JP2009289903A - 放射線検出器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射線検出器を製造する製造工程の簡略化を図る。
【解決手段】有機高分子層402とバイアス電極401とを連続して塗布工程で成膜されるので、蒸着工程・塗布工程・蒸着工程というような工程を入れ替える必要が無く、工程の簡略化が図れる。これにより、製造コストも低減できる。
【選択図】図11

Description

本発明は、医療用のX線撮影装置などに用いられる放射線検出器の製造方法に関する。
放射線検出器としては、特許文献1に開示される技術が公知である。特許文献1には、第1電極と記録用光導電層の間に積層された記録用光導電層の界面結晶化を抑制する抑制層を、画像情報の記録の際に第1電極に移動する電荷と逆極性の電荷に対しては絶縁性を有し、第1の電極に移動する電荷と同極性の電荷に対しては導電性を有する有機膜(有機層)により形成する構成が開示されている。この構成によれば、大線量での放射線画像の記録および読取りによって生じる抑制層内の残存電荷を減少させることができ、この残存電荷による感度の劣化やゴースト像の残留などを防止することができる。
また、特許文献2には、電極の形成方法が開示されている。特許文献2の形成方法では、まず、金属微粒子sを溶媒中に分散させてなるペースト材料を基板1上に塗布してペースト材料膜3を塗布成膜する。ペースト材料膜3を焼成処理して導電性材料膜5とする。導電性材料膜5をパターニングすることにより導電性パターン5aを形成する。その後、この導電性パターン5aをゲート電極とし、これを覆う状態でゲート絶縁膜を形成し、この上部にソース/ドレイン電極を形成する。
特開2004−165480号公報(図1) 特開2007−73856号公報(図1)
特許文献1のような放射線検出器では、記録用光導電層を蒸着により形成し、記録用光導電層上に塗布より有機膜を形成し、有機膜上に蒸着により第1電極を形成する。この製造工程では、蒸着工程・塗布工程・蒸着工程というように工程が入れ替わるため、製造工程が煩雑となり、コストが高くなる。特許文献2では、電極を塗布成膜・焼成して形成しているが、有機膜と電極とを連続して塗布により形成する工程については開示されていない。
本発明は、上記事実を考慮し、放射線検出器を製造する製造工程の簡略化を図ることを目的とする。
本発明の請求項1に係る放射線検出器の製造方法は、第1電極と、画像情報を担持した放射線が照射されて電荷を生成し、前記第1電極によりバイアス電圧が印加される光導電層と、前記光導電層に対して前記第1電極が設けられている側とは反対側に配置され、前記画像情報を取得するために前記光導電層が生成した電荷を収集する第2電極と、前記第1電極と前記光導電層との間に配置された有機高分子層と、を備えた放射線検出器を製造する放射線検出器の製造方法であって、前記有機高分子層を塗布方式により成膜する第1工程と、前記有機高分子層の表面に前記第1電極を塗布方式により成膜する第2工程と、を備えている。
この構成によれば、有機高分子層と第1電極とを連続して塗布工程で成膜されるので、蒸着工程・塗布工程・蒸着工程というような工程を入れ替える必要が無く、工程の簡略化が図れる。これにより、製造コストも低減できる。
なお、光導電層が生成した電荷とは、光導電層が直接生成したもの以外に、光導電層が間接的に生成したものも含み、例えば、光導電層が直接生成した電荷に対応して生成される電荷も含む概念である。
本発明の請求項2に係る放射線検出器の製造方法は、請求項1の構成において、前記有機高分子層の成膜における前記塗布方式及び前記第1電極の成膜における前記塗布方式は、インクジェット法による塗布方式である。
この構成によれば、有機高分子層及び第1電極を成膜する際に、マスクを必要とせず、また、非接触で正確に有機高分子層及び第1電極を成膜することができる。また、少ない液量で、有機高分子層及び第1電極を成膜することができコスト低減になる。
本発明は、上記構成としたので、放射線検出器を製造する製造工程の簡略化を図ることができる。
以下に、本発明に係る放射線検出器の製造方法の一例を図面に基づき説明する。
まず、本実施形態に係る製造方法の製造対象となる放射線検出器の構成について説明する。
本実施形態に係る放射線検出器は、X線撮影装置等に使用されるものであり、放射線の照射を受けることにより導電性を呈する光導電層を含む静電記録部を備えてなり、画像情報を担持する放射線の照射を受けて画像情報を記録し、記録した画像情報を表す画像信号を出力するものである。
放射線検出器としては、光の照射により電荷を発生する半導体材料を利用して読み取る、いわゆる光読取方式の放射線検出器と、放射線の照射により発生した電荷を蓄積し、その蓄積した電荷を薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)などの電気的スイッチを1画素ずつオン・オフすることにより読み取る方式(以下、TFT方式という)の放射線検出器400等がある。
(TFT方式の放射線検出器400の構成)
TFT方式の放射線検出器400の構成について説明する。図1は、TFT方式の放射線検出器400の全体構成を示す概略断面図である。図2は、TFT方式の放射線検出器400の要部構成を示すものであり、ガラス基板408及びそのガラス基板408上に積層された各部を示す図である。
本実施形態に係るTFT方式の放射線検出器400は、図1及び図2に示すように、画像情報を担持した放射線の一例としてのX線が入射されることにより電荷を生成する光導電層404を備えている。光導電層404としては、暗抵抗が高く、X線照射に対して良好な光導電性を示し、真空蒸着法により低温で大面積成膜が可能な非晶質(アモルファス)材料が好まれる。
非晶質(アモルファス)材料としては、例えば、アモルファスSe(a-Se)膜が用いられている。また、アモルファスSeにAs、Sb、Geをドープした材料が、熱安定性に優れ、光導電層404の好適な材料となる。
光導電層404上には、画像情報を担持した放射線が透過する第1電極の一例として、光導電層404へバイアス電圧を印加するバイアス電極401が形成されている。このバイアス電極401は、例えば、金(Au)や白金により形成されている。このバイアス電極401を透過した放射線が光導電層404に照射される。
なお、本実施形態では、放射線がバイアス電極401側から照射されるが、下記のガラス基板408側から照射する構成であってもよい。従って、放射線は、バイアス電極401側からでもガラス基板408側からでも、いずれの方向からでも照射することができる。ただし、ガラス基板408による減衰を防ぐために、バイアス電極401の方から照射することが好ましい。
光導電層404に対してバイアス電極401が設けられている側とは反対側、すなわち光導電層404下には、光導電層404が生成した電荷を収集する第2電極の一例として、複数の電荷収集電極407aが形成されている。電荷収集電極407aは、図2に示すように、それぞれ電荷蓄積容量407c及びスイッチ素子407bに接続されている。また、電荷収集電極407aは、ガラス基板408に設けられている。
また、電荷収集電極407aとスイッチ素子407bと電荷蓄積容量407cとからアクティブマトリックス層407が構成され、ガラス基板408とアクティブマトリックス層407とからアクティブマトリックス基板450が構成されている(図3参照)。
光導電層404とバイアス電極401との間には、図1に示すように、光導電層404の結晶化を抑制する有機高分子層が配置されている。
この有機高分子層は、電荷選択透過性を有する電荷選択透過層を兼ねても良い。電荷選択透過性とは、バイアス電極401と反対極性の電荷を透過させると共にバイアス電極401と同極性の電荷の透過を阻止する性質をいう。
なお、光導電層404と電荷収集電極407aとの間にも、図2に示すように、有機高分子層とは逆極性の下部電荷選択透過層406を設けるのが好ましい。
有機高分子層が電荷選択透過層を兼ねる場合であって、バイアス電極401が正極であるときは、有機高分子層は、電子に対しては導電体でありながら正孔の注入を阻止する層(正孔注入阻止層)で構成され、バイアス電極401が負極である場合には、正孔に対しては導電体でありながら電子の注入を阻止する層(電子注入阻止層)で構成される。
なお、有機高分子層が正孔注入阻止層である場合には、下部電荷選択透過層406に電子注入阻止層が用いられ、有機高分子層が電子注入阻止層である場合には、下部電荷選択透過層406に正孔注入阻止層が用いられる。
正孔注入阻止層としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリシクロオレフィン等の絶縁性高分子に、正孔ブロック材料を混合した膜を好ましく用いることが出来る。
正孔注入阻止層に含有される正孔ブロック材料のうち少なくとも一種が、カーボンクラスター又はその誘導体から選択される少なくとも1種であることが好ましい。さらにカーボンクラスターが、フラーレンC60、フラーレンC70、酸化フラーレン又はそれらの誘導体から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
なお、下部電荷選択透過層406については、無機材料を用いても良い。無機材料からなる電子注入阻止層としては、Sb2S3、SbTe、ZnTe、CdTe、SbS、AsSe、AsS等の組成から成る無機材料を用いることができる。無機材料からなる層は、その組成を化学量論組成から変化させ、または2種類以上の同族元素との多元組成とすることでキャリア選択性を調節して用いることが好ましい。
無機材料からなる正孔注入阻止層としては、CdS、CeO2、Ta2O5、SiO等の無機材料が好ましく用いられる。無機材料からなる層は、その組成を化学量論組成から変化させ、または2種類以上の同族元素との多元組成とすることでキャリア選択性を調節して用いることが好ましい。
なお、Sbは電子を捕獲する局在準位を多く有する性質が強いので電子注入阻止性を有するが、Sb層と隣接するa−Se層との界面が電気的障壁になるために正孔注入阻止性の層として使われることもある。
また、有機高分子層と光導電層404との間、及び下部電荷選択透過層406と光導電層404との間には、図2に示すように、それぞれ結晶化抑制層403、405を設けても良い。結晶化抑制層403、405としてはGeSe、GeSe、SbSe、a-AsSeや、Se−As、Se−Ge、Se−Sb系化合物等を用いることが可能である。
図3は、放射線検出器400の1画素単位の構造を示す断面図であり、図4は、その平面図である。図3及び図4に示す1画素のサイズは、0.1mm×0.1mm〜0.3mm×0.3mm程度であり、放射線検出器全体としてはこの画素がマトリクス状に500×500〜3000×3000画素程度配列されている。
図3に示すように、アクティブマトリックス基板450は、ガラス基板408、ゲート電極411、電荷蓄積容量電極(以下、Cs電極と称する)418、ゲート絶縁膜413、ドレイン電極412、チャネル層415、コンタクト電極416、ソース電極410、絶縁保護膜417、層間絶縁膜420、及び電荷収集電極407aを有している。
また、ゲート電極411やゲート絶縁膜413、ソース電極410、ドレイン電極412、チャネル層415、コンタクト電極416等により薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)からなるスイッチ素子407bが構成されており、Cs電極418やゲート絶縁膜413、ドレイン電極412等により電荷蓄積容量407cが構成されている。
ガラス基板408は支持基板であり、ガラス基板408としては、例えば、無アルカリガラス基板(例えば、コーニング社製#1737等)を用いることができる。ゲート電極411及びソース電極410は、図4に示すように、格子状に配列された電極配線であり、その交点には薄膜トランジスタからなるスイッチ素子407bが形成されている。
スイッチ素子407bのソース・ドレインは、それぞれ、ソース電極410とドレイン電極412とに接続されている。ソース電極410は、信号線としての直線部分と、スイッチ素子407bを構成するための延長部分とを備えており、ドレイン電極412は、スイッチ素子407bと電荷蓄積容量407cとをつなぐように設けられている。
ゲート絶縁膜413はSiNxやSiOx等からなっている。ゲート絶縁膜413は、ゲート電極411及びCs電極418を覆うように設けられており、ゲート電極411上に位置する部位がスイッチ素子407bにおけるゲート絶縁膜として作用し、Cs電極418上に位置する部位は電荷蓄積容量407cにおける誘電体層として作用する。つまり、電荷蓄積容量407cは、ゲート電極411と同一層に形成されたCs電極418とドレイン電極412との重畳領域によって形成されている。なお、ゲート絶縁膜413としては、SiNxやSiOxに限らず、ゲート電極411及びCs電極418を陽極酸化した陽極酸化膜を併用することもできる。
また、チャネル層(i層)415はスイッチ素子407bのチャネル部であり、ソース電極410とドレイン電極412とを結ぶ電流の通路である。コンタクト電極(n+層)416はソース電極410とドレイン電極412とのコンタクトを図る。
絶縁保護膜417は、ソース電極410及びドレイン電極412上、つまり、ガラス基板408上に、ほぼ全面(ほぼ全領域)にわたって形成されている。これにより、ドレイン電極412とソース電極410とを保護すると共に、電気的な絶縁分離を図っている。また、絶縁保護膜417は、その所定位置、つまり、ドレイン電極412においてCs電極418と対向している部分上に位置する部位に、コンタクトホール421を有している。
電荷収集電極407aは、非晶質透明導電酸化膜からなっている。電荷収集電極407aは、コンタクトホール421を埋めるようにして形成されており、ソース電極410上及びドレイン電極412上に積層されている。電荷収集電極407aと光導電層404とは電気的に導通しており、光導電層404で発生した電荷を電荷収集電極407aで収集できるようになっている。
続いて、電荷収集電極407aについて詳細に説明する。本実施形態で用いる電荷収集電極407aは、非晶質透明導電酸化膜によって構成されている。非晶質透明導電酸化膜材料としては、インジウムと錫との酸化物(ITO:Indium-Tin-Oxide)や、インジウムと亜鉛との酸化物(IZO:Indium-Zinc-Oxide)、インジウムとゲルマニウムとの酸化物(IGO:Indium-Germanium-Oxide)等を基本組成とするものを使用することができる。
また、電荷収集電極407aとしては、各種の金属膜や導電酸化膜が使用されているが、下記の理由により、ITO(Indium-Tin-Oxide)等の透明導電酸化膜が用いられることが多い。放射線検出器400において入射X線量が多い場合、不要な電荷が半導体膜中(あるいは半導体膜と隣接する層との界面付近)に捕獲されることがある。
このような残留電荷は、長時間メモリーされたり、時間をかけつつ移動したりするので、以降の画像検出時にX線検出特性が劣化したり、残像(虚像)が現れたりして問題になる。そこで、特開平9−9153号公報(対応米国特許第5563421号)には、光導電層404に残留電荷が発生した場合に、光導電層404の外側から光を照射することで、残留電荷を励起させて取り除く方法が開示されている。この場合、光導電層404の下側(電荷収集電極407a側)から効率よく光を照射するためには、電荷収集電極407aが照射光に対して透明である必要がある。
また、電荷収集電極407aの面積充填率(フィルファクター)を大きくする目的、またはスイッチ素子407bをシールドする目的で、スイッチ素子407bを覆うように電荷収集電極407aを形成することが望まれるが、電荷収集電極407aが不透明であると、電荷収集電極407aの形成後にスイッチ素子407bを観察することができない。
例えば、電荷収集電極407aを形成後、スイッチ素子407bの特性検査を行う場合、スイッチ素子407bが不透明な電荷収集電極407aで覆われていると、スイッチ素子407bの特性不良が見つかった際、その原因を解明するために光学顕微鏡等で観察することができない。従って、電荷収集電極407aの形成後もスイッチ素子407bを容易に観察することができるように、電荷収集電極407aは透明であることが望ましい。
層間絶縁膜420は、感光性を有するアクリル樹脂からなり、スイッチ素子407bの電気的な絶縁分離を図っている。層間絶縁膜420には、コンタクトホール421が貫通しており、電荷収集電極407aはドレイン電極412に接続されている。コンタクトホール421は、図3に示すように逆テーパ形状で形成されている。バイアス電極401とCs電極418との間には、図示しない高圧電源が接続されている。
次に、光導電層404を被覆する構成について説明する。図1に示すように、バイアス電極401の上方には、バイアス電極401を覆うカバー部材の一例としてのカバーガラス440が設けられている。
ガラス基板408には、カバーガラス440が接合される保護部材442が設けられている。
保護部材442は、光導電層404の周囲を囲んでおり、全体として上部及び下部が開放された箱状に形成されている。
また、保護部材442は、ガラス基板408の外周部上に立設された側壁442aと、側壁442aの上部からガラス基板408中央部の上方側へ張り出すフランジ部442bとを有しており、断面L字状に形成されている。
カバーガラス440は、その外周部の上面がフランジ部442b下面(内壁)に接合されており、保護部材442により支持されている。
この保護部材442とカバーガラス440との接合部分は、光導電層404の外側に配置されている。すなわち、光導電層404の上方ではなく、ガラス基板408上の光導電層404の無い領域で、保護部材442とカバーガラス440とが接合されている。
なお、保護部材442には、絶縁性を有する絶縁性部材が用いられている。絶縁性部材としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメタクリル酸メチル(アクリル)、ポリ塩化ビニールが用いられる。
また、保護部材442は、下部開放がガラス基板408で閉鎖されると共に上部開放がカバーガラス440で閉鎖されており、保護部材442内に所定の大きさの閉鎖空間が形成される。この閉鎖空間に光導電層404が収容されて、光導電層404がカバーガラス440、ガラス基板408及び保護部材442で被覆される。
また、カバーガラス440と保護部材442とガラス基板408とに囲まれた空間には、充填部材としての硬化性樹脂444が充填されている。硬化性樹脂444としては、例えば、エポキシ、シリコン等の常温硬化性樹脂が用いられる。
(TFT方式の放射線検出器の動作原理)
次に、上記のTFT方式の放射線検出器400の動作原理について説明する。
光導電層404にX線が照射されると、光導電層404内に電荷(電子−正孔対)が発生する。バイアス電極401とCs電極418との間に電圧が印加された状態、すなわちバイアス電極401とCs電極418とを介して光導電層404に電圧が印加された状態において、光導電層404と電荷蓄積容量407cとは電気的に直列に接続された構造となっているので、光導電層404内に発生した電子は+電極側に、正孔は−電極側に移動し、その結果、電荷蓄積容量407cに電荷が蓄積される。
電荷蓄積容量407cに蓄積された電荷は、ゲート電極411への入力信号によってスイッチ素子407bをオン状態にすることによりソース電極410を介して外部に取り出すことが可能となる。そして、ゲート電極411とソース電極410とからなる電極配線、スイッチ素子407b及び電荷蓄積容量407cは、すべてマトリクス状に設けられているため、ゲート電極411に入力する信号を順次走査し、ソース電極410からの信号をソース電極410毎に検知することにより、二次元的にX線の画像情報を得ることが可能となる。
(本実施形態に係る製造方法に用いられる塗布装置の構成の一例)
次に、本実施形態に係る製造方法に用いられる塗布装置の構成の一例を説明する。図5及び図6は、本実施形態に係る製造方法に用いられる塗布装置の構成を示す概略図である。
本実施形態に係る塗布方法に用いられる塗布装置10は、図5及び図6に示すように、被塗布物Wを保持するための保持台21と、保持台21に保持された被塗布物Wの被塗布面(表面)WAに塗布液を供給するためのインクジェット方式による塗布液供給機構31とを備えている。
図5に示すように、塗布液供給機構31は支持部41に支持され、支持部41はボールネジ42に螺合するとともにガイド部材43に沿って移動可能に構成されている。ボールネジ42およびガイド部材43は一対の保持部44、45に保持されており、また、ボールネジ42はモータ46に連結されている。このため、モータ46の正転および逆転駆動でボールネジ42を時計方向および反時計方向に回転させることにより、塗布液供給機構31は、支持部41とともにガイド部材43に沿って図5におけるX軸方向で往復移動する。
また、図6に示すように、保持台21は支持部22に支持され、支持部22はボールネジ24に螺合するとともにガイド部材23に沿って移動可能に構成されている。ボールネジ24およびガイド部材23は一対の保持部25、26により、前記ガイド部材43と直交する方向に向けて保持されており、また、ボールネジ24はモータ27の回転軸と連結されている。このため、モータ27の駆動でボールネジ24を回転させることにより、保持台21は、支持部22とともにガイド部材23に沿って塗布液供給機構31の往復移動方向と直交する方向、つまり図5におけるY軸方向に移動する。
図7は上述した塗布液供給機構31の構成を示す概略正面図であり、図8はその概略底面図である。
塗布液供給機構31は、図7及び図8に示すように、塗布液を貯留する貯留する貯留槽51と、この貯留槽51と連通する塗布液供給用ノズル61を有する複数のインクジェット記録ヘッド52を備えている。
塗布液供給用ノズル61はそれぞれ図示しないピエゾ素子を有しており、このピエゾ素子に対する電圧のオンオフ制御によって塗布液供給用ノズルから塗布液が吐出される。
なお、上述した塗布装置は、下記の塗布方法に用いられる塗布装置の一例であり、種々の塗布装置を用いることができる。
(TFT方式の放射線検出器400の製造方法)
次に、TFT方式の放射線検出器400の製造方法を説明する。
この製造手順では、まず図9(A)、(B)に示すように、スイッチ素子を有すると共に電荷収集電極407aが形成されたガラス基板408上に2μmの膜厚の硫化アンチモンからなる下部電荷選択透過層406を形成する。
次に、図10(A)に示すように、As3%含有したSe原料を蒸着により、下部電荷選択透過層406上に成膜して膜厚0.15μmの結晶化抑制層405を形成する。
次に、図10(B)に示すように、Naを10ppm含有したSe原料を蒸着により、結晶化抑制層405上に成膜して、膜厚1000μmの非晶質Seからなる光導電層404を形成する。
次に、図11(A)に示すように、膜厚0.2μmの有機高分子層402を光導電層404上に成膜する。有機高分子層402は、以下に示すように作成された塗布液を上記の塗布装置10に充填して吐出し、真空乾燥機で溶剤を蒸発させることにより成膜される。
塗布液は、o-ジクロロベンゼンに1.05wt%のポリカーボネート樹脂(PCz)(三菱ガス化学株式会社製ユーピロンPCz‐400)及び、PCzに対して30wt%のフラーレンC60を溶解して作成する。
次に、図11(B)に示すように、Auナノペースト(ハリマ化成株式会社製ナノペーストNPG-J)を上記の塗布装置に充填し、有機高分子上に吐出を行った。光導電層404を冷却しつつ、Auペーストのホットプレスを行い、膜厚0.1μmのAu焼結体からなるバイアス電極401を形成した。
ペーストの成分は、ナフテン分/パラフィン分が8:2である溶剤からなり、その金属含有量は、46〜52wt%である。また、ホットプレス温度としては、例えば、230℃で行われる。また、光導電層404は、結晶化等の劣化が生じる温度よりも低い温度に保たれるように冷却される。なお、焼結方法としては、光導電層404をペルチェ素子で冷却しながら、レーザーを走査することにより、電極部表面を選択的にアニールする形態も好ましく用いることができる(特開2007-208174 [0033]〜[0036])。
なお、塗布装置としては、具体的には、FUJIFILM Dimatix社製インクジェットヘッドSE-128を用いることができる。
次に、図1に示すように、カバーガラス440及び保護部材442をガラス基板408上に接合すると共に硬化性樹脂444を充填し、光導電層404が被覆されて放射線検出器400が製造される。なお、図1においては、下部電荷選択透過層406及び結晶化抑制層405の図示を省略している。
本実施形態に係る製造方法では、有機高分子層402とバイアス電極401とを連続して塗布工程で成膜されるので、蒸着工程・塗布工程・蒸着工程というような工程を入れ替える必要が無く、工程の簡略化が図れる。これにより、製造コストも低減できる。
また、本実施形態に係る製造方法によれば、インクジェットヘッド法による塗布方式を採用するので、有機高分子層402及びバイアス電極401を成膜する際に、マスクを必要とせず、また、非接触で正確に有機高分子層402及びバイアス電極401を成膜することができる。また、少ない液量で、有機高分子層402及びバイアス電極401を成膜することができコスト低減になる。
なお、本実施形態に係る製造方法は、TFT方式の放射線検出器400を製造する製造方法であったが、光読取方式の放射線検出器においても、上記の製造方法が適用可能であり、記録用光導電層上に形成される有機高分子層及びその有機高分子層の表面に形成されるバイアス電極について、上記の製造方法を用いて形成することが可能である。
また、本実施形態に係る製造方法では、インクジェットヘッド法による塗布方式を採用するが、塗布方式としてはこれに限られず、スプレー、ディップ、バーコーティング、ロールコート、スピンコート、ブレードコート、フレキソ印刷等の種々の塗布方法に用いることが可能である。本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。
図1は、TFT方式の放射線検出器の全体構成を示す概略断面図である。 図2は、TFT方式の放射線検出器の要部を示す概略構成図である。 図3は、TFT方式の放射線検出器の1画素単位の構造を示す断面図である。 図4は、TFT方式の放射線検出器の1画素単位の構造を示す平面図である。 図5は、本実施形態に係る放射線検出器の製造方法に用いられる塗布装置の構成を示す概略平面図である。 図6は、該塗布装置の構成を示す概略側面図である。 図7は、該塗布装置の塗布液供給機構の構成を示す概略正面図である。 図8は、該塗布装置の塗布液供給機構の構成を示す概略底面図である。 図9は、本実施形態に係る放射線検出器の製造方法の製造手順を説明するための概略図である。 図10は、本実施形態に係る放射線検出器の製造方法の製造手順を説明するための概略図である。 図11は、本実施形態に係る放射線検出器の製造方法の製造手順を説明するための概略図である。
符号の説明
400 放射線検出器
401 バイアス電極(第1電極)
402 有機高分子層
404 光導電層
407a 電荷収集電極(第2電極)

Claims (2)

  1. 第1電極と、
    画像情報を担持した放射線が照射されて電荷を生成し、前記第1電極によりバイアス電圧が印加される光導電層と、
    前記光導電層に対して前記第1電極が設けられている側とは反対側に配置され、前記画像情報を取得するために前記光導電層が生成した電荷を収集する第2電極と、
    前記第1電極と前記光導電層との間に配置された有機高分子層と、
    を備えた放射線検出器を製造する放射線検出器の製造方法であって、
    前記有機高分子層を塗布方式により成膜する第1工程と、
    前記有機高分子層の表面に前記第1電極を塗布方式により成膜する第2工程と、
    を備えた放射線検出器の製造方法。
  2. 前記有機高分子層の成膜における前記塗布方式及び前記第1電極の成膜における前記塗布方式は、インクジェット法による塗布方式である請求項1に記載の放射線検出器の製造方法。
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