JP2009293730A - ころ軸受 - Google Patents

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    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
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    • F16C33/46Cages for rollers or needles
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Abstract

【課題】保持器の構造を変更することなく、インロー接合の合わせ目に段差が生じてもインロー凸部や鍔を損傷する恐れの少ないころ軸受を提供する。
【解決手段】内外の軌道面4,5間に介在された複数のころ6と、2つの環状部品7,8を軸方向に組み合わせて複数のポケットが形成された保持器9と、円筒状の保持器案内面10が形成された鍔12とを有し、環状部品7の柱部を、相手側の環状部品8の環状部に対して軸方向にインロー接合し、インロー接合で形成された保持器9の円環部9aと保持器案内面10とで保持器9が径方向に案内されるようにしたころ軸受において、鍔12に、保持器案内面10から凹んだ肉盗み部22を潤滑剤が溜まる深さで形成し、肉盗み部22を、保持器9の円環部に露出するインロー接合の合わせ目21が軸受運転中に該肉盗み部22から軸方向に外れた部分を通過しない範囲に形成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、複数のころの円周方向間隔を保つ環状の保持器を備えたころ軸受に関する。
この種のころ軸受として、内外の軌道面間に介在された複数のころと、2つの環状部品を軸方向に組み合わせて複数のポケットが形成された保持器と、円筒状の保持器案内面が形成された鍔とを有し、前記環状部品の柱部を、相手側の前記環状部品の環状部に対して軸方向にインロー接合し、前記インロー接合で形成された保持器の円環部と前記保持器案内面とで保持器が径方向に案内されるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1 図5参照)。
インロー接合は、各柱部に形成されたインロー凸部と環状部品の環状部径面に形成されたインロー凹部とを嵌合するようになっている。これにより、2つの環状部品間の径方向の位置決めがなされている。
上記ころ軸受は、インロー凸部とインロー凹部の製造誤差、2つの環状部品の組み合わせ時の組立誤差などにより、インロー接合の合わせ面に径方向の段差を生じる可能性がある。段差を生じた状態で軸受運転が行われると、インロー凸部の縁部が鍔の保持器案内面に接触し、インロー凸部や保持器案内面を損傷する恐れがある。
前掲の特許文献1に開示されたころ軸受は、保持器の円環部にインロー接合の合わせ目が生じない嵌合構造とし、保持器案内面を形成した鍔部と合わせ目が接触することのない構成を採用している。
また、特許文献2に開示されたころ軸受は、インロー接合を止め、転動体案内方式を採用している。
特開2002−013536号公報 特開2002−155952号公報
しかし、特許文献1に開示されたころ軸受は、保持器の構造を変更する必要があり、従来の保持器を転用できない。特許文献2に開示された軸受のように、インロー接合を無くすと、2つの環状部品を径方向に相対的に位置決めすることができず、両環状部品の結合作業を行ない難くなってしまう。
そこで、この発明の課題は、保持器の構造を変更することなく、インロー接合の合わせ目に段差が生じてもインロー凸部や鍔を損傷する恐れの少ないころ軸受を提供することにある。
上記課題を解決するために、この発明は、内外の軌道面間に介在された複数のころと、2つの環状部品を軸方向に組み合わせて複数のポケットが形成された保持器と、円筒状の保持器案内面が形成された鍔とを有し、前記環状部品の柱部を、相手側の前記環状部品の環状部に対して軸方向にインロー接合し、前記インロー接合で形成された保持器の円環部と前記保持器案内面とで保持器が径方向に案内されるようにしたころ軸受において、前記鍔に、前記保持器案内面から凹んだ肉盗み部を潤滑剤が溜まる深さで形成し、前記肉盗み部を、前記保持器の円環部に露出するインロー接合の合わせ目が軸受運転中に該肉盗み部から軸方向に外れた部分を通過しない範囲に設けたのである。
上記の構成によれば、インロー接合の合わせ目は、軸受運転中に肉盗み部から軸方向に外れた部分を通過しない。このため、インロー接合の合わせ目に生じた段差と保持器案内面とが接触し得る範囲は、肉盗み部と同じ円周上に限定される。その肉盗み部に潤滑剤が溜められるため、肉盗み部と同じ円周上に潤滑膜が形成され易くなる。このため、段差と鍔とが同一円周上で接触しても、潤滑剤の欠乏が生じ難くいので、インロー凸部や鍔の損傷が防止される。また、鍔に肉盗み部を形成するだけなので、従来の保持器構造を変更する必要がない。
この構成において、肉盗み部を、鍔の円周方向全周に亘って形成することができる。
このようにすれば、段差と鍔との接触が円周方向全周に亘って軽減されるので、段差が肉盗み部に接触しても、インロー凸部や鍔の損傷がさらに防止される。
これらの構成において、段差が円周方向に接触しない深さに肉盗み部を形成することができる。段差は、インロー凸部とインロー凹部の製造誤差、2つの環状部品の組み合わせ時の組立誤差によるため、保持器の組み立て状態で段差量を特定することができる。その段差量を考慮し、段差が円周方向に接触しない深さの肉盗み部を別途加工することができる。このようにすれば、段差により肉盗み部が引っ掛かれることがないので、インロー凸部や鍔の損傷を確実に防止することができる。
これらの構成において、前記肉盗み部は、アキシャル平面で切断した断面形状を円弧状に形成することができる。
このようにすれば、肉盗み部に応力が集中するのが軽減されるので、鍔の強度を確保することができる。
これらの構成において、全ての柱部を一方の環状部品に形成することができる。
このようにすれば、インロー接合の合わせ目が保持器の片側にしか存在しないため、肉盗み部の形成も片側の鍔のみで済ますことができる。
これらの構成において、前記ころが円筒ころからなり、前記鍔と軸方向反対側の鍔に、前記保持器案内面と同一径の保持器案内面を形成し、前記保持器の円環部と軸方向反対側に形成された円環部と、前記軸方向反対側の鍔の保持器案内面とによっても、保持器が径方向に案内されるようにすることができる。
転動体が円筒ころからなるため、保持器が滑り接触する時、保持器の軸方向両側の円環部に径方向荷重がバランスよく負荷される。このため、円筒ころの両端面を案内する両側の鍔は、同じ強度、寸法にすることができるので、片側の円環部のみが鍔とすべり接触する場合と比べて、円環部を鍔に押し付ける負荷が小さい。このため、合わせ目に段差が生じていても、肉盗み部の底まで押し込まれ難くなり、肉盗み部を浅く形成することができ、鍔部の強度を確保し易い。
これらの構成において、前記保持器をもみ抜き保持器とすることができる。
上記のころ軸受は、肉盗み部を形成することにより、鍔の損傷が防止されるので、もみ抜き加工によるインロー接合部の精度管理を容易にすることができるからである。
以上のように、この発明によれば、インロー接合の合わせ目に生じた段差と同一円周上の肉盗み部に溜まる潤滑剤により、段差と鍔との間に潤滑膜が形成され易くなるため、段差と鍔との滑り接触による損傷を防止することができる。また、この発明によれば、鍔側で損傷防止を図ることができ、従来の保持器をそのまま使用することができる。
この発明の第1実施形態の円筒ころ軸受を添付図面に基づいて説明する。図1は、円筒ころ軸受をアキシャル平面で切断した断面図である。図1に示すように、円筒ころ軸受1は、内輪2と、外輪3と、内輪2の軌道面4と外輪3の軌道面5との間に介在された複数の円筒ころ6と、2つの環状部品7,8を軸方向に組み合わせて複数のポケットが形成されたもみ抜き保持器9と、内輪2の外周面の軸方向両端部に形成され、それぞれ同一径の保持器案内面10,11が形成された円筒状の鍔12,13とを有している。
また、円筒ころ軸受1は、その内部を、内輪2と外輪3の間に充填される潤滑剤により潤滑される。
一方の環状部品7は、図2に示すように、その環状部7aから軸方向に伸びる柱部14が円周方向に一定の間隔をおいて形成されている。各柱部14の先端面15には、インロー凸部16が同じように形成されている。他方の環状部品8には、インロー凸部16と嵌合するインロー凹部17が円周方向全周に亘って形成されている。また、一方の環状部品7は、各柱部14の内部を軸方向に貫通するリベット孔18が形成され、他方の環状部品8には、リベット孔18と対応する位置に軸方向に貫通するリベット孔19が形成されている。
これにより、インロー凹部17にインロー凸部16を嵌合した状態で、2つの環状部品7,8をリベット20で接合して保持器9が形成される。その結果、図1に示すように、保持器9は、他方の環状部品8の環状部8aと、一方の環状部品7の各柱部14のインロー凸部16とで保持器9の円環部9aが保持器9の径方向内側に形成され、その円環部9aには、インロー凸部16とインロー凹部17とが軸方向に突き合わされた合わせ目21が露出している。また、保持器9には、円環部9aと軸方向反対側に、一方の環状部品7の環状部7aからなる円環部9bが形成されている。この円環部9a,9bと保持器案内面10,11とは、円周方向に相対的に滑り接触することができる。このため、保持器9が径方向に案内される。
片側の鍔12の保持器案内面10には、潤滑剤が溜まる深さで形成された凹状の肉盗み部22が形成されている。肉盗み部22は、アキシャル平面で切断した断面形状が、三角形状、四角形状、円弧状など潤滑剤が溜まる形状であればいずれでもよい。この実施形態では、肉盗み部22に応力が集中するのを軽減して、鍔12の強度を確保するため、円弧状としている。
また、肉盗み部22は、図1、図3に示すように、円周方向全周に亘って形成され、その深さは10μm程度とするのが好ましい。肉盗み部22の深さを10μm以上とすると、鍔12の強度低下を招く恐れがあるからである。また、その深さを10μm以下とすると、鍔部と保持器との摺動による損傷を抑制することができない。
肉盗み部22の軸方向長さは、軸受運転中に、保持器9が軸方向のポケットすきまで振れても、インロー接合の合わせ目21が肉盗み部22から軸方向に外れた部分を通過しない長さに形成されている。換言すれば、インロー接合の合わせ目21は、肉盗み部22と同じ円周上のみを通過する。その肉盗み部22に潤滑剤が溜められるため、肉盗み部22と同じ円周上に潤滑膜が形成され易くなる。
したがって、円筒ころ軸受1によれば、インロー凸部16や鍔12が損傷することを防止することができる。また、円筒ころ軸受1によれば、鍔12に肉盗み部22を形成するだけなので、従来の保持器構造を変更する必要がない。
上記円筒ころ軸受1は、例えば、円すいころ軸受など、保持器9の片側の環状部9aのみが鍔12と滑り接触するころ軸受と比べて、肉盗み部22を浅く形成することができ、鍔12の強度を確保し易い。
また、上記円筒ころ軸受1は、肉盗み部22を形成することにより鍔12の損傷を防止することができるので、もみ抜き加工でインロー凸部とインロー凹部を仕上げる際の精度管理を容易にすることができる。
また、上記円筒ころ軸受1は、インロー接合の合わせ目21が、各柱部14と他方の環状部品8の環状部8aとの突き合わせ部で同じように生じているので、軸受運転中に、各インロー接合の合わせ目21が軸方向に通過し得る範囲が最小である。
上記実施形態では、図3に示すように、鍔12の保持器案内面10に形成した肉盗み部22を円周方向全周に亘って形成したが、図4に示すように、肉盗み部23を円周方向の少なくとも一部分に形成してもよい(第2実施形態)。
軸受運転中に、肉盗み部23に溜まっている潤滑剤がその肉盗み部23から円周方向に流れ出して、鍔12と段差との間に潤滑膜を形成することができるので、鍔12と段差との滑り接触による損傷を防止することができるからである。
上記実施形態では、肉盗み部22の深さを10μm程度としたが、潤滑剤が溜まる深さであれば、肉盗み部を10μm以下としてもよい。肉盗み部の深さを必要最小限にすることにより、鍔の強度を確保するためである。
また、肉盗み部22は、インロー接合の合わせ目21に生じる段差が円周方向に接触しない深さに形成してもよい。
このようにすれば、肉盗み部が該段差部により損傷することがなく、鍔12の損傷が防止される。段差は、インロー凸部とインロー凹部の製造誤差や2つの環状部品7,8の組み立て時の組立誤差によるため、保持器9を組み立てた状態で段差量を特定することができる。このため、その段差量を考慮した深さの肉盗み部を別途加工することができる。
上記実施形態では、全ての柱部14を一方の環状部品7の環状部7aに形成しているので、インロー接合の合わせ目21が片側にしか存在しない。このため、肉盗み部22を片側の鍔12のみに形成したが、各柱部14を両方の環状部品7,8の環状部7a,8aに交互に形成してもよい。この場合、インロー接合の合わせ目21が、柱部14と両環状部7a,8aとの間に形成されるので、肉盗み部22を両側の鍔12,13に形成する必要がある。
また、上記実施形態では、内輪2の外周面の軸方向両端部に鍔12,13を形成したが、内輪2の外周面の軸方向両端部のうちの一方に鍔12を形成すれば足りる。また、外輪3の内周面の軸方向両端部のうちの少なくとも一方に、保持器案内面が形成された円筒状の鍔を形成してもよい。この場合、その保持器案内面で、保持器の両円環部のうちのインロー接合した側を少なくとも滑り接触により径方向に案内する必要がある。
また、上記実施形態では、円筒ころ軸受1に適用したが、円錐ころ軸受や自動調心ころ軸受などの鍔を有するころ軸受に適用することができる。
この発明の第1実施形態の円筒ころ軸受をアキシャル平面で切断した断面図 図1の円筒ころ軸受の保持器を示す分解斜視図 図1の円筒ころ軸受の鍔に形成された肉盗み部を示す斜視図 この発明の第2実施形態の円筒ころ軸受の鍔に形成された肉盗み部を示す斜視図
符号の説明
4,5 軌道面
6 円筒ころ
7,8 環状部品
8a 環状部
9 保持器
9a,9b 円環部
10,11 保持器案内面
12,13 鍔
14 柱部
21 合わせ目
22 肉盗み部

Claims (7)

  1. 内外の軌道面(4,5)間に介在された複数のころ(6)と、2つの環状部品(7,8)を軸方向に組み合わせて複数のポケットが形成された保持器(9)と、円筒状の保持器案内面(10)が形成された鍔(12)とを有し、前記環状部品(7)の柱部(14)を、相手側の前記環状部品(8)の環状部(8a)に対して軸方向にインロー接合し、前記インロー接合で形成された保持器(9)の円環部(9a)と前記保持器案内面(10)とで保持器(9)が径方向に案内されるようにしたころ軸受において、
    前記鍔(12)に、前記保持器案内面(10)から凹んだ肉盗み部(22)を潤滑剤が溜まる深さで形成し、前記肉盗み部(22)を、前記保持器(9)の円環部(9a)に露出するインロー接合の合わせ目(21)が軸受運転中に該肉盗み部(22)から軸方向に外れた部分を通過しない範囲に形成したことを特徴とするころ軸受。
  2. 前記肉盗み部(22)を、前記鍔(12)の円周方向全周に亘って形成したことを特徴とする請求項1に記載のころ軸受。
  3. 前記肉盗み部(22)を、前記合わせ目(21)に生じた段差が円周方向に接触しない深さに形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のころ軸受。
  4. 前記肉盗み部(22)は、アキシャル平面で切断した断面形状が円弧状であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のころ軸受。
  5. 全ての前記柱部(14)を一方の前記環状部品(7)に形成したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のころ軸受。
  6. 前記ころ(6)が円筒ころからなり、前記鍔(12)と軸方向反対側の鍔(13)に、前記保持器案内面(10)と同一径の保持器案内面(11)を形成し、前記保持器(9)の円環部(9a)と軸方向反対側に形成された円環部(9b)と、前記軸方向反対側の鍔(13)の保持器案内面(11)とによっても、保持器(9)が径方向に案内されるようにしたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のころ軸受。
  7. 前記保持器(9)がもみ抜き保持器からなることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のころ軸受。
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