JP2009294176A - 環境試験装置における試料表面への水膜形成方法及び環境試験装置 - Google Patents

環境試験装置における試料表面への水膜形成方法及び環境試験装置 Download PDF

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Abstract

【課題】試料の外観形状などによる影響を抑制して試料表面に環境試験に適した水膜を生成させることができるようにする。
【解決手段】電源スイッチ54をオンして室加熱器26へ通電することにより試験室12の温度を試料Sの表面に生成された水膜を蒸発させる試験上部温度にまで上昇させると共に、電源スイッチ54をオフして室加熱器26への通電を停止することにより試験室12の温度を試料Sの表面に結露により水膜を生成する露点温度である試験下部温度にまで低下させ、試験室12の温度をこれら試験下部温度と試験上部温度とに交互に繰り返し変動させることにより試料Sの表面に環境試験に適した所定の水膜を持続的に生成させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品、電気機器、高分子材料などの試験対象となる試料の表面に水膜を付着させた状態で腐食試験などの環境試験を実施する環境試験装置における試料表面への水膜形成方法及び環境試験装置に関する。
これまでから、電子部品、電気機器、高分子材料などの試験対象となる試料の表面に水膜を付着させた状態で腐食試験などの環境試験を実施する場合、例えば、水温制御加湿式の環境試験装置が用いられている。
この環境試験装置は、電子部品、電気機器などの試験対象となる試料を収納して腐食試験などの環境試験を実施する試験室と、この試験室の空調を行う空調室とを備えており、空調室に配設された室加熱器により試験室を所定の温度に加熱すると共に、空調室に配設されている加湿器の加湿水を水加熱器により加熱することで蒸発させて試験室を所定の湿度に設定する一方、試料に面接触させた冷却装置により試料自体を冷却して試料が常に露点温度に維持されるようにすることで試料表面に結露させて水膜を生成させるようにしたものである(例えば、特許文献1)。
このように構成された環境試験装置では、特許文献1に記載されているように、単に試料に面接触させた冷却装置により試料自体を冷却して露点温度になるようにするのではなく、試験室に試料表面の結露状態を検出するためのテレビ撮影機などの検出手段を設けておき、この検出手段で検出した結露状態に応じて冷却装置の動作を制御することで精度のよい結露状態を得るようにすることが提案されている。
特開平10−78387号公報
しかしながら、上記従来の環境試験装置では、検出手段で検出した試料表面の結露状態に応じて冷却装置の動作を制御するものであることから、試料が薄板状などの単純な形状のものでは試料表面が均一に冷却されることで精度のよい結露状態を得ることができるとしても、試料が複雑な外観形状を有している場合などでは試料の冷却装置に接触している部位と接触していない部位とで冷却効果に差異が生じて試料表面が均一に冷却されないことになり、試料表面に環境試験に適した水膜を生成することが困難になるという懸念があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、試料の外観形状などによる影響を抑制して試料表面に環境試験に適した所定の水膜を持続的に生成させることができる試料表面への水膜形成方法及び環境試験装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、試験室に収納した試料の表面に加湿水の蒸発により水膜を付着させた状態で環境試験を実施する環境試験装置における試料表面への水膜形成方法であって、前記加湿水を加熱する水加熱器への供給電力を制御することにより前記試験室に含まれる蒸発水分が所定量となるようにすることで前記試験室の露点温度を所定値に維持する一方、前記試験室を加熱する室加熱器への通電を停止することにより前記露点温度を超える温度にあった試料を前記露点温度である第1の温度に低下させることで表面に水膜を生成させ、前記室加熱器へ通電することにより前記露点温度である第1の温度にあった試料を前記露点温度を超える第2の温度に上昇させることで前記表面の水膜を減少させ、前記室加熱器への通電と通電の停止とを交互に繰り返すことで前記表面に所定の水膜を持続させることを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1に係る方法において、前記室加熱器へ通電することで前記試験室が前記第2の温度以上の所定温度に達したときに前記室加熱器への通電を停止して前記試験室を前記露点温度にまで降下させることで試料を前記第1の温度にし、前記試験室が前記露点温度に達したのちに前記室加熱器へ通電して前記試験室を前記第2の温度以上の所定温度にまで上昇させることで試料を前記第2の温度にすることを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1に係る方法において、前記室加熱器へ通電することで前記試験室の温度が上昇して試料が前記第2の温度に達したときに前記室加熱器への通電を停止して前記試験室の温度を降下させることで試料を前記第1の温度にし、試料が前記第1の温度に達したのちに前記室加熱器へ通電して前記試験室の温度を上昇させることで試料を前記第2の温度にすることを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1に係る方法において、前記室加熱器へ通電してから所定時間が経過したときに前記室加熱器への通電を停止して前記試験室の温度を降下させることで試料を前記第1の温度にし、前記室加熱器への通電を停止してから所定時間が経過したときに前記室加熱器へ通電して前記試験室の温度を上昇させることで試料を前記第2の温度にすることを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項1に係る方法において、前記室加熱器へ通電することで前記試験室の温度が上昇して試料の表面に生成されている水膜の試料表面に対する面積割合が前記第1の温度のときよりも小さい所定値にまで減少したときに前記室加熱器への通電を停止して前記試験室の温度を降下させることで試料を前記第1の温度にし、前記面積割合が前記第2の温度のときよりも大きい所定値にまで増大したときに前記室加熱器へ通電して前記試験室の温度を上昇させることで試料を前記第2の温度にすることを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに係る方法において、前記第1の温度及び前記第2の温度が、前記水膜が0.5〜5.0μmの範囲内の厚みに維持されるように設定されるものであることを特徴としている。
請求項7の発明は、試験室に収納した試料の表面に加湿水の蒸発により水膜を付着させた状態で環境試験を実施する環境試験装置であって、前記加湿水を加熱する水加熱器と、前記試験室を加熱する室加熱器と、前記水加熱器への供給電力を制御することにより前記試験室に含まれる蒸発水分が所定量となるようにすることで前記試験室の露点温度を所定値に維持する水温度制御部と、前記室加熱器への通電を停止することにより前記露点温度を超える温度にあった試料を前記露点温度である第1の温度に低下させることで表面に水膜を生成させ、前記室加熱器へ通電することにより前記露点温度である第1の温度にあった試料を前記露点温度を超える第2の温度に上昇させることで前記表面の水膜を減少させ、前記室加熱器への通電と通電の停止とを交互に繰り返すことで前記表面に所定の水膜を持続させる室温度制御部とを備えたことを特徴としている。
請求項8の発明は、請求項7に係るものにおいて、前記室温度制御部は、前記室加熱器へ通電することで前記試験室が前記第2の温度以上の所定温度に達したときに前記室加熱器への通電を停止して前記試験室を前記露点温度にまで降下させることで試料を前記第1の温度にし、前記試験室が前記露点温度に達したのちに前記室加熱器へ通電して前記試験室を前記第2の温度以上の所定温度にまで上昇させることで試料を前記第2の温度にするものであることを特徴としている。
請求項9の発明は、請求項7に係るものにおいて、前記室温度制御部は、前記室加熱器へ通電することで前記試験室の温度が上昇して試料が前記第2の温度に達したときに前記室加熱器への通電を停止して前記試験室の温度を降下させることで試料を前記第1の温度にし、試料が前記第1の温度に達したのちに前記室加熱器へ通電して前記試験室の温度を上昇させることで試料を前記第2の温度にするものであることを特徴としている。
請求項10の発明は、請求項7に係るものにおいて、前記室温度制御部は、前記室加熱器へ通電してから所定時間が経過したときに前記室加熱器への通電を停止して前記試験室の温度を降下させることで試料を前記第1の温度にし、前記室加熱器への通電を停止してから所定時間が経過したときに前記室加熱器へ通電して前記試験室の温度を上昇させることで試料を前記第2の温度にするものであることを特徴としている。
請求項11の発明は、請求項7に係るものにおいて、前記室温度制御部は、前記室加熱器へ通電することで前記試験室の温度が上昇して試料の表面に生成されている水膜の試料表面に対する面積割合が前記第1の温度のときよりも小さい所定値にまで減少したときに前記室加熱器への通電を停止して前記試験室の温度を降下させることで試料を前記第1の温度にし、前記面積割合が前記第2の温度のときよりも大きい所定値にまで増大したときに前記室加熱器へ通電して前記試験室の温度を上昇させることで試料を前記第2の温度にするものであることを特徴としている。
請求項12の発明は、請求項7乃至11の何れかに係るものにおいて、前記第1の温度及び前記第2の温度は、前記水膜が0.5〜5.0μmの範囲内の厚みに維持されるように設定されるものであることを特徴としている。
請求項13の発明は、請求項7乃至12の何れかに係るものにおいて、前記試験室は、前記第2の温度にあった試料を前記第1の温度に低下させるときに当該試験室の放熱性能を高める一方、前記第1の温度にあった試料を前記第2の温度に上昇させるときに当該試験室の放熱性能を元の状態に復帰させる放熱性能可変部を備えていることを特徴としている。
請求項14の発明は、請求項13に係るものにおいて、前記放熱性能可変部は、前記試験室の周囲に設けられた空気流通路と、前記第2の温度にあった試料を前記第1の温度に低下させるときに回転駆動させることで前記空気流通路内の空気を外部に強制排出する一方、前記第1の温度にあった試料を前記第2の温度に上昇させるときに回転停止させることで前記空気流通路内の空気の強制排出を停止する排熱ファンとを備えたものであることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、試験室を加熱する室加熱器への通電を停止することにより試料を露点温度である第1の温度に低下させることで表面に水膜を生成させ、室加熱器へ通電することにより試料を露点温度を超える第2の温度に上昇させることで表面の水膜を減少させ、この室加熱器への通電と通電の停止とを交互に繰り返すことで試料を試験室の温度に追従させるようにするだけであるから、試料の外観形状などによる影響を受けずに試料の表面に環境試験に適した所定の水膜を持続的に形成することができる。また、試料に接触させて冷却するための従来例のような冷却装置が不要となることから、環境試験装置の組み立てを簡素化することができ、組み立てコストを効果的に抑制することができる。
請求項2の発明によれば、室加熱器への通電を停止して試験室を露点温度にまで降下させることで試料を第1の温度にし、室加熱器へ通電して試験室を第2の温度以上の所定温度にまで上昇させることで試料を第2の温度にするようにしており、試験室の温度を管理することで試料の温度を管理するものであるから、試料を第1の温度と第2の温度とに容易に調節することができる。
請求項3の発明によれば、室加熱器へ通電して試験室の温度を上昇させることで試料が第2の温度に達したときに室加熱器への通電を停止して試料が第1の温度になるようにし、試料が第1の温度に達したのちに室加熱器へ通電して試験室の温度を上昇させることで試料が第2の温度になるようにしており、試料の温度を直接的に管理するものであるから、試料を第1の温度と第2の温度とに正確に調節することができる。
請求項4の発明によれば、室加熱器へ通電してから所定時間が経過したときに室加熱器への通電を停止して試験室の温度を降下させることで試料が第1の温度になるようにし、室加熱器への通電を停止してから所定時間が経過したときに室加熱器へ通電して試験室の温度を上昇させることで試料が第2の温度になるようにしており、通電と通電停止の経過時間を管理することで試料の温度を管理するものであるから、試料を第1の温度と第2の温度とに簡易に調節することができる。
請求項5の発明によれば、室加熱器への通電により試験室の温度が上昇して試料の表面に生成されている水膜の試料表面に対する面積割合が第1の温度のときよりも小さい所定値にまで減少したときに室加熱器への通電を停止して試験室の温度を降下させることで試料が第1の温度になるようにし、その面積割合が第2の温度のときよりも大きい所定値にまで増大したときに室加熱器へ通電して試験室の温度を上昇させることで試料が第2の温度になるようにしており、水膜の試料表面に対する面積割合を管理することで試料の温度を管理するものであるから、試料を第1の温度と第2の温度とに簡易に調節することができる。
請求項6の発明によれば、試料の表面に形成される水膜が0.5〜5.0μmの範囲内の厚みを有する結果、試料の表面に付着している塵埃やそれに含まれる塩分などが水に溶け込んだときの濃度が腐食試験などの環境試験に適したものとなることで腐食試験などの環境試験を効果的に実施することができる。
請求項7の発明によれば、試験室を加熱する室加熱器への通電を停止することにより試料を露点温度である第1の温度に低下させることで表面に水膜を生成させ、室加熱器へ通電することにより試料を露点温度を超える第2の温度に上昇させることで表面の水膜を減少させ、この室加熱器への通電と通電の停止とを交互に繰り返すことで試料を試験室の温度に追従させるようにするだけであるから、試料の外観形状などによる影響を受けずに試料の表面に環境試験に適した所定の水膜を持続的に形成することができる環境試験装置が実現される。また、試料に接触させて冷却するための従来例のような冷却装置が不要となることから、組み立てを簡素化することができ、組み立てコストを効果的に抑制することができる環境試験装置が実現される。
請求項8の発明によれば、室加熱器への通電を停止して試験室を露点温度にまで降下させることで試料を第1の温度にし、室加熱器へ通電して試験室を第2の温度以上の所定温度にまで上昇させることで試料を第2の温度にするようにしており、試験室の温度を管理することで試料の温度を管理するものであるから、試料を第1の温度と第2の温度とに容易に調節することができる環境試験装置が実現される。
請求項9の発明によれば、室加熱器へ通電して試験室の温度を上昇させることで試料が第2の温度に達したときに室加熱器への通電を停止して試料が第1の温度になるようにし、試料が第1の温度に達したのちに室加熱器へ通電して試験室の温度を上昇させることで試料が第2の温度になるようにしており、試料の温度を直接的に管理するものであるから、試料を第1の温度と第2の温度とに正確に調節することができる環境試験装置が実現される。
請求項10の発明によれば、室加熱器へ通電してから所定時間が経過したときに室加熱器への通電を停止して試験室の温度を降下させることで試料が第1の温度になるようにし、室加熱器への通電を停止してから所定時間が経過したときに室加熱器へ通電して試験室の温度を上昇させることで試料が第2の温度になるようにしており、通電と通電停止の経過時間を管理することで試料の温度を管理するものであるから、試料を第1の温度と第2の温度とに簡易に調節することができる環境試験装置が実現される。
請求項11の発明によれば、室加熱器への通電により試験室の温度が上昇して試料の表面に生成されている水膜の試料表面に対する面積割合が第1の温度のときよりも小さい所定値にまで減少したときに室加熱器への通電を停止して試験室の温度を降下させることで試料が第1の温度になるようにし、その面積割合が第2の温度のときよりも大きい所定値にまで増大したときに室加熱器へ通電して試験室の温度を上昇させることで試料が第2の温度になるようにしており、水膜の試料表面に対する面積割合を管理することで試料の温度を管理するものであるから、試料を第1の温度と第2の温度とに簡易に調節することができる環境試験装置が実現される。
請求項12の発明によれば、試料の表面に形成される水膜が0.5〜5.0μmの範囲内の厚みを有する結果、試料の表面に付着している塵埃やそれに含まれる塩分などが水に溶け込んだときの濃度が腐食試験などの環境試験に適したものとなることで腐食試験などの環境試験を効果的に実施することができる環境試験装置が実現される。
請求項13の発明によれば、第2の温度にあった試料を第1の温度に低下させるときに試験室の放熱性能を高める一方、第1の温度にあった試料を第2の温度に上昇させるときに試験室の放熱性能を元の状態に復帰させる放熱性能可変部を備えている結果、短いサイクルで試験室の温度を第1の温度と第2の温度との間で繰り返し変化させることができ、腐食試験などの環境試験を効果的に実施することができる環境試験装置が実現される。
請求項14の発明によれば、放熱性能可変部が、試験室の周囲に設けられた空気流通路と、第2の温度にあった試料を第1の温度に低下させるときに空気流通路内の空気を外部に強制排出する一方、第1の温度にあった試料を第2の温度に上昇させるときに空気流通路内の空気の強制排出を停止する排熱ファンとを備えている結果、短いサイクルで試験室の温度を第1の温度と第2の温度との間で確実に繰り返し変化させることができる結果、腐食試験の試験時間の短縮化を図ることができるなど環境試験を効果的に実施することができる環境試験装置が実現される。
図1は、本発明の一の実施形態に係る試料表面への水膜形成方法が適用される環境試験装置の第1の構成例を概略的に示す図である。すなわち、本発明に係る試料表面への水膜形成方法が適用される第1の構成例の環境試験装置10は、電子部品、電気機器などの試験対象となる試料Sを収納し、この試料Sの表面に加湿水の蒸発により水膜を付着させた状態で試料Sに対する腐食試験などの環境試験を実施する試験室12と、試験室12の空調を行う空調室14とを有する試験槽16を備えており、試験室12と空調室14とを区画する隔壁18の上部に空調室14の空気を試験室12に送り出すための送出口20が形成されると共に、隔壁18の下部に試験室12の空気を空調室14に戻すための返戻口22が形成されることで、試験室12と空調室14とが互いに通風可能な状態とされている。なお、試験室12の前面(図示左方)には、試験室12に対し試料Sを出し入れするための扉部24を備えている。
また、環境試験装置10は、試験室12の空気を加熱するもので、空調室14に配設された室加熱器26と、加湿水28を蒸発させることで試験室12に蒸発水分を供給するもので、空調室14に配設された蒸発加湿皿30と、蒸発加湿皿30に配設されたもので、蒸発加湿皿30に貯留された加湿水28を加熱して蒸発させる水加熱器32と、送出口20及び返戻口22を介して試験室12と空調室14との間で空気を循環させることにより試験室12の温度及び湿度を均一化させるもので、空調室14に配設された送風機34とを備えている。
さらに、環境試験装置10は、試験室12の温度を計測するためのもので、試験室12の送出口20近傍に配設された室温度センサ40と、加湿水28の温度を計測するためのもので、蒸発加湿皿30内の加湿水28中に配設された水温度センサ42と、室加熱器26や水加熱器32などの動作を制御するもので、試験槽16の外部に配設された環境制御部44とを備えている。
ここで、室加熱器26及び水加熱器32は、電気ヒータにより構成されたものであり、送風機34は、ファン付きモータにより構成されたものである。室温度センサ40及び水温度センサ42は、熱電対により構成されたものである。環境制御部44は、演算処理を実行するCPU、処理プログラムやデータなどを記憶するROM、及び、データを一時的に記憶するRAMを備えたマイクロコンピュータなどで構成されたものである。
この環境制御部44には、上述した室加熱器26、水加熱器32、送風機34、室温度センサ40、及び、水温度センサ42がそれぞれ図略のインターフェイス回路を介して接続されると共に、試験条件を設定するための試験条件設定部46、所定の温度算出式や算出式に用いる所定のデータなどを記憶する記憶部48、時間を計測するためのタイマー50、及び、室加熱器26への電力供給のオンオフ動作回数を計測するためのカウンタ52が図略のインターフェイス回路を介して接続されている。なお、室加熱器26は、電力を供給するための図略の電源供給回路に介挿された電子回路などからなる電源スイッチ54を介して環境制御部44に接続されている。
このように、室加熱器26が電源スイッチ54を介して環境制御部44に接続されていることで、電源スイッチ54のオンオフにより室加熱器26に対する電力の供給と供給停止とが交互に繰り返し実行されて試験室12の温度をその露点温度である試験下部温度と、その露点温度よりも所定値だけ高い試験上部温度とに交互に変動させることが可能となり、これにより試料Sの表面に腐食試験などの環境試験に適した所定厚みの水膜を持続的に生成させることが可能となる。
ここで、試験室12の露点温度である試験下部温度は、試料Sの表面に水膜を生成させる温度(水膜生成温度)であり、その露点温度よりも所定値だけ超える試験上部温度は、試料Sの表面に生成された水膜を蒸発により減少させる温度(水膜減少温度)である。勿論、試料Sの表面に生成される水膜は、試験上部温度に達するまでの間においても徐々に蒸発されることはいうまでもない。
すなわち、図2に本発明の特徴部分を概念的に示すように、水加熱器32の動作を制御して試験室12に含まれる蒸発水分が所定量となるようすることで試験室12の露点温度Trが所定値に維持された状態のもと、室加熱器26による加熱により露点温度Trよりも所定値だけ高い温度である試験上部温度Tuとなっている試験室12を、室加熱器26の電力供給を停止させて露点温度Trである試験下部温度Tdにまで低下させる。これにより、試験室12の温度が試験上部温度Tuに達したときに露点温度Trを超える所定の温度にあった試料Sの少なくとも表面温度が露点温度Trまで低下し、試験室12に含まれる蒸発水分により結露が試料Sの表面に生じ水膜が生成される。
この試料Sの表面に生成された水膜は、室加熱器26への電力供給により試験室12の温度が試験下部温度Tdから試験上部温度Tuにまで上昇され、それにより試料Sの温度が上昇することで、徐々に蒸発して減少することになる。そして、水膜が完全に蒸発して消滅するまでに、試験室12の温度を再び試験上部温度Tuから試験下部温度Tdにすることで、試料Sの温度が露点温度Trにまで降下して生じる新たな結露により所定の厚みに水膜が再生される。このように、試験室12の温度を試験下部温度Tdと試験上部温度Tuとに交互に繰り返し変動させることで環境試験に適した所定の水膜を持続的(継続的)に維持することが可能となる。
このため、試料Sの表面に生成される水膜が腐食試験などの環境試験に適した厚みを持続的に維持した状態で腐食試験などの環境試験を実施することができるようにするため、本実施形態では、試験室12の露点温度である試験下部温度、環境試験時間に相当する室加熱器26に対する電力の供給及び供給停止の繰り返し回数などが試験条件設定部46で設定されることになる。
ここで、この第1の構成例では、試験室12が露点温度である試験下部温度Tdになることで試料Sは水膜を生成させる温度である露点温度Trとなるが、この露点温度Trである試料Sの温度を第1の温度という。また、試験室12が試験上部温度Tuになることで試料Sは水膜を減少させる温度である露点温度Trを超える温度となるが、この露点温度Trを超える温度である試料Sの温度を第2の温度という。この第2の温度は、試料Sの熱容量が小さい場合には試験上部温度Tuと同じ温度になることがある。
なお、水膜が付着した状態で腐食試験などの環境試験を実施する場合、水膜の厚みが、例えば、0.5μm〜5.0μmの範囲内(好ましくは、1.0μm程度)にある場合が腐食速度を高めるうえで好ましいことが確認されている。すなわち、水膜の厚みが0.5μm未満であるときは乾燥状態と実質的に等しい状態となって腐食試験に適しないものとなり、5.0μmを超えたときは試料Sに付着している塵埃やそれに含まれる塩分などが水に溶け込んだときの濃度が低くなることで腐食速度が低下することになる。このため、本実施形態では、試料Sの表面に形成される水膜が、例えば、0.5μm〜5.0μmの範囲内の薄水膜となるように、室加熱器26に供給する電力がオンオフ制御される。
図1に戻り、環境制御部44は、上述したように試料Sの表面に環境試験に適した所定の水膜が生成された状態で腐食試験などの環境試験を実施するため、上部温度算出部58、電源遮断制御部60、時間判別部62、室温度判別部64、室温度制御部66、水温度判別部68、水温度制御部70、及び、繰返回数判別部72としての各機能実現部を備えている。
ここで、上部温度算出部58は、記憶部48に記憶されている算出式に基づいて、試験室12に収納されている試料Sの表面に生成された水膜を蒸発させるための試験上部温度Tuを算出するものである。この試験上部温度Tuは、本実施形態では、試験条件設定部46での設定値である試験下部温度Tdに所定値を加算した温度として定義される。すなわち、所定値をCとしたとき、試験上部温度Tuは、Tu=Td+Cの式で表される。この所定値Cは、試料Sの表面に環境試験に適した所定の水膜を持続的に生成するのに好適な値として予め実験的に求められたものである。
電源遮断制御部60は、電源スイッチ54をオンとオフとに交互に切り替える切り替え制御を行うもので、室加熱器26の電力供給期間には電源スイッチ54をオンして通電することで室加熱器26に電力を供給する一方、室加熱器26の電力供給停止期間には電源スイッチ54をオフして通電を停止することで室加熱器26への電力を供給停止する。本実施形態では、電力供給期間は、電源スイッチ54がオンされて試験室12の温度が試験上部温度Tuに達したのち所定時間が経過することで終了するものであり、電力供給停止期間は、電源スイッチ54がオフされて試験室12の温度が試験下部温度Td(露点温度Tr)に達したのち所定時間が経過することで終了するものである。この電力供給期間と電力供給停止期間は、試料Sの表面に環境試験に適した所定の水膜が持続的に生成されるようにそれぞれ実験的に求められたものである。
ここで、電源スイッチ54がオフされることで試験室12の温度が降下して露点温度Trである試験下部温度Tdに達すると、試験室12の温度はその露点温度Trである試験下部温度Tdに維持されることになる。これは、試験室12が加湿水28により所定値の露点温度Trに維持されるようになっていることから、試験室12は室加熱器26による加熱が停止されても露点温度Trである試験下部温度Tdよりも低下することがないことによる。また、試験室12が露点温度Trである試験下部温度Tdに達して試料Sの温度が露点温度Trになると表面に結露が生じる結果、試料Sの温度はその凝縮熱で一旦は僅かに上昇することになるが、すぐに露点温度Trに戻ることになる。
なお、室加熱器26の電力供給期間は、試料Sの熱容量が小さいことから温度追随性に優れている場合などでは、電源スイッチ54がオンされて試験室12の温度が試験上部温度Tuに達することで終了するようにしてもよい。また、室加熱器26の電力供給停止期間は、試料Sの熱容量が小さいことから温度追随性に優れている場合などでは、電源スイッチ54がオフされて試験室12の温度が試験下部温度Tdに達することで終了するようにしてもよい。
時間判別部62は、タイマー50で計測される時間に基づき、環境試験の準備段階における試験室12の室温からの温度上昇時において、電源スイッチ54がオンされて所定時間が経過したか否かを判別する一方、環境試験開始後において、電源スイッチ54がオンされて試験室12の温度が試験上部温度Tuに達したのち所定の維持時間が経過したか否かを判別すると共に、電源スイッチ54がオフされて試験室12の温度が試験下部温度Tdに達したのち所定の維持時間が経過したか否かを判別するものである。
室温度判別部64は、室加熱器26に電力が供給されている場合に、室温度センサ40で検出された試験室12の温度が上部温度算出部58で求めた試験上部温度Tuに達したか否かを判別する一方、室加熱器26に供給されていた電力が供給停止された場合に、室温度センサ40で検出された試験室12の温度が試験条件設定部46で設定された試験下部温度Td(露点温度Tr)に達したか否かを判別するものである。なお、室温度センサ40が熱電対で構成されている場合、室温度センサ40に生成される起電力に基づき判別されることになる。
室温度制御部66は、室加熱器26の電力供給期間に、室温度センサ40で検出された試験室12の温度を制御するもので、上部温度算出部58で求められた試験上部温度Tuとの比較結果に対応して室加熱器26に供給される電力を制御することにより室加熱器26の発熱量を調節し、試験室12が上部温度算出部58で求められた試験上部温度Tuとなるようにするものである。
水温度判別部68は、水温度センサ42で計測した加湿水28の温度が試験室12の露点温度を所定値に維持するための温度に維持されているか否かを判別するものである。本実施形態では、試験室12の露点温度Trを所定値に維持するために必要な加湿水28の温度を露点安定化温度と呼ぶ。すなわち、この露点安定化温度は、試験条件設定部46で設定される露点温度Trに対応して予め実験的に求められており、記憶部48に記憶されている。この露点安定化温度は、加湿水28の貯留された蒸発加湿皿30から試験室12までの距離が比較的長い場合には、蒸発加湿皿30からの蒸発水分の温度が試験室12に達するまでに低下することになることから、その低下する分を見込んだ温度が実験的に求められることになる。
なお、この露点安定化温度は、試験条件設定部46で設定された露点温度Trに基づいて算出式により算出するように構成することも可能である。また、露点温度Trと加湿水28の温度とに実質的に差がないような場合は、加湿水28の温度を露点温度Trになるようにしてもよい。
水温度制御部70は、水加熱器32に供給される電力を制御することにより加湿水28が露点安定化温度になるように調節するものである。このように、加湿水28を露点安定化温度に維持させるのは、次の理由による。すなわち、試料Sの表面に水膜を持続的に生成するために試験室12の温度を試験下部温度Tdと試験上部温度Tuとの間で変動させることになるが、このように試験室12の温度を変動させても試験室12内に存在する蒸発水分量が略一定の安定した状態となるようにして露点温度Trが所定値に維持されるようにすることで、試料Sの表面に環境試験に適した所定の水膜が安定して生成されるようにするためである。
繰返回数判別部72は、室加熱器26への電力の供給及び供給停止の繰り返し回数(電源遮断制御部60により制御される電源スイッチ54のオンオフの繰り返し回数)が試験条件設定部46で設定された値に達したか否かをカウンタ52によるカウント値により判別するものである。すなわち、室加熱器26の電力供給期間及び電力供給停止期間の一周期は略一定の時間となるため、電力の供給及び供給停止の繰り返し回数は実質的に環境試験時間に対応したものとなる。
図3及び図4は、環境試験装置10により試料Sに対する腐食試験などの環境試験を実施する場合の制御動作の一例を概略的に示すフローチャートであり、図5は、その制御動作のタイミングチャートである。ここで、図3は水加熱器32の制御動作を示すものであり、図4は室加熱器26の制御動作を示すものである。これら図3乃至図5を参照し、環境試験装置10により試料Sに対する腐食試験などの環境試験を実施する場合の制御動作について説明する。
なお、環境試験を実施するに先立ち、オペレータにより試験条件設定部46が操作され、試験室12の露点温度Trである試験下部温度Td、試験室12の試験上部温度Tuの1サイクルにおける維持時間ti1、試験室12の試験下部温度Tdの1サイクルにおける維持時間ti2、及び、室加熱器26への電力の供給と供給停止の繰り返し回数Ckが設定され(例えば、Td(Tr)=80℃、ti1=2分、ti2=3分、Ck=6,000回)、その設定完了後に試験開始のための図略のスタートボタンがオンされる。このとき、試験条件設定部46で設定された試験条件が記憶部48に記憶される一方、オペレータにより設定された試験条件設定部46での試験下部温度Tdの設定値に基づいて試験上部温度Tuが上部温度算出部58により算出され、算出された試験上部温度Tuが記憶部48に記憶される。
最初に、図3のフローチャートに示す水加熱器32の制御動作について室加熱器26の制御動作と関連付けて説明する。まず、電源遮断制御部60により電源スイッチ54がオンされることで図略の電力供給回路から室加熱器26に電力が供給される(ステップS1)。この供給電力は、室温度センサ40で検出された温度と試験上部温度Tuとの差異に対応して室温度制御部66により制御される。これにより、空調室14の空気が加熱され、この加熱された空調室14の空気が同時に駆動される送風機34により送出口20を介して試験室12に送り込まれると共に、試験室12の空気が返戻口22を介して空調室14に戻され、試験室12と空調室14の空気が循環することで試験室12の温度が次第に上昇する。なお、試験室12(試験槽16)の温度が上昇することにより、試料S及び加湿水28も循環空気により加熱されて試験室12よりも遅れて温度が上昇することになるが、比熱の大きい加湿水28が最も遅れることになる。
次いで、電源スイッチ54がオンされたのち所定時間tmが経過したか否かが時間判別部62により判別される(ステップS3)。このステップS3での判別が肯定されると、水加熱器32に図略の電力供給回路から電力が供給される(ステップS5)。この供給電力は、水温度センサ42で計測された温度と露点安定化温度Twとの差異に対応して水温度制御部70により制御される。なお、ステップS3での判別が否定されると、ステップS1に移行し判別が肯定されるまでステップS1とステップS3の動作が繰り返し実行される。このように水加熱器32を室加熱器26よりも所定時間tmだけ遅れて駆動させるのは次の理由による。
すなわち、水加熱器32を室加熱器26と略同時に駆動させると、試験室12の湿度が急速に上昇し、それに応じて露点温度Trも上昇することになる。ところが、試料Sの温度は露点温度Trの上昇に追随できずに露点温度Trよりも低い状態となるため、腐食試験などの環境試験の開始前から試料Sの表面に水滴が付着して濡れた状態となる。
このように、環境試験の開始前である試験室12の温度が上昇過程にある段階で試料Sの表面が濡れた状態となることは環境試験を実施する上で好ましいことでない場合がある。そこで、水加熱器32を室加熱器26よりも所定時間tmだけ遅れて駆動させることで露点温度Trが試料Sの少なくとも表面温度よりも低くなるようにし、環境試験の開始前の試験室12の温度が上昇過程にある段階で試料Sの表面に水滴が付着しないようにする。
水加熱器32の駆動開始のための所定時間tmは、水加熱器32に電力を供給して駆動させても環境試験の開始前には試料Sの表面に多量の水滴が付着しないような値として予め実験的に求められており、記憶部48に記憶されている。なお、水加熱器32の駆動開始のための所定時間tmの設定は、試験目的によっては必要でない場合もある。このような場合は、水加熱器32と室加熱器26とを最初から同時に駆動させるようにすればよい。
次いで、水温度センサ42で検出された加湿水28の温度が露点安定化温度Twに達したか否かが水温度判別部68により判別される(ステップS7)。このステップS7での判別が肯定されると、設定された電力の供給及び供給停止の繰り返し回数Ckに達するまでの間、水温度制御部70による水加熱器32への供給電力の制御により、加湿水28の温度が露点安定化温度Twに維持される(ステップS9)。なお、ステップS7での判別が否定されると、ステップS5に移行し判別が肯定されるまでステップS5とステップS7の動作が繰り返し実行される。
このように、加湿水28を露点安定化温度Twに維持するのは、上述したように、試験室12の温度が変動しても試験室12内に存在する蒸発水分量を安定化させて露点温度の変動を抑制することで、試料Sの表面に所定厚みの水膜が安定した状態で生成されるようにするためである。すなわち、加湿水28を露点安定化温度Twに維持するように水加熱器32を制御するのではなく、試験室12の相対湿度が一定になるように水加熱器32を制御した場合には、試験室12の温度が変動することで相対湿度が変動して加湿水28の蒸発量が制御され、試験室12内に存在する蒸発水分量が変動して露点温度が変動することになる結果、試料Sの表面に所定厚みの水膜を安定した状態で生成させることが困難となるからである。
次に、図4のフローチャートに示す室加熱器26の制御動作について説明する。まず、電源遮断制御部60により電源スイッチ54がオンされることで図略の電力供給回路から室加熱器26に電力が供給される(ステップS11)。この供給電力は、上述したように、室温度センサ40で検出された温度と試験上部温度Tuとの差異に対応して室温度制御部66により制御され、試験室12と空調室14の空気が循環することで試験室12の温度が次第に上昇する。
次いで、室温度センサ40で検出された試験室12の温度が試験上部温度Tuに達したか否かが室温度判別部64により判別される(ステップS13)。このステップS13での判別が肯定されると、試験条件設定部46で設定された維持時間ti1に達したか否かが時間判別部62により判別される(ステップS15)。このステップS15での判別が肯定されると、電源遮断制御部60により電源スイッチ54がオフされることにより室加熱器26への電力が供給停止される(ステップS17)。これにより、試験上部温度Tuに維持されていた試験室12の温度は、室加熱器26による加熱が停止されることで槽壁を介して外部に自然放熱され、急激に低下する。
なお、ステップS13での判別が否定されると、ステップS11に移行し判別が肯定されるまでステップS11とステップS13の動作が繰り返し実行される。また、ステップS15での判別が否定されると、室加熱器26への電力供給が継続されたままとなり、判別が肯定されるまで試験室12の温度が試験上部温度Tuに維持される。
次いで、試験室12の温度が露点温度Trである試験下部温度Tdに達したか否かが室温度判別部64により判別される(ステップS19)。このステップS19での判別が肯定されると、試験条件設定部46で設定された維持時間ti2に達したか否かが時間判別部62により判別される(ステップS21)。このステップS21での判別が肯定されると、試験条件設定部46で設定された電力の供給及び供給停止の繰り返し回数Ckに達したか否かが繰返回数判別部72により判別される(ステップS23)。このステップS23での判別が肯定されると、環境試験のための制御動作は終了する。
なお、ステップS19での判別が否定されると、ステップS17に戻って電源スイッチ54のオフが継続されて室加熱器26による加熱が停止されたままとなり、判別が肯定されるまでステップS17とステップS19の動作が繰り返し実行される。また、ステップS21での判別が否定されると、維持時間ti2に達するまで待機する。また、ステップS23での判別が否定されると、ステップS1に戻って以降のステップが繰り返し実行される。
このように、この第1の構成例では、試料Sの温度(少なくとも表面温度)は、試料Sの熱容量の関係で試験室12の温度よりも遅延して追従することから、試験室12の温度が試験下部温度Td(露点温度Tr)に達して維持時間ti2が経過したときに水膜が生成される露点温度Trとなるようになっており、試験室12の温度が試験上部温度Tuに達して維持時間ti1が経過した後に試験上部温度Tuよりも低い、露点温度Trを所定値だけ超えた温度となるようになっている。
なお、試料Sの温度(少なくとも表面温度)は、試料Sの熱容量が小さいことなどで温度追従性がよい場合は、試験室12の温度が試験上部温度Tuに達して維持時間ti1が経過したときに試験上部温度Tuと同じ温度となったり、試験室12の温度が試験上部温度Tuに達した段階で試験上部温度Tuと同じ温度となったりすることもあり得る。試験室12の温度が試験上部温度Tuに達した段階で試料Sの温度が試験上部温度Tuと同じ温度となる場合では、維持時間ti1の設定は必ずしも必要としない。
図6は、本発明に係る試料表面への水膜形成方法が適用される環境試験装置の第2の構成例を概略的に示す図である。この第2の構成例に係る環境試験装置10は、環境試験を実施するまでの準備段階における試験室12の温度を試験上部温度Tuよりも高い温度である試験準備温度Tjにまで上昇させるようにしている点、及び、環境試験実施中においては試料Sの温度により試験室12の温度を制御している点で図1に示す第1の構成例のものと相違するものであり、その他の点は第1の構成例のものと同一の構成を有している。このため、図1に示す第1の構成例と同一の構成要素については同一の符号を付すことで説明を省略し、以下では主として第1の構成例との相違点について説明する。なお、環境試験実施中においては試料Sの温度により試験室12の温度を制御するようにしていることから、試験上部温度Tuでの維持時間ti1及び試験下部温度Tdでの維持時間ti2は設定不要としている。
すなわち、第2の構成例に係る環境試験装置10は、試験室12に収納される試料Sに接触させることで試料Sの温度(少なくとも表面温度)を計測する試料温度センサ41を備えたものである。この試料温度センサ41は、本実施形態では、室温度センサ40と同様に熱電対で構成されたものであり、試験室12に収納される試料Sが複数ある場合でも代表となる1の試料Sに接触させるようにしたもので、その出力は環境制御部44に入力されるようになっている。また、室加熱器26や水加熱器32などの動作を制御する環境制御部44には、試験室12に収納されている試料Sの温度が露点温度Trである試験下部温度Tdに達しているか否か、及び、試験上部温度Tuに達しているか否かを判別する試料温度判別部74としての機能実現部を備えている。
ここで、この第2の構成例では、試料Sの温度(少なくとも表面温度)を試料温度センサ41により計測しており、水膜を生成させる露点温度Trである試験下部温度Tdと露点温度Trを超える水膜を減少させる試験上部温度Tuとは共に試料Sの温度であることから、露点温度Trである試験下部温度Tdを第1の温度といい、露点温度Trを超える試験上部温度Tuを第2の温度という。
図7は、この第2の構成例の環境試験装置10により試料Sに対する腐食試験などの環境試験を実施する場合の制御動作を概略的に示すフローチャートであり、図8は、その制御動作のタイミングチャートである。これら図7及び図8を参照し、第2の構成例の環境試験装置10により試料Sに対する腐食試験などの環境試験を実施する場合の制御動作について説明する。なお、水加熱器32の制御動作については、図3のフローチャートに示すものと同様であることから説明を省略する。
この第2の構成例の環境試験装置10では、上述したように試験室12の温度を試験上部温度Tuよりも高い温度である試験準備温度Tjにまで上昇させるようにすることで、試験準備温度Tjに達するまでの温度上昇勾配を大きくすることができ、試験室12の試験準備段階での温度上昇中における試料Sの表面の結露をより確実に阻止することが可能となる。また、試料Sの温度を管理することで試験室12の温度を制御しているため、環境試験実施中の試験上部温度Tuでの維持時間ti1及び試験下部温度Tdでの維持時間ti2の管理が不要となり、で制御動作が簡略化されて制御効率を高めることができる。
なお、環境試験を実施するに先立ち、オペレータにより試験条件設定部46が操作され、試験室12の試験準備温度Tj、試料Sの温度である試験下部温度Td(露点温度Tr)、及び、室加熱器26への電力の供給と供給停止の繰り返し回数Ckが設定され(例えば、Tj=90℃、Td(Tr)=80℃、Ck=6,000回)、その設定完了後に試験開始のための図略のスタートボタンがオンされる。このとき、試験条件設定部46で設定された試験条件が記憶部48に記憶される一方、オペレータにより設定された試験条件設定部46での試験下部温度Tdの設定値に基づいて試験上部温度Tuが上部温度算出部58により算出され、算出された試験上部温度Tuが記憶部48に記憶される。
この制御動作においては、環境制御部44の機能実現部としての室温度判別部64は、試験室12の温度が試験準備温度Tjに達したか否かを判別する。また、環境制御部44の機能実現部としての室温度制御部66は、試験準備段階においては室温度センサ40で検出された試験室12の温度により試験室12の温度を制御することになるが、環境試験実施中においては試料温度センサ41で検出された試料Sの温度により試験室12の温度を制御することになる。
まず、電源遮断制御部60により電源スイッチ54がオンされることで図略の電力供給回路から室加熱器26に電力が供給される(ステップS31)。この供給電力は、室温度センサ40で検出された温度と試験準備温度Tjとの差異に対応して室温度制御部66により制御され、試験室12と空調室14の空気が循環することで試験室12の温度が次第に上昇する。
次いで、室温度センサ40で検出された試験室12の温度が試験準備温度Tjに達したか否かが室温度判別部64により判別される(ステップS33)。このステップS33での判別が肯定されると、予め設定されている所定時間だけ試験準備温度Tjに維持されたのち電源遮断制御部60により電源スイッチ54がオフされることにより室加熱器26への電力が供給停止される(ステップS35)。これにより、試験準備温度Tjに維持されていた試験室12の温度は、槽壁を介して外部に自然放熱され、急激に低下する。なお、ステップS33での判別が否定されると、ステップS31に移行し判別が肯定されるまでステップS31とステップS33の動作が繰り返し実行される。
次いで、試料温度センサ41で検出された試料Sの温度が露点温度Trである試験下部温度Tdに達したか否かが試料温度判別部74により記憶部48に記憶されている値と比較するなどして判別される(ステップS37)。なお、試験室12の温度は、室加熱器26による加熱が停止されて所定時間が経過したときに露点温度Trにまで降下し、その後は先の第1の構成例の場合と同様の理由により露点温度Trに維持されることになるが、試料Sは、その熱容量の関係で試験室12よりも遅れて露点温度Trである試験下部温度Tdに達することになる。
そして、このステップS37での判別が肯定されると、電源遮断制御部60により電源スイッチ54がオンされることにより室加熱器26への電力が図略の電力供給回路から供給される(ステップS39)。これにより、試料温度センサ41で検出された温度と試験上部温度Tuとの差異に対応して室温度制御部66により電力が制御され、試験室12の温度が次第に上昇し、試料Sの温度も上昇する。なお、ステップS37での判別が否定されると、ステップS35に戻って電源スイッチ54のオフが継続されて室加熱器26による加熱が停止されたままとなり、判別が肯定されるまでステップS35とステップS37の動作が繰り返し実行される。
次いで、試料Sの温度が試験上部温度Tuに達したか否かが試料温度判別部74により記憶部48に記憶されている値と比較するなどして判別される(ステップS41)。なお、試料Sの熱容量の関係で、試料Sが試験上部温度Tuに達したときには試験室12の温度は試験上部温度Tuよりも所定値だけ高い温度となる。そして、このステップS41での判別が肯定されると、試験条件設定部46で設定された電力の供給及び供給停止の繰り返し回数Ckに達したか否かが繰返回数判別部72により判別される(ステップS43)。このステップS43での判別が肯定されると、環境試験のための制御動作は終了する。
なお、ステップS41での判別が否定されると、ステップS39に移行し判別が肯定されるまでステップS39とステップS41の動作が繰り返し実行される。また、ステップS43での判別が否定されると、ステップS35に戻って以降のステップが繰り返し実行される。
このように、この第2の構成例では、試料Sの温度(少なくとも表面温度)は試料Sの熱容量の関係で試験室12の温度よりも遅延して追従することから、試料温度センサ41により計測している試料Sの温度が露点温度Trである試験下部温度Tdに達した段階では試験室12の温度は露点温度Trに達してから所定時間が経過した状態となっている。そして、試料温度センサ41により計測している試料Sの温度が試験上部温度Tuに達した段階では試験室12の温度は試験上部温度Tuを超えた高い温度となっている。
ここで、試験室12の温度は、試料Sの熱容量が小さいことなどで温度追従性がよい場合では、試料Sの温度(少なくとも表面温度)が露点温度Trである試験下部温度Tdに達した段階で露点温度Trに達したり、試料Sの温度(少なくとも表面温度)が試験上部温度Tuに達した段階で試験上部温度Tuと同じ温度に達したりすることもあり得る。
図9は、本発明に係る試料表面への水膜形成方法が適用される環境試験装置の第3の構成例を概略的に示す図である。この第3の構成例に係る環境試験装置10は、試験室12を試験上部温度Tuから露点温度Trである試験下部温度Tdへ急速に降下させ得るようにした構成を有する点で図1に示す第1の構成例のものと相違するものであり、その他の点は第1の構成例のものと同一の構成を有している。このため、図1に示す第1の構成例と同一の構成要素については同一の符号を付すことで説明を省略し、以下では主として第1の構成例との相違点について説明する。
すなわち、第3の構成例に係る環境試験装置10は、試験室12が、試験室12の前面の扉部24、底部25及び空調室14を除く外周に空気流通路82を備えると共に、この空気流通路82内の空気を外部に排出するための排熱ファン84を備えたものである。この空気流通路82は、試験室12を構成する槽壁86と所定の空間をおいて対向配置された外壁88とから構成され、この空気流通路82を構成する外壁88の上部に形成された切り欠き窓90に排熱ファン84が配設されたものである。この排熱ファン84は、モータ92により回転駆動される。また、空気流通路82を構成する外壁88に形成された切り欠き窓94に、排熱ファン84が回転駆動されたときの負圧により空気流通路82の内方に引き寄せられて外部に連通することで空気流通路82に空気の流れを形成する常閉弁96が配設されている。
また、室加熱器26や水加熱器32などの動作を制御する環境制御部44には、電源スイッチ54がオンであるかオフであるかを判別するスイッチ判別部98、及び、電源スイッチ54がオフされることで環境試験実施中における室加熱器26への電力供給が停止されたときに排熱ファン84を回転駆動させる一方、電源スイッチ54がオンされることで室加熱器26への電力供給が開始されたときに排熱ファン84を回転停止させるようにモータ92を駆動制御するモータ駆動制御部100としての機能実現部を備えている。
このように構成された第3の構成例における環境試験装置10では、室加熱器26への電力供給を停止することで試験室12の温度を試験上部温度Tuから露点温度Trである試験下部温度Tdに低下させるとき(スイッチ判別部98により電源スイッチ54がオフされたと判別されたとき)、モータ駆動制御部100の制御動作により排熱ファン84が回転駆動されることで空気流通路82に空気の流れが形成されて試験室12が強制空冷され、試験室12の温度が試験下部温度Tdに速やかに降下することになる。
また、室加熱器26への電力供給を開始することで試験室12の温度を試験下部温度Tdから試験上部温度Tuに上昇させるとき(スイッチ判別部98により電源スイッチ54がオンされたと判別されたとき)、モータ駆動制御部100の制御動作により排熱ファン84の回転駆動が停止されることで空気流通路82における強制空冷のための空気の流れが停止されて試験室12の温度は速やかに試験上部温度Tuまで上昇することになる。この結果、短いサイクルで試験室12の温度を試験下部温度Tdと試験上部温度Tuとの間で繰り返し変化させることができ、腐食試験などの環境試験を効果的に実施することが可能となる。
また、短いサイクルで試験室12の温度を試験下部温度Tdと試験上部温度Tuとの間で繰り返し変化させることができることから、試験下部温度Tdと試験上部温度Tuとの繰り返し回数で環境試験を管理するような場合には、試験時間の短縮化を図ることができる。
なお、図9に示す第3の構成例に係る環境試験装置10において、空気流通路82及び排熱ファン84は、試験室12の温度を試験上部温度Tuから試験下部温度Tdにまで低下させるときに試験室12の放熱性能を高める一方、試験室12の温度を試験下部温度Tdから試験上部温度Tuに上昇させるときに試験室12の放熱性能を元の状態に復帰させる放熱性能可変部を構成することになる。この放熱性能可変部の空気流通路82の一部となる槽壁86に金属やセラミックなどの熱伝導性に優れた材料を用いるようにすると、試験室12の温度を試験上部温度Tuから試験下部温度Tdに低下させるときに試験室12の放熱性能をより効果的に高めることができる。
図10は、本発明に係る試料表面への水膜形成方法が適用される環境試験装置の第4の構成例を概略的に示す図である。この第4の構成例に係る環境試験装置10は、試験室12に供給する蒸発水分を試験槽16の外部から供給するようにした構成を有する点で図1に示す第1の構成例のものと相違するものであり、その他の点は第1の構成例のものと同一の構成を有している。このため、図1に示す第1の構成例と同一の構成要素については同一の符号を付すことで説明を省略し、以下では主として第1の構成例との相違点について説明する。
すなわち、第4の構成例に係る環境試験装置10は、第1の構成例に係る蒸発加湿皿30に相当するもので、加湿水28を貯留する貯水槽102が試験槽16の外部に配設される。そして、試験槽16と貯水槽102は、空調室14の空気を貯水槽102内に送り込むための給送配管104と、加湿水28から生成した蒸発水分を空調室14に供給する蒸気配管106とで接続されている。また、給送配管104は、途中に空調室14の空気を貯水槽102に送り込む給送ポンプ108を備えている。なお、水加熱器32は貯水槽102内の底面に配設され、水温度センサ42は貯水槽102内に配設されている。
また、室加熱器26や水加熱器32などの動作を制御する環境制御部44には、環境試験装置10の稼動を開始するための図略のスタートボタンがオンされたことに応じて給送ポンプ108を駆動させるポンプ制御部110としての機能実現部を備えている。なお、加湿水28は、第1の構成例などと同様に、水温度センサ42の検出値に基づいて制御される加熱器32で加熱されることにより、試験室12の露点温度Trを所定値に維持するために必要な露点安定化温度に維持されている。
このように構成された第4の構成例における環境試験装置10では、環境試験装置10の稼動を開始するための図略のスタートボタンがオンされたことに応じて給送ポンプ108に対するポンプ制御部110による制御動作が開始されて空調室14の空気が貯水槽102内に送り込まれる。また、貯水槽102に貯留されている加湿水28は水加熱器32で加熱されて温度上昇する。それ以降は第1の構成例のものと同様の制御動作が実行され、腐食試験などの環境試験が実施される。
なお、この第4の構成例における貯水槽102を用いる構成では、空調室14の空気を貯水槽102の上部空間に送り込むようにしているが、空調室14の空気を貯水槽102の露点安定化温度に維持された加湿水28中に送り込むバブリング方式を採用した構成とすることもできる。また、これらの貯水槽102を用いる構成は、図6に示す第2の構成例や図9に示す第3の構成例の環境試験装置10にも適用することが可能である。
以上のように、本発明に係る試料表面への水膜形成方法及び環境試験装置10によれば、試験室12に含まれる蒸発水分が所定量となるようにすることで試験室12の露点温度を所定値に維持する一方、室加熱器26への電力の供給と供給停止とが交互に繰り返し実行されることで、試験室12の温度又は試料Sの温度が露点温度Trである試験下部温度Tdと露点温度Trを所定値だけ超えた温度である試験上部温度Tuとに交互に繰り返し変動されることにより、試料Sの表面に環境試験に適した所定の水膜が持続的に生成される。
このように、本発明によれば、従来例のように試料Sを冷却装置により局部的に冷却するのではなく、試験室12の温度の上昇及び降下の繰り返しにより試料Sの温度を変動させるようにしたことから、試料Sの外観形状の影響を受けることなく試料表面に環境試験に適した所定の水膜を形成することができる。また、試料Sの少なくとも表面温度が変動されればよいので試料Sのサイズが大きいような場合でも試料Sの温度を短いサイクルで変動させることができ、試験下部温度Tdと試験上部温度Tuとの繰り返し回数で環境試験を管理するような場合に、試験時間の短縮化を促進することができる。
また、試料Sを露点温度Trにまで冷却するための冷却装置が不要となることから、環境試験装置10の組み立てを簡素化することができ、組み立てコストを効果的に抑制することができる。さらに、試料Sを露点温度Trにまで冷却するのに室加熱器26への電力が供給停止されるようにすることで、不要な電力消費を効果的に抑制することができる。
なお、本発明に係る試料表面への水膜形成方法及び環境試験装置10は、上記実施形態のように構成されるものであるが、これらの実施形態のものに限るものではない。例えば、以下に述べるような種々の変形態様を必要に応じて採用することができる。
(1)上記実施形態では、試験室12の温度又は試料Sの温度を試験下部温度Tdと試験上部温度Tuとに交互に繰り返し変動させるにあたり、電源スイッチ54のオンによる室加熱器26への通電(電力の供給)と、電源スイッチ54のオフによる室加熱器26への通電の停止(電力の供給停止)とにより行うようにしているが、これに限るものではない。例えば、試験室12の温度又は試料Sの温度を試験下部温度Tdにするのに、室加熱器26への通電を完全に停止しないで微小の電力を供給した状態としてもよい。
本発明では、このように微小の電力を供給する場合であっても、試験室12の温度又は試料Sの温度が試験下部温度Tdに降下するものである限り、室加熱器26への通電の停止(電力の供給停止)という概念に含まれるものとする。なお、電源スイッチ54のオンによる室加熱器26への通電(電力の供給)、及び、電源スイッチ54のオフによる室加熱器26への通電の停止(電力の供給停止)は、通常はいずれも秒単位あるいは分単位で制御されるものである。
(2)上記実施形態では、図4及び図5に示す第1の構成例における制御動作例において、環境試験を実施するまでの準備段階における試験室12の温度を最初から試験上部温度Tuにまで上昇させるようにしているが、これに限るものではない。例えば、図7及び図8に示す第2の構成例における制御動作例のように、環境試験を実施するまでの準備段階における試験室12の温度を試験上部温度Tuよりも高い温度である試験準備温度Tjにまで上昇させるようにしてもよい。
また、図4及び図5に示す第1の構成例における制御動作例において、試験室12の温度を試料Sの温度が露点温度Trに達するまでの維持時間ti2だけ試験下部温度Tdに維持するようにしているが、これに限るものではない。例えば、試料Sの温度が露点温度Trに達した後の所定時間だけ試験下部温度Tdに維持されるように維持時間ti2を長く設定するようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、図4及び図5に示す第1の構成例における制御動作例において、試験室12の温度である試験上部温度Tuの1サイクルにおける維持時間ti1を設定するようにしているが、これに限るものではない。例えば、試験上部温度Tuが、その試験上部温度Tuに達した段階で試料Sの表面に生成されている水膜が蒸発により所定の薄さになるような高めの値に設定されている場合には、その試験上部温度Tuに達した段階で電源スイッチ54をオフして室加熱器26への電力を供給停止するようにしてもよい。
このように試験室12が試験上部温度Tuに達した段階で電源スイッチ54をオフする場合、室温度センサ40により試験上部温度Tuを管理する方式に代え、試験上部温度Tuの値に対応して予め実験的に求めた電力供給時間(電源スイッチ54のオン時間)により試験上部温度Tuを間接的に管理する方式とすることもできる。この場合、予め実験的に求めた時間だけ室加熱器26に電力を供給することで試験室12は試験上部温度Tuに達することになる。
また、図4及び図5に示す第1の構成例における制御動作例において、試験室12の温度である試験下部温度Tdについて室温度センサ40により管理する方式としているが、試験下部温度Tdの値に対応して予め実験的に求めた電力の供給停止時間(電源スイッチ54のオフ時間)により試験下部温度Tdを間接的に管理する方式とすることもできる。この場合、予め実験的に求めた時間だけ室加熱器26への電力を供給停止することで試験室12は試験下部温度Tdにまで降下することになる。これらの電力供給時間及び電力の供給停止時間は、タイマー50により管理することができる。
すなわち、室加熱器26へ通電してから所定時間が経過したときに室加熱器26への通電を停止して試験室12の温度を降下させ、室加熱器26への通電を停止してから所定時間が経過したときに室加熱器26へ通電して試験室12の温度を上昇させるようにすることができる。なお、図7及び図8に示す第2の構成例における制御動作例においても、タイマー50による電力供給時間と電力の供給停止時間の管理による制御動作をさせることができる。いずれの場合も、試料Sのサイズや個数などの全体容量に応じて、タイマー50の設定時間を可変できるようにしておくことが望ましい。
(4)上記実施形態では、図7及び図8に示す第2の構成例における制御動作例において、環境試験を実施するまでの準備段階における試験室12の温度を試験上部温度Tuよりも高い温度である試験準備温度Tjにまで上昇させるようにしているが、これに限るものではない。例えば、環境試験を実施するまでの準備段階における試験室12の温度を室温度センサ40で管理し、図4及び図5に示す第1の構成例と同様に、試験上部温度Tuにまで上昇させる構成とすることもできる。また、環境試験を実施するまでの準備段階における試験室12の温度を試料温度センサ41で管理し、試料Sの温度を試験上部温度Tuにまで上昇させるようにしてもよい。
また、図7及び図8に示す第2の構成例における制御動作例において、環境試験実施中においては試料Sの温度が試験上部温度Tuに達した段階で電源スイッチ54をオフして室加熱器26への電力を供給停止するようにしているが、これに限るものではない。例えば、試料Sの温度である試験上部温度Tuが、その試験上部温度Tuに達した段階では試料Sの表面に生成されている水膜が所定の薄さにならないような低めの値に設定されている場合などでは、その試験上部温度Tuに達した段階からその試験上部温度Tuに所定時間だけ維持させるようにしてもよい。
また、図7及び図8に示す第2の構成例における制御動作例において、試料Sの温度が露点温度Trである試験下部温度Tdに達した段階で電源スイッチ54をオンして室加熱器26へ電力供給するようにしているが、これに限るものではない。例えば、試料Sの温度が露点温度Trである試験下部温度Tdに達した後にその試験下部温度Tdに所定時間だけ維持させるようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、試験室12又は試料Sの温度が試験下部温度Td及び試験上部温度Tuに達したか否かをそれぞれ判別して試料Sの表面に生成される水膜を管理するようにしているが、これに限るものではない。例えば、試験室12に試料Sの表面状態を撮像するCCDなどの撮像素子(カメラ)を設けておき、この撮像素子により試料Sの表面の水膜の生成状態を管理することで室加熱器26の動作を制御するようにすることもできる。
すなわち、室加熱器26へ通電することで試験室12の温度が上昇して試料Sの表面に生成されている水膜の試料表面(撮像素子と対向する面)に対する面積割合が予め定めた所定値にまで減少したときに室加熱器26への通電を停止して試験室12の温度を降下させることで試料Sを露点温度Trにし、その面積割合が予め定めた所定値にまで増大したときに室加熱器26へ通電して試験室12の温度を上昇させることで試料Sを露点温度Trよりも所定値だけ超えた温度にすることができる。
このように撮像素子により試料Sの表面の水膜の生成状態を管理するにあたっては、環境制御部44に、試料Sの撮像素子に対向する面の表面積を求める表面積算出部、試料Sの撮像素子に対向する面に生成されている水膜の面積を求める水膜面積算出部、これら求めた試料Sの表面積と水膜の面積とから水膜の試料表面に対する面積割合を求める面積割合算出部、水膜の試料表面に対する面積割合を基準値と比較判別する比較判別部などの機能実現部を備えるようにしておけばよい。
そして、試料Sの温度が露点温度Trになったときに生成される水膜の試料表面に対する面積割合と、試料Sの温度が露点温度Trを所定値だけ超えた温度になったときに生成される水膜の試料表面に対する面積割合とを水膜の厚みと対応させるなどして予め実験的に求めておき、この求めておいた面積割合に基づいて比較判別部で判別するようにすればよい。このようにCCDなどの撮像素子により水膜の生成状態を管理するようにすると、試料Sの表面に環境試験に適した所定の水膜を確実に生成させた状態で腐食試験などの環境試験を実施することができる。
なお、CCDなどの撮像素子に代え、試料Sの表面に一対のくし歯形状の電極を各くし歯が互いに相手方のくし歯の間に配置されるように形成しておき、この一対のくし歯形状の電極間の電気抵抗や静電容量などの電気的特性を計測することで水膜の生成状態を管理するようにしてもよい。また、CCDなどの撮像素子に代え、発光素子と受光素子とからなる光学素子を試料Sの表面に近接して配設しておき、光の反射割合を検出することで水膜の生成状態を管理するようにすることもできる。これら撮像素子、くし歯形状の電極、光学素子などは、水膜生成状態検出部を構成することになる。
(6)上記実施形態では、室加熱器26への電力の供給及び供給停止の繰り返し回数Ckにより環境試験を実施するようにしているが、これに限るものではない。例えば、試験開始時刻から試験終了時刻までの全経過時間を管理することで環境試験を実施することもできる。
(7)上記実施形態では、加湿水28を加熱する水加熱器32への供給電力を制御することにより試験室12に含まれる蒸発水分が所定量となるようにするにあたって、設定された露点温度Trに基づいて加湿水28の温度を露点安定化温度Twに維持する加湿水温度制御を採用しているが、これに限るものではない。例えば、加湿水温度制御に代えて露点温度制御などの他の制御方法を採用することもできる。この露点温度制御とは、試験室12の露点温度を実際に計測し、その計測値に対応して水加熱器32への供給電力を制御するものである。なお、試験室12の露点温度は、露点計により計測してもよいし、試験室12の温度と湿度とから演算により求めるようにしてもよい。
(8)上記実施形態では、試験室12に対して互いに通風可能な空調室14を備えているが、これに限るものではない。例えば、試験室12と空調室14とを区画している隔壁18を取り除いて全体を試験室12とすることも可能である。この場合、室加熱器26、蒸発加湿皿30、及び、送風機34を試験室12の適宜の個所に配設すればよい。また、空調室14を試験室12とは独立した別体として構成し、試験室12と通風筒などを介して通風可能に接続するようにしてもよい。
(9)上記実施形態では、図9に示す第3の構成例で、放熱性能可変部が、試験室12の周囲に設けられた空気流通路82と、この空気流通路82内の空気を外部に排出するためのもので、試験室12を試験上部温度Tuから試験下部温度Tdに低下させるときに回転駆動させ、試験室12を試験下部温度Tdから試験上部温度Tuに上昇させるときに回転停止させる排熱ファン84とを含んで構成されているが、これに限るものではない。
例えば、試験室12の壁部を金属やセラミックなどの熱伝導性に優れた材料で構成すると共に、この壁部に向けて送風する空冷ファンを設けておき、試験室12を試験上部温度Tuから試験下部温度Tdに低下させるときに空冷ファンを回転駆動させることで試験室12を強制空冷し、これにより試験室12の放熱性能を高める一方、試験室12を試験下部温度Tdから試験上部温度Tuに上昇させるときに空冷ファンを回転停止させ、これにより試験室12の放熱性能を元の状態に復帰させるようにすることもできる。この場合、試験室12の熱伝導性に優れた壁部と空冷ファンとを含んで放熱性能可変部が構成されることになる。
また、壁部に向けて送風する空冷ファンを設ける代わりに壁部にペルチェ素子などの半導体冷却素子を貼り付けておき、試験室12を試験上部温度Tuから試験下部温度Tdに低下させるときに半導体冷却素子を作動させることで試験室12を強制空冷し、これにより試験室12の放熱性能を高める一方、試験室12を試験下部温度Tdから試験上部温度Tuに上昇させるときに半導体冷却素子の作動を停止させ、これにより試験室12の放熱性能を元の状態に復帰させるようにすることもできる。この場合、試験室12の熱伝導性に優れた壁部と半導体冷却素子とを含んで放熱性能可変部が構成されることになる。
なお、先の第1の構成例乃至第4の構成例の環境試験装置の試験室12は、内部の温度を高温にする必要があることから基本的には保温性能(断熱性能)に優れた構成を有しているものではあるが、室加熱器26への通電を停止したときには槽壁を介しての外部への自然放熱により試験室12の内部の温度が所定の速度で降下する構成となっていることが望ましいので、本発明に係る環境試験装置の試験室12は所定の冷却機能を有した槽壁構造を有しているものということもできる。
(10)上記実施形態では、試験室12が空気(気体)で満たされたものであるが、これに限るものではない。例えば、試験室12を窒素などの不活性ガス(気体)で満たすようにすることもできる。この場合、不活性ガスを循環させることで試験室12の温度及び湿度を均一化させることができる。
本発明の一の実施形態に係る試料表面への水膜形成方法が適用される環境試験装置の第1の構成例を概略的に示す図である。 試験室の温度変化を説明するためのタイミングチャートである。 環境試験装置の制御動作を説明するためのフローチャートである。 環境試験装置の制御動作を説明するためのフローチャートである。 環境試験装置の制御動作を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の一の実施形態に係る試料表面への水膜形成方法が適用される環境試験装置の第2の構成例を概略的に示す図である。 環境試験装置の別の制御動作を説明するためのフローチャートである。 環境試験装置の別の制御動作を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の一の実施形態に係る試料表面への水膜形成方法が適用される環境試験装置の第3の構成例を概略的に示す図である。 本発明の一の実施形態に係る試料表面への水膜形成方法が適用される環境試験装置の第4の構成例を概略的に示す図である。
符号の説明
10 環境試験装置
12 試験室
14 空調室
16 試験槽
26 室加熱器
28 加湿水
32 水加熱器
66 室温度制御部
70 水温度制御部
82 空気流通路(放熱性能可変部)
84 排熱ファン(放熱性能可変部)
S 試料
Tr 露点温度
Td 試験下部温度
Tu 試験上部温度

Claims (14)

  1. 試験室に収納した試料の表面に加湿水の蒸発により水膜を付着させた状態で環境試験を実施する環境試験装置における試料表面への水膜形成方法であって、前記加湿水を加熱する水加熱器への供給電力を制御することにより前記試験室に含まれる蒸発水分が所定量となるようにすることで前記試験室の露点温度を所定値に維持する一方、
    前記試験室を加熱する室加熱器への通電を停止することにより前記露点温度を超える温度にあった試料を前記露点温度である第1の温度に低下させることで表面に水膜を生成させ、前記室加熱器へ通電することにより前記露点温度である第1の温度にあった試料を前記露点温度を超える第2の温度に上昇させることで前記表面の水膜を減少させ、前記室加熱器への通電と通電の停止とを交互に繰り返すことで前記表面に所定の水膜を持続させることを特徴とする環境試験装置における試料表面への水膜形成方法。
  2. 前記室加熱器へ通電することで前記試験室が前記第2の温度以上の所定温度に達したときに前記室加熱器への通電を停止して前記試験室を前記露点温度にまで降下させることで試料を前記第1の温度にし、前記試験室が前記露点温度に達したのちに前記室加熱器へ通電して前記試験室を前記第2の温度以上の所定温度にまで上昇させることで試料を前記第2の温度にすることを特徴とする請求項1記載の環境試験装置における試料表面への水膜形成方法。
  3. 前記室加熱器へ通電することで前記試験室の温度が上昇して試料が前記第2の温度に達したときに前記室加熱器への通電を停止して前記試験室の温度を降下させることで試料を前記第1の温度にし、試料が前記第1の温度に達したのちに前記室加熱器へ通電して前記試験室の温度を上昇させることで試料を前記第2の温度にすることを特徴とする請求項1記載の環境試験装置における試料表面への水膜形成方法。
  4. 前記室加熱器へ通電してから所定時間が経過したときに前記室加熱器への通電を停止して前記試験室の温度を降下させることで試料を前記第1の温度にし、前記室加熱器への通電を停止してから所定時間が経過したときに前記室加熱器へ通電して前記試験室の温度を上昇させることで試料を前記第2の温度にすることを特徴とする請求項1記載の環境試験装置における試料表面への水膜形成方法。
  5. 前記室加熱器へ通電することで前記試験室の温度が上昇して試料の表面に生成されている水膜の試料表面に対する面積割合が前記第1の温度のときよりも小さい所定値にまで減少したときに前記室加熱器への通電を停止して前記試験室の温度を降下させることで試料を前記第1の温度にし、前記面積割合が前記第2の温度のときよりも大きい所定値にまで増大したときに前記室加熱器へ通電して前記試験室の温度を上昇させることで試料を前記第2の温度にすることを特徴とする請求項1記載の環境試験装置における試料表面への水膜形成方法。
  6. 前記第1の温度及び前記第2の温度は、前記水膜が0.5〜5.0μmの範囲内の厚みに維持されるように設定されるものであることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の環境試験装置における試料表面への水膜形成方法。
  7. 試験室に収納した試料の表面に加湿水の蒸発により水膜を付着させた状態で環境試験を実施する環境試験装置であって、前記加湿水を加熱する水加熱器と、前記試験室を加熱する室加熱器と、前記水加熱器への供給電力を制御することにより前記試験室に含まれる蒸発水分が所定量となるようにすることで前記試験室の露点温度を所定値に維持する水温度制御部と、前記室加熱器への通電を停止することにより前記露点温度を超える温度にあった試料を前記露点温度である第1の温度に低下させることで表面に水膜を生成させ、前記室加熱器へ通電することにより前記露点温度である第1の温度にあった試料を前記露点温度を超える第2の温度に上昇させることで前記表面の水膜を減少させ、前記室加熱器への通電と通電の停止とを交互に繰り返すことで前記表面に所定の水膜を持続させる室温度制御部とを備えたことを特徴とする環境試験装置。
  8. 前記室温度制御部は、前記室加熱器へ通電することで前記試験室が前記第2の温度以上の所定温度に達したときに前記室加熱器への通電を停止して前記試験室を前記露点温度にまで降下させることで試料を前記第1の温度にし、前記試験室が前記露点温度に達したのちに前記室加熱器へ通電して前記試験室を前記第2の温度以上の所定温度にまで上昇させることで試料を前記第2の温度にするものであることを特徴とする請求項7記載の環境試験装置。
  9. 前記室温度制御部は、前記室加熱器へ通電することで前記試験室の温度が上昇して試料が前記第2の温度に達したときに前記室加熱器への通電を停止して前記試験室の温度を降下させることで試料を前記第1の温度にし、試料が前記第1の温度に達したのちに前記室加熱器へ通電して前記試験室の温度を上昇させることで試料を前記第2の温度にするものであることを特徴とする請求項7記載の環境試験装置。
  10. 前記室温度制御部は、前記室加熱器へ通電してから所定時間が経過したときに前記室加熱器への通電を停止して前記試験室の温度を降下させることで試料を前記第1の温度にし、前記室加熱器への通電を停止してから所定時間が経過したときに前記室加熱器へ通電して前記試験室の温度を上昇させることで試料を前記第2の温度にするものであることを特徴とする請求項7記載の環境試験装置。
  11. 前記室温度制御部は、前記室加熱器へ通電することで前記試験室の温度が上昇して試料の表面に生成されている水膜の試料表面に対する面積割合が前記第1の温度のときよりも小さい所定値にまで減少したときに前記室加熱器への通電を停止して前記試験室の温度を降下させることで試料を前記第1の温度にし、前記面積割合が前記第2の温度のときよりも大きい所定値にまで増大したときに前記室加熱器へ通電して前記試験室の温度を上昇させることで試料を前記第2の温度にするものであることを特徴とする請求項7記載の環境試験装置。
  12. 前記第1の温度及び前記第2の温度は、前記水膜が0.5〜5.0μmの範囲内の厚みに維持されるように設定されるものであることを特徴とする請求項7乃至11の何れかに記載の環境試験装置。
  13. 前記試験室は、前記第2の温度にあった試料を前記第1の温度に低下させるときに当該試験室の放熱性能を高める一方、前記第1の温度にあった試料を前記第2の温度に上昇させるときに当該試験室の放熱性能を元の状態に復帰させる放熱性能可変部を備えていることを特徴とする請求項7乃至12の何れかに記載の環境試験装置。
  14. 前記放熱性能可変部は、前記試験室の周囲に設けられた空気流通路と、前記第2の温度にあった試料を前記第1の温度に低下させるときに回転駆動させることで前記空気流通路内の空気を外部に強制排出する一方、前記第1の温度にあった試料を前記第2の温度に上昇させるときに回転停止させることで前記空気流通路内の空気の強制排出を停止する排熱ファンとを備えたものであることを特徴とする請求項13記載の環境試験装置。
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