JP4648477B2 - 画像機器 - Google Patents

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Description

発明は、自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子を備える撮像装置や、スクリーンに投影する画像を表示する表示素子を備える画像投影装置等の、画像形成素子を備える画像機器、及び、そのような画像機器において画像形成素子の前面に配される防塵部材を振動させる画像機器に関する。
近年、撮像素子を用いた撮像装置や液晶等の表示素子を用いた画像投影装置のような、画像形成素子を用いた画像機器において、画質の向上は著しい。そのため、撮像素子や表示素子といった画像形成素子の表面またはその前面に位置する透明部材(光学素子)の表面に塵埃が付着することで、生成する画像に塵埃の影を画像に生じさせてしまうことが、大きな問題となっている。
例えば、レンズ交換可能な形態のデジタル一眼レフカメラは、カメラ本体に対して撮影光学系を着脱自在となるように構成し、ユーザが所望するとき所望の撮影光学系を任意に着脱し交換することで、単一のカメラ本体において複数種類の撮影光学系を選択的に使用し得るように構成されている。該一眼レフカメラにおいては、上記撮影光学系を上記カメラ本体から取り外した際にカメラが置かれた周囲環境に浮遊する塵埃が上記カメラ本体内に侵入する。あるいは、上記カメラ本体内部に配された、例えばシャッタ・絞り機構等の機械的な動作をする各種の機構等の動作中にゴミ等が発生する可能性もあり、それらゴミによる影響が懸念される。
そこで、従来のデジタル一眼レフカメラにおいて、撮像素子の光電変換面への塵埃等の付着を抑制するために、当該撮像素子の光電変換面の前面に防塵部材を配置し、当該撮像素子の光電変換面と当該防塵部材との間を封止するとともに、加振手段によって防塵部材に所定の振幅の定在波を与えて、防塵部材の外面側に付着する塵埃等を除去することが知られている。
また、特許文献1に開示された撮像装置は、防塵部材の一端部に第1の櫛型電極と、防塵部材の他端部に第2の櫛型電極や振動吸収部材とを設けた構成を有しており、上記第1の櫛型電極に交流電圧を印加して表面弾性波を発生させ、この表面弾性波が上記第2の櫛型電極や振動吸収部材に向けて進行させるようにしている。上記撮像装置においては、上記第2の櫛型電極や上記振動吸収部材を設けることにより、上記表面弾性波を吸収し、上記表面弾性波の反射波の発生を抑制することによって、上記反射波により進行する表面弾性波が定常波になることが防止される。
さらに、特許文献2に開示された画像形成装置に適用され、光学部材の表面に配置される光学フィルタは、圧電材料で構成した基体と、上記基体の端部に設けられた櫛形電極と、上記電極に電圧を印加する電源と、振動吸収部材を有しており、前記電極に電圧を印加して上記基体の表面に表面弾性波を発生させるとともに、上記振動吸収部材によって反射波を吸収するように構成したものである。
特開2007−282101号公報 特開2007−218957号公報
しかしながら、特許文献1の撮像装置、あるいは、特許文献2の画像形成装置の構成では、防塵部材の一端部に第1の櫛型電極を設けて、表面弾性波を発生させ、第2の櫛型電極や振動吸収部材で吸収することが記載されているものの、この防塵部材は、水晶等で形成されているため、印加電圧に対する変位量が小さく、振動幅は極めて小さくなっていた。従って、振動幅の大きな効率の良い進行波を生成することができないという問題があった。
また、櫛型電極は、進行波である表面弾性波を発生させるために、防塵部材の振動発生面に配置されているが、防塵部材の大きさを変えないで大きな表面弾性波を発生させるためには、櫛型電極そのものを大きくして防塵部材に占有する櫛型電極の面積を大きくするか、また、防塵部材そのものを大きくして櫛型電極の面積も大きくなければならない。しかしながら、配置可能な防塵部材の大きさには限度があるので、上記のどちらの方法でも現実的ではなく、従って、櫛型電極の面積を大きくできず、振動幅も大きくできないという問題があった。
さらに、櫛型電極による進行波を第2の櫛型電極や振動吸収部材で吸収することが記載されているが、どのようなメカニズムで吸収されるのかについての具体的に説明されていない。従って、完全に定常波が消えて進行波のみになるのか、定常波が混じるのか、あるいは、混じるのであれば、その割合がどのくらいか等の不明点も多く、また、第1の櫛型電極による反射波であって、第2の櫛型電極または振動吸収部材が配置されているのとは反対側の端面による反射波についての記載もなく、実際に効率良く動作するか不明である。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、防塵部材に付着した塵埃等を確実に除去可能な画像機器を提供することである。
本発明の画像機器は、光学的な画像が生成される画像面を有する画像形成素子と、上記被写体光が透過する光透過部を有し、当該光透過部が上記画像形成素子の画像面に対して所定の間隔を持つように対向配設された防塵部材と、上記防塵部材の光透過部以外の位置に配置されていて、当該防塵部材自身を振動させる加振用振動部材と、上記防塵部材の光透過部以外の位置で、かつ、上記加振用振動部材と対向する位置に配置されていて、上記防塵部材の振動の一部を所定の周期で吸収して電荷を発生する吸収用振動部材と、を具備し、上記加振用振動部材の振動により上記防塵部材に発生する振動の波長をλとし、奇数をkとしたとき、上記加振用振動部材と上記吸収用振動部材とは、上記防塵部材の表面上においてそれらは互いに自己の中心間距離がk×λ/4に相当する離間位置に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、光学部材である防塵部材に対して定在波屈曲振動の所定の振動を吸収することにより定常波のない振動幅の大きい進行波を効率よく発生させ、上記防塵部材の光透過部に付着した塵埃等を確実に除去可能な画像機器を提供することができる。
本発明の第一の実施形態に係わる画像機器であるデジタルカメラ(デジタル式一眼レフカメラ)の主に電気的な構成を概略的に示すブロック構成図 図1のカメラにおける撮像ユニットの要部縦側断面図 図1のカメラにおける防塵機構の要部正面図 図1のカメラにおける防塵機構の要部の斜視図 図1のカメラにおける防塵フィルタの振動を示す正面図 図5のB−B断面図 図5のC−C断面図 図1のカメラにおける防塵フィルタの振動を示す概念図 図1のカメラにおける防塵フィルタの吸振用圧電素子の電気等価回路を示す図 図1のカメラにおける防塵フィルタ制御回路を含む制御回路を示す回路図 図1のカメラにおける防塵フィルタ制御回路のタイムチャート 図1のカメラにおける制御回路の撮影シーケンスのフローチャート 図12の撮像シーケンスで呼び出されるサブルーチンのフローチャートであって、図13(A)は、防塵フィルタ制御における無音加振動作のフローチャートであり、図13(B)は、防塵フィルタ制御における表示動作のフローチャート 図1のカメラにおける防塵フィルタ制御回路の出力信号を示す図 本発明の第二の実施形態のデジタル式一眼カメラの防塵フィルタの振動を示す正面図 図15のD−D断面図 図15のE−E断面図 本発明の第三の実施形態のデジタルカメラにおける防塵フィルタ制御回路における無音加振動作のフローチャート 本発明の第四の実施形態のデジタルカメラにおける防塵フィルタ制御回路を含む防塵フィルタの断面図 図19のカメラにおける防塵フィルタの吸振用圧電素子の電気等価回路を示す図
以下、図を参照して本発明の実施の形態を画像機器であるデジタルカメラを例にして図を用いて説明する。
具体的に例示する本発明のデジタルカメラは、光電変換によって画像信号を得る撮像素子ユニットの塵埃画像防止機能を有するものであり、ここでは一例としてデジタルカメラの塵埃画像防止に係わる改良技術として説明する。特に第一の実施形態としてデジタルカメラであるレンズ交換可能なデジタル一眼レフレックス式カメラ(以下、カメラと記載)に関して図1〜図3に基づいて説明する。
図1は、第一の実施形態のカメラの主に電気的なシステム構成図である。図2は、本実施形態のカメラの防塵機構を含む撮像ユニットの縦側断面図である。図3は、上記撮像ユニットの防塵フィルタを外した状態を撮影レンズ側から見た正面図である。
まず、図1を参照して本実施の形態のカメラのシステム構成について説明する。本実施の形態のカメラは、カメラ本体としてのボディユニット100と、アクセサリ装置の一つである交換レンズとしてのレンズユニット10とによりシステム構成されている。
なお、以下の説明において、ボディユニット100にレンズユニット10を装着した状態におけるレンズユニット10の撮影レンズ1(図1)の光軸を光軸Oとし、光軸Oと平行な方向をZ方向とし、被写体側を前方、結像側を後方とする。また、上記カメラをZ方向を水平に保持した通常の撮影状態において、Z方向に直交する方向のうち、鉛直方向をY方向(上下方向)とし、左右の方向をX方向とする。
レンズユニット10は、ボディユニット100の前面に設けられた図示しないレンズマウントを介して着脱自在である。レンズユニット10の制御は、自身が有するレンズ制御用マイクロコンピュータ(以下、Lμcomと記載する)5が行う。ボディユニット100の制御は、ボディ制御用マイクロコンピュータ(以下、Bμcomと記載する)50が行う。これらLμcom5とBμcom50とは、ボディユニット100にレンズユニット10を装着した状態において通信コネクタ6を介して通信可能に電気的に接続される。そして、カメラシステムとして、Lμcom5がBμcom50に従属的に協働しながら稼動するように構成されている。
レンズユニット10は、図1に示すように撮影レンズ1と絞り3を備える。撮影レンズ1は、レンズ枠1aにより進退可能に支持され、レンズ駆動機構2内に設けられた図示しないDCモータによって駆動される。絞り3は、絞り駆動機構4内に設けられた図示しないステッピングモータによって駆動される。Lμcom5は、Bμcom50の指令に基づいてこれら各モータを制御する。
ボディユニット100内には、以下のような構成部材が図1に示す如く配設されている。例えば、光学系としての一眼レフ方式の構成部材としてのスクリーン12a、ペンタプリズム12、クイックリターンミラー11、接眼レンズ13、サブミラー11aと、光軸O上のフォーカルプレーン式のシャッタ15と、サブミラー11aからの反射光束を受けてデフォーカス量を検出するためのAFセンサユニット16と、ペンタプリズム12の上部に配されるストロボ301とが設けられている。
また、AFセンサユニット16を駆動制御するAFセンサ駆動回路17と、クイックリターンミラー11を駆動制御するミラー駆動機構18と、シャッタ15の先幕と後幕を駆動するばねをチャージするシャッタチャージ機構19と、これら先幕と後幕の動きを制御するシャッタ制御回路20と、ペンタプリズム12からの光束を検出する測光センサ21aに基づき、測光処理を行う測光回路21が設けられている。
光軸O上には、上述の光学系を通過した被写体光束による被写体像を光電変換するための撮像ユニット30が設けられている。撮像ユニット30は、画像形成素子である撮像素子のCCD31やその前面に配設された光学ローパスフィルタ(LPF)32、少なくとも透明部分が空気と異なる屈折率を有する透明なガラス板(光学素子)からなる防塵部材である防塵フィルタ33をユニットとして一体化してなるものである。防塵フィルタ33の周縁部背面には、加振用振動部材である加振用圧電素子(圧電体)34a、吸振振動部材である吸振用圧電素子(圧電体)34bが取り付けられている。
上記圧電素子34a、34bは、それぞれ2つの電極(S34a1,G34a2,S34b1,G34b2)を有しており、その内の1つの圧電素子34aを防塵フィルタ制御回路48によって所定の周波数で振動させ、2つの圧電素子34a、34bの内、一つの圧電素子34bで一部の振動エネルギーを吸収することで防塵フィルタ33に所定の振動を発生させ、フィルタ表面に付着した塵を除去し得るように構成されている。また、撮像ユニット30に対しては、手ブレ補正用の防振ユニットが付加されている。
また、本実施の形態のカメラにおけるカメラシステムは、図1に示すようにCCD31に接続したCCDインターフェース回路23と、液晶モニタ24、記憶領域として機能するSDRAM25、Flash ROM26などを利用して画像処理する画像処理コントローラ28とを備え、電子撮像機能とともに電子記録表示機能を提供できるように構成されている。ここで、記録メディア27は、各種のメモリカードや外付けのHDD等の外部記録媒体であり、通信コネクタを介してカメラ本体と通信可能かつ交換可能に装着される。そして、この記録メディア27に撮影により得られた画像データが記録される。その他の記憶領域としては、カメラ制御に必要な所定の制御パラメータを記憶する、例えば、EEPROMからなる不揮発性メモリ29がBμcom50からアクセス可能に設けられている。
Bμcom50には、当該カメラの動作状態を表示出力によってユーザへ告知するための動作表示用LCD51および動作表示用LED51aと、カメラ操作スイッチ(以下、スイッチは、SWと記載する)52とが設けられている。ここで動作表示用LCD51あるいは動作表示用LED51aには防塵フィルタ制御回路が動作している期間、防塵フィルタ33の振動動作を表示する表示部が設けられている。カメラ操作SW52は、例えばレリーズSW、モード変更SWおよびパワーSWなど、当該カメラを操作するために必要な操作釦を含むスイッチ群である。さらに、電源としての電池54と、電池54の電圧を当該カメラシステムを構成する各回路ユニットが必要とする電圧に変換して供給する電源回路53が設けられ、外部電源からジャックを介して電流が供給されたときの電圧変化を検知する電圧検出回路も設けられている。
上述のように構成されたカメラシステムの各部は、概略的には以下のように稼動する。まず、画像処理コントローラ28は、Bμcom50の指令に従ってCCDインターフェース回路23を制御してCCD31から画像データを取り込む。この画像データは、画像処理コントローラ28でビデオ信号に変換され、液晶モニタ24で出力表示される。ユーザは、この液晶モニタ24の表示画像から、撮影した画像イメージを確認できる。
SDRAM25は、画像データの一時的保管用メモリであり、画像データが変換される際のワークエリアなどに使用される。また、画像データは、JPEGデータに変換された後、記録メディア27に保管される。
ミラー駆動機構18は、クイックリターンミラー11をアップ位置とダウン位置へ駆動するための機構であり、このクイックリターンミラー11がダウン位置にある時、撮影レンズ1からの光束はAFセンサユニット16側とペンタプリズム12側へと分割されて導かれる。AFセンサユニット16内のAFセンサからの出力は、AFセンサ駆動回路17を介してBμcom50へ送信されて周知の測距処理が行われる。一方、ペンタプリズム12を通過した光束の一部は測光回路21内の測光センサ21aへ導かれ、ここで検知された光量に基づき周知の測光処理が行われる。
次に、CCD31を含む撮像ユニット30について、図2〜図4を参照して説明する。なお、前述したように図2は、撮像ユニット30の構成例を示す縦側断面図であり(図3のA−A断面で示される)、図3は、撮像ユニット30の防塵フィルタを外した状態での正面図である。図4は、撮像ユニット30における防塵フィルタと圧電素子の分解斜視図である。
撮像ユニット30は、撮影光学系を透過し自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子(画像形成素子)としてのCCD31と、CCD31の光電変換面側(前面側)に配設され、撮影光学系を透過して照射される被写体光束から高周波成分を取り除く光学ローパスフィルタ(LPF)32と、防塵機構として光学LPF32の前面側において所定間隔をあけて対向配置された防塵フィルタ33および防塵フィルタ33の周縁部に配設されて防塵フィルタ33に対して所定の振動を与えるための圧電素子34aと振動の一部のエネルギーを吸収するための圧電素子34bからなる防塵用振動子65を備えている(図4,図6,図8参照)。
CCD31のCCDチップ31aは、固定板35上に配設されたフレキシブルプリント基板であるFPC31b上に直接実装され、FPC31bの両端から出た接続部31c,31dが主回路基板36に設けられたコネクタ36a,36bを介して主回路基板36側と接続されている。また、CCD31が有する保護ガラス31eは、スペーサ31fを介してFPC31b上に固着されている。
CCD31と光学LPF32との間には、弾性部材等からなるフィルタ受け部材37が配設されている。このフィルタ受け部材37は、CCD31の前面側周縁部で光電変換面の有効範囲を避ける位置に配設され、かつ、光学LPF32の背面側周縁部の近傍に当接することで、CCD31と光学LPF32との間の気密性が保持されるように構成されている。そして、CCD31と光学LPF32とを気密的に覆うホルダ38が配設されている。ホルダ38は、略中央部分に被写体光束を通過させる矩形状の開口部38aを有し、この開口部38aの防塵フィルタ33側の内周縁部には断面が略L字形状の段部38bが形成され、開口部38aに対してその後方側から光学LPF32およびCCD31が配設されている。ここで、光学LPF32の前面側周縁部を段部38bに対して略気密的に接触させるように配置することで、光学LPF32は段部38bによって撮影光軸方向における位置規制がなされ、ホルダ38の内部から前面側に対する抜け止めがなされる。
一方、ホルダ38の前面側の周縁部には、防塵フィルタ33を光学LPF32の前面に所定間隔あけて保持するために段部38b周りで段部38bよりも前面側に突出させた防塵フィルタ受け部38cが全周に亘って形成されている。全体として多角形の板状、本実施形態では長方形(四辺形)に形成された防塵フィルタ33は、ビス39で防塵フィルタ受け部38cに固定されている、板ばね等の弾性体からなる押圧部材40により押圧状態で防塵フィルタ受け部38cに支持される。そして、防塵フィルタ33は、光軸Oと直交する平面(XY平面)に沿った状態、言い換えると、該平面が光軸Oを水平にした通常の撮影状態で鉛直方向に沿った状態でCCD33の光電変換面(撮像面)からZ方向に所定の間隔で支持されている。
なお、押圧部材40と防塵フィルタ33の間にはゴムや樹脂等の振動減衰性のある受け部材61aが介在しており、一方、防塵フィルタ33の背面側の外周縁部に配設された圧電素子34a、34b部分には、防塵フィルタ受け部38cとの間に光軸に略対称位置にゴム等の振動減衰性のある受け部材61bが介在しており、防塵フィルタ33の振動を阻害しないように保持している。
また、防塵フィルタ33のY方向の位置は、押圧部材40のZ方向曲げ部によって支持部材63を介して防塵フィルタ33を支持することで決定され、一方、防塵フィルタ33のX方向の位置は、ホルダ38に設けた支持部38dによって支持部材63を介して防塵フィルタ33を支持することで決定される。支持部材63もゴムや樹脂等の振動減性のある材料で形成され、防塵フィルタ33の振動を阻害しないようにしている。
受け部材61a、61bの配置位置は、後に述べる防塵フィルタ33に発生する振動の節位置にすると防塵フィルタ33の振動をほとんど阻害することが無く、高効率な防塵フィルタを構成できる。また、防塵フィルタ33の周辺部と防塵フィルタ受け部38cとの間には弾性変形可能な環状のリップ部を持つ封止構造部としてのシール部材62が設置され、撮像エリアに対応した幅Exの結像光線が通過する光透過部である光線通過エリアEaを含む開口部38aの気密状態が確保されている。撮像ユニット30は、このようにしてCCD31を搭載する所望の大きさに形成されたホルダ38を備える気密構造に構成されている。なお、ここでの気密状態とは、塵埃の侵入によって撮影画像に塵埃が写り込み、当該画像に塵埃の影響の出ることを防止可能なレベルであれば良く、必ずしも気体の侵入を完全に防止するレベルでなくてもよい。
さらに、加振用振動部材である圧電素子34aにはフレキシブルプリント基板からなる接続FPC64が端部に電気接続され、防塵フィルタ制御回路48の電気信号を圧電素子34aに入力し、圧電素子34aに所定の振動を発生させている。接続FPC64は、樹脂と銅箔等で作製されて柔軟性があることから圧電素子34aの振動を減衰させることが少ない。また、振動振幅の小さいところ(後に述べる振動の節位置)に設けることでより振動の減衰を抑えることができる。
一方、後述するような手ブレ補正機構を持つ場合、圧電素子34aは、ボディユニット100に対して相対的に移動するので、防塵フィルタ制御回路48がボディユニット100と一体の固定部材にある時には手ブレ補正機構の動作に従って、接続FPC64は変形し、変位する。この場合、接続FPC64は、柔軟性があり、かつ、薄いため、有効である。特に本実施形態の場合には接続FPC64は、圧電素子34aの1ヶ所の部分のみで接続される簡単な構成であるので、手ブレ補正機構をもつカメラには最適である。
防塵フィルタ33でその表面から離脱した塵埃は、後述するように、その振動の慣性力と、重力の作用により、ボディユニット100の下側に落下する。そこで、本実施の形態では防塵フィルタ33の下側直近に設けた台38eに粘着材、粘着テープ等で形成された保持材66を配設し、落下した塵埃を確実に保持し、再び、防塵フィルタ33の表面に戻らないようにしてある。防塵フィルタ33にその直下に塵埃を集めるような振動を発生させ、上述のように防塵フィルタ33の直下に保持材66を配置することで塵埃がボディユニット100内の他の機構に飛散して他の機能に不具合を発生することが無いと言う利点もある。
次に、本実施形態のカメラにおける手ブレ補正機能について簡単に説明する。本実施形態のカメラにおける手ブレ補正は、まず、カメラのX軸回りの手ブレの角速度を検出するX軸ジャイロ502と、カメラのY軸周りの手ブレの角速度を検出するY軸ジャイロ503からの角速度信号に基づいて防振制御回路501により手ブレ補償量を演算する。そして、撮影光軸の方向をZ軸方向とした場合、撮影光軸に直交するXY平面内で直交する第1の方向であるX軸方向および第2の方向であるY軸方向に撮像素子(画像形成素子)であるCCD31をブレを補償するように変位移動させて手ブレによる影響をなくす。手ブレ補正用の駆動装置を含む防振ユニットは、所定の駆動信号を入力するとX軸方向にCCD31を駆動するX軸アクチュエータ506と同じく、所定の駆動信号を入力するとY軸方向にCCD31を駆動するY軸アクチュエータ507を駆動源として用い、撮像ユニット30中のCCD31を搭載したY枠530(言い換えると、図2のホルダ38)を移動対象物として構成される。ここで、X軸アクチュエータ506、Y軸アクチュエータ507は、それぞれX枠520、または、Y枠530をX,Y方向に駆動する駆動源であり、電磁回転モータとネジ送り機構等を組み合わせたもの、あるいは、ボイスコイルモータを用いた直進電磁モータ、直進圧電モータ等が適用される。
ここで、撮像ユニット30の防塵機構について、図4〜図8によりさらに詳しく説明する。前述したように図4は、撮像ユニット30における防塵用振動子を構成する防塵フィルタと圧電素子の分解斜視図である。図5は防塵フィルタに発生する振動の様子を示す防塵フィルタの正面図である。図6は、図5のB−B断面図であり、防塵フィルタに発生する進行波を示す概念図である。図7は、図5のC−C断面図である。図8は、図5のB−B断面を拡大し、その振動状態を示した図である。
ガラス板からなる防塵フィルタ33は、全体として円形ないし多角形の板状を成し、少なくとも自己の中心から放射方向に所定の広がりを持つ領域が透明部を成しており、この透明部が光学LPF32の前面側に所定の間隔をもって対向配置されている。
また、防塵フィルタ33の一方の面(本実施形態ではZ方向背面側)のY方向の上側周縁部には、当該防塵フィルタ33に対して振動を与えるための所定の加振用振動部材である圧電素子34aが、長手方向をX方向とする状態で、例えば、接着剤による貼着等の手段により配設されている。さらに防塵フィルタ33のY方向の下側周縁部には、当該防塵フィルタ33に対して振動を与えられた振動の一部を吸収するための吸収用振動部材としての圧電素子34bが、長手方向をX方向とする状態で同様に接着剤による貼着等の手段により配設されている。なお、図6,7において圧電素子34a,34bのY方向の幅をSyで示され、X方向の長さは、Sxで示されている。
防塵フィルタ33に圧電素子34a、34bが配設されてなる防塵用振動子65は、圧電素子34aに所定の周波電圧を印加すると共振振動し、図5〜7に示す屈曲振動を発生する。図4に示すように圧電素子34aには信号電極S34a1と信号電極S34a1に対向した裏面に設けられ、側面を通して信号電極34a1のある面に引き回された信号電極G34a2が形成されている。そして、信号電極34a1と信号電極G34a2に電気的に夫々接続された導電性パターンを持つ接続FPC64が接続されている。
上記夫々の電極に接続FPC64を介して接続された防塵フィルタ制御回路48によって所定周期を有する駆動電圧を印加することで、防塵フィルタ33に図5〜7に示す2次元の定在波屈曲振動を発生させることができるように構成されている。
図5,6,7に示す屈曲振動は、防塵フィルタ33に厚み方向(Z方向)に分極した圧電素子34aと、分極しない圧電性の無いセラミックである場合の圧電素子34bとを貼り付けた場合に発生する定在波振動を示している。なお、図6の中心線N0は、防塵フィルタ33の中立面上の線を示している。
図5において、ラインNx,Nyは、振動の節を示す。このライン上は、振動振幅が全くない。領域A0は、上記振動の節が交差する範囲の領域であり、振動振幅が殆どない領域である。領域A1とA2は、前面側に凸、または、凹に変形する振動領域を示している。この定在波の状態では振動の殆どないエリアに付着した塵埃は屈曲振動によって除くことができない。
そこで、本実施形態においては、図5のように定在波屈曲振動を発生させる状態に加えて、防塵フィルタ33の所定の位置に厚み方向(Z方向)に分極した圧電素子34bを配設することによって、上記定在波屈曲振動の所定の振動を吸収し、発生した電荷を放電させ、防塵フィルタ33に屈曲進行波を発生させる。この屈曲進行波により防塵フィルタ33の結像光線が通過する光線通過Eaの表面に付着した塵埃を、該塵埃に生じる慣性力により引き離すことが可能となる。
次に、図8を用いて進行波の発生方法について詳しく説明する。図8は、図5のB−B断面図と同じ断面を示しており、その振動状態は、圧電素子34bが分極してないときの状態(図5と同じ)である。圧電素子34aに所定の周波数fの周波電圧が印加された場合は、防塵フィルタ33を含む防塵用振動子65がある時点t0で実線に示した状態となる。
振動子表面の任意の位置yにある質点Y1の任意の時刻tでのZ方向の振動z(Y,t)は、上記周波電圧の振動の角速度ωとし、Z方向の振幅Aとし、さらに、屈曲振動の波長λとして、Y=2πy/λとしたとき、
z(Y,t)=A×sin(Y)×cos(ωt)…(1)
で示される。(1)式は、図5〜7での定在波振動波形を表す。なお、図中には、上記波長λをY方向の波長であることからλyで示している。
すなわち、nを整数としてy=n・λ/2のとき、Y=nπとなり、sin(Y)は零になる。したがって、時間に関係なくZ方向の振動振幅が零になる節を持つことになり、これは定在波振動である。図8にて破線で示した状態は、時間t0の状態に対して振動が逆相となるt=kπ/ωでの振動を示す(kを奇数とする)。
一方、振動吸収体である圧電素子34bが分極状態(図8の状態)であって、圧電素子34bの配設位置と、圧電素子34aの配置位置との間隔H(各圧電素子のY方向幅Syの中心距離)は、
H=k(λ/4)
となるようにしてある。Hを振動位相として考えると、λ=2πなので、H=kπ/2となり、また、圧電素子34aの振動位相を基準に位相がπ/2だけ進んだタイミングで、圧電素子34bは発生した振動を吸収して電荷が発生し、電荷は回路のグランドに流される。
上述の状態を(1)式と同様に、圧電素子34bの振動をY方向の任意の位置yの振動zb(Y,t)として表し、nを整数として間隔Hをk=(1+4n)の場合のみを考えると、
H=kπ/2
=(π/2+2πn)
=π/2
であり、上記振動zb(Y,t)は、
zb(Y,t)=sin(Y+π/2)×cos(ωt+π/2)…(2)
となる(図8の状態)。
ちなみにkは、奇数であって、kの残りの状態は、k=(3+4n)であり、H=3π/2となり、この場合は圧電素子34bの設置位置をλ/2だけずらせば実現できる。
上記(1)式は、圧電素子34aによって発生する振動z(Y,t)を示しているので、これから(2)式の振動zb(Y,t)を減算すると、合成された振動Z(Y,t)=z(Y,t)−zb(Y,t)が得られ、
Z(Y,t)=sin(Y)×cos(ωt)−sin(Y+π/2)×cos(ωt−π/2) …(3)
=sin(Y)×cos(ωt)−cos(Y)×sin(ωt)
=sin(Y−ωt)…(4)
となる。(4)式は、進行波を表す。
ここで、時間位相をずらすためには、防塵フィルタ制御回路48の入力信号の周波数を防塵用振動子65に最大の振幅定在波(共振周波数における定在波)が発生する周波数からずらしていくと、圧電素子34bに発生する電圧信号(電荷の発生を表す)の位相もずれ、圧電素子34aに印加する周波数を所定の値にすることにより実現できる。(4)式の進行波の進む方向は、Y方向の正方向であり、図8に示すWy方向である。このとき、防塵フィルタ33の表面の質点Y0は、図8に示されるように楕円振動をする(図8において、符号EL参照)。図8では防塵フィルタに付着した塵埃は、下方に慣性力を受けることになり、重力方向と合せて、塵埃を離脱させる力がより強くなる。また、図8では、符号ECで示すように圧電素子34bに発生する電荷を積極的にグランドに流す構成にしてあるが、電荷は、周期的にプラスもマイナスも発生し、信号電極S34b1、信号電極G34b2の内部を流れて消滅するので必ずしも回路のグランドに接続する必要はない。進行波の進行方向を変えるのには位置位相Yをπだけずらして(すなわち、間隔Hをλずらす)、位相反転させるか、あるいは、時間位相ωtをπずらせば、実現できる。
次に、図9の振動吸収体である圧電素子34bの電気等価回路を用いて、圧電素子34bの周波数が共振周波数付近で変化した場合の振動状態を説明する。防塵用振動子65の共振周波数付近の圧電素子34bの電気等価回路は、図9の符号CBで示すものとする。図9のC0は、圧電素子34bがもともと持っている静電容量であり、L、C、Rは、圧電素子の機械的振動を電気回路素子であるコイル、コンデンサー、抵抗に置き換えた等価回路上の数値であり、当然、周波数に依存して変化する。
周波数が共振周波数になったとき。すなわち、周波数f0=1/(2π√(L・C))になったとき、図9の電気等価回路CB′に示すようにLとCの共振となる。全く共振していない周波数から共振周波数側に周波数を上げていくと圧電素子34aの加振の位相に対して圧電素子34bの位相が変化していき、共振のときには位相がπ/2進み、さらに周波数を上げていくと位相はπまで進む、それ以上、周波数を上げていくと位相は減少し、共振域で無くなると同位相となる。実際には防塵用振動子65の構成により、理想状態とはならず、位相がπまで変化しない場合もあるが、駆動周波数を適切に設定することで位相をπ/2、あるいは、その近くに設定することは可能である。
上述した進行波の発生により、図5で示した振動振幅の大きなエリアは上方に移動することになり、Y方向の節以外の場所は全て振動振幅の大きなエリアとなる。幅Exの結像光線が通過する光線通過エリアEaは、この領域よりも充分に小さいので、結像光線の通過エリアは十分に塵埃の除去をすることができる。また、図5のY方向に平行な振動の節は進行波を発生させても、節となるため、この節の部分を防塵フィルタ33の保持のために使えば、振動の減衰が発生せず確実な支持ができる。一方、シール部材62(図2,3)は、進行波発生部にも設けなければならないが、リップ形状にすることにより、屈曲振動振幅方向には力が強く作用しないように構成してあるので、シール部材62による振動の減衰は極めて少ない。
通常、温度は防塵用振動子65の弾性係数に影響し、その固有振動数を変化させる要因の1つである。そのため、運用時にその温度を計測してその固有振動数の変化を考慮するのが良い。この場合、温度測定回路(不図示)に接続された温度センサ(不図示)がボディユニット100内に設けられており、温度センサの計測温度からあらかじめ決められた防塵用振動子65の振動周波数の補正値をEEPROM29に記憶させ、計測温度と補正値をBμcom50に読み込み、駆動周波数を演算して防塵フィルタ制御回路48の駆動周波数としている。
次に、図10に示す防塵フィルタ制御回路48の回路図と、図11に示すタイムチャートに基づいて、この本実施形態における防塵機能付きのカメラの防塵フィルタ33の駆動制御、および、その動作について、図10,11を用いて説明する。
図10は、防塵フィルタ制御回路を示す図であり、図11は、本実施形態のカメラにおける防塵フィルタ制御回路の各信号のタイムチャートである。
ここに例示した防塵フィルタ制御回路48は、図10に示す回路構成を有し、その各部において、図11のタイムチャートで表わす波形の信号(Sig1〜Sig4)が生成され、それらの信号に基づいて次のように制御される。
防塵フィルタ制御回路48は、図10に例示の如く、N進カウンタ41と、1/2分周回路42と、インバータ43と、複数のMOSトランジスタ(Q00、Q01、Q0)244a、44b、44cと、トランス45および抵抗(R00)46とにより構成されている。
上記トランス45の1次側に接続されたトランジスタ(Q01)44bおよびトランジスタ(Q02)44cのオン/オフ切替え動作によって、そのトランス45の2次側に所定周期の信号(Sig4)が発生するように構成されている。そして、この所定周期の信号に基づき圧電素子34aを駆動させ、発生した振動の一部を圧電素子34bで吸収することにより、防塵フィルタ33を固着した防塵用振動子65に共振進行波を発生させるようになっている。
Bμcom50は、制御ポートとして設けられた2つのIOポートP−PwCont及びIOポートD−NCnt(図10参照)と、このBμcom50内部に存在するクロックジェネレータ55を介して防塵フィルタ制御回路48を次のように制御する。
クロックジェネレータ55は、圧電素子34aへ印加する信号周波数より充分に早い周波数でパルス信号(基本クロック信号)をN進カウンタ41へ出力する。この出力信号が図11中のタイムチャートが表わす波形の信号Sig1である。そしてこの基本クロック信号は、N進カウンタ41へ入力される。
N進カウンタ41は、当該パルス信号をカウントし所定の値“N”に達する毎にカウント終了パルス信号を出力する。即ち、基本クロック信号を1/Nに分周することになる。この出力信号が図11中のタイムチャートが表わす波形の信号Sig2である。この分周されたパルス信号は、高(High)と低(Low)のデューティ比が1:1ではない。そこで、1/2分周回路42を通してデューティ比を1:1へ変換する。なお、この変換されたパルス信号は、図11中のタイムチャートが表わす波形の信号Sig3に対応する。
上記変換されたパルス信号のHigh状態において、この信号が入力されたMOSトランジスタ(Q01)44bがオンする。一方、トランジスタ(Q02)44cへはインバータ43を経由してこのパルス信号が印加される。したがって、パルス信号のLow状態において、この信号が入力されたトランジスタ(Q02)44cがオンする。トランス45の1次側に接続されたトランジスタ(Q01)44bとトランジスタ(Q02)44cが交互にオンすると、2次側には図11中の信号Sig4の如き周期の信号が発生する。
トランス45の巻き線比は、電源回路53のユニットの出力電圧と圧電素子34aの駆動に必要な電圧から決定される。なお、抵抗(R00)46はトランス45に過大な電流が流れることを制限するために設けられている。
圧電素子34aを駆動するに際しては、トランジスタ(Q00)44aがオン状態にあり、電源回路53のユニットからトランス45のセンタータップに電圧が印加されていなければならない。図中トランジスタ(Q00)44aのオン/オフ制御は、IOポートのP−PwContを介して行われる。N進カウンタ41の設定値“N”はIOポートD−NCntから設定できる。よって、Bμcom50は、設定値“N”を適宜に制御することで、圧電素子34aの駆動周波数を任意に変更可能である。
このとき、次式によって周波数は、算出可能である。すなわち、カウンタへの設定値をNとし、クロックジェネレータの出力パルスの周波数をfplsとし、圧電素子34aへ印加される信号の周波数をfdrvとすると、
fdrv=fpls/2N…(5)
となる。この(5)式に基づいた演算は、Bμcom50の制御部であるCPUで行われる。
さらに、このカメラは、超音波域(20kHz以上の周波数)の周波数で防塵フィルタ33を振動させる場合にカメラの操作者に防塵フィルタ33の動作を告知する表示部を有する。つまり、上記撮像ユニット30の前面に配置され振動可能な透光性をもつ振動対象部材である防塵フィルタ33に対して、加振手段である圧電素子34aで振動を与えるとき、加振手段の駆動回路の動作と連動してカメラの表示部を動作させ、防塵フィルタ33の動作を告知することも実施するデジタルカメラである(詳細後述)。
上述の特徴を詳しく説明するため、ボディ制御用マイクロコンピュータであるBμcom50が行なう具体的な撮影シーケンス制御について、図12、図13を参照しながら説明する。
図12は、本実施形態のカメラにおける撮影シーケンスのフローチャートであり、Bμcom50が行なう撮影シーケンス(メインルーチン)の手順を例示している。図13(A),(B)は、上記メインルーチンで呼び出されるサブルーチンである「無音加振動作」、および、加振動作に伴う「表示動作」の手順を示すフローチャートである。
図12に示すフローチャートに係わるBμcom50で稼動可能な制御プログラムは、カメラのボディユニット100の電源スイッチ(不図示)がオン操作されると、その稼動を開始する。
最初にステップS0において、当該カメラシステムを起動するための処理が実行される。電源回路53を制御して当該カメラシステムを構成する各回路ユニットへ電力を供給する。また各回路の初期設定を行なう。
S1では、後述するサブルーチン「無音加振動作」(図13(A)参照)をコールすることで、無音、即ち、可聴範囲外で防塵フィルタ33を振動させる。なお、ここで云う可聴範囲は、一般人の聴力を基準にして約20Hz〜20000Hzの周波数の範囲内とする。
続く、ステップS2〜S27までは、周期的に実行されるステップ群である。すなわち、ステップS2は、当該カメラに対するアクセサリの着脱を検出するためのステップである。例えば、アクセサリの1つであるレンズユニット10が、ボディユニット100に装着されたことを検出する着脱検出動作では、Lμcom5と通信を行なうことでレンズユニット10の着脱状態を調べる。
もし、ステップS3で、所定のアクセサリがカメラ本体に装着されたことを検出すると、ステップS4にて、後述するサブルーチン「無音加振動作」をコールすることで、無音で防塵フィルタ33を振動させる。
このように、カメラ本体であるボディユニット100にアクセサリの特にレンズユニット10が装着されていない期間には、特に各レンズや防塵フィルタ33等に塵が付着する可能性が高いので、上述の如くレンズユニット10の装着を検出したタイミングで塵を払う動作を実行することは有効である。また、レンズ交換時にカメラ内部に外気が循環し塵が進入して付着する可能性が高いので、このレンズ交換時に塵除去することは有意義である。そして撮影直前とみなし、ステップS5へ移行する。
一方、上記ステップS3でレンズユニット10がボディユニット100から外された状態であることを検出した場合は、そのまま、次のステップS5へ移行する。ステップS5では、当該カメラが有する所定の操作スイッチの状態検出が行なわれる。
ステップS8では、一段目レリーズスイッチを成す1stレリーズSW(不図示)が操作されたか否かを、当該レリーズSWのオン/オフ状態で判定する。その状態を読み出し、もし1stレリーズSWが所定時間以上、オン操作されない場合には、後述のステップS17へ移行して終了処理(スリープ等)となる。
一方、1stレリーズSWがオン操作された場合には、ステップS9にて、測光回路21から被写体の輝度情報を入手する。そして、この輝度情報からCCDユニット27の露光時間(Tv値)と、レンズユニット10の絞り設定値(Av値)とを算出する。
その後、ステップS10では、AFセンサ駆動回路17を経由してAFセンサユニット16の検知データを入手する。このデータに基づきピントのズレ量を算出する。
ステップS11では、その算出されたズレ量が許可された範囲内にあるか否かを判定し、否の場合はステップS12で撮影レンズの駆動制御を行い、ステップS2へ戻る。
さらに、ステップS16では、二段目レリーズスイッチを成す2ndレリーズSW(不図示)がオン操作されたか否かを判定する。この2ndレリーズSWがオン状態のときは、続くステップS18へ移行して所定の撮影動作(詳細後述)を開始するが、オフ状態のときは、ステップS17へ移行して終了処理となる。
なお、撮像動作中では、通常の如く、露出の為に予め設定された秒時(露出秒時)に対応した時間の電子撮像動作を制御する。
上記撮影動作として、ステップS18〜ステップS24までは、所定の順序にて被写体の撮像が行われる。まずLμcom5へAv値を送信し、絞り3の駆動を指令し(ステップS18)、クイックリターンミラー11をアップ(UP)位置へ移動させる(ステップS19)。そして、シャッタ15の先幕走行を開始させてオープン制御し(ステップS20)、画像処理コントローラ28に対して「撮像動作」の実行を指令する(ステップS21)。Tv値で示された時間だけのCCD31への露光(撮像)が終了すると、シャッタ部15の後幕走行を開始させてクローズ(CLOSE)制御する(ステップS22)。そして、無音加振動作を終了し、クイックリターンミラー11をダウン(DOWN)位置へ駆動すると共に、シャッタ15のチャージ動作を行なう(ステップS23)。
その後、Lμcom5に対して絞り3を開放位置へ復帰させるように指令して(ステップS24)、一連の撮像動作を終了する。
続いて、ステップS25において、記録メディア27がボディユニット100に装着されているか否かを検出し、否の場合は、ステップS27にて警告表示をする。そして、再び、上記ステップS2へ移行して、同様な一連の処理を繰り返す。
一方、記録メディア27が装着されていれば、ステップS26にて、画像処理コントローラ28に対し撮影した画像データを記録メディア27へ記録するように指令する。その画像データの記録動作が終了すると、再び、上記ステップS2へ移行して、同様な一連の処理を繰り返す。
ここで、加振動作における詳しい振動形態と表示動作の関係について、上述した3つのサブルーチンの制御手順を図13(A),(B)および図14に基づいて説明する。なお、この振動形態とは、加振手段によって引き起こされる振動の形態である。
図13(A),(B)は、サブルーチン「無音加振動作」と加振動作に伴う「表示動作」の動作手順を表わすフローチャートであり、図14は、上記無音加振動作における加振手段へ連続的に供給される共振周波数の波形を表わすグラフである。
図13(A),(B)のサブルーチン「無音加振動作」と加振動作に伴う「表示動作」は、防塵フィルタ33の塵除去の為にだけの加振動作を目的とするルーチンであるので、振動周波数f0は、その防塵フィルタ33の共振周波数付近の所定の周波数に設定されている。例えば、この場合は、80kHzであり、少なくとも20kHz以上の振動である故に、ユーザにとっては無音である。
まず、ステップS200では、防塵フィルタ33を振動させるための駆動時間(Toscf0)と共振周波数である駆動周波数(Noscf0)に関するデータを、EEPROM29の所定領域に記憶されている中から読み出す。このタイミングでステップS101にて加振モードの表示をオンし、次にステップS102で所定時間が経過したかを判定し、所定時間が経過していないときは加振モードの表示を継続し、所定時間経過後は、ステップS103にて加振モード表示をオフする。
一方、ステップS201では、Bμcom50の出力ポートD−NCntから、駆動周波数Noscf0を、防塵フィルタ制御回路48のN進カウンタ41へ出力する 続く、ステップS202〜ステップS204では、次のように塵除去動作が行なわれる。すなわち、まず、塵除去動作を開始させ実行する。一方、このときの表示は、制御フラグP−pwContをHi(High value)のタイミングで加振動作表示を開始させ(ステップS104)、次に、ステップS105で所定時間が経過したかを判定し、所定時間が経過していないときは、加振動作の表示を継続し、所定時間経過後は加振動作表示を終了する(ステップS106)。このときの加振動作表示は、時間経過、あるいは、塵埃除去経過に応じて変化する表示をする(不図示)。この場合の所定時間は、後に述べる加振動作の継続時間であるToscf0に略等しい。また、塵除去のために制御フラグP−pwContをHiに設定すると(ステップS202)、圧電素子34aは、所定の駆動周波数(Noscf0)で防塵フィルタ33を加振し、フィルタ面に付着した塵を振り払う。この塵除去動作で防塵フィルタ面に付着した塵が振り払われるとき、同時に、空気振動が起こり、超音波が発生する。但し、駆動周波数Noscf0で駆動されても、一般人の可聴範囲内の音にはならず、聞こえない。
所定駆動時間(Toscf0)の間、防塵フィルタ33を振動させた状態で待機し(ステップS203)、その所定駆動時間(Toscf0)経過後、制御フラグP−pwContをLo(Low value)に設定することで、加振終了表示をオン(ステップS107)するとともに、塵除去動作を停止させる(ステップS204)。加振終了表示は所定時間経過後(ステップS108)にオフ(ステップS109)され、表示を終了する。そして、メインルーチンにてコールされたステップの次のステップにリターンする。
このサブルーチンで適用される共振周波数である振動周波数f0(Noscf0)と駆動時間(Toscf0)は、図14にグラフで表わしような波形で示される。すなわち、一定の振動(f0=40kHz)が、塵除去に充分な時間(Toscf0)だけ続く連続的な波形となる。つまり、この振動形態が、加振手段に供給する共振周波数を調整して制御するものである。
上述したように本実施形態のカメラによれば、占有スペーサが少なく、かつ、簡単な構成の防塵フィルタ33を使用し、防塵が必要な範囲に均一な進行波を含む超音波振動を発生させることにより、CCD31に塵埃が付着するのを高効率で防止でき、塵埃のCCD31への写りこみを防止できるデジタルカメラを提供することができる。
また、本実施形態のカメラに適用した防塵フィルタを含む防塵機構およびその制御回路からなるユニットは、液晶プロジェクタ等の映像機器の液晶パネルの防塵ユニットとしても適用可能であり、塵埃のスクリーン面への映し出しを効率よく防止することが可能となる。
次に、本発明の第二の実施形態としてデジタルカメラに適用可能な防塵フィルタを含む防塵機構について、図15〜17を用いて説明する。
図15は、本実施形態のにおける防塵フィルタに発生する振動の様子を示す防塵フィルタの正面図である。図16は、図15のD−D断面図であり、防塵フィルタに発生する進行波を示す概念図である。図17は、図15のE−E断面図である。
本実施形態の防塵フィルタを含む防塵機構は、前記第一の実施形態に対して、以下の点が異なっている。すなわち、第一の異なるところは、加振用振動部材である圧電素子34Aaの設置位置が防塵フィルタ33Aの表側(前面側)であり、かつ、防塵フィルタ33の裏側(裏面側)に設置される吸収用振動部材である圧電素子34Abの設置位置に対して防塵フィルタ33Aを挟んで対向する位置となるようにしている(図16)。但し、圧電素子34Aaと圧電素子34Abの中心位置の間隔Hは、H=n(λ/4)とする。第二の異なるところは、圧電素子34Aa、34Abの形状であり、第一の実施形態の場合に比較してX方向の長さは短く、Y方向の幅は長く形成されている。
このように、Y方向に圧電素子34Aaと圧電素子34Abとを重なる状態で設置すれば、X方向の長さが短くなった分、Y方向の幅を広くすることができるので、これにより振動エネルギーの発生と吸収を第一の実施形態と同じにすることが可能となる。また、光線通過エリアEaをY方向にずらすことにより、よりY方向の寸法を小さくすることが可能となる。また、圧電素子34AaのX方向の長さを短くできるので、板バネ等からなる防塵フィルタ押圧部材の押圧位置も変更することなく防塵フィルタ33Aを直接押さえることが第一の実施形態と同様に可能である。従って、第一の実施形態と同じ押圧部材を用いることができる。なお、Z方向寸法は、圧電素子34Aaが取り付けられた部分が第一の実施形態より圧電素子34Aaの厚さ分だけ長くなるが、それ以外、例えば、防塵フィルタ33Aの面積等は小さく形成することが可能である。さらに、X方向の圧電素子の長さが、屈曲振動波長をλxとしたとき、λx/2以内であり、屈曲振動の同位相のエリアになることにより第一の実施形態よりも高効率で振動を発生可能である。
次に、本発明の第三の実施形態としてデジタルカメラに適用可能な防塵フィルタを含む防塵機構の制御について、図18を用いて説明する。
図18は、本実施形態におけるサブルーチン「無音加振動作」のフローチャートである。
図18のサブルーチン「無音加振動作」のフローチャートは、第一の実施形態における図13(A)に示すサブル−チン「無音加振動作」の動作を変更したものであり、防塵フィルタの動作が、第一の実施形態の場合と異なる。すなわち、第一の実施形態の場合は、防塵フィルタ33の駆動周波数はf0と言う固定値にして進行波が発生する形態としていたが、本第三の実施形態の場合は、定在波振動と進行波振動が時間的に混在する振動を発生させる。図18のサブルーチン「無音加振動作」における振動周波数f0は、防塵フィルタの共振周波数付近の所定の周波数に設定されている。例えば、この場合は、80kHzであり、少なくとも20kHz以上の振動である故に、ユーザにとっては無音である。
まず、ステップS300では、防塵フィルタ33を振動させるための駆動時間(Toscf0)と駆動開始周波数(Noscfs)と周波数変移量(Δf)と駆動終了周波数(Noscft)に関するデータを、EEPROM29の所定領域に記憶されている中から読み出す。
ステップS301では、駆動周波数(Noscf)として駆動開始周波数(Noscfs)を設定する。ステップS302では、Bμcom50の出力ポートD−NCntから、駆動周波数(Noscf)を、防塵フィルタ制御回路48のN進カウンタ41へ出力する 続くステップS303〜ステップS307では、次のように塵除去動作が行なわれる。
まず、塵除去動作を開始させ、ステップS303で塵除去のために制御フラグP−pwContをHi(High value)に設定すると、圧電素子34aは、所定の駆動周波数(Noscf)で防塵フィルタ33を加振し、防塵フィルタ33にほぼ定在波振動を生じさせる。防塵フィルタ33の構成とNoscfsの設定によっては一部進行波成分も発生する。なお、フィルタ面に付着した塵は定在波振動により振り払われるが、定在波の節付近の振動振幅の小さいエリアの塵埃は除去できない。ステップS304で駆動時間(Toscf0)の間、振動は継続される。
次に、ステップS305で駆動周波数(Noscf)が駆動終了周波数(Noscft)であるかを比較判定し、一致していなければ(判定がNOの場合)、駆動周波数(Noscf)に周波数変移量(Δf)を加算し、再び駆動周波数(Noscf)に設定し、ステップS301の動作からステップS304までの動作を繰り返す。そして、ステップS305で駆動周波数(Noscf)が駆動終了周波数(Noscft)に一致したとき(判定がYESの場合)にステップS307でP−PwContをLoに設定し、圧電素子34aの加振動作が終了して、一連の「無音加振動作」が終了する。
上述のように周波数を変更していった場合に先に述べたように圧電素子34aの振動に対する振動吸収部材である圧電素子34bの振動の位相が変化し、防塵フィルタ33にほぼ進行波振動が発生する周波数を通過するように駆動開始周波数(Noscfs)と周波数変移量(Δf)と駆動終了周波数(Noscft)を設定すれば、防塵フィルタに定在波主体の振動がまず発生し、次第に定在波成分が小さくなり進行波成分が増大する。ほぼ進行波振動になった後、進行波成分が小さくなり、再び定在波主体の振動が大きくなり、最後は再び定在波振動になるといった制御を行うことができる。そして、定在波振動では防塵フィルタ面上に残されていた塵埃も上記進行波振動で振り落とすことができる。また、駆動開始周波数(Noscfs)と駆動終了周波数(Noscft)の間をある程度広くとれば、防塵用振動子65の温度や製造バラツキによる共振周波数の変化を吸収することが可能で極めて簡単な回路構成で防塵フィルタ33に付着した塵埃を確実に振り払うことが可能となる。
次に、本発明の第四の実施形態としてデジタルカメラに適用可能な防塵フィルタを含む防塵機構について、図19,20を用いて説明する。
図19は、本実施形態の防塵機構の防塵フィルタの断面図であって、第一の実施形態における図6に対応する防塵フィルタの断面図である。図20は、本実施形態における防塵フィルタの吸振用圧電素子にコイルを接続したときの電気等価回路を示す。
図9により第1の実施形態の場合の時間位相の設定方法について述べたが、本実施形態の場合は、共振周波数付近のいかなる周波数に設定しても振動吸収体である圧電素子34bの振動位相をπ/2だけ変化させることが可能な方法を採用する。図19に示すように圧電素子34bにはコイル67Bが直列に挿入してある。そして、ここではコイル67Bは、電気的に共振したときに位相をπ/2だけ遅らせる働きをし、このコイル67Bにより、電気的に電荷の流れである電流の位相をずらすことが可能であり、図20の電気等価回路CB″から圧電体の静電容量C0と電気的に共振して最も効率よく電荷の吐き出しが可能となる。同様に圧電素子34bにコンデンサーを直列あるいは並列に接続することにより、電気的に共振したときに位相はπ/2だけ進めることが可能で、コイルの場合と同様に非常に効率良く進行波を発生させることができる。また、コイル67BのインダクタンスLkの値として図20に示す値を設定してあるが、他の値に設定すると、遅れ位相をπ/2でない数値に設定することも可能である。
また、上述した各実施形態に対して、次のような変形例を採用してもよい。例えば、上記防塵機構の加振手段による塵埃除去手段の他に、空気流によって防塵フィルタの塵を除去する方式、あるいは、ワイパーにより防塵フィルタの塵を除去するような機構を組み合わせて用いても良い。
また、上述した各実施形態では加振用振動部材は、圧電体としていたが、これに限らず、電歪材料でも、超磁歪材を適用してもよい。
また、加振する対象となる防塵部材は、例示の透明なガラス板からなる防塵フィルタ33に限らず、光路上に在り光の透過性をもった部材であれば、例えば、透明なガラス板に換えて、光学ローパスフィルタ(LPF)、赤外カットフィルタ、偏光フィルタ、ハーフミラーなどの光学素子であってもよい。
また、振動の際、加振する対象部材に付着している塵をより効率よく振り落とせるように、その表面に、例えば、透明導電膜であるITO(酸化インジウム・錫)膜、インジウム亜鉛膜、ポリ3,4エチレンジオキシチオフェン膜、吸湿型静電気防止膜である界面活性剤膜、シロキサン系膜等をコーティング処理しても良い。但し、振動に係わる周波数や駆動時間、振動吸収部材の設置位置などはその部材に対応した値に設定する必要がある。
また、第一の実施形態として記載した光学ローパスフィルタ(LPF)32を、複屈折性を有する複数枚の光学ローパスフィルタ(LPF)として構成し、複数枚に構成した光学ローパスフィルタ(LPF)のうちの最も被写体側に配置された光学ローパスフィルタ(LPF)を、図2に記載した防塵フィルタ33の代わりに防塵部材(加振対象)として使用してもよい。
また、第一の実施形態として図2に記載した光学ローパスフィルタ(LPF)32を有さないカメラとし、防塵フィルタ33を、上述した光の透過性をもった部材である赤外カットフィルタ、赤外カットフィルタ、偏光フィルタ、ハーフミラー等の防塵部材のいずれかを使用するようにしてもよい。
また、上記光学ローパスフィルタ(LPF)32を有さないだけでなく、防塵フィルタ33を、図2記載の保護ガラス31eに代用させる構成としてもよい。この場合、保護ガラス31eとCCDチップ31aとの防塵、防湿状態を維持するようにするとともに、保護ガラス31eを支持しつつ、振動させる構成として、図2記載の防塵フィルタ33を支持しつつ、振動させる構成を利用すればよい。なお、保護ガラス31eは、上述した光の透過性をもった部材である赤外カットフィルタ、赤外カットフィルタ、偏光フィルタ、ハーフミラー等の防塵部材のいずれかを使用するようにしてもよいことは云うまでもない。
なお、本発明を適用する電子撮像装置であるデジタルカメラに適用した例を説明したが、あるいは、例示したデジタルカメラに限らず、塵除去機能を必要とする画像装置であれば必要に応じて変形実施することで実用化され得る。例えば、映像装置でもある液晶プロジェクターの液晶パネルと光源の間に本発明の防塵機構を設けてもよいのは云うまでもない。
本発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
本発明の画像機器は、光学部材である防塵部材に対して常に、あるいは、所定時間内に定常波の全くない振動幅の大きい進行波を効率よく発生させ、上記防塵部材の光透過部に付着した塵埃等を確実に除去可能な画像機器として利用することができる。
31 …CCD(画像形成素子)
33 …防塵フィルタ(防塵部材)
34a…加振用圧電素子(加振用振動部材,圧電体)
34b…吸振用圧電素子(吸振用振動部材,圧電体)
62 …シール部材(封止構造部)
Ea…光線通過エリア(光透過部)
Noscfs…駆動開始周波数(開始周波数)
Noscft…駆動終了周波数(終了周波数)

Claims (7)

  1. 光学的な画像が生成される画像面を有する画像形成素子と、
    上記被写体光が透過する光透過部を有し、当該光透過部が上記画像形成素子の画像面に対して所定の間隔を持つように対向配設された防塵部材と、
    上記防塵部材の光透過部以外の位置に配置されていて、当該防塵部材自身を振動させる加振用振動部材と、
    上記防塵部材の光透過部以外の位置で、かつ、上記加振用振動部材と対向する位置に配置されていて、上記防塵部材の振動の一部を所定の周期で吸収して電荷を発生する吸収用振動部材と、
    を具備し、
    上記加振用振動部材の振動により上記防塵部材に発生する振動の波長をλとし、奇数をkとしたとき、上記加振用振動部材と上記吸収用振動部材とは、上記防塵部材の表面上においてそれらは互いに自己の中心間距離がk×λ/4に相当する離間位置に配置されていることを特徴とする画像機器。
  2. 上記吸収用振動部材は、上記加振用振動部材の振動に対して位相がπ/2に相当する位
    相だけずれた振動成分を吸収することを特徴とする請求項1記載の画像機器。
  3. 上記加振用振動部材は、上記防塵部材の振動の節の近傍に配置され、上記吸収用振動部
    材は、上記防塵部材の振動の腹の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1記載の
    画像機器。
  4. 上記加振用振動部材及び上記吸収用振動部材は、同一の材質、同一の形状を有する圧電
    体であって、上記防塵部材の同一面上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載
    の画像機器。
  5. 上記画像形成素子の画像面と上記防塵部材とが対向して形成される空間部を略密閉する
    べく、上記撮像素子の画像面及び上記防塵部材の周縁側に上記空間部を封止するための封
    止構造部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の画像機器。
  6. 上記画像機器は、デジタルカメラであって、
    上記防塵部材は、長方形状の部材からなり、かつ、上記被写体光の光軸方向に垂直な面
    に沿ってデジタルカメラ本体内に配置され、上記加振用振動部材は、上記デジタルカメラ
    本体を上記光軸が水平になるように支持した撮影状態において、上記デジタルカメラ本体
    内の上記長方形状の防塵部材の上辺側一端部に沿って配置され、上記吸収用振動部材は、
    上記デジタルカメラ本体内の上記長方形状の防塵部材の下辺側一端部に沿って配置されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の画像機器。
  7. 上記加振用振動部材を振動制御するために開始周波数と終了周波数の間において、進行
    波振動する共振周波数に設定されることがあるように順次所定の変移周波数ずつ変化させ
    た周波数を印加するように制御する振動制御部をさらに備えていることを特徴とする請求
    項1に記載の画像機器。
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