JP2009288214A - 電界効果型センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】ノイズが存在する環境においても、ISFET型の電界効果型センサにより目的とする物質をより正確に検出できるようにする。
【解決手段】複数のイオン感応型電界効果トランジスタ(ISFET)101および各ISFET101に共通に設けられてISFET101の各々のチャネルに容量接続した検出対象の物質が付着する物質固定部102を備える。ISFET101は、バックゲート111,ソース112,およびドレイン113を備える。また、本実施の形態における電界効果型センサは、ISFET101の各々に共通のゲート電圧をバックゲート11に印加するゲート電圧印加部103、および,ISFET101の各々のソース112とドレイン113との間電流を検出する検出部104を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、イオン感応型電界効果トランジスタにより電荷を検出することで物質の検出を行う電界効果型センサに関するものである。
電荷検出器は、材料の帯電状態を調べるために、様々な面で利用されている。また、他の現象と組み合わせることで、ガスや光、圧力などのセンサにも利用できる。特にイオン感応型電界効果トランジスタ(ISFET:Ion Sensitive Field Effect Transistor)を電荷検出器として利用した電界効果型センサは、集積性や小型化、高速検出と言った特徴を有する優れた検出器である。このような電界効果型センサを利用した正確な測定には、電界効果型センサの電荷検出感度を向上することが求められる。この感度向上は、微弱信号検出にも繋がり、電界効果型センサの応用範囲を広げることに繋がる。例えば、感度の向上により、単一の分子やDNAの「検出」だけでなく、レドックス材料といった新機能材料の微視的な「分析」も期待でき、工業的な応用面のみでなく学術的な観点でも重要な知見が得られるようになる。
このため、様々な方法で電界効果型センサの検出感度向上が試みられている。一例として、カーボンナノチューブなどといった微細ナノスケール構造のトランジスタを利用したISFET型の電界効果型センサが報告されており、微小構造を利用して相対的に被検出物による影響を大きくすることで電荷検出感度を向上させている。このような、より微細なISFETを用いた電界効果型センサを利用することで、非常に高感度に少数のDNAや低濃度のガスを検出することが可能となっている(非特許文献1参照)。
しかし、ISFET型の電界効果型センサでは、外因的あるいは内因的なノイズにより、検出対象物質の検出が妨げられるという問題がある。例えば、DNAなどのように液体中で検出する場合、液体中に存在する帯電した不純物やイオンなどが、外因的ノイズになる。また、特定のDNAや分子を検出する場合、検出対象のDNAと同等の電荷量を持つ他のDNAや分子などが外因的ノイズとして検出される。これら外因的ノイズは、ISFETの電荷検出感度が高ければ高いほど影響が大きい。
従って、これまでは、想定される外因ノイズを除去した環境あるいは想定されるノイズに対する耐性を施した素子に関する開発が多くを占めていた。これは、ISFET型の電界効果型センサを用いた応用技術において、利用環境や汎用性の範囲を限定する原因となる。
一方、内因的なノイズとして、ISFET自体から発生する1/fノイズ、ショットノイズ、熱ノイズ、ランダム・テレグラフ・シグナルなどがある。ランダム・テレグラフ・シグナルは、ISFET作製技術を駆使することで除去できるが、他のノイズは、本質的に除去することは不可能である。
以上に説明したように、ISFET型の電界効果型センサでは、ノイズが存在する環境下において、目的とする物質の選択的な検出が重要となる。特に、実用性を考えた場合、様々なノイズが存在する環境における、より正確な対象物質の検出動作が求められる。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、ノイズが存在する環境においても、ISFET型の電界効果型センサにより目的とする物質をより正確に検出できるようにすることを目的とする。
本発明に係る電界効果型センサは、バックゲートを備える複数のイオン感応型電界効果トランジスタと、イオン感応型電界効果トランジスタの各々に共通に設けられてイオン感応型電界効果トランジスタの各々のチャネルに容量接続した検出対象の物質が付着する物質固定部と、イオン感応型電界効果トランジスタの各々に共通のゲート電圧をバックゲートに印加するゲート電圧印加手段と、イオン感応型電界効果トランジスタの各々のソース・ドレイン間電流を検出する検出手段とを少なくとも備える。
上記電界効果型センサにおいて、検出手段は、イオン感応型電界効果トランジスタの各々において同時に発生したソース・ドレイン間電流を検出する。また、検出手段は、イオン感応型電界効果トランジスタの各々のソース・ドレイン間電流を合計する。なお、この場合、イオン感応型電界効果トランジスタの各々のバックゲートにノイズを印加するノイズ印加手段を備えるようにしてもよい。
上記電界効果型センサにおいて、物質固定部は、イオン感応型電界効果トランジスタの各々に共通に設けられてイオン感応型電界効果トランジスタの各々のチャネルに容量接続する電極層と、この電極部に接して設けられた物質固定層とから構成してもよい。
以上説明したように、本発明によれば、共通とした物質固定部に対して複数のイオン感応型電界効果トランジスタを設ける構成としたので、ノイズが存在する環境においても、ISFET型の電界効果型センサにより目的とする物質をより正確に検出できるようになるという優れた効果が得られるようになる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における電界効果型センサの構成(回路)例を示す構成図である。この電界効果型センサは、まず、複数のイオン感応型電界効果トランジスタ(ISFET)101および各ISFET101に共通に設けられてISFET101の各々のチャネルに容量接続した検出対象の物質が付着する物質固定部102を備える。ISFET101は、バックゲート111,ソース112,およびドレイン113を備える。また、本実施の形態における電界効果型センサは、ISFET101の各々に共通のゲート電圧をバックゲート111に印加するゲート電圧印加部103、および,ISFET101の各々のソース112とドレイン113との間の電流を検出する検出部104を備える。各ISFET101は、物質固定部102を共通のゲートとして各々のチャネルに容量接続し、かつバックゲート111を備える電界効果トランジスタである。
本実施の形態における電界効果型センサは、例えば、SOI(Silicon on insulator)基板を利用することで作製することができる。例えば、図2の断面図に示すように、単結晶シリコンよりなる基体部201,埋め込み絶縁層202を備えるSOI基板を用いる。このSOI基板の埋め込み絶縁層202の上の単結晶シリコン(SOI)層を、よく知られたリソグラフィー技術およびエッチング技術により加工(パターニング)することで、複数のチャネル層203を形成する。
また、図2には示していないが、図2の紙面の前後の方向の埋め込み絶縁層202の上には、チャネル層203に接続してソース層およびドレイン層を備える。よく知られているように、ソース層とドレイン層とにはさまれるようにチャネル層203は配置されている。これら、チャネル層203およびソース層・ドレイン層は、例えば、SOI層をパターニングして形成したシリコンパターンのチャネル層203およびソース層・ドレイン層となる領域の各々に、公知のイオン注入法により所定の導電形となる不純物を導入する。この不純物導入により、例えば、チャネル層203をp形とし、ソース層・ドレイン層をn形とする。
この構成では、p形とされたチャネル層203およびこれに接続する図2には示していないn形とされたソース層・ドレイン層の部分で、1つのISFET101が構成されている。また、この場合、基体部201が、各ISFET101に共通のバックゲート111に対応することになる。
また、各チャネル層203(およびソース層・ドレイン層)は、絶縁層204により覆われて各々が絶縁分離されている。加えて、複数のチャネル層203に共通に電極層207を備え、また、電極層207に接して物質固定層208を備える。電極層207および物質固定層208が、図1に示す物質固定部102に対応する。
ここで、上述した構成では、チャネル層203(ソース層・ドレイン層)および基体部201よりなるISFET101は、nチャネル型となり、電子がキャリアとなる。なお、チャネル層203をn形とし、ソース層・ドレイン層をp形としてもよい。この場合、ISFET101は、pチャネル型となり、正孔がキャリアとなる。また、上述は、基体部201をバックゲート111としたが、これに限るものではなく、例えば、よく知られた閾値シフトFETやSOI基板を用いたFETにおけるボディー効果対策に用いるバックゲート電極構造を利用してもよい。
ところで、ISFET101のチャネル(チャネル層203)は、物質固定部102(電極層207)が延在する方向の長さ(ゲート幅)をより小さくすることで、電荷検出の感度を向上させることができる。例えば、図3の平面図に示すように、電極層207の領域においては、電極層207の延在方向の長さが小さいチャネル層203aとし、これ以外の領域では、電極層207の延在方向の長さがより長いチャネル層203bとする。このように、平面視でチャネル層にくぼみを持たせ、電極層207の領域では寸法が小さくなるようにすることで、電荷検出の感度を向上させることができる。例えば、チャネル層203aの平面寸法を、10nm×10nm程度とすることで、単一電子の程度の電荷検出が可能となる。
また、このようにくぼみを持たせることで、測定するソース・ドレイン間電流は、くぼみ部分での抵抗成分で決定されるようになり、影響するノイズもくぼみ部分に限定することが可能となる。また、くぼみ以外のより広い状態とされているチャネル層203bでの抵抗成分を下げることができるので、ISFET101全体での抵抗が下がり、測定が容易になるだけでなく、高速動作も可能となる。なお高感度検出を目指す場合、くぼみ部分(チャネル層203a)の長さ(ソース・ドレイン方向)は、数十nm〜数百nm程度が望ましい。
また、絶縁層204は、チャネル層203と電極層207との間の絶縁が確保される範囲で薄くすることにより、より高感度な検出が可能となる。例えば、絶縁層204の層厚を数10nm程度とすることで、単一電子程度の電荷量の検出が可能となる。
さらに、物質固定部102となる電極層207は、各ISFETのチャネル層203(チャネル層203a)に渡って形成されている必要があるが、電極層207は平面視寸法が小さい方が高感度な物質の検出を可能とする。従って、各チャネル層203(ISFET101)の間隔を狭くして、電極層207の延在方向の長さをより短くすることが望ましい。また、電極層207は、膜厚がより薄い方が好ましい。
電極層207は、例えば、不純物を高濃度に導入することで低抵抗とされたシリコン層から構成することができる。シリコンを用いることで、一般的に用いられている半導体装置の作製技術を利用することで容易に製造可能となる。また、シリコンは、腐食耐性も強いので、実使用においても利点がある。なお、電極層207は、シリコンに限るものではなく、Auなどの金属から構成してもよい。
物質固定層208を構成する材料は、検出しようとする物質に対応して適宜選択する。例えば、蛋白質を検出しようとする場合、検出対象となる蛋白質と反応する酵素を含む構成とすればよい。また、DNAを検出する場合であれば、検出対象となるDNAの一部(DNA断片)を含むものとすればよい。この場合、電極層207をAuから構成し、電極層207の表面にアルカンチオール自己組織化単分子膜を形成し、この膜にDNA断片を固定化して用いればよい。また、ガス検出の場合、検出対象となるガスと反応する材料から物質固定層208を構成すればよい。
なお、例えば、オクタデカンチオールなどのアルカンチオールを検出する場合、物質固定部をAuから構成すればよい。この場合、Auから構成する物質固定部が、電極層207と物質固定層208との機能を果たすものとなる。ただし、Auは、シリコン系の物質との密着性が低いので、例えば、チタンなどの密着層を用いた方がよい。
また、物質固定層208においても、寸法が小さいほど高感度に物質を検出できるだけでなく、少数の物質を検出することも可能となる。例えば、図4の断面図および図5の平面図に示すように、より小さい寸法とされた物質固定層408が、電極層207の一部に接触しているようにしてもよい。また、図6の断面図に示すように、物質固定層208の周囲の電極層207が覆われるように、絶縁膜609を形成することで、ノイズ耐性を向上させることができる。なお、絶縁膜609は、必要なものではない。
次に、本実施の形態における電界効果型センサの動作原理について説明する。以下では、負の電荷を持つ物質が物質固定部に付着し、これを検出する場合を考える。図7に示すように、物質701が物質固定部102に付着したとき、検出部104で検出される各々のISFET101の電流特性はゲート(バックゲート)電圧に対して正にシフトする。よって、一定のゲート電圧で各ISFET101に流れる電流の変化をモニタすることで、図8に示すISFET1の電流(ソース・ドレイン間電流)のように、物質が物質固定部に付着したことが分かる。
しかし、ノイズが多い場合、検出したい物質以外でも電荷を持ってさえいれば、物質固定部に付着できなくても、同様の電流変化を発生させるため、この電流変化の原因が物質固定部に付着した対象物質なのか、対象物質以外の他の物質なのかが判断ができない。しかし、本実施の形態によれば、まず、物質固定部に付着した電荷は、全てのISFETの電流に影響を与える。これは、物質固定部が各々のISFETチャネルと容量結合しているためである。
従って、図8に示すように、3つのISFETがある場合、検出物質が物質固定部に付着した瞬間に、全てのISFET1,ISFET2,ISFET3の電流が変化するので、これらのことより物質固定部に付着した物質を検出していることが判断できる。また、ISFET2電流、ISFET3電流のように、対象物質の物質固定部に対する付着以外に観測される電流変化は、他の物質つまりノイズによる影響であると判断できる。
例えば、物質固定部をAuから構成し、オクタデカンチオールを検出する場合について考える。例えば、3つのISFET1,ISFET2,ISFET3を備え、Auから構成した物質固定部を備える本実施の形態における電界効果型センサに、オクタデカンチオールを溶かしたテトラヒドロフランの液滴を垂らす。このときの、ISFET1,ISFET2,ISFET3の電流変化を見ると、図9に示すように、オクタデカンチオール以外のノイズによつて、全ての電流が不規則に変化しているように見える。特に、ISFET2の電流は、変化が小さいため、この電流変化だけでは、物質固定部によるオクタデカンチオールの検出に対応する部分を判断することが容易ではない。
しかしながら、図9中の矢印に示した瞬間に、どの電流も同時に変化している。オクタデカンチオールは金に選択的に付着し易い材料であり、オクタデカンチオールがAuからなる物質固定部に付着し、このことによって、3つのISFET1,ISFET2,ISFET3の電流が同時に変化したことを示している。このように、全てのISFETの電流をモニタすることで、物質固定部に検出対象物質が付着したことが確認できることから本素子の有効性が確認できる。
なお、ISFETは基本的にはシリコンのFET作製技術で作製可能であり、微細化や集積化は非常に容易であるので、本実施の形態における電界効果型センサは容易に実現できると言える。また、図1において、ISFET101の全てのソース112を1つにまとめて回路を簡素化することも可能である。
次に、本実施の形態の電界効果型センサにおける他の検出方法について説明する。以下では、確率共鳴を利用することで、ノイズに埋もれて通常では検出できない信号を検出する方法を説明する
まず、確率共鳴について説明する。例えば、図10(a)に示すような矩形波信号を検出する場合について考える。この矩形波信号よりも大きなノイズがある場合、矩形波信号を検出することは困難である。ここで、閾値となる基準信号を導入し、矩形波信号とノイズをあわせた合成信号が閾値(基準信号)よりも大きなときに出力をする閾値回路を用意する。このとき、基準信号とノイズの大きさを調整することにより、検出対象の矩形波信号と同等の信号を出力することが可能となる現象が確率共鳴である。よく知られているように、上述した確率共鳴の現象により、通常では検出できない小さな信号やノイズに埋もれた信号を検出することが可能となる。
閾値とノイズ、および入力信号と出力信号の相関値の関係を図10(b)に示す。なお、相関値は、対象となる2つがいかに似ているかを示す値であり、この値が大きいほど似ていることを示す。図10(b)から分かるように、ノイズを適切に調整する必要があることが分かる。
しかしながら、図10(c)に示すように、複数の閾値回路を並列に接続し、また、各閾値回路に個別のノイズを印加し、全ての閾値回路の出力の合計をすることで、入力信号と出力信号の相関値を高めることができ、またノイズの調整も必要なくなる。複数の閾値回路を用いる場合、図10(d)に示すように、敷地回路の個数が多いほど、ある一定以上のノイズを印加することで、ノイズの調整なしに高い相関値が得られるようになる(非特許文献2参照)。これらの現象は、矩形波に限らず、任意の信号でも同様である。
上述した確率共鳴現象を、本実施の形態の電界効果型センサのISFETに利用する。図10(c)に示した閾値回路の部分を、ISFET101に対応させればよい。図10(c)における信号が入力される共通の入力端子は、物質固定部102に対応する。ISFET101の電流特性で、サブスレッショルド領域で電流をモニタできるようにゲート電圧を調整すればよい。言い換えると、バックゲート111に印加する電圧で、閾値回路の閾値に対応する状態が制御できる。
また、図10(c)における、各閾値回路に印加されるノイズは、各々のISFET101に影響するノイズに相当する。図9に示したように、同様の環境とされて作製されても、各ISFETにおけるノイズの状態は大きく異なる。よく知られているように、同じ設計値(条件)で作製しても、全てのISFET101を完全に同じ状態とすることは容易ではなく、一般には、発生するノイズなどが各々異なる状態となる。このように、複数のISFETを形成する場合、一般には、各々のISFETのノイズが異なることから、前述した確率共鳴現象を利用した複数の閾値回路による信号検出の条件を満たしているといえる。
ここで、入出力信号の相関を高めるため、閾値回路に相当する各ISFETに対するノイズレベルを調整したい場合は、ゲート電圧にノイズを意図的に印加すればよい。または、ゲート電圧でISFET(つまり閾値回路)の閾値を制御すればよい。なお、ゲート電圧にノイズを印加する場合でも、各々のISFETの構造に揺らぎがあるので、各々のISFETには個別のノイズが印加される。
ここで、複数のISFETの全てが、全く同一の状態に作製される場合、ISFETの設計条件に意図的に揺らぎを持たせればよい。また、チャネルに導入する不純物濃度を各々異なる状態にすればよい。
上述したように、確率共鳴現象を利用する場合、図10(c)に示すように、各閾値回路の出力を加算回路で加算することになるが、これは、各ISFETの全てのソース(ソース電極)を1つの電極にまとめ、全てのISFETに流れる電流を(検出部で)モニタするようにすればよい。言い換えると、図1において、検出部104は、全てのISFET101のソース・ドレイン間電流を合計すればよい。
以上に説明したように、本発明の電界効果型センサによれば、ノイズがある環境でも特定の物質を検出することができる。また、ノイズに埋もれて通常では検出できない信号を検出することも可能となる。また、作製技術および材料などは、シリコンを用いた半導体装置と同様であり、複数のISFETを並べた構造の作製が容易であるだけでなく、素子の縮小化が期待できる。
本発明の実施の形態における電界効果型センサの構成例を示す構成図である。 本発明の実施の形態における電界効果型センサの一部構成例を示す断面図である。 本発明の実施の形態における電界効果型センサの一部構成例を示す平面図である。 本発明の実施の形態における電界効果型センサの一部構成例を示す断面図である。 本発明の実施の形態における電界効果型センサの一部構成例を示す平面図である。 本発明の実施の形態における電界効果型センサの一部構成例を示す断面図である。 本発明の実施の形態における電界効果型センサの動作原理について説明する説明図である。 本発明の実施の形態における電界効果型センサの動作原理について説明する説明図である。 複数のISFETの電流変化を示す特性図である。 確率共鳴を利用して電流変化を検出する方法を説明するための説明図である。
符号の説明
101…イオン感応型電界効果トランジスタ(ISFET)、102…物質固定部、103…ゲート電圧印加部、104…検出部、111…バックゲート、112…ソース、113…ドレイン。

Claims (5)

  1. バックゲートを備える複数のイオン感応型電界効果トランジスタと、
    前記電界効果トランジスタの各々に共通に設けられて前記イオン感応型電界効果トランジスタの各々のチャネルに容量接続した検出対象の物質が付着する物質固定部と、
    前記イオン感応型電界効果トランジスタの各々に共通のゲート電圧を前記バックゲートに印加するゲート電圧印加手段と、
    前記イオン感応型電界効果トランジスタの各々のソース・ドレイン間電流を検出する検出手段と
    を少なくとも備えることを特徴とする電界効果型センサ。
  2. 請求項1記載の電界効果型センサにおいて、
    前記検出手段は、前記イオン感応型電界効果トランジスタの各々において同時に発生したソース・ドレイン間電流を検出する
    ことを特徴とする電界効果型センサ。
  3. 請求項1記載の電界効果型センサにおいて、
    前記検出手段は、前記イオン感応型電界効果トランジスタの各々のソース・ドレイン間電流を合計する
    ことを特徴とする電界効果型センサ。
  4. 請求項3記載の電界効果型センサにおいて、
    前記イオン感応型電界効果トランジスタの各々のバックゲートにノイズを印加するノイズ印加手段を備える
    ことを特徴とする電界効果型センサ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電界効果型センサにおいて、
    前記物質固定部は、前記イオン感応型電界効果トランジスタの各々に共通に設けられて前記イオン感応型電界効果トランジスタの各々のチャネルに容量接続する電極層と、
    この電極部に接して設けられた物質固定層と
    を備えることを特徴とする電界効果型センサ。
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