JP2005085474A - 機能性基体製造装置ならびに製造される機能性基体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 機能性材料を含有する溶液によるドットパターン形成を高精細かつ高精度に行い高品質な機能性基体を形成する機能性基体製造装置、及びこのような製造装置によって製作され、高精細かつ高精度なドットパターンを形成された高品質な機能性基体を提供する。
【解決手段】 情報入力手段により入力された溶液付与情報に基づいて基体14の所望の位置に機能性材料を含有する溶液を噴射する機能性基体製造装置であって、キャリッジ12には、噴射ヘッド11とレーザ光照射手段23とを搭載し、レーザ光照射手段23によって基体14上にレーザ光を照射してなる軌跡にならって前記溶液を付与するとともに、レーザ光照射手段23と噴射ヘッド11は、両者の間を離間する空隙26を設け、かつ空隙26を基体14と噴射ヘッド11の吐出口面の距離より大として前記保持手段に取り付ける。
【選択図】 図16

Description

本発明は、吐出装置を用いた機能性材料の膜形成、特に膜パターン形成製造装置およびそれによって形成された機能性基体に関する。
近年、微細な微粒子/超微粒子を用いた発光素子/媒体および光プロセシング素子/媒体等の各種素子が研究されている。このような微粒子の素子への応用のためには、固体基板上への微粒子含有材料の膜もしくは層の堆積によって得られる高密度集積が重要である。この微粒子が高密度に集積した薄膜は、具体的には発光素子(LED)(Alivisatos et al. )、光電変換素子(Greenham、 N. C.、 et al.、 Phys. Rev. B、 54、 17628 (1996) )、超高速ディテクター(Bhargava)、ナノ構造メモリ素子(Chen et al. )、ナノ粒子配列からなる多色デバイス(Dushkin et al.)等への応用が報告されている。
一方、配向性の優れた無機化合物薄膜の形成方法として、分子線エピタキシー法(MBE)、クラスターイオンビーム法、イオンビーム照射真空蒸着法、化学気相成長法(CVD)、物理気相成長法(PVD)、液相エピタキシー法(LPE)等が知られている。また有機化合物薄膜の形成方法として、ラングミュア・ブロジェット法(LB法)等が知られている。一般に量子ドットと呼ばれるものは、前記したMBE法などの真空装置を用いて高真空中で昇華させた原料物質が固体基板上で自己組織的にドットを形成する過程を利用して作製することができる。
しかしながら上記のような方法ではドット間の距離の制御やサイズ分布の制御は困難であり、所望の構造に制御するためには多大なコストがかかるという問題がある。そこでこのような問題を解決できる技術として、インクジェット原理、すなわち液体噴射ヘッドによって、微粒子含有材料の膜を形成することが提案されている。たとえば、ナノ粒子を含有するエマルションを固体基板上にインクジェットコーティングし、フォトルミネッセンス強度を励起光の照射時間もしくは照射量の関数として増加あるいは増加及び記憶させることができる機能を有する超微粒子(ナノ粒子)の集合体からなる薄膜を固体基板上に形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また近年、液晶ディスプレイに替わる自発光型ディスプレイとして有機物を用いた発光素子の開発が加速している。
このような素子形成も、機能材料のパターン化により行われ、一般的にはフォトリソグラフィー法により行われている。たとえば、有機物を用いた有機エレクトロルミネッセンス(以下有機ELと記す)素子としては、低分子を蒸着法で成膜する方法が報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。また有機EL素子において、カラー化の手段としては、マスク越しに異なる発光材料を所望の画素上に蒸着し形成する方法が行われている。しかしながら、このような真空成膜による方法、フォトリソグラフィー法による方法は、大面積にわたって素子を形成するには、工程数も多く、生産コストが高いといった欠点がある。
そこでこのような課題に対しても、このような有機EL素子に代表されるような機能性素子形成のための、機能性材料膜の形成およびパターン化にあたり、インクジェット液滴付与手段(例えば、特許文献2〜7参照。)によって、真空成膜法とフォトリソグラフィー・エッチング法等によらずに、安定的に歩留まり良くかつ低コストで機能性材料を所望の位置に付与することが実現できる。
たとえば機能性素子の一例として有機EL素子を考えた場合、このような有機EL素子を構成する正孔注入/輸送材料ならびに発光材料を溶媒に溶解または分散させた組成物を、インクジェットヘッドから吐出させて透明電極基板上にパターニング塗布し、正孔注入/輸送層ならびに発光材層をパターン形成すれば比較的容易に実現できる。
また同様の原理をこのような機能性素子の他に、回路基板製作に応用しようという研究もなされている。たとえば、従来から、回路基板の製造方法として、次のような方法が知られている。
(1)銅張り積層板上に、レジストを被覆し、フォトリソグフィ法により、回路パターンの露光、未露光レジストの溶解除去、レジスト除去部のエッチングにより銅線パターンを形成する方法。
(2)セラミックス基板上にスクリーン印刷により導電ペーストを所望の回路パターンに印刷し、非酸化雰囲気中で熱処理して導電ペースト中の金属微粒子を焼結して導電パターンを形成する方法。
(3)絶縁基板上に、導電金属の蒸着により薄膜の導電層を形成し、この導電層上に、レジストを被覆し、フォトリソグフィ法により、回路パターンの露光、未露光レジストの溶解除去、レジスト除去部のエッチングにより銅線パターンを形成する方法。
これらの方法はファインパターンの形成には不向きであるという問題があるため、たとえば、基体上に、インクジェットヘッドを用いて、金属ペーストにより直接回路パターンを描画するようにし、ファインパターンの形成が容易で、廃液処理の必要がなく、生産工程が単純で設備費や生産コストが少なくて済む配線パターンの形成方法および回路基板の製造方法が提案されている(例えば、特許文献8参照。)。
一方、本発明者も先に、インクジェット原理を利用して、電子源基板製造を行う発明を提案している(例えば、特許文献9参照。)。
さらに、同様な基板を製作する際の基板の表面改質処理に関する方法が提案されている(例えば、特許文献10参照。)。
特開2000−126681号公報 米国特許第3060429号明細書 米国特許第3298030号明細書 米国特許第3596275号明細書 米国特許第3416153号明細書 米国特許第3747120号明細書 米国特許第5729257号明細書 特開2002−134878号公報 特開2001−319567号公報 特開平11−204529号公報 Appl. Phys. Lett. 51(12)、21、1987年9月、p.913
しかしながら、インクジェット原理を利用したこのような提案が種々行われ始めているが、このような手段で各種デバイス、あるいはパターン基板/基体、構造物等を製作しようという考えはまだ新しく、やっと開発の途についたという状況である。
そのような課題の1つとして、このような溶液の基板/基体への付着特性がある。すなわち、溶液のドットパターンを基板/基体上の所望の場所に正しく付着/定着させることができるか否かが、より高精細なパターンを形成する際に特に重要な課題である。特許文献10には、各種処理手段の提案はあるものの、より具体的な方法についてはまだ未知の部分が多い。
本発明は上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、このような機能性材料を含有する溶液のドットパターンが形成される機能性基体を形成するための新規な構成の製造装置を提案することにある。
また第2の目的は、このような機能性基体を形成するための他の構成の製造装置を提案することにある。
さらに第3の目的は、このような機能性基体を形成するための他の構成の製造装置において、より効果的に動作できるような構成を提案することにある。
また第4の目的は、このような機能性基体を形成するための製造装置において、その機能を安定して発揮し、かつ高い信頼性で動作できるような構成を提案することにある。
さらに第5の目的は、このような機能性基体を形成するための製造装置において、その機能を安定して発揮し、かつ高い信頼性で動作できるような他の構成を提案することにある。
また第6の目的は、このような製造装置によって製作され、高精細かつ高精度なドットパターンを形成された高品質な機能性基体を提案することにある。
本発明は前記目的を達成するために第1に、基体上に機能性材料を含有する溶液を噴射付与し、該溶液中の揮発成分を揮発させ、固形分を前記基体上に残留させることによって機能性基体を製造する機能性基体製造装置において、前記基体に対して機能性材料を含有した溶液を噴射する噴射ヘッドと、該噴射ヘッドに溶液付与情報を入力する情報入力手段とを有し、前記噴射ヘッドは、保持手段に搭載されて前記基体に相対する位置に配されるとともに、前記基体と相対移動を行いつつ、前記情報入力手段により入力された前記溶液付与情報に基づいて前記基体の所望の位置に前記溶液を噴射する機能性基体製造装置であって、前記保持手段には、前記基体上にレーザ光を照射するレーザ光照射手段を搭載し、該レーザ光照射手段によって前記基体上に照射してなる軌跡にならって前記溶液を付与するとともに、前記レーザ光照射手段と噴射ヘッドは、両者の間を離間する空隙を設け、かつ該空隙を前記基体と噴射ヘッドの吐出口面の距離より大として前記保持手段に取り付けるようにした。
また第2に、基体上に機能性材料を含有する溶液を噴射付与し、該溶液中の揮発成分を揮発させ、固形分を前記基体上に残留させることによって機能性基体を製造する機能性基体製造装置において、前記基体に対して機能性材料を含有した溶液を噴射する噴射ヘッドと、該噴射ヘッドに溶液付与情報を入力する情報入力手段とを有し、前記噴射ヘッドは、保持手段に搭載されて前記基体に相対する位置に配されるとともに、前記基体と相対移動を行いつつ、前記情報入力手段により入力された前記溶液付与情報に基づいて前記基体の所望の位置に前記溶液を噴射する機能性基体製造装置であって、前記保持手段には、前記基体上にレーザ光を照射するレーザ光照射手段を搭載し、該レーザ光照射手段によって前記基体上に照射してなる軌跡にならって前記溶液を付与するとともに、前記レーザ光照射手段と噴射ヘッドは、両者の間を離間する離間部材を介し、かつ該離間部材による離間幅を、前記基体と噴射ヘッドの吐出口面の距離より大として前記保持手段に取り付けるようにした。
さらに第3に、上記第2の機能性基体製造装置において、前記離間部材は前記レーザ光照射手段と噴射ヘッドの間に空気層を介して設けるようにした。
また第4に、上記第2もしくは第3に記載の機能性基体製造装置において、前記離間部材は前記レーザ光照射手段のレーザ光出射面と噴射ヘッドの吐出口面に対して垂直方向に前記両面より突き出した構造とした。
さらに第5に、上記第1〜第4のいずれか1に記載の機能性基体製造装置において、前記レーザ光出射部は非使用時に被覆手段によってカバーされるようにした。
また第6に、上記第1〜第5のいずれか1に記載の機能性基体製造装置によって機能性基体を製造するようにした。
本発明の効果として、請求項1の発明によれば、基体上に機能性材料を含有する溶液を噴射付与し、該溶液中の揮発成分を揮発させ、固形分を前記基体上に残留させることによって機能性基体を製造する機能性基体製造装置において、前記基体に対して機能性材料を含有した溶液を噴射する噴射ヘッドと、該噴射ヘッドに溶液付与情報を入力する情報入力手段とを有し、前記噴射ヘッドは、保持手段に搭載されて前記基体に相対する位置に配されるとともに、前記基体と相対移動を行いつつ、前記情報入力手段により入力された前記溶液付与情報に基づいて前記基体の所望の位置に前記溶液を噴射する機能性基体製造装置であって、前記保持手段には、前記基体上にレーザ光を照射するレーザ光照射手段を搭載し、該レーザ光照射手段によって前記基体上に照射してなる軌跡にならって前記溶液を付与するとともに、前記レーザ光照射手段と噴射ヘッドは、両者の間を離間する空隙を設けて前記保持手段に取り付けるようにしたので、前記レーザ光照射手段と噴射ヘッドは相互に影響を及ぼさず、安定して動作でき、高精度なドットパターンを形成された高品質な機能性基体を得ることができるようになった。
また、空隙を前記基体と噴射ヘッドの吐出口面の距離より大として前記保持手段に取り付けるようにしたので、基体にレーザ光照射による前処理をした際に生ずる揮発物等が噴射ヘッドの吐出口部に悪影響を及ぼしたり、あるいは溶液を噴射した際に発生する浮遊ミストや基体からの跳ね返りミストがレーザ光出射部に悪影響を及ぼしたりするということを回避でき、それらの機能を安定して発揮し、かつ高い信頼性で動作できるようになり、高精度なドットパターンを形成された高品質な機能性基体を得ることができるようになった。
請求項2の発明によれば、基体上に機能性材料を含有する溶液を噴射付与し、該溶液中の揮発成分を揮発させ、固形分を前記基体上に残留させることによって機能性基体を製造する機能性基体製造装置において、前記基体に対して機能性材料を含有した溶液を噴射する噴射ヘッドと、該噴射ヘッドに溶液付与情報を入力する情報入力手段とを有し、前記噴射ヘッドは、保持手段に搭載されて前記基体に相対する位置に配されるとともに、前記基体と相対移動を行いつつ、前記情報入力手段により入力された前記溶液付与情報に基づいて前記基体の所望の位置に前記溶液を噴射する機能性基体製造装置であって、前記保持手段には、前記基体上にレーザ光を照射するレーザ光照射手段を搭載し、該レーザ光照射手段によって前記基体上に照射してなる軌跡にならって前記溶液を付与するとともに、前記レーザ光照射手段と噴射ヘッドは、両者の間を離間する離間部材を介して前記保持手段に取り付けるようにしたので、前記レーザ光照射手段と噴射ヘッドとは完全に相互に影響を及ぼさないようにすることができ、より安定して動作でき、高精度なドットパターンを形成された高品質な機能性基体を得ることができるようになった。
また、離間部材による離間幅を、前記基体と噴射ヘッドの吐出口面の距離より大として前記保持手段に取り付けるようにしたので、基体にレーザ光照射による前処理をした際に生ずる揮発物等が噴射ヘッドの吐出口部に悪影響を及ぼしたり、あるいは溶液を噴射した際に発生する浮遊ミストや基体からの跳ね返りミストがレーザ光出射部に悪影響を及ぼしたりするということを回避でき、それらの機能を安定して発揮し、かつ高い信頼性で動作できるようになり、高精度なドットパターンを形成された高品質な機能性基体を得ることができるようになった。
請求項3の発明によれば、このような機能性基体製造装置において、前記離間部材は前記レーザ光照射手段と噴射ヘッドの間に空気層を介して設けるようにしたので、空気層の存在により、断熱効果が表れ、前記レーザ光照射手段と噴射ヘッドとは、さらにより完全に相互に影響を及ぼさないようにすることができ、さらに安定した動作が実現でき、高精度なドットパターンを形成された高品質な機能性基体を得ることができるようになった。
請求項4の発明によれば、このような機能性基体製造装置において、前記離間部材は前記レーザ光照射手段のレーザ光出射面と噴射ヘッドの吐出口面に対して垂直方向に前記両面より突き出した構造としたので、前記レーザ光照射手段と噴射ヘッドとは、より完全に相互に影響を及ぼさないようにすることができ、さらに安定した動作が実現でき、高精度なドットパターンを形成された高品質な機能性基体を得ることができるようになった。
請求項5の発明によれば、このような機能性基体製造装置において、前記レーザ光出射部は非使用時に被覆手段によってカバーされるようにしたので、レーザ光出射部を不慮の事故による破損から守ったり、あるいはレーザ光出射部への汚染による、光学的性能の低下を招いたりするということを回避でき、実際の使用時にはその機能を安定かつ高い信頼性で発揮でき、高精度なドットパターンを形成された高品質な機能性基体を得ることができるようになった。
請求項6の発明によれば、このような製造装置によって製作される機能性基体であるので、簡単に高精細かつ高精度なドットパターンを形成された高品質な機能性基体を得ることができるようになった。
以下に、本発明に係る機能性基体製造装置及び機能性基体の実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施の形態は例示であり、これに限定されるものではない。
図1は、ガラス基板、プラスチック基板、Si等の半導体基板、ガラス・エポキシ基板、フレキシブル基板等に本発明の手法によってパターンを形成する例を示している。なおここでは基板の例で説明を行うが、本発明はシート状の基板のみに適用されるのではなく、ブロック状の基体にも適用される。これは、後述のようにインクジェット噴射原理によって溶液を非接触の状態で付着させることによってなせる業であり、被付着物(基板/基体)が、平板上ではない立体構造のものであっても機能性材料含有溶液を付着させて、機能性基体(構造物)を形成できるのである。
図1(a)は、基板上に端子が形成されている状態を示し、図の点線部は後述のような配線パターンが生成される領域である。図1(b)は、機能性材料を含有する溶液を、液滴噴射原理によって、噴射、描画して、配線パターンを形成した例である。
ここで、機能性材料を含有した溶液を付与する手段として本発明では、インクジェットの技術が適用される。以下にその具体的方法を説明する。
図2は、本発明のパターン配線基板、あるいは機能デバイスを形成する製造装置の一実施例を説明するための図で、図中、11は吐出ヘッドユニット(噴射ヘッド)、12は噴射ヘッド保持手段であるキャリッジ、13は基板保持台、14は配線基板、あるいは機能デバイスを形成する基板(基体)、15は機能性材料を含有する溶液の供給チューブ、16は信号供給ケーブル、17は噴射ヘッド/レーザ照射ヘッドコントロールボックス(溶液タンク含む)、18はキャリッジ12のX方向スキャンモータ、19はキャリッジ12のY方向スキャンモータ、20はコンピュータ、21はコントロールボックス、22(22X1、22Y1、22X2、22Y2)は基板位置決め/保持手段である。この場合は、基板保持台13に置かれた基板14の前面を噴射ヘッド11がキャリッジ走査により移動し、機能性材料を含有する溶液を噴射付与する例である。なお、本発明においては、基板14上に機能性材料を含有する溶液を噴射付与する前に、レーザ光照射による前処理を行うが、それについては後述する(図11等)。
図3は本発明のパターン配線基板の製造、あるいは機能デバイス形成に適用される液滴付与装置の構成を示す概略図で、図4は図3の液滴付与装置の吐出ヘッドユニットの要部概略構成図である。
図3の構成は図2の構成と異なり、基板(基体)14側を移動させて配線パターン、あるいは機能デバイスを基板に形成するものである。図3及び図4において、31はヘッドアライメント制御機構、32は検出光学系、33は噴射ヘッド、34はヘッドアライメント微動機構、36は画像識別機構、37はXY方向走査機構、38は位置検出機構、39は位置補正制御機構、40は噴射ヘッド駆動・制御機構、41は光軸、42は素子電極、43は液滴、44は液滴着弾位置である。
吐出ヘッドユニット11の液滴付与装置(噴射ヘッド33)としては、機能性材料を含有した溶液を吐出できるものであればいかなる機構でも良く、特に0.1pl〜数100pl程度の溶液を噴射できるインクジェット原理の機構が望ましい。
インクジェット方式としては、たとえば米国特許第3683212号明細書に開示されている方式(Zoltan方式)、米国特許第3747120号明細書に開示されている方式(Stemme方式)、米国特許第3946398号明細書に開示されている方式(Kyser方式)のようにピエゾ振動素子に、電気的信号を印加し、この電気的信号をピエゾ振動素子の機械的振動に変え、該機械的振動に従って微細なノズルから液滴を吐出飛翔させるものがあり、通常、総称してドロップオンデマンド方式と呼ばれている。
他の方式として、米国特許第3596275号明細書、米国特許第3298030号明細書等に開示されている方式(Sweet方式)がある。これは連続振動発生法によって帯電量の制御された記録液体の小滴を発生させ、この発生された帯電量の制御された小滴を、一様の電界が掛けられている偏向電極間を飛翔させることで、記録部材上に記録を行うものであり、通常、連続流方式、あるいは荷電制御方式と呼ばれている。
さらに他の方式として、特公昭56−9429号公報に開示されている方式がある。これは液体中で気泡を発生せしめ、その気泡の作用力により微細なノズルから液滴を吐出飛翔させるものであり、サーマルインクジェット方式、あるいはバブルジェット(登録商標)方式と呼ばれている。
このように液滴を噴射する方式は、ドロップオンデマンド方式、連続流方式、サーマルインクジェット方式等あるが、必要に応じて適宜その方式を選べばよい。
本発明ではこのようなパターン配線基板、あるいは機能デバイス(機能素子)を形成した機能性基板/基体を製造する製造装置(図2)において、基板14はこの装置の基板位置決め/保持手段22によってその保持位置を調整して決められる。図2では簡略化しているが、基板位置決め/保持手段22は基板14の各辺に当接されるとともに、X方向およびそれに直交するY方向にサブミクロンオーダーで微調整できるようになっているとともに、噴射ヘッドコントロールボックス17、コンピュータ20、コントロールボックス21等と接続され、その位置決め情報および微調整変位情報等と、液滴付与の位置情報、タイミング等は、たえずフィードバックできるようになっている。
さらに本発明のパターン配線基板/基体、あるいは機能デバイスを形成した機能性基板/基体を製造する製造装置では、X、Y方向の位置調整機構の他に図示しない(基板14の下に位置するために見えない)、回転位置調整機構を有している。これに関連して先に本発明のパターン配線基板/基体、あるいは機能デバイス形成基板/基体の形状および形成される機能デバイス群の配列等に関して説明する。
本発明のパターン配線基板/基体、あるいは機能デバイス形成基板/基体は、その目的、用途に応じて、ガラス基板、セラミックス基板、PETを始めとする各種プラスチック基板、Si等の半導体基板、ガラス・エポキシ基板、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム等の高分子フィルムよりなるフレキシブル基板等が好適に用いられる。たとえば各種プラスチック基板や高分子フィルムは軽量化が要求されるパターン配線基板/基体、あるいは機能デバイスに効果的である。
本発明のパターン配線基板/基体、あるいは機能デバイス形成基板/基体に使用する各種プラスチック基板や高分子フィルムの形状は、このような基板を経済的に生産、供給する、あるいは最終的に製作される機能デバイス形成基板の用途から、矩形である。つまり、その矩形形状を構成する縦2辺、横2辺はそれぞれ、縦2辺が互いに平行、横2辺が互いに平行であり、かつ縦横の辺は直角をなすような基板である。
このような基板に対して本発明では、形成される機能デバイス群をマトリックス状に配列し、このマトリックスの互いに直交する2方向が、この基板の縦方向の辺あるいは横方向の辺の方向と平行であるように機能デバイス群を配列する。このように機能デバイス群をマトリックス状に配列する理由および、基板の縦横の辺をそのマトリックスの直交する2方向と平行になるようにする理由を以下に述べる。
図2あるいは図3に示したように、本発明では、最初に基板14と吐出ヘッドユニット11の溶液噴射口面の位置関係が決められた後は、特に位置制御を行うことはない。つまり、吐出ヘッドユニット11は基板14に対して一定の距離を保ちながら機能デバイス群の形成面に対して平行にX、Y方向の相対移動を行いつつ、上記溶液の噴射を行う。つまりこのX方向及びY方向は互いに直交する2方向であり、基板の位置決めを行う際に、基板の縦辺あるいは横辺をそのY方向あるいはX方向と平行になるようにしておけば、形成される機能デバイス群もそのマトリックス状配列の2方向がそれぞれ平行であるため、相対移動を行いつつ噴射する機構のみで高精度のデバイス群形成を行うことができる。言い換えるならば、本発明のような基板形状、機能デバイス群のマトリックス状配列、直交するX、Yの2方向の相対移動装置にすれば、デバイス形成の液滴噴射を行う前の基板の位置決めを正確に行えば、高精度な機能デバイス群のマトリックス状配列が得られるということである。
ここで、先ほどの回転位置調整機構に戻って説明する。前述のように本発明では、デバイス形成の液滴噴射を行う前の基板の位置決めを正確に行い、XおよびY方向の相対移動のみを行い、他の制御を行わず、高精度な機能デバイス群のマトリックス状配列を得ようというものである。その際問題となるのは、最初に基板の位置決めを行う際の回転方向(X、Yの2方向で決定される平面に対して垂直方向の軸に対する回転方向)のズレである。
この回転方向のズレを補正するために本発明では、前述のように図示しない(基板14の下に位置して見えない)、回転位置調整機構を有している。これにより回転方向のズレも補正し、基板の辺を位置決めすると、本発明の装置では、XおよびY方向のみの相対移動で、高精度な機能デバイス群のマトリックス状配列が得られる。
以上はこの回転位置調整機構を、図2の基板位置決め/保持手段で22(22X1、22Y1、22X2、22Y2)とは別物の機構として説明した(基板14の下に位置して見えない)が、基板位置決め/保持手段22に回転位置調整機構を持たせることも可能である。例えば、基板位置決め/保持手段22は、基板14の辺に当接され、基板位置決め/保持手段22全体が、X方向あるいはY方向に位置を調整できるようになっているが、基板位置決め/保持手段22の基板14の辺に当接される部分において、距離をおいて設けられた2本のネジが独立に動くようにしておけば、角度調整が可能である。なお、この回転位置制御情報も上記のX、Y方向の位置決め情報および微調整変位情報等と同様に噴射ヘッドコントロールボックス17、コンピュータ20、コントロールボックス21等と接続され、液滴付与の位置情報、タイミング等が、たえずフィードバックできるようになっている。
以上の説明は、本発明に好適に使用される基板が、基本的に矩形形状であるということを前提としたものであるが、例外としてSi等の半導体基板は丸いウエハとして供給されるので、その場合は、結晶方位軸の方向を示すオリフラ(オリエンテーションフラット)と呼ばれる直線状の1辺を上記基板位置決め/保持手段22に当接させればよい。
次に、本発明の位置決めの他の手段、構成について説明する。上記の説明は基板位置決め/保持手段22は、基板14の辺に当接され、基板位置決め/保持手段22全体が、X方向あるいはY方向に位置を調整できるようにしたものであるが、ここでは、基板14の辺ではなく、基板上に互いに直交する2方向に帯状パターンを設けるようにした例について説明する。前述のように本発明では基板上に機能デバイス群をマトリックス状に配列して形成されるが、ここでは、前記のような互いに直交する2方向の帯状パターンをこのマトリックスの互いに直交する2方向と平行になるように形成しておく。このようなパターンは、基板上にフォトファブリケーション技術によって容易に形成できる。
本発明は、マトリックス状に配列された多数の機能デバイス群を形成する場合の他に、図1に示したような配線パターンを形成する場合にも適用されるが、このような配線パターンも、この例のように直交する2方向に形成し、それが、それぞれ基板の縦、横方向(X方向、Y方向)に平行になるように形成する。この配線パターンは、本発明の基板の本来の機能を阻害しない位置に、このような位置決めの目的のためのパターンとして形成してもよいし、また、素子電極42(図4)や、各デバイスのX方向配線やY方向配線等の配線パターンを本発明の互いに直交する2方向の帯状パターンとみなしてもよい。このような帯状パターンを設けておけば、図4で後述するような、CCDカメラとレンズとを用いた検出光学系32によってパターン検出ができ、位置調整にフィードバックできる。
次に、上記X、Y方向に対して垂直方向であるZ方向であるが、本発明では、最初に基板14と吐出ヘッドユニット11の溶液噴射口面の位置関係が決められた後は、特に位置制御を行うことはない。つまり、吐出ヘッドユニット11は基板14に対して一定の距離を保ちながらX、Y方向の相対移動を行いつつ、機能性材料を含有する溶液の噴射を行うが、その噴射時には、吐出ヘッドユニット11のZ方向の位置制御は特に行わない。その理由は、噴射時にその制御を行うと、機構、制御システム等が複雑になるだけではなく、基板14への液滴付与による機能デバイスの形成が遅くなり、生産性が著しく低下するからである。
かわりに本発明では基板14の平面度やその基板14を保持する部分の装置の平面度、さらに吐出ヘッドユニット11をX、Y方向に相対移動を行わせるキャリッジ機構等の精度を高めるようにすることで、噴射時のZ方向制御を行わず、吐出ヘッドユニット11と基板14のX、Y方向の相対移動を高速で行い、生産性を高めている。一例をあげると、本発明の溶液付与時(噴射時)における基板14と吐出ヘッドユニット11の溶液噴射口面の距離の変動は2mm以下におさえられている(基板14のサイズが100mm×100mm以上、4000mm×4000mm以下の場合で)。
なお、通常X、Y方向の2方向で決まる平面は水平(鉛直方向に対して垂直な面)に維持されるように装置構成されるが、基板14が小さい場合(例えば500mm×500mm以下の場合)には必ずしもX、Y方向の2方向で決まる平面を水平にする必要はなく、その装置にとってもっとも効率的な基板14の配置の位置関係になるようにすればよい。
次に、図4により吐出ヘッドユニット11の構成を説明する。図4において、32は基板14上の画像情報を取り込む検出光学系であり、液滴43を吐出させる噴射ヘッド33に近接し、検出光学系32の光軸41および焦点位置と、噴射ヘッド33による液滴43の着弾位置44とが一致するよう配置されている。
この場合、図3に示す検出光学系32と噴射ヘッド33との位置関係はヘッドアライメント微動機構34とヘッドアライメント制御機構31により精密に調整できるようになっている。また、検出光学系32には、CCDカメラとレンズとを用いている。
図3において、36は先の検出光学系32で取り込まれた画像情報を識別する画像識別機構であり、画像のコントラストを2値化し、2値化した特定コントラスト部分の重心位置を算出する機能を有したものである。具体的には(株)キーエンス製の高精度画像認識装置、VX−4210を用いることができる。これによって得られた画像情報に機能性素子基板14上における位置情報を与える手段が位置検出機構38である。これには、XY方向走査機構37に設けられたリニアエンコーダ等の測長器を利用することができる。また、これらの画像情報と機能性素子基板14上での位置情報をもとに、位置補正を行うのが位置補正制御機構39であり、この機構によりXY方向走査機構37の動きに補正が加えられる。また、噴射ヘッド制御・駆動機構40によって噴射ヘッド33が駆動され、液滴が機能性素子基板14上に付与される。これまで述べた各制御機構は、制御用コンピュータ35により集中制御される。
ところで、図4で液滴が基板面に斜めに噴射する図を示したが、これは検出光学系32と、噴射ヘッド33を併せて図示するためにこのように液滴が斜めに飛翔している図としたが、実際には基板に対してほぼ垂直に当たるように噴射付与するようにする。
なお、以上の説明は、吐出ヘッドユニット11は固定で、機能性素子基板14がXY方向走査機構37により任意の位置に移動することで吐出ヘッドユニット11と機能性素子基板14との相対移動を実現しているが、図2のように、機能性素子基板14を固定とし、吐出ヘッドユニット11がXY方向に走査するような構成としてもよいことはいうまでもない。特に200mm×200mm程度の中型基板〜2000mm×2000mmあるいはそれ以上の大型基板の製作に適用する場合には、後者のように機能性素子基板14を固定とし、吐出ヘッドユニット11が直交するX、Yの2方向に走査するようにし、溶液の液滴の付与をこのような直交する2方向に順次行うようにする構成としたほうがよい。
また、基板サイズが200mm×200mm程度以下の場合には、液滴付与のための吐出ヘッドユニットを200mmの範囲をカバーできるラージアレイマルチノズルタイプとし、吐出ヘッドユニットと基板の相対移動を直交する2方向(X方向、Y方向)に行うことなく、1方向のみ(例えばX方向のみ)に相対移動させて行うことも可能であり、量産性も高くすることができるが、基板サイズが200mm×200mm以上の場合には、そのような200mmの範囲をカバーできるラージアレイマルチノズルタイプの吐出ヘッドユニットを製作することは技術的/コスト的に実現困難であり、本発明のように吐出ヘッドユニット11が直交するX、Yの2方向に走査するようにし、溶液の液滴の付与をこのような直交する2方向に順次行うようにする構成としたほうがよい。
特に最終的な基板としては、200mm×200mmより小さいものを製作する場合であっても、大きな基板から複数個取りして製作するような場合には、その元の基板は、400mm×400mm〜2000mm×2000mmあるいはそれ以上のものを使用することになるので、吐出ヘッドユニット11が直交するX、Yの2方向に走査するようにし、溶液の液滴の付与をこのような直交する2方向に順次行うようにする構成としたほうがよい。
液滴43の材料は機能性材料を含有した溶液であり、例えば、微細な導電性微粒子を含有した溶液が使用される。具体的には、Au,Pt,Ag,Cu,Ni,Cr,Rh,Pd,Zn,Co,Mo,Ru,W,Os,Ir,Fe,Mn,Ge,Sn,Ga,In等の金属微粒子を含有した溶液が好適に使用される。
特に、Au,Ag,Cuのような金属微粒子を用いると、電気抵抗が低く、かつ腐食に強い微細回路パターンを形成することができる。なお、このような回路パターンの他に、例えば、Ptやニクロム材料の微粒子を含有した溶液を使用することによって、抵抗素子を作製したり、Pd,Pt,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金属、PdO,SnO2,In23,PbO,Sb23等の酸化物、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6,YB4,GdB4等の硼化物、TiC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC等の炭化物、TiN,ZrN,HfN等の窒化物、Si,Ge等の半導体、カーボン等の微粒子含有した溶液を使用することによって、電子放出素子を作製したりすることができる。
本発明において、このような微細な導電性微粒子を含有した溶液は、水性系溶液と油性系溶液がある。
このような微細な導電性微粒子を、水を主体とする分散媒に分散せしめてなる水性系溶液は、例えば、次のような方法で調整することができる。
すなわち、塩化金酸や硝酸銀のような金属イオンソース水溶液に水溶性の重合体を溶解させ、撹拌しながらジメチルアミノエタノールのようなアルカノールアミンを添加する。数10秒〜数分で金属イオンが還元され、平均粒径0.5μm(500nm)以下の金属微粒子が析出する。塩素イオンや硝酸イオンを限外ろ過などの方法で除去した後、濃縮・乾燥することにより濃厚な導電性微粒子含有溶液が得られる。この導電性微粒子含有溶液は、水やアルコール系溶媒、テトラエトキシシランやトリエトキシシランのようなゾルゲルプロセス用バインダーに安定に溶解・混合することが可能である。
微細な導電性微粒子を油を主体とする分散媒に分散せしめてなる油性系溶液は、例えば、次のような方法で調整することができる。
すなわち、油溶解性のポリマーをアセトンのような水混和性有機溶媒に溶解させ、この溶液を金属イオンソース水溶液と混合する。混合物は不均一系であるが、これを撹拌しながらアルカノールアミンを添加すると金属微粒子は重合体中に分散した形で油相側に析出してくる。これを濃縮・乾燥させると水性系と同様の濃厚な導電性微粒子含有溶液が得られる。この導電性微粒子含有溶液は、芳香族系、ケトン系、エステル系などの溶媒やポリエステル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等に安定に溶解・混合することが可能である。
導電性微粒子含有溶液の分散媒中における導電性微粒子の濃度は、最大80重量%とすることが可能であるが、用途に応じて適宜稀釈して使用する。
通常、導電性微粒子含有溶液における導電性微粒子の含有量は2〜50重量%、界面活性剤および樹脂の含有量は0.3〜30重量%、粘度は3〜30センチポイズが適当である。
液滴43の材料として他には、たとえば、CuCl等のI−VII 族化合物半導体、CdS、CdSe等のII−VI族化合物半導体、InAs等のIII −V族化合物半導体、及びIV族半導体のような半導体結晶、TiO、SiO、SiO等の金属酸化物、蛍光体、フラーレン、デンドリマー等の無機化合物、フタロシアニン、アゾ化合物等の有機化合物からなるもの、またはそれらの複合材料等のナノ粒子を含有した溶液があげられる。
本発明において対象となるナノ粒子としては、通常、粒径が0.0005〜0.2μm(0.5〜200nm)、好ましくは0.0005〜0.05μm(0.5〜50nm)の微粒子があげられるが、より厳密には、溶液製造上の微粒子分散安定性や、噴射時の目詰まり発生、さらにはパターン形成される基板の表面粗さなどを考慮して決められる。
なお、本発明の目的を損なわない範囲で、これらナノ粒子の表面を化学的あるいは物理的に修飾しても良く、また界面活性剤や分散安定剤や酸化防止剤などの添加剤を加えても良い。このようなナノ粒子はコロイド化学的な手法、例えば逆ミセル法(Lianos、 P.et al.、 Chem. Phys. Lett.、 125、 299 (1986))やホットソープ法(Peng、 X. et al.、 J. Am. Chem. Soc.、 119、 7019 (1997))によって合成することができる。
本発明に好適に使用できるナノ粒子含有溶液は、上記ナノ粒子を連続相が水相であり分散相が油相であるエマルション(O/Wエマルション)に分散させた分散液である。
上記水相は水を主体とするが、水に水溶性有機溶剤を添加して用いてもよい。水溶性有機溶剤としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(#200、#400)、グリセリン、前記グリコール類のアルキルエーテル類、N−メチルピロリドン、1、3−ジメチルイミダゾリノン、チオジグリコール、2−ピロリドン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。水性分散媒体中の水溶性有機溶剤の使用量は、通常30重量%以下が好ましく、さらには20重量%とするのがより好ましい。
分散液中のナノ粒子の含有量は、所望の膜(層)構造または粒子配列構造及び膜(層)厚により異なるが分散液の全重量に対し、通常0.01〜15重量%の範囲で用いられるが、0.05〜10重量%の範囲とするのがより好ましい。ナノ粒子の含有量が少な過ぎるとデバイス機能を充分に発現することが出来なくなる可能性があり、逆に多過ぎるとインクジェット原理で液滴を噴射する際の吐出安定性が損なわれる。
また本発明に好適に使用され、インクジェット原理で噴射されるナノ粒子含有溶液は、分散液中に、界面活性剤、及びナノ粒子の分散用溶媒を共存させるのが好ましい。界面活性剤としては、例えばアニオン系界面活性剤(ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、ノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなど)があげられ、これらを単独または二種以上混合して用いることができる。
界面活性剤の量は溶液の全重量に対し、通常、0.1〜30重量%の範囲で用いられるが、5〜20重量%の範囲とするのがより好ましい。界面活性剤がこの範囲よりも少な過ぎると水性分散体中で油水分離が生じ、液滴噴射付与による均一なパターンのコーティングができない場合がある。逆にこの範囲より多過ぎると水性分散媒体の粘度が高くなりすぎる傾向がある。
ナノ粒子の分散用溶媒としては、通常トルエン、ヘキサン、ピリジン、クロロホルムなどの液体であり、揮発性であることが望ましい。分散用溶媒の量は通常、0.1〜20重量%程度の範囲で用いられるが、1〜10重量%の範囲がより好ましい。分散用溶媒がこの範囲よりも少な過ぎると水性媒体中に含有させることのできる超微粒子の量が少なくなる。逆にこの範囲より多過ぎると水性分散媒体中で油水分離が生じる場合がある。
さらに、分散液中に有機化合物を溶解させておくこともできる。このような有機化合物としては、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)、チオフェノール、フォトクロミック化合物(スピロピラン、フルギド等)、電荷移動型錯体、電子受容性化合物等があげられ、常温で固体であるものが好ましい。この場合、分散液中の前記有機化合物の量は、ナノ粒子の重量に対し、1/10000以上、好ましくは1/1000〜10倍程度である。
なお、本発明の目的を損なわない範囲で、懸濁液に界面活性剤や分散安定剤や酸化防止剤などの添加剤、またはポリマー、塗布・乾燥過程でゲル化する材料などのバインダーを加えても良い。
このようなナノ粒子含有溶液をインクジェット原理によって基板上に液滴付与し、乾燥させてパターン配線形成、あるいは機能デバイス形成を行う。本発明においては、たとえば、先ず大気圧中において、−20〜200℃、好ましくは0〜100℃程度で1時間以上、好ましくは3時間以上風乾し、その後必要に応じて減圧乾燥を行っても良い。この際の減圧度は1×10Pa以下であればよいが、好ましくは1×10Pa以下程度であり、温度は通常−20〜200℃、好ましくは0〜100℃である。また、減圧時間は1〜24時間程度である。
上記の方法により得られるナノ粒子薄膜の厚さは特に限定されるものではないが、通常、ナノ粒子の直径〜1mm、好ましくはナノ粒子の直径〜100μm程度である。また、ナノ粒子薄膜内において、ナノ粒子はある程度以上の密度で存在するのが好ましい。その意味からナノ粒子の集合体における個々のナノ粒子間の平均粒子間距離は、通常粒子直径の10倍以内の範囲であり、さらには粒子直径の2倍以内の範囲であることが好ましい。この平均粒子間距離が大き過ぎるとナノ粒子は集団的機能を示さなくなる。
他の機能性材料を含有した溶液としては、有機EL材料を溶解した溶液が好適に使用される。例えば赤、緑、青に発色する有機EL材料を溶解した溶液として、以下のような組成のものがある。
溶媒:ドデシルベンゼン/ジクロロベンゼン(1/1、体積比)
赤色発色の場合の組成物:ポリフルオレン /ペリレン染料(98/2、重量比)
緑色発色の場合の組成物:ポリフルオレン/クマリン染料(98.5/1.5、重量比)
青色発色の場合の組成物:ポリフルオレン
さらに他の機能性材料としては、先に述べた有機EL材料の他に、例えばポリフェニレンビニレン系(ポリパラフェニリレンビニレン系誘導体)、ポリフェニレン系誘導体、その他、ベンゼン誘導体に可溶な低分子系有機EL材料、高分子系有機EL材料、ポリビニルカルバゾール等の材料を用いることができる。有機EL材料の具体例としては、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。また、有機EL表示における周辺材料である電子輸送性、ホール輸送性材料も本発明の機能性素子を製作する機能材料として使用される。
他の本発明の機能性素子を製作する機能材料としては、この他に半導体等に多用される層間絶縁膜のシリコンガラスの前駆物質であるか、シリカガラス形成材料を挙げることができる。かかる前駆物質として、ポリシラザン(例えば東燃製)、有機SOG材料等が挙げられる。また有機金属化合物を用いても良い。
さらに他の例として、カラーフィルター用材料が挙げられる。具体的には、スミカレッドB(商品名、住友化学製染料)、カヤロンフアストイエローGL(商品名、日本化薬製染料)、ダイアセリンフアストブリリアンブルーB(商品名、三菱化成製染料)等の昇華染料等を用いることができる。
本発明の溶液組成物において、ベンゼン誘導体の沸点が150℃以上であることが好ましい。このような溶媒の具体例としては、O−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、1、2、3−トリクロロベンゼン、O−クロロトルエン、p−クロロトルエン、1−クロロナフタレン、ブロモベンゼン、O−ジブロモベンゼン、1−ジブロモナフタレン等が挙げられる。これらの溶媒を用いることにより、溶媒の揮散が防げるので好適である。これらの溶媒は芳香族化合物に対する溶解度が大きく好適である。また、本発明の溶液組成物ドデシルベンゼンを含むことが好ましい。ドデシルベンゼンとしてはn−ドデシルベンゼン単一でも良く、また異性体の混合物を用いることもできる。
この溶媒は沸点300℃以上、粘度6cp以上(20℃)の特性を有し、この溶媒単一でももちろん良いが、他の溶媒に加えることにより、溶媒の揮散を効果的に防げ、好適である。また上記溶媒のうちドデシルベンゼン以外は粘度が比較的小さいため、この溶媒を加えることにより粘度も調整できるため非常に好適である。本発明によれば、上述したような溶液組成物を吐出装置により基板上に吐出により供給した後、基板を吐出時温度より高温で処理して膜化する機能膜形成法が提供される。吐出温度は室温であり、吐出後基板を加熱することが好ましい。このような処理をすることにより、吐出時溶媒の揮散、温度の低下により析出した内容物が再溶解され、均一、均質な機能膜を得ることができる。上述の機能膜の作製法において、吐出組成物を吐出装置により基板上に供給後、基板を吐出時温度より高温に処理する際に、加圧しながら加熱することが好ましい。このように処理することにより、加熱時の溶媒の揮散を遅らすことができ、内容物の再溶解が更に促進される。その結果均一、均質な機能膜を得ることができる。また、上述の機能膜の作製法において、前記基板を高温処理後直ちに減圧にし、溶媒を除去することが好ましい。このように処理することにより、溶媒の濃縮時の内容物の相分離を防ぐことができる。
なお、機能性素子として有機トランジスタなども本発明の手法を利用して好適に製作される。さらに、噴射溶液としてレジスト材料などを用いることによって、レジストパターンやレジスト材料による3次元構造体を形成する場合にも適用され、本発明でいうところの機能性素子とは、このようなレジスト材料のような樹脂材料によって形成される膜パターンあるいは3次元構造体も含むものである。
いずれの材料においても、本発明は溶液中の揮発成分を揮発させ、固形分を基板上に残留させることによってパターン配線形成、あるいは機能デバイス形成等を行うものである。この固形物がそれぞれのパターンあるいはデバイスの機能を発生させるものであり、溶媒(揮発成分)はインクジェット原理で液滴を噴射付与するための手段(vehicle)である。
次に本発明に好適に適用される液体噴射ヘッドについて、図5、図6を用いて説明する。この例は7ノズルの例である。
この液体噴射ヘッドは、溶液56が導入される流路45内にエネルギー作用部としてピエゾ素子46を設けたものである。ピエゾ素子46にパルス状の信号電圧を印加して図5(a)に示すようにピエゾ素子46を歪ませると、流路45の容積が減少すると共に圧力波が発生し、その圧力波によってノズル1から液滴43が吐出する。図5(b)はピエゾ素子46の歪がなくなって流路45の容積が増大した状態である。
ここでノズル1直前の流路45に導入される溶液56は、フィルター57を通過してきたものである。本発明ではこのように、フィルター57を噴射ヘッド内に設け、ノズル1の最近傍にフィルター除去機能を持たせている。こうすることにより、本発明の溶液中の導電性微粒子あるいはナノ粒子とは別のそれらよりもっと大きな異物粒子をトラップし、基板上に形成されるパターンあるいはデバイスの性能低下を起こさないようにしている。このようなフィルター57は小型の簡易フィルターとすることによって、図6に示したように噴射ヘッド11内に組み込むことが可能となっている。そして噴射ヘッド11そのものもコンパクト化を実現できている。
このようなフィルター57は、たとえばステンレスメッシュフィルターが好適に用いられ、その孔径(フィルターメッシュサイズ)は、0.8μm〜2μmとされる。
次に本発明に好適に適用される液体噴射ヘッドの他の例について、図7を用いて説明する。この例はサーマル方式(バブル方式)の液体噴射ヘッドの例であり、液滴噴射の原動力は、溶液中で瞬時に発生する膜沸騰気泡の成長作用力である。
ここで示した液体噴射ヘッドは、溶液が流れる流路短部から液滴が噴射するタイプのものであり、エッジシューター型と呼ばれるものである。
ここでは、液体噴射ヘッドのノズル数を4個とした例を示している。この液体噴射ヘッドは、発熱体基板66と蓋基板67とを接合させることにより形成されており、発熱体基板66は、シリコン基板68上にウエハプロセスによって個別電極69と共通電極70とエネルギー作用部である発熱体71とを形成することによって構成されている。
一方前記蓋基板67には、機能性材料を含有する溶液が導入される流路を形成するための溝74と、流路に導入される前記溶液を収容する共通液室を形成するための凹部領域75とが形成されており、これらの発熱体基板66と蓋基板67とを図7に示すように接合させることにより、前記流路及び前記共通液室が形成される。なお、発熱体基板66と蓋基板67とを接合させた状態においては、前記流路の底面部に前記発熱体71が位置し、流路の端部にはこれらの流路に導入された溶液の一部を液滴として吐出させるための前記ノズル65が形成されている。なおここでは、ノズル形状は矩形であるが、これは丸形状であってもよい。なお前記蓋基板67には、供給手段(図示せず)によって前記供給液室内に溶液を供給するための溶液流入口76が形成されている。
本発明では、複数の液滴により1つの機能性素子を形成する、あるいは、複数滴によって、機能性素子などを形成するパターンをドットを重ね打ちしたり接触させたりして形成する。よって、このようなマルチノズル型の液体噴射ヘッドを用いると大変効率的に機能性素子を形成することができる。なおこの例では4ノズルの液体噴射ヘッドを示しているが、必ずしも4ノズルに限定されるものではなく、ノズル数が多ければ多いほど機能性素子の形成が効率的になることは言うまでもない。ただし、単純に多くすればよいということではなく、多くすれば液体噴射ヘッドも高価になり、また噴射ノズルの目詰まりによる確率も高くなるので、それらも考慮し装置全体のバランス(装置コストと機能性素子の製作効率のバランス)を考えて決められる。
図8はこのようにして製作されたマルチノズル型の液体噴射ヘッドをノズル側から見た図を示している。本発明では、このようなマルチノズル型の液体噴射ヘッドを図9に示すように、噴射する溶液ごとに設け、キャリッジ搭載される。図10はその斜視図である。
図9、図10にはそれぞれのマルチノズル型の液体噴射ヘッドをA、B、C、Dと符号をつけているが、それぞれ各液体噴射ヘッドA、B、C、Dはノズル部分が各液体噴射ヘッドごとに離間して構成されるとともに各液体噴射ヘッドごとに異なる種類の導電性微粒子含有溶液、ナノ粒子含有溶液、あるいは有機EL材料含有溶液等を噴射することができる。
本発明は、導電性微粒子含有溶液あるいはナノ粒子含有溶液などを噴射付与して、機能デバイスや配線パターンを製作するものであるが、単一の溶液のみを噴射するのみならず、この例のように、複数種類の溶液を噴射することができるので、たとえば、電極パターンを形成する溶液と機能デバイス形成する溶液を組み合わせたデバイス構造体を簡単に形成することができる。
次に、本発明のさらに他の特徴について説明する。ここでは溶液の基板/基体への付着特性の向上について説明する。本発明においては、より高精細なパターンを形成するために、溶液のドットパターンを基板/基体上の所望の場所に正しく付着/定着させるために、基板/基体上に前処理を行うようにしている。
図11は、図2に示した本発明のパターン配線基板、あるいは機能デバイスを形成する製造装置を模式的に示した図である。ここでは図2において説明を省略した前述の前処理機能について説明するが、図11は必ずしも全ての構成を示しているわけではない。
図中、11は吐出ヘッドユニット(噴射ヘッド)、12はキャリッジ、13は基板保持台、14は機能性素子を形成する基板、15は機能性材料を含有する溶液の供給チューブ、23はレーザ光照射ヘッドユニット、24はレーザ光制御信号ケーブル、25はコントロールユニット、49は補助容器、50は補助容器液面、51は液容器、52は容器保持部材、53は容器保持部材の縁、54はポンプである。なおコントロールユニット25は、噴射ヘッド11の溶液噴射部や液容器51より上方に位置するように配置しているが、これは不慮の事故によって、コントロールユニット25に電気系統に溶液がかからないようにするためである。
本発明においては、キャリッジ12上に、噴射ヘッド11とレーザ光照射ヘッドユニット23を併設し、両者はキャリッジ12の動きにあわせて同時に移動する。
本発明では、機能性材料を含有する溶液を基板14に噴射付与する前に、その噴射付与領域に、先にレーザ光照射ヘッドユニット23によってレーザ光照射を行い、溶液の付着特性を向上させるために前処理を行うようにする。例えばエキシマレーザやYAGレーザ、半導体レーザ等を照射し、基板表面の溶液付着力改質を行い、その後、機能性材料を含有する溶液を噴射付与する。
図11の例では、レーザ光照射ヘッドユニット23として、レーザダイオードとレーザ光を集光するためのレンズ群およびレンズ群を駆動して適正にレーザ光を基板上に集光するためのアクチュエータ装置等を備えたものとした。
レーザダイオードとしては例えば波長426nm(青色)〜650nm(赤色)〜780nm(赤外)等のものが使用できるが、今回は波長650nm、出力50mWのものを使用した。
本発明ではこのようなレーザ光照射ヘッドユニット23により、基板上のレーザ光を所望のサイズに絞り、レーザ光を照射してなる軌跡にならって溶液を付与する。
なおここでの説明は、基板を固定してキャリッジが移動するようにしているが、前述の図3の構成のように、基板側を移動させてレーザ光を照射、溶液噴射付与を行ってもよい。すなわち、噴射ヘッドとレーザ光照射ヘッドユニットを搭載したキャリッジは、基板(基体)に対して相対的に移動しながら、レーザ光を照射、溶液噴射付与を行う。
図12はこのようにして製作されるパターン配線の1例である。ここではPET基板上にITO膜によって形成した2つの電極パターン(端子)を、機能性材料を含有する溶液を噴射付与し、丸いドットによるパターンをつなぎ合わせて配線パターンを形成した。
機能性材料を含有する溶液としては以下のものを使用した。すなわち、硝酸銀に水溶性の重合体を溶解させ、撹拌しながらジメチルアミノエタノールを添加し、3分で金属イオンを還元し、平均粒径0.5μm(500nm)以下のAg微粒子を析出させた。その後、限外ろ過膜により、塩素イオンや硝酸イオンなどを除去し、濃縮・乾燥することにより濃厚なAg微粒子含有溶液を得た。
さらにこのAg微粒子含有溶液をアセトンに溶解させ、さらに撹拌しながらアルカノールアミンを添加し、Ag微粒子を重合体中に分散した形で油相側に析出させた。これを濃縮・乾燥させた濃厚なAg微粒子含有溶液を水、アルコールならびにエチレングリコールの混合溶媒に溶解・混合させて噴射溶液とした。溶液中のAg微粒子の含有量は10重量%、溶液中の樹脂分含有量は20重量%とした。またエチレングリコール添加量を調整し、各溶液の粘度は20センチポイズに統一した。なお、溶液中のAg微粒子の平均粒子径は、遠心分離機を使用して0.0005μmになるようにした。
図12に示したパターン配線のより詳しい製作方法を以下に説明する。
図13は、PET基板上に形成したITO膜による電極パターン(端子)である。ここではITO薄膜をフォトリソグラフィー、エッチング等によって、図示のような矩形パターン形状とした。
次に、図14に示したように、キャリッジ上に噴射ヘッドとともに搭載されたレーザ光照射手段によって、キャリッジ走査を行いつつレーザ光スポット照射を順次行い、図示のような照射パターンとした。
丸いパターンは照射したレーザスポットを模式的に示したものであり、このスポットサイズは、ここではΦ10μmとし後述の溶液によって形成される単独ドットの大きさ以下としている。
なおこの時、隣接するレーザスポットは互いに重なり合うようにするのがよい。好ましくは、スポット径半径以上重なり合うようにして照射する。
またこの時、レーザ光スポットのパルス発振周波数は、例えば20kHz以上とし、後述の溶液噴射頻度以上とする。これは、本発明のようにレーザ光照射を行ってこのようなパターン配線を行う際に、レーザ光照射手段の単位時間当たりの発光回数を、噴射ヘッドから噴射される溶液の液滴の単位時間当たりの噴射個数より大とすることにより、レーザ光照射が原因となって生産性低下を引き起こすことのないようにするためである。
図15は、図14に示したレーザスポット照射パターンの軌跡にならって、Ag微粒子含有溶液を噴射付与して形成したAg微粒子含有溶液による配線パターンである。なおこのような溶液ドットによる配線パターンは、完成後、あるいはその後の使用時に発生する断線不良を考慮して、隣接ドットは、互いに重なり合うようにして打ち込まれる。より好ましくは、ドット径半径以上重なり合うように打ち込むのがよい。
使用した噴射ヘッドは、図5、図6に示したようなピエゾ素子を液滴吐出の原動力とするものである。すなわち電気−機械変換素子であるピエゾ素子の機械的変位を液室の振動板の変位とし、その変位作用力で、微細な吐出口から液滴を噴射するものである。
なお、図には示していないが、ノズル1面に別途ノズル孔を穿孔したノズルプレートを設けた構造とした噴射ヘッドを使用した。またそのノズル数も、図では簡略化した7ノズルの例を示しているが、実際に使用したのはノズル(吐出口)の数が64個で、その配列密度が100dpiのものである。液滴噴射の駆動電圧は18V、駆動周波数は16kHzとした。吐出口径はΦ10μmとし、またそのノズルプレートはNiのエレクトロフォーミングによって形成したものであり、吐出口部分の板厚は15μmとした。
形成される溶液の単独のドットは約Φ15μmの大きさであり、これはレーザスポット径(Φ10μm)より大きな値であるが、レーザスポット照射によって基板上の表面改質が行われ、溶液の付着性が向上しているので、多少の溶液噴射の着弾位置精度が悪くても、表面の改質部がガイドとなって、レーザスポット照射パターンに沿った良好な溶液パターン形成が実現する。
なお、本発明では、レーザスポット照射1回につき、溶液の1ドットが対応するのではなく、レーザスポット照射回数は、噴射ヘッドから噴射される溶液の噴射回数以上としている。これはレーザパルス発振能力が溶液噴射頻度よりも高いのみならず、レーザスポット照射回数を増やすことにより、表面改質性能が向上し、より効果的に前処理(溶液付着性能向上)を行うことができるからである。
次に、このような本発明の製造装置を用いて機能性素子として有機EL素子を形成した場合の条件の1例を以下に示す。
使用した噴射ヘッドならびにレーザ光照射ヘッドユニットは上記配線パターン形成時と同じものを使用し、パルス照射条件や噴射条件も同じである。
使用した溶液は、O−ジクロロベンゼン/ドデシルベンゼンの混合溶液にポリヘキシルオキシフェニレンビニレンを0.1重量パーセント混合した溶液である。
1対のITO電極パターンを形成し、その間に、レーザスポット照射、ならびに上記溶液のドットパターンを形成したところ、高精度なパターンの有機EL素子ができた。その後、ITO電極にアルミニウムよりリード線を引き出し、10Vの電圧を印加したところ、良好に橙色の発光が得られた。
次に、本発明の他の特徴について説明する。図11で説明したように本発明においては、キャリッジ12上に、噴射ヘッド11とレーザ光照射ヘッドユニット23を併設、搭載している。ここで問題となることは、噴射ヘッド11とレーザ光照射ヘッドユニット23が互いに影響を及ぼしあうことである。
例えば、レーザ光照射ヘッドユニット23から発生する熱が噴射ヘッド11に伝達し、ノズル部を乾燥させて、目詰まりを生じさせることがある。あるいは、補助容器49から噴射ヘッド11に溶液を供給する機能性材料を含有する溶液の供給チューブあるいはその接続部等が不慮の事故により液漏れを起こしたりした場合、レーザ光照射ヘッドユニット23を破損させたりすることもある。さらには、噴射ヘッド11から噴射される溶液がレーザ光照射ヘッドユニット23のレーザ光照射部等を汚染するおそれもある。
図16は、本発明の噴射ヘッド11とレーザ光照射ヘッドユニット23を搭載したキャリッジ12部分の拡大図である(キャリッジ駆動機構などは省略している)が、このような課題に対処するため、両者の間に両者を離間する空隙26を設けたものである。このように両者を物理的に離間させておけば、熱あるいは溶液が両者に及ぼす悪影響を回避できる。
また、その空隙の距離であるが、本発明では、基体と噴射ヘッドの吐出口面の距離Lより大としている。単にレーザ光照射ヘッドユニット23が発生させる熱が噴射ヘッド11へ行かないようにするためであれば、空気の断熱能力は高いため、わずかの空隙を形成しておけばいいが、本発明では、他の課題も解決するために、この空隙を基体と噴射ヘッドの吐出口面の距離Lより大としている。
通常このように溶液を噴射してパターン等を形成する製造装置においては、噴射後の溶液の安定した飛翔ならびに液滴の高精度な着弾を目的として、基体と噴射ヘッドの吐出口面の距離Lは3mm以下として配置される。これは、前述の液滴を噴射するヘッド方式によっては、例えば連続流方式のように噴射速度が速い(15〜20m/s以上)ような場合には、基体と噴射ヘッドの吐出口面の距離Lはもう少し長くすることもできるが、ピエゾ素子を利用したりあるいは発熱体を利用したりするオンデマンド方式の場合は、連続流方式のようにポンプ加圧によって噴射するものではないので、噴射滴の推進力に限界があり、基体と噴射ヘッドの吐出口面の距離Lの上限はほぼ3mmにある。
それゆえ、本発明のように噴射ヘッド11とレーザ光照射ヘッドユニット23を搭載したキャリッジ12は、基体の上部3mm以下において、基体と相対運動する。その場合、例えば、溶液を噴射した際に発生する浮遊ミストや基体からの跳ね返りミストなどは、基体と噴射ヘッドの吐出口面の距離Lの範囲内で上下方向に漂うとともに、水平方向(基体が平面の場合にその平面と水平方向)においても、そのようなミストなどが同等の距離において漂うようになる。そして、それは噴射ヘッドの隣に配置されたレーザ光照射部のレーザ光出射部の光学系に付着したりして、光学系の性能低下といった悪影響を及ぼすことになる。
また逆に、基体にレーザ光照射による前処理をした際に生ずる揮発物等の浮遊についても同様のことがいえ、噴射ヘッドの吐出口部にそれが付着、堆積して目詰まりの原因を引き起こしたりすることもある。このような不具合を回避するためには、それらの浮遊物が漂う距離以上に噴射ヘッド11とレーザ光照射ヘッドユニット23を離間させればよい。
よって本発明では噴射ヘッド11とレーザ光照射ヘッドユニット23の間を上記ミストなどが水平方向に浮遊する距離と同等である基体と噴射ヘッドの吐出口面の距離Lより大としている。
なおより厳密には、図17に示したように、噴射ヘッド11の吐出口部とレーザ光出射部間の距離Lを基体と噴射ヘッドの吐出口面の距離Lより大とすれば、上記浮遊物による不具合を解決できるが、これ以外にも前述の熱の課題もあるので、図16に示したような空隙26を基体と噴射ヘッドの吐出口面の距離Lより大とすればより安全である。すなわち本発明においては、噴射ヘッド11とレーザ光照射ヘッドユニット23のそれぞれのユニットの外壁間距離である空隙26を基体と噴射ヘッドの吐出口面の距離Lより大とすることにより、噴射ヘッド11とレーザ光照射ヘッドユニット23が互いに及ぼす悪影響を回避できる。
次に、本発明のさらに他の特徴について説明する。図17は、噴射ヘッド11とレーザ光照射ヘッドユニット23の間を離間させるために離間部材27を設けた例である。またその離間部材27による離間幅も上記説明と同様に、基体と噴射ヘッドの吐出口面の距離Lより大としたものである。なお、この離間部材27は、キャリッジ12を構成する部材と別物として設けてもよいし、また、キャリッジ12を構成する部材と一体的に形成してもよい。材料も成型加工などが簡単にできるポリカーボネート、アクリル樹脂等でよい。要するに、噴射ヘッド11とレーザ光照射ヘッドユニット23の間を離間させればよい。
また厳密には、上記説明のように、噴射ヘッド11の吐出口部とレーザ光出射部間の距離Lを基体と噴射ヘッドの吐出口面の距離Lより大とすれば、上記浮遊物による不具合を解決できるので、噴射ヘッド11もしくはレーザ光照射ヘッドユニット23の筐体をそれらの離間距離を確保できるような厚さにする、すなわち筐体に離間部材27の機能を持たせてもよい。
なお、より効果的な構成とするには、この離間部材27は、噴射ヘッド11とレーザ光照射ヘッドユニット23のそれぞれとわずかの間隙を有するようにし、間に薄いながらも空気層28を形成した構成とすればよい。空気層28の存在により、断熱効果が表れ、より効果的である。またその厚さは0.5mm以上であれば充分である。
次に、本発明のさらに他の特徴について説明する。図17に示した離間部材27は、上記説明のような、噴射ヘッド11とレーザ光照射ヘッドユニット23を離間する距離を確保する役割、ならびに熱を遮断する役割があるが、前述の浮遊物等を物理的に遮断するブロック機能を持たせることも可能である。
本発明では図17に示したように、離間部材27を、噴射ヘッド11の吐出口面に対して垂直方向にLの長さだけ突き出した構造、あるいはレーザ光照射ヘッドユニット23のレーザ光出射面に対して垂直方向にLの長さだけ突き出した構造とした。これらLあるいはLの長さは、最大でも3mm程度である。より現実的には2mmとされるが、前述の浮遊物等を遮断する物理的な障壁としての機能は絶大なものがある。
次に、本発明のさらに他の特徴について説明する。図18は、レーザ光照射ヘッドユニット23のレーザ光出射面近傍をキャップ29で覆うような構成としたものである。これは非使用時に、レーザ光照射ヘッドユニット23の光学系を空気中に浮遊するごみ等の不純物による堆積から守り、清浄な状態に保つことにより、光学的性能をいつも一定の高い水準に維持するためである。
また、このレーザ光照射ヘッドユニット23は、狙いの基体上にフォーカスを合わせるために精密かつ精巧なアクチュエータ機構を備えるものであるため、例えば不慮の事故による衝突等の物理的な衝撃などからも守る必要がある。
本発明ではこのような観点から、清浄度の維持、衝突等の不慮の事故による破損の回避を目的として、このようなキャップ機構を設けている。なお、実際には、レーザ光照射ヘッドユニット23と基体14の間の距離は、最大でも3mmくらいなので、その狭い領域にキャップ29をもってくるのはやや難しいので、例えば以下のような構成によって、キャップを行う。
図19は、このようなキャップ29を実際の使用する場合の1実施例である。例えば図19(a)に示したように、キャリッジ12に設けた回転軸30を機軸にして、キャリッジ12を90度右に回転させ(図19(b))、レーザ光出射面近傍をキャップ29により被覆する。このキャップ29は図示しないキャップ移動機構によって運ばれてきてもよいし、単に人がキャップをしてもよい。
なおこの例は、キャリッジ12に回転機構を設けて、キャリッジ12を90度跳ね上げてキャップする構成としたが、本発明はこのような実施例に限定されるものではない。例えば、図2に示した装置において、基板保持台13の端の方に繰り抜き部を設け、その繰り抜き部からキャップをするようにすれば、図19に示したようなキャリッジ12を90度跳ね上げるような構成としなくてもキャップ29を設けることができる。
ところで、図3、図4で液滴が基板面に斜めに噴射する図を示したが、これは検出光学系32と、噴射ヘッド33を併せて図示するためにこのように液滴が斜めに飛翔している図としたが、実際には基板に対してほぼ垂直に当たるように噴射付与するようにしている。
また実施例で説明した噴射ヘッドは全てピエゾ素子を利用した噴射ヘッドであるが、サーマル方式(バブル方式)の噴射ヘッド、あるいは他の方式であってもいいのはいうまでもない。
なお機能性素子として発光素子を形成した場合、形成された発光素子基板はその後、ガラスあるいはプラスチック等の透明カバープレートを対向配置、ケーシング(パッケージング)することにより、ディスプレイ装置して活用される。
また、単にディスプレイ装置に適用するのみならず、機能性素子として有機トランジスタなども本発明の手法を利用して好適に製作される。さらに、噴射溶液としてレジスト材料などを用いることによって、レジストパターンやレジスト材料による3次元構造体を形成する場合にも適用され、本発明でいうところの機能性素子とは、このようなレジスト材料のような樹脂材料によって形成される膜パターンあるいは3次元構造体も含むものである。
さらに、実施例であげた端子(電極パターン)はITOによって形成されるものに限定されるものではなく、通常のAl、Au等の金属薄膜であってもよい。
また、これらの電極パターンは、通常は蒸着等の薄膜形成プロセスおよびフォトリソグラフィー、エッチング等のパターン形成によって形成されるが、これらの電極パターン形成においても本発明を適用して、レーザ光照射ならびに金属微粒子を分散させた溶液の噴射によって形成するのもよい方法である。
本発明の機能性基体製造装置によって形成されるパターン配線の一実施例を説明するための図である。 本発明のパターン配線基板あるいはデバイス基板を製造する機能性基体製造装置の一実施例を説明するための図である。 本発明のパターン配線基板あるいはデバイス基板を製造する機能性基体製造装置の他の実施例を説明するための図である。 本発明のパターン配線基板あるいはデバイス基板の製造に適用される液滴付与装置を示す概略構成図である。 本発明に好適に使用されるピエゾ素子利用の噴射ヘッドの液滴噴射原理を説明する図である。 本発明に好適に使用されるピエゾ素子利用の噴射ヘッドの構造を示す図である。 本発明に好適に適用されるサーマル方式(バブル方式)の液体噴射ヘッドの例である。 マルチノズル型の液体噴射ヘッドをノズル側から見た図である。 マルチノズル型の液体噴射ヘッドを噴射する溶液ごとに積層し、ユニット化した図である。 図9のようにユニット化したヘッドの斜視図ある。 本発明のレーザ光照射手段を搭載したパターン配線基板あるいはデバイス基板を製造する機能性基体製造装置の模式図である。 本発明の機能性基体製造装置によって形成されるパターン配線基板の形成されたパターンの図である。 本発明の機能性基体製造装置によって形成されるパターン配線基板のパターンを形成する形成方法を説明するための図であり、1対の端子電極を示している。 本発明の機能性基体製造装置によって形成されるパターン配線基板のパターンを形成する形成方法を説明するための図であり、レーザ光照射により前処理を行った場合の照射パターン(照射領域)を示している。 本発明の機能性基体製造装置によって形成されるパターン配線基板のパターンを形成する形成方法を説明するための図であり、レーザ光照射により前処理を行った領域に、溶液を噴射付与してパターン形成を行ったことを示す図である。 本発明の機能性基体製造装置の噴射ヘッドとレーザ光照射ヘッドユニットを搭載したキャリッジ部分の拡大図である。 本発明の機能性基体製造装置の噴射ヘッドとレーザ光照射ヘッドユニットの間を離間させるために離間部材を設けた例である。 本発明の機能性基体製造装置のレーザ光照射ヘッドユニットのレーザ光出射面近傍をキャップで覆うような構成としたものである。 本発明の機能性基体製造装置のレーザ光照射ヘッドユニットのレーザ光出射面近傍をキャップで覆う場合のキャップを行う場合の1実施例の動作原理を説明する図である。
符号の説明
1 (液体噴射ヘッド)ノズル
11 吐出ヘッドユニット(噴射ヘッド)
12 キャリッジ
13 基板保持台
14 基板(基体)
15 機能性材料を含有する溶液の供給チューブ
16 信号供給ケーブル
17,21 コントロールボックス
18 X方向スキャンモータ
19 Y方向スキャンモータ
20 コンピュータ
22 基板位置決め/保持手段
23 レーザ光照射ヘッドユニット
24 レーザ光制御信号ケーブル
25 コントロールユニット
26 空隙
27 離間部材
28 空気層
29 キャップ
30 回転軸
31 ヘッドアライメント制御機構
32 検出光学系
33 噴射ヘッド
34 ヘッドアライメント微動機構
36 画像識別機構
37 XY方向走査機構
38 位置検出機構
39 位置補正制御機構
40 噴射ヘッド駆動・制御機構
41 光軸
42 素子電極
43 液滴
44 液滴着弾位置
45 流路
46 ピエゾ素子
49 補助容器
50 補助容器液面
51 液容器
52 容器保持部材
53 容器保持部材の縁
54 ポンプ
56 溶液
57 フィルター
65 ノズル
66 発熱体基板
67 蓋基板
68 シリコン基板
69 個別電極
70 共通電極
71 発熱体
74 溝
75 凹部領域
76 溶液流入口

Claims (6)

  1. 基体上に機能性材料を含有する溶液を噴射付与し、該溶液中の揮発成分を揮発させ、固形分を前記基体上に残留させることによって機能性基体を製造する機能性基体製造装置において、前記基体に対して機能性材料を含有した溶液を噴射する噴射ヘッドと、該噴射ヘッドに溶液付与情報を入力する情報入力手段とを有し、前記噴射ヘッドは、保持手段に搭載されて前記基体に相対する位置に配されるとともに、前記基体と相対移動を行いつつ、前記情報入力手段により入力された前記溶液付与情報に基づいて前記基体の所望の位置に前記溶液を噴射する機能性基体製造装置であって、前記保持手段には、前記基体上にレーザ光を照射するレーザ光照射手段を搭載し、該レーザ光照射手段によって前記基体上に照射してなる軌跡にならって前記溶液を付与するとともに、前記レーザ光照射手段と噴射ヘッドは、両者の間を離間する空隙を設け、かつ該空隙を前記基体と噴射ヘッドの吐出口面の距離より大として前記保持手段に取り付けたことを特徴とする機能性基体製造装置。
  2. 基体上に機能性材料を含有する溶液を噴射付与し、該溶液中の揮発成分を揮発させ、固形分を前記基体上に残留させることによって機能性基体を製造する機能性基体製造装置において、前記基体に対して機能性材料を含有した溶液を噴射する噴射ヘッドと、該噴射ヘッドに溶液付与情報を入力する情報入力手段とを有し、前記噴射ヘッドは、保持手段に搭載されて前記基体に相対する位置に配されるとともに、前記基体と相対移動を行いつつ、前記情報入力手段により入力された前記溶液付与情報に基づいて前記基体の所望の位置に前記溶液を噴射する機能性基体製造装置であって、前記保持手段には、前記基体上にレーザ光を照射するレーザ光照射手段を搭載し、該レーザ光照射手段によって前記基体上に照射してなる軌跡にならって前記溶液を付与するとともに、前記レーザ光照射手段と噴射ヘッドは、両者の間を離間する離間部材を介し、かつ該離間部材による離間幅を、前記基体と噴射ヘッドの吐出口面の距離より大として前記保持手段に取り付けたことを特徴とする機能性基体製造装置。
  3. 前記離間部材は前記レーザ光照射手段と噴射ヘッドの間に空気層を介して設けたことを特徴とする請求項2に記載の機能性基体製造装置。
  4. 前記離間部材は前記レーザ光照射手段のレーザ光出射面と噴射ヘッドの吐出口面に対して垂直方向に前記両面より突き出した構造であることを特徴とする請求項2もしくは3に記載の機能性基体製造装置。
  5. 前記レーザ光出射部は非使用時に被覆手段によってカバーされることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の機能性基体製造装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1に記載の機能性基体製造装置によって製造されることを特徴とする機能性基体。
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