JP2009289855A - 発熱体の冷却構造体 - Google Patents

発熱体の冷却構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP2009289855A
JP2009289855A JP2008138981A JP2008138981A JP2009289855A JP 2009289855 A JP2009289855 A JP 2009289855A JP 2008138981 A JP2008138981 A JP 2008138981A JP 2008138981 A JP2008138981 A JP 2008138981A JP 2009289855 A JP2009289855 A JP 2009289855A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
cooling structure
tube
cooling
heating element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008138981A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoe Sasaki
直栄 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Light Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Priority to JP2008138981A priority Critical patent/JP2009289855A/ja
Publication of JP2009289855A publication Critical patent/JP2009289855A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

【課題】コンパクトで、冷却能力や冷却効率の向上された発熱体の冷却構造体を提供すること。
【解決手段】扁平な形状を呈する外管12内に、細径な内管14の複数を内挿して、それら内管14が一列に密接配列され、さらに外管12の内周面に内管14の外周面が密接されるようにして構成した第一のユニット16a及び第二のユニット16bの二つを、発熱体26が取り付けられる側の外管12の平坦面24がそれぞれ外側となるようにして、重ね合わせた状態において直列に接続し、第一のユニット16aと第二のユニット16bとの対向する平坦面18,18間に、断熱材20を挟み込んで、冷却構造体10を構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、発熱体の冷却構造体に関し、特に、電気・電子部品等の発熱体を冷却するための冷却構造体に関するものである。
従来から、電子部品等にて構成される発熱体の冷却構造体として、冷却能力に優れた水冷式(液冷式)のヒートシンクや冷却装置の各種のものが提案されて来ており、例えば、特開2002−170915号公報(特許文献1)においては、平坦な底部を有する鍋型のケーシングの開口を、ベースプレートで閉塞し、内部に扁平な流路を形成すると共に、その流路内に、波形のインナーフィンを配置し、そのインナーフィンの波の谷部又は頂部を押えるように、復パス用の仕切板を配置してなる構造の水冷ヒートシンクが、明らかにされている。また、特開2005−123260号公報(特許文献2)には、かかる引用文献1に開示のヒートシンクの改良技術として、扁平チューブ内にインナーフィンを密着するように挿入して構成した水冷式ヒートシンクが明らかにされ、そこでは、インナーフィンとして、冷却水の撹拌効果を狙ったアルミニウム製のオフセットフィンも、明らかにされている。
さらに、特開2006−202800号公報(特許文献3)にあっては、半導体素子の冷却装置に係る従来からのものの一つとして、押出により成形された、所謂扁平多穴チューブからなる冷却構造体が、その図5に示されており、そして、特許文献3の発明では、冷媒の流れに乱れを生じさせ、それを促進すること等により、冷却性能を向上させる目的から、そのような扁平多穴チューブの仕切壁に、凹凸を設けたり、仕切壁を切り起したりしてなる構造とすることが、提案されている。
ところで、この種の冷却装置においては、一般に、その設置に際して、スペースに制約を受けることとなるところから、出来るだけコンパクト化することが望まれており、また発熱体からの発熱量が、益々増大して来ているところから、更なる高冷却性能化が求められているのであるが、これまでに提案されている発熱体の冷却構造にあっては、そのようなコンパクト化・高冷却性能化の要請に対して、充分に応え得るものではなく、各種の問題点を内在している。
例えば、特許文献1に明らかにされている如き構成の水冷式ヒートシンクにあっては、流路用空間を形成するために、鍋型のケーシングとベースプレートとを組み合わせて、ロウ付けを行うものであるところから、必然的に、それらパーツ間の接合部のシール性についての信頼性が問題となることに加えて、特許文献1や特許文献2においては、内部空間に波形のインナーフィンを配置して、ロウ付け等によって固定することとしているところから、そのようなインナーフィンとケーシングとの間の密着性が充分でなく、それらの間の伝熱特性の向上にも限界があった。
また、特許文献2においては、その図6に、扁平箱型形状のヒートシンクの対応する上下の平坦面に、それぞれ発熱体を配置して、簡易な構造において、2つの発熱体の冷却を図るようにしたものが明らかにされているが、そこでは、冷却流体における一方の発熱体からの吸熱と他方の発熱体からの吸熱とが互いに干渉し合うようになるところから、それら2つの発熱体の冷却効率の点からして充分なものではなかったのである。更に、特許文献3の如く、扁平多穴チューブの仕切壁に凹凸を設けたり、仕切壁を切り起こしたりする場合においては、その作業は容易でなく、そしてそれが製品コストを上昇せしめる要因ともなっている。
かかる状況下、特許文献3の図5に従来技術として明らかにされている扁平多穴チューブからなる冷却構造体は、比較的簡単な構造であり、しかも、ロウ付け等の接合部もない一体成形品であるところから、シールの信頼性からしても、好ましいものではあるが、そこでは、冷却器をコンパクト化する際に、冷却性能面に限界がある問題を、内在しているのである。即ち、冷却器のコンパクト化のためには、限られた断面内に、出来るだけ大きな冷却液流路を確保しつつ、冷却液とチューブの伝熱面も、充分に確保することが必要となるものであるところ、そのような要請に充分に応え得ないのである。因みに、扁平多穴チューブを用いた冷却器においては、チューブの内壁を出来るだけ細く(薄く)して、その数を増やすことによって、冷却性能の向上が図られるのであるが、押出加工にて、中空のチューブの小さな断面形状の中に、薄い内壁を多数形成させることは、容易ではないのである。
しかも、チューブの材質が、押出加工性の良好なアルミニウム若しくはアルミニウム合金である場合において、ポートホール押出にて中空材の押出加工は可能ではあるものの、上記したような、小断面で、複雑な断面形状の押出加工は、極めて困難となって来るのであり、更にチューブ材質として、熱伝導性の良好な銅若しくは銅合金を用いる場合にあっては、前記せるような中空のチューブを押出によって成形加工することは、殆ど不可能であったのである。
特開2002−170915号公報 特開2005−123260号公報 特開2006−202800号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、コンパクトで、冷却能力や冷却効率の向上された発熱体の冷却構造体を提供することにある。
そして、本発明にあっては、そのような課題を解決するために、扁平な形状を呈する外管内に複数本の内管が内挿され、一列に密接配列せしめられて、該外管の内周面に該内管の外周面が密接されていると共に、該外管の扁平形状によって与えられる平坦面の一つには、所定の発熱体が取り付けられる一方、該内管内及び該内管と該外管との間の間隙全体には、冷却液が流通せしめられるように構成された第一及び第二のユニットを直列に接続してなる構造を有する発熱体の冷却構造体において、前記第一のユニットと前記第二のユニットとを、前記発熱体が取り付けられる側の前記外管の平坦面がそれぞれ外側となるようにして、重ね合わせると共に、該第一のユニットと該第二のユニットとの対向する前記外管の平坦面間に、断熱層を介在せしめたことを特徴とする発熱体の冷却構造体を、その要旨とするものである。
なお、かかる本発明に従う発熱体の冷却構造体の望ましい態様の一つによれば、前記断熱層は、所定間隙の空間にて構成される空気層とされることとなり、更に別の望ましい態様の一つによれば、前記断熱層は、所定厚さの断熱材層とされることとなる。
また、そのような本発明に従う発熱体の冷却構造体の好ましい態様の一つにあっては、前記外管及び前記内管は、それぞれ、銅又は銅合金にて構成されることとなり、更に別の好ましい態様の一つにあっては、前記外管及び前記内管は、それぞれ、アルミニウム又はアルミニウム合金にて構成されることとなる。
このような本発明に従う発熱体の冷却構造体にあっては、それら二つのユニットにおいて、それぞれの外管の扁平な外周面に設けた平坦面の一方に、所定の発熱体が個々に取り付けられる一方、内管内及び外管と内管との間の間隙全体に冷却液を流通させて、冷却を行うようにしていることにより、高熱密度の発熱体の熱が、外管の管壁全体へ熱伝導により広がると共に、発熱体を取り付けた外管内には、内管が密接するように内挿配置されているところから、外管の管壁から内管の管壁へ効果的に伝熱せしめられるようになるのであり、その結果、外管の内表面のみならず、内管の内外表面も、また、冷却液への伝熱面となるのであり、以て、冷却液への伝熱面積がより一層効果的に増加せしめられ得て、高い冷却能力を発揮することが可能となるのである。
しかも、そのような本発明に従う発熱体の冷却構造体にあっては、太径の外管内に細径の内管の複数本が内挿されて、密接配置せしめられてなる一体構造を有し、ロウ付け接合部やOリング装着部を存在せしめる必要がないところから、そのコンパクト化が有利に実現され得ることとなるのであり、また、構造上においても、太径の外管内に細径の内管の複数本を内挿せしめて構成されるものであるところから、押出加工の如き特別な操作を採用することなく、小さな断面形状の中に、伝熱面となる内壁を多数形成することが、容易に可能となる。
また、かくの如き本発明に係る発熱体の冷却構造体にあっては、冷却構造体に対して発熱体が取り付けられる箇所が、第一及び第二の2つのユニットに分割されて、冷却液流路が二分割されてなる独立した構造となっているところから、二つの発熱体を一つの外管の上下面に取り付けた冷却構造体において、相互の熱干渉を回避すべく、かかる外管の扁平な厚さを厚くする場合よりも、冷却液の流路断面積が有利に削減され得て、冷却液流速を増加させることが可能となるのであり、以て、冷却能力を効果的に向上させることが出来るのである。
さらに、かかる本発明に従う発熱体の冷却構造体にあっては、そのように二分割した二つのユニットの間、即ち分割された冷却液流路間に、所定の断熱層が介在せしめられていることによって、一方の冷却液流路の温度上昇の影響(熱干渉)が他方の冷却液流路に対して及ばないように構成されているところから、冷却液の温度上昇を抑制して、より有利に冷却能力を向上させることが可能となる特徴を有している。換言すれば、一方の冷却ユニットに取り付けられた発熱体の熱が、他方のユニットに取り付けられた発熱体の冷却効果に影響を与えることがなくなり、冷却構造体全体としての冷却効率が、有利に向上せしめられ得るのである。
そして、そのような第一及び第二の2つのユニットを直列に接続して、冷却液の流路がリターン流路構造となるように構成したことにより、直線流路構造とした場合に比べて、冷却構造体の流れ方向長さを1/2に短縮することが出来、この点からしても、冷却構造体の小型化に寄与し得ることとなったのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1及び図2には、本発明に従う発熱体の冷却構造体の一実施形態が、それぞれ示されている。即ち、かかる冷却構造体が、図1にあっては、冷却構造体の軸直角方向の断面(図2におけるA−A断面)となる横断面図において、また図2には、正面図の形態において、それぞれ示されているのである。また、図3には、図2におけるB−B断面の形態が示されている。
そこにおいて、冷却構造体10は、太径で厚肉の扁平形状乃至は長円形状を呈する外管12と、かかる外管12内に収容された、細径で薄肉の略円形形状を呈する7本の内管14とから、それぞれ構成されている第一のユニット16a及び第二のユニット16bの二つが、それぞれのユニットの一方の平坦面18,18が対向するようにして、所定間隔を隔てて重ね合わされて、構成されている。そして、それら第一のユニット16aと第二のユニット16bの対向する平坦面18,18の間に形成される間隙部分には、所定厚さの断熱材20が、挟み込まれている。更に、そのような冷却構造体10を構成する第一のユニット16aと第二のユニット16bとは、軸方向の対応する一方の端部において、それぞれの外管12が直列的に接続されて(ここでは図示せず)、例えば、図2に示される矢印のように、一方のユニットを流通した冷却液が他方のユニットへ流通する構造とされている。
より詳細には、外管12は、銅又は銅合金にて形成された、内管14よりも太径で厚肉の、その外周面に所定幅の平坦な二つの面をもつ扁平形状の管体とされている一方、内管14は、外管12と同様に銅又は銅合金にて形成された、外管12よりも細径で薄肉な、断面が略円形形状を呈する管体とされている。そして、そのような内管14の複数、ここでは7本の内管14が外管12内に内挿され、それぞれの内管14の外周面が、図1に示されるように外管12の内周面と密接させられると共に、図3に示されるように隣り合う内管14の外周面に密接するようにして配置されることによって、外管12と内管14とが一体化せしめられて、それらが熱的に接合している、第一のユニット16a及び第二のユニット16bが、それぞれ構成されているのである。
そして、このような第一のユニット16aと第二のユニット16bが、それぞれのユニットの発熱体が取り付けられる側の平坦面24,24がそれぞれ外側になるようにして、即ち第一のユニット16aの平坦面18と第二のユニット16bの平坦面18とが所定間隔を隔てて対向するように重ね合わされている。なお、そのような間隙には、所定厚さの断熱材20が挿入されて、第一のユニット16aと第二のユニット16bとの間で熱干渉が発生しないようにされている。また、断熱材20としては、例えば、一般的な断熱材の一つであるロックウールが、用いられることとなる。
なお、外管12内に挿入配置された7本の内管14は、図3に示されるように、外管12内において両端部が開口せしめられており、そして、外管12の端部箇所よりも内側に配置されていることによって、冷却液の流路となる外管12の内周面と内管14の外周面との間に形成される間隙部分や内管14の内部が、相互に連通されてなる形態とされている。また、それら第一及び第二のユニット16a,16bにおける外管12,12の他方の対応する端部は、その一つが冷却液の上流側流路に、そして他の一つが冷却液の下流側流路に、それぞれ接続せしめられる構造となっている。
さらに、このような構造とされた冷却構造体10には、その重ね合わされた第一のユニット16aと第二のユニット16bの外側に位置する平坦面24,24に、発熱体26,26が取り付けられると共に、外管12の内部、即ち、外管12の内周面と内管14の外周面との間に形成される間隙部分や内管14の内部に、所定の冷却液が流通せしめられることにより、発熱体26からの熱がそれと密着する外管12や内管14に伝達され、更にそのように外管12や内管14に伝達された熱が、管内を流通する冷却液に伝達されることによって、発熱体26と冷却液との間で熱交換が為されて、発熱体26の冷却が行われるようになっているのである。
ところで、かかる本発明に従う構造とされた冷却構造体10は、公知の各種の手法に従って形成されることとなるが、例えば、以下に示されるような方法が、有利に採用されることとなる。即ち、先ず、第一及び第二のユニット16a,16bを構成する所定大きさの外管12と内管14の複数(ここではそれぞれ7本)を用意し、外管12内に所定本数の内管14を挿入せしめて、管軸方向に所定間隔を隔てて配置した後、かかる外管12の外壁面に外力を加えて、外管12を目的とする扁平形状に圧縮変形させ、一体化することによって、それぞれの内管14の外周面を隣り合う内管14の外周面や外管12の内周面と密接せしめる。この操作を、1本の外管12における第一及び第二のユニット16a,16b形成部位に対してそれぞれ実施することによって、1本の外管12において、それぞれ7本の内管14と一体化された扁平形状部分を形成するのである。
その後、二つの扁平形状部分の接続部分を引き伸ばしつつ、それぞれの扁平形状部分の平坦面が対向するように折り曲げることによって、図1,2に示されるような、一方の扁平形状部分からなる第一のユニット16aの平坦面18と、他方の扁平形状部分からなる第二のユニット16bの平坦面18とが、所定間隔を隔てて対向するように重ね合わされた形状の冷却構造体10が、実現されることとなるのである。
なお、そのようにして、かかる冷却構造体10を構成する第一のユニット16a及び第二のユニット16bを形成するために用いられる外管12としては、少なくとも一つの平坦な外周面を予め形成した管体や、予め扁平形状に成形されてなる管体を用いることが可能であるが、単純円形断面形状の管体を用い、上述せるように、外壁面への外力を加えることで、内管14との密接と同時に、外表面に平坦面(18,24)を形成するようにすることも、可能である。
このような方法を採用することによって、外管12と内管14との一体化や第一のユニット16a及び第二のユニット16bとを直列に接続するためにロウ付け等の作業が必要でなく、圧縮変形等の単純な工程のみで、目的とする冷却構造体10を形成することが可能となるのである。なお、第一のユニット16aや第二のユニット16bを形成する際、外管12へ外力を加え、圧縮変形をさせる手段としては、特に限定されるものではなく、例えば、縮径ダイスによる抽伸加工やプレス加工等の公知の各種の手段を適宜に採用することが可能である。また、そのような外管12の圧縮変形の際に、内管14にも変形作用が加わることによって、隣り合う内管14同士や内管14と外管12との間の密接性も、有利に高められ得ることとなる。
従って、このような構造とされた冷却構造体10にあっては、冷却液の流通せしめられる流路が、第一のユニット16a及び第二のユニット16bの二つのユニットによって二つに分割されているところから、二つの発熱体26の冷却構造において、流路断面積が有利に削減されて、冷却液の流速を増加させることが可能となり、その結果、冷却能力を向上させることが出来るのである。
しかも、そのように二分割した第一のユニット16a及び第二のユニット16bの二つのユニットの間には、断熱層(20)が設けられているために、一方のユニットにて吸収された発熱体26からの熱による冷却液の温度上昇が、他方のユニットの冷却液に対して発生しない、即ち、一方のユニットの温度上昇が他方のユニットに対して影響する熱干渉が及ばなくされているところから、より有利に冷却構造体10の冷却能力を向上させることが可能となる。
また、そのような第一のユニット16aと第二のユニット16bとを直列に接続して、冷却液の流路がリターン流路構造となるようにされているため、冷却構造体を一つのユニットにて構成した直線流路構造とした場合に比べて、冷却構造体全体の大きさのうち、冷却液が流通する方向の長さを1/2に短縮することが出来、コンパクトな冷却構造体10を得ることが可能となるのである。
さらに、かくの如き構成の冷却構造体10にあっては、発熱体26が取り付けられてなる外管12の内周面に密接するように、複数本(ここでは、7本)の内管14が、内挿配置されているところから、外管12の平坦面24に取り付けられた発熱体26の高熱密度の熱が、熱伝導により、外管12の管壁全体へ広がると共に、外管12の管壁から内管14の管壁へと伝熱せしめられ、そのように外管12のみならず内管14に伝熱された熱と外管12の端部より導入された冷却液とが熱交換されることとなる。このように、外管12の内表面のみならず、内管14の内外表面も、また、冷却液への伝熱面となるようにされているところから、冷却液への伝熱面積が効果的に増加せしめられ得て、以て、高い冷却能力を発揮することが出来るのである。
なお、このような冷却構造体10を構成する外管12や内管14の管材質として、ここでは熱伝達性の良好な銅又は銅合金が採用されているところから、冷却構造体10の冷却能力が、更に向上せしめられている。なお、そのような銅や銅合金以外にも、加工性の良好なアルミニウムやアルミニウム合金を用いて冷却構造体10を構成しても良く、それらを採用した場合にあっては、良好な冷却能力のみならず、安価に冷却構造体10を製作することが可能となる利点も発揮されることとなる。
以上、本発明の代表的な実施形態の一つについて詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
例えば、外管12内に内挿されて、密接配置される内管14の本数は、例示の7本に限られるものではなく、用いられる外管12や内管14の太さ等に応じて適宜の本数が選定され得るところであり、またその配列形態にあっても、前述の実施形態に例示した一列の配列形態のみならず、複数段や千鳥状の配列形態とすることも、勿論可能である。そのような場合にあっても、外管12の内周面と内管14の外周面とが密接せしめられていることにより、外管12の外周面の平坦面24に取り付けられた発熱体26から外管12や内管14に伝達された熱が、より大きな伝熱面積をもって外管12や内管14内を流通する冷却液へと伝達され得ることとなる。
また、かかる実施形態においては、第一のユニット16aと第二のユニット16bとの間の間隙に挿入配置される断熱材20としてロックウールを採用していたが、それ以外にも、一般的に用いられる各種の断熱材が、適宜選択されて用いられることとなる。また、そのような断熱材を採用する他、かかる間隙の幅を適当な大きさの空間として、空気層を設けるようにしてもよい。即ち、所定の体積をもつ空気層により断熱効果が発揮されることにより、第一のユニット16aと第二のユニット16bとの間の熱干渉を抑えることが可能となり、間隙に断熱材を挿入した場合と同様の効果を発揮することが出来る。
さらに、例示した形成方法にて構成した冷却構造体10にあっては、第一のユニット16aと第二のユニット16bとを直列に接続する部分は、それら第一及び第二のユニットとを構成する外管12が湾曲せしめられることによって、一体的に形成されていたが、そのように一体的に接続部分を形成しなくともよく、例えば、それぞれ別体にて形成された第一及び第二のユニットと接続部材とを用いて、第一のユニット16aと第二のユニット16bとを直列に接続するようにしてもよい。
その他、一々列挙はしないが、本発明が、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施されるものであり、またそのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
以下に、本発明の代表的な実施例の一つを示し、本発明の特徴を更に明確にすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。
先ず、本発明に従う構造を有する冷却構造体を形成するために、それぞれの材質がりん脱酸銅からなる、肉厚が1mmの大径の外管(12)と、肉厚が0.4mmの小径の内管(14)とを用意した。次いで、外管(12)内に7本の内管(14)を挿入した後、プレス加工を施し、それら外管12と内管14とを密着させて、図1や図2に示されるような扁平形状の第一及び第二のユニット(16a,16b)を形成した。その後、それら二つのユニットを、発熱体(26)が取り付けられる側の平坦面がそれぞれ外側になるように重ね合わせた状態で直列に接続すると共に、それら二つのユニットの対向する平坦面間に断熱材(20)としてロックウールを挟み込んで、本発明に従う構造の冷却構造体(10)を形成し、これを実施例とした。なお、扁平形状に成形された外管12の、図1における左右方向の幅(L)は47mm、一つのユニットあたりの上下方向の厚さ(W0 )は8mm、二つのユニットを重ね合わせた冷却構造体(10)の上下方向の厚さ(W)は17.25mmとなるようにした。また、それら二つのユニット間に挟まれる断熱材としてのロックウールは、熱伝導率が0.04W/(m・k)であり、その厚さは1.25mmとした。
このようにして得られる冷却構造体10の断面における冷却液流路断面積は、一つのユニットあたり210mm2 であるので、二つのユニットの合計で420mm2 となり、伝熱面の面積は、冷却構造体10の長さ:100mmあたり71709mm2 であった。
一方、従来の構造とされた冷却構造体として、実施例1と同様に、管材質としてりん脱酸銅からなる肉厚が1mmの外管32と、肉厚が0.4mmの内管34とを用意し、外管32内に14本の内管34を挿入した後、プレス加工を施し、発熱体が取り付けられる二つの平坦面36,36を形成すると共に、それら外管32と内管34とを密接せしめて、図5に示されるような横断面をもつ、冷却構造体30を製作し、これを比較例とした。なお、扁平形状に成形された外管32の、図5における左右方向の幅(L)は47mm、上下方向の厚さ(W)は14mmとなるようにした。
また、このようにして得られる冷却構造体30の断面における冷却液流路断面積は427mm2 となり、伝熱面の面積は、冷却構造体30の長さ:100mmあたり62970mm2 であった。
このように準備された実施例及び比較例の冷却構造体(10,30)において、それぞれの冷却構造体の外面の平坦面に対して発熱体をそれぞれ貼り付ける一方、管内に冷却液として水を8L/minの流量にて流通させることによって、発熱体を冷却せしめて、発熱体の表面温度の変化を測定する冷却性能測定試験を行なった。
その結果、実施例の冷却構造体においては、比較例の冷却構造体よりも冷却構造体の幅が1.23倍と若干大きくなるものの、発熱体表面温度を10K低下させることが出来ることが確認された。これは、実質の冷却能力が、比較例の冷却構造体よりも50%向上したことと同等であり、同一スペースあたりの冷却能力においても、20%超の向上効果となる。
本発明に従う発熱体の冷却構造体の一例を示す断面説明図である。 図1に示される発熱体の冷却構造体の端部の構造の一例を示す正面説明図である。 図2(a)におけるB−B断面説明図である。 従来の構造に従う発熱体の冷却構造体の一例を示す断面説明図である。
符号の説明
10 冷却構造体
12 外管
14 内管
16a 第一のユニット
16b 第二のユニット
18 平坦面
20 断熱材
24 平坦面
26 発熱体

Claims (5)

  1. 扁平な形状を呈する外管内に複数本の内管が内挿され、一列に密接配列せしめられて、該外管の内周面に該内管の外周面が密接されていると共に、該外管の扁平形状によって与えられる平坦面の一つには、所定の発熱体が取り付けられる一方、該内管内及び該内管と該外管との間の間隙全体には、冷却液が流通せしめられるように構成された第一及び第二のユニットを直列に接続してなる構造を有する発熱体の冷却構造体において、
    前記第一のユニットと前記第二のユニットとを、前記発熱体が取り付けられる側の前記外管の平坦面がそれぞれ外側となるようにして、重ね合わせると共に、該第一のユニットと該第二のユニットとの対向する前記外管の平坦面間に、断熱層を介在せしめたことを特徴とする発熱体の冷却構造体。
  2. 前記断熱層が、所定間隙の空間にて構成される空気層である請求項1に記載の発熱体の冷却構造体。
  3. 前記断熱層が、所定厚さの断熱材層である請求項1に記載の発熱体の冷却構造体。
  4. 前記外管及び前記内管が、それぞれ、銅又は銅合金にて構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の発熱体の冷却構造体。
  5. 前記外管及び前記内管が、それぞれ、アルミニウム又はアルミニウム合金にて構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の発熱体の冷却構造体。
JP2008138981A 2008-05-28 2008-05-28 発熱体の冷却構造体 Pending JP2009289855A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008138981A JP2009289855A (ja) 2008-05-28 2008-05-28 発熱体の冷却構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008138981A JP2009289855A (ja) 2008-05-28 2008-05-28 発熱体の冷却構造体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009289855A true JP2009289855A (ja) 2009-12-10

Family

ID=41458812

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008138981A Pending JP2009289855A (ja) 2008-05-28 2008-05-28 発熱体の冷却構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009289855A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011169518A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Goyo Electronics Co Ltd 断熱構造

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000299585A (ja) * 1999-02-12 2000-10-24 Toyota Motor Corp 冷却装置
JP2005064382A (ja) * 2003-08-19 2005-03-10 Denso Corp 冷却器
JP2005203528A (ja) * 2004-01-15 2005-07-28 Mitsubishi Electric Corp 冷却部材および電子機器
JP2005229033A (ja) * 2004-02-16 2005-08-25 Hitachi Ltd 液冷システムおよびそれを備えた電子機器
JP2006210605A (ja) * 2005-01-27 2006-08-10 Toyota Motor Corp 半導体装置および負荷駆動装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000299585A (ja) * 1999-02-12 2000-10-24 Toyota Motor Corp 冷却装置
JP2005064382A (ja) * 2003-08-19 2005-03-10 Denso Corp 冷却器
JP2005203528A (ja) * 2004-01-15 2005-07-28 Mitsubishi Electric Corp 冷却部材および電子機器
JP2005229033A (ja) * 2004-02-16 2005-08-25 Hitachi Ltd 液冷システムおよびそれを備えた電子機器
JP2006210605A (ja) * 2005-01-27 2006-08-10 Toyota Motor Corp 半導体装置および負荷駆動装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011169518A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Goyo Electronics Co Ltd 断熱構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5079696B2 (ja) マルチプルフロー熱交換器
JP5023020B2 (ja) 液冷式冷却装置
US20150198372A1 (en) Compact aluminium heat exchanger with welded tubes for power electronics and battery cooling
JP6738226B2 (ja) 冷却装置
JPH11510962A (ja) 電子部品冷却用液冷ヒートシンク
JP5114323B2 (ja) 半導体装置
JP2008282969A (ja) 冷却器及び電子機器
JP7133044B2 (ja) 自励振動ヒートパイプ冷却器
JP5667739B2 (ja) ヒートシンクアセンブリ、半導体モジュール及び冷却装置付き半導体装置
JP5145981B2 (ja) 部品冷却構造
JP2008221951A (ja) 自動車用電子部品の冷却装置
JP2010010195A (ja) 自動車用電子部品の冷却装置
JP5114324B2 (ja) 半導体装置
JP2009289855A (ja) 発熱体の冷却構造体
JP4080479B2 (ja) 液冷式冷却装置の冷却器
JP2011003708A (ja) コルゲート状放熱ユニットを用いた熱交換器
JP2012028720A (ja) 冷却装置
CN214014852U (zh) 一种压铸或浇铸式液冷散热器及其空调变频器、电子设备
JP2005203732A (ja) 冷却器
JP2008235572A (ja) 電子部品冷却装置
JP4128935B2 (ja) 水冷式ヒートシンク
JP2008159757A (ja) 発熱体の冷却構造体及びその製造方法
JP6315945B2 (ja) 熱交換器
JP4984955B2 (ja) パワー素子搭載用ユニット及びパワー素子搭載用ユニットの製造方法並びにパワーモジュール
WO2019151375A1 (ja) 電力変換装置および自励振動ヒートパイプの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20110331

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120622

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20120703

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20121106

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02