JP2009292865A - 強化複合材料用プリプレグおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い圧縮強度を有する繊維強化複合材料を得ることのできるプリプレグおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】コロイド分散型ナノシリカ微粒子を含むエポキシ樹脂組成物と強化繊維を含んでなるプリプレグ、コロイド分散型ナノシリカ微粒子を含むエポキシ樹脂からなる高剛性な硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させてなるプリプレグ、およびコロイド分散型ナノシリカ微粒子を含むエポキシ樹脂からなる高剛性な硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させてプリプレグを得るプリプレグの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】コロイド分散型ナノシリカ微粒子を含むエポキシ樹脂組成物と強化繊維を含んでなるプリプレグ、コロイド分散型ナノシリカ微粒子を含むエポキシ樹脂からなる高剛性な硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させてなるプリプレグ、およびコロイド分散型ナノシリカ微粒子を含むエポキシ樹脂からなる高剛性な硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させてプリプレグを得るプリプレグの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、強化複合材料用プリプレグおよびその製造方法に関する。本発明は、特に、航空機用構造材料をはじめとして、自動車用途、船舶用途、スポーツ用途、その他の一般産業用途に好適な繊維強化複合材料を得るためのプリプレグおよびその製造方法に関するものである。
炭素繊維とマトリックス樹脂硬化物とからなる炭素繊維強化複合材料は、その優れた力学物性などから、航空機、自動車、産業用途に幅広く用いられている。近年、その使用実績を積むに従い、繊維強化複合材料の適用範囲はますます拡がってきている。かかる複合材料を構成するマトリックス樹脂には、含浸性や耐熱性に優れる熱硬化性樹脂が用いられることが多く、熱硬化性樹脂には、成形性に優れること、高温環境にあっても高度の機械強度を発現することが必要とされる。このような熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラニン樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が使用されているが、中でもエポキシ樹脂は、耐熱性、成形性に優れ、炭素繊維複合材料にしたときに高度の機械強度が得られるため、幅広く使用されている。
従来の炭素繊維強化複合材料においては、繊維方向の引張強度は良好であるが、炭素繊維は繊維状であり繊維径が極めて小さいため、繊維方向に圧縮されると繊維の座屈および/またはせん断により繊維の破壊を起こしやすく、繊維方向の圧縮強度が低いことから、圧縮強度の向上が強く望まれている。一方で、繊維強化複合材料の圧縮強度を向上させるためにはマトリックス樹脂の剛性を高めるのが効果的であることが知られている。そのため、繊維の座屈および/またはせん断による繊維の破壊を抑制し圧縮強度を向上させるため、マトリックス樹脂の弾性率を向上させる試みが行われている。
しかるに、特許文献1には、エポキシ樹脂をマトリクッスとし圧縮系の機械特性に優れるプリプレグおよび繊維強化複合材料が開示されている。しかし、特許文献1の樹脂組成物では、マトリックス樹脂の剛性はまだ十分であるとはいえず、マトリックス樹脂の更なる剛性改善が望まれている。
また、特許文献2には、マトリックスとしてベンゾオキサジン樹脂を主体とする樹脂組成物を用いた、室温乾燥下のみならず、湿熱環境下においても高い機械強度を発現するプリプレグおよび繊維強化複合材料が開示されている。しかしながら、特許文献2の樹脂組成物では、粘度調整のためにエポキシ樹脂を多量に添加するため、ベンゾオキサジン樹脂自体が有する高い剛性が損なわれ、十分な樹脂剛性を得ることは困難である。
また、剛性の高いフィラーを配合することによりマトリックス樹脂の剛性を上げる手法が一般的に知られているが、フィラーの配合量が多くなると繊維強化複合材料の製造時に様々な問題が発生するため、本質的な圧縮強度の改善には至っていない。これは、樹脂組成物のフロー特性の悪化や分散不良によるフィラーの凝集のため、樹脂組成物を強化繊維基材に含浸させる際に強化繊維基材の表面でフィラーが濾しとられ、強化繊維基材の内部にフィラー成分が行き届かず、樹脂組成物単体での剛性は高いにもかかわらず、結果として強化繊維複合材料の圧縮強度が上がらないということに起因するものである。
従って、本発明は、高い圧縮強度を有する繊維強化複合材料を得ることのできるプリプレグおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意研究を進めた結果、以下の構成からなる本発明のプリプレグおよびその製造方法によって課題を解決できることを見出した。
1.コロイド分散型ナノシリカ微粒子を含むエポキシ樹脂組成物と強化繊維を含んでなることを特徴とするプリプレグ。
2.高剛性な硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させてなるプリプレグにおいて、該エポキシ樹脂組成物がコロイド分散型ナノシリカ微粒子を含むエポキシ樹脂であることを特徴とするプリプレグ。
3.高剛性な硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させてプリプレグを得るプリプレグの製造方法において、該エポキシ樹脂組成物がコロイド分散型ナノシリカ微粒子を含むエポキシ樹脂であることを特徴とするプリプレグの製造方法。
本発明のプリプレグおよびその製造方法によれば、高い圧縮強度を有する繊維強化複合材料を得ることができる。
以下に本発明の好ましい実施の形態について説明するが、本発明はこれらの形態のみに限定されるものではなく、本発明の精神と実施の範囲内において様々な変形が可能であることを理解されたい。
本発明に用いられるエポキシ樹脂組成物は、コロイド分散型ナノシリカ微粒子を含んでいる。エポキシ樹脂中に含まれるコロイド分散型ナノシリカ微粒子は、それぞれのシリカ微粒子がほぼ単独でエポキシ樹脂中に分散している。コロイド分散型ナノシリカがエポキシ樹脂組成物中に配合されることで、得られる繊維強化複合材料の圧縮強度を高くすることができる。
エポキシ樹脂中にコロイド分散型ナノシリカ微粒子を配合、分散させる方法としては、市販されているコロイド分散型ナノシリカが配合されたエポキシ樹脂をエポキシ樹脂組成物中に配合させればよい。このようなコロイド分散型ナノシリカが配合されたエポキシ樹脂としては、ナノレジン社製のNanopoxシリーズとして、Nanopox F400、Nanopox F430、Nanopox F440、Nanopox F520、Nanopox F630、Nanopox F640、Nanopox E400、Nanopox E430、Nanopox E440、Nanopox E520、Nanopox E630、Nanopox E640、日産化学工業社製のLENANOCシリーズとしてLENANOC Eなどが挙げられるが、エポキシ樹脂中にコロイダルシリカが分散したものであればよく、これらの商品に限られるものではない。
シリカ微粒子の形状としては特に制限は無いが、アスペクト比が高くなると、シリカ微粒子を配合した樹脂組成物にチキソトロープ性がでてくるため、配合量を高くすることができなくなる。球状であればこのようなチキソトロープ性は出にくく、シリカ微粒子の配合量を高めることができるため好ましい。
シリカ微粒子の粒径としては特に制限はないが、1000nm以下であると強化繊維に含浸させる際に、フィルトレート現象が発生しないため好ましい。より好ましくは500nm、さらに好ましくは100nm以下である。
本発明に用いられるエポキシ樹脂組成物中に配合されるエポキシ樹脂としては特に制限は無いが、フェノール類、アミン類、カルボン酸類、分子内不飽和炭素などの化合物を前駆体とするエポキシ樹脂が好ましい。
フェノール類を前駆体とするグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジフェニルフルオレン型エポキシ樹脂やそれぞれの各種異性体やアルキル、ハロゲン置換体などが挙げられる。また、フェノール類を前駆体とするエポキシ樹脂をウレタンやイソシアネートで変性したエポキシ樹脂なども、このタイプに含まれる。特に、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂や、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、イソシアネート変性によるオキサゾリドン環を有するエポキシ樹脂は、低吸水率や耐熱性の観点から好ましく用いられる、これらの中でもナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂は吸水率の低さや耐熱性が非常に高いため特に好ましい。
また、本発明に用いられるエポキシ樹脂組成物には、添加剤として、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーおよびエラストマーからなる群から選ばれる1種以上の樹脂を添加することができる。この添加剤は、マトリックス樹脂組成物の靭性を向上させ、かつ、粘弾性を変化させて粘度、貯蔵弾性率およびチキソトロープ性を適正化する役割がある。添加剤として用いられる熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーまたはエラストマーは、単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
熱可塑性樹脂としては、主鎖に、炭素−炭素結合、アミド結合、イミド結合、エステル結合、エーテル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、尿素結合、チオエーテル結合、スルホン結合、イミダゾール結合およびカルボニル結合からなる群から選ばれた結合を有する熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリアラミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホンおよびポリエーテルスルホンのようなエンジニアリングプラスチックに属する熱可塑性樹脂の一群がより好ましく用いられる。耐熱性に優れることから、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホンおよびポリエーテルスルホンなどが特に好ましく使用される。また、これらの熱可塑性樹脂が熱硬化性樹脂との反応性の官能基を有することは、靭性向上および硬化樹脂の耐環境性維持の観点から好ましい態様である。特に好ましい官能基としては、カルボキシル基、アミノ基および水酸基などが挙げられる。
上記エポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させることによりプリプレグを得ることができる。そして、これを加熱し、硬化させることにより繊維強化複合材料を得ることができる。
エポキシ樹脂組成物と組み合わせる強化繊維には制限は無く、炭素繊維、ガラス繊維、有機繊維、ボロン繊維、スチール繊維などを、トウ、クロス、チョップドファイバー、マットなどの形態で使用できる。
これらの強化繊維のうち、炭素繊維や黒鉛繊維は比弾性率が良好で軽量化に大きな効果が認められるので本発明には好ましい。また、用途に応じてあらゆる種類の炭素繊維又は黒鉛繊維を用いることができるが、引張強度3500MPa以上、引張弾性率190GPa以上の炭素繊維または黒鉛繊維が特に好ましい。
また、得られる繊維強化複合材料の用途にも制限は無く、テニスラケット、ゴルフシャフトなどの汎用品に使用できるが、本発明のプリプレグを用いた繊維強化複合材料は繊維方向の圧縮強度に優れることから、特に航空機用部品への使用に最適である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
加熱硬化樹脂板の作製
表1に示す組成(部は質量部を示す)を有する樹脂組成物を2mm厚のポリテトラフルオロエチレンのスペーサーを挟んだ2枚のガラス(2mm厚)の間に注入し、180℃、2時間の硬化条件で加熱硬化し、加熱硬化樹脂板を得た。
加熱硬化樹脂板の作製
表1に示す組成(部は質量部を示す)を有する樹脂組成物を2mm厚のポリテトラフルオロエチレンのスペーサーを挟んだ2枚のガラス(2mm厚)の間に注入し、180℃、2時間の硬化条件で加熱硬化し、加熱硬化樹脂板を得た。
樹脂板の曲げ弾性率の測定
得られた樹脂板を試験片(長さ60mm×幅8mm×厚み2mm)に加工し、3点曲げ冶具(圧子、サポートとも3.2mmR、サポート間距離32mm)を設置したインストロン社製万能試験機を用い、曲げ特性を測定した。荷重負荷速度を2mm/分とした。
得られた樹脂板を試験片(長さ60mm×幅8mm×厚み2mm)に加工し、3点曲げ冶具(圧子、サポートとも3.2mmR、サポート間距離32mm)を設置したインストロン社製万能試験機を用い、曲げ特性を測定した。荷重負荷速度を2mm/分とした。
プリプレグの製造方法
簡易型ロールコーターを用い、離型紙片面にプリプレグ用樹脂組成物を目付78g/m2で均一に塗布した樹脂担持シートを得た。この樹脂担持シートの樹脂塗布面上に炭素繊維(三菱レイヨン株式会社製、MR50、引張強度:5400MPa、引張弾性率:290GPa)を、繊維目付が145g/m2になるようにドラムワインドにて巻き付けることで、炭素繊維目付145g/m2で樹脂含有率35質量%のプリプレグを得た。
簡易型ロールコーターを用い、離型紙片面にプリプレグ用樹脂組成物を目付78g/m2で均一に塗布した樹脂担持シートを得た。この樹脂担持シートの樹脂塗布面上に炭素繊維(三菱レイヨン株式会社製、MR50、引張強度:5400MPa、引張弾性率:290GPa)を、繊維目付が145g/m2になるようにドラムワインドにて巻き付けることで、炭素繊維目付145g/m2で樹脂含有率35質量%のプリプレグを得た。
積層複合材の0°圧縮強度の測定
上述した方法により作製した一方向プリプレグの繊維方向を揃え、8プライ積層し、オートクレーブにて180℃で4時間、0.7MPaの圧力下に、昇温速度1.7℃/分で成形して積層複合材を作製した。この積層体について、SACMA 1R−94に従い、0°圧縮強度を求めた。かかる圧縮強度は、6個の試料について測定し、その平均0°圧縮強度として求めた。
上述した方法により作製した一方向プリプレグの繊維方向を揃え、8プライ積層し、オートクレーブにて180℃で4時間、0.7MPaの圧力下に、昇温速度1.7℃/分で成形して積層複合材を作製した。この積層体について、SACMA 1R−94に従い、0°圧縮強度を求めた。かかる圧縮強度は、6個の試料について測定し、その平均0°圧縮強度として求めた。
含浸状態の観察
0°圧縮強度測定のために得られた繊維強化複合材料の一部を強化繊維と垂直な方向にカットし、得られた断面をポリッシャーにて研磨し、200倍の光学顕微鏡にて拡大観察を行った。
0°圧縮強度測定のために得られた繊維強化複合材料の一部を強化繊維と垂直な方向にカットし、得られた断面をポリッシャーにて研磨し、200倍の光学顕微鏡にて拡大観察を行った。
実施例1
GANを15質量部、NANOPOX E430を25質量部、3,3’−DDSを49.9質量部にて計量し、自公転式攪拌機マゼルスターKK−2000を用いて均一なペースト状になるまで混練した。混練した混合物89.9質重量部にNC−7300Lを45質重量部投入し、70℃に設定したニーダーにて均一になるまで攪拌した。得られた樹脂を用いて上記の方法により硬化板を作成し、曲げ物性を測定した。また、上記の方法により、得られた樹脂組成物を用いてプリプレグを作成し、0°圧縮強度を測定した。含浸状態を観察したところ、フィルトレート現象や繊維の配向の乱れは見られなかった。
結果を表1に示す。
GANを15質量部、NANOPOX E430を25質量部、3,3’−DDSを49.9質量部にて計量し、自公転式攪拌機マゼルスターKK−2000を用いて均一なペースト状になるまで混練した。混練した混合物89.9質重量部にNC−7300Lを45質重量部投入し、70℃に設定したニーダーにて均一になるまで攪拌した。得られた樹脂を用いて上記の方法により硬化板を作成し、曲げ物性を測定した。また、上記の方法により、得られた樹脂組成物を用いてプリプレグを作成し、0°圧縮強度を測定した。含浸状態を観察したところ、フィルトレート現象や繊維の配向の乱れは見られなかった。
結果を表1に示す。
比較例1
NANOPOX E430を25質量部配合する代わりに、JER828を8.3質量部、JER807を16.7質量部配合した以外は実施例1と同様にして、硬化板の曲げ物性、0°圧縮強度を測定した。含浸状態を観察したところ、フィルトレート現象や繊維の配向の乱れは見られなかった。
結果を表1に示す。
NANOPOX E430を25質量部配合する代わりに、JER828を8.3質量部、JER807を16.7質量部配合した以外は実施例1と同様にして、硬化板の曲げ物性、0°圧縮強度を測定した。含浸状態を観察したところ、フィルトレート現象や繊維の配向の乱れは見られなかった。
結果を表1に示す。
比較例2
GANを15質量部、JER828を8.3質量部、JER807を16.7質量部、A380を7.1質量部、3,3’−DDSを49.9質量部にて計量し、自公転式攪拌機マゼルスターKK−2000を用いて混練を試みたが、樹脂の流動性が悪く、均一なペーストを得ることができなかった。そこで同組成物を3本ロールによって混練したところ、均一なペースト状に混練することができた。
GANを15質量部、JER828を8.3質量部、JER807を16.7質量部、A380を7.1質量部、3,3’−DDSを49.9質量部にて計量し、自公転式攪拌機マゼルスターKK−2000を用いて混練を試みたが、樹脂の流動性が悪く、均一なペーストを得ることができなかった。そこで同組成物を3本ロールによって混練したところ、均一なペースト状に混練することができた。
混練した混合物89.9質量部にNC−7300Lを45質量部投入し、70℃に設定したニーダーにて均一になるまで攪拌した。得られた樹脂を用いて上記の方法により硬化板を作成し、曲げ物性を測定した。また、上記の方法により、得られた樹脂組成物を用いてプリプレグを作成し、0°圧縮強度を測定した。含浸状態を観察したところ、フィルトレート現象は見られなかったが、若干の繊維配向の乱れが見られた。
結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
比較例3
GANを15質量部、JER828を8.3質量部、JER807を16.7質量部、アルボレックスを7.1質量部、3,3’−DDSを49.9質量部にて計量し、自公転式攪拌機マゼルスターKK−2000を用いて均一なペースト状になるまで混練した。混練した混合物89.9質量部にNC−7300Lを45質量部投入し、70℃に設定したニーダーにて均一になるまで攪拌した。得られた樹脂を用いて上記の方法により硬化板を作成し、曲げ物性を測定した。また、上記の方法により、得られた樹脂組成物を用いてプリプレグを作成し、0°圧縮強度を測定した。含浸状態を観察したところ、プリプレグに由来する層構造の層間にフィラーの凝集体が観察された。
結果を表1に示す。
GANを15質量部、JER828を8.3質量部、JER807を16.7質量部、アルボレックスを7.1質量部、3,3’−DDSを49.9質量部にて計量し、自公転式攪拌機マゼルスターKK−2000を用いて均一なペースト状になるまで混練した。混練した混合物89.9質量部にNC−7300Lを45質量部投入し、70℃に設定したニーダーにて均一になるまで攪拌した。得られた樹脂を用いて上記の方法により硬化板を作成し、曲げ物性を測定した。また、上記の方法により、得られた樹脂組成物を用いてプリプレグを作成し、0°圧縮強度を測定した。含浸状態を観察したところ、プリプレグに由来する層構造の層間にフィラーの凝集体が観察された。
結果を表1に示す。
上記の例において配合に用いた原料の詳細を下記に示す。
Nanopox E430:エポキシ樹脂中にシリカ微粒子がコロイダル分散した、シリカ微粒子配合エポキシ樹脂、成分60%がエポキシ当量200eq/g以下のビスフェノール型エポキシ樹脂、シリカ微粒子の粒径20nm、ナノレジン社製
JER807:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製
JER828:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製
NC7300L:ナフタレンノボラック型エポキシ樹脂、日本化薬社製
GAN:ジグリジシルアニリン型エポキシ樹脂、日本化薬社製
A380:粒径7nmのヒュームドシリカ、エボニック社製
アルボレックス:ホウ酸アルミニウムウィスカ、繊維長20μm、繊維径0.8μm、日本化薬社製
3,3’−DDS:3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、アミン型硬化剤、日本合成化工社製
Nanopox E430:エポキシ樹脂中にシリカ微粒子がコロイダル分散した、シリカ微粒子配合エポキシ樹脂、成分60%がエポキシ当量200eq/g以下のビスフェノール型エポキシ樹脂、シリカ微粒子の粒径20nm、ナノレジン社製
JER807:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製
JER828:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製
NC7300L:ナフタレンノボラック型エポキシ樹脂、日本化薬社製
GAN:ジグリジシルアニリン型エポキシ樹脂、日本化薬社製
A380:粒径7nmのヒュームドシリカ、エボニック社製
アルボレックス:ホウ酸アルミニウムウィスカ、繊維長20μm、繊維径0.8μm、日本化薬社製
3,3’−DDS:3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、アミン型硬化剤、日本合成化工社製
以上に詳細に説明したように、本発明のプリプレグによって成形した強化繊維複合材料は圧縮強度に優れるため、このプリプレグは強化繊維複合材料の製造に適している。よって、本発明は産業上有用である。
Claims (3)
- コロイド分散型ナノシリカ微粒子を含むエポキシ樹脂組成物と強化繊維を含んでなることを特徴とするプリプレグ。
- 高剛性な硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させてなるプリプレグにおいて、該エポキシ樹脂組成物がコロイド分散型ナノシリカ微粒子を含むエポキシ樹脂であることを特徴とするプリプレグ。
- 高剛性な硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させてプリプレグを得るプリプレグの製造方法において、該エポキシ樹脂組成物がコロイド分散型ナノシリカ微粒子を含むエポキシ樹脂であることを特徴とするプリプレグの製造方法。
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JP2010174073A (ja) * | 2009-01-27 | 2010-08-12 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた繊維強化複合材料 |
WO2011142699A1 (en) * | 2010-05-11 | 2011-11-17 | Saab Ab | A composite article comprising particles and a method of forming a composite article |
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US9040142B2 (en) | 2010-05-11 | 2015-05-26 | Saab Ab | Composite article comprising particles and a method of forming a composite article |
EP2569145A4 (en) * | 2010-05-11 | 2017-08-23 | Saab AB | A composite article comprising particles and a method of forming a composite article |
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