone、0.5% yeast extract)へ植菌し、30℃、130 rpmで64時間培養した。実施例1と同様にして、培養後の培養液上清のエンドグルカナーゼ活性測定およびSDS-PAGEを行い、CelAの菌体外への分泌生産を確認した。
(4)結果
結果を図5に示す。図5のレーン1〜3はDPY液体培地を用いた場合であり、レーン4〜6はGlc含有Czapek-Dox培地を用いた場合である。また、レーン1,4はhlyプロモーターを使用した場合であり、レーン2,5はsodMプロモーターを使用した場合であり、レーン3,6はleuA発現カセットだけを導入したコントロールである。
図5から、培養液上清あたりのCelA生産量およびエンドグルカナーゼ活性は、Czapek-Dox培地の場合はhlyプロモーターのCelA生産能、活性ともにほとんどなく、sodMプロモーターの方が優れていたが、DPY培地の場合は何れのプロモーターも同様のCelA生産能、活性を示した。つまり、液体培養でも、富栄養培地であれば、hlyプロモーターは液体培養において高い遺伝子発現能を持つsodMプロモーターと同等の発現能を持つということが明らかとなった。
Deletion解析によるhlyプロモーターの最適な長さおよびシス因子領域の同定
(1)形質転換
実施例1に記載のhlyプロモーター制御下でcelAを発現させるためのプラスミドを鋳型として、M13 Primer P7:実施例1に記載および、プロモーター長が100、400、700、1000 bpとなるように設計したそれぞれのプライマーPhly-100-S1:
5’-CGACTTTATCAATCTTCCATTGACCATTCC-3’ (配列番号124)、 Phly-400-S1:5’-GTCAACCTCTAACAACGCGCTCGGAGGAGA-3’ (配列番号125)、 Phly-700-S1:5’-TGTCTGGGGTAGGATCACAACTAATCAGTT-3’ (配列番号126)、 およびPhly-1000-S1:5’-TACAGCATGGTCTGGATTCCAATCCACGCA-3’ (配列番号127)を用いてPCRによりそれぞれのcelA発現カセットを増幅し、これらとAspergillus nidulansのleuA遺伝子発現カセットのPCR増幅産物とともに、実施例1と同様にして形質転換を行った。
(2)エンドグルカナーゼ活性測定
実施例1と同様にして小麦フスマ培養での酵素活性測定を行った。
(3)結果
結果を図6に示す。図6のグラフは上から順に、配列番号1の塩基番号1〜1500の領域、塩基番号501〜1500の領域、塩基番号801〜1500の領域、塩基番号1101〜1500の領域、塩基番号1401〜1500の領域をプロモーターとして用いた場合である。また、最下段は、A.nidulans leuA遺伝子のみを導入した場合である。
図6から、この機能未知遺伝子の新規プロモーターによる遺伝子発現にとって最適なプロモーター長は1000塩基であり、その発現促進に必須なシス因子は、配列番号1の塩基番号1101〜1500の領域(開始コドンの上流400bpまでの領域、特に塩基番号1101〜1400の領域に存在することが示唆された。
本発明のhlyプロモーターと、アスペルギルス・オリゼ由来の既知のプロモーターとの間で、エンドグルカナーゼ発現活性を比較した結果を示す図である。 本発明のhlyプロモーターとamyAプロモーターとの間で、種々のタンパク質の生産能を比較した結果を示す図である。 本発明のhlyプロモーターによるCelA生産能に与える培養温度及び散水率の影響を検討した結果を示す図である。 本発明のhlyプロモーターによるCelA生産能に与える培養時間の影響を検討した結果を示す図である。 液体培養におけるCelA生産能を、本発明のhlyプロモーターとsodMプロモーターとの間で比較した結果を示す図である。 本発明のhlyプロモーターの部分配列のプロモーター活性を検討した結果を示す図である。

Claims (9)

  1. 以下の(a)又は(b)のDNAからなるプロモーター。
    (a) 配列番号1において塩基番号1101〜1500の塩基配列を含む最大1500塩基のDNA
    (b) (a)のDNAに相補的なDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつアスペルギルス・オリゼでプロモーターとして機能するDNA
  2. (a)が配列番号1において塩基番号801〜1500の塩基配列を含む最大1500塩基のDNAである請求項1に記載のプロモーター。
  3. (a)が配列番号1において塩基番号501〜1500の塩基配列を含む最大1500塩基のDNAである請求項1に記載のプロモーター。
  4. (a)が配列番号1において塩基番号501〜1500の塩基配列からなるDNAである請求項1に記載のプロモーター。
  5. (a)が配列番号1の塩基配列からなるDNAである請求項1に記載のプロモーター。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のプロモーターと、目的遺伝子と、アスペルギルス・オリゼで機能するターミネーターとを含む遺伝子発現カセット。
  7. 請求項6に記載の遺伝子発現カセットを導入したアスペルギルス属糸状菌形質転換体。
  8. 目的遺伝子がタンパク質をコードする遺伝子であり、請求項7に記載の形質転換体を培養する工程と、導入した遺伝子がコードするタンパク質を培養物から回収する工程とを含むタンパク質の製造方法。
  9. 請求項7に記載の形質転換体を培養する工程を含む目的遺伝子の高発現方法。
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