JP2009295936A - 電子デバイスチップ及びパターン配線シート - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な原理、構造による新規な電子デバイスチップ及びパターン配線シートを提供する。
【解決手段】電子デバイスチップは、可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透する基材上に電気的機能発現材料を付与して、該電気的機能発現材料の揮発成分が揮発後の残留固形分により形成されるパターンの組み合わせによって電子デバイスを形成してなる。基材上ならびに基材の深さ方向に浸透した領域のパターンの厚さは、基材の厚さより薄くする。パターン配線シートは、可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透する基材上の1対の電極間に電気的機能発現材料を付与して、該電気的機能発現材料の揮発成分が揮発後の残留固形分によって電極間を導通せしめるパターンを形成してなる。基材上ならびに基材の深さ方向に浸透した領域のパターンの厚さは、基材の厚さより薄くする。
【選択図】図36

Description

本発明は、画像形成手段を用いて電気的機能発現材料を基材上に付与してパターン形成を行って形成される電子デバイスチップ及びパターン配線シートに関する。
近年、プリンタブルエレクトロニクス(Printable Electronics)と呼ばれる技術分野の研究開発がさかんになってきている。これは従来のように半導体製造プロセスによってIC(Network Interface Card)、LSI(Large Scale Integration)等の電子デバイスを製造するのではなく、有機あるいは無機材料を水溶液化あるいは水溶液中に分散させ、印刷インクに見立てて、印刷プロセスによって低コストで各種デバイスを製造しようというものである。印刷プロセスとしては、マイクロコンタクトプリント法やインクジェット法が有力な手法として考えられており、本発明者も先に、インクジェット原理を利用して、電子源基板製造を行う発明を提案している(特許文献1)。
また、特許文献2には、同様な原理を利用して、基体上に電気回路と可視情報を形成する電気回路形成装置も提案されている。さらに本発明者は、このようなインクジェット原理を利用して、紙に電子部品を形成する発明も提案している。
特開2001−319567号公報 特開2005−183801号公報
このようにインクジェット原理を利用した提案が種々行われ始めているが、このような手段で各種電子デバイス、あるいはパターン配線基板などを製作しようという考えは比較的新しい技術である。それゆえ、より具体的な方法、あるいはより新しい応用方法についてはいまだ未知の部分が多く、手探り状態にあるのが実情であり、まだまだ検討すべき課題が多々ある。
本発明は上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、その目的は、簡単な原理、構造による新規な電子デバイスチップ及びパターン配線シートを提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、電子デバイスチップは、可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透する基材上に電気的機能発現材料を付与して、該電気的機能発現材料の揮発成分が揮発後の残留固形分により形成されるパターンの組み合わせによって電子デバイスを形成してなる電子デバイスチップにおいて、基材上ならびに基材の深さ方向に浸透した領域のパターンの厚さを、基材の厚さより薄くした。
また、上記電子デバイスチップにおいて、基材は紙であるようにした。
さらに、上記電子デバイスチップにおいて、残留固形分により形成されるパターンは、紙に浸透して裏面側に裏写りしない範囲のパターン厚さと紙の厚さの関係とした。
また、上記電子デバイスチップの電子デバイス形成面に保護膜を設けるとともに、該保護膜は、電子デバイスチップの可撓性あるいは柔軟性を損なわない厚さとした。
さらに、上記電子デバイスチップにおいて、保護膜と同等の力学的性質となる材料ならびに厚さの保護膜を電子デバイスチップの裏面に設けた。
本発明のパターン配線シートは、可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透する基材上の1対の電極間に電気的機能発現材料を付与して、該電気的機能発現材料の揮発成分が揮発後の残留固形分によって電極間を導通せしめるパターンを形成してなるパターン配線シートにおいて、基材上ならびに基材の深さ方向に浸透した領域のパターンの厚さを、基材の厚さより薄くした。
また、上記パターン配線シートにおいて、基材は紙であるようにした。
さらに、上記パターン配線シートにおいて、残留固形分により形成されるパターンは、紙に浸透して裏面側に裏写りしない範囲のパターン厚さと紙の厚さの関係とした。
また、上記パターン配線シートのパターン形成面に保護膜を設けるとともに、該保護膜は、パターン配線シートの可撓性あるいは柔軟性を損なわない厚さとした。
さらに、上記パターン配線シートにおいて、保護膜と同等の力学的性質となる材料ならびに厚さの保護膜をパターン配線シートの裏面に設けた。
本発明によれば、電子デバイスチップは、基材上ならびに基材の深さ方向に浸透した領域の揮発成分が揮発後の残留固形分により形成されるパターンの厚さを、基材の厚さより薄くしたので、新規な電子デバイスチップを実現することが可能となる。
以下に本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、紙、樹脂等、あるいは両者のハイブリッド材料による可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透するシート基材10に画像形成手段の1方法であるインクジェット原理(液滴噴射原理)によってパターンを形成する例を示している。図1(a)は、このような基材10上に端子2、3(1対の電極)が形成されている状態を示し、図の点線部1′は後述のような配線パターン1が生成される領域である。図1(b)は、電気的機能発現材料として例えば微細な導電性微粒子を含有する液体を、インクジェット原理(液滴噴射原理)によって、直接噴射付与、描画して、配線パターン1を形成し、電気的機能発現材料の揮発成分が揮発後の残留固形分によって端子2、3(1対の電極)間を導通せしめた例である。
ここで、電気的機能発現材料を含有した液体を付与する手段として本実施形態では、例えば、インクジェットの技術が適用される。以下にその具体的方法を説明する。
図2は、本実施形態の電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを形成する製造装置の実施例を説明するための図である。図示するように、本実施形態の電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを形成する製造装置は、噴射ヘッドユニット(噴射ヘッド)11、キャリッジ12、基材保持台13、電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを形成する基材14、電気的機能発現材料を含有する液体の供給チューブ15、信号供給ケーブル16、噴射ヘッドコントロールボックス(液体タンク含む)17、キャリッジ12のX方向スキャンモータ18、キャリッジ12のY方向スキャンモータ19、コンピュータ20、コントロールボックス21、基材位置決め/保持手段22(22X1、22Y1、22X2、22Y2)、を有する。この場合は、基材保持台13に置かれた基材14の前面を噴射ヘッド11がキャリッジ走査により移動し、電気的機能発現材料を含有する液体を噴射付与する例である。
図3は本実施形態の電子デバイスチップあるいはパターン配線シート形成に適用される液滴付与装置の他の構成を示す図である。図3の構成は図2の構成と異なり、基材14側を移動させて電子デバイスあるいはパターン配線を基材に形成するものである。図3に示すように本実施形態の電子デバイスチップあるいはパターン配線シート形成に適用される液滴付与装置は、ヘッドアライメント制御機構31、検出光学系32、噴射ヘッド33、ヘッドアライメント微動機構34、画像識別機構36、XY方向走査機構37、位置検出機構38、位置補正制御機構39、噴射ヘッド駆動・制御機構40、光軸41、素子電極42、液滴43、液滴着弾位置44を有する。
噴射ヘッドユニット11の液滴付与装置(噴射ヘッド33)としては、任意の液滴を定量吐出できるものであればいかなる機構でも良く、特に0.1pl〜数100pl程度の液滴を形成できるインクジェット原理の機構が望ましい。
インクジェット方式としては、たとえば米国特許第3683212号明細書に開示されている方式(Zoltan方式)、米国特許第3747120号明細書に開示されている方式(Stemme方式)、米国特許第3946398号明細書に開示されている方式(Kyser方式)のようにピエゾ振動素子に、電気的信号を印加し、この電気的信号をピエゾ振動素子の機械的振動に変え、該機械的振動に従って微細なノズルから液滴を吐出飛翔させるものがあり、通常、総称してドロップオンデマンド方式と呼ばれている。
他の方式として、米国特許第3596275号明細書、米国特許第3298030号明細書等に開示されている方式(Sweet方式)がある。これは連続振動発生法によって帯電量の制御された記録液体の小滴を発生させ、この発生された帯電量の制御された小滴を、一様の電界が掛けられている偏向電極間を飛翔させることで、記録部材上に記録を行うものであり、通常、連続流方式、あるいは荷電制御方式と呼ばれている。
さらに他の方式として、特公昭56−9429号公報に開示されている方式がある。これは液体中で気泡を発生せしめ、その気泡の作用力により微細なノズルから液滴を吐出飛翔させるものであり、サーマルインクジェット方式、あるいはバブルジェット(登録商標)方式と呼ばれている。
このように液滴を噴射する方式は、ドロップオンデマンド方式、連続流方式、サーマルインクジェット方式等あるが、必要に応じて適宜その方式を選べばよい。
本実施形態ではこのような電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを形成する製造装置(図2)において、基材14はこの装置の基材位置決め/保持手段22によってその保持位置を調整して決められる。図2では簡略化しているが、基材位置決め/保持手段22は基材14の各辺に当接されるとともに、X方向およびそれに直交するY方向にサブミクロンオーダーで微調整できるようになっているとともに、噴射ヘッドコントロールボックス17、コンピュータ20、コントロールボックス21等と接続され、その位置決め情報および微調整変位情報等と、液滴付与の位置情報、タイミング等は、たえずフィードバックできるようになっている。
さらに本実施形態に係る電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを形成する製造装置では、X、Y方向の位置調整機構の他に図示しない(基材14の下に位置するために見えない)、回転位置調整機構を有している。これに関連して先に本実施形態に係る電子デバイスチップあるいはパターン配線シート形成基材および形成される電子デバイス群の配列等に関して説明する。
本実施形態に係る電子デバイスチップあるいはパターン配線シート形成は、紙、樹脂等、あるいは両者のハイブリッド材料による可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透するシート基材上に形成される。また後述するが本実施形態では電気的機能発現材料を含有した液体をこの基材に付与してドットパターンを形成し、電子デバイスあるいは配線パターン形成等を行い、各種の電気的機能を発現する電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを作製するが、このようにして形成される各種パターンは、シート基材の変形に追従できる。つまり、本実施形態に係る電子デバイスチップあるいはパターン配線シートは紙、樹脂等、あるいは両者のハイブリッド材料による可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透するシート基材が用いられることにより軽量化が図られるのみならず可撓性および柔軟性も有するので、可搬性がよく、また曲げたりして使用するような新規な需要が見込まれる。
ところで、本実施形態に係る電子デバイスチップあるいはパターン配線シートについて、その定義をしておく。
本実施形態でいう電子デバイスとは、トランジスタ、抵抗、コンデンサ等の各種電子素子や表示デバイス素子等をさす。さらにSi基板に形成されるICあるいはLSIのようにこれらを集積化して1つのチップ状にしたものを電子デバイスチップと呼んでいる。ただし本実施形態では、Si基板上に製作するのではなく、可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透する基材上にこのような電子デバイスあるいはそれらを組み合わせた集積化回路(ICあるいはLSI)を形成する。
また、パターン配線シートとは、可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透する基材上の1対の電極間に電気的機能発現材料を付与して、電気的機能発現材料の揮発成分が揮発後の残留固形分によって電極間を導通せしめるパターン、すなわち電気回路パターンを形成したものであり、後述する手法で形成されるトランジスタ、抵抗、コンデンサ等の各種電子素子や表示デバイス素子等とそれらをつなぐ導線パターンよりなるもの、あるいはその導線パターンのみの場合もあり得る。
次に、本実施形態に係る電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを製作するための基材について説明する。
本実施形態では基材として、軽量で入手容易である紙、樹脂等、あるいは両者のハイブリッド材料による可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透するシート基材を使用する。例えば紙のような材料は、低コストで入手可能であり、後述するような各種電子デバイスチップ等も非常に安く大量に製造できるので、使い捨て用途にすることができ、包装、梱包用途の紙や樹脂シートに電子デバイスを印刷形成によって組み込み等ができるので、後述するようなRFID(Radio Frequency-Identification:電波認識)素子等を使い捨て用途にしても、コスト上の問題もほとんどない。
オーソドックスな紙の定義では「紙とは植物繊維を水中に懸濁させた後、水を漉して、薄く平らに絡み合わせたもの」であるが、要は草、木、竹等に代表される植物を分解して得られる繊維の集合体である。そして、洋紙・和紙を問わず紙の原料はセルロース繊維という特徴的な性質を有する素材であり、これを製紙技術という独特の手法で処理し薄層化することで紙が得られる。
ここで用いるセルロース繊維は、洋紙の場合、長さ1〜3mm、幅20〜40μm、厚さ3〜6μmの木材繊維で、一般の紙ではこれが10〜100本程度層状に重なってできあがっている。このような構成をとることによって紙は極めて多孔性で、セルロース繊維の持つ高い親和性を持った平滑な材料という特質が得られる。和紙は同じセルロース繊維を用いた紙であるが、木材繊維と違って靭皮繊維と称する木材繊維より比較的細長い繊維(幅5〜20μm、長さ3〜7mm)で、分子構造的にもやや違った特徴を持っており、手抄きまたは機械抄き和紙とに区別される。図4に紙の表面のイメージ図を示す。図4において線はセルロース繊維を示しており、紙はこのようにセルロース繊維が重なり合ってなり、また各繊維が重なり合ってできる間隙が存在する。すなわち、このような間隙により液体が付着した場合、液体は毛管現象によってこの間隙の中に速やかに浸透していくという性質を持つ。
紙の定義は前述の通りであるが、単にセルロース繊維が重なり合ってなる紙は、いわば原紙であり、実際に使用されるものは、不透明度、白色度、平滑度、透気度などを高めるために、これらの繊維の間に、タルク、クレー、炭酸カルシウム、二酸化チタンなど粒子径0.2〜10μm程度のてん料粒子を繊維間の間隙に充てんしたものである。
また紙の用途によっては、さらに紙表面に、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、炭酸カルシウム(CaCO3)、サチンホワイト(3CaO・Al23・3CaSO4・31〜32H2O)などの粒子径が0.5〜1μm程度の粒子をラテックス、デンプンなどのバインダーとともに分散させた塗工液を塗布し、コート材を設けた塗工紙がある。
このほか紙の品種として、新聞巻取紙、非塗工印刷用紙(上級、中級、下級、薄葉の各印刷紙)、微塗工印刷用紙(微塗工上質紙、微塗工印刷紙)、塗工印刷用紙(アート紙、コート紙等)、情報用紙(複写原紙、感光用紙、フォーム紙、PPC用紙、感熱紙等)、包装用紙(クラフト紙、模造紙等)、衛生用紙(ティッシュペーパー、ちり紙、トイレットペーパー、タオル用紙等)、雑種紙(建材用原紙、積層板原紙、コンデンサーペーパー、ライスペーパー、グラシンペーパー等)、段ボール原紙(ライナー、中しん原紙等)等々色々ある。
以上は紙の説明であるが、紙に代わって各種合成樹脂材料のフィルム、シート、合成紙なども好適に使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、テフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ナイロン、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・ガラス樹脂入り、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート、環状ポリオレフィン、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、非晶ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド等をシート状にしたものが使用できる。あるいは、これらの材料を用いた複合材料としてガラス繊維強化プラスチックや炭素繊維強化プラスチックも使用できる。
ただしこれらの各種合成樹脂材料は、単なるシート状にして使用されるのではなく、前述の紙と同様に、液体が材料シート内に毛管現象によって浸透していくような形態にして使用される。すなわち、数10μm〜数μm径の細い繊維状にしたものが絡み合さったシート状、あるいはサブμm以下の多孔質状態としたシート状で使用され、繊維間の間隙あるいは微細な孔の中に液体が浸透していくような状態で使用される。そして紙と同様に、可撓性あるいは柔軟性を持つようなシート状基材として使用する。
本発明は上記のような基材を用い、その基材の持つ可撓性あるいは柔軟性を維持しつつ、後述する各種デバイス等を形成するためのパターンを形成し、そのデバイス等が電気的性質を維持する、つまりデバイスとして機能することが前提であるが、ここで電気的性能を維持できる範囲内の撓みについて補足する。例えば、ストレインゲージ(抵抗歪みゲージ)として知られているセンサーデバイスが存在するが、これは、その歪み(本実施形態でいう撓みと考えてよい)によって電気抵抗が変化するという原理を利用した歪み検出センサーである。この場合は、歪み(本実施形態でいう撓みと考えてよい)によって電気抵抗が変化するという原理をうまく利用しているものであるが、本実施形態においてはこのように歪み(本実施形態でいう撓みと考えてよい)によって電気抵抗が変化するというところまでの撓みは許容することができない。すなわちそこまで撓むほど剛性のない基材は、それを使用してできあがった電子デバイスチップやパターン配線シートの電気的性能が変化してしまうので、本実施形態でいうところのデバイス機能を維持できる、あるいはパターン配線機能を維持できるとはいえないものである。
なおこの基材の撓み量も、その上に形成されるパターン部分の剛性によって左右され、無機系の材料によって従来のようなスパッタリング等の手法によって形成された薄膜によるパターンはその撓み量の許容範囲が狭く、一方で本実施形態のような液体噴射原理のような手法によって後述するような各種の電気的機能発現材料によって形成されたパターン(有機材料が主体である場合が多い)は、その撓み量の許容範囲が広い。
つまり本実施形態でいう可撓性あるいは柔軟性を有するシート基材とは、その上に形成されるパターン部分の電気的性質の変化が必要とされる機能を逸脱しない範囲内にとどまっていることを前提とした範囲内での可撓性、撓み量を有するシート基材である。
次に本実施形態に係る基材の1つである紙についてもう少し補足する。前述のように紙の表面は、セルロース繊維が重なり合って形成されており、セルロース繊維の太さ、それらが重なりあってできる間隙、さらには上記のような塗工紙の場合には、塗工物質(コート材)の粒子の大きさ等に依存して、微視的に見ると凹凸形状となっている。このような微視的凹凸形状は、本実施形態のように電気的機能発現材料を含有した液体を付与してドットパターンを形成し、良好な性能の電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを製作する場合に妨げになる因子の1つである。
しかしながらこのコート材をうまく利用することにより、セルロース繊維の太さ、それらが重なりあってできる間隙に起因する紙の繊維の凹凸を低減、あるいは消すことも可能であり、これについては後述する。
本実施形態は後述するように、このような紙、樹脂等、あるいは紙の表面に樹脂をラミネートしたり、紙の内部に樹脂層を設けてなる両者のハイブリッド材料による可撓性シート基材上に電気的機能発現材料を直接付与することによって、電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを形成するものである。完成した電子デバイスチップあるいはパターン配線シートはその使用環境によっては、基材裏面(パターンが形成されていない面)に水分が付着し、この水分が表のパターン面にまで浸透してきて、電子デバイスや配線パターンを破損せしめることがある。
そこで本実施形態においては、仮に裏面にこのような水分が付着しても、表のパターン面にまで水分が浸透してこないようにするために、例えば、裏面側に、水分を浸透しないような耐水性部材として樹脂フィルムをラミネートしたような紙と樹脂のハイブリッド基材を使用するのがよい。
このような樹脂ラミネートは、あらかじめそのようなラミネート済みの基材を使用して後述するような方法で各種のパターン形成を行い、電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを形成してもよいし、このようなパターン形成を終えた後に、後から裏面側にラミネートを行ってもよい。
ラミネート樹脂の材料としては、例えば塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂など適宜
使用できるが、ポリオレフィン系のポリプロピレン樹脂は、環境に優しい高分子材料樹脂
として知られており、好ましい材料のひとつである。
なお、上記説明は裏面にこのように樹脂をラミネートする例であるが、基材である紙の製造工程において、紙の内部にこのような樹脂フィルムを1層挿入したような複合紙も好適に使用できるハイブリッド基材である。
このような基材構成とすることにより、本実施形態によって形成される電子デバイスチップあるいはパターン配線シートは、紙もしくは紙をベースとしながらも、水に強い電子デバイスチップあるいはパターン配線シートとすることができる。
次に、本実施形態に係る電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを製作するにあたって使用する基材の好ましい形状について説明する。
本実施形態の電子デバイスチップあるいはパターン配線シート形成に使用する紙もしくは紙をベースとした基材の形状は、このような基材を経済的に生産、供給する、あるいは最終的に製作される電子デバイスチップあるいはパターン配線シートの用途から、矩形である。つまり、その矩形形状を構成する縦2辺、横2辺はそれぞれ、縦2辺が互いに平行、横2辺が互いに平行であり、かつ縦横の辺は直角をなすような基材である。
このような基材に対して本実施形態では、形成される電子デバイス群をマトリックス状に配列し、このマトリックスの互いに直交する2方向が、この基材の縦方向の辺あるいは横方向の辺の方向と平行であるように電子デバイス群を配列する。このように電子デバイス群をマトリックス状に配列する理由および、基材の縦横の辺をそのマトリックスの直交する2方向と平行になるようにする理由を以下に述べる。
図2あるいは図3に示したように、本実施形態では、最初に基材14と噴射ヘッドユニット11の液体噴射口面の位置関係が決められた後は、特に位置制御を行うことはない。つまり、噴射ヘッドユニット11は基材14に対して一定の距離を保ちながら電子デバイス群の形成面に対して平行にX、Y方向の相対移動を行いつつ、上記液体の噴射を行う。つまりこのX方向及びY方向は互いに直交する2方向であり、基材14の位置決めを行う際に、基材14の縦辺あるいは横辺をそのY方向あるいはX方向と平行になるようにしておけば、形成される電子デバイス群もそのマトリックス状配列の2方向がそれぞれ平行であるため、相対移動を行いつつ噴射する機構のみで高精度のデバイス群形成を行うことができる。言い換えるならば、本実施形態のような基材形状、電子デバイス群のマトリックス状配列、直交するX、Yの2方向の相対移動装置にすれば、デバイス形成の液滴噴射を行う前の基材14の位置決めを正確に行えば、高精度な電子デバイス群のマトリックス状配列が得られるということである。
ここで、先ほどの回転位置調整機構に戻って説明する。前述のように本実施形態では、デバイス形成の液滴噴射を行う前の基材の位置決めを正確に行い、XおよびY方向の相対移動のみを行い、他の制御を行わず、高精度な電子デバイス群のマトリックス状配列を得ようというものである。その際問題となるのは、最初に基材の位置決めを行う際の回転方向(X、Yの2方向で決定される平面に対して垂直方向の軸に対する回転方向)のズレである。この回転方向のズレを補正するために本実施形態では、前述のように図示しない(基材14の下に位置して見えない)、回転位置調整機構を有している。これにより回転方向のズレも補正し、基材14の辺を位置決めすると、本実施形態の装置では、XおよびY方向のみの相対移動で、高精度な電子デバイス群のマトリックス状配列が得られる。
以上はこの回転位置調整機構を、図2の基材位置決め/保持手段22(22X1、22Y1、22X2、22Y2)とは別物の機構として説明した(基材14の下に位置して見えない)が、基材位置決め/保持手段22に回転位置調整機構を持たせることも可能である。例えば、基材位置決め/保持手段22は、基材14の辺に当接され、基材位置決め/保持手段22全体が、X方向あるいはY方向に位置を調整できるようになっているが、基材位置決め/保持手段22の基材14の辺に当接される部分において、距離をおいて設けられた2本のネジが独立に動くようにしておけば、角度調整が可能である。なお、この回転位置制御情報も上記のX、Y方向の位置決め情報および微調整変位情報等と同様に噴射ヘッドコントロールボックス17、コンピュータ20、コントロールボックス21等と接続され、液滴付与の位置情報、タイミング等が、たえずフィードバックできるようになっている。
次に本実施形態の位置決めの他の手段、構成について説明する。上記の説明は基材位置決め/保持手段22は、基材14の辺に当接され、基材位置決め/保持手段22全体が、X方向あるいはY方向に位置を調整できるようにしたものであるが、ここでは、基材14の辺ではなく、基材14上に互いに直交する2方向に帯状パターンを設けるようにした例について説明する。前述のように本実施形態では基材14上に電子デバイス群をマトリックス状に配列して形成されるが、ここでは、前記のような互いに直交する2方向の帯状パターンをこのマトリックスの互いに直交する2方向と平行になるように形成しておく。このようなパターンは、基材上に印刷等によって容易に形成できる。
本実施形態は、マトリックス状に配列された多数の電子デバイス群を形成する場合の他に、図1に示したような配線パターンを形成する場合にも適用されるが、このような配線パターンも、この例のように直交する2方向に形成し、それが、それぞれ基材の縦、横方向(X方向、Y方向)に平行になるように形成する。この配線パターンは、本実施形態に係る基材14の本来の機能を阻害しない位置に、このような位置決めの目的のためのパターンとして形成してもよいし、また、素子電極42(図3)や、各デバイスのX方向配線やY方向配線等の配線パターンを本実施形態の互いに直交する2方向の帯状パターンとみなしてもよい。このような帯状パターンを設けておけば、図3に示したような、CCDカメラとレンズとを用いた検出光学系32によってパターン検出ができ、位置調整にフィードバックできる。
次に上記X、Y方向に対して垂直方向であるZ方向であるが、本実施形態では、最初に基材14と噴射ヘッドユニット11の液体噴射口面の位置関係が決められた後は、特に位置制御を行うことはない。つまり、噴射ヘッドユニット11は基材14に対して一定の距離(0.5〜3mm)を保ちながらX、Y方向の相対移動を行いつつ、電気的機能発現材料を含有する液体の噴射を行うが、その噴射時には、噴射ヘッドユニット11のZ方向の位置制御は特に行わない。その理由は、噴射時にその制御を行うと、機構、制御システム等が複雑になるだけではなく、基材14への液滴付与による電子デバイスの形成が遅くなり、生産性が著しく低下するからである。
かわりに本実施形態では、基材14の平面度やその基材14を保持する部分の装置の平面度、さらに噴射ヘッドユニット11をX、Y方向に相対移動を行わせるキャリッジ機構等の精度を高めるようにすることで、噴射時のZ方向制御を行わず、噴射ヘッドユニット11と基材14のX、Y方向の相対移動を高速で行い、生産性を高めている。一例をあげると、本実施形態の液体付与時(噴射時)における基材14と噴射ヘッドユニット11の液体噴射口面の距離の変動は2mm以下におさえられている(基材14のサイズが100mm×100mm以上、4000mm×4000mm以下の場合で)。
なお、通常X、Y方向の2方向で決まる平面は水平(鉛直方向に対して垂直な面)に維持されるように装置構成されるが、基材14が小さい場合(例えば500mm×500mm以下の場合)には必ずしもX、Y方向の2方向で決まる平面を水平にする必要はなく、その装置にとってもっとも効率的な基材14の配置の位置関係になるようにすればよい。
次に再度図3により、噴射ヘッドユニット11の構成を説明する。図3において、検出光学系32は基材14上の画像情報を取り込む。検出光学系32は、液滴43を吐出させる噴射ヘッド33に近接し、検出光学系32の光軸41および焦点位置と、噴射ヘッド33による液滴43の着弾位置44とが一致するよう配置されている。
この場合、図3に示す検出光学系32と噴射ヘッド33との位置関係はヘッドアライメント微動機構34とヘッドアライメント制御機構31により精密に調整できるようになっている。また、検出光学系32には、CCDカメラとレンズとを用いている。
図3において、画像識別機構36は先の検出光学系32で取り込まれた画像情報を識別する機構であり、画像のコントラストを2値化し、2値化した特定コントラスト部分の重心位置を算出する機能を有したものである。具体的には(株)キーエンス製の高精度画像認識装置、VX−4210を用いることができる。これによって得られた画像情報に電子デバイス形成基材14上における位置情報を与える手段が位置検出機構38である。これには、XY方向走査機構37に設けられたリニアエンコーダ等の測長器を利用することができる。また、これらの画像情報と電子デバイス形成基材14上での位置情報をもとに、位置補正を行うのが位置補正制御機構39であり、この機構によりXY方向走査機構37の動きに補正が加えられる。また、噴射ヘッド制御・駆動機構40によって噴射ヘッド33が駆動され、液滴が電子デバイス形成基材14上に付与される。これまで述べた各制御機構は、制御用コンピュータ35により集中制御される。
ところで、図3で液滴が基材面に斜めに噴射する図を示したが、これは検出光学系32と、噴射ヘッド33を併せて図示するためにこのように液滴が斜めに飛翔している図としたが、実際には基材に対してほぼ垂直に当たるように噴射付与するようにする。
なお、以上の説明は、噴射ヘッドユニット11は固定で、電子デバイス形成基材14がXY方向走査機構37により任意の位置に移動することで噴射ヘッドユニット11と電子デバイス形成基材14との相対移動を実現しているが、図2のように、電子デバイス形成基材14を固定とし、噴射ヘッドユニット11がXY方向に走査するような構成としてもよいことはいうまでもない。特に200mm×200mm程度の中型基材〜2000mm×2000mmあるいはそれ以上の大型基材の製作に適用する場合には、後者のように電子デバイス形成基材14を固定とし、噴射ヘッドユニット11が直交するX、Yの2方向に走査するようにし、液体の液滴の付与をこのような直交する2方向に順次行うようにする構成としたほうがよい。
また、基材サイズが200mm×200mm程度以下の場合には、液滴付与のための噴射ヘッドユニットを200mmの範囲をカバーできるラージアレイマルチノズルタイプとし、噴射ヘッドユニットと基材の相対移動を直交する2方向(X方向、Y方向)に行うことなく、1方向のみ(例えばX方向のみ)に相対移動させて行うことも可能であり、量産性も高くすることができるが、基材サイズが200mm×200mm以上の場合には、そのような200mmの範囲をカバーできるラージアレイマルチノズルタイプの噴射ヘッドユニットを製作することは技術的/コスト的に実現困難であり、本実施形態のように噴射ヘッドユニット11が直交するX、Yの2方向に走査するようにし、液体の液滴の付与をこのような直交する2方向に順次行うようにする構成としたほうがよい。
特に最終的な基材としては、200mm×200mmより小さいものを製作する場合であっても、大きな基材から複数個取りして製作するような場合には、その元の基材は、400mm×400mm〜2000mm×2000mmあるいはそれ以上のものを使用することになるので、噴射ヘッドユニット11が直交するX、Yの2方向に走査するようにし、液体の液滴の付与をこのような直交する2方向に順次行うようにする構成としたほうがよい。
液滴43の材料には、電気的機能発現材料として例えば微細な導電性微粒子を含有した液体が使用される。Au、Pt、Ag、Cu、Ni、Cr、Rh、Pd、Zn、Co、Mo、Ru、W、Os、Ir、Fe、Mn、Ge、Sn、Ga、In等の金属微粒子を含有した液体が好適に使用される。あるいはこれらの金属の酸化物微粒子も好適に使用される。
特に、Au、Ag、Cuのような金属微粒子を用いると、電気抵抗が低く、かつ腐食に強い微細回路パターンを形成することができる。
本実施形態では、後述するように各種素子を形成するものであり、それに応じて導電性材料を含む液体も、同一形状のパターンを形成した際に、抵抗値が高い/低いという少なくとも2つの値が得られるように、2種類の導電性材料を含む液体を用意するのが好ましい。あるいはさらに多くの種類の液体を用意するのがより好ましい。
このように2種類あるいはそれ以上の種類の抵抗値を得るためには、使用する導電性材料を変えればよいが、導電性材料粉末と絶縁性材料粉末とを混合したり、低抵抗導電性材料粉末と高抵抗導電性材料粉末とを混合したり、またその混合比率を変えることによっても得られる。例えば、それぞれの組み合わせとして、Ni−Cr、Cr−SiO、Cr−MgF、Au−SiO2、Au−MgF、Pt−Ta25、Au−Ta25等を挙げることができる。またその溶媒としては、PGMEA、シクロヘキサン、カルビトールアセテート等が挙げられる。湿潤剤またはバインダーとして、グリセリン、ジエチレングリコール、エチレングリコール等を必要に応じて加え、噴射ヘッドによる液滴形成、噴射が最適になるように調整される。
本実施形態において、このような微細な導電性微粒子を含有した液体は、水性系液体と油性系液体がある。
このような微細な導電性微粒子を、水を主体とする分散媒に分散せしめてなる水性系液体は、例えば、次のような方法で調整することができる。
すなわち、塩化金酸や硝酸銀のような金属イオンソース水液体に水溶性の重合体を溶解させ、撹拌しながらジメチルアミノエタノールのようなアルカノールアミンを添加する。数10秒〜数分で金属イオンが還元され、平均粒径0.5μm(500nm)以下の金属微粒子が析出する。塩素イオンや硝酸イオンを限外ろ過などの方法で除去した後、濃縮・乾燥することにより濃厚な導電性微粒子含有液体が得られる。この導電性微粒子含有液体は、水やアルコール系溶媒、テトラエトキシシランやトリエトキシシランのようなゾルゲルプロセス用バインダーに安定に溶解・混合することが可能である。
微細な導電性微粒子を油を主体とする分散媒に分散せしめてなる油性系液体は、例えば、次のような方法で調整することができる。
すなわち、油溶解性のポリマーをアセトンのような水混和性有機溶媒に溶解させ、この液体を金属イオンソース水液体と混合する。混合物は不均一系であるが、これを撹拌しながらアルカノールアミンを添加すると金属微粒子は重合体中に分散した形で油相側に析出してくる。これを濃縮・乾燥させると水性系と同様の濃厚な導電性微粒子含有液体が得られる。この導電性微粒子含有液体は、芳香族系、ケトン系、エステル系などの溶媒やポリエステル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等に安定に溶解・混合することが可能である。
導電性微粒子含有液体の分散媒中における導電性微粒子の濃度は、最大80重量%とすることが可能であるが、用途に応じて適宜稀釈して使用する。
通常、導電性微粒子含有液体における導電性微粒子の含有量は2〜50重量%、界面活性剤および樹脂の含有量は0.3〜30重量%、粘度は3〜30センチポイズ、表面張力は20〜60dyn/cmの範囲内とすることが、噴射ヘッドによる液滴形成、噴射が最適に行われるために適切な値である。
また有機系の材料として、ドーピング等で導電率を向上させた導電性ポリマー、例えば導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体など)なども好適に利用でき、各種電極などの配線パターンを形成するのに好適に利用できる。
いずれの材料においても、本実施形態は、液体中の揮発成分を揮発させ、固形分を基材上に残留させることによってドットによるパターンを形成し、先に形成されている電極パターンなどと電気的導通を図り、電子デバイスあるいはパターン配線形成を行うものである。この固形物がそれぞれのパターンあるいはデバイスの機能を発生させるものであり、溶媒(揮発成分)はインクジェット原理で液滴を噴射付与するための手段(vehicle)である。
液滴43の材料として他には、例えば、Si、Ge等のIV−B族半導体結晶、CuCl等のI−VII族化合物半導体、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe等のII−VI族化合物半導体、GaAs、InP、InAs等のIII−V族化合物半導体、またはそれらの複合材料等のナノ粒子を含有した液体が挙げられる。
本実施形態において対象となる微粒子、ナノ粒子としては、通常、粒径が0.0001〜0.2μm(0.1〜200nm)、好ましくは0.0001〜0.05μm(0.1〜50nm)の微粒子があげられるが、より厳密には、液体製造上の微粒子分散安定性や、噴射時の目詰まり発生、さらにはパターン形成される基材の表面粗さなども考慮して決められる。
なお、本発明の目的を損なわない範囲で、これらナノ粒子の表面を化学的あるいは物理的に修飾しても良く、また界面活性剤や分散安定剤や酸化防止剤などの添加剤を加えても良い。このようなナノ粒子はコロイド化学的な手法、例えば逆ミセル法(Lianos, P. et al., Chem. Phys. Lett., 125, 299 (1986))やホットソープ法(Peng. X. et al., J. Am. Chem. Soc., 119, 7019 (1997))によって合成することができる。
本実施形態に好適に使用できるナノ粒子含有液体は、上記ナノ粒子を連続相が水相であり分散相が油相であるエマルション(O/Wエマルション)に分散させた分散液である。上記水相は水を主体とするが、水に水溶性有機溶剤を添加して用いてもよい。水溶性有機溶剤としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(#200、#400)、グリセリン、前記グリコール類のアルキルエーテル類、N−メチルピロリドン、1、3−ジメチルイミダゾリノン、チオジグリコール、2−ピロリドン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。水性分散媒体中の水溶性有機溶剤の使用量は、通常30重量%以下が好ましく、さらには20重量%とするのがより好ましい。
分散液中のナノ粒子の含有量は、所望の膜(層)構造または粒子配列構造及び膜(層)厚により異なるが分散液の全重量に対し、通常0.01〜15重量%の範囲で用いられるが、0.05〜10重量%の範囲とするのがより好ましい。ナノ粒子の含有量が少な過ぎるとデバイス機能を充分に発現することが出来なくなる可能性があり、逆に多過ぎるとインクジェット原理で液滴を噴射する際の吐出安定性が損なわれる。
また本実施形態に好適に使用され、インクジェット原理で噴射されるナノ粒子含有液体は、分散液中に、界面活性剤、及びナノ粒子の分散用溶媒を共存させるのが好ましい。界面活性剤としては、例えばアニオン系界面活性剤(ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、ノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなど)が挙げられ、これらを単独または二種以上混合して用いることができる。
界面活性剤の量は液体の全重量に対し、通常、0.1〜30重量%の範囲で用いられるが、5〜20重量%の範囲とするのがより好ましい。界面活性剤がこの範囲よりも少な過ぎると水性分散体中で油水分離が生じ、液滴噴射付与による均一なパターンのコーティングができない場合がある。逆にこの範囲より多過ぎると水性分散媒体の粘度が高くなりすぎる傾向がある。
ナノ粒子の分散用溶媒としては、通常トルエン、ヘキサン、ピリジン、クロロホルムなどの液体であり、揮発性であることが望ましい。分散用溶媒の量は通常、0.1〜20重量%程度の範囲で用いられるが、1〜10重量%の範囲がより好ましい。分散用溶媒がこの範囲よりも少な過ぎると水性媒体中に含有させることのできる超微粒子の量が少なくなる。逆にこの範囲より多過ぎると水性分散媒体中で油水分離が生じる場合がある。
さらに、分散液中に有機化合物を溶解させておくこともできる。このような有機化合物としては、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)、チオフェノール、フォトクロミック化合物(スピロピラン、フルギド等)、電荷移動型錯体、電子受容性化合物等が挙げられ、常温で固体であるものが好ましい。この場合、分散液中の前記有機化合物の量は、ナノ粒子の重量に対し、1/10000以上、好ましくは1/1000〜10倍程度である。
なお本発明の目的を損なわない範囲で、懸濁液に界面活性剤や分散安定剤や酸化防止剤などの添加剤、またはポリマー、塗布・乾燥過程でゲル化する材料などのバインダーを加えても良い。
このようなナノ粒子含有液体をインクジェット原理によって基材上に液滴付与し、乾燥させて電子デバイスあるいはパターン配線形成を行う。本実施形態においては、例えば、先ず大気圧中において、−20〜120℃、好ましくは0〜80℃程度で1時間以上、好ましくは3時間以上風乾し、その後必要に応じて減圧乾燥を行っても良い。この際の減圧度は1×105Pa以下であればよいが、好ましくは1×104Pa以下程度であり、温度は通常−20〜110℃、好ましくは0〜70℃である。また、減圧時間は1〜24時間程度である。
上記の方法により得られるナノ粒子薄膜の厚さは特に限定されるものではないが、通常、ナノ粒子の直径〜1mm、好ましくはナノ粒子の直径〜100μm程度である。ただしこれは形成されるデバイス等が電気的にその機能を果たすための条件ではあるが、本実施形態においては、厚さの上限に関して別の視点から考慮する必要がある。これについては後述する。また、ナノ粒子薄膜内において、ナノ粒子はある程度以上の密度で存在するのが好ましい。その意味からナノ粒子の集合体における個々のナノ粒子間の平均粒子間距離は、通常粒子直径の10倍以内の範囲であり、さらには粒子直径の2倍以内の範囲であることが好ましい。この平均粒子間距離が大き過ぎるとナノ粒子は集団的機能を示さなくなる。
液滴43の材料として他には、有機半導体材料含有溶液が挙げられる。例えば有機半導体材料として、π共役系材料が用いられ、例えばポリピロール、ポリ(N−置換ピロール)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置換ピロール)などのポリピロール類、ポリチオフェン、ポリ(3−置換チオフェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、ポリベンゾチオフェンなどのポリチオフェン類、ポリイソチアナフテンなどのポリイソチアナフテン類、ポリチェニレンビニレンなどのポリチェニレンビニレン類、ポリ(p−フェニレンビニレン)などのポリ(p−フェニレンビニレン)類、ポリアニリン、ポリ(N−置換アニリン)、ポリ(3−置換アニリン)、ポリ(2,3−置換アニリン)などのポリアニリン類、ポリアセチレンなどのポリアセチレン類、ポリジアセチレンなどのポリジアセチレン類、ポリアズレンなどのポリアズレン類、ポリピレンなどのポリピレン類、ポリカルバゾール、ポリ(N−置換カルバゾール)などのポリカルバゾール類、ポリセレノフェンなどのポリセレノフェン類、ポリフラン、ポリベンゾフランなどのポリフラン類、ポリ(p−フェニレン)などのポリ(p−フェニレン)類、ポリインドールなどのポリインドール類、ポリピリダジンなどのポリピリダジン類、ナフタセン、ペンタセン、ヘキサセンヘプタセン、ジベンゾペンタセン、テトラベンゾペンタセン、ピレン、ジベンゾピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、テリレン、オバレン、クオテリレン、サーカムアントラセンなどのポリアセン類およびポリアセン類の炭素の一部をN、S、Oなどの原子、カルボニル基などの官能基に置換した誘導体(トリフェノジオキサジン、トリフェノジチアジン、ヘキサセン−6,15−キノンなど)、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニレンスルフィドなどのポリマーを用いることができる。
また、これらのポリマーと同じ繰返し単位を有する例えばチオフェン6量体であるα−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、スチリルベンゼン誘導体などのオリゴマーも好適に用いることができる。
さらに銅フタロシアニンやフッ素置換銅フタロシアニンなどの金属フタロシアニン類、ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N'−ビス(4−トリフルオロメチルベンジル)ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミドとともに、N,N'−ビス(1H,1H−ペルフルオロオクチル)、N,N'−ビス(1H,1H−ペルフルオロブチル)及びN,N'−ジオクチルナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド誘導体、ナフタレン2,3,6,7テトラカルボン酸ジイミドなどのナフタレンテトラカルボン酸ジイミド類、及びアントラセン2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミドなどのアントラセンテトラカルボン酸ジイミド類などの縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、C60、C70、C76、C78、C84等フラーレン類、SWNTなどのカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類などの色素などが挙げられる。
これらのπ共役系材料のうちでも、チオフェン、ビニレン、チェニレンビニレン、フェニレンビニレン、p−フェニレン、これらの置換体またはこれらの2種以上を繰返し単位とし、かつ該繰返し単位の数nが4〜10であるオリゴマーもしくは該繰返し単位の数nが20以上であるポリマー、ペンタセンなどの縮合多環芳香族化合物、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニンよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
また、その他の有機半導体材料としては、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、などの有機分子錯体も用いることができる。さらにポリシラン、ポリゲルマンなどのσ共役系ポリマーも用いることができる。
本実施形態に好適に利用できる例として、下記一般式で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とする有機半導体材料について、その合成法とともにより詳細に説明する。
Figure 2009295936
一般式(1)
例えば下記一般式(2)で表わされるカルボニル化合物
Figure 2009295936
一般式(2)
[一般式(2)中、A1、A2はそれぞれ置換または無置換の単環または多環式のアリレン
基またはヘテロアリレン基を表わす。R1は水素、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表わす。Vは−O−、−S−、−NR2−(R2は置換または無置換の単環または多環式のアリレン基、もしくは置換または無置換の単環または多環式のヘテロアリレン基を表わす)を表わし、nは≧0を表わす]、及び下記一般式(3)で表わされるリン化合物
Figure 2009295936
一般式(3)
[一般式(3)中、A3、A4はそれぞれ置換または無置換の単環または多環式のアリレン基またはヘテロアリレン基を表わす。R3は水素、置換または無置換のアルキルまたはアリールまたはヘテロアリール基を表わす。Wは−O−、−S−、−NR4−(R4は置換または無置換の単環または多環式のアリレン基、もしくは置換または無置換の単環または多環式のヘテロアリレン基を表わす。mは≧0を表わす。XはPO(OR5)2(R5は低級アルキル基)またはP(R6)3+Y―(R6は置換または無置換のアリール基、もしくは置換または無置換のアルキル基を表わし、Yはハロゲン原子を表わす)を表わす]を反応させ、炭素−炭素二重結合を含有する下記一般式(4)
Figure 2009295936
一般式(4)
の繰り返し単位をもつ重合体が製造される。
以下に更に詳細に説明する。好適に用いられる塩基化合物は、非水系溶媒に均一に溶解していれば一般に知られている塩基性化合物が全て含まれるが、ホスホネートカルボアニオンの形成能を考慮に入れると、塩基性度の点から金属アルコシド、金属ヒドリド、有機リチウム化合物等が好ましく、例えばカリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシド、カリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムメトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、リチウムナフチリド、リチウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド等を挙げることができる。
塩基を溶解する溶媒としては、使用する塩基と安定な溶液を形成する溶媒を選択しなければならないが、その他の要因として塩基の溶解度が高いものがよく、また反応系で生成する高分子量体の反応溶媒に対する溶解性を損ねないものがよく、さらに生成する高分子量体が良好に溶解する溶媒がよく、用いる塩基と製造する高分子量体の特性に応じて、一般に知られているアルコール系、エーテル系、アミン系、炭化水素系溶媒等から任意に選択することができる。
塩基とそれを均一に溶解する溶媒の組み合わせとしては、例えばナトリウムメトキシドのメタノール溶液、ナトリウムエトキシドのエタノール溶液、カリウムt−ブトキシドの2−プロパノール溶液、カリウムt−ブトキシドの2−メチル−2−プロパノール溶液、カリウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液、カリウムt−ブトキシドのジオキサン溶液、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液、メチルリチウムのエーテル溶液、リチウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液、リチウムジイソプロピルアミドのシクロヘキサン溶液、カリウムビストリメチルシリルアミドのトルエン溶液等をはじめとして、種々の組み合わせの溶液が挙げられ、幾つかの溶液は市販品として容易に入手することができる。
温和な反応条件、取り扱いの容易さの観点から好ましくは金属アルコキシド系の溶液が用いられ、生成する重合体の溶解性、取り扱いの容易さ、反応の効率性、生成する重合体の溶解性等の観点からより好ましくは金属t−ブトキシドのエーテル系が用いられ、さらに好ましくはカリウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液が用いられる。
リン化合物およびアルデヒド化合物が化学量論的に等しく存在する溶液と、その2倍モル量以上の塩基を含む前述の塩基溶液を混合させることにより重合反応は容易に進行し、狭い分子量分布に好ましく制御された高分子量の重合体を簡便に得ることができる。通常、塩基の量はリン化合物の重合活性点に対して同量使用するだけでよいが、さらに過剰量用いても支障ない。
上記重合反応はリン化合物およびアルデヒド化合物の溶液に塩基溶液を添加してもよく、塩基溶液にリン化合物およびアルデヒド化合物の溶液を加えてもよく、同じに反応系に加えてもよく、添加の順序に制約はない。
上記重合反応における重合時間は、用いられるモノマーの反応性、または望まれる重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよいが、0.2時間〜30時間が好適である。また、重合体の末端を封止するための封止剤を、反応途中または反応後に添加することも可能であり、反応開始時に添加しておくことも可能である。
上記重合反応における反応温度は特に制御する必要なく室温において良好に重合反応が進行するが、反応効率をより上げるために加熱することや、またはより温和な条件に冷却することも可能である。
以下に実施例を挙げて更に具体的に説明するが、本実施形態に好適に利用できる有機半導体材料はその要旨を越えない限り、この実施例によって制限されるものではない。
各種の測定は下記の方法によった。重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)の測定は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)により行い、UV吸収及び示差屈折率を用いて、単分散ポリスチレンを標準としてポリスチレン換算で行った。
(材料合成実施例)
100ml四つ口フラスコに、以下の化学式(5)に示すジアルデヒドを0.852g(2.70mmol)、及び以下の化学式(6)に示すジホスホネートを1.525g(2.70mmol)を入れ、窒素置換してテトラヒドロフラン75mlを加えた。この溶液にカリウムt−ブトキシドの1.0moldm−3テトラヒドロフラン溶液6.75ml(6.75mmol)を滴下し、室温で20時間撹拌した後、ベンジルホスホネート及びベンズアルデヒドを順次加え、さらに2時間30分撹拌した。酢酸およそ1mlを加えて反応を終了し、溶液を水洗した。溶媒を減圧留去し、残渣をテトラヒドロフラン15ml及びメタノール80mlを用いて再沈澱による精製を行い、以下の化学式(7)に示す重合体を1.07g得た。
Figure 2009295936
化学式(5)
Figure 2009295936
化学式(6)
Figure 2009295936
化学式(7)
得られた重合体の分子量及び分子量分布を測定したところ、収率:73%、重量平均分子量(Mw):104000、数平均分子量(Mn):36000、分子量分布(Mw/Mn):2.89、重合体:63であった。
液滴43のさらに他の例としては、絶縁性材料の微粒子含有液体が用いられる。絶縁性材料としては、SiO2やAl23、誘電体であるSrTiO3、BaTiO3、Pb(Zr,Ti)O3等が考えられる。溶媒としてはPGMEA、シクロヘキサン、カルビトールアセテート等が挙げられる。湿潤剤またはバインダーとして、グリセリン、ジエチレングリコール、エチレングリコール等を必要に応じて加えてもよい。
また絶縁性材料を含む液体として、半導体等に多用される層間絶縁膜のシリコンガラスの前駆物質である、ポリシラザン(例えば東燃製)、有機SOG材料、シリカガラス形成材料等が挙げられる。また絶縁体材料を含む金属アルコキシドを用いても良い。これらの場合には液滴付与後の加熱や化学反応などによって絶縁体パターンを形成することができる。
次に本実施形態に好適に適用される液体噴射ヘッド11について、図5、図6を用いて説明する。この例は7ノズルの例である。
この液体噴射ヘッドは、液体47が導入される流路45内にエネルギー作用部としてピエゾ素子46を設けたものである。ピエゾ素子46にパルス状の信号電圧を印加して図5(a)に示すようにピエゾ素子46を機械的に歪ませると、流路45の容積が減少すると共に圧力波が発生し、その圧力波によってノズル48から液滴43が吐出する。図5(b)はピエゾ素子46の歪がなくなって流路45の容積が増大した状態である。
このような噴射ヘッドで、液滴を噴射させた場合、図7、図8に示したような形状となる。すなわち、このような電気機械変換素子(ピエゾ素子)の機械的変位による作用力で液体を噴射させた場合、飛翔時の液体は、前記基材面に付着する直前にほぼ丸い滴形状である(図7)、もしくは飛翔方向に伸びた柱状であってもその長さは長くてもその直径の3倍以内の長さの柱状とすることができる(図8)。
これは通常、このような電気機械変換素子(ピエゾ素子)の機械的変位による作用力で液体を噴射させるという原理によって液滴を噴射させた場合、この原理の持つ特性としていつもほぼこのような形状の液滴が得られる。以下にその理由を述べる。
一般にこのような電気機械変換素子(ピエゾ素子)の機械的変位による作用力で液体を噴射させるという原理によって液滴を噴射させた場合、電気機械変換素子によって液体に与える衝撃力の時間微分した値の大小によってこの形状は決まるわけである。この原理の噴射ヘッドの場合、液体がノズルから飛び出す時の条件と、このような丸い液滴あるいは細長い形状であったとしても最大でもその直径の3倍以内の長さの柱状となって噴射、飛翔する条件がほぼ一致している。
すなわち、このような原理で液滴を噴射させた場合、飛翔時の液滴の形状は、ほぼこのような丸い液滴あるいは細長い形状であったとしても最大でもその直径の3倍以内の長さの柱状である。そしてそのときの状態というのは、飛翔液滴が外乱によって揺らぐことなく安定して飛翔する状態である。またそのときの飛翔スピードは、5m/s〜12m/sである。
本実施形態においては、このような噴射ヘッドを使用して、電気的機能発現材料含有液体を噴射して、電子デバイスあるいは配線パターンを形成する場合、この条件(この飛翔時の形状)としているが、通常ほとんどそのようなことはないが仮にそのような条件から外れる場合においては、電気的機能発現材料含有液体あるいはそれと同等の流体物性(粘度、表面張力)を持つ液体と、同等の噴射ヘッドとを使用して噴射させ、その飛翔形状を顕微鏡下で観察しながら噴射ヘッドの電気機械変換素子への駆動信号を調整(その形状となるように立ち上がり波形を急峻に)して、その駆動信号の調整結果に基づいた駆動信号を、本実施形態に係る電子部品製造装置の噴射ヘッドの電気機械変換素子へ入力することにより、所望の安定した飛翔形状が得られるようにしている。
次に本実施形態に好適に適用される液体噴射ヘッドの他の例について、図9を用いて説明する。この例はサーマル方式(バブル方式)の液体噴射ヘッドの例であり、前述のピエゾ素子による電気−機械変換作用によって液滴噴射を行うのではなく、液体中に短時間(1〜10μs)に加えられた高熱(300〜500℃)で瞬時に発生する膜沸騰気泡の成長作用力を液滴噴射の原動力とするものである。
ここで示した液体噴射ヘッドは、液体が流れる流路短部から液滴が噴射するタイプのものであり、エッジシューター型と呼ばれるものである。
ここでは、液体噴射ヘッドのノズル数を4個とした例を示している。この液体噴射ヘッドは、発熱体基材66と蓋基材67とを接合させることにより形成されており、発熱体基材66は、シリコン基材68上にウエハプロセスによって個別電極69と共通電極70とエネルギー作用部である発熱体71とを形成することによって構成されている。
一方前記蓋基材67には、機能性材料を含有する液体が導入される流路を形成するための溝74と、流路に導入される前記液体を収容する共通液室を形成するための凹部領域75とが形成されており、これらの発熱体基材66と蓋基材67とを図9に示すように接合させることにより、前記流路及び前記共通液室が形成される。なお、発熱体基材66と蓋基材67とを接合させた状態においては、前記流路の底面部に前記発熱体71が位置し、流路の端部にはこれらの流路に導入された液体の一部を液滴として吐出させるための前記ノズル65が形成されている。なおここでは、ノズル形状は矩形であるが、これは丸形状であってもよい。
さらに、より噴射安定性を考慮して、端面(ノズル65の領域)に、別途ノズルプレートを設け、所望のノズル径、ノズル形状(たとえば丸形状)としてもよい。その場合のノズルプレートとしては、たとえばNiなどが用いられ、エレクトロフォーミング等の手法によって高精度な物が形成できる。あるいは、樹脂フィルム(基材)にエキシマレーザー加工によってノズル孔を穿孔したものを用いるのも良い方法である。
なお前記蓋基材67には、供給手段(図示せず)によって前記供給液室内に液体を供給するための液体流入口76が形成されている。
このような噴射ヘッドで、本実施形態に使用する電気的機能発現材料含有液体を噴射させた場合、図10に示したような形状となる。すなわち、このような液体中に配された発熱体が発する熱によって瞬時に発生させた気泡の成長作用力で液体を噴射させた場合、飛翔時の液体は、飛翔方向に伸びた細長柱状であってその直径の5倍以上の長さの柱状形状とすることができる(図10)。
これは通常、このような液体中に配された発熱体が発する熱によって瞬時に発生させた気泡(膜沸騰気泡)の成長作用力で液体を噴射させた場合、この原理の持つ特性としていつもほぼこのような飛翔液体の形状が得られる。以下にその理由を述べる。
一般にこのような液体中に配された発熱体が発する熱によって瞬時に発生させた気泡(膜沸騰気泡)の成長作用力で液体を噴射させるという原理によって液体を噴射させた場合、前述のような電気機械変換素子を利用する噴射ヘッドとは比較にならないくらいその噴射圧力が高く、図10で示したような液柱が細長く伸び、後方に微小なサテライト滴を引きずるような飛翔形態をとる。またそのときの飛翔スピードは、8m/s〜18m/sというように大変高速である。それゆえ、後方に微小なサテライト滴を引きずるような飛翔形態であって、それらも高速で飛翔して、基材面に先行する細長柱状の液体とほぼ同じ位置に着弾するので、パターン形成上は何ら支障はない。
本実施形態においては、このような噴射ヘッドを使用して、電気的機能発現材料含有液体を噴射して、電子デバイスあるいは配線パターンを形成する場合、この条件(飛翔方向に伸びた細長柱状であってその直径の5倍以上の長さの柱状形状)としているが、通常ほとんどそのようなことはないが仮にそのような条件から外れる場合においては、電気的機能発現材料含有液体あるいはそれと同等の流体物性(粘度、表面張力)を持つ液体と、同等の噴射ヘッドとを使用して噴射させ、その飛翔形状を顕微鏡下で観察しながら噴射ヘッドの発熱体への駆動信号を調整(その形状となるようにパルス電圧、あるいはパルス幅を少し増やす、つまり駆動エネルギーを増やす)して、その駆動信号の調整結果に基づいた駆動信号を、本実施形態に係る電子部品製造装置の噴射ヘッドの発熱体へ入力することにより、所望の安定した飛翔形状が得られるようにしている。
前述のピエゾ素子による電気−機械変換作用によって液滴噴射を行う方式にしろ、サーマル方式(バブル方式)にしろ、本実施形態においては、特に0.1pl〜数100pl程度の液滴を形成するために、噴射ヘッドのノズルは、Φ3μm〜Φ100μmの範囲のものが用いられる。
ライン幅が5μm程度の精細なパターン、ドット径がΦ5μm程度の微小ドットパターンを形成するためには、Φ3μm〜Φ5μmのノズル径が選ばれ、ライン幅が20μm程度のパターン、ドット径がΦ20μm程度のドットパターンを形成するためには、Φ10μm〜Φ25μmのノズル径が選ばれる。また、ある領域を全面的に被覆するだけでよい場合には、Φ30μm〜Φ100μmの大きなノズル径を選択すればよい。なおノズル形状が丸ではなく、他の形状(例えば矩形、台形等)である場合には、面積換算で同じ大きさになるようにしたものを選択する。
本実施形態では複数の液滴により1つの電子デバイスを形成する、あるいは、複数滴によって、電子デバイスなどを形成するパターンをドットを重ね打ちしたり接触させたりして形成する。よって、このようなマルチノズル型の液体噴射ヘッドを用いると大変効率的に電子デバイスを形成することができる。なおこの例では4ノズルの液体噴射ヘッドを示しているが、必ずしも4ノズルに限定されるものではなく、ノズル数が多ければ多いほど電子デバイスの形成が効率的になることは言うまでもない。ただし、単純に多くすればよいということではなく、多くすれば液体噴射ヘッドも高価になり、また噴射ノズルの目詰まりによる確率も高くなるので、それらも考慮し装置全体のバランス(装置コストと電子デバイスの製作効率のバランス)を考えて決められる。
図11はこのようにして製作されたマルチノズル型の液体噴射ヘッドをノズル側から見た図を示している。本実施形態では、このようなマルチノズル型の液体噴射ヘッドを図12に示すように、噴射する液体ごとに設け、キャリッジ搭載される。図13はその斜視図である。
図12、図13にはそれぞれのマルチノズル型の液体噴射ヘッドをA、B、C、Dと符号をつけているが、各液体噴射ヘッドA、B、C、Dはノズル部分が各液体噴射ヘッドごとに離間して構成されるとともに各液体噴射ヘッドごとに異なる種類の電気的機能発現材料含有液体を噴射することができる。
例えばA、B2つの液体噴射ヘッドには、それぞれ低抵抗と高抵抗の2種類の導電性材料を含む液体を詰め、Cの液体噴射ヘッドには、半導体材料を含む液体、Dの液体噴射ヘッドには、絶縁材料を含む液体を詰め、それぞれ独自に噴射できるようにしている。
つまり本実施形態に係る電子デバイスあるいは電子回路を製作するための製造装置は、基本的にはこのような4種類の液体を独自に噴射できるようにした4個の噴射ヘッドを、あるいはそれらを図12、図13のようにユニット化したヘッドユニットを具備するものである。このように少なくとも4種類の液体を独自に噴射できるようにしておけば、次に説明するような各種素子の製作、あるいはそれら素子の組み合わせた電子回路、さらにはIC、LSIを模倣したような集積回路の製作を行うことができる。
なお、必ずしも4個あるいは4種類の液体噴射に限定されるものではなく、4個の噴射ヘッドを用意しておく、あるいは4種類の液体噴射を行うようにしておけば、基本的な電子回路形成がほぼ可能であるということであって、5個あるいは6個又はそれ以上の数の噴射ヘッドを有していてもよい。
次に各種素子の具体的形成例を説明する。
(抵抗器)
最初に抵抗器の形成方法について図14〜図16に基づいて説明する。抵抗材料としては、導電性粉末と絶縁性粉末との混合、Ni−Cr、Cr−SiO、Cr−MgF、Au−SiO2、AuMgF、PtTa25、AuTa25Ta2、Cr3Si、TaSi2等が挙げられ、その溶媒としては、PGMEA、シクロヘキサン、カルビトールアセテート等が挙げられる。
また、湿潤剤またはバインダーとして、グリセリン、ジエチレングリコール、エチレングリコール等を必要に応じて加え、インクジェット原理の噴射に適した物性となるように粘度などが調整される。
また絶縁性材料を含む液体として、ポリシラザンや絶縁体材料を含む金属アルコキシドを用いても良い。この場合には加熱や化学反応などによって絶縁体材料を形成することができる。抵抗材料は形成したい抵抗器の抵抗値に応じて決める。
図14〜図16において(a)は回路素子の中心線で切断した製造工程断面図を示し、(b)は平面図を示す。
図14は抵抗膜形成工程を示す。まず液体噴射ヘッド305を図14(a)、(b)に示すように移動させる。そして当該ヘッド305から抵抗材料を含む液体302を吐出させ、電気的抵抗を与えるための抵抗膜313を形成する。
固化処理として、物理的、物理化学的、化学的処理を抵抗膜313形成前のパターン形成面310、あるいは抵抗膜313上に施せばよい。例えば熱風の吹き付け、レーザ照射、ランプ照射による加熱・乾燥処理、化学物質の投与による化学変化処理、液体302のパターン形成面310への付着の程度を制御する一定の表面改質処理等により付着した液体中の揮発成分を揮発させ、固形分を基板上に残留させることによってパターンを固化、形成したり、あるいは液体302の付着を促進したりする。
なお、抵抗膜313の幅、高さおよび長さについては形成したい抵抗器の抵抗値に応じて決める。抵抗器の抵抗値は長さに比例し断面積に反比例するからである。なお、この抵抗膜313は目標となる抵抗値よりも大きな抵抗値となるように高さや幅を設定しておくことが好ましい。後に抵抗膜313の高さや幅を増加させて抵抗値を適正値に下げることができるからである。
図15および図16は導電膜形成工程を示す。抵抗膜313が固化したら、液体噴射ヘッド304を図15および図16に示すように移動させ、導電性材料を含む液体301を吐出して、抵抗膜313の両端に導電膜312を形成する。導電性材料を含む液体301には、前述の液体と同様のものが使用される。それにより、形成される導電膜の固化処理については前述と同様の手法を用いる。
上記の工程により電気回路として抵抗器316をパターン形成面310に形成することができる。なお後に抵抗器316の抵抗値を微調整したい場合には抵抗膜313にさらに液体301を吐出して抵抗膜313の厚みを厚くしたり幅を大きくしたりすれば、抵抗値を適正値にまで下げることができる。
(コンデンサ)
次にコンデンサの形成方法について図17〜図19に基づいて説明する。各図において(a)は回路素子の中心線で切断した製造工程断面図を示し、(b)は平面図を示す。
図17は絶縁膜形成工程を示す。まず液体噴射ヘッド303を図17(a)に示すように絶縁膜を形成する領域に移動させ、当該ヘッド303からパターン形成材料として絶縁性材料を含む液体300を吐出させる。絶縁性材料としては、SiO2やAl23、誘電体であるSrTiO3、BaTiO3、Pb(Zr,Ti)O3等が使用できる。溶媒としてはPGMEA、シクロヘキサン、カルビトールアセテート等が挙げられる。湿潤剤またはバインダーとして、グリセリン、ジエチレングリコール、エチレングリコール等を必要に応じて加えてもよい。また絶縁性材料を含む液体300として、ポリシラザンや絶縁体材料を含む金属アルコキシドを用いても良い。この場合には加熱や化学反応などによって絶縁体材料を形成することができる。なお、ここでも絶縁性材料を含む液体300には、前述の各着色用液体から適宜選択した液体を混合したものが使用される。それにより、形成される絶縁膜は、視認、識別可能となるように着色される。
吐出された液体300はパターン形成面310に着弾する。着弾した液体300は数μm〜数10μm程度の径を有する。
液体噴射ヘッド303を図17(b)のように動かして液体300を連続してパターン形成領域に沿って吐出すれば、巨視的には矩形の絶縁膜パターンを形成できる。絶縁膜311の幅、長さおよび絶縁性材料の誘電率は形成したいコンデンサの容量に応じて定める。コンデンサの容量は対向電極の面積、間隙および誘電率により定まるからである。膜の厚みを厚くする場合には一旦固化した膜上にさらに同一の液体を吐出し固化させるというように積層構造に製造すればよい。固化処理は前述の抵抗器形成方法で説明した手法が適用できる。
液体が絶縁性材料を含む場合には、固化させ形成された膜が緻密な膜となっていなくても電気的な悪影響がないので、溶媒成分を蒸発させるだけでよい。ただし膜を強固にするために加熱処理をすることは望ましい。また化学的反応により絶縁膜を固化させる場合には、分散系の破壊をもたらすような薬品で処理することも可能である。
例えば、液体300がスチレン−アクリル樹脂により分散した有機顔料を主成分とする場合には、反応液として硝酸マグネシウム水溶液を吐出する。また液体300がエポキシ樹脂を主成分とする場合には、反応液としてアミン類を吐出する。一つのパターンを形成するたびに固化処理を行うことが好ましい。なぜなら固化していない液体に重ねて他のパターン形成材料を含んだ液体を吐出すると、材料が混ざるため所望の電気的特性が得られないからである。
なお、パターン形成材料として絶縁性材料の代わりに誘電性材料を使用してもよい。誘電性材料を電極間に充填させればコンデンサの容量を増加させることができるからである。また複数の材料により複数の絶縁膜を平行して形成してもよい。コンデンサの多層構造に類した機能を持たせることができるからである。
また、電極の間隙が少ない場合には、後に吐出される導電性材料を含んだ液体301に対してこの絶縁膜が非親和性を示すような絶縁性材料を選択することが好ましい。形成される絶縁膜が液体301をはじくので、電極が短絡する危険が少なくなるからである。
図18および図19は導電膜形成工程を示す。絶縁膜311が固化したら、液体噴射ヘッド304を図18(a)および図19(a)に示すように導電膜を形成する領域に移動させる。次いで図18(b)や図19(b)の矢印のように液体噴射ヘッド304を動かしてパターン形成材料として導電性材料を含む液体301を吐出させる。これによりコンデンサの電極となる導電膜312が形成される。
パターン形成材料の導電性材料としては、RuO2、IrO2、OsO2、MoO2、ReO2、WO2、YBa2Cu37−x、Pt、Au、Ag、In、In−Ga合金、Ga、半田等が使用できる。溶媒としてはブチルカルビトールアセテート、3−ジメチル−2−イミタゾリジン、BMA等が使用できる。
導電性材料を含む液体301としては、In−Ga、In、半田等の低融点金属を加熱等によって溶融させた状態で用いてもよい。
導電膜のパターンは、図17〜図19のような形の他、種々の形状に変更可能である。例えば各導電膜や絶縁膜を鋸歯状や凹凸形状に形成して対向する電極が噛み合うように形成すればさらにコンデンサの容量を増加させることができる。コンデンサの容量を大きくするために絶縁膜311の高さや導電膜312の対向面の高さを高く形成し電極面積を大きくしてもよい。
次いで所望の電気的特性を得るために導電膜の固化処理を行う。固化処理については前述と同様の手法を用いる。
液体301がパターン形成材料として金属等の導電性材料の微粒子を含んでいる場合、図20の(a)、(b)に示すように、液体噴射ヘッド304から吐出される液体301bには溶媒中に微粒子が散在している。この液体から溶媒を蒸発させただけではパターン形成材料が連続せず導電性が確保できない場合がある。その場合は、図21に示すように、固化装置320等により導電性材料の融点以上に加熱するのもよい方法である。この処理により溶媒が蒸発する他、パターン形成材料が溶解し微粒子が互いに連結し一体化する。液体301がパターン形成材料を溶解したものである場合も加熱処理で溶媒を蒸発させることにより、導電性材料を析出させる。パターン形成材料が融点以上に熱せられた金属等の材料である場合、パターン形成面を融点より低い温度に維持することによって導電性材料を固化させてもよい。
(コイル)
次にコイル315の形成方法について図22〜図24に基づいて説明する。各図において(a)は回路素子の中心線で切断した製造工程断面図を示し、(b)は平面図を示す。
図22は、導電膜形成工程を示す。まず液体噴射ヘッド304を図22(a)、(b)に示すように移動させながら導電性材料を含む液体301を吐出させ、コイル315の引き出し線に相当する導電膜312を形成する。液体301およびその固化処理については前述と同様である。なおパターン形成面310上に予め磁性材料を塗布したり渦状の導電膜312の間に磁性材料を塗布したりすれば、コイル315のインダクタンスを増加させることができる。
図23は、絶縁膜形成工程を示す。液体噴射ヘッド303を図23(a)に示すように移動させ絶縁性材料を含む液体300を吐出させ、図23(b)のように導電膜312の先端を残して絶縁膜311を形成する。図23のように大きく絶縁膜を設けず図22で形成する導電膜と図24で形成する導電膜との交差部分にのみ絶縁膜を設けるものでもよい。液体300およびその固化処理については前述と同様である。
図24は、渦状導電膜形成工程を示す。液体噴射ヘッド304から導電性材料を含む液体301を吐出させながら図24(a)に示すように螺旋状に移動させ、渦状の導電膜312を形成する。この渦状の導電膜312は図24(b)に示すように中心が図22で形成した導電膜312に接触している。渦巻き状のどの部分も先に形成した導電膜に接触しない。渦の巻き数や導電膜312の幅は製造したいコイル315のインダクタンス値に応じて定める。液体301およびその固化処理については前述と同様である。
上記の工程により電気回路としてコイル315をパターン形成面310に形成することができる。なお後にコイル315のインダクタンスを増加させたい場合には渦状の端部からさらに渦状の導電膜312を伸ばせばよい。またインダクタンスを減少させた場合には既に形成した渦状の導電膜312の途中から引き出し線を付加すればよい。
次に、有機薄膜トランジスタ素子の例を説明する。前述のような有機半導体材料含有溶液を用いて、本実施形態では例えば、図25、図26に示したような有機薄膜トランジスタ素子を形成することができる。有機薄膜トランジスタ素子構成としては、紙をベースとした基材上に有機半導体層に接したソース電極とドレイン電極を有し、その上にゲート絶縁層を介してゲート電極を有するトップゲート型と、基材上にまずゲート電極を有し、ゲート絶縁層を介して有機半導体層で連結されたソース電極とドレイン電極を有するボトムゲート型に大別されるが、具体的な素子の層構成例(1素子の断面図)は図25、図26のようになる。
図25は、トップゲート型の層構成例を示し、紙をベースとした基材10上に有機半導体層8を有し、さらに有機半導体層8に電気的接続する第1の電極としてのソース電極4及び第2の電極としてのドレイン電極5を有し、この一対の電極間に設けられるとともに、さらにこの電極間にあって、上記有機半導体層8が設けられた領域上に、ゲート絶縁層6を介して第3の電極としてのゲート電極7を有するものである。そして、ソース電極4及びドレイン電極5の間に電圧を印加し、さらにゲート電極7に電圧を印加、制御するようにしている。
図26は、ボトムゲート型の層構成例を示し、紙をベースとした基材10上にゲート電極7としての電極層、ゲート絶縁層6、有機半導体層8をこの順序で形成し、さらに有機半導体層8に電気的に導通するソース電極4及びドレイン電極5よりなる一対の電極層を形成し、さらに有機半導体層8の領域を素子保護層9により封止構造としたものである。そして、ソース電極4及びドレイン電極5の間に電圧を印加し、さらにゲート電極7に電圧を印加、制御するようにしている。
図27は、このボトムゲート型有機トランジスタ素子を形成する際のパターン形成の順序を説明する平面図である。(a)〜(f)により簡単にそのパターン形成順序を説明する。
図27(a)は、基材10を示しておりこの基材10上にゲート電極7を形成するための導電性材料含有液体を噴射ヘッドによってドットパターンが打ち込まれる。そのドットパターンは適宜組み合わされて図27(b)に示すような矩形形状(帯状)のゲート電極7となる。
このあと同様に各種液体によるパターン形成が行われるが、各種液体を噴射付与する前に、先に形成されたパターンは、前述のような手法によって乾燥、固化処理を行う。
図27(c)は、ゲート絶縁層6を形成したものであり、その上に図27(d)に示すような有機半導体層8を形成する。次に図27(e)に示すようにこの有機半導体層8に導通するようにソース電極4及びドレイン電極5を形成して、一応トランジスタ素子は完成するが、図27(f)に示すように、全面に絶縁材料によって素子保護層9を設けることが望ましい。なお図27(f)の断面AAは、上述した図26に対応している。
次にRFID(Radio Frequency-Identification:電波認識)素子の例を説明する。RFID方式のデバイスは、メモリーと通信回路ならびに小型アンテナを組み合わせたものである。メモリーとしては、S-RAM、EEP-ROM、Fe-RAMなどがあるが、本実施形態においては、被搬送物に低コストでその情報を付与することを目的としているので、記憶保持用の電源を必要せず、また記憶容量も数百バイト〜数kバイト程度のEEP-ROMやFe-RAM方式を採用する。通信方式は、交信距離として最大1mほど確保できる電磁誘導方式が好適に採用できる。
図28を用いてその原理を説明する。図示するように、RFID方式のデバイス81は、リーダーあるいはライター82、RFID側のループコイルアンテナ83、リーダー/ライター側のループコイルアンテナ84、磁束85、受信信号86、送信信号87を有する。
電磁誘導方式は、リーダー/ライター側のループコイルとRFID側のループコイルを1m以内の間隔で対向配置し、135kHz以下(100kHz程度)、または13.56MHzの信号電流を通電することにより、リーダー/ライター側のコイル近傍に発生する誘導電磁界を電力・情報伝送媒体として使用するものである。媒体としている誘導電磁界の特性によるもので使用環境の悪い場所でも強く、データ伝送上の信頼性が高い。また、リーダー/ライターの指向性もそれほど強くないという特性があり、本実施形態のような搬送システムに好適に利用できる。なお、図ではRFID側のループコイルアンテナ83を立体的構造として示したが、本実施形態においては、液体噴射ヘッドによって2次元平面的に形成される。
これらは全て前述のような異なる種類の電気的機能発現材料含有液体を噴射することによってパターン形成を行い、集積回路を形成するようにそれらのパターンを積層、組み合わせることにより、印刷形成することができる。図29は本実施形態で形成したRFID方式のデバイスの例である。図示するように、通信回路88、メモリー89、アンテナ90を有する。
従来のようなRFIDチップはSi(シリコン)半導体プロセスによって製作し、別途形成したアンテナや電極パターンと一体にして製作していたが、本実施形態の技術を使用すれば、ダンボール箱などの基材上にすべて印刷によって形成することができ、大変低コストにすることができる。つまりパッケージング材料として使用されるダンボール等の紙や樹脂シートよりなる袋などに直接噴射付与により、印刷形成することができるので、梱包部材に新たな付加価値(RFID方式による商品の履歴や追跡情報など)を簡単に付与することができる。
またこのようにRFID素子を印刷形成すると、前述のような電子機能部品の盗難は包装紙等を破らない限り、つまり非破壊でこのRFID素子等を取り外すということは不可能である。
なお上述のように全てこのように印刷手法によって形成できるが、前述のようなSiチップでRFIDチップを形成したものに、このように印刷手法によってパッケージング材料(被覆部材)の表面に導電性パターンを形成してアンテナ構造を形成したものを、電気的接続したハイブリッド構成のデバイスとしても良いことは言うまでもない。
またRFID素子は物流システムに使用されることも多く、その使用される環境は風雨や直射日光にさらされたり、他のものとの接触、衝突、衝撃、振動を受けたりすることが多い。つまり使用環境は劣悪である。よってたえず破損、故障の危険性にさらされている。
そこで本実施形態では、上記のように形成されたRFID方式のデバイスのパターン面を、樹脂ラミネート等の手法によって被覆、保護するようにしている。この被覆、保護するための材料に要求される性質は、上記のような機械的な保護機能、遮光機能の他に、電気的絶縁機能である。
ラミネート樹脂の材料としては、例えば塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂など適宜使用できるが、ポリオレフィン系のポリプロピレン樹脂は、環境に優しい高分子材料樹脂として知られており、好ましい材料のひとつである。
その際、例えば紫外線吸収剤として酸化チタンや酸化亜鉛の微粒子をこれらの樹脂材料に添加してなる紫外線遮断(UVカット)樹脂材料を使用することが好ましい。
さらに他の被覆、保護例としては、本実施形態で説明している液体噴射の原理によって樹脂含有溶液を、このようなRFID方式のデバイスのパターン面に噴射付与してもよい。この場合、加熱時に溶融状態にあり、40℃以下の通常の生活環境温度(低温)時に固体状態となるワックス系材料なども好適に使用できる。
なお、この被覆、保護層は、ここではRFID方式のデバイスに関して適用する例で説明したが、RFID方式のデバイスに限らず、他の全てのデバイスあるいは配線パターンの保護にも適用できることは言うまでもない。手法としては、必ずしもラミネートあるいは液体噴射の原理である必要はなく、ローラコーティングのような手法によって、樹脂層を形成しても良いのは言うまでもない。
また全面に被覆するのではなく、選択的に被覆を行い、他の素子等と接続、導通をとるための電極端子部分を露出状態にすることも適宜行われる。その際は液体噴射の原理を利用したり、あるいは後述のカールソンプロセス原理による画像形成手段、スクリーン印刷等の手法を利用すると簡単に選択的な被覆/非被覆の状態を作り出せる。
液滴43のさらに他の例としては、例えば有機EL発光材料を含有した溶液が挙げられる。例えばRGB(赤、緑、青)3色用として、以下のような溶液組成例が挙げられる。溶媒・・・・・ドデシルベンゼン/ジクロロベンゼン(1/1、体積比)
赤・・・・・・ポリフルオレン/ペリレン染料(98/2、重量比)
緑・・・・・・ポリフルオレン/クマリン染料(98.5/1.5、重量比)
青・・・・・・ポリフルオレン
他に、例えばポリフェニレンビニレン系(ポリパラフェニリレンビニレン系誘導体)、ポリフェニレン系誘導体、その他、ベンゼン誘導体に可溶な低分子系有機EL材料、高分子系有機EL材料、ポリビニルカルバゾール等の材料を用いることができる。有機EL材料の具体例としては、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
本実施形態においては溶液組成物として、ベンゼン誘導体の沸点が150℃以上であることが好ましい。このような溶媒の具体例としては、O−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、O−クロロトルエン、p−クロロトルエン、1−クロロナフタレン、ブロモベンゼン、O−ジブロモベンゼン、1−ジブロモナフタレン等が挙げられる。これらの溶媒を用いることにより、溶媒の揮散が防げるので好適である。これらの溶媒は芳香族化合物に対する溶解度が大きく好適である。また、本実施形態の溶液組成物ドデシルベンゼンを含むことが好ましい。ドデシルベンゼンとしてはn−ドデシルベンゼン単一でも良く、また異性体の混合物を用いることもできる。
この溶媒は沸点300℃以上、粘度6cp以上(20℃)の特性を有し、この溶媒単一でももちろん良いが、他の溶媒に加えることにより、溶媒の揮散を効果的に防げ、好適である。また上記溶媒のうちドデシルベンゼン以外は粘度が比較的小さいため、この溶媒を加えることにより粘度も調整できるため非常に好適である。
本実施形態によれば、上述したような溶液組成物を図2、図3等に示した電子デバイスチップの製造装置、あるいはパターン配線シート製造装置により紙をベースとした可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透する基材上に液滴吐出により供給した後、基材を吐出時温度より高温で処理して膜化する機能膜形成法が提供される。吐出時温度は室温であり、吐出後基材を加熱することが好ましい。このような処理をすることにより、吐出時溶媒の揮散、温度の低下により析出した内容物が再溶解され、均一、均質な機能膜を得ることができる。
上述の機能膜の作製法において、吐出組成物を電子デバイスチップ製造装置あるいはパターン配線シート製造装置により基材上に供給後、基材を吐出時温度より高温に処理する際に、加圧しながら加熱することが好ましい。このように処理することにより、加熱時の溶媒の揮散を遅らすことができ、内容物の再溶解が更に促進される。その結果均一、均質な機能膜を得ることができる。
また、上述の機能膜の作製法において、前記基材を高温処理後直ちに減圧にし、溶媒を除去することが好ましい。このように処理することにより、溶媒の濃縮時の内容物の相分離を防ぐことができる。
いずれの材料においても、本実施形態は溶液中の揮発成分を揮発させ、固形分を基材上に残留させることによって例えば有機EL発光素子形成を行うものである。この固形物が発光機能を発生させるものであり、溶媒(揮発成分)はインクジェット原理で液滴を噴射付与するための手段(vehicle)である。
図30は本実施形態の有機EL発光デバイスをディスプレイ装置として使用する構成を示したものである。紙をベースとした可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透するシート基材10上に電極23および有機感光性材料よりなる障壁部材24を形成し、障壁部材24で囲まれた領域に上記のような有機EL発光材料を含有した溶液を噴射付与した後、溶媒を除去し、固形分を残留させて有機EL発光層25とし、その上にさらにITO等の透明電極26および透明シート27を配している。このような上部の透明電極26ならびに透明シート27も、あらかじめ片側にITO膜を形成した透明PETシートを利用すればよい。
このような構成をとることにより、本実施形態では、有機EL発光層25からの光を、図の矢印方向に取り出すようにした可撓性あるいは柔軟性があって、軽量なディスプレイが実現する。
以上、電子回路を構成する各種素子の説明をしたが、次に本発明のさらに他の特徴について説明する。
図31、図32は、本実施形態に係る電子回路、あるいは電子デバイスを形成するためのパターン配線の例を単純化して示したものである。電極パターン(端子パターン91、素子電極93)を形成するのに、基材上にあらかじめAg、Al、Au、Cu等の微粒子を含むペースト状液体を使用し、スクリーン印刷等によって、所望のパターン形状にしたものである。
このような1対の電極間に、Ag等の導電性材料の微粒子を含有した液体を使用し、前述のような電子デバイス形成と同じように液体噴射原理によってドット92、94を付与し、電極間を導通するようにすれば電子回路(の一部)として機能する。ここで電極間(91間、あるいは93間)を、ドット1個だけでつないでもよいし、図31、図32のように、複数個のドットを重ね合わせてつないで打ち込んでもよい。電極間をつなぐ距離が長い場合は、当然ではあるが、複数個のドットを重ね合わせてつないで電気的接続を行う。
図31、図32に示した例は、電極パターン(端子パターン91、素子電極93)を基材上にスクリーン印刷等によって、所望のパターン形状にしたものであるが、図33、図34に示したものは、この電極パターン91、93を本実施形態の液体噴射原理によって形成したものである。
すなわち、Ag等の導電性材料の微粒子を含有した液体を使用し、液体噴射原理によって電極パターン91、93をドットの組み合わせとして形成したものである。このようにすることの利点は、電極形成においても、図2、図3等で説明した本実施形態の製造装置がそのまま使用できる点にある。
なお、図33、図34に示したものは、電極パターン部91、93のドット径が配線パターン92あるいは、デバイスパターン(ドットパターン94)のドット径より大きなものとしたが、これはノズル径の異なる噴射ヘッドを用いたり、ピエゾ素子への駆動波形あるいは駆動エネルギーを変えたりして、ノズルから噴射する液滴の大きさを変えることによって実現できる。
また、必ずしもこれらの例のように、ドット径の大きさを変える必要はなく、電子回路の構成によって適宜選べばよく、大面積をドットによってパターン形成するような場合、例えば、絶縁層で広い面積を覆うような場合など、大径ドットを打ち込んで効率良くドットパターンを形成すればよい。
これらの例と違って、同じ吐出口径をもつ同じ噴射ヘッドを使用して、先に形成する電極パターン部91、93のドット径と後から形成する電極間を接続するパターン(配線パターン92、あるいはドットパターン94)のドット径が同じ大きさになるようにしても良いのは言うまでもない。
また電極パターン部91、93のドットと、配線パターン92、あるいはドットパターン94の打ち込み順序の前後は逆であってもよい。これも、形成する電子回路の構成によって適宜その順序を決めればよい。
本実施形態によれば、上述したような溶液組成物を図2、図3等に示した電子デバイスあるいは配線パターンの製造装置により、紙等の可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透するシート基材上に液滴吐出によりドットとして供給した後、基材を吐出時温度より高温(例えば50℃〜200℃)で処理して、ドット中の揮発成分を揮発させ、固形分を基材上に残留させることによってドットパターンを形成、膜化することによって形成される電子デバイスあるいは配線パターンの形成法が提供される。この手法によれば、単独のデバイスのみならず、IC、LSIのようなパターンを積層、集積化したデバイスも容易に形成できる。
本実施形態は、電気的機能発現材料含有液体などを噴射付与して、電子デバイスや配線パターン等を製作するものであるが、単一の液体のみを噴射するのみならず、この例のように、前述のような各種複数種類の液体を各液体噴射ヘッドごとに噴射することができる。よって、図14〜図30に示したようなデバイス構造体もこのような異なる複数種類の液体を噴射し、パターンを形成し、そのパターンを、適宜、積層あるいは組み合わせることによって簡単に形成することができる。その際、先に形成したパターンと後から積層するパターンは、両者の液体が混じって良好なパターンが形成できないような場合は、先に形成したパターンが乾燥し、揮発成分が揮発した後、後から形成するパターンを形成するようにする。
そのため、場合によっては、先のパターンを形成してすぐに次の(その上に積層する)パターンを形成できない場合がある。つまり、先のパターンが十分に乾燥しておらず、次のパターンを形成しようとすると両者の溶液が混じりあって良好なパターンが形成できないような場合である。
そのような場合は、例えば、キャリッジ搭載された噴射ヘッドで、いったん先に形成されるパターンを形成し、揮発成分の揮発、乾燥後、再度、キャリッジをもとの場所に戻し、再び、次のパターンを形成する。
あるいは、キャリッジが直交する縦横(X、Y方向)の2次元方向に移動せず、1方向(例えばX方向)のみに移動し、基材がそれと垂直方向に移動するような製造装置の場合、いったん先に形成されるパターンを形成し、揮発成分の揮発、乾燥後、基材をもとの場所(先の噴射によるパターン形成を開始した位置)に戻し、再び、次のパターンを形成するようにする。このような装置構成は、図2の製造装置には示していないが、基材搬送手段として、ローラ搬送あるいはベルト搬送という従来から知られている手段によって簡単に実現できる。こうすることにより、パターン崩れのない精度の高いパターンとすることができ、また信頼性の高い電子デバイスあるいは配線パターンが得られる。
この手段の応用例として、基材をローラ搬送あるいはベルト搬送によって行う場合、いったん片面に電子デバイスあるいは配線パターンを形成した後、基材を反転させて、裏面にも電子デバイスあるいは配線パターンを形成することが可能となる。基材の反転あるいはその位置決めなどは、いわゆるインクジェットプリンター等で行われている両面印刷の技術をそのまま応用することができる。
このように基材の両面に電子デバイスあるいは配線パターンを形成することにより、より多機能、あるいはメモリー機能を有する電子部位品の場合、より容量の大きいメモリー部品、さらにはより複雑な電子部品を製造することが可能となる。あるいは表裏に形成することにより、基材(チップ)サイズを小さくすることも可能である。
また表裏で異なる機能の電子デバイスあるいは配線パターンを形成し、ハイブリッド型の電子部品とすることも可能である。例えば先に述べたRFID(Radio Frequency-Identification:電波認識)方式のデバイスにおいては、メモリー、通信回路あるいは小型アンテナなどを組み合わせた構成となっているが、表面にメモリーを形成し、裏面に通信回路と小型アンテナを形成するといった構成にすることも可能である。
次に本発明の他の特徴について説明する。
前述のように本実施形態では紙あるいは紙等の可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透するシート基材上に電気的機能発現材料を直接付与して、電子デバイス形成や配線パターン形成を行う技術について説明した。ここでこの基材はその表面の性状は、セルロース繊維の太さ、それらが重なりあってできる間隙に起因する紙の繊維の凹凸が反映された状態になっており、良好な電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを製作するのに必ずしも好ましい形状であるとはいえない。
本実施形態はこの点に鑑み、紙の表面性状と良好な配線パターンを製作する際の関係について検討したものである。前述のようにセルロース繊維は、紙の種類にもよるが、一般に幅(太さ)が、5〜20μm程度である。紙は通常、そのままこのような大きさの繊維よりなるものではなく、一般的には紙製造工程において、叩解(こうかい)と呼ばれる繊維に機械的な力を作用させ、柔軟にする工程を経て製作されるため、実際に完成した紙の繊維の大きさはこれよりも小さくなる。通常、叩解を経て製造された紙の繊維の太さ、あるいは厚さは、4〜10μm程度である。
本実施形態においてはこのような繊維が重なり合ってなる紙の表面に電気的機能発現材料のドットパターンを形成し、液体中の固形分を残留させて電子デバイスとしたり配線パターンとしたりするわけであるが、丸い良好なドットパターンを形成するにあたって重要なことは紙の表面性状である。
本実施形態ではこの点に鑑み、紙の表面粗さと良好な電子デバイスあるいは配線パターンを形成するための関係を調べたものである。紙はセルロース繊維によって形成される凹凸の他に、前述のような塗工紙の塗工物質によっても紙の表面性状が異なり、良好な電子デバイス形成あるいは配線パターン形成に影響を及ぼす。
これらの点について検討した結果の例を示す。ここでは、繊維の大きさ、塗工材料の有無、多少等により表面性状の異なる紙を準備し、図35のような配線パターンを形成し、パターン形成の良好性評価(官能評価)ならびに配線パターンとしての耐久性評価を行った。
なお紙への塗工材料の付与は、インクジェット法のように、ドットを付与する/付与しないというようにデジタル的な手段があるが、ここではより簡便かつ迅速に付与する手段として、ローラコーティングによる紙面にアナログ的に全面付与する手法を採用した。他のアナログ的な全面付与手段としてスプレー塗布などもあるが、ここでは塗工材料より均一な付与を行うために、ローラコーティングによって行った。
また、配線パターン形成のためのドット形成は、図5、図6に示したようなピエゾ素子を利用した液体噴射ヘッドである。但し、図5、図6に示した噴射ヘッドは、流路の先端がそのまま吐出口になっているものを示したが、実験に使用したものは、この先端に流路の配列密度と同じ配列密度で形成したノズルを有するノズル板を設けたものである。ノズル板はNiのエレクトロフォーミング手法によって形成したものであり、その厚さは20μmとした。
また、その吐出口(ノズル)の数も、図5、図6に示したものは説明を簡単にするため吐出口が7個しかないものであるが、実際に使用したのは吐出口の数が256個で、その配列密度が180dpiのものである。また吐出口径はΦ20μm(面積でいうならば314μm2)である。
使用した溶液は、銀コロイド水溶液であり、以下のようにして製造した。
最初に2リットルのコルベンにディスパービック190(ビックケミー社製、固形分率40質量%)23.3g、及び、イオン交換水420.5gを入れた。このコルベンをウォーターバスに入れ、ディスパービック190が溶解するまで50℃で攪拌した。ここに、イオン交換水420.5gに溶解させた硝酸銀100gを攪拌しながら加えて、70℃で10分間攪拌した。次に、ジメチルアミノエタノール262gを加えたところ、液が一瞬で黒変し、液温が76℃まで上昇した。そのまま放置して液温が70℃まで下がったところで、この温度を保ちながら2時間攪拌を続け、黒っぽい黄色を呈する銀コロイドの水溶液が得られた。
得られた反応液を1リットルのポリ瓶に移し換え、60℃の恒温室で18時間静置した。次に、限外濾過モジュールAHP1010(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数400本)、マグネットポンプ、下部にチューブ接続口のある3リットルのステンレスカップをシリコンチューブでつないで、限外濾過装置とした。先の60℃の恒温室で18時間静置した反応液をステンレスカップに入れて、更に2リットルのイオン交換水を加えてから、ポンプを稼動させて限外濾過を行った。約40分後にモジュールからの濾液が2リットルになった時点で、ステンレスカップに2リットルのエタノールを加えた。その後、濾液の伝導度が300μS/cm以下になったことを確認し、母液の量が500mlになるまで濃縮を行った。
続いて母液を入れた500mlステンレスカップ、限外濾過モジュールAHP0013(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数100本)、チューブポンプ、及び、アスピレーターを含む限外濾過装置を組んだ。このステンレスカップに先に得られた母液を入れ、固形分濃度を高めるための濃縮を行った。母液が約100mlになった時点でポンプを停止して、濃縮を終了することにより、固形分10%の銀コロイドのエタノール溶液が得られた。この溶液中の銀コロイド粒子の平均粒子径は、0.017μm(17nm)であった。また、TG−DTA(セイコーインストゥルメント社製)を用いて、固形分中の銀の含有率を計測したところ、仕込みの87質量%に対して、90質量%であった。
このようにして製造した銀コロイド水溶液を上記のような液体噴射ヘッドで噴射し、表面性状を変えた紙をベースとした基材上に、図35のように約1/3ドットずつ重なり合うようにしてドットパターンを打ち込み、配線パターンとした。ドット径は基材の表面性状によって変動するが、φ40〜50μmである。なお電極91は厚さ0.5μmであり、先にAlスパッタリングによって形成しておいた。またこの時の液滴噴射ヘッドのピエゾ素子駆動電圧は30V、駆動周波数は12kHzとした。
続いて、このパターン形成後の基材をオーブンに入れ100℃で10分間乾燥させ、膜厚、約0.2μmの金属光沢を有する乾燥膜を得た。得られた乾燥膜の導電性を、測定機としてロレスターFP(三菱化学社製)を用いてその表面抵抗率を測定した結果、測定不能(108Ω/□以上)であった。この乾燥膜に対し、低圧水銀灯を用いて5J/cm2の光照射を行った後に、100℃で40分加熱し金属性被膜を得た。得られた金属性被膜の導電性を、測定機としてロレスターFP(三菱化学社製)を用いてその表面抵抗率を測定した結果、3.76×100Ω/□であった。
次に、電極91間に繰り返し通電を行い(パルス電圧30V、パルス幅50msおよびパルス間隔を100msとし、60分間)、耐久性として断線の有無を評価した。
結果を表1、表2に示す。なおここでパターン形状判定の(○、×)は、100倍の顕微鏡画像を見ながら官能評価で判断したものであり(各々20個ずつピックアップして評価)、○は良、×は不良である。また耐久性に関しては、○は断線なし、×は断線ありである。
Figure 2009295936
Figure 2009295936
表1、表2の結果より、基材である紙のセルロース繊維の太さおよびそれらが重なりあってできる間隙による表面性状(凹凸)を、コート材(ここでは炭酸カルシウムとデンプンを使用)によって滑らかにする、言い換えるならば表面粗さをセルロース繊維の太さおよびそれらが重なりあってできる間隙による凹凸以下にする(凹凸を消す)ことによって、良好なパターン形状となり、配線パターンの断線もなくなり耐久性の優れたパターンが得られることがわかる。
なお、本実施形態においてはこのようなコート材の他に、絶縁性微粒子として、例えば酸無水物とジイソシアネートにアミン触媒を加えて反応させて製作した、多孔性ポリイミド微粒子(表面抵抗率1014Ω/□以上)、アークプラズマにAl粒子(20μm)を注入して得られるAlN微粒子(サイズ20nm〜30nm)、ガス中蒸発法によって製作されるSiOX微粒子なども好適に使用できる。
また上記実験例は図35のような比較的単純な配線パターンによってテストを行ったものであるが、このような単純な配線パターンにのみならず、前述の各種材料を使用し、トランジスタ等の機能性電子デバイス形成を行う場合においても、このように基材の凹凸を消す技術は故障のない良好な電子デバイス形成に有効である。
本実施形態では、画像形成手段によって液状の電気的機能発現材料を、紙もしくは紙をベースとした可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透する基材上に直接付与することによって電子デバイスあるいは配線パターンを形成する技術を説明しているが、以上の説明では主として、インクジェット原理による画像形成手段を中心に説明してきたが、一般にインクジェット原理による画像形成手段は、基材幅全域をカバーするようにノズルを配したもの(いわゆるフルマルチノズルのページプリンタータイプ)は、高速なパターン形成が可能である。一方、図2、図3に示したような、いわゆるシリアルプリンタータイプのものはパターン形成スピードが遅い。ただし、噴射ヘッドの可動範囲を大きくすれば、例えば紙のサイズでA0サイズといった大面積の基材に対してもパターン形成が可能であるという特徴を有する。
次に本実施形態の他の特徴について説明する。本実施形態は前述のように、形成された電子デバイスチップあるいはパターン配線シートは曲げられる性質を持つものであり、それは基材そのものがそのような性質を持っているとともに、その基材上に形成されるパターンも同様にそのような性質を持つ必要がある。
本実施形態によって形成されるパターンは前述のように、基材上に電気的機能発現材料を付与するとともにその電気的機能発現材料の揮発成分が揮発した後の残留固形分により形成されるパターン、あるいは複数個のパターン、複数種類のパターンの組み合わせによって形成されるものである。ここでこのような電気的機能発現材料の溶液、あるいは電気的機能発現材料を含有する液体は、一般に有機材料が用いられる。また、液体中に分散している金属粒子のような無機材料であっても、それ単独で分散しているわけではなく、前述のような各種の有機系の分散材とともに液体中に分散している。
したがって、水分等の揮発成分が揮発した後の残留固形分により形成されるこのパターンも有機材料が主体である。そして有機材料によって形成されるこれらのパターンは有機材料の持つ柔軟性により、一般に可撓性あるいは柔軟性を有する。しかしながらこれもそのパターンの厚さに大きく依存し、例えば3次元立体構造とみなされるようなブロック状のパターンにおいては、それに可撓性あるいは柔軟性を求めることは困難である。
図36は本実施形態を説明するために基材上にインクジェット原理で9個のドットパターンを繋ぎ合わせてライン状のパターンを形成する例を示したものである。(a)は平面図、(b)は(a)における断面AAを示している。図中には、基材80、基材面上のパターン層81、基材内部に浸透した電気的機能発現材料層82、基材厚さ83、基材面上のパターン層厚さ84、基材内部に浸透した電気的機能発現材料層厚さ85を示している。
基材80は液状物質を浸透するため、82として示したように基材内部まで電気的機能発現材料層82は染み込んでいる。ここで可撓性あるいは柔軟性を有する本実施形態の電子デバイスチップあるいはパターン配線シートにとって重要なことは、パターン厚さを必要以上に厚くしないことである。例えば基材80である紙の厚さ83を200μmとした場合、インクジェット原理で液状の電気的機能発現材料を付与してドットによるパターンを形成し、電気的機能発現材料中の水分あるいは揮発成分を揮発させ、揮発後の残留固形分により形成される基材面上のパターン層厚さ84は10μm、さらに基材内部に浸透した電気的機能発現材料層厚さ85は5μmとされる。両方の厚さを合計しても基材厚さ83には及ばないようにする。こうすることによって、本実施形態においては、基材80が持つ性質が支配的になり、形成される電子デバイスチップあるいはパターン配線シートの可撓性あるいは柔軟性が確保される。
このように、形成されるパターン厚さ(基材表面ならびに内部に形成される厚さ)を基材厚さ83より薄くなるようにすることにより、基材がもともと持っている可撓性あるいは柔軟性という性質が、揮発後の残留固形分により形成される基材面上のパターンによって大きく損なわれることなく、ほぼ基材の持つもとの可撓性あるいは柔軟性が維持され、形成される電子デバイスチップやパターン配線シートも、ほぼ基材と同じように可撓性あるいは柔軟性を有するものとすることができる。
別の表現をするならば、本実施形態においては、付与された液状物質、すなわち電気的機能発現材料は、基材である紙に裏写りしない範囲のパターン厚さとする。ここで裏写りとは、裏面からみて光の透過によって、表(おもて)面のパターンが視認できることではなく、電気的機能発現材料そのものが、裏面側まで染み込んできている状態をいう。つまり、形成されるパターン厚さ(基材表面ならびに内部に形成される厚さ)が基材厚さとほぼ同じか、それより厚い状態のことをさす。よって裏写りしないような形成されるパターン厚さと基材である紙の厚さの関係にしておけば、前述のように、ほぼ基材の持つもとの可撓性あるいは柔軟性が維持され、形成される電子デバイスチップやパターン配線シートも、ほぼ基材と同じように可撓性あるいは柔軟性を有するものとすることができるわけである。
次に本実施形態の他の特徴について説明する。本実施形態は、可撓性あるいは柔軟性を有する電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを提供するものである。前述のように、これらは紙のような可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透する基材上に電気的機能発現材料を付与して、電気的機能発現材料の揮発成分を揮発させ、残留固形分により形成されるパターンの組み合わせによって形成、製作される。
実際にこれらの電子デバイスチップあるいはパターン配線シートが使用される環境はさまざまであるが、時としてこれらの電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを使用するのに不適な環境で使用される場合もある。例えばパターン形成面に水が付着したり、常時紫外線を含む太陽光に曝されたりすることがある。あるいはパターン形成面ではない裏面であっても、水分等の液体が付着すると基材の持つ液状物質浸透性によって水分あるいは液体が、裏面から表(おもて)のパターン形成面まで浸透してきて、デバイス破損等に到ることもある。
本実施形態ではこれらの使用環境状況を考慮し、電子デバイスチップあるいはパターン配線シートに不具合が生じることなく安定的に動作するように、水分等の液体を遮断したり、あるいは有害な紫外光を含む太陽光等を遮蔽したりするための保護膜を形成されたパターン上あるいは電子デバイスチップあるいはパターン配線シートの裏面に設けるようにしている。
例えば、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂などの高分子樹脂材料含有溶液を、本実施形態で説明している液体噴射の原理によって基材のパターン形成面である表(おもて)面、あるいは裏面全面に噴射付与して樹脂膜(保護層)を設けるようにする。水分等の液体遮断としてはこれで充分であるが必要に応じて、樹脂材料含有溶液中に光の透過を遮蔽するカーボンブラック等の顔料着色剤を入れておけば、形成されたパターン部分を劣化せしめる有害な紫外光を含む太陽光等を遮蔽したりすることができる。なおこの保護膜を形成するための手段は、必ずしも液体噴射の原理である必要はなく、ローラコーティングのような手法によって樹脂層を形成してもよいし、あるいは、1〜10μmほどのポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等の薄い樹脂層をラミネート被覆してもよい。
ここで重要なことは、保護膜として使用する前述のような高分子樹脂材料が硬化した場合、これを表(おもて)面であれ、裏面であれ、設ける場合には、本実施形態に係る電子デバイスチップあるいはパターン配線シートが有する可撓性あるいは柔軟性を有するという性質を阻害しない厚さ、硬さ、材料とする点である。
他に留意すべき点は、基材上の一方の面にパターン形成により、電子デバイス形成あるいは配線パターン形成を行ったり、さらに前述のような保護膜を形成したりした場合、電子デバイスチップあるいはパターン配線シートの基材の表裏で、強度のバランスが崩れ、どちらかに引っ張る力あるいは圧縮力が加わることによる基材にそりが生じることがあるということである。
それを避けるために、本実施形態においては、基材上へのパターン形成あるいは保護膜形成による基材表裏の引っ張り、あるいは圧縮のバランス崩れを補償するために、例えば、表(おもて)面にそのようなパターンなり、保護膜なりを形成した場合に、それらが基材にそりを生じせしめるほどの厚さ、強度(硬さ)である場合には、そりが生じないように裏面に表(おもて)面とほぼ同等の力学的性質をもつ保護膜(保護層)を設けるようにしている。そしてそれらの厚さは、電子デバイス形成あるいは配線パターン形成のためのパターンならびに保護膜(保護層)の厚さの総合計の厚さは、前述のような本実施形態の特徴である電子デバイスチップあるいはパターン配線シートの可撓性あるいは柔軟性を確保できる範囲の厚さとされ、また、その保護膜(保護層)の硬さ、あるいは揮発成分が揮発した後の乾燥後の保護膜も、電子デバイスチップあるいはパターン配線シートの可撓性あるいは柔軟性を損なわないような硬さとされる。
以上、各種電子デバイスあるいはパターン配線等を形成する例、ならびにパターン面を被覆する保護膜に要求される特徴に関して説明してきたが、本実施形態の各種電子デバイスチップあるいはパターン配線シート等は他の電子部品等と電気的接続されて使用されるのでその接続部分は除外して、選択的に樹脂材料等の保護部材を形成するのがよい。それには、インクジェット原理の溶液噴射法は、その選択的なパターンを任意に指定できるので有用な方法であり、前述のような高分子樹脂材料含有溶液や溶融ワックス系材料を用いて、簡単に保護部材形成が実現できる。
もちろん他の印刷技術によってこのような樹脂材料の保護部材を形成してもよいし、ローラコーティング等の手法によって形成してもよい。あるいは、フォトレジスト等の感光性樹脂を利用して、選択的に被覆/非被覆の領域を形成するようにしてもよい。
なおここでいう保護とは、前述の水に対する保護のみならず、各種汚染、あるいは物理的衝撃などから、電子デバイスあるいは配線パターン等を保護するためのものである。これにより、本実施形態においては、このような新規な電子デバイスチップあるいはパターン配線シートのいろいろな面における信頼性(耐水、耐衝撃、耐光、耐汚染、耐絶縁など)を確保することができるようになった。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを製作する技術について説明したが、数10μm〜数μm(より具体的には50μm〜1μm)という非常に微細なパターンを従来のようなフォトリソ技術によるのではなく、従来にはない微小な吐出口を有する噴射ヘッドによって電気的機能発現材料含有液体の液滴を可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透するシート基材に直接噴射付与するという簡単な装置で、電子デバイスあるいは配線パターンをダイレクト製作するようにしている。したがって、いわゆる半導体製造プロセスで使用されている高価な製造装置を必要とせず、低コストでかつ安定して製作できるようになった。なお、このようなパターン形成の代表例として、インクジェット原理による画像形成手段を応用した例で説明しているが、他の印刷手段(オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、スクリーン印刷等)を利用しても良いのは言うまでもない。
本実施形態によれば、可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透する基材上に電気的機能発現材料を付与して、電気的機能発現材料の揮発成分が揮発後の残留固形分により形成されるパターンの組み合わせによって電子デバイスを形成してなる電子デバイスチップにおいて、基材上ならびに基材の深さ方向に浸透した領域のパターンの厚さを、基材の厚さより薄くした、あるいは、可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透する基材上の1対の電極間に電気的機能発現材料を付与して、電気的機能発現材料の揮発成分が揮発後の残留固形分によって電極間を導通せしめるパターンを形成してなるパターン配線シートにおいて、基材上ならびに基材の深さ方向に浸透した領域のパターンの厚さを、基材の厚さより薄くしたので、新規な電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを実現することが可能となった。
また、本実施形態によれば、基材は紙とした電子デバイスチップあるいはパターン配線シートであるので、入手が容易かつ低コストで可撓性あるいは柔軟性を有する新規な電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを実現することが可能となった。
また、本実施形態によれば、残留固形分により形成されるパターンは、紙に浸透して裏面側に裏写りしない範囲のパターン厚さと紙の厚さの関係とした電子デバイスチップあるいはパターン配線シートであるので、可撓性あるいは柔軟性を有する新規な電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを実現することが可能となった。
また、本実施形態によれば、電子デバイスチップの電子デバイス形成面に保護膜を設けるとともに、保護膜は、電子デバイスチップの可撓性あるいは柔軟性を損なわない厚さとした、あるいは、パターン配線シートのパターン形成面に保護膜を設けるとともに、保護膜は、パターン配線シートの可撓性あるいは柔軟性を損なわない厚さとしたので、耐水、対光等、対候性に強く、また物理的、機械的な衝撃等にも耐え得る新規な電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを実現することが可能となった。
また、本実施形態によれば、保護膜と同等の力学的性質となる材料ならびに厚さの保護膜を電子デバイスチップの裏面に設けた、あるいは、保護膜と同等の力学的性質となる材料ならびに厚さの保護膜をパターン配線シートの裏面に設けたので、不必要にそったりすることのない新規な電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを実現することが可能となった。
以上好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上述した電子デバイスチップあるいはパターン配線シートに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であるということは言うまでもない。
本発明の電子部品製造装置によって形成されるパターン配線の一実施例を説明するための図である。 本発明の電子デバイスチップあるいはパターン配線シートを形成する製造装置の実施例を説明するための図である。 本発明の電子デバイスチップあるいはパターン配線シート形成に適用される液滴付与装置の他の構成を示す図である。 本発明の基材となる紙のセルロース繊維を示すイメージ図である。 本発明に好適に使用されるピエゾ素子利用の液体噴射ヘッドの液滴噴射原理を説明する図である。 本発明に好適に使用されるピエゾ素子利用の液体噴射ヘッドの構造を示す図である。 本発明に好適に使用されるピエゾ素子利用の液体噴射ヘッドによって噴射させた場合の液滴の形状である。 本発明に好適に使用されるピエゾ素子利用の液体噴射ヘッドによって噴射させた場合の液滴の形状で、やや細長くなった場合である。 本発明に好適に適用されるサーマル方式(バブル方式)の液体噴射ヘッドの例である。 本発明に好適に使用されるサーマル方式(バブル方式)の液体噴射ヘッドによって噴射させた場合の溶液の飛翔時の形状である。 マルチノズル型の液体噴射ヘッドをノズル側から見た図である。 マルチノズル型の液体噴射ヘッドを噴射する液体ごとに積層し、ユニット化した図である。 ユニット化したヘッドの斜視図である。 本発明における抵抗器の形成方法の抵抗膜形成工程を示す図である。 本発明における抵抗器の形成方法の導電膜形成工程を示す図である。 本発明における抵抗器の形成方法の導電膜形成工程を示す図である。 本発明におけるコンデンサの形成方法の絶縁膜形成工程を示す図である。 本発明におけるコンデンサの形成方法の導電膜形成工程を示す図である。 本発明におけるコンデンサの形成方法の導電膜形成工程を示す図である。 微粒子を含んだ液体を用いた場合の吐出工程を示す図である。 微粒子を含んだ液体を用いた場合の加熱工程を示す図である。 本発明におけるコイルの形成方法の導電膜形成工程を示す図である。 本発明におけるコイルの形成方法の絶縁膜形成工程を示す図である。 本発明におけるコイルの形成方法の導電膜形成工程を示す図である。 本発明を利用して形成される有機トランジスタ素子の層構成例(トップゲート型)を示す図である。 本発明を利用して形成される有機トランジスタ素子の他の層構成例(ボトムゲート型)を示す図である。 本発明を利用して形成される有機トランジスタ素子(ボトムゲート型)のパターン形成順序を示す平面図である。 RFID方式のデバイスの原理を説明するための図である。 本発明を利用して形成されるRFID方式のデバイスの一例を示す図である。 本発明を利用して形成される有機EL発光素子の構成図である。 本発明の原理により、電極パターン間に液体のドットを組み合わせてパターン配線を形成する例を説明するための図である。 本発明の原理により、電極パターン間に液体のドットを組み合わせてパターン配線を形成する例を説明するための図である。 本発明の原理により、電極パターン間に液体のドットを組み合わせてパターン配線を形成する場合に、電極パターンも液体のドットを組み合わせて形成する例を説明するための図である。 本発明の原理により、電極パターン間に液体のドットを組み合わせてパターン配線を形成する場合に、電極パターンも液体のドットを組み合わせて形成する例を説明するための図である。 本発明の原理によって形成されるパターン配線のパターン形成の良好性評価(官能評価)を行うために使用した配線パターンの図である。 本発明の原理によって形成されるパターンの厚さと基材の厚さの関係を説明する図である。
符号の説明
1 配線パターン
2 端子
3 端子
4 ソース電極
5 ドレイン電極
6 ゲート絶縁層
7 ゲート電極
8 有機半導体層
9 素子保護層
10 基材
11 噴射ヘッドユニット(噴射ヘッド)
12 キャリッジ
13 基材保持台
14 基材
15 供給チューブ
16 信号供給ケーブル
17 噴射ヘッドコントロールボックス(液体タンク含む)
18 キャリッジ12のX方向スキャンモータ
19 キャリッジ12のY方向スキャンモータ
20 コンピュータ
21 コントロールボックス
22(22X1、22Y1、22X2、22Y2) 基材位置決め/保持手段
23 収容容器
31 ヘッドアライメント制御機構
32 検出光学系
33 噴射ヘッド
34 ヘッドアライメント微動機構
36 画像識別機構
37 XY方向走査機構
38 位置検出機構
39 位置補正制御機構
40 噴射ヘッド駆動・制御機構
41 光軸
42 素子電極
43 液滴
44 液滴着弾位置
45 流路
46 ピエゾ素子
47 液体
48 ノズル
65 ノズル
66 発熱体基材
67 蓋基材
68 シリコン基材
69 個別電極
70 共通電極
71 発熱体
74 溝
75 凹部領域
80 基材
81 基材面上のパターン層
82 基材内部に浸透した電気的機能発現材料層
83 基材厚さ
84 基材面上のパターン層厚さ
85 基材内部に浸透した電気的機能発現材料層厚さ
91 電極パターン部
92 配線パターン
93 電極パターン部
94 ドットパターン
300 液体
301 液体
302 液体
303 液体噴射ヘッド
304 液体噴射ヘッド
305 液体噴射ヘッド
310 パターン形成面
311 絶縁膜
312 導電膜
313 抵抗膜
315 コイル
316 抵抗器

Claims (10)

  1. 可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透する基材上に電気的機能発現材料を付与して、該電気的機能発現材料の揮発成分が揮発後の残留固形分により形成されるパターンの組み合わせによって電子デバイスを形成してなる電子デバイスチップにおいて、前記基材上ならびに基材の深さ方向に浸透した領域の前記パターンの厚さを、基材の厚さより薄くしたことを特徴とする電子デバイスチップ。
  2. 前記基材は紙であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスチップ。
  3. 前記残留固形分により形成されるパターンは、前記紙に浸透して裏面側に裏写りしない範囲のパターン厚さと紙の厚さの関係としたことを特徴とする請求項2に記載の電子デバイスチップ。
  4. 電子デバイス形成面に保護膜を設けるとともに、該保護膜は、前記電子デバイスチップの可撓性あるいは柔軟性を損なわない厚さとしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子デバイスチップ。
  5. 前記保護膜と同等の力学的性質となる材料ならびに厚さの保護膜を前記電子デバイスチップの裏面に設けたことを特徴とする請求項4に記載の電子デバイスチップ。
  6. 可撓性あるいは柔軟性を有するとともに液状物質を浸透する基材上の1対の電極間に電気的機能発現材料を付与して、該電気的機能発現材料の揮発成分が揮発後の残留固形分によって前記電極間を導通せしめるパターンを形成してなるパターン配線シートにおいて、前記基材上ならびに基材の深さ方向に浸透した領域の前記パターンの厚さを、基材の厚さより薄くしたことを特徴とするパターン配線シート。
  7. 前記基材は紙であることを特徴とする請求項6に記載のパターン配線シート。
  8. 前記残留固形分により形成されるパターンは、前記紙に浸透して裏面側に裏写りしない範囲のパターン厚さと紙の厚さの関係としたことを特徴とする請求項7に記載のパターン配線シート。
  9. パターン形成面に保護膜を設けるとともに、該保護膜は、前記パターン配線シートの可撓性あるいは柔軟性を損なわない厚さとしたことを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載のパターン配線シート。
  10. 前記保護膜と同等の力学的性質となる材料ならびに厚さの保護膜を前記パターン配線シートの裏面に設けたことを特徴とする請求項9に記載のパターン配線シート。
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