JP2009292946A - 蓄熱材料 - Google Patents

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Hisato Takeuchi
久人 竹内
Takashi Okano
孝 岡野
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Abstract

【課題】蓄熱量と耐熱性の両者をバランス良く高水準で備える蓄熱材料を提供する。
【解決手段】ヘキサベンゾコロネン骨格の2,5,8,11,14,17位に、それぞれ独立に下記式(2):

(式(2)中、XはO原子、S原子およびNH基のうちのいずれか1つを表し、mおよびnはそれぞれ独立に1〜9の整数であり且つm+n=2〜10である)で表される置換基および下記式(3):

(式(3)中、YはCH基およびO原子のうちのいずれか1つを表し、kは1〜5の整数である)で表される置換基からなる群から選択される1つの置換基を有するヘキサベンゾコロネン誘導体を含有する蓄熱材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、物質が状態変化する際の潜熱を利用した蓄熱材料に関する。
蓄熱材料は、住宅の温度管理や工場での廃熱利用など様々な分野で使用されており、自動車分野においても、従来は自動車の運転時において廃熱として放出されていた触媒やエンジンなどから発生した熱を蓄えて、自動車の始動時において触媒やエンジンなどを温める際に利用できるように使用されている。
一般的な蓄熱材料としては、化学反応による発熱(例えば、鉄微粒子の酸化による発熱)を利用したもの、潜熱(例えば、酢酸ナトリウム水和物の過冷却状態から結晶状態への変化に伴う発熱)を利用したもの、保温による蓄熱を利用したもの(例えば、魔法瓶によるお湯の保温)などが挙げられる。これらの蓄熱材料のうち、化学反応による発熱を利用したものは、繰り返して使用することができず、また、保温による蓄熱を利用したものは蓄熱量が少ないという問題があった。
一方、潜熱を利用した蓄熱材料は、物質が状態変化する際の吸熱(蓄熱)や放熱を利用するものであり、繰り返して使用することができ、また、蓄熱容量が他の蓄熱材料に比べて大きいといった利点がある。このような潜熱を利用した蓄熱材料としては、パラフィン(エイコサン:C2042、融解潜熱:247kJ/kg、融点:36.4℃)、酢酸ナトリウム三水和物(融解潜熱:264kJ/kg、融点:58℃)、エリスリトール(融解潜熱:340kJ/kg、融点:119℃)などが挙げられる。しかしながら、これらの蓄熱材料は、融点が低いため、自動車用蓄熱材料など高温環境下(例えば、150℃以上)で使用される蓄熱材料としては不向きであった。
一方、ヘキサベンゾコロネン骨格を有する化合物として、J. Wu et al.、J. Am. Chem. Soc.、2004年、126巻、177〜186ページ(非特許文献1)には、置換基としてn−ドデシル基、4−ドデシロキシフェニル基、または3,4,5−トリドデシロキシフェニル基を備えるヘキサベンゾコロネン誘導体〔それぞれ、式(14a〜14c)〕が開示されている。また、非特許文献1の表1には、DSCにより測定された冷却時(first cooling)の前記ヘキサベンゾコロネン誘導体の発熱量が開示されており、それぞれ、
式(14a)(−4.8℃):26.85kJ/mol(16.03J/g)、
式(14b)(44.4℃):8.35kJ/mol(3.75J/g)、
式(14c)(69.3℃):13.62kJ/mol(3.07J/g)、
(11.5℃):110.3kJ/mol(24.8J/g)
であることが記載されている。
また、S. Ito et al.、Chem. Eur. J.、2000年、6巻、23号、4327〜4342ページ(非特許文献2)には、各種置換基を備えるヘキサベンゾコロネン誘導体が開示されており、表1には、これらの発熱量が5.7〜79.1J/gであることが記載されている。また、A. Fechtenkotter et al.、Tetrahedron、2001年、57巻、3769〜3783ページ(非特許文献3)には、置換基としてアルキル基を備えるヘキサベンゾコロネン誘導体が開示されており、表1には、その発熱量が26J/g〔式(5a)〕および31J/g〔式(5b)〕であることが記載されている。さらに、X. Feng et al.、Chem. Mater. 2008年、20巻、4号、1191〜1193ページ(非特許文献4)には、置換基としてn−ドデシル基を備えるヘキサベンゾコロネン誘導体が開示されており、その発熱量が171℃で18.0J/gであることも記載されている。
しかしながら、これらのヘキサベンゾコロネン誘導体は、発熱量が小さく、蓄熱材料としては不十分なものであった。
J. Wu et al.、J. Am. Chem. Soc.、2004年、126巻、1号、177〜186ページ S. Ito et al.、Chem. Eur. J.、2000年、6巻、23号、4327〜4342ページ A. Fechtenkotter et al.、Tetrahedron、2001年、57巻、3769〜3783ページ X. Feng et al.、Chem. Mater. 2008年、20巻、4号、1191〜1193ページ
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、蓄熱量と耐熱性の両者をバランス良く高水準で備える蓄熱材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ヘキサベンゾコロネン骨格に、下記式(2)で表される置換基および下記式(3)で表される置換基からなる群から選択される置換基を導入することによって、得られたヘキサベンゾコロネン誘導体が蓄熱量と耐熱性の両者をバランス良く高水準で備えることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の蓄熱材料は、
下記式(1):
〔式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に下記式(2):
(式(2)中、XはO原子、S原子およびNH基のうちのいずれか1つを表し、mおよびnはそれぞれ独立に1〜9の整数であり且つm+n=2〜10であり、*は前記式(1)中のヘキサベンゾコロネン骨格との結合部位を表す。)
で表される置換基および下記式(3):
(式(3)中、YはCH基およびO原子のうちのいずれか1つを表し、kは1〜5の整数であり、*は前記式(1)中のヘキサベンゾコロネン骨格との結合部位を表す。)
で表される置換基からなる群から選択される1つの置換基を表す。〕
で表されるヘキサベンゾコロネン誘導体を含有することを特徴とするものである。
なお、本発明の蓄熱材料によって多くの(熱)エネルギーが蓄熱される理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。一般に、平面性の高い有機化合物はファンデルワールス力により強くスタッキングし、安定な状態となる。このスタック状態を解離させた状態(解離状態)は高いエネルギーを蓄えた状態である。したがって、スタック状態の有機化合物にエネルギーを与えると蓄熱して解離し、他方、解離状態の有機化合物をスタック状態に戻すことによって発熱が起こる。
例えば、スタック状態のヘキサベンゾコロネンを解離させる場合には、計算によると75kcal/mol(600kJ/kg)の解離エネルギーが必要である。これは炭素−炭素結合エネルギー(83kcal/mol)に匹敵するほどの高いエネルギーであり、解離状態のヘキサベンゾコロネンは、このような高いエネルギーを蓄えている。このようなヘキサベンゾコロネンに置換基を導入し、急冷などでスタッキングを部分的に阻害することによって、図1に示すような準安定化状態が形成されると推察される。置換基が導入された準安定化状態のヘキサベンゾコロネン誘導体はエネルギーが蓄えられた状態のものであり、その蓄熱量は導入される置換基の種類に依存し、本発明にかかる置換基が導入されたものは、準安定化状態における蓄熱エネルギーが高く保持されるものと推察される。また、このような準安定化状態のヘキサベンゾコロネン誘導体は、ガラス転移温度付近まで加熱することにより再びスタック状態となり、このとき、発熱するものと推察される。
本発明によれば、蓄熱量と耐熱性の両者をバランス良く高水準で備える蓄熱材料を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の蓄熱材料について説明する。本発明の蓄熱材料は、下記式(1):
で表されるヘキサベンゾコロネン誘導体を含有することを特徴とするものである。
本発明にかかるヘキサベンゾコロネン誘導体においては、前記式(1)中のR〜Rは、それぞれ独立に下記式(2):
で表される置換基および下記式(3):
で表される置換基からなる群から選択される1つの置換基を表す。前記R〜Rは、全て同じ置換基であってもよいし、異なるものでもよい。
前記式(2)において、XはO原子、S原子およびNH基のうちのいずれか1つを表し、中でも、前記式(1)中のヘキサベンゾコロネン骨格に直接結合する部位が嵩高くなく、前記ヘキサベンゾコロネン誘導体がスタック状態になりやすいという観点から、O原子、S原子が好ましい。mおよびnはそれぞれ独立に1〜9の整数であり且つm+n=2〜10である。mおよびnは、蓄熱量(単位質量当たりの吸・発熱量)が増大するという観点から、それぞれ独立に1〜3の整数が好ましい。また、同様の観点からm+nは2〜4であることが好ましい。前記式(2)中の*は前記式(1)中のヘキサベンゾコロネン骨格との結合部位を表す。
また、前記式(3)において、YはCH基およびO原子のうちのいずれか1つを表し、中でも前記式(1)中のヘキサベンゾコロネン骨格に直接結合する部位が嵩高くなく、前記ヘキサベンゾコロネン誘導体がスタック状態になりやすいという観点から、O原子が好ましい。kは1〜5の整数であり、蓄熱量(単位質量当たりの吸・発熱量)が増大するという観点から、1〜3の整数が好ましい。前記式(3)中の*は前記式(1)中のヘキサベンゾコロネン骨格との結合部位を表す。
また、合成がしやすいこと、高対称性のためスタック状態になりやすいこと、互いに置換基が入り込むことによってより安定なスタック状態を形成しやすいこと、異なる置換基によって生じる双極子相互作用をスタック状態のさらなる安定化に利用しやすいことなどの観点から、より好ましいヘキサベンゾコロネン誘導体としては、下記式(1a)〜(1j):
で表されるものが挙げられ、中でも、前記式(1a)、(1b)、(1d)、(1g)および(1i)で表されるヘキサベンゾコロネン誘導体が特に好ましい。
本発明にかかるヘキサベンゾコロネン誘導体は、前記非特許文献1〜4における置換基Rが前記式(2)で表される置換基および前記式(3)で表される置換基からなる群から選択される置換基である原料を用いること以外は、前記非特許文献1〜4に記載の製造方法と同様の方法により製造することができる。
本発明の蓄熱材料は、前記式(2)で表される置換基および前記式(3)で表される置換基からなる群から選択される置換基を備えるヘキサベンゾコロネン誘導体を含有するものであり、蓄熱量と耐熱性の両者をバランス良く高水準で備えるものである。前記蓄熱量としては、120J/g以上が好ましく、250J/g以上がより好ましい。また、本発明の蓄熱材料としては、200℃以下において熱分解が起こりにくいものが好ましく、300℃以下において熱分解が起こりにくいものがより好ましく、350℃以下において熱分解が起こりにくいものが特に好ましい。これにより、本発明の蓄熱材料は、高温環境下で使用することが可能となる。
また、本発明にかかるヘキサベンゾコロネン誘導体の融点は200℃以上であることが好ましく、300℃以上であることがより好ましい。融点が前記下限未満になると本発明にかかるヘキサベンゾコロネン誘導体を、高温環境下において蓄熱材料として使用することが困難となる傾向にある。なお、融点の上限は特に制限はないが、通常500℃以下である。
さらに、本発明の蓄熱材料においては、100〜300℃(より好ましくは150〜300℃)の温度範囲において吸熱や発熱といった熱収支が起こることが好ましい。このような温度範囲で熱収支を起こす蓄熱材料は、住宅用、自動車用など様々な分野の蓄熱材料として有用である。特に、本発明の蓄熱材料は、前述したように、本発明にかかるヘキサベンゾコロネン誘導体の融点が高く、350℃以下においては熱分解も起こりにくいため、自動車用触媒やエンジンの蓄熱材料など高温環境下で用いられる蓄熱材料として有用である。例えば、本発明の蓄熱材料を自動車の触媒やエンジンの暖房用として使用する場合においては、自動車の通常の運転時に高温の触媒やエンジンなどから発生する熱を本発明の蓄熱材料に蓄熱し、この蓄えられた熱を自動車の始動時に放熱することによって、運転初期に低温の触媒やエンジンなどを温めることができ、自動車の燃費効率を向上させることが可能となる。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<4−イソブトキシフェニル酢酸の合成>
先ず、下記反応式(A):
に従って4−イソブトキシフェニル酢酸を合成した。すなわち、丸底フラスコに前記式(i)で表されるp−ヒドロキシフェニル酢酸10.0g(56.2mmol)、イソブチルブロミド11.5g(84.3mmol)、および水酸化カリウム(純度85%)11.4g(154mmol)を秤量し、攪拌子を入れた。この混合物に溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO)20mlを加え、ジムロート冷却管を取り付けて油浴温度120℃で加熱しながら5時間攪拌した。得られた反応生成物を室温に冷却した後、水200mlを加え、さらに濃塩酸5mlを加えた。生成した沈殿を吸引ろ過により捕集した後、水で洗浄した。回収した沈殿を真空デシケータ中で一晩乾燥させ、前記式(ii)で表される白色結晶の4−イソブトキシフェニル酢酸9.60g(収率82%)を得た。
この4−イソブトキシフェニル酢酸をH−NMR測定、IR測定およびMS測定により同定した。その結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):δ0.99(6H,d,J=6.8Hz)、2.05(1H,nonet,J=6.8,6.8Hz)、3.56(2H,s)、3.68(2H,d,J=6.8Hz)、6.84(2H,d,J=8.6Hz)、7.156(2H,d,J=8.6Hz)。
IR(KBr,cm−1):3350−2500、1701、1516、1246、816。
MS(EI):m/z=41(32%)、57(17%)、107(100%)、152(68%)、208(M,23%)。
<1,3−ビス(4−イソブトキシフェニル)アセトンの合成>
次に、下記反応式(B):
に従って1,3−ビス(4−イソブトキシフェニル)アセトンを合成した。すなわち、二口フラスコにN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)1.01g(4.86mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.149g(1.2mmol)を秤量し、攪拌子を入れた。フラスコ内を窒素置換した後、CHCl(脱水)10mlを加えて前記DCCおよびDMAPを溶解した。この溶液に、前記4−イソブトキシフェニル酢酸(式(ii))1.01g(4.86mmol)を10mlのCHCl(脱水)に溶解した溶液を滴下した後、室温で24時間撹拌した。生成した沈殿を吸引ろ過により除去した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣(濃縮物)をシリカゲルクロマトグラフィー〔ヘキサン:酢酸エチル=10:1(体積比)〕により精製し、前記式(iii)で表される黄色結晶の1,3−ビス(4−イソブトキシフェニル)アセトン0.28g(収率32%)を得た。
この1,3−ビス(4−イソブトキシフェニル)アセトンをH−NMR測定、13C−NMR測定、IR測定およびMS測定により同定した。その結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):0.94(12H,d,J=6.5Hz)、2.00(2H,nonet,J=6.5Hz)、3.55(4H,s)、3.63(4H,d,J=6.5Hz)、6.77(4H,d,J=8.6Hz)、6.97(4H,d,J=8.4Hz)。
13C−NMR(68MHz,CDCl):19.34、28.33、48.08、74.45、114.67、125.78、130.32、158.19、206.31。
IR(KBr,cm−1):2957、1712、1513、1248、812。
MS(EI):m/z=41(16%)、57(13%)、107(100%)、163(72%)、354(M,16%)。
<1−ブロモ−4−イソブトキシベンゼンの合成>
また、下記反応式(C):
に従って1−ブロモ−4−イソブトキシベンゼンを合成した。すなわち、丸底フラスコに前記式(iv)で表されるp−ブロモフェノール17.32g(100mmol)、イソブチルブロミド40.89g(300mmol)、および水酸化カリウム(純度85%)9.64g(130mmol)を秤量し、攪拌子を入れた。この混合物に溶媒として30mlのDMSOを加え、ジムロート冷却管を取り付けて油浴温度130℃で加熱しながら5時間攪拌した。得られた反応生成物に水200mlを加えた後、エーテル(20ml/回×5回)で抽出した。得られた有機相を2MのNaOH水溶液で洗浄して未反応の原料を除去した。その後、前記有機相をNaSOで乾燥させ、さらに溶媒を減圧留去した。得られた液状粗生成物を減圧蒸留によって精製し、前記式(v)で表される無色透明の液体の1−ブロモ−4−イソブトキシベンゼン16.6g(収率73%)を得た。
この1−ブロモ−4−イソブトキシベンゼンをH−NMR測定、13C−NMR測定およびMS測定により同定した。その結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):δ0.94(6H,d,J=6.5Hz)、1.99(1H,nonet,J=6.6,6.6Hz)、3.60(2H,d,J=6.5Hz)、6.70(2H,d,J=9.1Hz)、7.28(2H,d,J=8.9Hz)。
13C−NMR(68MHz,CDCl):δ19.3、28.3、74.6、122.4、116.2、132.0、158.3。
MS(EI):m/z=41(55%)、57(35%)、172(100%)、174(97%)、228(M,14%)、230(13%)。
<グリニア試薬の調製>
次に、下記反応式(D):
に従ってグリニア試薬を調製した。すなわち、三口フラスコにマグネシウム粉末0.987g(40.6mmol)を秤量し、攪拌子を入れた。このフラスコにジムロート冷却管および2つの滴下漏斗を取り付けた後、フラスコ内を窒素置換した。一方の滴下漏斗にTHF(脱水)50ml、他方に前記1−ブロモ−4−イソブトキシベンゼン(式(v))8.03g(35.2mmol)を入れた。先ず、マグネシウム粉末が浸る程度に前記THFを滴下し、次いで、前記1−ブロモ−4−イソブトキシベンゼンを数滴滴下した。この溶液を攪拌しながら、最初は加熱して反応を開始させ、次に加熱を止めて自発的反応の進行を確認した後、前記THFと前記1−ブロモ−4−イソブトキシベンゼンとを徐々に滴下した。滴下終了後1時間攪拌して前記式(vi)で表される濃灰色のグリニア試薬の溶液を得た。
<4,4’−ジイソブトキシベンジルの合成>
次に、下記反応式(E):
に従って4,4’−ジイソブトキシベンジルを合成した。すなわち、二口フラスコに前記式(vii)で表される1,4−ジメチルピペラジン−2,3−ジオン2.485g(17.5mmol)を秤量し、攪拌子を入れた。このフラスコにジムロート冷却管を取り付けた後、フラスコ内を窒素置換した。これにTHF(脱水)20mlを加えて懸濁液を調製し、油浴温度70℃で加熱還流させながら前記グリニア試薬(式(vi))の溶液を滴下した後、2時間還流を続けた。得られた反応生成物を室温に冷却した後、水100mlを加えた。さらに酸性になるまで濃塩酸を加えた後、エーテル(20ml/回×3回)で抽出した。得られた有機相をNaSOで乾燥させ、さらに溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー〔ヘキサン:酢酸エチル=20:1(体積比)〕により精製し、前記式(viii)で表される薄黄色結晶の4,4’−ジイソブトキシベンジル4.03g(収率66%)を得た。
この4,4’−ジイソブトキシベンジルをH−NMR測定、13C−NMR測定、IR測定およびMS測定により同定した。その結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):δ1.14(12H,d,J=6.3Hz)、2.12(2H,nonet,J=6.3,6.3Hz)、3.77(4H,d,J=6.3Hz)、6.93(4H,d,J=8.9Hz)、7.91(4H,d,H=8.9Hz)。
13C−NMR(100MHz,CDCl):δ19.11、28.11、74.66、114.67、126.00、132.31、164.55、193.57。
IR(KBr,cm−1):2958、1667、1602、1572、1254、1164、1022、885、843、762。
MS(EI):m/z=121(100%)、177(98%)、354(M,22%)。
<テトラキス(4−イソブトキシフェニル)シクロペンタジエノンの合成>
次に、下記反応式(F):
に従ってテトラキス(4−イソブトキシフェニル)シクロペンタジエノンを合成した。すなわち、三口フラスコに前記1,3−ビス(4−イソブトキシフェニル)アセトン(式(iii))1.83g(5.17mmol)および前記4,4’−ジイソブトキシベンジル(式(viii))1.83g(5.17mmol)を秤量し、これにエタノール7mlを加えた。このフラスコにジムロート冷却管と滴下漏斗とを取り付け、滴下漏斗に、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド〔Triton B(商品名)〕2.15g(5.16mmol)をメタノールに溶解した溶液(濃度40質量%)を入れた。フラスコ内を窒素置換した後、油浴温度90℃で加熱還流しながら滴下漏斗中の溶液を滴下した。滴下終了後、15分間還流を続けた。得られた反応生成物を室温に冷却した後、水を加え、エーテル(20ml/回×5回)で抽出した。得られた有機相をNaSOで乾燥させ、さらに溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー〔ヘキサン:酢酸エチル=20:1(体積比)〕で精製し、前記式(ix)で表される黒紫色結晶のテトラキス(4−イソブトキシフェニル)シクロペンタジエノン2.33g(収率67%)を得た。
このテトラキス(4−イソブトキシフェニル)シクロペンタジエノンをH−NMR測定、IR測定およびMS測定により同定した。その結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):0.93(12H,d,J=6.8Hz)、0.96(12H,d,J=6.5Hz)、1.98(2H,nonet,J=6.5,6.5Hz)、1.99(2H,nonet,J=6.5Hz)、3.61(4H,d,J=6.8Hz)、3.62(4H,d,J=6.5Hz)、6.24(4H,d,J=8.9Hz)、6.70(4H,d,J=8.9Hz)、6.77(4H,d,J=8.9Hz)、7.09(4H,d,J=8.9Hz)。
IR(KBr,cm−1):2959、1705、1603、1504、1246、1173、1032、844。
MS(DI):m/z=210(44%)、616(9%)、672(M,100%)。
<1−(4−イソブトキシフェニル)−2−(トリメチルシリル)アセチレンの合成>
また、下記反応式(G):
に従って1−(4−イソブトキシフェニル)−2−(トリメチルシリル)アセチレンを合成した。すなわち、二口フラスコにPdCl(PPh〔650mg(0.93mmol)〕、トリフェニルホスフィン〔490mg(1.85mmol)〕およびヨウ化銅(I)〔540mg(2.84mmol)〕を秤量し、攪拌子を入れた。このフラスコにジムロート冷却管を取り付けた後、フラスコ内を窒素置換した。これにピペリジン11ml、前記1−ブロモ−4−イソブトキシベンゼン(式(v))7.01g(30.7mmol)およびトリメチルシリルアセチレン3.61g(36.8mmol)を加え、油浴温度75℃で加熱しながら20時間攪拌した。その後、常圧蒸留によりピペリジンを除去し、残渣にエーテルを加えてろ過した。ろ液に水100mlを加え、エーテル(20ml/回×3回)で抽出した後、1M塩酸50mlで有機相を洗浄し、さらに、飽和NaHCO水溶液および飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機相をNaSOで乾燥させ、さらに溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー〔ヘキサン:酢酸エチル=30:1(体積比)〕で精製し、前記式(x)で表される茶色の液体の1−(4−イソブトキシフェニル)−2−(トリメチルシリル)アセチレン3.80g(収率51%)を得た。
この1−(4−イソブトキシフェニル)−2−(トリメチルシリル)アセチレンをH−NMR測定およびMS測定により同定した。その結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl):0.22(9H,s)、1.00(6H,d,J=6.8Hz)、2.05(1H,nonet,J=6.6,6.6Hz)、3.69(2H,d,J=6.8Hz)、6.79(2H,d,J=9.2Hz)、7.37(2H,d,J=9.2Hz)。
MS(EI):m/z=175(100%)、190(21%)、231(11%)、246(M,14%)。
<(4−イソブトキシフェニル)アセチレンの合成>
次に、下記反応式(H):
に従って(4−イソブトキシフェニル)アセチレンを合成した。すなわち、三角フラスコに前記1−(4−イソブトキシフェニル)−2−(トリメチルシリル)アセチレン(式(x))3.80g(15.5mmol)、水酸化ナトリウム1.5g(37.5mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオライド三水和物1.59g(6.1mmol)を秤量した。この混合物に溶媒としてベンゼン30mlおよび水7.5mlを加え、室温で3時間攪拌した。その後、さらに水100mlを加え、エーテル(20ml/回×4回)で抽出した。得られた有機相をNaSOで乾燥させ、さらに溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー〔ヘキサン:酢酸エチル=30:1(体積比)〕で精製し、前記式(xi)で表される褐色液体の(4−イソブトキシフェニル)アセチレン2.53g(収率94%)を得た。
この(4−イソブトキシフェニル)アセチレンをH−NMR測定、IR測定およびMS測定により同定した。その結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):1.01(6H,d,J=7.0Hz)、2.07(1H,nonet,J=6.6Hz)、2.98(1H,s)、3.71(2H,d,J=6.5Hz)、6.82(2H,d,J=8.9Hz)、7.40(2H,d,J=8.4Hz)。
IR(液膜,cm−1):3316、2920、1607、1508、1245、831。
MS(EI):m/z=118(100%)、174(M,12%)。
<ビス(4−イソブトキシフェニル)アセチレンの合成>
次に、下記反応式(I):
に従ってビス(4−イソブトキシフェニル)アセチレンを合成した。すなわち、二口フラスコにPdCl(PPh〔160mg(0.36mmol)〕、トリフェニルホスフィン〔116mg(1.85mmol)〕、ヨウ化銅(I)〔134mg(2.84mmol)〕を秤量し、攪拌子を入れた。このフラスコにジムロート冷却管を取り付けた後、フラスコ内を窒素置換した。これにピペリジン4ml、前記1−ブロモ−4−イソブトキシベンゼン(式(v))1.13g(5.43mmol)および前記(4−イソブトキシフェニル)アセチレン(式(xi))1.05g(6.03mmol)を加え、油浴温度85℃で加熱しながら32時間攪拌した。その後、蒸留によりピペリジンを除去し、残渣にエーテル50mlを加えてろ過した。ろ液に水100mlを加え、エーテル(20ml/回×3回)で抽出した後、1M塩酸50mlで有機相を洗浄し、さらに、飽和NaHCO水溶液30mlおよび飽和食塩水50mlで洗浄した。洗浄後の有機層をNaSOで乾燥し、さらに溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー〔ヘキサン:酢酸エチル=30:1(体積比)〕で精製し、前記式(xii)で表される黄色固体のビス(4−イソブトキシフェニル)アセチレン1.14g(収率71%)を得た。
このビス(4−イソブトキシフェニル)アセチレンをH−NMR測定、13C−NMR測定およびMS測定により同定した。その結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):1.01(12H,d,J=6.8Hz)、2.07(2H,nonet,J=6.8Hz)、3.71(4H,d,J=6.8Hz)、6.84(4H,d,J=8.9Hz)、7.41(4H,d,J=8.9Hz)。
13C−NMR(100MHz,CDCl):19.29、28.31、74.38、87.89、114.39、115.34、132.68、158.88。
MS(EI):m/z=210(100%)、266(13%)、322(M,31%)。
<ヘキサキス(4−ブトキシフェニル)ベンゼンの合成>
次に、下記反応式(J):
に従ってヘキサキス(4−ブトキシフェニル)ベンゼンを合成した。すなわち、二口フラスコに前記テトラキス(4−イソブトキシフェニル)シクロペンタジエノン(式(ix))965mg(1.44mmol)および前記ビス(4−イソブトキシフェニル)アセチレン(式(xii))467mg(1.45mmol)を秤量し、これに溶媒として4.5gのPhOを加えた。攪拌子を入れて、フラスコ内を窒素置換した後、250℃で8時間攪拌した。室温に冷却した後、水を加え、エーテル(20ml/回×5回)で抽出した。得られた有機相をNaSOで乾燥させ、さらに溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー〔ヘキサン:CDCl=1:1(体積比)〕で精製し、前記式(xiii)で表される淡褐色固体のヘキサキス(4−ブトキシフェニル)ベンゼン566mg(収率41%)を得た。
このヘキサキス(4−ブトキシフェニル)ベンゼンをH−NMR測定およびMS測定により同定した。その結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz,CDCl):0.87(36H,d,J=6.8Hz)、1.88(6H,nonet,J=6.8Hz)、3.46(12H,d,J=6.5Hz)、6.33(12H,d,J=8.6Hz)、6.57(12H,d,J=8.9Hz)。
MALDI−TOF MS(matrix:1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン):m/z=966.58(M,100.0%)、967.58(71.6%)、968.59(25.9%)、969.59(7.0%)。
<2,5,8,11,14,17−ヘキサイソブトキシ−ヘキサ−ペリ−ヘキサベンゾコロネンの合成>
次に、下記反応式(K):
に従って2,5,8,11,14,17−ヘキサイソブトキシ−ヘキサ−ペリ−ヘキサベンゾコロネンを合成した。すなわち、二口フラスコに前記ヘキサキス(4−ブトキシフェニル)ベンゼン(式(xiii))192mg(0.20mmol)を秤量し、攪拌子を入れた。フラスコ内を窒素置換した後、10mlのCHClを加えて前記ヘキサキス(4−ブトキシフェニル)ベンゼンを溶解した(この溶液を「溶液A」という。)。
別の二口フラスコにPhI(OCOCF〔553mg(1.29mmol)〕およびBF・EtO〔181mg(1.29mmol)〕を秤量し、窒素雰囲気下で10mlのCHClを加えてこれらを溶解した(この溶液を「溶液B」という。)。
この溶液Bを前記溶液Aに−15℃で滴下した後、室温で3時間攪拌した。得られた溶液をヘキサン200mlに注入し、析出した沈殿を吸引ろ過で捕集した。CHCl/ヘキサン混合溶液を用いて再沈殿を行い、前記式(xiv)で表される黒褐色固体の2,5,8,11,14,17−ヘキサイソブトキシ−ヘキサ−ペリ−ヘキサベンゾコロネン(以下、「イソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体」という。)88mg(収率46%)を得た。
このイソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体をH−NMR測定およびMS測定により同定した。その結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,CDCl):0.80−1.35(36H,m)、1.92−2.40(6H,m)、3.49−3.78(12H,m)、7.40−8.04(12H,m)。
MALDI−TOF MS(matrix:1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン):954.49(100.0%)、955.52(73.3%)、956.55(22.6%)、957.50(4.0%)、958.56(1.7%)。
図2Aの上段には前記イソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体のMALDI−TOF MSスペクトル、図2Aの下段にはマトリックスのみのMSスペクトル、図2Bには前記図2A中のm/z=952〜962の範囲を拡大したMSスペクトルを示す。図2Aの上段および図2Bに示したMSスペクトルは、前記イソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体の分子式C6666に対して予想される同位体パターンを示している。
また、前記イソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体の融点は300℃超えるものであった。
<蓄熱量測定>
得られたイソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体の蓄熱材料としての性能を評価した。先ず、前記イソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体の発熱量を、熱振動型示差走査熱量測定装置(ティー・エイ・インスツル社製「Q1000」)を用いて測定した。先ず、前記イソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体をクロロホルムに溶解して貧溶媒から再沈させ、図1に示す蓄熱機構における準安定状態に相当するアモルファス状態の前記イソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体を調製した。このアモルファス状態のイソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体3.93mgを5℃/分で0℃から350℃まで昇温した。このときのDSCチャートを図3に示す。約88℃〜約192℃の範囲のピークが前記イソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体のスタッキングによる蓄熱(発熱)ピークであり、発熱量は約120.7J/gであった。
下記式:
で示されるように、一方のイソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体が他方に対して30°回転した状態で互いにスタッキングすると、イソブトキシ基が互いに組み合わさったように入り込んだ状態(図4)となり、スタック状態がより安定化すると考えられる。その結果、準安定状態とスタック状態との間の蓄熱エネルギーの差が大きくなり、上記のような高い発熱量が観察されたと推察される。
また、前記イソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体が、蓄熱状態である準安定状態からスタック状態に変化する際に放熱したことから、スタック状態のイソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体に熱を吸収させることによって蓄熱状態である準安定状態や解離状態にすることが可能であり、前記イソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体は蓄熱材料として使用可能であることが認識された。
<耐熱性評価>
前記イソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体の熱重量変化を、熱重量測定装置((株)リガク製「Thermo Plus TG8120」)を用いて測定した。前記イソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体4.038mgを20℃/分で40℃から500℃まで昇温した。このときの熱重量減少率を図5に示す。約350℃以下では熱的に安定であり、約400℃以上で重量減少が観察された。この重量減少は熱分解によるものと推察される。
以上の結果から明らかなように、本発明にかかるヘキサベンゾコロネン誘導体は、非特許文献1〜4に記載されたヘキサベンゾコロネン誘導体に比べて、多くの熱エネルギーを蓄熱および発熱することができ、蓄熱材料として有用であることが確認された。また、従来のパラフィン、酢酸ナトリウム三水和物、またはエリスリトールからなる蓄熱材料に比べて融点が高く、さらに約350℃以下では熱的に安定であり、耐熱性に優れるものであることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、蓄熱量と耐熱性の両者をバランス良く高水準で備える蓄熱材料を得ることが可能となる。
したがって、本発明の蓄熱材料は、高い耐熱性を備えるため、自動車用触媒やエンジンの蓄熱材料といった高温環境下においても使用可能な蓄熱材料などとして特に有用である。
本発明にかかるヘキサベンゾコロネン誘導体の状態変化による蓄熱機構の概念図である。 上段は実施例1で得たイソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体のMSスペクトル(マトリックス:1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン)を示すグラフであり、下段は前記マトリックスのみのMSスペクトルを示すグラフである。 図2Aの上段に示したMSスペクトルを拡大したグラフである。 実施例1で得たイソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体のDSCチャートを示すグラフである。 本発明にかかるヘキサベンゾコロネン誘導体2分子がスタッキングした状態の一例を模式的に示す正面図である。 本発明にかかるヘキサベンゾコロネン誘導体2分子がスタッキングした状態の一例を模式的に示す側面図である。 実施例1で得たイソブトキシ置換ヘキサベンゾコロネン誘導体の熱重量減少率を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 下記式(1):


    〔式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に下記式(2):
    (式(2)中、XはO原子、S原子およびNH基のうちのいずれか1つを表し、mおよびnはそれぞれ独立に1〜9の整数であり且つm+n=2〜10であり、*は前記式(1)中のヘキサベンゾコロネン骨格との結合部位を表す。)
    で表される置換基および下記式(3):
    (式(3)中、YはCH基およびO原子のうちのいずれか1つを表し、kは1〜5の整数であり、*は前記式(1)中のヘキサベンゾコロネン骨格との結合部位を表す。)
    で表される置換基からなる群から選択される1つの置換基を表す。〕
    で表されるヘキサベンゾコロネン誘導体を含有することを特徴とする蓄熱材料。
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