JP2009292572A - インクジェットプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】プラテンを用いずに記録紙を撓みの無い状態でインクジェットヘッドの印刷位置を経由して搬送でき、記録紙の撓みに起因する印刷品位の低下を防止可能なインクジェットプリンタを提案すること。
【解決手段】両面インクジェットプリンタ1は、印刷位置11に送り込まれる記録紙3の撓みを除去するための一対の上流側撓み補正板21、22を備えている。上流側撓み補正板21、22の記録紙当接面21a、22aは、弾性押し付け部材23、24の付勢力によって、搬送される記録紙3を両側から押し付け、撓みの無い状態で印刷位置11に送り込む。記録紙当接面21a、22aには圧電体25、26によって弾性表面定在波が発生しており、記録紙3との間に生ずる摩擦力が極めて小さいので、記録紙3はスムーズに印刷位置11に送り込まれる。
【選択図】図1
【解決手段】両面インクジェットプリンタ1は、印刷位置11に送り込まれる記録紙3の撓みを除去するための一対の上流側撓み補正板21、22を備えている。上流側撓み補正板21、22の記録紙当接面21a、22aは、弾性押し付け部材23、24の付勢力によって、搬送される記録紙3を両側から押し付け、撓みの無い状態で印刷位置11に送り込む。記録紙当接面21a、22aには圧電体25、26によって弾性表面定在波が発生しており、記録紙3との間に生ずる摩擦力が極めて小さいので、記録紙3はスムーズに印刷位置11に送り込まれる。
【選択図】図1
Description
本発明は、インクジェットヘッドの印刷位置を規定するためのプラテンを不要としたインクジェットプリンタに関し、特に、記録紙の表裏に印刷を行うための2台のインクジェットヘッドを備えた両面インクジェットプリンタに用いるのに適したインクジェットプリンタに関する。
インクジェットプリンタにおいては、インクジェットヘッドのノズル面に対して一定のギャップを保持した状態で記録紙を搬送しながら印刷が行われる。記録紙がノズル面から一定のギャップを保持した状態で撓み無く搬送されるように、ノズル面に対して一定のギャップで剛体からなるプラテンを配置し、このプラテンの表面に沿って記録紙が搬送される。
したがって、記録紙の両面に印刷を行う両面インクジェットプリンタにおいては、プラテンを配置するために、記録紙の搬送路に沿って前後にずれた位置に、表面印刷用のインクジェットヘッドおよびプラテンと、裏面印刷用のインクジェットヘッドおよびプラテンとを配置している。このような構成のインクジェット印刷装置が特許文献1に開示されている。
一方、両面インクジェットプリンタにおいて、プラテンを省略して、2台のインクジェットプリンタを対向配置した構成のものが、特許文献2において提案されている。ここに開示のインクジェット印字装置では、上側ヘッドと下側ヘッドの同じノズル番号の吐出ノズルを記録紙を介して対向するように位置決めし、上下の同一ノズル番号の吐出ノズルから吐出されたインク滴が記録紙の表裏の同一位置に着弾するようにしてある。これにより、片面の印字後に他面に印字を行なう場合のように、片面印字時に着弾したインク液によって紙面に波打ちが発生した状態で他面の印字が行なわれて印字画像に乱れが発生して印字品位が低下するという弊害を防止している。
特開2006−256289号公報
特開2002−11864号公報
特許文献2に記載のインクジェット印字装置では、プラテンが備わっていないので、記録紙を撓みの無い状態で、対向配置されているインクジェットヘッドによる印刷位置を経由させて搬送することができない。撓みのある状態の記録紙表面に印刷が施されると、印刷画像に歪みなどが生じ、印刷品位が大幅に低減してしまう。特許文献2に開示の構成では、印刷位置に位置する記録紙の部分が撓んでいる場合の弊害を解決できない。
したがって、実用上においては、特許文献1に開示されているように、インクジェットヘッドにプラテンを対峙させた構成を採用して、インクジェットヘッドの印刷位置を搬送される記録紙の部分に撓みが発生しないようにする必要がある。例えば、両面インクジェットプリンタにおいては、搬送路上における前後にずれた位置に2台のインクジェットヘッドを配置して、プラテンの配置位置を確保せざるを得ない。このため、2台のインクジェットヘッドが対向配置されている特許文献2に開示の両面インクジェットプリンタに比べて、長い搬送経路を確保する必要があり、インクジェットプリンタの小型、コンパクト化には不利である。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、プラテンを用いることなく記録紙を撓みの無い状態でインクジェットヘッドの印刷位置を経由して搬送可能なインクジェットプリンタを提案することにある。
また、本発明の課題は、プラテンを用いることなく撓みの無い状態で対向配置されているインクジェットヘッドの印刷位置を経由して搬送できるようにした小型でコンパクトな両面印刷用のインクジェットプリンタを提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明のインクジェットプリンタは、インクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドによる印刷位置に送り込まれる手前の記録紙の部分、および、前記印刷位置から送り出された後の前記記録紙の部分のうち、少なくとも一方の前記記録紙の部分を両側から所定の力で押し付ける撓み補正部材と、前記撓み補正部材における記録紙当接面に、弾性表面波を発生させる振動発生部材とを有していることを特徴としている。
本発明のインクジェットプリンタでは、少なくとも、印刷位置前後のいずれかの位置において、記録紙が撓み補正部材によって両側から所定の押し付け力で挟まれる。この結果、撓みが除去された状態で記録紙が印刷位置に送り込まれる。
また、撓み補正部材の記録紙当接面には、例えば圧電素子などからなる振動発生部材によって振動が与えられて、面外方向に振動する弾性表面波が発生している。弾性表面波が発生している記録紙当接面では、当該当接面の各部分が絶えず面外方向に振動しており、振動の山の部分が記録紙表面に点接触した状態になる。この結果、撓み補正部材の記録紙当接面と記録紙表面との間の接触面積が殆どなく、これらの間に発生する摩擦力が大幅に低減される。
ここで、少なくとも記録紙が送られているときに、前記振動発生部材は、前記撓み補正部材に弾性表面波を発生させるようにすれよい。このようにすれば、印刷時は記録紙を確実に押えながら、搬送時は記録紙を滑らかに搬送することができる。
さらに、印刷位置の上流側および下流側の双方に撓み補正部材を配置した場合には、印刷位置を経由する記録紙における上流側の部位および下流側の部位が撓み補正部材によって押し付けられるので、印刷位置にある記録紙の部分の撓みを確実に除去することができる。
したがって、本発明によれば、プラテンを省略し、撓みの無い状態で記録紙を印刷位置を経由して搬送することできる。また、撓みを無くすために記録紙を両側から押し付けている撓み補正部材によって、記録紙の送り負荷が増加することも抑制できる。
ここで、本発明のインクジェットプリンタにおいて、前記弾性表面波は、定在波、または、記録紙搬送方向に進む進行波であることを特徴としている。撓み補正部材の記録紙当接面に表面定在波(表面定常波)を発生させた場合には、記録紙当接面と記録紙の間の摩擦力を効率良く低減できる。また、記録紙搬送方向に進む進行波を発生させた場合には、撓み補正部材から記録紙に記録紙搬送方向の搬送力が作用して記録紙が送り出される。したがって、この進行波による記録紙搬送力によって、撓み補正部材を配置したことに起因する紙送り負荷の増加を相殺することが可能である。
また、本発明のインクジェットプリンタは、前記撓み補正部材として表面側補正板および裏面側補正板を備えており、前記表面側補正板は、前記記録紙当接面として、前記記録紙の表面に当接する平坦な表面側当接面を備えており、前記裏面側補正板は、前記記録紙当接面として、前記記録紙の裏面に当接する平坦な裏面側当接面を備えており、前記振動発生部材は、前記表面側当接面および前記裏面側当接面の少なくとも一方の当接面に前記表面波を発生させることを特徴としている。
平坦な記録紙当接面によって両側から記録紙を押し付けること(挟むこと)により、記録紙は平坦に引き伸ばされた状態で印刷位置を経由して搬送される。したがって、印刷位置においてインクジェットヘッドのノズル面と記録紙のギャップを一定に保持できるので、印刷品位を維持することができる。
次に、本発明のインクジェットプリンタは、前記インクジェットヘッドとして、前記印刷位置において前記記録紙の表面にノズル面が対峙する表面印刷用インクジェットヘッドと、前記印刷位置において前記記録紙の裏面にノズル面が対峙する裏面印刷用インクジェットヘッドとを備えていることを特徴としている。
本発明では、プラテンを用いることなく確実に印刷位置を経由する記録紙の部分の撓みを除去できるので、印刷位置において2台のインクジェットヘッドを対向配置した構成を採用することができる。この結果、記録紙搬送方向に沿って前後に2台のインクジェットヘッドを配置しなければならない両面インクジェットプリンタに比べて、記録紙搬送経路を短くできるので、インクジェットプリンタの小型化、コンパクト化に有利である。
ここで、本発明による両面印刷用のインクジェットプリンタでは、前記表面印刷用インクジェットヘッドおよび前記裏面印刷用インクジェットヘッドはキャリッジに搭載されたシリアル型のインクジェットヘッドであり、前記表面印刷用インクジェットヘッドおよび前記裏面印刷用インクジェットヘッドは、印刷時には前記記録紙の幅方向に逆位相で移動することを特徴としている。
2台のインクジェットヘッドを逆位相で移動させることにより、インクジェットヘッドの移動に伴う重心移動を抑制できるので、インクジェットヘッドの移動に伴う振動を抑制できる。この結果、インクジェットヘッドを精度良く移動させることができ、振動に起因する印刷品位の低下、騒音の発生などを抑制できる。
また、本発明による両面印刷用のインクジェットプリンタでは、前記印刷位置を経由する垂直な記録紙搬送路部分が形成されており、前記記録紙搬送路部分を挟み、前記表面印刷用インクジェトヘッドのノズル面および前記裏面印刷用インクジェットヘッドのノズル面が垂直な状態で対峙しており、これら表面印刷用インクジェットヘッドおよび裏面印刷用インクジェットヘッドは前記キャリッジにより水平方向に移動することを特徴としている。
記録紙搬送路部分を垂直にし、水平方向にインクジェットヘッドを移動させることにより、インクジェットヘッドから吐出されるインク液滴に作用する重力に起因するインク液滴の飛行軌跡の変動などを抑制できる。よって、インク液滴の着弾位置の変動による印刷品質の低下を抑制できる。
本発明のインクジェットプリンタでは、印刷位置を経由する記録紙における少なくとも印刷位置への送り込み手前側の部分を撓み補正部材によって所定の力で押し付けることにより、印刷位置において記録紙が撓まないようにしている。また、撓み補正部材における記録紙当接面に、その面外方向に振動する弾性表面波を発生させ、これによって撓み補正部材と記録紙の間の摩擦力を低減させて、記録紙の送り負荷の増加を抑制している。
したがって、本発明によれば、プラテンを用いることなく、撓みの無い状態で記録紙を印刷位置を経由して搬送できると共に、撓みを除去するために配置した撓み補正部材による送り負荷の増加も抑制できるという効果が得られる。
本発明を両面インクジェットプリンタに適用した場合には、2台のインクジェトヘッドを対向配置することができる。したがって、撓みの無い状態で記録紙に印刷を行うことができると共に、記録紙搬送経路を短くできるという効果が得られる。
以下に、図面を参照して、本発明を適用したインクジェットプリンタの実施の形態を説明する。
(全体構成)
図1は本実施の形態に係る両面インクジェットプリンタを示す主要部分の概略側面図であり、図2はその概略正面図である。両面インクジェットプリンタ1は例えば水平に配置された給紙部2を備えており、この給紙部2に積層状態で収納されている記録紙3は、給紙ローラ4によって一枚ずつ、一点鎖線で示す記録紙搬送路5の上流端に送り出される。記録紙搬送路5は垂直搬送路部分6を備えており、この垂直搬送路部分6の下端には、上流側紙送りローラ7が配置されており、この上流側紙送りローラ7には押えローラ8が連れ回り可能な状態で押し付けられている。垂直搬送路部分6の上端には、下流側紙送りローラ9が配置されており、この下流側紙送りローラ9には押えローラ10が連れ回り可能な状態で押し付けられている。
図1は本実施の形態に係る両面インクジェットプリンタを示す主要部分の概略側面図であり、図2はその概略正面図である。両面インクジェットプリンタ1は例えば水平に配置された給紙部2を備えており、この給紙部2に積層状態で収納されている記録紙3は、給紙ローラ4によって一枚ずつ、一点鎖線で示す記録紙搬送路5の上流端に送り出される。記録紙搬送路5は垂直搬送路部分6を備えており、この垂直搬送路部分6の下端には、上流側紙送りローラ7が配置されており、この上流側紙送りローラ7には押えローラ8が連れ回り可能な状態で押し付けられている。垂直搬送路部分6の上端には、下流側紙送りローラ9が配置されており、この下流側紙送りローラ9には押えローラ10が連れ回り可能な状態で押し付けられている。
垂直搬送路部分6における上下方向の中央位置が印刷位置11とされており、この印刷位置11を挟み、記録紙3の表面に対峙する側には表面印刷用インクジェットヘッド12が配置され、記録紙3の裏面に対峙する側には裏面印刷用インクジェットヘッド13が配置されている。表面印刷用インクジェットヘッド12はキャリッジ14に搭載されており、キャリッジ14は水平に架け渡したキャリッジガイド軸15に沿って水平方向(紙幅方向)に往復移動可能である。表面印刷用インクジェットヘッド12は、そのノズル面12aが垂直となり、そこに形成されている複数列、例えば二列のインクノズル列が上下方向に延びる状態となるように、キャリッジ14に搭載されている。
同様に、裏面印刷用インクジェットヘッド13はキャリッジ17に搭載されており、キャリッジ17は水平なキャリッジガイド軸18に沿って水平方向に往復移動可能である。また、裏面印刷用インクジェットヘッド13は、そのノズル面13aが垂直となり、そこに形成されている複数列、例えば二列のインクノズル列が上下方向に延びる状態となるように、キャリッジ17に搭載されている。
垂直搬送路部分6における印刷位置11の上流側の部位には、一対の上流側撓み補正板21、22(表面側補正板、裏面側補正板)が対向配置されている。これら上流側撓み補正板21、22は、記録紙搬送方向に長い長方形断面をしており、全体として記録紙幅方向に水平に配置された細長い長方形の板である。これらの上流側撓み補正板21、22は例えばステンレススチール、アルミニウムなどの金属素材、セラッミック素材などからなる板である。これらの上流側撓み補正板21、22における記録紙3に対峙する側の記録紙当接面21a、22a(表面側当接面、裏面側当接面)は垂直な平面とされており、それらの記録紙搬送方向の上流側の端部には上流側に向かって相互に離れる方向に広がっているテーパ部21b、22bが形成されている。また、上流側撓み補正板21、22は、それらの背面側から、それぞれコイルばね等からなる弾性押圧部材23、24によって付勢されている。したがって、上流側撓み補正板21、22は所定の押し付け力で、それらの記録紙当接面21a、22aが相互に押し付けられている。
ここで、上流側撓み補正板21、22の背面にはそれぞれ細長い圧電セラミックなどの圧電体25、26(振動発生部材)が貼り付けられている。圧電体25、26に、例えば20〜100KHzなどの所定周期で電圧を印加すると、圧電体25、26が弾性変位して振動する。これによって、上流側撓み補正板21、22に振動が伝わり、それらの記録紙当接面21a、22aには、例えば、それらの面外方向に1μm程度振動する弾性表面定在波が発生するようになっている。
本例では、垂直搬送路部分6における印刷位置11の下流側の部位にも、同様な構成の一対の下流側撓み補正板31、32(表面側補正板、裏面側補正板)が対向配置されている。すなわち、これら下流側撓み補正板31、32は、記録紙搬送方向に長い長方形断面をしており、全体として記録紙幅方向に水平に配置された細長い長方形の板である。これらの下流側撓み補正板31、32は例えばステンレススチール、アルミニウムなどの金属素材、セラッミック素材などからなる板である。これらの下流側撓み補正板31、32における記録紙3に対峙する側の記録紙当接面31a、32a(表面側当接面、裏面側当接面)は垂直な平面とされており、それらの記録紙搬送方向の上流側の端部には上流側に向かって相互に離れる方向に広がっているテーパ部31b、32bが形成されている。また、下流側撓み補正板31、32は、それらの背面側から、それぞれコイルばね等からなる弾性押圧部材33、34によって付勢されている。したがって、下流側撓み補正板31、32は所定の押し付け力で、それらの記録紙当接面31a、32aが相互に押し付けられている。
また、下流側撓み補正板31、32の背面にもそれぞれ細長い圧電セラミックなどの圧電体35、36(振動発生部材)が貼り付けられている。圧電体35、36に、例えば20〜100KHzなどの所定周期で電圧を印加すると、圧電体35、36が弾性変位して振動する。これによって、下流側撓み補正板31、32に振動が伝わり、それらの記録紙当接面31a、32aには、例えば、それらの面外方向に1μm程度振動する弾性表面定在波が発生するようになっている。
(制御系)
図3は両面インクジェットプリンタ1の制御系を示す概略ブロック図である。制御系はコンピュータを備えた制御部41を中心に構成されている。制御部41には、上位のホスト装置42の側から印刷コマンド、印刷データなどが供給される。また、制御部41には、記録紙搬送路5における複数個所に配置されている記録紙センサ群43から検出信号が入力される。制御部41の出力側には、ヘッドドライバ44を介して、表面印刷用インクジェットヘッド12および裏面印刷用インクジェットヘッド13が接続されている。また、モータドライバ45〜47を介して、給紙ローラ駆動用のモータ48、上流側紙送りローラ駆動用のモータ49および下流側紙送りローラ駆動用のモータ50が接続されている。さらに、モータドライバ51を介して、キャリッジ14、17をキャリッジガイド軸15、18に沿って往復移動させるためのキャリッジモータ52が接続されている。さらには、圧電体ドライバ53を介して、圧電体25、26、35、36が接続されている。
図3は両面インクジェットプリンタ1の制御系を示す概略ブロック図である。制御系はコンピュータを備えた制御部41を中心に構成されている。制御部41には、上位のホスト装置42の側から印刷コマンド、印刷データなどが供給される。また、制御部41には、記録紙搬送路5における複数個所に配置されている記録紙センサ群43から検出信号が入力される。制御部41の出力側には、ヘッドドライバ44を介して、表面印刷用インクジェットヘッド12および裏面印刷用インクジェットヘッド13が接続されている。また、モータドライバ45〜47を介して、給紙ローラ駆動用のモータ48、上流側紙送りローラ駆動用のモータ49および下流側紙送りローラ駆動用のモータ50が接続されている。さらに、モータドライバ51を介して、キャリッジ14、17をキャリッジガイド軸15、18に沿って往復移動させるためのキャリッジモータ52が接続されている。さらには、圧電体ドライバ53を介して、圧電体25、26、35、36が接続されている。
(印刷動作)
両面インクジェットプリンタ1の制御部41は、ホスト装置42から印刷データを受け取ると、そのROMに予めインストールされている制御プログラムを実行して、給紙部2から記録紙3を一枚ずつ記録紙搬送路5に送り出す。記録紙3の搬送制御は、記録紙搬送路5に沿って配置されているセンサ群43の検出信号に基づき行なわれる。記録紙搬送路5に送り出された記録紙3は、上流側紙送りローラ7および押えローラ8のニップ部を通って垂直搬送路部分6に送り出される。この後は、印刷位置11の手前に配置されている一対の上流側撓み補正板21、22のテーパ部21b、22bによってガイドされて、これらの記録紙当接面21a、22aの間に送り込まれる。
両面インクジェットプリンタ1の制御部41は、ホスト装置42から印刷データを受け取ると、そのROMに予めインストールされている制御プログラムを実行して、給紙部2から記録紙3を一枚ずつ記録紙搬送路5に送り出す。記録紙3の搬送制御は、記録紙搬送路5に沿って配置されているセンサ群43の検出信号に基づき行なわれる。記録紙搬送路5に送り出された記録紙3は、上流側紙送りローラ7および押えローラ8のニップ部を通って垂直搬送路部分6に送り出される。この後は、印刷位置11の手前に配置されている一対の上流側撓み補正板21、22のテーパ部21b、22bによってガイドされて、これらの記録紙当接面21a、22aの間に送り込まれる。
ここで、記録紙3の搬送が開始されると、上流側撓み補正板21、22の圧電体25、26、下流側撓み補正板31、32の圧電体35、36には、電圧が印加されて所定の周波数で微小振動が発生する。上流側撓み補正板21、22および下流側撓み補正板31、32は、それぞれ圧電体25、26および圧電体35、36によって振動が加えられ、それらの記録紙当接面21a、22aおよび記録紙当接面31a、32aには、それらの面外方向に振動する弾性表面定在波が発生した状態が形成される。
上流側撓み補正板21、22の記録紙当接面21a、22aの間に送り込まれた記録紙3は、弾性押し付け部材23、24による押し付けて力によって表裏両側から押圧されて、平面状に広げられた状態で印刷位置11に送り込まれる。また、これらの記録紙当接面21a、22aに発生している弾性表面定在波によって、これらと記録紙3の間の摩擦力が大幅に低減される。したがって、記録紙3は平面状に押し付けられた状態で、記録紙当接面21a、22aの間をスムーズに通って印刷位置11に送り込まれる。
記録紙3は平面状に広げられた状態で印刷位置11を通過し、印刷位置11を通過する間に、表面印刷用インクジェットヘッド12および裏面印刷用インクジェットヘッド13によって表面および裏面に印刷が施される。したがって、プラテンによって支持されていなくても、記録紙3は印刷位置11において撓むことなく平面状に保持され、撓みに起因する印刷画像の乱れが防止される。
ここで、表面印刷用インクジェットヘッド12および裏面印刷用インクジェットヘッド13は、逆位相の関係を保持して記録紙幅方向に往復移動する。すなわち、図2に示すように、一方の表面印刷用インクジェットヘッド12が記録紙幅方向の一方の端に位置している状態では、他方の裏面印刷用インクジェットヘッド13が記録紙幅方向の他方の端に位置している。記録紙幅方向の中心を通る垂線Vを中心として常に左右対称の位置を保持した状態で、インクジェットヘッド12、13が移動する。すなわち、これらが搭載されているキャリッジ14、17が逆位相の関係を保持するようにキャリッジモータ52によって駆動される。したがって、キャリッジ14、17の移動に伴う垂線Vを中心とする左右のバランスが保持され、重心位置の左右の変動が実質的に発生しない。よって、印刷時のキャリッジ移動に伴う振動、振動に伴う騒音が抑制され、振動に起因する印刷画像の乱れを防止できる。
印刷位置11を通過した後の記録紙3の部分は、その送り出し側に配置されている下流側撓み補正板31、32の間に送り込まれ、ここを介して、下流側紙送りローラ9および押えローラ10のニップ部に送り込まれる。このニップ部を介して記録紙3は不図示の排出口から排出される。下流側撓み補正板31、32の記録紙当接面31a、32aにも圧電体35、36によって弾性表面定在波が発生しているので、記録紙3は平面状に広げられた押し付け状態でスムーズに下流側に送り出される。
記録紙3の先端が下流側撓み補正板31、32の記録紙当接面31a、32aの間に送り込まれて、これらによって平面状に押し付けられた搬送状態が形成された後は、印刷位置11を挟み、上流側撓み補正板21、22と、下流側撓み補正板31、32とによって、記録紙3は撓みが除去されて平面状態を維持したまま印刷位置11を経由して搬送される。したがって、印刷位置11における記録紙3の撓みが確実に防止され、記録紙3の撓みに起因する印刷乱れなどによる印刷品位の低下が確実に防止される。
なお、片面印刷の場合には、例えば、表面印刷用インクジェットヘッド12のみが駆動され、記録紙3の表面にのみ印刷が行われる。この場合においても、他方の裏面印刷用インクジェットヘッド13は印刷動作(インク液滴の吐出動作)を行なうことなく、逆位相の関係を維持した状態で記録紙幅方向に移動させる。これによって、印刷時のインクジェットヘッド12の移動に伴う振動を抑制できる。
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態では、印刷位置11を挟み、その上流側および下流側に、それぞれ一対の上流側撓み補正板21、22および下流側撓み補正板31、32を配置している。水性インクなどのような乾燥速度の遅いインクを用いる場合において、インク液滴が乾燥する前に下流側撓み補正板31、32の間に送り込まれるおそれがある場合には、下流側撓み補正板31、32を省略すればよい。
上記の実施の形態では、印刷位置11を挟み、その上流側および下流側に、それぞれ一対の上流側撓み補正板21、22および下流側撓み補正板31、32を配置している。水性インクなどのような乾燥速度の遅いインクを用いる場合において、インク液滴が乾燥する前に下流側撓み補正板31、32の間に送り込まれるおそれがある場合には、下流側撓み補正板31、32を省略すればよい。
上記の実施の形態では、一対の上流側撓み補正板21、22および一対の下流側撓み補正板31、32に振動を与えるようにしている。一対の上流側撓み補正板21、22のうちの一方、一対の下流側撓み補正板31、32の一方にのみ振動を与えるようにすることも可能である。
上記の実施の形態では、一対の弾性押し付け部材23、24および一対の弾性押し付け部材33、34を用いている。一方の撓み補正板を固定した位置に配置し、他方の撓み補正板を弾性押し付け部材によって固定側の撓み補正板に押し付けるようにしてもよい。
上記の実施の形態では、一対の撓み補正板21、22、31、32を用いているが、撓み補正部材としては、印刷位置を経由して搬送される記録紙の部分の撓みを除去できるものであれば良く、長方形断面の板材に限定されるものではない。
上記の実施の形態では、圧電体25、26、35、36を用いて撓み補正板21、22、31、32における記録紙当接面21a、22a、31a、32aに弾性定在波を発生させて、記録紙3との間の摩擦力を低減している。記録紙3との間の摩擦力を低減すると共に記録紙3に搬送力を与えるためには、記録紙当接面21a、22a、31a、32aに、記録紙搬送方向に進行する弾性進行波を発生させるように、圧電体25、26、35、36を駆動制御すればよい。このようにすれば、撓み補正板21、22、31、32を配置したことに起因する記録紙3の送り負荷の増加を抑制できるので好ましい。また、弾性表面波を発生させるための振動源の例として、上述の圧電体の他に、ランジュバン振動子などでもよい。
上記の実施の形態では、垂直な搬送路部分6を挟み2台のインクジェットヘッドを対峙させ、これらのインクジェットヘッドを水平方向に往復移動させるようにしている。背景技術の欄で引用した特許文献2に開示されているように、水平な搬送路部分に上下にインクジェットヘッドを対峙させることも可能である。
上記の実施の形態は本発明を両面インクジェットプリンタに適用した例である。本発明は、記録紙の片面に印刷を行う一般的なインクジェットプリンタにも同様に適用可能であり、本発明を適用することによって、従来においてインクジェットヘッドに対向配置されているプラテンを省略できる。また、本発明は、シルアル型のインクジェットプリンタに限らず、ライン型のインクジェットプリンタにも同様に適用可能である。
上記の実施の形態では所定サイズのカットシートに印刷を行うものであるが、ロール紙などの連続紙に印刷を行うインクジェットプリンタに対しても本発明を適用可能なことは勿論である。
1 両面インクジェットプリンタ、2 給紙部、3 記録紙、4 給紙ローラ、5 記録紙搬送路、6 垂直搬送路部分、7 上流側紙送りローラ、8 押えローラ、9 下流側紙送りローラ、10 押えローラ、11 印刷位置、12 表面印刷用インクジェットヘッド、13 裏面印刷用インクジェットヘッド、14,17 キャリッジ、15,18 キャリッジガイド軸、21,22 上流側撓み補正板、21a,22a,31a,32a 記録紙当接面、21b,22b,31b,32b テーパ部、23,24,33,34 弾性押し付け部材、25,26,35,36 圧電体、31,32 下流側撓み補正板、41 制御部、42 ホスト装置、43 センサ群、44 ヘッドドライバ、45〜47,51 モータドライバ、48〜50,52 モータ、53 圧電体ドライバ
Claims (7)
- インクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドによる印刷位置に送り込まれる手前の記録紙の部分、および、前記印刷位置から送り出された後の前記記録紙の部分のうち、少なくとも一方の前記記録紙の部分を両側から所定の力で押し付ける撓み補正部材と、
前記撓み補正部材における記録紙当接面に、弾性表面波を発生させる振動発生部材とを有していることを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、
少なくとも記録紙が送られているときに、前記振動発生部材は、前記撓み補正部材に弾性表面波を発生させることを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 請求項1または2に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記弾性表面波は、定在波、または、記録紙搬送方向に進む進行波であることを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 請求項1ないし3のうちのいずれかに記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記撓み補正部材として表面側補正板および裏面側補正板を備えており、
前記表面側補正板は、前記記録紙当接面として、前記記録紙の表面に当接する表面側当接面を備えており、
前記裏面側補正板は、前記記録紙当接面として、前記記録紙の裏面に当接する裏面側当接面を備えており、
前記振動発生部材は、前記表面側当接面および前記裏面側当接面の少なくとも一方の当接面に前記弾性表面波を発生させることを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 請求項1ないし4のうちのいずれかの項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記インクジェットヘッドとして、前記印刷位置において前記記録紙の表面にノズル面が対峙する表面印刷用インクジェットヘッドと、前記印刷位置において前記記録紙の裏面にノズル面が対峙する裏面印刷用インクジェットヘッドとを備えていることを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 請求項5に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記表面印刷用インクジェットヘッドおよび前記裏面印刷用インクジェットヘッドはキャリッジに搭載されたインクジェットヘッドであり、
前記表面印刷用インクジェットヘッドおよび前記裏面印刷用インクジェットヘッドは、前記記録紙の幅方向に逆位相で移動することを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 請求項6に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記印刷位置を経由する垂直な記録紙搬送路部分が形成されており、
前記記録紙搬送路部分を挟み、前記表面印刷用インクジェトヘッドのノズル面および前記裏面印刷用インクジェットヘッドのノズル面が垂直な状態で対峙しており、
これら表面印刷用インクジェットヘッドおよび裏面印刷用インクジェットヘッドは前記キャリッジにより水平方向に移動することを特徴とするインクジェットプリンタ。
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2008
- 2008-06-04 JP JP2008146677A patent/JP2009292572A/ja not_active Withdrawn
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