JP2009292420A - ステアリングメンバ支持構造 - Google Patents

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和実 久島
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Abstract

【課題】通常は、ダッシュパネルとステアイングコラムとを結合させてステアリングコラムの支持剛性を高めることができながら、車両前面衝突時には、高い作動応答性で結合解除可能であり、かつ、ダッシュパネルの変形速度が速い場合でも、確実に結合解除を実行可能なステアリングメンバ支持構造を提供すること。
【解決手段】ステアリングメンバ1とダッシュパネル2とを結合する左側結合ブラケット3が、基端部がステアリングメンバ1に固定されたポスト部材31と、基端部がダッシュパネル2に固定された移動部材32と、ポスト部材31と移動部材32との車両前後方向への変位を規制可能にかしめられたかしめ部33と、を備えていることを特徴とするステアリングメンバ支持構造とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、車幅方向に車体に架設されてステアリングコラムを支持するステアリングメンバとダッシュパネルとを結合する結合ブラケットを備えたステアリングメンバ支持構造に関するものである。
従来、車両の前面衝突時に、ダッシュパネルが車両後方へ変形するのに伴ってステアリングコラムが後退することを抑制する技術が提案されている。
このような技術において、ダッシュパネルが車両後方へ変形した際に、ステアリングコラムをダッシュパネル側から離脱させる離脱機構を設けたものが例えば、特許文献1などにより知られている。
この従来技術では、衝突エネルギによるダッシュパネルの車両後方への変形を、ロッドやリンクなどの連結索を介して離脱機構に伝達させて連結を解除するようにしている。
実開平1−152872号公報
しかしながら、上述のような従来技術にあっては、ダッシュパネルの変形を連結索により離脱機構に伝達する構造であったため、動作の伝達に時間がかかり、作動応答性に問題があるとともに、ダッシュパネルの変形速度が速い場合に、離脱が実行されないおそれがあった。
本発明は、上述の従来の問題点に着目して成されたもので、通常は、ダッシュパネルとステアイングコラムとを結合させてステアリングコラムの支持剛性を高めることができながら、車両前面衝突時には、高い作動応答性で結合解除可能であり、かつ、ダッシュパネルの変形速度が速い場合でも、確実に結合解除を実行可能なステアリングメンバ支持構造を提供することを目的としている。
上述の目的を達成するために、本発明は、ステアリングメンバとダッシュパネルとを結合する結合ブラケットが、車両後方側の基端部が前記ステアリングメンバに固定されたポスト部材と、車両前方側の基端部が前記ダッシュパネルに固定され、前記ポスト部材に嵌合された移動部材と、前記ポスト部材に設けられ、前記ポスト部材と移動部材との車両前後方向への変位を規制しつつ、車両前方からの入力荷重が前記ダッシュパネルに達したときに、前記移動部材を、前記ポスト部材に対して車両後方へ相対移動可能に保持した保持部と、を備えていることを特徴とするステアリングメンバ支持構造とした。
本発明のステアリングメンバ支持構造では、非車両前面衝突時である通常時は、移動部材とポスト部材とが保持部で結合されており、ステアリングメンバとダッシュパネルは結合ブラケットを介して剛体結合状態となっている。
したがって、ステアリングメンバに支持されたステアリングコラムは、結合ブラケットを設けない場合よりも高い支持剛性を得ることができる。
車両の前面衝突によりダッシュパネルに衝突荷重が伝達された場合、結合ブラケットにおいて保持部による結合力を越える荷重が入力されると、保持部による結合が解除されて、ダッシュパネル側の移動部材は、ステアリングメンバ側のポスト部材に対して車両後方へ相対移動する。
したがって、ダッシュパネルへ入力された荷重が、結合ブラケットを介してステアリングメンバおよびステアリングコラムへ伝達されるのを抑制できる。
また、この荷重伝達抑制は、ダッシュパネルへ入力された荷重で、保持部による結合を解除することで成されるため、ロッドやリンクなどを介在させた荷重伝達により結合を解除するものと比較して、短時間でかつ確実な結合解除が可能となる。同様に、ダッシュパネルの変形が短時間に進行した場合でも、ダッシュパネルへの入力が確実に移動部材に伝達されることから、上述の結合解除を確実に実行可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態のステアリングメンバ支持構造は、車体のダッシュパネル(2)の車両後方位置で車幅方向に横架され、ステアリングコラムを支持するステアリングメンバ(1)と、このステアリングメンバ(1)と前記ダッシュパネル(2)とを結合して車両前後方向に延在された結合ブラケット(3)と、を有し、この結合ブラケット(3)は、車両後方側の基端部が前記ステアリングメンバ(1)に固定されたポスト部材(31)と、車両前方側の基端部が前記ダッシュパネル(2)に固定され、前記ポスト部材に嵌合された移動部材(32)と、前記ポスト部材(31)に設けられ、前記ポスト部材(31)と移動部材(32)との車両前後方向への変位を規制しつつ、車両前方からの入力荷重が前記ダッシュパネル(2)に達したときに、前記移動部材(32)を、前記ポスト部材(31)に対して車両後方へ相対移動可能に保持した保持部(33)と、を備えていることを特徴とするステアリングメンバ支持構造である。
図1〜図6に基づき、この発明の最良の実施の形態の実施例1のステアリングメンバ支持構造について説明する。
この実施例1のステアリングメンバ支持構造を適用して支持されるステアリングメンバ1は、図5に示すように、ダッシュパネル2の車両後方(図において矢印RR方向)において、車幅方向に横架されている。
ステアリングメンバ1は、円形パイプ状に形成され、車幅方向(図において矢印Lが車両左方向を示す)の両端部が端部支持ブラケット11,12を介して、車体BDに支持されているとともに、車幅方向の中間部が、2本の中央支持ブラケット13,13を介して、フロアパネルFPに支持されている。
この実施例1では、車幅方向左側にステアリングホイール(図示省略)が配置されたいわゆる左ハンドル仕様のもので、図6に拡大して示すように、ステアリングメンバ1の車幅方向左側に図示を省略したステアリングコラムを支持するコラム支持ブラケット14が設けられている。
さらに、実施例1では、図5に示すように、ステアリングメンバ1とダッシュパネル2とが、車幅方向に離れた2箇所で、左側結合ブラケット3と右側結合ブラケット4とで結合されている。
左側結合ブラケット3には、車両の前面衝突時のダッシュパネル2への変形に伴って結合を解除可能な構造となっている。
以下、この構造について詳細に説明する。
左側結合ブラケット3は、図1〜図3に示すように、ステアリングメンバ1側のポスト部材31と、ダッシュパネル2側の移動部材32とを備えており、両者は、保持部としてのかしめ部33で結合されている。
ポスト部材31は、ステアリングメンバ1に溶接された金属製箱状の部材で、上板部31a、下板部31b、右側板部31c、左側板部31dとにより空間部31eを囲み、車幅方向に沿って縦断した形状が略四角形の箱状に形成されている(なお、図において矢印UPが車両上方を示している)。
さらに、ポスト部材31の車両前方の先端部に、車両前方から視て略正方形の前部開口部31fが形成されている。一方、ポスト部材31の車両後方の基端部に、車両後方から視て四角形で、車両側方から視て、ステアリングメンバ1の外周に沿う円弧形状の後部開口部31gが形成されている。
また、ポスト部材31の上板部31aと下板部31bとの車両前方先端部には、図1に示すように、車両前方に向けて先窄まりとなるよう車両側方から視て略V字状を成す傾斜支持面31h,31hが形成されている。したがって、空間部31eは、前部開口部31fから下板部31bの折曲点31kにかけて車両後方に向けて上下方向寸法が徐々に大きくなるよう形成されている。
さらに、左側板部31dには、図2に示すように、車幅方向寸法を前部開口部31fから車両後方に向かうにつれて徐々に拡大する側方拡大部31mが形成され、車両左方向へ徐々に幅が拡がる形状に形成されている。
移動部材32は、挿入部32aと結合部32bとを備えている。
挿入部32aは、ポスト部材31の前部開口部31fを挿通可能な四角柱状に形成されており、その先端面に開口してねじ穴32cが軸心に沿って形成されている。
結合部32bは、挿入部32aと一体に形成され、図1に示すように上下方向寸法を車両後方に向けて徐々に拡大する楔状に形成されており、傾斜支持面31h,31hに沿って当接可能な傾斜面32d,32dと、この傾斜面32d,32dの車両後方に連続して上下方向を向いた平坦部32e,32eと、車両後方を向いた後端面32fとを備えている。
かしめ部33は、ポスト部材31の傾斜支持面31h,31hを、それぞれ、移動部材32の平坦部32e,32eの位置で、空間部31eの方向にかしめることで形成されており、これにより、ポスト部材31と移動部材32とが一体的に結合され、相対移動が規制されている。
さらに、ポスト部材31の右側板部31cにおいて、移動部材32の後端面32fの僅かに車両後方位置をかしめ、図2に示すように、移動部材32が車両後方へ移動するのを規制する凸状34が、図1に示すように、車両上下方向に沿って形成されている。
そして、移動部材32のねじ穴32cに、ダッシュパネル2の車両前方から貫通させたボルト35が締結されている。
以上説明した構成に基づいて、ステアリングメンバ1は、左側結合ブラケット3を介してダッシュパネル2に結合されている。
なお、ポスト部材31の空間部31eにおいて、移動部材32の結合部32bよりも車両後方部分の前後長は、移動部材32において、ポスト部材31の前部開口部31fから車両前方へ突出している部分の前後長よりも長く設定されている。
次に、実施例1の作用を説明する。
(組付時)
まず、左側結合ブラケット3の結合手順を説明すると、移動部材32を、ポスト部材31の後部開口部31gから空間部31eに差し込む。
次に、移動部材32の挿入部32aを、ポスト部材31の前部開口部31fから突出させる。このとき、移動部材32の結合部32bの両傾斜面32d,32dを、ポスト部材31の両傾斜支持面31h,31hに面で当接するまで移動部材32を押すことで、傾斜支持面31h,31hにガイドされて、挿入部32aは、図1に示すように、前部開口部31fと略同軸に配置される。
この状態で、ポスト部材31の上板部31a、下板部31bをかしめ、移動部材32とポスト部材31とを結合させる。また、このかしめ作業と同時、あるいは、別に、右側板部31cにおいてもかしめを行い凸状34を形成する。
以上で、左側結合ブラケット3の結合作業を終える。
次に、左側結合ブラケット3をステアリングメンバ1に結合させる。
この場合、ポスト部材31の後部開口部31gをステアリングメンバ1に当接させ、溶接により結合する。
その後、ステアリングメンバ1を車両に組み付ける。
このステアリングメンバ1の組付において、左側結合ブラケット3では、ダッシュパネル2から突き出させたボルト35を、移動部材32のねじ穴32cに締結させる。これにより、ステアリングメンバ1は、左側結合ブラケット3を介してダッシュパネル2に結合される。なお、他のブラケット11,12,13,4による結合については説明を省略する。
(通常時)
車両の前面衝突以外の通常時には、ステアリングメンバ1は、車幅方向両端が車体BDに結合されているのに加え、車幅方向の中間部の左右では、左側結合ブラケット3および右側結合ブラケット4を介してダッシュパネル2に結合され、車幅方向中央部では、中央支持ブラケット13,13を介してフロアパネルFPに結合されている。
したがって、ステアリングメンバ1の、車両前後方向および車両上下方向の変位に対する剛性が向上し、図示を省略したステアリングコラムの支持剛性も向上する。
また、左側結合ブラケット3では、ポスト部材31と移動部材32とはかしめ部33によりかしめられていて両者が結合状態であるため、ステアリングメンバ1とダッシュパネル2との間で、この左側結合ブラケット3を介して荷重が伝達される。そして、車両前後方向の入力に対して、移動部材32は、その車両後方に配置された凸状34と係合状態となっているため、かしめ部33のみの結合した場合よりも高い剛性が得られる。
(衝突時)
車両の前面衝突時に、図外のエンジンなどが後退しダッシュパネル2が車両後方に変形する場合、ダッシュパネル2は、車両上方から視て略V字状に、車幅方向の中央部分がその左右部分よりも車両後方に変位する。
このようなダッシュパネル2のV字状の変形に伴って、左側結合ブラケット3では、移動部材32に対して、図2において矢印MLに示すように、車両左方向へ回動しながら車両後方へ変位するよう荷重が作用する。この荷重が、かしめ部33によるかしめ力を上回ると、ポスト部材31と移動部材32との結合が解除され、移動部材32は、図4に示すように、ポスト部材31に対して車両後方へ移動する。
このとき、挿入部32aが前部開口部31fから空間部31e内へ徐々に挿入されるとともに、結合部32bが、空間部31e内を車両後方へ移動する。
なお、移動部材32が、矢印ML方向へ移動した場合には、移動部材32が、凸状34を容易に乗り越えて、凸状34による車両後方への移動規制が作用しない。
このようにして、移動部材32とポスト部材31との結合が解除されると、左側結合ブラケット3では、ダッシュパネル2からステアリングメンバ1への荷重伝達が成されず、ステアリングメンバ1が車両後方へ変位するのが防止される。
これにより、コラム支持ブラケット14に支持された図示を省略したステアリングコラムが車両後方へ移動するのが抑制される。
さらに、本実施例1では、右側結合ブラケット4には、上述のような結合解除の構造を設けていないため、ステアリングメンバ1が変形するような荷重がダッシュパネル2に入力された場合には、右側結合ブラケット4に結合された位置を頂点とするV字状に変形する。
したがって、ステアリングメンバ1は、コラム支持ブラケット14が設けられている部分は、車両左方向に傾き、図示を省略したステアリングコラムは、その先端のステアリングホイール(図示省略)が車両左方向に変位するように、車両外方へ傾き、乗員との緩衝を抑制できる。
以上説明したように、本実施例1のステアリングメンバ支持構造にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
a)車両前面衝突によりダッシュパネル2が変形した際に、左側結合ブラケット3では、ダッシュパネル2から入力される荷重により、移動部材32とポスト部材31との結合が解除されて、ステアリングメンバ1およびステアリングコラムへ荷重が伝達されるのを抑制できる。よって、ステアリングコラムが車両後方へ移動するのを防止できる。
b)このステアリングメンバ1およびステアリングコラムへの荷重伝達防止が、左側結合ブラケット3において、かしめ部33による結合が解除されることで成されるようにしたため、ロッドやリンクなどを介在させた荷重伝達により結合を解除するものと比較して、短時間でかつ確実な結合解除が可能となる。加えて、ダッシュパネル2の変形が短時間に進行した場合でも、ダッシュパネル2への入力が確実に移動部材32に伝達されることから、上述の結合解除を確実に実行可能である。
しかも、移動部材32がポスト部材31に対して車両後方へ移動するのを規制し、車両前方からの荷重が所定荷重を超えると移動するのを許す保持部として、かしめ部33を設けた。このため、この保持を締結部材など用いた行うものと比較して、部品点数を抑え低コストで実行可能である。
c)移動部材32は、挿入部32aが、前部開口部31fの開口面積よりも小さな断面積に形成されているため、結合解除後の移動部材32とポスト部材31との相対移動がスムーズである。
d)移動部材32は、挿入部32aよりも断面積の大きな結合部32bを設けたため、結合部32bが前部開口部31fの周縁に突き当たった位置に位置決めでき、位置決めが容易である。しかも、移動部材32がポスト部材31に対して車両前方の移動が規制され、挿入部32aの大きさの一定断面のものと比較して、高い剛性を得ることができる。
e)ポスト部材31の空間部31eは、移動部材32の結合部32bよりも大断面積に形成されているため、結合解除後の移動部材32とポスト部材31との相対移動がスムーズである。また、空間部31eにおいて、結合部32bよりも車両後方部分が、挿入部32aよりも車両前後方向寸法が大きく形成されているため、挿入部32aの全長が、空間部31e内に挿入されるまで、ポスト部材31と緩衝することなく相対移動できる。よって、ステアリングメンバ1への荷重伝達を抑制できる。
f)移動部材32の結合部32bの傾斜面32d,32dを、ポスト部材31の傾斜支持面31h,31hに当接させるようにしたため、ポスト部材31に対する移動部材32の位置決めが容易となる。加えて、移動部材32に車両後方向きの荷重が入力されて結合が解除された際には、離脱性が良好となる。
g)ポスト部材31の右側板部31cに、凸状34を設けたため、移動部材32は、結合状態では、凸状34により車両後方向への移動が規制されて、上下のかしめ部33,33のみによる結合よりも高い剛性が得られる。
しかも、結合解除後に、移動部材32が、凸状34に当接しつつ移動した場合には、移動部材32の移動に伴って荷重を吸収することが可能であり、ステアリングメンバ1への荷重伝達特性を任意に設定可能となる。
h)左側板部31dに、側方拡大部31mを設けたため、前面衝突によりダッシュパネル2の車両中央部が左右よりも車両後方に大きく変形した場合には、移動部材32が凸状34に規制されることなく車両左斜め後方へ容易に移動し、結合解除をスムーズに行うことができ、ステアリングメンバ1への荷重伝達を抑制できる。
(他の実施例)
以下に、本発明の実施の形態の他の実施例について説明する。なお、以下の実施例は、実施例1の変形例であるため、実施例1との相違点のみを説明し、実施例1と同様の構成を図示する場合には実施例1と同じ符号を付けて説明を省略する。また、実施例1と同様の作用効果についても説明を省略する。
実施例2のステアリングメンバ支持構造を、図7〜図9により説明する。
この実施例2は、実施例1のステアリングメンバ支持構造に、ステアリングメンバ1の車幅方向中央部とダッシュパネル2とを結合する中央結合ブラケット203を追加した例である。
この中央結合ブラケット203は、ポスト部材231および実施例1で示した移動部材32を備えている。
ポスト部材231は、その形状が実施例1のものと異なっており、図8および図9に示すように、右側板部31cと左側板部231dとが略平行を成し、空間部31eの車幅方向寸法が、車両前後方向の全長に亘って略一定の幅に形成されている。
また、実施例2では、ポスト部材231の上板部31aと下板部31bとは、実施例1と同様に移動部材32の平坦部32eにかしめ部33でかしめられている。
さらに、実施例1と同様にポスト部材231の右側板部31cに凸状34が設けられているのに加え、左側板部231dにもその対向位置に凸状235が形成されている。
次に、実施例2の作用を説明する。
(通常時)
この実施例2では、ステアリングメンバ1の車幅方向中央部を、中央結合ブラケット203を介してダッシュパネル2に結合させたため、ステアリングメンバ1およびステアリングコラム(図示省略)の支持剛性がさらに高まる。
また、中央結合ブラケット203では、ポスト部材231と移動部材32との結合をかしめ部33,33により行うのに加え、移動部材32の車両後方に一対の凸状34,235を設けて、移動部材32の車両後方への移動を規制している。このため、1個の凸状34を設けた実施例1のものよりも高い剛性を得ることができる。
(衝突時)
車両の前面衝突時に、ダッシュパネル2が変形した場合、車幅方向略中央に配置された中央結合ブラケット203では、移動部材32が、ダッシュパネル2と共に車両後方へ移動させる荷重が作用する。なお、ダッシュパネル2は、車幅方向中央部が最も車両後方へ変形し、中央結合ブラケット203では、移動部材32は、ほぼ真っ直ぐに車両後方へ移動する。
この移動部材32に入力された荷重が、かしめ部33,33によるかしめ力ならびに左右の凸状34,235による後方移動規制力を上回ると、移動部材32とポスト部材231との結合が解除され、移動部材32はポスト部材231に対し車両後方へ移動する。なお、この場合、ポスト部材231に平行に設けられた右側板部31cと左側板部231dにガイドされることで、より真っ直ぐに車両後方へ移動しやすい。
したがって、中央結合ブラケット203の位置では、ダッシュパネル2へ入力された荷重が、ステアリングメンバ1へ伝達されるのが抑制され、ステアリングメンバ1が車両後方へ変位するのが抑制される。なお、左側結合ブラケット3は、実施例1で説明したように作用する。
このように、実施例2では、中央結合ブラケット203を追加設定したことで、ステアリングメンバ1およびステアリングコラム(図示省略)の支持剛性をいっそう高いものとしながらも、車両の前面衝突時には、ステアリングコラム(図示省略)が車両後方へ移動するのが防止される。
なお、実施例2に示した中央結合ブラケット203にあっても、実施例1のb)〜f)に記載した効果を得ることができる。
実施例3のステアリングメンバ支持構造を、図10および図11により説明する。なお、実施例3は、実施例1で示したステアリングメンバ1の車幅方向左側に結合された左側結合ブラケット3と、実施例2で示した車幅方向中央側に結合された中央結合ブラケット203と、のいずれの位置に適用してもよい。
この実施例3では、結合ブラケット303は、ポスト部材331と移動部材332とを備えている。
ポスト部材331は、前部開口部31fに連続して、上板部31aおよび下板部31bには、実施例1で示したのと同様の傾斜支持面31h,31hが形成されている。これに加え、右側板部31cと左側板部31dとにも、車両後方に向かうにつれて車幅方向間隔が拡がる傾斜支持面331h,331hが形成されている。
一方、移動部材332の結合部332bは、上下左右に傾斜面32d,32d,332d,332dを備えた略四角錐形状に形成されているとともに、車両後方の先端部の四周に平端部32e,32e,332e,332eが形成されている。
そして、移動部材332の結合部332bは、各傾斜面32d,32d,332d,332dを、ポスト部材331の傾斜支持面31h,31h,331h,331hに当接された状態で、各平端部の位置で傾斜支持面をかしめてポスト部材に結合されている。したがって、実施例3では、実施例1,2と同様のかしめ部33,33に加え、左右にかしめ部336,336が形成されている。
この実施例3では、移動部材332の結合部332bの上下左右の傾斜面32d,32d,332d,332dを、ポスト部材331の上下左右に設けられた傾斜支持面31h,31h,331h,331hに、当接させて位置決めするようにしている。 このため、移動部材332のポスト部材331に対する位置決めが、車両上下方向と車幅方向の2軸で成されるため、位置決め性に優れるとともに、かしめ作業も確実に行うことができる。
加えて、上下左右の4箇所にかしめ部33,33,336,336を設けたため、上下左右方向の剛性が向上し、ステアリングコラム(図示省略)の支持剛性を高めることが可能である。
また、車両の前面衝突に伴う結合解除時には、移動部材332の4面の傾斜面32d,32d,332d,332dの全てが、各傾斜支持面31h,31h,331h,331hから瞬時に離れ、短時間の結合解除が可能であり、かつ、結合解除後のスムーズな移動が可能である。加えて、移動部材に332の移動方向が上下左右のいずれの方向の成分を含んでいても、各傾斜支持面31h,31h,331h,331hに沿って移動可能であり、車両前後方向に沿う支持面に当接した場合と比較して、移動部材332のスムーズな移動が可能である。
なお、実施例3では、実施例1と同様の構成に基づいてa)b)c)d)e)の効果を奏する。
実施例4のステアリングメンバ支持構造を、図12〜図14により説明する。
実施例4は、実施例1の変形例であり、ポスト部材431の上板部31aと下板部31bの車両前方端部の右端に、車両後方に向けて切り欠いた切欠部(脆弱部)437を形成した例である。なお、図12〜図14では、下板部31bに形成された切欠部437については図示を省略している。
この実施例4では、切欠部437を設けたため、移動部材32が、図14に示すように、車両左方向に傾きながら後退したときに、前部開口部31fの外周縁において右側板部31cが車両右方向に変形するのを容易とすることができ、これにより、移動部材32の車両後方側が車両左方向へ変位するのをスムーズに実行可能とする。
したがって、左側結合ブラケット403における結合解除ならびに結合解除後の移動がスムーズになり、荷重伝達抑制機能をさらに向上させることができるとともに、短時間に確実な結合解除の実行が可能となる。
なお、他の作用効果については実施例1と同様であるので、説明を省略する。
実施例5のステアリングメンバ支持構造を、図15および図16により説明する。なお、実施例5は、実施例3の変形例であり、ポスト部材531の前部開口部31fの4隅部分に、車両後方に向けて切り欠いた切欠部501を形成した例である。
この実施例5にあっては、ダッシュパネル2から移動部材332に対して入力される荷重に、車両上下方向あるいは車幅方向の成分が加わって、移動部材332の移動に車両後方に沿う軸方向に対して直交する方向に振れが生じた場合に、切欠部501を設けたことにより、ポスト部材531の前部開口部31fの周縁の変形が容易に進行して、移動部材332とポスト部材531との結合解除が、より短時間に実行される。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態および実施例1を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態および各実施例1に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
実施例1などでは、結合部材が、ステアリングメンバに結合された筒状のポスト部材と、ダッシュパネルに結合されてポスト部材に挿入された移動部材とを備えた構成としたが、結合対象や形状はこれに限定されない。例えば、ダッシュパネルに筒状の部材を結合し、この筒状の部材が、ステアリングメンバに結合されたポスト部材の外側を移動するようにしてもよい。
さらに、実施例1などでは、ポスト部材と移動部材とを相対移動させるのにあたり、上述のように、ポスト部材を筒状に形成した例を示したが、これに限定されない。例えば、ポスト部材と移動部材の一方を、レール状の凹状断面に形成し、もう一方を、この部材に係合してスライド可能な凸状断面に形成してもよい。
また、実施例1では、移動部材32として、挿入部32aと、この挿入部32aよりも大断面積の結合部32bと、を備えたものを示したが、これに限定されない。例えば、移動部材の結合部が、実施例1で示した挿入部32aを延長させて一定断面積の角柱状に形成してもよい。また、結合部を、挿入部よりも大断面積に形成するのにあたって、実施例で示したような楔形状に限定されるものではない。
また、実施例1では、ポスト部材に設けられ、ポスト部材と移動部材との車両前後方向への変位を規制しつつ、車両前方からの入力荷重が前記ダッシュパネルに達したときに、移動部材を、前記ポスト部材に対して車両後方へ相対移動可能に保持した保持部として、ポスト部材31をかしめて形成したかしめ部33を示したが、これに限定されない。すなわち、ポスト部材に対して移動部材を所定の締結荷重で締結する、ボルトとナットなどの締結手段を用いてもよい。この場合、相対移動を可能とする荷重の設定が容易である。
また、実施例1などでは、ステアリングコラムが車両左側に配置されたいわゆる左ハンドルタイプの車両に適用した例を示したが、いわゆる右ハンドルにも適用できる。この場合、実施例1で示した左側結合ブラケット3を左右対称に形成したものを、右側結合ブラケットとして用いるのが好ましい。すなわち、この場合、側方拡大部は、実施例1で示したものとは左右対称に、ポスト部材の車両右側に形成するのが好ましい。
また、実施例4,5では、脆弱部として切欠部437,501を示したが、脆弱部は、このような切欠部に限定されず、他の部分よりも薄肉に形成したり、穴を穿設したりしてもよい。
本発明の最良の実施の形態である実施例1のステアリングメンバ支持構造を示す、車両側方から視た縦断面図である。 実施例1のステアリングメンバ支持構造を示す、車両上方から視た横断面図である。 実施例1のステアリングメンバ支持構造を示す、車両斜め上前方から見下ろした斜視図である。 実施例1のステアリングメンバ支持構造の作用を示す、車両上方から視た横断面図である。 実施例1のステアリングメンバ支持構造を示す、車両斜め上後方から視た斜視図である。 実施例1のステアリングメンバ支持構造の要部を示す、車両斜め上後方から視た斜視図である。 実施例2のステアリングメンバ支持構造を示す、車両側方から視た縦断面図である。 実施例2のステアリングメンバ支持構造を示す、車両上方から視た横断面図である。 実施例2のステアリングメンバ支持構造を示す、車両斜め上前方から見下ろした斜視図である。 実施例3のステアリングメンバ支持構造を示す、車両側方から視た縦断面図である。 実施例3のステアリングメンバ支持構造を示す、車両上方から視た横断面図である。 実施例4のステアリングメンバ支持構造を示す、車両斜め上前方から見下ろした斜視図である。 実施例4のステアリングメンバ支持構造に用いたポスト部材431を示す、車両上方から視た横断面図である。 実施例4のステアリングメンバ支持構造の車両上方から作用説明図である。 実施例5のステアリングメンバ支持構造に用いたポスト部材531を示す、車両斜め上前方から見下ろした斜視図である。 実施例5のステアリングメンバ支持構造に用いたポスト部材531を示す、車両上方から視た横断面図である。
符号の説明
1 ステアリングメンバ
2 ダッシュパネル
3 左側結合ブラケット
31 ポスト部材
31e 空間部
31f 前部開口部
31h 傾斜支持面
31m 側方拡大部
32 移動部材
32a 挿入部
32b 結合部
32d 傾斜面
33 かしめ部(保持部)
34 凸状
35 ボルト
203 中央結合ブラケット
231 ポスト部材
235 凸状
303 結合ブラケット
331 ポスト部材
331h傾斜支持面
332 移動部材
332b結合部
332d傾斜面
336 かしめ部(保持部)
403 左側結合ブラケット
431 ポスト部材
437 切欠部(脆弱部)
501 切欠部(脆弱部)
531 ポスト部材

Claims (9)

  1. 車体のダッシュパネルの車両後方位置で車幅方向に横架され、ステアリングコラムを支持するステアリングメンバと、
    このステアリングメンバと前記ダッシュパネルとを結合して車両前後方向に延在された結合ブラケットと、を有し、
    この結合ブラケットは、車両後方側の基端部が前記ステアリングメンバに固定されたポスト部材と、車両前方側の基端部が前記ダッシュパネルに固定され、前記ポスト部材に嵌合された移動部材と、前記ポスト部材に設けられ、前記ポスト部材と移動部材との車両前後方向への変位を規制しつつ、車両前方からの入力荷重が前記ダッシュパネルに達したときに、前記移動部材を、前記ポスト部材に対して車両後方へ相対移動可能に保持した保持部と、を備えていることを特徴とするステアリングメンバ支持構造。
  2. 前記保持部は、前記ポスト部材の一部を、前記移動部材に対してかしめて形成したかしめ部であることを特徴とする請求項1に記載のステアリングメンバ支持構造。
  3. 前記ポスト部材が、車両前方に開口された前部開口部およびこの前部開口部から車両後方向に延びる空間部を備えた筒状に形成され、
    前記移動部材が、前記開口部に挿入可能な断面積の挿入部と、この挿入部に連続し前記空間部内に配置された結合部と、を備え、
    前記保持部が、前記ポスト部材を前記移動部材の前記結合部にかしめて形成されているかしめ部であることを特徴とする請求項1に記載のステアリングメンバ支持構造。
  4. 前記結合部は、前記挿入部よりも大断面積に形成されているとともに、前記ポスト部材の前記前部開口部の周縁に突き当てられて結合されていることを特徴とする請求項3に記載のステアリングメンバ支持構造。
  5. 前記空間部は、前記移動部材の前記結合部よりも車両後方部分が、前記結合部よりも大断面積に形成されているとともに、前記挿入部よりも車両前後方向寸法が大きく形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4のいずれかに記載のステアリングメンバ支持構造。
  6. 前記ポスト部材が、前記移動部材の結合部の車両後方に当接してその後方移動を規制可能に突出した凸状を備えていることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載のステアリングメンバ支持構造。
  7. 前記ポスト部材が、前記ステアリングコラムと車両前後方向で重なる位置の近傍に配置され、
    前記ポスト部材の前記空間部は、車幅方向中央側とは反対側に空間断面積を拡げる側方拡大部を備えていることを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載のステアリングメンバ支持構造。
  8. 前記ポスト部材の前記前部開口部近傍と前記移動部材の前記結合部とには、前記前部開口部の略中心位置に向けて傾斜された楔状の傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれか1項に記載のステアリングメンバ支持構造。
  9. 前記前部開口部の周縁に、前記前部開口部周縁の変形を容易とする脆弱部が設けられていることを特徴とする請求項3〜請求項8のいずれか1項に記載のステアリングメンバ支持構造。
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