JP2009289721A - エキシマランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 放電容器の放電空間にさらされる表面に紫外線反射膜が形成されたエキシマラ
ンプにおいて、長時間点灯したときのエキシマ光の均一性が低下することを防止できるエ
キシマランプを提供することを目的とする。
【解決手段】 一方の長辺面12aの内表面領域に紫外線反射膜20が形成され、短辺面
13a、13bの内表面領域に、前記一方の長辺面12aの電極15に対応する内表面領
域に形成された紫外線反射膜20より薄い膜厚の紫外線反射膜20が形成され、他方の長
辺面12bに、前記紫外線反射膜20が形成されていないことによる光出射窓17が形成
されていることを特徴とするエキシマランプ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シリカガラスよりなる放電容器を備え、当該放電容器を形成するシリカガラ
スが介在する状態で一対の電極が設けられてなり、前記放電容器の内部にエキシマ放電を
発生させるエキシマランプに関する。
近年、金属、ガラス、その他の材料よりなる被処理体に波長200nm以下の真空紫外
光を照射することにより、当該真空紫外光及びこれにより生成されるオゾンの作用によっ
て被処理体を処理する技術、例えば被処理体の表面に付着した有機汚染物質を除去する洗
浄処理技術や、被処理体の表面に酸化膜を形成する酸化膜形成処理技術が開発され、実用
化されている。
真空紫外光を放射する装置としては、例えば、エキシマ放電によってエキシマ分子を形
成し、当該エキシマ分子から放射される、例えば波長170nm付近の光を利用するエキ
シマランプを光源として具えてなるものが用いられている。このようなエキシマランプに
おいては、より高強度の紫外線を効率よく放射するために多くの試みがなされている。
図9は、特許3580233号公報に記載される従来のエキシマランプの構成を示す説
明用断面図であって、(a)放電容器51の長手方向に沿った断面を示す横断面図、(b
)(a)におけるA−A線断面図である。
紫外線を透過するシリカガラスよりなる放電容器51を備え、この放電容器51の内側
と外側にそれぞれ電極55、56が設けられてなるエキシマランプ50において、放電容
器51の放電空間Sに曝される表面に、紫外線反射膜20が形成されている。紫外線反射
膜20としては、シリカ粒子のみからなるもの、およびアルミナ粒子のみからなるものが
実施例に例示されている(特許文献1参照)。
このエキシマランプ50においては、放電容器51の一部に、紫外線反射膜20が形成
されていないことにより放電空間S内で発生した紫外線を出射する光出射部58が形成さ
れている。
このような構成のエキシマランプ50によれば、放電容器51の、放電空間Sに曝され
る表面に、紫外線反射膜20が設けられていることにより、紫外線反射膜20が設けられ
た領域においては、放電空間S内で発生した紫外線が紫外線反射膜20によって反射され
るので、シリカガラスに入射しない。また、光出射部58を構成する領域においてのみ紫
外線がシリカガラスを透過して外部に放射されるので、放電空間S内で発生した紫外線を
有効的に利用することができる。しかも、光出射部58以外の領域を構成するシリカガラ
スの紫外線歪みによるダメージを小さく抑制することができ、クラックが発生することを
防止することができる、とされている。
また、エキシマランプの放電容器としては、特許文献2に示すように断面矩形状で中空
長尺状のものも用いられる。図10は、特開2004−127710公報に記載の従来の
エキシマランプの構成を示す説明用斜視図である。
エキシマランプ60は、紫外線を透過するシリカガラスよりなる断面矩形状で中空長尺
状の放電容器61を備え、この放電容器61の外表面に一対の電極65、66が形成され
る。このようなエキシマランプ60においても、放電容器61の放電空間に曝される表面
に、紫外線反射膜を形成することができる。
特許第3580233号公報 特開2004―127710公報
しかしながら、図10に示すエキシマランプ60に紫外線反射膜を形成すると、長時間
点灯したときにエキシマ光の均一性が低下するという問題が発生した。具体的には、エキ
シマランプ60の中央部において点灯初期に比べて照度が下がり、端部において点灯初期
の照度がほぼ維持された。
本発明は、放電容器の放電空間にさらされる表面に紫外線反射膜が形成されたエキシマ
ランプにおいて、長時間点灯したときのエキシマ光の均一性が低下することを防止できる
エキシマランプを提供することを目的とする。
本願第1の発明は、互いに向かい合うように配置された長辺面と、当該長辺面をつなぐ
短辺面により断面矩形状の管が形成された放電容器を備え、当該放電容器における前記長
辺面の外表面に一対の電極が設けられると共に、放電空間内にキセノンガスが封入されて
なり、前記放電容器の放電空間内においてエキシマ放電を発生させるエキシマランプであ
って、
一方の長辺面の内表面領域に紫外線反射膜が形成され、短辺面の内表面領域に、前記一
方の長辺面の電極に対応する内表面領域に形成された紫外線反射膜より薄い膜厚の紫外線
反射膜が形成され、他方の長辺面に、前記紫外線反射膜が形成されていないことによる光
出射窓が形成されていることを特徴とするエキシマランプ。 また、本願第2の発明は、
本願第1の発明において、前記短辺面の内表面領域に形成された紫外線反射膜の膜厚は5
μm以上であることを特徴とする。
また、本願第3の発明は、本願第1の発明または第2の発明において、前記長辺面の内
表面領域に形成された紫外線反射膜の膜厚は100μm以下であることを特徴とする。
また、本願第4の発明は、本願第1の発明乃至第3の発明のいずれかの発明において、
前記紫外線反射膜は、シリカ粒子を含む紫外線散乱粒子により構成されることを特徴とす
る。
また、本願第5の発明は、本願第4の発明において、前記紫外線散乱粒子には、アルミ
ナ粒子を含むことを特徴とする。
本願第1の発明に係るエキシマランプによれば、長辺面の内表面領域に形成された紫外
線反射膜を、昇華することにより薄くなることを考慮して予め膜厚を厚く形成し、短辺面
の内表面領域に形成された紫外線反射膜を、昇華物が堆積することにより厚くなることを
考慮して予め膜厚を薄く形成する。このように紫外線反射膜を構成することにより、膜厚
が常に一定以上となる範囲に保ち、紫外線反射膜全体の反射性能を一定に保つことができ
る。
また、本願第2の発明に係るエキシマランプによれば、紫外線反射膜の昇華や堆積によ
り全体の膜厚が不均一になっても、紫外線反射膜の膜厚が薄い領域である短辺面の内表面
領域においても、その膜厚が5μm以上となるようにすれば、紫外線反射膜20の反射
性能を全体として均一にすることができる。
また、本願第3の発明に係るエキシマランプによれば、紫外線反射膜の昇華や堆積によ
り膜厚が薄くなったり厚くなったりするが、紫外線反射膜の膜厚が厚い領域である一方の
長辺面の内表面領域においても、その膜厚が100μm以下となるようにすれば、紫外線
反射膜20とプラズマによって生じたイオンとフォトンとの作用によって放出される遊離
酸素の発生を抑制し、短時間で放射照度が低下する現象を防止することができる。
また、本願第4の発明に係るエキシマランプによれば、紫外線反射膜がシリカ粒子を含
む紫外線散乱粒子により構成されていることによって、合成石英ガラスよりなる放電容器
に対して高い親和性が得られる。
また、本願第5の発明に係るエキシマランプによれば、紫外線反射膜にアルミナ粒子を
含むことにより、互いに隣接するシリカ粒子とアルミナ粒子とが粒子同士で結合されるこ
とが防止されて粒界が維持され、紫外線反射膜の反射率の低下を抑制することができる。
図1は、本発明のエキシマランプ10の一例における構成の概略を示す説明用断面図で
あって、(a)放電容器11の長手方向に沿った断面を示す横断面図、(b)(a)にお
けるA−A線断面図である。
エキシマランプ10は、両端が気密に封止されて内部に放電空間Sが形成された、断面
矩形状で中空長尺状の放電容器11を備えており、この放電容器11の内部には、放電用
ガスとして、キセノンガスが封入されている。ここに、キセノンガスは、常温における圧
力が例えば10kPa〜60kPa(100mbar〜600mbar)の範囲内となる
封入量とされる。
放電容器11は、真空紫外光を良好に透過するシリカガラス、例えば合成石英ガラスよ
りなり、誘電体としての機能を有する。
放電容器11は、長尺状の板ガラスよりなる長辺面12a、12bが互いに向かい合う
ように配置され、長辺面12aと長辺面12bとをつなぐ短辺面13a、13bにより断
面矩形状の管が形成される。長手方向の両端は、端面14a、14bにより閉じられ、放
電空間Sの内部を気密空間としている。放電容器11は、例えば、長手方向の長さが80
0〜1600mmであり、320〜640cmの放電空間Sを有している。
放電容器11における長辺面12a、12bの外表面には、一対の格子状の電極15、
16が長手方向に伸びるよう対向して形成される。長辺面12aの外表面には高電圧給電
電極として機能する一方の電極15が配置され、長辺面12bの外表面には接地電極とし
て機能する他方の電極16が配置される。これにより、一対の電極15、16間に誘電体
として機能する放電容器11が介在された状態とされている。このような電極15、16
は、例えば、金属粉末にセルロース系のバインダーを混合し、溶剤を加えて練りペースト
状にした電極材料を放電容器11に格子状に描画塗布することにより、あるいは、スクリ
ーン印刷することによって形成することができる。
このエキシマランプ10においては、一方の電極15に点灯電力が供給されると、誘電
体として機能する放電容器11の壁を介して両電極15、16間に放電が生成され、これ
により、エキシマ分子が形成されると共にこのエキシマ分子から真空紫外光が放射される
エキシマ放電が生じる。
上記エキシマランプ10においては、エキシマ放電によって発生する真空紫外光を効率
良く利用するために、放電容器11の放電空間Sに曝される表面に、紫外線散乱粒子より
なる紫外線反射膜20が設けられている。
紫外線反射膜20は、放電容器11における長辺面12aの高電圧給電電極として機能
する一方の電極15に対応する内表面領域と、この領域に連続する短辺面13a、13b
の内表面領域とにわたって形成されている。また、端面14a、14bの内表面領域にも
紫外線反射膜20が形成される。一方、放電容器11における長辺面12bの、接地電極
として機能する他方の電極16に対応する内表面領域において紫外線反射膜20が形成さ
れていないことによって光出射部17が構成されている。なお、長辺面12bの電極16
が形成されていない端部の内表面領域にも紫外線反射膜20を形成することによって、反
射効率を高めることができる。
紫外線反射膜20は、それ自体が高い屈折率を有する真空紫外光透過性を有する微小粒
子である紫外線散乱粒子、例えば、シリカ粒子とアルミナ粒子とにより構成され、この紫
外線散乱粒子に到達した真空紫外光の一部が粒子の表面で反射されると共に他の一部が屈
折して粒子の内部に入射され、さらに、粒子の内部に入射される光の多くが透過され(一
部が吸収)、再び、出射される際に屈折される。このような反射、屈折が繰り返し起こる
「拡散反射(散乱反射)」をさせる機能を有する。
紫外線反射膜20を構成する紫外線散乱粒子として、例えばシリカガラスを粉末状に細
かい粒子としたシリカ粒子などが用いられる。シリカ粒子は、粒子径が例えば0.01〜
2μmの範囲内にあるものであって、中心粒径(数平均粒子径のピーク値)が、例えば
0.1〜2μmであるものが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0μmであるもの
である。また、紫外線反射膜20に含まれるシリカ粒子の粒径の分布は広範に広がらない
方が好ましく、粒径が中心粒径の値となるシリカ粒子が半数以上となるように選別された
シリカ粒子を用いることが好ましい。
シリカ粒子が一部溶融すること等によって、紫外線反射膜20を放電容器11に付着さ
せている。一般に、線膨張係数の値が等しいまたは近似するものは、接着しやすいという
性質がある。シリカ粒子は、シリカガラスよりなる放電容器11と線膨張係数の値が等し
いため、放電容器11との接着力を高める機能を有する。
しかしながら、シリカ粒子はエキシマランプ10において発生するプラズマの熱によっ
て溶融し、粒界が消失されて、真空紫外光を拡散反射させることができなくなって反射率
が低下することがある。紫外線散乱粒子として、シリカ粒子だけでなくアルミナ粒子も含
むことにより、プラズマによる熱にさらされた場合であっても、シリカ粒子より高い融点
を有するアルミナ粒子は溶融しないため、互いに隣接するシリカ粒子とアルミナ粒子とが
粒子同士で結合されることが防止されて粒界が維持される。
アルミナ粒子は、粒子径が例えば0.1〜5μmの範囲内にあるものであって、中心
粒径(数平均粒子径のピーク値)が、例えば0.1〜3.0μmであるものが好ましく、
より好ましくは0.3〜1.0μmであるものである。また、紫外線反射膜20に含まれ
るアルミナ粒子の粒径の分布は広範に広がらない方が好ましく、粒径が中心粒径の値とな
るアルミナ粒子が半数以上となるように選別されたアルミナ粒子を用いることが好ましい
図2は、本発明のエキシマランプ10の紫外線反射膜20の点灯動作時の状態を説明す
るための一部断面図である。本発明に関する実験等により、紫外線反射膜20自体が昇華
と堆積をして、膜厚が変動することが見出されるに至った。紫外線反射膜20の膜厚の変
動が、エキシマ光の均一性が低下する原因ではないかと考えられている。
一般に、エキシマランプ10の点灯動作においては、プラズマにより発熱することが知
られているが、特に外表面に電極15または電極16が形成された放電容器11の放電空
間Sに曝される表面では、ストリーマと呼ばれる針状の放電の起点となる部位が多数発生
することから熱的な負荷が大きい。放電容器11の外表面に電極15、16が形成されて
いる部分は、電力が供給されてエキシマ放電が発生するため温まりやすい状態になってい
ると考えられる。したがって、放電容器11における長辺面12aの電極15に対応する
内表面領域に形成された紫外線反射膜20は、エキシマランプ10の点灯中に、プラズマ
による発熱を受け、また、放電容器11自体の加温により温度が上昇しているものと考え
られる。
一方、放電容器11の外表面に電極15、16が形成されていない短辺面13a、13
bでは、プラズマが発生しにくく、また、電極15、16もないため電力も供給されず、
温度が低い状態で維持されていると考えられる。放電容器11における短辺面13a、1
3bの内表面領域に形成された紫外線反射膜20は、エキシマランプ10の点灯中でも、
電極15に対応する内表面領域に形成された紫外線反射膜20に比べて温度が低いまま維
持されているものと考えられる。
このように、1つの放電容器11の放電空間Sに曝される表面に形成された紫外線反射
膜20であっても、温度が高い箇所と温度が低い箇所が生じていると考えられる。温度が
高い箇所では紫外線反射膜20を構成する紫外線散乱粒子が昇華して微粒子状の昇華物2
1を発生する。紫外線散乱粒子は中心粒径が0.1〜2μm程度の小さい粒子であるた
め、各々の熱容量が小さく、低い温度でも昇華しやすいからと考えられる。紫外線反射膜
20の一部が昇華物21として昇華するので、温度が高い状態が続く長辺面12aの電極
15に対応する内表面領域に形成された紫外線反射膜20の膜厚は、エキシマランプ10
の点灯に伴って薄くなるものと考えられる。
昇華物21は放電空間S内で冷やされ、再び放電容器11の内表面に堆積する。昇華物
21は冷えて堆積するという特性を有するため、より温度の低い箇所に堆積しやすい。外
表面に電極15、16が形成された放電容器11において、温度が低い状態で維持される
短辺面13a、13bの内表面領域に昇華物21が堆積する。昇華物21は長辺面12a
の電極15に対応する内表面領域から発生し、短辺面13a、13bの内表面領域に堆積
するため、エキシマランプ10を長時間点灯すると、長辺面12aの電極15に対応する
内表面領域に形成された紫外線反射膜20の膜厚は次第に薄くなり、短辺面13a、13
bの内表面領域に形成された紫外線反射膜20の膜厚は次第に厚くなるものと考えられる
なお、光出射部17となっている長辺面12bの電極16に対応する内表面領域は、外
表面に電極16が形成されており、放電容器11における温度の高い箇所となるため、昇
華物21が堆積しにくい。そのため、昇華物21の堆積により光出射部17が遮蔽される
ことはないことも見出された。
図3は、本発明のエキシマランプ10の放電空間Sの対流を説明するための斜視図であ
る。
放電容器11の内部の放電空間Sでは、図3の矢印で示す方向に対流が起きている。長
辺面12aの中央部から、短辺面13a、13bまたは端面14a、14bに向かって、
放電容器11の内表面に沿って回り込むような流れが発生する。長辺面12aはプラズマ
熱や電極15への給電により、他より温度が高い状態となっているため、長辺面12aの
周辺に存在する発光ガスも温度が高くなる。温度が高い発光ガスは温度が低い方向に向か
って流れるため、矢印に示すような対流が発生する。
紫外線反射膜20から昇華した昇華物21は、矢印に示す対流の流れに乗って伝播する
。短辺面13a、13bのなかでも、端面14a、14bに近い両端部18は温度が低い
ため、長辺面12aの中央部から両端部18に向かう対流の流れが強い。対流は短辺面1
3a、13bの中央部19に向かう流れよりも、両端部18に向かう流れの方が強いため
、昇華物21も中央部19よりも両端部18の方によりたくさん堆積する。
昇華物21は微粒子状であるため、再び紫外線反射膜20に堆積すると反射特性を有す
る。そのため、昇華物21が堆積する短辺面13a、13bの内表面領域に形成された紫
外線反射膜20の反射特性は向上することがある。特に、昇華物21がよりたくさん堆積
する両端部18の反射特性が高まることが考えられる。
一方、膜厚が薄い範囲においては、紫外線反射膜20の反射性能は膜厚に応じて変動す
るため、長辺面12aの電極15に対応する内表面領域に形成された紫外線反射膜20は
、昇華物21が昇華することにより膜厚が薄くなって反射性能が低下することがある。
長辺面12aの電極15に対応する内表面領域に形成された紫外線反射膜20の反射性
能が低下し、短辺面13a、13bは昇華物21が堆積することにより紫外線反射膜20
の反射性能が向上するため、エキシマランプ10を長時間点灯すると、放電容器11の短
手方向に沿った断面において、紫外線反射膜20の反射性能の特性が変わる可能性がある

また、短辺面13a、13bにおいても、昇華物21が中央部19よりも両端部18の
方によりたくさん堆積するため、エキシマランプ10を長時間点灯すると、放電容器11
の長手方向に沿った断面において、紫外線反射膜20の反射性能の特性が変わる。
図4−(a)は、紫外線反射膜の膜厚と、その反射率との関係を示すグラフである。
縦軸を波長172nmの光の反射率[%]とし、横軸を紫外線反射膜の膜厚[μm]と
し、その関係を示している。合成石英ガラスよりなる試験片の表面に紫外線反射膜を形成
し、この紫外線反射膜が形成されている表面に真空紫外光を照射した。ここでは波長17
2nmの真空紫外光について、紫外線反射膜が形成されている表面に照射する放射照度に
対する、反射した光の放射照度の割合を、反射率として示している。反射率は分光光度計
(ACTON RESEARCH 製 VM-502)を用いて求めた。なお、波長150nm〜200nm
の範囲の真空紫外線領域において、反射率はほぼ同様の傾向を示すことがわかっている。
<紫外線反射膜の仕様>
シリカ粒子 :合成石英ガラス製、粒子径0.1μm〜1μm、中心粒径0.3μm
アルミナ粒子:高純度αアルミナ製、粒子径0.1μm〜1μm、中心粒径0.3μm
混合比 :シリカ粒子:アルミナ粒子=90wt%:10wt%
紫外線反射膜の膜厚が1μm〜33μmの範囲とした場合の、紫外線反射膜の波長1
72nmの光の反射率を測定した。グラフより、紫外線反射膜の膜厚が5μm以下のと
きの反射率は低く留まるが、紫外線反射膜の膜厚が5μm以上のときの波長172nm
の光の反射率は80%でほぼ一定となる。さらに、紫外線反射膜の膜厚が33μm以上の
範囲として膜厚40μm〜500μmの範囲においても、波長172nmの光の反射率は
80%となることを確認した。この結果は、図4−(b)として示した表にまとめている。
一方の長辺面12aの内表面領域に形成された紫外線反射膜20を、昇華することによ
り薄くなることを考慮して予め膜厚を厚く形成し、短辺面13a、13bの内表面領域に
形成された紫外線反射膜20を、昇華物が堆積することにより厚くなることを考慮して予
め膜厚を薄く形成する。つまり、短辺面13a、13bの内表面領域には、一方の長辺面
12aの電極15に対応する内表面領域に形成された紫外線反射膜20より薄い膜厚の紫
外線反射膜20を形成する。このように紫外線反射膜20を構成することにより、膜厚を
5μm以上に保ち、反射性能を一定に保つことができる。
したがって、紫外線反射膜20の昇華や堆積により全体の膜厚が不均一になっても、紫
外線反射膜20の膜厚が薄い領域である短辺面の内表面領域においても、その膜厚が5
μm以上となるように維持すれば、膜厚にかかわらず、紫外線反射膜20の反射性能を全
体として均一にすることができる。
具体的には、温度が低い状態に維持されて昇華物21が堆積しやすい短辺面13a、1
3bの内表面領域に形成される紫外線反射膜20を、製造時に膜厚が5μm以上となる
ように形成すれば、点灯初期において膜厚が5μmであり、昇華物21が堆積して点灯
末期において膜厚が5μm以上となるので、紫外線反射膜20の反射性能は常に一定と
なる。したがって、短辺面13a、13bの内表面領域に形成される紫外線反射膜20は
、その膜厚が5μm以上となるように形成されている。
また、温度が高い状態が続く長辺面12aの電極15に対応する内表面領域に形成され
た紫外線反射膜20を、製造時において十分に厚く形成すれば、昇華物21が昇華するこ
とにより膜厚が薄くなっても、点灯末期において膜厚を5μm以上に保つことができる
。このようにして紫外線反射膜20の膜厚を常に5μm以上に保つことによって、反射
性能を一定に保つことができる。
紫外線反射膜20の反射性能を一定に保つことによって、エキシマランプ10を長時間
点灯したときでも、光出射部17から放射されるエキシマ光の均一性を維持することがで
きる。
一方、紫外線反射膜20の膜厚を厚くしすぎると、紫外線反射膜20とプラズマによっ
て生じたイオンとフォトンとの作用によって放出される遊離酸素が増えるので、短時間で
放射照度が低下する。
図5は、紫外線反射膜の膜厚と、その積算光量の変化割合との関係を示すグラフである

縦軸を積算光量の変化割合[%]とし、横軸を紫外線反射膜の膜厚[μm]とし、その
関係を示している。測定に用いたエキシマランプは、合成石英ガラスよりなる放電容器の
内表面領域に、紫外線反射膜の膜厚が1μm〜1000μmの範囲となるように形成し、
放電空間にキセノンガスが封入され、放電容器の外表面に一対の電極が形成されている。
なお、紫外線反射膜の仕様は、図4に示す紫外線反射膜の膜厚とその反射率との関係を求
めた場合と同様のものである。
ここで求めた積算光量の変化割合とは、放電容器の管軸方向の均一性の変化を示すもの
である。具体的には、100−{(管軸方向の積算光量の最大値−管軸方向の積算光量の
最小値)/管軸方向の積算光量の中央値}×100(%)として、積算光量の変化割合が
示されている。放電容器から放射される光が管軸方向の均一性が保たれているときは、積
算光量の変化割合が100%に近い値となり、放電容器から放射される光が管軸方向の均
一性が崩れてしまったときは、積算光量の変化割合が低い値になってくる。
積算光量の変化割合は、積算光量の管軸方向の差を相対値として評価しているので、放
電容器を構成する合成石英ガラスの劣化の影響を受けずに、管軸方向の光の均一性を評価
することができる。
それぞれのプロットは所定時間点灯経過後のエキシマランプにおける積算光量の変化割
合を示す。aは10時間点灯後の積算光量の変化割合を示し、bは100時間点灯後の積
算光量の変化割合を示し、cは1000時間点灯後の積算光量の変化割合を示し、dは5
000時間点灯後の積算光量の変化割合を示す。
なお、「積算光量[mJ/cm]」とは、エキシマランプの紫外線放射面から所定距
離離した(具体的には3mm)ところに、紫外線照度計を所定の速度で通過させた時の紫
外線照度の積分量を意味する。エキシマランプを1分間点灯・1分間消灯の点滅点灯で、
総点灯時間が所定時間経過した後の状態で、エキシマランプの電極幅を管軸方向に20等
分した箇所のそれぞれにおいて積算光量を測定した。
グラフより、紫外線反射膜の膜厚が100μm以下では、積算光量の変化割合は100
%に近く、10時間点灯後乃至5000時間点灯後の積算光量はどれも2%程度低下した
だけであった。しかし、紫外線反射膜の膜厚が100μm以上になると、積算光量の変化
割合は膜厚の増加とともに徐々に大きくなり、また点灯時間が長くなるほど積算光量が大
幅に低下した。これはプラズマによって生じるイオンとフォトンの作用を受ける粒子が多
くなるためであり、その作用によって生じた遊離酸素が放電空間に封入されているキセノ
ン(Xe)と反応して酸化キセノン(XeO)を生成し、放電ガスであるキセノンが不足
して発光効率を下げてしまうためである。
紫外線反射膜の昇華や堆積により膜厚が薄くなったり厚くなったりするが、紫外線反射
膜の膜厚が厚い領域である一方の長辺面の内表面領域においても、その膜厚が100μm
以下となるようにすれば、紫外線反射膜とプラズマによって生じたイオンとフォトンの作
用によって放出される遊離酸素を発生させることがなく、短時間で放射照度が低下する現
象を防止することができる。
具体的には、昇華物21が昇華することにより点灯に伴って膜厚が徐々に薄くなる長辺
面12aの内表面領域に形成された紫外線反射膜20は、製造時において膜厚が厚くなる
ように形成した方が好ましいが、遊離酸素による照度低下を抑制するために、その膜厚は
100μm以下となるように形成しなければならない。言い換えると、長辺面12aの内
表面領域に形成された紫外線反射膜20は、エキシマランプ10の点灯に伴い昇華物21
が昇華することにより膜厚が薄くなるが、逆に厚くなることはないので、点灯初期におい
て膜厚を100μm以下となるように形成すれば遊離酸素による照度低下を抑制すること
ができる。
短辺面13a、13bの内表面領域に形成される紫外線反射膜20は、エキシマランプ
10の点灯に伴い昇華物21が堆積することにより膜厚が厚くなるので、製造時において
膜厚がなるべく薄くなるように、具体的には5μm程度に形成することが好ましい。点
灯初期において紫外線反射膜20の膜厚が十分に薄ければ、昇華物21の堆積により膜厚
が次第に厚くなっていっても、点灯末期においても膜厚が100μm以下に保たれるので
、膜厚が厚くなることによる放射照度の低下の発生を抑えることができる。
続いて、放電容器11の内表面領域への紫外線反射膜20の形成方法を説明する。
紫外線反射膜20は、例えば「流下法」と呼ばれる方法により行うことができる。まず
、放電容器形成材料の内側に流し込むコート液を調合する。コート液は、紫外線散乱粒子
、結着剤、分散剤、および、溶剤から構成される。紫外線散乱粒子はシリカ粒子とアルミ
ナ粒子であり、結着材はオルトケイ酸テトラエチルを含み、分散剤はシランカップリング
剤であり、溶剤はエタノールである。
コート液に分散剤を含有することにより、コート液をゲル化して放電容器形成材料に付
着させやすくすると共に、コート液中で均等に分散された紫外線散乱粒子を定着させるこ
とができる。
コート液に溶剤を含有することにより、コート液の紫外線散乱粒子の含有濃度を調整す
ることができる。
コート液を放電容器形成材料の内部に流し込み、内表面における所定の領域に付着させ
る。この状態で自然乾燥させて溶剤を蒸発させる。
次に、酸素雰囲気中で1時間、1000℃に加熱して焼成すると、分散剤が加熱消失し
、紫外線散乱粒子と結着剤だけが残る。結着剤は、シリカとなって紫外線散乱粒子に溶融
付着し、粒子同士や、放電容器形成材料との結着力を高める。
上記工程を短辺面13aまたは短辺面13bの内表面領域に塗布する場合と、長辺面1
2aの内表面領域に塗布する場合との3度繰り返すことにより、短辺面13a、13bの
内表面領域と、長辺面12aの内表面領域とにおいて、膜厚が異なる紫外線反射膜20を
形成することができる。
また、図6に示すように、放電容器形成材料を傾けた状態で内側にコート液を流すこと
によって、上記工程を2度繰り返すだけで、短辺面13a、13bの内表面領域と、長辺
面12aの内表面領域とにおいて、膜厚が異なる紫外線反射膜20を形成することができ
る。まず、図6(a)に示すように、放電容器形成材料の短辺面13bと長辺面12aと
の内表面領域に紫外線反射膜20を形成する。続いて、図6(b)に示すように、放電容
器形成材料の短辺面13aと長辺面12aとの内表面領域に紫外線反射膜20を形成する
。短辺面13a、13bの内表面領域には一度だけコート液が流されるので、一層の紫外
線反射膜20が形成されるが、長辺面12aとの内表面領域には2度コート液が流される
ので、二層の紫外線反射膜20が形成される。したがって、長辺面12aの内表面領域に
形成される紫外線反射膜20の膜厚を、短辺面13a、13bの内表面領域に形成される
紫外線反射膜20の膜厚より大きくすることができる。
続いて、放電容器の内表面領域に紫外線反射膜を形成したエキシマランプにおける長時
間点灯したときのエキシマ光の積算光量に関する実験例について説明する。
実験例1
放電容器の内表面領域に紫外線反射膜を形成し、エキシマランプの管軸方向に沿って、
点灯初期おける積算光量と点灯末期における積算光量を測定した。エキシマランプが使用
されるガラス基板のUV/オゾン洗浄では、当該エキシマランプの下にガラス基板を通過
させて、UVとオゾンの作用で有機物を分解洗浄する。洗浄作用は積算光量に依存するの
で、積算光量[mJ/cm]をエキシマランプの洗浄性能の尺度として利用できる。
実験に用いたエキシマランプは、放電容器が合成石英ガラス製で、外径寸法15mm×
42mm×1200mm、肉厚2.0mmとした。放電容器の内部にはキセノンガスを、
30kPa封入した。放電容器の長辺面の外表面には寸法30mm×1000mmの電極
を配置した。
また、放電容器の内表面領域には、シリカ粒子とアルミナ粒子よりなる紫外線反射膜を
形成した。シリカ粒子とアルミナ粒子よりなる紫外線散乱粒子の中心粒径は0.3μmで
あり、シリカ粒子とアルミナ粒子の構成比は、重量比が9:1となるように構成した。製
造時において、放電容器の一方の長辺面の内表面領域に形成された紫外線反射膜の膜厚を
、40μmとし、放電容器の2つの短辺面の内表面領域に形成された紫外線反射膜の膜厚
を、5μmとなるように構成した。
積算光量はウシオ電機製 紫外線照度計 UIT−150/VUV−172Sを用いて
測定した。上述したエキシマランプをコロ搬送機の上部に配置し、その下3mm位置で紫
外線照度計を一定速度(5m/min)で搬送させた。エキシマランプの電極幅を管軸方
向に20等分し、それぞれの箇所の積算光量を測定した。
図7は、実験例1の実験結果を示すグラフである。
縦軸を積算光量[mJ/cm]とし、横軸をエキシマランプの管軸方向の位置とし、
実験結果をプロットした。横軸は、エキシマランプの長手方向の一方の端部を0mmとし
、そこからの離間距離を示している。また、区間Hは放電容器の長辺面に電極が形成され
ている位置を示す。Aは点灯初期の状態を示し、Bは点灯末期の状態を示す。
点灯初期のエキシマランプとは、製造過程におけるエージングなどを経て、製品として
完成したエキシマランプにおいて、エキシマ放電が安定する1時間点灯後の状態とした。
点灯末期のエキシマランプとは、点灯初期のエキシマランプを1分間点灯・1分間消灯の
点滅点灯で、総点灯時間が1000時間経過した後の状態とした。
点灯初期Aの状態においても、点灯末期Bの状態においても、エキシマランプの積算光
量は端部を除いて均一になる。エキシマランプの端部は、発光部位と紫外線照度計の角度
特性のために一般に積算光量が低下する。また、点灯末期Bにおいては、長時間点灯によ
る合成石英ガラスの透過率低下のために積算光量は低下するが、エキシマ光の均一性は保
たれることがわかった。
実験例2
紫外線反射膜を、放電容器の内表面領域に配置する位置を変えた場合や、その膜厚を変
えた場合のエキシマランプについて点灯末期における積算光量を測定した。
実験例1で用いたものと同様のエキシマランプについて、紫外線反射膜の形成方法を変
えた4種のエキシマランプを実験対象とした。1分間点灯・1分間消灯の点滅点灯で、総
点灯時間が1000時間経過した後の点灯末期において積算光量[mJ/cm]を測定
した。
図8は、実験例2の実験結果を示すグラフである。
縦軸を積算光量[mJ/cm]とし、横軸をエキシマランプの管軸方向の位置とし、
実験結果をプロットした。横軸は、エキシマランプの長手方向の一方の端部を0mmとし
、そこからの離間距離を示している。また、区間Hは放電容器の長辺面に電極が形成され
ている位置を示す。Cは放電容器の長辺面(12a)内面だけに紫外線反射膜を設けたエ
キシマランプの初期積算光量分布を示し、DはCの寿命末期の積算光量分布を示し、Eは
長辺面(12a)と短辺面(13a、13b)にそれぞれ5μm膜厚の紫外線反射膜を
設けたエキシマランプの初期積算光量分布を示し、FはEの寿命末期の積算光量分布を示
す。
実験結果C、Dから、長辺面(12a)の内表面だけに紫外線反射膜を設けたエキシマ
ランプは、寿命末期になると、紫外線反射膜がプラズマ熱を受けて加温されて昇華して微
粒子状の昇華物を発生する。そして、温度が低い状態で維持される短辺面の内表面領域に
昇華物が堆積する。しかし、昇華物は放電空間内の封入ガスの対流の流れに乗って伝播す
るため、昇華物の堆積は放電容器の管軸方向に対して均一には生じない。
したがって、寿命末期になるにしたがい、長辺面(12a)の内表面に形成された紫外
線反射膜は薄くなって反射率が低下する。加えて、放電容器を形成する合成石英ガラスも
劣化により透過率も低下する。しかし、エキシマランプの管軸方向の両端に向かって、昇
華物の短辺面への堆積が多くなるので、堆積した昇華物によって反射されるようになり、
管軸方向の両端における積算光量の低下が抑制される。そのため、寿命末期Dは全体的な
積算光量が低下するだけでなく、管軸方向の中央部の積算光量が落ち込んだ分布となった
。寿命末期Dのような積算光量分布では、エキシマランプの下にワークを流して処理する
ような洗浄装置では洗浄ムラが起こってしまう。長辺面(12a)の内表面だけに紫外線
反射膜を形成すると、エキシマ光の均一性が低下することがわかった。
実験結果E、Fから、長辺面(12a)と短辺面(13a、13b)との両方に膜厚が
5μmの紫外線反射膜を設けたエキシマランプでは、短辺面の内表面領域における紫外
線反射膜の膜厚が5μm以上に維持されるので、積算光量の低下は小さくなる。しかし
、放電容器の管軸方向の中央部では、内表面領域における紫外線反射膜への堆積が、管軸
方向の両端に比べて少なく、加えて、長辺面の内表面領域の紫外線反射膜が薄くなるので
、エキシマランプの管軸方向の中央部の積算光量の低下が大きい。そのため寿命末期Fは
、管軸方向の中央部の積算光量が特に落ち込んだ分布となった。寿命末期Fのような積算
光量分布では、エキシマランプの下にワークを流して処理するような洗浄装置において、
洗浄ムラの原因となってしまう。長辺面(12a)と短辺面(13a、13b)との両方
に紫外線反射膜を形成しても、その膜厚が製造時において5μmの場合には、エキシマ
光の均一性が低下することがわかった。
また、参考実験として、長辺面(12a)と短辺面(13a、13b)にそれぞれ10
0μm膜厚の紫外線反射膜を設けたエキシマランプを製作し、点灯初期の状態の積算光量
と、200時間点灯後の状態の積算光量を測定した。測定位置は他の実験と同様の20箇
所とした。
参考実験においては、200時間点灯後の積算光量が、点灯初期の積算光量に比べて6
2%(38%ダウン)と低いものであった。これは、長辺面に形成した紫外線反射膜の膜
厚が厚いため、紫外線反射膜がエキシマランプの点灯動作によるプラズマによって生じた
イオンとフォトンの作用によって遊離酸素を発生し、エキシマ放電ガス中の紫外線発生効
率を低下させたために起こったことを原因として、積算光量が低下したものと考えられる
本発明のエキシマランプの一例における構成の概略を示す説明用断面図 本発明のエキシマランプの一部断面図 本発明のエキシマランプの放電空間の対流を説明するための斜視図 紫外線反射膜の膜厚と、その反射特性の関係を示すグラフ 紫外線反射膜の膜厚と、その積算光量の変化割合との関係を示すグラフ 本発明のエキシマランプの紫外線反射膜の形成方法を説明するための断面図 実験結果を示すグラフ 実験結果を示すグラフ 従来のエキシマランプの構成の概略を示す説明用断面図 従来のエキシマランプの構成の概略を示す斜視図
符号の説明
10 エキシマランプ
11 放電容器
12a、12b 長辺面
13a、13b 短辺面
14a、14b 端面
15 電極
16 電極
17 光出射部
20 紫外線反射膜
21 昇華物

Claims (5)

  1. 互いに向かい合うように配置された長辺面と、当該長辺面をつなぐ短辺面により断面矩形
    状の管が形成された放電容器を備え、当該放電容器における前記長辺面の外表面に一対の
    電極が設けられると共に、放電空間内にキセノンガスが封入されてなり、前記放電容器の
    放電空間内においてエキシマ放電を発生させるエキシマランプであって、
    一方の長辺面の内表面領域に紫外線反射膜が形成され、
    短辺面の内表面領域に、前記一方の長辺面の電極に対応する内表面領域に形成された紫
    外線反射膜より薄い膜厚の紫外線反射膜が形成され、
    他方の長辺面に、前記紫外線反射膜が形成されていないことによる光出射窓が形成され
    ていることを特徴とするエキシマランプ。
  2. 前記短辺面の内表面領域に形成された紫外線反射膜の膜厚は5μm以上であることを特
    徴とする請求項1に記載のエキシマランプ。
  3. 前記一方の長辺面の内表面領域に形成された紫外線反射膜の膜厚は100μm以下である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエキシマランプ。
  4. 前記紫外線反射膜は、シリカ粒子を含む紫外線散乱粒子により構成されることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のエキシマランプ。
  5. 前記紫外線散乱粒子には、アルミナ粒子を含むことを特徴とする請求項4に記載のエキシ
    マランプ。
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