JP2009285551A - 塗布方法及び放射線検出器の製造方法 - Google Patents

塗布方法及び放射線検出器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】塗布液の主成分と基板との接触角が大きい場合でも、塗布膜を均一に形成する。
【解決手段】被塗布物Wの被塗布面WAに対して塗布液を供給する際に、被塗布面WAに対して補助溶媒の供給を開始した後に、既に被塗布物Wの被塗布面WAに供給されている補助溶媒の上に重なるように塗布液を供給する。これにより、塗布液及び塗布液の主成分である溶媒を被塗布面WAに供給する構成に比して、被塗布物Wの被塗布面WAにおいて塗布液が広がりやすくなり、被塗布物Wの表面状態や塗布液の粘度等に関わらず塗布液を被塗布面WAに均一に広げることができる。その結果、被塗布面WAに塗布膜を均一に形成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、塗布液を塗布する塗布方法及びその塗布方法を用いた放射線検出器の製造方法に関する。
塗布液を塗布する塗布方法としては、特許文献1に開示された塗布方法が公知である。特許文献1に開示された塗布方法では、基板に対して塗布液を供給する際に、基板に対して塗布液の主成分である溶媒を供給した後に、既に基板上に供給されている溶媒の上に重なるように塗布液を供給する。これにより、基板上において塗布液が広がりやすくなり、基板の表面状態や、塗布液の粘度等に関わらず塗布液を基板の表面に均一に広げる事ができる。
特開2002−66391号公報
しかしながら、特許文献1の塗布方法では、供給される溶媒は、塗布液の主成分である溶媒に限定されており、塗布液の主成分と基板との接触角が大きい場合には、塗布膜を均一に形成するという効果が得がたい。
本発明は、上記事実を考慮し、塗布液の主成分と基板との接触角が大きい場合でも、塗布膜を均一に形成することを目的とする。
本発明の請求項1に係る塗布方法は、塗布液供給用ノズルが設けられたインクジェット方式による塗布液供給手段から被塗布面に対して塗布液を供給する工程と、補助溶媒供給用ノズルが設けられたインクジェット方式による補助溶媒供給手段から前記被塗布面に対して、前記塗布液の主成分と相溶しかつ前記被塗布面との接触角が前記塗布液の主成分よりも小さい補助溶媒を供給する工程と、を備えている。
この構成によれば、塗布液供給用ノズルが設けられたインクジェット方式による塗布液供給手段から被塗布面に対して塗布液を供給する。補助溶媒供給用ノズルが設けられたインクジェット方式による補助溶媒供給手段から前記被塗布面に対して、前記塗布液の主成分と相溶しかつ前記被塗布面との接触角が前記塗布液の主成分よりも小さい補助溶媒を供給する。
これにより、塗布液及び塗布液の主成分である溶媒を被塗布面に供給する構成に比して、被塗布面上において塗布液が広がりやすくなり、塗布液の主成分と基板との接触角が大きい場合でも、塗布膜を均一に形成することができる。
本発明の請求項2に係る塗布方法は、請求項1の構成において、前記補助溶媒の沸点が、前記塗布液の主成分の沸点よりも高い。
この構成によれば、補助溶媒の沸点が、塗布液の主成分の沸点よりも高いので、補助溶媒が蒸発しにくく、塗布液及び塗布液の主成分である溶媒を被塗布面に供給する構成に比して、塗布膜を均一に形成することができる。
なお、高沸点補助溶媒を塗布液に入れた液を塗布することにより塗布膜を均一に形成することも可能だが、相溶する溶媒同士であっても分離して吐出不良を引き起こす可能性があるため、あえて別々に吐出させることにより吐出を安定化させることができる。
本発明の請求項3に係る塗布方法は、請求項1又は請求項2の構成において、前記被塗布面に対して前記補助溶媒を供給する工程を開始した後に、既に被塗布面上に供給されている前記補助溶媒の上に重なるように前記塗布液を供給する工程を開始する。
本発明の請求項4に係る塗布方法は、請求項1又は請求項2の構成において、前記被塗布面全面に対して予め前記補助溶媒を供給し、前記補助溶媒が全面に残留しているうちに、既に被塗布面上に供給されている前記補助溶媒の上に重なるように前記塗布液を供給する工程を開始する。
この構成によれば、塗布液を供給する前に、予め被塗布面全面の均一性が得られているため、塗布液が均一に広がり、塗布膜を均一に形成することができる。
本発明の請求項5に係る塗布方法は、請求項1又は請求項2の構成において、前記被塗布面全面を2行以上の塗布に分割して塗布を行う塗布方法において、1行目の塗布液を塗布後、その境界部分に2行目の塗布液が塗布される前に補助液を供給する工程を開始する。
この構成によれば、全面塗布に比べ、補助溶媒の使用量が少なくて済み、乾燥負荷を低減させることができる。
本発明の請求項6に係る塗布方法は、請求項1又は請求項2の構成において、前記被塗布面に対して前記塗布液を供給する工程を開始した後に、既に被塗布面上に供給されている前記塗布液の上に重なるように前記補助溶媒を供給する工程を開始する。
請求項3及び請求項6に記載のように、被塗布面に対して補助溶媒を供給する工程を開始した後に塗布液を供給する工程を開始しても良いし、被塗布面に対して塗布液を供給する工程を開始した後に補助溶媒を供給する工程を開始してもよい。
本発明の請求項7に係る放射線検出器の製造方法は、第1電極と、画像情報を担持した放射線が照射されて電荷を生成する光導電層と、前記光導電層に対して前記第1電極が設けられている側とは反対側に配置され、前記画像情報を取得するために前記光導電層が生成した電荷を収集する第2電極と、前記第1電極と前記光導電層との間に配置された有機高分子層と、を備えた放射線検出器を、請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗布方法により前記有機高分子層を形成して製造する。
この構成によれば、請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗布方法により有機高分子層を形成するので、有機高分子層が均一に形成された放射線検出器を製造することができる。
なお、光導電層が生成した電荷とは、光導電層が直接生成したもの以外に、光導電層が間接的に生成したものも含み、例えば、光導電層が直接生成した電荷に対応して生成される電荷も含む概念である。
本発明は、上記構成としたので、塗布液の主成分と基板との接触角が大きい場合でも、塗布膜を均一に形成することができる。
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(本実施形態に係る塗布方法に用いられる塗布装置の構成の一例)
まず、本実施形態に係る塗布方法に用いられる塗布装置の構成の一例を説明する。図1は、本実施形態に係る塗布方法に用いられる塗布装置の構成を示す概略平面図であり、図2は、該塗布装置の構成を示す概略側面図である。
本実施形態に係る塗布方法に用いられる塗布装置10は、図1及び図2に示すように、被塗布物Wを保持するための保持台21と、保持台21に保持された被塗布物Wの被塗布面(表面)WAに塗布液を供給するためのインクジェット方式による塗布液供給機構31及び被塗布物Wの被塗布面WAに補助溶媒を供給するためのインクジェット方式による補助溶媒供給機構32、33を一体化した液供給機構34とを備えている。
この塗布液供給機構31が本発明における塗布液供給手段に相当し、補助溶媒供給機構32、33が本発明における補助溶媒供給手段に相当する。
補助溶媒供給機構32、33が供給する補助溶媒には、塗布液の主成分と相溶しかつ被塗布面WAとの接触角が塗布液の主成分よりも小さいものが使用される。また、補助溶媒は、沸点が塗布液の主成分よりも高いものを使用することが望ましい。
被塗布物として非晶質Seを用いると共に主成分がo-キシレンである塗布液を用いた場合においては、補助溶媒として、例えば、非晶質Seとの接触角がo-キシレンよりも小さいトルエン、非晶質Seとの接触角がo-キシレンよりも小さくかつo-キシレンよりも沸点が高いo-ジクロロベンゼンを用いることができる。
なお、塗布液の主成分とは、塗布液において最大重量をしめる成分である。従って、例えば、溶媒よりも重量が小さい溶質をその溶媒に溶解して形成される塗布液であれば、その溶媒が主成分となる。また、相溶とは、二種またはそれ以上の物質が相互に親和性を有し、その物質が混ざり合うことを意味する。
図1に示すように、液供給機構34は支持部41に支持され、支持部41はボールネジ42に螺合するとともにガイド部材43に沿って移動可能に構成されている。ボールネジ42およびガイド部材43は一対の保持部44、45に保持されており、また、ボールネジ42はモータ46に連結されている。このため、モータ46の正転および逆転駆動でボールネジ42を時計方向および反時計方向に回転させることにより、塗布液供給機構31および補助溶媒供給機構32、33は、支持部41とともにガイド部材43に沿って図1におけるX軸方向で往復移動する。
また、図2に示すように、保持台21は支持部22に支持され、支持部22はボールネジ24に螺合するとともにガイド部材23に沿って移動可能に構成されている。ボールネジ24およびガイド部材23は一対の保持部25、26により、前記ガイド部材43と直交する方向に向けて保持されており、また、ボールネジ24はモータ27の回転軸と連結されている。このため、モータ27の駆動でボールネジ24を回転させることにより、保持台21は、支持部22とともにガイド部材23に沿って液供給機構34の往復移動方向と直交する方向、つまり図1におけるY軸方向に移動する。
図3は上述した塗布液供給機構31および補助溶媒供給機構32、33の構成を示す概略正面図であり、図4はその概略底面図である。尚、本実施の形態においては補助溶媒供給機構32および33は塗布液供給機構31と同一の構成を採用することとする。
塗布液供給機構31または補助溶媒供給機構32、33は、図3及び図4に示すように、塗布液または補助溶媒を貯留する貯留する貯留槽51と、この貯留槽51と連通する塗布液供給用ノズルまたは補助溶媒供給用ノズル61を有する複数のインクジェット記録ヘッド52を備えている。
塗布液供給用ノズルまたは補助溶媒供給用ノズル61はそれぞれ図示しないピエゾ素子を有しており、このピエゾ素子に対する電圧のオンオフ制御によって塗布液供給用ノズルまたは補助溶媒供給用ノズル61から塗布液または補助溶媒が吐出される。
なお、上述した塗布装置は、下記の塗布方法に用いられる塗布装置の一例であり、種々の塗布装置を用いることができる。
(塗布液及び補助溶媒の塗布方法)
次に、上述した塗布装置による被塗布物の被塗布面に対する塗布液及び補助溶媒の塗布方法を説明する。
図1に示すように、被塗布物Wを保持台21に載置し、モータ46の正転駆動により液供給機構34が、図1における被塗布物Wの右上端側からX軸方向に沿って移動を開始する。そして、塗布液供給機構31よりも液供給機構34の移動方向に対して前方に位置する補助溶媒供給機構33における各補助溶媒供給用ノズル61が、保持台21に保持された被塗布物Wの被塗布面WAに対向する位置に到達したときに、被塗布物Wの被塗布面WAに対して補助溶媒の供給が開始される。続いて、塗布液供給機構31における各塗布液供給用ノズル61から、既に被塗布物Wの被塗布面WAに供給されている補助溶媒の上に重なるように塗布液の供給が開始される。
なお、補助溶媒の上に重なるように塗布液を供給するとは、補助溶媒着弾位置と塗布液着弾位置を同じとする方法と、補助溶媒着弾位置の間をうめるように塗布液を打つ方法の両者を意味する。打滴は滴周囲から乾燥が進むため、後者の方が好ましい。
液供給機構34が、図1における被塗布物Wの右下端側を通過するとモータ46の正転駆動が停止される。このとき、被塗布物Wの被塗布面WAを通過した時点で補助溶媒供給機構33および塗布液供給機構31の各補助溶媒供給用ノズル61、各塗布液供給用ノズル61からの液の供給が順次停止される。そして、モータ27の駆動により保持台21が図2における矢印の方向に向かって所定量だけ移動する。
次に、モータ46が逆転駆動されて液供給機構34が図1における右下端側から右上端側に向けて移動を開始する。そして、塗布液供給機構31よりも液供給機構34の移動方向に対して前方側に位置する補助溶媒供給機構32における各補助溶媒供給用ノズル61が、保持台21に保持された被塗布物Wの被塗布面WAに対向する位置に到達したときに、被塗布物Wの被塗布面WAに対して補助溶媒の供給が再び開始される。続いて、塗布液供給機構31の各塗布液供給用ノズル61から、既に被塗布物Wの被塗布面WAに供給されている補助溶媒の上に重なるように塗布液の供給が再び開始される。
液供給機構34が図1における被塗布物Wの上端を通過するとモータ46の逆転駆動が停止される。このとき、被塗布物Wの被塗布面WAを通過した時点で補助溶媒供給機構32、塗布液供給機構31の各補助溶媒供給用ノズル61、各塗布液供給用ノズル61からの液の供給が順次停止される。そして、再びモータ27の駆動により保持台21が図2における矢印の方向に向かって所定量だけ移動する。そしてこれらの動作を繰り返すことによって被塗布物Wの被塗布面WAに塗布液が供給される。
このように、被塗布物Wの被塗布面WAに対して塗布液を供給する際に、被塗布面WAに対して補助溶媒の供給を開始した後に、既に被塗布物Wの被塗布面WAに供給されている補助溶媒の上に重なるように塗布液を供給することによって、塗布液及び塗布液の主成分である溶媒を被塗布面WAに供給する構成に比して、被塗布物Wの被塗布面WAにおいて塗布液が広がりやすくなり、被塗布物Wの表面状態や塗布液の粘度等に関わらず塗布液を被塗布面WAに均一に広げることができる。その結果、被塗布面WAに塗布膜を均一に形成することができる。
なお、本実施形態に係る塗布装置10では、液供給機構34として、塗布液供給機構31の両側に補助溶媒供給機構32、33をそれぞれ設ける構成としたが、塗布液供給機構31の一方側のみに補助溶媒供給機構33を設ける構成としてもよい。この場合、例えば、液供給機構34に図示しない反転機構を備えて、図1における液供給機構34が被塗布物Wの右上端側もしくは右下端側に位置するモータ46の正逆転駆動開始時毎に液供給機構34を反転させ、液供給機構34の進行方向に対して常に補助溶媒供給機構33が塗布液供給機構31よりも前方側に位置する構成とすればよい。
また、上記の塗布方法では、補助溶媒供給機構33又は補助溶媒供給機構32から被塗布物Wの被塗布面WAに対して補助溶媒の供給が開始された後、塗布液供給機構31から既に被塗布面WAに供給されている補助溶媒の上に重なるように塗布液の供給が開始されているが、さらに、その塗布液の上に重なるように、補助溶媒供給機構32又は補助溶媒供給機構33から補助溶媒の供給を開始してもよい。
また、被塗布面WA全面に対して予め補助溶媒を供給し、補助溶媒が全面に残留しているうちに、既に被塗布面WA上に供給されている補助溶媒の上に重なるように塗布液を供給する工程を開始するようにしてもよい。
また、被塗布面WA全面を2行以上の塗布に分割して塗布を行うようにしてもよい。この場合においては、1行目の塗布液を塗布後、2行目の塗布液が塗布される前に1行目と2行目の境界となる部分に補助液を供給する工程を開始してもよい。
また、被塗布物Wの被塗布面WAに対する塗布液及び補助溶媒の供給は、同時に行っても良い。
(塗布液及び補助溶媒の塗布方法の変形例)
次に、上述した塗布方法の変形例について説明する。なお、この変形例においても、上述した塗布装置10により被塗布物の被塗布面に対する塗布液及び補助溶媒が行われるので、その説明を省略する。
図1に示すように、被塗布物Wを保持台21に載置し、モータ46の正転駆動により液供給機構34が図1における被塗布物Wの右上端側からX軸方向に沿って移動を開始する。そして、まず、塗布液供給機構31における各補助溶媒供給用ノズル61が、保持台21に保持された被塗布物Wの被塗布面WAに対向する位置に到達したときに、被塗布物Wの被塗布面WAに対して塗布液の供給が開始される。続いて、塗布液供給機構31よりも液供給機構34の移動方向に対して後方側に位置する補助溶媒供給機構32における各塗布液供給用ノズル61から、既に被塗布物W上に供給されている塗布液の上に重なるように補助溶媒の供給が開始される。
なお、塗布液の上に重なるように補助溶媒を供給するとは、塗布液着弾位置と補助溶媒着弾位置を同じとする方法と、塗布液着弾位置の間をうめるように補助溶媒を打つ方法の両者を意味する。打滴は滴周囲から乾燥が進むため、後者の方が好ましい。
液供給機構34が図1における被塗布物Wの右下端側を通過するとモータ46の正転駆動が停止される。このとき、被塗布物Wの被塗布面WAを通過した時点で塗布液供給機構31、補助溶媒供給機構32の各塗布液供給用ノズル61、各補助溶媒供給用ノズル61からの液の供給が順次停止される。そして、モータ27の駆動により保持台21が図2における矢印の方向に向かって所定量だけ移動する。
次に、モータ46が逆転駆動されて液供給機構34が図1における右下端側から右上端側に向けて移動を開始する。そして、塗布液供給機構31における各補助溶媒供給用ノズル61が、保持台21に保持された被塗布物Wの被塗布面WAに対向する位置に到達したときに、被塗布物Wの被塗布面WAに対して塗布液の供給が再び開始される。続いて、塗布液供給機構31よりも液供給機構34の移動方向に対して後方側に位置する補助溶媒供給機構33の各塗布液供給用ノズル61から、既に被塗布物W上に供給されている塗布液の上に重なるように補助溶媒の供給が再び開始される。
液供給機構34が図1における被塗布物Wの右上端を通過するとモータ46の逆転駆動が停止される。このとき、被塗布物Wの被塗布面WAを通過した時点で塗布液供給機構31、補助溶媒供給機構33の各塗布液供給用ノズル61、各補助溶媒供給用ノズル61からの液の供給が順次停止される。そして、再びモータ27の駆動により保持台21が図2における矢印の方向に向かって所定量だけ移動する。そしてこれらの動作を繰り返すことによって被塗布物Wの被塗布面WAに塗布液が供給される。
このように、被塗布物Wの被塗布面WAに対して塗布液を供給する際に、被塗布面WAに対して塗布液の供給を開始した後に、既に被塗布物Wの被塗布面WAに供給されている塗布液の上に重なるように補助溶媒を供給することによって、塗布液及び塗布液の主成分である溶媒を被塗布面WAに供給する構成に比して、被塗布物Wの被塗布面WAにおいて塗布液が広がりやすくなり、被塗布物Wの表面状態や塗布液の粘度等に関わらず塗布液を被塗布面WAに均一に広げることができる。その結果、被塗布面WAに塗布膜を均一に形成することができる。
なお、本実施形態に係る塗布装置10では、液供給機構34として、塗布液供給機構31の両側に補助溶媒供給機構32、33をそれぞれ設ける構成としたが、塗布液供給機構31の一方側のみに補助溶媒供給機構32を設ける構成としてもよい。この場合、例えば、液供給機構34に図示しない反転機構を備えて、図1における液供給機構34が被塗布物Wの右上端側もしくは右下端側に位置するモータ46の正逆転駆動開始時毎に液供給機構34を反転させ、液供給機構34の進行方向に対して常に補助溶媒供給機構32が塗布液供給機構31よりも後方側に位置する構成とすればよい。
(試験例)
次に、本実施形態に係る効果を確認するための試験例について説明する。
本試験例においては、以下のように、塗布液を作成した。サンプル瓶に一定量のフラーレンC60(フロンティアカーボン株式会社製、nanom purple (C60))とポリカーボネート樹脂(PCz)(三菱ガス化学株式会社製ユーピロンPCz‐400)と秤量する。その後、o-キシレンを秤量し、室温で攪拌し、40kHzの超音波処理を行い、溶解もしくは分散させ、塗布液を作成した。なお、ポリカーボネート樹脂(PCz)はo-キシレンに対して1.05wt%を、フラーレンC60はポリカーボネート樹脂(PCz)対して30wt%を秤量した。
また、本試験例においては、被塗布物として、非晶質Seを用いた。上記の塗布液と非晶質Seとの接触角は、10°であった。
非晶質Seとの接触角が塗布液よりも小さい補助溶媒として、o-ジクロロベンゼン、トルエンを用いた。比較例として、補助溶媒に替えて塗布液の溶媒であるo-キシレンを用いた。
補助溶媒(比較例においては、o-キシレン)及び塗布液を上述した塗布装置10に充填し、非晶質Se上に上記の塗布方法により吐出し、10−4Pa以下の減圧雰囲気下で12時間減圧乾燥を行い、平均膜厚0.2μmの有機高分子膜を得た。
図5には、トルエン(試験例1)、o-ジクロロベンゼン(試験例2)、塗布液の溶媒であるo-キシレン(比較例)を用いた場合の、非晶質Seとの接触角、沸点、塗布後の膜厚分布をまとめた表が示されている。
この表の膜厚分布に示すように、塗布液の溶媒であるo-キシレンよりも接触角の小さいトルエンを用いることで、形成される膜が平坦化されることがわかった。また、同様の接触角を持つと共に沸点が高いo-ジクロロベンゼンを用いることにより、形成される膜がさらに平坦化されることがわかった。なお、塗布液及び補助溶媒の供給開始の順序に関わらず、同様の結果が得られた。
(上記の塗布方法を用いた放射線検出器の製造方法)
次に、上記の塗布方法を用いた放射線検出器の製造方法について説明する。
製造対象となる放射線検出器は、医療用のX線撮影装置等に使用されるものであり、放射線の照射を受けることにより導電性を呈する光導電層を含む静電記録部を備えてなり、画像情報を担持する放射線の照射を受けて画像情報を記録し、記録した画像情報を表す画像信号を出力するものである。
放射線検出器としては、光の照射により電荷を発生する半導体材料を利用して読み取る、いわゆる光読取方式の放射線検出器と、放射線の照射により発生した電荷を蓄積し、その蓄積した電荷を薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)などの電気的スイッチを1画素ずつオン・オフすることにより読み取る方式(以下、TFT方式という)の放射線検出器等がある。
ここで、放射線検出器の一例として、TFT方式の放射線検出器400の構成を説明する。
本実施形態に係るTFT方式の放射線検出器400は、画像情報を担持した放射線の一例としてのX線が入射されることにより電荷を生成すると共に電磁波導電性を示す光導電層404を備えている(図8(B)参照)。光導電層404としては、暗抵抗が高く、X線照射に対して良好な電磁波導電性を示し、真空蒸着法により低温で大面積成膜が可能な非晶質(アモルファス)材料が好まれる。
非晶質(アモルファス)材料としては、例えば、アモルファスSe(a-Se)膜が用いられている。また、アモルファスSeにAs、Sb、Geをドープした材料が、熱安定性に優れ、光導電層404の好適な材料となる。
光導電層404上には、画像情報を担持した放射線が透過する第1電極として、光導電層404へバイアス電圧を印加するバイアス電極401が形成されている。バイアス電極401は、例えば、金(Au)で形成されている。このバイアス電極401を透過した放射線が光導電層404に照射される。
なお、本実施形態では、放射線がバイアス電極401側から照射されるが、下記のガラス基板408側から照射する構成であってもよい。従って、放射線は、バイアス電極401側からでもガラス基板408側からでも、いずれの方向からでも照射することができる。ただし、ガラス基板408による減衰を防ぐために、バイアス電極401の方から照射することが好ましい。
光導電層404に対してバイアス電極401が設けられている側とは反対側、すなわち光導電層404下には、光導電層404が生成した電荷を収集する第2電極として、複数の電荷収集電極407aが配置されている。
この電荷収集電極407aは、ガラス基板408に形成されている。また、電荷収集電極407aは、ガラス基板408に設けられた電荷蓄積容量及び薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)からなるスイッチ素子にそれぞれ接続されている。
ガラス基板408、電荷蓄積容量、スイッチ素子及び電荷収集電極407aにより、アクティブマトリックス基板450が構成される。
スイッチ素子は、ゲート電極やゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、チャネル層、コンタクト電極等により構成されており、電荷蓄積容量は、Cs電極やゲート絶縁膜、ドレイン電極等によりが構成されている。
光導電層404とバイアス電極401との間には、有機高分子層として、バイアス電極401と反対極性の電荷を透過させると共にバイアス電極401と同極性の電荷の透過を阻止する電荷選択透過層402が設けられている。一方、光導電層404と電荷収集電極407aとの間にも、電荷選択透過層402とは逆極性の電荷選択透過層406が設けられている(電荷選択透過層402と電荷選択透過層406とを区別するため、電荷選択透過層402を上部電荷選択透過層402とし、電荷選択透過層406を下部電荷選択透過層406という)。
上部電荷選択透過層402は、バイアス電極401が正極である場合には、電子に対しては導電体でありながら正孔の注入を阻止する層(正孔注入阻止層)で構成され、バイアス電極401が負極である場合には、正孔に対しては導電体でありながら電子の注入を阻止する層(電子注入阻止層)で構成される。本実施形態では、バイアス電極401が正極であるため、上部電荷選択透過層402として、正孔注入阻止層が設けられている。
なお、上部電荷選択透過層402が正孔注入阻止層である場合には、下部電荷選択透過層406に電子注入阻止層が用いられ、上部電荷選択透過層402が電子注入阻止層である場合には、下部電荷選択透過層406に正孔注入阻止層が用いられる。
正孔注入阻止層としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリシクロオレフィン等の絶縁性高分子に、正孔ブロック材料を混合した膜を好ましく用いることが出来る。
正孔注入阻止層に含有される正孔ブロック材料のうち少なくとも一種が、カーボンクラスター又はその誘導体から選択される少なくとも1種であることが好ましい。さらにカーボンクラスターが、フラーレンC60、フラーレンC70、酸化フラーレン又はそれらの誘導体から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、上部電荷選択透過層402と光導電層404との間、及び下部電荷選択透過層406と光導電層404との間には、それぞれ結晶化抑制層を設けてもよい。結晶化抑制層としてはGeSe、GeSe、SbSe、a-AsSeや、Se−As、Se−Ge、Se−Sb系化合物等を用いることが可能である。本実施形態では、結晶化抑制層405が下部電荷選択透過層406と光導電層404との間に設けられている。
上記のTFT方式の放射線検出器400によれば、光導電層404にX線が照射されると、光導電層404内に電荷(電子−正孔対)が発生する。バイアス電極401とCs電極との間に電圧が印加された状態、すなわちバイアス電極401とCs電極とを介して光導電層404に電圧が印加された状態において、光導電層404と電荷蓄積容量とは電気的に直列に接続された構造となっているので、光導電層404内に発生した電子は+電極側に、正孔は−電極側に移動し、その結果、電荷蓄積容量に電荷が蓄積される。
電荷蓄積容量に蓄積された電荷は、ゲート電極への入力信号によってスイッチ素子をオン状態にすることによりソース電極から外部に取り出すことが可能となる。そして、ゲート電極とソース電極とからなる電極配線、スイッチ素子及び電荷蓄積容量は、すべてマトリクス状に設けられており、ゲート電極に入力する信号を順次走査し、ソース電極からの信号をソース電極毎に検知することにより、二次元的にX線の画像情報を得ることが可能となる。
次に、TFT方式の放射線検出器の製造方法の一例について説明する。
図6、図7及び図8は、TFT方式の放射線検出器の製造手順を説明するための概略図である。
この製造手順では、まず図6(A)、(B)に示すように、スイッチ素子を有すると共に電荷収集電極407aが形成されたガラス基板408上に2μmの膜厚の硫化アンチモンからなる下部電荷選択透過層406を形成する。
次に、図7(A)に示すように、As3%含有したSe原料を蒸着により、下部電荷選択透過層406上に成膜して膜厚0.15μmの結晶化抑制層405を形成する。
次に、図7(B)に示すように、Naを10ppm含有したSe原料を蒸着により、結晶化抑制層405上に成膜して、膜厚1000μmの非晶質Seからなる光導電層404を形成する。
次に、図8(A)に示すように、膜厚0.2μmの有機高分子層としての上部電荷選択透過層402を上記の塗布方法により、光導電層404上に成膜する。
次に、図8(B)に示すように、Auを蒸着により、上部電荷選択透過層402上に成膜して膜厚0.1μmのバイアス電極401を得た。以上の製造手順によりTFT方式の放射線検出器が製造される。
なお、光読取方式の放射線検出器においても、光導電層とその光導電層へバイアス電圧を印加するためのバイアス電極との間に配置される有機高分子層について、上記の塗布方法を用いて形成することが可能である。本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。
図1は、本実施形態に係る塗布方法に用いられる塗布装置の構成を示す概略平面図である。 図2は、該塗布装置の構成を示す概略側面図である。 図3は、該塗布装置の塗布液供給機構および補助溶媒供給機構の構成を示す概略正面図である。 図4は、該塗布装置の塗布液供給機構および補助溶媒供給機構の構成を示す概略底面図である。 図5は、試験例に係る結果をまとめた表である。 図6は、本実施形態に係る塗布方法を用いた放射線検出器の製造方法の手順を説明するための概略図である。 図7は、本実施形態に係る塗布方法を用いた放射線検出器の製造方法の手順を説明するための概略図である。 図8は、本実施形態に係る塗布方法を用いた放射線検出器の製造方法の手順を説明するための概略図である。
符号の説明
31 塗布液供給機構(塗布液供給手段)
32 補助溶媒供給機構(補助溶媒供給手段)
33 補助溶媒供給機構(補助溶媒供給手段)
61 塗布液供給用ノズル
61 補助溶媒供給用ノズル
400 放射線検出器
401 バイアス電極(第1電極)
402 上部電荷選択透過層(有機高分子層)
404 光導電層
407a 電荷収集電極(第2電極)

Claims (7)

  1. 塗布液供給用ノズルが設けられたインクジェット方式による塗布液供給手段から被塗布面に対して塗布液を供給する工程と、
    補助溶媒供給用ノズルが設けられたインクジェット方式による補助溶媒供給手段から前記被塗布面に対して、前記塗布液の主成分と相溶しかつ前記被塗布面との接触角が前記塗布液の主成分よりも小さい補助溶媒を供給する工程と、
    を備えた塗布方法。
  2. 前記補助溶媒の沸点が、前記塗布液の主成分の沸点よりも高い請求項1に記載の塗布方法。
  3. 前記被塗布面に対して前記補助溶媒を供給する工程を開始した後に、既に被塗布面上に供給されている前記補助溶媒の上に重なるように前記塗布液を供給する工程を開始する請求項1又は請求項2に記載の塗布方法。
  4. 前記被塗布面全面に対して予め前記補助溶媒を供給し、前記補助溶媒が全面に残留しているうちに、既に被塗布面上に供給されている前記補助溶媒の上に重なるように前記塗布液を供給する工程を開始する請求項1又は請求項2に記載の塗布方法。
  5. 前記被塗布面全面を2行以上の塗布に分割して塗布を行う塗布方法において、1行目の塗布液を塗布後、その境界部分に2行目の塗布液が塗布される前に補助液を供給する工程を開始する請求項1又は請求項2に記載の塗布方法。
  6. 前記被塗布面に対して前記塗布液を供給する工程を開始した後に、既に被塗布面上に供給されている前記塗布液の上に重なるように前記補助溶媒を供給する工程を開始する請求項1又は請求項2に記載の塗布方法。
  7. 第1電極と、
    画像情報を担持した放射線が照射されて電荷を生成する光導電層と、
    前記光導電層に対して前記第1電極が設けられている側とは反対側に配置され、前記画像情報を取得するために前記光導電層が生成した電荷を収集する第2電極と、
    前記第1電極と前記光導電層との間に配置された有機高分子層と、
    を備えた放射線検出器を、請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗布方法により前記有機高分子層を形成して製造する放射線検出器の製造方法。
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