JP2009291271A - エネルギーサブトラクション処理装置および方法ならびにプログラム - Google Patents

エネルギーサブトラクション処理装置および方法ならびにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】2回曝射法によるエネルギーサブトラクション処理において、ビームハードニングや放射線散乱等によるサブトラクション画像の画質劣化を低減する
【解決手段】2回曝射法により取得した高エネルギー画像HPと低エネルギー画像LPとを用いてエネルギーサブトラクション処理を行う前処理として、高エネルギー画像HPまたは低エネルギー画像LPに対し階調調整処理が行われる。このとき、高エネルギー画像HPの低濃度領域LCHに対しコントラストが大きくなるような階調調整が行われる。一方、低エネルギー画像LPの低濃度領域LCLに対しコントラストが小さくなるような階調調整が行われる。
【選択図】図1

Description

本発明は、2回曝射法により取得された低エネルギー画像と高エネルギー画像とを用いて行われるエネルギーサブトラクション処理装置および方法ならびにプログラムに関するものである。
従来からエネルギーの異なる2枚の放射線画像を用いてサブトラクション処理を行い、骨陰影を表した骨部画像と軟部組織を表した軟部画像とを生成することが行われている。エネルギーの異なる2枚の放射線画像を取得する方法として、銅板を2枚の放射線検出器で挟み込み、1回の曝射によりエネルギーの異なる2枚の放射線画像を取得する1回曝射法(たとえば特許文献1−3参照)と、高いエネルギーX線で撮影した高エネルギー画像と低いエネルギーX線で撮影した低エネルギー画像とを取得する2回曝射法とが提案されている(たとえば特許文献4参照)。
特に、特許文献1−4には、エネルギーサブトラクション処理におけるパラメータ(荷重減算係数)の様々な設定・調整手法や画像の前処理方法が開示されている。具体的には、特許文献1には、1回曝射法において、高エネルギー画像および低エネルギー画に対して前処理する際に、ビームハードニングの影響を考慮し、高エネルギー画像の低濃度領域に対してコントラストが小さくなるような濃度調整を行い、低エネルギー画像の低濃度領域に対してコントラストが大きくなるような階調調整処理を行うことが開示されている。特許文献2には、1回曝射法において被写体の厚さに応じてパラメータを変更する方法が開示されている。特許文献3には、高エネルギー画像のヒストグラム(信号分布)の幅に基づいてパラメータを変更することが開示されている。
一方、特許文献4には、2曝射法の高エネルギー画像と低エネルギー画像との撮影管電圧の組み合わせによって、予め用意しておいた管電圧組み合わせテーブルに対応するエネルギーサブトラクション係数を仮決定し、仮係数を用いてエネルギーサブトラクションを行い、軟部画像のエッジ強度が最小となるようにパラメータの最適化される方法が開示されている。
特開平6−22219号公報 特開平10−118056号公報 特開2002−359781号公報 特開2003−37778号公報
ところで、上述した1回曝射法の特許文献1−3に記載されているビームハードニングは2回曝射法においても生じる現象である。そこで、特許文献4に示す2回曝射法によるエネルギーサブトラクション処理を行う際に、前処理として特許文献1に開示されたような階調調整を行うことが考えられる。しかし、ビームハードニングによる影響は1回曝射法と2曝射法とにおいて全く異なるものになり、特許文献1−3に示す1回曝射法のパラメータの最適化をそのまま2回曝射法に適用しても、骨部と軟部との成分分離に失敗するという問題がある。
そこで、本発明は、2回曝射法においてビームハードニングや放射線散乱等によるサブトラクション画像の画質劣化を低減することができるエネルギーサブトラクション処理装置および方法ならびにプログラムを提供することを目的とするものである。
本発明のエネルギーサブトラクション装置は、放射線源から異なるエネルギーの放射線を被写体に照射し撮影したときの高エネルギー画像と低エネルギー画像とを取得する画像取得手段と、画像取得手段において取得された高エネルギー画像および/または低エネルギー画像に対し濃度値の調整を行う階調処理手段と、階調処理手段により調整された高エネルギー画像および/または低エネルギー画像を用いてエネルギーサブトラクション処理を行うサブトラクション処理手段とを備え、階調処理手段が、高エネルギー画像の低濃度領域に対し濃度勾配を大きくするおよび/または低エネルギー画像の低濃度領域に対し濃度勾配を小さくする階調処理を行うものであることを特徴とするものである。
本発明のエネルギーサブトラクション処理方法は、放射線源から異なるエネルギーの放射線を被写体に照射し撮影したときの高エネルギー画像と低エネルギー画像とを取得し、取得した高エネルギー画像の低濃度領域に対し濃度勾配を小さくする、および/または低エネルギー画像の低濃度領域に対し濃度勾配を大きくする階調処理を行い、調整した高エネルギー画像と低エネルギー画像とを用いてエネルギーサブトラクション処理を行うことを特徴とするものである。
本発明のエネルギーサブトラクション処理プログラムは、コンピュータに、放射線源から異なるエネルギーの放射線を被写体に照射し撮影したときの高エネルギー画像と低エネルギー画像とを取得し、取得した高エネルギー画像の低濃度領域に対し濃度勾配を大きくする、および/または低エネルギー画像の低濃度領域に対し濃度勾配を小さくする階調処理を行い、調整した高エネルギー画像と低エネルギー画像とを用いてエネルギーサブトラクション処理を行うことを実行させることを特徴とするものである。
ここで、濃度値が高いもしくは低いとは各画像内の濃度値が高いもしくは低いことを意味するが、被写体の局所的な厚みが小さいときには濃度値が高くなり、被写体の局所的な厚みが大きいときには濃度値が低くなる。このため、濃度値が高いもしくは低いとは、被写体の局所的な厚みが小さいもしくは大きいことを意味する。
また、高エネルギー画像について「低濃度領域に対し濃度勾配を大きくする」とは、中高濃度領域に比べて低濃度領域の濃度勾配を大きくすることであって、非線形な階調変換特性を有することを意味する。同様に、低エネルギー画像について「低濃度領域に対し濃度勾配を大きくする」とは、中高濃度領域に比べて低濃度領域の濃度勾配を小さくすることであって、非線形な階調変換特性を有することを意味する。さらに、「濃度勾配を大きくする」とはコントラストを大きくすることであり、「濃度勾配を小さくする」とはコントラストを小さくすることを意味する。
なお、エネルギーサブトラクション処理装置は、被写体の厚みを検出する厚み検出手段をさらに備えたものであってもよい。このとき、階調処理手段は、厚み検出手段により検出された被写体の厚みが大きくなればなるほど、高エネルギー画像に対する濃度勾配をより大きくするおよび/または低エネルギー画像に対する濃度勾配をより小さくする調整を行う。なお、濃度勾配をより大きくするおよび/またはより小さくするとは、予め設定された濃度勾配よりも大きくするおよび/または小さくするとの意味である。
また、厚み検出手段は、被写体の厚みを検出するものであればどのような方法であっても良く、たとえば高エネルギー画像または低エネルギー画像の信号分布の幅を用いて被写体の厚みを検出するものであってもよい。
さらに、エネルギーサブトラクション処理装置は、低エネルギー画像の取得時に放射線源に印加される管電圧を検出する管電圧検出手段をさらに有するものであってもよい。このとき、階調処理手段は、低エネルギー画像の取得時の管電圧毎に、管電圧が大きくなればなるほど濃度勾配が大きい複数の第1濃度変換テーブルおよび/または管電圧が大きくなればなるほど濃度勾配が小さい複数の第2濃度変換テーブルを有するものであり、管電圧検出手段により検出された管電圧に基づいて、複数の第1濃度変換テーブルおよび/または複数の第2濃度変換テーブルのうちいずれかの第1濃度変換テーブルおよび/または第2濃度変換テーブルを選択し、選択した第1濃度変換テーブルおよび/または第2濃度変換テーブルを用いて濃度値の調整を行うものであってもよい。
本発明のエネルギーサブトラクション処理装置および方法ならびにプログラムによれば、放射線源から異なるエネルギーの放射線を被写体に照射し撮影したときの高エネルギー画像と低エネルギー画像とを取得し、取得した高エネルギー画像の低濃度領域に対し濃度勾配を大きくする、および/または低エネルギー画像の低濃度領域に対し濃度勾配を小さくする階調処理を行い、調整した高エネルギー画像と低エネルギー画像とを用いてエネルギーサブトラクション処理を行うことにより、被写体の局所的な厚みの相違によりビームハードニングの影響度が異なる場合であっても、エネルギーサブトラクション処理の前処理としてビームハードニングの影響を考慮した階調調整を行うことができるため、ビームハードニングの影響によるサブトラクション画像の画質の劣化を低減することができる。
なお、被写体の厚みを検出する厚み検出手段をさらに備え、階調処理手段が、厚み検出手段により検出された被写体の厚みが大きくなればなるほど、高エネルギー画像に対する濃度勾配をより大きくするおよび/または低エネルギー画像に対する濃度勾配をより小さくする調整を行うものであるとき、被写体の厚み(体格)によりビームハードニングの影響度が被写体毎に異なる場合であっても、ビームハードニングの影響度に応じた前処理を施して安定したエネルギーサブトラクション結果を得ることができる。
さらに、低エネルギー画像の取得時に放射線源に印加される管電圧を検出する管電圧検出手段をさらに有し、階調処理手段が、低エネルギー画像の取得時の管電圧毎に、管電圧が大きくなればなるほど濃度勾配が大きい複数の第1濃度変換テーブルおよび/または管電圧が大きくなればなるほど濃度勾配が小さい複数の第2濃度変換テーブルを有するものであり、管電圧検出手段により検出された管電圧に基づいて、複数の第1濃度変換テーブルおよび/または複数の第2濃度変換テーブルのうちいずれかの第1濃度変換テーブルおよび/または第2濃度変換テーブルを選択するものであれば、低エネルギー画像の取得時における管電圧(放射線エネルギー)の変化によりビームハードニングの影響度が撮影毎に異なる場合であって信号分布の幅の比では適正な調整を行うことができない場合であっても、ビームハードニングの影響度に応じた前処理を施して安定したエネルギーサブトラクション結果が得ることができる。
以下、図面を参照して本発明のエネルギーサブトラクション処理装置の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明のエネルギーサブトラクション処理装置の好ましい実施の形態を示すブロック図である。なお、図1のようなエネルギーサブトラクション処理装置1の構成は、補助記憶装置に読み込まれたエネルギーサブトラクション処理プログラムをコンピュータ(たとえばパーソナルコンピュータ等)上で実行することにより実現される。このとき、このエネルギーサブトラクション処理プログラムは、CD−ROM等の情報記憶媒体に記憶され、もしくはインターネット等のネットワークを介して配布され、コンピュータにインストールされることになる。
エネルギーサブトラクション処理装置1は、画像取得手段10、位置合わせ手段20、サブトラクション処理手段30、画像調整手段40等を備えている。画像取得手段10は、放射線検出器により検出された放射線画像を取得するものであって、特に、異なるエネルギーを有する放射線を用いて撮影したときの高エネルギー画像(診断画像)HPと低エネルギー画像(参照画像)SPとを取得するものである。たとえば胸部正面撮影において高エネルギー画像HPは放射線源に管電圧が100〜140kVp程度印加されたときに撮影された画像であり、低エネルギー画像LPは放射線源に管電圧が50〜80kVp程度印加されたときに撮影された画像である。
階調処理手段15は、高エネルギー画像HPおよび低エネルギー画像LPに対し前処理として濃度値の階調補正を行うものである。ここで、図2Aは高エネルギー画像HPの所定の階調変換特性(入力−出力特性)を有する第1濃度変換テーブルの一例を示すグラフ、図2Bは低エネルギー画像LPの階調変換特性(入力−出力特性)を有する第2濃度変換テーブルの一例を示すグラフである。図2Aに示すように高エネルギー画像HPの低濃度領域LCHに対し濃度調整する際の濃度勾配が大きくなっており、階調処理手段15は高エネルギー画像HPの低濃度領域LCHに対しコントラストが大きくなるように調整する。一方、図2Bに示すように、低エネルギー画像LPの低濃度領域LCLに対し濃度調整する際の濃度勾配が小さくなっており、階調処理手段15は低エネルギー画像LPの低濃度領域LCLに対しコントラストが小さくなるように調整する。
位置合わせ手段20は、低エネルギー画像LPを非線形に歪曲変形させる等の公知の位置合わせ手法を用いて高エネルギー画像HPと低エネルギー画像LPとの位置合わせを行うものである。これによりエネルギーサブトラクション処理により軟部組織と骨との分離性能を向上させることができる。
サブトラクション処理手段30は、位置合わせ手段20により位置合わせ処理が施された高エネルギー画像HPと低エネルギー画像LPとを用いてエネルギーサブトラクション処理を行うものである。サブトラクション処理手段30は、高エネルギー画像HPと低エネルギー画像LPとを用いて、骨を除去した被写体の軟部を示す軟部画像SPと被写体の骨部を示す骨部画像BPとを生成する機能を有している。一般的に、サブトラクション画像Psubは、第1荷重減算係数Kaを積算した高エネルギー画像HPと第2荷重減算係数Kbを積算した低エネルギー画像LPとの差分により表される。
Psub=Ka・HP−Kb・LP+Kc ・・・(1)
なお、式(1)中のKaは第1荷重減算係数、Kbは第2荷重減算係数、Kcは所定のオフセット値である。そして、サブトラクション処理手段30は、所定の係数Ka、Kb、Kcを用いて式(1)を算出することにより軟部画像SPをサブトラクション画像Psubとして生成する。その後、サブトラクション処理手段30は高エネルギー画像HPから軟部画像SPを減算処理することにより骨部画像BPを取得する(BP=HP−SP)。
このように、エネルギーサブトラクション処理の前処理として、高エネルギー画像HPの低濃度領域に対し濃度勾配が大きくなるように階調調整され、あるいは低エネルギー画像LPの低濃度領域に対し濃度勾配が小さくなるように階調調整されることにより、ビームハードニングの影響によるコントラストの低下を防止し、サブトラクション画像Psub(軟部画像SPおよび骨部画像BP)の画質劣化を低減することができる。具体的には、2回曝射法の場合、ビームハードニングの影響により被写体の厚みが大きい部分ほど高エネルギー画像HPと低エネルギー画像LPとのコントラスト比は大きくなる。すなわち、放射線が物質を透過するときには放射線の光子数(線量)は減弱するものであり、放射線は低エネルギーなほど減弱係数が大きく、エネルギーが高くなるにつれて減弱係数が小さくなり透過性が増す。放射線の低エネルギー成分の方が高エネルギー成分よりも大きく減弱するため、放射線は物質を透過するほど低エネルギー成分が減弱されて、高エネルギー成分の割合が多くなる(平均エネルギーが高くなる)。この現象はビームハードニングと呼ばれる。図3は骨部と軟部とにおいても放射線のエネルギー(管電圧)が大きくなればなるほど減弱係数が小さくなることを示している。
また、物質の原子番号が大きいほどさらには密度が高いほど、放射線の減弱係数は大きくなる。つまり、放射線の通過経路上に存在する物質の割合に応じてビームハードニングの程度も異なり、同一被写体であっても局所的な厚みが大きい領域ほど強くビームハードニングの影響を受ける。具体的には、図4に示すように、被写体に照射される放射線のエネルギースペクトルに対し、ビームハードニングの影響が大きいときには減弱する割合が大きく、影響が小さいときには減弱する割合が少ない。
上述したビームハードニングが生じる要因として光電効果とコンプトン効果(コンプトン散乱または非干渉性散乱)とが上げられる。光電効果は、原子核との結合の強い内殻電子を自由電子(光電子)として飛び出させる現象である。このとき、入射した放射線光子はその全エネルギーを失って消滅し、空席ができた内殻電子軌道にはその外側の軌道電子が遷移する。そのため、その前後のエネルギー準位間の差のエネルギーをもった特性X線が二次X線として放射される(蛍光放射線として知られる)。図5に示すように、光電効果は光子エネルギーの比較的低い放射線(およそ50keV以下)で顕著に現れ、物質の密度や原子番号が大きいほど大きくなる。
コンプトン効果は放射線の粒子としての性質が現れた現象であって、入射した放射線光子が自由電子または原子核との結合の弱い外殻電子に衝突したとき、その電子にエネルギーの一部を与えて反跳電子として軌道外に跳ね飛ばし、自分はその分だけエネルギーの小さい、波長の長い放射線になって方向を変える現象である。コンプトン効果は、光子エネルギーと物質の密度に支配される現象(密度が大きいほど強い)であり、図5に示すように、比較的高エネルギーの放射線領域(50keV程度以上)では、原子番号の特に高い物質(重金属やヨウ素など)を除き、光電効果よりも強く現れる。コンプトン散乱によって画像のコントラストは低下する。
図6は2回曝射法において、低エネルギー画像LPを60kVp、高エネルギー画像HPを120kVpで撮影し取得したときに、被写体の局所的な厚さが小さい領域(図6A)と被写体の局所的な厚さが大きい領域(図6B)とについてのグラフである。図6Aの被写体の局所的な厚さが小さい場合において、低エネルギー画像LPと高エネルギー画像HPのエネルギースペクトルは近くなる。たとえば低エネルギー画像LPの平均エネルギーが33.9keVであるのに対し、高エネルギー画像HPの平均エネルギーは45.9keVになり、平均エネルギーの差は小さい。従って、高エネルギー画像HPと低エネルギー画像LPのコントラスト比は小さくなる。
一方、図6Bの被写体の局所的な厚さが大きい場合において、被写体でのビームハードニングが強く起こり、高エネルギー画像HPと低エネルギー画像LPとのエネルギースペクトルは離れる。このとき、低エネルギー画像LPの平均エネルギーがたとえば42.9keVであるのに対し、高エネルギー画像HPの平均エネルギーは63.4keVになり、平均エネルギーの差が大きいことがわかる。従って、高エネルギー画像HPと低エネルギー画像LPのコントラスト比は大きくなる。
図6Aおよび図6Bに示すように、被写体の局所的な厚みが小さい部分ではビームハードニングの影響はそれほど起こらないが、被写体の局所的な厚みが大きい部分では強くビームハードニングを起こすことがわかる。つまり、被写体の局所的な厚みが増すにつれて高エネルギー画像HPと低エネルギー画像LPのエネルギースペクトルは離れていき、高エネルギー画像HPと低エネルギー画像LPのコントラスト比は大きくなる。
ところで、被写体の局所的な厚みが大きいときには各エネルギー画像LP、HP内の濃度値は低くなり、被写体の局所的な厚みが小さいときには濃度値が高くなる。したがって、上述した厚みによるビームハードニングの影響度は画素濃度値の高低によって判別することができる。そこで、図2Aに示すように階調処理手段15は高エネルギー画像HPの低濃度領域LCHにおいて、コントラストが大きくなるように濃度勾配を大きくする。一方、図2Bに示すように階調処理手段15は低エネルギー画像LPの低濃度領域LCLに対してはコントラストが小さくなるように濃度勾配を小さくする。すると、高エネルギー画像HPは局所的な厚みの大きい低濃度領域LCLが局所的な厚みの小さい中高濃度領域に比べてよりコントラストが大きくなるように調整される。これにより、ビームハードニングの影響によりサブトラクション画像のコントラストの劣化を防止することができる。
なお、この関係は1回曝射法とは逆になるものであり、従来1回曝射法において適用された非線形テーブルを用いても成分分離をうまく行うことができない。具体的には、図7は横軸に高エネルギー画像HPの濃度値、縦軸に低エネルギー画像LPの濃度値を取り、その頻度をグラフ化したジョイントヒストグラムであって、図7Aが2回曝射法(2ショット法)によるもの、図7Bが1回曝射法(1ショット法)によるものを示している。なお、濃度は0〜127に正規化されているものであって、高エネルギー画像HPと低エネルギー画像LPのコントラスト比に対応してビームハードニングの影響がない場合は直線になる。
図7Aの2回曝射法の場合、低エネルギー画像LPと高エネルギー画像HPとのコントラスト比はビームハードニングの影響により濃度値が小さい領域において直線の下側にずれた非線形なものになる。一方、図7Bの1回曝射法の場合、低エネルギー画像LPと高エネルギー画像HPとのコントラスト比はビームハードニングの影響により濃度値が小さい領域において直線の上側にずれた非線形なものになる。このように、1回曝射法と2回曝射法では特性が逆となっていることがわかる。したがって、従来1回曝射法において適用されている非線形テーブルを用いても成分分離をうまく行うことができないことがわかる。
図8は本発明のエネルギーサブトラクション処理方法の好ましい実施形態を示すフローチャートであり、図1から図8を参照してエネルギーサブトラクション処理方法について説明する。まず、画像取得手段10において高エネルギー画像HPと低エネルギー画像LPとが取得される(ステップST1)。その後、階調処理手段15により高エネルギー画像HPおよび低エネルギー画像LPの階調が調整される(ステップST2、図2A、図2B参照)。このとき、階調処理手段15において、高エネルギー画像HPの低濃度領域LCHの濃度勾配が大きくなるように調整され、もしくは低エネルギー画像LPの低濃度領域LCLの濃度勾配が小さくなるような調整が行われる。
さらに、位置合わせ手段20により低エネルギー画像LPが非線形に歪曲変形することにより、高エネルギー画像HPと低エネルギー画像LPとの位置合わせが行われる(ステップST3)。その後、サブトラクション処理手段30において上記式(1)に基づいて軟部画像SPが生成される(ステップST4)。その後、サブトラクション処理手段30により高エネルギー画像HPから軟部画像SPを減算することにより骨部画像BPが生成される(ステップST5)。その後、画像調整手段40により平滑化によるノイズ除去処理等が施され(ステップST6)、軟部画像SPおよび骨部画像BPが表示装置等に表示され、もしくはハードディスク装置等の記憶手段に記憶される。
このように、エネルギーサブトラクション処理の前処理として、高エネルギー画像HPの低濃度領域に対し濃度勾配が大きくなるように階調調整され、あるいは低エネルギー画像LPの低濃度領域に対し濃度勾配が小さくなるように階調調整されることにより、ビームハードニングの影響によるコントラストの低下を防止し、サブトラクション画像Psub(軟部画像SPおよび骨部画像BP)の画質劣化を低減することができる。図9は本発明のエネルギーサブトラクション処理装置の第2の実施形態を示すブロック図であり、図9を参照してエネルギーサブトラクション処理装置100について説明する。なお、図9のエネルギーサブトラクション処理装置100において図1のエネルギーサブトラクション処理装置1と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。図9のエネルギーサブトラクション処理装置100が図1のエネルギーサブトラクション処理装置1と異なる点は、被写体の厚み(体格)に基づいて階調処理手段における濃度変換特性が調整される点である。
図9のエネルギーサブトラクション処理装置100は、被写体の厚みを検出する厚み検出手段140を有している。この厚み検出手段140は被写体の厚みを検出するものであり、特に、高エネルギー画像HPのスケールファクター(ヒストグラム幅の逆数)GpH値および低エネルギー画像LPのスケールファクター(ヒストグラム幅の逆数)GpL値の比GpH/GpLを厚み情報として検出する機能を有している。
以下に、比GpH/GpLが厚み情報を示すことについて説明する。図10Aは厚みが小さい(体格が小さい)被写体を撮影したときに取得された低エネルギー画像LPと高エネルギー画像HPのヒストグラムを示すグラフ、図10Bは厚みが大きい(体格が大きい)被写体を撮影したときに取得された低エネルギー画像LPと高エネルギー画像HPのヒストグラムを示すグラフである。図10Aおよび図10Bに示すように、ヒストグラムの幅の変化に着目すると、高エネルギー画像HPは体格の大小に対する変動が小さいが、低エネルギー画像LPは体格の大小に対する変動が大きい。これは被写体の厚みが大きい場合は厚みが薄い場合に比べて放射線検出器へ露光される被写体を透過したX線の放射線量が減少するからである。
つまり、高エネルギー画像HPのスケールファクター値GpHは被写体の厚さにほとんど依存しないものであるが、低エネルギー画像LPのスケールファクター値GpLは被写体の厚さに依存して大きく変化する。つまり、被写体の厚さが大きいほどヒストグラムの幅が大きくなりその逆数であるGpL値が小さくなりGp値の比GpH/GpLは大きくなる。従って、Gp値の比GpH/GpLは被写体の厚さを示す厚さ情報として用いることができる。
なお、スケールファクターGp値の比GpH/GpLにより体格を推定する場合に限らず、たとえば患者の身長、体重あるいはBMI(Body Mass Index)を用いてもよいし、超音波距離計を用いてX線源と患者の距離を測定することで、被写体の厚みを直接測定するようにしてもよいし、患者の体格を撮影者(医師、あるいは放射線技師)が手入力してもよい。厚み検出手段140がスケールファクターGp値の比GpH/GpL以外の方法で厚み情報を検出したとき、たとえば体格が大きい人、標準的な人、小さい人というように厚みを検出したとき、それぞれ体格に合わせて対応付けされた複数の調整値(GpH/GpL値)を有しており、入力された体格情報によって調整値を選択するようにしてもよい。
そして、階調処理手段115は、厚み検出手段140により検出された厚み情報に基づいて階調調整する際の濃度勾配を調整する機能を有している。具体的には、図11Aに示すように、階調処理手段115は、たとえば予め設定されている濃度勾配(図2A参照)にGpH/GpL値を乗算して、高エネルギー画像HPに対する濃度変換特性の全領域について濃度勾配を厚みの大きさに比例してより大きくするように調整する。つまり、被写体の厚みが大きい場合には勾配が大きくなり、被写体の厚みが小さい場合には勾配が小さくなる。
同様に、図11Bに示すように、階調処理手段115は、たとえば予め設定されている濃度勾配(図2B参照)にGpH/GpL値を乗算して、低エネルギー画像LPに対する濃度変換特性の全領域の勾配を厚みの大きさに比例してより小さくするように調整する。つまり、被写体の厚みが大きい場合には勾配が小さくなり、被写体の厚みが小さい場合には勾配が大きくなる。
このように、被写体の厚み(体格)に応じて低濃度領域側の濃度勾配を調整することにより、体格差によりビームハードニングによる影響の大小が生じることによるサブトラクション画像のコントラストの低下を低減することができる。
図12は本発明のエネルギーサブトラクション処理装置の第3の実施形態を示すブロック図であり、図12を参照してエネルギーサブトラクション処理装置について説明する。なお、図12のエネルギーサブトラクション処理装置200において図9のエネルギーサブトラクション処理装置100と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。図12のエネルギーサブトラクション処理装置200が図9のエネルギーサブトラクション処理装置100と異なる点は、放射線源に印加された管電圧値に応じて異なる濃度変換テーブルを用いる点である。
図12のエネルギーサブトラクション処理装置200は、管電圧を検出する管電圧検出手段240を備えている。管電圧検出手段240は、たとえば放射線源を制御する図示しない放射線制御部から放射線源に印加した管電圧値を取得するものである。
一方、テーブルデータベースには異なる管電圧毎に複数の第1濃度変換テーブルHPT11〜HPT13、複数の第2濃度変換テーブルLPT11〜LPT13が記憶されており、階調処理手段215は、管電圧検出手段240により検出された低エネルギー画像LPの取得時における管電圧値に基づいて、いずれかの第1濃度変換テーブルHPT11〜HPT13および/または第2濃度変換テーブルLPT11〜LPT13を選択する。そして、階調処理手段215は、選択した各濃度変換テーブルHPT11〜HPT13、LPT11〜LPT13を用いて階調調整を行う。
具体的には、高エネルギー画像HPに対し、図13A〜Cに示すようにたとえば60、70、80kVpに対応して3つの第1濃度変換テーブルHPT11〜HPT13が記憶されている。3つの第1濃度変換テーブルHPT11〜HPT13において、曲線の勾配はほぼ同一のものであるが、低エネルギー画像の取得時の管電圧が高い第1濃度変換テーブルHPT11〜HPT13ほど濃度勾配が大きくなるように設定される。
一方、低エネルギー画像LPに対し、図14A〜Cに示すようにたとえば60、70、80kVpに対応して3つの第2濃度変換テーブルLPT11〜LPT13が記憶されている。3つの第2濃度変換テーブルLPT11〜LPT13において、曲線の勾配はほぼ同一のものであるが、低エネルギー画像の取得時の管電圧が高い第2濃度変換テーブルLPT11〜LPT13ほど濃度勾配が小さくなるように設定される。
そして、階調処理手段215は、低エネルギー画像LPの管電圧によって第1濃度変換テーブルHPT11〜HPT13もしくは第2濃度変換テーブルLPT11〜LPT13のいずれを使用するかを決定する。その後、階調処理手段215は決定したいずれかの第1濃度変換テーブルHPT11〜HPT13もしくは第2濃度変換テーブルLPT11〜LPT13を用いて濃度調整処理を行う。さらに、階調処理手段215は、厚み検出手段140により検出した厚みを用いて、選択した各濃度変換テーブルHPT11〜HPT13、LPT11〜LPT13の濃度勾配を調整し、調整した各濃度変換テーブルHPT11〜HPT13、LPT11〜LPT13を用いて階調の調整を行う(図9〜図11参照)。
このように、低エネルギー画像LPの取得時における管電圧により複数の第1濃度変換テーブルHPT11〜HPT13もしくは複数の第2濃度変換テーブルLPT11〜LPT13から選択して階調調整を行うことにより、低エネルギー画像LPにおけるビームハードニングの影響によるサブトラクション画像の画質劣化を低減することができる。
以下に、複数の濃度変換テーブルを用意した理由について説明する。はじめに、高エネルギー画像HPは患者の体格や撮影目的に応じて管電圧を変更して撮影されるものであって、管電圧が高くなると透過性の高いエネルギ―成分の割合が増える。このため、メインヒストグラムの対数露光量は増加するとともにヒストグラム幅は狭くなり、高エネルギー画像HPのコントラストは小さくなる。つまりヒストグラム幅の逆数であるスケールファクターGp値は大きくなる。
図15は高エネルギー画像HPを取得する際の管電圧を100〜140kVpに変化させて同一被写体を撮影した場合のヒストグラムを示すグラフである。図15に示すように、管電圧が高くなるほど高エネルギー成分のX線の増加によって透過性が増す。このため、放射線画像のヒストグラムのうち直接X線が照射された領域(素抜け部分)のヒストグラムの山と被写体を透過した部分のメインヒストグラムの山が近づく。よって、ヒストグラムの幅が小さくなりスケールファクターGp値は大きくなる。
ここで、低エネルギー画像LPを取得する際の管電圧を60kVpに固定させた場合、Gp値の比GpH/GpLは、高エネルギー画像HPの管電圧が高いほど大きくなる。但し、この場合には上述したようにGp値の比GpH/GpLにより調整することにより、管電圧変化による分離性能の劣化を低減することができる(図9〜図11参照)。つまり、高エネルギー画像HPの管電圧変化に対しては、高エネルギー画像HPのGp値の比GpH/GpLを用いて調整することができる。
ところで、低エネルギー画像LPにおいても高エネルギー画像HPにおいて散乱線の影響が生じるのと同様に散乱線の影響が生じる。具体的には、低エネルギー画像LPも管電圧が高くなるほどヒストグラム幅が狭くなり、GpL値が大きくなる。つまり、管電圧が大きくなると低エネルギー画像LPのコントラストが小さくなるため、その分高エネルギー画像HPのコントラスト(特に低濃度領域LCH)を小さく調整する必要がある。このとき、低エネルギー画像LPの管電圧の変化についても上述したGp値の比GpH/GpLで調整することが考えられる。
しかし、低エネルギー画像LPの管電圧の変化をGp値の比GpH/GpLで調整した場合、軟部画像に骨が残ってしまって軟部と骨部との分離が十分ではなく、さらに低エネルギー画像LPの管電圧が大きくなればなる程その傾向が顕著に表れることがわかった。
ここで、図16は低エネルギー画像LPを取得する際の管電圧を60〜80kVpに変化させて同一被写体を撮影した場合のエネルギースペクトルを示すグラフである。図16に示すように、低エネルギー画像LPの管電圧を上昇させた場合、50keV以上のエネルギー成分が含まれる割合は、60kVpで9%, 70kVpで22%,80kVpでは32%になる。これは、上述のビームハードニングの要因である光電効果およびコンプトン効果のうち、低エネルギー画像LPの管電圧上昇に応じて光電効果の影響よりもコンプトン散乱の影響がより強くなるためである。言い換えれば、低エネルギー画像LPの取得時に用いる管電圧値は、光電効果とコンプトン効果との双方が混在し管電圧値によって双方の影響度が異なるため(図3参照)、GpL値を用いただけでは適正な補正を行うことができないことがわかった。
そこで、低エネルギー画像LPの管電圧変化による係数の調整をGp値の比GpH/GpLによる調整ではなく(図13参照)、別途複数の第1濃度変換テーブルHPT11〜HPT13、第2濃度変換テーブルLPT11〜LPT13から各管電圧に対応した適切な濃度変換テーブルHPT11〜LPT13、LPT11〜LPT13を選択して階調調整が行われる。これにより、確実にサブトラクション画像の画質劣化を低減することができる。
なお、従来、高エネルギー画像HPと低エネルギー画像LPの管電圧に応じてパラメータ(画像内で一様のスカラー量)を、ルックアップテーブルを用いて選択しているが、胸部正面撮影において高エネルギー画像HPは診断画像であり、そのコントラストが大きく変動する要因は、管電圧よりもむしろ個人の体格変動によるものであると考えられ、上記図12〜16とは異なるものである。
また、図12において厚み検出手段140が設けられている場合について例示しているが、厚みに基づいた調整を行うことなく、低エネルギー画像LPの取得時の管電圧により各濃度変換テーブルHPT11〜HPT13、LPT11〜HPT13を選択して、第1の実施形態に示すような階調調整を行うようにしてもよい(図1参照)。
上記各実施の形態によれば、放射線源から異なるエネルギーの放射線を被写体に照射し撮影したときの高エネルギー画像HPと低エネルギー画像とを取得し、取得した高エネルギー画像HPの低濃度領域LCHに対し濃度勾配を大きくする、および/または低エネルギー画像の低濃度領域LCLに対し濃度勾配を小さくする階調処理を行い、調整した高エネルギー画像HPと低エネルギー画像LPとを用いてエネルギーサブトラクション処理を行うことにより、被写体の局所的な厚みの相違によりビームハードニングの影響度が異なる場合であっても、エネルギーサブトラクション処理の前処理としてビームハードニングの影響を考慮した階調調整を行うことができるため、ビームハードニングの影響によるサブトラクション画像の画質の劣化を低減することができる。
また、図9に示すように、被写体の厚みを検出する厚み検出手段140をさらに備え、階調処理手段115が、厚み検出手段140により検出された被写体の厚みが大きくなればなるほど、高エネルギー画像HPの低濃度領域LCHに対する濃度勾配をより大きくするおよび/または低エネルギー画像LPの低濃度領域LCLに対する濃度勾配をより小さくする調整を行うものであるとき、被写体の厚み(体格)によりビームハードニングの影響度が被写体毎に異なる場合であっても、ビームハードニングの影響度に応じた前処理を施して安定したエネルギーサブトラクション結果を得ることができる。
さらに、図12に示すように、低エネルギー画像LPの取得時に放射線源に印加される管電圧を検出する管電圧検出手段240をさらに有し、階調処理手段215が、低エネルギー画像LPの取得時の管電圧毎に、管電圧が大きくなればなるほど濃度勾配が大きい複数の第1濃度変換テーブルHPT11〜13および/または管電圧が大きくなればなるほど濃度勾配が小さい複数の第2濃度変換テーブルLPT11〜13を有するものであり、管電圧検出手段240により検出された管電圧に基づいて、複数の第1濃度変換テーブルHPT11〜13および/または複数の第2濃度変換テーブルLPT11〜13のうちいずれかの第1濃度変換テーブルHPT11〜13および/または第2濃度変換テーブルLPT11〜13を選択し、選択した第1濃度変換テーブルHPT11〜13および/または第2濃度変換テーブルLPT11〜13を用いて濃度値を調整するものであれば、低エネルギー画像LPの取得時における管電圧(放射線エネルギー)の変化によりビームハードニングの影響度が撮影毎に異なる場合であって信号分布の幅の比では適正な調整を行うことができない場合であっても、ビームハードニングの影響度に応じた前処理を施して安定したエネルギーサブトラクション結果が得ることができる。
本発明の実施形態は、上記実施形態に限定されない。たとえば、FPDを用いた撮影コンソールに搭載される画像処理について例示しているが、撮影システムにネットワークを介して接続された画像処理ワークステーションや、画像保管通信システム(PACS:Picture Archiving and Communication System)などに転送された画像データに対してのエネルギーサブトラクション処理にも適用することが可能である。
また、撮影モダリティもFPDに限定されず、CRシステムを用いた2ショットエネサブにも適用可能である。また、撮影コンソールにCRとFPDが同時に接続されているような、CR-DR混在環境の下である場合、CR(1ショット法)用のエネサブ係数パラメータセットと、DR(2ショット)用のエネサブ係数パラメータセットを撮影されたモダリティに応じて切り替えてもよい。
さらに、サブトラクション処理により生成された軟部画像SPの平滑化を行い、ノイズが抑制された軟部画像SPを高エネルギー画像HPから減算することで、ノイズが抑制された骨部画像BPを得ることもできる。また、ノイズが抑制された骨部画像BPを高エネルギー画像HPもしくは高エネルギー画像HPと低エネルギー画像LPとを加算した加算画像から減算することにより、ノイズが抑制された軟部画像SPを得ることができ、ノイズ抑制処理と診断画像からの減算処理を繰り返すことで、段階的にノイズ抑制することも可能である。
また、上記実施の形態において、サブトラクション処理手段30は胸部撮影したときの軟部画像SPと骨部画像BPとをサブトラクション画像Psubとして生成する場合について例示しているが、マンモグラフィ装置により撮影した人体の乳房を被写体とした場合の乳腺が強調された画像と悪性腫瘍が強調された画像をサブトラクション画像Psubとして生成するものであってもよい。
本発明のエネルギーサブトラクション処理装置の好ましい実施形態を示すブロック図 図1の階調処理手段における第1濃度変換テーブルの一例を示すグラフ 図1の階調処理手段における第2濃度変換テーブルの一例を示すグラフ 被写体である骨もしくは軟部において放射線が減弱される様子を示すグラフ ビームハードニングにより放射線エネルギーが減弱された状態を示すグラフ 放射線エネルギーの強度に対するビームハードニングにおける光電効果とコンプトン効果との影響度を示すグラフ 被写体の厚さが局所的に小さい領域に低エネルギーの放射線と高エネルギーの放射線を照射したときのエネルギースペクトルの一例を示すグラフ 被写体の厚さが局所的に大きい領域に低エネルギーの放射線と高エネルギーの放射線を照射したときのエネルギースペクトルを示すグラフ 2回曝射法における低エネルギー画像と高エネルギー画像とのジョイントヒストグラムの一例を示すグラフ 1回曝射法における低エネルギー画像と高エネルギー画像とのジョイントヒストグラムの一例を示すグラフ 本発明のエネルギーサブトラクション処理方法の好ましい実施形態を示すフローチャート 本発明のエネルギーサブトラクション処理装置の第2の実施形態を示すブロック図 厚みが大きい被写体を撮影したときの低エネルギー画像と高エネルギー画像とのヒストグラムの一例を示すグラフ 厚みが小さい被写体を撮影したときの低エネルギー画像と高エネルギー画像とのヒストグラムの一例を示すグラフ 図9の階調処理手段において第1濃度変換テーブルが調整される様子を示すグラフ 図9の階調処理手段において第2濃度変換テーブルが調整される様子を示すグラフ 本発明のエネルギーサブトラクション処理装置の第3の実施形態を示すブロック図 図12の階調処理手段が有する低エネルギー画像の取得時における管電圧=60keVであるときの第1濃度変換テーブルの一例を示すグラフ 図12の階調処理手段が有する低エネルギー画像の取得時における管電圧=70keVであるときの第1濃度変換テーブルの一例を示すグラフ 図12の階調処理手段が有する低エネルギー画像の取得時における管電圧=80keVであるときの第1濃度変換テーブルの一例を示すグラフ 図12の階調処理手段が有する低エネルギー画像の取得時における管電圧=60keVであるときの第2濃度変換テーブルの一例を示すグラフ 図12の階調処理手段が有する低エネルギー画像の取得時における管電圧=70keVであるときの第2濃度変換テーブルの一例を示すグラフ 図12の階調処理手段が有する低エネルギー画像の取得時における管電圧=80keVであるときの第2濃度変換テーブルの一例を示すグラフ 高エネルギー画像を取得する際の管電圧値変化に対するエネルギースペクトルの変化を示すグラフ 低エネルギー画像を取得する際の管電圧値変化に対するエネルギースペクトルの変化を示すグラフ
符号の説明
1、100、200 エネルギーサブトラクション処理装置
10 画像取得手段
15、115、215 階調処理手段
20 位置合わせ手段
30 サブトラクション処理手段
40 画像調整手段
140 厚み検出手段
BP 骨部画像
SP 軟部画像
GpH 高エネルギー画像のスケールファクター値
GpL 低エネルギー画像のスケールファクター値
HP 高エネルギー画像
LP 低エネルギー画像
Ka 第1荷重減算係数
Kb 第2荷重減算係数
HPT1、HPT11〜HPT13 第1濃度変換テーブル
LPT11〜LPT13 第2濃度変換テーブル

Claims (6)

  1. 放射線源から異なるエネルギーの放射線を被写体に照射し撮影したときの高エネルギー画像と低エネルギー画像とを取得する画像取得手段と、
    該画像取得手段において取得された前記高エネルギー画像および/または前記低エネルギー画像に対し濃度値の調整を行う階調処理手段と、
    該階調処理手段により調整された前記高エネルギー画像および/または前記低エネルギー画像を用いてエネルギーサブトラクション処理を行うサブトラクション処理手段と
    を備え、
    前記階調処理手段が、前記高エネルギー画像の低濃度領域に対し濃度勾配を大きくするおよび/または前記低エネルギー画像の低濃度領域に対し濃度勾配を小さくするような濃度値の調整を行うものであることを特徴とするエネルギーサブトラクション処理装置。
  2. 前記被写体の厚みを検出する厚み検出手段をさらに備え、
    前記階調処理手段が、前記厚み検出手段により検出された前記被写体の厚みが大きくなればなるほど、前記高エネルギー画像に対する濃度勾配をより大きくするおよび/または前記低エネルギー画像に対する濃度勾配をより小さくする調整を行うものであることを特徴とする請求項1記載のエネルギーサブトラクション処理装置。
  3. 前記厚み検出手段が、前記高エネルギー画像または前記低エネルギー画像の信号分布の幅を用いて前記被写体の厚みを検出するものであることを特徴とする請求項1または2記載のエネルギーサブトラクション処理装置。
  4. 前記低エネルギー画像の取得時に前記放射線源に印加される管電圧を検出する管電圧検出手段をさらに有し、
    前記階調処理手段が、前記低エネルギー画像の取得時の管電圧毎に、該管電圧が大きくなればなるほど前記濃度勾配が大きく設定されている複数の前記第1濃度変換テーブルおよび/または前記管電圧が大きくなればなるほど前記濃度勾配が小さく設定されている複数の前記第2濃度変換テーブルを有するものであり、前記管電圧検出手段により検出された前記管電圧に基づいて、前記複数の第1濃度変換テーブルおよび/または前記複数の第2濃度変換テーブルのうちいずれかの前記第1濃度変換テーブルおよび/または前記第2濃度変換テーブルを選択し、選択した前記第1濃度変換テーブルおよび/または前記第2濃度変換テーブルを用いて濃度値の調整を行うものであることを特徴とする請求項1記載のエネルギーサブトラクション処理装置。
  5. 放射線源から異なるエネルギーの放射線を被写体に照射し撮影したときの高エネルギー画像と低エネルギー画像とを取得し、
    取得した前記高エネルギー画像の低濃度領域に対し濃度勾配を大きくするおよび/または前記低エネルギー画像の低濃度領域に対し濃度勾配を小さくする階調処理を行い、
    調整した前記高エネルギー画像と前記低エネルギー画像とを用いてエネルギーサブトラクション処理を行う
    ことを特徴とするエネルギーサブトラクション処理方法。
  6. コンピュータに、
    放射線源から異なるエネルギーの放射線を被写体に照射し撮影したときの高エネルギー画像と低エネルギー画像とを取得し、
    取得した前記高エネルギー画像の低濃度領域に対し濃度勾配を大きくする、および/または前記低エネルギー画像の低濃度領域に対し濃度勾配を小さくする階調処理を行い、
    調整した前記高エネルギー画像と前記低エネルギー画像とを用いてエネルギーサブトラクション処理を行う
    ことを実行させるためのエネルギーサブトラクション処理プログラム。
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