JP2009295504A - 蓄電装置およびこれを備えた車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置全体としての小型化を妨げることなく、蓄電素子から発生するノイズの低減に寄与することのできる技術を提供する。
【解決手段】蓄電素子と、蓄電素子を収容するケース12と、ケース12内における蓄電素子の下方に設けられ、凹形状に形成された受け部13aにより蓄電素子から落下する液体を受けるトレイ13と、受け部13aにおける凹空間内に設けられ、蓄電素子から発せられるノイズを減衰させる減衰材14とを有している。
【選択図】図3
【解決手段】蓄電素子と、蓄電素子を収容するケース12と、ケース12内における蓄電素子の下方に設けられ、凹形状に形成された受け部13aにより蓄電素子から落下する液体を受けるトレイ13と、受け部13aにおける凹空間内に設けられ、蓄電素子から発せられるノイズを減衰させる減衰材14とを有している。
【選択図】図3
Description
本発明は、蓄電素子で発生するノイズを低減する技術に関するものである。
従来、車両の駆動用または補助電源として二次電池等の蓄電素子が使用されている。
上記蓄電素子では、その使用に伴って高周波電磁騒音等のノイズが発生することが知られている。このようにして発生するノイズは、蓄電素子が収容されるケーシング等の内壁で反射し続けることにより増幅し、車両の室内で異音として聞こえてしまう可能性がある。
このようなノイズの低減を図るため、蓄電素子を収容するケーシング内に吸音材や防振材を設け、この吸音材によって上記ノイズを低減させる技術が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2を参照。)。
特開2003−157813号公報
特開2001−353499号公報
しかし、上記従来技術では、蓄電素子で発生するノイズを低減させるための防音材等を、蓄電素子のケーシング内に充填させたり、当該蓄電素子を冷却するための冷却風を導く導風路の内壁に設置したりする構成となっており、いずれの構成においてもノイズ低減のための部材を設置するための特別なスペースを新たに確保する必要があった。このような配置スペースの増加は、蓄電素子を含む蓄電装置を大型化させてしまうという問題がある。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、蓄電装置全体としての大型化を防止しつつ、蓄電素子から発生するノイズの低減に寄与することのできる技術を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明の一態様に係る蓄電装置は、蓄電素子と、前記蓄電素子を収容する容器と、前記容器内における前記蓄電素子の下方に設けられ、凹形状に形成された受け部により前記蓄電素子から落下する液体を受けるトレイと、前記受け部における凹空間内に設けられ、前記蓄電素子から発せられるノイズを減衰させる減衰材と、を備えることを特徴とするものである。
ここで、前記トレイには前記受け部が複数形成されており、隣接する複数の受け部間は、前記蓄電素子の下面に対して傾斜する面を有する間仕切り部によって仕切られていることを特徴とすることができる。このような構成によれば、蓄電素子から発せられて複数の受け部間の間仕切り部における傾斜面によって反射されるノイズを、減衰材に到達させ易くなるという効果を奏する。これにより、蓄電素子から発せられるノイズが、複数の受け部間の間仕切り部における蓄電素子に面する部位によって反射されて再度蓄電素子側へ向かって増幅される現象の発生を抑制することができる。
ここで、前記減衰材は、音を吸収する吸音材、もしくは音波を干渉させる干渉材から形成されていることを特徴とすることができる。
ここで、前記吸音材は、前記蓄電素子から落下する液体を吸収可能な構造を有していることを特徴とすることができる。これによれば、受け部にて受けた液体を凹空間内に設けた減衰材に吸収させることで、上記液体を受け部にて受けることによる凹空間のスペースの減少を抑制しつつ、蓄電素子からのノイズの低減を実現することができる。
ここで、前記蓄電装置は、車両に備えられるものであり、前記容器は、前記車両の室内から前記容器内に空気を取り込むための導風路と接続される空気取込口を有することを特徴とすることができる。このように、車両の室内の空気によって蓄電素子の温度調節を行う蓄電装置では、蓄電素子を収容している空間と車両の室内とが、空気を導く管路によってつながっており、蓄電素子にて発生するノイズが車両の室内に漏れ出してしまうおそれがある。このような場合においても、蓄電素子にて発生するノイズを低減させることのできる本発明を適用することにより、車両室内へのノイズの漏れ出しを防ぐことができ、車両室内の静粛化にも寄与することができる。
ここで、前記蓄電素子から落下する液体は、前記蓄電素子内に含まれる電解液であることを特徴とすることができる。
また、本発明の一態様に係る温度調節機構は、蓄電素子の温度を調節する温度調節機構であって、車両の室内から取り込んだ空気を、前記蓄電素子へと導く導風路と、前記導風路内における前記蓄電素子の下方に設けられ、凹形状に形成された受け部により前記蓄電素子から落下する液体を受けるトレイと、前記受け部における凹空間内に設けられ、前記蓄電素子から発せられるノイズを減衰させる減衰材と、を備えることを特徴とするものである。
ここで、前記トレイには前記受け部が複数形成されており、隣接する複数の受け部間は、前記蓄電素子の下面に対して傾斜する面を有する間仕切り部によって仕切られていることを特徴とすることができる。このような構成によれば、蓄電素子から発せられて複数の受け部間の間仕切り部における傾斜面によって反射されるノイズを、減衰材に到達させ易くなるという効果を奏する。これにより、蓄電素子から発せられるノイズが、複数の受け部間の間仕切り部における蓄電素子に面する部位によって反射されて再度蓄電素子側へ向かって増幅される現象の発生を抑制することができる。
ここで、前記導風路内の空気を、前記蓄電素子を経由させて所定の排気口から排出させる排気ファンを備え、前記排気ファンは、前記導風路内での風の流れ方向における、前記蓄電素子よりも排気口側に配置されていることを特徴とすることができる。このように、蓄電素子の温度調節を行うための空気を車両室内から導風路へと取り込むための排気ファンを、導風路における空気の流れ方向において、蓄電素子(すなわち、減衰材が設けられたトレイ)よりも車両室内から遠い位置に配置することにより、排気ファンから発せられるノイズを、上記トレイに設けられた減衰材によって減衰させることができ、ノイズが車両室内に到達するのを抑制できる。
ここで、前記蓄電素子から落下する液体は、前記蓄電素子内に含まれる電解液であることを特徴とすることができる。
ここで、前記減衰材は、音を吸収する吸音材、もしくは音波を干渉させて打ち消す干渉材から形成されていることを特徴とすることができる。
ここで、前記減衰材は、前記蓄電素子から落下する液体を吸収可能な構造を有していることを特徴とすることができる。これによれば、受け部にて受けた液体を凹空間内に設けた減衰材に吸収させることで、上記液体を受け部にて受けることによる凹空間のスペースの減少を抑制しつつ、蓄電素子からのノイズの低減を実現することができる。
また、本発明の一態様に係る車両は、上述のような構成の蓄電装置または温度調節機構を備えることを特徴とするものである。これによれば、上述のような蓄電装置または温度調節機構により実現可能な効果と同様な効果を奏する車両を提供することが可能となる。
以上に詳述したように本発明によれば、蓄電装置全体としての大型化を防止しつつ、蓄電素子から発生するノイズの低減に寄与することのできる技術を提供することができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。
本発明の実施例1である蓄電装置、温度調節機構およびこれらを備えた車両について、図面を用いながら説明する。図1は、本発明の実施例1による蓄電装置、温度調節機構およびこれらを備えた車両の後方部分における概略構成を示す縦断面図であり、図2は、本発明の実施例1による温度調節機構の動作について説明するための図であり、図3は、本発明の実施例1による蓄電装置の概略構成を示す図2におけるA−A方向での縦断面図である。
車両1の室内には、乗員が座るシート2が配置されている。図1では、車両1の後部に配置されるリアシート2を示している。シート2に対して車両1の後方側には、電池パック(蓄電装置)10と、電池パック10の温度を調節するための温度調節機構が配置されている。
電池パック10は、車両1の走行に用いられるエネルギを出力したり、車両1の制動時に発生する運動エネルギを回生電力として蓄えたりする機能を有している。また、電池パック10は、車両1の外部からの電力供給を受けて充電を行うこともできる。この車両1としては、ハイブリッド自動車や電気自動車がある。ハイブリッド自動車とは、電池パック10の他に、車両1の走行に用いられるエネルギを出力する内燃機関や燃料電池といった他の動力源を備えた車である。また、電気自動車は、電池パック10の出力だけを用いて走行する車である。
電池パック10は、例えば、車両1のフロアパネルに固定しておくことができる。また、電池パック10は、組電池11と、組電池11を収容するケース(容器)12と、トレイ13と、減衰材14(詳細は図3を参照)とを有している。ここで、組電池11は、X軸方向に配列されている複数の単電池(蓄電素子)11aが電気的に直列に接続されることによって構成されている。複数の単電池11aは、例えば、それぞれの単電池11aの端子11bをバスバー11cによって互いに電気的に接続することができる(図3を参照)。なお、ここでは組電池11が、X軸方向に配列されている複数の単電池11aにより構成されている場合を例に挙げているが、これに限られるものではなく、たとえば図2および図3に示すY軸方向に複数配列されている単電池11aによって構成されることもできることは言うまでもない。
単電池11aとしては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池を用いることができる。なお、二次電池の代わりに、蓄電素子としての電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を用いることもできる。なお、本実施例では、単電池11aとして、図1に示すように、角型の単電池11aを用いているが、円筒型といった他の形状の単電池を用いることもできる。
ケース12における1つの側面には、それぞれが円筒状に形成された吸気ダクト20及び排気ダクト30が接続されている。排気ダクト30は、車両1の外部まで延びており、排気ダクト30の先端に形成された排気口が車両1の外表面に位置している。排気ダクト30には、ファン40(排気ファン)が配置されている。このように、ファン40は、導風路内の空気を、組電池11を経由させて所定の排気口から車外に排出させる役割を有している。
吸気ダクト20の端部に形成された吸気口20aは、車室内(車両の室内)に位置している。これにより、吸気ダクト20は、吸気口20aを介して、車室内の空気を取り込むことができる。ここで、車室とは、乗員が乗車するスペースをいう。また、吸気口20aは、シート2の上部と隣り合う領域内に配置されている。ここでは、ケース12と吸気ダクト20とが協働して、車両の車室内から取り込んだ空気を、蓄電素子へと導く導風路としての機能を実現している。
上述した本実施例の温度調節機構の動作について、図2を用いて説明する。図2において、点線で示す矢印は、空気が流れる方向を示している。本実施例における温度調節機構は、導風路内を流れる空気により組電池11の温度を調節する機能を有している。
ファン40を回転させると、車室内に存在する空気が、吸気口20aを介して、吸気ダクト20に取り込まれる。ケース12には、車両の室内からケース12内に空気を取り込むための吸気ダクト20と接続される空気取込口(例えば、図2を参照)が形成されており、吸気ダクト20に取り込まれた空気は、当該空気取込口を介してケース12内に流れ込む。
電池パック10のケース12の内部に進入した空気は、組電池11を構成する各単電池11aと接触する。ここで、単電池11aが充放電によって発熱している場合には、単電池11aとケース12に供給された空気との間で熱交換を行わせることにより、単電池11aを冷却することができる。車室内の空気の温度は、発熱した単電池11aの温度よりも低いことが多いため、車室内の空気を用いることにより、単電池11aの温度上昇を抑制することができる。
一方、単電池11aが外部環境によって過度に冷却された場合には、単電池11aとケース12に供給された空気との間で熱交換を行わせることにより、単電池11aを温めることができる。単電池11aが過度に冷却されるような場合には、車室内の空気の温度は、過度に冷却された単電池11aの温度よりも高いことが多いため、車室内の空気を用いることにより、単電池11aの温度低下を抑制することができる。
単電池11aとの間で熱交換が行われた空気は、排気ダクト30に向かい、排気ダクト30を介して、車両1の外部に排出される。なお、必要に応じて、ケース12に供給された空気の一部を車室内に再び戻すこともできる。
本実施例では、ケース12の一側面に吸気ダクト20及び排気ダクト30を接続しているが、これに限るものではない。すなわち、ケース12に車室内の空気を供給するとともに、単電池11aと熱交換が行われた空気をケース12の外部に排出させる構成であれば、いかなる構成であってもよい。
例えば、ケース12における互いに向かい合う2つの側面のうち、一方の側面に対して吸気ダクト20を接続するとともに、他方の側面に対して排気ダクト30を接続することも可能である。この構成では、ケース12の一方の側面から車室内の空気が進入し、ケース12の他方の側面から空気が排出されることになる。
また、ケース12内における組電池11の下方には、組電池11を構成する各単電池11a内に含まれている電解液が外部に漏れた場合に、この電解液を収容しておくための、トレイ13(いわゆる、耐液トレイ)が配置されている。
次に、トレイ13の構成の詳細について説明する。図4は、本発明の実施例1におけるトレイ13の概略構成について説明するための外観斜視図である。図3に示されているトレイ13の断面形状は、図4に示すB平面における断面を示している。
本実施例におけるトレイ13は、ケース12内における組電池11の下方に設けられ、凹形状に形成された受け部13aにより組電池11から落下する電解液等の液体を受ける役割を有している。
本実施例におけるトレイ13の受け部13aにおける凹空間内(窪み部分)には、組電池11から発せられる高周波電磁騒音等のようなノイズを減衰させるための減衰材14が配置されている。このように、ノイズを減衰させるための減衰材14を、元々電解液を受けるために設けられるトレイ13における受け部13aの凹空間内に配置する構成とすることにより、高さ方向における装置サイズを変更することなく減衰材14を配置することが可能となる。また、このような減衰材14の配置方法によれば、設計変更を行うことなく、既存の蓄電装置に対しても適用することができる。
本実施例では、図4に示すように、間仕切り部13b(すなわち、受け部13a)が、単電池11aが配列されている方向(X方向)に延びるように形成されている場合を例に挙げているが、これに限られるものではなく、間仕切り部13b(すなわち、受け部13a)を、単電池11aが配列されている方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に延びるように形成することもできることは言うまでもない。すなわち、間仕切り部13bによって区切られて構成される複数の受け部13aが、結果として単電池11aから落下した電解液を受けることができればよく、間仕切り部13bをX−Y平面内におけるどの方向に延びる構成とすることも可能である。また、複数の間仕切り部13bを、互いに交差する方向に延びるように配置することもできる。
ここで、受け部13aに配置される減衰材14としては、音を吸収する吸音材、もしくは音波を干渉させる干渉材を採用することができる。
具体的に、本実施例における吸音材としては、例えば、ペット材、EPDM、グラスウール、連続気泡体等を採用することが可能である。また、干渉部材としては、例えば、組電池11のノイズを複数回反射させる反射面を挙げることができる。このような構成を有する干渉部材によって、互いに異なる位相(逆位相)の音波を干渉させることで、音を打ち消すことができる(いわゆる、ノイズキャンセリング技術)。
また、減衰材14が吸音材を含む場合、当該吸音材は組電池11から落下する液体を吸収可能な構造を有していることが望ましい。これによれば、受け部13aにて受けた液体を凹空間内に設けた減衰材14に吸収させることで、上記液体を受け部13aにて受けることによる凹空間にて電解液を受け入れ可能なスペースの減少を抑制しつつ、組電池11から発せられるノイズの低減を実現することができる。
また、本実施例では、ファン40は、導風路内での風の流れ方向における、組電池11よりも排気口側に配置されている(図1および図2を参照)。このように、組電池11の温度調節を行うための空気(熱交換媒体)を車両室内から導風路へと取り込むためのファン40を、導風路における空気の流れ方向において、組電池11(すなわち、減衰材14が設けられたトレイ13)よりも車両室内から遠い位置(排気口側)に配置することにより、ファン40から発せられる高周波電磁騒音やファン40の駆動音等のノイズを、トレイ13に設けられた減衰材14によって減衰させることができる。これにより、車室内の乗員が、ファン40の駆動音によって違和感を感じることを抑制することができる。
このように、車両の室内の空気によって蓄電素子の温度調節を行う構成では、蓄電素子を収容している空間と車両の室内とが、空気を導く管路によってつながっており、蓄電素子にて発生するノイズが車両の室内に漏れ出してしまうおそれがある。このような場合においても、蓄電素子にて発生するノイズを低減させることのできる本発明を適用することにより、車両室内へのノイズの漏れ出しを防ぐことができ、車両室内の静粛化にも寄与することができる。また、減衰材をトレイの受け部に収める構成としたことにより、蓄電素子の温度調節のためにケース内を流れる風の流れを妨げることがないという効果を奏する。
また、本実施例では、電池パック10のケース12が、車両における導風路の一部をなしている場合を例に挙げたが、これに限られるものではなく、例えば、電池パックのケースが空気取込み口を有しない密閉構造とすることもできる。このような構成の電池パックにおいても、本実施例における図3に示したような構成を採用することにより、電池パックのケースや当該ケースに締結されたボルト700近傍等を介したノイズの漏れ出しを抑制することができるという効果を奏する。
続いて、本発明の実施例2である蓄電装置、温度調節機構およびこれらを備えた車両について、図面を用いながら説明する。本実施例は、上述した実施例1の変形例であり、本実施例と実施例1とは、トレイにおける間仕切り部の構成が異なっている。以下、本実施例において、実施例1にてすでに説明した部分と同様の機能を有する部分には同一符号を付し、説明は割愛する。
図5は、本発明の実施例2による蓄電装置の概略構成を示す縦断面図であり、図6は、図5に示す蓄電装置におけるトレイ近傍(領域C部分)を拡大した様子を示す図である。
具体的に、本実施例による電池パック(蓄電装置)10’は、実施例1にて示したトレイ13の代わりに、トレイ13’を備えている。ここでのトレイ13’には受け部13a’が複数形成されており、隣接する複数の受け部13a’間は、単電池11a(蓄電素子)の下面に対して傾斜する壁面(ここでは、単電池11aの下面における法線方向に対して角度θだけ傾斜している(図6を参照)。)を有する間仕切り部13b’によって仕切られている。
本実施例においても、実施例1と同様に、間仕切り部13b’(すなわち、受け部13a’)が、単電池11aが配列されている方向(X方向)に延びるように形成されている場合を例に挙げているが、これに限られるものではなく、間仕切り部13b’(すなわち、受け部13a’)を、単電池11aが配列されている方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に延びるように形成することもできることは言うまでもない。すなわち、間仕切り部13b’によって区切られて構成される複数の受け部13a’が、結果として単電池11aから落下した電解液を受けることができればよく、間仕切り部13b’をX−Y平面内におけるどの方向に延びる構成とすることも可能である。
本実施例のような構成によれば、単電池11aから発せられて複数の受け部13a’間の間仕切り部13b’における傾斜面によって反射されるノイズを、減衰材14に到達させ易くなるという効果を奏する。また、ここでの間仕切り部13b’は、単電池11aの底面と略平行な部分を有していないため、単電池11aから発せられるノイズが単電池11aと複数の受け部間の間仕切り部との間で反射を繰り返して増幅されてしまうといった現象の発生を抑制することができる。
なお、上述の各実施例では、シート2の後方に位置する吸気ダクト20によって車両室内の空気を取り込む構成を例に挙げたが、これに限られるものではなく、例えば、吸気ダクトをシート2の下部に設け、シート2の下部に存在する空気を取り込んでケース12内へと導く構成とすることもできる。シート2の下部に位置する空気は、シート2の上部に位置する空気よりも温度が低くなっていることがある。例えば、エアコンを駆動して車室内を冷やしていれば、車室内の上部における温度よりも、下部における温度が低くなる。このように、温度が低い空気を、シート下部に位置する吸気ダクトを介して取り込むことにより、電池パック10を効率良く冷却することができる。
また、上述の各実施例では、蓄電素子から発せられるノイズを、減衰材14によって減衰させる構成を例に挙げたが、これに限られるものではない。例えば、蓄電素子の他に、ノイズを発生させる機器をケース12内に収容する場合には、減衰材14によって、上記機器から発生するノイズを減衰させることができる。ここで、上記機器としては、組電池11の出力(電圧値)を変換するDC/DCコンバータ、単電池11aの電圧値または複数の単電池11aにおける電圧値(いわゆる、ブロック電圧)を検出するためのセンサ、組電池11の温度を検出するためのセンサ、組電池11の電圧を取り出すためのワイヤーハーネス、といったものが挙げられる。
また、上述の各実施例では、主に、蓄電装置または温度調節機構について説明したが、これに限られるものではなく、上述のような蓄電装置または温度調節機構を車両に搭載することにより、これら蓄電装置または温度調節機構によって実現可能な効果と同様な効果を奏する車両を提供することもできることは言うまでもない。
以上のように、本発明を特定の態様により詳細に例示したが、本発明の精神および範囲を逸脱しないかぎり、様々な変更および改質がなされ得ることは、当業者には自明であろう。
1 車両
2 シート
10 電池パック
11 組電池
11a 単電池
20 吸気ダクト
12 ケース
30 排気ダクト
40 ファン
13,13’ トレイ
13a,13a’ 受け部
14 減衰材
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14 減衰材
Claims (7)
- 蓄電素子と、
前記蓄電素子を収容する容器と、
前記容器内における前記蓄電素子の下方に設けられ、凹形状に形成された受け部により前記蓄電素子から落下する液体を受けるトレイと、
前記受け部における凹空間内に設けられ、前記蓄電素子から発せられるノイズを減衰させる減衰材と、
を備えることを特徴とする蓄電装置。 - 前記トレイには前記受け部が複数形成されており、隣接する複数の受け部間は、前記蓄電素子の下面に対して傾斜する面を有する間仕切り部によって仕切られていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
- 前記減衰材は、音を吸収する吸音材、もしくは音波を干渉させる干渉材から形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓄電装置。
- 前記吸音材は、前記蓄電素子から落下する液体を吸収可能な構造を有していることを特徴とする請求項3に記載の蓄電装置。
- 前記蓄電装置は、車両に備えられるものであり、
前記容器は、前記車両の室内から前記容器内に空気を取り込むための導風路と接続される空気取込口を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の蓄電装置。 - 前記蓄電素子から落下する液体は、前記蓄電素子内に含まれる電解液であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の蓄電装置。
- 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の蓄電装置を備えることを特徴とする車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008149672A JP2009295504A (ja) | 2008-06-06 | 2008-06-06 | 蓄電装置およびこれを備えた車両 |
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JP2009295504A true JP2009295504A (ja) | 2009-12-17 |
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JP (1) | JP2009295504A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013084485A (ja) * | 2011-10-11 | 2013-05-09 | Honda Motor Co Ltd | バッテリの冷却構造 |
-
2008
- 2008-06-06 JP JP2008149672A patent/JP2009295504A/ja active Pending
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JP2013084485A (ja) * | 2011-10-11 | 2013-05-09 | Honda Motor Co Ltd | バッテリの冷却構造 |
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