JP2009296356A - 光学部品および光学機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】塵埃などを有効に除去し得る光学部品と、その光学部品を有する光学機器とを提供すること。
【解決手段】光を透過可能な光透過性部材と、前記光透過性部材に備えられ、前記光透過性部材を振動させる振動部材と、所定方向に突出し前記光透過性部材の所定領域を囲むように前記光透過性部材に接触する第1突起部と、前記第1突起部と一体に形成され、前記第1突起部の突出方向に交差する方向に突出し前記光透過性部材に接触する第2突起部とを有する光学部品である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学部品および光学機器に関する。
近年、レンズ交換式デジタルカメラなどでは、撮像素子の光学ローパスフィルタ表面にゴミが付着し、撮影した映像にゴミが写りこむなどの問題がおこっている。このような問題を解消するために、防塵部材を、撮像素子と光学系との間に配置し、撮像素子の防塵を図ると共に、防塵部材に付着したゴミなどを振動により除去するシステムが開発されている(特許文献1参照)。
しかしながら、従来のシステムでは、防塵部材の封止を行うための封止部材と、防塵部材と撮像素子との位置決めを行うための位置決め部材とが別部材で構成してあり、封止と位置決めを同時に正確に行うことが困難であった。また、従来のシステムでは、位置決め部材が、防塵部材の振動を阻害するおそれもあった。
特開2003−338961号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、塵埃などを有効に除去し得る光学部品と、その光学部品を有する光学機器とを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る光学部品は、
光を透過可能な光透過性部材(30)と、
前記光透過性部材(30)に備えられ、前記光透過性部材(30)を振動させる振動部材(20)と、
前記光透過性部材(30)に対向して備えられた第1部材(12)を封止するように前記光透過性部材(30)に向けて突出し前記光透過性部材(30)に接触する第1突起部(24)と、
前記第1突起部(24)と一体に形成され、前記第1突起部(24)の突出した方向である突出方向(Z方向)に交差する方向(X,Y方向)に突出し前記光透過性部材(30)に接触する第2突起部(26)とを含む。
本発明の第1の観点に係る光学部品では、第1部材(12)を封止する第1突起部(24)と、光透過性部材(30)に接触し光透過性部材(30)を位置決め可能な第2突起部(26)とが一体に形成してあるので、第1部材(12)の封止および光透過性部材(30)の位置決めを正確に行うことが可能である。また、振動部材(20)により、光透過性部材(30)を振動させることで、光透過性部材(30)の表面に付着した塵埃などを有効に除去し得る。
前記第1突起部(24)と前記光透過性部材(30)との接触面積が、前記第2突起部(26)と前記光透過性部材(30)との接触面積よりも大きくてもよい。第1突起部(24)は、封止機能を有し、第2突起部(26)は、位置決め機能を有するすることから、第2突起部(26)と光透過性部材(30)との接触面積は、第1突起部(24)と光透過性部材(30)との接触面積よりも小さくて良い。なお、これらの接触面積は同じであっても良い。
前記第1突起部(24)と前記光透過性部材(30)との接触圧力が、前記第2突起部(26)と前記光透過性部材(30)との接触圧力よりも小さくてもよい。このように構成することで、前記光透過性部材(30)の振動を妨げることなく、位置決めをより正確に行うことが可能となる。
本発明の第2の観点に係る光学部品は、
光を透過可能な光透過性部材(30)と、
前記光透過性部材(30)に備えられ、前記光透過性部材(30)を振動させる振動部材(20)と、
前記光透過性部材(30)に向けて突出し前記光透過性部材(30)に密着する第1突起部(24)と、
互いに間隔を隔てて備えられ、前記第1突起部(24)の突出した方向である突出方向に交差する方向に突出し前記光透過性部材(30)に接触する複数の第2突起部(26)とを含む。
本発明の第2の観点に係る光学部品では、封止機能を有する第1突起部(24)と、位置決め機能を有する第2突起部(26)とを有するので、封止および位置決めを正確に行うことが可能である。また、振動部材(20)により、光透過性部材(30)を振動させることで、光透過性部材(30)の表面に付着した塵埃などを有効に除去し得る。
前記第2突起部(26)は、複数であり、互いに間隔を隔てて備えられていてもよい。第2突起部(26)は、位置決めの機能を有し、封止機能を有する必要はないため、周方向に断続的に形成してもよい。また、第2突起部(26)を断続的に形成した方が、光透過性部材(30)の振動の動きを邪魔することがなく、塵落とし機能が向上する。
前記第2突起部(26)は、前記光透過性部材(30)の振動の節に平行な方向に沿って、互いに間隔を隔てて備えられていてもよい。このような配置にすることで、光透過性部材(30)の振動の動きを邪魔することがなく、塵落とし機能が向上する。
前記光透過性部材(30)の形状は特に限定されないが、好ましくは矩形である。矩形である場合に、第2突起部(26)による位置決め機能が向上すると共に、光透過性部材(30)の良好な振動モードの曲げ振動が実現され、塵落とし機能が向上する。
前記光透過性部材(30)は、光が入射する入射面を有し、前記第1突起部(24)は、前記入射面と交差する方向に突出していてもよい。このように構成することで、第1突起部(24)が封止機能を発揮しやすい。
前記第2突起部(26)は、第1突起部(24)の突出方向に直交する方向に突出していてもよい。このように構成することで、第2突起部(26)が位置決め機能を発揮しやすい。
前記2突起部が、前記光透過性部材(30)の振動の節(22)の近傍に備えられていてもよい。このように構成することで、第2突起部(26)が光透過性部材(30)の振動の動きを邪魔することがなく、塵落とし機能が向上する。
前記第1突起部(24)及び前記第2突起部(26)が、弾性部材で構成してもよい。このような部材で構成することで、封止機能および位置決め機能を発揮しやすい。
前記光透過性部の外縁に沿って、前記第1突起部(24)及び前記第2突起部(26)を支持する枠体(17)が設けられていてもよい。このような構成にすることで、第1突起部(24)および第2突起部(26)を一体化しやすい。
本発明に係る光学機器は、上述した光学部品と、前記光透過性部材(30)に対向して備えられた撮像素子とを含む。前記撮像素子は、前記光透過性部材(30)と前記第1突起部(24)とを用いて封止されていることが好ましい。
なお、上述の説明では、本発明をわかりやすく説明するために、実施形態を示す図面の符号に対応つけて説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。後述の実施形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替させてもよい。更に、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るカメラの全体ブロック図、
図2は図1に示す撮像装置の平面図、
図3(A)は図2に示すIII−III線に沿う要部断面図、図3(B)は図3(A)の変形例を示す要部断面図、
図4(A)〜図4(E)は振動モードを示す概略図、
図5(A)〜図5(C)は撮像装置におけるLPFの変形例を示す要部断面図である。
まず、図1に基づき、本実施形態のカメラの全体構成について説明する。撮像素子ユニット4は、カメラボディ40の内部に、光学レンズ群48の光軸αに対して撮像素子ユニット4の光透過板30が略垂直に交差するように配置される。光透過板30については、後述する。
図1に示すように、カメラボディ40には、レンズ鏡筒42が着脱自在に装着される。なお、コンパクトカメラなどでは、レンズ鏡筒42とカメラボディ40とが一体であるカメラもあり、カメラの種類は特に限定されない。また、スチルカメラに限らず、ビデオカメラ、顕微鏡、携帯電話などの光学機器にも適用できる。以下の説明では、説明の容易化のために、レンズ鏡筒42とカメラボディ40とが着脱自在となる一眼レフカメラについて説明する。
カメラボディ40の内部において、撮像素子ユニット4の光軸α方向の前方には、シャッタ部材44が配置してある。シャッタ部材44の光軸α方向の前方には、ミラー46が配置してあり、その前方には、レンズ鏡筒42に内蔵してある絞り部47および光学レンズ群48が配置してある。
カメラボディ40には、ボディCPU50が内蔵してあり、レンズ接点54を介してレンズCPU58に接続してある。レンズ接点54は、カメラボディ40に対してレンズ鏡筒42を連結することで、ボディCPU50と、レンズCPU58とを電気的に接続するようになっている。ボディCPU50には、電源52が接続してある。電源52は、カメラボディ40に内蔵してある。
ボディCPU50には、レリーズスイッチ51、ストロボ53、表示部55、ジャイロセンサ70、EEPROM(メモリ)60、防振スイッチ62、防塵フィルタ駆動回路56、画像処理コントローラ59、AFセンサ72などが接続してある。画像コントローラ59には、インターフェース回路57を介して、撮像素子ユニット4の撮像素子12(図2〜図3参照)が接続してあり、撮像素子12にて撮像された画像の画像処理を制御可能になっている。撮像素子12は、たとえばCCDやCMOS等の固体撮像素子で構成される。
ボディCPU50は、レンズ鏡筒42との通信機能と、カメラボディ40の制御機能を有している。また、ボディCPU50はEEPROM60から入力された情報と、ジャイロセンサ70からの出力を受けて算出したブレの角度、焦点距離情報、距離情報から、防振駆動部目標位置を算出し、像ぶれ補正制御を行う。なお、像ぶれ補正制御の詳細に関しては省略する。
表示部55は、主として液晶表示装置などで構成され、出力結果やメニューなどを表示する。レリーズスイッチ51は、シャッター駆動のタイミングを操作するスイッチであり、ボディCPU50にスイッチの状態を出力し、半押し時にはAF、AE、状況により防振駆動を行い、全押し時には、ミラーアップ、シャッター駆動等を行う。
ミラー46は、構図決定の際にファインダーに像を映し出すためのもので、露光中は光路から退避する。ボディCPU50からレリーズスイッチ51の情報が入力され、全押し時にミラーアップ、露光終了後にミラーダウンを行う。不図示のミラー駆動部(例えばDCモータ)により駆動される。ミラー46には、サブミラー46aが連結してある。
サブミラー46aは、AFセンサに光を送るためのミラーであり、ミラーを通過した光束を反射してAFセンサに導く。このサブミラー46aは、露光中は光路から退避する。
シャッタ部材44は、露光時間を制御する機構である。ボディCPU50からレリーズスイッチ51の情報が入力され、全押し時にシャッター駆動を行う。不図示のシャッター駆動部(例えばDCモータ)により駆動される。
AFセンサ72は、オートフォーカス(AF)を行うためのセンサである。このAFセンサとしては、通常CCDが用いられる。防振スイッチ62は、防振ON、OFFの状態を撮像素子ユニットCPUに出力する。ジャイロセンサ70は、ボディに生じるブレの角速度を検出し、ボディCPU50に出力する。EEPROM60は、ジャイロセンサのゲイン値、角度調整値などの情報を有し、ボディCPU50に出力する。
防塵駆動フィルタ駆動回路56は、後述する図2および図3に示す圧電素子20に接続してあり、所定条件を満足する場合に、圧電素子20を駆動し、図4(B)〜図4(E)に示すように、光透過性を有する光透過板30を振動させ、光透過板30の表面に付着している塵埃などを飛ばして除去する動作を行う。
たとえば圧電素子20には、周期的な矩形波もしくはサイン波等の電圧を印加する。このように防塵フィルタ駆動回路56を制御して圧電素子20に周期的な電圧を印加することにより、光透過板30が振動し、塵が光透過板30の表面から受けた慣性力が塵の付着力を上回ると、塵は光透過板30の表面から離れる。振動モードの詳細に関しては後述する。
本実施形態では、防塵駆動フィルタ駆動回路56には、振動モード選択回路80が接続してある。振動モード選択回路80は、ボディCPU50を通して、防塵駆動フィルタ駆動回路56を制御する。振動モード選択回路80による制御の詳細については、後述する。
図1に示すレンズ鏡筒42には、焦点距離エンコーダ66、距離エンコーダ64、絞り部47、絞り部47を制御する駆動モータ68、レンズCPU58、ボディ部とのレンズ接点54、及び、複数のレンズ群48が具備してある。レンズ接点54には、カメラボディ40からレンズ駆動系電源を供給するための接点と、レンズCPU58を駆動するためのCPU電源の接点とデジタル通信用の接点がある。
駆動系電源およびCPU電源はカメラボディ40の電源52から供給され、レンズCPU58や駆動系の電源を供給している。デジタル通信用接点ではレンズCPU58から出力された焦点距離、被写体距離、フォーカス位置情報等のデジタル情報をボディCPU50に入力するための通信と、ボディCPU50から出力されたフォーカス位置や絞り量等のデジタル情報をレンズCPU58に入力するための通信を行う。ボディCPU50からのフォーカス位置情報や絞り量情報を受けてレンズCPU58がAF、絞り制御を行う。
焦点距離エンコーダ66は、ズームレンズ群の位置情報より焦点距離を換算する。すなわち、焦点距離エンコーダ66は、焦点距離をエンコードし、レンズCPUに出力する。
距離エンコーダ64は、フォーカシングレンズ群の位置情報より被写体距離を換算する。すなわち、距離エンコーダ64は、被写体距離をエンコードし、レンズCPUに出力する。
レンズCPU58は、カメラボディ40との通信機能、レンズ群48の制御機能を有している。レンズCPUには、焦点距離、被写体距離等が入力され、レンズ接点を介してボディCPU50に出力する。ボディCPU50からレンズ接点54を介して、レリーズ情報、AF情報が入力される。
図2および図3に示すように、本実施形態に係る撮像素子ユニット4は、基板10を有し、基板10の中央部上面には、光透過板30に対向して撮像素子12が固定してある。撮像素子12の周囲には、枠体17が配置してあり、基板10の表面に、着脱自在に、あるいは着脱不可に固定してある。
枠体17は、たとえば合成樹脂あるいはゴムなどの絶縁性弾性部材で構成される。本実施形態では、枠体17は、図3(A)に示すように、断面L字形状を有しており、底板部17aと、側板部17bとを有し、これらは一体に成形してある。
底板部17aの下面は、接着剤あるいはビス止めなどの手段で基板10の表面に固定され、その上面には、封止用突起部24が一体に形成してある。封止用突起部24は、光透過板30の下面の所定領域29に沿って連続して延びており、光透過板30の下面に密着し、その内周部に位置する撮像素子12の周囲空間に、ゴミなどが入り込むことを防止している。封止用突起部24は、例えば、光軸α(Z方向)と略平行に突出して、光透過板30に密着していることが好ましい。所定領域29は撮像素子12の撮像面よりも大きいことが好ましい。
側板部17bの内周面には、位置決め用突起部26が、内周面に沿って所定間隔で複数形成してある。位置決め用突起部26は、光透過板30の側端面に圧接するように形成してある。位置決め用突起部26は、圧電素子20の長手方向(X軸)に沿って平行な光透過板30の両側端面に対応する位置で、合計で少なくとも3カ所に形成することが好ましい。少なくとも3カ所に位置決め用突起26を形成することで、X軸に垂直なY軸方向の位置決めが成されると共に、回転方向の位置決めが成される。
図2に示す実施形態では、X軸に沿って平行な光透過板30の両側端面に対応する位置で、それぞれ二つ、Y軸に沿って平行な光透過板30の両側端面に対応する位置で、それぞれ二つ、合計で8カ所に形成してある。なお、X軸は矩形状の光透過板30の短辺に平行であり、Y軸は長辺に平行であり、Z軸は、光透過板30の表面に垂直な方向であり、図1に示す光軸αと平行である。
Y軸に沿って片側で二カ所形成してある位置決め用突起部26は、図4に示す複数の振動モードの内で最も良く使用する振動モードの節22の位置近傍に対応して設けられることが好ましい。位置決め用突起部26の突起高さ(X軸方向またはY軸方向)は、封止用突起部24の突起高さ(Z軸方向)と同程度であることが好ましく、好ましくは0.1〜1mmである。
位置決め用突起部26は、周方向に連続して形成してある封止用突起部24とは異なり、周方向に所定間隔で断続的に形成してあり、位置決め用突起部26と光透過板30の側端部との接触面積は、封止用凸部24と光透過板30の背面との接触面積よりも小さい。なお、位置決め用突起部26と光透過板30の側端部との接触圧力は、封止用凸部24と光透過板30の背面との接触圧力よりも大きいか、又は同程度であることが好ましい。例えば、位置決め用突起部26は、封止用突起部24の突出方向(Z方向)と略直交する方向(X,Y方向)に突出することが好ましい。封止用突起部24の突出方向と位置決め用突起部26の突出方向とが直交していれば光透過板30をより安定的に位置決めできるからである。
枠体17から光透過板30がZ軸方向の上部に外れることを防止するために、枠体17の外側で、基板10の上には、取付具19を取り付けるためのブロック21がY軸方向の両側でX軸方向の中央部に固定してある。ブロック21の上には、取付具19がビス止めにより着脱自在に固定してあるが、光透過板30を枠体17に取り付けた後には、ブロック21の上に接着剤で取付具19を固定しても良い。取付具19は、バネ特性を有する金属板で構成されることが好ましく、光透過板30の表面を封止用突起部24の方向に押圧可能になっている。
なお、図2および図3(A)に示す取付具19およびブロック21を用いることなく、図3(B)に示すように、取付具17cを、枠体17と一体に成形しても良い。この一体に成形された取付具17cの光透過板30との対向面には、押圧用突起部28が形成してあることが好ましい。この押圧用突起部28は、封止用突起部24とは異なり、周方向に沿って連続して形成する必要なく、断続的に形成して良い。また、取付具17c自体も、周方向に沿って連続して形成する必要なく、断続的に形成して良い。
図5(A)に示すように、光透過板30は、この実施形態では、複数の光学板の積層構造であり、水晶板13と、赤外線吸収ガラス板14と、水晶波長板(λ/4波長板)15と、水晶板16との光透過板で構成してあり、ローパスフィルタ(LPF)を構成している。積層方法としては、接着剤による積層、あるいはその他の積層方法でも良い。
この実施形態では、図5(A)に示すように、光透過板30のうち、水晶板13と、赤外線吸収ガラス板14と、水晶波長板(λ/4波長板)15と、水晶板16とは、全て同じ大きさであるが、図5(B)に示すように、水晶板16のみを、Y軸方向の両側にはみ出すような大きさにしても良い。Y軸方向の両側にはみ出している水晶板16の表面に圧電素子20をそれぞれ固定しても良い。あるいは、図5(C)に示すように、光透過板30としては、単一の水晶板16で構成し、LPFを構成するその他の光学基板13〜15は、水晶板16とは光軸方向(Z軸方向)に分離して配置しても良い。
水晶波長板15は、直線偏光を円偏向に変えることができる光学板であり、赤外線吸収ガラス板14は、赤外線を吸収する機能を有する。また、水晶板13は、水晶板16に対して、相互に複屈折の方向が90度異なる水晶板であり、一方が90度方向(短辺方向)の複屈折を有する水晶板であれば、他方の水晶板は、0度方向(長辺方向)の複屈折を有する水晶板である。本実施形態では、水晶板16が0°方向(長辺方向)の複屈折を有する水晶板であり、水晶板13が90°方向(短辺方向)の複屈折を有する水晶板であるが、逆でも良い。
本実施形態では、光透過板30の内の二つの水晶板13および18により、基本的には、光学ローパスフィルタ(OLPF)を構成している。なお、一般的には、光学ローパスフィルタは、二つの水晶板13および18の間に、赤外線吸収ガラス14および水晶波長板15が積層されて光学ローパスフィルタ(OLPF)を構成している。
次に、圧電素子20による光透過板30の振動モードについて説明する。本実施形態では、図1に示す振動モード選択回路80から防塵フィルタ駆動回路56に信号を送り、たとえば図4(A)に示す一方の圧電素子20を、駆動信号R1で駆動し、他方の圧電素子20を駆動信号R2で駆動する。
駆動信号R1と駆動信号R2とが相互に逆位相の駆動信号である場合には、図4(B)および図4(C)に示すように、一対の圧電素子20は相互に逆パターンで収縮および拡張を繰り返し、光透過板30は、光透過板30の長手方向Lに沿って6次曲げ振動モードで振動する。6次曲げ振動モードは、偶数振動モードの一種であり、振動の腹の数が6個となる屈曲振動モードである。
6次曲げ振動モードの節22は、光透過板30の長手方向(Y軸方向)に沿って7つであり、それらの節22の位置は、図4(B)および図4(C)に示すように、振動モードが変化しない場合には、変化しない。
また、振動モードを変える場合には、図1に示す振動モード選択回路80から防塵フィルタ駆動回路56に信号を送り、振動モードを変化させる。たとえば 駆動信号R1と駆動信号R2とを相互に同一位相の駆動信号とし、これらを一対の圧電素子20に印加する。
その場合には、図4(D)および図4(E)に示すように、一対の圧電素子20は同時に同じパターンで収縮および拡張を繰り返し、光透過板30を、光透過板30の長手方向Lに沿って7次曲げ振動モードで振動させることができる。7次曲げ振動モードは、奇数振動モードの一種であり、振動の腹の数が7個となる屈曲振動モードである。
7次曲げ振動モードの節22は、光透過板30の長手方向Lに沿って8つであり、それらの節22の位置は、図4(D)および図4(E)に示すように、振動モードが変化しない場合には、変化しない。
図4(B)〜図4(E)に示すように、振動モードを変化させることで、光透過板30における節22の位置を変化させることができる。その結果、ある特定の振動モードでは、光透過板30の表面において、節22の位置に吹き飛ばされずに残っていた塵埃などが、他の振動モードでは、節22の位置が変化することから振動の加速度で吹き飛ばされることになる。そのため、光透過板30の外面全域に渡りゴミ除去が可能になる。
たとえば図4(B)および図4(C)に示すような偶数次の曲げ振動モードでは、Y軸方向の中央が振動の節となるので、その中央付近の塵埃を吹き飛ばす加速度が小さくなるおそれがある。一方、図4(D)および図4(E)に示すような奇数次の曲げ振動モードでは、Y軸方向の中央が振動の腹になるので、その中央付近の塵埃を吹き飛ばす加速度が非常に大きくなる。したがって、偶数次の曲げ振動モードと奇数次の曲げ振動モードとを切り替えることにより、塵埃を有効に除去することができる。
なお、互いに振動モード数が近い偶数次の曲げ振動モードと奇数次の曲げ振動モードとを切り替えることも好ましい。たとえば図示の実施形態では、振動モード数が近い6次と7次の曲げ振動モードを切り替えているので、長手方向Lの中央部分以外の部分についても、一方のモードで振動の節となる部分が他方のモードで振動の腹となり、塵埃を有効に除去することができる。
本実施形態に係る撮像素子ユニット4では、光透過板30を圧電素子20により振動させるために、光透過板30の表面に付着した塵埃などを有効に除去し得る。また、光透過板30を、光学ローパスフィルタなどとして用いることができ、別途、光学ローパスフィルタを設ける必要が無くなる。その結果、光透過板30と撮像素子12との間には、単一の隙間が形成され、その気密構造も単純になり、塵埃などが内部に入り込むおそれが少なる。また、撮像素子ユニット4のサイズの小型化が可能になる。
さらに、本実施形態では、封止用突起部24と、位置決め用突起部26とが枠体17に一体に形成してあるので、封止および位置決めを正確に行うことが可能である。
また、本実施形態では、光透過板30が長方形であり、撮像素子12の撮像面が長方形であるため、円形ガラスを振動させる場合と比べて、防塵のために水晶板が占めるスペースが少なくて済み、装置のコンパクト化に寄与する。
さらに本実施形態では、水晶板の表面弾性波による振動(駆動周波数が数MHz)ではなく、光透過板30の曲げ振動(駆動周波数が数十kHz〜数百kHz)を用いて、振動加速度による塵埃などの除去機能を発揮しているため、防塵効果に優れている。
さらに上述した実施形態では、6次曲げ振動モードと7次曲げ振動モードとで切り替えて光透過板30を振動させたが、曲げ振動モードとしては、これらの数次に限定されず、その他の偶数振動モードと奇数振動モードとで切り替えて光透過板30を振動させてもよい。ただし、振動モードとしては、好ましくは6〜11次の振動モードである。
また、撮影装置の電源をオンにしてから撮影までの期間、および、撮影と撮影との間の期間の少なくとも一方において、偶数振動モードと奇数振動モードとの切替を少なくとも一回以上行うことが好ましい。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、位置決め用突起部26と光透過板30の側端部との位置決め用接触圧力は、封止用凸部24と光透過板30の背面との封止用接触圧力と同程度であるが、封止用接触圧力は、位置決め用接触圧力よりも小さくしてもよい。
また、上述した実施形態では、封止用突起部24と位置決め用突起部26とが枠体17に一体に成形してあり、同じ弾性部材で構成されるが、これらの突起24および26は、枠体17とは別部材で構成しても良い。また、これらの突起24および26は、相互にヤング率が異なる材質で構成しても良い。
また、光透過板30の積層構造としては、4層に限らず、2層以上でも良いし、単一層でもよい。さらに、光透過板30は、光学ローパスフィルタに限らず、その他の光学的機能部材であっても良い。
図1は本発明の一実施形態に係るカメラの全体ブロック図である。 図2は図1に示す撮像装置の平面図である。 図3(A)は図2に示すIII−III線に沿う要部断面図、図3(B)は図3(A)の変形例を示す要部断面図である。 図4(A)〜図4(E)は振動モードを示す概略図である。 図5(A)〜図5(C)は撮像装置におけるLPFの変形例を示す要部断面図である。
符号の説明
4… 撮像素子ユニット
12… 撮像素子
13… 水晶板
14… 赤外線吸収ガラス板
15… 水晶波長板
16… 水晶板
17… 枠体
19… 取付具
20… 圧電素子
22… 振動の節
24… 封止用突起部
26… 位置決め用突起部
30… 光透過板
56… 防塵フィルタ駆動回路
80… 振動モード選択回路

Claims (14)

  1. 光を透過可能な光透過性部材と、
    前記光透過性部材に備えられ、前記光透過性部材を振動させる振動部材と、
    前記光透過性部材に対向して備えられた第1部材を封止するように前記光透過性部材に向けて突出し前記光透過性部材に接触する第1突起部と、
    前記第1突起部と一体に形成され、前記第1突起部の突出した方向である突出方向に交差する方向に突出し前記光透過性部材に接触する第2突起部とを含む光学部品。
  2. 請求項1に記載された光学部品であって、
    前記第1突起部と前記光透過性部材との接触面積が、前記第2突起部と前記光透過性部材との接触面積よりも大きい光学部品。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された光学部品であって、
    前記第1突起部と前記光透過性部材との接触圧力が、前記第2突起部と前記光透過性部材との接触圧力よりも小さい光学部品。
  4. 光を透過可能な光透過性部材と、
    前記光透過性部材に備えられ、前記光透過性部材を振動させる振動部材と、
    前記光透過性部材に向けて突出し前記光透過性部材に密着する第1突起部と、
    互いに間隔を隔てて備えられ、前記第1突起部の突出した方向である突出方向に交差する方向に突出し前記光透過性部材に接触する複数の第2突起部とを含む光学部品。
  5. 請求項1から請求項4までの何れか1項に記載された光学部品であって、
    前記第2突起部は、複数であり、互いに間隔を隔てて備えられている光学部品。
  6. 請求項4又は請求項5に記載された光学部品であって、
    前記第2突起部は、前記光透過性部材の振動の節に平行な方向に沿って、互いに間隔を隔てて備えられている光学部品。
  7. 請求項1から請求項6までの何れか1項に記載された光学部品であって、
    前記光透過性部材が矩形である光学部品。
  8. 請求項1から請求項7までの何れか1項に記載された光学部品であって、
    前記光透過性部材は、光が入射する入射面を有し、前記第1突起部は、前記入射面と交差する方向に突出している光学部品。
  9. 請求項1から請求項8までの何れか1項に記載された光学部品であって、
    前記第2突起部は、前記第1突起部の突出方向に直交する方向に突出している光学部品。
  10. 請求項1から請求項9までの何れか1項に記載された光学部品であって、
    前記2突起部が、前記光透過性部材の振動の節の近傍に備えられている光学部品。
  11. 請求項1から請求項10までの何れか1項に記載された光学部品であって、
    前記第1突起部及び前記第2突起部が、弾性部材である光学部品。
  12. 請求項1から請求項11までの何れか1項に記載された光学部品であって、
    前記光透過性部の外縁に沿って備えられ、前記第1突起部及び前記第2突起部を支持する枠体を有する光学部品。
  13. 請求項1から請求項12までの何れか1項に記載された光学部品と、前記光透過性部材に対向して備えられた撮像素子とを含む光学機器。
  14. 請求項13に記載された光学機器であって、
    前記撮像素子は、前記光透過性部材と前記第1突起部とを用いて封止されている光学機器。
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